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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A61B
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 A61B
審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 取り消して特許、登録 A61B
管理番号 1341881
審判番号 不服2017-9855  
総通号数 224 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-07-04 
確定日 2018-07-24 
事件の表示 特願2013- 36021「超音波診断装置」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 9月 8日出願公開、特開2014-161554、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成25年2月26日の出願であって、平成28年9月20日付けで拒絶理由が通知され、同年11月28日付けで意見書及び手続補正書が提出され、平成29年3月30日付けで拒絶査定されたところ、同年7月4日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同時に手続補正がなされたものである。その後当審において平成30年3月27日付けで拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年5月31日付けで意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 原査定の概要
原査定(平成29年3月30日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
[理由1] 請求項1,3に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
[理由2] 請求項2に係る発明は、以下の引用文献1-3に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特表2005-500888号公報
2.特開2013- 27454号公報
3.特開平2-309934号公報

第3 本願発明
本願請求項1-3に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明3」という。)は、平成30年5月31日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-3に記載された事項により特定される、以下のとおりの発明である。(下線は、補正箇所を示す。)

「 【請求項1】
Bモードデータ、カラードプラデータ、ドプラスペクトラムデータを生成するデータ処理部と、
前記データ処理部で生成された前記Bモードデータ、前記カラードプラデータ、前記ドプラスペクトラムデータに基づく画像を表示する表示部と、システム制御部とを備え、
前記システム制御部は、前記Bモードデータ、前記カラードプラデータ、前記ドプラスペクトラムデータの順、あるいは、前記Bモードデータ、前記ドプラスペクトラムデータの順でデータの生成が遷移した場合は、エリアシングが起きているか否かを判定し、前記エリアシングが起きていると判定した場合、前記Bモードデータの生成が終了した後の所定の時間内に生成された前記カラードプラデータあるいは前記ドプラスペクトラムデータに基づいて、前記表示部に表示される前記ドプラスペクトラムデータに基づく画像の表示態様を変更し、前記エリアシングが起きていないと判定した場合、前記表示態様を変更せず、
前記所定の時間は、前記ドプラスペクトラムデータの生成に遷移したときから開始される時間であり、
前記Bモードデータ、前記カラードプラデータ、前記ドプラスペクトラムデータの順、あるいは、前記Bモードデータ、前記ドプラスペクトラムデータの順でデータの生成が遷移していない場合は、エリアシングが起きているか否かの判定を行うことなく、前記表示態様を変更しないことを特徴とする、
超音波診断装置。
【請求項2】
患者の心拍を計測するECGユニットを備え、
前記所定の時間は、前記ECGユニットによって計測された前記患者の心拍における少なくとも1心拍分の時間である請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記システム制御部は、Scale、拡大率・縮小率のうち少なくとも一つを調整することで前記表示部に表示される前記ドプラスペクトラムデータに基づく画像の前記表示態様を変更する請求項1または請求項2に記載の超音波診断装置。」

第4 引用文献・引用発明等
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特表2005-500888号公報)には、次の事項が記載されている。(下線は、当審で付したものである。以下同じ。)

(引1a)「 【0003】
本発明の原理によれば、ドップラPRF及び表示基線(位置及び極性)のようなドップラ設定値が当該超音波システムにより自動的に最適化される超音波診断画像形成システムが提供される。臨床医は、ドップラ表示パラメータのうち1つ若しくは幾つか又は全てを自動的に最適化させるかどうか、また、最適化が更新される周期性を決定することができる。スペクトルドップラPRF及び基線オフセット並びに反転は、当該スペクトルトレース内のデータ又は対応するカラーMモードトレースのカラーデータ或いはカラードップラ画像を用いて自動的に最適化することができる。カラードップラ画像PRF及び基線は、それ自身のカラードップラ推定データ又は対応するスペクトルドップラトレース又はカラーMモード表示内のデータを用いて自動的に最適化することができる。カラーMモードPRF及び基線は、それ自身のドップラ推定データ又は対応するスペクトルドップラトレース若しくはカラードップラ表示内のデータを用いて自動的に最適化することができる。」

(引1b) 「 【0009】
図1には、本発明の原理に基づいて構成された超音波システムがブロック図で示されている。この実施例では、スペクトルドップラ表示のpwPRF,基線位置又は基線反転を自動的に最適化するためにスペクトルデータが用いられる。超音波トランデューサ12を備えるスキャンヘッド10は、超音波を送信し超音波エコー信号を受信する。受信したエコー信号は、送信周波数と同じ周波数となることもあり、或いは当該送信周波数の高高調波又は低高調波ともなりうる。トランスデューサの送信及び受信エコー信号の処理の制御は、捕捉ビームフォーマ14によって行われる。コヒーレントエコー信号は、米国特許第6,139,501号に記述されているようにBモード及びドップラ双方の表示のために用いられたり、スペクトル及び/又はカラーフロー表示のためにドップラ処理器16及び18に結合されたり、又はBモード表示のために検出され処理されたりする。この処理されたBモード及びドップラの信号は、画像処理器22に結合され、ここで所望の画像フォーマットによる表示のために処理された後、画像表示器26に表示される。リアルタイム画像の各系列は、高周波(又はr.f.)の表示形態、推定値の表示形態、原始的表示形態又は複合的表示形態でシネループメモリ24に取り込まれ記憶されることが可能であり、これに基づいて、さらに詳細な分析のために再生され又は以下に説明するように再処理されることができる。
【0010】
本発明の原理によれば、速度表示最適化器20は、スペクトルドップラデータを分析又は解析し、その分析結果を、速度範囲(PRF)、ドップラ基線位置及び基線反転などのスペクトルドップラ表示のパラメータを自動的に調整するのに用いる。ここで図示されている実施例において、この速度表示最適化器は、スペクトルドップラ処理器16からスペクトルデータを受信し、スペクトルドップラ表示のための表示パラメータを返す。速度表示最適化器は、ライン52より超音波システムの捕捉部に当該PRF、サンプルボリュームサイズ及びトラッキング並びに送信操作及びDライン位置のための情報のような制御パラメータを送る。フォールフィルタ(wall filter)、サンプルボリューム深度及びスクロール速度は、ライン56によりスペクトルドップラ処理器に供給されたパラメータの中のものである。基線ポジショニング、反転、カラーマップ、ドップラ角補正及びサンプルボリュームトラッキングなどのパラメータは、ライン54により画像処理器に供給される情報の中のものである。好適実施例においては、速度表示最適化器20は、ユーザにより設定された制御設定値(又は条件)により呼び出されるそうしたパラメータを調整する。例えば、ユーザは、特定のパラメータの自動的調整を「オン」又は「オフ」にするために利用可能な個別のハード又はソフトキーを使うことができる。ユーザは、例えば「自動PRF」ボタン、「自動基線」ボタン及び/又は「自動反転」ボタンから選択することができる。こうした制御の1つを設定することにより、特定のパラメータを自動的に設定するよう当該超音波システムが条件づけられる。ユーザはまた、ドップラパラメータの全てについての自動的な調整を起動するための「自動ドップラ」ボタンを選択することもできる。この自動調整は、時間の経過とともに周期的に行われるものとしたり、モード変更などの動作状況やECGトリガ信号に応答して、或いは所定の心拍間隔後に行われるものとすることができる。当該ボタンをオフにすると、ユーザが従来のように手動(マニュアル)でドップラパラメータを設定することが必要となる。」

(引1c)「 【0023】
自動的な最適化の起動を可能とする方法は色々ある。1つのアプローチは、スペクトル表示において示される現行の心臓行程のデータのような1つ又は幾つかの心臓行程のドップラデータに基づいてユーザが自動最適化ボタンを選択したときのみ画像を最適化することである。自動的最適化は、最適化を維持するよう幾つかの心臓行程毎に又は何秒か毎に周期的に起動可能である。最初は、十分な量のデータが取り込まれかつ最適化の計算に利用可能となるまでに十分な数の心臓行程が得られた場合に自動的最適化が延ばされるようにしてもよい。最適化は、ユーザがサンプルボリュームを動かす度に又はカラーボックス42が調整又はリセットされる度に自動的に起動されるようにすることができる。また、最適化は、画像形成モードが変更される度に、例えばBモードからカラーへ変更されたとき又はスペクトルデータ取込が開始されたときに、自動的に起動されるようにすることができる。好ましくは、速度表示最適化器は、自動的最適化がユーザにより起動されていないときでも、ドップラ取込中において最適なパラメータを生成するよう当該背景(バックグラウンド)において連続的に実行をなすのがよい。このようにすることにより、ユーザがドップラ表示を自動的に最適化するようユーザが選択しているときは、直ちに最適パラメータを利用することが可能となる。」

これらの記載を総合すると、上記引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認める。

「超音波トランスデューサ12を備えるスキャンヘッド10によって受信された超音波エコー信号のうちコヒーレントエコー信号を、スペクトル及び/又はカラーフロー表示のためにドップラ処理器16及び18に結合したり、又はBモード表示のために検出し処理したりし、
この処理したBモード及びドップラの信号を、画像処理器22に結合し、ここで所望の画像フォーマットによる表示のために処理した後、画像表示器26に表示し、
速度表示最適化器20は、スペクトルドップラデータを分析又は解析し、その分析結果を用いて、速度範囲(PRF)、ドップラ基線位置及び基線反転などのスペクトルドップラ表示のパラメータを自動的に調整することにより、スペクトルドップラ表示のpwPRF,基線位置又は基線反転を自動的に最適化し、
最適化は、画像形成モードが変更される度に、Bモードからカラーへ変更されたとき又はスペクトルデータ取込が開始されたときに、自動的に起動されるようにすることができる、
超音波診断画像形成システム。」

2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(特開2013-27454号公報)には、被検体の所定の心拍回数に対応する時間において取得されるドプラシフト分布データの数をデータ数jとし、ドプラシフト分布データD0?Dj-1のうち、境界ピクセルが所定数以上のものがある場合は、折り返し現象が生じているものとし、折り返し現象が生じている場合には、設定された繰り返し周波数PRFの値を維持する超音波診断装置、が開示されている(引用文献2の段落【0051】、段落【0055】及び段落【0056】を参照)。

3 引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3(特開平2-309934号公報)には、少なくとも1心拍中の周波数解析により得られる平均周波数における変化分を検出し、該変化分に基づき折り返りが発生しているか否かを判定する判定手段と、この判定手段により折り返りが発生していると判断されたとき表示における零ラインを変更し設定する設定手段と、を具備した、超音波ドプラ血流測定装置、が開示されている(同文献の特許請求の範囲第2項を参照)。

第5 対比
1 引用発明の「超音波診断画像形成システム」は、本願発明1の「超音波診断装置」に相当する。

2 引用発明の「Bモード及びドップラの信号」は、本願発明1の「Bモードデータ、カラードプラデータ、ドプラスペクトラムデータ」に相当する。そして、引用発明は、「超音波トランスデューサ12を備えるスキャンヘッド10によって受信された超音波エコー信号のうちコヒーレントエコー信号」を、「スペクトル及び/又はカラーフロー表示のために」ドップラ処理器16及び18に結合したり、Bモード表示のために検出し処理したりすることにより「Bモード及びドップラの信号」を生成しているから、そのためのデータ処理部を有することは明らかである。そうすると、引用発明の「超音波診断画像形成システム」と本願発明1の「超音波診断装置」とは、Bモードデータ、カラードプラデータ、ドプラスペクトラムデータを生成するデータ処理部を備えている点で共通する。

3 引用発明における「この処理したBモード及びドップラの信号を、画像処理器22に結合し、ここで所望の画像フォーマットによる表示のために処理した後」「表示」する「画像表示器26」は、本願発明1における「前記データ処理部で生成された前記Bモードデータ、前記カラードプラデータ、前記ドプラスペクトラムデータに基づく画像を表示する表示部」に相当する。

4 引用発明における「スペクトルドップラデータ」は、本願発明1における「ドプラスペクトラムデータ」に相当する。そして、引用発明は、「スペクトルドップラデータを分析又は解析し、その分析結果を用いて、速度範囲(PRF)、ドップラ基線位置及び基線反転などのスペクトルドップラ表示のパラメータを、自動的に調整することにより、スペクトルドップラ表示のpwPRF,基線位置又は基線反転を自動的に最適化」しているから、引用発明の「速度表示最適化器20」と、本願発明1の「システム制御部」とは、「前記カラードプラデータあるいは前記ドプラスペクトラムデータに基づいて、前記表示部に表示される前記ドプラスペクトラムデータに基づく画像の表示態様を変更」する「システム制御部」である点で、共通する。

5 よって、本願発明1と引用発明とは、以下の点で一致する。
「 Bモードデータ、カラードプラデータ、ドプラスペクトラムデータを生成するデータ処理部と、
前記データ処理部で生成された前記Bモードデータ、前記カラードプラデータ、前記ドプラスペクトラムデータに基づく画像を表示する表示部と、システム制御部とを備え、
前記システム制御部は、前記カラードプラデータあるいは前記ドプラスペクトラムデータに基づいて、前記表示部に表示される前記ドプラスペクトラムデータに基づく画像の表示態様を変更する、
超音波診断装置。」

また、本願発明1と引用発明とは、以下の点で相違する。

(相違点1)本願発明1の「システム制御部」は、「前記Bモードデータ、前記カラードプラデータ、前記ドプラスペクトラムデータの順、あるいは、前記Bモードデータ、前記ドプラスペクトラムデータの順でデータの生成が遷移した場合に、エリアシングが起きているか否かを判定し、前記エリアシングが起きていると判定した場合」に「前記表示部に表示される前記ドプラスペクトラムデータに基づく画像の表示態様を変更」し、「前記エリアシングが起きていないと判定した場合、前記表示態様を変更せず」、「前記Bモードデータ、前記カラードプラデータ、前記ドプラスペクトラムデータの順、あるいは、前記Bモードデータ、前記ドプラスペクトラムデータの順でデータの生成が遷移していない場合は、エリアシングが起きているか否かの判定を行うことなく、前記表示態様を変更しない」のに対して、引用発明の「速度表示最適化器20」は、「画像形成モードが変更される度に、例えばBモードからカラーへ変更されたとき又はスペクトルデータ取込が開始されたとき」に「ドップラPRF及び表示基線(位置及び極性)のようなドップラ設定値が自動的に最適化」される点。

(相違点2)本願発明1の画像の表示態様を変更する際の「前記カラードプラデータあるいは前記ドプラスペクトラムデータ」は、「前記Bモードデータの生成が終了した後の」「前記ドプラスペクトラムデータの生成に遷移したときから開始される時間」「内に生成された」ものであるのに対して、引用発明の「スペクトルドップラ表示のpwPRF,基線位置又は基線反転」の「最適化」を行う際の「スペクトルドップラデータ」は、どの時間内に生成されたものであるか特定されていない点。

第6 判断
1 理由1(特許法第29条第1項第3号)について
(1)本願発明1について
第5の5にて前述したように、本願発明1と引用発明とは、前記相違点1及び相違点2について相違し、これらの相違点は実質的な相違点であると認められる。よって、本願発明1と引用発明とは、同一の発明でないから、本願発明1は特許法第29条第1項第3号に該当する発明ではない。

(2)本願発明2-3について
本願発明2-3は、本願発明1の発明特定事項をすべて有するものである。よって、本願発明2-3と引用発明とは、同一の発明でないから、本願発明2-3は特許法第29条第1項第3号に該当する発明ではない。

2 理由2(特許法第29条第2項)について
(1)本願発明1について
第5の5で前述したように、本願発明1と引用発明とは、前記相違点1及び相違点2について相違する。
そこで、まず相違点1について検討する。引用文献2に記載される技術事項における「折り返し現象」や引用文献3に記載される技術事項における「折り返り」は、共に本願発明1における「エリアシング」に相当するものである。しかし、「前記Bモードデータ、前記カラードプラデータ、前記ドプラスペクトラムデータの順、あるいは、前記Bモードデータ、前記ドプラスペクトラムデータの順でデータの生成が遷移した場合に、エリアシングが起きているか否かを判定し、前記エリアシングが起きていると判定した場合」に「前記表示部に表示される前記ドプラスペクトラムデータに基づく画像の表示態様を変更する」こと、「前記エリアシングが起きていないと判定した場合、前記表示態様を変更」しないこと、「前記Bモードデータ、前記カラードプラデータ、前記ドプラスペクトラムデータの順、あるいは、前記Bモードデータ、前記ドプラスペクトラムデータの順でデータの生成が遷移していない場合は、エリアシングが起きているか否かの判定を行うことなく、前記表示態様を変更しない」こと、は、いずれも、引用文献2、引用文献3のどちらにも記載されておらず、この技術事項は当業者が適宜設計し得たものでもない。
よって、相違点2について検討するまでもなく、本願発明1は、引用発明に基づいて、又は、引用発明及び引用文献2-3に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。

(2)本願発明2-3について
本願発明2-3は、本願発明1の発明特定事項をすべて有するものである。よって、本願発明2-3は、引用発明に基づいて、又は、引用発明及び引用文献2-3に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。

第7 当審拒絶理由について
当審では、本願発明1-3には技術上の意義が不明な点があり、本願発明1-3は経済産業省令で定めるところにより記載されたものではないとして、特許法第36条第4項第1号の拒絶理由(当審拒絶理由)を通知した。しかし、平成30年5月31日付けの手続補正において、請求項1において「エリアシングが起きていないと判定した場合、前記表示態様を変更」しないことが限定される補正がされたことにより、本願発明1-3の技術上の意義は明確になったため、当審拒絶理由は解消した。

第8 結び
以上のとおり、本願発明1-3は、特許法第29条第1項第3号に該当する発明ではなく、また、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものでもないから、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-07-09 
出願番号 特願2013-36021(P2013-36021)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (A61B)
P 1 8・ 536- WY (A61B)
P 1 8・ 113- WY (A61B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 関根 裕宮澤 浩  
特許庁審判長 福島 浩司
特許庁審判官 東松 修太郎
▲高▼見 重雄
発明の名称 超音波診断装置  
代理人 井上 正  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 峰 隆司  
代理人 野河 信久  
代理人 河野 直樹  
代理人 鵜飼 健  

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