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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  C08L
管理番号 1342000
異議申立番号 異議2017-700886  
総通号数 224 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-08-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-09-19 
確定日 2018-06-14 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6104653号発明「導光板用ポリスチレン系樹脂組成物及び導光板」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6104653号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり,訂正後の請求項〔1,4,5〕,〔2,6?8〕,〔3,9,10〕について訂正することを認める。 特許第6104653号の請求項1?10に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6104653号(請求項の数5。以下,「本件特許」という。)は,平成25年3月11日を出願日とする特許出願(特願2013-48201号)に係るものであって,平成29年3月10日に設定登録されたものである(特許掲載公報の発行日は,同年3月29日である。)。
その後,平成29年9月19日に,本件特許の請求項1?5に係る特許に対して,特許異議申立人である西郷新(以下,「申立人」という。)により,特許異議の申立てがされた。
本件特許異議の申立てにおける手続の経緯は,以下のとおりである。

平成29年 9月19日 特許異議申立書
12月21日 取消理由通知書
平成30年 3月 2日 意見書,訂正請求書
3月 7日 通知書(訂正請求があった旨の通知)
4月 5日 意見書(申立人)

第2 訂正の請求について
1 訂正の内容
平成30年3月2日付けの訂正請求書による訂正(以下,「本件訂正」という。)の請求は,本件特許の特許請求の範囲を上記訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり,訂正後の請求項1?10について訂正することを求めるものであり,その内容は,以下のとおりである。下線は,訂正箇所を示す。

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「スチレン系単量体のみからなるポリスチレン系樹脂100質量部,リン系酸化防止剤0.02?0.2質量部,フェノール系酸化防止剤0.02?0.2質量部,及び離型剤0.1?1質量部を含み,かつ前記離型剤が高級アルコール又は高級脂肪酸である,ポリスチレン系樹脂組成物。」と記載されているのを,「スチレン系単量体のみからなるポリスチレン系樹脂100質量部,リン系酸化防止剤0.02?0.15質量部,フェノール系酸化防止剤0.02?0.15質量部,及び離型剤0.1?1質量部を含み,かつ前記離型剤が高級アルコール又は高級脂肪酸である,ポリスチレン系樹脂組成物。」に訂正する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に「前記スチレン系樹脂組成物を成形して製造された,光路長300mmの平板試験板を用いた試験における500?600nmの平行光の平均透過率が84%以上である,請求項1に記載のポリスチレン系樹脂組成物。」と記載されているのを,「スチレン系単量体のみからなるポリスチレン系樹脂100質量部,リン系酸化防止剤0.02?0.2質量部,フェノール系酸化防止剤0.02?0.2質量部,及び離型剤0.1?1質量部を含み,かつ前記離型剤が高級アルコール又は高級脂肪酸である,ポリスチレン系樹脂組成物であって,前記スチレン系樹脂組成物を成形して製造された,光路長300mmの平板試験板を用いた試験における500?600nmの平行光の平均透過率が84%以上であるポリスチレン系樹脂組成物。」に訂正する。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に「前記スチレン系樹脂組成物を成形して製造された,光路長300mmの平板試験板を用いた試験における黄色度(YI)が10以下である,請求項1又は2に記載のポリスチレン系樹脂組成物。」とあるうち,請求項1を引用するものについて,「スチレン系単量体のみからなるポリスチレン系樹脂100質量部,リン系酸化防止剤0.02?0.2質量部,フェノール系酸化防止剤0.02?0.2質量部,及び離型剤0.1?1質量部を含み,かつ前記離型剤が高級アルコール又は高級脂肪酸である,ポリスチレン系樹脂組成物であって,前記スチレン系樹脂組成物を成形して製造された,光路長300mmの平板試験板を用いた試験における黄色度(YI)が10以下であり,かつメチル α-D-グルコピラノシドを含有しないポリスチレン系樹脂組成物。」に訂正する。

(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4に「前記スチレン系樹脂組成物を成形して製造された,光路長300mmの平板試験板を用いた試験における80℃及び500時間の曝露処理後におけるΔYIが6以下である,請求項1?3のいずれか1項に記載のポリスチレン系樹脂組成物。」とあるうち,請求項1を引用するものについて,「前記スチレン系樹脂組成物を成形して製造された,光路長300mmの平板試験板を用いた試験における80℃及び500時間の曝露処理後におけるΔYIが6以下である,請求項1に記載のポリスチレン系樹脂組成物。」に訂正する。

(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5に「請求項1?4のいずれか1項に記載のポリスチレン系樹脂組成物を成形して製造された導光板。」とあるうち,請求項1を引用するものと請求項1を引用する請求項4を引用するものとについて,「請求項1又は4に記載のポリスチレン系樹脂組成物を成形して製造された導光板。」に訂正する。

(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項3に「前記スチレン系樹脂組成物を成形して製造された,光路長300mmの平板試験板を用いた試験における黄色度(YI)が10以下である,請求項1又は2に記載のポリスチレン系樹脂組成物。」とあるうち,請求項2を引用するものについて,「前記スチレン系樹脂組成物を成形して製造された,光路長300mmの平板試験板を用いた試験における黄色度(YI)が10以下である,請求項2に記載のポリスチレン系樹脂組成物。」に訂正し,新たに請求項6とする。

(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項4に「前記スチレン系樹脂組成物を成形して製造された,光路長300mmの平板試験板を用いた試験における80℃及び500時間の曝露処理後におけるΔYIが6以下である,請求項1?3のいずれか1項に記載のポリスチレン系樹脂組成物。」とあるうち,請求項2を引用するものと請求項2を引用する請求項3を引用するものとについて,「前記スチレン系樹脂組成物を成形して製造された,光路長300mmの平板試験板を用いた試験における80℃及び500時間の曝露処理後におけるΔYIが6以下である,請求項2又は6に記載のポリスチレン系樹脂組成物。」に訂正し,新たに請求項7とする。

(8)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項5に「請求項1?4のいずれか1項に記載のポリスチレン系樹脂組成物を成形して製造された導光板。」とあるうち,請求項2を引用するものと,請求項2を引用する請求項3を引用するものと,請求項2を引用する請求項3を引用する請求項4を引用するものとについて,「請求項2,6及び7のいずれか1項に記載のポリスチレン系樹脂組成物を成形して製造された導光板。」に訂正し,新たに請求項8とする。

(9)訂正事項9
特許請求の範囲の請求項4に「前記スチレン系樹脂組成物を成形して製造された,光路長300mmの平板試験板を用いた試験における80℃及び500時間の曝露処理後におけるΔYIが6以下である,請求項1?3のいずれか1項に記載のポリスチレン系樹脂組成物。」とあるうち,請求項3を引用するものについて,「前記スチレン系樹脂組成物を成形して製造された,光路長300mmの平板試験板を用いた試験における80℃及び500時間の曝露処理後におけるΔYIが6以下である,請求項3に記載のポリスチレン系樹脂組成物。」に訂正し,新たに請求項9とする。

(10)訂正事項10
特許請求の範囲の請求項5に「請求項1?4のいずれか1項に記載のポリスチレン系樹脂組成物を成形して製造された導光板。」とあるうち,請求項3を引用するものと請求項3を引用する請求項4を引用するものとについて,「請求項3又は9に記載のポリスチレン系樹脂組成物を成形して製造された導光板。」に訂正し,新たに請求項10とする。

2 訂正の適否についての当審の判断
(1)訂正事項1について
訂正事項1に係る訂正は,訂正前の請求項1における「リン系酸化防止剤」及び「フェノール系酸化防止剤」の含有量について,いずれも,「0.02?0.2質量部」を「0.02?0.15質量部」とするものである。
この訂正は,「リン系酸化防止剤」及び「フェノール系酸化防止剤」の含有量について,いずれも,「0.02?0.2質量部」を「0.02?0.15質量部」に限定するものであるから,特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。そして,本件特許の願書に添付した明細書又は特許請求の範囲(以下,「本件明細書等」という。)の【0024】及び【0025】には,それぞれ,「リン系酸化防止剤」及び「フェノール系酸化防止剤」の含有量の上限値が「0.15質量部」であることが記載されているから,この訂正は,本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではない。

(2)訂正事項2について
訂正事項2に係る訂正は,訂正前の請求項1を引用する請求項2について,引用形式の記載から独立形式の記載に改めるものである。
この訂正は,請求項の記載について,訂正前の引用形式の記載を独立形式の記載に改めるものであるから,「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものに該当する。また,この訂正は,本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではない。

(3)訂正事項3について
ア 訂正事項3に係る訂正は,訂正前の請求項3のうち,請求項1を引用するものについて,引用形式の記載から独立形式の記載に改める訂正を含むものである。
この訂正は,請求項の記載について,訂正前の引用形式の記載を独立形式の記載に改めるものであるから,「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものに該当する。また,この訂正は,本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではない。
イ 訂正事項3に係る訂正は,訂正前の請求項3に対して,「メチル α-D-グルコピラノシドを含有しない」との記載を追加する訂正を含むものである。
この訂正は,訂正前の請求項3におけるポリスチレン系樹脂組成物から,「メチル α-D-グルコピラノシドを含有」する場合を除くものであるから,特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。また,この訂正は,本件明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入しないものといえるから,本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではない。

(4)訂正事項4及び5について
訂正事項4に係る訂正は,訂正前の請求項4における引用請求項について,「請求項1?3のいずれか1項」を「請求項1」に訂正するものである。
訂正事項5に係る訂正は,訂正前の請求項5における引用請求項について,「請求項1?4のいずれか1項」を「請求項1又は4」に訂正するものである。
これらの訂正は,いずれも,上記の訂正事項2及び3による訂正(引用関係の解消を目的とする訂正)に伴い,請求項間の引用関係を整理するものであるから,明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。また,これらの訂正は,本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではない。

(5)訂正事項6?10について
訂正事項6に係る訂正は,訂正前の請求項3のうち,請求項2を引用するものについて,請求項2を引用する形で,新請求項6として記載するものである。
訂正事項7に係る訂正は,訂正前の請求項4のうち,請求項2を引用するものと請求項2を引用する請求項3を引用するものについて,請求項2又は新請求項6を引用する形で,新請求項7として記載するものである。
訂正事項8に係る訂正は,訂正前の請求項5のうち,請求項2を引用するものと,請求項2を引用する請求項3を引用するものと,請求項2を引用する請求項3を引用する請求項4を引用するものについて,請求項2,新請求項6及び新請求項7のいずれか1項を引用する形で,新請求項8として記載するものである。
訂正事項9に係る訂正は,訂正前の請求項4のうち,請求項3を引用するものについて,請求項3を引用する形で,新請求項9として記載するものである。
訂正事項10に係る訂正は,訂正前の請求項5のうち,請求項3を引用するものと請求項3を引用する請求項4を引用するものについて,請求項3又は新請求項9を引用する形で,新請求項10として記載するものである。
これらの訂正は,いずれも,上記の訂正事項2及び3による訂正(引用関係の解消を目的とする訂正)に伴い,請求項間の引用関係を整理するものであるから,明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。また,これらの訂正は,本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではない。

(6)一群の請求項について
訂正前の請求項1?5について,請求項2?5は,請求項1を直接的又は間接的に引用するものであり,上記の訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって,訂正前の請求項1?5に対応する訂正後の請求項1?10は,一群の請求項である。そして,本件訂正は,その一群の請求項ごとに請求がされたものである。

3 まとめ
上記2のとおり,各訂正事項に係る訂正は,特許法120条の5第2項ただし書き1号,3号又は4号に掲げる事項を目的とするものに該当し,同条4項に適合するとともに,同条9項において準用する同法126条5項及び6項に適合するものであるから,結論のとおり,本件訂正を認める。
訂正後の請求項2,3及び6?10に係る訂正事項2,3及び6?10は,引用関係の解消を目的とする訂正であるが,上記2のとおり,これらの訂正はいずれも認められるものである。特許権者は,訂正後の請求項2,3及び6?10についての訂正が認められる場合には,これらの請求項については,請求項1とは別途訂正することを求めていることから,訂正後の請求項〔1,4,5〕,〔2,6?8〕,〔3,9,10〕について訂正することを認める。

第3 本件発明
前記第2で述べたとおり,本件訂正は認められるので,本件特許の請求項1?10に係る発明は,本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1?10に記載された事項により特定される以下のとおりのものである(以下,それぞれ「本件発明1」等という。また,本件特許の願書に添付した明細書を「本件明細書」という。)。

【請求項1】
スチレン系単量体のみからなるポリスチレン系樹脂100質量部,リン系酸化防止剤0.02?0.15質量部,フェノール系酸化防止剤0.02?0.15質量部,及び離型剤0.1?1質量部を含み,かつ前記離型剤が高級アルコール又は高級脂肪酸である,ポリスチレン系樹脂組成物。
【請求項2】
スチレン系単量体のみからなるポリスチレン系樹脂100質量部,リン系酸化防止剤0.02?0.2質量部,フェノール系酸化防止剤0.02?0.2質量部,及び離型剤0.1?1質量部を含み,かつ前記離型剤が高級アルコール又は高級脂肪酸である,ポリスチレン系樹脂組成物であって,前記スチレン系樹脂組成物を成形して製造された,光路長300mmの平板試験板を用いた試験における500?600nmの平行光の平均透過率が84%以上であるポリスチレン系樹脂組成物。
【請求項3】
スチレン系単量体のみからなるポリスチレン系樹脂100質量部,リン系酸化防止剤0.02?0.2質量部,フェノール系酸化防止剤0.02?0.2質量部,及び離型剤0.1?1質量部を含み,かつ前記離型剤が高級アルコール又は高級脂肪酸である,ポリスチレン系樹脂組成物であって,前記スチレン系樹脂組成物を成形して製造された,光路長300mmの平板試験板を用いた試験における黄色度(YI)が10以下であり,かつメチル α-D-グルコピラノシドを含有しないポリスチレン系樹脂組成物。
【請求項4】
前記スチレン系樹脂組成物を成形して製造された,光路長300mmの平板試験板を用いた試験における80℃及び500時間の曝露処理後におけるΔYIが6以下である,請求項1に記載のポリスチレン系樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1又は4に記載のポリスチレン系樹脂組成物を成形して製造された導光板。
【請求項6】
前記スチレン系樹脂組成物を成形して製造された,光路長300mmの平板試験板を用いた試験における黄色度(YI)が10以下である,請求項2に記載のポリスチレン系樹脂組成物。
【請求項7】
前記スチレン系樹脂組成物を成形して製造された,光路長300mmの平板試験板を用いた試験における80℃及び500時間の曝露処理後におけるΔYIが6以下である,請求項2又は6に記載のポリスチレン系樹脂組成物。
【請求項8】
請求項2,6及び7のいずれか1項に記載のポリスチレン系樹脂組成物を成形して製造された導光板。
【請求項9】
前記スチレン系樹脂組成物を成形して製造された,光路長300mmの平板試験板を用いた試験における80℃及び500時間の曝露処理後におけるΔYIが6以下である,請求項3に記載のポリスチレン系樹脂組成物。
【請求項10】
請求項3又は9に記載のポリスチレン系樹脂組成物を成形して製造された導光板。

第4 取消理由の概要
1 特許異議申立書に記載した特許異議の申立ての理由
本件発明1?10(本件訂正前の請求項1?5に係る発明に対応する。)は,下記(1)のとおりの取消理由があるから,本件特許の請求項1?10に係る特許は,特許法113条2号に該当し,取り消されるべきものである。証拠方法として,下記(2)の甲第1号証?甲第6号証(以下,単に「甲1」等という。)を提出する。
(1)取消理由1(進歩性)
本件発明1?10は,甲1に記載された発明及び甲1?6に記載された事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものである。
(2)証拠方法
・甲1 国際公開第2011/129393号
・甲2 特開平5-65378号公報
・甲3 特開平10-53679号公報
・甲4 特開平9-176236号公報
・甲5 特開平3-199252号公報
・甲6 国際公開第2010/071152号

なお,申立人は,平成30年4月5日付けの意見書とともに,以下の甲7を提出した。
・甲7 特開2012-149156号公報

2 取消理由通知書に記載した取消理由
上記1の取消理由1(進歩性)(ただし,本件発明1及び3に対するもの。)と同旨。

第5 当審の判断
以下に述べるように,取消理由通知書に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議の申立ての理由によっては,本件特許の請求項1?10に係る特許を取り消すことはできない。

1 取消理由通知書に記載した取消理由(取消理由1(進歩性)(ただし,本件発明1及び3に対するもの。))
(1)甲1に記載された発明
甲1には,加工安定性に優れた熱可塑性ポリマー組成物について記載されており([0001]),具体的には,それぞれ特定の式(化学式は省略。以下,同じ。)で示される,化合物(1),化合物(2),化合物(3)?化合物(7)からなる群から選ばれる少なくとも一つ又は化合物(8)と,化合物(9)と,熱可塑性ポリマーとを含有する熱可塑性ポリマー組成物が記載されている([0005]?[0035])。
また,甲1には,上記のうち,化合物(1)及び化合物(9)を必須成分として含有する熱可塑性ポリマー組成物(すなわち,第1の加工安定化剤を含有する第1の熱可塑性ポリマー組成物)([0036],[0037])について,さらに化合物(2)及び化合物(3)を含有してもよいことが記載されている([0069],[0080])。
そして,甲1の表3-3には,実施例1-70として,化合物(1-1)0.2重量部,化合物(9-1)0.01重量部,化合物(2-1)0.2重量部及び化合物(3-1)0.2重量部を含有する第1の加工安定化剤が記載され([0212],[0226]),また,同表4-2には,実施例1-136として,熱可塑性ポリマー(P1-11)100重量部,実施例1-70の第1の加工安定化剤0.61重量部(=0.2+0.01+0.2+0.2)含有する第1の熱可塑性ポリマー組成物が記載されている([0212],[0230])。すなわち,甲1には,実施例1-136として,熱可塑性ポリマー(P1-11)100重量部,化合物(1-1)0.2重量部,化合物(9-1)0.01重量部,化合物(2-1)0.2重量部及び化合物(3-1)0.2重量部を含有する熱可塑性ポリマー組成物が記載されているといえる。
ここで,甲1の記載([0211],[0231])によれば,熱可塑性ポリマー(P1-11),化合物(1-1),化合物(9-1),化合物(2-1)及び化合物(3-1)は,それぞれ,「ポリスチレン(PS)」,「2,4-ジ-t-ペンチル-6-[1-(3,5-ジ-t-ペンチル-2-ヒドロキシフェニル)エチル]フェニル アクリレート」,「メチル α-D-グルコピラノシド」,「オクタデシル 3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート」,「トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト」を意味するものである。
以上によれば,甲1には,以下の発明が記載されていると認められる。

「ポリスチレン(PS)100重量部,2,4-ジ-t-ペンチル-6-[1-(3,5-ジ-t-ペンチル-2-ヒドロキシフェニル)エチル]フェニル アクリレート0.2重量部,メチル α-D-グルコピラノシド0.01重量部,オクタデシル 3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート0.2重量部及びトリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト0.2重量部を含有する,熱可塑性ポリマー組成物。」(以下,「甲1発明」という。)

(2)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲1発明とを対比する。
甲1発明における「ポリスチレン(PS)100重量部」を含有する「熱可塑性ポリマー組成物」は,本件発明1における「スチレン系単量体のみからなるポリスチレン系樹脂100質量部」を含む「ポリスチレン系樹脂組成物」に相当する。
また,甲1発明における「オクタデシル 3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート」,「トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト」は,それぞれ,本件発明1における「フェノール系酸化防止剤」,「リン系酸化防止剤」に相当する。
そうすると,本件発明1と甲1発明とは,
「スチレン系単量体のみからなるポリスチレン系樹脂100質量部,リン系酸化防止剤,フェノール系酸化防止剤を含む,ポリスチレン系樹脂組成物。」
の点で一致し,以下の点で相違する。
・相違点1
本件発明1では,さらに「離型剤0.1?1質量部」を含み,その離型剤が「高級アルコール又は高級脂肪酸」であるのに対して,甲1発明では,離型剤を含まない点。
・相違点2
本件発明1では,リン系酸化防止剤及びフェノール系酸化防止剤の含有量が,いずれも,「0.02?0.15質量部」であるのに対して,甲1発明では,いずれも,「0.2質量部」である点。

イ 相違点1及び2の検討
事案に鑑み,相違点1及び2についてまとめて検討する。
(ア)本件発明1は,ポリスチレン系樹脂組成物に関するものである。本件明細書の記載(【0004】,【0006】,【0007】,【0014】,【0021】?【0029】,実施例1?5,比較例1?7,表1,表2,【0054】)によれば,本件発明1は,スチレン系単量体のみからなるポリスチレン系樹脂に対して,所定量のリン系酸化防止剤と所定量のフェノール系酸化防止剤を添加するとともに,所定量の高級アルコール又は高級脂肪酸である離型剤を添加することによって,環境温度及び高温での光線透過率の低下を抑制し,黄変を低減すると同時に,これらの光学特性を悪化させることなく離型性を向上することができる(すなわち,これらの特性を両立できる)というものである。
以上によれば,相違点1及び2は,技術的に相互に関連するものといえるので,これらを総合した検討が必要となるものである。
(イ)一方,甲1には,本件発明1に関して上記(ア)で述べた事項については,何ら記載されていない。甲1発明は,本件発明1と同様,ポリスチレンを主成分とする熱可塑性ポリマー組成物に関するものであるが,甲1には,各種の熱可塑性ポリマー組成物の加工安定性を向上させることについて記載されているだけであり([0001],[0035],[0195]),光線透過率の低下の抑制や黄変の低減など,ポリスチレン系樹脂組成物の光学特性を向上させることについては,何ら記載されていない。
甲1発明に係る熱可塑性ポリマー組成物は,本件発明1における「フェノール系酸化防止剤」に相当する「オクタデシル 3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート」と,同「リン系酸化防止剤」に相当する「トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト」を含むものであるが,これらの成分も,加工安定性の観点から含有させるものと解される([0035],[0069],[0078],[0080],[0087])。また,甲1発明に係る熱可塑性ポリマー組成物は,上記以外にも,「2,4-ジ-t-ペンチル-6-[1-(3,5-ジ-t-ペンチル-2-ヒドロキシフェニル)エチル]フェニル アクリレート」や,「メチル α-D-グルコピラノシド」を含むものであるが,これらの成分が光線透過率の低下や黄変にどのような影響を及ぼすのかは,不明というほかない。
さらに,甲1には,他の添加剤として,滑剤を含んでいてもよいことが記載されており([0154]),本件発明1における「高級脂肪酸」に相当する「C_(8-22)高級脂肪酸」や,同「高級アルコール」に相当する「C_(8-22)脂肪族アルコール」が挙げられてはいるものの,これらのほかに,パラフィン,ワックス等の脂肪族炭化水素,C_(8-22)高級脂肪酸の金属塩,ポリグリコール,C_(4-22)脂肪酸とC_(4-18) 脂肪族1価アルコールとのエステル,C_(8-22)高級脂肪族アミド,シリコーン油,ロジン誘導体なども挙げられており([0187]),これらの中で,特にC_(8-22)高級脂肪酸やC_(8-22)脂肪族アルコールが好ましいとされているわけでもない。
また,甲2?6のほか,申立人が平成30年4月5日付けの意見書とともに提出した甲7にも,本件発明1に関して上記(ア)で述べた事項については,何ら記載されていない。
(ウ)そうすると,甲1発明に係る熱可塑性ポリマー組成物において,「オクタデシル 3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート」及び「トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト」の含有量を,いずれも,「0.02?0.15質量部」とし,さらに,「高級アルコール又は高級脂肪酸」である「離型剤0.1?1質量部」を含有させることが,当業者が容易に想到することができたということはできない。そして,本件発明1は,上記(ア)のとおり,環境温度及び高温での光線透過率の低下を抑制し,黄変を低減すると同時に,これらの光学特性を悪化させることなく離型性を向上することができる(すなわち,これらの特性を両立できる)という,当業者が予測することができない格別顕著な効果を奏するものである。
したがって,本件発明1は,甲1に記載された発明及び甲1?7に記載された事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(3)本件発明3について
ア 対比
本件発明3と甲1発明とを対比すると,両者は,
「スチレン系単量体のみからなるポリスチレン系樹脂100質量部,リン系酸化防止剤0.2質量部,フェノール系酸化防止剤0.2質量部を含む,ポリスチレン系樹脂組成物。」
の点で一致し,以下の点で相違する。
・相違点1’
本件発明3では,さらに「離型剤0.1?1質量部」を含み,その離型剤が「高級アルコール又は高級脂肪酸」であるのに対して,甲1発明では,離型剤を含まない点。
・相違点3
本件発明3では,「メチル α-D-グルコピラノシドを含有しない」のに対して,甲1発明では,メチル α-D-グルコピラノシドを含有する点。

イ 相違点1’の検討
相違点1’は,上記(2)アで認定した相違点1と同様のものである。本件発明3と甲1発明とは,リン系酸化防止剤及びフェノール系酸化防止剤の含有量が一致するものの,上記(2)イで本件発明1について述べたのと同様の理由により,甲1発明に係る熱可塑性ポリマー組成物において,さらに,「高級アルコール又は高級脂肪酸」である「離型剤0.1?1質量部」を含有させることが,当業者が容易に想到することができたということはできない。

ウ 相違点3の検討
甲1発明は,上記(1)のとおり,甲1の実施例1-136(第1の加工安定化剤を含有する第1の熱可塑性ポリマー組成物)に基づいて認定したものであり,「メチル α-D-グルコピラノシド」を含有するものである。
甲1の記載([0036],[0037],[0065])によれば,当該「メチル α-D-グルコピラノシド」(化合物(9-1))は,第1の加工安定化剤における必須成分である化合物(9)に相当するものであり,特に好ましいものとされている。甲1には,化合物(9)として,多数のものが例示されている([0047]?[0068])ものの,実施例において実際に用いられているのは,上記「メチル α-D-グルコピラノシド」(化合物(9-1))のみである([0211],表1?表16-2)。
そうすると,甲1発明に係る熱可塑性ポリマー組成物において,上記のような「メチル α-D-グルコピラノシド」を「含有しない」ものとすることが動機付けられるとはいえず,また,「メチル α-D-グルコピラノシド」に代えて,別の化合物(9)を用いる(その結果,「メチル α-D-グルコピラノシドを含有しない」ものとなる。)ことについても,その動機付けは乏しいといえる。
以上によれば,甲1発明に係る熱可塑性ポリマー組成物において,「メチル α-D-グルコピラノシドを含有しない」ものとすることが,当業者が容易に想到することができたということはできない。

エ 本件発明3の効果について
本件発明3は,上記(2)イで本件発明1について述べたのと同様,環境温度及び高温での光線透過率の低下を抑制し,黄変を低減すると同時に,これらの光学特性を悪化させることなく離型性を向上することができる(すなわち,これらの特性を両立できる)という,当業者が予測することができない格別顕著な効果を奏するものである。

オ 小括
したがって,本件発明3は,甲1に記載された発明及び甲1?7に記載された事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(4)まとめ
以上のとおり,本件発明1及び3は,いずれも,甲1に記載された発明及び甲1?7に記載された事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
したがって,取消理由1(進歩性)(ただし,本件発明1及び3に対するもの。)によっては,本件特許の請求項1及び3に係る特許を取り消すことはできない。

2 取消理由通知において採用しなかった特許異議の申立ての理由(取消理由1(進歩性)(ただし,本件発明2及び4?10に対するもの。))
(1)本件発明2について
ア 対比
本件発明2と甲1発明とを対比すると,両者は,
「スチレン系単量体のみからなるポリスチレン系樹脂100質量部,リン系酸化防止剤0.2質量部,フェノール系酸化防止剤0.2質量部を含む,ポリスチレン系樹脂組成物。」
の点で一致し,以下の点で相違する。
・相違点1’’
本件発明2では,さらに「離型剤0.1?1質量部」を含み,その離型剤が「高級アルコール又は高級脂肪酸」であるのに対して,甲1発明では,離型剤を含まない点。
・相違点4
本件発明2では,「前記スチレン系樹脂組成物を成形して製造された,光路長300mmの平板試験板を用いた試験における500?600nmの平行光の平均透過率が84%以上である」のに対して,甲1発明では,このような平均透過率について特定されていない点。

イ 相違点1’’の検討
相違点1’’は,上記1(2)アで認定した相違点1と同様のものである。本件発明2と甲1発明とは,リン系酸化防止剤及びフェノール系酸化防止剤の含有量が一致するものの,上記1(2)イで本件発明1について述べたのと同様の理由により,甲1発明に係る熱可塑性ポリマー組成物において,さらに,「高級アルコール又は高級脂肪酸」である「離型剤0.1?1質量部」を含有させることが,当業者が容易に想到することができたということはできない。

ウ 相違点4の検討
甲1のほか,甲2?7のいずれにも,相違点4に係る事項については何ら記載されていないから,甲1発明に係る熱可塑性ポリマー組成物において,「前記スチレン系樹脂組成物を成形して製造された,光路長300mmの平板試験板を用いた試験における500?600nmの平行光の平均透過率が84%以上である」と特定することが,当業者が容易に想到することができたということはできない。

エ 本件発明2の効果について
本件発明2は,上記1(2)イで本件発明1について述べたのと同様,環境温度及び高温での光線透過率の低下を抑制し,黄変を低減すると同時に,これらの光学特性を悪化させることなく離型性を向上することができる(すなわち,これらの特性を両立できる)という,当業者が予測することができない格別顕著な効果を奏するものである。

オ 小括
したがって,本件発明2は,甲1に記載された発明及び甲1?7に記載された事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(2)本件発明4?10について
本件発明4及び5は,本件発明1を直接的又は間接的に引用するものであり,本件発明6?8は,本件発明2を直接的又は間接的に引用するものであり,本件発明9及び10は,本件発明3を直接的又は間接的に引用するものであるが,上記1(2),(3)及び2(1)で述べたとおり,本件発明1?3が,いずれも,甲1に記載された発明及び甲1?7に記載された事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない以上,本件発明4?10についても同様に,甲1に記載された発明及び甲1?7に記載された事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(3)まとめ
以上のとおり,本件発明2及び4?10は,いずれも,甲1に記載された発明及び甲1?7に記載された事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないから,申立人が主張する取消理由1(進歩性)(ただし,本件発明2及び4?10に対するもの。)は理由がない。
したがって,取消理由1(進歩性)(ただし,本件発明2及び4?10に対するもの。)によっては,本件特許の請求項2及び4?10に係る発明についての特許を取り消すことはできない。

第6 むすび
以上のとおり,取消理由通知書に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議の申立ての理由によっては,本件特許の請求項1?10に係る特許を取り消すことはできない。
また,他に本件特許の請求項1?10に係る発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スチレン系単量体のみからなるポリスチレン系樹脂100質量部、リン系酸化防止剤0.02?0.15質量部、フェノール系酸化防止剤0.02?0.15質量部、及び離型剤0.1?1質量部を含み、かつ前記離型剤が高級アルコール又は高級脂肪酸である、ポリスチレン系樹脂組成物。
【請求項2】
スチレン系単量体のみからなるポリスチレン系樹脂100質量部、リン系酸化防止剤0.02?0.2質量部、フェノール系酸化防止剤0.02?0.2質量部、及び離型剤0.1?1質量部を含み、かつ前記離型剤が高級アルコール又は高級脂肪酸である、ポリスチレン系樹脂組成物であって、前記スチレン系樹脂組成物を成形して製造された、光路長300mmの平板試験板を用いた試験における500?600nmの平行光の平均透過率が84%以上であるポリスチレン系樹脂組成物。
【請求項3】
スチレン系単量体のみからなるポリスチレン系樹脂100質量部、リン系酸化防止剤0.02?0.2質量部、フェノール系酸化防止剤0.02?0.2質量部、及び離型剤0.1?1質量部を含み、かつ前記離型剤が高級アルコール又は高級脂肪酸である、ポリスチレン系樹脂組成物であって、前記スチレン系樹脂組成物を成形して製造された、光路長300mmの平板試験板を用いた試験における黄色度(YI)が10以下であり、かつメチル α-D-グルコピラノシドを含有しないポリスチレン系樹脂組成物。
【請求項4】
前記スチレン系樹脂組成物を成形して製造された、光路長300mmの平板試験板を用いた試験における80℃及び500時間の曝露処理後におけるΔYIが6以下である、請求項1に記載のポリスチレン系樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1又は4に記載のポリスチレン系樹脂組成物を成形して製造された導光板。
【請求項6】
前記スチレン系樹脂組成物を成形して製造された、光路長300mmの平板試験板を用いた試験における黄色度(YI)が10以下である、請求項2に記載のポリスチレン系樹脂組成物。
【請求項7】
前記スチレン系樹脂組成物を成形して製造された、光路長300mmの平板試験板を用いた試験における80℃及び500時間の曝露処理後におけるΔYIが6以下である、請求項2又は6に記載のポリスチレン系樹脂組成物。
【請求項8】
請求項2、6及び7のいずれか1項に記載のポリスチレン系樹脂組成物を成形して製造された導光板。
【請求項9】
前記スチレン系樹脂組成物を成形して製造された、光路長300mmの平板試験板を用いた試験における80℃及び500時間の曝露処理後におけるΔYIが6以下である、請求項3に記載のポリスチレン系樹脂組成物。
【請求項10】
請求項3又は9に記載のポリスチレン系樹脂組成物を成形して製造された導光板。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-06-04 
出願番号 特願2013-48201(P2013-48201)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (C08L)
最終処分 維持  
前審関与審査官 岸 智之山▲崎▼ 真奈杉江 渉  
特許庁審判長 大島 祥吾
特許庁審判官 小柳 健悟
井上 猛
登録日 2017-03-10 
登録番号 特許第6104653号(P6104653)
権利者 PSジャパン株式会社
発明の名称 導光板用ポリスチレン系樹脂組成物及び導光板  
代理人 青木 篤  
代理人 古賀 哲次  
代理人 齋藤 都子  
代理人 中村 和広  
代理人 石田 敬  
代理人 古賀 哲次  
代理人 青木 篤  
代理人 中村 和広  
代理人 石田 敬  
代理人 齋藤 都子  

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