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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  A23L
審判 全部申し立て 2項進歩性  A23L
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  A23L
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  A23L
管理番号 1341975
異議申立番号 異議2017-700881  
総通号数 224 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-08-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-09-15 
確定日 2018-06-01 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6095603号発明「殺菌液卵の作製方法及び殺菌液卵」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6095603号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-5〕、〔6-11〕について、訂正することを認める。 特許第6095603号の請求項2ないし11に係る特許を維持する。 特許第6095603号の請求項1に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第6095603号(以下「本件特許」という。)の請求項1ないし11に係る特許についての出願は、平成26年4月16日に出願されたものであって、平成29年2月24日にその特許権の設定登録がされ、平成29年3月15日にその特許掲載公報が発行され、その後、その請求項1ないし11に係る発明の特許について、平成29年9月15日に特許異議申立人 猪瀬 則之 により特許異議の申立てがされ、平成29年12月1日付けで取消理由が通知され、その指定期間内の平成30年2月2日(2月5日受)に特許権者より意見書の提出及び訂正の請求がされ、平成30年3月12日に特許異議申立人より意見書の提出があったものである。

第2 訂正の適否
1 平成30年2月2日の訂正の請求の訂正の内容
平成30年2月2日の訂正の請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は以下のとおりである。
(1) 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を削除する。

(2) 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に「前記全液卵を以下の(1)?(13)のいずれかの温度条件及び時間条件で保持する保持工程、
前記全液卵を60℃以上64℃未満の温度で殺菌する殺菌工程、
とからなることを特徴とする殺菌液卵の作製方法。
(1)3.0℃以上10.0℃未満の温度で5日間以上
(2)10.0℃以上20.0℃未満の温度で3日間以上
(3)20.0℃以上30.0℃未満の温度で480分以上
(4)30.0℃以上35.0℃未満の温度で180分以上
(5)35.0℃以上40.0℃未満の温度で90分以上
(6)40.0℃以上42.5℃未満の温度で60分以上540分未満
(7)42.5℃以上45.0℃未満の温度で40分以上480分未満
(8)45.0℃以上47.5℃未満の温度で30分以上360分未満
(9)47.5℃以上50.0℃未満の温度で20分以上300分未満
(10)50.0℃以上52.5℃未満の温度で15分以上240分未満
(11)52.5℃以上55.0℃未満の温度で10分以上180分未満
(12)55.0℃以上57.5℃未満の温度で7分以上150分未満
(13)57.5℃以上60.0℃未満の温度で5分以上20分未満」と記載されているのを
「前記全液卵を以下の(1)?(12)のいずれかの温度条件及び時間条件で保持する保持工程、
前記全液卵を60℃以上64℃未満の温度で殺菌する殺菌工程、
とからなることを特徴とする殺菌液卵の作製方法。
(1)3.0℃以上10.0℃未満の温度で5日間以上
(2)10.0℃以上20.0℃未満の温度で3日間以上
(3)20.0℃以上30.0℃未満の温度で480分以上
(4)30.0℃以上35.0℃未満の温度で180分以上
(5)35.0℃以上40.0℃未満の温度で90分以上
(6)40.0℃以上42.5℃未満の温度で60分以上540分未満
(7)42.5℃以上45.0℃未満の温度で40分以上480分未満
(8)45.0℃以上47.5℃未満の温度で30分以上360分未満
(9)47.5℃以上50.0℃未満の温度で20分以上300分未満
(10)50.0℃以上52.5℃未満の温度で15分以上240分未満
(11)52.5℃以上55.0℃未満の温度で10分以上180分未満
(12)55.0℃以上57.5℃未満の温度で7分以上150分未満」
と訂正する。

(3) 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に「請求項1又は2に記載の」と記載されているのを
「請求項2に記載の」
と訂正する。

(4) 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4に「請求項1から3のいずれか1項に記載の」と記載されているのを
「請求項2又は3に記載の」
と訂正する。

(5) 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5に「請求項1から4のいずれか1項に記載の」と記載されているのを
「請求項2から4のいずれか1項に記載の」
と訂正する。

(6) 訂正事項6
特許請求の範囲の請求項6に「前記全液卵を以下の(1)?(13)のいずれかの温度条件及び時間条件で保持する保持工程、
(1)3.0℃以上10.0℃未満の温度で5日間以上
(2)10.0℃以上20.0℃未満の温度で3日間以上
(3)20.0℃以上30.0℃未満の温度で480分以上
(4)30.0℃以上35.0℃未満の温度で180分以上
(5)35.0℃以上40.0℃未満の温度で90分以上
(6)40.0℃以上42.5℃未満の温度で60分以上540分未満
(7)42.5℃以上45.0℃未満の温度で40分以上480分未満
(8)45.0℃以上47.5℃未満の温度で30分以上360分未満
(9)47.5℃以上50.0℃未満の温度で20分以上300分未満
(10)50.0℃以上52.5℃未満の温度で15分以上240分未満
(11)52.5℃以上55.0℃未満の温度で10分以上180分未満
(12)55.0℃以上57.5℃未満の温度で7分以上150分未満
(13)57.5℃以上60.0℃未満の温度で5分以上20分未満」と記載されているのを
「前記全液卵を以下の(1)?(12)のいずれかの温度条件及び時間条件で保持する保持工程、
(1)3.0℃以上10.0℃未満の温度で5日間以上
(2)10.0℃以上20.0℃未満の温度で3日間以上
(3)20.0℃以上30.0℃未満の温度で480分以上
(4)30.0℃以上35.0℃未満の温度で180分以上
(5)35.0℃以上40.0℃未満の温度で90分以上
(6)40.0℃以上42.5℃未満の温度で60分以上540分未満
(7)42.5℃以上45.0℃未満の温度で40分以上480分未満
(8)45.0℃以上47.5℃未満の温度で30分以上360分未満
(9)47.5℃以上50.0℃未満の温度で20分以上300分未満
(10)50.0℃以上52.5℃未満の温度で15分以上240分未満
(11)52.5℃以上55.0℃未満の温度で10分以上180分未満
(12)55.0℃以上57.5℃未満の温度で7分以上150分未満」
と訂正する。

(7) したがって、特許権者は、特許請求の範囲を、以下の訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを請求する(下線は訂正箇所を示す。)。
「【請求項1】(削除)
【請求項2】
殺菌液卵を作製する方法において、
殻付卵を割卵する割卵工程、
卵黄と卵白をストレーナ又はフィルターを通過させて、卵黄と卵白を混合して全液卵を作製する全液卵作製工程、
前記全液卵を所定温度まで加熱する加熱工程、
前記全液卵を以下の(1)?(12)のいずれかの温度条件及び時間条件で保持する保持工程、
前記全液卵を60℃以上64℃未満の温度で殺菌する殺菌工程、
とからなることを特徴とする殺菌液卵の作製方法。
(1)3.0℃以上10.0℃未満の温度で5日間以上
(2)10.0℃以上20.0℃未満の温度で3日間以上
(3)20.0℃以上30.0℃未満の温度で480分以上
(4)30.0℃以上35.0℃未満の温度で180分以上
(5)35.0℃以上40.0℃未満の温度で90分以上
(6)40.0℃以上42.5℃未満の温度で60分以上540分未満
(7)42.5℃以上45.0℃未満の温度で40分以上480分未満
(8)45.0℃以上47.5℃未満の温度で30分以上360分未満
(9)47.5℃以上50.0℃未満の温度で20分以上300分未満
(10)50.0℃以上52.5℃未満の温度で15分以上240分未満
(11)52.5℃以上55.0℃未満の温度で10分以上180分未満
(12)55.0℃以上57.5℃未満の温度で7分以上150分未満
【請求項3】
前記殺菌工程は、60℃以上で3.5分以上殺菌することを特徴とする請求項2に記載の殺菌液卵の作製方法。
【請求項4】
前記殺菌工程は、ジュール加熱によるものであることを特徴とする請求項2又は3に記載の殺菌液卵の作製方法。
【請求項5】
前記保持工程は、複数個のバッチ式タンクを使用して、加熱及び保持を交互に行うことにより、連続的に殺菌を可能にしたことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の殺菌液卵の作製方法。
【請求項6】
殻付卵を割卵する割卵工程、
卵黄と卵白をストレーナ又はフィルターを通過させて、卵黄と卵白を混合して全液卵を作製する全液卵作製工程、
前記全液卵を所定温度まで加熱する加熱工程、
前記全液卵を以下の(1)?(12)のいずれかの温度条件及び時間条件で保持する保持工程、
(1)3.0℃以上10.0℃未満の温度で5日間以上
(2)10.0℃以上20.0℃未満の温度で3日間以上
(3)20.0℃以上30.0℃未満の温度で480分以上
(4)30.0℃以上35.0℃未満の温度で180分以上
(5)35.0℃以上40.0℃未満の温度で90分以上
(6)40.0℃以上42.5℃未満の温度で60分以上540分未満
(7)42.5℃以上45.0℃未満の温度で40分以上480分未満
(8)45.0℃以上47.5℃未満の温度で30分以上360分未満
(9)47.5℃以上50.0℃未満の温度で20分以上300分未満
(10)50.0℃以上52.5℃未満の温度で15分以上240分未満
(11)52.5℃以上55.0℃未満の温度で10分以上180分未満
(12)55.0℃以上57.5℃未満の温度で7分以上150分未満
前記全液卵を60℃以上64℃未満の温度で殺菌する殺菌工程、
を含む工程によって作製されてなる殺菌液卵において、
ガラスビーカー300ccに沸騰水300gを入れ、スパーテルにて5回転/10秒間の速度で撹拌して、5秒後に水に対して5%重量の殺菌液卵を5秒間で流し入れて殺菌液卵を凝固させた後、20分間静置した時の上澄み液のセル厚(光路長)10mmに対する波長600nmの光の透過率が90%以上であることを特徴とする殺菌液卵。
【請求項7】
前記殺菌工程は、60℃以上で3.5分以上殺菌することを特徴とする請求項6に記載の殺菌液卵。
【請求項8】
前記殺菌工程は、ジュール加熱によるものであることを特徴とする請求項6又は7に記載の殺菌液卵。
【請求項9】
前記保持工程は、複数個のバッチ式タンクを使用して、加熱及び保持を交互に行うことにより、連続的に殺菌を可能にしたことを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の殺菌液卵。
【請求項10】
得られた前記殺菌液卵を凍結させてなることを特徴とする請求項6から9のいずれか1項に記載の殺菌液卵。
【請求項11】
得られた前記殺菌液卵を0℃以上8℃以下の温度に調整してあることを特徴とする請求項6から10のいずれか1項に記載の殺菌液卵。」

2 訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否並びに一群の請求項
(1) 訂正事項1は、請求項1を削除するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合するものであり、また、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合するものである。

(2) 訂正事項2は、請求項2の「保持工程」に係り、択一的に記載されていた温度条件及び時間条件のうち「(13)57.5℃以上60.0℃未満の温度で5分以上20分未満」を削除することで、特許請求の範囲を限定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合するものであり、また、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合するものである。

(3) 訂正事項3は、本件訂正前の請求項3が請求項1又は2の記載を引用していたところ、訂正事項1により請求項1を削除したため、この請求項1の記載を引用しないものとしたのであるから、特許法第120条の5第2項ただし書3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条6項に適合するものであり、また、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条5項に適合するものである。

(4)訂正事項4は、本件訂正前の請求項4が請求項1から3のいずれか1項の記載を引用していたところ、訂正事項1により請求項1を削除したため、この請求項1の記載を引用しないものとしたのであるから、特許法第120条の5第2項ただし書3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条6項に適合するものであり、また、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条5項に適合するものである。

(5)訂正事項5は、本件訂正前の請求項5が請求項1から4のいずれか1項の記載を引用していたところ、訂正事項1により請求項1を削除したため、この請求項1の記載を引用しないものとしたのであるから、特許法第120条の5第2項ただし書3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条6項に適合するものであり、また、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条5項に適合するものである。

(6) 訂正事項6は、請求項6の「保持工程」に係り、択一的に記載されていた温度条件及び時間条件のうち「(13)57.5℃以上60.0℃未満の温度で5分以上20分未満」を削除することで、特許請求の範囲を限定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合するものであり、また、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合するものである。

(7) 本件訂正前の請求項3ないし5は請求項1又は2の記載を引用する関係にあるから、請求項1ないし5に係る訂正は一群の請求項ごとに請求された訂正であり、本件訂正前の請求項7ないし11は請求項6の記載を引用する関係にあるから、請求項6ないし11に係る訂正は一群の請求項ごとに請求された訂正である。

3 むすび
よって、本件訂正に係る訂正事項1ないし6は、特許法120条の5第2項ただし書1号及び3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条4項、並びに、同条9項で準用する同法126条5項及び6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1-5〕、〔6-11〕について、訂正することを認める。

第3 取消理由(特許異議申立書に記載された申立て理由)についての判断
1 本件特許に係る発明
本件特許の請求項2ないし11に係る発明(以下、それぞれ「本件発明2」ないし「本件発明11」といい、それらを総合して「本件発明」ともいう。)は、本件訂正により訂正された訂正特許請求の範囲の請求項2ないし11に記載された事項により特定されるとおりのものである(「第2 1 (7)」参照。)。

2 平成29年12月1日付けの取消理由通知に記載した取消理由の概要は、以下のとおりである。なお、上記取消理由通知は本件特許異議の申立てにおいて申立てられたすべての申立理由を含んでいる。
(取消理由1) 本件発明2ないし11は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された甲第1号証又は甲第2号証に記載された発明であって、特許法29条1項3号に該当し、特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
(取消理由2) 本件発明2ないし11は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された甲第1号証又は甲第2号証に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
(取消理由3) 本件特許は、特許請求の範囲6ないし11の記載(作製の工程に係る記載)が不備のため、特許法36条6項2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであり、取り消すべきものである。
特許請求の範囲の請求項6にはその物の製造方法が記載されており、いわゆるプロダクト・バイ・プロセス・クレームと解せるところ、本件発明6に係る殺菌液卵の特性は「ガラスビーカー300ccに沸騰水300gを入れ、スパーテルにて5回転/10秒間の速度で撹拌して、5秒後に水に対して5%重量の殺菌液卵を5秒間で流し入れて殺菌液卵を凝固させた後、20分間静置した時の上澄み液のセル厚(光路長)10mmに対する波長600nmの光の透過率が90%以上である」(以下「構成要件M」という。)にて特定できるから、当該殺菌液卵をその特性により直接特定することが不可能であるか、又はおよそ実際的でないという事情(以下「不可能・非実際的事情」という。)が存在するとはいえず、明確性要件違反である(特許請求の範囲にPBPクレームがあるときは、「不可能・非実際的事情」があると判断できる事例でない限り、明確性要件違反である。)。
(取消理由4) 本件特許は、特許請求の範囲の請求項2ないし11に係る記載が発明の詳細な説明にサポートされていない(本件発明は、明細書の【背景技術】として【0003】に記載の内容が開示された【0006】の【先行技術文献】【特許文献1】(即ち、甲第2号証)に記載された発明と同一であるから、本件発明が解決しようとする課題を解決できないものを含む記載である。)ため、特許法36条6項1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであり、取り消すべきものである。
(取消理由5) 本件特許は、発明の詳細な説明の記載が実施可能要件を満たさない(本件発明2ないし11は、その作製に係る工程が明細書の【背景技術】として【0003】に記載の内容が開示された【0006】の【先行技術文献】【特許文献1】(即ち、甲第2号証)に記載された発明と同一であり、本件発明が解決しようとする課題を解決できないものを含むところ、発明の詳細な説明の記載から、「構成要件M」を充足する発明を製造できない。)ため、特許法36条4項1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであり、取り消すべきものである。

<特許異議申立人による証拠方法>
特許異議申立人は、平成29年9月15日付け特許異議申立書に添付して、次の甲第1ないし8号証を提示し、平成30年3月12日付け意見書に添付して、次の甲第9及び10号証を提示する。
甲第1号証:特開平10-28523号公報
甲第2号証:特開2014-45690号公報
甲第3号証:“ストレーナー”,Wikipedia,[2017年9月7日検索],インターネット<URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%BC>
甲第4号証:“「冷蔵」と「冷凍」「氷温」「チルド」「パーシャル」の違い”,「違いがわかる事典」,[2017年9月12日検索],インターネット<URL:https://chigai-allguide.com/%E5%86%B7%E8%94%B5%E3%81%A8%E5%86%B7%E5%87%8D%E3%81%A8%E6%B0%B7%E6%B8%A9%E3%81%A8%E3%82%81%E3%83%AB%E3%83%89%E3%81%A8%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB/>
甲第5号証:今井忠平,栗原健志,“連載 サルモネラの正しい知識と対応のために52(当審注:「52」は□付の52) IX 鶏卵および加工卵の衛生3(当審注:「3」は○付の3) 〔液卵の衛生◆その3〕”,鶏卵肉情報,株式会社鶏卵肉情報センター,平成7年3月25日,第25巻,第6号,p.40-45
甲第6号証:特開2001-275627号公報
甲第7号証:特開昭62-74245号公報
甲第8号証:特開2013-74840号公報
甲第9号証:浅野悠輔,石原良三編著,「卵-その化学と加工技術-」,株式会社光琳,昭和60年12月10日,p.129-133
甲第10号証:特開2001-178418号公報

3 上記取消理由1及び2(29条1項3号及び29条2項)については、以下のとおり理由がない。
(1) 本件発明2について
ア 甲第1号証に記載された発明に基いて
甲第1号証には、特に、【0004】?【0007】、【図8】の記載からすると、本件発明2に倣って表現すれば、
「卵殻が割られ、内部の鶏卵が回収され、卵殻は廃棄される工程と、卵殻やごみ等の異物を除去するためにろ過される工程と、ろ過時に卵黄を包む膜が破れて卵黄と卵白とが均質度60から70%程度に混合される工程と、ろ過済み鶏卵を5℃で予冷する工程と、殺菌槽に収容されたろ過済み鶏卵を2時間かけて5℃から60℃の殺菌温度に加温する工程と、60℃の殺菌温度を6分間維持する工程と、殺菌されたろ過済み鶏卵を5℃に冷却あるいは凍結する工程とを含む、ろ過済み鶏卵の加熱殺菌方法。」
の発明が記載されている。
本件発明2と甲第1号証に記載された発明とを対比すると、両者は、少なくとも保持工程が、本件発明2では、(1)?(12)のいずれかの温度条件及び時間条件で保持するのに対して、甲第1号証に記載された発明では、ろ過済み鶏卵を5℃で予冷し、2時間かけて5℃から60℃の殺菌温度に加温する点で相違する(以下「相違点1」という。)。そして、甲第1号証に記載された発明は、5℃で予冷する時間条件が不明であるし、2.5℃/5.45分で加温しているといえるとしても、それらは本件発明2の(1)?(12)のいずれかの温度条件及び時間条件に合致するものではない。例えば、(1)は3.0℃以上10℃未満の温度で5日間以上保持するものであるし、(12)は55.0℃以上57.5℃未満の2.5℃の範囲内に7分以上保持するものである。そうすると、上記相違点1は、実質的な相違点であるから、本件発明2は甲第1号証に記載された発明であるということはできない。
また、甲第1号証に記載された発明のろ過済み鶏卵を5℃で予冷する工程において、5℃の温度条件で5日間の保持条件とすることは、予冷工程として当業者が通常想定することではないし、2時間かけて5℃から60℃の殺菌温度に加温する工程において、昇温態様として2.5℃/7分とし、154分かけて5℃から60℃の殺菌温度に加温する工程とする動機付けもみあたらない。そして、甲第2ないし10号証にも相違点1に係る本件発明2の構成が記載されておらず、甲第1ないし10号証に記載された事項を考慮しても、甲第1号証に記載された発明をして、上記相違点1に係る本件発明2の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たということはできない。なお、甲第9及び10号証は、卵白、液卵白に係るものであって、全液卵に係るものではないし、技術常識からして加熱に関し、全液卵と卵白や液卵白とが温度条件と時間条件に係り全く等しい物性を示すとはいえない。
したがって、本件発明2は、甲第1号証に記載された発明ではなく、甲第1号証に記載された発明及び甲第1ないし10号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、上記取消理由1及び2について理由がない。

イ 甲第2号証に記載された発明に基いて
甲第2号証には、特に、【請求項1】、【請求項2】、【0012】?【0017】、【0025】、【0029】?【0034】、【図4】の記載からすると、具体的な【実施例】に注目し本件発明2に倣って表現すれば、
「液卵を加熱殺菌するための液卵の加熱処理方法であって、殻付き卵を割卵し割卵機により割卵されて殻から卵黄と卵白とが取り出される割卵工程、ストレーナによりカラザや卵カラの破片等と卵液とを分離する工程、取り出された卵黄と卵白が攪拌機により撹拌される工程、1日程度冷蔵保存されるかされないかの後に40℃以上53℃未満の50℃の温度で保持時間を1分以上、具体的には1分から10分とする予熱工程、液卵をジュール熱により発熱させて液卵を60℃以上の60℃で3.5分以上(3.5分)保持して殺菌する殺菌工程、並びに常温ないし冷蔵保存温度まで冷却される工程を含む、液卵の加熱処理方法。」
の発明が記載されている。
本件発明2と甲第2号証に記載された発明とを対比すると、両者は、少なくとも保持工程が、本件発明2では、(1)?(12)のいずれかの温度条件及び時間条件で保持するのに対して、甲第2号証に記載された発明では、1日程度冷蔵保存されるかされないかの後に40℃以上53℃未満の50℃の温度で保持時間を1分以上、具体的には1分から10分とする点で相違する(以下「相違点2」という。)。そして、甲第2号証に記載された発明は、冷蔵する時間条件が1日程度であるし、40℃以上53℃未満の50℃の温度で保持時間を1分以上、具体的には1分から10分であるから、それらは本件発明2の(1)?(12)のいずれかの温度条件及び時間条件に合致するものではない。例えば、(1)は3.0℃以上10℃未満の温度で5日間以上保持するものであるし、(10)は50.0℃以上52.5℃未満の温度で15分以上240分未満保持するものであり、(11)は52.5℃以上55.0℃未満の温度で10分以上180分未満保持するものである。そうすると、上記相違点2は、実質的な相違点であるから、本件発明2は甲第2号証に記載された発明であるということはできない。
また、甲第2号証に記載された発明において、冷蔵保存せずに予熱工程を行えるような必須ではない単なる冷蔵保存の期間として、割卵後加熱処理をする一連の工程の途中に5日間という長い期間とすることは、当業者が通常想定することではないから、1日程度の冷蔵保存を5日間とすることに動機付けがあるとはいえない。さらに、甲第2号証には、予熱工程として50℃の温度で、保持時間が、1分と1.5分の場合は膜が厚く繋がった状態でお湯に白濁がなく、2分と2.5分の場合はお湯に僅かな濁りがあり膜状には繋がらずに固まり、3分、3.5分と4分の場合は膜状には繋がらずに固まり、4.5分と5分の場合は大きな固まりに凝集物となりお湯に濁りが発生し、6分、7分、8分と10分の場合は凝集物が小さくバラバラな状態となりお湯の濁りも強くなった旨、及び、処理の効率を考慮すると予熱温度保持時間を短くすることが好ましい旨が記載されていることから(【0029】?【0034】)、凝集物の大きさ及びお湯の濁りがない観点並びに処理の効率の観点からすると保持時間は1分や1.5分がよく、10分等長い時間はよくないことが把握される。そうすると、甲第2号証に記載された発明において、50.0℃の温度で15分以上保持すること、或いは、52.5℃以上53.0℃未満の温度で10分以上保持すること、とすることは凝集物の大きさ及びお湯の濁りがない観点並びに処理の効率の観点からよくないのであって、動機付けがあるとはいえない。そして、甲第1ないし10号証にも相違点2に係る本件発明2の構成が記載されておらず、甲第1ないし10号証に記載された事項を考慮しても、甲第2号証に記載された発明をして、上記相違点2に係る本件発明2の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たということはできない。
したがって、本件発明2は、甲第2号証に記載された発明ではなく、甲第2号証に記載された発明及び甲第1ないし10号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、上記取消理由1及び2について理由がない。

(2) 本件発明3ないし5について
請求項3ないし5の記載はそれぞれ請求項2の記載を引用する形式のものであり、本件発明3ないし5は本件発明2の発明特定事項をすべて含むところ、上述のとおり本件発明2は上記取消理由1及び2について理由がないから、同様の理由により、本件発明3ないし5は、上記取消理由1及び2について理由がない。

(3) 本件発明6について
ア 甲第1号証に記載された発明に基いて
本件発明6と上記甲第1号証に記載された発明に係る物の発明とを対比すると、両者は、少なくとも上記相違点1において相違している。
そうすると、既に(1)アにて検討したとおり、本件発明6は、甲第1号証に記載された発明に係る物の発明ではなく、甲第1号証に記載された発明に係る物の発明及び甲第1ないし10号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、上記取消理由1及び2について理由がない。

イ 甲第2号証に記載された発明に基いて
本件発明6と甲第2号証に記載された発明に係る物の発明とを対比すると、両者は、少なくとも上記相違点2において相違している。
そうすると、既に(1)イにて検討したとおり、本件発明6は、甲第2号証に記載された発明に係る物の発明ではなく、甲第2号証に記載された発明に係る物の発明及び甲第1ないし10号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、上記取消理由1及び2について理由がない。

(4) 本件発明7ないし11について
請求項7ないし11の記載はそれぞれ請求項6の記載を引用する形式のものであり、本件発明7ないし11は本件発明6の発明特定事項をすべて含むところ、上述のとおり本件発明6は上記取消理由1及び2について理由がないから、同様の理由により、本件発明7ないし11は、上記取消理由1及び2について理由がない。

4 上記取消理由3(36条6項2号)については、以下のとおり理由がない。
本件発明6の殺菌液卵は「構成要件M」の特性があるものの、「構成要件M」の特性は本件発明6の殺菌液卵の特性の一部を示すものに過ぎず、本件発明6はさらにそのほかの特性もあり、当該そのほかの特性を特定することは不可能であるから、本件発明6の殺菌液卵を、その特性により直接特定することが不可能であるという事情が存在するといえる。また、本件発明7ないし11は本件発明6に係る特定事項をすべて含むものである。
そうすると、この点において本件発明6ないし11は明確性要件に違反するとはいえないから、その特許は特許法36条6項2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものとはいえず、上記取消理由3について理由がない。

5 理由4及び5(36条6項1号及び36条4項1号)については、以下のとおり理由がない。
上記3で既に検討したとおり、本件発明2ないし11は甲第2号証に記載された発明ではないから、本件発明2ないし11が本件発明の課題を解決できないものを含むものとはいえない。
したがって、この点からすると、本件発明2ないし11は発明の詳細な説明に記載されたものではないとすることはできず、又、本件発明2ないし11を当業者が実施できないとはいえないから、発明の詳細な説明は、明確かつ十分に記載したものでないとはいえない。

第4 むすび
以上のとおりであるから、上記取消理由通知に記載した上記取消理由1ないし5(特許異議申立書に記載された申立て理由)によっては、本件発明2ないし11に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明2ないし11に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
そして、請求項1に係る特許は、本件訂正により、削除されたため、本件特許の請求項1に対して、特許異議申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】(削除)
【請求項2】
殺菌液卵を作製する方法において、
殻付卵を割卵する割卵工程、
卵黄と卵白をストレーナ又はフィルターを通過させて、卵黄と卵白を混合して全液卵を作製する全液卵作製工程、
前記全液卵を所定温度まで加熱する加熱工程、
前記全液卵を以下の(1)?(12)のいずれかの温度条件及び時間条件で保持する保持工程、
前記全液卵を60℃以上64℃未満の温度で殺菌する殺菌工程、
とからなることを特徴とする殺菌液卵の作製方法。
(1)3.0℃以上10.0℃未満の温度で5日間以上
(2)10.0℃以上20.0℃未満の温度で3日間以上
(3)20.0℃以上30.0℃未満の温度で480分以上
(4)30.0℃以上35.0℃未満の温度で180分以上
(5)35.0℃以上40.0℃未満の温度で90分以上
(6)40.0℃以上42.5℃未満の温度で60分以上540分未満
(7)42.5℃以上45.0℃未満の温度で40分以上480分未満
(8)45.0℃以上47.5℃未満の温度で30分以上360分未満
(9)47.5℃以上50.0℃未満の温度で20分以上300分未満
(10)50.0℃以上52.5℃未満の温度で15分以上240分未満
(11)52.5℃以上55.0℃未満の温度で10分以上180分未満
(12)55.0℃以上57.5℃未満の温度で7分以上150分未満
【請求項3】
前記殺菌工程は、60℃以上で3.5分以上殺菌することを特徴とする請求項2に記載の殺菌液卵の作製方法。
【請求項4】
前記殺菌工程は、ジュール加熱によるものであることを特徴とする請求項2又は3に記載の殺菌液卵の作製方法。
【請求項5】
前記保持工程は、複数個のバッチ式タンクを使用して、加熱及び保持を交互に行うことにより、連続的に殺菌を可能にしたことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の殺菌液卵の作製方法。
【請求項6】
殻付卵を割卵する割卵工程、
卵黄と卵白をストレーナ又はフィルターを通過させて、卵黄と卵白を混合して全液卵を作製する全液卵作製工程、
前記全液卵を所定温度まで加熱する加熱工程、
前記全液卵を以下の(1)?(12)のいずれかの温度条件及び時間条件で保持する保持工程、
(1)3.0℃以上10.0℃未満の温度で5日間以上
(2)10.0℃以上20.0℃未満の温度で3日間以上
(3)20.0℃以上30.0℃未満の温度で480分以上
(4)30.0℃以上35.0℃未満の温度で180分以上
(5)35.0℃以上40.0℃未満の温度で90分以上
(6)40.0℃以上42.5℃未満の温度で60分以上540分未満
(7)42.5℃以上45.0℃未満の温度で40分以上480分未満
(8)45.0℃以上47.5℃未満の温度で30分以上360分未満
(9)47.5℃以上50.0℃未満の温度で20分以上300分未満
(10)50.0℃以上52.5℃未満の温度で15分以上240分未満
(11)52.5℃以上55.0℃未満の温度で10分以上180分未満
(12)55.0℃以上57.5℃未満の温度で7分以上150分未満
前記全液卵を60℃以上64℃未満の温度で殺菌する殺菌工程、
を含む工程によって作製されてなる殺菌液卵において、
ガラスビーカー300ccに沸騰水300gを入れ、スパーテルにて5回転/10秒間の速度で撹拌して、5秒後に水に対して5%重量の殺菌液卵を5秒間で流し入れて殺菌液卵を凝固させた後、20分間静置した時の上澄み液のセル厚(光路長)10mmに対する波長600nmの光の透過率が90%以上であることを特徴とする殺菌液卵。
【請求項7】
前記殺菌工程は、60℃以上で3.5分以上殺菌することを特徴とする請求項6に記載の殺菌液卵。
【請求項8】
前記殺菌工程は、ジュール加熱によるものであることを特徴とする請求項6又は7に記載の殺菌液卵。
【請求項9】
前記保持工程は、複数個のバッチ式タンクを使用して、加熱及び保持を交互に行うことにより、連続的に殺菌を可能にしたことを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の殺菌液卵。
【請求項10】
得られた前記殺菌液卵を凍結させてなることを特徴とする請求項6から9のいずれか1項に記載の殺菌液卵。
【請求項11】
得られた前記殺菌液卵を0℃以上8℃以下の温度に調整してあることを特徴とする請求項6から10のいずれか1項に記載の殺菌液卵。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-05-22 
出願番号 特願2014-84431(P2014-84431)
審決分類 P 1 651・ 537- YAA (A23L)
P 1 651・ 113- YAA (A23L)
P 1 651・ 121- YAA (A23L)
P 1 651・ 536- YAA (A23L)
最終処分 維持  
前審関与審査官 松原 寛子  
特許庁審判長 紀本 孝
特許庁審判官 佐々木 正章
田村 嘉章
登録日 2017-02-24 
登録番号 特許第6095603号(P6095603)
権利者 三州食品株式会社
発明の名称 殺菌液卵の作製方法及び殺菌液卵  
代理人 江口 基  
代理人 ▲高▼荒 新一  
代理人 ▲高▼荒 新一  
代理人 江口 基  
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