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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 G01C |
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管理番号 | 1342957 |
異議申立番号 | 異議2017-700883 |
総通号数 | 225 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2018-09-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2017-09-15 |
確定日 | 2018-06-22 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6097421号発明「情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6097421号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-8〕、9、10について訂正することを認める。 特許第6097421号の請求項1ないし10に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6097421号の請求項1ないし10に係る特許についての出願は、平成28年1月20日に特許出願され、平成29年2月24日付けでその特許権の設定登録がされ、その後、平成29年9月15日に特許異議申立人遠藤眞理子(以下、「異議申立人」という。)より請求項1ないし10に対して特許異議の申立てがされ、平成29年12月5日付けで取消理由通知がされ、平成30年2月9日付けで意見書の提出及び同日付け訂正請求がされ、平成30年3月19日付けで訂正請求があった旨の通知がされ、平成30年4月20日付けで異議申立人から意見書が提出されたものである。 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 本件訂正請求による訂正の内容は以下の(1)ないし(3)のとおりである。 (1)特許権者は、特許請求の範囲の請求項1を以下の事項により特定されるとおりの請求項1として訂正することを請求する(訂正事項1)。なお、下線部は訂正箇所を示す(以下同様。)。 「記憶部に格納された時刻表データベースを参照することにより、交通機関を利用した場合の所定の地点間の経路を示す経路情報と、当該経路における交通機関ごとの発着時間を示す時間情報とを含む路線情報を生成する生成部と、 前記生成部によって生成された路線情報が含む複数の経路のうち、所定の経路間における時間間隔の設定をユーザが利用する端末装置から受け付けるとともに、現在時刻と、現在時刻に対応する前記端末装置の位置情報とを受け付ける受付部と、 前記受付部によって受け付けられた時間間隔の設定に基づいて、前記路線情報の経路情報を維持しつつ、前記時刻表データベースを参照して、前記路線情報の時間情報を更新するとともに、前記路線情報に含まれる時間情報及び経路情報と、前記受付部によって受け付けられた現在時刻及び現在時刻に対応する前記端末装置の位置情報とが適合しないと判定した場合には、当該位置情報に基づいて、当該路線情報が含む現在時刻以降の経路情報を維持しつつ、当該路線情報が含む時間情報のうち、現在時刻以降の時間情報を更新する更新部と、 を備えたことを特徴とする情報処理装置。」(請求項1の記載を引用する請求項2ないし8も同様に訂正する。) (2)特許権者は、特許請求の範囲の請求項9を以下の事項により特定されるとおりの請求項9として訂正することを請求する(訂正事項2)。 「生成部と、受付部と、更新部と、記憶部とを含むコンピュータが実行する情報処理方法であって、 前記記憶部に格納された時刻表データベースを参照することにより、交通機関を利用した場合の所定の地点間の経路を示す経路情報と、当該経路における交通機関ごとの発着時間を示す時間情報とを含む路線情報を前記生成部が生成する生成工程と、 前記生成工程によって生成された路線情報が含む複数の経路のうち、所定の経路間における時間間隔の設定をユーザが利用する端末装置から受け付けるとともに、現在時刻と、現在時刻に対応する前記端末装置の位置情報とを前記受付部が受け付ける受付工程と、 前記受付工程によって受け付けられた時間間隔の設定に基づいて、前記路線情報の経路情報を維持しつつ、前記時刻表データベースを参照して、前記路線情報の時間情報を更新するとともに、前記路線情報に含まれる時間情報及び経路情報と、前記受付工程によって受け付けられた現在時刻及び現在時刻に対応する前記端末装置の位置情報とが適合しないと判定した場合には、当該位置情報に基づいて、当該路線情報が含む現在時刻以降の経路情報を維持しつつ、当該路線情報が含む時間情報のうち、現在時刻以降の時間情報を更新する更新工程と、 を含んだことを特徴とする情報処理方法。」 (3)特許権者は、特許請求の範囲の請求項10を以下の事項により特定されるとおりの請求項10として訂正することを請求する(訂正事項3)。 「生成部と、受付部と、更新部と、記憶部とを含むコンピュータで実行される情報処理プログラムであって、 前記記憶部に格納された時刻表データベースを参照することにより、交通機関を利用した場合の所定の地点間の経路を示す経路情報と、当該経路における交通機関ごとの発着時間を示す時間情報とを含む路線情報を前記生成部が生成する生成手順と、 前記生成手順によって生成された路線情報が含む複数の経路のうち、所定の経路間における時間間隔の設定をユーザが利用する端末装置から受け付けるとともに、現在時刻と、現在時刻に対応する前記端末装置の位置情報とを前記受付部が受け付ける受付手順と、 前記受付手順によって受け付けられた時間間隔の設定に基づいて、前記路線情報の経路情報を維持しつつ、前記時刻表データベースを参照して、前記路線情報の時間情報を更新するとともに、前記路線情報に含まれる時間情報及び経路情報と、前記受付手順によって受け付けられた現在時刻及び現在時刻に対応する前記端末装置の位置情報とが適合しないと判定した場合には、当該位置情報に基づいて、当該路線情報が含む現在時刻以降の経路情報を維持しつつ、当該路線情報が含む時間情報のうち、現在時刻以降の時間情報を更新する更新手順と、 を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。」 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、一群の請求項及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項1の、請求項1に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 訂正事項2の、請求項9に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 訂正事項3の、請求項10に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 また、訂正前の請求項1ないし8は、請求項2ないし8が、訂正の請求の対象である請求項1の記載を引用する関係にあるから、訂正前において一群の請求項ごとにされたものである。 3 小括 したがって、上記訂正請求による訂正事項1ないし3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1-8〕、9、10について訂正を認める。 第3 特許異議の申立てについて 1 本件発明 本件訂正請求により訂正された訂正請求項1ないし10に係る発明(以下、「本件発明1」ないし「本件発明10」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項1】 記憶部に格納された時刻表データベースを参照することにより、交通機関を利用した場合の所定の地点間の経路を示す経路情報と、当該経路における交通機関ごとの発着時間を示す時間情報とを含む路線情報を生成する生成部と、 前記生成部によって生成された路線情報が含む複数の経路のうち、所定の経路間における時間間隔の設定をユーザが利用する端末装置から受け付けるとともに、現在時刻と、現在時刻に対応する前記端末装置の位置情報とを受け付ける受付部と、 前記受付部によって受け付けられた時間間隔の設定に基づいて、前記路線情報の経路情報を維持しつつ、前記時刻表データベースを参照して、前記路線情報の時間情報を更新するとともに、前記路線情報に含まれる時間情報及び経路情報と、前記受付部によって受け付けられた現在時刻及び現在時刻に対応する前記端末装置の位置情報とが適合しないと判定した場合には、当該位置情報に基づいて、当該路線情報が含む現在時刻以降の経路情報を維持しつつ、当該路線情報が含む時間情報のうち、現在時刻以降の時間情報を更新する更新部と、 を備えたことを特徴とする情報処理装置。 【請求項2】 前記生成部は、 前記端末装置が有する所定の記憶部に記憶可能な情報として、前記路線情報を生成し、 前記受付部は、 前記端末装置が有する所定の記憶部に過去に記憶された前記路線情報に対して、前記所定の経路間における時間間隔の設定を当該端末装置から受け付ける、 ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項3】 前記受付部は、 前記路線情報が含む経路に対応する交通機関の出発時間又は到着時間をユーザに選択させることにより、前記所定の経路間における時間間隔の設定を受け付ける、 ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。 【請求項4】 前記受付部は、 前記所定の経路間において、ユーザが所望する任意の時間の入力を受け付けることにより、当該路線情報の経路間における時間間隔の設定を受け付ける、 ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。 【請求項5】 前記更新部は、 前記受付部によって時間間隔の設定が受け付けられた場合に、当該時間間隔の設定を受け付けた以降の経路に対応する時間情報を更新することにより、前記路線情報を更新する、 ことを特徴とする請求項1?4のいずれか一つに記載の情報処理装置。 【請求項6】 前記更新部は、 前記路線情報における出発点の出発時間、又は終点の到着時間を維持したまま、前記受付部によって受け付けられた時間間隔の設定に基づいて、前記路線情報の時間情報を更新する、 ことを特徴とする請求項1?4のいずれか一つに記載の情報処理装置。 【請求項7】 前記受付部は、 前記路線情報のうち、特定の経路に対応する時間情報を維持する設定を受け付け、 前記更新部は、 前記現在時刻以降の時間情報のうち、前記特定の経路に対応する時間情報を維持しつつ、当該特定の経路以外の経路に対応する時間情報を更新する、 ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。 【請求項8】 前記更新部は、 前記路線情報の経路情報として、経路の基点、又は経路における移動手段を維持しつつ、当該経路に対応する時間情報を更新する、 ことを特徴とする請求項1?7のいずれか一つに記載の情報処理装置。 【請求項9】 生成部と、受付部と、更新部と、記憶部とを含むコンピュータが実行する情報処理方法であって、 前記記憶部に格納された時刻表データベースを参照することにより、交通機関を利用した場合の所定の地点間の経路を示す経路情報と、当該経路における交通機関ごとの発着時間を示す時間情報とを含む路線情報を前記生成部が生成する生成工程と、 前記生成工程によって生成された路線情報が含む複数の経路のうち、所定の経路間における時間間隔の設定をユーザが利用する端末装置から受け付けるとともに、現在時刻と、現在時刻に対応する前記端末装置の位置情報とを前記受付部が受け付ける受付工程と、 前記受付工程によって受け付けられた時間間隔の設定に基づいて、前記路線情報の経路情報を維持しつつ、前記時刻表データベースを参照して、前記路線情報の時間情報を更新するとともに、前記路線情報に含まれる時間情報及び経路情報と、前記受付工程によって受け付けられた現在時刻及び現在時刻に対応する前記端末装置の位置情報とが適合しないと判定した場合には、当該位置情報に基づいて、当該路線情報が含む現在時刻以降の経路情報を維持しつつ、当該路線情報が含む時間情報のうち、現在時刻以降の時間情報を更新する更新工程と、 を含んだことを特徴とする情報処理方法。 【請求項10】 生成部と、受付部と、更新部と、記憶部とを含むコンピュータで実行される情報処理プログラムであって、 前記記憶部に格納された時刻表データベースを参照することにより、交通機関を利用した場合の所定の地点間の経路を示す経路情報と、当該経路における交通機関ごとの発着時間を示す時間情報とを含む路線情報を前記生成部が生成する生成手順と、 前記生成手順によって生成された路線情報が含む複数の経路のうち、所定の経路間における時間間隔の設定をユーザが利用する端末装置から受け付けるとともに、現在時刻と、現在時刻に対応する前記端末装置の位置情報とを前記受付部が受け付ける受付手順と、 前記受付手順によって受け付けられた時間間隔の設定に基づいて、前記路線情報の経路情報を維持しつつ、前記時刻表データベースを参照して、前記路線情報の時間情報を更新するとともに、前記路線情報に含まれる時間情報及び経路情報と、前記受付手順によって受け付けられた現在時刻及び現在時刻に対応する前記端末装置の位置情報とが適合しないと判定した場合には、当該位置情報に基づいて、当該路線情報が含む現在時刻以降の経路情報を維持しつつ、当該路線情報が含む時間情報のうち、現在時刻以降の時間情報を更新する更新手順と、 を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。」 2 取消理由の概要 訂正前の請求項1ないし10に係る特許に対して平成29年12月5日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 請求項1、9及び10に係る発明は、甲1発明及び甲2技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 請求項2に係る発明は、甲1発明、甲2技術及び甲3技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 請求項3及び5に係る発明は、甲1発明、甲2技術、甲3技術及び周知技術1に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 請求項4及び5に係る発明は、甲1発明、甲2技術、甲3技術、甲4技術及び甲5技術の1に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 請求項6に係る発明は、甲1発明、甲2技術、甲3技術、周知技術1及び周知技術2、又は、甲1発明、甲2技術、甲3技術、甲4技術、甲5技術の1及び周知技術2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 また、請求項7及び8に係る発明は、甲1発明、甲2技術、甲3技術、周知技術1、甲5技術の2及び周知技術2、又は、甲1発明、甲2技術、甲3技術、甲4技術、甲5技術の1、甲5技術の2及び周知技術2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 したがって、請求項1ないし10に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。 3 甲号証の記載 (1)甲第1号証(特開2013-32948号公報)には、段落【0040】、【0043】、【0044】、【0048】ないし【0051】、【0055】、【0060】ないし【0062】、【0065】、【0074】、【0078】、【0080】、【0090】、図1及び図3等の記載からみて、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認める。 「記憶部206に格納されたネットワークデータベース206aを参照して基準経路を探索するとともに別経路を探索する経路探索部202bと、 経路探索部202bで探索された、別経路の指定情報を含む再検索要求を端末装置100から受信するとともに、端末装置100の現在位置情報を受信する経路探索条件受信部202aと、 経路探索条件受信部202aで受信された再探索要求に含まれる別経路の指定情報に基づいて、ネットワークデータベース206aを参照して新たな基準経路を再探索し、端末装置100の経路探索条件送信部102cが、現在位置情報に基づいて案内経路を外れたと判定した場合に送信する再探索要求を経路探索条件受信部202aで受信した場合には、受信した該再探索要求に基づいて新たな基準経路を再探索する経路探索部202bと、 を備え、 端末装置100の現在位置情報とともに、該現在位置情報を取得した日時情報を取得し、 別経路の指定情報は、基準経路の一部区画の路線と同じ路線において、出発時刻が異なる列車を別経路として利用者に選択させることにより得られるものであり、 経路探索部202bは、経路探索条件受信部202aにより別経路の指定情報が受信された場合、該別経路を利用する出発地から目的地までの経路を新たな基準経路として再探索する、 サーバ装置200。」 (3)甲2技術 甲第2号証(特開2013-88204号公報。特に、段落【0029】、【0035】、【0037】、【0039】、【0041】ないし【0043】、【0064】、図3等参照。)には、次の技術(以下、「甲2技術」という。)が記載されている。 「出発地から目的地までの移動体の移動経路を探索するナビゲーションシステム1の端末装置2において、列車位置特定部24bは、目的地が列車の駅である場合、目的地として設定された駅の時刻表に基づき、ユーザが乗りたい列車の選択をさせ、位置算定部24cは、移動体の過去の移動速度Vと、ユーザが乗りたい列車が乗車駅から発車するまでの時間Trとから、ユーザが乗りたい列車に間に合う位置から乗車駅までの移動経路上の距離Pを算出するとともに、当該距離Pと、移動体の現在位置から乗車駅までの移動経路上の距離Qに基づき、ユーザが走ったとしても間に合う可能性が低い場合には、ユーザが乗りたい列車の後続列車について案内を行うと判定し、ユーザが乗りたい列車を後続列車に再設定する技術。」 (4)甲3技術 甲第3号証(こっこ(16/20ページ)、“Yahoo乗換案内アプリの便利さと使い方について”、[online]、2014年6月12日、インターネット<URL:http://iro-toridori.net/20140612/yahoo-norikae/>。特に、第11ないし15ページ等参照。)には、次の技術(以下、「甲3技術」という。)が記載されている。 「乗換案内アプリにおいて、よく検索するルートをMyルートとして登録し、出発時間がずれた場合に、Myルートに登録されたルートを現在の時刻で再検索する技術。」 (5)甲4技術 甲第4号証(特開2014-163767号公報。特に、段落【0028】、【0033】、【0047】、【0048】、図1及び図2等参照。)には、次の技術(以下、「甲4技術」という。)が記載されている。 「ナビゲーションシステムにおいて、探索条件設定部214aは、出発地、目的地、経由地等を含む地点条件と、出発時刻、到着時刻、ある地点にて留まる時間である滞在時間、ある区間における移動にかけてよい時間である移動許容時間等を含む時間条件とを含む探索条件を設定し、探索条件変更部214fは、操作受付部214eが受け付けたタッチパネル上の表示物への操作に基づき、経由地の滞在時間又は経路の移動許容時間を設定する技術。」 (6)甲5技術の1及び2 甲第5号証(特開2004-210096号公報。特に、段落【0105】ないし【0108】、【0124】及び図9等参照。)には、次の技術(以下、「甲5技術の1」という。)が記載されている。 「ナビゲーションシステムにおいて、出発地から目的地までの所定の地点を指定地点として指定し、該指定地点における時刻を、所定の指定時刻に変更する技術。」 また、甲第5号証(特に、段落【0105】ないし【0108】、【0124】及び図9等参照。)には、次の技術(以下、「甲5技術の2」という。)も記載されている。 「ナビゲーションシステムにおいて、指定地点の時刻を指定時刻に変更するために、探索経路において、一つ以上の区間経路にわたって、探索経路を変更する対象となる変更範囲を指定して、変更範囲内の経路を再び探索し、探索された経路を候補経路として出力する技術。」 (7)周知技術1及び2 ナビゲーションにおける経路探索において、到着時間を設定して経路探索を行う技術は、本件特許の出願前に周知の技術(周知技術1)である。 また、ナビゲーションにおける経路探索において、終点の到着時間を維持したまま、再度、経路探索を行う技術も、本件特許の出願前に周知の技術(周知技術2)である。 (8)証拠方法 甲第1号証:特開2013-32948号公報 甲第2号証:特開2013-88204号公報 甲第3号証:こっこ(16/20ページ)、“Yahoo乗換案内アプリの便利さと使い方について”、[online]、2014年6月12日、インターネット<URL:http://iro-toridori.net/20140612/yahoo-norikae/> 甲第4号証:特開2014-163767号公報 甲第5号証:特開2004-210096号公報 甲第6号証:Yahoo!路線情報公式ブログ コラム “なぜダイヤ調整機能を作ったか?”、2015年1月15日、[online]、インターネット<URL:https://blog-transit.yahoo.co.jp/column/column_assignnexttrain.html>(平成30年4月20日付け意見書に添付) 4 判断 (1)取消理由通知に記載した取消理由について ア 本件発明1について 本件発明1と甲1発明とを対比すると、甲1発明における「記憶部206」は、その構成、機能又は技術的意義からみて、本件発明1における「記憶部」に相当し、以下同様に、「ネットワークデータベース206a」は「時刻表データベース」に、「ネットワークデータベース206aを参照して」は「時刻表データベースを参照することにより」に、「探索する」ことは「生成する」ことに、「端末装置100」は「端末装置」に、「端末装置100の現在位置情報」は「現在時刻に対応する前記端末装置の位置情報」に、「受信」することは「受け付ける」ことに、「経路探索条件受信部202a」は「受付部」に、「経路探索条件受信部202aで受信された」ことは「受付部によって受け付けられた」ことに、「再探索」することは「更新」することに、「日時情報」は「現在時刻」に、「路線」は「経路」に、それぞれ相当する。 甲1発明における「基準経路」は、甲第1号証の段落【0049】を参照すると、交通機関が通過する出発地から目的地までの経路であるから、本件発明1における「交通機関を利用した場合の所定の地点間の経路を示す経路情報」に相当するとともに、図3等に示されるように、列車の出発時刻や到着時刻を含むものであるから、本件発明1における「経路における交通機関ごとの発着時間を示す時間情報」及び「路線情報」にも相当する。そうすると、甲1発明における「経路探索部202b」は、本件発明1における「交通機関を利用した場合の所定の地点間の経路を示す経路情報と、当該経路における交通機関ごとの発着時間を示す時間情報とを含む路線情報を生成する生成部」に相当する。 甲1発明における「別経路の指定情報」は、基準経路の一部区画の路線と同じ路線において、出発時刻が異なる列車を別経路として利用者に選択させることにより得られるものであり、一方、本件発明1における「時間間隔の設定」は、経路における交通機関の出発時間の候補から選択することも含まれると解される(請求項3及び段落【0043】等参照)から、甲1発明における「経路探索部202bで探索された、別経路の指定情報を含む再検索要求を端末装置100から受信する」ことは、本件発明1における「生成部によって生成された路線情報が含む複数の経路のうち、所定の経路間における時間間隔の設定をユーザが利用する端末装置から受け付ける」ことに相当する。 また、甲1発明は、別経路の指定情報に基づいて新たな基準経路を再探索する過程で、基準経路の一部区画の路線と同じ路線において、出発時刻が異なる列車を別経路として利用者に選択させることにより、別経路の指定情報を得ており、基準経路に含まれる路線は変更されていないから、甲1発明における「新たな基準経路を再探索」することは、本件発明1における「路線情報の経路情報を維持しつつ」、「路線情報の時間情報を更新」することに相当する。そうすると、甲1発明における「経路探索部202b」は、本件発明1における「前記受付部によって受け付けられた時間間隔の設定に基づいて、前記路線情報の経路情報を維持しつつ、前記時刻表データベースを参照して、前記路線情報の時間情報を更新する」「更新部」に相当する。 したがって、本件発明1と甲1発明とは、以下の点で一致する。 (一致点) 「記憶部に格納された時刻表データベースを参照することにより、交通機関を利用した場合の所定の地点間の経路を示す経路情報と、当該経路における交通機関ごとの発着時間を示す時間情報とを含む路線情報を生成する生成部と、 前記生成部によって生成された路線情報が含む複数の経路のうち、所定の経路間における時間間隔の設定をユーザが利用する端末装置から受け付けるとともに、現在時刻に対応する前記端末装置の位置情報とを受け付ける受付部と、 前記受付部によって受け付けられた時間間隔の設定に基づいて、前記路線情報の経路情報を維持しつつ、前記時刻表データベースを参照して、前記路線情報の時間情報を更新する更新部と、 を備えた情報処理装置」 そして、両者は以下の点で相違している。 (相違点) 本件発明1においては、受付部が、「現在時刻」と、現在時刻に対応する端末装置の位置情報とを受け付け、更新部が、「路線情報に含まれる時間情報及び経路情報と、受付部によって受け付けられた現在時刻及び現在時刻に対応する端末装置の位置情報とが適合しないと判定した場合には、当該位置情報に基づいて、当該路線情報が含む現在時刻以降の経路情報を維持しつつ、当該路線情報が含む時間情報のうち、現在時刻以降の時間情報を更新する」のに対し、 甲1発明においては、経路探索条件受信部202aが端末装置100の現在位置情報を受信し、また、経路探索条件受信部202aが、端末装置100の経路探索条件送信部102cが現在位置情報に基づいて案内経路を外れたと判定した場合に送信する再探索要求を受信した場合には、受信した該再探索要求に基づいて新たな基準経路を再探索する点。 そこで、上記相違点について検討する。 まず、「現在時刻」を受け付ける点について検討すると、甲1発明は、端末装置100の現在位置情報とともに、該現在位置情報を取得した日時情報を取得するものであるから、経路探索条件受信部202aが、端末装置100の現在位置情報を受信する際、該現在位置情報を取得した日時情報も受信することは、必要に応じて適宜なし得る設計的事項にすぎない。 次に、「路線情報に含まれる時間情報及び経路情報と、受付部によって受け付けられた現在時刻及び現在時刻に対応する端末装置の位置情報とが適合しないと判定した場合には、当該位置情報に基づいて、当該路線情報が含む現在時刻以降の経路情報を維持しつつ、当該路線情報が含む時間情報のうち、現在時刻以降の時間情報を更新する」点について検討する。 上記甲2技術は、「出発地から目的地までの移動体の移動経路を探索するナビゲーションシステム1の端末装置2において、列車位置特定部24bは、目的地が列車の駅である場合、目的地として設定された駅の時刻表に基づき、ユーザが乗りたい列車の選択をさせ、位置算定部24cは、移動体の過去の移動速度Vと、ユーザが乗りたい列車が乗車駅から発車するまでの時間Trとから、ユーザが乗りたい列車に間に合う位置から乗車駅までの移動経路上の距離Pを算出するとともに、当該距離Pと、移動体の現在位置から乗車駅までの移動経路上の距離Qに基づき、ユーザが走ったとしても間に合う可能性が低い場合には、ユーザが乗りたい列車の後続列車について案内を行うと判定し、ユーザが乗りたい列車を後続列車に再設定する技術。」というものであり、甲第2号証の段落【0033】、【0066】及び【0067】の記載から、ユーザが出発地から目的地までの道路を、徒歩又は自動車や自転車により移動することを前提としており、目的地が列車の駅である場合、ユーザの移動速度Vとユーザの現在位置等に基づき、ユーザが乗りたい列車に間に合うかどうかを判断し、間に合わないときには、後続列車について案内を行うものである。 他方、甲1発明は、甲第1号証の段落【0073】及び【0074】の記載ならびに図3の図示内容から、出発地から目的地までの複数の交通手段を利用した乗換を含む経路案内を前提とし、別経路の指定がされると再探索を行う技術に関するものであり、甲1発明と甲2技術とは、前提とする技術が相違している。 そうすると、甲2技術に「ユーザが乗りたい列車の後続列車について案内を行うと判定し、ユーザが乗りたい列車を後続列車に再設定する技術」が含まれているとはいえ、甲2技術が前提とする技術は、甲1発明が前提とする技術とは異なるものであるから、甲1発明において、甲2技術を適用することは容易とはいえない。 また、甲2技術が、ユーザが出発地から目的地までの道路を、徒歩又は自動車や自転車により移動することを前提としていることを踏まえると、甲2技術の「ユーザの移動速度Vとユーザの現在位置等に基づき、ユーザが乗りたい列車に間に合うかどうかを判断する」は、本件発明1の「路線情報に含まれる時間情報及び経路情報と、受付部によって受け付けられた現在時刻及び現在時刻に対応する端末装置の位置情報とが適合しないと判定した」に相当するとはいえないから、甲1発明において、甲2技術を適用したとしても、「路線情報に含まれる時間情報及び経路情報と、受付部によって受け付けられた現在時刻及び現在時刻に対応する端末装置の位置情報とが適合しないと判定した場合には、当該位置情報に基づいて、当該路線情報が含む現在時刻以降の経路情報を維持しつつ、当該路線情報が含む時間情報のうち、現在時刻以降の時間情報を更新する」という、本件発明1の上記相違点に係る発明特定事項を想到することは、当業者といえども容易ではない。 よって、本件発明1は、甲1発明及び甲2技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 すなわち、請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。 イ 本件発明2ないし8について また、本件発明2ないし8は、本件発明1の上記相違点に係る発明特定事項(「現在時刻と、現在時刻に対応する前記端末装置の位置情報とを受け付ける受付部」と、「前記路線情報に含まれる時間情報及び経路情報と、前記受付部によって受け付けられた現在時刻及び現在時刻に対応する前記端末装置の位置情報とが適合しないと判定した場合には、当該位置情報に基づいて、当該路線情報が含む現在時刻以降の経路情報を維持しつつ、当該路線情報が含む時間情報のうち、現在時刻以降の時間情報を更新する更新部」とを備えた点)を有するものであるところ、甲1発明、甲2技術、甲3技術、甲4技術、甲5技術の1及び2並びに周知技術1及び2には、上記本件発明1の相違点に係る発明特定事項が記載も示唆もされていないから、本件発明2ないし8は、甲1発明、甲2技術、甲3技術、甲4技術、甲5技術の1及び2並びに周知技術1及び2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 すなわち、請求項2ないし8に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。 ウ 本件発明9について 本件発明9は、「前記受付工程によって受け付けられた時間間隔の設定に基づいて、前記路線情報の経路情報を維持しつつ、前記時刻表データベースを参照して、前記路線情報の時間情報を更新するとともに、前記路線情報に含まれる時間情報及び経路情報と、前記受付工程によって受け付けられた現在時刻及び現在時刻に対応する前記端末装置の位置情報とが適合しないと判定した場合には、当該位置情報に基づいて、当該路線情報が含む現在時刻以降の経路情報を維持しつつ、当該路線情報が含む時間情報のうち、現在時刻以降の時間情報を更新する更新工程」という発明特定事項を有するものであるから、本件発明1と同様の理由により、甲1発明及び甲2技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 すなわち、請求項9に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。 エ 本件発明10について 本件発明10は、「前記受付手順によって受け付けられた時間間隔の設定に基づいて、前記路線情報の経路情報を維持しつつ、前記時刻表データベースを参照して、前記路線情報の時間情報を更新するとともに、前記路線情報に含まれる時間情報及び経路情報と、前記受付手順によって受け付けられた現在時刻及び現在時刻に対応する前記端末装置の位置情報とが適合しないと判定した場合には、当該位置情報に基づいて、当該路線情報が含む現在時刻以降の経路情報を維持しつつ、当該路線情報が含む時間情報のうち、現在時刻以降の時間情報を更新する更新手順」という発明特定事項を有するものであるから、本件発明1と同様の理由により、甲1発明及び甲2技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 すなわち、請求項10に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。 オ 甲第6号証について 異議申立人は、平成30年4月20日付け意見書に添付して甲第6号証を提出しているので、該甲第6号証について検討する。 異議申立人は、本件訂正により「・・・判定した場合には、当該位置情報に基づいて、当該路線情報が含む現在時刻以降の経路情報を維持しつつ、当該路線情報が含む時間情報のうち、現在時刻以降の時間情報を更新する更新部」という相違点が新たに生じたため、甲第6号証を提出した旨主張する。 しかしながら、甲第6号証を参照しても、「希望区間の“路線”を固定したまま」(第2ページ下から4行目)、「ルートを変えずに時間の調整(ダイヤ調整)ができるものです。」(第3ページ下から1行目)、「お好みの時間を選んでいただくと、その区間の路線は固定したまま再探索します。」(第4ページ5ないし6行目)との記載があるものの、「路線情報に含まれる時間情報及び経路情報と、受付部によって受け付けられた現在時刻及び現在時刻に対応する端末装置の位置情報とが適合しないと判定した場合」について記載も示唆もなく、「路線情報に含まれる時間情報及び経路情報と、受付部によって受け付けられた現在時刻及び現在時刻に対応する端末装置の位置情報とが適合しないと判定した場合には、当該位置情報に基づいて、当該路線情報が含む現在時刻以降の経路情報を維持しつつ、当該路線情報が含む時間情報のうち、現在時刻以降の時間情報を更新する」という、本件発明1の発明特定事項を想到することは、当業者といえども容易ではない。 カ まとめ 以上のとおりであるから、本件訂正後の請求項1ないし10に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとはいえず、同法第113条第2号に該当するものではない。 第4 結語 上記第3のとおりであるから、平成29年12月5日付け取消理由通知に記載した取消理由によっては、本件訂正後の請求項1ないし10に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1ないし10に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 記憶部に格納された時刻表データベースを参照することにより、交通機関を利用した場合の所定の地点間の経路を示す経路情報と、当該経路における交通機関ごとの発着時間を示す時間情報とを含む路線情報を生成する生成部と、 前記生成部によって生成された路線情報が含む複数の経路のうち、所定の経路間における時間間隔の設定をユーザが利用する端末装置から受け付けるとともに、現在時刻と、現在時刻に対応する前記端末装置の位置情報とを受け付ける受付部と、 前記受付部によって受け付けられた時間間隔の設定に基づいて、前記路線情報の経路情報を維持しつつ、前記時刻表データベースを参照して、前記路線情報の時間情報を更新するとともに、前記路線情報に含まれる時間情報及び経路情報と、前記受付部によって受け付けられた現在時刻及び現在時刻に対応する前記端末装置の位置情報とが適合しないと判定した場合には、当該位置情報に基づいて、当該路線情報が含む現在時刻以降の経路情報を維持しつつ、当該路線情報が含む時間情報のうち、現在時刻以降の時間情報を更新する更新部と、 を備えたことを特徴とする情報処理装置。 【請求項2】 前記生成部は、 前記端末装置が有する所定の記憶部に記憶可能な情報として、前記路線情報を生成し、 前記受付部は、 前記端末装置が有する所定の記憶部に過去に記憶された前記路線情報に対して、前記所定の経路間における時間間隔の設定を当該端末装置から受け付ける、 ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項3】 前記受付部は、 前記路線情報が含む経路に対応する交通機関の出発時間又は到着時間をユーザに選択させることにより、前記所定の経路間における時間間隔の設定を受け付ける、 ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。 【請求項4】 前記受付部は、 前記所定の経路間において、ユーザが所望する任意の時間の入力を受け付けることにより、当該路線情報の経路間における時間間隔の設定を受け付ける、 ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。 【請求項5】 前記更新部は、 前記受付部によって時間間隔の設定が受け付けられた場合に、当該時間間隔の設定を受け付けた以降の経路に対応する時間情報を更新することにより、前記路線情報を更新する、 ことを特徴とする請求項1?4のいずれか一つに記載の情報処理装置。 【請求項6】 前記更新部は、 前記路線情報における出発点の出発時間、又は終点の到着時間を維持したまま、前記受付部によって受け付けられた時間間隔の設定に基づいて、前記路線情報の時間情報を更新する、 ことを特徴とする請求項1?4のいずれか一つに記載の情報処理装置。 【請求項7】 前記受付部は、 前記路線情報のうち、特定の経路に対応する時間情報を維持する設定を受け付け、 前記更新部は、 前記現在時刻以降の時間情報のうち、前記特定の経路に対応する時間情報を維持しつつ、当該特定の経路以外の経路に対応する時間情報を更新する、 ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。 【請求項8】 前記更新部は、 前記路線情報の経路情報として、経路の基点、又は経路における移動手段を維持しつつ、当該経路に対応する時間情報を更新する、 ことを特徴とする請求項1?7のいずれか一つに記載の情報処理装置。 【請求項9】 生成部と、受付部と、更新部と、記憶部とを含むコンピュータが実行する情報処理方法であって、 前記記憶部に格納された時刻表データベースを参照することにより、交通機関を利用した場合の所定の地点間の経路を示す経路情報と、当該経路における交通機関ごとの発着時間を示す時間情報とを含む路線情報を前記生成部が生成する生成工程と、 前記生成工程によって生成された路線情報が含む複数の経路のうち、所定の経路間における時間間隔の設定をユーザが利用する端末装置から受け付けるとともに、現在時刻と、現在時刻に対応する前記端末装置の位置情報とを前記受付部が受け付ける受付工程と、 前記受付工程によって受け付けられた時間間隔の設定に基づいて、前記路線情報の経路情報を維持しつつ、前記時刻表データベースを参照して、前記路線情報の時間情報を更新するとともに、前記路線情報に含まれる時間情報及び経路情報と、前記受付工程によって受け付けられた現在時刻及び現在時刻に対応する前記端末装置の位置情報とが適合しないと判定した場合には、当該位置情報に基づいて、当該路線情報が含む現在時刻以降の経路情報を維持しつつ、当該路線情報が含む時間情報のうち、現在時刻以降の時間情報を更新する更新工程と、 を含んだことを特徴とする情報処理方法。 【請求項10】 生成部と、受付部と、更新部と、記憶部とを含むコンピュータで実行される情報処理プログラムであって、 前記記憶部に格納された時刻表データベースを参照することにより、交通機関を利用した場合の所定の地点間の経路を示す経路情報と、当該経路における交通機関ごとの発着時間を示す時間情報とを含む路線情報を前記生成部が生成する生成手順と、 前記生成手順によって生成された路線情報が含む複数の経路のうち、所定の経路間における時間間隔の設定をユーザが利用する端末装置から受け付けるとともに、現在時刻と、現在時刻に対応する前記端末装置の位置情報とを前記受付部が受け付ける受付手順と、 前記受付手順によって受け付けられた時間間隔の設定に基づいて、前記路線情報の経路情報を維持しつつ、前記時刻表データベースを参照して、前記路線情報の時間情報を更新するとともに、前記路線情報に含まれる時間情報及び経路情報と、前記受付手順によって受け付けられた現在時刻及び現在時刻に対応する前記端末装置の位置情報とが適合しないと判定した場合には、当該位置情報に基づいて、当該路線情報が含む現在時刻以降の経路情報を維持しつつ、当該路線情報が含む時間情報のうち、現在時刻以降の時間情報を更新する更新手順と、 を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2018-06-11 |
出願番号 | 特願2016-9293(P2016-9293) |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YAA
(G01C)
|
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 田中 純一 |
特許庁審判長 |
佐々木 芳枝 |
特許庁審判官 |
金澤 俊郎 鈴木 充 |
登録日 | 2017-02-24 |
登録番号 | 特許第6097421号(P6097421) |
権利者 | ヤフー株式会社 |
発明の名称 | 情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム |
代理人 | 特許業務法人酒井国際特許事務所 |
代理人 | 特許業務法人酒井国際特許事務所 |