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審決分類 |
審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載 G06Q 審判 一部申し立て 2項進歩性 G06Q |
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管理番号 | 1342014 |
異議申立番号 | 異議2018-700312 |
総通号数 | 224 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2018-08-31 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2018-04-16 |
確定日 | 2018-07-10 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第6212787号発明「健康情報処理装置及び方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6212787号の請求項1、3ないし6、9ないし12に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.手続の経緯 特許第6212787号の請求項1、3?6、9?12に係る特許についての出願は、2014年(平成26年)10月1日(優先権主張 平成25年10月1日)を国際出願日とする特願2015-508354号の一部を平成28年12月26日に新たな特許出願としたものであって、平成29年9月29日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許に対し、平成30年4月16日に特許異議申立人新井誠一により特許異議の申立てがされたものである。 2.本件発明 特許第6212787号の請求項1、3?6、9?12の特許に係る発明は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1、3?6、9?12に記載された事項により特定されるとおりのものである。 3.申立理由の概要 特許異議申立人は、証拠として特開2003-067499号公報(以下「甲第1号証」という。)を提出し、請求項1、5、6、9、12に係る特許は特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものであり、請求項1、5、6、9、12に係る特許を取り消すべきものである旨主張している。また、特許異議申立人は、甲第1号証に加えて、「中村任,薬理作用と薬物動態の個人差,臨床薬理,第35巻,第2号,第119-122頁,2004年」(以下「甲第2号証」という。)及び特開2004-287606号公報(以下「甲第3号証」という。)を提出し、請求項3、4、10、11に係る特許は第29条第2項の規定に違反してされたものであり、請求項3、4、10、11に係る特許を取り消すべきものである旨主張している。 4.刊行物の記載 甲第1号証には、 「各個人の個人情報である、DNA塩基配列等の多型に関する情報と、血圧、脈拍、尿中成分値、血中成分値に関する情報、及び、睡眠時間、運動量、飲酒、喫煙に関する情報とを、複数人分収集して記憶する記憶手段と、 記憶された複数人分の個人情報を解析することで、DNA塩基配列等の多型に関する情報から抽出されるDNA塩基配列の類型、及び、血圧、脈拍、尿中成分値、血中成分値に関する情報、及び、睡眠時間、運動量、飲酒、喫煙に関する情報から抽出される飲酒、喫煙、血中成分値等の類型の組み合わせと、将来罹病しうる疾病との相関関係を導き出す解析手段と、 前記記憶手段に記憶され前記解析手段によって解析された所定の個人の個人情報を診断し、診断の結果を当該個人に提示する提示手段と を備えた、サーバ。」 の発明が記載されている。 甲第2号証には、「薬物代謝能に、遺伝子多型のみではなく、食習慣、喫煙、アルコール摂取といった要因も影響を与える」ことが記載されている。 甲第3号証には、「患者本人の意思に沿った形で、遺伝子多型等に関する情報を所定の開示対象者に対して所定の開示範囲に応じて開示する開示手段」が記載されている。 5.判断 (1)請求項1に係る発明について 請求項1に係る発明と甲第1号証に記載された発明とを対比すると、当該甲第1号証には、「生体情報及び行動情報から導き出されるライフスタイルの型」を用いることが記載されていない。 すなわち、請求項1に係る発明は「生体情報及び行動情報」から「ライフスタイルの型」を導き出して、解析に用いるものである。これに対し、甲第1号証に記載された発明では、「血圧、脈拍、尿中成分値、血中成分値に関する情報、及び、睡眠時間、運動量、飲酒、喫煙に関する情報から抽出される飲酒、喫煙、血中成分値等の類型」の情報を用いているが、ここでの「類型」は、「飲酒、喫煙、血中成分値等」の各項目について、それぞれの項目が所定の条件を満たすか否かを類型化したものに過ぎず、「生体情報及び行動情報」に基づいて「ライフスタイルの型」を導き出すことは行っていない。 したがって、請求項1に係る発明は、上記甲第1号証に記載された発明ではない。よって特許異議申立人の主張は理由がない。 (2)請求項5、6、9、12に係る発明について 請求項5、6、9、12に係る発明は、請求項1に係る発明の「生体情報及び行動情報から導き出されるライフスタイルの型」に対応する構成を備えるものであるから、上記請求項1に係る発明と同様に、上記甲第1号証に記載された発明ではない。 (2)請求項3、4、10、11に係る発明について 請求項3、4、10、11に係る発明は、請求項1に係る発明の「生体情報及び行動情報から導き出されるライフスタイルの型」に対応する構成を備えている。当該構成は甲第1号証ないし甲第3号証のいずれにも記載されておらず、これらを組み合わせることによっても当業者が容易に想到し得ないものである。よって請求項3、4、10、11に係る発明は、当業者であっても甲第1号証ないし甲第3号証に記載の発明に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 以上のとおり、請求項1、5、6、9、12に係る発明は、上記甲第1号証に記載された発明ではない。また、請求項3、4、10、11に係る発明は、上記甲第1号証ないし甲第3号証に記載された発明から当業者が容易になし得るものではない。 6.むすび したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1、3?6、9?12に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1、3?6、9?12に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2018-06-29 |
出願番号 | 特願2016-252035(P2016-252035) |
審決分類 |
P
1
652・
113-
Y
(G06Q)
P 1 652・ 121- Y (G06Q) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 牧 裕子 |
特許庁審判長 |
渡邊 聡 |
特許庁審判官 |
相崎 裕恒 宮久保 博幸 |
登録日 | 2017-09-29 |
登録番号 | 特許第6212787号(P6212787) |
権利者 | 株式会社東芝 国立大学法人東北大学 |
発明の名称 | 健康情報処理装置及び方法 |
代理人 | 特許業務法人酒井国際特許事務所 |
代理人 | 井上 義隆 |
代理人 | 特許業務法人酒井国際特許事務所 |