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審決分類 審判 全部無効 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  H01L
審判 全部無効 1項3号刊行物記載  H01L
審判 全部無効 2項進歩性  H01L
管理番号 1342248
審判番号 無効2014-800112  
総通号数 225 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-09-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2014-07-02 
確定日 2018-06-18 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第5262374号発明「樹脂成形体及び表面実装型発光装置並びにそれらの製造方法」の特許無効審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 特許第5262374号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり,訂正後の請求項〔1,5,6〕,〔2,4,15,16〕,3,〔7,10,11〕,〔8,18,19〕,9,12,13,14,17について訂正することを認める。 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。 
理由 第1 事案の概要
本件は,請求人が,被請求人が特許権者である特許第5262374号(以下「本件特許」という。平成25年5月10日登録,請求項の数は13である。)の請求項1ないし13に係る発明(以下「本件発明1」ないし「本件発明13」という。)についての特許を無効とすることを求める事案である。
なお,本件特許に係る出願である特願2008-182468号は,平成16年11月30日に出願した特願2004-345195号(以下「原出願」という。)の一部を,平成20年7月14日に新たに出願したものである。

第2 手続の経緯
本件特許にかかる手続の経緯は次のとおりである。

平成20年 7月25日 手続補正書提出
平成23年 1月17日 手続補正書提出
平成23年 3月29日 拒絶理由通知(起案日)
平成23年 6月 6日 手続補正書提出
平成23年10月 6日 拒絶理由通知(起案日)
平成23年12月12日 手続補正書提出
平成24年 2月21日 拒絶理由通知(起案日)
平成24年 4月27日 手続補正書提出
平成24年 7月 4日 拒絶理由通知書(起案日)
平成24年 9月20日 手続補正書提出
平成24年12月 7日 補正の却下の決定(起案日)
平成24年12月 7日 拒絶査定(起案日)
平成25年 3月11日 拒絶査定不服審判請求
平成25年 3月11日 手続補正書提出
平成25年 3月28日 特許査定(起案日)
平成25年 5月10日 登録
平成26年 7月 2日 無効審判請求
平成26年10月14日 訂正請求書・審判事件答弁書提出
平成26年12月 1日 審判事件弁駁書提出
平成27年 1月27日 手続中止通知書(起案日)
平成28年 7月12日 手続中止解除通知書(起案日)
平成29年 1月19日 審理事項通知書(起案日)
平成29年 3月21日 口頭審理陳述要領書提出(請求人)
平成29年 3月21日 口頭審理陳述要領書提出(被請求人)
平成29年 4月 7日 審理事項通知書(起案日)
平成29年 4月14日 口頭審理陳述要領書(2)提出(請求人)
平成29年 4月18日 口頭審理陳述要領書(2)提出(被請求人)
平成29年 4月18日 口頭審理
平成29年 5月 9日 上申書提出(請求人)
平成29年 5月 9日 上申書提出(被請求人)
平成29年 6月29日 審決の予告(起案日)
平成29年 9月 1日 訂正請求書・上申書提出
平成29年12月 4日 審判事件弁駁書提出
平成30年 1月 9日 上申書提出(被請求人)
平成30年 1月25日 上申書提出(請求人)

第3 訂正の適否
1 訂正の内容
被請求人が平成29年 9月 1日にした訂正請求(以下,同訂正請求に係る訂正を「本件訂正」という。また,本件訂正後の各請求項に係る発明を「訂正発明1」ないし「訂正発明19」という。)は,本件特許の願書に添付した明細書,特許請求の範囲及び図面について,訂正請求書に添付した訂正明細書,特許請求の範囲及び図面のとおり請求項ごと又は一群の請求項ごとに訂正することを請求するものであって,以下の訂正事項をその訂正内容とするものである。

(1)訂正事項1
訂正前の特許請求の範囲の請求項1に,
「発光素子と,発光素子を載置するための第1のリードと発光素子と電気的に接続される第2のリードとを第1の熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる第1の樹脂成形体と,第2の熱硬化性樹脂を用いて発光素子を被覆する第2の樹脂成形体と,を有する表面実装型発光装置であって,
第1の樹脂成形体は,底面と側面とを持つ凹部が形成されており,第1の樹脂成形体の凹部の底面から第1のリードが露出されており,その露出部分に発光素子が載置されており,第1の樹脂成形体は,凹部の底面である第1のリードと第2のリードとの間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており,
発光素子が載置されている主面側と反対の第1のリード及び第2のリードの裏面側は,第1の樹脂成形体から露出されており,
凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ,その凹凸に第1の樹脂成形体が接触しており,
第1の樹脂成形体は,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択される少なくとも1種が混合されており,
第2の樹脂成形体は,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質からなる群から選択される少なくとも1種が混合されており,
第2の樹脂成形体は,第1の樹脂成形体と同様な等方性の熱膨張及び収縮挙動を有することを特徴とする表面実装型発光装置。」
とあるのを,
「発光素子と,発光素子を載置するための第1のリードと発光素子と電気的に接続される第2のリードとを第1の熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる第1の樹脂成形体と,第2の熱硬化性樹脂を用いて発光素子を被覆する第2の樹脂成形体と,を有する表面実装型発光装置であって,
発光素子は,発光波長が450nm以上475nm以下であり,
第1の樹脂成形体は,底面と側面とを持つ凹部が形成されており,第1の樹脂成形体の凹部の底面から第1のリードが露出されており,その露出部分に発光素子が載置されており,第1の樹脂成形体は,凹部の底面である第1のリードと第2のリードとの間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており,
第1のリードの発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は,発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように,第1の樹脂成形体から露出されており,
第2のリードの裏面側は,第1の樹脂成形体から露出されており,
第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,
第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,
第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあり,
凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ,その凹凸に第1の樹脂成形体が接触しており,
第1の樹脂成形体は,トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択され,反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合されており,
第2の樹脂成形体は,シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用いてなり,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質からなる群から選択され,蛍光物質を必須とする少なくとも1種が混合されており,
第2の樹脂成形体の表面は凹部の上面と一致し,
第2の樹脂成形体は,第1の樹脂成形体と同様な等方性の熱膨張及び収縮挙動を有することを特徴とする表面実装型発光装置。」
に訂正する。
また,請求項1の記載を引用する請求項5及び6も同様に訂正する。

(2)訂正事項2
訂正前の特許請求の範囲の請求項5に,
「凹部は,開口方向に広口となる傾斜が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の表面実装型発光装置。」
とあるのを,
「凹部は,開口方向に広口となる傾斜が設けられ,凹部の傾斜角度は,底面から測定して95°以上150°以下であることを特徴とする請求項1に記載の表面実装型発光装置。」
に訂正する。

(3)訂正事項3
訂正前の特許請求の範囲の請求項6に,
「第1の樹脂成形体は,エポキシ樹脂,変性エポキシ樹脂,シリコーン樹脂,変性シリコーン樹脂,アクリレート樹脂,ウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種により形成されてなることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の表面実装型発光装置。」
とあるのを,
「第1の樹脂成形体には,酸化チタン顔料が混合されることを特徴とする請求項1に表面実装型発光装置。」
に訂正する。

(4)訂正事項4
訂正前の特許請求の範囲の請求項2に,
「発光素子と,発光素子を載置するための第1のリードと発光素子と電気的に接続される第2のリードとを熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる第1の樹脂成形体と,熱硬化性樹脂を用いて発光素子を被覆する第2の樹脂成形体と,を有する表面実装型発光装置であって,
第1のリードは第1のインナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており,第1のインナーリード部は発光素子が載置されており,かつ,発光素子が持つ第1の電極と電気的に接続されており,並びに第1のアウターリード部は第1の樹脂成形体から露出されており,
第2のリードは第2のインナーリード部と第2のアウターリード部とを有しており,第2のインナーリード部は発光素子が持つ第2の電極と電気的に接続されており,並びに第2のアウターリード部は第1の樹脂成形体から露出されており,
第1の樹脂成形体は,底面と側面とを持つ凹部が形成されており,第1の樹脂成形体の凹部の底面から第1のインナーリード部が露出されており,その露出部分に発光素子が載置されており,
第1の樹脂成形体は,凹部の底面である第1のインナーリード部と第2のインナーリード部との間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており,
発光素子が載置されている主面側と反対の第1のインナーリード部及び第2のインナーリード部の裏面側は,第1の樹脂成形体から露出されており,
凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ,その凹凸に第1の樹脂成形体が接触しており,
第1の樹脂成形体は,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択される少なくとも1種が混合されており,
第2の樹脂成形体は,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質からなる群から選択される少なくとも1種が混合されており,
第2の樹脂成形体は,第1の樹脂成形体と同様な等方性の熱膨張及び収縮挙動を有することを特徴とする表面実装型発光装置。」
とあるのを,
「発光素子と,発光素子を載置するための第1のリードと発光素子と電気的に接続される第2のリードとを熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる第1の樹脂成形体と,熱硬化性樹脂を用いて発光素子を被覆する第2の樹脂成形体と,を有する表面実装型発光装置であって,
発光素子は,発光波長が450nm以上475nm以下であり,
第1のリードは第1のインナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており,第1のインナーリード部は発光素子が載置されており,かつ,発光素子が持つ第1の電極と電気的に接続されており,並びに第1のアウターリード部は第1の樹脂成形体から露出されており,
第2のリードは第2のインナーリード部と第2のアウターリード部とを有しており,第2のインナーリード部は発光素子が持つ第2の電極と電気的に接続されており,並びに第2のアウターリード部は第1の樹脂成形体から露出されており,
第1の樹脂成形体は,底面と側面とを持つ凹部が形成されており,第1の樹脂成形体の凹部の底面から第1のインナーリード部が露出されており,その露出部分に発光素子が載置されており,
第1の樹脂成形体は,凹部の底面である第1のインナーリード部と第2のインナーリード部との間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており,
第1のインナーリード部の発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は,発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように第1の樹脂成形体から露出されており,
第2のインナーリード部の裏面側は,第1の樹脂成形体から露出されており,
第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,
第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,
第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあり,
凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ,その凹凸に第1の樹脂成形体が接触しており,
第1の樹脂成形体は,トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択され,反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合されており,発光素子から出射された光は,第1の樹脂成形体の凹部の底面及び側面に照射され,反射し,
第2の樹脂成形体は,シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用いてなり,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質からなる群から選択され,蛍光物質を必須とする少なくとも1種が混合されており,
第2の樹脂成形体の表面は凹部の上面と一致し,
第2の樹脂成形体は,第1の樹脂成形体と同様な等方性の熱膨張及び収縮挙動を有することを特徴とする表面実装型発光装置。」
に訂正する。
また,請求項2の記載を引用する請求項4,15及び16も同様に訂正する。

(5)訂正事項5
訂正前の特許請求の範囲の請求項5に
「凹部は,開口方向に広口となる傾斜が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の表面実装型発光装置。」
とあるのを,
「凹部は,開口方向に広口となる傾斜が設けられ,凹部の傾斜角度は,底面から測定して95°以上150°以下であることを特徴とする請求項2に記載の表面実装型発光装置。」
に訂正し,請求項15とする。

(6)訂正事項6
訂正前の特許請求の範囲の請求項6に
「第1の樹脂成形体は,エポキシ樹脂,変性エポキシ樹脂,シリコーン樹脂,変性シリコーン樹脂,アクリレート樹脂,ウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種により形成されてなることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の表面実装型発光装置。」
とあるのを,
「第1の樹脂成形体には,酸化チタン顔料が混合されることを特徴とする請求項2に記載の表面実装型発光装置。」
に訂正し,請求項16とする。

(7)訂正事項7
訂正前の特許請求の範囲の請求項3に,
「第1のリードの裏面側の露出部分と第2のリードの裏面側の露出部分とは,実質的に同一平面上にあることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の表面実装型発光装置。」
とあるのを,
「発光素子と,発光素子を載置するための第1のリードと発光素子と電気的に接続される第2のリードとを第1の熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる第1の樹脂成形体と,第2の熱硬化性樹脂を用いて発光素子を被覆する第2の樹脂成形体と,を有する表面実装型発光装置であって,
発光素子は,発光波長が450nm以上475nm以下であり,
第1の樹脂成形体は,底面と側面とを持つ凹部が形成されており,第1の樹脂成形体の凹部の底面から第1のリードが露出されており,その露出部分に発光素子が載置されており,第1の樹脂成形体は,凹部の底面である第1のリードと第2のリードとの間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており,
第1のリードの発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は,発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように,第1の樹脂成形体から露出されており,
第2のリードの裏面側は,第1の樹脂成形体から露出されており,
第1のリードの裏面側の全露出部分か連続しており,
第2のリードの裏面側の全露出部分か連続しており,
第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあり,
第1のリード及び第2のリードは平板状であり,
凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ,その凹凸に第1の樹脂成形体が接触しており,
第1の樹脂成形体は,トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択され,反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合されており,発光素子から出射された光は,第1の樹脂成形体の凹部の底面及び側面に照射され,反射し,
第2の樹脂成形体は,シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用いてなり,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質からなる群から選択され,蛍光物質を必須とする少なくとも1種が混合されており,
第2の樹脂成形体の表面は凹部の上面と一致し,
蛍光物質は,凹部の底面側に沈降しており,
第2の樹脂成形体は,第1の樹脂成形体と同様な等方性の熱膨張及び収縮挙動を有することを特徴とする表面実装型発光装置。」
に訂正する。

(8)訂正事項8
訂正前の特許請求の範囲の請求項7に,
「第1のリードと第2のリードとを熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる樹脂成形体であって,
樹脂成形体は,底面と側面とを持つ凹部が形成されており,樹脂成形体の凹部の底面から第1のリード及び第2のリードが露出されており,その露出部分の第1のリード及び第2のリードの裏面側は,樹脂成形体から露出されており,
樹脂成形体は,凹部の底面である第1のリードと第2のリードとの間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており,
凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ,その凹凸に樹脂成形体が接触しており,
樹脂成形体は,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択される少なくとも1種が混合されており,
樹脂成形体は等方性であることを特徴とする樹脂成形体。」
とあるのを,
「第1のリードと第2のリードとを熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる表面実装型発光装置用の樹脂成形体であって,
樹脂成形体は,底面と側面とを持ち,シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂の配置領域となる凹部が形成されており,樹脂成形体の凹部の底面から第1のリード及び第2のリードが露出されており,
その露出部分の第1のリードに発光波長が450nm以上475nm以下である発光素子の載置領域が含まれ,第1のリードの発光素子が載置される領域の主面側と反対の裏面側は,表面実装型発光装置としたときに発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように,樹脂成形体から露出されており,
その露出部分の第2のリードの裏面側は,樹脂成形体から露出されており,
第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,
第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,
第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあり,
樹脂成形体は,凹部の底面である第1のリードと第2のリードとの間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており,
凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ,その凹凸に樹脂成形体が接触しており,
樹脂成形体は,トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択され,反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合されており,
樹脂成形体は等方性の熱膨張及び収縮挙動を有することを特徴とする樹脂成形体。」
に訂正する。
また,請求項7の記載を引用する請求項10及び11も同様に訂正する。

(9)訂正事項9
訂正前の特許請求の範囲の請求項10に,
「熱硬化性樹脂は,エポキシ樹脂,変性エポキシ樹脂,シリコーン樹脂,変性シリコーン樹脂,アクリレート樹脂,ウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項7又は請求項8のいずれかに記載の樹脂成形体。」
とあるのを,
「熱硬化性樹脂には,酸化チタン顔料が混合されることを特徴とする請求項7に記載の樹脂成形体。」
に訂正する。

(10)訂正事項10
訂正前の特許請求の範囲の請求項11に,
「凹部は,開口方向に広口となる傾斜が設けられていることを特徴とする請求項7又は請求項8のいずれかに記載の樹脂成形体。」
とあるのを,
「凹部は,開口方向に広口となる傾斜が設けられ,凹部の傾斜角度は,底面から測定して95°以上150°以下であることを特徴とする請求項7に記載の樹脂成形体。」
に訂正する。

(11)訂正事項11
訂正前の特許請求の範囲の請求項8に,
「第1のリードと第2のリードとを熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる樹脂成形体であって,
第1のリードは第1のインナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており,第1のインナーリード部は樹脂成形体中に配置されており,第1のアウターリード部は樹脂成形体から露出されており,
第2のリードは第2のインナーリード部と第2のアウターリード部とを有しており,第2のインナーリード部は樹脂成形体に配置されており,第2のアウターリード部は樹脂成形体から外部に露出されており,
樹脂成形体は,底面と側面とを持つ凹部が形成されており,樹脂成形体の凹部の底面から第1のインナーリード部及び第2のインナーリード部が露出されており,凹部が形成されている主面側と反対の第1のインナーリード部の裏面側は樹脂成形体から露出されており,
樹脂成形体は,凹部の底面である第1のインナーリード部と第2のインナーリード部との間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており,
凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ,その凹凸に樹脂成形体が接触しており,
樹脂成形体は,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択される少なくとも1種が混合されており,
樹脂成形体は等方性であることを特徴とする樹脂成形体。」
とあるのを,
「第1のリードと第2のリードとを熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる表面実装型発光装置用の樹脂成形体であって,
第1のリードは第1のインナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており,第1のインナーリード部は樹脂成形体中に配置されており,第1のアウターリード部は樹脂成形体から露出されており,
第2のリードは第2のインナーリード部と第2のアウターリード部とを有しており,第2のインナーリード部は樹脂成形体に配置されており,第2のアウターリード部は樹脂成形体から外部に露出されており,
樹脂成形体は,底面と側面とを持ち,シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂の配置領域となる凹部が形成されており,樹脂成形体の凹部の底面から第1のインナーリード部及び第2のインナーリード部が露出されており,
凹部の底面から露出されている第1のインナーリード部に発光波長が450nm以上475nm以下である発光素子の載置領域が含まれ,
発光素子が載置される領域の主面側と反対の第1のインナーリード部の裏面側は,表面実装型発光装置としたときに発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように,樹脂成形体から露出されており,
凹部の底面から露出されている第2のインナーリード部の裏面側は樹脂成形体から露出されており,
第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,
第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,
第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあり,
樹脂成形体は,凹部の底面である第1のインナーリード部と第2のインナーリード部との間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており,
凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ,その凹凸に樹脂成形体が接触しており,
樹脂成形体は,トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択され,反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合されており,発光素子から出射される光は,樹脂成形体の凹部の底面及び側面に照射され,反射し,
樹脂成形体は等方性の熱膨張及び収縮挙動を有することを特徴とする樹脂成形体。」
に訂正する。
また,請求項8の記載を引用する請求項18及び19も同様に訂正する。

(12)訂正事項12
訂正前の特許請求の範囲の請求項10に,
「熱硬化性樹脂は,エポキシ樹脂,変性エポキシ樹脂,シリコーン樹脂,変性シリコーン樹脂,アクリレート樹脂,ウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項7又は請求項8のいずれかに記載の樹脂成形体。」
とあるのを,
「熱硬化性樹脂には,酸化チタン顔料が混合されることを特徴とする請求項8に記載の樹脂成形体。」
に訂正し,請求項18とする。

(13)訂正事項13
訂正前の特許請求の範囲の請求項11に,
「凹部は,開口方向に広口となる傾斜が設けられていることを特徴とする請求項7又は請求項8のいずれかに記載の樹脂成形体。」
とあるのを,
「凹部は,開口方向に広口となる傾斜が設けられ,凹部の傾斜角度は,底面から測定して95°以上150°以下であることを特徴とする請求項8に記載の樹脂成形体。」
に訂正し,請求項19とする。

(14)訂正事項14
訂正前の特許請求の範囲の請求項9に,
「第1のリードの裏面側の露出部分と第2のリードの裏面側の露出部分とは,実質的に同一平面上にあることを特徴とする請求項7又は請求項8のいずれかに記載の樹脂成形体。」
とあるのを,
「第1のリードと第2のリードとを熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる表面実装型発光装置用の樹脂成形体であって,
樹脂成形体は,底面と側面とを持ち,シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂の配置領域となる凹部が形成されており,樹脂成形体の凹部の底面から第1のリード及び第2のリードが露出されており,
その露出部分の第1のリードに発光波長が450nm以上475nm以下である発光素子の載置領域が含まれ,第1のリードの発光素子が載置される領域の主面側と反対の裏面側は,表面実装型発光装置としたときに発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように,樹脂成形体から露出されており,
その露出部分の第2のリードの裏面側は,樹脂成形体から露出されており,
第1のリードの裏面側の全露出部分か連続しており,
第2のリードの裏面側の全露出部分か連続しており,
第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあり,
第1のリード及び第2のリードは平板状であり,
樹脂成形体は,凹部の底面である第1のリードと第2のリードとの間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており,
凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ,その凹凸に樹脂成形体が接触しており,樹脂成形体は,トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択され,反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合されており,発光素子から出射される光は,樹脂成形体の凹部の底面及び側面に照射され,反射し,
樹脂成形体は等方性の熱膨張及び収縮挙動を有することを特徴とする樹脂成形体。」
に訂正する。

(15)訂正事項15
特許請求の範囲の請求項12に
「第1のリードと第2のリードとを熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる,底面と側面とを持つ凹部が形成されている等方性の樹脂成形体の製造方法であって,
上金型は樹脂成形体の凹部に相当する凹みを形成しており,第1のリードは第1のインナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており,第2のリードは第2のインナーリード部と第2のアウターリード部とを有しており,凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされており,
樹脂成形体の凹部の底面に相当する第1のインナーリード部と第2のインナーリード部並びに第1のアウターリード部と第2のアウターリード部は上金型と下金型とで挟み込まれる第1の工程と,
上金型と下金型とで挟み込まれた凹み部分に,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択される少なくとも1種が混合された熱硬化性樹脂をトランスファ・モールド工程により流し込まれる第2の工程と,
樹脂成形体の凹部の底面である第1のインナーリード部と第2のインナーリード部との間及び樹脂成形体の凹部の側面に流し込まれた,並びに第1のリード及び第2のリードの凹凸に接触するように流し込まれた熱硬化性樹脂は加熱して硬化され,樹脂成形体が成形される第3の工程と,を有する樹脂成形体の製造方法」
とあるのを,
「第1のリードと第2のリードとを熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる,底面と側面とを持ち,シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂の配置領域となる凹部が形成されている等方性の熱膨張及び収縮挙動を有する,表面実装型発光装置用の樹脂成形体の製造方法であって,
上金型は樹脂成形体の凹部に相当する凹みを形成しており,第1のリードは第1のインナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており,第2のリードは第2のインナーリード部と第2のアウターリード部とを有しており,凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされており,
上金型と下金型とで挟み込まれた凹み部分に,トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用い,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択され,反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合された熱硬化性樹脂をトランスファ・モールドエ程により流し込まれる第2の工程と,
樹脂成形体の凹部の底面である第1のインナーリード部と第2のインナーリード部との間及び樹脂成形体の凹部の側面に流し込まれた,並びに第1のリード及び第2のリードの凹凸に接触するように流し込まれた熱硬化性樹脂は加熱して硬化され,第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあるように,樹脂成形体が成形される第3の工程と,を有する樹脂成形体の製造方法。」
に訂正する。

(16)訂正事項16
訂正前の特許請求の範囲の請求項13に,
「第1のリードと第2のリードとを第1の熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる,底面と側面とを持つ凹部が形成されている等方性の第1の樹脂成形体と,第1のリードに載置される発光素子と,第2の熱硬化性樹脂を用いて発光素子を被覆する第2の樹脂成形体と,を有する表面実装型発光装置の製造方法であって,
上金型は第1の樹脂成形体の凹部に相当する凹みを形成しており,第1のリードは第1のインナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており,第2のリードは第2のインナーリード部と第2のアウターリード部とを有しており,凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされており,
第1の樹脂成形体の凹部の底面に相当する第1のインナーリード部と第2のインナーリード部並びに第1のアウターリード部と第2のアウターリード部は上金型と下金型とで挟み込まれる第1の工程と,
上金型と下金型とで挟み込まれた凹み部分に,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択される少なくとも1種が混合された第1の熱硬化性樹脂がトランスファ・モールド工程により流し込まれる第2の工程と,
第1の樹脂成形体の凹部の底面である第1のインナーリード部と第2のインナーリード部との間及び第1の樹脂成形体の凹部の側面に流し込まれた,並びに第1のリード及び第2のリードの凹凸に接触するように流し込まれた第1の熱硬化性樹脂は加熱して硬化され,第1の樹脂成形体が成形される第3の工程と,
上金型が取り外される第4の工程と,
発光素子は第1のインナーリード部に載置されるとともに,発光素子が持つ第1の電極と第1のインナーリード部とが電気的に接続され,発光素子が持つ第2の電極と第2のインナーリード部とが電気的に接続される第5の工程と,
発光素子が載置された凹部内に第2の熱硬化性樹脂が配置される第6の工程と,
第2の熱硬化性樹脂は加熱して硬化され,第2の樹脂成形体が成形される第7の工程と,を有する表面実装型発光装置の製造方法。」
とあるのを,
「第1のリードと第2のリードとを第1の熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる,底面と側面とを持つ凹部が形成されている等方性の熱膨張及び収縮挙動を有する第1の樹脂成形体と,第1のリードに載置される発光素子と,第2の熱硬化性樹脂を用いて発光素子を被覆する第2の樹脂成形体と,を有する表面実装型発光装置の製造方法であって,
上金型は第1の樹脂成形体の凹部に相当する凹みを形成しており,第1のリードは第1のインナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており,第2のリードは第2のインナーリード部と第2のアウターリード部とを有しており,凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされており,
第1の樹脂成形体の凹部の底面に相当する発光波長が450nm以上475nm以下である発光素子の載置領域を含む第1のインナーリード部と第2のインナーリード部並びに第1のアウターリード部と第2のアウターリード部は,第1のインナーリード部の発光素子の載置領域の裏面側を,表面実装型発光装置としたときに発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱させるため,第1の樹脂成形体から露出させるように,上金型と下金型とで挟み込まれる第1の工程と,
上金型と下金型とで挟み込まれた凹み部分に,トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用い,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択され,反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合された第1の熱硬化性樹脂がトランスファ・モールドエ程により流し込まれる第2の工程と,
第1の樹脂成形体の凹部の底面である第1のインナーリード部と第2のインナーリード部との間及び第1の樹脂成形体の凹部の側面に流し込まれた,並びに第1のリード及び第2のリードの凹凸に接触するように流し込まれた第1の熱硬化性樹脂は加熱して硬化され,第1のリードの裏面側の全露出部分か連続しており,第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあるように,第1の樹脂成形体が成形される第3の工程と,
上金型が取り外される第4の工程と,
発光素子は第1のインナーリード部に載置されるとともに,発光素子が持つ第1の電極と第1のインナーリード部とが電気的に接続され,発光素子が持つ第2の電極と第2のインナーリード部とが電気的に接続される第5の工程と,
発光素子が載置された凹部内にシリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用い,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質からなる群から選択され,蛍光物質を必須とする少なくとも1種が混合された第2の熱硬化性樹脂が凹部の上面まで滴下される第6の工程と,
第2の熱硬化性樹脂は加熱して硬化され,第2の樹脂成形体が成形される第7の工程と,を有する表面実装型発光装置の製造方法。」
に訂正する。

(17)訂正事項17
特許請求の範囲の請求項3に,
「第1のリードの裏面側の露出部分と第2のリードの裏面側の露出部分とは,実質的に同一平面上にあることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の表面実装型発光装置。」
とあるのを,
「発光波長が450nm以上475nm以下である発光素子と,発光素子を載置するための第1のリードと発光素子と電気的に接続される第2のリードとを熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる第1の樹脂成形体と,熱硬化性樹脂を用いて発光素子を被覆する第2の樹脂成形体と,を有する表面実装型発光装置であって,
第1のリードは第1のインナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており,第1のインナーリード部は発光素子が載置されており,かつ,発光素子が持つ第1の電極と電気的に接続されており,並びに第1のアウターリード部は第1の樹脂成形体から露出されており,
第2のリードは第2のインナーリード部と第2のアウターリード部とを有しており,第2のインナーリード部は発光素子が持つ第2の電極と電気的に接続されており,並びに第2のアウターリード部は第1の樹脂成形体から露出されており,第1の樹脂成形体は,底面と側面とを持つ凹部が形成されており,第1の樹脂成形体の凹部の底面から第1のインナーリード部が露出されており,その露出部分に発光素子が載置されており,
第1の樹脂成形体は,凹部の底面である第1のインナーリード部と第2のインナーリード部との間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており,
第1のインナーリード部の発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は,発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように第1の樹脂成形体から露出されており,
第2のインナーリード部の裏面側は,第1の樹脂成形体から露出されており,
第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,
第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,
第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあり,
第1のリード及び第2のリードは平板状であり,
凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ,その凹凸に第1の樹脂成形体が接触しており,
第1の樹脂成形体は,トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択され,反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合され,
第2の樹脂成形体は,シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用いてなり,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質からなる群から選択され,蛍光物質を必須とする少なくとも1種が混合されており,
第2の樹脂成形体の表面は凹部の上面と一致し,
蛍光物質は,凹部の底面側に沈降しており,
第2の樹脂成形体は,第1の樹脂成形体と同様な等方性の熱膨張及び収縮挙動を有することを特徴とする表面実装型発光装置。」
に訂正し,請求項14とするものである。

(18)訂正事項18
特許請求の範囲の請求項9に
「第1のリードの裏面側の露出部分と第2のリードの裏面側の露出部分とは,実質的に同一平面上にあることを特徴とする請求項7又は請求項8のいずれかに記載の表面実装型発光装置。」
とあるのを,
「第1のリードと第2のリードとを熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる表面実装型発光装置用の樹脂成形体であって,
第1のリードは第1のインナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており,第1のインナーリード部は樹脂成形体中に配置されており,第1のアウターリード部は樹脂成形体から露出されており,
第2のリードは第2のインナーリード部と第2のアウターリード部とを有しており,第2のインナーリード部は樹脂成形体に配置されており,第2のアウターリード部は樹脂成形体から外部に露出されており,
樹脂成形体は,底面と側面とを持ち,シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂の配置領域となる凹部が形成されており,樹脂成形体の凹部の底面から第1のインナーリード部及び第2のインナーリード部が露出されており,
凹部の底面から露出されている第1のインナーリード部に発光波長が450nm以上475nm以下である発光素子の載置領域が含まれ,
発光素子が載置される領域の主面側と反対の第1のインナーリード部の裏面側は,表面実装型発光装置としたときに発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように,樹脂成形体から露出されており,
凹部の底面から露出されている第2のインナーリード部の裏面側は樹脂成形体から露出されており,
第1のリードの裏面側の全露出部分か連続しており,
第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,
第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあり,
第1のリード及び第2のリードは平板状であり,
樹脂成形体は,凹部の底面である第1のインナーリード部と第2のインナーリード部との間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており,
凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ,その凹凸に樹脂成形体が接触しており,
樹脂成形体は,トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択され,反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合されており,
樹脂成形体は等方性の熱膨張及び収縮挙動を有することを特徴とする樹脂成形体。」
に訂正し,請求項17とするものである。

2 訂正の適否
(1)請求項1,5及び6に係る訂正事項1ないし3について
ア 訂正の目的並びに新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張ないし変更の有無について
(ア)訂正事項1
a 訂正事項1は,訂正前の請求項1について,発光素子の「発光波長が450nm以上475nm以下であ」ると特定し,それぞれ裏面側が第1の樹脂成形体から露出されている第1のリード及び第2のリードに関し,それらの「裏面側の全露出部分が連続して」いると特定し,第1のリードについては「発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように」されたものと特定し,また,「第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあ」るとし,第1の樹脂成形体が「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,」混合されているものに「反射性物質を必須とする」ことを特定し,また,第2の樹脂成形体が「シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用いてなり,」混合されているものに「蛍光物質を必須と」し,第2の樹脂成形体の表面が凹部の上面と一致することを特定するものであるから,訂正事項1は,特許法第134条の2第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

b-1 本件特許の願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書」という。)には以下の記載がある。
「【0068】
こうした発光素子10は,適宜複数個用いることができ,その組み合わせによって白色表示における混色性を向上させることもできる。・・・(中略)・・・発光素子と蛍光物質との励起,発光効率をそれぞれより向上させるためには,450nm以上475nm以下がさらに好ましい。(後略)」
よって,本件特許明細書には,発光素子の発光波長が450nm以上475nm以下であることが記載されているといえる。

b-2 本件特許明細書には以下の記載がある。
「【0034】
発光素子が載置されている主面側と反対の第1のリードの裏面側は,第1の樹脂成形体から露出されていることが好ましい。表面実装型発光装置に電流を投入すると発光するとともに発光素子は発熱する。本構成にすることにより,この熱を効率よく外部に放出することができる。特に,発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるため,極めて効率よく放熱することができる。」
また,図1は以下のものである。

上記各記載から,本件特許明細書には,第1のリードの発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は,発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように,第1の樹脂成形体から露出されており,また,第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあることが記載されているといえる。

b-3 また,本件特許明細書には以下の各記載がある。
「【0073】
第1の樹脂成形体40の材質は熱硬化性樹脂である。熱硬化性樹脂のうち,エポキシ樹脂, ・・・(中略)・・・が好ましく,特にエポキシ樹脂,変性エポキシ樹脂,シリコーン樹脂,変性シリコーン樹脂が好ましい。例えば,トリグリシジルイソシアヌレート(化1),水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル(化2)他よりなるエポキシ樹脂と,ヘキサヒドロ無水フタル酸(化3),3-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(化4),4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(化5)他よりなる酸無水物とを,エポキシ樹脂へ当量となるよう溶解混合した無色透明な混合物100重量部へ,硬化促進剤としてDBU(1,8-Diazabicyclo(5,4,0) undecene-7)(化6)を0.5重量部,助触媒としてエチレングリコール(化7)を1重量部,酸化チタン顔料を10重量部,ガラス繊維を50重量部添加し,加熱により部分的に硬化反応させBステージ化した固形状エポキシ樹脂組成物を使用することができる。」
「【0080】
・・・(中略)・・・このように,第1の樹脂成形体40は,所定の機能を持たせるため,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択される少なくとも1種を混合することもできる。」
上記各記載から,本件特許明細書には,第1の樹脂成形体が「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,」反射性物質を混合することが記載されているといえる。

b-4 また,本件特許明細書には以下の各記載がある。
「【実施例1】
【0135】
・・・(中略)・・・
【0137】
・・・(中略)・・・第2の樹脂成形体50はシリコーン樹脂を用いる。第2の樹脂成形体50には(Y_(0.8)Gd_(0.2))_(3)Al_(5)O_(12):Ceの組成を有するYAG系蛍光体80を均一に混合している。底面40aと側面40bとを持つ凹部40cに第2の樹脂成形体50を配置しており,第2の樹脂成形体50の表面は凹部40cの上面と一致する。これにより製品毎のYAG系蛍光体80の量を均一にしている。第1のリード20と第2のリード30の裏面側に所定の厚さのエポキシ樹脂シートなる絶縁部材90を貼着している。」
よって,本件特許明細書には,第2の樹脂成形体が「シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用いてなり,」蛍光物質を混合し,また,第2の樹脂成形体の表面が凹部の上面と一致することが記載されているといえる。
ところで,請求人は,平成29年12月4日に提出した審判事件弁駁書において,「第2の樹脂成形体の表面は凹部の上面と一致し,」との記載では,第2の樹脂成形体の表面の高さが一定でない態様も包含するが,そのようなものは本件特許明細書には記載されていない旨主張するから,これについて検討する。
上記段落【0137】における,「第2の樹脂成形体50の表面は凹部40cの上面と一致する。これにより製品毎のYAG系蛍光体80の量を均一にしている。」との記載とともに,例えば図1を参照すると,当該「第2の樹脂成形体50の表面は凹部40cの上面と一致する。」との記載は,第2の樹脂成形体50の表面となる平坦面を含む平面が,凹部40cの上面を含む平面と一致することをいうものと解される。そうでなければ,第2の樹脂成形体の上面が定まらないことから,第2の樹脂成形体50の体積も定まらず,それに伴い,第2の樹脂成形体50に含まれるYAG系蛍光体80の量も定まらず,「製品毎のYAG系蛍光体80の量を均一」にすることができないからである。そうすると,訂正事項1に係る「第2の樹脂成形体の表面は凹部の上面と一致し,」との記載も,第2の樹脂成形体の表面となる平坦面を含む平面が,凹部の上面を含む平面と一致することと解される。

b-5 よって,訂正事項1は,本件特許明細書に記載された事項の範囲内でするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもないから,特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(イ)訂正事項2
a 訂正事項2は,訂正前の請求項5について,凹部に関し,その「傾斜角度が,底面から測定して95°以上150°以下であること」と特定するとともに,その引用請求項が「請求項1又は請求項2のいずれか」であったのを,訂正後の請求項5では引用請求項を「請求項1」のみとするものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

b-1 本件特許明細書には以下の記載がある。
「【0071】
凹部40cは,開口方向に広口となるように傾斜を設ける。 ・・・(中略)・・・凹部40cの傾斜角度は,底面から測定して95°以上150°以下が好ましいが,100°以上120°以下が特に好ましい。」

b-2 よって,訂正事項2は,本件特許明細書に記載された事項の範囲内でするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもないから,特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(ウ)訂正事項3
a 訂正事項3は,訂正前の請求項6について,その引用請求項が「請求項1又は請求項2のいずれか」であったのを,訂正後の請求項6では引用請求項を「請求項1」のみとするとともに,第1の樹脂成形体について,酸化チタン顔料が混合されることを特定するものであるところ,訂正前の請求項6から記載が削除された第1の樹脂成形体の材料は,上記引用する請求項1において「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなる」と特定されているから,特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

b 本件特許明細書には以下の記載がある。
「【0040】
第1の樹脂成形体は,・・・(中略)・・・特に,第1の樹脂成形体はエポキシ樹脂中に酸化チタン及びシリカ,アルミナを混合しているものが好ましい。これにより耐熱性に優れた表面実装型発光装置を提供することができる。」
よって,本件特許明細書には,第1の樹脂成形体に酸化チタンが混合されることが記載されている。

c よって,訂正事項3は,本件特許明細書に記載された事項の範囲内でするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもないから,特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

イ 特許法第134条の2第9項で準用する第126条第4項に規定する要件について
本件訂正後の請求項5及び6は,請求項1の記載を引用しているものであるから,訂正事項1ないし3に係る本件訂正後の請求項1,5及び6は,特許法施行規則第46条の2第2号に規定する関係を有する一群の請求項を構成する。
したがって,訂正事項1ないし3は,特許法第134条の2第9項で準用する第126条第4項の規定に適合するものである。

(2)請求項2,4,15及び16に係る訂正事項4ないし6について
ア 訂正の目的並びに新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張ないし変更の有無について
(ア)訂正事項4
a 訂正事項4は,訂正前の請求項2について,発光素子の「発光波長が450nm以上475nm以下であ」ると特定し,裏面側が第1の樹脂成形体から露出されている第1のリード及び第2のリードに関し,それらの「裏面側の全露出部分が連続して」いると特定し,第1の樹脂成形体から露出している第1のインナーリード部及び第2のインナーリード部の裏面側に関して,第1のインナーリード部については,「発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は,発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように第1の樹脂成形体から露出されて」いるとし,また,「第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあ」るとし,第1の樹脂成形体が「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,」混合されているものに「反射性物質を必須とする」ことを特定し,発光素子から出射された光が,第1の樹脂成形体の凹部の底面及び側面に照射され,反射することを特定し,さらに,第2の樹脂成形体が「シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用いてなり,」混合されているものに「蛍光物質を必須と」し,第2の樹脂成形体の表面が凹部の上面と一致することを特定するものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

b-1 本件特許明細書には,段落【0034】及び図1として,前記(1)ア(ア)b-2に摘記したとおりの記載があり,これらの記載から,第1のインナーリードの発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は,発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように,第1の樹脂成形体から露出されており,また,第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあるものと認められる。
同様に,本件特許明細書には,前記(1)ア(ア)b-1,b-3及びb-4に摘記したとおりの記載があり,当該各項において指摘したとおり,本件特許明細書には,発光素子の発光波長が450nm以上475nm以下であること,第1の樹脂成形体が「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,」反射性物質を混合すること,及び,2の樹脂成形体が「シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用いてなり,」蛍光物質を混合し,また,第2の樹脂成形体の表面が凹部の上面と一致することが記載されているといえる。

b-2 また,本件特許明細書には以下の記載がある。
「【0031】
第2の樹脂成形体は,発光素子が載置された凹部内に配置される。・・・(中略)・・・また,発光素子から出射された光は凹部の底面及び側面に照射され,反射して,発光素子が載置されている主面側に出射される。」
上記記載から,発光素子から出射された光が,第1の樹脂成形体の凹部の底面及び側面に照射され,反射することが記載されているといえる。

c 訂正事項4に係る請求項4について
ところで,請求人は,平成26年12月1日に提出した審判事件弁駁書において,「第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあり」との要件を有する訂正発明2に従属する発明とされる訂正発明4の,「第1のインナーリード部の裏面側の露出部は,放熱部材が接触するように配置されていること」との発明特定事項を満たすような発明は,本件特許明細書には記載されていないとの旨を主張するので,この点について検討する。
本件特許明細書の段落【0105】?【0107】には,図3とともに,「第1の実施の形態に係る表面実装型発光装置の実装状態」が示されており,当該実装状態に関する,「第1のリード20のみに接触するように放熱接着剤100を介して放熱部材110を設ける」(段落【0106】)との記載等からみて,「第1のインナーリード部の裏面側の露出部分」は「放熱部材」によって放熱がされるように,すなわち熱的に接した状態にあることをいうものと解される。よって,訂正発明4に係る,「第1のインナーリード部の裏面側の露出部分は,放熱部材が接触するように配置されている」ことは,本件特許明細書等に記載されたものといえる。
なお,前記図3は以下のものである。

d よって,訂正事項4は,本件特許明細書に記載された事項の範囲内でするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもないから,特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(イ)訂正事項5
a 訂正事項5は,訂正前の請求項5について,その引用請求項が「請求項1又は請求項2のいずれか」であったのを,訂正後では引用請求項を「請求項2」のみとして請求項15とするとともに,凹部に関し,その「傾斜角度が,底面から測定して95°以上150°以下であること」と特定するものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

b 本件特許明細書には,前記(1)ア(イ)b-1に摘記したとおりの記載があり,同b-2における指摘と同様に,訂正事項5は,本件特許明細書に記載された事項の範囲内でするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもないから,特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(ウ)訂正事項6
a 訂正事項6は,訂正前の請求項6について,その引用請求項が「請求項1又は請求項2のいずれか」であったのを,訂正後では引用請求項を「請求項2」のみとして請求項16とするとともに,第1の樹脂成形体について,酸化チタン顔料が混合されることを特定するものであるところ,訂正前の請求項6から記載が削除された第1の樹脂成形体の材料は,上記引用する請求項2において特定されたから,特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

b 前記(1)ア(ウ)bに摘示したとおり,本件特許明細書には,第1の樹脂成形体に酸化チタンが混合されることが記載されている。

c よって,訂正事項6は,本件特許明細書に記載された事項の範囲内でするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもないから,特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

イ 特許法第134条の2第9項で準用する第126条第4項に規定する要件について
本件訂正後の請求項4,15及び16は,請求項2の記載を引用しているものであるから,訂正事項4ないし6に係る本件訂正後の請求項2,4,15及び16は,特許法施行規則第46条の2第2号に規定する関係を有する一群の請求項を構成する。
したがって,訂正事項4ないし6は,特許法第134条の2第9項で準用する第126条第4項の規定に適合するものである。

(3)請求項3に係る訂正事項7について
ア 訂正の目的並びに新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張ないし変更の有無について
(ア)訂正事項7
a 訂正事項7は,訂正前の請求項3記載の特許発明について,請求項1又は2の記載を引用する記載であったものを,請求項2を引用しないものとし,独立形式請求項へと改め,発光素子の「発光波長が450nm以上475nm以下であ」ると特定し,それぞれ裏面側が第1の樹脂成形体から露出されている第1のリード及び第2のリードに関し,「第1のリード及び第2のリードは平板状であり,」それらの「裏面側の全露出部分か連続して」いると特定し,さらに,第1の樹脂成形体から露出している第1のリード部及び第2のリード部の裏面側に関して,第1のリード部については,「発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は,発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように第1の樹脂成形体から露出されて」いるとし,また,「第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあ」るとし,第1の樹脂成形体が「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,」混合されているものに「反射性物質を必須とする」ことを特定し,発光素子から出射された光が,第1の樹脂成形体の凹部の底面及び側面に照射され,反射することを特定し,さらに,第2の樹脂成形体が「シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用いてなり,」混合されているものに「蛍光物質を必須と」し,「蛍光物質は,凹部の底面側に沈降しており」,第2の樹脂成形体の表面が凹部の上面と一致することをするものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第4号に規定する他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること,及び,同法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

b-1 前記(1)ア(ア)b-2及び前記(2)ア(ア)b-2にそれぞれ摘示したとおり,本件特許明細書には,第1のリードの発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は,発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように,第1の樹脂成形体から露出されており,また,第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあること,及び,発光素子から出射された光が,第1の樹脂成形体の凹部の底面及び側面に照射され,反射することが記載されているといえる。
同様に,本件特許明細書には,前記(1)ア(ア)b-1,b-3及びb-4に摘記したとおりの記載があり,当該各項において指摘したとおり,本件特許明細書には,発光素子の発光波長が450nm以上475nm以下であること,第1の樹脂成形体が「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,」反射性物質を混合すること,及び,2の樹脂成形体が「シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用いてなり,」蛍光物質を混合し,また,第2の樹脂成形体の表面が凹部の上面と一致することが記載されているといえる。

b-2 また,本件特許明細書には以下の記載がある。
「【0060】
第2の樹脂成形体50は,発光素子10を被覆するように凹部40c内に配置している。第2の樹脂成形体50は,熱硬化性樹脂を用いている。第2の樹脂成形体50は蛍光物質80を含有する。蛍光物質80は,第2の樹脂成形体50よりも比重の大きいものを使用しているため,凹部40cの底面40a側に沈降している。」
よって,本件特許明細書には,第2の樹脂成形体に混合された蛍光物質が,「凹部の底面側に沈降して」いることが記載されているといえる。

b-3 また,本件特許明細書には以下の記載がある。
「【0107】
第1のリード20の第1のアウターリード部20b及び第2のリード30の第2のアウターリード部30bは外部電極と電気的に接続する。第1のリード20と第2のリード30は厚肉の平板であるため,外部電極と放熱部材90とで挟み込むように電気的に接続する。第1のアウターリード部20b,第2のアウターリード部30bと外部電極との電気的接続には鉛フリー半田を用いる。この他,外部電極に第1のアウターリード部20b等を載置するように電気的接続することもできる。」
よって,本件特許明細書には,第1のリード及び第2のリードが平板状であることが記載されているといえる。

c よって,訂正事項7は,本件特許明細書に記載された事項の範囲内でするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもないから,特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(4)請求項7,10及び11に係る訂正事項8ないし10について
ア 訂正の目的並びに新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張ないし変更の有無について
(ア)訂正事項8
a 訂正事項8は,訂正前の請求項7について,樹脂成形体が「表面実装型発光装置用」であると特定し,凹部が「シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂の配置領域となる」と特定し,第1のリードに関しては,発光素子の載置領域が含まれ,発光素子の「発光波長が450nm以上475nm以下であ」ると特定し,また,それぞれ裏面側が樹脂成形体から露出されている第1のリード及び第2のリードに関し,それらの「裏面側の全露出部分が連続して」いると特定し,第1のリードの裏面側に関しては,第1のリードの発光素子が載置される領域の主面側と反対の裏面側は,表面実装型発光装置としたときに発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるようにされているものと特定し,また,「第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあ」ると特定し,また,樹脂成形体が「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,」混合されているものに「反射性物質を必須とする」ことを特定し,さらに,樹脂成形体は等方性「の熱膨張及び収縮挙動を有する」ものと特定するものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

b-1 本件特許明細書には以下の記載がある。
「【0043】
本発明は,第1のリードと第2のリードとを一体成形してなる樹脂成形体であって, ・・・(中略)・・・
【0044】
第1のリードの裏面側の露出部分と第2のリードの裏面側の露出部分とは,実質的に同一平面上にあることが好ましい。これにより安定性が良く実装し易い樹脂成形体を用いた表面実装型発光装置を提供することができる。さらに金型による成形もしやすい。」
上記記載から,本件特許明細書には,表面実装型発光装置用の樹脂成形体が記載されているものといえる。

b-2 また,前記(1)ア(ア)b-2に摘示したとおり,本件特許明細書には,第1のリードには発光素子が載置される領域があり,当該領域の主面側と反対の裏面側は,発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように,樹脂成形体から露出されており,また,第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあることが記載されているといえる。
同様に,本件特許明細書には,前記(1)ア(ア)b-1,b-3及びb-4に摘記したとおりの記載があり,当該各項において指摘したとおり,本件特許明細書には,「シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂」が凹部に配置されること,発光素子の発光波長が450nm以上475nm以下であること,及び,樹脂成形体が「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,」反射性物質を混合することが記載されているといえる。

b-3 また,本件特許明細書には以下の記載がある。
「【0020】
本発明は,第1のリードと第2のリードとを一体成形してなる樹脂成形体であって,・・・(中略)・・・,樹脂成形体は,熱硬化性樹脂であり,樹脂成形体は等方性であり,樹脂成形体は,トランスファ・モールドにより成形されている樹脂成形体に関する。
・・・(中略)・・・
【0030】
また,第1の樹脂成形体を熱硬化性樹脂にすることにより第2の樹脂成形体との界面の剥離を防止することができる。これは熱可塑性樹脂と異なり,熱硬化性樹脂が表面に多数の反応性官能基を有しているので第2の樹脂成形体と強固な接着界面を形成することができるからである。そして第2の樹脂成形体を熱硬化性樹脂とすることにより第1の樹脂成形体と同様な等方性の熱膨張・収縮挙動を得ることができるため,温度変化による接着界面の熱応力を更に低減することができる。(後略)」
以上から,本件特許明細書には,樹脂成形体は等方性の熱膨張及び収縮挙動を有するものであることが記載されているといえる。

c よって,訂正事項8は,本件特許明細書に記載された事項の範囲内でするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもないから,特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(イ)訂正事項9
a 訂正事項9は,訂正前の請求項10について,その引用請求項が「請求項7又は請求項8のいずれか」であったのを,訂正後の請求項10では引用請求項を「請求項7」のみとするとともに,熱硬化樹脂について,「酸化チタン顔料が混合され」ることを特定するものであるところ,訂正前の請求項10から記載が削除された樹脂の材料は,上記引用する請求項7において「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてな」るものと特定されたから,特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

b 前記(1)ア(ウ)bに摘示したとおり,本件特許明細書には,樹脂成形体に酸化チタンが混合されることが記載されている。

c よって,訂正事項9は,本件特許明細書に記載された事項の範囲内でするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもないから,特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(ウ)訂正事項10
a 訂正事項10は,訂正前の請求項11について,凹部に関し,その「傾斜角度が,底面から測定して95°以上150°以下であること」と特定するとともに,その引用請求項が「請求項7又は請求項8のいずれか」であったのを,訂正後の請求項11では引用請求項を「請求項7」のみとするものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

b 本件特許明細書には,前記(1)ア(イ)b-1に摘記したとおりの記載があり,同b-2における指摘と同様に,訂正事項10は,本件特許明細書に記載された事項の範囲内でするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもないから,特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

イ 特許法第134条の2第9項で準用する第126条第4項に規定する要件について
本件訂正後の請求項10及び11は,請求項7の記載を引用しているものであるから,訂正事項8ないし10に係る本件訂正後の請求項7,10及び11は,特許法施行規則第46条の2第2号に規定する関係を有する一群の請求項を構成する。
したがって,訂正事項8ないし10は,特許法第134条の2第9項で準用する第126条第4項の規定に適合するものである。

(5)請求項8,18及び19に係る訂正事項11ないし13について
ア 訂正の目的並びに新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張ないし変更の有無について
(ア)訂正事項11
a 訂正事項11は,訂正前の請求項8について,樹脂成形体が「表面実装型発光装置用」であると特定し,凹部が「シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂の配置領域となる」と特定し,第1のインナーリードに関しては,発光素子の載置領域が含まれ,発光素子の「発光波長が450nm以上475nm以下であ」ると特定し,また,それぞれ裏面側が樹脂成形体から露出されている第1のリード及び第2のリードに関し,それらの「裏面側の全露出部分が連続して」いると特定し,樹脂成形体から露出している第1のインナーリードの裏面側に関しては,第1のインナーリードの発光素子が載置される領域の主面側と反対の裏面側は,表面実装型発光装置としたときに発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるようにされているものと特定し,また,「第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあ」ると特定し,また,樹脂成形体が「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,」混合されているものに「反射性物質を必須とする」ことを特定し,発光素子から出射される光は,樹脂成形体の凹部の底面及び側面に照射され,反射することを特定し,さらに,樹脂成形体は等方性「の熱膨張及び収縮挙動を有する」ものと特定するものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

b 前記(4)ア(ア)b-1ないし同b-3に摘示したことと同様に,本件特許明細書には,表面実装型発光装置用の樹脂成形体とすること,第1のインナーリードには発光素子が載置される領域があり,当該領域の主面側と反対の裏面側は,発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように,樹脂成形体から露出されており,また,第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあること,及び,樹脂成形体は等方性の熱膨張及び収縮挙動を有するものであることが記載されているといえる。
同様に,本件特許明細書には,前記(1)ア(ア)b-1,b-3及びb-4に摘記したとおりの記載があり,当該各項において指摘したとおり,本件特許明細書には,「シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂」が凹部に配置されること,発光素子の発光波長が450nm以上475nm以下であること,及び,樹脂成形体が「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,」反射性物質を混合することが記載されているといえる
同様に,本件特許明細書には,前記(2)ア(ア)b-2に摘記したとおりの記載があり,同項において指摘したとおり,本件特許明細書には,「発光素子から出射される光は,樹脂成形体の凹部の底面及び側面に照射され,反射」することが記載されているといえる。

c よって,訂正事項11は,本件特許明細書に記載された事項の範囲内でするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもないから,特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(イ)訂正事項12
a 訂正事項12は,訂正前の請求項10について,その引用請求項が「請求項7又は請求項8のいずれか」であったのを,訂正後では引用請求項を「請求項8」のみとして,請求項18とするとともに,熱硬化樹脂について,「酸化チタン顔料が混合され」ることを特定するものであるところ,訂正前の請求項10から記載が削除された樹脂の材料は,上記引用する請求項8において,「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてな」るものと特定されたから,特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。ものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

b 前記(1)ア(ウ)bに摘示したとおり,本件特許明細書には,樹脂成形体に酸化チタンが混合されることが記載されている。

c よって,訂正事項12は,本件特許明細書に記載された事項の範囲内でするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもないから,特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(ウ)訂正事項13
a 訂正事項13は,訂正前の請求項11について,凹部に関し,その「傾斜角度が,底面から測定して95°以上150°以下であること」と特定するとともに,その引用請求項が「請求項7又は請求項8のいずれか」であったのを,訂正後では引用請求項を「請求項8」のみとして請求項19とするものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

b 本件特許明細書には,前記(1)ア(イ)b-1に摘記したとおりの記載があり,同b-2における指摘と同様に,訂正事項13は,本件特許明細書に記載された事項の範囲内でするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもないから,特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

イ 特許法第134条の2第9項で準用する第126条第4項に規定する要件について
本件訂正後の請求項18及び19は,請求項8の記載を引用しているものであるから,訂正事項11ないし13に係る本件訂正後の請求項8,18及び19は,特許法施行規則第46条の2第2号に規定する関係を有する一群の請求項を構成する。
したがって,訂正事項11ないし13は,特許法第134条の2第9項で準用する第126条第4項の規定に適合するものである。

(6)請求項9に係る訂正事項14について
ア 訂正の目的並びに新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張ないし変更の有無について
(ア)訂正事項14
a 訂正事項14は,訂正前の請求項9記載の特許発明について,請求項7又は8の記載を引用する記載であったものを,請求項8を引用しないものとし,独立形式請求項へと改め,さらに,樹脂成形体が表面実装型発光素子用であることを特定し,凹部が「シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂の配置領域となる」と特定し,第1のリードに関しては,発光素子の載置領域が含まれ,発光素子の「発光波長が450nm以上475nm以下であ」ると特定し,また,それぞれ裏面側が樹脂成形体から露出されている第1のリード及び第2のリードに関し,それらの「裏面側の全露出部分が連続して」いると特定し,第1のリード及び第2のリードは平板状であり,また,樹脂成形体から露出している第1のリードの裏面側に関しては,第1のリードの発光素子が載置される領域の主面側と反対の裏面側は,表面実装型発光装置としたときに発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるようにされているものと特定し,また,「第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあ」ると特定し,また,樹脂成形体が「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,」混合されているものに「反射性物質を必須とする」ことを特定し,発光素子から出射された光が,樹脂成形体の凹部の底面及び側面に照射され,反射すると特定し,さらに,樹脂成形体は等方性「の熱膨張及び収縮挙動を有する」ものと特定するものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第4号に規定する他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること,及び,同法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

b 前記(1)ア(ア)b-2,(3)ア(ア)b-3,(2)ア(ア)b-2,及び(4)ア(ア)b-3にそれぞれ摘示したとおり,本件特許明細書には,第1のリードには発光素子が載置される領域があり,当該領域領域の主面側と反対の裏面側は,発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように,樹脂成形体から露出されており,また,第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあること,第1のリード及び第2のリードは平板状であること,発光素子から出射された光が,樹脂成形体の凹部の底面及び側面に照射され,反射すること,及び,樹脂成形体は等方性の熱膨張及び収縮挙動を有するものであることが記載されているといえる。
同様に,本件特許明細書には,前記(1)ア(ア)b-1,b-3及びb-4に摘記したとおりの記載があり,当該各項において指摘したとおり,本件特許明細書には,「シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂」が凹部に配置されること,発光素子の発光波長が450nm以上475nm以下であること,及び,樹脂成形体が「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,」反射性物質を混合することが記載されているといえる。

c よって,訂正事項14は,本件特許明細書に記載された事項の範囲内でするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもないから,特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(7)請求項12に係る訂正事項15について
ア 訂正の目的並びに新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張ないし変更の有無について
(ア)訂正事項15
a 訂正事項15は,訂正前の請求項12について,樹脂成形体が,「表面実装型発光装置用」であり,等方性「の熱膨張及び収縮挙動を有する」ものと特定し,凹部が「シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂の配置領域となる」と特定し,第1のインナーリードに関しては,発光素子の載置領域が含まれ,発光素子の「発光波長が450nm以上475nm以下であ」ると特定し,熱硬化性樹脂が「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用い,」混合されているものに「反射性物質を必須とする」ことを特定し,また,第1のインナーリードの発光素子が載置される領域の主面側と反対の裏面側は,表面実装型発光装置としたときに発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱させるために,樹脂成形体から露出されるようにすることと特定し,また,第1のリード及び第2のリードに関し,それらの「裏面側の全露出部分が連続して」いると特定し,「第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあるように」すると特定するものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

b 前記(4)ア(ア)b-1及び同b-2に摘示したことと同様に,本件特許明細書には,樹脂成形体が,「表面実装型発光装置用」であり,等方性「の熱膨張及び収縮挙動を有する」ものとすることが記載されているといえ,また,第1のリードには発光素子が載置される領域があり,当該領域の主面側と反対の裏面側は,発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように,樹脂成形体から露出させ,また,第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,樹脂成形体の裏面側を,実質的に同一平面上にあるようにすることが記載されているといえる。
同様に,本件特許明細書には,前記(1)ア(ア)b-1,b-3及びb-4に摘記したとおりの記載があり,当該各項において指摘したとおり,本件特許明細書には,「シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂」が凹部に配置されること,発光素子の発光波長が450nm以上475nm以下であること,及び,樹脂成形体が「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,」反射性物質を混合することが記載されているといえる。

c よって,訂正事項15は,本件特許明細書に記載された事項の範囲内でするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもないから,特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(8)請求項13に係る訂正事項16について
ア 訂正の目的並びに新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張ないし変更の有無について
(ア)訂正事項16
a 訂正事項16は,訂正前の請求項13について,樹脂成形体が等方性「の熱膨張及び収縮挙動を有する」ものと特定し,また,第1のインナーリードに関しては,発光素子の載置領域が含まれ,発光素子の「発光波長が450nm以上475nm以下であ」ると特定し,それぞれ裏面側が第1の樹脂成形体から露出されている第1のリード及び第2のリードに関し,それらの「裏面側の全露出部分が連続して」いると特定し,また,第1のインナーリードの発光素子が載置される領域の主面側と反対の裏面側は,表面実装型発光装置としたときに発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱させるために,樹脂成形体から露出されるようにすることと特定し,また,「第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあるように」するとともに,第1の熱硬化性樹脂が「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,」混合されているものに「反射性物質を必須とする」ことを特定し,また,第2の熱硬化性樹脂が「シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用い,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質からなる群から選択され,蛍光物質を必須とする少なくとも1種が混合された」ものとするとともに「凹部の上面まで滴下される」と特定するものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

b-1 前記(4)ア(ア)同b-3に摘示したとおり,本件特許明細書には,樹脂成形体が等方性「の熱膨張及び収縮挙動を有する」ものとすることが記載されているといえる。また,前記(1)ア(ア)b-2に摘示したとおり,本件特許明細書には,第1のリードには発光素子が載置される領域があり,当該領域の主面側と反対の裏面側は,発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように,樹脂成形体から露出させ,また,第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,樹脂成形体の裏面側を,実質的に同一平面上にあるようにすることが記載されているといえる。
同様に,本件特許明細書には,前記(1)ア(ア)b-1及びb-3に摘記したとおりの記載があり,当該各項において指摘したとおり,本件特許明細書には,発光素子の発光波長が450nm以上475nm以下であること,及び,樹脂成形体が「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,」反射性物質を混合することが記載されているといえる。

b-2 本件特許明細書には以下の記載がある。
「【0132】
この第2の熱硬化性樹脂を配置する方法は,滴下手段や射出手段,押出手段などを用いることができるが,滴下手段を用いることが好ましい。滴下手段を用いることにより凹部40c内に残存する空気を効果的に追い出すことができるからである。(後略)」
また,本件特許明細書には,前記(1)ア(ア)b-4に摘記したとおりの記載もあり,当該各項において指摘したことと併せると,第2の熱硬化性樹脂が「シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用い,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質からなる群から選択され,蛍光物質を必須とする少なくとも1種が混合された」ものとするとともに「凹部の上面まで滴下される」ことが記載されているといえる。

c よって,訂正事項16は,本件特許明細書に記載された事項の範囲内でするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもないから,特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(9)請求項14に係る訂正事項17について
ア 訂正の目的並びに新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張ないし変更の有無について
(ア)訂正事項17
a 請求項17は,訂正前の請求項3記載の特許発明について,請求項1又は2の記載を引用する記載であったものを,請求項1を引用しないものとし,独立形式請求項へと改め,さらに,発光素子の「発光波長が450nm以上475nm以下であ」ると特定し,裏面側が第1の樹脂成形体から露出されている第1のリード及び第2のリードに関し,それらの「裏面側の全露出部分が連続して」いると特定し,第1の樹脂成形体から露出している第1のインナーリード部及び第2のインナーリード部の裏面側に関して,第1のインナーリード部については,「発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は,発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように第1の樹脂成形体から露出されて」いるとし,また,「第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあ」るとし,第1の樹脂成形体が「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,」混合されているものに「反射性物質を必須とする」ことを特定し,さらに,第2の樹脂成形体が「シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用いてなり,」混合されているものに「蛍光物質を必須と」し,第2の樹脂成形体の表面が凹部の上面と一致することを特定するものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第4号に規定する他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること,及び,同法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

b 前記(1)ア(ア)同b-2に摘示したとおり,本件特許明細書には,第1のインナーリードの発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は,発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように,第1の樹脂成形体から露出されており,また,第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側の全露出部分は,実質的に同一平面上にあること,及び,第1の樹脂成形体に反射性物質を混合することが記載されているといえる。
同様に,本件特許明細書には,前記(1)ア(ア)b-1,b-3及びb-4に摘記したとおりの記載があり,当該各項において指摘したとおり,本件特許明細書には,発光素子の発光波長が450nm以上475nm以下であること,第1の樹脂成形体が「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,」反射性物質を混合すること,及び,2の樹脂成形体が「シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用いてなり,」蛍光物質を混合し,また,第2の樹脂成形体の表面が凹部の上面と一致することが記載されているといえる。

c よって,訂正事項17は,本件特許明細書に記載された事項の範囲内でするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもないから,特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(10)請求項17に係る訂正事項18について
ア 訂正の目的並びに新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張ないし変更の有無について
(ア)訂正事項18
a 訂正事項18は,訂正前の請求項9記載の特許発明について,請求項7又は8の記載を引用する記載であったものを,請求項7を引用しないものとし,独立形式請求項へと改めて請求項17とし,さらに,樹脂成形体が表面実装型発光素子用であることを特定し,凹部が「シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂の配置領域となる」と特定し,第1のリードに関しては,発光素子の載置領域が含まれ,発光素子の「発光波長が450nm以上475nm以下であ」ると特定し,また,それぞれ裏面側が樹脂成形体から露出されている第1のリード及び第2のリードに関し,それらの「裏面側の全露出部分が連続して」いると特定し,第1のリード及び第2のリードは平板状であり,また,樹脂成形体から露出している第1のインナーリードの裏面側に関しては,第1のインナーリードの発光素子が載置される領域の主面側と反対の裏面側は,表面実装型発光装置としたときに発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるようにされているものと特定し,また,「第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあ」ると特定し,また,樹脂成形体が「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,」混合されているものに「反射性物質を必須とする」ことを特定し,さらに,樹脂成形体は等方性「の熱膨張及び収縮挙動を有する」ものと特定するものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第4号に規定する他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること,及び,同法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

b 前記(1)ア(ア)b-2,(3)ア(ア)b-3,及び(4)ア(ア)b-3にそれぞれ摘示したとおり,本件特許明細書には,第1のリードには発光素子が載置される領域があり,当該領域の主面側と反対の裏面側は,発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように,樹脂成形体から露出されており,また,第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあること,第1のリード及び第2のリードは平板状であること,及び,樹脂成形体は等方性の熱膨張及び収縮挙動を有するものであることが記載されているといえる。
同様に,本件特許明細書には,前記(1)ア(ア)b-1,b-3及びb-4に摘記したとおりの記載があり,当該各項において指摘したとおり,本件特許明細書には,「シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂」が凹部に配置されること,発光素子の発光波長が450nm以上475nm以下であること,及び,樹脂成形体が「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,」反射性物質を混合することが記載されているといえる。

c よって,訂正事項18は,本件特許明細書に記載された事項の範囲内でするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもないから,特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

3 以上のとおりであるから本件訂正を認める。

第4 訂正発明
上記のとおり,本件訂正が認められたので,本件特許の訂正後の請求項1ないし19に係る発明(「訂正発明1」ないし「訂正発明19」)は,請求項1?19に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
1 訂正発明1(【請求項1】)
「発光素子と,発光素子を載置するための第1のリードと発光素子と電気的に接続される第2のリードとを第1の熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる第1の樹脂成形体と,第2の熱硬化性樹脂を用いて発光素子を被覆する第2の樹脂成形体と,を有する表面実装型発光装置であって,
発光素子は,発光波長が450nm以上475nm以下であり,
第1の樹脂成形体は,底面と側面とを持つ凹部が形成されており,第1の樹脂成形体の凹部の底面から第1のリードが露出されており,その露出部分に発光素子が載置されており,第1の樹脂成形体は,凹部の底面である第1のリードと第2のリードとの間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており,
第1のリードの発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は,発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように,第1の樹脂成形体から露出されており,
第2のリードの裏面側は,第1の樹脂成形体から露出されており,
第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,
第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,
第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあり,
凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ,その凹凸に第1の樹脂成形体が接触しており,
第1の樹脂成形体は,トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択され,反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合されており,
第2の樹脂成形体は,シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用いてなり,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質からなる群から選択され,蛍光物質を必須とする少なくとも1種が混合されており,
第2の樹脂成形体の表面は凹部の上面と一致し,
第2の樹脂成形体は,第1の樹脂成形体と同様な等方性の熱膨張及び収縮挙動を有することを特徴とする表面実装型発光装置。」

2 訂正発明2(【請求項2】)
「発光素子と,発光素子を載置するための第1のリードと発光素子と電気的に接続される第2のリードとを熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる第1の樹脂成形体と,熱硬化性樹脂を用いて発光素子を被覆する第2の樹脂成形体と,を有する表面実装型発光装置であって,
発光素子は,発光波長が450nm以上475nm以下であり,
第1のリードは第1のインナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており,第1のインナーリード部は発光素子が載置されており,かつ,発光素子が持つ第1の電極と電気的に接続されており,並びに第1のアウターリード部は第1の樹脂成形体から露出されており,
第2のリードは第2のインナーリード部と第2のアウターリード部とを有しており,第2のインナーリード部は発光素子が持つ第2の電極と電気的に接続されており,並びに第2のアウターリード部は第1の樹脂成形体から露出されており,
第1の樹脂成形体は,底面と側面とを持つ凹部が形成されており,第1の樹脂成形体の凹部の底面から第1のインナーリード部が露出されており,その露出部分に発光素子が載置されており,
第1の樹脂成形体は,凹部の底面である第1のインナーリード部と第2のインナーリード部との間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており,
第1のインナーリード部の発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は,発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように第1の樹脂成形体から露出されており,
第2のインナーリード部の裏面側は,第1の樹脂成形体から露出されており,
第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,
第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,
第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあり,
凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ,その凹凸に第1の樹脂成形体が接触しており,
第1の樹脂成形体は,トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択され,反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合されており,発光素子から出射された光は,第1の樹脂成形体の凹部の底面及び側面に照射され,反射し,
第2の樹脂成形体は,シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用いてなり,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質からなる群から選択され,蛍光物質を必須とする少なくとも1種が混合されており,
第2の樹脂成形体の表面は凹部の上面と一致し,
第2の樹脂成形体は,第1の樹脂成形体と同様な等方性の熱膨張及び収縮挙動を有することを特徴とする表面実装型発光装置。」

3 訂正発明3(【請求項3】)
「発光素子と,発光素子を載置するための第1のリードと発光素子と電気的に接続される第2のリードとを第1の熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる第1の樹脂成形体と,第2の熱硬化性樹脂を用いて発光素子を被覆する第2の樹脂成形体と,を有する表面実装型発光装置であって,
発光素子は,発光波長が450nm以上475nm以下であり,
第1の樹脂成形体は,底面と側面とを持つ凹部が形成されており,第1の樹脂成形体の凹部の底面から第1のリードが露出されており,その露出部分に発光素子が載置されており,第1の樹脂成形体は,凹部の底面である第1のリードと第2のリードとの間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており,
第1のリードの発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は,発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように,第1の樹脂成形体から露出されており,
第2のリードの裏面側は,第1の樹脂成形体から露出されており,
第1のリードの裏面側の全露出部分か連続しており,
第2のリードの裏面側の全露出部分か連続しており,
第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあり,
第1のリード及び第2のリードは平板状であり,
凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ,その凹凸に第1の樹脂成形体が接触しており,
第1の樹脂成形体は,トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択され,反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合されており,発光素子から出射された光は,第1の樹脂成形体の凹部の底面及び側面に照射され,反射し,
第2の樹脂成形体は,シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用いてなり,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質からなる群から選択され,蛍光物質を必須とする少なくとも1種が混合されており,
第2の樹脂成形体の表面は凹部の上面と一致し,
蛍光物質は,凹部の底面側に沈降しており,
第2の樹脂成形体は,第1の樹脂成形体と同様な等方性の熱膨張及び収縮挙動を有することを特徴とする表面実装型発光装置。」

4 訂正発明4(【請求項4】)
「第1のインナーリード部の裏面側の露出部分は,放熱部材が接触するように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の表面実装型発光装置。」

5 訂正発明5(【請求項5】)
「凹部は,開口方向に広口となる傾斜が設けられ,凹部の傾斜角度は,底面から測定して95°以上150°以下であることを特徴とする請求項1に記載の表面実装型発光装置。」

6 訂正発明6(【請求項6】)
「第1の樹脂成形体には,酸化チタン顔料が混合されることを特徴とする請求項1に表面実装型発光装置。」

7 訂正発明7(【請求項7】)
「第1のリードと第2のリードとを熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる表面実装型発光装置用の樹脂成形体であって,
樹脂成形体は,底面と側面とを持ち,シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂の配置領域となる凹部が形成されており,樹脂成形体の凹部の底面から第1のリード及び第2のリードが露出されており,
その露出部分の第1のリードに発光波長が450nm以上475nm以下である発光素子の載置領域が含まれ,第1のリードの発光素子が載置される領域の主面側と反対の裏面側は,表面実装型発光装置としたときに発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように,樹脂成形体から露出されており,
その露出部分の第2のリードの裏面側は,樹脂成形体から露出されており,
第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,
第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,
第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあり,
樹脂成形体は,凹部の底面である第1のリードと第2のリードとの間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており,
凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ,その凹凸に樹脂成形体が接触しており,
樹脂成形体は,トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択され,反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合されており,
樹脂成形体は等方性の熱膨張及び収縮挙動を有することを特徴とする樹脂成形体。」

8 訂正発明8(【請求項8】)
「第1のリードと第2のリードとを熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる表面実装型発光装置用の樹脂成形体であって,
第1のリードは第1のインナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており,第1のインナーリード部は樹脂成形体中に配置されており,第1のアウターリード部は樹脂成形体から露出されており,
第2のリードは第2のインナーリード部と第2のアウターリード部とを有しており,第2のインナーリード部は樹脂成形体に配置されており,第2のアウターリード部は樹脂成形体から外部に露出されており,
樹脂成形体は,底面と側面とを持ち,シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂の配置領域となる凹部が形成されており,樹脂成形体の凹部の底面から第1のインナーリード部及び第2のインナーリード部が露出されており,
凹部の底面から露出されている第1のインナーリード部に発光波長が450nm以上475nm以下である発光素子の載置領域が含まれ,
発光素子が載置される領域の主面側と反対の第1のインナーリード部の裏面側は,表面実装型発光装置としたときに発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように,樹脂成形体から露出されており,
凹部の底面から露出されている第2のインナーリード部の裏面側は樹脂成形体から露出されており,
第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,
第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,
第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあり,
樹脂成形体は,凹部の底面である第1のインナーリード部と第2のインナーリード部との間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており,
凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ,その凹凸に樹脂成形体が接触しており,
樹脂成形体は,トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択され,反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合されており,発光素子から出射される光は,樹脂成形体の凹部の底面及び側面に照射され,反射し,
樹脂成形体は等方性の熱膨張及び収縮挙動を有することを特徴とする樹脂成形体。」

9 訂正発明9(【請求項9】)
「第1のリードと第2のリードとを熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる表面実装型発光装置用の樹脂成形体であって,
樹脂成形体は,底面と側面とを持ち,シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂の配置領域となる凹部が形成されており,樹脂成形体の凹部の底面から第1のリード及び第2のリードが露出されており,
その露出部分の第1のリードに発光波長が450nm以上475nm以下である発光素子の載置領域が含まれ,第1のリードの発光素子が載置される領域の主面側と反対の裏面側は,表面実装型発光装置としたときに発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように,樹脂成形体から露出されており,
その露出部分の第2のリードの裏面側は,樹脂成形体から露出されており,
第1のリードの裏面側の全露出部分か連続しており,
第2のリードの裏面側の全露出部分か連続しており,
第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあり,
第1のリード及び第2のリードは平板状であり,
樹脂成形体は,凹部の底面である第1のリードと第2のリードとの間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており,
凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ,その凹凸に樹脂成形体が接触しており,樹脂成形体は,トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択され,反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合されており,発光素子から出射される光は,樹脂成形体の凹部の底面及び側面に照射され,反射し,
樹脂成形体は等方性の熱膨張及び収縮挙動を有することを特徴とする樹脂成形体。」

10 訂正発明10(【請求項10】)
「熱硬化性樹脂には,酸化チタン顔料が混合されることを特徴とする請求項7に記載の樹脂成形体。」

11 訂正発明11(【請求項11】)
「凹部は,開口方向に広口となる傾斜が設けられ,凹部の傾斜角度は,底面から測定して95°以上150°以下であることを特徴とする請求項7に記載の樹脂成形体。」

12 訂正発明12(【請求項12】)
「第1のリードと第2のリードとを熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる,底面と側面とを持ち,シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂の配置領域となる凹部が形成されている等方性の熱膨張及び収縮挙動を有する,表面実装型発光装置用の樹脂成形体の製造方法であって,
上金型は樹脂成形体の凹部に相当する凹みを形成しており,第1のリードは第1のインナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており,第2のリードは第2のインナーリード部と第2のアウターリード部とを有しており,凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされており,
上金型と下金型とで挟み込まれた凹み部分に,トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用い,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択され,反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合された熱硬化性樹脂をトランスファ・モールドエ程により流し込まれる第2の工程と,
樹脂成形体の凹部の底面である第1のインナーリード部と第2のインナーリード部との間及び樹脂成形体の凹部の側面に流し込まれた,並びに第1のリード及び第2のリードの凹凸に接触するように流し込まれた熱硬化性樹脂は加熱して硬化され,第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあるように,樹脂成形体が成形される第3の工程と,を有する樹脂成形体の製造方法。」

13 訂正発明13(【請求項13】)
「第1のリードと第2のリードとを第1の熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる,底面と側面とを持つ凹部が形成されている等方性の熱膨張及び収縮挙動を有する第1の樹脂成形体と,第1のリードに載置される発光素子と,第2の熱硬化性樹脂を用いて発光素子を被覆する第2の樹脂成形体と,を有する表面実装型発光装置の製造方法であって,
上金型は第1の樹脂成形体の凹部に相当する凹みを形成しており,第1のリードは第1のインナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており,第2のリードは第2のインナーリード部と第2のアウターリード部とを有しており,凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされており,
第1の樹脂成形体の凹部の底面に相当する発光波長が450nm以上475nm以下である発光素子の載置領域を含む第1のインナーリード部と第2のインナーリード部並びに第1のアウターリード部と第2のアウターリード部は,第1のインナーリード部の発光素子の載置領域の裏面側を,表面実装型発光装置としたときに発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱させるため,第1の樹脂成形体から露出させるように,上金型と下金型とで挟み込まれる第1の工程と,
上金型と下金型とで挟み込まれた凹み部分に,トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用い,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択され,反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合された第1の熱硬化性樹脂がトランスファ・モールドエ程により流し込まれる第2の工程と,
第1の樹脂成形体の凹部の底面である第1のインナーリード部と第2のインナーリード部との間及び第1の樹脂成形体の凹部の側面に流し込まれた,並びに第1のリード及び第2のリードの凹凸に接触するように流し込まれた第1の熱硬化性樹脂は加熱して硬化され,第1のリードの裏面側の全露出部分か連続しており,第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあるように,第1の樹脂成形体が成形される第3の工程と,
上金型が取り外される第4の工程と,
発光素子は第1のインナーリード部に載置されるとともに,発光素子が持つ第1の電極と第1のインナーリード部とが電気的に接続され,発光素子が持つ第2の電極と第2のインナーリード部とが電気的に接続される第5の工程と,
発光素子が載置された凹部内にシリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用い,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質からなる群から選択され,蛍光物質を必須とする少なくとも1種が混合された第2の熱硬化性樹脂が凹部の上面まで滴下される第6の工程と,
第2の熱硬化性樹脂は加熱して硬化され,第2の樹脂成形体が成形される第7の工程と,を有する表面実装型発光装置の製造方法。」

14 訂正発明14(【請求項14】)
「発光波長が450nm以上475nm以下である発光素子と,発光素子を載置するための第1のリードと発光素子と電気的に接続される第2のリードとを熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる第1の樹脂成形体と,熱硬化性樹脂を用いて発光素子を被覆する第2の樹脂成形体と,を有する表面実装型発光装置であって,
第1のリードは第1のインナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており,第1のインナーリード部は発光素子が載置されており,かつ,発光素子が持つ第1の電極と電気的に接続されており,並びに第1のアウターリード部は第1の樹脂成形体から露出されており,
第2のリードは第2のインナーリード部と第2のアウターリード部とを有しており,第2のインナーリード部は発光素子が持つ第2の電極と電気的に接続されており,並びに第2のアウターリード部は第1の樹脂成形体から露出されており,第1の樹脂成形体は,底面と側面とを持つ凹部が形成されており,第1の樹脂成形体の凹部の底面から第1のインナーリード部が露出されており,その露出部分に発光素子が載置されており,
第1の樹脂成形体は,凹部の底面である第1のインナーリード部と第2のインナーリード部との間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており,
第1のインナーリード部の発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は,発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように第1の樹脂成形体から露出されており,
第2のインナーリード部の裏面側は,第1の樹脂成形体から露出されており,
第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,
第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,
第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあり,
第1のリード及び第2のリードは平板状であり,
凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ,その凹凸に第1の樹脂成形体が接触しており,
第1の樹脂成形体は,トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択され,反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合され,
第2の樹脂成形体は,シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用いてなり,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質からなる群から選択され,蛍光物質を必須とする少なくとも1種が混合されており,
第2の樹脂成形体の表面は凹部の上面と一致し,
蛍光物質は,凹部の底面側に沈降しており,
第2の樹脂成形体は,第1の樹脂成形体と同様な等方性の熱膨張及び収縮挙動を有することを特徴とする表面実装型発光装置。」

15 訂正発明15(【請求項15】)
「凹部は,開口方向に広口となる傾斜が設けられ,凹部の傾斜角度は,底面から測定して95°以上150°以下であることを特徴とする請求項2に記載の表面実装型発光装置。」

16 訂正発明16(【請求項16】)
「第1の樹脂成形体には,酸化チタン顔料が混合されることを特徴とする請求項2に記載の表面実装型発光装置。」

17 訂正発明17(【請求項17】)
「第1のリードと第2のリードとを熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる表面実装型発光装置用の樹脂成形体であって,
第1のリードは第1のインナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており,第1のインナーリード部は樹脂成形体中に配置されており,第1のアウターリード部は樹脂成形体から露出されており,
第2のリードは第2のインナーリード部と第2のアウターリード部とを有しており,第2のインナーリード部は樹脂成形体に配置されており,第2のアウターリード部は樹脂成形体から外部に露出されており,
樹脂成形体は,底面と側面とを持ち,シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂の配置領域となる凹部が形成されており,樹脂成形体の凹部の底面から第1のインナーリード部及び第2のインナーリード部が露出されており,
凹部の底面から露出されている第1のインナーリード部に発光波長が450nm以上475nm以下である発光素子の載置領域が含まれ,
発光素子が載置される領域の主面側と反対の第1のインナーリード部の裏面側は,表面実装型発光装置としたときに発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように,樹脂成形体から露出されており,
凹部の底面から露出されている第2のインナーリード部の裏面側は樹脂成形体から露出されており,
第1のリードの裏面側の全露出部分か連続しており,
第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,
第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあり,
第1のリード及び第2のリードは平板状であり,
樹脂成形体は,凹部の底面である第1のインナーリード部と第2のインナーリード部との間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており,
凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ,その凹凸に樹脂成形体が接触しており,
樹脂成形体は,トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択され,反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合されており,
樹脂成形体は等方性の熱膨張及び収縮挙動を有することを特徴とする樹脂成形体。」

18 訂正発明18(【請求項18】)
「熱硬化性樹脂には,酸化チタン顔料が混合されることを特徴とする請求項8に記載の樹脂成形体。」

19 訂正発明19(【請求項19】)
「凹部は,開口方向に広口となる傾斜が設けられ,凹部の傾斜角度は,底面から測定して95°以上150°以下であることを特徴とする請求項8に記載の樹脂成形体。」

第5 請求人の主張の概要及び証拠方法
1 無効理由1
本件発明1?13は,周知慣用技術文献を含む少なくとも本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第1?11号証に記載された発明に基づいて,本件特許の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり,その特許は特許法第123条第1項第2号の規定により,無効とすべきである。

2 無効理由2
本件発明1?13は,周知慣用技術文献を含む少なくとも本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第1?3,5,8?10,12号証に記載された発明に基づいて,本件特許の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり,その特許は特許法第123条第1項第2号の規定により,無効とすべきである。
訂正発明1?19については,トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いることは,甲第27?34号証に記載されているように普通になされていたことであり,シリコーン樹脂で発光素子を被覆することも,甲第35?38号証に記載されているように普通になされていたことであって,上記各樹脂材料を採用することにより,「耐熱性・耐光性と密着性・強度の点に関する相互補完」及び「変色の点に関する相互補完」がなされることは当業者の技術常識の範囲内のものでしかなく,また,第1のリード及び第2のリードの各裏面側の全露出部分が連続している点については,甲5号証における窪み27についての態様は例示に過ぎないのであって,リード裏面の露出部分が連続していない態様に限られないのであり,各リードの各裏面側の全露出部分が連続している構成は,容易想到なものでしかない。よって,訂正発明1?19は,本件特許の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり,その特許は特許法第123条第1項第2号の規定により,無効とすべきである。

3 無効理由3
本件発明1?13は,周知慣用技術文献を含む少なくとも本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第1?11,13号証に記載された発明に基づいて,本件特許の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり,その特許は特許法第123条第1項第2号の規定により,無効とすべきである。
訂正発明1?19については,トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いることは,甲第27?34号証に記載されているように普通になされていたことであり,シリコーン樹脂で発光素子を被覆することも,甲第35?38号証に記載されているように普通になされていたことであって,上記各樹脂材料を採用することにより,「耐熱性・耐光性と密着性・強度の点に関する相互補完」及び「変色の点に関する相互補完」がなされることは当業者の技術常識の範囲内のものでしかなく,また,甲13号証に記載された発明においては,「光の指向性の確保」が第一義的課題ではなく,甲13号証の請求項1に記載された「内壁」に係る構成は,「光の指向性を適切に制御すること」ができる半導体発光装置のための構成として記載されているに過ぎないから,第2の樹脂成形体の表面が凹面の上面と一致するようにすることに阻害要因はない。よって,訂正発明1?19は,本件特許の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり,その特許は特許法第123条第1項第2号の規定により,無効とすべきである。

4 無効理由4
本件発明1?13は,周知慣用技術文献を含む少なくとも本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第1?9号証に記載された発明に基づいて,本件特許の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり,その特許は特許法第123条第1項第2号の規定により,無効とすべきである。

5 無効理由5
本件発明7,8,12及び13(これらに従属するものを含めると本件発明7?13)は,樹脂成形体について,単に「等方性である」とするものであるところ,「等方性」とは,全ての物理特性が等方性であることを意味するが,本件特許明細書には,熱膨張及び収縮挙動が等方性であることの記載があるのみであって,全ての物理特性が等方性であることは,本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載されていないから,本件発明7?13に係る特許は特許法第36条第6項第1号の規定に反して特許されたものであるから,その特許は特許法第123条第1項第4号に該当し,無効とすべきものである。

6 無効理由6
本件発明7,8,12及び13(これらに従属するものを含めると本件発明7?13)は,樹脂成形体について,単に「等方性である」とするものであるところ,「等方性」とは,全ての物理特性が等方性であることを意味するが,原出願の明細書には,熱膨張及び収縮挙動が等方性であることの記載があるのみであって,全ての物理特性が等方性であることは,原出願の明細書には記載されていない。
よって,本件特許出願は,特許法第44条第1項に規定する要件を満たしていない分割出願であるから,原出願の公開公報である甲第14号証は本件特許出願に対する公知文献であり,本件発明1?13は,甲第14号証に記載された発明とは格別に相違しないもの,若しくは,甲第14号証に記載された発明に基づいて本件特許の出願前に当業者が容易に発明をすることができた程度のものでしかないから,特許法第29条第1項第3号乃至同条第2項の規定により特許を受けることができないものであり,その特許は特許法第123条第1項第2号の規定により,無効とすべきである。

7 訂正請求について
訂正発明4は,本件特許明細書等に記載されたものではなく,また,訂正発明1ないし3,13及び14(及びこれらを直接又は間接に引用する各訂正発明)は,本件特許明細書に記載されていない態様を包含するものであるから,本件訂正は認められるべきものではない。

8 甲号証等
請求人が提出した甲号証は以下のとおりである。
甲第1号証 :特開2004-214436号公報
甲第2号証 :特開2002-368281号公報
甲第3号証 :特開平09-318842号公報
甲第4号証 :国際公開2004/027882号
甲第5号証 :特開2003-110145号公報
甲第6号証 :特開2003-174200号公報
甲第7号証 :特開2001-015668号公報
甲第8号証 :特開2002-016293号公報
甲第9号証 :特開2001-168398号公報
甲第10号証:特開2003-218399号公報
甲第11号証:特開2002-344030号公報
甲第12号証:特開2003-188420号公報
甲第13号証:特開2004-274027号公報
甲第14号証:特開2006-156704号公報
甲第15号証:特開平11-087780号公報
甲第16号証:特表2005-539386号公報
甲第17号証:特開平10-261821号公報
甲第18号証:特開平10-163519号公報
甲第19号証:特開平11-340517号公報
甲第20号証:特開昭60-170982号公報
甲第21号証:国際公開2003/038912号
甲第22号証:特開平10-242513号公報
(以上,審判請求書に添付して提出。)
甲第23号証:特開平6-310634号公報
甲第24号証:特開平8-031986号公報
甲第25号証:特開2001?168116号公報
甲第26号証:平成26年(行ケ)第10157号 被告第1準備書面
(以上,平成26年12月1日に審判事件弁駁書に添付して提出。)
甲第27号証:特開2000-196151号公報
甲第28号証:特開2001-257410号公報
甲第29号証:特開2002-220512号公報
甲第30号証:特開2002-324920号公報
甲第31号証:特開2002-353518号公報
甲第32号証:特開2003-124529号公報
甲第33号証:特開2003-224305号公報
甲第34号証:特開2004-146843号公報
甲第35号証:特開2002-110704号公報
甲第36号証:国際公開2002/059982号
甲第37号証:特開2004-289102号公報
甲第38号証:特開2004-292591号公報
甲第39号証:特開平11-40858号公報
甲第40号証:特開2002-208740号公報
甲第41号証:特開2003-224307号公報
甲第42号証:特表2004-186488号公報
(以上,平成29年12月4日に審判事件弁駁書に添付して提出。)


第6 被請求人の主張の概要
1 無効理由1に対して
(1)訂正発明1,5及び6について
ア 訂正発明1(訂正発明1に従属する訂正発明5,6についても同様。)は,「第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあり,」との構成を備える。
よって,訂正発明1,5及び6と甲第1号証に記載された発明とは,審判請求書で請求人が主張する相違点1?4に加え,以下の相違点i1においても相違する。
相違点i1:
訂正発明1は,「第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上」にあるのに対し,甲第1号証に記載された発明は,そうではない点。

イ 甲1発明について
甲第1号証に記載された発明において,樹脂部3は,第1及び2のリードフレームを挟み込み,固定して,半導体発光装置としての構造を保持するのみならず,甲第1号証に記載された発明における特徴的な構成である金属体を保持する機能を有する。特に,金属体の保持においては,金属体に接する位置にあり,且つ第1及び2のリードフレームの裏面側に存在する,基板として機能する樹脂部3が肝要である。

ウ 相違点i1について
甲第1号証に記載された発明は,第1及び第2のリードフレームは,樹脂部3に挟み込むようにして保持され,固定されており,第1及び第2のリードフレームの裏面側には,基板として機能する樹脂部3が存在している。すなわち,第1及び第2のリードフレームの裏面側の露出部分と樹脂部3の裏面側は,実質的に同一平面上にない。
さらに,甲第1号証に記載された発明の特徴的な構成である金属体との関係においても,半導体発光装置としての構造の保持の点からも,この裏面側に存在する,基板として機能する樹脂部3が肝要であることは上記のとおりである。甲第1号証に記載された発明において,この樹脂部3を取り去った構造とすることには阻害要因がある。阻害要因がある以上,甲第2?11号証にいかなる開示があろうとも,これらを組み合わせても,相違点i1に係る構成には想到し得ない。
(2)訂正発明2?19について
訂正発明2?19についても,甲1発明とは,上記(1)アと同様の相違点があり,当該相違点は,上記ウと同様に容易に想到できないものである。

2 無効理由2に対して
訂正発明1?19と,甲5号証に記載された発明を比較すると,訂正発明1?19は,少なくとも,「(第1の)樹脂成形体」が「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用い」てなる点《相違点A1》,
発光素子を被覆する「(第2の)樹脂成形体」が「シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用い」てなる点《相違点A2》,
「第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第2のリードの各裏面側の全露出部分が連続して」いる点《相違点A8》,
の各構成を備える点で相違するところ,相違点A1及びA2は合わせて有利な効果をもたらすものであるから,一体のものとした《相違点A1’》として認定されるべきものである。
そして,《相違点A1’》は一般的なことでも普通のことでもなく,また,甲第5号証に記載された発明においては,窪み27が必須の構成であって,これを変更することには阻害要因があるから,《相違点A8》は容易に想到できるものではない。

3 無効理由3に対して
訂正発明1?19と,甲13号証に記載された発明を比較すると,訂正発明1?19は,少なくとも,「(第1の)樹脂成形体」が「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用い」てなる点《相違点A31》,
発光素子を被覆する「(第2の)樹脂成形体」が「シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用い」てなる点《相違点A35》,
「第2の樹脂成形体の表面は凹部の上面と一致し」ている点《相違点A38》,
の各構成を備える点で相違するところ,相違点A31及びA35は合わせて有利な効果をもたらすものであるから,一体のものとした《相違点A31’》として認定されるべきものである。
そして,《相違点A31’》は一般的なことでも普通のことでもなく,また,甲第13号証に記載された発明においては,「光の指向性を適切に制御する」ために,「第2の樹脂部材は,前記主表面からの距離が前記主表面から前記第1の頂面までの距離よりも大きい位置に設けられた第2の頂面と,前記半導体発光素子が位置する側において前記主表面から離隔する方向に延在し,前記第2の頂面に連なる内壁とを含」む構成を備え,当該構成(内壁構成)は必須の構成であって,これを変更することには阻害要因があるから,《相違点A38》は容易に想到できるものではない。

4 無効理由4に対して
(1)訂正発明1,5及び6について
ア 訂正発明1は,「第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあり,」との構成を備えるから,訂正発明1と甲第8号証に記載された発明とは,審判請求書で請求人が主張する相違点1?3に加え,以下の相違点i4においても相違する。
相違点i4:
訂正発明1は,「第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上」にあるのに対し,甲第8号証に記載された発明は,そうではない点。
また,「第1のリードの発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は,発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように,第1の樹脂成形体から露出されており」との構成を備えるから,審判請求書で請求人が主張する相違点1は,以下の相違点1’になる。
相違点1’:
訂正発明1は「第1のリードの発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は,発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように,第1の樹脂成形体から露出されて」いるのに対して,甲8号証に記載された発明は,そうではない点。

イ 甲第8号証の図1の表面実装型LEDにおいて,第1のリード及び第2のリードの裏面側は,第1の樹脂成形体によって覆われ,露出していない。また,第1のリード及び第2のリードの裏面側は露出していないので,これらが,第1の樹脂成形体の裏面側と,実質的に同一平面上にない。
審判請求書では,相違点1の構成の想到性を主張するにあたり,甲第1号証を組み合わせている。具体的には,甲第8号証について,「甲第1号証の下記図8と同様の状態にある」とし(128頁4行),その上で,「甲第1号証の記載に触れた当業者は,甲第8号証が放熱性の問題を有することを理解する」とし,「甲第1号証の記載に従って,絶縁処理を保護越した金属体8をに接触させるために,当業者が甲第8号証に記載された発明において『発光素子が載置されている主面側と反対の第1のリード及び第2のリードの裏面側は,第1の樹脂成形体から露出されて』いるようにする」と主張している(128頁下から13?4行)。

ウ しかし,甲第8号証は,従来の表面実装型発光ダイオードについて,エポキシ樹脂等の透明の熱硬化性樹脂からなる封止用樹脂の熱硬化方法が不適切であると,クラック等の不具合が生じることを解決しようとする課題とし(【0003】?【0004】),この課題を,熱硬化性樹脂による少なくともLEDチップの封止にあたり,当該熱硬化性樹脂の熱硬化過程に工夫を凝らすことによって解決するものである(【0013】)。一方,甲第8号証にはLEDチップから発生する熱の問題に関する記載はなく,放熱させるための手段についても及んでいない。このように放熱性の課題が甲第8号証にない中,甲第8号証に記載された発明において,甲第1号証の知見を適用する動機付けはないから,相違点1’に係る構成は容易に想到されない。

エ また,仮に甲第1号証の知見を適用したとしても,少なくとも相違点i4に係る構成には想到し得ない。審判請求書では,甲第1号証の図8に示す発光装置の放熱性の問題点を,甲第1号証では図3の構造とすることにより解決するとしている(127頁下から5行?128頁4行)。この図3の発光装置では,第1及び第2のリードフレームの裏面側には,樹脂部3が存在し(下図の水色部分),第1及び第2のリードの裏面側と,第1の樹脂成形体の裏面側とは,実質的に同一平面上にない。すなわち,相違点i4に係る構成を満たすものではない。
上記1(1)ウで述べたとおり,甲第1号証に記載された発明においては,第1のリードフレームの下部に金属体を有することが特徴である。そして,この金属体の保持においては,金属体に接する位置にある,第1及び2のリードフレームの裏面側に存在する樹脂部3が肝要である。第1及び2のリードフレームの裏面側に樹脂部3が存在する以上,第1及び第2のリードの裏面側と,第1の樹脂成形体の裏面側とが,実質的に同一平面上にあることはない。
よって,甲第1号証には,相違点i4に係る構成が開示されておらず,してみれば,甲第1号証の知見を適用したとしても,相違点i4に係る構成に想到し得ない。

(2)訂正発明5及び6について
訂正発明5及び6は,訂正後の請求項1に従属する。よって,訂正発明1と同様に,これらの発明も,甲第1?9号証から想到し得ない。

(3)訂正発明2,4,15,16,訂正発明7,10,11,訂正発明8,18,19,訂正発明12,訂正発明13及び訂正発明14について
訂正発明2,4,15,16,訂正発明7,10,11,訂正発明8,18,19,訂正発明12,訂正発明13及び訂正発明14についても,甲8発明とは上記(1)アと同様の相違点があり,当該相違点は,上記(1)イ?エと同様に容易に想到できないものである。

(4)訂正発明3,9,及び17について
についても,甲8発明とは上記(1)アの相違点相違点i4と同様の相違点があり,当該相違点は,上記(1)イ,エと同様に容易に想到できないものである。

5 無効理由5及び6について
請求人が主張する無効理由5及び6は,本件発明7,8,12,13には,単に「等方性」と記載されているのみであることに起因するものであるところ,訂正発明7,8,12及び13(本件発明7,8,12及び13に対応する)では,「等方性」を「等方性の熱膨張及び収縮挙動」としたため,これらの無効理由は存在しないことは明らかである。

6 訂正請求について
訂正発明4に係る,「第1のインナーリード部の裏面側の露出部分は,放熱部材が接触するように配置されている」ことは,本件特許明細書の段落【0106】に記載されているとおり,熱的に接触する程度に近接した状態にあることを意味するから,訂正発明4は本件特許明細書に記載されたものである。
また,訂正発明1ないし3,13及び14に係る「第2の樹脂成形体の表面が凹部の上面と一致」することは,本件特許明細書の段落【0137】等に記載されていることである。

7 乙号証
被請求人が提出した乙号証は,以下のとおりである。
乙第1号証 :米国特許6,300,674号明細書及び抄訳
乙第2号証 :無効2013-800023号 審決
乙第3号証 :平成26年(行ケ)第10157号 原告第1準備書面
(以上,審判事件答弁書に添付して提出。)
乙第4号証 :米国特許公開公報第2002/0066905号及び
その抄訳
乙第5号証 :米国特許公開公報第2003/0075724号及び
その抄訳
乙第6号証 :米国特許公開公報第2003/0178691号及び
その抄訳
乙第7号証 :「化学大辞典」,大木道則ら編集,内表紙,奥付,
198,1573,2241頁
乙第8号証 :「プラスチック大辞典」プラスチック大辞典編集委員会編
,内表紙,奥付,762頁
乙第9号証 :「図解プラスチック成形加工」,松岡信一著,内表紙,
奥付,6,58頁
乙第10号証:「図解入門現場で役立つ射出成形の基本と仕組み」,
杉山昭・宮田陽一著,内表紙,奥付,117頁
(以上,陳述要領書(1)に添付して提出。)
乙第11号証:甲第13号証の分割出願(特願2006-320490
)における意見書
(以上,陳述要領書(2)に添付して提出。)

第7 当審の判断
1 訂正請求について
前記第5 7「訂正請求について」のとおり,請求人は,本件訂正請求は認められるべきでないとするが,本件特許明細書には,前記第3 2「訂正の適否」(2)ア(ア)c,及び,前記第3 2「訂正の適否」(1)ア(ア)b-4においてそれぞれ検討したとおり,訂正発明4に係る,「第1のインナーリード部の裏面側の露出部分は,放熱部材が接触するように配置されている」こと,及び,訂正発明1ないし3,13及び14に係る「第2の樹脂成形体の表面が凹部の上面と一致」することが記載されているといえる。
よって,請求人の前記主張は,いずれもあたらない。

2 無効理由1について
無効理由1は,甲第1号証を主たる引用刊行物とするものである。
(1)甲第1号証に記載された発明
ア 甲第1号証には以下の記載がある(下線は当審で付した。以下同様。)。
「【0034】
図1は実施の形態1における表面実装型LEDの断面図である。
本実施の形態における半導体発光装置は,LEDチップ4と,LEDチップ4を搭載する第1のリードフレーム1と,金線などのボンディングワイヤ5を介してLEDチップ4と電気的に接続される第2のリードフレーム2と,LEDチップ4の周囲を囲み,リードフレームを固定する樹脂部3とを備え,第1のリードフレーム1の下部に金属体8を有する。
【0035】
第1および第2のリードフレーム1,2は,樹脂部3内にインサート成型されている。第1のリードフレーム1上には,Agペースト7を介してLEDチップ4が搭載され,第2のリードフレーム2に,ボンディングワイヤ5を取り付けることによって,第2のリードフレーム2をLEDチップ4と機械的および電気的に接続し,その周囲を囲むように樹脂部3が形成されている。樹脂部3により囲まれた内側は,LED素子部を保護するため,エポキシ樹脂6で封止されている。
【0036】
金属体8は,基板として機能する樹脂部3に保持され,その下部は,実装基板と近接あるいは接するよう,樹脂部3より露出している。また,金属体8はブロック状であり,第1および第2のリードフレーム1,2に樹脂部3を介して狭持されている。
【0037】
ここで,金属体8は,第1および第2のリードフレーム1,2とは離間していることが好ましい。
【0038】
第1および第2のリードフレーム1,2と金属体8との間に隙間を設けてあるのは,両者が接することにより,第1および第2のリードフレーム1,2に分離形成しているパターンがショートすることを防ぐためである。本実施の形態においては,LEDチップ4より出た熱は,第1のリードフレーム1,第1のリードフレーム1と金属体8間の隙間,金属体8の順で伝わり,実装基板に放熱される。LEDチップ4で発生した熱を効率よく金属体8に伝えるためには,上記隙間は可能な限り小さい方が好ましい。また,金属体8はパッケージ内で可能な限り体積を大きくとることが好ましい。
【0039】
ここで,金属体8は,Cu,アルミニウム,Cu合金およびアルミニウム合金からなる群から選ばれる少なくとも1種の材質を含むことが好ましい。これは,これらの金属の放熱性が高いため,より放熱性の向上が図られるからであるが,金属体8として放熱性の高い材料を使うという意味では,他の金属材料や,たとえばセラミックなど金属以外の材料であっても問題ない。なお,セラミックを使用する場合,熱電導性は金属材料より劣るが,セラミック材料自体が絶縁性であるので,表面に絶縁処理を施すことなく,金属体8に代わる該セラミック体を第1,第2のリードフレーム1,2と接触させることが可能である。
【0040】
なお,LEDチップ4の周囲に位置する樹脂部3はLEDチップ4からの出射光を効率よく反射させるため,反射率の高い白色の樹脂を使用し,また効率よく前面に出射するために,内周面形状がたとえば逆円錐形状となるように成型される。また,本実施の形態における半導体発光装置は,表面実装部品として後工程へ流すため,樹脂部3には耐熱性の優れた樹脂が使用される。具体的には両者を満たす,たとえば液晶ポリマー,ポリアミド系樹脂等が使用される。なお,発光面積を大きく取りたい場合は,樹脂部3の内周面形状を逆円錐以外の形状,たとえば逆四角錐形状とする場合もある。
【0041】
エポキシ樹脂6はLED素子部を保護するための樹脂であり,主にポッテイング方式で注型され,透明または乳白色の樹脂が使用されるが,トランスファー成型,インジェクション成型等でも形成は可能である。この場合は発光部を任意の形状(レンズ形状等)にすることも可能である。
【0042】
ここで,金属体8は,平面的に樹脂部3の中心付近にあるため,実装基板へのはんだ付けの際の熱を直接うけることはなく,よって,はんだ付け時の際の熱により,LEDチップの信頼性が低下することはない。
【0043】
本実施の形態においては,以上の構成および作用により,非常に簡便に,従来の半導体発光装置と比べて,放熱性の向上を図ることができる。」

ここで,図1は以下のものである

イ 甲1発明
前記アから,甲第1号証には,
「表面実装型LEDであって,
第1および第2のリードフレーム1,2は,樹脂部3内にインサート成型されており,第1のリードフレーム1上には,Agペースト7を介してLEDチップ4が搭載され,第2のリードフレーム2に,ボンディングワイヤ5を取り付けることによって,第2のリードフレーム2をLEDチップ4と機械的および電気的に接続し,その周囲を囲むように樹脂部3が形成されている。樹脂部3により囲まれた内側は,LED素子部を保護するため,エポキシ樹脂6で封止されており,
金属体8は,基板として機能する樹脂部3に保持され,その下部は,実装基板と近接あるいは接するよう,樹脂部3より露出しており,また,金属体8はブロック状であり,第1および第2のリードフレーム1,2に樹脂部3を介して狭持されており,
LEDチップ4の周囲に位置する樹脂部3はLEDチップ4からの出射光を効率よく反射させるため,反射率の高い白色の樹脂を使用し,また効率よく前面に出射するために,内周面形状がたとえば逆円錐形状となるように成型され,
エポキシ樹脂6はLED素子部を保護するための樹脂であり,主にポッテイング方式で注型され,透明または乳白色の樹脂が使用される,
表面実装型LED。」
が記載されているものと認められる(以下「甲1発明」という。)。

(2)甲1発明と訂正発明1の対比
ア 甲1発明の,「LEDチップ4」,「Agペースト7を介してLEDチップ4が搭載され」る「第1のリードフレーム1」,「ボンディングワイヤ5を取り付けることによって,第2のリードフレーム2をLEDチップ4と機械的および電気的に接続」される「第2のリードフレーム2」,「LED素子部を保護するための樹脂であ」る「エポキシ樹脂6」及び「表面実装型LED」
は,それぞれ,訂正発明1の,「発光素子」,「発光素子を載置するための第1のリード」,「発光素子と電気的に接続される第2のリード」,「第2の熱硬化性樹脂を用いて発光素子を被覆する第2の樹脂成形体」及び「表面実装型発光装置」に相当する。

イ 甲1発明の「第1および第2のリードフレーム1,2は,樹脂部3内にインサート成型されており・・・その周囲を囲むように樹脂部3が形成され」,「樹脂部3は・・・内周面形状がたとえば逆円錐形状となるように成型される」ことと,訂正発明1の,「発光素子を載置するための第1のリードと発光素子と電気的に接続される第2のリードとを第1の熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる第1の樹脂成形体」であって,「第1の樹脂成形体は,底面と側面とを持つ凹部が形成されており,第1の樹脂成形体の凹部の底面から第1のリードが露出されており,その露出部分に発光素子が載置されて」いることとは,「発光素子を載置するための第1のリードと発光素子と電気的に接続される第2のリードとを第1の樹脂を用いて一体成形してなる第1の樹脂成形体」であって,「第1の樹脂成形体は,底面と側面とを持つ凹部が形成されており,第1の樹脂成形体の凹部の底面から第1のリードが露出されており,その露出部分に発光素子が載置されて」いる点で一致する。

ウ そうすると,甲1発明と,訂正発明1とは,
「発光素子と,発光素子を載置するための第1のリードと発光素子と電気的に接続される第2のリードとを第1の樹脂を用いて一体成形してなる第1の樹脂成形体と,第2の熱硬化性樹脂を用いて発光素子を被覆する第2の樹脂成形体と,を有する表面実装型発光装置であって,
第1の樹脂成形体は,底面と側面とを持つ凹部が形成されており,第1の樹脂成形体の凹部の底面から第1のリードが露出されており,その露出部分に発光素子が載置されている,
表面実装型発光装置。」の点で一致する。

エ 一方,両者は,少なくとも以下の各点で相違する。
《相違点ア》
訂正発明1は,「第1の樹脂成形体は,凹部の底面である第1のリードと第2のリードとの間及び凹部の側面が同一の部材で形成されて」いる構成を備えるが,甲1発明においては「第1の樹脂成形体は,凹部の底面である第1のリードと第2のリードとの間」を形成することが明らかでない点。

《相違点イ》
訂正発明1は,「第1のリードの発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は,発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように,第1の樹脂成形体から露出されており,第2のリードの裏面側は,第1の樹脂成形体から露出されており,」「第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあ」る構成を備えるが,甲1発明は,少なくとも,「第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあ」る構成は備えない点。

《相違点ウ》
訂正発明1は,「凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ,その凹凸に第1の樹脂成形体が接触して」いる構成を備えるが,甲1発明はそのような構成は備えない点。

《相違点エ》
訂正発明1は,「第1の樹脂成形体は,トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択され,反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合されており, 第2の樹脂成形体は,シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用いてなり,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質からなる群から選択され,蛍光物質を必須とする少なくとも1種が混合されており, 第2の樹脂成形体の表面は凹部の上面と一致し, 第2の樹脂成形体は,第1の樹脂成形体と同様な等方性の熱膨張及び収縮挙動を有する」構成を備えるが,甲1発明はそのよう構成を備えるのか不明である点。

《相違点オ》
訂正発明1は「第2の樹脂成形体は,第1の樹脂成形体と同様な等方性の熱膨張及び収縮挙動を有する」構成を備えるが,甲1発明は当該構成を備えない点。

(3)判断
事案に鑑み,まず相違点イについて検討する。
ア 相違点イについて
(ア)甲第1号証には,さらに以下の記載がある。
「【0048】
図3は実施の形態3における表面実装型LEDの断面図である。
本実施の形態における半導体発光装置は,実施の形態1における半導体発光装置の変更例の1つであり,上記の金属体8表面に,たとえば絶縁フィルム等貼付,または絶縁塗料等塗布,または陽極酸化等による電気的絶縁処理部9が設けられ,絶縁処理が施された金属体8の表面が第1および第2のリードフレーム1,2と接触する。
【0049】
実施の形態2においては,半導体発光装置上にLEDチップ4が1つしかない場合,あるいは複数存在しても,同一のリードフレーム上にある場合には,全てのLEDチップ4から発生する熱を,実施の形態1における第1のリードフレーム1と金属体8間の隙間に相当する部分を介することなく実装基板に伝えることができる。
【0050】
しかしながら,複数のLEDチップ4が異なるリードフレーム上に存在する場合,各々のリードフレームに分離形成しているパターンがショートすることを防ぐため,それらのリードフレームのうち,1個しか金属体8に接触させることができず,結果として,放熱性の向上が制限されるパターン部が生じることとなる。
【0051】
本実施の形態は,実施の形態2と意図する目的は同じであるが,金属体8に電気的絶縁処理部9を設けることにより,全てのリードフレームのパターンが金属体8に接触していてもショートせず,全てのパターン部に高い放熱効果を持たせることができる点が異なっている。
【0052】
本実施の形態においては,複数のLEDチップ4が異なるリードフレーム上に存在する場合でも,容易に放熱性の向上が可能で,またLEDチップ4より出た熱は第1のリードフレーム1,金属体8,実装基板の順のルートとは別に,金属体8に入った熱を,さらに第2のリードフレーム2を介して,実装基板へ逃がす効果も期待できる。」

上記記載から,甲第1号証には,第1および第2のリードフレーム1,2の,金属体8側が,樹脂3から露出する形態も示されているといえる。

(イ)しかしながら,甲1発明は,「金属体8は,基板として機能する樹脂部3に保持され,その下部は,実装基板と近接あるいは接するよう,樹脂部3より露出しており,また,金属体8はブロック状であり,第1および第2のリードフレーム1,2に樹脂部3を介して狭持されて」いる構成を備えるところ,一定の厚さを有する金属体8を挟持するためには,樹脂部3の当該挟持部分についても相応の厚さが求められ,これにより,第1および第2のリードフレーム1,2の裏面と樹脂部3とが実質的に同一平面とはなり得ないことは明らかである。
それゆえ,相違点イに係る,「第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあ」る構成を備えることには阻害要因があり,当業者が容易になし得たこととはいえない。

(ウ)請求人は,甲第1号証には,金属体8を接着剤などで固定することも示されており,また,接着剤で放熱体を固定すること自体は慣用される形態であるから,甲1発明において,金属体8を挟持するためには樹脂部3を用いることが必須ではない旨を主張する。
しかしながら,甲第1号証には,「また,金属体8はブロック状であり,第1および第2のリードフレーム1,2に樹脂部3を介して狭持されている。」(段落【0036】)との記載があり,その一方,当該挟持がされない形態は示されておらず,また,甲1発明自体において,当該挟持する構成を備えることに格段の課題がある旨の記載もない。それゆえ,仮に,接着剤で放熱体を固定すること自体は慣用される形態であって,当該形態によっても放熱ができるとしても,当業者にとって,前記挟持する構成に代えて前記慣用される形態を採用する動機が生ずるとはいえない。
それゆえ,前記慣用される形態の存在にかかわらず,相違点イは,当業者が容易になし得たこととはいえない。

イ 従って,仮に相違点ア及びウについては当業者が適宜になし得たことであるとしても,相違点イについて当業者が容易になし得たとはいえない以上,訂正発明1は,甲1発明に基づいて,当業者が容易に発明することができたものとはいえない。

(4)訂正発明2ないし訂正発明19について
ア 訂正発明1を引用する,訂正発明5及び訂正発明6は訂正発明1に係る構成を全て含むものであるから,訂正発明5及び訂正発明6については,上記(3)と同じ理由によって,甲1発明に基づいて,当業者が容易に発明することができたものとはいえない。

イ また,独立形式で記載された,訂正発明2,3,7?9,12?14及び17は,いずれも,前記相違点イに係る「第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあ」る構成,またはこれと同様の「第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上」との構成を備えるから,上記(3)と同様の理由によって,甲1発明に基づいて,当業者が容易に発明することができたものとはいえない。
独立形式で記載された訂正発明2,3,7?9,12?14または17を引用する,訂正発明4,10,11,15,16,18および19についても同様である。

(5)無効理由1についてのまとめ
以上のとおりであるから,無効理由1によって,訂正発明1ないし19についての特許を無効とすることはできない。

3 無効理由2について
無効理由2は,甲第5号証を主たる引用刊行物とするものである。
(1)甲第5号証に記載された発明
ア 甲第5号証(特開2003-110145号公報)には,以下の記載がある。
(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,発光ダイオード(LED)に係り,特に表面実装LEDパッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】図1及び2に示され,台湾特許出願第089109999号及び同時係属米国特許出願第09/596,907号に開示された従来の表面実装LEDパッケージは,マザーボードに接触するように露出された底部金属のみを有する。この金属接触プレート11,12は,図2に示すように,その上面が接着剤15で覆われている。金属プレート11,12は,図1の上面図における垂直端に沿って窪み14を有する。また,図2に示すように,金属接触プレート11,12の水平底面に沿って窪み17を有する。これら窪みは,接着剤をシーリングし,該構造を引っ掛け,保持するためのものである。LED10は,第一の金属接触プレート11上にマウントされる。LED10の上部電極は,ワイヤ13によって,第二の金属接触プレート12へワイヤ・ボンディングされる。
【0003】図1のA-A’断面に沿った図2の断面に示すように,接着剤15は,このパッケージの底面における窪み17と,このパッケージの垂直側に沿った窪み14とを満たし,この構造を固める。この構造は,はんだ付け用の窪みによって占められていない金属接触プレート11,12の底面のみを露出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このはんだ付けのための限定されたエリアは接触の信頼性を低減する。
【0005】本発明の目的は,表面実装LEDパッケージのマザーボードへのはんだ付けの信頼性を向上させることである。本発明の別の目的は,表面実装LEDパッケージのマザーボードへのはんだ付けエリアを増やすことである。」

(イ)「【0007】
【発明の実施の形態】図3は,本発明の基本構成を示す。下部電極を有するLED20は,第一端子として機能する接触金属プレート21上にマウントされる。LED20の上部電極は,第二の接触金属プレート22にワイヤ・ボンディングされる。接触金属プレート21,22は,窪み27を有する。LED20及び金属成分の上面の一部は,接着剤25で覆われ,シーリングされる。ここで,金属プレート21,22の拡張部分Bは覆われないまま残される。シーリング中,接着剤は,更に,窪み27を満たし,このシーリングされた構造を固める。拡張部分Bは,シーリングされたエリアの外へ延び,図4に示すように,マザーボードへの接触させるためのはんだ付けエリア26をより大きくする。したがって,マザーボードへの接触のはんだ性が向上する。」

(ウ)「【0008】図5は,本発明の第2の実施形態を示す。この構造は,接着剤25が金属プレート21,22の底面から深さCのところでシーリングすること以外は図4と同様である。したがって,この構造は,接着剤25によってより完全にシーリングされる。シーリングされたエリアを越えた拡張部分は,依然としてマザーボードへはんだ付けされることが可能である。」

(エ)「【0013】図10は,本発明の第7の実施形態を示す。この構造は,2つの貫通穴381が金属プレート321,311の上面から底部窪み27(図示せず)へ挿入されること以外は図3と同様である。この貫通穴は,接着剤25が貫通穴381内を流れ,この構造をさらに固めることを可能にする。」(1)

(オ) 「【0015】図12は,本発明の第9の実施形態を示す。この構造は,金属プレート21,22の上面上の接着剤35がLED20を露出するためのカップ39を形成すること以外は図3と同様である。このカップ面は,LED20から発せられた光を集光するのに役立つ。」

(カ) 「【図面の簡単な説明】
・・・(中略)・・・
【図12】LEDからの光を集光するカップ状金属を示す図である。」

(キ)図12は以下のものである。

イ 甲5発明
(ア)甲第5号証の図1?3,5,10,12及び前記ア(ア)?(エ)の記載から,前記(1)オに記載された,図12に係るLED20を備える表面実装LEDパッケージにおいても,金属プレート21,22は,上面から見ての垂直端に沿ってプレート窪み24を有し,また,接着剤は,窪み24と窪み27を満たし,このシーリングされた構造を固めるものであり,また,拡張部分Bは,シーリングされたエリアの外へ延びるものであることがわかる。さらに,図12からは,金属プレート21,22の露出部分の底部と,接着剤35は同一平面上あることが見て取れる。

(イ)前記ア(オ),(カ)の記載から,図12に示されたものは,LED20を露出するためのカップ39のカップ面は,開口方向に向かって広がり,LED20から発せられた光を集光する,カップ状金属を備えることがわかる。

(ウ)以上から,甲第5号証には,図12に示された第9の実施形態について,以下の発明(以下「甲5発明」という。)が示されているものと認められる。
「LED20を備える表面実装LEDパッケージであって,
金属プレート21,22と,金属プレート21,22の上面を覆う接着剤35を有し,
LED20は,第一の金属接触プレート21上にマウントされ,LED20の上部電極は,ワイヤによって,第二の金属接触プレート22へワイヤ・ボンディングされており,
金属プレート21は,LED20がマウントされた部分の反対側において露出された底部金属を有し,
金属プレート22は,前記ワイヤ・ボンディングされた部分の反対側において露出された底部金属を有し,
前記各露出された底部金属と,接着剤35は同一平面上にあり,
金属プレート21,22は,上面から見ての垂直端に沿って窪み24を有し,また,金属接触プレート21,22の水平底面に沿って窪み27を有し,これら窪み24,27は,接着剤35をシーリングし,該構造を引っ掛け,保持するためのものであり,
金属プレート21,22の拡張部分は,接着剤35によって覆われないまま残され,当該部分は,接着剤35によって覆われたエリアの外へ延びており,
金属プレート21,22の上面上の接着剤35がLED20を露出するためのカップ39を形成し,このカップ面は,LED20から発せられた光を集光するカップ状金属を備えるものである,
LED20を備える表面実装LEDパッケージ。」

(2)訂正発明1と甲5発明との対比
ア 甲5発明の「LED20を備える表面実装LEDパッケージであって,
金属プレート21,22と,金属プレート21,22の上面を覆う接着剤35を有し」,「LED20は,第一の金属接触プレート21上にマウントされ,LED20の上部電極は,ワイヤによって,第二の金属接触プレート22へワイヤ・ボンディングされている」構成と,訂正発明1の「発光素子と,発光素子を載置するための第1のリードと発光素子と電気的に接続される第2のリードとを第1の熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる第1の樹脂成形体と,第2の熱硬化性樹脂を用いて発光素子を被覆する第2の樹脂成形体と,を有する表面実装型発光装置」とは,「発光素子と,発光素子を載置するための第1のリードと発光素子と電気的に接続される第2のリードとを第1の樹脂を用いて一体成形してなる第1の樹脂成形体を有する表面実装型発光装置」の点で一致する。

イ 甲5発明の「金属プレート21,22の上面上の接着剤35がLED20を露出するためのカップ39を形成」することと,「LED20は,第一の金属接触プレート21上にマウントされ」ることは,訂正発明1の「第1の樹脂成形体は,底面と側面とを持つ凹部が形成されており,第1の樹脂成形体の凹部の底面から第1のリードが露出されており,その露出部分に発光素子が載置されて」いることに相当する。

ウ 甲5発明の「金属プレート21は,LED20がマウントされた部分の反対側において露出された底部金属を有」することと,訂正発明1の「第1のリードの発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は,発光素子からの熱を最短距離で放熱できるように,第1の樹脂成形体から露出されて」いることとは,「第1のリードの発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は,第1の樹脂成形体から露出されて」いる点で一致する。

エ 甲5発明の「金属プレート22は,前記ワイヤ・ボンディングされた部分の反対側において露出された底部金属を有」することは,訂正発明1の「第2のリードの裏面側は,第1の樹脂成形体から露出されて」いることに相当する。

オ 甲5発明の「前記各露出された底部金属と,接着剤35は同一平面上にあ」ることは,訂正発明1の「第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあ」ることに相当する。

カ 甲5発明の「金属プレート21,22は,上面から見ての垂直端に沿って窪み24を有し,」「窪み24」「は,接着剤35をシーリングし,該構造を引っ掛け,保持するためのものであ」ることは,訂正発明1の「凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ,その凹凸に第1の樹脂成形体が接触して」いることに相当する。

キ 以上から両者の一致点・相違点は以下のとおりとなる。
(ア)一致点
「発光素子と,発光素子を載置するための第1のリードと発光素子と電気的に接続される第2のリードとを第1の樹脂を用いて一体成形してなる第1の樹脂成形体を有する表面実装型発光装置であって,
第1の樹脂成形体は,底面と側面とを持つ凹部が形成されており,第1の樹脂成形体の凹部の底面から第1のリードが露出されており,その露出部分に発光素子が載置されており,
第1のリードの発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は,第1の樹脂成形体から露出されており,
第2のリードの裏面側は,第1の樹脂成形体から露出されており,
第1のリードの裏面側の露出部分と,第2のリードの裏面側の露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあり,
凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ,その凹凸に第1の樹脂成形体が接触している,
ことを特徴とする表面実装型発光装置。」

(イ)相違点
《相違点A1》
訂正発明1は,「第1の樹脂成形体」が「第1の熱硬化性樹脂を用いて」おり,「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてな」るのに対して,甲5発明は「第1の樹脂成形体」が「第1の樹脂を用いて」いることに対応する構成は備えるものの,当該「第1の樹脂」が「熱硬化性樹脂」であり,「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてな」ることまでは特定されていない点。
《相違点A2》
訂正発明1は,「第2の熱硬化性樹脂を用いて発光素子を被覆する第2の樹脂成形体」であって,「第2の樹脂成形体は,シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用いてなり,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質からなる群から選択され,蛍光物質を必須とする少なくとも1種が混合されて」いるものを備えるが,甲5発明はそのようなものを備えない点。
《相違点A3》
訂正発明1は,「第1のリードの発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は,発光素子からの熱を最短距離で放熱できるように,第1の樹脂成形体から露出されて」いる構成を備えるが,甲5発明は,「第1のリードの発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は,第1の樹脂成形体から露出されて」いる構成を備えるものの,「発光素子からの熱を最短距離で放熱できるように」されたものであることは不明である点。
《相違点A4》
訂正発明1は,「第1の樹脂成形体は,凹部の底面である第1のリードと第2のリードとの間及び凹部の側面が同一の部材で形成されて」いる構成を備えるが,甲5発明は,そのような構成を備えることが明らかでない点。
《相違点A5》
訂正発明1は,「第1の樹脂成形体は,」「フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択され,反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合されて」いる構成を備えるが,甲5発明はそのような構成を備えない点。
《相違点A6》
訂正発明1は,「第2の樹脂成形体は,第1の樹脂成形体と同様な等方性の熱膨張及び収縮挙動を有する」が,甲5発明はそのような構成を備えない点。
《相違点A7》
訂正発明1は,「発光素子は,発光波長が450nm以上475nm以下であ」るが,甲5発明は,発光素子の発光波長を特定していない点。
《相違点A8》
訂正発明1においては,「第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第2のリードの裏面側の全露出部分が連続して」いるが,甲5発明はそのような構成を備えない点。
《相違点A9》
訂正発明1においては,「第2の樹脂成形体の表面は凹部の上面と一致」するが,甲5発明はそのような構成を備えない点。

(3)訂正発明1についての判断
ア 以下,訂正発明1の各相違点につき,まず,《相違点A8》について検討する。
前記(1)ア(ア)に摘記したとおり,甲第5号証には,「段落【0002】 ・・・(中略)・・・金属プレート11,12は,図1の上面図における垂直端に沿って窪み14を有する。また,図2に示すように,金属接触プレート11,12の水平底面に沿って窪み17を有する。これら窪みは,接着剤をシーリングし,該構造を引っ掛け,保持するためのものであ」り,「【0003】図1のA-A’断面に沿った図2の断面に示すように,接着剤15は,このパッケージの底面における窪み17と,このパッケージの垂直側に沿った窪み14とを満たし,この構造を固める。この構造は,はんだ付け用の窪みによって占められていない金属接触プレート11,12の底面のみを露出する」ものであることが記載されている。
そして,上記各記載に続けて,「【0004】【発明が解決しようとする課題】」として,「このはんだ付けのための限定されたエリアは接触の信頼性を低減する。」こと,及び「【0005】本発明の目的は,表面実装LEDパッケージのマザーボードへのはんだ付けの信頼性を向上させることである」と記載されている。ここで,「はんだ付けのための限定されたエリア」とは,「はんだ付け用の窪みによって占められていない金属接触プレート11,12の底面のみ」を指し,窪み17の存在によって,はんだ付けのためのエリアが限定されてしまうことが課題の発端となっていることは明らかである。
そうすると,甲第5号証に記載された発明は,「接着剤をシーリングし,該構造を引っ掛け,保持するためのものである」窪み17の存在を前提とするものであって,これは,甲第5号証の図12に係る甲5発明についても同様であり,甲5発明についても,窪み27を設けることが前提となっていることは明らかである。
したがって,甲5発明において「接着剤をシーリングし,該構造を引っ掛け,保持するための」窪み27を排除することには阻害要因があるところ,当該窪み27を排除しない限り,相違点A8に係る「第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第2のリードの裏面側の全露出部分が連続して」いる構成とはなり得ないから,当該相違点に係る構成を備えることは,当業者が容易になし得たこととはいえない。

イ 従って,仮に《相違点A1》ないし《相違点A7》及び《相違点A9》については当業者が適宜になし得たことであるとしても,《相違点A8》について当業者が容易になし得たとはいえない以上,訂正発明1は,甲5発明に基づいて,当業者が容易に発明することができたものとはいえない。

(4)訂正発明2ないし訂正発明19について
ア 訂正発明1を引用する,訂正発明5及び訂正発明6は訂正発明1に係る構成を全て含むものであるから,訂正発明5及び訂正発明6については,上記(3)と同じ理由によって,甲5発明に基づいて,当業者が容易に発明することができたものとはいえない。

イ また,独立形式で記載された,訂正発明2,3,7?9,12?14及び17は,いずれも,前記《相違点A8》と同じ「第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており」との構成を備えるから,上記(3)と同じ理由によって,甲5発明に基づいて,当業者が容易に発明することができたものとはいえない。
独立形式で記載された訂正発明2,3,7?9,12?14または17を引用する,訂正発明4,10,11,15,16,18および19についても,訂正発明2,3,7?9,12?14または17に係る構成を包含するから,同様に,甲5発明に基づいて,当業者が容易に発明することができたものとはいえない。

(5)無効理由2についてのまとめ
以上のとおりであるから,無効理由2によっては,訂正発明1ないし19についての特許を無効とすることはできない。

4 無効理由3について
無効理由3は,甲第13号証を主たる引用刊行物とするものである。
(1)甲第13号証に記載された発明
ア 甲第13号証(特開2004-274027号公報)には,以下の記載がある。
(ア)「【請求項1】
第1の領域と,前記第1の領域の周縁に沿って延在する第2の領域とが規定された主表面を有するリードフレームと,
前記第1の領域に設けられた半導体発光素子と,
前記半導体発光素子から発せられた光に対して第1の反射率を有し,前記半導体発光素子を完全に覆うように前記第1の領域に設けられた第1の樹脂部材と,
前記半導体発光素子から発せられた光に対して前記第1の反射率よりも大きい第2の反射率を有し,前記半導体発光素子を囲むように前記第2の領域に設けられた第2の樹脂部材とを備え,
前記第1の樹脂部材は,第1の頂面を含み,
前記第2の樹脂部材は,前記主表面からの距離が前記主表面から前記第1の頂面までの距離よりも大きい位置に設けられた第2の頂面と,前記半導体発光素子が位置する側において前記主表面から離隔する方向に延在し,前記第2の頂面に連なる内壁とを含む,半導体発光装置。
・・・(中略)・・・
【請求項7】
前記リードフレームは,スリット状の溝によって離間した部分を含み,前記部分は他の部分の厚みよりも小さい厚みで形成されている,請求項1から6のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
【請求項8】
前記リードフレームは,同一平面上に延在する板形状に形成されている,請求項1から7のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
【請求項9】
前記リードフレームは,前記主表面と反対側の面に形成され,かつ樹脂が充填される第1の凹部を含み,前記反対側の面には,前記第1の凹部の両側に位置して実装基板に電気的に接続される端子部が設けられている,請求項8に記載の半導体発光装置。
・・・(中略)・・・
【請求項12】
前記第2の樹脂部材は,前記主表面に平行な面上において前記内壁によって規定される形状の面積が,前記主表面から離れるに従って大きくなるように形成されている,請求項1から11のいずれか1項に記載の半導体発光装置。」

(イ)「【発明が解決しようとする課題】
【0008】
半導体発光装置の高輝度化を図るにあたって,図16中の半導体発光装置では以下に説明する問題が生じた。
・・・(中略)・・・
【0021】
そこでこの発明の目的は,上記の課題を解決することであり,放熱性に優れるとともに,光の指向性を適切に制御することができる半導体発光装置,その製造方法および電子撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
この発明に従った半導体発光装置は,第1の領域と,第1の領域の周縁に沿って延在する第2の領域とが規定された主表面を有するリードフレームと,第1の領域に設けられた半導体発光素子と,半導体発光素子を完全に覆うように第1の領域に設けられた第1の樹脂部材と,半導体発光素子を囲むように第2の領域に設けられた第2の樹脂部材とを備え
る。第1の樹脂部材は,半導体発光素子から発せられた光に対して第1の反射率を有する。第2の樹脂部材は,半導体発光素子から発せられた光に対して第1の反射率よりも大きい第2の反射率を有する。第1の樹脂部材は,第1の頂面を含む。第2の樹脂部材は,主表面からの距離が主表面から第1の頂面までの距離よりも大きい位置に設けられた第2の頂面と,半導体発光素子が位置する側において主表面から離隔する方向に延在し,第2の頂面に連なる内壁とを含む。
【0023】
このように構成された半導体発光装置によれば,半導体発光素子から発せられた光は,相対的に小さい反射率を有する第1の樹脂部材を透過し,第1の樹脂部材の第1の頂面から外部へと出射する。本発明では,第2の樹脂部材は,第1の頂面よりも高い位置に設けられた第2の頂面を有するため,第1の頂面上においても第2の樹脂部材の内壁が存在する。このため,第1の頂面から出射した光を相対的に大きい反射率を有する第2の樹脂部材の内壁によって反射させることができる。これにより,光の指向性を適切に制御することができ,さらには半導体発光装置から高輝度な光を取り出すことができる。また,第2の頂面よりも低い位置に第1の頂面を設けているため,半導体発光素子から発せられた光が第1の樹脂部材を透過する際に減衰することを抑制できる。このため,半導体発光装置からさらに高輝度な光を取り出すことができる。
・・・(中略)・・・
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
この発明の実施の形態について,図面を参照して説明する。
【0044】
(実施の形態1)
図1は,この発明の実施の形態1における半導体発光装置を示す断面図である。図1を参照して,半導体発光装置は,所定のパターン形状に形成され,主表面1aを有するリードフレーム1と,主表面1a上に設けられたLEDチップ4と,LEDチップ4を覆うように主表面1a上に設けられたエポキシ樹脂6と,エポキシ樹脂6の周囲に設けられた樹脂部3とを備える。
【0045】
リードフレーム1は,同一平面上において延在する板形状を有する。リードフレーム1には,所定のパターンニング加工を行なうことによって,主表面1aから主表面1aと反対側の面1bにまで達するスリット状の溝1mが形成されている。
【0046】
リードフレーム1の反対側の面1bには,スリット状の溝1mに連なる溝15が形成されている。これにより,リードフレーム1においてスリット状の溝1mが形成された部分1tは,他の部分の厚みよりも小さい厚みで形成されている。
【0047】
図2は,図1中の半導体発光装置を示す平面図である。図2では,リードフレーム1に形成されている一部の構造物が省略されている。図1および図2を参照して,主表面1aには,2点鎖線で描かれた円13の内部に位置する領域10と,円13の外部に位置し,領域10の周縁に沿って延在する領域20とが規定されている。円13の中心を通るように溝1mが形成されており,スリット状の溝1mによってリードフレーム1が離間している。
【0048】
LEDチップ4は,主表面1aの領域10に位置して設けられている。LEDチップ4は,銀(Ag)ペースト7を介して設けられている。LEDチップ4の頂面に設けられた図示しない電極と,領域10に位置し,LEDチップ4が設けられた主表面1aとはスリット状の溝1mによって離間している主表面1aとが,金線5によって接続されている。つまり,LEDチップ4は,銀ペースト7および金線5によって主表面1aに機械的および電気的に接続されている。
【0049】
LEDチップ4の電極に接続された金線5の一方端5pは,ボール状に形成されており,主表面1aに接続された金線5の他方端5qは,線状に形成されている。つまり,金線5を所定の位置に接続する際のワイヤボンディングは,まず金線5の一方端5pをLEDチップ4の電極にボールボンディングし,続いて金線5の他方端5qを主表面1aにウェッジボンディングすることによって行なわれている。
【0050】
LEDチップ4から光が発せられると熱が発生する。この熱はリードフレーム1に伝わり,リードフレーム1から外部に放熱される。本実施の形態では,リードフレーム1の部分1tを小さい厚みで形成することによって,スリット状の溝1mを,溝幅を小さくして加工することができる。このため,リードフレーム1の他の部分の厚みを大きくすることによって,リードフレーム1による放熱を効率良く行なうことができる。
【0051】
また,リードフレーム1から効率良く放熱を行うため,リードフレーム1は,熱伝導率が300(W/m・K)以上400(W/m・K)以下の金属によって形成されている。リードフレーム1を形成する金属の熱伝導率が300(W/m・K)よりも小さい場合,リードフレーム1による放熱の効果を十分に図ることができない。また,リードフレーム1を形成する金属の熱伝導率が400(W/m・K)よりも大きい場合,リードフレーム1を実装する際に発生する熱がLEDチップ4に伝わることによって,LEDチップ4の信頼性が低下するおそれが生じる。
【0052】
具体的には,主成分である銅(Cu)に対して,鉄(Fe),亜鉛(Ze),ニッケル(Ni),クロム(Cr),シリコン(Si),スズ(Sn),鉛(Pb)または銀(Ag)などの金属を適宜混ぜた合金によってリードフレーム1が形成されている。この場合,銅に加える金属の量を小さくするほど,リードフレーム1を形成する合金の熱伝導率を高くすることができる。
【0053】
また,本実施の形態では,リードフレーム1が折り曲げのない構造で形成されているため,リードフレーム1を形成する材料を選択する際に,その材料の折り曲げ加工性を考慮する必要がない。このため,幅広い種類の材料からリードフレーム1を形成するための材料を選択することができる。また,リードフレーム1は折り曲げのない構造で形成されているため,折り曲げ時に発生する割れおよびクラックなどを懸念する必要がない。
【0054】
リードフレーム1が,樹脂にインサート成型されることによって,主表面1a上には,領域20に位置する樹脂部3が設けられている。また,樹脂がリードフレーム1の反対側の面1bにまで回り込んで樹脂部8を形成している。樹脂部8は,スリット状の溝1mおよび溝15を充填するように設けられている。樹脂部3および8は,所定のパターン形状に形成されたリードフレーム1の形状を保持する役割を果たしている。特に,本実施の形態では,樹脂部8がリードフレーム1の反対側の面1bを広く覆っているため,リードフレーム1と樹脂部8との接着強度を増大させることができる。これにより,半導体発光装置の信頼性を向上させることができる。樹脂部8の両側に位置するリードフレーム1の反対側の面1bには,半導体発光装置を実装基板に接続するための端子部9が設けられている。
【0055】
樹脂部8の両側に位置する端子部9は,絶縁体である樹脂部8によって隔てられている。このため,端子部9を実装基板にはんだ付けする場合に,たとえば,アノード・カソード間,または複数のLEDチップ間などにおいて短絡が発生することを防止できる。
【0056】
樹脂部3は,主表面1aにほぼ平行な平面上に延在する頂面3aと,LEDチップ4が設けられた主表面1aの領域10を囲み,主表面1aから離隔する方向に延在する内壁3bとを有する。内壁3bは,主表面1aと頂面3aとに連なっている。樹脂部3の内壁3bは,LEDチップ4から発せられた光を反射するための反射面として機能する。
【0057】
樹脂部3および8は,LEDチップ4から発せられた光を樹脂部3で効率良く反射するために,反射率が高い白色の樹脂から形成されている。また,製造時におけるリフロー工程を考慮して,樹脂部3および8は,耐熱性に優れた樹脂から形成されている。具体的には,上述の両方の条件を満たす液晶ポリマーまたはポリアミド系樹脂などが使用されている。なお,これ以外の樹脂およびセラミックなどについても,樹脂部3および8を形成する材料として使用することができる。また,LEDチップ4から発せられた光をさらに効率良く反射させるために,内壁3bの表面にめっきを施しても良い。
【0058】
樹脂部3の内壁3bと主表面1aとによって形成された凹部には,LEDチップ4および金線5が位置している。その凹部には,LEDチップ4および金線5を覆うようにエポキシ樹脂6が設けられている。エポキシ樹脂6は,外部からの物理的または電気的な接触に対して,LEDチップ4および金線5を保護する役割を果たしている。エポキシ樹脂6は,内壁3bから中心部にかけてやや凹んだ形状の頂面6aを有する。エポキシ樹脂6は,主表面1aから頂面6aまでの距離が,主表面1aから樹脂部3の頂面3aまでの距離よりも小さくなるように形成されている。このため,エポキシ樹脂6の頂面6a上においても頂面3aに向かう方向に内壁3bが延在している。
【0059】
エポキシ樹脂6は,LEDチップ4から発せられる光に対して,樹脂部3が有する反射率よりも小さい反射率を有する材料で形成されている。具体的には,ポッティング方式で注型された透明または乳白色の樹脂が使用されている。なお,ポッティング方式以外にも,トランスファー成型またはインジェクション成型などによっても,エポキシ樹脂6を設けることが可能である。この場合は,エポキシ樹脂6を任意の形状(たとえばレンズ形状)に形成することができる。
【0060】
図3は,図1中のIII-III線上に沿った断面図である。図1および図3を参照して,主表面1aに平行な平面上において内壁3bによって規定される形状25が円形となっている。樹脂部3は,その内壁3bによって規定される形状25の面積が,主表面1aから離れるに従って大きくなるように形成されている。つまり,内壁3bは,頂点が下方に位置する円錐を想定した場合に,その円錐の底面から頂点に向かって延在する円錐の側壁の形状を有する。
【0061】
図4は,樹脂部の内壁によって光が反射される様子を模式的に表わした断面図である。図4を参照して,主表面1a上に光源22が設けられている場合を想定すると,光源22から発せられた光は放射状に進行する。半導体発光装置では,この光源22から発せられる光の指向性を適切に制御し,さらには,所定の方向に高輝度な光を取り出すことが重要となる。樹脂部3は,内壁3bによって規定される形状の面積が主表面1aから離れるに従って大きくなるように形成されているため,光源から主表面1aに近い方向に進行する光を内壁3bによって所定の方向に反射させることができる。これにより,光源から発せられた光を,半導体発光装置の前面,つまり矢印23に示す方向に取り出すことができる。また,主表面1aに平行な平面上において内壁3bによって規定される形状が円形となっているため,内壁3bの傾きを調整することによって光の指向性を容易に制御することができる。
【0062】
本実施の形態では,図1を参照して,LEDチップ4から発せられた光は,内壁3bによって所定の方向に反射され,エポキシ樹脂6を透過して頂面6aから外部へと出射する。この際,頂面6aにおいて屈折が生じることによって光の進行する方向が変化する。しかし,頂面6a上においても反射面として機能する内壁3bが存在するため,光を再び内壁3bに反射させて半導体発光装置の前面へと出射させることができる。
【0063】
図5および図6は,内壁によって規定される形状の変形例を示す断面図である。図5および図6は,図3に示す断面に相当する断面図である。
【0064】
図5を参照して,主表面1aに平行な平面上において内壁3bによって規定される形状26が楕円となるように樹脂部3を形成してもよい。図6を参照して,主表面1aに平行な平面上において内壁3bによって規定される形状27が長方形となるように樹脂部3を形成してもよい。これらの場合,半導体発光装置から発せられる光の発光面積を大きくとることができる。このように半導体発光装置が搭載される電子機器などの使用目的にあわせて,樹脂部3を設ける形態を適宜変更すれば良い。
【0065】
この発明の実施の形態1に従った半導体発光装置は,第1の領域としての領域10と,領域10の周縁に沿って延在する第2の領域としての領域20とが規定された主表面1aを有するリードフレーム1と,領域10に設けられた半導体発光素子としてのLEDチップ4と,LEDチップ4を完全に覆うように領域10に設けられた第1の樹脂部材としてのエポキシ樹脂6と,LEDチップ4を囲むように領域20に設けられた第2の樹脂部材としての樹脂部3とを備える。
【0066】
エポキシ樹脂6は,LEDチップ4から発せられた光に対して第1の反射率を有する。樹脂部3は,LEDチップ4から発せられた光に対して第1の反射率よりも大きい第2の反射率を有する。エポキシ樹脂6は,第1の頂面としての頂面6aを含む。樹脂部3は,主表面1aからの距離が主表面1aから頂面6aまでの距離よりも大きい位置に設けられた第2の頂面としての頂面3aと,LEDチップ4が位置する側において主表面1aから離隔する方向に延在し,頂面3aに連なる内壁3bとを含む。
【0067】
半導体発光装置は,LEDチップ4に接続される一方端5pと,主表面1aに接続される他方端5qとを有する金属線としての金線5をさらに備える。エポキシ樹脂6は,金線5を完全に覆うように設けられている。
【0068】
リードフレーム1は,スリット状の溝1mによって離間した部分1tを含む。部分1tは他の部分の厚みよりも小さい厚みで形成されている。
【0069】
リードフレーム1は,同一平面上に延在する板形状に形成されている。リードフレーム1は,主表面1aと反対側の面1bに形成され,かつ樹脂としての樹脂部8が充填される第1の凹部としての溝15を含む。反対側の面1bには,溝15の両側に位置して実装基板に電気的に接続される端子部9が設けられている。
【0070】
樹脂部3は,主表面1aに平行な面上において内壁3bによって規定される形状の面積が,主表面1aから離れるに従って大きくなるように形成されている。主表面1aに平行な面上において内壁3bによって規定される形状は,円形,楕円形および多角形のいずれかである。
【0071】
このように構成された半導体発光装置によれば,頂面6a上においてもLEDチップ4から発せられる光を反射させるための内壁3bが延在している。また,相対的に低い位置にエポキシ樹脂6の頂面6aが設けられているため,光がエポキシ樹脂6を透過する際に減衰することを抑制できる。さらに,板状に形成されることによってリードフレーム1の高さが低く抑えられているため,樹脂部3の高さを高くすることができる。これにより,LEDチップ4から発せられる光を反射させるための内壁3bをより高い位置まで延在させることができる。以上の理由から,LEDチップ4から発せられる光の指向性を適切に制御して,半導体発光装置から高輝度な光を取り出すことができる。」

(ウ)図1は以下のものである

イ 甲13発明及び甲13-2発明
(ア)上記ア(ア)によれば,甲第13号証には,
「第1の領域と,前記第1の領域の周縁に沿って延在する第2の領域とが規定された主表面を有するリードフレームと,
前記第1の領域に設けられた半導体発光素子と,
前記半導体発光素子から発せられた光に対して第1の反射率を有し,前記半導体発光素子を完全に覆うように前記第1の領域に設けられた第1の樹脂部材と,
前記半導体発光素子から発せられた光に対して前記第1の反射率よりも大きい第2の反射率を有し,前記半導体発光素子を囲むように前記第2の領域に設けられた第2の樹脂部材とを備え,
前記第1の樹脂部材は,第1の頂面を含み,
前記第2の樹脂部材は,前記主表面からの距離が前記主表面から前記第1の頂面までの距離よりも大きい位置に設けられた第2の頂面と,前記半導体発光素子が位置する側において前記主表面から離隔する方向に延在し,前記第2の頂面に連なる内壁とを含み,
前記第2の樹脂部材は,前記主表面に平行な面上において前記内壁によって規定される形状の面積が,前記主表面から離れるに従って大きくなるように形成されている,半導体発光装置であって,
前記リードフレームは,同一平面上に延在する板形状に形成され,スリット状の溝によって離間した部分を含み,前記部分は他の部分の厚みよりも小さい厚みで形成されており,
前記リードフレームは,前記主表面と反対側の面に形成され,かつ樹脂が充填される第1の凹部を含み,前記反対側の面には,前記第1の凹部の両側に位置して実装基板に電気的に接続される端子部が設けられている,半導体発光装置。」
が記載されているものと認められる。

(イ)上記ア(イ)によれば,第1の樹脂部材は,エポキシ樹脂であること,第2の樹脂部材は,反射率が高い白色の樹脂から形成され,また,リードフレームが樹脂にインサート成型されることによって設けられ,樹脂がリードフレームの反対側の面に回り込んで第1の凹部に充填されるものであることが認められる。

(ウ)上記ア(イ)を踏まえて,甲第13号証の図1を見ると,樹脂部3,すなわち第2の樹脂部材の内壁3bと主表面1aとによって形成された凹部には,リードフレーム1の主表面1aが露出しており,露出した主表面1aにLEDチップ4,すなわち半導体発光素子が銀(Ag)ペースト7を介して設けられ,LEDチップ4の頂面に設けられた電極と,LEDチップ4が設けられた主表面1aとはスリット状の溝1mによって離間している主表面1aとが金線5によって接続されていること,スリット状の溝1mを挟んで溝15が形成されており,第2の樹脂部材に埋め込まれたリードフレームの端部は第2の樹脂部材から突出するとともに,主表面と反対側の面は,樹脂が充填される溝15,すなわち凹部を除いて露出しており,また,当該露出された部分と当該樹脂が充填された部分は同一面上にあることが理解できる。

(エ)甲13発明
以上によれば,甲第13号証には,次の発明が記載されているものと認められる(以下「甲13発明」という。)。
「第1の領域と,前記第1の領域の周縁に沿って延在する第2の領域とが規定された主表面を有するリードフレームと,
前記第1の領域に設けられた半導体発光素子と,
前記半導体発光素子から発せられた光に対して第1の反射率を有し,前記半導体発光素子を完全に覆うように前記第1の領域に設けられた第1の樹脂部材と,
前記半導体発光素子から発せられた光に対して前記第1の反射率よりも大きい第2の反射率を有し,前記半導体発光素子を囲むように前記第2の領域に設けられた第2の樹脂部材とを備え,
前記第1の樹脂部材は,第1の頂面を含み,
前記第2の樹脂部材は,前記主表面からの距離が前記主表面から前記第1の頂面までの距離よりも大きい位置に設けられた第2の頂面と,前記半導体発光素子が位置する側において前記主表面から離隔する方向に延在し,前記第2の頂面に連なる内壁とを含み,
前記主表面に平行な面上において前記内壁によって規定される形状の面積が,前記主表面から離れるに従って大きくなるように形成されている,半導体発光装置であって,
前記リードフレームは,同一平面上に延在する板形状に形成され,スリット状の溝によって離間した部分を含み,前記部分は他の部分の厚みよりも小さい厚みで形成されており,
前記第2の樹脂部材の内壁と前記主表面とによって形成された凹部には,露出した前記リードフレームの主表面に前記半導体発光素子が銀ペーストを介して設けられ,前記半導体発光素子の頂面に設けられた電極と,前記半導体発光素子が設けられた前記主表面とは前記スリット状の溝によって離間している前記主表面とが金線によって接続され,
また,前記リードフレームは,前記主表面と反対側の面に前記スリット状の溝を挟んで形成され,かつ前記スリット状の溝とともに樹脂が充填される第1の凹部を含み,前記反対側の面には,前記第1の凹部の両側に位置して実装基板に電気的に接続される端子部が設けられており,
前記第1の樹脂部材は,エポキシ樹脂であり,
前記第2の樹脂部材は,反射率が高い白色の樹脂から形成され,また,前記第2の樹脂部材は,前記リードフレームが樹脂にインサート成型されることによって設けられ,樹脂が前記リードフレームの反対側の面に回り込んで前記スリット状の溝及び第1の凹部に充填され,
前記第2の樹脂部材に埋め込まれた前記リードフレームの端部は第2の樹脂部材から突出するとともに,前記リードフレームの前記主表面と反対側の面は,樹脂が充填される凹部を除いて露出しており,当該露出している部分と当該樹脂が充填される部分は同一面上にある,
半導体発光装置。」

(オ)甲13-2発明
また,甲13発明における「『リードフレームが樹脂にインサート成型されることによって設けられ』,『反射率が高い白色の樹脂から形成され』た『第2の樹脂部材』」は,半導体発光装置に用いられるものであって,前記リードフレームは,同一平面上に延在する板形状に形成され,スリット状の溝によって離間した部分を含み,その内壁とリードフレームの主表面とによって形成された凹部に露出した前記リードフレームの主表面に半導体発光素子が銀ペーストを介して設けられ,前記半導体発光素子の頂面に設けられた電極と,前記半導体発光素子が設けられた前記主表面とは前記スリット状の溝によって離間している前記主表面とが金線によって接続され,また,前記リードフレームは,前記主表面と反対側の面に前記スリット状の溝を挟んで形成され,かつ樹脂が充填される第1の凹部を含み,前記反対側の面には,前記第1の凹部の両側に位置して実装基板に電気的に接続される端子部が設けられており,前記第2の樹脂部材は,樹脂が前記リードフレームの反対側の面に回り込んで第1の凹部に充填され,前記第2の樹脂部材に埋め込まれた前記リードフレームの端部は第2の樹脂部材から突出するとともに,前記主表面と反対側の面は,樹脂が充填される凹部を除いて露出しているものであることが認められる。
したがって,甲第13号証には,次の発明が記載されているものと認められる(以下「甲13-2発明」という。)。
「リードフレームが樹脂にインサート成型されることによって設けられ,反射率が高い白色の樹脂から形成された,半導体発光装置に用いられる樹脂部材であって,
前記リードフレームは,同一平面上に延在する板形状に形成され,スリット状の溝によって離間した部分を含み,その内壁とリードフレームの主表面とによって形成された凹部に露出した前記リードフレームの主表面に半導体発光素子が銀ペーストを介して設けられ,前記半導体発光素子の頂面に設けられた電極と,前記半導体発光素子が設けられた前記主表面とは前記スリット状の溝によって離間している前記主表面とが金線によって接続され,
前記主表面に平行な面上において前記内壁によって規定される形状の面積が,前記主表面から離れるに従って大きくなるように形成されており,
また,前記リードフレームは,前記主表面と反対側の面に前記スリット状の溝を挟んで形成され,かつ樹脂が充填される第1の凹部を含み,前記反対側の面には,前記第1の凹部の両側に位置して実装基板に電気的に接続される端子部が設けられており,
前記樹脂部材は,樹脂が前記リードフレームの反対側の面に回り込んで第1の凹部に充填され,前記樹脂部材に埋め込まれた前記リードフレームの端部は前記樹脂部材から突出するとともに,前記リードフレームの前記主表面と反対側の面は,樹脂が充填される凹部を除いて露出している樹脂部材。」


(2)甲13発明と訂正発明1の対比
ア 甲13発明の「半導体発光素子」,「『主表面』に『半導体発光素子が銀ペーストを介して設けられ』る『リードフレーム』」及び「前記『半導体発光素子』が設けられる『リードフレーム』とは『スリット状の溝によって離間』しており,『半導体発光素子の頂面に設けられた電極』と『金線によって接続され』ている『リードフレーム』」は,それぞれ,訂正発明1の「発光素子」,「発光素子を載置するための第1のリード」及び「発光素子と電気的に接続される第2のリード」に相当する。

イ 甲13発明の「第2の樹脂部材」は,「リードフレームが樹脂にインサート成型されることによって設けられ」るものであるから,訂正発明1の「発光素子を載置するための第1のリードと発光素子と電気的に接続される第2のリードとを第1の熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる第1の樹脂成形体」とは,「発光素子を載置するための第1のリードと発光素子と電気的に接続される第2のリードとを第1の樹脂を用いて一体成形してなる第1の樹脂成形体」である点で一致する。

ウ 甲13発明の「半導体発光素子を完全に覆うように前記第1の領域に設けられた第1の樹脂部材」は,「第1の樹脂部材は,エポキシ樹脂であ」るから,訂正発明1の「第2の熱硬化性樹脂を用いて発光素子を被覆する第2の樹脂成形体」に相当する。

エ 甲13発明は,リードフレームの主表面と反対側の面に設けられた端子部が実装基板に電気的に接続されるものであるから,訂正発明1と同じく「表面実装型発光装置」といえる。

オ 甲13発明は,「前記第2の樹脂部材の内壁と前記主表面とによって形成された凹部には,露出した前記リードフレームの主表面に前記半導体発光素子が銀ペーストを介して設けられ」るものであるから,訂正発明1の「第1の樹脂成形体は,底面と側面とを持つ凹部が形成されており,第1の樹脂成形体の凹部の底面から第1のリードが露出されており,その露出部分に発光素子が載置されており」との構成を備える。

カ 訂正発明1は,「第1のリードの発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は,発光素子からの熱を最短距離で放熱できるように,第1の樹脂成形体から露出されており,」「第2のリードの裏面側は,第1の樹脂成形体から露出されており」,と特定されるものであるところ,甲13発明は,「前記第2の樹脂部材に埋め込まれた前記リードフレームの前記主表面と反対側の面は,樹脂が充填される凹部を除いて露出している」ものであるから,「発光素子が載置されている主面側と反対の第1のリードの裏面側は,第1の樹脂成形体から露出されており」,及び「第2のリードの裏面側は,第1の樹脂成形体から露出されており」との構成を備えるものといえ,両者は,この点において一致する。

キ 甲13発明は,「記第2の樹脂部材は,前記リードフレームが樹脂にインサート成型されることによって設けられ,樹脂が前記リードフレームの反対側の面に回り込んで前記スリット状の溝及び第1の凹部に充填され」るから,
訂正発明1の「第1の樹脂成形体は,凹部の底面である第1のリードと第2のリードとの間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており」との構成を備える。

ク 甲13発明における,「前記リードフレームの前記主表面と反対側の面は,樹脂が充填される凹部を除いて露出しており,当該露出している部分と当該樹脂が充填される部分は同一面上にある」との構成は,訂正発明1の「第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあ」ることに相当する。

ケ 以上から両者の一致点・相違点は以下のとおりとなる。
(ア)一致点
「発光素子と,発光素子を載置するための第1のリードと発光素子と電気的に接続される第2のリードとを第1の樹脂を用いて一体成形してなる第1の樹脂成形体と,第2の熱硬化性樹脂を用いて発光素子を被覆する第2の樹脂成形体と,を有する表面実装型発光装置であって,
第1の樹脂成形体は,底面と側面とを持つ凹部が形成されており,第1の樹脂成形体の凹部の底面から第1のリードが露出されており,その露出部分に発光素子が載置されており,
第1の樹脂成形体は,凹部の底面である第1のリードと第2のリードとの間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており,
第1のリードの発光素子が載置されている主面側と反対の裏面側は,第1の樹脂成形体から露出されており,
第2のリードの裏面側は,第1の樹脂成形体から露出されており,
第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,
第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており,
第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にある
ことを特徴とする表面実装型発光装置。」

(イ)相違点
《相違点A31》
訂正発明1は,「第1の樹脂成形体」が,「第1の熱硬化性樹脂」であって「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてな」るのに対して,甲13発明は「第1の樹脂成形体」が「第1の樹脂を用いて」いることに対応する構成は備えるものの,当該「第1の樹脂」が「熱硬化性樹脂」であって「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてな」るものであることまでは特定されていない点。
《相違点A32》
訂正発明1は,「第1のリードの発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は,発光素子からの熱を最短距離で放熱できるように,第1の樹脂成形体から露出されて」いる構成を備えるが,甲13発明は,「第1のリードの発光素子が載置されている主面側と反対の裏面側は,第1の樹脂成形体から露出されて」いる構成を備えるものの,「第1の樹脂成形体から露出されて」いる「主面側と反対の裏面側」が,「発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側」であるものではなく,及び「発光素子からの熱を最短距離で放熱できるように」されたものではない点。
《相違点A33》
訂正発明1は「凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ,その凹凸に第1の樹脂成形体が接触して」いる構成を備えるが,甲13発明は,そのような構成を備えない点。
《相違点A34》
訂正発明1は,「第1の樹脂成形体は,」「フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択され,反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合されており」との構成を備えるが,甲13発明は,そのような構成を備えることが明らかでない点。
《相違点A35》
訂正発明1は,「第2の樹脂成形体は,シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用いてなり,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質からなる群から選択され,蛍光物質を必須とする少なくとも1種が混合されており」との構成を備えるが,甲13発明は,そのような構成を備えることが明らかでない点。
《相違点A36》
訂正発明1は,「第2の樹脂成形体は,第1の樹脂成形体と同様な等方性の熱膨張及び収縮挙動を有する」との構成を備えるが,甲13発明は,そのような構成を備えることが明らかでない点。
《相違点A37》
訂正発明1は,「発光素子は,発光波長が450nm以上475nm以下であ」るとの構成を備えるが,甲13発明はそのように発光素子の発光波長が特定がされていない点。
《相違点A38》
訂正発明1は,「第2の樹脂成形体の表面は凹部の上面と一致」するとの構成を備えるが,甲13発明はそのような特定がされていない点。

(3)甲13-2発明と訂正発明7との相違点
前記《相違点A31》?《相違点A34》及び《相違点A37》と同様の相違点のほか,以下の《相違点A310》。
《相違点A310》
訂正発明7は,「樹脂成形体は等方性の熱膨張及び収縮挙動を有する」構成を備えるが,甲13-2発明はそのような構成を備えない点。

(4)訂正発明1及び訂正発明7についての判断
ここで,訂正発明1及び訂正発明7について検討する。
ア 訂正発明1について
前記(2)ケ(イ)のとおり,訂正発明1と甲13発明とは,《相違点A31》ないし《相違点A38》の各点で相違する。
まず,《相違点A38》について検討する。
(ア)相違点A38について
a 前記(1)イ(エ)のとおり,甲13発明は,「前記第1の樹脂部材は,第1の頂面を含み,前記第2の樹脂部材は,前記主表面からの距離が前記主表面から前記第1の頂面までの距離よりも大きい位置に設けられた第2の頂面と,前記半導体発光素子が位置する側において前記主表面から離隔する方向に延在し,前記第2の頂面に連なる内壁とを含み」との構成を備えるものであり,これは,前記(1)ア(イ)に摘記した「【0023】 このように構成された半導体発光装置によれば, ・・・(中略)・・・このため,第1の頂面から出射した光を相対的に大きい反射率を有する第2の樹脂部材の内壁によって反射させることができる。これにより,光の指向性を適切に制御することができ,さらには半導体発光装置から高輝度な光を取り出すことができる。また,第2の頂面よりも低い位置に第1の頂面を設けているため,半導体発光素子から発せられた光が第1の樹脂部材を透過する際に減衰することを抑制できる。このため,半導体発光装置からさらに高輝度な光を取り出すことができる。」との記載のとおり,光の指向性を適切に制御して,半導体発光装置から高輝度な光を取り出すためのものであり,これにより,同段落【0021】に記載された「光の指向性を適切に制御することができる半導体発光装置 ・・・(中略)・・・を提供する」との目的を達成している。
従って,甲13発明において,前記「前記第1の樹脂部材は,第1の頂面を含み,前記第2の樹脂部材は,前記主表面からの距離が前記主表面から前記第1の頂面までの距離よりも大きい位置に設けられた第2の頂面と,前記半導体発光素子が位置する側において前記主表面から離隔する方向に延在し,前記第2の頂面に連なる内壁とを含み」との構成は,前記目的の達成に必須であるから,当該構成を変更することには,阻害要因があるといえる。
b ここで,甲13発明における「主表面」とは,「第1の領域と,前記第1の領域の周縁に沿って延在する第2の領域とが規定された主表面」であって,「リードフレーム」が有するものであるから,甲13発明に係る「前記第1の樹脂部材は,第1の頂面を含み,前記第2の樹脂部材は,前記主表面からの距離が前記主表面から前記第1の頂面までの距離よりも大きい位置に設けられた第2の頂面」との構成から,第2の樹脂部材の頂面である「第2の頂面」は,第1の樹脂部材の頂面である「第1の頂面」に比べて,リードフレームが有する「主表面」からの距離が大きく,「第1の頂面」及び「第2の頂面」は,リードフレームが有する「主表面」からの距離が同じではないといえる。
c 前記(2)イ,ウのとおり,甲13発明における「第1の樹脂部材」及び「第2の樹脂部材」は,それぞれ,訂正発明1における「第2の樹脂成形体」及び「第1の樹脂成形体」に相当し,また,甲13発明に係る「第1の頂面」は,訂正発明1における「第2の樹脂成形体の表面」に相当する。また,訂正発明1においては,「第1の樹脂成形体は,底面と側面とを持つ凹部が形成されて」いるから,「凹部の上面」は,甲13発明における「第2の頂面」にあたるものといえる。
そうすると,訂正発明1においては,相違点38に係る「第2の樹脂成形体の表面は凹部の上面と一致」する構成を備えるのに対して,甲13発明においては,「第1の頂面」及び「第2の頂面」は,リードフレームが有する「主表面」からの距離が同じではなく,両頂面が一致することはないから,前記相違点38に係る構成を備えず,しかも,前記aのとおり,前記「主表面」からの距離が同じではない構成を変更することには阻害要因がある。よって,仮に,各樹脂部材の頂面について前記「主表面」からの距離を同じくした周知技術があるとしても,甲13発明において,相違点38に係る構成を備えることは,当業者が容易になし得たこととはいえない。
(イ)従って,仮に,《相違点A31》ないし《相違点A37》については当業者が適宜になし得たことであるとしても,《相違点A38》について当業者が容易になし得たとはいえない以上,訂正発明1は,甲13発明に基づいて,当業者が容易に発明することができたものとはいえない。

イ 訂正発明7について
前記(3)のとおり,訂正発明7と甲13-2発明とは,《相違点A31》?《相違点A34》及び《相違点A37》と同様の相違点,並びに《相違点A310》の各点で相違する。
(ア)相違点A31について
訂正発明7は,《相違点A31》と同様の「樹脂成形体は,トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてな」るとの構成を備えるところ,請求人は,甲第27号証ないし甲第34号証を提出して,「トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてな」るものを,発光装置の樹脂成形体材料として用いることは,一般的で,普通に行われることであると主張するから,以下,当該各号証について検討する。
a 甲第27号証
(a) 甲第27号証(特開2000-196151号公報)には以下の記載がある。
「【0002】
【従来技術】今日,1000mcd以上も発光可能な発光ダイオードが,RGB共に開発され種々の分野に利用され始めている。このような発光ダイオードの一例として図4に示す如きものが挙げられる。図4には発光ダイオードの模式的断面図を示している。
【0003】図中,リード電極として働くカップを有するマウント・リード405と,インナー・リード406が設けられている。このマウントリードのカップ上にダイボンド樹脂403を用いてLEDチップ402を載置させている。LEDチップの電極と,インナーリード406とを電気的に接続させるべくワイヤ404によりインナー・リードとワイヤボンディングされている。他方,AgペーストによりLEDチップの他方の電極とマウントリード405とを電気的に接続させてある。こうしてリード電極と電気的に接続されたLEDチップやワイヤを,外部環境から保護するなどの目的で透光性樹脂401によりモールドさせてある。
【0004】モールド樹脂となる透光性樹脂401は,あらかじめ砲弾型など所望の形状が得られる型となるキャスティングケース内にエポキシ樹脂を注入させる。型の中に注入されたエポキシ樹脂に,LEDチップ及びリード電極の一部を差込み固定させる。この状態でエポキシ樹脂を硬化させる。硬化後,キャスティングケースから取り出すことにより発光ダイオードを形成させることができる。これにより比較的簡単な構成でLEDチップを保護すると共に所望の配光特性などを効率よく得られる発光ダイオードを構成することができる。
【0005】特に,発光ダイオードに利用されるモールド樹脂の特性として,1.リードフレームやLEDチップなどとの密着性に優れていること,2.機械的強度が高く耐衝撃性に優れていること。3.金型寸法設計が容易で形成時の応力によりLEDチップなどに損傷が生じにくい低応力であること,4.低収縮性及び金型からの抜けである抜け性に優れていること,5.回路基板に半田などにより実装するときや駆動時などに生ずる,Tg(ガラス転移点)以上の熱による変形が極めて少ないこと,4.気泡などが生じにくいボイドフリー且つ低粘度であること,及び5.発光ダイオードとして最も重要な項目の1つとして,LEDチップから放出される光に対して優れた透光性を有することが要求される。このような発光ダイオード特有の特性により,モールド部材としてはエポキシ樹脂を利用することが好ましい。
【0006】エポキシ樹脂のモールド部材として例えば特開平6-316626号公報に示す如くビスフェノール型エポキシ樹脂やビスフェノール型ウレタン変性エポキシ樹脂を主構成樹脂として使用したものが挙げられる。ビスフェノールAジグリシジルエーテルに代表されるフェノール系エポキシ樹脂は,上記特性を満たすと共に可視光における透光性が特に優れている。
【0007】 ・・・(中略)・・・
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,より短波長且つ高出力発光可能なLEDチップを単に,上述のエポキシ樹脂などで封止すると,経時的に樹脂の劣化による発光輝度が顕著に低下するなどの不都合が生ずるという新たな問題が生じる。より具体的には,発光ダイオード用モールド樹脂の特性を満たしたエポキシ樹脂の1種としてビスフェノールAジグリシジルエーテルを主体として利用し,エネルギーの比較的低い緑色から赤色にかけて発光するLEDチップを用いた発光ダイオードでは,LEDチップから放出された光のみでモールド樹脂が劣化することは実質上極めて少なく効率よく発光させることが可能である。
【0009】しかし,可視光の短波長側である550nm以下に主発光ピークを発するLEDチップでは,可視光の長波長が発光可能な発光ダイオードと同様に形成させても経時的に輝度が急激に低下する。そこで,本発明は上記発光ダイオードのモールド樹脂に要求される特性を満たしつつ,特定のLEDチップを利用した場合にも経時変化が極めて少なく光利用効率の優れた発光ダイオードを提供することにある。
【0010】
・・・(中略)・・・
【0018】本発明者は発光ダイオードに利用される透光性樹脂の特性を持ちつつ,劣化の原因となる炭素炭素間の二重結合を有しない非芳香族エポキシ樹脂を主体のエポキシ樹脂組成物を透光性樹脂に選択した。これにより,初期の可視光透過率が若干低くなるものの,LEDチップを封止したことにより生ずるLEDチップからの劣化を防止し経時劣化を生ずることなく信頼性の高い発光ダイオードとすることができる。以下,本発明の構成について詳述する。
【0019】(透光性樹脂)透光性樹脂となる本発明のエポキシ樹脂組成物は,LEDチップを被覆するものである。したがって,高耐光性と絶縁性及び透光性が要求されるため,着色原因となる芳香族成分,特にフェノール誘導体エポキシ樹脂を組成物中10wt%未満とすることが好ましく,より好ましくは5%未満である。なお,フェノール誘導体エポキシ樹脂を全く含有させないものが最も耐光性に優れることとなる。また,非芳香族エポキシ樹脂がエポキシ樹脂組成物中のエポキシ成分として90%以上が好ましく,より好ましくは95%以上である。として無機塩素含有量を1ppm以下,有機塩素含有量を5ppm以下とすることができるエポキシ樹脂が好ましい。特に蒸留生成され塩素成分を全く含有しないものがより好ましい。
【0020】具体的には,3,4エポキシシクロヘキシルメチル-3′,4′エポキシシクロヘキシルカルボキシレートに代表される脂環式エポキシ樹脂を単独又は2種以上を混合し使用することができる。また,脂環式エポキシ樹脂を主体にヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル,水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどのシクロヘキサン誘導体とエピクロルヒドリンよりなるエポキシ樹脂,ビスフェノールAジグリシジエーテルよりなる液状又は固形のエポキシ樹脂なども必要に応じ混合使用することもできる。同様に含窒素エポキシ樹脂としてトリグリシジルイソシアヌレートが好適に挙げることができる。また,この本発明のエポキシ樹脂組成物は,発光ダイオードの形態によって種々の形状とさせることができる。また,所望に応じて蛍光物質,拡散剤及び着色剤を種々含有させることもできる。エポキシ樹脂組成物には上述のエポキシ樹脂の他,下記の如き硬化剤,助触媒,硬化促進剤を適宜混合させることができる。
【0021】 ・・・(中略)・・・
【0044】(実施例2) 透光性モールド樹脂として含窒素エポキシ樹脂からなるトリグリシジルイソシアヌレート100重量部,硬化剤となるメチルヘキサフタル酸無水物170重量部,助触媒として働くエチレングリコール5重量部を混合させた無色透明なエポキシ樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様にして発光ダイオードを形成させる。なお,硬化条件は注型法により120℃で2時間の一次硬化後脱型し,窒素雰囲気下にて180℃で10時間二次硬化を行った。また,フェノール誘導体エポキシ樹脂がエポキシ樹脂中に含有されていないことを確認した。」
(b)上記各記載から,甲第27号証には,LEDチップを被覆する透光性のエポキシ樹脂としてトリグリシジルイソシアヌレート,及びその硬化剤として酸無水物を用いて,高出力の光による劣化を抑えることが記載されているといえる。

b 甲第28号証
(a) 甲第28号証(特開2001-257410号公報)には以下の記載がある。
「【0022】図1は,本発明の電子部品の実施の形態の一例を示す断面図であり,1は基体,2は光デバイス,3は樹脂枠体,4は透光性蓋体であり,主にこれらで本発明の電子部品が構成される。
【0023】基体1は,その上面中央部に光デバイス2を搭載するための搭載部1aが設けてあり,この搭載部1aには光デバイス2が搭載される。また,搭載部1aに熱を放散するヒートシンクを立設し,ヒートシンクに光デバイス2を接合させてもよい。
【0024】このような基体1は,軟鉄や銅・アルミニウム等の金属材料や,窒化アルミニウムや炭化珪素・酸化アルミニウム等のセラミック材料から成り,放熱性の観点からは金属材料が好ましく,光デバイス2の材料として主として用いられるシリコンやガリウム-砒素等と熱膨張係数が近似し,かつ材料コストの安価な軟鉄が好まれる。 ・・・(中略)・・・
【0030】樹脂枠体3としては,基体1と枠体3とを接合する熱硬化性接着剤を硬化する際に加わる120?180℃程度の温度,あるいは電子部品を外部電気回路に実装する際のリフロー工程で加わる230?260℃程度の温度により形状変化しないエポキシ樹脂が好ましい。また,樹脂枠体3は,インジェクション成形法やトランスファモールド成形法で製作され,成形時間が短く,成形金型の製作が容易であるという観点からは,インジェクション成形法で製作されるのが好ましい。
【0031】このようなエポキシ樹脂としては,フェノールノボラック型エポキシ樹脂やオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂・ナフタレン型エポキシ樹脂・ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂・トリグリシジルイソシアヌレート・脂環式エポキシ樹脂・ビスフェノールA型エポキシ樹脂・ビスフェノールF型エポキシ樹脂・ビスフェノールS型エポキシ樹脂・ビフェノール型エポキシ樹脂等が用いられ,2種類以上のエポキシ樹脂を混合して用いてもよく,さらに,硬化剤・フィラ等を添加してもよい。
【0032】 ・・・(中略)・・・
【0033】本発明においては,透光性蓋体4の光透過率が650±20nmおよび/または780±20nmの波長領域において98%以上であり,樹脂枠体3の搭載部側表面7の0°の光反射率が650±20nmおよび/または780±20nmの波長領域において10%以下であることが重要である。なお,ここで0°の光反射率とは,ある面に対して垂直に光を当てたときに,当てた光の量に対して垂直に反射した光の量の割合である。 ・・・(中略)・・・
【0034】650±20nmおよび/または780±20nmの波長領域において,透光性蓋体4の光透過率を98%以上とするとともに樹脂枠体3の搭載部側表面7の0°の光反射率を10%未満とすることにより,送受信される光信号の強度と枠体表面の乱反射光の強度との差を大きなものとすることができ,光デバイスが乱反射光を送受信の信号と誤認識してしまうことはなく,正常な信号の送受信が可能と成る。」
(b)上記各記載から,甲第28号証には,金属材料又はセラミック材料からなる基体上に,光デバイスを搭載するとともに樹脂枠体を設けたものであって,前記樹脂枠体は,エポキシ樹脂であるトリグリシジルイソシアヌレートにより製作され,前記光デバイスを搭載した側の0°の光反射率が650±20nmおよび/または780±20nmの波長領域において10%以下であるものが記載されているといえる。

c 甲第29号証
(a) 甲第29号証(特開2002-220512号公報)には以下の記載がある。
「【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり,本発明は,発光素子,受光素子等の光半導体素子の封止に使用するエポキシ樹脂組成物であって,その硬化物が光透過性を有する硬化物となると共に,リードフレームとの密着性,特にPdメッキリードフレーム及び/又はPd-Auメッキリードフレームとの密着性が良好なエポキシ樹脂組成物を提供することと,このエポキシ樹脂組成物を用いて光半導体素子を封止している半導体装置を提供することを目的としている。
・・・(中略)・・・
【0031】
【発明の実施の形態】以下,本発明を詳細に説明する。
【0032】本発明に係るエポキシ樹脂組成物は,エポキシ樹脂と,酸無水物系硬化剤と,離型剤とを含有している,光半導体素子封止用のエポキシ樹脂組成物において,さらに,前記式(1),(2),(3),(4),(5)及び(6)で示される窒素含有化合物の少なくとも1つを必須成分として含有している。
【0033】上記光半導体素子としては,発光ダイオード(LED),半導体レーザ等の発光素子やフォトダイオード,フォトトランジスター等の受光素子,あるいは光起電力素子等を例示できるが,光を利用する半導体素子であればよい。
【0034】上記エポキシ樹脂としては,1分子中に2個以上のエポキシ基を持っているものであれば特に制限はないが,本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて光半導体素子を封止するには着色の少ないものが好ましい。例えば,ビスフェノールA型エポキシ樹脂,ビスフェノールF型エポキシ樹脂,ビスフェノールS型エポキシ樹脂,オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂,トリグリシジルイソシアヌレート型エポキシ樹脂,脂環式エポキシ樹脂,脂肪族系エポキシ樹脂や,これらのエポキシ樹脂の芳香環部に水素添加したエポキシ樹脂等が挙げられる。また,これらは単独で用いても併用してもよい。」
(b)上記各記載から,甲第29号証には,発光素子,受光素子等の光半導体素子の封止に使用するエポキシ樹脂組成物として,トリグリシジルイソシアヌレート型エポキシ樹脂を用いることが記載されているといえる。

d 甲第30号証
(a) 甲第30号証(特開2002-324920号公報)には以下の記載がある。
「【0002】
【従来の技術】従来,発光ダイオードの発光素子の被覆材(封止材あるいはモールド材)としては酸無水物系硬化剤を用いる透明エポキシ樹脂が広く用いられてきた。かかる透明エポキシ樹脂は,接着性が高く力学的な耐久性は有しているものの,樹脂の吸水率が高いために耐湿耐久性が低い,あるいは,特に低波長の光に対する光線透過性が低いために耐光耐久性が低い,あるいは光劣化により着色するという欠点を有していた。この点を改善するためにエポキシ樹脂系での改良が提案されている(特開2000-196151号公報,特開平11-274571号公報)。一方,耐光耐久性が高い被覆材として,シリコーン樹脂が使用されているが,一般に軟質であり表面タック性を有しているため,実装する際に発光面に異物が付着したり実装用器具により発光面が損傷を受けるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って,本発明の目的は,接着性が高く,高い耐光耐久性を有し,かつ,実装する際に発光面に異物が付着したり実装用器具により発光面が損傷を受けるという問題が生じない発光ダイオードおよびその製造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するために本発明者らは鋭意研究の結果,SiH基と反応性を有する炭素-炭素二重結合を含有する有機化合物と,SiH基を含有する化合物と,ヒドロシリル化触媒と,エポキシ樹脂と,エポキシ樹脂用硬化剤とを必須成分として含有する硬化性組成物を用いて発光素子を被覆することにより,上記課題が解決できることを見出し本発明に至った。
【0005】すなわち,本発明は,(A)SiH基と反応性を有する炭素-炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物,(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有するケイ素化合物,(C)ヒドロシリル化触媒,(D)エポキシ樹脂,及び(E)エポキシ樹脂用硬化剤,を必須成分として含有する硬化性組成物を用いて発光素子が被覆された発光ダイオード(請求項1)であり, ・・・(中略)・・・
【0061】次に(D)成分であるエポキシ樹脂について説明する。
【0062】本発明に用いる(D)成分であるエポキシ樹脂としては,
・・・(中略)・・・
【0064】等の脂環式系エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート;モノアリルジグリシジルイソシアヌレート;ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート;ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル,グリセリントリグリシジルエーテル等の多価アルコールのグリシジルエーテル類;ヒダントイン型エポキシ樹脂;石油樹脂等の不飽和重合体のエポキシ化物などが例示できるが,これらに限定されるものではなく,一般に知られているエポキシ樹脂であれば使用しうる。
・・・(中略)・・・
【0077】エポキシ樹脂用硬化剤については,特に限定なく従来公知のものが使用できるが,ヒドロシリル化反応を阻害せず硬化性が良好となりやすいという観点から,非アミン系エポキシ樹脂用硬化剤が好ましい。例えば,トリエチレンテトラミン,テトラエチレンペンタミン,ジエチルアミノプロピルアミン,N-アミノエチルピペラジン,メタキシリレンジアミン,メタフェニレンジアミン,ジアミノジフェニルメタン,ジアミノジフェニルスルホン,イソホロンジアミン,2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどのアミン類;3級アミン塩などのアミン系エポキシ樹脂用硬化剤を用いると,本発明の(A)成分,(B)成分,(C)成分のヒドロシリル化反応による硬化を阻害する可能性がある。
・・・(中略)・・・
【0079】これらの非アミン系エポキシ樹脂用硬化剤の中では,透明性と黄変抑制の点からヘキサヒドロ無水フタル酸,テトラヒドロ無水フタル酸,メチルヘキサヒドロ無水フタル酸,メチルテトラヒドロ無水フタル酸等の無水カルボン酸類;アルミニウム錯体/アルコキシシラン混合物;アルミニウム錯体/有機シラノール混合物が好ましく,ヘキサヒドロ無水フタル酸,テトラヒドロ無水フタル酸,メチルヘキサヒドロ無水フタル酸,メチルテトラヒドロ無水フタル酸がより好ましい。また,(E)成分としては,着色特に黄変の抑制の観点からフェノール性水酸基および/あるいはフェノール性水酸基の誘導体を有する化合物の含有量が少ないものが好ましく,フェノール性水酸基および/あるいはフェノール性水酸基の誘導体を有する化合物を含まないものが好ましい。
・・・(中略)・・・
【0109】本発明の発光ダイオードは上記したような硬化性組成物によって発光素子を被覆することによって製造することができるが,この場合被覆とは,上記発光素子を直接封止するものに限らず,間接的に被覆する場合も含む。具体的には,発光素子を本発明の硬化性組成物で直接従来用いられる種々の方法で封止してもよいし,従来用いられるエポキシ樹脂,シリコーン樹脂,アクリル樹脂,ユリア樹脂,イミド樹脂等の封止樹脂やガラスで発光素子を封止した後に,その上あるいは周囲を本発明の硬化性組成物で被覆してもよい。また,発光素子を本発明の硬化性組成物で封止した後,従来用いられるエポキシ樹脂,シリコーン樹脂,アクリル樹脂,ユリア樹脂,イミド樹脂等でモールディングしてもよい。以上のような方法によって屈折率や比重の差によりレンズ効果等の種々の効果をもたせることも可能である。」
(b)上記各記載から,甲第30号証には,SiH基と反応性を有する炭素-炭素二重結合を含有する有機化合物と,SiH基を含有する化合物と,ヒドロシリル化触媒と,エポキシ樹脂と,エポキシ樹脂用硬化剤とを必須成分として含有する硬化性組成物を用いて,発光素子を直接又は間接に被覆することであって,前記エポキシ樹脂としてトリグリシジルイソシアヌレート,前記エポキシ樹脂用硬化剤として無水カルボン酸類を用いて,高い耐光耐久性を得ることが記載されているといえる。

e 甲第31号証
(a) 甲第31号証(特開2002-353518号公報)には以下の記載がある。
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,リードフレーム上に設置される光半導体素子が,エポキシ樹脂組成物の硬化体によって封止されてなる光半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より,光半導体装置は,LED(発光ダイオード)などの光半導体素子を,リードフレームのダイパッド上にボンディングするとともに,これを封止材によって封止することにより製造されている。
・・・(中略)・・・
【0022】本発明において,エポキシ樹脂としては,例えば,ビスフェノールA型エポキシ樹脂,ビスフェノールF型エポキシ樹脂,フェノールノボラック型エポキシ樹脂,クレゾールノボラック型エポキシ樹脂,脂環式エポキシ樹脂,トリグリシジルイソシアヌレート,ヒダントインエポキシ樹脂などの含窒素環エポキシ樹脂,水添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂,脂肪族系エポキシ樹脂,グシシジルエーテル型エポキシ樹脂,ビスフェノールS型エポキシ樹脂,低吸水率硬化体タイプの主流であるビフェニル型エポキシ樹脂,ジシクロ型エポキシ樹脂,ナフタレン型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく,あるいは併用してもよい。これらのうち,光半導体素子の封止後において,エポキシ樹脂組成物の硬化体が変色しにくいという点から,ビスフェノールA型エポキシ樹脂,脂環式エポキシ樹脂,トリグリシジルイソシアヌレートが好ましく用いられる。また,このようなエポキシ樹脂としては,一般的には,エポキシ当量が100?1000で,軟化点が120℃以下のものが用いられる。
【0023】本発明において,硬化剤としては,エポキシ樹脂組成物の硬化体が変色しにくいという点から,特に,酸無水物系硬化剤が好ましく用いられる。
・・・(中略)・・・
【0035】そして,このようにして得られた本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて,光半導体素子を封止するには,特に限定されず,例えば,トランスファーモールドなどの公知のモールド方法を用いることができる。
【0036】そのため,図1に示す光半導体装置1を得るには,例えば,まず,光半導体素子3を,一方のリード部5のダイパッド部7にダイボンディングするとともに,ワイヤボンディングによって,他方のリード部6とワイヤ8を介して接続した後,これを金型に配置し,次いで,本発明のエポキシ樹脂組成物を加熱溶融後,その金型に流し込んで硬化させればよい。」
(b)上記各記載から,甲第31号証には,エポキシ樹脂としてトリグリシジルイソシアヌレート,硬化剤として酸無水物系硬化剤を用いたエポキシ樹脂組成物によって光半導体素子を封止することが記載されているといえる。

f 甲第32号証
(a) 甲第32号証(特開2003-124529号公報)には以下の記載がある。
「【0015】
【発明の実施の形態】本発明者は種々の実験の結果,可視光の短波長から紫外域を発光するLEDチップを特定のエポキシ樹脂で封止することにより,比較的簡単な構成で信頼性の高い発光ダイオードとすることができることを見いだし本発明をなすに至った。
【0016】即ち,近紫外域(なお,本願明細書では,窒化物半導体で発光可能な365nm以上をいうとする。)から可視光の短波長側で高出力に発光するLEDチップを被覆する透光性樹脂は,その界面近傍からLEDチップ自体が発する光や熱により急激に樹脂が劣化する。特に,炭素炭素間の二重結合を有する芳香族エポキシ樹脂を透光性樹脂に利用した発光ダイオードでは,一旦LEDチップからの光や熱エネルギーにより二重結合が切れ酸化されると,それによる黄変着色を起こす。
【0017】黄変着色は単に樹脂を着色させるだけでなく,550nm以下の可視光,特に青色に対して補色関係或いは補色に近い。そのため,LEDチップからの光が吸収され易く,劣化が促進されると考えら得る。また,近紫外域から可視光の短波長を5mW以上の高出力が発光可能な多重量子井戸構造などの窒化物半導体を利用した場合,顕著に現れ易い傾向にある。
【0018】本発明者は発光ダイオードに利用される透光性樹脂の特性を持ちつつ,劣化の原因となる炭素炭素間の二重結合を有しない非芳香族エポキシ樹脂を主体のエポキシ樹脂組成物を透光性樹脂に選択した。これにより,初期の可視光透過率が若干低くなるものの,LEDチップを封止したことにより生ずるLEDチップからの劣化を防止し経時劣化を生ずることなく信頼性の高い発光ダイオードとすることができる。以下,本発明の構成について詳述する。
【0019】(透光性樹脂)透光性樹脂となる本発明のエポキシ樹脂組成物は,LEDチップを被覆するものである。したがって,高耐光性と絶縁性及び透光性が要求されるため,着色原因となる芳香族成分,特にフェノール誘導体エポキシ樹脂を組成物中10wt%未満とすることが好ましく,より好ましくは5%未満である。なお,フェノール誘導体エポキシ樹脂を全く含有させないものが最も耐光性に優れることとなる。また,非芳香族エポキシ樹脂がエポキシ樹脂組成物中のエポキシ成分として90%以上が好ましく,より好ましくは95%以上である。として無機塩素含有量を1ppm以下,有機塩素含有量を5ppm以下とすることができるエポキシ樹脂が好ましい。特に蒸留生成され塩素成分を全く含有しないものがより好ましい。
【0020】具体的には,3,4エポキシシクロヘキシルメチル-3′,4′エポキシシクロヘキシルカルボキシレートに代表される脂環式エポキシ樹脂を単独又は2種以上を混合し使用することができる。また,脂環式エポキシ樹脂を主体にヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル,水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどのシクロヘキサン誘導体とエピクロルヒドリンよりなるエポキシ樹脂,ビスフェノールAジグリシジエーテルよりなる液状又は固形のエポキシ樹脂なども必要に応じ混合使用することもできる。同様に含窒素エポキシ樹脂としてトリグリシジルイソシアヌレートが好適に挙げることができる。また,この本発明のエポキシ樹脂組成物は,発光ダイオードの形態によって種々の形状とさせることができる。また,所望に応じて蛍光物質,拡散剤及び着色剤を種々含有させることもできる。エポキシ樹脂組成物には上述のエポキシ樹脂の他,下記の如き硬化剤,助触媒,硬化促進剤を適宜混合させることができる。
【0021】(硬化剤)エポキシ樹脂組成物に好適に含有される酸無水物は,耐光性を必要とするため非芳香族かつ炭素二重結合を化学的に有しない多塩基酸カルボン酸無水物の一種又は二種以上が好ましい。具体的にはヘキサヒドロ無水フタル酸,メチルヘキサヒドロ無水フタル酸,トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸,水素化メチルナジック酸無水物などが挙げられる。」
(b)上記各記載から,甲第32号証には,LEDチップを被覆するエポキシ樹脂組成物であって,エポキシ樹脂としてトリグリシジルイソシアヌレート,硬化剤として酸無水物を用いることで,LEDチップからの光や熱エネルギーによる樹脂の劣化を防止することが記載されているといえる。

g 甲第33号証
(a) 甲第33号証(特開2003-224305号公報)には以下の記載がある。
「【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は種々の実験の結果,小型の色変換型発光装置において,経過劣化や色ムラが生じるのは,発光素子1を直接封止している蛍光物質4含有の色変換部材5の信頼性に関与していることを見いだし本発明を成すに至った。色変換部材5を構成するエポキシ樹脂の未反応部や,エポキシ樹脂内に分散された蛍光体粒子の沈降が,輝度の経過劣化や色ムラ発生の大きな原因となる
・・・(中略)・・・
【0014】そこで,本発明は,耐光性に優れた非芳香族エポキシ樹脂の中でも特に硬化速度の速いトリアジン誘導体エポキシ樹脂を使用し,硬化剤をほぼ化学量論数に保った状態にて樹脂硬化を完了させる手法により,信頼性に優れ且つ均一に発光することが可能な光半導体装置を提供する。
【0015】即ち,本発明の発光装置は,発光素子と,該発光素子が発する光の少なくとも一部を吸収して他の波長を有する光を発光することが可能な蛍光物質と,該蛍光物質を含有してなり前記発光素子を直接被覆する色変換部材とを有する発光装置において,前記色変換部材は,少なくともトリアジン誘導体エポキシ樹脂を有していることを特徴とする。トリアジン誘導体エポキシ樹脂は,硬化速度が速いため,酸無水物等の揮発し易い硬化剤を用いた場合であっても,硬化剤不足による未反応部分の残存が抑制される。また,本発明のトリアジン誘導体エポキシ樹脂は,好ましくは硬化前に常温で固体(例えば,粉末)であって蛍光体の分散を補助する作用を持ち,硬化後には透明の樹脂となる。従って,本発明によれば,色変換部材における樹脂硬化不足や,蛍光体の沈降を抑制して,光学特性に優れ,かつ信頼性の高い発光装置が得られる。
・・・(中略)・・・
【0028】以下,各構成について詳述する。
(トリアジン誘導体エポキシ樹脂)トリアジン誘導体エポキシ樹脂は,1,3,5-トリアジン核の誘導体であるエポキシ樹脂であることが好ましい。例えば,1,3,5-トリアジン核の1,3,5位にある窒素のいずれかにエポキシ基が付加された構造のエポキシ樹脂である。特に,イソシアヌレート環を有するエポキシ樹脂は,耐光性に優れており,また,蛍光体の分散を良好に補助する。イソシアヌレートの1,3,5位にある窒素に結合した水素を適当なエポキシ基で置換した構造が好ましい。付加又は置換されるエポキシ基は,2,3エポキシプロパノールのような単純なものであっても,末端にエポキシ基を有する高分子量の鎖状構造であっても良い。1つのイソシアヌレート環に対して,2価の,より好ましくは3価のエポキシ基を有することが望ましい。例えば,トリグリシジルイソシアヌレート,トリス(α-メチルグリシジル)イソシアヌレート,トリス(α-メチルグリシジル)イソシアヌレート等を用いることができる。図3に,本件発明に係るトリアジン誘導体エポキシ樹脂の一例であるトリグリシジルイソシアヌレート(=トリス(2,3エポキシプロピル)イソシアヌレート)と酸無水物硬化剤の硬化反応を示す。」
(b)上記各記載から,甲第33号証には,蛍光物質を含有してなり前記発光素子を直接被覆する色変換部材とを有する発光装置において,前記色変換部材は,少なくともトリアジン誘導体エポキシ樹脂を有し,トリアジン誘導体エポキシ樹脂として,トリグリシジルイソシアヌレート,硬化剤として酸無水物硬化剤を用いて,色変換部材における樹脂硬化不足や,蛍光体の沈降を抑制することが記載されているといえる。

h 甲第34号証
(a) 甲第34号証(特開2004-146843号公報)には以下の記載がある。
「【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし,蛍光物質自体には密着力がない,或いは弱いため発光素子上に配置固定させるためには,種々の樹脂中など発光素子及び蛍光物質それぞれの光が放出可能な密着性を有するバインダー中に含有させる必要がある。このようなバインダー中に含有された蛍光物質は,その蛍光物質の含有量や分布などによってLEDチップから放出された光量及び蛍光物質から放出された光量が大きく左右される。これらが制御できず,また発光素子から放出される可視光と蛍光物質から放出される光が可視光の混色によって色表現させる場合には,それぞれの可視光量の違いが大きな問題となる。特に,白色系は人間の目が僅かな色温度差でも識別することができるため大きな問題となる。したがって,本発明は上記問題点を解決し,極めて精度良く蛍光物質の含有量及び分布を均一とさせ発光特性の優れた,歩留りの高い発光ダイオードを提供することにある。
・・・(中略)・・・
【0042】
(実施例3)
図3に示すように表面実装型の発光ダイオード300を形成させた。LEDチップ303は, ・・・(中略)・・・
【0046】
形成された(Y_(0.6)Gd_(0.4))_(3)Al_(5)O_(12):Ce蛍光物質25重量部,含窒素エポキシ樹脂であるトリグリシジルイソシアヌレート100重量部と酸無水物及び硬化促進剤を65℃で攪拌させ24時間反応させ室温で冷却する。この反応によりある程度硬化させた固体となる。室温に冷却後,取り出した固体を粉砕しプレスして固体状のタブレットを形成させる。なお,蛍光物質を透光性樹脂中に含有させたタブレットを形成させるためには,上述のように原材料透光性樹脂中に含有させても良いし,均一性を保てる限りにおいて,ある程度硬化させた透光性樹脂粉体と蛍光物質とを混合攪拌させ固めたタブレットを利用することもできる。
【0047】
次にポットを加熱後,上記で形成させたLEDチップと導通を取った基板が配置された金型に軟化させたタブレットを射出させ150℃5分で一時硬化させた。次に,金型から射出成形させた発光ダイオードを取り出した後,150℃4時間で二次硬化させた。蛍光物質が含有された透光性樹脂301は,LEDチップが配置された基板上に突出した形状で形成させることができた。」
(b)上記各記載から,甲第34号証には,蛍光物質,含窒素エポキシ樹脂であるトリグリシジルイソシアヌレート,酸無水物,及び硬化促進剤からタブレットを形成し,LEDチップと導通を取った基板が配置された金型に軟化させた前記タブレットを射出・硬化させて,蛍光物質が含有された透光性樹脂をLEDチップが配置された基板上に突出した形状で形成させることで,蛍光物質の含有量及び分布を均一とさせ発光特性の優れた,歩留りの高い発光ダイオードを提供することが記載されているといえる。

i 以上のとおり,甲第27号証ないし甲第34号証には,発光ダイオード等の発光半導体装置において,トリグリシジルイソシアヌレートを含むエポキシ樹脂及び酸無水物を用いる旨の記載がされてはいる。ここで,当該トリグリシジルイソシアヌレート等のエポキシ樹脂を用いることは,甲第27号証,甲第30号証及び甲第32号証に記載されているように,LEDチップからの光による封止樹脂の劣化を防止することを意図して,あるいは,甲第33号証及び甲第34号証に記載されているように,封止樹脂に混入された色変換部材(蛍光物質)が均一に分散することを意図してなされている。それゆえ,これらについては,LEDチップを封止する樹脂としてトリグリシジルイソシアヌレート等のエポキシ樹脂を使用するものである。また,甲第29号証及び甲第31号証に記載されたものについても,LEDチップを封止する樹脂としてトリグリシジルイソシアヌレート等のエポキシ樹脂を使用するものである。また,甲第28号証に記載されたものは,トリグリシジルイソシアヌレートを含むエポキシ樹脂を用いて,送受信する光信号の波長領域における反射率を10%以下とした樹脂枠体を構成するものである。
一方,甲13-2発明における「樹脂部材」は,「反射率が高い白色の樹脂から形成された」ものであって,半導体発光素子を覆うものではないのに対して,上記のとおり,甲第27号証ないし甲第34号証のいずれを見ても,トリグリシジルイソシアヌレートを含むエポキシ樹脂及び酸無水物を,発光素子(LEDチップ)を直接又は間接に被覆する樹脂材料として用いること,あるいは,送受信する光信号の波長領域における反射率を10%以下とした樹脂を用いることが記載されているにとどまり,甲13-2発明に係る「リードフレームが樹脂にインサート成型されることによって設けられ,反射率が高い白色の樹脂から形成された,半導体発光装置に用いられる樹脂部材」に用いることまでは記載されておらず,また,そのように用いることが甲第27号証ないし甲第34号証の記載から自明ともいえない。
よって,甲13-2発明において,相違点A31に係る構成を備えることは,当業者が容易になし得たこととはいえない。

(イ)上記(ア)のとおりであるから,仮に,《相違点A32》?《相違点A34》及び《相違点A37》と同様の相違点,並びに《相違点A310》の各点については当業者が適宜になし得たことであるとしても,《相違点A31》について当業者が容易になし得たとはいえない以上,訂正発明7は,甲13-2発明に基づいて,当業者が容易に発明することができたものとはいえない。

(5)訂正発明2ないし訂正発明19について
ア 訂正発明1を引用する訂正発明5及び訂正発明6は,訂正発明1に係る構成を全て含むものであるから,訂正発明5及び訂正発明6については,上記(4)アと同じ理由によって,甲13発明に基づいて,当業者が容易に発明することができたものとはいえない。
イ 独立形式で記載された訂正発明2,3,13,14及び17は,いずれも,《相違点A38》に係る「第2の樹脂成形体の表面は凹部の上面と一致」するとの構成,またはこれと同様の「第2の熱硬化性樹脂が凹部の上面まで滴下される」との構成を備えるから,上記(4)アと同様の理由によって,甲13発明に基づいて,当業者が容易に発明することができたものとはいえない。
また,独立形式で記載された訂正発明2を引用する,訂正発明4,15及び16についても同様である。
ウ 訂正発明7を引用する訂正発明10及び訂正発明11は,訂正発明7に係る構成を全て含むものであるから,訂正発明10及び訂正発明11については,上記(4)イと同じ理由によって,甲13-2発明に基づいて,当業者が容易に発明することができたものとはいえない。
エ 独立形式で記載された訂正発明8,9,12及び17は,いずれも,《相違点A31》と同様の「樹脂成形体は,トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてな」るとの構成を備えるから,上記(4)イと同様の理由によって,甲13-2発明に基づいて,当業者が容易に発明することができたものとはいえない。
また,独立形式で記載された訂正発明8を引用する,訂正発明18及び19についても,訂正発明8に係る構成を包含するから,同様に,甲13-2発明に基づいて,当業者が容易に発明することができたものとはいえない。

(6)無効理由3についてのまとめ
以上のとおりであるから,無効理由3によって,訂正発明1ないし19についての特許を無効とすることはできない。

5 無効理由4について
無効理由4は,甲第8号証を主たる引用刊行物とするものである。
(1)甲第8号証に記載された発明
ア 甲第8号証には以下の記載がある。
「【0026】
【発明の実施の形態】以下,本発明の一実施形態を図面により説明する。図1及び図2は本発明に係る表面実装型LEDの一実施形態を示している。このLEDは,電気絶縁樹脂(例えば,白色系のガラス入りエポキシ樹脂や白色系のガラス入りポリフタルアシド等のガラス転移温度110℃を有する高耐熱性ポリマー)からなる直方体形状のケーシング10を備えており,このケーシング10の上壁11には,収容部12が凹状に形成されている。この収容部12は,その開口部12aにてケーシング10の上壁11から外方に開口しており,この収容部12の底面12bは,上壁11に並行となっている。また,収容部12の内周面12cは,光反射効率を高めるため,開口部12aから底面12bにかけて末すぼまり状に傾斜している。
【0027】また,当該LEDは,金属材料からなる両板状リードフレーム20,30を備えており,これら両リードフレーム20,30は,図1にて示すような構成となるように,ケーシング10にインサート成形されている。なお,上記金属材料に代えて,導電性弾性材料(例えば,導電性バネ材料)により両リードフレーム20,30を形成してもよい。
【0028】ここで,リードフレーム20は,LEDのアノードを構成するもので,このリードフレーム20は,ケーシング10内にその一側側壁13から収容部12の底面12bに沿うように挿入されている。このリードフレーム20の内端部21は,収容部12内にその底面12bに沿って延出している。
【0029】一方,リードフレーム30は,LEDのカソードを構成するもので,このリードフレーム30は,ケーシング10内にその他側側壁15から収容部12の底面12bに沿うように挿入されている。このリードフレーム30の内端部31は,収容部12内にその底面12bに沿って延出しリードフレーム20の内端部21にケーシング10の隔壁14を介し対向している。また,隔壁14は,ケーシング10の収容部12の底面12bから両内端部21,31の間に突出形成されており,この隔壁14は,両リードフレーム20,30の各内端部21,31を相互に電気絶縁する役割を果たす。
【0030】また,リードフレーム20は,そのケーシング10の一側側壁13から外方へ延出する部分(以下,脚部22という)にて,当該一側側壁13からケーシング10の低壁16の図1にて図示左端部にかけて屈曲形成されており,このリードフレーム20は,その外端部22a(脚部22の先端部)にて,プリント基板等の配線板Pの配線部にはんだ付け22bされている。
【0031】一方,リードフレーム30は,そのケーシング10の他側側壁15から外方へ延出する部分(以下,脚部32という)にて,当該他側側壁15からケーシング10の低壁16の図1にて図示右端部にかけて屈曲形成されており,このリードフレーム30は,その外端部32a(脚部32の先端部)にて,配線板Pの他の配線部にはんだ付け32bされている。これにより,当該LEDは配線板Pに表面実装されている。なお,この両はんだ付け22b,32bによる表面実装は,フロー或いはリフローの処理によりなされている。
【0032】また,当該LEDは,LEDチップ40を備えており,このLEDチップ40は,収容部12内に収容されて,銀ペースト層50によりリードフレーム30の内端部31の表面に接着されている。当該LEDチップ40は,PN接合を形成する化合物半導体のチップを有しており,このLEDチップ40は,そのPN接合に順方向に電流を流すことで,収容部12の開口面側に向け発光する。なお,銀ペースト層50は,LEDチップ40の負極をリードフレーム30の内端部31に電気的に接続する役割を果たす。また,LEDチップ40は,その正極にて,金線41によりリードフレーム20の内端部21に電気的に接続されている。
【0033】また,収容部12内には,封止部材60が,封止用ポッティング樹脂(例えば,透明のエポキシ樹脂)の充填による熱硬化でもって形成されており,この封止部材60は,LEDチップ40,金線41及び両リードフレーム20,30の各内端部21,31を被覆するように収容部12内に封止している。」

ここで,図1は以下のものである

イ 甲8発明
前記アから,甲第8号証には,
「表面実装LEDであって,
白色系のガラス入りエポキシ樹脂からなる直方体形状のケーシング10を備えており,このケーシング10の上壁11には,収容部12が凹状に形成され,開口部12aにてケーシング10の上壁11から外方に開口しており,この収容部12の底面12bは,上壁11に並行となっており,収容部12の内周面12cは,光反射効率を高めるため,開口部12aから底面12bにかけて末すぼまり状に傾斜しており,
また,金属材料からなる両板状リードフレーム20,30を備えており,これら両リードフレーム20,30は,ケーシング10にインサート成形されており,
リードフレーム30は,LEDのカソードを構成するもので,このリードフレーム30は,ケーシング10内にその他側側壁15から収容部12の底面12bに沿うように挿入されおり,
リードフレーム30の内端部31は,収容部12内にその底面12bに沿って延出しリードフレーム20の内端部21にケーシング10の隔壁14を介し対向しており,隔壁14は,ケーシング10の収容部12の底面12bから両内端部21,31の間に突出形成されており,この隔壁14は,両リードフレーム20,30の各内端部21,31を相互に電気絶縁する役割を果たすものであり,
リードフレーム20は,そのケーシング10の一側側壁13から外方へ延出する部分である脚部22にて,当該一側側壁13からケーシング10の低壁16の一端部にかけて屈曲形成されており,
リードフレーム30は,そのケーシング10の他側側壁15から外方へ延出する部分である脚部32にて,当該他側側壁15からケーシング10の低壁16の他端部にかけて屈曲形成されており,
また,LEDチップ40を備えており,このLEDチップ40は,収容部12内に収容されて,銀ペースト層50によりリードフレーム30の内端部31の表面に接着されており,LEDチップ40は,その正極にて,金線41によりリードフレーム20の内端部21に電気的に接続されており,
収容部12内には,封止部材60が,封止用ポッティング樹脂である透明のエポキシ樹脂の充填による熱硬化でもって形成されており,この封止部材60は,LEDチップ40,金線41及び両リードフレーム20,30の各内端部21,31を被覆するように収容部12内に封止している,
表面実装LED。」
が記載されているものと認められる(以下「甲8発明」という。)。

(2)甲8発明と訂正発明1の対比
ア 甲8発明の,「LEDチップ40」,「LEDチップ40」が「銀ペースト層50により」「表面に接着されて」いる「リードフレーム30」,「LEDチップ40」「の正極」が「金線41により」「電気的に接続されて」いる「リードフレーム20」,「白色系のガラス入りエポキシ樹脂からなる直方体形状のケーシング10を備え」「金属材料からなる両板状リードフレーム20,30を備えており,これら両リードフレーム20,30」が「ケーシング10にインサート成形」されたもの,及び「封止部材60」であって「封止用ポッティング樹脂である透明のエポキシ樹脂の充填による熱硬化でもって形成され」たもの,及び「表面実装LED」は,それぞれ訂正発明1の,「発光素子」,「発光素子を載置するための第1のリード」,「発光素子と電気的に接続される第2のリード」,「第1のリードと発光素子と電気的に接続される第2のリードとを第1の熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる第1の樹脂成形体」,「第2の熱硬化性樹脂を用いて発光素子を被覆する第2の樹脂成形体」及び「表面実装型発光装置」に相当する。

イ 甲8発明の,「ケーシング10の上壁11には,収容部12が凹状に形成され,開口部12aにてケーシング10の上壁11から外方に開口しており,この収容部12の底面12bは,上壁11に並行となっており,収容部12の内周面12cは,光反射効率を高めるため,開口部12aから底面12bにかけて末すぼまり状に傾斜しており」,「リードフレーム30の内端部31は,収容部12内にその底面12bに沿って延出し」ていることは,訂正発明1の「第1の樹脂成形体は,底面と側面とを持つ凹部が形成されており,第1の樹脂成形体の凹部の底面から第1のリードが露出されて」いることに相当する。

ウ 甲8発明の,「リードフレーム30の内端部31は,収容部12内にその底面12bに沿って延出しリードフレーム20の内端部21にケーシング10の隔壁14を介し対向して」いるものは,訂正発明1の「第1の樹脂成形体は,凹部の底面である第1のリードと第2のリードとの間及び凹部の側面が同一の部材で形成されて」いることに相当する。

エ 甲8発明の,「白色系のガラス入りエポキシ樹脂からなる直方体形状のケーシング10」であることは,訂正発明1の「第1の樹脂成形体は,」「フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択され,反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合されて」いることとは,「第1の樹脂成形体は,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択される少なくとも1種が混合されて」いる点で一致する。

オ そうすると,甲8発明と訂正発明1とは,
「発光素子と,発光素子を載置するための第1のリードと発光素子と電気的に接続される第2のリードとを第1の熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる第1の樹脂成形体と,第2の熱硬化性樹脂を用いて発光素子を被覆する第2の樹脂成形体と,を有する表面実装型発光装置であって,
第1の樹脂成形体は,底面と側面とを持つ凹部が形成されており,第1の樹脂成形体の凹部の底面から第1のリードが露出されており,その露出部分に発光素子が載置されており,第1の樹脂成形体は,凹部の底面である第1のリードと第2のリードとの間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており,
第1の樹脂成形体は,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択される少なくとも1種が混合されている,
表面実装型発光装置。」
の点で一致する。

カ 一方,両者は,少なくとも以下の各点で相違する。
《相違点a》
訂正発明1は,「第1のリードの発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は,発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように,第1の樹脂成形体から露出されており,第2のリードの裏面側は,第1の樹脂成形体から露出されており,」「第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあ」る構成を備えるが,甲8発明は当該構成は備えない点。

《相違点b》
訂正発明1は,「凹部の底面を上方から見る平面視において,第1のリード及び第2のリードは,凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており,その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ,その凹凸に第1の樹脂成形体が接触して」いる構成を備えるが,甲8発明はそのような構成は備えない点。

《相違点c》
訂正発明1は「第1の樹脂成形体は,」「フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択され,反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合されて」いる構成を備えるが,甲8発明は,「第1の樹脂成形体は,フィラー,拡散剤,顔料,蛍光物質,反射性物質,遮光性物質からなる群から選択される少なくとも1種が混合され」ることに対応する構成は備えるものの,「反射性物質を必須とする」構成を備えていることまでは明らかでない点。

《相違点d》
訂正発明1は「第2の樹脂成形体は,第1の樹脂成形体と同様な等方性の熱膨張及び収縮挙動を有する」構成を備えるが,甲8発明が当該構成を備えることまでは明らかでない点。

(3)甲第1号証に記載された事項
甲第1号証には,前記2(1)および前記2(3)ア(ア)に摘示した事項が記載されている。

(4)判断
ア 相違点aについて
前記(1)に摘示したとおり,甲第8号証に示されたものにおいては,リードフレーム20,30の,LEDチップ40が接着された側とは反対側の面はケーシング10に覆われており,露出していない。
一方,甲第1号証には,前記2(3)ア(ア)に摘示したとおり,第1および第2のリードフレーム1,2の,金属体8側が,樹脂3から露出し金属体8により放熱する技術が記載されている。そして,一般に,半導体発光素子において,放熱は周知の課題といえるから,当該技術を甲8発明に適用することまでは,当業者が適宜になし得たことであるとはいえる。
しかしながら,甲第1号証に記載されたものは,前記2(3)ア(イ),同(ウ)で検討したとおり,相違点aに係る,「第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあ」る構成を備えるものではなく,また当該構成については,当業者が適宜になし得たことともいえない。
さらに,甲8発明においては,「リードフレーム20は,そのケーシング10の一側側壁13から外方へ延出する部分である脚部22にて,当該一側側壁13からケーシング10の低壁16の一端部にかけて屈曲形成されており,リードフレーム30は,そのケーシング10の他側側壁15から外方へ延出する部分である脚部32にて,当該他側側壁15からケーシング10の低壁16の他端部にかけて屈曲形成されて」いるものであるところ,当該構成に伴い,リードフレーム20,30の,LEDチップ40が接着された側とは反対側の面にあるケーシング10が一定の厚さを備える必要があるものであって,当該構成を変更する動機も見いだせない。

イ 従って,仮に相違点bないしdについては当業者が適宜になし得たことであるとしても,相違点aについて当業者が容易になし得たとはいえない以上,訂正発明1は,甲8発明に基づいて,当業者が容易に発明することができたものとはいえない。

(5)訂正発明2ないし訂正発明19について
ア 訂正発明1を引用する,訂正発明5及び訂正発明6は訂正発明1に係る構成を全て含むものであるから,訂正発明5及び訂正発明6については,上記(4)と同じ理由によって,甲8発明に基づいて,当業者が容易に発明することができたものとはいえない。

イ また,独立形式で記載された,訂正発明2,3,7?9,12?14及び17は,いずれも相違点aに係る「第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,第1の樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上にあ」る構成,またはこれと同様の「第1のリードの裏面側の全露出部分と,第2のリードの裏面側の全露出部分と,樹脂成形体の裏面側は,実質的に同一平面上」との構成を備えるから,上記(4)と同様の理由によって,甲8発明に基づいて,当業者が容易に発明することができたものとはいえない。
独立形式で記載された訂正発明2,3,7?9,12?14または17を引用する,訂正発明4,10,11,15,16,18および19についても同様である。

(6)無効理由4についてのまとめ
以上のとおりであるから,無効理由4によって,訂正発明1ないし19についての特許を無効とすることはできない。

6 無効理由5について
前記1においても述べたように,前記第3 2「訂正の適否」で検討したとおり,本件訂正請求は認められたところ,本件訂正により本件発明7,8,12及び13にあった「等方性である」あるいは「等方性の」は,いずれも「等方性の熱膨張及び収縮挙動を有する」と訂正されたので,無効理由5は解消された。
よって,無効理由5によって,訂正発明7?13及び17?19(本件発明7?13に対応)についての特許を無効とすることはできない。

7 無効理由6について
前記1においても述べたように,前記第3 2「訂正の適否」で検討したとおり,本件訂正請求は認められたところ,本件訂正により本件発明7,8,12及び13にあった「等方性である」あるいは「等方性の」は,いずれも「等方性の熱膨張及び収縮挙動を有する」と訂正されたので,無効理由6は解消された。
よって,無効理由6によって,訂正発明1ないし19についての特許を無効とすることはできない。

第8 むすび
以上のとおりであって,請求人が主張する無効理由1ないし無効理由6によっては,訂正発明1ないし19についての特許を無効とすることはできない。


審判に関する費用については,特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により,請求人が負担すべきものとする。
よって,結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と、発光素子を載置するための第1のリードと発光素子と電気的に接続される第2のリードとを第1の熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる第1の樹脂成形体と、第2の熱硬化性樹脂を用いて発光素子を被覆する第2の樹脂成形体と、を有する表面実装型発光装置であって、
発光素子は、発光波長が450nm以上475nm以下であり、
第1の樹脂成形体は、底面と側面とを持つ凹部が形成されており、第1の樹脂成形体の凹部の底面から第1のリードが露出されており、その露出部分に発光素子が載置されており、第1の樹脂成形体は、凹部の底面である第1のリードと第2のリードとの間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており、
第1のリードの発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は、発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように、第1の樹脂成形体から露出されており、
第2のリードの裏面側は、第1の樹脂成形体から露出されており、
第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており、
第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており、
第1のリードの裏面側の全露出部分と、第2のリードの裏面側の全露出部分と、第1の樹脂成形体の裏面側は、実質的に同一平面上にあり、
凹部の底面を上方から見る平面視において、第1のリード及び第2のリードは、凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており、その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ、その凹凸に第1の樹脂成形体が接触しており、
第1の樹脂成形体は、トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり、フィラー、拡散剤、顔料、蛍光物質、反射性物質、遮光性物質からなる群から選択され、反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合されており、
第2の樹脂成形体は、シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用いてなり、フィラー、拡散剤、顔料、蛍光物質、反射性物質からなる群から選択され、蛍光物質を必須とする少なくとも1種が混合されており、
第2の樹脂成形体の表面は凹部の上面と一致し、
第2の樹脂成形体は、第1の樹脂成形体と同様な等方性の熱膨張及び収縮挙動を有することを特徴とする表面実装型発光装置。
【請求項2】
発光素子と、発光素子を載置するための第1のリードと発光素子と電気的に接続される第2のリードとを熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる第1の樹脂成形体と、熱硬化性樹脂を用いて発光素子を被覆する第2の樹脂成形体と、を有する表面実装型発光装置であって、
発光素子は、発光波長が450nm以上475nm以下であり、
第1のリードは第1のインナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており、第1のインナーリード部は発光素子が載置されており、かつ、発光素子が持つ第1の電極と電気的に接続されており、並びに第1のアウターリード部は第1の樹脂成形体から露出されており、
第2のリードは第2のインナーリード部と第2のアウターリード部とを有しており、第2のインナーリード部は発光素子が持つ第2の電極と電気的に接続されており、並びに第2のアウターリード部は第1の樹脂成形体から露出されており、
第1の樹脂成形体は、底面と側面とを持つ凹部が形成されており、第1の樹脂成形体の凹部の底面から第1のインナーリード部が露出されており、その露出部分に発光素子が載置されており、
第1の樹脂成形体は、凹部の底面である第1のインナーリード部と第2のインナーリード部との間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており、
第1のインナーリード部の発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は、発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように第1の樹脂成形体から露出されており、
第2のインナーリード部の裏面側は、第1の樹脂成形体から露出されており、
第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており、
第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており、
第1のリードの裏面側の全露出部分と、第2のリードの裏面側の全露出部分と、第1の樹脂成形体の裏面側は、実質的に同一平面上にあり、
凹部の底面を上方から見る平面視において、第1のリード及び第2のリードは、凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており、その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ、その凹凸に第1の樹脂成形体が接触しており、
第1の樹脂成形体は、トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり、フィラー、拡散剤、顔料、蛍光物質、反射性物質、遮光性物質からなる群から選択され、反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合されており、発光素子から出射された光は、第1の樹脂成形体の凹部の底面及び側面に照射され、反射し、
第2の樹脂成形体は、シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用いてなり、フィラー、拡散剤、顔料、蛍光物質、反射性物質からなる群から選択され、蛍光物質を必須とする少なくとも1種が混合されており、
第2の樹脂成形体の表面は凹部の上面と一致し、
第2の樹脂成形体は、第1の樹脂成形体と同様な等方性の熱膨張及び収縮挙動を有することを特徴とする表面実装型発光装置。
【請求項3】
発光素子と、発光素子を載置するための第1のリードと発光素子と電気的に接続される第2のリードとを第1の熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる第1の樹脂成形体と、第2の熱硬化性樹脂を用いて発光素子を被覆する第2の樹脂成形体と、を有する表面実装型発光装置であって、
発光素子は、発光波長が450nm以上475nm以下であり、
第1の樹脂成形体は、底面と側面とを持つ凹部が形成されており、第1の樹脂成形体の凹部の底面から第1のリードが露出されており、その露出部分に発光素子が載置されており、第1の樹脂成形体は、凹部の底面である第1のリードと第2のリードとの間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており、
第1のリードの発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は、発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように、第1の樹脂成形体から露出されており、
第2のリードの裏面側は、第1の樹脂成形体から露出されており、
第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており、
第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており、
第1のリードの裏面側の全露出部分と、第2のリードの裏面側の全露出部分と、第1の樹脂成形体の裏面側は、実質的に同一平面上にあり、
第1のリード及び第2のリードは平板状であり、
凹部の底面を上方から見る平面視において、第1のリード及び第2のリードは、凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており、その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ、その凹凸に第1の樹脂成形体が接触しており、
第1の樹脂成形体は、トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり、フィラー、拡散剤、顔料、蛍光物質、反射性物質、遮光性物質からなる群から選択され、反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合されており、発光素子から出射された光は、第1の樹脂成形体の凹部の底面及び側面に照射され、反射し、
第2の樹脂成形体は、シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用いてなり、フィラー、拡散剤、顔料、蛍光物質、反射性物質からなる群から選択され、蛍光物質を必須とする少なくとも1種が混合されており、
第2の樹脂成形体の表面は凹部の上面と一致し、
蛍光物質は、凹部の底面側に沈降しており、
第2の樹脂成形体は、第1の樹脂成形体と同様な等方性の熱膨張及び収縮挙動を有することを特徴とする表面実装型発光装置。
【請求項4】
第1のインナーリード部の裏面側の露出部分は、放熱部材が接触するように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の表面実装型発光装置。
【請求項5】
凹部は、開口方向に広口となる傾斜が設けられ、凹部の傾斜角度は、底面から測定して95°以上150°以下であることを特徴とする請求項1に記載の表面実装型発光装置。
【請求項6】
第1の樹脂成形体には、酸化チタン顔料が混合されることを特徴とする請求項1に表面実装型発光装置。
【請求項7】
第1のリードと第2のリードとを熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる表面実装型発光装置用の樹脂成形体であって、
樹脂成形体は、底面と側面とを持ち、シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂の配置領域となる凹部が形成されており、樹脂成形体の凹部の底面から第1のリード及び第2のリードが露出されており、
その露出部分の第1のリードに発光波長が450nm以上475nm以下である発光素子の載置領域が含まれ、第1のリードの発光素子が載置される領域の主面側と反対の裏面側は、表面実装型発光装置としたときに発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように、樹脂成形体から露出されており、
その露出部分の第2のリードの裏面側は、樹脂成形体から露出されており、
第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており、
第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており、
第1のリードの裏面側の全露出部分と、第2のリードの裏面側の全露出部分と、樹脂成形体の裏面側は、実質的に同一平面上にあり、
樹脂成形体は、凹部の底面である第1のリードと第2のリードとの間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており、
凹部の底面を上方から見る平面視において、第1のリード及び第2のリードは、凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており、その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ、その凹凸に樹脂成形体が接触しており、
樹脂成形体は、トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり、フィラー、拡散剤、顔料、蛍光物質、反射性物質、遮光性物質からなる群から選択され、反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合されており、
樹脂成形体は等方性の熱膨張及び収縮挙動を有することを特徴とする樹脂成形体。
【請求項8】
第1のリードと第2のリードとを熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる表面実装型発光装置用の樹脂成形体であって、
第1のリードは第1のインナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており、第1のインナーリード部は樹脂成形体中に配置されており、第1のアウターリード部は樹脂成形体から露出されており、
第2のリードは第2のインナーリード部と第2のアウターリード部とを有しており、第2のインナーリード部は樹脂成形体に配置されており、第2のアウターリード部は樹脂成形体から外部に露出されており、
樹脂成形体は、底面と側面とを持ち、シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂の配置領域となる凹部が形成されており、樹脂成形体の凹部の底面から第1のインナーリード部及び第2のインナーリード部が露出されており、
凹部の底面から露出されている第1のインナーリード部に発光波長が450nm以上475nm以下である発光素子の載置領域が含まれ、
発光素子が載置される領域の主面側と反対の第1のインナーリード部の裏面側は、表面実装型発光装置としたときに発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように、樹脂成形体から露出されており、
凹部の底面から露出されている第2のインナーリード部の裏面側は樹脂成形体から露出されており、
第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており、
第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており、
第1のリードの裏面側の全露出部分と、第2のリードの裏面側の全露出部分と、樹脂成形体の裏面側は、実質的に同一平面上にあり、
樹脂成形体は、凹部の底面である第1のインナーリード部と第2のインナーリード部との間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており、
凹部の底面を上方から見る平面視において、第1のリード及び第2のリードは、凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており、その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ、その凹凸に樹脂成形体が接触しており、
樹脂成形体は、トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり、フィラー、拡散剤、顔料、蛍光物質、反射性物質、遮光性物質からなる群から選択され、反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合されており、発光素子から出射される光は、樹脂成形体の凹部の底面及び側面に照射され、反射し、
樹脂成形体は等方性の熱膨張及び収縮挙動を有することを特徴とする樹脂成形体。
【請求項9】
第1のリードと第2のリードとを熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる表面実装型発光装置用の樹脂成形体であって、
樹脂成形体は、底面と側面とを持ち、シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂の配置領域となる凹部が形成されており、樹脂成形体の凹部の底面から第1のリード及び第2のリードが露出されており、
その露出部分の第1のリードに発光波長が450nm以上475nm以下である発光素子の載置領域が含まれ、第1のリードの発光素子が載置される領域の主面側と反対の裏面側は、表面実装型発光装置としたときに発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように、樹脂成形体から露出されており、
その露出部分の第2のリードの裏面側は、樹脂成形体から露出されており、
第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており、
第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており、
第1のリードの裏面側の全露出部分と、第2のリードの裏面側の全露出部分と、樹脂成形体の裏面側は、実質的に同一平面上にあり、
第1のリード及び第2のリードは平板状であり、
樹脂成形体は、凹部の底面である第1のリードと第2のリードとの間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており、
凹部の底面を上方から見る平面視において、第1のリード及び第2のリードは、凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており、その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ、その凹凸に樹脂成形体が接触しており、
樹脂成形体は、トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり、フィラー、拡散剤、顔料、蛍光物質、反射性物質、遮光性物質からなる群から選択され、反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合されており、発光素子から出射される光は、樹脂成形体の凹部の底面及び側面に照射され、反射し、
樹脂成形体は等方性の熱膨張及び収縮挙動を有することを特徴とする樹脂成形体。
【請求項10】
熱硬化性樹脂には、酸化チタン顔料が混合されることを特徴とする請求項7に記載の樹脂成形体。
【請求項11】
凹部は、開口方向に広口となる傾斜が設けられ、凹部の傾斜角度は、底面から測定して95°以上150°以下であることを特徴とする請求項7に記載の樹脂成形体。
【請求項12】
第1のリードと第2のリードとを熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる、底面と側面とを持ち、シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂の配置領域となる凹部が形成されている等方性の熱膨張及び収縮挙動を有する、表面実装型発光装置用の樹脂成形体の製造方法であって、
上金型は樹脂成形体の凹部に相当する凹みを形成しており、第1のリードは第1のインナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており、第2のリードは第2のインナーリード部と第2のアウターリード部とを有しており、凹部の底面を上方から見る平面視において、第1のリード及び第2のリードは、凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており、その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされており、
樹脂成形体の凹部の底面に相当する発光波長が450nm以上475nm以下である発光素子の載置領域を含む第1のインナーリード部と第2のインナーリード部並びに第1のアウターリード部と第2のアウターリード部は、第1のインナーリード部の発光素子の載置領域の裏面側を、表面実装型発光装置としたときに発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱させるため、樹脂成形体から露出させるように、上金型と下金型とで挟み込まれる第1の工程と、
上金型と下金型とで挟み込まれた凹み部分に、トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用い、フィラー、拡散剤、顔料、蛍光物質、反射性物質、遮光性物質からなる群から選択され、反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合された熱硬化性樹脂をトランスファ・モールド工程により流し込まれる第2の工程と、
樹脂成形体の凹部の底面である第1のインナーリード部と第2のインナーリード部との間及び樹脂成形体の凹部の側面に流し込まれた、並びに第1のリード及び第2のリードの凹凸に接触するように流し込まれた熱硬化性樹脂は加熱して硬化され、第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており、第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており、第1のリードの裏面側の全露出部分と、第2のリードの裏面側の全露出部分と、樹脂成形体の裏面側は、実質的に同一平面上にあるように、樹脂成形体が成形される第3の工程と、を有する樹脂成形体の製造方法。
【請求項13】
第1のリードと第2のリードとを第1の熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる、底面と側面とを持つ凹部が形成されている等方性の熱膨張及び収縮挙動を有する第1の樹脂成形体と、第1のリードに載置される発光素子と、第2の熱硬化性樹脂を用いて発光素子を被覆する第2の樹脂成形体と、を有する表面実装型発光装置の製造方法であって、
上金型は第1の樹脂成形体の凹部に相当する凹みを形成しており、第1のリードは第1のインナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており、第2のリードは第2のインナーリード部と第2のアウターリード部とを有しており、凹部の底面を上方から見る平面視において、第1のリード及び第2のリードは、凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており、その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされており、
第1の樹脂成形体の凹部の底面に相当する発光波長が450nm以上475nm以下である発光素子の載置領域を含む第1のインナーリード部と第2のインナーリード部並びに第1のアウターリード部と第2のアウターリード部は、第1のインナーリード部の発光素子の載置領域の裏面側を、表面実装型発光装置としたときに発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱させるため、第1の樹脂成形体から露出させるように、上金型と下金型とで挟み込まれる第1の工程と、
上金型と下金型とで挟み込まれた凹み部分に、トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用い、フィラー、拡散剤、顔料、蛍光物質、反射性物質、遮光性物質からなる群から選択され、反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合された第1の熱硬化性樹脂がトランスファ・モールド工程により流し込まれる第2の工程と、
第1の樹脂成形体の凹部の底面である第1のインナーリード部と第2のインナーリード部との間及び第1の樹脂成形体の凹部の側面に流し込まれた、並びに第1のリード及び第2のリードの凹凸に接触するように流し込まれた第1の熱硬化性樹脂は加熱して硬化され、第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており、第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており、第1のリードの裏面側の全露出部分と、第2のリードの裏面側の全露出部分と、第1の樹脂成形体の裏面側は、実質的に同一平面上にあるように、第1の樹脂成形体が成形される第3の工程と、
上金型が取り外される第4の工程と、
発光素子は第1のインナーリード部に載置されるとともに、発光素子が持つ第1の電極と第1のインナーリード部とが電気的に接続され、発光素子が持つ第2の電極と第2のインナーリード部とが電気的に接続される第5の工程と、
発光素子が載置された凹部内にシリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用い、フィラー、拡散剤、顔料、蛍光物質、反射性物質からなる群から選択され、蛍光物質を必須とする少なくとも1種が混合された第2の熱硬化性樹脂が凹部の上面まで滴下される第6の工程と、
第2の熱硬化性樹脂は加熱して硬化され、第2の樹脂成形体が成形される第7の工程と、を有する表面実装型発光装置の製造方法。
【請求項14】
発光波長が450nm以上475nm以下である発光素子と、発光素子を載置するための第1のリードと発光素子と電気的に接続される第2のリードとを熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる第1の樹脂成形体と、熱硬化性樹脂を用いて発光素子を被覆する第2の樹脂成形体と、を有する表面実装型発光装置であって、
第1のリードは第1のインナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており、第1のインナーリード部は発光素子が載置されており、かつ、発光素子が持つ第1の電極と電気的に接続されており、並びに第1のアウターリード部は第1の樹脂成形体から露出されており、
第2のリードは第2のインナーリード部と第2のアウターリード部とを有しており、第2のインナーリード部は発光素子が持つ第2の電極と電気的に接続されており、並びに第2のアウターリード部は第1の樹脂成形体から露出されており、
第1の樹脂成形体は、底面と側面とを持つ凹部が形成されており、第1の樹脂成形体の凹部の底面から第1のインナーリード部が露出されており、その露出部分に発光素子が載置されており、
第1の樹脂成形体は、凹部の底面である第1のインナーリード部と第2のインナーリード部との間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており、
第1のインナーリード部の発光素子が載置されている領域の主面側と反対の裏面側は、発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように第1の樹脂成形体から露出されており、
第2のインナーリード部の裏面側は、第1の樹脂成形体から露出されており、
第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており、
第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており、
第1のリードの裏面側の全露出部分と、第2のリードの裏面側の全露出部分と、第1の樹脂成形体の裏面側は、実質的に同一平面上にあり、
第1のリード及び第2のリードは平板状であり、
凹部の底面を上方から見る平面視において、第1のリード及び第2のリードは、凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており、その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ、その凹凸に第1の樹脂成形体が接触しており、
第1の樹脂成形体は、トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり、フィラー、拡散剤、顔料、蛍光物質、反射性物質、遮光性物質からなる群から選択され、反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合され、
第2の樹脂成形体は、シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂を用いてなり、フィラー、拡散剤、顔料、蛍光物質、反射性物質からなる群から選択され、蛍光物質を必須とする少なくとも1種が混合されており、
第2の樹脂成形体の表面は凹部の上面と一致し、
蛍光物質は、凹部の底面側に沈降しており、
第2の樹脂成形体は、第1の樹脂成形体と同様な等方性の熱膨張及び収縮挙動を有することを特徴とする表面実装型発光装置。
【請求項15】
凹部は、開口方向に広口となる傾斜が設けられ、凹部の傾斜角度は、底面から測定して95°以上150°以下であることを特徴とする請求項2に記載の表面実装型発光装置。
【請求項16】
第1の樹脂成形体には、酸化チタン顔料が混合されることを特徴とする請求項2に記載の表面実装型発光装置。
【請求項17】
第1のリードと第2のリードとを熱硬化性樹脂を用いて一体成形してなる表面実装型発光装置用の樹脂成形体であって、
第1のリードは第1のインナーリード部と第1のアウターリード部とを有しており、第1のインナーリード部は樹脂成形体中に配置されており、第1のアウターリード部は樹脂成形体から露出されており、
第2のリードは第2のインナーリード部と第2のアウターリード部とを有しており、第2のインナーリード部は樹脂成形体に配置されており、第2のアウターリード部は樹脂成形体から外部に露出されており、
樹脂成形体は、底面と側面とを持ち、シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂の配置領域となる凹部が形成されており、樹脂成形体の凹部の底面から第1のインナーリード部及び第2のインナーリード部が露出されており、
凹部の底面から露出されている第1のインナーリード部に発光波長が450nm以上475nm以下である発光素子の載置領域が含まれ、
発光素子が載置される領域の主面側と反対の第1のインナーリード部の裏面側は、表面実装型発光装置としたときに発光素子からの熱を最短距離で外部に放熱できるように、樹脂成形体から露出されており、
凹部の底面から露出されている第2のインナーリード部の裏面側は樹脂成形体から露出されており、
第1のリードの裏面側の全露出部分が連続しており、
第2のリードの裏面側の全露出部分が連続しており、
第1のリードの裏面側の全露出部分と、第2のリードの裏面側の全露出部分と、樹脂成形体の裏面側は、実質的に同一平面上にあり、
第1のリード及び第2のリードは平板状であり、
樹脂成形体は、凹部の底面である第1のインナーリード部と第2のインナーリード部との間及び凹部の側面が同一の部材で形成されており、
凹部の底面を上方から見る平面視において、第1のリード及び第2のリードは、凹部の底面から外側に互いに反対の方向に延びており、その延びる方向に沿って延在する側面が凹凸を有する形状とされ、その凹凸に樹脂成形体が接触しており、
樹脂成形体は、トリグリシジルイソシアヌレートを有するエポキシ樹脂と酸無水物とを用いてなり、フィラー、拡散剤、顔料、蛍光物質、反射性物質、遮光性物質からなる群から選択され、反射性物質を必須とする少なくとも1種が混合されており、
樹脂成形体は等方性の熱膨張及び収縮挙動を有することを特徴とする樹脂成形体。
【請求項18】
熱硬化性樹脂には、酸化チタン顔料が混合されることを特徴とする請求項8に記載の樹脂成形体。
【請求項19】
凹部は、開口方向に広口となる傾斜が設けられ、凹部の傾斜角度は、底面から測定して95°以上150°以下であることを特徴とする請求項8に記載の樹脂成形体。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2018-04-03 
結審通知日 2018-04-06 
審決日 2018-05-07 
出願番号 特願2008-182468(P2008-182468)
審決分類 P 1 113・ 537- YAA (H01L)
P 1 113・ 113- YAA (H01L)
P 1 113・ 121- YAA (H01L)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 森 竜介
特許庁審判官 近藤 幸浩
恩田 春香
登録日 2013-05-10 
登録番号 特許第5262374号(P5262374)
発明の名称 樹脂成形体及び表面実装型発光装置並びにそれらの製造方法  
代理人 松本 優子  
代理人 柳橋 泰雄  
代理人 川田 秀美  
代理人 柳橋 泰雄  
代理人 矢田 歩  
代理人 川田 秀美  
代理人 宮原 正志  
代理人 鮫島 睦  
代理人 宮原 正志  
代理人 大石 敏弘  
代理人 松本 優子  
代理人 鮫島 睦  
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