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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  F21S
管理番号 1341944
異議申立番号 異議2016-700947  
総通号数 224 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-08-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-10-04 
確定日 2018-04-19 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5900719号発明「波長変換シート用保護フィルム、波長変換シート及びバックライトユニット」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5900719号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?11〕について訂正することを認める。 特許第5900719号の請求項1、6、7、9?11に係る特許を取り消す。 同請求項8に係る特許を維持する。 同請求項2?5に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 1.手続の経緯
特許第5900719号の請求項1?11に係る特許についての出願は、平成28年3月18日付けでその特許権の設定登録がされた(特許公報発行日平成28年4月6日)。その後、平成28年10月4日に特許異議申立人成田隆臣(以下、「異議申立人」という。)より請求項1?11に対して特許異議の申立てがされ、平成29年1月25日付けで取消理由が通知され、、平成29年4月3日に意見書の提出及び訂正請求がされ、平成29年5月9日に、特許法120条の5第5項に基づく通知がされ、平成29年6月6日に異議申立人から意見書が提出され、平成29年8月21日付けで取消理由通知(決定の予告)がされ、平成29年10月20日に意見書の提出及び訂正請求がされ、平成29年11月22日に、特許法第120条の5第5項に基づく通知がされ、平成29年12月27日に異議申立人から意見書が提出されたものである。

2.訂正の適否
(1)訂正の内容
平成29年10月20日にされた訂正請求(以下、「本件訂正請求」という。)による訂正の内容は、以下のとおりである。
なお、平成29年10月20日にされた訂正請求により、平成29年4月3日の訂正請求は取り下げられたものとみなされる(特許法第120条の5第7項)。
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1において、「バリアフィルムが、2以上積層された構造を有し、」とあるのを、「バリアフィルムが、2以上積層された構造を有し、2以上の前記バリアフィルムは、接着層を用いて積層されており、隣接する2つの前記バリアフィルムの前記バリア層同士が、前記接着層を介して対向する方に配置された構造を有し、」と訂正する。
イ 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1において、「前記バリア層が、前記基材の一方の面上に積層された無機薄膜層と、該無機薄膜層上に積層されたガスバリア性被覆層とを含む、」とあるのを、「前記バリア層が、前記基材の一方の面上に積層された無機薄膜層と、該無機薄膜層上に積層されたガスバリア性被覆層とを含み、前記無機薄膜層の厚さが25?100nmであり、前記ガスバリア性被覆層の厚さが50?500nmであり、」と訂正する。
ウ 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項1において、「波長変換シート用保護フィルム。」とあるのを、「光学的機能を有するコーティング層を更に有し、前記コーティング層が波長変換シート用保護フィルムの少なくとも一方の表面に配置されており、前記光学的機能が干渉縞防止機能であり、前記コーティング層が、バインダー樹脂と、該バインダー樹脂中に分散された微粒子とを含む、波長変換シート用保護フィルム。」と訂正する。
エ 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項2?5を削除する。
オ 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項6に「請求項1?5のいずれか一項に記載の波長変換シート用保護フィルム。」とあるのを、「請求項1に記載の波長変換シート用保護フィルム。」と訂正する。
カ 訂正事項6
特許請求の範囲の請求項7に「請求項1?6のいずれか一項に記載の波長変換シート用保護フィルム。」とあるのを、「請求項1又は6に記載の波長変換シート用保護フィルム。」と訂正する。
キ 訂正事項7
特許請求の範囲の請求項8に「請求項1?7のいずれか一項に記載の波長変換シート用保護フィルム。」とあるのを、「請求項1、6及び7のいずれか一項に記載の波長変換シート用保護フィルム。」と訂正する。
ク 訂正事項8
特許請求の範囲の請求項8の「少なくとも一方の表面に配置された光学的機能を有するコーティング層を更に有し、」との記載を削除する。
ケ 訂正事項9
特許請求の範囲の請求項9に「請求項1?8のいずれか一項に記載の波長変換シート用保護フィルム。」とあるのを、「請求項1及び6?8のいずれか一項に記載の波長変換シート用保護フィルム。」と訂正する。

(2)訂正の目的の適否、一群の請求項、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
ア 訂正事項1について
訂正事項1は、請求項1の「バリアフィルムが、2以上積層された構造」を更に限定するものであるといえ、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるといえる。
また、訂正事項1は、明細書の段落【0072】?【0076】、【図2】等の記載に基づいて導き出せる構成であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるといえる。
さらに、訂正事項1によって、発明のカテゴリーや目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
イ 訂正事項2について
訂正事項2は、請求項1の「無機薄膜層」及び「ガスバリア性被覆層」の厚さを限定するものであるといえ、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるといえる。
また、訂正事項2は、明細書の段落【0048】、【0125】の記載に基づいて導き出せる構成であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるといえる。
さらに、訂正事項2によって、発明のカテゴリーや目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
ウ 訂正事項3について
訂正事項3は、請求項1の「波長変換シート用保護フィルム」が「コーティング層を更に有」することを限定し、かつ、「コーティング層」について限定を付加するものであるといえ、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるといえる。
また、訂正事項3は、明細書の段落【0057】、【図1】、段落【0072】、【0074】、【図2】等の記載に基づいて導き出せる構成であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるといえる。
さらに、訂正事項3によって、発明のカテゴリーや目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
エ 訂正事項4について
訂正事項4は、請求項2?5を削除するというものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるといえる。
また、訂正事項4が、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかである。
オ 訂正事項5?7及び9について
訂正事項5?7及び9は、それぞれ、請求項6?9の引用請求項を減少させるものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるといえる。
また、訂正事項5?7及び9が、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかである。
カ 訂正事項8について
訂正事項8は、訂正事項3によって請求項8に生じた実質上重複した記載の一方を削除するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるといえる。
また、訂正事項8が、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかである。
キ そして、訂正事項1?9の訂正は一群の請求項に対して請求されたものである。
ク 小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項並びに同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定並びに同法第120条の5第4項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1?11〕について訂正を認める。

3.特許異議申立についての当審の判断
(1)取消理由通知に記載した取消理由について
ア 本件発明
上記「2.」のとおり本件訂正請求が認められるので、訂正後の訂正請求項1及び6?11に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」及び「本件発明6」?「本件発明11」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1及び6?11に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
「【請求項1】
波長変換シートにおける蛍光体を保護するための波長変換シート用保護フィルムであって、
基材と、該基材の少なくとも一方の面上に設けられた1以上のバリア層と、を有するバリアフィルムが、2以上積層された構造を有し、
2以上の前記バリアフィルムは、接着層を用いて積層されており、
隣接する2つの前記バリアフィルムの前記バリア層同士が、前記接着層を介して対向するように配置された構造を有し、
前記バリア層が、前記基材の一方の面上に積層された無機薄膜層と、該無機薄膜層上に積層されたガスバリア性被覆層とを含み、
前記無機薄膜層の厚さが25?100nmであり、
前記ガスバリア性被覆層の厚さが50?500nmであり、
光学的機能を有するコーティング層を更に有し、前記コーティング層が波長変換シート用保護フィルムの少なくとも一方の表面に配置されており、
前記光学的機能が干渉縞防止機能であり、
前記コーティング層が、バインダー樹脂と、該バインダー樹脂中に分散された微粒子とを含む、波長変換シート用保護フィルム。」
【請求項6】
前記バリア層が、前記無機薄膜層と前記ガスバリア性被覆層とが交互に2層ずつ以上積層された構造を有する、請求項1に記載の波長変換シート用保護フィルム。
【請求項7】
前記ガスバリア性被覆層が、水酸基含有高分子化合物、金属アルコキシド、金属アルコキシド加水分解物及び金属アルコキシド重合物のうちの少なくとも一種を含有する層である、請求項1又は6に記載の波長変換シート用保護フィルム。
【請求項8】
前記バリア層が無機薄膜層としてシリカ蒸着層を含み、
前記シリカ蒸着層に含まれる酸素とケイ素のO/Si比が原子比で1.7以上2.0以下であり、
前記シリカ蒸着層の屈折率が1.5以上1.7以下であり、
波長450nm、波長540nm、及び波長620nmの全ての波長において、前記波長変換シート用保護フィルムの反射率が10%以上20%以下であり、且つ、透過率が80%以上95%以下である、請求項1、6及び7のいずれか一項に記載の波長変換シート用保護フィルム。
【請求項9】
蛍光体を含む蛍光体層と、該蛍光体層の少なくとも一方の面上に積層された請求項1及び6?8のいずれか一項に記載の波長変換シート用保護フィルムと、を備える波長変換シート。
【請求項10】
前記波長変換シート用保護フィルムが、前記蛍光体層と対向する側とは反対側の面上に、光学的機能を有するコーティング層を有する、請求項9に記載の波長変換シート。
【請求項11】
LED光源と、導光板と、請求項9又は10に記載の波長変換シートと、を備えるバックライトユニット。」

イ 取消理由の概要
本件訂正請求前の請求項2?11に係る特許に対して平成29年8月21日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は次のとおりである。
(ア)請求項2に係る発明は、当業者が下記刊行物1に記載された発明及び下記刊行物2に記載の技術に基いて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、請求項2に係る特許は、取り消されるべきものである。
(イ)請求項3?5に係る特許は、当業者が下記刊行物1に記載された発明、下記刊行物2に記載の技術及び周知・慣用の技術に基いて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、請求項3?5に係る特許は、取り消されるべきものである。
(ウ)請求項6、7及び9?11に係る発明は、当業者が下記刊行物1に記載された発明及び下記刊行物2に記載の技術に基いて、あるいは、下記刊行物1に記載された発明、下記刊行物2に記載の技術及び周知・慣用の技術に基いて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、請求項6、7及び9?11に係る特許は、取り消されるべきものである。

刊行物
刊行物1:特表2013-544018号公報
刊行物2:再公表特許WO2004/101276号公報
刊行物3:特開2014-40572号公報(周知・慣用の技術の例示として)
ここで、上記刊行物1は、異議申立人の提出した甲第1号証、同じく刊行物2及び3は、それぞれ甲第2及び3号証である。
なお、本件訂正請求により、平成29年4月3日の訂正請求は取り下げられたものとみなされるところ(特許法第120条の5第7項)、本件発明1は、実質的には、本件訂正前の請求項5に係る発明(上記(イ)で取消理由を通知した請求項に係る発明)を減縮したものといえる。

ウ 刊行物の記載等
(ア)刊行物1の記載
取消理由通知において引用した刊行物1には、図面とともに次の記載がある(下線は一部を除き当審で付した。)。
「【0002】
本発明は、量子ドット(QD)蛍光体フィルム、QD照明装置、および関連方法に関する。」
「【0110】
バリア(当審注:この行の下線は刊行物のまま)
好ましい実施形態において、QDフィルムは、QD蛍光体材料層のいずれか1つまたは両方の側面に配置される、1つ以上のバリア層を含む。好適なバリア層は、QDおよびQD蛍光体材料を、高温、酸素、および湿気等の環境条件から保護する。・・・」
「【0111】
・・・好ましくは、QDフィルムの各バリア層は、異なる材料または組成物を含む少なくとも2つの層を含み、その結果、多層状のバリアが、バリア層内のピンホール欠陥配列を排除または減少させ、QD蛍光体材料内への酸素および湿気の侵入に対する効果的なバリアを提供するようになる。QDフィルムは、任意の好適な材料または材料の組み合わせ、ならびにQD蛍光体材料のいずれかもしくは両方の側面上の任意の好適な数のバリア層を含んでもよい。バリア層の材料、厚さ、および数は、具体的な用途に依存することになり、好適には、QDフィルムの厚さを最小化しながらも、QD蛍光体のバリア保護および輝度を最大化するように、選択されることになる。・・・」
「【0112】
好ましい実施形態において、QDフィルムは、QD蛍光体材料の各側面に隣接する2つ以上のバリア層を含み、好ましくは、各側面上に2つまたは3つの層、最も好ましくは、QD蛍光体材料の各側面上に2つのバリア層を含む。好ましくは、各バリア層は、ポリマーフィルムの少なくとも1つの側面上に薄い酸化物コーティングを有する、薄いポリマーフィルムを含む。好ましくは、バリア層は、1つの側面に、酸化ケイ素(例えば、SiO_(2)またはSi_(2)O_(3))の薄層でコーティングされた、薄いPETフィルムを含む。・・・」
「【0113】
図14Aの例示の実施形態に示されるように、QD BLU1400は、一次光源1410、任意の光抽出特徴部1450を有するLGP1406、LGPの真下に配置される反射フィルム1408、BEF1401、およびLGPとBEFとの間に配置されるQDフィルム1402を含む。図14Bに示されるように、QDフィルム1402は、上部バリア1420および底部バリア1422を含む。バリア1420および1422のそれぞれは、QD蛍光体材料1404に隣接する第1の副層1420a/1422a、および第1の層1420a/1422a上の少なくとも第2の副層1420b/1422bを含む。好ましい実施形態において、副層の材料および数は、隣接する副層間のピンホール配列を最小化するように選択される。好ましい実施形態において、上部バリア1420および底部バリア1422のそれぞれは、酸化ケイ素を含む第1の副層1420a/1422aおよびPETを含む第2の副層1420b/1422bを含む。好ましくは、酸化ケイ素を含む第1の副層1420a/1422aは、QD蛍光体材料1404に直接隣接して配置され、PETを含む第2の副層1420b/1422bは、第1の副層1420a/1422aが、QD蛍光体材料1404と第2の副層1420b/1422bとの間に配置されるように、第1の副層1420a/1422aの上に配置される。1つの例示の実施形態において、QD蛍光体材料は、約50μmの厚さを有し、酸化ケイ素を含む第1の副層のそれぞれは、約8μmの厚さを有し、PETを含む第2の副層のそれぞれは、約12μmの厚さを有する。 」
「【0114】
好ましい実施形態において、図14Cに示されるように、上部バリアおよび底部バリアは、それぞれ、二重バリア(すなわち、2つのバリア層)を含む。上部バリア1420は、第1のバリア層および第2のバリア層を含み、第1のバリア層は、第1の副層1420aおよび第2の副層1420bを含み、第2のバリア層は、第1の副層1420cおよび第2の副層1420dを含む。底部バリア1422は、第1のバリア層および第2のバリア層を含み、第1のバリア層は、第1の副層1422aおよび第2の副層1422bを含み、第2のバリア層は、第1の副層1422cおよび第2の副層1422dを含む。好ましくは、第1の副層1420a、1420c、1422a、および1422cは、酸化ケイ素を含み、第2の副層1420b、1420d、1422b、および1422dは、PETを含む。1つの例示の実施形態において、QD蛍光体材料は、約100μmの厚さを有し、二酸化ケイ素を含む第1の副層のそれぞれは、約8μmの厚さを有し、PETを含む第2の副層のそれぞれは、約12μmの厚さを有する。」
「【0115】
1つ以上のバリア層のいずれも、図15Aに示されるように、表示面にわたって一貫した厚さおよび構造を有する層を含む。バリア層のいずれも、それぞれ、図15B、15C、および15Dに示されるように、バリア層の上部、底部、ならびに上部および底部両方の表面に、特徴部1550をさらに含んでもよい。当業者には理解されるように、特徴部1550を有するか、または有しない、このようなバリア層の任意の好適な組み合わせを採用することができる。図15B?15Iに示される種々の例示的な実施形態に示されるように、バリア層の特徴部1550は、プリズム、ピッチ、レンズ、隆起、波状特徴、スクラッチ、レンズ、ドーム、または無作為に細かく凸凹を付けた表面を含む、任意の好適なテクスチャまたはパターンを備え得る。好適には、特徴部は、例えば、LGP、QDフィルム、またはBLUの他の層における不完全性を光学的に補うために、QDフィルム内で光を散乱させるか、またはQDフィルムの上部から伝送する光を拡散させるための、光散乱または拡散特徴部であり得る。・・・」
「【0121】
本発明のQDフィルムの各バリア層は、当業者には理解されるように、照明装置および用途の具体的な要件および特性、ならびにバリア層およびQD蛍光体材料等の個々のフィルム構成要素に依存することになる、任意の好適な厚さを有し得る。ある特定の実施形態において、各バリア層は、50μm以下、40μm以下、30μm以下、好ましくは25μm以下または20μm以下、最も好ましくは15μm以下の厚さを有し得る。ある特定の実施形態において、バリア層は、酸化ケイ素、酸化チタン、および酸化アルミニウム(例えば、SiO_(2)、Si_(2)O_(3)、TiO_(2)、またはAl_(2)O_(3))等の材料を含み得る、酸化物コーティングを含む。酸化物コーティングは、約10μm以下、5μm以下、1μm以下、または100nm以下の厚さを有してもよい。ある特定の実施形態において、バリアは、約100nm以下の厚さを有する薄い酸化物コーティングを含み、10nm以下、5nm以下、または3nm以下の厚さを有し得る。上部および/または底部バリアは、薄い酸化物コーティングから構成されてもよく、または薄い酸化物コーティングおよび1つ以上の追加の材料層を含んでもよい。」
「【0146】
要素間の媒体材料(当審注:この行の下線は刊行物のまま)
本発明のQD照明装置は、照明装置の隣接する要素間に、1つ以上の媒体材料を備える。装置は、一次光源とLGPの間、LGPとQDフィルムの間、QD蛍光体材料内の異なる層または領域の間、QD蛍光体材料と1つ以上のバリア層との間、QD蛍光体材料とLGPとの間、QD蛍光体材料と1つ以上のBEF、拡散体、反射体、または他の特徴部との間、複数のバリア層の間、または照明装置任意の他の要素の間、を含む、装置内の隣接する要素のいずれかの間に配置される、1つ以上の媒体材料を含んでもよい。1つ以上の媒体には、真空、空気、ガス、光学材料、接着剤、光学接着剤、ガラス、ポリマー、固体、液体、ゲル、硬化材料、光学結合材料、屈折率整合または屈折率不整合材料、屈折率勾配材料、クラッディングまたは抗クラッディング材料、スペーサー、エポキシ、シリカゲル、シリコーン、本明細書に記載の任意のマトリックス材料、輝度強化材料、散乱または拡散材料、反射または抗反射材料、波長選択性材料、波長選択性抗反射材料、色フィルター、または当該技術分野で既知の他の好適な媒体、が含まれるが、これらに限定されない、任意の好適な材料が含まれてもよい。好適な媒体材料には、光学的に透明な、非黄変、圧力感受性の光学接着剤が含まれる。好適な材料には、シリコーン、シリコーンゲル、シリカゲル、エポキシ(例えば、Loctite(商標)エポキシE-30CL)、アクリレート(例えば、3M(商標)接着剤2175)、および本明細書に記載のマトリックス材料が挙げられる。1つ以上の媒体材料は、硬化可能ゲルまたは液体として適用し、被着中もしくは後に硬化するか、または被着の前に事前形成および事前硬化することができる。好適な硬化方法には、紫外線硬化、熱硬化、化学硬化、または当該技術分野で既知の他の好適な硬化方法が含まれる。好適には、屈折率整合媒体材料は、照明装置の要素間の光学的損失を最小化するように選択することができる。」
(イ)刊行物1に記載された発明
以上の記載から刊行物1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「QD(量子ドット)フィルムにおけるQD(量子ドット)蛍光体材料を、高温、酸素、及び湿気等の環境条件から保護するバリア層であって、
バリア層は、QD蛍光体材料の各側面に隣接する少なくとも2つのバリア層を含み、 少なくとも2つのバリア層の間には光学接着剤が配置され、
各バリア層は、1つの側面に、酸化ケイ素の薄層でコーティングされた薄いPETフィルムを含み、
バリア層の上部の表面に特徴部を含み、
特徴部は、無作為に細かく凸凹を付けた表面を含み、QDフィルムにおける不完全性を光学的に補うために、QDフィルムの上部から伝送する光を拡散させるための、光散乱または拡散特徴部である、QD蛍光体材料のバリア層。」
(ウ)刊行物1に記載された技術
a 刊行物1の段落【0113】、【0114】、図14B、図14Cの記載から、刊行物1には、「QD蛍光体材料1404と、このQD蛍光体材料1404が上部バリア1420および底部バリア1422との間に配置され、しかも、上部バリア1420および底部バリア1422が、それぞれ二重バリア(すなわち、2つのバリア層)を含む、QDフィルム1402の技術」(以下、「刊行物1の技術1」という。)が記載されているといえる。
b また、刊行物1の段落【0113】、図14Aの記載から、刊行物1には、「一次光源1410と、LGP(導光パネル)1406と、QDフィルム1402と、を備えるQD BLU(QDバックライトユニット)の技術」(以下、刊行物1の技術2」という。)が記載されているといえる。
なお、以上の刊行物1の技術1及び2を区別を付けずに便宜上「刊行物1の技術」という場合がある。
(エ)刊行物2に記載された技術
a 刊行物2の第7ページ第26?30行及び第4図の記載から、刊行物2には、「各々基材3、基材3上に蒸着された無機酸化物蒸着層4、無機酸化物蒸着層4上に形成された第1のガスバリア性被膜層6を含む複合フィルム8からなる2つの複合フィルム8を、その第1のガスバリア性被膜層6を粘着層2を介して対向して積層配置した構成の透明ガスバリア積層フィルム40」という技術、すなわち、「隣接する複合フィルム8のそれぞれの基材3上に、無機酸化物蒸着層4とこの無機酸化物蒸着層4上に第1のガスバリア性被膜層6を形成し、さらに、第1のガスバリア性被膜層6を接着層を介して対向するように配置した構成の技術」(以下、「刊行物2の技術1」という。)が記載されているといえる。
b また、 刊行物2の第8ページ第26?37行、図6の記載からすれば、刊行物2には、「2つの透明ガスバリアフィルムが、各々基材3、基材3上に蒸着された第1の無機酸化物蒸着層4、第1の無機酸化物蒸着層4上に形成された第1のガスバリア性被膜層6、第1のガスバリア性被膜層6上に形成された第2の無機酸化物蒸着層4’、及び第2の無機酸化物蒸着層4’上に形成された第2のガスバリア性被膜層6’を含む複合フィルム8’からなり、その第2のガスバリア性被膜層6’が粘着層2を介して積層された、透明ガスバリア積層フィルム60の構成の技術」、すなわち、「バリア層が、無機薄膜層と、ガスバリア被覆層とが交互に2層ずつ以上積層された構成の技術」(以下、「刊行物2の技術2」という。)が記載されているといえる。
c さらに、刊行物2の【請求項5】および【請求項7】の記載から、刊行物2には、「基材上に蒸着された無機酸化物蒸着層上に、水溶性高分子と、1種以上の金属アルコキシドまたは/およびその加水分解物を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し加熱乾燥してなるガスバリア性被膜層を含む、また、水溶性高分子がポリビニルアルコールである、透明ガスバリア積層フィルムの技術」(以下、「刊行物2の技術3」という)が記載されているといえる。
なお、以上の刊行物2の技術1?3の区別を付けずに便宜上「刊行物2の技術」という場合がある。

エ 対比・判断
(ア)本件発明1について
a 対比
本件発明1と引用発明とを対比する。
(a)引用発明の「QD(量子ドット)フィルムにおけるQD(量子ドット)蛍光体材料」は、このQDフィルムにおけるQD(量子ドット)蛍光体材料中のQD(量子ドット)によって、一次光を吸収し、一次光より長い波長を有する二次光を放出するものであるから(段落【0006】)、引用発明の「QD(量子ドット)」は本件発明1の「蛍光体」に相当する。そして、引用発明の「QD(量子ドット)フィルム」は、QD蛍光体材料層のいずれか1つまたは両方の側面に配置される、1つ以上のバリア層を含むものであるから(段落【0110】)、引用発明の「QD(量子ドット)フィルム」は、本件発明1の「波長変換シート」に相当する。また、引用発明の「バリア層」は「QD(量子ドット)フィルムにおけるQD(量子ドット)蛍光体材料を、高温、酸素、及び湿気等の環境条件から保護する」ものであり、かつ、「バリア層は、1つの側面に、酸化ケイ素の薄層でコーティングされた薄いPETフィルムを含む」ものであるから、フィルム状であるといえる。したがって、引用発明の「QD蛍光体材料のバリア層」は本件発明1の「波長変換シート用保護フィルム」に相当する。
よって、引用発明の「QDフィルムにおけるQD(量子ドット)蛍光体材料を、高温、酸素、及び湿気等の環境条件から保護するバリア層」は、本件発明1の「波長変換シートにおける蛍光体を保護するための波長変換シート用保護フィルム」に相当する。
(b)引用発明の「バリア層」は、「少なくとも2つのバリア層を含」むものであるが、その各々の「バリア層」、すなわち「各バリア層」は、「1つの側面に、酸化ケイ素の薄層でコーティングされた薄いPETフィルムを含む」ものであるから、技術的にみてPETフィルムを基材として、その1つの側面に酸化ケイ素を薄くコーティングしたものであるといえる。したがって、引用発明の「PETフィルム」は本件発明1の「基材」に相当し、引用発明の「少なくとも2つのバリア層」における「バリア層」あるいは「各バリア層」は、本件発明1の「バリアフィルム」に相当する。
また、引用発明の「少なくとも2つのバリア層」における「バリア層」あるいは「各バリア層」における「酸化ケイ素の薄層」が、技術的にみて、QDフィルムにおけるQD(量子ドット)蛍光体材料を高温、酸素、及び湿気等の環境条件から保護するバリア機能を有することは明らかであるから、引用発明の「酸化ケイ素の薄層」は、本件発明1の「1以上のバリア層」との対比において、「1以上のバリア機能を有する層」の限度で共通する。
よって、引用発明の「1つの側面に、酸化ケイ素の薄層でコーティングされた薄いPETフィルム」は本件発明1の「基材と、該基材の少なくとも一方の面上に設けられた1以上のバリア層と、を有するバリアフィルム」との対比において「基材と、該基材の少なくとも一方の面上に設けられた1以上のバリア機能を有する層と、を有するバリアフィルム」との限度で共通する。
さらに、引用発明の「バリア層」は「少なくとも2つのバリア層を含む」から、2以上積層された構造を有しているといえる。したがって、引用発明の「バリア層は、QD蛍光体材料の各側面に隣接する少なくとも2つのバリア層を含み」は、本件発明1の「基材と、該基材の少なくとも一方の面上に設けられた1以上のバリア層と、を有するバリアフィルムが、2以上積層された構造を有し」との対比において「基材と、該基材の少なくとも一方の面上に設けられた1以上のバリア機能を有する層と、を有するバリアフィルムが、2以上積層された構造を有し」との限度で共通する。
(c)引用発明の「少なくとも2つのバリア層の間には光学接着剤が配置され」ているから、少なくとも2つのバリア層は、光学接着剤を用いて積層されているといえるし、少なくとも2つのバリア層の間には、光学接着剤の層、すなわち接着層があるといえる。したがって、引用発明の「少なくとも2つのバリア層の間には光学接着剤が配置され」は、本件発明1の「2以上の前記バリアフィルムは、接着層を用いて積層されており」の限度で共通する。
(d)引用発明の「薄いPETフィルム」の「1つの側面に」「コーティングされた」「酸化ケイ素の薄層」は基材(PETフィルム)の一方の面上に積層された無機薄膜層であるといえる。よって、引用発明の「酸化ケイ素の薄層でコーティングされ」ることは、本件発明1の「前記バリア層が、前記基材の一方の面に積層された無機薄膜層と、該無機薄膜層上に積層されたガスバリア性被覆層とを含む」との対比において、「前記バリア層が、前記基材の一方の面上に積層された無機薄膜層とを含む」の限度で共通する。
(e)引用発明の「バリア層の上部の表面」の「特徴部」は、「QDフィルムにおける不完全性を光学的に補うために、QDフィルムの上部から伝送する光を拡散させるための、光散乱または拡散特徴部である」から、光学的機能を有する機能層であり、またQDフィルムのバリア層の少なくとも一方の表面に配置されているといえる。したがって、引用発明の「バリア層の上部の表面に特徴部を含み、特徴部は、無作為に細かく凸凹を付けた表面を含み、QDフィルムにおける不完全性を光学的に補うために、QDフィルムの上部から伝送する光を拡散させるための、光散乱または拡散特徴部である」ことは、本願発明1の「光学的機能を有するコーティング層を更に有し、前記コーティング層が波長変換シート用保護フィルムの少なくとも一方の表面に配置されており、前記光学的機能が干渉縞防止機能であり、前記コーティング層が、バインダー樹脂と、該バインダー樹脂中に分散された微粒子とを含む」こととの対比において、「光学的機能を有する機能層を更に有し、前記機能層が波長変換シート用保護フィルムの少なくとも一方の表面に配置されて」いる限度で共通する。
(f)以上のとおりであるから、本件発明1と引用発明との一致点及び相違点は次のとおりである。
<一致点>
「波長変換シートにおける蛍光体を保護するための波長変換シート用保護フィルムであって、
基材と、該基材の少なくとも一方の面上に設けられた1以上のバリア機能を有する層と、を有するバリアフィルムが、2以上積層された構造を有し、
2以上の前記バリアフィルムは、接着層を用いて積層されており、
前記バリア層が、前記基材の一方の面上に積層された無機薄膜層とを含み、
光学的機能を有する機能層を更に有し、前記機能層が波長変換シート用保護フィルムの少なくとも一方の表面に配置されている、波長変換シート用保護フィルム。」
<相違点1>
本件発明1は、「隣接する2つの前記バリアフィルムの前記バリア層同士が、前記接着層を介して対向するように配置された構造を有し、」「前記バリア層が、前記基材の一方の面上の積層された無機薄膜層と、該無機薄膜層上に積層されたガスバリア性被覆層とを含み、前記無機薄膜層の厚さが25?100nmであり、前記ガスバリア性被覆層の厚さが50?500nmであ」るのに対し、引用発明の「少なくとも2つのバリア層」における「バリア層」あるいは「各バリア層」は「1つの側面に、酸化ケイ素の薄層でコーティングされた薄いPETフィルムを含む」ものである点。
<相違点2>
本件発明1は、光学的機能を有する機能層が「コーティング層」であり、「前記光学的機能が干渉縞防止機能であり、前記コーティング層が、バインダー樹脂と、該バインダー樹脂中に分散された微粒子とを含む」ものであるのに対し、引用発明は、「特徴部は、無作為に細かく凸凹を付けた表面を含み、QDフィルムにおける不完全性を光学的に補うために、QDフィルムの上部から伝送する光を拡散させるための、光散乱または拡散特徴部である」点。
b 判断
(a)相違点1について
取消理由通知において引用した刊行物2には、 上記「ウ(エ)a」で述べたとおり、刊行物2の技術1である、「隣接する複合フィルム8のそれぞれの基材3上に、無機酸化物蒸着層4とこの無機酸化物蒸着層4上に第1のガスバリア性被膜層6を形成し、さらに、第1のガスバリア性被膜層6を接着層を介して対向するように配置した構成の技術」が記載されているといえる。
刊行物2の技術1は、酸素、水蒸気等の高ガスバリア性を有し、かつ、透明性に優れるため、光学部材等の分野に使用される光学フィルムとして好適に用いられることが記載されているし(第12ページ第31?34行、他に、第3ページ第5?8行、第9ページ第24?32行)、高ガスバリア性フィルムを蛍光体層保護フィルムや有機EL素子用バリアフィルムに用いることは当業者には、周知・慣用であるともいえる(例えば、特開2014-58154号公報、段落【0077】)から、刊行物2に記載の技術1を、同じ光学分野における光学材料であるQD(量子ドット)フィルムにおけるQD(量子ドット)蛍光体材料を、高温、酸素、及び湿気等の環境条件から保護するバリア層として適用する(引用発明に適用する)ことの動機付けがあるといえる。
そして、刊行物2には、「無機酸化物蒸着層の厚さは・・・5ないし300nmの範囲が好ましい」(第6ページ第38?39行)、「ガスバリア性被膜層の厚さは、・・・0.01?500μmの範囲にあることが好ましく」(第8ページ第14?15行)と記載されているところ、ガスバリア性フィルムの厚さ、ないし、ガスバリア性フィルムを構成をする各層の厚さについては、当該ガスバリア性フィルムが用いられる用途、対象に応じて必要とされるガスバリア性やフレキシビリティ等の性能・性質の観点から望まれる範囲が定まるものといえ、当業者は上記の各範囲で所望の範囲を選択しうるものといえる。
上述のように、引用発明のバリア層において、上記刊行物2の技術1を適用することは当業者には容易であったといえるし、その適用の際、QD蛍光材料をガスから保護するために、その無機酸化物蒸着層の厚さを25?100nmとし、ガスバリア性被覆層の厚さを50?500nmとすることに何らの困難性もないというべきである。
特許権者は、平成29年10月20日に提出した意見書の中で、「刊行物1において副層の厚さは、バリア層が『QDフィルムの厚さを最小化しながらも、QD蛍光体のバリア保護および輝度を最大化するように』、また、『ロールツーロールまたは積層製造プロセス時の皺を排除するのに十分厚』く設計されているものであり(刊行物1の段落[0111])、これらの設計思想に基づいて、具体的に二酸化ケイ素を含む副層の厚さを8μmとしていると考えられる。刊行物2を参照して、刊行物1における副層の厚さが『5ないし300nm』となるように薄くすれば、上記バリア層の設計思想にそぐわない可能性があり、このような変更を当業者が行うことは容易なことではない。」と主張し(第10ページ第3?11行)、また、「刊行物2には、ガスバリア性被覆層は厚さ5?300nmの無機酸化物蒸着層の上に、0.01?50μmの厚さで形成されることが記載され、これにより十分なガスバリア性が得られることが記載されている(刊行物2の第6頁第38?43行目、第8頁第14?19行目)。これに対し、刊行物1では上述したように『二酸化ケイ素を含む第1層の副層のそれぞれは、約8μmの厚さを有」することが記載されている(刊行物1の段落[0114])。厚さ5?300nmと厚さ8μmとではその機能がまったく異なることが容易に理解することができ、無機酸化物蒸着膜と併せて設計が検討されるべきガスバリア性被膜層の形成において、刊行物1と刊行物2とではその前提が大きく異なっているといえる。したがって、刊行物2を参照したとしても、引用発明に基づいて上記相違点2に相当することは容易ではない。」と主張する(第10ページ第17行?第11ページ第2行)。
しかしながら、刊行物1の段落【0121】には、「本発明のQDフィルムの各バリア層は、当業者には理解されるように、照明装置および用途の具体的な要件および特性、ならびにバリア層およびQD蛍光体材料等の個々のフィルム構成要素に依存することになる、任意の好適な厚さを有し得る。ある特定の実施形態において、各バリア層は、50μm以下、40μm以下、30μm以下、好ましくは25μm以下または20μm以下、最も好ましくは15μm以下の厚さを有し得る。ある特定の実施形態において、バリア層は、酸化ケイ素、酸化チタン、および酸化アルミニウム(例えば、SiO_(2)、Si_(2)O_(3)、TiO_(2)、またはAl_(2)O_(3))等の材料を含み得る、酸化物コーティングを含む。酸化物コーティングは、・・・100nm以下の厚さを有してもよい。ある特定の実施形態において、バリアは、約100nm以下の厚さを有する薄い酸化物コーティングを含み、10nm以下、5nm以下、または3nm以下の厚さを有し得る。・・・」と記載されているように、引用発明の「酸化ケイ素の薄層」については、特許権者の主張するような8μm程度のものに限定されているものではなく、ガスバリア層が用いられる用途、対象に応じた必要な厚さ、例えば、本件発明1の無機酸化物層の厚さである25?100nm程度の厚さに設定することも示唆しているといえる。
したがって、特許権者の上記主張は採用し得ない。
また、特許権者は、同意見書の中で、「すなわち、刊行物1には、図14A?Cにおいて、『酸化ケイ素を含む第1の副層1420a/1422aは、QD蛍光体材料1404に直接隣接して配置され』るという好ましい態様の下で、『副層の材料および数』を変更することは示唆されていると言えるが、上記好ましい態様に反して副層の向きを変更することまで示唆されているとは言えない。そして、このような刊行物1の記載に反して刊行物2に記載の積層の向きをあえて適用しようとするのであれば、その積極的な動機付けがあるべきところ、刊行物2からはそのような動機付けとなり得る明確な事情は見出せない。したがって、刊行物2を参照したとしても、引用発明に基づいて上記相違点3に想到することは困難である。」とも主張する(第11ページ第17行?第12ページ第1行)。
しかしながら、上述のように、刊行物2の技術1を、同じ光学分野における光学材料であるQD(量子ドット)フィルムにおけるQD(量子ドット)蛍光体材料を、高温、酸素、及び湿気等の環境条件から保護するバリア層として適用する(引用発明に適用する)ことの動機付けはあるといえる。
また、確かに、刊行物1には「好ましくは、酸化ケイ素を含む第1の副層1420a/1422aは、QD蛍光体材料1404に直接隣接して配置され」と記載されている。しかしながら、第1の副層1420a/1422aと第2の副層1420b/1422bを含む上部バリア1420および底部バリア1422を単体でみたときのガスバリア性を考えると、第1の副層1420a/1422aと第2の副層1402b/1422bのどちらの側から計測しても、そのガスバリア性(ガス透過率)は変わらないから、刊行物1においては、好ましい態様として示されている、酸化ケイ素を含む第1の副層1420a/1422aは、QD蛍光体材料1404に直接隣接して配置される以外の態様を排斥するものではないといえる。
したがって、刊行物1の上記記載内容が、刊行物2に記載の技術を、同じ光学分野における光学材料であるQD(量子ドット)フィルムにおけるQD(量子ドット)蛍光体材料を、高温、酸素、及び湿気等の環境条件から保護するバリア層として適用する(引用発明に適用する)ことへの阻害要因になるともいえない。
よって、特許権者の上記主張も採用し得ない。
(b)相違点2について
光学的機能を有するといえる引用発明の「特徴部」は、「無作為に細かく凸凹を付けた表面を含み、QDフィルムにおける不完全性を光学的に補うために、QDフィルムの上部から伝送する光を拡散させるための、光散乱または拡散特徴部である」から、光学部材の表面に凸凹部を設け、光を散乱又は拡散させて干渉縞を防止するという当業者には周知の技術(刊行物3の段落【0053】)と共通する機能を有するものであることは、光学分野における通常の知識をもってすれば容易に認識しうる。
そして、取消理由通知でも述べたように、干渉縞防止機能を有する機能層(凸凹層、光拡散層)を、バインダー樹脂と該バインダー樹脂中に分散された微粒子によって形成したコーティング層とすることも光学分野においては周知・慣用の技術であるといえる(例えば、特開2014-16602号公報の段落【0012】、【0013】、【0017】、【0028】、【0051】、特開2011-221491号公報の【請求項1】、【請求項3】、段落【0004】)。
したがって、引用発明において、相違点2に係る本件発明1の構成と成すことは、上記周知・慣用の技術に基づいて当業者が容易に想到し得たものであるといえる。
(c)本件発明1の奏する作用効果は、引用発明、刊行物2の技術1及び周知・慣用の技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
この点について、特許権者は、上記意見書の中で、「本件特許発明1によれば、バリア層と蛍光体層との間に基材が配置されているため、蛍光体層上に凹凸や異物が存在する場合でも、基材によって衝撃が緩和され、バリア層が損傷することを抑制することができる(本件特許明細書の段落[0074])。また、波長変換シートにおける蛍光体を保護するための保護フィルムとして、長期間にわたって優れたバリア性を発揮することができ、且つ、スプラッシュ、キズ、シワ等の影響によるバリア性不良の発生を抑制することができる(本件特許明細書の段落[0028])。このような効果は刊行物1?3のいずれにも記載されていない。」(第13ページ第24行?第14ページ第6行)と主張している。
しかしながら、引用発明のバリア層において、上記刊行物2の技術1を適用すれば、特許権者の主張する上記効果の内、後者について発揮されることが容易に予測され、また、引用発明のQD蛍光体材料には、刊行物2の技術の基材3が隣接して配置されることとなり、特許権者の主張する上記効果の内、前者について発揮されることも容易に予測される。
したがって、特許権者の上記主張も採用し得ない。
(c)以上のとおりであるから、本件発明1は、当業者が引用発明、刊行物2の技術1及び周知・慣用の技術に基いて容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである

(イ)本件発明6について
本件発明6は、本件発明1を「前記バリア層が、前記無機薄膜層と前記ガスバリア性被覆層とが交互に2層ずつ以上積層された構造を有する」点でさらに限定したものである。
したがって、本件発明6と引用発明とは、上記(ア)の相違点1及び2に加え、さらに、次の相違点3で相違することとなる。
<相違点3>
本件発明6の「バリア層」が、「前記無機薄膜層と前記ガスバリア性被覆層とが交互に2層ずつ以上積層された構造を有する」ものであるのに対し、引用発明ではそのような構成ではない点。
刊行物2には、上記「ウ(エ)b」で述べたとおり、刊行物2の技術2である「2つの透明ガスバリアフィルムが、各々基材3、基材3上に蒸着された第1の無機酸化物蒸着層4、第1の無機酸化物蒸着層4上に形成された第1のガスバリア性被膜層6、第1のガスバリア性被膜層6上に形成された第2の無機酸化物蒸着層4’、及び第2の無機酸化物蒸着層4’上に形成された第2のガスバリア性被膜層6’を含む複合フィルム8’からなり、その第2のガスバリア性被膜層6’が粘着層2を介して積層された、透明ガスバリア積層フィルム60の構成、すなわち、バリア層が、無機薄膜層と、ガスバリア被覆層とが交互に2層ずつ以上積層された構成の技術」が記載されている。
したがって、相違点3に係る本件発明6の構成となすことは、引用発明及び刊行物2の技術2に基づき当業者が容易に想到することができたものである。
よって、本件発明6は、当業者が引用発明、刊行物2の技術及び周知・慣用の技術に基いて容易に発明をすることができたものである。

(ウ)本件発明7について
本件発明7は、本件発明1又は6を「前記ガスバリア性被覆層が、水酸基含有高分子化合物、金属アルコキシド、金属アルコキシド加水分解物及び金属アルコキシド重合物のうちの少なくとも一種を含有する層である」点でさらに限定したものである。
したがって、本件発明7と引用発明とは、上記(ア)の相違点1及び2に加え、あるいは(ア)及び(イ)の相違点1?3に加え、さらに、次の相違点4で相違する。
<相違点4>
本件発明7の「バリア層」の「ガスバリア性被覆層」が、「水酸基含有高分子化合物、金属アルコキシド、金属アルコキシド加水分解物及び金属アルコキシド重合物のうちの少なくとも一種を含有する層である」のに対し、引用発明ではそのような構成ではない点。
刊行物2には、上記「ウ(エ)c」で述べたとおり、刊行物2の技術3である「波長変換シート用保護フィルムのバリア層が、基材とその基材上に蒸着された無機酸化物蒸着層上のガスバリア性被覆層を含み、しかも、そのガスバリア性被覆層が金属アルコキシドまたは/およびその加水分解物を含有する技術」が記載されている。
したがって、相違点4に係る本件発明7の構成となすことは、引用発明及び刊行物2の技術3に基づき当業者が容易に想到することができたものである。
よって、本件発明7は、当業者が引用発明、刊行物2の技術及び周知・慣用の技術に基いて容易に発明をすることができたものである。

(エ)本件発明9について
本件発明9は、蛍光体を含む蛍光体層と、該蛍光体の少なくとも一方の面上に積層された本件発明1及び6?8のいずれかを備える波長変換シートであるところ、上記「ウ(ウ)a」で述べたとおり、刊行物1には、刊行物1の技術1である、「QD蛍光体材料1404と、このQD蛍光体材料1404が上部バリア1420および底部バリア1422との間に配置され、しかも、上部バリア1420および底部バリア1422が、それぞれ二重バリア(すなわち、2つのバリア層)を含む、QDフィルム1402の技術」が記載されている。
ここで、上記「(ア)a」及び引用発明の「QD(量子ドット)蛍光体材料)」が本件発明9の「蛍光体を含む蛍光体層」に相当するといえることを踏まえると、上記刊行物1の技術は、蛍光体を含む蛍光体層と、蛍光体層の両面に積層された波長変換シート用保護フィルムとを備える波長変換シートの技術であるといえる。
そして、上記(ア)?(ウ)で述べたとおり、本件発明1である「波長変換シート用保護フィルム」は、当業者が引用発明、刊行物2の技術1及び周知・慣用の技術に基いて、また本件発明6?8である「波長変換シート用保護フィルム」は、当業者が引用発明、刊行物2の技術及び周知・慣用の技術に基いて容易に発明をすることができたものである。
したがって、本件発明9は、当業者が引用発明、刊行物1の技術、刊行物2の技術及び周知・慣用の技術に基いて容易に発明をすることができたものである。

(オ)本件発明10について
本件発明10は、本件発明9を「前記波長変換シート用保護フィルムが、前記蛍光体層と対向する側とは反対側の面上に、光学的機能を有するコーティング層を有する」という点でさらに限定するものである。
しかしながら、引用発明においても、バリア層の特徴部が、バリア層の上部の表面、すなわち、QD蛍光体材料と対向する側とは反対側の面上に設けられている。
したがって、本件発明10は、当業者が引用発明、刊行物1の技術、刊行物2の技術および周知・慣用の技術に基いて容易に発明をすることができたものである。

(カ)本件発明11について
本件発明11は、LED光源と、導光板と、本件発明9あるいは本件発明10を備えるバックライトユニットである。
しかしながら、上記「ウ(ウ)b」で述べたとおり、刊行物1には、刊行物1の技術2である「一次光源1410と、LGP(導光パネル)1406と、QDフィルム1402と、を備えるQD BLU(QDバックライトユニット)の技術」が記載されている。
ここで、刊行物1の技術1の「一次光源1410」、「LGP(導光パネル)1406」、「QDフィルム1402」及び「BLU(QDバックライトユニット)」は、それぞれ本件発明11の「LED光源」、「導光板」、「波長変換シート」及び「バックライトユニット」に相当するといえる。
したがって、本件発明11は、当業者が引用発明、刊行物1の技術、刊行物2の技術及び周知・慣用の技術に基いて容易に発明をすることができたものである。

(2)取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
本件発明8について
異議申立人は、訂正前の請求項8に係る発明について、刊行物1および2を提出し、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから特許法第113条第2号の規定により特許を取り消すべきである旨主張している。
しかしながら、本件発明8は、「前記バリア層が無機薄膜層としてシリカ蒸着層を含み、前記シリカ蒸着層に含まれる酸素とケイ素のO/Si比が原子比で1.7以上2.0以下であり、前記シリカ蒸着層の屈折率が1.5以上1.7以下であり、波長450nm、波長540nm、及び波長620nmの全ての波長において、前記波長変換シート用保護フィルムの反射率が10%以上20%以下であり、且つ、透過率が80%以上95%以下である」という事項を有しており、当該事項は刊行物1および2に記載も示唆もされておらず、また、当業者にとって周知の事項でもないから、当業者が容易に想到できるものではない。
そして、本件発明8は、上記事項を有していることにより、透過率が向上し、また、バリア性に優れた波長変換シート用保護フィルムが得られるとともに、長期間にわたって高い輝度、優れた外観を維持し、また、輝度を向上させたバックライトユニットを得ることができる(本件特許明細書段落【0023】、【0156】、【0157】、参照。)という作用効果を奏するものといえる。
したがって、異議申立人の主張には理由がない。
この点について、異議申立人は、平成29年12月27日に提出した意見書の中で、実施例4?6はバリア層の膜厚が請求項8の要件を満足しないから、請求項8に対応する実施例が記載されておらず、請求項8における酸素とケイ素のO/Si比や、各波長の透過率等を数値限定することは、これによる特段の効果が認められないことから、無意味な限定にすぎない旨主張する(第13ページ第14?19行)。
しかしながら、本件特許明細書段落【0023】には、酸素とケイ素のO/Si比を限定することの効果、あるいは、各波長の透過率を限定する効果が、バリア層の膜厚を限定せずに記載されていることからすれば、酸素とケイ素のO/Si比を限定することの効果、あるいは、各波長の透過率を限定する効果は、バリア層の膜厚には依存しないものと解することができる。
したがって、バリア層の膜厚に関し請求項8に対応する実施例が記載されていないことをもって、これらの数値限定が無意味な限定にすぎないとまではいえない。
よって、異議申立人の上記意見書中での、上記主張は採用し得ない。
また、異議申立人は、同意見書中において、請求項8の「反射率が10%以上」と、「透過率が90%?95%」は全く矛盾する旨の主張もしている(第13ページ第11?13行)。
しかしながら、反射率と透過率を合計すると100%になることが当業者における技術常識であることからすれば、請求項8の「反射率が10%以上」と、「透過率が90%?95%」は、反射率と透過率を合計して100%になる範囲で「反射率が10%以上」及び「透過率が90%?95%」の要件を満たすものであると理解することができるので、異議申立人の同意見書中でのこの点の主張も採用し得ない。

4.むすび
以上のとおり、本件発明1は、当業者が引用発明、刊行物2の技術1及び周知・慣用の技術に基いて容易に発明をすることができたものであり、本件発明6及び7は、当業者が引用発明、刊行物2の技術及び周知・慣用の技術に基いて容易に発明をすることができたものであり、本件発明9?11は、当業者が引用発明、刊行物1の技術、刊行物2の技術及び周知・慣用の技術に基いて容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。
したがって、請求項1、6、7及び9?11に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
また、請求項8に係る特許については、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によって取り消すことはできない。さらに、他に請求項8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
そして、請求項2?5に係る特許は、訂正により削除されたため、本件特許の請求項2?5に対して、異議申立人がした特許異議の申立てについては対象となる請求項が存在しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長変換シートにおける蛍光体を保護するための波長変換シート用保護フィルムであって、
基材と、該基材の少なくとも一方の面上に設けられた1以上のバリア層と、を有するバリアフィルムが、2以上積層された構造を有し、
2以上の前記バリアフィルムは、接着層を用いて積層されており、
隣接する2つの前記バリアフィルムの前記バリア層同士が、前記接着層を介して対向するように配置された構造を有し、
前記バリア層が、前記基材の一方の面上に積層された無機薄膜層と、該無機薄膜層上に積層されたガスバリア性被覆層とを含み、
前記無機薄膜層の厚さが25?100nmであり、
前記ガスバリア性被覆層の厚さが50?500nmであり、
光学的機能を有するコーティング層を更に有し、前記コーティング層が波長変換シート用保護フィルムの少なくとも一方の表面に配置されており、
前記光学的機能が干渉縞防止機能であり、
前記コーティング層が、バインダー樹脂と、該バインダー樹脂中に分散された微粒子とを含む、波長変換シート用保護フィルム。
【請求項2】 (削除)
【請求項3】 (削除)
【請求項4】 (削除)
【請求項5】 (削除)
【請求項6】
前記バリア層が、前記無機薄膜層と前記ガスバリア性被覆層とが交互に2層ずつ以上積層された構造を有する、請求項1に記載の波長変換シート用保護フィルム。
【請求項7】
前記ガスバリア性被覆層が、水酸基含有高分子化合物、金属アルコキシド、金属アルコキシド加水分解物及び金属アルコキシド重合物のうちの少なくとも一種を含有する層である、請求項1又は6に記載の波長変換シート用保護フィルム。
【請求項8】
前記バリア層が無機薄膜層としてシリカ蒸着層を含み、
前記シリカ蒸着層に含まれる酸素とケイ素のO/Si比が原子比で1.7以上2.0以下であり、
前記シリカ蒸着層の屈折率が1.5以上1.7以下であり、
波長450nm、波長540nm、及び波長620nmの全ての波長において、前記波長変換シート用保護フィルムの反射率が10%以上20%以下であり、且つ、透過率が80%以上95%以下である、請求項1、6及び7のいずれか一項に記載の波長変換シート用保護フィルム。
【請求項9】
蛍光体を含む蛍光体層と、該蛍光体層の少なくとも一方の面上に積層された請求項1及び6?8のいずれか一項に記載の波長変換シート用保護フィルムと、を備える波長変換シート。
【請求項10】
前記波長変換シート用保護フィルムが、前記蛍光体層と対向する側とは反対側の面上に、光学的機能を有するコーティング層を有する、請求項9に記載の波長変換シート。
【請求項11】
LED光源と、導光板と、請求項9又は10に記載の波長変換シートと、を備えるバックライトユニット。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-03-09 
出願番号 特願2015-560891(P2015-560891)
審決分類 P 1 651・ 121- ZDA (F21S)
最終処分 一部取消  
前審関与審査官 米山 毅  
特許庁審判長 島田 信一
特許庁審判官 和田 雄二
尾崎 和寛
登録日 2016-03-18 
登録番号 特許第5900719号(P5900719)
権利者 凸版印刷株式会社
発明の名称 波長変換シート用保護フィルム、波長変換シート及びバックライトユニット  
代理人 ▲高▼木 邦夫  
代理人 吉住 和之  
代理人 長谷川 芳樹  
代理人 鈴木 洋平  
代理人 長谷川 芳樹  
代理人 ▲高▼木 邦夫  
代理人 黒木 義樹  
代理人 鈴木 洋平  
代理人 吉住 和之  
代理人 黒木 義樹  

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