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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  F24F
審判 全部申し立て 特174条1項  F24F
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  F24F
審判 全部申し立て 2項進歩性  F24F
管理番号 1343012
異議申立番号 異議2017-701008  
総通号数 225 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-09-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-10-24 
確定日 2018-07-05 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6119792号発明「空気調和システムおよび空調管理プログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6119792号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲〔1-4〕について訂正することを認める。 特許第6119792号の請求項1及び3に係る特許を維持する。 特許第6119792号の請求項2及び4に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第6119792号(以下「本件特許」という。)の請求項1ないし4に係る特許についての出願は、平成25年11月29日に出願した特願2013-248643号の一部を平成27年4月17日に新たな出願としたものであって、平成29年4月7日にその特許権の設定登録がされ、平成29年4月26日にその特許掲載公報が発行され、その後、その請求項1ないし4に係る発明の特許について、平成29年10月24日に特許異議申立人 柳田 征史 により特許異議の申立てがされ、平成30年1月22日付けで取消理由が通知され、その指定期間内の平成30年3月20日に特許権者より意見書の提出及び訂正の請求がされ、平成30年4月27日に特許異議申立人より意見書の提出があったものである。

第2 訂正の適否
1 平成30年3月20日の訂正の請求の訂正の内容
平成30年3月20日の訂正の請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は以下のとおりである。
(1) 訂正事項1
請求項1に「前記空気調和機のユーザーが携帯し、」と記載されているのを、「Wi-Fi通信を行う無線通信部(51b)を有し、前記空気調和機のユーザーが携帯し、」と訂正する。
(2) 訂正事項2
請求項1に「通信回線を利用して」と記載されているのを、「Wi-Fi通信を利用して」と訂正する。
(3) 訂正事項3
請求項1に「情報仲介装置(40,20a,20b,・・・)と、を備え、」と記載されているのを、「アダプタ(20a,20b,・・・)と、
を備え、前記携帯端末(50)の前記無線通信部(51b)は、建物(30)内において、Wi-Fi通信を行って公衆回線(80)を介さずに前記アダプタ(20a,20b,・・・)に接続する役割を有し、」と訂正する。
(4) 訂正事項4
請求項1に「前記空調管理プログラム(54)は、」と記載されているのを、「前記空調管理プログラム(54)は、前記ユーザーが予めダウンロードして前記携帯端末にインストールしたものであり、」と訂正する。
(5) 訂正事項5
請求項1に「前記情報仲介装置を介して」と記載されているのを、「前記建物(30)内において、前記携帯端末(50)の前記無線通信部(51b)によって前記公衆回線(80)を介さずに前記アダプタ(20a,20b,・・・)に接続して」と訂正する。
(6) 訂正事項6
請求項3に「前記情報仲介装置は、無線通信部(22a)を有しており、前記通信回線としてWi-Fi通信を利用して」と記載されているのを、「前記アダプタ(20a,20b,・・・)は、無線通信部(22a)を有しており、前記Wi-Fi通信を利用して」と訂正する。
(7) 訂正事項7
請求項2及び請求項4を削除する。

2 訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否並びに一群の請求項
(1) 訂正事項1について
訂正事項1は、請求項1の「携帯端末」について、「Wi-Fi通信を行う無線通信部(51b)を有し」と訂正することで、特許請求の範囲を限定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合するものであり、また、本件特許の願書に添付した明細書の【0049】及び図3等の記載からみて、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合するものである。
(2) 訂正事項2について
訂正事項2は、請求項1の「通信回線」について、「Wi-Fi通信」と訂正することで、特許請求の範囲を限定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合するものであり、また、本件特許の願書に添付した明細書の【0049】、図3等の記載からみて、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合するものである。
(3) 訂正事項3について
訂正事項3は、請求項1の「情報仲介装置(40,20a,20b,・・・)」について、「アダプタ(20a,20b,・・・)」と特定する訂正をすること、及び「携帯端末」について、「前記無線通信部(51b)は、建物(30)内において、Wi-Fi通信を行って公衆回線(80)を介さずに前記アダプタ(20a、20b,・・・)に接続する役割を有」すると訂正することで、特許請求の範囲を限定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合するものであり、また、本件特許の願書に添付した明細書の【0034】、【0049】及び図3等の記載からみて、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合するものである。
(4) 訂正事項4について
訂正事項4は、請求項1の「空調管理プログラム(54)」ついて、「ユーザーが予めダウンロードして前記携帯端末にインストールしたもの」と訂正することで、特許請求の範囲を限定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合するものであり、また、本件特許の願書に添付した明細書の【0051】等の記載からみて、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合するものである。
(5) 訂正事項5について
訂正事項5は、請求項1の「情報仲介装置」ついて、「アダプタ(20a,20b,・・・)」と訂正し、「携帯端末」について、「前記無線通信部(51b)によって前記公衆回線(80)を介さずに前記アダプタ(20a,20b,・・・)に接続」すると訂正することで、特許請求の範囲を限定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合するものであり、また、本件特許の願書に添付した明細書の【0049】及び【0065】等の記載からみて、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合するものである。
(6) 訂正事項6について
訂正事項5は、請求項1の「情報仲介装置」ついて、「アダプタ(20a,20b,・・・)」と訂正することで、特許請求の範囲を限定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合するものであり、また、本件特許の願書に添付した明細書の【0049】及び【0065】等の記載からみて、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合するものである。
(7) 訂正事項7について
訂正事項7は、請求項2及び請求項4を削除するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合するものであり、また、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合するものである。
(8) 一群の請求項ごとに請求された訂正であること
本件訂正前の請求項2ないし4は請求項1の記載を引用する関係にあるから、請求項1ないし4に係る訂正は一群の請求項ごとに請求された訂正である。

3 むすび
よって、本件訂正に係る訂正事項1ないし7は、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、並びに、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1-4〕について、訂正することを認める。

第3 取消理由(特許異議申立書に記載された申立て理由)についての判断
1 本件特許に係る発明
本件特許の請求項1ないし4に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」ないし「本件発明4」といい、それらを総合して「本件発明」ともいう。)は、本件訂正により訂正された訂正特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
【請求項1】
空気調和機が備え得る複数の機能のうち1又は複数の所定機能を有する空気調和機(10a,10b,・・・)と、
Wi-Fi通信を行う無線通信部(51b)を有し、前記空気調和機のユーザーが携帯し、前記空気調和機を管理する空調管理プログラムを有する、携帯端末(50)と、
Wi-Fi通信を利用して前記空気調和機と前記携帯端末との間で情報のやりとりを行わせるアダプタ(20a,20b,・・・)と、
を備え、
前記携帯端末(50)の前記無線通信部(51b)は、建物(30)内において、Wi-Fi通信を行って公衆回線(80)を介さずに前記アダプタ(20a,20b,・・・)に接続する役割を有し、
前記空気調和機が、自己が実際に保有している前記所定機能を示す情報である保有機能情報(18a)を記憶しており、
前記携帯端末の前記空調管理プログラム(54)は、
前記ユーザーが予めダウンロードして前記携帯端末にインストールしたものであり、
空気調和機が備え得る複数の機能に関する表示を、前記携帯端末のディスプレイ(55)に表示させることができ、
前記建物(30)内において前記携帯端末(50)の前記無線通信部(51b)によって前記公衆回線(80)を介さずに前記アダプタ(20a,20b,・・・)に接続して前記空気調和機の前記保有機能情報を読み取り、前記保有機能情報に応じて、前記空気調和機が保有していない前記機能に関する表示を省いた空気調和機管理画面を生成し、前記携帯端末の前記ディスプレイ(55)に表示させる、
空気調和システム(100)。
【請求項2】削除
【請求項3】
前記アダプタ(20a,20b,・・・)は、無線通信部(22a)を有しており、前記Wi-Fi通信を利用して前記携帯端末との間で情報のやりとりを行う、
請求項1に記載の空気調和システム。
【請求項4】削除

2 平成30年1月22日付けの取消理由通知に記載した取消理由の概要は、以下のとおりである。なお、上記取消理由通知は本件特許異議の申立てにおいて申立てられたすべての申立理由を含んでいる。
<理由1>
本件発明は、「通信回線を利用して前記空気調和機と前記携帯端末との間で情報のやりとりを行わせる情報仲介装置(40,20a,20b,・・・)」が特定されているところ、本件発明の「情報仲介装置」は、公衆回線80を利用して、空気調和機10a、10b、・・・と携帯端末50との間で情報のやりとりを行わせるための装置であり(【0034】)、通信回線(Wi-Fi通信)を利用して空気調和機と携帯端末との間で情報のやりとりを行わせる情報仲介装置は、本件特許の発明の詳細な説明に記載されていない。
よって、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
<理由2>
平成28年12月26日に提出された手続補正書でした補正は、「公衆回線(80)」を「通信回線」とする補正事項を含むものである。そして、当初明細書等には、「公衆回線」及び「Wi-Fi通信」は記載されているが、「公衆回線」及び「Wi-Fi通信」の上位概念である「通信回線」は記載されておらず、当初明細書等の記載の範囲を超えている。
よって、平成28年12月26日に提出された手続補正書でした補正は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていないから、本件特許は取り消すべきものである。
<理由3>
本件発明1及び4は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された甲第3号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
<理由4>
本件発明1ないし4は、その出願前日本国内又は外国において頒布された甲第3号証に記載された発明及び甲第4号証に記載された事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。

甲第3号証 特開2009-111901号公報(以下「甲3」という。)
甲第4号証 特開2013-238372号公報(同「甲4」という。)

<特許異議申立人による追加の証拠方法>
特許異議申立人は、平成30年4月27日付け意見書に添付して、次の参考資料1ないし5を提示する。
参考資料1 特開2006-129219号公報
参考資料2 特開2012-27820号公報
参考資料3 特開2013-138397号公報
参考資料4 特開2004-180102号公報
参考資料5 特開2008-35108号公報

3 当審の判断
(1)<理由1>及び<理由2>について
本件訂正の訂正事項3により、請求項1の「情報仲介装置(40,20a、20b,・・・)」ついて、「アダプタ(20a,20b,・・・)」と特定すると共に「前記携帯端末(50)の前記無線通信部(51b)は、建物(30)内において、Wi-Fi通信を行って公衆回線(80)を介さずに前記アダプタ(20a,20b・・・)に接続する役割を有」すると訂正された。
そして、本件特許明細書には、
「【0049】
図3に示すように、スマートフォン50は、CPU、第1無線通信部51a、第2無線通信部51b、記憶部53などを含む制御部52のほか、入出力機能を担うタッチパネル55を備えている。第1無線通信部51aは、公衆回線80への接続機能を有している。第2無線通信部51bは、Wi-Fi通信を行うもので、建物30内において公衆回線80を介さずにLAN81を介してアダプタ20a,20b,・・・に接続する役割を果たす。タッチパネル55は、表示画面として機能するとともに、操作ボタンとしての機能を果たす。操作ボタンは、表示画面上に表示された画像中に含まれるボタンである。」
と記載されているから、本件発明は、発明の詳細な説明に記載された範囲内であり、当初明細書等の記載の範囲内である。
よって、<理由1>及び<理由2>の取消理由は解消された。

(2)<理由3>及び<理由4>について
ア 本件発明1について
(ア)甲3に記載された発明
甲1には、特に、【0001】ないし【0011】、【0022】、【0034】ないし【0089】、【0092】、【0093】、【0096】、【0099】及び【0100】並びに図1ないし9の記載について、本件発明1に倣って表現すれば、
「元画面80のデータ内に定義されている全ての機能のうち所定の機能を有する空調設備10の空調機本体11と、
前記空調設備10の空調機本体11の利用者が携帯し、Webブラウザを有する、携帯電話60と、
インターネット6に接続されて前記空調設備10の空調機本体11と前記携帯電話60との間で通信を行うアダプタ30及び遠隔管理サーバ20と、を備え、
前記空調設備10の空調機本体11が、自己の有する前記所定の機能に関する機能情報を記憶しており、
前記利用者が、前記携帯電話60上にWebブラウザを立ち上げ、当該Webブラウザ上に所定のURLを指定して遠隔管理サーバ20にアクセスすると、遠隔管理サーバ20が前記編集条件ファイル25c、前記元画面データベース25b及びプログラムデータベース25dから、空調設備10に対応する編集条件データ85、元画面80のデータ及び画面作成プログラムを抽出して前記携帯電話60に送信し、
前記携帯電話60の前記画面作成プログラムは、前記Webブラウザ上で実行され、前記編集条件データ85に従って、前記元画面80のデータを加工し、前記空調設備10の空調機本体11が有する所定の機能に対応する設定入力部80aをそのまま有効にしておき、前記空調設備10の空調機本体11が有していない機能に対応する設定入力部80aを削除した空調設備10用の操作画面90を作成し、
前記携帯電話60の表示部63は、空調設備10用の操作画面90を表示する、
遠隔管理システム100。」
の発明(以下「甲3発明」という。)が記載されている。
本件発明1と甲3発明とを対比すると、少なくとも本件発明1は、「空気調和機が、自己が実際に保有している前記所定機能を示す情報である保有機能情報(18a)を記憶し」、「建物(30)内において前記携帯端末(50)の前記無線通信部(51b)によって前記公衆回線(80)を介さずに前記アダプタ(20a,20b,・・・)に接続して前記空気調和機の前記保有機能情報を読み取」るのに対して、甲3発明は、「遠隔管理サーバ20」が「空調設備10に対応する編集条件データ85」を「抽出して前記携帯電話60に送信」する点で相違する(以下「相違点」という。)。
そうすると、上記相違点は、実質的な相違点であるから、本件発明1は甲3発明であるということはできない。
また、甲3発明は、「遠隔管理サーバ20が前記編集条件ファイル25c、前記元画面データベース25b及びプログラムデータベース25dから、空調設備10に対応する編集条件データ85、元画面80のデータ及び画面作成プログラムを抽出して前記携帯電話60に送信」することにより、遠隔管理サーバにかかる負荷を低減する発明であるから、甲第4号証に空気調和機と遠隔制御装置との通信にWiFi通信を採用することを示唆する記載があったとしても、甲3発明において、空調機本体11から画面作成プログラムを抽出して「空調設備10に対応する編集条件データ85」を携帯電話60に送信するように構成することは、動機付けがないといえる。
したがって、本件発明1は、甲3発明及び甲第4号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
よって、上記取消理由3及び4について理由がない。
イ 本件発明3について
本件発明3は本件発明1の発明特定事項をすべて含むところ、上述のとおり本件発明1は上記理由4について理由がないから、同様の理由により、本件発明3は、上記理由4について理由がない。

第4 むすび
以上のとおりであるから、上記取消理由通知に記載した上記理由1ないし4によっては、本件発明1及び3に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1及び3係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
そして、請求項2及び4に係る特許は、本件訂正により、削除されたため、本件特許の請求項2及び4に対して、特許異議申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和機が備え得る複数の機能のうち1又は複数の所定機能を有する空気調和機(10a,10b,・・・)と、
Wi-Fi通信を行う無線通信部(51b)を有し、前記空気調和機のユーザーが携帯し、前記空気調和機を管理する空調管理プログラムを有する、携帯端末(50)と、
Wi-Fi通信を利用して前記空気調和機と前記携帯端末との間で情報のやりとりを行わせるアダプタ(20a,20b,・・・)と、
を備え、
前記携帯端末(50)の前記無線通信部(51b)は、建物(30)内において、Wi-Fi通信を行って公衆回線(80)を介さずに前記アダプタ(20a,20b,・・・)に接続する役割を有し、
前記空気調和機が、自己が実際に保有している前記所定機能を示す情報である保有機能情報(18a)を記憶しており、
前記携帯端末の前記空調管理プログラム(54)は、
前記ユーザーが予めダウンロードして前記携帯端末にインストールしたものであり、
空気調和機が備え得る複数の機能に関する表示を、前記携帯端末のディスプレイ(55)に表示させることができ、
前記建物(30)内において、前記携帯端末(50)の前記無線通信部(51b)によって前記公衆回線(80)を介さずに前記アダプタ(20a,20b,・・・)に接続して前記空気調和機の前記保有機能情報を読み取り、前記保有機能情報に応じて、前記空気調和機が保有していない前記機能に関する表示を省いた空気調和機管理画面を生成し、前記携帯端末の前記ディスプレイ(55)に表示させる、
空気調和システム(100)。
【請求項2】(削除)
【請求項3】
前記アダプタ(20a,20b,・・・)は、無線通信部(22a)を有しており、前記Wi-Fi通信を利用して前記携帯端末との間で情報のやりとりを行う、
請求項1に記載の空気調和システム。
【請求項4】(削除)
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-06-26 
出願番号 特願2015-85210(P2015-85210)
審決分類 P 1 651・ 55- YAA (F24F)
P 1 651・ 113- YAA (F24F)
P 1 651・ 121- YAA (F24F)
P 1 651・ 537- YAA (F24F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 河野 俊二  
特許庁審判長 田村 嘉章
特許庁審判官 莊司 英史
佐々木 正章
登録日 2017-04-07 
登録番号 特許第6119792号(P6119792)
権利者 ダイキン工業株式会社
発明の名称 空気調和システムおよび空調管理プログラム  
代理人 新樹グローバル・アイピー特許業務法人  
代理人 新樹グローバル・アイピー特許業務法人  

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