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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  D06F
審判 全部無効 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  D06F
審判 全部無効 1項1号公知  D06F
審判 全部無効 1項3号刊行物記載  D06F
審判 全部無効 1項2号公然実施  D06F
管理番号 1342251
審判番号 無効2017-800063  
総通号数 225 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-09-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2017-05-10 
確定日 2018-06-18 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第5700801号発明「物干し用ハンガー」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第5700801号の明細書及び特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-5〕について訂正することを認める。 請求項1-4に係る発明についての本件審判の請求は、成り立たない。 請求項5についての本件審判の請求を却下する。 審判に関する費用については、請求人の負担とする。 
理由 第1.手続の経緯
本件に係る主な手続の経緯を以下に示す。
平成23年 2月17日 本件特許出願(特願2011-31491号)
平成27年 2月27日 設定登録(特許第5700801号)
平成29年 5月10日 本件審判請求
平成29年 6月28日 答弁書・訂正の請求
平成29年 8月 9日付け 指令書
平成29年 12月18日付け 指令書
平成30年 1月 9日 弁駁書
平成30年 2月 5日付け 審理事項通知(1)
平成30年 2月20日 被請求人口頭審理陳述要領書(1)
平成30年 2月21日 請求人口頭審理陳述要領書(1)
平成30年 3月 1日付け 審理事項通知(2)
平成30年 3月13日 請求人口頭審理陳述要領書(2)
平成30年 3月13日 被請求人口頭審理陳述要領書(2)、(3)
平成30年 3月13日 第1回口頭審理

以下、「審判請求書」を「請求書」と略記し、「口頭審理陳述要領書」を「要領書」と略記する。また、「甲第1号証」等、「乙第1号証」等をそれぞれ「甲1」等、「乙1」等と略記する。

第2.当事者の主張の要旨及び証拠方法
1.請求人の主張の要旨及び証拠方法
(1)請求人の主張の要旨
請求人は、特許第5700801号の請求項1乃至5に記載された発明についての特許を無効とする、審判費用は被請人の負担とする、との審決を求めている。

(2)審判請求書に記載された無効理由
請求人の主張の全趣旨からみて、審判請求書に記載された請求人が主張する無効理由は以下のとおりであり、これについて当事者間に争いはない。(審理事項通知(2)の「第3.」、請求人要領書(2)の「第3.」、被請求人要領書(2)の「第3.」)
なお、無効理由1-2、1-3、2-2、2-3、3-2、3-3、4-2、4-3及び6については、請求人により撤回された(第1回口頭審理調書の「請求人欄」の「3」)。
《無効理由1-1》
本件特許の請求項1及び2に係る発明は、甲1-9-2及び甲1-9-3に示された形状及び構造等を有する発明(以下、「甲1-9発明」という。)であって、甲1-1?甲1-8からみて、本件特許の出願前に日本国内又は外国において公然知られたことが明らかな発明であり、特許法第29条第1項第1号に該当するから、その特許は、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。
訂正後の請求項1及び2に係る発明についても同様である。
《無効理由2-1》
本件特許の請求項1及び2に係る発明は、甲1-9発明であって、甲1-1?甲1-8からみて、本件特許の出願前に日本国内又は外国において公然実施をされたことが明らかな発明であり、特許法第29条第1項第2号に該当するから、その特許は、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。
訂正後の請求項1及び2に係る発明についても同様である。
《無効理由3-1》
本件特許の請求項1及び2に係る発明は、甲1-1?甲1-8からみて、本件特許の出願前に日本国内又は外国において頒布されたことが明らかである、甲1-9-3に記載された発明(以下、「甲1-9-3発明」という。)であり、特許法第29条第1項第3号に該当するから、その特許は、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。
訂正後の請求項1及び2に係る発明についても同様である。
《無効理由4-1》
本件特許の請求項1ないし5に係る発明は、甲1-1?甲1-8からみて、本件特許の出願前に日本国内又は外国において頒布されたことが明らかである、甲1-9-3発明及び甲2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明することができたものであり、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。
訂正後の請求項1ないし4に係る発明についても同様である。
《無効理由5》
本件特許の請求項2の「係止開口部の小さな開口部の側部に係止突部を突設し」との記載は、図5の記載と整合しておらず、また、掛止材を係止突部にどのように引っ掛けて掛止するのか不明確であり、その特許は、特許法第36条第6項第2号の規定に違反してされたものであるから、同法第123条第1項第4号に該当し、無効とすべきものである。
訂正後の請求項1の記載についても同様である。

(3)証拠方法
請求人は、請求書に添付して、下記の甲1、甲2を提出した。
甲1は、甲1-1?甲1-8、甲1-9-1、甲1-9-2、甲1-9-3、甲1-10、甲1-11の13件に区分される証拠から構成される。
甲1-1?甲1-8、甲1-10、甲1-11の区分については、請求書に添付された甲1に記入されているとおり。
甲1-9-1、甲1-9-2、甲1-9-3の区分については、以下のとおりである。
また、「甲1-9-1、甲1-9-2、甲1-9-3」を総称して「甲1-9」という。
なお、甲1-10、甲1-11に係る書証の申出は請求人により撤回された(第1回口頭審理調書の「請求人欄」の「2」)。

甲1-1:「スーパーはぼきのエヌケーグループ」、[online]、エヌケーグループ販売株式会社、楽天株式会社(以下、「楽天」という。)の販売ページ、インターネット<URL:http://www.rakuten.co.jp/su-pa-haboki/info.html>
甲1-2:「引っぱリンガー NSA-HRI-4980-A1」、[online]、エヌケーグループ、楽天の販売ページ、インターネット
甲1-3:「スーパーはぼきのエヌケーグループ」、[online]、エヌケーグループ販売株式会社、アマゾンジャパン合同会社(以下、「アマゾン」という。)の販売ページ、インターネット
甲1-4:「スーパーはぼきのエヌケーグループのストア」、[online]、エヌケーグループ、アマゾンの販売ページ、インターネット
甲1-5:「NKグループ販売 長く長く使える 引っぱリンガー 44ピンチNSA-37」、[online]、NKグループ販売、アマゾンの販売ページ、インターネット
甲1-6:「NSA-37」、[online]、エヌケーグループ販売、アマゾンの販売ページ、インターネット<URL:https://www.amazon.co.jp/NKグループ販売>
甲1-7:「引っぱリンガー NSA-HRI-4980-A1」、[online]、エヌケーグループ、楽天の販売ページ、インターネット
甲1-8:「引っぱリンガー 44ピンチNSA-37」、[online]、NKグループ販売、アマゾンの販売ページ、インターネット
甲1-9-1(甲1の9、10頁):中澤昭彦、「請求人代理人中澤昭彦が平成29年4月22日に購入した実際の商品のパッケージ表面の写し」、平成29年4月30日
甲1-9-2(甲1の11?13頁):中澤昭彦、「請求人代理人中澤昭彦が平成29年4月22日に購入した実際の商品の一部を撮影した写真」、平成29年4月30日
甲1-9-3(甲1の14頁):中澤昭彦、「請求人代理人中澤昭彦が平成29年4月22日に購入した実際の商品のパッケージに同封されていた取扱説明書(組立手順)の写し」、平成29年4月30日
甲2:実開平2-99542号公報

2.被請求人の主張の要旨及び証拠方法
(1)被請求人の主張の要旨
被請求人は、「本件特許無効審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする」との審決を求めている。
(2)証拠方法
被請求人は、答弁書に添付して乙1、2を、被請求人要領書(2)に添付して乙3を、被請求人要領書(3)に添付して乙4-1?乙5-3を提出した。

乙1:森本邦章、「訂正特許発明の商品化したハンガー枠体の係止開口部の拡大写真」、平成29年6月10日
乙2:森本邦章、「訂正特許発明の商品化した吊り下げ具の拡大写真」、平成29年6月10日
乙3:森本邦章、「森本邦章の問い合わせに対するアマゾンカスタマーサービスよりの回答」、平成30年2月7日
乙4-1:商品名「引っぱリンガー(大)」、商品コード「NSA-37」の商品説明書の表面写真
乙4-2:商品名「引っぱリンガー(大)」、商品コード「NSA-37」の商品説明書の裏面写真
乙4-3:商品名「引っぱリンガー(大)」、商品コード「NSA-37」の商品説明書の拡大写真
乙5-1:商品名「引っぱリンガー」、商品コード「NSA-HRI-4980-A1」の商品説明書の表面写真
乙5-2:商品名「引っぱリンガー」、商品コード「NSA-HRI-4980-A1」の商品説明書の裏面表面
乙5-3:商品名「引っぱリンガー」、商品コード「NSA-HRI-4980-A1」の商品説明書の拡大写真

第3.訂正の請求について
1.訂正の内容
平成29年6月28日の訂正の請求による訂正は、「特許第5700801号の特許請求の範囲、明細書を本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲、訂正明細書のとおり、訂正後の請求項1?5について訂正することを求める」ものであり、その訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、本件特許に係る願書に添付した特許請求の範囲及び明細書を、次のように訂正するものである(下線は訂正箇所を示す。)。
(1)訂正事項1
本件訂正前の請求項1に「上記吊り下げ具の上部の係止頭部を上記係止開口部の大きな開口部に斜め状に挿入して、吊り下げ具の係止頭部を支点、首部を作用点、下部を力点として吊り下げ具をてこ作用でその係止頭部を首部を介して小さな開口部に移動自在として係止開口部の小さな開口部の段落部に嵌脱自在として吊り下げるように形成したことを特徴とする物干し用ハンガー。」とあるのを、
「上記吊り下げ具の上部の係止頭部を上記係止開口部の大きな開口部に斜め状に挿入して、吊り下げ具の係止頭部を支点、首部を作用点、下部を力点として吊り下げ具をてこ作用でその係止頭部を首部を介して小さな開口部に移動自在として係止開口部の小さな開口部の段落部に嵌脱自在として吊り下げるように形成していて、
上記係止開口部の小さな開口部の側部に係止突部を突設または掛止開口部を開口し、吊り下げ具の係止頭部に上記係止突部に引っ掛けて掛止する脱落防止用の掛止材または上記掛止開口部に挿入して掛止する脱落防止用の開口掛止材を設けたことを特徴とする物干し用ハンガー。」に訂正する。

(2)訂正事項2
本件訂正前の請求項2に「上記係止開口部の小さな開口部の側部に係止突部を突設し、吊り下げ具の係止頭部に上記係止突部に引っ掛けて掛止する脱落防止用の掛止材を設けた請求項1に記載の物干し用ハンガー。」とあるのを、
「上記係止開口部の小さな開口部の両側部に係止突部を突設し、吊り下げ具の係止頭部の両側にそれぞれ突き出して上記両側部の係止突部に引っ掛けて掛止する脱落防止用の掛止材を設けた請求項1に記載の物干し用ハンガー。」に訂正する。

(3)訂正事項3
本件訂正前の請求項3に「上記係止開口部の小さな開口部の側部に係止突部を突設し、吊り下げ具の係止頭部に上記係止突部に嵌脱する脱落防止用の嵌脱掛止部を設けた請求項1または2に記載の物干し用ハンガー。」とあるのを、
「上記係止開口部の小さな開口部の側部に係止突部を突設し、吊り下げ具の係止頭部に上記係止突部に嵌脱する脱落防止用の鉤状やフック状の嵌脱掛止部の掛止材を設けた請求項1に記載の物干し用ハンガー。」に訂正する。

(4)訂正事項4
本件訂正前の請求項4に「上記係止開口部の小さな開口部の側部に掛止開口部を開口し、吊り下げ具の係止頭部に上記掛止開口部に挿入して掛止する脱落防止用の開口掛止材を設けた請求項1に記載の物干し用ハンガー。」とあるのを、
「上記係止開口部の小さな開口部の側部に掛止開口部を開口し、吊り下げ具の係止頭部に上記掛止開口部に挿入して掛止する脱落防止用の鉤状やフック状の開口掛止材を設けた請求項1に記載の物干し用ハンガー。」に訂正する。

(5)訂正事項5
本件訂正前の請求項5を削除する。

(6)訂正事項6
本件訂正前の明細書の段落0007に「上記吊り下げ具の上部の係止頭部を上記係止開口部の大きな開口部に斜め状に挿入して、吊り下げ具の係止頭部を支点、首部を作用点、下部を力点として吊り下げ具をてこ作用でその係止頭部を首部を介して小さな開口部に移動自在として係止開口部の小さな開口部の段落部に嵌脱自在として吊り下げるように形成したことを特徴とする物干し用ハンガーを提供するにある。」とあるのを、
「上記吊り下げ具の上部の係止頭部を上記係止開口部の大きな開口部に斜め状に挿入して、吊り下げ具の係止頭部を支点、首部を作用点、下部を力点として吊り下げ具をてこ作用でその係止頭部を首部を介して小さな開口部に移動自在として係止開口部の小さな開口部の段落部に嵌脱自在として吊り下げるように形成していて、上記係止開口部の小さな開口部の側部に係止突部を突設または掛止開口部を開口し、吊り下げ具の係止頭部に上記係止突部に引っ掛けて掛止する脱落防止用の掛止材または上記掛止開口部に挿入して掛止する脱落防止用の開口掛止材を設けたことを特徴とする物干し用ハンガーを提供するにある。」に訂正する。

(7)訂正事項7
本件訂正前の明細書の段落0008に「また、請求項2のように、上記係止開口部の小さな開口部の側部に係止突部を突設し、吊り下げ具の係止頭部に上記係止突部に引っ掛けて掛止する脱落防止用の掛止材を設けたことを特徴とする物干し用ハンガーを提供するにある。」とあるのを、
「また、請求項2のように、上記係止開口部の小さな開口部の両側部に係止突部を突設し、吊り下げ具の係止頭部の両側にそれぞれ突き出して上記両側部の係止突部に引っ掛けて掛止する脱落防止用の鉤状やフック状の掛止材を設けたことを特徴とする物干し用ハンガーを提供するにある。」に訂正する。

(8)訂正事項8
本件訂正前の明細書の段落0009に「さらに、請求項3のように、上記係止開口部の小さな開口部の側部に係止突部を突設し、吊り下げ具の係止頭部に上記係止突部に嵌脱する脱落防止用の嵌脱掛止部を設けたことを特徴とする物干し用ハンガーを提供するにある。」とあるのを、
「さらに、請求項3のように、上記係止開口部の小さな開口部の側部に係止突部を突設し、吊り下げ具の係止頭部に上記係止突部に嵌脱する脱落防止用の鉤状やフック状の嵌脱掛止部の掛止材を設けたことを特徴とする物干し用ハンガーを提供するにある。」に訂正する。

(9)訂正事項9
本件訂正前の明細書の段落0010に「さらに、請求項4のように、上記係止開口部の小さな開口部の側部に掛止開口部を開口し、吊り下げ具の係止頭部に上記掛止開口部に挿入して掛止する脱落防止用の開口掛止材を設けたことを特徴とする物干し用ハンガーを提供するにある。」とあるのを、
「さらに、請求項4のように、上記係止開口部の小さな開口部の側部に掛止開口部を開口し、吊り下げ具の係止頭部に上記掛止開口部に挿入して掛止する脱落防止用の鉤状やフック状の開口掛止材を設けたことを特徴とする物干し用ハンガーを提供するにある。」に訂正する。

(10)訂正事項10
本件訂正前の明細書の段落0011を削除する。

(11)訂正事項11
本件訂正前の明細書の段落0012に「上記吊り下げ具の上部の係止頭部を上記係止開口部の大きな開口部に斜め状に挿入して、吊り下げ具の係止頭部を支点、首部を作用点、下部を力点として吊り下げ具をてこ作用でその係止頭部を首部を介して小さな開口部に移動自在として係止開口部の小さな開口部の段落部に嵌脱自在として吊り下げるように形成したことによって、洗濯ばさみを吊り下げる吊り下げ具の上部を物干し用ハンガーの枠体の係止開口部に斜め状に挿入して、吊り下げ具の係止頭部を支点、首部を作用点、下部を力点として吊り下げ具をてこ作用でその係止頭部を小さな開口部に首部を介して移動できて、小さな力で係止開口部に簡単に吊り下げられ、吊り下げ具の係止頭部を小さな開口部の段落部に嵌合して吊り下げることができる。」とあるのを、
「上記吊り下げ具の上部の係止頭部を上記係止開口部の大きな開口部に斜め状に挿入して、吊り下げ具の係止頭部を支点、首部を作用点、下部を力点として吊り下げ具をてこ作用でその係止頭部を首部を介して小さな開口部に移動自在として係止開口部の小さな開口部の段落部に嵌脱自在として吊り下げるように形成していて、上記係止開口部の小さな開口部の側部に係止突部を突設または掛止開口部を開口し、吊り下げ具の係止頭部に上記係止突部に引っ掛けて掛止する脱落防止用の掛止材または上記掛止開口部に挿入して掛止する脱落防止用の開口掛止材を設けたことによって、洗濯ばさみを吊り下げる吊り下げ具の上部を物干し用ハンガーの枠体の係止開口部に斜め状に挿入して、吊り下げ具の係止頭部を支点、首部を作用点、下部を力点として吊り下げ具をてこ作用でその係止頭部を小さな開口部に首部を介して移動できて、小さな力で係止開口部に簡単に吊り下げられ、吊り下げ具の係止頭部を小さな開口部の段落部に嵌合して吊り下げることができる。
特に、吊り下げ具の係止頭部の掛止材を係止突部に引っ掛けて、吊り下げ具を枠体の係止開口部から脱落しないようにしたり、脱落防止用の開口掛止材を係止開口部に挿入して吊り下げ具を枠体の係止開口部から脱落しないようにできる。」に訂正する。

(12)訂正事項12
本件訂正前の明細書の段落0014に「また、請求項2のように、係止開口部の小さな開口部の側部に係止突部を突設し、吊り下げ具の係止頭部に上記係止突部に引っ掛けて掛止する脱落防止用の掛止材を設けたことによって、吊り下げ具の係止頭部の掛止材を係止突部に引っ掛けて、吊り下げ具を枠体の係止開口部から脱落しないようにできる。」とあるのを、
「また、請求項2のように、係止開口部の小さな開口部の両側部に係止突部を突設し、吊り下げ具の係止頭部の両側にそれぞれ突き出して上記両側部の係止突部に引っ掛けて掛止する脱落防止用の鉤状やフック状の掛止材を設けたことによって、吊り下げ具の係止頭部の掛止材を両側部の係止突部に引っ掛けて、吊り下げ具を枠体の係止開口部から脱落しないようにできる。」に訂正する。

(13)訂正事項13
本件訂正前の段落0015に「さらに、請求項3のように、上記係止開口部の小さな開口部の側部に掛止係止突部を突設し、吊り下げ具の係止頭部に上記係止突部に嵌脱する脱落防止用の嵌脱掛止部を設けたことによって、吊り下げ具の係止頭部の嵌脱掛止部を係止突部に嵌入できて、吊り下げ具を枠体の係止開口部から脱落しないようにできる。」とあるのを、
「さらに、請求項3のように、上記係止開口部の小さな開口部の側部に掛止係止突部を突設し、吊り下げ具の係止頭部に上記係止突部に嵌脱する脱落防止用の鉤状やフック状の嵌脱掛止部の掛止材を設けたことによって、吊り下げ具の係止頭部の鉤状やフック状の嵌脱掛止部を係止突部に嵌入できて、吊り下げ具を枠体の係止開口部から脱落しないようにできる。」に訂正する。

(14)訂正事項14
本件訂正前の段落0016に「さらに、請求項4のように、上記係止開口部の小さな開口部の側部に掛止開口部を開口し、吊り下げ具の係止頭部に掛止開口部に挿入して掛止する脱落防止用の開口掛止材を設けたことによって、吊り下げ具の係止頭部の開口掛止材を掛止開口部に挿入して掛止できて、吊り下げ具を枠体の掛止開口部から脱落しないようにできる。」とあるのを、
「さらに、請求項4のように、上記係止開口部の小さな開口部の側部に掛止開口部を開口し、吊り下げ具の係止頭部に掛止開口部に挿入して掛止する脱落防止用の鉤状やフック状の開口掛止材を設けたことによって、吊り下げ具の係止頭部の鉤状やフック状の開口掛止材を掛止開口部に挿入して掛止できて、吊り下げ具を枠体の掛止開口部から脱落しないようにできる。」に訂正する。

(15)訂正事項15
本件訂正前の明細書の段落0017を削除する。

(16)訂正事項16
本件訂正前の明細書の段落0018に「【図1】本発明の一実施例の物干し用ハンガーの斜視図、
【図2】同上の係止開口部の拡大斜視図、
【図3】同上の係止開口部の吊り下げ具の吊り下げ説明の拡大斜視図、
【図4】同上の吊り下げ具の吊り下げ説明の拡大斜視図、
【図5】同上の他の実施例の係止開口部の拡大斜視図、
【図6】同上の吊り下げ具の拡大斜視図、
【図7】同上の係止開口部の吊り下げ具の係止状態の説明図、
【図8】同上のさらに他の実施例の係止開口部の吊り下げ具の係止状態の説明断面図、
【図9】同上のさらに他の実施例の係止開口部の吊り下げ具の係止状態の説明断面図、
【図10】同上のさらに他の実施例の係止開口部の吊り下げ具の係止状態の説明断面図、
【図11】同上のさらに他の実施例の係止開口部の吊り下げ具の係止状態の説明断面図、
【図12】同上のさらに他の実施例の係止開口部の吊り下げ具の係止状態の説明断面図。」とあるのを、
「【図1】参考用の一実施例の物干し用ハンガーの斜視図、
【図2】同上の係止開口部の拡大斜視図、
【図3】同上の係止開口部の吊り下げ具の吊り下げ説明の拡大斜視図、
【図4】同上の吊り下げ具の吊り下げ説明の拡大斜視図、
【図5】本発明に係る一実施例の係止開口部の拡大斜視図、
【図6】同上の吊り下げ具の拡大斜視図、
【図7】同上の係止開口部の吊り下げ具の係止状態の説明図、
【図8】同上の他の実施例の係止開口部の吊り下げ具の係止状態の説明断面図、
【図9】同上のさらに他の実施例の係止開口部の吊り下げ具の係止状態の説明断面図、
【図10】同上のさらに他の実施例の係止開口部の吊り下げ具の係止状態の説明断面図、
【図11】同上の参考用の係止開口部の吊り下げ具の係止状態の説明断面図、
【図12】同上の他の参考用の係止開口部の吊り下げ具の係止状態の説明断面図。」に訂正する。

(17)訂正事項17
本件訂正前の明細書の段落0019に「上記吊り下げ具の上部の係止頭部を上記係止開口部の大きな開口部に斜め状に挿入して、吊り下げ具の係止頭部を支点、首部を作用点、下部を力点として吊り下げ具をてこ作用でその係止頭部を首部を介して小さな開口部に移動自在として係止開口部の小さな開口部の段落部に嵌脱自在として吊り下げるように形成したことを特徴としている。」とあるのを、
「上記吊り下げ具の上部の係止頭部を上記係止開口部の大きな開口部に斜め状に挿入して、吊り下げ具の係止頭部を支点、首部を作用点、下部を力点として吊り下げ具をてこ作用でその係止頭部を首部を介して小さな開口部に移動自在として係止開口部の小さな開口部の段落部に嵌脱自在として吊り下げるように形成していて、上記係止開口部の小さな開口部の側部に係止突部を突設または掛止開口部を開口し、吊り下げ具の係止頭部に上記係止突部に引っ掛けて掛止する脱落防止用の掛止材または上記掛止開口部に挿入して掛止する脱落防止用の開口掛止材を設けたことを特徴としている。」に訂正する。

(18)訂正事項18
本件訂正前の明細書の段落0027に「また、図5のように枠体2の係止開口部3の側部に、脱落防止用に係止突部16を所定の高さにそれぞれ突設し、図6のように吊り下げ具4の係止頭部11に掛止材17を所定の長さに十字状に一体的に配設し、吊り下げ具4を図7のように係止突材16に係止頭部11の掛止材17を掛止して脱落防止をはかれるようにできる。」とあるのを、
「そしてまた、図5のように枠体2の係止開口部3の側部に、脱落防止用に係止突部16を所定の高さにそれぞれ突設し、図6のように吊り下げ具4の係止頭部11に掛止材17を所定の長さに十字状に一体的に配設し、吊り下げ具4を図7のように係止突材16に係止頭部11の掛止材17を掛止して脱落防止をはかれるようにできる。」に訂正する。

(19)訂正事項19
本件訂正前の明細書の段落0030に「さらに、図11のように吊り下げ具4の係止頭部11側を2分割や3分割等に分岐状態とした弾性を有する分岐掛止部24とし、吊り下げ具4の係止頭部11側を接合状態に縮小して係止開口部3の大きな開口部9に挿入して小さな開口部10に移動し、係止頭部11の分岐掛止部24を拡張させて小さな開口部10に弾性的に係止し、脱落することなく、確実に係止しておけるようにもできる。」とあるのを、
「さらに、参考用として、図11のように吊り下げ具4の係止頭部11側を2分割や3分割等に分岐状態とした弾性を有する分岐掛止部24とし、吊り下げ具4の係止頭部11側を接合状態に縮小して係止開口部3の大きな開口部9に挿入して小さな開口部10に移動し、係止頭部11の分岐掛止部24を拡張させて小さな開口部10に弾性的に係止し、脱落することなく、確実に係止しておけるようにもできる。」に訂正する。

(20)訂正事項20
本件訂正前の明細書の段落0031に「またさらに、図12のように枠体2の係止開口部3の下側部に所定の幅のガイド材25を設け、吊り下げ具4の係止頭部11の側部にほぼL字状等に弾性力を有する脱落防止材26を突設し、枠体2のガイド材25の間に吊り下げ具4の係止頭部11の側部の脱落防止材26を挿入して、吊り下げ具4の係止頭部11を係止開口部3の大きな開口部9に挿入し、小さな開口部10に弾性的に押し入れて保持し、脱落することなく、確実に係止しておけるようにもできる。」とあるのを、
「またさらに、参考用として、図12のように枠体2の係止開口部3の下側部に所定の幅のガイド材25を設け、吊り下げ具4の係止頭部11の側部にほぼL字状等に弾性力を有する脱落防止材26を突設し、枠体2のガイド材25の間に吊り下げ具4の係止頭部11の側部の脱落防止材26を挿入して、吊り下げ具4の係止頭部11を係止開口部3の大きな開口部9に挿入し、小さな開口部10に弾性的に押し入れて保持し、脱落することなく、確実に係止しておけるようにもできる。」に訂正する。

(21)訂正事項21
本件訂正前の明細書の段落0033に「図1?図4は、本発明の一実施例を示すものである。物干し用ハンガー1は、図1、図2のように吊り下げ用の枠体2に所定の間隔で多数の係止開口部3を設けて、吊り下げ具4の上部を係止開口部3に挿脱可能に係止するようにし、この吊り下げ具4の下部に洗濯ばさみ5を取り付けて、洗濯物6を吊り下げ、枠体2の上部側のハンガー吊下具7で物干し竿8引っ掛けて洗濯物6を乾燥できるようにしている。」とあるのを、
「図1?図4は、基本となる物干し用ハンガーを示すものである。物干し用ハンガー1は、図1、図2のように吊り下げ用の枠体2に所定の間隔で多数の係止開口部3を設けて、吊り下げ具4の上部を係止開口部3に挿脱可能に係止するようにし、この吊り下げ具4の下部に洗濯ばさみ5を取り付けて、洗濯物6を吊り下げ、枠体2の上部側のハンガー吊下具7で物干し竿8引っ掛けて洗濯物6を乾燥できるようにしている。」に訂正する。

(22)訂正事項22
本件訂正前の明細書の段落0041に「図5?図7は本発明の他の実施例で、図5のように枠体2の係止開口部3の側部に脱落防止用に係止突部16を所定の高さに突設し、図6のように吊り下げ具4の係止頭部11の小さな開口部10の側部に掛止材17を所定の長さとして十字状に配設し、吊り下げ具4を図7のように係止突部16に係止頭部11の掛止材17を掛止して脱落防止をはかれるようにしたものである。」とあるのを、
「図5?図7は本発明の一実施例で、図5のように枠体2の係止開口部3の側部に脱落防止用に係止突部16を所定の高さに突設し、図6のように吊り下げ具4の係止頭部11の小さな開口部10の側部に掛止材17を所定の長さとして十字状に配設し、吊り下げ具4を図7のように係止突部16に係止頭部11の掛止材17を掛止して脱落防止をはかれるようにしたものである。」に訂正する。

(23)訂正事項23
本件訂正前の明細書の段落0044に「さらに、図11は本発明のさらに他の実施例で、図11のように吊り下げ具4の係止頭部11側を2分割して分岐掛止部25とし、吊り下げ具4の係止頭部11側を接合状態に縮小して係止開口部3の大きな開口部9に挿入して小さな開口部10に移動し、係止頭部11側を拡張させて小さな開口部10に弾性的に係止し、脱落することなく、確実に係止しておけるようにしたものである。」とあるのを、
「さらに、図11は参考例で、図11のように吊り下げ具4の係止頭部11側を2分割して分岐掛止部25とし、吊り下げ具4の係止頭部11側を接合状態に縮小して係止開口部3の大きな開口部9に挿入して小さな開口部10に移動し、係止頭部11側を拡張させて小さな開口部10に弾性的に係止し、脱落することなく、確実に係止しておけるようにしたものである。」に訂正する。

(24)訂正事項24
本件訂正前の明細書の段落0045に「またさらに、図12は本発明のさらに他の実施例で、図12のように枠体2の係止開口部3の下側部に所定の幅のガイド材26を設け、吊り下げ具4の係止頭部11の側部にほぼL字状等に弾性力を有する脱落防止材27を突設し、枠体2のガイド材26の間に吊り下げ具4の係止頭部11の側部の脱落防止材27を挿入して、吊り下げ具4の係止頭部11を係止開口部3の大きな開口部9に挿入して係止頭部11を小さな開口部10に弾性的に押し入れて保持し、脱落することなく、確実に係止しておけるようにしたものである。」とあるのを、
「またさらに、図12は他の参考例で、図12のように枠体2の係止開口部3の下側部に所定の幅のガイド材26を設け、吊り下げ具4の係止頭部11の側部にほぼL字状等に弾性力を有する脱落防止材27を突設し、枠体2のガイド材26の間に吊り下げ具4の係止頭部11の側部の脱落防止材27を挿入して、吊り下げ具4の係止頭部11を係止開口部3の大きな開口部9に挿入して係止頭部11を小さな開口部10に弾性的に押し入れて保持し、脱落することなく、確実に係止しておけるようにしたものである。」に訂正する。

2.訂正の目的の適否、新規事項追加の有無、特許請求の範囲の拡張・変更、一群の請求項
(1)訂正事項1について
訂正事項1は、請求項1の物干しハンガーの「係止開口部」について、「上記係止開口部の小さな開口部の側部に係止突部を突設または掛止開口部を開口し、吊り下げ具の係止頭部に上記係止突部に引っ掛けて掛止する脱落防止用の掛止材または上記掛止開口部に挿入して掛止する脱落防止用の開口掛止材を設けた」との構成を付加して限定するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「願書に添付した明細書等」という。)の請求項2の「上記係止開口部の小さな開口部の側部に係止突部を突設し、吊り下げ具の係止頭部に上記係止突部に引っ掛けて掛止する脱落防止用の掛止材を設けた」との記載、請求項4の「上記係止開口部の小さな開口部の側部に掛止開口部を開口し、吊り下げ具の係止頭部に上記掛止開口部に挿入して掛止する脱落防止用の開口掛止材を設けた」との記載に基づくものであるから、新規事項を追加するものではなく、特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合する。
さらに、この訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合する。

(2)訂正事項2について
訂正事項2は、請求項2の「係止突部」を設ける位置を、係止開口部の小さな開口部の「側部」から「両側面」に限定するとともに、「吊り下げ具の係止頭部に上記係止突部に引っ掛けて掛止する脱落防止用の掛止材」が「吊り下げ具の係止頭部の両側にそれぞれ突き出して上記両側部の係止突部に引っ掛けて掛止する脱落防止用の掛止材」であることに限定するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、訂正事項2は、願書に添付した明細書等の段落0027に「図5のように枠体2の係止開口部3の側部に、脱落防止用に係止突部16を所定の高さにそれぞれ突設し、図6のように吊り下げ具4の係止頭部11に掛止材17を所定の長さに十字状に一体的に配設し、吊り下げ具4を図7のように係止突材16に係止頭部11の掛止材17を掛止して脱落防止をはかれるようにできる」と記載され、図5から係止突部16が係止開口部3の小さな開口部10の両側面に突設されていること、図6から掛止材17が吊り下げ具4の係止頭部11の両側にそれぞれ突き出していること、図7から掛止材17を係止突部16に引っ掛けて係止していることが示されていることから、新規事項を追加するものではなく、特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合する。
さらに、この訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合する。

(3)訂正事項3について
訂正事項3は、請求項3の「嵌脱掛止部」について、形状が「鉤状やフック状」であり、「掛止材」を構成するものであることを限定するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、訂正事項3について、願書に添付した明細書等の段落0028には、「嵌脱掛止部19」を折り曲げ可能な「鉤状やフック状」に配設する旨記載されている。さらに段落0028には、「嵌脱掛止部19」の「掛止口20」を係止突部16に「挿入して脱落防止をはかれるようにできる」と記載されていることから、「嵌脱掛止部」は請求項3が引用する請求項1の「脱落防止用の掛止材」を構成するものであるといえるから、訂正事項3は新規事項を追加するものではなく、特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合する。
さらに、この訂正事項3は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合する。

(4)訂正事項4について
訂正事項4は、請求項4の「開口掛止材」について、形状が「鉤状やフック状」であると限定するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、訂正事項4は、願書に添付した明細書等の段落0029に「鉤状やフック状の開口掛止材23」との記載があることに基づくものであるから、新規事項を追加するものではなく、特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合する。
さらに、この訂正事項4は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合する。

(5)訂正事項5について
訂正事項5は、請求項5を削除するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し、また、この訂正事項は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

(6)訂正事項6?17について
訂正事項6?17は、上記訂正事項1?5に係る訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当し、また、この訂正事項は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

(7)訂正事項18?24について
訂正事項18?24は、上記訂正事項1?5に係る訂正に伴い、明細書の記載について、実施例にあたるものなのか、そうではないのかを明瞭にするためのものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当し、また、この訂正事項は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

(8)一群の請求項
訂正事項1?5は、本件訂正前の請求項1及び当該請求項1を引用する請求項2?5について訂正するものであり、本件訂正は、特許法第134条の2第3項に規定する一群の請求項ごとに請求されたものである。
また、本件訂正は、訂正事項6?24による明細書の訂正に係る請求項1?5の全てについて行われたものであり、同法第134条の2第9項において準用する同法第126条第4項の規定に適合する。

(9)請求人の主張について
請求人要領書(2)の「5.第1.1.」における訂正請求の適法性についての請求人の主張は、特許法第36条の違法性について無効理由5を判断する際に検討することを前提に、撤回された(第1回口頭審理調書の「請求人欄」の「4」)。

3.まとめ
以上のとおり、本件訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書第1号及び第3号に規定する事項を目的とするものであり、かつ、同条第3項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第4項から第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1-5〕について訂正を認める。

第4.本件特許に係る発明
上記第3.に示したとおり、本件訂正は認められるから、本件特許の請求項1?4に係る発明(以下「本件発明1」?「本件発明4」という。また、これらをまとめて「本件発明」ということもある。)は、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲の記載からみて、その訂正特許請求の範囲の請求項1?4に記載された次のとおりのものである。
なお、本件特許の請求項5に係る発明は、本件訂正により削除された。
「【請求項1】
洗濯ばさみを吊り下げ具を介して吊り下げる枠体に、吊り下げ具を斜め状に挿通可能に一側部を大きな開口部として他側部を小さな開口部として連通しただるま状や瓢箪状の係止開口部を設け、上記洗濯ばさみを吊り下げる所定長さの細棒状とした吊り下げ具をその上端部を係止頭部としてその下部に細径とした首部を設けるとともに、上記小さな開口部に係止頭部の大きさの所定量凹ませた段落部を設け、
上記吊り下げ具の上部の係止頭部を上記係止開口部の大きな開口部に斜め状に挿入して、吊り下げ具の係止頭部を支点、首部を作用点、下部を力点として吊り下げ具をてこ作用でその係止頭部を首部を介して小さな開口部に移動自在として係止開口部の小さな開口部の段落部に嵌脱自在として吊り下げるように形成していて、
上記係止開口部の小さな開口部の側部に係止突部を突設または掛止開口部を開口し、吊り下げ具の係止頭部に上記係止突部に引っ掛けて掛止する脱落防止用の掛止材または上記掛止開口部に挿入して掛止する脱落防止用の開口掛止材を設けたことを特徴とする物干し用ハンガー。
【請求項2】
上記係止開口部の小さな開口部の両側部に係止突部を突設し、吊り下げ具の係止頭部の両側にそれぞれ突き出して上記両側部の係止突部に引っ掛けて掛止する脱落防止用の掛止材を設けた請求項1に記載の物干し用ハンガー。
【請求項3】
上記係止開口部の小さな開口部の側部に係止突部を突設し、吊り下げ具の係止頭部に上記係止突部に嵌脱する脱落防止用の鉤状やフック状の嵌脱掛止部の掛止材を設けた請求項1に記載の物干し用ハンガー。
【請求項4】
上記係止開口部の小さな開口部の側部に掛止開口部を開口し、吊り下げ具の係止頭部に上記掛止開口部に挿入して掛止する脱落防止用の鉤状やフック状の開口掛止材を設けた請求項1に記載の物干し用ハンガー。
【請求項5】
(削除)」

第5.無効理由についての当審の判断
1.甲各号証の記載事項
(1)甲1-1?甲1-8の記載事項
ア.甲1-1
楽天の販売ページで、「エヌケーグループ販売株式会社」が、「スーパーはぼきのエヌケーグループ」として、商品を販売していること。
イ.甲1-2
楽天の販売ページで、「スーパーはぼきのエヌケーグループ」が、商品名「引っぱリンガー NSA-HRI-4980-A1」の商品を販売し、その商品のJANコードが「4961219200024」であること。
ウ.甲1-3
アマゾンの販売ページで、「エヌケーグループ販売株式会社」が、「スーパーはぼきのエヌケーグループ」として、商品を販売していること。
エ.甲1-4
アマゾンの販売ページで、「スーパーはぼきのエヌケーグループのストア」として、商品名「引っぱリンガー 44ピンチNSA-37」の商品が販売されていること。
オ.甲1-5
アマゾンの販売ページで、「NKグループ販売」が、商品名「引っぱリンガー 44ピンチNSA-37」、商品のASINコード「B0013UD9D6」、JANコード「4961219200024」の商品を販売していること。
カ.甲1-6
アマゾンの販売ページで、「エヌケーグループ販売」が、商品名「NSA-37」、商品のASINコード「B0013UD9D6」の商品を、「Amazon.co.jpでの取り扱い開始日 2008/2/12」で販売していること。
キ.甲1-7
楽天の販売ページで、商品名「引っぱリンガー NSA-HRI-4980-A1」、JANコード「4961219200024」の商品が販売され、その商品の購入者からの商品レビューが、「2010/12/01」以前から寄せられていること。
ク.甲1-8
アマゾンの販売ページに、「NKグループ販売」の「引っぱリンガー44ピンチNSA-37」について、その商品の購入者からの商品レビューが、「2010年11月15日」以前から寄せられていること。

(2)甲1-9-1?甲1-9-3の記載事項
ア.甲1-9-1
「エヌケーグループ販売株式会社」
「引っぱリンガー NSA-HRI-4980-A1」
「枠体、洗濯ばさみ、吊り下げ具を備える物干しハンガー」(写真1)
イ.甲1-9-2
「枠体に、大きな開口部と小さな開口部からなるだるま状の係止開口部を設け、小さな開口部に枠体の表面から凹ませた段差部を形成し、だるま状の係止開口部の両側部に枠体の表面から傾斜して突出する係止突部が設けていること。」(写真2)
「洗濯ばさみのばねに、洗濯ばさみを吊り下げるための吊り下げ具が取り付けられ、その吊り下げ具の端部に、首部を介して係止頭部が設けられ、さらに係止頭部に掛止材が設けられていること。」(写真3)
「吊り下げ具の径よりも細い首部を介して、吊り下げ具の径よりも太い係止頭部が設けられ、係止頭部の端部に係止頭部より突出する掛止材が設けられていること。」(写真4)
ウ.甲1-9-3
「フレームにピンチを取り付ける手順について、
ピンチの棒を写真(ツノを傾けて立てた姿勢)の向きでナナメにしてフレームの大きい穴から通し(手順-3「1」「2」)、
そのままでツノが下に来る様に90度回し(手順-3「3」)、
棒を最もナナメにした状態で倒し(手順-3「4」)、
その角度を変えないで人差し指と中指でツノを突起に引っ掛け(手順-3「5」「6」)、
棒の角度(ナナメの角度)の方向に引っ張り、棒が逆ナナメになるところまで曲げて嵌める(手順-3「7」?「9」)、手順。」

(3)甲2の記載事項
回動の支点となる摺動凸部近傍に摺動凸部に係止部が設けられた電磁継電器が記載されている。

2.無効理由1-1について
(1)甲1-9発明
ア.甲1-9-1からみて、「エヌケーグループ販売株式会社」が「引っぱリンガー NSA-HRI-4980-A1」として販売したものは、枠体、洗濯ばさみ、吊り下げ具を備える物干しハンガーである。
イ.この物干しハンガーは、甲1-9-2の「写真2」、甲1-9-3の「手順-3 ピンチの取り付け方」の「1」からみて、
「ピンチ(洗濯ばさみ)を棒(吊り下げ具)を介して吊り下げるフレーム(枠体)に、棒(吊り下げ具)をナナメにして通すことを可能に(斜め状に挿通可能に)一側部を大きい穴(大きな開口部)として他側部を小さな開口部として連通しただるま状の係止開口部を設けている」といえる。
ウ.また、この物干しハンガーは、甲1-9-2の「写真2?4」、甲1-9-3の「手順-3 ピンチの取り付け方」の「1」?「8」からみて、
「ピンチ(洗濯ばさみ)を吊り下げる所定長さの細棒状とした棒(吊り下げ具)をその上端部を係止頭部としてその下部に細径とした首部を設けるとともに、小さな開口部に係止頭部の大きさの所定量凹ませた段差部を設けている」といえる。
エ.さらに、この物干しハンガーは、甲1-9-2の「写真2?4」、甲1-9-3の「手順-3 ピンチの取り付け方」の「1」?「9」からみて、
「棒(吊り下げ具)の上部の係止頭部を係止開口部の大きい穴(大きな開口部)にナナメにして通して(斜め状に挿入して)、棒(吊り下げ具)の係止頭部を支点、首部を作用点、下部を力点として棒(吊り下げ具)をてこ作用でその係止頭部を首部を介して小さな開口部に移動自在として係止開口部の小さな開口部の段差部にはまるようにして(嵌脱自在として)吊り下げるように形成している」といえる。
オ.そして、この物干しハンガーは、甲1-9-2の「写真2?4」、甲1-9-3の「手順-3 ピンチの取り付け方」の「1」?「9」からみて、
「係止開口部の小さな開口部の側部に突起(係止突部)を突設し、棒(吊り下げ具)の係止頭部に上記突起(係止突部)に引っ掛けて掛止する脱落防止用のツノ(掛止材)を設け」ているといえる。
カ.上記ア.?オ.の事項を踏まえると、甲1-9-1乃至甲1-9-3から、以下の甲1-9発明が把握される。
《甲1-9発明》
「ピンチ(洗濯ばさみ)を棒(吊り下げ具)を介して吊り下げるフレーム(枠体)に、棒(吊り下げ具)をナナメにして通すことを可能に(斜め状に挿通可能に)一側部を大きい穴(大きな開口部)として他側部を小さな開口部として連通しただるま状の係止開口部を設け、
上記ピンチ(洗濯ばさみ)を吊り下げる所定長さの細棒状とした棒(吊り下げ具)をその上端部を係止頭部としてその下部に細径とした首部を設けるとともに、上記小さな開口部に係止頭部の大きさの所定量凹ませた段差部を設け、
上記棒(吊り下げ具)の上部の係止頭部を上記係止開口部の大きい穴(大きな開口部)にナナメにして通して(斜め状に挿入して)、棒(吊り下げ具)の係止頭部を支点、首部を作用点、下部を力点として棒(吊り下げ具)をてこ作用でその係止頭部を首部を介して小さな開口部に移動自在として係止開口部の小さな開口部の段差部にはまるようにして(嵌脱自在として)吊り下げるように形成していて、
上記係止開口部の小さな開口部の側部に突起(係止突部)を突設し、棒(吊り下げ具)の係止頭部に上記突起(係止突部)に引っ掛けて掛止する脱落防止用のツノ(掛止材)を設けた、
物干しハンガー」
なお、この甲1-9発明の認定について、当事者間に争いはない(第1回口頭審理調書の請求人欄の6、被請求人要領書(2)「第4.1.(2)」)。

(2)本件発明1について
ア.甲1-9発明が公然知られた発明であるかについて
甲1-9発明に係るエヌケーグループ販売株式会社が「引っぱリンガー NSA-HRI-4980-A1」という名称で販売した物干しハンガー(以下、「物干しハンガーA」という。)は、甲1-9-3の記載からみて、半完成品の状態で提供され、購入者がその組み立てをすることにより、その使用に供されるものであるといえる。
そして、物干しハンガーAは、請求人代理人中澤昭彦が平成29年4月22日に購入したものであることから明らかなように、一般の人々が購入し得たものであり、また、甲1-9-1及び甲1-9-3には、購入者が、購入した物干しハンガーAの形状や構造を秘密にしなければならない旨の記載はない。
してみると、物干しハンガーAの購入者は、前記甲1-9-3に記載された事項及び前記組み立てを介して、その形状や構造を技術的に理解することで甲1-9発明を把握し、その内容を口外することもできたといえるから、甲1-9発明は公然知られた発明であるといえる。

イ.甲1-9発明が公然知られた発明となった日について
物干しハンガーAは、平成29年4月22日に購入されていることから、甲1-9発明は、同日には、公然知られた発明となっていたが、同日は、本件特許の出願日である平成23年2月17日前ではない。
一方、甲1-7によれば、物干しハンガーAと同じ名称である「引っぱリンガー NSA-HRI-4980-A1」という名称でエヌケーグループ販売株式会社が販売した物干しハンガー(以下、「物干しハンガーB」という。)は、楽天の販売ページで販売され、その購入者より、「2010/12/01」以前からコメントが寄せられていたことから、物干しハンガーBは、遅くとも平成22年(2010年)12月1日には、一般の人々により購入されていたといえる。
ここで、同じ名称で販売されていた物は、同じ構造の物であることが立証されれば、甲1-9発明に係る物干しハンガーAは、遅くとも平成22年12月1日には、一般の人々により購入されていたものといえるから、甲1-9発明は、本件特許出願前である、平成22年12月1日には、公然知られた発明であるといえる。

しかしながら、請求人は、同じ名称で販売されていた物は、同じ構造の物であると主張する根拠について、客観的な証拠に基づいて説明するよう求めた(審理事項通知書(1)「第2.3.(1)」)にもかかわらず、具体的な説明を行っていない。

また、乙4-1?乙4-3、乙5-1?乙5-3は、いずれもエヌケーグループ販売株式会社が、商品名「引っぱリンガー」として販売した物干しハンガーの商品説明書であるが、これらに記載された物干しハンガーの組立方をみると、乙4-1?乙4-3に係る商品名「引っぱリンガー」の物干しハンガーと、乙5-1?乙5-3に係る商品名「引っぱリンガー」の物干しハンガーとは、ピンチの取り付け構造が異なっており、同じ商品名「引っぱリンガー」であっても、別の構造を備えた物干しハンガーであったことが把握される。
すなわち、乙4-1?乙4-3、乙5-1?乙5-3の記載は、同じ名称で販売されていた物は、同じ構造の物であるとは必ずしもいえないことを推認させるものである。

さらに、甲1-2、甲1-4ないし甲1-6及び甲1-8の記載事項(上記第5.1.(1)イ.、エ.ないしカ.及びク.を参照。)から、「引っぱリンガー 44ピンチNSA-37」という名称でNKグループ販売株式会社が販売した物干しハンガー(以下、「物干しハンガーC」という。)は、アマゾンの販売ページで販売され、その取り扱い開始日が「2008/2/12」であり、その購入者より、「2010/11/15」以前からコメントが寄せられており、そのJANコードが、物干しハンガーBと同じ「4961219200024」であったことが理解されるが、このことは、物干しハンガーBと同じ物であった可能性がある物干しハンガーCは、遅くとも平成22年(2010年)11月15日には、一般の人々により購入されていたということを示すにとどまり、物干しハンガーAと物干しハンガーBないしCとが同じ構造の物であることを立証するものでもなければ、同じ名称で販売されていた物は、同じ構造の物であることを立証するものでもない。

そして、乙3に記載された、アマゾンカスタマーサービスからの「→私共Amazon.co.jpにて商品を入荷いたしました際に併せて入荷元より情報が得られていれば、商品ページ上で発売年月日を掲載させていただいております」との回答によれば、ある名称の商品について、アマゾンの販売ページに掲載される発売年月日は、販売される商品の入荷元より情報が得られていれば、更新されるものの、入荷した商品が同じ名称の物であって、前記情報が得られていない場合(例えば、改良等がされた新商品であるが、入荷元がその情報の提示を行わなかった場合)には、その入荷前から掲載されていた発売年月日が継続して掲載されることとなるから、乙3の記載も、同じ名称で販売されていた物は、同じ構造の物であるとは必ずしもいえないことを推認させるものである。

なお、請求人は、乙3に関し、「商品の仕様の変更が行われれば、そのことを業者は届け出るべきものである。」と主張する(第1回口頭審理調書の「請求人欄」の「5」)が、乙3に記載された上記回答からも明らかなように、商品の仕様変更の情報を届けるか否かは、業者(入荷元)に委ねられており、当該情報を業者が届け出なかった場合には、アマゾンは、発売年月日を更新を行い得ないものである。したがって、上記主張は当を得たものではなく、採用することができない。

以上を踏まえると、甲1-9発明が、公然知られた発明となった日は、本件特許の出願前であるとはいえない。

ウ.小括
以上のとおり、甲1-9発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明であるということはできないから、本件発明1が甲1-9発明であるか否かを検討するまでもなく、本件発明1は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明であるということはできない。

(3)本件発明2について
本件発明2は、本件発明1の発明特定事項をすべて含み、さらに、技術的な限定を加えた事項を発明特定事項としているから、本件発明1と同様の理由で、本件特許の出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明であるということはできない。

(4)無効理由1-1についてのまとめ
以上のとおり、本件発明1及び2は特許法第29条第1項第1号に該当せず、その特許は、同法第123条第1項第2号に該当しないから、無効理由1-1により本件発明1及び2に係る特許を無効とすることはできない。

3.無効理由2-1について
(1)甲1-9発明
甲1-9発明は、上記第5.2.(1)で示したとおりである。

(2)本件発明1について
ア.甲1-9発明が公然実施をされた発明であるかについて
上記第5.2.(1)ア.で示したとおり、甲1-9発明に係る物干しハンガーAは、甲1-9-3の記載からみて、半完成品の状態で提供され、購入者がその組み立てをすることにより、その使用に供されるものであるといえる。
そして、物干しハンガーAは、請求人代理人中澤昭彦が平成29年4月22日に購入したものであることから明らかなように、一般の人々が購入、すなわち、対価を払うことによりその譲渡を受けることができたものであり、また、甲1-9-1及び甲1-9-3には、購入者が、購入した物干しハンガーAの形状や構造を秘密にしなければならない旨の記載はない。
してみると、物干しハンガーAの購入者は、前記甲1-9-3に記載された事項及び前記組み立てを介して、その形状や構造を技術的に理解することで甲1-9発明を把握し、その内容を口外することもできたといえるから、甲1-9発明は公然実施をされた発明であるといえる。

イ.甲1-9発明が公然実施をされた発明となった日について
物干しハンガーAは、平成29年4月22日に購入されていることから、甲1-9発明は、同日には、公然実施をされた発明となっていたが、同日は、本件特許の出願日である平成23年2月17日前ではない。
一方、甲1-7によれば、物干しハンガーAと同じ名称でエヌケーグループ販売株式会社が販売した物干しハンガーBは、楽天の販売ページで販売され、その購入者より、「2010/12/01」以前からコメントが寄せられていたことから、物干しハンガーBは、遅くとも平成22年(2010年)12月1日には、一般の人々により購入されていたといえる。
ここで、同じ名称で販売されていた物は、同じ構造の物であることが立証されれば、甲1-9発明に係る物干しハンガーAは、遅くとも平成22年12月1日には、一般の人々により購入されていたといえるから、甲1-9発明は、本件特許出願前である、平成22年12月1日には、公然実施をされた発明であるといえる。
しかしながら、上記第5.2.(2)イ.で示したとおり、同じ名称で販売されていた物は、同じ構造の物であるとは必ずしもいえない。
したがって、甲1-9発明が、公然実施をされた発明となった日は、本件特許の出願前であるとはいえない。

ウ.小括
以上のとおり、甲1-9発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた発明であるということはできないから、本件発明1が甲1-9発明であるか否かを検討するまでもなく、本件発明1は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた発明であるということはできない。

(3)本件発明2について
本件発明2は、本件発明1の発明特定事項をすべて含み、さらに、技術的な限定を加えた事項を発明特定事項としているから、本件発明1と同様の理由で、本件特許の出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた発明であるということはできない。

(4)無効理由2-1についてのまとめ
以上のとおり、本件発明1及び2は特許法第29条第1項第2号に該当せず、その特許は、同法第123条第1項第2号に該当しないから、無効理由2-1により本件発明1及び2に係る特許を無効とすることはできない。

4.無効理由3-1について
(1)甲1-9-3発明
上記第5.1.(2)ウ.の甲1-9-3の記載事項と物干しハンガーに係る技術常識を踏まえると、甲1-9-3には、以下の甲1-9-3発明が記載されている。
《甲1-9-3発明》
「ピンチ(洗濯ばさみ)を棒(吊り下げ具)を介して吊り下げるフレーム(枠体)に、棒(吊り下げ具)をナナメにして通すことを可能に(斜め状に挿通可能に)係止開口部を設け、上記ピンチ(洗濯ばさみ)を吊り下げる所定長さの細棒状とした棒(吊り下げ具)をその上端部を係止頭部としてその下部に細径とした首部を設け、
上記棒(吊り下げ具)の上部の係止頭部を上記係止開口部の大きい穴からナナメにして通して(斜め状に挿入して)、棒(吊り下げ具)の係止頭部を支点、首部を作用点、下部を力点として棒(吊り下げ具)をてこ作用でその係止頭部を首部を介して移動自在として係止開口部にはまるようにして(嵌脱自在として)吊り下げるように形成していて、
上記係止開口部の小さな開口部の側部に突起(係止突部)を突設し、棒(吊り下げ具)の係止頭部に上記突起(係止突部)に引っ掛けて掛止する脱落防止用のツノ(掛止材)を設けた、
物干しハンガー」
なお、この甲1-9-3発明の認定について、当事者間に争いはない(第1回口頭審理調書の「請求人欄」の「8」、被請求人要領書(2)「第6.1.(2)」)。

(2)本件発明1について
ア.甲1-9-3発明が頒布された刊行物に記載された発明であるかについて
物干しハンガーAのパッケージに同封されていた取扱説明書である、甲1-9-3は、その記載事項からみて、物干しハンガーAの購入者がその組み立てをし、使用することを助けるための文書であることが明らかであるから、物干しハンガーAの購入者という不特定多数の者が、物干しハンガーAを購入することにより、見得るような状態におかれ、その内容が公開されることを目的として、複製された文書、すなわち、頒布された刊行物であるといえる。
ゆえに、甲1-9-3の記載事項と物干しハンガーに係る技術常識を踏まえ把握される甲1-9-3発明は、頒布された刊行物に記載された発明であるといえる。

イ.甲1-9-3が頒布された日について
物干しハンガーAは、平成29年4月22日に購入されていることから、甲1-9-3は、同日には、頒布されていたが、同日は、本件特許の出願日である平成23年2月17日前ではない。
一方、甲1-7によれば、物干しハンガーAと同じ名称でエヌケーグループ販売株式会社が販売した物干しハンガーBは、楽天の販売ページで販売され、その購入者より、「2010/12/01」以前からコメントが寄せられていたことから、物干しハンガーBは、遅くとも平成22年(2010年)12月1日には、一般の人々により購入されていたといえる。
ここで、同じ名称で販売されていた物は、同じ構造の物であることが立証されれば、甲1-9-3が同封されていた物干しハンガーAは、遅くとも平成22年12月1日には、一般の人々により購入されていたといえるから、甲1-9-3は、本件特許出願前である、平成22年12月1日には、頒布されていたといえる。
しかしながら、上記第5.2.(2)イ.で示したとおり、同じ名称で販売されていた物は、同じ構造の物であるとは必ずしもいえない。
したがって、甲1-9-3が、頒布された日は、本件特許の出願前であるとはいえない。
そして、甲1-9-3発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明であるということはできない。

ウ.小括
以上のとおり、甲1-9-3発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明であるということはできないから、本件発明1が甲1-9-3発明であるか否かを検討するまでもなく、本件発明1は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明であるということはできない。

(3)本件発明2について
本件発明2は、本件発明1の発明特定事項をすべて含み、さらに、技術的な限定を加えた事項を発明特定事項としているから、本件発明1と同様の理由で、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明であるということはできない。

(4)無効理由3-1についてのまとめ
以上のとおり、本件発明1及び2は特許法第29条第1項第3号に該当せず、その特許は、同法第123条第1項第2号に該当しないから、無効理由3-1により本件発明1及び2に係る特許を無効とすることはできない。

5.無効理由4-1について
(1)本件発明1について
上記第5.4.(2)で述べたように、甲1-9-3発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布されていた刊行物に記載された発明とはいえないから、本件発明1は、甲1-9-3発明及び甲2に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(2)本件発明2?4について
本件発明2?4は、本件発明1の発明特定事項をすべて含み、さらに、技術的な限定を加えた事項を発明特定事項としているから、本件発明1と同様の理由で、甲1-9-3発明及び甲2に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(3)無効理由4-1についての小括
以上のとおり、本件発明1?4は特許法第29条第2項の規定に違反するものではなく、その特許は、同法第123条第1項第2号に該当しないから、無効理由4-1により本件発明1?4に係る特許を無効とすることはできない。

6.無効理由5について
(1)無効理由5は、「本件特許の請求項2の『係止開口部の小さな開口部の側部に係止突部を突設し』なる記載に関し、『小さな開口部の側部』とは、図5において、開口部10の上方の部分及び下方の部分であると解するのが自然であるところ、係止突部16は、開口部10の左側部分に突設されており、上記記載と整合しないから、上記記載を含む請求項2に係る発明は明確でない。」(平成29年12月18日付け指令書の段落7.にて整理。この整理について、請求人から特段の反論はない(弁駁書の第6.(7)段落参照)。)というものである。
しかし、本件特許の請求項2には、下記の記載がある。
「上記係止開口部の小さな開口部の両側部に係止突部を突設し、吊り下げ具の係止頭部の両側にそれぞれ突き出して上記両側部の係止突部に引っ掛けて掛止する脱落防止用の掛止材を設けた請求項1に記載の物干し用ハンガー。」
ここで、本件特許の明細書では「側部」の定義は明示されていないが、「側部」とは、一般に「側」(かたわら、そば(広辞苑第五版))の部分といった意味であると解される。
そして、本件特許の明細書の段落0041には、下記の記載がある。
「図5?図7は本発明の他の実施例で、図5のように枠体2の係止開口部3の側部に脱落防止用に係止突部16を所定の高さに突設し、図6のように吊り下げ具4の係止頭部11の小さな開口部10の側部に掛止材17を所定の長さとして十字状に配設し、吊り下げ具4を図7のように係止突部16に係止頭部11の掛止材17を掛止して脱落防止をはかれるようにしたものである。」
これらの記載からは、係止突部16は、脱落防止用の掛止材17を引っ掛けて掛止できるような、係止開口部3の小さな開口部10の側部の両側の位置に突設するものであることが読み取れる。このような係止突部16の位置は、必ずしも図5における開口部10の直上の部分及び直下の部分に限定されず、図5、図7に記載された実施例のように、開口部10の側部、すなわち開口部10の「側」(がわ、そば、かたわら)の部分であって、開口部10の直上の部分及び直下の部分から少々左側の部分も含み得ることが明らかである。
よって、本件特許の請求項2の記載は図5と整合しないということはできず、本件特許の請求項2に係る発明は明確でないということはできない。
したがって、本件特許の請求項2の記載は、特許法第36条第6項第2号の規定に違反するということはできない。

(2)請求人要領書(2)の「第1.1.」において請求人は、下記のように主張する。
「訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないので、特許法第126条第7項に規定する要件を満たしていないからである。すなわち、
訂正された請求項1では、「上記係止開口部の小さな開口部の側郎に係止突部を突設」と記載されているが、そもそもどのような方向に対して「側部」なのか記載されてないので、開口部と係止突部との位置関係が不明である。
また、図面の図5に示すように。係止突部16は、小さな開口部10の先端側に突設しており、先端側以外の位置で突設している実施例は明細書及び図面に開示されておらず、それを示唆する記載もない。
さらに、係止突部16が小さな開口部10の「先端側」に突設しているので、てこ作用で吊り下げ具の係止頭部を小さな開口部10に移動できるのであるから、係止突部が小さな開口部の「先端側」に突設している」点は本件特許発明の必須要件であると思料する。」
しかし、上記(1)で示したとおり、本件特許の請求項2及び明細書の段落0041の記載からは、係止突部16は、脱落防止用の掛止材17を引っ掛けて掛止できるような、係止開口部3の小さな開口部10の側部の両側の位置に突設するものであることが読み取れる。このような係止突部16の位置は、必ずしも図5における開口部10の側部の先端側(左側)に限定されず、脱落防止用の掛止材17を引っ掛けて掛止できるような、係止開口部3の小さな開口部10の側部の両側の位置であればよいことが明らかである。
よって、請求人の主張は当を得たものではなく、採用することができない。

(3)無効理由5についての小括
以上のとおり、本件特許の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号の規定に違反するものではなく、その特許は、同法第123条第1項第4号に該当しないから、無効理由5により本件発明2に係る特許を無効とすることはできない。

第6.むすび
以上のとおり、請求人が主張する無効理由1-1、2-1、3-1、4-1、5によっては、本件発明1?4に係る特許を無効にすることはできない。
また、他に本件発明1?4に係る特許を無効とすべき理由も発見しない。
そして、本件特許の請求項5は、本件訂正が認められることにより、削除されたため、本件特許の請求項5についての無効理由4-1は、その対象が存在しないものとなった。
よって、本件特許の請求項5についての無効理由4-1による審判請求は、不適法であって、その補正をすることができないものであるから、特許法第135条の規定により、却下すべきものである。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人の負担とする。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
物干し用ハンガー
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯物の物干し用ハンガーに関し、特に洗濯ばさみが破損しても簡単に交換できて使用継続できる物干し用ハンガーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
洗濯物の物干し用ハンガーには、多種多様な形態のものが販売されているが、基本的には物干し用の棒状や円形状、矩形状の吊り下げ用の枠体に吊り下げ具を吊り下げ、洗濯物を洗濯ばさみに挟んで吊り下げるようにされている。
【0003】
しかし、洗濯ばさみが破損すると、その部分では洗濯物を挟んで吊り下げられなくなり、多くの洗濯ばさみが破損していくと、物干し用ハンガーを廃棄している。物干し用ハンガーは、一般家庭で使用されているため、大量の物干し用ハンガーを廃棄され、リサイクル処理されるものの、多大な資源の消費となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのため、実用新案登録第3004897号公報には、洗濯ばさみが破損した場合に、交換することを提案している。しかし、この洗濯物の物干し用ハンガーは、吊り紐の上端に矩形状の係止部を形成し、吊り下げ枠に上下方向貫通孔に交差する係合凹溝を設け、吊り紐の上端の係止部を挿入して回転させ、吊り下げ枠の係合凹溝に係合させて吊り下げ枠に吊り下げるものである。
【0005】
しかし、洗濯ばさみの吊り紐の係止部、吊り下げ枠の係合凹溝を樹脂成形すると、樹脂の膨縮量が均一でないために均一な寸法に仕上げることは難しく、これらの係合状態を強めに成形すると、吊り紐を強い力で回転させねばならなくなり、強い力で回転させると吊り紐は捩じれて上端の係止部を係合凹溝に係合させることは簡単でなく、一方これらの係合状態を弛るく成形すると、吊り紐を弱い力で回転できて上端の係止部を係合凹溝に係合させられるが、吊り下げ具が物干し用ハンガーの枠体から脱落しやすくなる。
【0006】
一般的に、物干しは、力の弱い女性や子供が行っていることが多く、そのため洗濯ばさみの吊り下げ具を物干し用ハンガーの枠体に簡単に交換できて使用継続することのできる物干し用ハンガーを提供することが課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記のような点に鑑みたもので、上記の課題を解決するために、請求項1のように、洗濯ばさみを吊り下げ具を介して吊り下げる枠体に、吊り下げ具を斜め状に挿通可能に一側部を大きな開口部として他側部を小さな開口部として連通しただるま状や瓢箪状の係止開口部を設け、上記洗濯ばさみを吊り下げる所定長さの細棒状とした吊り下げ具をその上端部を係止頭部としてその下部に細径とした首部を設けるとともに、上記小さな開口部に係止頭部の大きさの所定量凹ませた段落部を設け、上記吊り下げ具の上部の係止頭部を上記係止開口部の大きな開口部に斜め状に挿入して、吊り下げ具の係止頭部を支点、首部を作用点、下部を力点として吊り下げ具をてこ作用でその係止頭部を首部を介して小さな開口部に移動自在として係止開口部の小さな開口部の段落部に嵌脱自在として吊り下げるように形成していて、上記係止開口部の小さな開口部の側部に係止突部を突設または掛止開口部を開口し、吊り下げ具の係止頭部に上記係止突部に引っ掛けて掛止する脱落防止用の掛止材または上記掛止開口部に挿入して掛止する脱落防止用の開口掛止材を設けたことを特徴とする物干し用ハンガーを提供するにある。
【0008】
また、請求項2のように、上記係止開口部の小さな開口部の両側部に係止突部を突設し、吊り下げ具の係止頭部の両側にそれぞれ突き出して上記両側部の係止突部に引っ掛けて掛止する脱落防止用の鉤状やフック状の掛止材を設けたことを特徴とする物干し用ハンガーを提供するにある。
【0009】
さらに、請求項3のように、上記係止開口部の小さな開口部の側部に係止突部を突設し、吊り下げ具の係止頭部に上記係止突部に嵌脱する脱落防止用の鉤状やフック状の嵌脱掛止部の掛止材を設けたことを特徴とする物干し用ハンガーを提供するにある。
【0010】
さらに、請求項4のように、上記係止開口部の小さな開口部の側部に掛止開口部を開口し、吊り下げ具の係止頭部に上記掛止開口部に挿入して掛止する脱落防止用の鉤状やフック状の開口掛止材を設けたことを特徴とする物干し用ハンガーを提供するにある。
【0011】
削除
【発明の効果】
【0012】
本発明の物干し用ハンガーは、請求項1のように、洗濯ばさみを吊り下げ具を介して吊り下げる枠体に、吊り下げ具を斜め状に挿通可能に一側部を大きな開口部として他側部を小さな開口部として連通しただるま状や瓢箪状の係止開口部を設け、上記洗濯ばさみを吊り下げる所定長さの細棒状とした吊り下げ具をその上端部を係止頭部としてその下部に細径とした首部を設けるとともに、上記小さな開口部に係止頭部の大きさの所定量凹ませた段落部を設け、上記吊り下げ具の上部の係止頭部を上記係止開口部の大きな開口部に斜め状に挿入して、吊り下げ具の首部を支点、係止頭部を作用点、下部を力点として吊り下げ具をてこ作用でその係止頭部を首部を介して小さな開口部に移動自在として係止開口部の小さな開口部の段落部に嵌脱自在として吊り下げるように形成していて、上記係止開口部の小さな開口部の側部に係止突部を突設または掛止開口部を開口し、吊り下げ具の係止頭部に上記係止突部に引っ掛けて掛止する脱落防止用の掛止材または上記掛止開口部に挿入して掛止する脱落防止用の開口掛止材を設けたことによって、洗濯ばさみを吊り下げる吊り下げ具の上部を物干し用ハンガーの枠体の係止開口部に斜め状に挿入して、吊り下げ具の係止頭部を支点、首部を作用点、下部を力点として吊り下げ具をてこ作用でその係止頭部を小さな開口部に首部を介して移動できて、小さな力で係止開口部に簡単に吊り下げられ、吊り下げ具の係止頭部を小さな開口部の段落部に嵌合して吊り下げることができる。
特に、吊り下げ具の係止頭部の掛止材を係止突部に引っ掛けて、吊り下げ具を枠体の係止開口部から脱落しないようにしたり、脱落防止用の開口掛止材を掛止開口部に挿入して吊り下げ具を枠体の掛止開口部から脱落しないようにできる。
【0013】
そして、吊り下げ具を物干し用ハンガーの枠体の係止開口部から取りはずすときにも、同様にしててこ作用で上記と逆様にして、小さな力で簡単に枠体の係止開口部から取りはずすことができる。そのため、洗濯ばさみが破損しても、吊り下げ具を物干し用ハンガーの枠体に簡単に交換できて、物干し用ハンガーを使用継続することができ、資源の節約に貢献することができる。
【0014】
また、請求項2のように、係止開口部の小さな開口部の両側部に係止突部を突設し、吊り下げ具の係止頭部の両側にそれぞれ突き出して上記両側部の係止突部に引っ掛けて掛止する脱落防止用の鉤状やフック状の掛止材を設けたことによって、吊り下げ具の係止頭部の掛止材を両側部の係止突部に引っ掛けて、吊り下げ具を枠体の係止開口部から脱落しないようにできる。
【0015】
さらに、請求項3のように、上記係止開口部の小さな開口部の側部に係止突部を突設し、吊り下げ具の係止頭部に上記係止突部に嵌脱する脱落防止用の鉤状やフック状の嵌脱掛止部の掛止材を設けたことによって、吊り下げ具の係止頭部の鉤状やフック状の嵌脱掛止部を係止突部に嵌入できて、吊り下げ具を枠体の係止開口部から脱落しないようにできる。
【0016】
さらに、請求項4のように、上記係止開口部の小さな開口部の側部に掛止開口部を開口し、吊り下げ具の係止頭部に掛止開口部に挿入して掛止する脱落防止用の鉤状やフック状の開口掛止材を設けたことによって、吊り下げ具の係止頭部の鉤状やフック状の開口掛止材を掛止開口部に挿入して掛止できて、吊り下げ具を枠体の掛止開口部から脱落しないようにできる。
【0017】
削除
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】
参考用の物干し用ハンガーの斜視図、
【図2】
同上の係止開口部の拡大斜視図、
【図3】
同上の係止開口部の吊り下げ具の吊り下げ説明の拡大斜視図、
【図4】
同上の吊り下げ具の吊り下げ説明の拡大斜視図、
【図5】
本発明に係る一実施例の係止開口部の拡大斜視図、
【図6】
同上の吊り下げ具の拡大斜視図、
【図7】
同上の係止開口部の吊り下げ具の係止状態の説明図、
【図8】
同上の他の実施例の係止開口部の吊り下げ具の係止状態の説明断面図、
【図9】
同上のさらに他の実施例の係止開口部の吊り下げ具の係止状態の説明断面図、
【図10】
同上のさらに他の実施例の係止開口部の吊り下げ具の係止状態の説明断面図、
【図11】
同上の参考用の係止開口部の吊り下げ具の係止状態の説明断面図、
【図12】
同上の他の参考用の係止開口部の吊り下げ具の係止状態の説明断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の物干し用ハンガーは、洗濯ばさみを吊り下げ具を介して吊り下げる枠体に、吊り下げ具を斜め状に挿通可能に一側部を大きな開口部として他側部を小さな開口部として連通しただるま状や瓢箪状の係止開口部を設け、上記洗濯ばさみを吊り下げる所定長さの細棒状とした吊り下げ具をその上端部を係止頭部としてその下部に細径とした首部を設けるとともに、上記小さな開口部に係止頭部の大きさの所定量凹ませた段落部を設け、上記吊り下げ具の上部の係止頭部を上記係止開口部の大きな開口部に斜め状に挿入して、吊り下げ具の係止頭部を支点、首部を作用点、下部を力点として吊り下げ具をてこ作用でその係止頭部を首部を介して小さな開口部に移動自在として係止開口部の小さな開口部の段落部に嵌脱自在として吊り下げるように形成していて、上記係止開口部の小さな開口部の側部に係止突部を突設または掛止開口部を開口し、吊り下げ具の係止頭部に上記係止突部に引っ掛けて掛止する脱落防止用の掛止材または上記掛止開口部に挿入して掛止する脱落防止用の開口掛止材を設けたことを特徴としている。
【0020】
物干し用ハンガー1は、図1、図2のように吊り下げ用の枠体2に所定の間隔で多数の係止開口部3を設けて、吊り下げ具4の上部を係止開口部3に挿脱可能に係止するようにし、この吊り下げ具4の下部に洗濯ばさみ5を取り付けて、洗濯物6を洗濯ばさみ5に挟んで吊り下げ、枠体2の上部側のハンガー吊下具7で物干し竿8やワイヤー、ロープ等に引っ掛けて洗濯物6を乾燥できるようにしている。
【0021】
枠体2は、剛性を有するポリエチレンやABS、ナイロン、ポリプロピレン等の耐熱性のある合成樹脂材で、所要の厚みとして断面を逆コ字状等の棒状や円形状、矩形状として、これらを大中小等の枠状に並べて一体形成したりしたもので、図1、図2のように係止開口部3を所定の間隔で上記枠体2に設け、上記洗濯ばさみ5を吊り下げ具4を介して交換可能にしている。
【0022】
係止開口部3は、図1、図2のように一側部を大きな開口部9として他側部を小さな開口部10として連通しただるま状や瓢箪状の形状として、図3、図4のように吊り下げ具4の係止頭部11を一側部の大きな開口部9に斜め状に挿通可能として、たとえば吊り下げ具4の首部の作用点部を片手で押さえ、係止頭部11を支点とし、その下部を力点として矢印のように押して吊り下げ具4をてこ作用で小さな開口部10側に弾性的に移動して係止するようにしている。このように吊り下げ具4をてこ作用で移動させるので、係止頭部11を小さな力で簡単に移動できて小さな開口部10に係止することができる。上記係止開口部3としては、図のように丸味状のものが好ましいが、大小の矩形状や楕円状、菱形状等のものともできる。
【0023】
係止開口部3の大きな開口部9は、上記したように吊り下げ具4を斜め状に挿通可能な範囲で所要の大きさにでき、また小さな開口部10には、図2のように上部側を大きな開口部9と同じ大きさまたはやや小さい大きさとしてその下部側を所定量凹ませた所要径の小さな開口部10とした段落部12として、上記のようにてこ作用で吊り下げ具4の係止頭部11を係止するようにしている。小さな開口部10は、所定量凹ませた段落部12を設けることが、係止頭部11を体裁よく装着できて好ましいが、段落しなくともよい。
【0024】
吊り下げ具4は、図3のように可撓性のあるポリエチレンやナイロン、ポリプロピレン等の耐熱性を有する合成樹脂材で、その係止頭部11を含む上端部を上記した係止開口部3の大きな開口部9に斜め状として自由に挿脱可能な大きさとして所定の長さの細棒状とし、係止頭部11の下部を大きな開口部9から小さな開口部10に係止頭部11の首部を支点としててこ作用によって移動できる首状の細径部13とし、図4のように係止開口部3の小さな開口部10に係止頭部11を脱落防止の掛止部として掛止して枠体2にそれぞれ安定して吊り下げるようにすることができる。吊り下げ具4の係止頭部11の口径を小さな開口部10の段落部12に嵌合するようにし、首状の細径部13を段落部12の開口部10に嵌合するようにして吊り下げ具4を安定して吊り下げるようにしている。
【0025】
吊り下げ具4の下端部には、小口径の引掛部14を設けて洗濯ばさみ5を取り付け、洗濯物6を洗濯ばさみ5に挟んで吊り下げるようにしている。そして、洗濯ばさみ5が破損したとき、吊り下げ具4をその下方を上記した逆様にてこ作用によって移動させて枠体2から取り外し、新しい洗濯ばさみ5を取り付けて吊り下げ具4に交換することができる。なお、吊り下げ具4毎交換してもよい。
【0026】
また、吊り下げ具4の係止頭部11に、図4のようにボス状やビス状等の栓材15の掛止部を折り曲げ可能等として設けたり、別途に設けて、係止開口部3の大きな開口部9に挿脱可能に装着するようにし、係止頭部11を小さな開口部10に掛止したときに大きな開口部9に栓材15を挿入して開口部9に栓をし、吊り下げ具4が大きな開口部9に移動して脱落することなく、確実に係止しておけるようにすることもできる。
【0027】
そしてまた、図5のように枠体2の係止開口部3の側部に、脱落防止用に係止突部16を所定の高さにそれぞれ突設し、図6のように吊り下げ具4の係止頭部11に掛止材17を所定の長さに十字状に一体的に配設し、吊り下げ具4を図7のように係止突材16に係止頭部11の掛止材17を掛止して脱落防止をはかれるようにできる。
【0028】
また、図8や図9のように枠体2の係止開口部3の側部に脱落防止用に係止突部18を所定の高さに垂直状に突設し、吊り下げ具4の係止頭部11に嵌脱掛止部19を折り曲げ可能な鉤状やフック状に配設したり、舌状として、係止突部18に係止頭部11の嵌脱掛止部19を折り曲げてこれらの掛止口20や掛止口21を挿入して脱落防止をはかれるようにできる。
【0029】
また、図10のように枠体2の係止開口部3の側部に脱落防止用に掛止開口部22を開口し、吊り下げ具4の係止頭部11に折り曲げ可能に鉤状やフック状の開口掛止材23を配設し、係止頭部11の開口掛止材23を折り曲げて掛止開口部22に挿入して脱落防止をはかれるようにできる。
【0030】
さらに、参考用として、図11のように吊り下げ具4の係止頭部11側を2分割や3分割等に分岐状態とした弾性を有する分岐掛止部24とし、吊り下げ具4の係止頭部11側を接合状態に縮小して係止開口部3の大きな開口部9に挿入して小さな開口部10に移動し、係止頭部11の分岐掛止部24を拡張させて小さな開口部10に弾性的に係止し、脱落することなく、確実に係止しておけるようにもできる。
【0031】
またさらに、参考用として、図12のように枠体2の係止開口部3の下側部に所定の幅のガイド材25を設け、吊り下げ具4の係止頭部11の側部にほぼL字状等に弾性力を有する脱落防止材26を突設し、枠体2のガイド材25の間に吊り下げ具4の係止頭部11の側部の脱落防止材26を挿入して、吊り下げ具4の係止頭部11を係止開口部3の大きな開口部9に挿入し、小さな開口部10に弾性的に押し入れて保持し、脱落することなく、確実に係止しておけるようにもできる。
【0032】
このように枠体2の係止開口部3に吊り下げ具4を脱落せずに掛止するいろいろな態様の掛止手段を採用でき、洗濯ばさみ5が破損したとき、吊り下げ具4を枠体2から取り外し、新しい洗濯ばさみ5を取り付けて吊り下げ具4を交換するようにできる。必要により、吊り下げ具4の交換をすることも可能である。
【実施例】
【0033】
図1?図4は、基本となる物干し用ハンガーを示すものである。物干し用ハンガー1は、図1、図2のように吊り下げ用の枠体2に所定の間隔で多数の係止開口部3を設けて、吊り下げ具4の上部を係止開口部3に挿脱可能に係止するようにし、この吊り下げ具4の下部に洗濯ばさみ5を取り付けて、洗濯物6を吊り下げ、枠体2の上部側のハンガー吊下具7で物干し竿8引っ掛けて洗濯物6を乾燥できるようにしている。
【0034】
枠体2は、ポリエチレンの耐熱性のある合成樹脂材で、断面を逆コ字状の矩形状の枠状に一体形成したもので、図1、図2のようにこの枠体2に係止開口部3を所定の間隔で設け、洗濯ばさみ5の吊り下げ具4を簡単に交換可能にして係止開口部3から脱落しないように吊り下げられるようにしている。
【0035】
係止開口部3は、図2のように一側部を大きな開口部9として他側部を小さな開口部10として連通した瓢箪状の形状として、図3のように吊り下げ具4の係止頭部11を一側部の大きな開口部9に斜め状に挿通し、首部を作用点、その係止頭部11を支点とし、その下部を力点として矢印のように押して吊り下げ具4をてこ作用で弾性的に大きな開口部9側から小さな開口部10に移動させるようにして、小さな力で簡単に移動できて係止頭部11を小さな開口部10に安定して係止するようにしている。
【0036】
係止開口部3の小さな開口部10には、図2のように上部側を大きな開口部9よりやや小さくしてその下部側を所定量凹ませた所要径の小さな開口部10の段落部12とし、吊り下げ具4の係止頭部11をその口径がほぼ同一の段落部12部に体裁よく嵌合して脱落しないように安定して掛止できるようにしている。
【0037】
吊り下げ具4は、図1、図3、図4のように可撓性のあるポリエチレンの耐熱性を有する合成樹脂材で、その係止頭部11を含む上端部を上記した係止開口部3の大きな開口部9に斜め状として自由に挿脱可能な所定の長さの大きな開口部9の口径に比して1?2mm位細い細棒状とし、係止頭部11の下部を大きな開口部9から係止頭部11の首部を支点として、てこ作用によって小さな開口部10に移動できる細径部13の首状として、図1、図3、図4のように係止開口部3の大きな開口部9に斜め状に挿通しててこ作用によって他側部の小さな開口部10に移動して小さな開口部10に細径部13を嵌入して係止頭部11を掛止して枠体2に安定して吊り下げられるようにしている。
【0038】
なお、吊り下げ具4の係止頭部11に、ボス状の栓材15を係止開口部3の大きな開口部9に挿脱可能に係止するようにし、係止頭部11を小さな開口部10に掛止したときに大きな開口部9に栓材15を挿入して開口部9に栓をし、吊り下げ具4を脱落することなく、確実に係止しておけるようにすることが好ましい。
【0039】
吊り下げ具4の下端部の小口径の引掛部14に洗濯ばさみ5を取り付けて、洗濯物6を洗濯ばさみ5に挟んで吊り下げられる。そして、洗濯ばさみ5が破損したとき、図3のように小さな開口部10に係止した吊り下げ具4を上記した逆様にてこ作用でその下部を側方に移動し、係止開口部3の大きな開口部9に斜め状として枠体2から引き抜いて取り外し、新しい洗濯ばさみ5を取り付けて吊り下げ具4を交換することができる。
【0040】
このように、吊り下げ具4を、てこ作用によって物干し用ハンガー1の枠体2に小さな力で簡単に安定して吊り下げられるとともに、洗濯ばさみ5が破損したとき、吊り下げ具4をてこ作用によって物干し用ハンガー1の枠体2から取りはずせ、吊り下げ具4を小さな力で簡単に交換できて、物干し用ハンガー1を使用継続することができる。そのため、大量の物干しハンガー1を廃棄することなく、継続使用できて、資源の節約に貢献することができる。
【0041】
図5?図7は本発明の一実施例で、図5のように枠体2の係止開口部3の側部に脱落防止用に係止突部16を所定の高さに突設し、図6のように吊り下げ具4の係止頭部11の小さな開口部10の側部に掛止材17を所定の長さとして十字状に配設し、吊り下げ具4を図7のように係止突部16に係止頭部11の掛止材17を掛止して脱落防止をはかれるようにしたものである。
【0042】
また、図8、図9はそれぞれ本発明のさらに他の実施例で、図8、図9のように枠体2の係止開口部3の側部に脱落防止用に係止突部18を所定の高さに垂直状に突設し、吊り下げ具4の係止頭部11の側部に嵌脱掛止部19を折り曲げ可能な鉤状や舌状に配設し、係止突部18に係止頭部11の嵌脱掛止部20、21を折り曲げて掛止口20、21を挿入して脱落防止をはかれるようにしたものである。
【0043】
また、図10は本発明のさらに他の実施例で、図10のように枠体2の係止開口部3の側部に脱落防止用に掛止開口部23を開口し、吊り下げ具4の係止頭部11に折り曲げ可能に鉤状の開口掛止材24を配設し、係止頭部11の開口掛止材24を折り曲げて掛止開口部23に挿入して脱落防止をはかれるようにしたものである。
【0044】
さらに、図11は参考例で、図11のように吊り下げ具4の係止頭部11側を2分割して分岐掛止部25とし、吊り下げ具4の係止頭部11側を接合状態に縮小して係止開口部3の大きな開口部9に挿入して小さな開口部10に移動し、係止頭部11側を拡張させて小さな開口部10に弾性的に係止し、脱落することなく、確実に係止しておけるようにしたものである。
【0045】
またさらに、図12は他の参考例で、図12のように枠体2の係止開口部3の下側部に所定の幅のガイド材26を設け、吊り下げ具4の係止頭部11の側部にほぼL字状等に弾性力を有する脱落防止材27を突設し、枠体2のガイド材26の間に吊り下げ具4の係止頭部11の側部の脱落防止材27を挿入して、吊り下げ具4の係止頭部11を係止開口部3の大きな開口部9に挿入して係止頭部11を小さな開口部10に弾性的に押し入れて保持し、脱落することなく、確実に係止しておけるようにしたものである。
【0046】
以上のように物干し用ハンガー1に吊り下げ具4を脱落せずに掛止するいろいろな態様の掛止手段を採用でき、本発明の趣旨にもとずいてこれらの他にも適宜な実施例を採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、家庭用や病院用、業務用、その他の洗濯物の物干し用ハンガーに利用することができるものである。
【符号の説明】
【0048】
1…物干し用ハンガー 2…枠体 3…係止開口部 4…吊り下げ具
5…洗濯ばさみ 6…洗濯物 9、10…開口部 11…係止頭部
16、18…係止突部 17…掛止材 19…嵌脱掛止部 20…嵌脱掛止部
20…嵌脱掛止部 23…掛止開口部 24…開口掛止材 25…分岐係止部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0049】
【特許文献1】 実用新案登録第3004897号公報
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯ばさみを吊り下げ具を介して吊り下げる枠体に、吊り下げ具を斜め状に挿通可能に一側部を大きな開口部として他側部を小さな開口部として連通しただるま状や瓢箪状の係止開口部を設け、上記洗濯ばさみを吊り下げる所定長さの細棒状とした吊り下げ具をその上端部を係止頭部としてその下部に細径とした首部を設けるとともに、上記小さな開口部に係止頭部の大きさの所定量凹ませた段落部を設け、
上記吊り下げ具の上部の係止頭部を上記係止開口部の大きな開口部に斜め状に挿入して、吊り下げ具の係止頭部を支点、首部を作用点、下部を力点として吊り下げ具をてこ作用でその係止頭部を首部を介して小さな開口部に移動自在として係止開口部の小さな開口部の段落部に嵌脱自在として吊り下げるように形成していて、
上記係止開口部の小さな開口部の側部に係止突部を突設または掛止開口部を開口し、吊り下げ具の係止頭部に上記係止突部に引っ掛けて掛止する脱落防止用の掛止材または上記掛止開口部に挿入して掛止する脱落防止用の開口掛止材を設けたことを特徴とする物干し用ハンガー。
【請求項2】
上記係止開口部の小さな開口部の両側部に係止突部を突設し、吊り下げ具の係止頭部の両側にそれぞれ突き出して上記両側部の係止突部に引っ掛けて掛止する脱落防止用の掛止材を設けた請求項1に記載の物干し用ハンガー。
【請求項3】
上記係止開口部の小さな開口部の側部に係止突部を突設し、吊り下げ具の係止頭部に上記係止突部に嵌脱する脱落防止用の鉤状やフック状の嵌脱掛止部の掛止材を設けた請求項1に記載の物干し用ハンガー。
【請求項4】
上記係止開口部の小さな開口部の側部に掛止開口部を開口し、吊り下げ具の係止頭部に上記掛止開口部に挿入して掛止する脱落防止用の鉤状やフック状の開口掛止材を設けた請求項1に記載の物干し用ハンガー。
【請求項5】
削除
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2018-04-19 
結審通知日 2018-04-24 
審決日 2018-05-10 
出願番号 特願2011-31491(P2011-31491)
審決分類 P 1 113・ 537- YAA (D06F)
P 1 113・ 121- YAA (D06F)
P 1 113・ 111- YAA (D06F)
P 1 113・ 113- YAA (D06F)
P 1 113・ 112- YAA (D06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 青木 良憲  
特許庁審判長 渡邊 豊英
特許庁審判官 井上 茂夫
谿花 正由輝
登録日 2015-02-27 
登録番号 特許第5700801号(P5700801)
発明の名称 物干し用ハンガー  
代理人 中澤 昭彦  
代理人 森本 邦章  
代理人 森本 邦章  

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