• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G01R
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G01R
管理番号 1343667
審判番号 不服2017-14247  
総通号数 226 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-10-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-09-26 
確定日 2018-09-25 
事件の表示 特願2013- 19813「導電率測定計及びその校正方法」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 8月21日出願公開、特開2014-149282、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成25年2月4日の出願であって、平成28年11月22日付けで拒絶理由が通知され、平成29年1月25日に手続補正がなされたが、平成29年6月27日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という)がなされ(謄本送達日 平成29年6月29日)、これに対し、平成29年9月26日に拒絶査定不服審判が請求され、同時に手続補正がなされたものである。
その後、当審において平成30年6月4日付けで拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、平成30年6月14日に手続補正がなされたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1-6に係る発明(以下、「本願発明1」-「本願発明6」という。)は、平成30年6月14日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-6に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりのものである。

「【請求項1】
一次側磁束環を形成する一次コイル及び二次側磁束環を形成する二次コイルと、前記一次コイルに所定の交流電圧を印加する電源部と、前記一次コイル及び二次コイルをそれらの磁束環に閉ループをなす測定対象が貫通するように取り付けたときに、前記二次コイルに発生する誘導電流から当該測定対象の導電率を測定する測定部と、前記測定部による測定レンジを切り替えるレンジ切替部とを具備した導電率測定計において、
前記一次側磁束環及び前記二次側磁束環を貫通する電気ケーブルと、前記電気ケーブルの一端に接続されるとともに互いに並列に設けられた複数のインピーダンス素子と、前記各インピーダンス素子と直列に設けられるとともに前記電気ケーブルの他端に接続された複数の開閉スイッチとを有する感度校正用回路と、
前記測定部による測定レンジと、その測定レンジでの校正時に用いられる前記感度校正用回路のインピーダンスとの関係を示す使用回路データを記憶している使用回路記憶部と、
前記レンジ切替部から取得したレンジ信号と前記使用回路データとに基づいて前記各開閉スイッチへ開閉信号を出力し、前記各開閉スイッチを閉状態又は開状態に切り替えることで、前記感度校正用回路のインピーダンスを前記レンジ信号の示す測定レンジに対応したインピーダンスに切り替える感度校正用回路切替部とを具備し、
前記一次コイルに所定の交流電圧が印加された状態で、前記感度校正用回路切替部が前記感度校正用回路のインピーダンスを前記レンジ信号の示す測定レンジに対応したインピーダンスに切り替えることで、前記測定部による導電率が前記レンジ信号が示す測定レンジの測定上限値を超える場合に、前記感度校正用回路切替部が、前記開閉スイッチへ開閉信号を出力して前記開閉スイッチの閉状態又は開状態を切り替えることで前記感度校正用回路のインピーダンスを大きくすることを特徴とする導電率測定計。」

本願発明2-6は、本願発明1を減縮した発明である。

第3 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1(独国特許出願公開第4116468号明細書)には、図面とともに、次の事項が記載されている(下線は、当審で付与したものである。以下同様。)。なお、ウムラウトは、省略し、エスツェットは、’s’で代用した。
a 「Eine induktive Leitfahigkeits-Meszelle 1 weist eine Sendespule 2 und eine Empfangsspule 3 auf, die einen Abschnitt 4 eines Kurzschluspfades fur ein zuuntersuchendes Medium umgeben, der schematisch durch eineKurzschluswindung 5 dargestellt ist. Der Abschnitt isthierbei durch ein Rohr 6 gebildet, das an einem Ende,in der Figur rechts, offen ist, wahrend es am anderen Ende in einer Radialbohrung 7 in der Meszelle mundet.Die Meszelle 1 wird zur Messung mit dem in der Zeichnung rechten Ende soweit in das zu untersuchende Medium eingetaucht, das die Radialbohrung 7 vollstandig mit Medium,beispielsweise einer Flussigkeit, gefullt ist. DerKurzschluspfad durchsetzt also die Sendespule 2 und die Empfangsspule 3 und schliest sich dann ausen um diebeiden Spulen 2, 3 herum.
Die Sendespule ist uber Anschlusleitungen 8 mit einer Sendeeinrichtung 9 (Fig. 3) verbunden. Die Empfangsspule3 ist uber eine abgeschirmte Leitung 10 mit einerEmpfangseinrichtung 11 (Fig. 3) verbunden. Zwischen derSendespule 2 und der Empfangsspule 3 ist einAbstandsstuck 12 vorgesehen. Sendespule, Empfangsspule und Rohrsind in einem Gehause 13 aufgenommen.
Im Gehause 13 ist eine Leiterschleife 14 vorgesehen,die die Sendespule 2 und die Empfangsspule 3 umgibt.Die Leiterschleife 14 ist uber Anschlusse 15 mit einerLeitwerteinrichtung 16 (Fig. 3) verbunden.
Die Meszelle 1 funktioniert wie folgt: Die Sendeeinrichtung 9 speist ein Wechselstromsignal, etwa in Form einesRechteck-Wechselstromes, in die Sendespule 2 ein. Die Sendespule 2 erzeugt daraufhin ein Magnetfeld, das inder virtuellen Kurzschluswindung 5 im zu untersuchenden Medium einen Strom erzeugt, dessen Grose von derelektrischen Leitfahigkeit des Mediums abhangig ist. Dieser Strom, der auch durch die Empfangsspule 3 fliest,induziert in der Empfangsspule 3 ebenfalls einen Strom,der mit Hilfe der Empfangseinrichtung 11 gemessen und ausgewertet werden kann. Die Empfangseinrichtung istdabei so aufgebaut, das die Empfangsspule 3 praktischim Kurzschlus betrieben wird. Am Ausgang der Empfangseinrichtung 11 ergibt sich eine Spannung UA, die proportional zur elektrischen Leitfahigkeit des zu untersuchenden Mediums ist.
Um die Funktionsfahigkeit der Leitfahigkeits-Meszelle 1 zu uberprufen, ist die Leiterschleife 14 vorgesehen.Ihre Wirkung soll nun anhand von Fig. 3 erlautert werden. 」(第3欄第47行-第4欄第25行)
(当審訳: 電磁誘導式導電率測定セル1は、被検査媒体の短絡パスの断片4を取り囲む伝達コイル2および受信コイル3を有し、その短絡パスは、短絡巻線5によって図示されている。その際、その断片は、図中右側の一端では開放しており他端では測定セル内のラジアル孔7に合流するパイプ6によって形成されている。測定セル1は、測定に向けて、ラジアル孔7が完全に媒体、例えば、液体で満たされているように、図面中の右端を被検査媒体中に浸漬させる。つまり、短絡パスは、伝達コイル2および受信コイル3を通過してから、外側で両方のコイル2、3を取り巻いて閉鎖する。
伝達コイルは、結合ケーブル8を介して伝達装置9(図3)と接続している。受信コイル3は、シールドケーブル10を介して受信装置11(図3)と接続している。伝達コイル2と受信コイル3との間には、スペーサ12が想定されている。伝達コイル、受信コイル、およびパイプは、筐体13に収容されている。
筐体13内には、伝達コイル2および受信コイル3を取り囲む導体ループ14が想定されている。導体ループ14は、接続部15を介してコンダクタンス装置16(図3)と接続している。
測定セル1は、次のように機能する。伝達装置9が、例えば方形波交流の形状で、交流信号を伝達コイル2に供給する。それに続いて、伝達コイル2が磁場を発生させ、その磁場が、被検査媒体中の仮想短絡巻線5内で電流を発生させ、その電流量は、媒体の導電率に依存する。この、受信コイル3も通って流れる電流は、受信コイル3内でも同じく電流を誘導し、その電流は、受信装置11を利用して測定および評価が可能である。その際、受信装置は、受信コイル3を事実上短絡で作動させるように構成されている。受信装置11の出力側では、被検査媒体の導電率に比例する電圧UAが生じる。
導電率測定セル1の機能性を点検するために、導体ループ14が想定されている。続いて、その作用を、図3を手がかりに説明する。)

b 「Die Empfangseinrichtung 11 weist einen zweiten Operationsverstarker 18 auf, an dessen beiden Eingangen die beiden Enden der Empfangsspule 3 angeschlossen sind.Der Ausgang des Operationsverstarkers 18 ist uber einen Ruckkopplungswiderstand 19 auf den invertierenden Eingang des Operationsverstarkers 18 zuruckgekoppelt.」(第4欄第38-44行)
(当審訳: 受信装置11は、第2の演算増幅器18を有し、その両方ともの入力端子に受信コイル3の両末端が接続している。演算増幅器18の出力端子は、帰還抵抗19を介して、演算増幅器18の反転入力端子へと帰還している。)

c 「Der Ruckkopplungswiderstand 19, der im ubrigenauchganz allgemein als Impedanz, d. h. mit kapazitiven oderinduktiven Gliedern, ausgebildet sein kann, ist veranderlich. Mit seiner Hilfe lassen sich verschiedene Mesbereiche einstellen. Mit Hilfe desRuckkopplungswiderstandes 19 wird die Verstarkung des Operationsverstarkers18 eingestellt.
Die Leiterschleife 14 ist mit der Leitwerteinrichtung 16 verbunden. Die Leitwerteinrichtung weist eine Reihe von ohmschen Widerstanden R1, R2, R3, etc., auf. Jedem Widerstand R1, R2, R3 ist eine Schalteinrichtung 22, 23,24 zugeordnet. Normalerweise, d. h. im Mesbetrieb, sinddie Schalteinrichtungen 22, 23, 24, geoffnet. Um dieFunktionsfahigkeit der Leitfahigkeits-Meszelle zuuberprufen, wird mit Hilfe einer Steuereinrichtung 25 eineder Schalteinrichtungen 22, 23, 24 geschlossen. 」(第4欄第68行-第5欄第15行)
(当審訳: 通常は一般的にもインピーダンスとして、つまり容量性または誘導性の要素により形成され得る帰還抵抗19は可変である。帰還抵抗を利用して、さまざまな測定範囲を設定できる。帰還抵抗19を利用して、演算増幅器18の増幅を設定する。
導体ループ14は、コンダクタンス装置16と接続している。コンダクタンス装置は、一連のオーム抵抗器R1、R2、R3等々を有する。各抵抗器R1、R2、R3には開閉装置22、23、24が割り当てられている。通常、つまり測定操作では、開閉装置22、23、24は開放している。導電率測定セルの機能性を点検するために、制御装置25を利用して開閉装置22、23、24の1つを閉鎖する。)

d 「Wenn ein entsprechender Mesbereich uber denRuckkopplungswiderstand 19 eingestellt ist, last sich aus derWahl des Mesbereichs auf die Wahl des richtigenWiderstandselements R1, R2, R3 fur die Leiterschleife 14schliesen. Eine Bedienungsperson kann dann beispielsweisedas richtige Widerstandselement R1, R2, R3 auswahlenund die entsprechende Schalteinrichtung 22, 23, 24betatigen. In einer besonders komfortablen Ausfuhrungsformist allerdings vorgesehen, das die Verstelleinrichtung fur den Ruckkopplungswiderstand 19 mit der Steuereinrichtung 25 gekoppelt ist, so das sich bei einer Verstellung des Ruckkopplungswiderstandes 19 auch eine entsprechende Verstellung in der Steuereinrichtung 25 ergibt. Zum Mesbereich wird dann automatisch das entsprechende Widerstandselement R1, R2, R3 ausgewahlt. Dies istinsbesondere dann von Vorteil, wenn die Mesbereichsumschaltungin der Empfangseinrichtung 11 automatisch erfolgt. Imvorstehenden Ausfuhrungsbeispiel sind dieWiderstandselemente R1, R2, R3 in der Leiterschleife 14 in Reihegeschaltet. Sie konnen jedoch genauso gutparallelgeschaltet sein.」(第5欄第50行-第6欄第3行)
(当審訳: 帰還抵抗19を介して、適した測定範囲が設定されている場合、その測定範囲の選択から、導体ループ14用の適切な抵抗要素R1、R2、R3の選択を推論できる。その場合、オペレータは、例えば、適切な抵抗要素R1、R2、R3を選択し、対応する開閉装置22、23、24を操作することができる。ただし、特に快適な一実施形態では、帰還抵抗19用の調整装置が、制御装置25と連結されていることが想定されているため、帰還抵抗19を調整すると制御装置25における適した調整も行われる。その場合、測定範囲に対して、自動的に、適した抵抗要素R1、R2、R3が選択される。それは、受信装置11における測定範囲切替えが自動的に起こる場合に特に有利である。前記の例示的実施形態では、導体ループ14内の抵抗要素R1、R2、R3が直列接続されているが、抵抗要素は、並列接続されていることも同様に好都合に可能である。)

図3


上記記載より、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されている(括弧内は、認定に用いた引用文献1の記載箇所を示す。)。
「電磁誘導式導電率測定セル1は、被検査媒体の短絡パスの断片4を取り囲む伝達コイル2および受信コイル3を有し、その断片は、一端では開放しており他端では測定セル内のラジアル孔7に合流するパイプ6によって形成されており、測定セル1は、測定に向けて、完全に媒体で満たされているように、被検査媒体中に浸漬させ、短絡パスは、伝達コイル2および受信コイル3を通過してから、外側で両方のコイル2、3を取り巻いて閉鎖し、
伝達コイルは、結合ケーブル8を介して伝達装置9と接続し、
伝達装置9が、交流信号を伝達コイル2に供給し、伝達コイル2が、被検査媒体中で電流を発生させ、受信コイル3も通って流れる電流は、受信コイル3内でも同じく電流を誘導し、その電流は、受信装置11を利用して測定可能であり、受信装置11の出力側では、被検査媒体の導電率に比例する電圧UAが生じ(上記a)、
受信装置11は、第2の演算増幅器18を有し、入力端子に受信コイル3の両末端が接続し、演算増幅器18の出力端子は、帰還抵抗19を介して、演算増幅器18の反転入力端子へと帰還しており(上記b)、帰還抵抗19は可変であり、帰還抵抗を利用して、さまざまな測定範囲を設定でき(上記c)、
導電率測定セル1の機能性を点検するために、伝達コイル2および受信コイル3を取り囲む導体ループ14が想定され(上記a)、導体ループ14は、コンダクタンス装置16と接続し、コンダクタンス装置は、オーム抵抗器R1、R2、R3を有し、各抵抗器R1、R2、R3には開閉装置22、23、24が割り当てられており(上記c)、
帰還抵抗19用の調整装置が、制御装置25と連結され、帰還抵抗19を調整すると制御装置25における適した調整も行われ、測定範囲に対して、自動的に、適した抵抗要素R1、R2、R3が選択される(上記d)、
電磁誘導式導電率測定セル1。」

2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(米国特許出願公開第2012/0326711号明細書)には、図面とともに、次の事項が記載されている。
「[0050] Generally speaking, the present invention describes an apparatus and associated methods of construction and operation for carrying out conductivity measurements of a fluid. FIG. 1 illustrates a conventional conductivity probe, as previously constructed. The apparatus includes at least two magnetic inductors 100 and 101, often referred to as toroids in this description though it should be appreciated that they can take other shapes, and associated magnetic circuits. These toroids are coaxially stacked around a central aperture 102 which permits fluid to flow through the aperture. This central aperture is commonly, but not exclusively, circular. AC power is supplied by means of power wires 103 to the drive or primary toroid 100 in order to generate a magnetic field. Low level, millivolt signals are generated by magnetic coupling of the AC fields from the drive toroid 100 to the sense toroid 101 through a conductive liquid in this central aperture. These signals can be related to the conductivity of the liquid according to principles well known in the art. Signal wires 104 extend from the sense toroid 101 through a handle 105 to a set of electronics (not shown) which convert the low level signals to higher level voltage or current signals and which ultimately provide information on conductivity of the liquid to a readout system or operator. In some cases shielding 106 is provided between the two toroids 100 and 101, which may be grounded by wires 107. A housing which is not shown is typically used to protect the toroids and wires from the conductive fluid and environment, this may take many forms depending on the particular application for which the conductivity sensor is used.」
(当審訳:[0050] 一般的に言えば、本発明は、流体の導電率測定を行うための構成および関連の操作方法が記載されている。図1は、従来構成されていたような、従来型の導電率プローブを示している。この装置は、本明細書ではトロイドと呼ばれる、少なくとも2個の電磁インダクタ100および101を含むが、それら他の形状および関連する磁気回路でることも、認識されるべきである。これらトロイドは、流体が開口部を通って流れることを可能にする中央開口部102の周囲に同軸的に積層される。この中央開口は、一般に、排他的ではないが、円形である。交流電力は、磁界を発生させるために電源線103により駆動又は一次トロイド100に供給される。低レベル、ミリボルト単位の信号は、この中央開口部内に導電性液体を介して、駆動トロイド100から検出トロイド101へ、交流磁界の電磁結合によって生成される。これらの信号は、当技術分野において公知の原理にしたがって、液体の導電率に関連することができる。信号線104は、検出用トロイド101からハンドル105を通って低レベル信号を高レベル電圧若しくは電流信号に変換する一組の電子回路(図示せず)に延在し、最終的には、読み出しシステム又はオペレータへの液体の導電率に関する情報を提供する。いくつかの場合において、シールド106は、2個のトロイド100、101の間に設けられ、導線107によって接地されてもよい。図示されていないハウジングは、典型的には、導電性流体環境からトロイド及びワイヤを保護するために使用され、これは、導電率センサが使用される特定の用途に応じて多くの形態を取ることができる。)

「[0067] FIG. 6. shows a calibration system to allow convenient calibration of each sensor unit, either before or during use. By realizing sense signal response is proportional to the conductivity of the fluid, it is possible to build an internal coupling circuit that is switched on for calibration. A wire 600 is passed through the apertures of signal toroid 601, PCB boards 602, 603, 604 and 605, and sense toroid 606, thus placing it in the volume where fluid conductivity would be measured. In one implementation of this invention, a single resistor 607 is placed in series with the wire 600 and while the sensor is in air, the known resistance of the material in the aperture can be used to calibrate the sensor circuitry before use. In this implementation, the wire and resistor assembly can, but does not need to be, a separate unit from the conductivity sensor and the wire 600 placed in the aperture only when calibration of the sensor is taking place. It is also possible to keep this wire and resistor assembly always in place, providing it is protected from the fluid, and activating it for calibration only when a fluid of known resistivity or of negligible resistivity, such as air, is in the aperture.」
(当審訳:[0067] 図6は、各センサユニットの使用の前または使用中に便利な較正を可能にする較正システムを示す。センス信号応答は流体の導電率に比例する実現させることにより、較正のためにスイッチオンされ、内部連結回路を構築することが可能である。ワイヤ600は、信号トロイド601、PCBボード602、603、604および605、ならびにセンストロイド606の開口部に通され、したがって流体の導電率が測定される容積に配置される。本発明の1つの実施態様では、ワイヤ600と直列に配置された単一の抵抗607とセンサが空中にある間、開口内の材料の既知の抵抗は、使用前にセンサ回路を較正するために使用することができる。この実施形態では、センサの較正が行われているときだけ、ワイヤと抵抗アセンブリは、開口部に配置された導電率センサと前記ワイヤ600とは別体で構成する必要はない。このワイヤ及び抵抗体組立体を常に適所に保持し、流体から保護し、既知の抵抗率又は無視できる抵抗率、例えば空気の流体が開口部にあるときのみ較正のためにそれを作動させることも可能である。)

「[0069] FIG. 7. shows a circuit block diagram for the calibration system described above. Unknown fluid resistivity 700 is measured using signal toroid 701 and sense toroid 702. Signal toroid 701 gets power from a power supply 703, and is grounded to the power ground 704. Sense toroid 702 sends a signal to an Analog Front End (AFE) 705, which provides a DC output 706 to ADC 707, which sends a measurement 708 out to the user. Sense toroid 702 and AFE 705 share a virtual ground 709. Wire 710, which was represented by 600 in FIG. 6, passes through the same or similar location as the fluid in the aperture of the toroids and shields. It is connected to at least one resistor 711 in an implementation where calibration takes place without the presence of a fluid of unknown conductivity 700. When a fluid of unknown conductivity 700 is present, the wire loop resistor assembly having a known resistance value due to resistor 711 is placed effectively in parallel with the unknown resistance 700 of the conductive fluid, forming an equivalent resistor. A switch 712 is used to disconnect resistor 711 and switch 713 is used to connect resistor 714 of different resistance value then resistor 711 into the circuit. These resistors 711 and 714 being alternately placed in parallel with the conductive fluid 700 form different equivalent resistors and provide information on the unknown resistance of the fluid 700. By knowing the relationship between the response and water conductivity and solving simultaneous equations, calibration factors can then be adjusted by other circuitry. For further precision of calculation or other ranges of fluid conductivities additional resistor 715 and switch 716 combinations can be used in as many additional pairs as may be desirable. Such measurements of equivalent resistance may be carried out by, but are not limited to, the circuitry in IC 705 or IC 707 or other circuitry in order to provide “in situ” calibration, potentially even while the unit was in use. It will be apparent to those skilled in the art that the resistors being switched into this circuit may be combined in any way, via series or parallel, providing enough information is available for solution of the equations. It will also be apparent that the resistors need not be switched with separate switches, and that they can be added together rather than alternately and individually placed into the circuit. It will also be apparent that multiple wire loops 710, each with a resistor, can be used for this calibration rather than using merely one wire and multiple resistors. This could be for reasons including, but not limited to, increased precision, reduced switch complexity, increased reliability, or improved redundancy.」
(当審訳:[0069] 図7は、前述した校正システムの回路ブロック図を示す。未知の流体抵抗率700は、信号トロイド701および検出トロイド702を使用して測定される。信号トロイド701は、電源703から電力を受け取り、電力アース704に接地されている。検出トロイド702は、アナログフロントエンド(AFE)705に信号を送信し、アナログフロントエンド(AFE)は、ADC707にDC出力706を供給するが、これは、測定708をユーザに送信する。センストロイド702およびAFE705は仮想接地709を共有する。図6に600によって示されており、ワイヤ710はトロイドとシールドの開口部内の流体と同じ又は同様の位置を通過する。較正が未知の導電率700の流体の存在なしに行われる実施形態では、少なくとも1つの抵抗器711に接続される。未知の導電率700の流体が存在する場合には、抵抗711による既知の抵抗値を有するワイヤループ抵抗器組立体は、導電性流体の未知の抵抗700と並列に効果的に配置され、等価抵抗が形成される。スイッチ712は、抵抗器711を切り離すために使用され、スイッチ713は、異なる抵抗値、抵抗器711と抵抗器714を回路に接続するのに使用される。これらの抵抗711および714は、導電性流体700と並列に交互に配置され、異なる等価抵抗を形成し、流体700の未知の抵抗に関する情報を提供する。応答及び水の導電率との間の関係を知り、連立方程式を解くことによって、他の回路についての校正係数が調整される。さらに計算または他のレンジの流体導電率を正確にするために、追加の抵抗器715およびスイッチ716の組み合わせを所望される限り多数の対で使用することができる。現場較正を提供するために、等価抵抗のそのような測定は、限定されないが、集積回路705または集積回路707内の回路または他の回路によって実施することができ、装置を用いている間にも可能である。当業者には明らかなように、この回路にスイッチされる抵抗は、直列または並列を介して任意の方法で組み合わされ、式の解に対して十分な情報が得られる。また、抵抗器は別個のスイッチで切り替えられる必要はなく、回路の中に交互に配置されるのではなく、一緒に追加されることができることも明らかであろう。また、単に一つのワイヤと複数の抵抗器を使用するよりもむしろ、各抵抗器と、複数のワイヤループ710は、この較正のために使用することができることは明らかであろう。これは、限定されないが、精度の向上、スイッチの複雑性、信頼性の向上、または改良された冗長性を含む理由のためとすることができる。)

「5. An apparatus as defined in claim 4, wherein switching between different pairs of resistors is used to calibrate said apparatus for different ranges of conductivity measurement. 」
(当審訳:請求項5 別の抵抗器対との間のスイッチングは、導電率測定値の異なるレンジに対して前記装置を較正するために使用されることを特徴とする、請求項4に記載の装置。)

図7


図7及び[0069]の記載より、ワイヤ710の一端に接続されるとともに互いに並列に設けられた複数の抵抗器711、714、715と、各抵抗器711、714、715と直列に設けられるとともにワイヤ710の他端に接続された複数のスイッチ712、713、716が読み取れる。

ここで、図1の従来の導電率プローブに関する記載は、図7の校正システムにおいても同様であるので援用した。また、「駆動トロイド」及び「信号トロイド」の表記は、「駆動トロイド」に統一した。
したがって、上記記載より、引用文献2には、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されている(括弧内は、認定に用いた引用文献2の記載箇所を示す。)。
「2個の電磁インダクタである駆動トロイド及び検出トロイドは、流体が開口部を通って流れることを可能にする中央開口部の周囲に同軸的に積層され、
交流電力は、磁界を発生させるために駆動トロイドに供給され、
低レベル、ミリボルト単位の信号は、この中央開口部内に導電性液体を介して、駆動トロイドから検出トロイドへ、交流磁界の電磁結合によって生成され、これらの信号は、液体の導電率に関連している、導電率プローブであって([0050])、
未知の流体抵抗率700は、駆動トロイド701および検出トロイド702を使用して測定され、
駆動トロイド701は、電源703から電力を受け取り、
検出トロイド702は、アナログフロントエンド(AFE)705に信号を送信し、アナログフロントエンド(AFE)は、ADC707にDC出力706を供給し、測定708をユーザに送信し、
ワイヤ710はトロイドの開口部内の流体と同じ又は同様の位置を通過し([0069])、
ワイヤ710の一端に接続されるとともに互いに並列に設けられた複数の抵抗器711、714、715と、各抵抗器711、714、715と直列に設けられるとともにワイヤ710の他端に接続された複数のスイッチ712、713、716を設け(図7、[0069])、
使用前のセンサ回路の較正では、ワイヤ710と直列に接続された抵抗器711を使用し([0067]、[0069])、
別の抵抗器対との間のスイッチングは、導電率測定値の異なるレンジに対して前記装置を較正するために使用される(請求項5)、
抵抗711および714による既知の抵抗値を有するワイヤループ抵抗器組立体は、導電性流体700と並列に交互に配置され、異なる等価抵抗を形成し、流体700の未知の抵抗に関する情報を提供し、他のレンジの流体導電率を正確にするために、追加の抵抗器715およびスイッチ716の組み合わせを使用することができる([0069])、
導電率プローブ。」

3 引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3(特開2012-27027号公報)には、図面とともに、次の事項が記載されている。
「【0027】
図2に示された構成では、AC測定回路30は、センサ電極6及びキャリブレーター28の一つ又は複数の抵抗器に並列に接続される。センサ電極6が乾燥している場合は、電極6間に開回路抵抗がある。従って、測定された抵抗は、キャリブレーター28の選択された抵抗器の抵抗と等しい。
【0028】
ひとたび、キャリブレーションシステムが適当に接続されると、送信機のディスプレイ10は、キャリブレーション機能を選択するようにユーザーに指示する。他の例示的実施形態では、送信機8は、Yコネクタ20及びキャリブレーター28への接続がなされた後に自動的にキャリブレーションモードに入る。デジタル導電率測定システム2を目盛り測定するために、送信機8のメニュー駆動ソフトウェアは、ユーザーに名目であるが既知の値の抵抗器R1refを選択するように指示する。ユーザーは、キャリブレーター28のスイッチ32を介して、あるいは、対応する周知の値をもつ単一の抵抗器R1refを有するキャリブレーターを取り付けることによって、抵抗器R1refを選択する。キャリブレーター28内の抵抗器の数値は、目盛り測定されるサブ回路の動作範囲内になるように選択される。」

4 引用文献4について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4(特開平4-361168号公報)には、図面とともに、次の事項が記載されている。
「【0017】ところで、前記電圧eONと電圧eOFFとの差電圧(eON-eOFF=es)は、励磁コイル13,検出コイル14が正常である限り、一定の値となるが、各部に劣化が生じてきて、電圧eONや電圧eOFFに変化が生じると、この電圧esも変化する。そして、上記各電圧の値が変化した場合、これらの値を演算制御部において適宜処理することにより、検出系感度の監視、測定値の感度補正、異常事態の有無の判定などを行うことができる。」

5 引用文献5について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献5(実願昭62-197218号(実開平1-102783号)のマイクロフィルム)には、図面とともに、次の事項が記載されている。
「自己診断は各レンジ毎に測定し、全てのレンジにおいて例えばフルスケールの80%±5%というように、固定の許容幅以内であれば、正常とし、それ以外の場合は異常として使用者に注意を促すようになっている。」(第4頁第6-11行)

第4 対比・判断
1 本願発明1について
(1)引用発明2を主たる引用発明とした場合
ア 対比
本願発明1と引用発明2を対比する。
(ア)引用発明2の「電磁インダクタである駆動トロイド」、「電磁インダクタである」「検出トロイド」は、それぞれ、本願発明1の「一次側磁束環を形成する一次コイル」、「二次側磁束環を形成する二次コイル」に相当する。

(イ)引用発明2は「交流電力は、磁界を発生させるために駆動トロイドに供給され」、「駆動トロイド701は、電源703から電力を受け取」っているので、引用発明2の「電源703」は、本願発明1の「前記一次コイルに所定の交流電圧を印加する電源部」に相当する。

(ウ)引用発明2の「駆動トロイド及び検出トロイドは、流体が開口部を通って流れることを可能にする中央開口部の周囲に同軸的に積層され」は、本願発明1の「前記一次コイル及び二次コイルをそれらの磁束環に閉ループをなす測定対象が貫通するように取り付けたときに」相当するので、
引用発明2の「駆動トロイド及び検出トロイドは、流体が開口部を通って流れることを可能にする中央開口部の周囲に同軸的に積層され、交流電力は、磁界を発生させるために駆動トロイドに供給され、」「この中央開口部内に導電性液体を介して、駆動トロイドから検出トロイドへ、交流磁界の電磁結合によって生成され」る「低レベル、ミリボルト単位の信号」は、本願発明1の「前記一次コイル及び二次コイルをそれらの磁束環に閉ループをなす測定対象が貫通するように取り付けたときに、前記二次コイルに発生する誘導電流」に相当する。
上記のように、引用発明2の「駆動トロイドから検出トロイドへ、交流磁界の電磁結合によって生成され」る「低レベル、ミリボルト単位の信号」は、「検出トロイド」に発生する誘導電流であって、「信号は、液体の導電率に関連」するものであり、「検出トロイド702は、アナログフロントエンド(AFE)705に信号を送信し、アナログフロントエンド(AFE)は、ADC707にDC出力706を供給し、測定708をユーザに送信」しているので、引用発明2の「アナログフロントエンド(AFE)705」及び「ADC707」は、本願発明1の「誘導電流から当該測定対象の導電率を測定する測定部」に相当する。

(エ)引用発明2の「導電率プローブ」は、本願発明1の「導電率測定計」に相当する。

(オ)引用発明2の「トロイドの開口部内の流体と同じ又は同様の位置を通過」する「ワイヤ710」は、本願発明1の「前記一次側磁束環及び前記二次側磁束環を貫通する電気ケーブル」に相当する。

(カ)引用発明2は「使用前のセンサ回路の較正では、ワイヤ710と直列に接続された抵抗器711を使用し、別の抵抗器対との間のスイッチングは、導電率測定値の異なるレンジに対して前記装置を較正するために使用される」のであるから、引用発明2の「ワイヤ710の一端に接続されるとともに互いに並列に設けられた複数の抵抗器711、714、715と、各抵抗器711、714、715と直列に設けられるとともにワイヤ710の他端に接続された複数のスイッチ712、713、716を設け」たものは、本願発明1の「前記電気ケーブルの一端に接続されるとともに互いに並列に設けられた複数のインピーダンス素子と、前記各インピーダンス素子と直列に設けられるとともに前記電気ケーブルの他端に接続された複数の開閉スイッチとを有する感度校正用回路」に相当する。

すると、本願発明1と引用発明2とは、次の一致点及び相違点を有する。
(一致点)
「一次側磁束環を形成する一次コイル及び二次側磁束環を形成する二次コイルと、前記一次コイルに所定の交流電圧を印加する電源部と、前記一次コイル及び二次コイルをそれらの磁束環に閉ループをなす測定対象が貫通するように取り付けたときに、前記二次コイルに発生する誘導電流から当該測定対象の導電率を測定する測定部とを具備した導電率測定計において、
前記一次側磁束環及び前記二次側磁束環を貫通する電気ケーブルと、前記電気ケーブルの一端に接続されるとともに互いに並列に設けられた複数のインピーダンス素子と、前記各インピーダンス素子と直列に設けられるとともに前記電気ケーブルの他端に接続された複数の開閉スイッチとを有する感度校正用回路とを具備する導電率測定計。」

(相違点1)
本願発明1は「前記測定部による測定レンジを切り替えるレンジ切替部」を具備するのに対して、引用発明2は、「他のレンジの流体導電率を正確にする」ことができるが、そのような特定がない点。
(相違点2)
本願発明1は、「前記測定部による測定レンジと、その測定レンジでの校正時に用いられる前記感度校正用回路のインピーダンスとの関係を示す使用回路データを記憶している使用回路記憶部」を具備するのに対して、引用発明2は、そのような特定がない点。
(相違点3)
本願発明1は、「前記レンジ切替部から取得したレンジ信号と前記使用回路データとに基づいて前記各開閉スイッチへ開閉信号を出力し、前記各開閉スイッチを閉状態又は開状態に切り替えることで、前記感度校正用回路のインピーダンスを前記レンジ信号の示す測定レンジに対応したインピーダンスに切り替える感度校正用回路切替部」を具備するのに対して、引用発明2は、そのような特定がない点。
(相違点4)
本願発明1は、「前記一次コイルに所定の交流電圧が印加された状態で、前記感度校正用回路切替部が前記感度校正用回路のインピーダンスを前記レンジ信号の示す測定レンジに対応したインピーダンスに切り替えることで、前記測定部による導電率が前記レンジ信号が示す測定レンジの測定上限値を超える場合に、前記感度校正用回路切替部が、前記開閉スイッチへ開閉信号を出力して前記開閉スイッチの閉状態又は開状態を切り替えることで前記感度校正用回路のインピーダンスを大きくする」の対して、引用発明2は、「別の抵抗器対との間のスイッチング」を、「導電率測定値の異なるレンジに対して前記装置を較正するために使用」するが、そのような特定がない点。

イ 判断
事案に鑑み、上記相違点4について検討する。
引用文献3には、ユーザーは、キャリブレーター28のスイッチ32を介して、目盛り測定されるサブ回路の動作範囲内になるように抵抗器R1refを選択することが記載されているが(上記「第3 3【0028】」)、一次コイルに交流電圧が印加された状態で、感度校正用回路のインピーダンスを測定レンジに対応したインピーダンスに切り替えることで、導電率が測定レンジの測定上限値を超える場合に、感度校正用回路のインピーダンスを大きくすることは記載されていない。
また、引用文献1、4、5にも、同様に、一次コイルに交流電圧が印加された状態で、感度校正用回路のインピーダンスを測定レンジに対応したインピーダンスに切り替えることで、導電率が測定レンジの測定上限値を超える場合に、感度校正用回路のインピーダンスを大きくすることは記載されていない。

したがって、引用発明2の「導電率プローブ」において、上記相違点4に係る本願発明1の構成を得ることは、当業者が容易に想到し得えたことであるとはいえない。

よって、本願発明1は、上記相違点1-3について検討するまでもなく、引用発明2、引用文献1、3-5に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(2)引用発明1を主たる引用発明とした場合
ア 対比
引用発明1の「電磁誘導式導電率測定セル1」は、「導電率測定セル1の機能性を点検するために、伝達コイル2および受信コイル3を取り囲む導体ループ14が想定され」ているが、感度校正を行うことは特定されていない。
そうすると、本願発明1と引用発明1を対比すると、少なくとも上記相違点4と同様な次の相違点を有する。
(相違点)
本願発明1は、「前記一次コイルに所定の交流電圧が印加された状態で、前記感度校正用回路切替部が前記感度校正用回路のインピーダンスを前記レンジ信号の示す測定レンジに対応したインピーダンスに切り替えることで、前記測定部による導電率が前記レンジ信号が示す測定レンジの測定上限値を超える場合に、前記感度校正用回路切替部が、前記開閉スイッチへ開閉信号を出力して前記開閉スイッチの閉状態又は開状態を切り替えることで前記感度校正用回路のインピーダンスを大きくする」の対して、引用発明1の「電磁誘導式導電率測定セル1」は感度校正を行わず、そのような特定がない点。

イ 判断
上記相違点について検討する。
引用文献2-5には、一次コイルに交流電圧が印加された状態で、感度校正用回路のインピーダンスを測定レンジに対応したインピーダンスに切り替えることで、導電率が測定レンジの測定上限値を超える場合に、感度校正用回路のインピーダンスを大きくすることは記載されていない。

したがって、引用発明1の「電磁誘導式導電率測定セル1」において、上記相違点に係る本願発明1の構成を得ることは、当業者が容易に想到し得えたことであるとはいえない。

よって、本願発明1は、引用発明1、引用文献2-5に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

2 本願発明2-6について
本願発明2-6は、本願発明1をさらに限定した発明であるから、本願発明1と同じ理由によって、引用発明2、引用文献1、3-5に記載された技術に基づいて、及び、引用発明1、引用文献2-5に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

第5 原査定の拒絶の理由について
1 原査定の拒絶の理由の概要は次のとおりである。
(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

・請求項 1-6
・引用文献等 1-5

引用文献等一覧
1.独国特許出願公開第4116468号明細書
2.米国特許出願公開第2012/0326711号明細書
3.特開2012-27027号公報
4.特開平4-361168号公報
5.実願昭62-197218号(実開平1-102783号)のマイクロフィルム

2 原査定の拒絶の理由についての判断
平成30年6月14日の手続補正により補正された請求項1は、「前記一次コイルに所定の交流電圧が印加された状態で、前記感度校正用回路切替部が前記感度校正用回路のインピーダンスを前記レンジ信号の示す測定レンジに対応したインピーダンスに切り替えることで、前記測定部による導電率が前記レンジ信号が示す測定レンジの測定上限値を超える場合に、前記感度校正用回路切替部が、前記開閉スイッチへ開閉信号を出力して前記開閉スイッチの閉状態又は開状態を切り替えることで前記感度校正用回路のインピーダンスを大きくする」という事項を有するものとなっており、上記のとおり、本願発明1-6は、引用発明2、引用文献1、3-5に記載された技術に基づいて、及び、引用発明1、引用文献2-5に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
したがって、原査定を維持することはできない。

第6 当審拒絶理由について
特許法第36条第6項第2号について
当審では、請求項1の「前記レンジ切替部が前記感度校正用回路のインピーダンスを前記レンジ信号の示す測定レンジに対応したインピーダンスに切り替えることで」という記載が不明確であるとの拒絶の理由を通知しているが、平成30年6月14日の補正において、「前記感度校正用回路切替部が前記感度校正用回路のインピーダンスを前記レンジ信号の示す測定レンジに対応したインピーダンスに切り替えることで」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。

第7 むすび
以上のとおり、本願発明1-6は、引用発明2、引用文献1、3-5に記載された技術に基づいて、及び、引用発明1、引用文献2-5に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものではない。
したがって、原査定の拒絶の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-09-11 
出願番号 特願2013-19813(P2013-19813)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G01R)
P 1 8・ 537- WY (G01R)
最終処分 成立  
前審関与審査官 越川 康弘  
特許庁審判長 小林 紀史
特許庁審判官 須原 宏光
中村 説志
発明の名称 導電率測定計及びその校正方法  
代理人 齊藤 真大  
代理人 西村 竜平  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ