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審決分類 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する F21S
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する F21S
管理番号 1342247
審判番号 訂正2018-390056  
総通号数 225 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-09-28 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2018-03-15 
確定日 2018-06-25 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第4366431号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4366431号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第4366431号は、平成20年7月30日を出願日として出願された特願2008-197040号の請求項1?3に係る発明について、平成21年8月28日に特許権の設定登録がされたものであって、その後の経緯は以下のとおりである。

平成29年12月25日 訂正審判(訂正2017-390157号
)の請求
平成30年 3月15日 本件訂正審判(訂正2018-39005
6号)の請求
3月20日付け 訂正を認める審決(訂正2017-390
157号 4月6日確定登録)
4月18日 本件訂正審判(訂正2018-39005
6号)の手続補正書の提出

第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第4366431号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付の特許請求の範囲(平成30年4月18日に提出された手続補正書により補正されたもの)のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものであり、請求人が求めている訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである。(審決注:下線部分は訂正箇所であり、請求人が訂正特許請求の範囲において示したとおりである。)

願書に添付した特許請求の範囲の請求項1の記載を訂正後の請求項1の記載のとおり訂正し、その結果として請求項1を引用する請求項3も訂正する。

(訂正前)「【請求項1】
複数の同一のLEDを搭載したLED基板と、
前記LED基板を収容する基板収容空間を有する筐体と、を備えた、ライン状の光を照射する光照射装置であって、
電源電圧とLEDを直列に接続したときの順方向電圧の合計との差が所定の許容範囲となるLEDの個数をLED単位数とし、
前記LED基板に搭載されるLEDの個数を、順方向電圧の異なるLED毎に定まるLED単位数の最小公倍数としている光照射装置。」

(訂正後)「【請求項1】
複数の同一のLEDを搭載したLED基板と、
前記LED基板を収容する基板収容空間を有する筐体と、を備えた、ライン状の光を照射する光照射装置であって、
電源電圧とLEDを直列に接続したときの順方向電圧の合計との差が所定の許容範囲となるLEDの個数をLED単位数とし、
前記LED基板に搭載されるLEDの個数を、順方向電圧の異なるLED毎に定まるLED単位数の最小公倍数とし、
複数の前記LED基板を前記ライン方向に沿って直列させてある光照射装置。」

第3 当審の判断
1 訂正の目的について
本件訂正は、光照射装置のLED基板について「複数の前記LED基板を前記ライン方向に沿って直列させてある」ものに限定するものである。
したがって、本件訂正は、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであるといえるので、特許法第126条第1項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とするものに該当する。

2 新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更について
願書に添付した明細書の段落【0017】には「本実施形態の収容凹部301は2つのLED基板2を長手方向に連続して収容する。」との記載があり、段落【0041】には「さらに、LED基板と押圧部材とを対応させて、それらLED基板及び押圧部材の直列させる数を変更して、光照射装置の長さを変更するようにして良い。」との記載がある。そうすると、願書に添付した明細書には、2つのLED基板をライン方向に沿って直列させること及び「長さを変更する」ことが記載されているところ、長さを変更することには、長さを長くすること及び長さを短くすることが含まれるから、これらの記載から、直列させるLED基板の数を2とすること及び直列させるLED基板の数を2からから増加して光照射装置の長さを長くすること、すなわち直列させるLED基板の数を複数(2以上)とすることが導き出せるといえる。
したがって、本件訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でした訂正である。
また、本件訂正は、発明特定事項における直列的要素の削除若しくは択一的記載の要素の追加又は発明特定事項の上位概念への変更ではなく、発明のカテゴリーを変更するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものとはいえない。
よって、本件訂正は、特許法第126条第5項ないし第6項の規定に適合する。

3 独立特許要件について
(1)訂正後の発明
訂正後の請求項1及び訂正後の請求項3に係る発明は、以下のとおりのものである(以下「本件訂正発明1」及び「本件訂正発明3」という。)。

「【請求項1】
複数の同一のLEDを搭載したLED基板と、
前記LED基板を収容する基板収容空間を有する筐体と、を備えた、ライン状の光を照射する光照射装置であって、
電源電圧とLEDを直列に接続したときの順方向電圧の合計との差が所定の許容範囲となるLEDの個数をLED単位数とし、
前記LED基板に搭載されるLEDの個数を、順方向電圧の異なるLED毎に定まるLED単位数の最小公倍数とし、
複数の前記LED基板を前記ライン方向に沿って直列させてある光照射装置。
【請求項3】
前記LEDが、表面実装型LEDである請求項1記載の光照射装置。」

(2)係属中の特許無効審判
本件特許第4366431号に関し、無効審判2018-800050号が係属中であり、その理由とは、以下のものである。

無効理由1:特許法第29条第1項第2号違反
(証拠方法 甲第1号証?甲第5号証)
無効理由2:特許法第29条第2項違反
(証拠方法 甲第1号証?甲第5号証)

そこで、これら無効理由1?無効理由2の観点から、本件訂正発明1及び本件訂正発明3が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて検討する。
なお、訂正前の請求項1、3に係る発明を、まとめて、「訂正前発明」という。

(3)無効理由1について
(3-1)無効審判請求人の主張
上記無効審判事件の請求人(以下「無効審判請求人」という。)は、無効審判請求人製品IDB-11/14R、無効審判請求人製品IDB-11/14Wに係る発明(以下「甲発明1」という。)、無効審判請求人製品IDB-C11/14R、無効審判請求人製品IDB-C11/14Bに係る発明(以下「甲発明2」という。)、無効審判請求人製品IDB-L600/20RS、無効審判請求人製品IDB-L600/20WSに係る発明(以下「甲発明3」という。)が本件特許の出願日前に公然実施されており、本件訂正前発明は甲発明1、甲発明2又は甲発明3であるから、特許法第29条第1項第2号に該当するか、甲発明1?甲発明3に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものであって、無効とされるべきである旨の主張がなされている。また、無効審判請求人は、甲発明1を立証するための証拠方法として「無効審判請求人製品2004年?LED照明総合カタログ」(甲第1号証)及び「説明書(I)」(甲第3号証)を、甲発明2を立証するための証拠方法として「無効審判請求人製品2005年?LED照明総合カタログ」(甲第2号証)及び「説明書(II)」(甲第4号証)を、甲発明3を立証するための証拠方法として「無効審判請求人製品2005年?LED照明総合カタログ」(甲第2号証)及び「説明書(III)」(甲第5号証)をそれぞれ挙げている。

(3-2)公然実施についての検討
まず、無効審判請求人製品IDB-11/14R及び無効審判請求人製品IDB-11/14W、無効審判請求人製品IDB-C11/14R及び無効審判請求人製品IDB-C11/14B並びに無効審判請求人製品IDB-L600/20RS及び無効審判請求人製品IDB-L600/20WSを実施品とする発明が公然実施された発明であるかどうかについて検討する。
「無効審判請求人製品2004年?LED照明総合カタログ」(甲第1号証)及び「説明書(I)」(甲第3号証)、「無効審判請求人製品2005年?LED照明総合カタログ」(甲第2号証)及び「説明書(II)」(甲第4号証)並びに「無効審判請求人製品2005年?LED照明総合カタログ」(甲第2号証)及び「説明書(III)」(甲第5号証)を参照しても、これらが実際に販売されていたと認定するには足りない。

(3-3)証拠方法の内容
以下では、各無効審判請求人製品が実際に販売されていたと仮定して、証拠方法の内容を検討する。なお、当技術分野において、製品の回路等は、当業者が当該製品を分析して知り得ることが通常である。

ア 無効審判請求人製品IDB-11/14R及び無効審判請求人製品IDB-11/14Wについて
(1a)甲第3号証の資料1の下段の図右下には、「赤色LED 6個」及び「GL3UR43」という記載があるところ、技術常識を踏まえると、「GL3UR43」は「赤色LED」の型番を示すものと推認できる。
そうすると、甲第3号証の資料1の左上のタイトル、上段の図及び下段の図から、無効審判請求人製品IDB-11/14Rは、複数の同一の赤色LED(型番「GL3UR43」6個)を搭載した基板を備えること、基板を収容するケースを備えるLED Direct Bar Lightであることが認定できる。
(1b)甲第3号証の資料2の左上の回路図から、無効審判請求人製品IDB-11/14Rは、直流電源の電源電圧(12V)とLEDを接続し、LEDを直列に6個接続し、基板に搭載されるLEDの個数は6個であることが看取できる。
(1c)甲第3号証の資料5の下段の図右下には、「白色LED 6個」、「NSPW310BS-CR/CS」、「CR:150Ω」及び「CS:180Ω」という記載がある。ここで、技術常識を踏まえると、「NSPW310BS-CR/CS」という記載は「NSPW310BS-CR」及び「NSPW310BS-CS」という白色LEDの型番を示し、「CR:150Ω」及び「CS:180Ω」はそれらに組み合わせる抵抗を意味するものと推認され、「LED Flat Direct Ring Light」のような用途においては発光のばらつきを避けることが通常であるので、これらの記載から、「NSPW310BS-CR」を6個または「NSPW310BS-CS」を6個のいずれかを用いていると理解するのが自然である。
そうすると、甲第3号証の資料5の左上のタイトル、上段の図及び下段の図から、無効審判請求人製品IDB-11/14Wは、複数の同一の白色LED(型番「NSPW310BS-CR」6個または型番「NSPW310BS-CS」6個)を搭載した基板を備えること、基板を収容するケースを備えるLED Direct Bar Lightであることが認定できる。
(1d)甲第3号証の資料6の左上の回路図から、無効審判請求人製品IDB-11/14Wは、直流電源の電源電圧(12V)とLEDを接続し、LEDを直列に3個接続し、基板に搭載されるLEDの個数は6個であることが看取できる。
(1e)甲第3号証の資料3の電気的光学的特性の表を参照すると、「GL3UR43」のTYP順電圧が1.85Vであることが認定できる。
(1f)甲第3号証の資料7の第1ページ初期電気/光学特性の表を参照すると、「NSPW310BS」の標準順電圧が3.6Vであることが認定できる。

上記(1a)?(1f)の事項からみて、証拠方法によれば、次の発明(引用発明1)が認定できる。

<引用発明1>
「複数の同一のLEDを搭載した基板と、
前記基板を収容するケースと、を備えたLED Direct Bar Lightであって、
直流電源の電源電圧(12V)とLEDを接続し、
赤色LEDの場合には、直列接続されているLEDは、6個であり、
前記赤色LEDはGL3UR43であり、
前記GL3UR43のTYP順電圧が1.85Vであり、
白色LEDの場合には、直列接続されているLEDは、3個であり、
前記白色LEDはNSPW310BS-CRまたはNSPW310BS-CSであり、
前記NSPW310BSの標準順電圧が3.6Vであり、
前記基板に搭載されるLEDの数は、6個であるLED Direct Bar Light。」

イ 無効審判請求人製品IDB-C11/14R及び無効審判請求人製品IDB-C11/14Wについて
(2a)上記「ア(1a)」で述べたと同様に、甲第4号証の資料1の「機名」の欄、右上の「部品名」、「型番」、「数量」、「材質・表面処理・寸法」の表から、無効審判請求人製品IDB-C11/14Rは、6個の同一の赤のLED(型番「GL3UR43」)を搭載すること、プリント基板を備えることが認定できる。また、甲第4号証の資料1の各図から、無効審判請求人製品IDB-C11/14Rは、プリント基板を収容する部品を備えていることが看取できる。
(2b)甲第4号証の資料2の「機名」の欄、左上の回路図から、無効審判請求人製品IDB-C11/14Rは、直流電源の電源電圧(12V)とLEDを接続し、LEDを直列に6個接続することが看取できる。
(2c)上記「ア(1c)」で述べたと同様に、甲第4号証の資料5の左上のタイトル、「部品名」、「型番」、「必要数」の表から、無効審判請求人製品IDB-C11/14Bは、6個の同一のLED(型番「NSPB310A-WS」または型番「NSPB310A-WT」)を搭載すること、基板を備えることが認定できる。また、甲第4号証の資料5の各図から、無効審判請求人製品IDB-C11/14Bは、基板を収容する部品を備えていることが看取できる。
(2d)甲第4号証の資料6の左上の回路図から、無効審判請求人製品IDB-11/14Wは、直流電源の電源電圧(12V)とLEDを接続し、LEDを直列に3個接続し、基板に搭載されるLEDの個数は6個であることが看取できる。
(2e)甲第2号証の頁番号16の左上のタイトル、頁番号17の下段の「型式」の表から無効審判請求人製品IDB-C11/14Rはダイレクトバー照明であることが看取できる。
(2f)甲第4号証の資料3の電気的光学的特性の表を参照すると、「GL3UR43」のTYP順電圧が1.85Vであることが認定できる。
(2g)甲第4号証の資料7の第1ページ初期電気/光学特性の表を参照すると、「NSPB310A」の標準順電圧が3.6Vであることが認定できる。

上記(2a)?(2c)、(2e)の事項からみて、証拠方法によれば、次の発明(引用発明2)が認定できる。

<引用発明2>
「6個の同一の赤のLEDを搭載したプリント基板と、
前記プリント基板を収容する部品と、を備えたIDB-C11/14Rであって、
直流電源の電源電圧(12V)とLEDを接続し、
直列接続されているLEDは、6個であり、
前記赤のLEDはGL3UR43であり、
前記GL3UR43のTYP順電圧が1.85Vであり、
ダイレクトバー照明であるIDB-C11/14R。」

ウ 無効審判請求人製品IDB-L600/20RS及び無効審判請求人製品IDB-L600/20WSについて
(3a)甲第5号証の資料1の左上には「LED Linear Array Light IDB-L600/20RS」という記載があるところ、上記「ア(1a)」で述べたと同様に、甲第5号証の資料1の下方中央の「部品名」、「型番」、「必要数」、「材質・表面」、「備考」の表から、無効審判請求人製品IDB-L600/20RSは、348個の同一の赤色のLED(型番「LT1U40A」)を搭載すること、2枚の同一の基板(型番「P211-490-2B」)を備えることが認定できる。また、甲第5号証の資料1の各図から、無効審判請求人製品IDB-L600/20RSは、基板を収容する部品を備えていることが看取できる。
(3b)甲第5号証の資料1の上部右方の「*Only 12V USE」という記載を踏まえると、無効審判請求人製品IDB-L600/20RSの電源電圧は12Vと認定できる。また、甲第5号証の資料1の下方中央の「部品名」、「型番」、「必要数」、「材質・表面」、「備考」の表の基板(型番「P211-490-2B」)の「材質・表面」から「備考」にかけての欄を参照すると、基板の部品面に部品を実装していることが認定できる。
(3c)甲第5号証の資料2の「機名」、「名称」、「図番」及び左下の回路図を参照すると、無効審判請求人製品IDB-L300/20RSは、直流電源の電源電圧(+COM、-COM)とLEDを接続し、プリント基板(図番「P211-490-2B」)の部品面「P211-490-2」においては、LEDを直列に6個接続し、そのような直列回路をさらに29本並列接続することが認定できる。また、基板の外径寸法の長さは299.7であることが認定できる。
(3d)甲第5号証の資料5の左上には「LED Linear Array Light IDB-L600/20WS」という記載があるところ、上記「ア(1a)」で述べたと同様に、甲第5号証の資料5の下方中央の「部品名」、「型番」、「必要数」、「材質・表面」、「備考」の表から、無効審判請求人製品IDB-L600/20WSは、348個の同一の白色のLED(型番「E1S30-AW0A7-03」)を搭載すること、2枚の同一の基板(型番「P211-490-2B」)を備えることが認定できる。また、甲第5号証の資料5の各図から、無効審判請求人製品IDB-L600/20WSは、基板を収容する部品を備えていることが看取できる。
(3e)甲第5号証の資料5の上部右方の「*Only 12V USE」という記載を踏まえると、無効審判請求人製品IDB-L600/20WSの電源電圧は12Vと認定できる。また、甲第5号証の資料5の下方中央の「部品名」、「型番」、「必要数」、「材質・表面」、「備考」の表の基板(型番「P211-490-2B」)の「材質・表面」から「備考」にかけての欄を参照すると、基板のハンダ面に部品を実装していることが認定できる。
(3f)甲第5号証の資料2の「機名」、「名称」、「図番」及び左下の回路図を参照すると、無効審判請求人製品IDB-L300/20RSは、直流電源の電源電圧(+COM、-COM)とLEDを接続し、プリント基板(図番「P211-490-2B」)のハンダ面「P211-491-2」においては、LEDを直列に3個接続し、そのような直列回路をさらに58本並列接続することが認定できる。また、上記(3c)のとおり、基板の外径寸法の長さは299.7であることが認定できる。
(3g)甲第5号証の資料1の各図から、無効審判請求人製品IDB-L600/20RSの発光面の長さが600であることが、甲第5号証の資料5の各図から、無効審判請求人製品IDB-L600/20WSの発光面の長さが600であることが、それぞれ認定できる。
(3h)甲第5号証の資料3の電気的光学的特性の表を参照すると、「LT1U40A」のTYP順電圧が1.85Vであることが認定できる。
(3i)甲第5号証の資料6の電気的・光学的特性の表を参照すると、「E1S30-AW0A7-03」のTyp.標準の直流順電圧が3.2Vであることが認定できる。

上記(3a)?(3b)、(3d)?(3e)、(3h)?(3i)の事項からみて、証拠方法によれば、次の発明(引用発明3)が認定できる。

<引用発明3>
「複数の同一のLEDを搭載した2枚の基板と、
前記基板を収容する部品と、を備えたLED Linear Array Lightであって、
電源電圧(12V)とLEDを接続し、
赤色LEDの場合には、前記赤色LEDはLT1U40Aであり、
前記LT1U40AのTYP順電圧が1.85Vであり、
白色LEDの場合には、前記白色LEDはE1S30-AW0A7-03であり、
前記E1S30-AW0A7-03のTyp.標準の直流順電圧が3.2VであるLED Linear Array Light。」

(3-4)対比・判断
ア 主引用発明を引用発明1とする場合
ア-1 対比
本件訂正発明1と引用発明1とを対比する。

(ア)引用発明1の「LED」、「基板」、「ケース」及び「直流電源」は、その意味、機能または構成からみて、本件訂正発明1の「LED」、「LED基板」、「ケース」及び「電源」にそれぞれ相当する。

(イ)上記(ア)を踏まえると、引用発明1の「複数の同一のLEDを搭載した基板」は、本件訂正発明1の「複数の同一のLEDを搭載したLED基板」に相当する。

(ウ)引用発明1の「ケース」は「前記基板を収容する」ものであるから、基板を収容する空間を有することは明らかである。そうすると、引用発明1の「前記基板を収容するケース」は、本件訂正発明1の「前記LED基板を収容する基板収容空間を有する筐体」に相当する。

(エ)引用発明1は「LED Direct Bar Light」であるが、「Bar Light」がライン状の光を照射することは、甲第1号証の頁番号16の左下図に示されるように技術常識である。そうすると、上記(イ)、(ウ)も踏まえ、引用発明1の「複数の同一のLEDを搭載した基板と、前記基板を収容するケースと、を備えたLED Direct Bar Light」は、本件訂正発明1の「複数の同一のLEDを搭載したLED基板と、前記LED基板を収容する基板収容空間を有する筐体と、を備えたライン状の光を照射する光照射装置」に相当する。

以上のことから、本件訂正発明1と引用発明1とは以下の点で一致し、また、以下の点で相違する。

<一致点1>
「複数の同一のLEDを搭載したLED基板と、
前記LED基板を収容する基板収容空間を有する筐体と、を備えたライン状の光を照射する光照射装置。」

<相違点1>
本件訂正発明1は、「電源電圧とLEDを直列に接続したときの順方向電圧の合計との差が所定の許容範囲となるLEDの個数をLED単位数とし、前記LED基板に搭載されるLEDの個数を、順方向電圧の異なるLED毎に定まるLED単位数の最小公倍数としている」のに対して、引用発明1は「赤色LEDの場合には、直列接続されているLEDは、6個であり、白色LEDの場合には、直列接続されているLEDは、3個であり、前記基板に搭載されるLEDの数は、6個であ」る点。

<相違点2>
本件訂正発明1は、「複数の前記LED基板を前記ライン方向に沿って直列させてある」のに対し、引用発明1では、LED基板が単一である点。

ア-2 判断
(ア)まず、相違点1について検討する。本件訂正発明1における「LED単位数」は、「電源電圧とLEDを直列に接続したときの順方向電圧の合計との差が所定の許容範囲となるLEDの個数」である。技術常識を踏まえると、「LEDを直列に接続したときの順方向電圧」は、電源電圧、LEDの順方向電圧-順方向電流特性、直列に接続される抵抗の抵抗値等により変化する、すなわち回路構成により異なるものである。
ここで、引用発明1では「前記GL3UR43のTYP順電圧」が「1.85V」であり、「前記NSPW310BSの標準順電圧」が「3.6V」であるので、これらの値から「LEDを直列に接続したときの順方向電圧」を把握できるかどうか以下検討する。
a 甲第3号証の資料2の左上の回路図から、当該回路に流れる電流が0.02Aであることが看取でき、甲第3号証の資料1の下段の図を併せて参照すると、当該回路中の抵抗R1の抵抗値が62Ωであることが認定できる。そうすると、抵抗R1における電圧降下は1.44Vであると理解できる。ここで、「前記GL3UR43のTYP順電圧」が「1.85V」が「LEDを直列に接続したときの順方向電圧」であると仮定すると、赤色LED6個の電圧降下(1.85V×6)と抵抗R1における電圧降下(1.44V)の合計は、12.54Vとなり、引用発明1における「直流電源の電源電圧(12V)」を超過する。
b 甲第3号証の資料6の左上の回路図から、当該回路に流れる電流が0.04Aであることが看取でき、甲第3号証の資料5の下段の図を併せて参照すると、当該回路中の抵抗R1及びR2の抵抗値が150Ω又は180Ωであることが認定できる。そうすると、抵抗R1及びR2における電圧降下はそれぞれ3V又は3.6Vであると理解できる。ここで、「前記NSPW310BSの標準順電圧」が「3.6V」が「LEDを直列に接続したときの順方向電圧」であると仮定すると、白色LED3個の電圧降下(3.6V×3)と抵抗R1及びR2における電圧降下(3V又は3.6V)の合計は、13.8V又は14.4Vとなり、引用発明1における「直流電源の電源電圧(12V)」を超過する。
以上a、bから、GL3UR43のTYP順電圧(1.85V)及びNSPW310BSの標準順電圧(3.6V)が、「LEDを直列に接続したときの順方向電圧」とは異なることが明らかである。

(イ)上記(ア)を踏まえると、「無効審判請求人製品2004年?LED照明総合カタログ」(甲第1号証)及び「説明書(I)」(甲第3号証)等の記載は、無効審判請求人製品IDB-11/14R及び無効審判請求人製品IDB-11/14Wの回路におけるLEDの順方向電圧を把握するに足りない。
そうすると、仮に、引用発明1の「赤色LED」と「白色LED」の順方向電圧が異なるとしても、引用発明1の「赤色LED」と「白色LED」それぞれにおいて、その「LED単位数」を把握することはできない。

(ウ)したがって、本件訂正発明1と引用発明1とは実質的な相違点1を有するので、相違点2について検討するまでもなく、本件訂正発明1は、引用発明1と同一ということはできない。

(エ)本件訂正発明3は、本件訂正発明1を直接に引用するものであり、本件訂正発明1の相違点に係る構成を備えるものであるから、本件訂正発明1と同じ理由により、引用発明1と同一ということはできない。

イ 主引用発明を引用発明2とする場合
イ-1 対比
本件訂正発明1と引用発明2とを対比する。

(ア)引用発明2の「LED」、「プリント基板」及び「直流電源」は、その意味、機能または構成からみて、本件訂正発明1の「LED」、「LED基板」及び「電源」にそれぞれ相当する。

(イ)上記(ア)を踏まえると、引用発明2の「6個の同一の赤のLEDを搭載したプリント基板」は、本件訂正発明1の「複数の同一のLEDを搭載したLED基板」に相当する。

(ウ)引用発明2の「前記プリント基板を収容する部品」は、その意味、機能または構成からみて、本件訂正発明1の「前記LED基板を収容する基板収容空間を有する筐体」に相当する。

(エ)引用発明2の「IDB-C11/14R」は「ダイレクトバー照明」であるが、「ダイレクトバー照明」がライン状の光を照射することは、甲第2号証の頁番号16の左下図に示されるように技術常識である。そうすると、上記(イ)、(ウ)も踏まえ、引用発明2の「6個の同一の赤のLEDを搭載したプリント基板と、前記プリント基板を収容する部品と、を備えたIDB-C11/14Rであって」「ダイレクトバー照明であるIDB-C11/14R」は、本件訂正発明1の「複数の同一のLEDを搭載したLED基板と、前記LED基板を収容する基板収容空間を有する筐体と、を備えたライン状の光を照射する光照射装置」に相当する。

以上のことから、本件訂正発明1と引用発明2とは以下の点で一致し、また、以下の点で相違する。

<一致点2>
「複数の同一のLEDを搭載したLED基板と、
前記LED基板を収容する基板収容空間を有する筐体と、を備えたライン状の光を照射する光照射装置。」

<相違点3>
本件訂正発明1は、「電源電圧とLEDを直列に接続したときの順方向電圧の合計との差が所定の許容範囲となるLEDの個数をLED単位数とし、前記LED基板に搭載されるLEDの個数を、順方向電圧の異なるLED毎に定まるLED単位数の最小公倍数としている」のに対して、引用発明5は「直列接続されているLEDは、6個であ」り、「プリント基板」が「6個の同一の赤のLEDを搭載」する点。

<相違点4>
本件訂正発明1は、「複数の前記LED基板を前記ライン方向に沿って直列させてある」のに対し、引用発明2では、LED基板が単一である点。

イ-2 判断
(ア)まず、相違点3について検討する。
「説明書(II)」(甲第4号証)には、(上記無効審判請求人製品IDB-C11/14Bとは異なる)無効審判請求人製品IDB-C11/14Wの回路図が記載されているのみで、無効審判請求人製品IDB-C11/14Bの回路図が記載されていないから、引用発明2において「LED単位数」が定まるような「順方向電圧の異なるLED」を把握することはできない。

(イ)無効審判請求人製品IDB-C11/14Bが無効審判請求人製品IDB-C11/14Wと同じように、「直流電源の電源電圧(12V)とLEDを接続し、LEDを直列に3個接続し、基板に搭載されるLEDの個数は6個である」(事項(2d))と仮定して、さらに検討する。
本件訂正発明1における「LED単位数」は、「電源電圧とLEDを直列に接続したときの順方向電圧の合計との差が所定の許容範囲となるLEDの個数」である。技術常識を踏まえると、「LEDを直列に接続したときの順方向電圧」は、電源電圧、LEDの順方向電圧-順方向電流特性、直列に接続される抵抗の抵抗値等により変化する、すなわち回路構成により異なるものである。
ここで、引用発明2では「GL3UR43のTYP順電圧」が「1.85V」であり、「NSPB310Aの標準順電圧が「3.6V」(事項(2g))であるので、これらの値から「LEDを直列に接続したときの順方向電圧」を把握できるかどうか以下検討する。
a 甲第4号証の資料2の左上の回路図から、当該回路に流れる電流が0.02Aであることが看取でき、甲第4号証の資料1の右上の表の抵抗の欄及び甲第3号証の資料1の下段の図を併せて参照すると、当該回路中の抵抗R1の抵抗値が62Ωであることが認定できる。そうすると、抵抗R1における電圧降下は1.44Vであると理解できる。ここで、「GL3UR43のTYP順電圧」「1.85V」が「LEDを直列に接続したときの順方向電圧」であると仮定すると、「GL3UR43」6個の電圧降下(1.85V×6)と抵抗R1における電圧降下(1.44V)の合計は、12.54Vとなり、引用発明2における「直流電源の電源電圧(12V)」を超過する。
b 甲第4号証の資料6の左上の回路図から、当該回路に流れる電流が0.04Aであることが看取でき、甲第4号証の資料5の中段の表の抵抗の欄及び甲第3号証の資料5の下段の図を併せて参照すると、当該回路中の抵抗R1及びR2の抵抗値が150Ω又は180Ωであることが認定できる。そうすると、抵抗R1及びR2における電圧降下はそれぞれ3V又は3.6Vであると理解できる。ここで、「NSPB310Aの標準順電圧」が「3.6V」が「LEDを直列に接続したときの順方向電圧」であると仮定すると、「NSPB310A」3個の電圧降下(3.6V×3)と抵抗R1及びR2における電圧降下(3V又は3.6V)の合計は、13.8V又は14.4Vとなり、引用発明2における「直流電源の電源電圧(12V)」を超過する。
以上a、bから、GL3UR43のTYP順電圧(1.85V)及びNSPB310Aの標準順電圧の標準順電圧(3.6V)が、「LEDを直列に接続したときの順方向電圧」とは異なることは、明らかである。

(ウ)上記(ア)、(イ)を踏まえると、「無効審判請求人製品2005年?LED照明総合カタログ」(甲第2号証)及び「説明書(II)」(甲第4号証)等の記載は、無効審判請求人製品IDB-C11/14R及び無効審判請求人製品IDB-C11/14Bの回路におけるLEDの順方向電圧を把握するに足りない。そうすると、引用発明2において「順方向電圧の異なるLED」毎に定まる「LED単位数」を把握することはできない。

(エ)したがって、本件訂正発明1と引用発明2とは実質的な相違点3を有するので、相違点4について検討するまでもなく、本件訂正発明1は、引用発明2と同一ということはできない。

(オ)本件訂正発明3は、本件訂正発明1を直接に引用するものであり、本件訂正発明1の相違点に係る構成を備えるものであるから、本件訂正発明1と同じ理由により、引用発明2と同一ということはできない。

ウ 主引用発明を引用発明3とする場合
ウ-1 対比
本件訂正発明1と引用発明3とを対比する。

(ア)引用発明3の「LED」、「基板」及び「電源」は、その意味、機能または構成からみて、本件訂正発明1の「LED」、「LED基板」及び「電源」にそれぞれ相当する。

(イ)上記(ア)を踏まえると、引用発明3の「複数の同一のLEDを搭載した2枚の基板」は、本件訂正発明1の「複数の同一のLEDを搭載したLED基板」に相当する。

(ウ)引用発明3の「前記基板を収容する部品」は、その意味、機能または構成からみて、本件訂正発明1の「前記LED基板を収容する基板収容空間を有する筐体」に相当する。

(エ)引用発明3の「LED Linear Array Light」がライン状の光を照射することは、甲第2号証の頁番号16の下段の各図に示されるように技術常識である。そうすると、上記(イ)、(ウ)も踏まえ、引用発明3の「複数の同一のLEDを搭載した2枚の基板と、前記基板を収容する部品と、を備えたLED Linear Array Light」は、本件訂正発明1の「複数の同一のLEDを搭載したLED基板と、前記LED基板を収容する基板収容空間を有する筐体と、を備えたライン状の光を照射する光照射装置」に相当する。

以上のことから、本件訂正発明1と引用発明3とは以下の点で一致し、また、以下の点で相違する。

<一致点3>
「複数の同一のLEDを搭載したLED基板と、
前記LED基板を収容する基板収容空間を有する筐体と、を備えたライン状の光を照射する光照射装置。」

<相違点5>
本件訂正発明1は、「電源電圧とLEDを直列に接続したときの順方向電圧の合計との差が所定の許容範囲となるLEDの個数をLED単位数とし、前記LED基板に搭載されるLEDの個数を、順方向電圧の異なるLED毎に定まるLED単位数の最小公倍数としている」のに対して、引用発明3は「直列接続されているLEDは、6個であ」り、「プリント基板」が「6個の同一の赤のLEDを搭載」する点。

<相違点6>
本件訂正発明1は、「複数の前記LED基板を前記ライン方向に沿って直列させてある」のに対し、引用発明3では、LED基板が単一である点。

ウ-2 判断
(ア)まず、相違点5について検討する。
「説明書(III)」(甲第4号証)には、(無効審判請求人製品IDB-L600/20RS及び無効審判請求人製品IDB-L600/20WSとは異なる)無効審判請求人製品IDB-L300/20RSの回路図が記載されているのみで、無効審判請求人製品IDB-L600/20RS及び無効審判請求人製品IDB-L600/20WSの回路図が記載されていないから、引用発明3において「LED単位数」が定まるような「順方向電圧の異なるLED」を把握することはできない。

(イ)さらに、本件訂正発明1における「LED単位数」は、「電源電圧とLEDを直列に接続したときの順方向電圧の合計との差が所定の許容範囲となるLEDの個数」である。技術常識を踏まえると、「LEDを直列に接続したときの順方向電圧」は、電源電圧、LEDの順方向電圧-順方向電流特性、直列に接続される抵抗の抵抗値等により変化する、すなわち回路構成により異なるものであるから、「無効審判請求人製品2005年?LED照明総合カタログ」(甲第2号証)及び「説明書(III)」(甲第5号証)等の記載は、無効審判請求人製品IDB-L600/20RS及び無効審判請求人製品IDB-L600/20WSの回路におけるLEDの順方向電圧を把握するに足りない。
そうすると、引用発明3において「順方向電圧の異なるLED」毎に定まる「LED単位数」を把握することはできない。

(ウ)したがって、本件訂正発明1と引用発明3とは実質的な相違点5を有するので、相違点6について検討するまでもなく、本件訂正発明1は、引用発明3と同一ということはできない。

(エ)本件訂正発明3は、本件訂正発明1を直接に引用するものであり、本件訂正発明1の相違点に係る構成を備えるものであるから、本件訂正発明1と同じ理由により、引用発明3と同一ということはできない。

(3-5)無効理由1についてのまとめ
よって、本件訂正発明1及び本件訂正発明3は特許法第29条第1項第2号に該当するとはいえず、無効理由1には、理由がない。

(4)無効理由2について
(4-1)対比・判断
ア 主引用発明を引用発明1とする場合
上記「(3)(3-4)ア ア-1」で述べたとおり、本件訂正発明1と引用発明1とは、上記一致点1で一致し、また、上記相違点1及び相違点2で相違する。
上記相違点1について検討すると、上記「(3)(3-4)」で述べたとおり、甲第1号証?甲第5号証を参照しても、本件特許の出願日前に公然実施された発明が「前記LED基板に搭載されるLEDの個数」と「順方向電圧の異なるLED毎に定まるLED単位数」との関係について、何らかの技術思想を提供するものであるとはいえないから、本件訂正発明1及び本件訂正発明3が、本件特許の出願日前に公然実施された引用発明1及び引用発明2?3に基いて、当業者が容易に発明をすることができたということはできない。
また、本件訂正発明3は、本件訂正発明1を直接に引用するものであり、本件訂正発明1の相違点に係る構成を備えるものであるから、本件訂正発明1と同じ理由により、本件特許の出願日前に公然実施された引用発明1及び引用発明2?3に基いて、当業者が容易に発明をすることができたということはできない。

イ 主引用発明を引用発明2とする場合
上記「(3)(3-4)イ イ-1」で述べたとおり、本件訂正発明1と引用発明2とは、上記一致点2で一致し、また、上記相違点3及び相違点4で相違する。
上記相違点3について検討すると、上記「(3)(3-4)」で述べたとおり、甲第1号証?甲第5号証を参照しても、本件特許の出願日前に公然実施された発明が「前記LED基板に搭載されるLEDの個数」と「順方向電圧の異なるLED毎に定まるLED単位数」との関係について、何らかの技術思想を提供するものであるとはいえないから、本件訂正発明1及び本件訂正発明3が、本件特許の出願日前に公然実施された引用発明2及び引用発明1、3に基いて、当業者が容易に発明をすることができたということはできない。
また、本件訂正発明3は、本件訂正発明1を直接に引用するものであり、本件訂正発明1の相違点に係る構成を備えるものであるから、本件訂正発明1と同じ理由により、本件特許の出願日前に公然実施された引用発明2及び引用発明1、3に基いて、当業者が容易に発明をすることができたということはできない。

ウ 主引用発明を引用発明3とする場合
上記「(3)(3-4)ウ ウ-1」で述べたとおり、本件訂正発明1と引用発明3とは、上記一致点3で一致し、また、上記相違点5及び相違点6で相違する。
上記相違点5について検討すると、上記「(3)(3-4)」で述べたとおり、甲第1号証?甲第5号証を参照しても、本件特許の出願日前に公然実施された発明が「前記LED基板に搭載されるLEDの個数」と「順方向電圧の異なるLED毎に定まるLED単位数」との関係について、何らかの技術思想を提供するものであるとはいえないから、本件訂正発明1及び本件訂正発明3が、本件特許の出願日前に公然実施された引用発明3及び引用発明1?2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたということはできない。
また、本件訂正発明3は、本件訂正発明1を直接に引用するものであり、本件訂正発明1の相違点に係る構成を備えるものであるから、本件訂正発明1と同じ理由により、本件特許の出願日前に公然実施された引用発明3及び引用発明1?2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたということはできない。

(4-2)無効理由2についてのまとめ
よって、本件訂正発明1及び本件訂正発明3は特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものとはいえず、無効理由2には、理由がない。

(5)独立特許要件についてのまとめ
以上の検討によれば、本件訂正発明1及び本件訂正発明3について、特許出願の際独立して特許を受けられないとすべき理由を発見しない。
また、他に本件訂正発明1及び本件訂正発明3について、特許出願の際独立して特許を受けられないとすべき理由を発見しない。

よって、本件訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。

第4 むすび
以上のとおり、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項までの規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の同一のLEDを搭載したLED基板と、
前記LED基板を収容する基板収容空間を有する筐体と、を備えた、ライン状の光を照射する光照射装置であって、
電源電圧とLEDを直列に接続したときの順方向電圧の合計との差が所定の許容範囲となるLEDの個数をLED単位数とし、
前記LED基板に搭載されるLEDの個数を、順方向電圧の異なるLED毎に定まるLED単位数の最小公倍数とし、
複数の前記LED基板を前記ライン方向に沿って直列させてある光照射装置。
【請求項3】
前記LEDが、表面実装型LEDである請求項1記載の光照射装置。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2018-05-31 
結審通知日 2018-06-04 
審決日 2018-06-15 
出願番号 特願2008-197040(P2008-197040)
審決分類 P 1 41・ 851- Y (F21S)
P 1 41・ 856- Y (F21S)
最終処分 成立  
前審関与審査官 土屋 正志  
特許庁審判長 島田 信一
特許庁審判官 中田 善邦
一ノ瀬 覚
登録日 2009-08-28 
登録番号 特許第4366431号(P4366431)
発明の名称 光照射装置  
代理人 西村 竜平  
代理人 齊藤 真大  
代理人 齊藤 真大  
代理人 西村 竜平  
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