• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1343832
審判番号 不服2017-15611  
総通号数 226 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-10-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-10-20 
確定日 2018-09-06 
事件の表示 特願2016- 81569号「遊技台」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 7月14日出願公開、特開2016-128125号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続きの経緯
本願は、平成25年3月31日に出願した特願2013-75553号の一部を平成28年4月14日に新たな特許出願(特願2016-81569号)としたものであって、平成29年2月7日付けで拒絶の理由が通知され、平成29年4月17日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成29年8月8日付け(発送日:平成29年8月22日)で拒絶査定がなされ、それに対して、平成29年10月20日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

第2 平成29年10月20日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成29年10月20日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲の補正を含んでおり、本件補正により、特許請求の範囲の請求項1について本件補正前に、
(平成29年4月17日付け手続補正)
「【請求項1】
表示手段を備えた遊技台であって、
前記表示手段は、保留数に対応する数の保留アイコンの表示を表示可能な手段であり、
複数種類の演出モードに応じた演出を実行可能であり、
前記複数種類の演出モードのうちの一の演出モードは、第一の演出モードであり、
前記複数種類の演出モードのうちの一の演出モードは、第二の演出モードであり、
複数種類の先読み予告を実行可能であり、
前記複数種類の先読み予告のうちの一の先読み予告は、第一の先読み予告であり、
前記複数種類の先読み予告のうちの一の先読み予告は、第三の先読み予告であり、
前記第三の先読み予告は、前記第一の先読み予告とは異なる先読み予告であり、
前記第三の先読み予告とは、保留アイコンを先読み予告態様で表示することによって行われる先読み予告のことであり、
前記第一の演出モードにおいて、前記第一の先読み予告が開始される場合がなく、
前記第二の演出モードにおいて、前記第一の先読み予告が開始される場合があり、
前記表示手段は、保留数が増加した場合に、保留アイコンが出現するアニメ(以下、「保留増加アニメ」という。)の表示を表示可能な手段であり、
装飾図柄の変動表示が表示されている状態において前記保留増加アニメの表示が開始され、次の装飾図柄の変動表示が表示されている状態において、該保留増加アニメによって出現した保留アイコンを対象にした前記第三の先読み予告が開始される場合(以下、「第一の場合」という。)があり、
入賞時先読み予告としても、前記第三の先読み予告が開始される場合(以下、「第二の場合」という。)がある、
ことを特徴とする遊技台。」
とあったものを、
(本件補正)
「【請求項1】
表示手段を備えた遊技台であって、
前記表示手段は、保留数に対応する数の保留アイコンの表示を表示可能な手段であり、
複数種類の演出モードに応じた演出を実行可能であり、
前記複数種類の演出モードのうちの一の演出モードは、第一の演出モードであり、
前記複数種類の演出モードのうちの一の演出モードは、第二の演出モードであり、
複数種類の先読み予告を実行可能であり、
前記複数種類の先読み予告のうちの一の先読み予告は、第一の先読み予告であり、
前記複数種類の先読み予告のうちの一の先読み予告は、第三の先読み予告であり、
前記第三の先読み予告は、前記第一の先読み予告とは異なる先読み予告であり、
前記第三の先読み予告とは、保留アイコンを先読み予告態様で表示することによって行われる先読み予告のことであり、
前記第一の演出モードにおいて、前記第一の先読み予告が開始される場合がなく、
前記第二の演出モードにおいて、前記第一の先読み予告が開始される場合があり、
前記表示手段は、保留数が増加した場合に、保留アイコンが出現するアニメ(以下、「保留増加アニメ」という。)の表示を表示可能な手段であり、
装飾図柄の変動表示が表示されている状態において前記保留増加アニメの表示が開始され、次の装飾図柄の変動表示が表示されている状態において、該保留増加アニメによって出現した保留アイコンを対象にした前記第三の先読み予告が開始される場合(以下、「第一の場合」という。)があり、
入賞時先読み予告としても、前記第三の先読み予告が開始される場合(以下、「第二の場合」という。)があり、
保留アイコンは、変動アイコンとして表示される場合があるアイコンであり、
変動アイコンは、装飾図柄の変動表示に対応して表示されるアイコンであり、
保留数が1以上且つ装飾図柄の変動表示が表示されている状態において、変動アイコンと保留アイコンの両方が表示されている状態から該変動アイコンのみが表示されている状態になる場合がある、
ことを特徴とする遊技台。」
と補正するものである(下線部は補正箇所を示す。)。

2 補正の適否
本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「保留アイコン」に関して、「保留アイコンは、変動アイコンとして表示される場合があるアイコンであり、変動アイコンは、装飾図柄の変動表示に対応して表示されるアイコンであり、保留数が1以上且つ装飾図柄の変動表示が表示されている状態において、変動アイコンと保留アイコンの両方が表示されている状態から該変動アイコンのみが表示されている状態になる場合がある」ことを限定するものである。
そして、本件補正後の請求項1に係る発明は、本件補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。

また、本件補正は、願書に最初に添付した明細書の【0504】?【0507】、特許請求の範囲又は図面の図42等の記載からみて、新規事項を追加するものではない。

3 独立特許要件
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するかについて、以下に検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明は、次のとおりのものであると認める(記号A?Lは、分説するため当審で付した。)。
「A 表示手段を備えた遊技台であって、
B 前記表示手段は、保留数に対応する数の保留アイコンの表示を表示可能な手段であり、
C 複数種類の演出モードに応じた演出を実行可能であり、
前記複数種類の演出モードのうちの一の演出モードは、第一の演出モードであり、
前記複数種類の演出モードのうちの一の演出モードは、第二の演出モードであり、
D 複数種類の先読み予告を実行可能であり、
前記複数種類の先読み予告のうちの一の先読み予告は、第一の先読み予告であり、
前記複数種類の先読み予告のうちの一の先読み予告は、第三の先読み予告であり、
E 前記第三の先読み予告は、前記第一の先読み予告とは異なる先読み予告であり、
F 前記第三の先読み予告とは、保留アイコンを先読み予告態様で表示することによって行われる先読み予告のことであり、
G 前記第一の演出モードにおいて、前記第一の先読み予告が開始される場合がなく、
前記第二の演出モードにおいて、前記第一の先読み予告が開始される場合があり、
H 前記表示手段は、保留数が増加した場合に、保留アイコンが出現するアニメ(以下、「保留増加アニメ」という。)の表示を表示可能な手段であり、
I 装飾図柄の変動表示が表示されている状態において前記保留増加アニメの表示が開始され、次の装飾図柄の変動表示が表示されている状態において、該保留増加アニメによって出現した保留アイコンを対象にした前記第三の先読み予告が開始される場合(以下、「第一の場合」という。)があり、
J 入賞時先読み予告としても、前記第三の先読み予告が開始される場合(以下、「第二の場合」という。)があり、
K 保留アイコンは、変動アイコンとして表示される場合があるアイコンであり、
変動アイコンは、装飾図柄の変動表示に対応して表示されるアイコンであり、
保留数が1以上且つ装飾図柄の変動表示が表示されている状態において、変動アイコンと保留アイコンの両方が表示されている状態から該変動アイコンのみが表示されている状態になる場合がある、
L ことを特徴とする遊技台。」

(2)引用文献に記載された事項
ア 原査定の拒絶の理由に引用された、本願遡及日前に頒布された刊行物である特開2013-42781号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。

・記載事項

(ア)「【0001】
本発明は、始動条件の成立にもとづいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行う可変表示手段を備え、可変表示手段に表示結果を導出することで遊技の結果を確定し、遊技の結果が特定遊技結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させるパチンコ機やスロット機などの遊技機に関する。」

(イ)「【0008】
しかし、上記特許文献1に記載された遊技機では、先読み予告の対象の変動までの複数回の変動において、リーチ状態となるはずれ変動とリーチ状態とならないはずれ変動(非リーチ状態となるはずれ変動)となる場合があるが、先読み予告の対象の変動までの複数回の変動において、先読み予告の対象の変動で実行されるリーチ演出よりも期待度の高いリーチ演出が実行された場合には、遊技者は興ざめしてしまう。
【0009】
そこで、本発明は、先読み予告を行う遊技機において、先読み予告の対象となる可変表示よりも前の可変表示においても適切に期待感を持続させ、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。」

(ウ)「【0021】
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
【0022】
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
【0023】
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。」

(エ)「【0044】
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられている。この実施の形態では、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられていることによって、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、この実施の形態では、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とが第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順に並べて表示されるとともに、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示される)。」

(オ)「【0201】
なお、「先読み予告演出」とは、予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行される予告演出のことである。この実施の形態では、先読み予告演出には、予告対象となる変動表示に対する始動入賞が発生したタイミングで直ちに実行されるもの(後述する「保留球変化」の態様の先読み予告演出)と、予告対象となる変動表示に対する始動入賞が発生した後に開始される変動表示から演出を開始し、その予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前の複数回の変動表示にわたって連続して実行されるもの(後述する「可動物予告」、「図柄変動時の変動形態の変化」、「モード移行」、「カウントダウン」の態様の先読み予告演出)とがある。ただし、必ずしも複数回の変動表示にわたって予告演出を実行する必要は無く、例えば、その予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前の1回のみの変動表示において予告演出を行うものであってもよい。また、例えば、その予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前の変動表示から予告演出を開始して、その予告演出の対象となる変動表示の直前の変動表示までで予告演出を終了するものであってもよいし、その予告演出の対象となる変動表示にもわたって予告演出を行うものであってもよい。また、複数回の変動表示にわたって必ずしも連続して実行する必要はなく、例えば、1回おきまたは2回おきに間欠的に複数回の可変表示において予告演出を実行してもよい。ただし、後述する「カウントダウン」の態様の先読み予告演出に関しては、カウントダウンが1回のみであったり間欠的あったりすると演出が不自然となってしまうので、複数の変動表示にわたって連続して行うことが望ましい。」

(カ)「【0352】
また、ターゲットの変動(およびターゲットの変動よりも前の変動)の変動カテゴリが9?12であるとき、すなわち、始動入賞時に高確率/高ベース状態のときの変動パターン種別であるときは、変動時間が短縮された短縮変動となる頻度が高くなり、短縮変動において先読み予告(可動物予告等)を実行することが困難である。また、始動入賞時に高確率/高ベース状態のときの変動パターン種別であるときは、大当りになりやすい状態であり(高確率状態のときは大当りとなる確率が向上している状態であり、また、高ベース状態であるときは変動時間が短縮されて単位時間あたりに大当りとなる確率が向上している状態であり)、このような遊技状態において先読み予告を実行して遊技者の期待感を煽ることにより、射幸性を高め過ぎてしまうおそれがある。そのような事態が生じることを防止するため、ターゲットの変動(およびターゲットの変動よりも前の変動)の変動カテゴリが9?12であるときは、先読み予告の実行を制限する。つまり、図37において、ターゲットの変動の変動カテゴリが9?12のときは、ターゲット変動よりも前の変動における全ての変動カテゴリ(変動カテゴリ1?12,21?29)に対して「×」としている。」

(キ)「【0364】
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップS666)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を通常状態に応じた背景画面(例えば、青色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS667)。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、遊技状態が高確率状態であることを示す高確率状態フラグや、遊技状態が高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグをリセットする(ステップS668)。
【0365】
また、受信した演出制御コマンドが高確率/高ベース状態背景指定コマンドであれば(ステップS669)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を高確率/高ベース状態に応じた背景画面(例えば、赤色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS670)。また、演出制御用CPU101は、高確率状態フラグをセットするとともに高ベース状態フラグをセットする(ステップS671)。」

(ク)「【0393】
図43は、先読み予告演出の振り分けを示す先読み予告振分テーブルの具体例を示す説明図である。現在の遊技状態が通常状態あれば、演出制御用CPU101は、ステップS6008で選択した図43(A)に示す通常状態時の先読み予告振分テーブルAを用いて、受信した変動カテゴリコマンドで示される変動パターン種別の入賞時判定結果にもとづいて、先読み予告演出の実行有無と演出態様を決定する。この実施の形態では、先読み予告振分テーブルAを用いる場合、例えば、演出制御用CPU101は、変動カテゴリコマンド6,7(具体的には、コマンドC605(H)、C606(H)を受信している場合)には、図43(A)に示すように、「可動物予告」、「図柄変動時の変動形態の変化」、「モード移行」または「保留球変化」のいずれかの演出態様の先読み予告演出を実行することに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、変動カテゴリコマンドでスーパーCA2-7の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、コマンドC607(H)を受信している場合)には、図43(A)に示すように、「可動物予告」、「図柄変動時の変動形態の変化」、「モード移行」または「保留球変化」のいずれかの演出態様の先読み予告演出を実行することに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、変動カテゴリコマンドでスーパーCA3-3の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチ大当り」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、コマンドC612(H)またはコマンドC615(H)を受信している場合)には、図43(A)に示すように、「可動物予告」、「図柄変動時の変動形態の変化」、「モード移行」、「カウントダウン」または「保留球変化」のいずれかの演出態様の先読み予告演出を実行することに決定する。」

(ケ)「【0411】
この実施の形態では、通常時(先読み予告演出の実行を行っていないとき)には、第1始動入賞口13への始動入賞が発生した場合には、保留表示として赤色の丸形表示(以下、第1通常表示ともいう)を1つ増加させ、第2始動入賞口14への始動入賞が発生した場合には、保留表示として青色の丸形表示(以下、第2通常表示ともいう)を1つ増加させる。そして、始動入賞が発生したときに「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出を開始するときには、通常時とは異なる特殊態様で保留表示を1つ増加させる。この実施の形態では、特殊態様として星形表示を1つ増加させるものとする。また、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに先読み予告演出を開始する場合であれば、赤色の星形表示(第1特殊表示ともいう)を1つ増加させ、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに先読み予告演出を開始する場合であれば、青色の星形表示(第2特殊表示ともいう)を1つ増加させるものとする。」

(コ)「【0530】
次に、図62を参照して「保留球変化」の先読み予告演出の演出態様の具体例を説明する。図62に示す例では、まず、図62(1)に示すように第1特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行しているときに、図62(2)に示すように第1始動入賞口13に始動入賞があったものとする。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、新たに始動入賞があったことにもとづいて入賞時演出処理を実行する(ステップS1217参照)。そして、入賞時判定結果に応じた入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド。変動カテゴリコマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1218,S1219参照)。また、同じ割り込み内で、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶情報としての第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを送信する(ステップS1220,S1221参照)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞時判定結果指定コマンドを受信したことにもとづいて、先読み予告演出の実行を決定するとともに先読み予告演出の演出態様として「保留球変化」を決定したものとする(ステップS800A参照)。そして、先読み予告演出の演出態様として「保留球変化」を決定したことにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図62(2)に示すように、受信した第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンにもとづいて、合算保留記憶表示部18cにおいて第1特殊表示(赤色の星形表示)を1増し(ステップS6017参照)、始動入賞が発生し始動入賞時のコマンドを受信したタイミングで直ちに先読み予告演出を開始する。そして、図62(3)に示すように、変動時間が終了してはずれ図柄を停止表示したものとする(ステップS8302参照)。なお、図62(1)(2)に示すように、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示も実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図62(3)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
【0531】
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信して、図62(4)に示すように、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減らし(ステップS662A参照)、次の演出図柄の変動表示を開始する。そして、図62(4)に示すように、残りの第1特殊表示を含めた各保留表示が1つずつシフトされ、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出が継続する。そして、変動時間が終了して、図62(5)に示すように、最終停止図柄(図62(5)でははずれ図柄)を停止表示する(ステップS8302参照)。なお、図62(4)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示が実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図62(5)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。」

・認定事項

(サ)上記記載事項(ア)の【0001】、(ウ)の【0021】?【0023】の記載から、引用文献1には、「演出表示装置9が設けられたパチンコ遊技機1」が記載されていると認められる。

(シ)上記記載事項(ケ)の【0411】、(コ)の【0530】、【0531】の記載から、「合算保留記憶表示部18cは、保留表示を表示するものであること」が記載されていると認められる。
また、図62から、「保留表示」はアイコンとして表示されるものであることが見て取れる。

(ス)上記記載事項(キ)の【0364】、【0365】の記載から、引用文献1には、「遊技状態が高確率/高ベース状態であるときには、前記背景画像を高確率/高ベース状態に応じた背景画面にし、遊技状態が通常状態であるときには、演出表示装置9に表示する背景画面を通常状態に応じた背景画面にすること」が記載されていると認められる。

(セ)上記記載事項(オ)の【0201】、(ケ)の【0411】の記載から、引用文献1には、「可動物予告の態様の先読み予告演出と、通常時とは異なる特殊態様で保留表示を増加させる保留球変化の態様の先読み予告演出とが実行可能であること」が記載されていると認められる。

(ソ)上記記載事項(カ)の【0352】の記載から、引用文献1には、「遊技状態が高確率/高ベース状態であるときには、可動物予告の態様の先読み予告演出の実行を制限すること」が記載されていると認められる。
また、上記記載事項(ク)の【0393】の記載から、引用文献1には、「遊技状態が通常状態であるときには、可動物予告の態様の先読み予告演出が実行されることがあること」が記載されていると認められる。

(タ)上記記載事項(エ)の【0044】、(ケ)の【0411】、(コ)の【0530】の記載から、引用文献1には、「演出表示装置9の合算記憶表示部18cは、始動入賞が発生したときに、保留表示を1つ増加させる表示を行うことが可能であること」が記載されていると認められる。

(チ)上記記載事項(ケ)の【0411】、(コ)の【0530】の記載から、引用文献1には、「保留球変化の態様の先読み予告演出は、始動入賞が発生したタイミングで直ちに実行されるものである」ことが記載されていると認められる。

(ツ) 上記記載事項(ア)?(コ)、及び、上記認定事項(サ)?(チ)を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる(記号a?h、j、lは、本願補正発明の記号A?H、J、Iに対応させて付した。)。

「a 演出表示装置9が設けられたパチンコ遊技機1であって、
b 演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部18cであって、アイコンとして表示される保留表示を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられ、
c 遊技状態が高確率/高ベース状態であるときには、前記背景画像を高確率/高ベース状態に応じた背景画面にし、遊技状態が通常状態であるときには、演出表示装置9に表示する背景画面を通常状態に応じた背景画面にするものであり、
d?f 可動物予告の態様の先読み予告演出と、通常時とは異なる特殊態様で保留表示を増加させる保留球変化の態様の先読み予告演出とが実行可能であり、
g 遊技状態が高確率/高ベース状態であるときには、可動物予告の態様の先読み予告演出の実行を制限し、
遊技状態が通常状態であるときには、可動物予告の態様の先読み予告演出が実行されることがあり、
h 前記演出表示装置9の合算記憶表示部18cは、始動入賞が発生したときに、保留表示を1つ増加させる表示を行うことが可能であり、
j 保留球変化の態様の先読み予告演出は、始動入賞が発生したタイミングで直ちに実行されるものである、
k パチンコ遊技機。」

イ 原査定の拒絶の理由に引用された、本願遡及日前に頒布された刊行物である特開2013-34710号公報(以下「引用文献2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。

・記載事項

(ア)「【0005】
本発明の目的は、保留画像を多彩な表示態様で表示することにより遊技者の注目を集め、興趣を向上させる遊技台を提供することにある。」

(イ)「【0009】
[第1の実施の形態]
……
【0185】
ステップS1009では、先読み結果画像設定処理を行う。この先読み結果画像設定処理では、主制御部300から受信した先読み結果情報コマンドに基づき、後述する先読み報知態様抽選テーブルを参照した乱数抽選により、装飾図柄表示装置208に表示する保留画像の表示態様を決定する。ここで、保留が増加した場合、基本的には先読みを行った上で保留画像(例えば、デフォルトの表示態様)を選択するが、先に先読みの実行可否を決定し、先読み非実行の場合にデフォルトの表示態様を選択するようにしてもよい。」

(ウ)「【0258】
次に、本実施の形態によるパチンコ機100での特図変動遊技の具体的実施例について図22?図24を用いて説明する。図22?図24は、本実施の形態の特図変動遊技における装飾図柄表示装置208、特図1表示装置212および特図2表示装置214の表示状態と、特図1保留ランプ218および特図2保留ランプ220の点灯状態とを時系列で示している。ここで、図22?図24および後述する各図では、装飾図柄表示装置208の図柄表示領域208a?208cにおける装飾図柄の変動を下向きの白抜き太矢印で表している。また、特図1表示装置212、特図2表示装置214、特図1保留ランプ218および特図2保留ランプ220の消灯部分を白抜きで表し、点灯部分を黒塗りで表している。また、特図1表示装置212または特図2表示装置214において全てのセグメントが白抜きで表された状態、または中央の1個のセグメントのみが黒塗りで表された状態は、特図1または特図2の変動表示が行われていることを示している。」

(エ)「【0260】
また、図22?図24および後述する各図において、装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dのうち下方の横長の領域は、特図1および特図2の保留数を表示する保留表示領域910として用いられる(図22(a)では保留表示領域910を破線で示している)。また、保留表示領域910の左側に隣接した、演出表示領域208dの左下角部の円形画像近傍の領域は、消化中の保留に対応する画像(保留消化画像)を保留画像と概ね同態様で表示する保留消化表示領域912として用いられる。本例では、保留表示領域910および保留消化表示領域912において保留画像および保留消化画像を種々の表示態様で表示することにより、保留数を報知するとともに興趣の向上を図れるようになっている。
【0261】
保留表示領域910では、保留に対応する保留画像が個別に表示されるようになっている。すなわち、保留表示領域910に表示される保留画像の数で保留数が表される。本例では、保留画像として所定形状(例えば小判形)のプレートの絵柄に合致した画像(以下、「プレート画像」という)が用いられる。図示していないが、横長の保留表示領域910は、左から右に向かって第1領域、第2領域、第3領域、第4領域の4つの領域に大まかに分割されている。この分割数は、例えば、特図1および特図2それぞれの保留の上限数に等しい。本例では、第1?第4領域の各境界に境界線が表示されていないが、境界線を表示するようにしてもよい。」

(オ)「【0269】
この状態で特図1の保留が1つから2つに増加すると、特図1の保留増加表示が実行される。特図1の保留が増加すると、当該保留の先読み結果および乱数抽選の結果に基づいて、保留画像の表示態様が決定される。また、本例では保留表示領域910の第2領域(特図1の最下位の保留に対応するプレート画像801aの右隣の領域。特図2のプレート画像802cが表示されている領域)が保留増加表示対象領域として特定される。図23(b)?(d)に示すように、保留増加表示対象領域として特定された第2領域には、爆発を表すエフェクトとともに特図1の2つ目の保留を表すプレート画像801bが出現する保留増加アニメーションが表示される。ここで、特図1の保留増加アニメーションおよびプレート画像801bは、特図2のプレート画像802cよりも上のレイヤーに配置されており、手前に表示される。したがって、特図2のプレート画像802cの一部は、特図1の保留増加アニメーションおよびプレート画像801bが重複して表示されることにより隠されて視認できなくなる。出現したプレート画像801bの表示態様はデフォルトの青(図中、白抜き)である。これにより、当該保留に対応する特図1変動遊技の当否が信頼度0.001%で予告報知される。」

(カ)「【0281】
[第2の実施の形態]
……
【0289】
図25(b)に示す状態の後(例えば、直後)に、特図2始動口への入賞が検出されて特図2の保留が1つ増加すると、図25(c)に示すように、特図2保留ランプ220では特図2の保留が2つから3つに増加したことが即時に表示されるとともに、保留表示領域910では保留増加アニメーションの表示が開始される。これにより、保留増加表示対象領域914(第3領域)では、まず爆発を表すエフェクト動画像804が表示され、エフェクト動画像804の表示サイズが徐々に縮小されるとともに特図2の3つ目の保留を表すプレート画像802dがエフェクト動画像804の背後から出現する表示がなされる(図25(c)?(e))。出現したプレート画像802dの表示態様はプレート画像802a?802cと同様の黄であることにより、当該保留に対応する特図2変動遊技の当否が信頼度0.001%で予告報知される。」

(キ)「【0323】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る遊技台について説明する。本実施の形態によるパチンコ機100の構成等については、第1の実施の形態によるパチンコ機100と同様であるため説明を省略する。本実施の形態は、保留画像の表示態様を所定の契機で変更する点で第1および第2の実施の形態と異なる。」

(ク)「【0327】
図33は、本実施の形態で用いられる先読み報知態様抽選テーブルの一部(大当りのみ)を示している。第1副制御部400は、主制御部300から取得した先読み結果が大当りである場合、抽選用乱数値(乱数範囲は0-99)の値が0-26であれば、保留画像の初期表示態様をデフォルト(特図1であれば青、特図2であれば黄)に設定し、最終表示態様を同様にデフォルトに設定し、表示変更契機を保留減少に設定する。抽選用乱数値の値が27-46であれば、保留画像の初期表示態様をデフォルトに設定し、最終表示態様を緑に設定し、表示変更契機を保留減少に設定する。抽選用乱数値の値が47-61であれば、保留画像の初期表示態様をデフォルトに設定し、最終表示態様を緑(文字あり)に設定し、表示変更契機を保留減少に設定する。抽選用乱数値の値が62-71であれば、保留画像の初期表示態様をデフォルトに設定し、最終表示態様を赤に設定し、表示変更契機を保留減少に設定する。抽選用乱数値の値が72-76であれば、保留画像の初期表示態様をデフォルトに設定し、最終表示態様を赤(文字あり)に設定し、表示変更契機を保留減少に設定する。抽選用乱数値の値が77であれば、保留画像の初期表示態様をデフォルトに設定し、最終表示態様を金に設定し、表示変更契機を保留減少に設定する。
【0328】
抽選用乱数値の値が78-82であれば、保留画像の初期表示態様を緑に設定し、最終表示態様を同様に緑に設定し、表示変更契機を保留減少に設定する。抽選用乱数値の値が83-87であれば、保留画像の初期表示態様を緑に設定し、最終表示態様を緑(文字あり)に設定し、表示変更契機を保留減少に設定する。抽選用乱数値の値が88-90であれば、保留画像の初期表示態様を緑に設定し、最終表示態様を赤に設定し、表示変更契機を保留減少に設定する。抽選用乱数値の値が91-92であれば、保留画像の初期表示態様を緑に設定し、最終表示態様を赤(文字あり)に設定し、表示変更契機を保留減少に設定する。抽選用乱数値の値が93であれば、保留画像の初期表示態様を緑に設定し、最終表示態様を金に設定し、表示変更契機をチャンスボタン押下に設定する。」

・認定事項

(ケ)第1の実施の形態に関する記載箇所である上記記載事項(エ)の【0260】、【0261】、(オ)の【0269】の記載から、引用文献2には、「保留が増加すると、保留を表す保留画像が出現する保留増加アニメーションの表示を行う装飾図柄表示装置」が記載されていると認められる。
また、上記記載事項(ウ)の【0258】の記載、図22(b)の記載から、上記保留増加アニメーションの表示は、装飾図柄の変動中に行われるものであると認められる。

(コ)第2の実施の形態に関する記載箇所である上記記載事項(カ)の【0289】や図26の記載から、引用文献2には、「始動口への入賞が検出されたときに、保留画像の表示を行うこと」が記載されていると認められる。

(サ)第3の実施の形態に関する記載箇所である上記記載事項(ク)の【0327】の記載から、「抽出用乱数値の値が「27-46」、「47-61」、「62-71」、「72-76」、「77」のときは、保留減少を表示変更契機として、デフォルトの初期表示態様の保留画像を、「緑」、「緑(文字あり)」、「赤」、「赤(文字あり)」または「金」の最終表示態様の保留画像に変更すること」が記載されていると認められる。
また、上記記載事項(ク)の【0328】の記載から、「抽出用乱数値の値が「78-82」、「83-87」、「88-90」、「91-92」、「93」のときは、「緑」または「赤」の初期表示態様の保留画像の表示を行うこと」が記載されていると認められる。
ここで、上記記載事項(キ)の【0323】の「保留画像の表示態様を所定の契機で変更する点で第1および第2の実施の形態と異なる。」との記載から、第3の実施の形態において、初期表示態様の保留画像の出現のさせ方は、第1、2の実施の形態と同様であり、認定事項(ケ)、(コ)に記載したように、装飾図柄の変動中に保留増加アニメーションを通して行われ、また、始動口への入賞が検出されたときに行われるものと認められる。

(シ)上記記載事項(ア)?(ク)、認定事項(ケ)?(サ)を総合すると、引用文献2には、
「装飾図柄表示装置は、保留が増加すると、保留を表す保留画像が出現する保留増加アニメーションの表示を行う手段であり、
抽出用乱数値の値が「27-46」、「47-61」、「62-71」、「72-76」、「77」のときは、装飾図柄の変動中に保留増加アニメーションの表示が行われ、保留減少を表示変更契機として、該保留増加アニメーションによって出現したデフォルトの初期表示態様の保留画像を、「緑」、「緑(文字あり)」、「赤」、「赤(文字あり)」または「金」の最終表示態様の保留画像に変更し、
抽出用乱数値の値が「78-82」、「83-87」、「88-90」、「91-92」、「93」のときは、始動口への入賞が検出されたときに、「緑」または「赤」の初期表示態様の保留画像の表示を行うこと」
との技術事項(以下、「引用文献2記載の事項」という。)が記載されていると認められる。

ウ 本願遡及日前に頒布された刊行物である特開2011-120793号公報(以下「引用文献3」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。

・記載事項

(ア)「【0008】
特許文献1に記載された遊技機では、再可変表示の回数が多くなるに従って特定遊技状態となる可能性が高くなるので、再可変表示が何回実行されるかに対して遊技者の関心を高めさせることができるが、特許文献1に記載された遊技機では、各再可変表示が終わるタイミングにおいて何ら特徴的な演出等を行っておらず、再可変表示による演出を行う場合の遊技に対する興趣を十分に高めることはできない。
【0009】
そこで、本発明は、再可変表示による演出を行う遊技機において、再可変表示が継続するか否かに対して遊技者の関心を高めさせることができ、遊技に対する興趣を向上させることができるようにすることを目的とする。」

(イ)「【0500】
図62は、演出表示装置9における第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dを遮蔽する態様の具体例を示す説明図である。この実施の形態では、図62に示すように、演出図柄の変動開始時や後述するように擬似連における再変動の開始時に、可動部材78が可動されて、演出表示装置9における第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dの前面側を可動部材78が覆うような態様で、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dが遮蔽される。そのようにすることによって、演出図柄の変動開始時や擬似連における再変動開始時において第1保留記憶数および第2保留記憶数を認識しにくくすることによって、擬似連であるのか否かを分かりにくくしている。すなわち、再変動が開始されても保留記憶数が減少しないことが認識されてしまうと擬似連であることが遊技者に分かってしまうが、この実施の形態では、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dを遮蔽することによって保留記憶数を認識しにくくし、擬似連であるのか否かを分かりにくくしている。さらに、この実施の形態では、「図柄変動時の変動形態の変化」の演出態様の連続予告演出を実行する場合にも、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dを遮蔽することによって、連続予告演出であるのか擬似連であるのかも分かりににくくしている。」

(ウ)「【0502】
また、この実施の形態では、演出図柄の変動開始時や擬似連における再変動開始のタイミングで第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dを遮蔽する場合を示しているが、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dを遮蔽するタイミングは、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、演出図柄の変動終了時や擬似連におけるチャンス目図柄の仮停止表示のタイミングで第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dを遮蔽するように構成してもよい。そのように、保留記憶表示が変化する可能性のある変動の停止/再開のタイミングで第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dを遮蔽するようにすれば、保留記憶数が変化したのか否かが見えにくくなり、保留記憶数を認識しにくくすることができる。また、例えば、演出図柄の変動開始から変動終了まで継続して第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dを遮蔽するようにし(変動表示中はずっと保留記憶数を遮蔽するようにし)、連続予告演出や擬似連が実行されている場合には、保留記憶数を全く認識不能にしてもよい。また、例えば、連続予告演出が実行される複数変動表示にわたって継続して第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dを遮蔽し続けるようにしてもよい。」

(エ)「【0505】
また、この実施の形態では、図62に示すように、可動部材78を可動させることによって第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dを遮蔽する場合を示しているが、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dを遮蔽するの遮蔽の仕方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、図63に示すように、可動部材78などを用いて遮蔽するのではなく、演出図柄の変動開始や擬似連における再変動開始のタイミングで、演出表示装置9の表示画面から第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dの表示を消去することによって、保留記憶数を認識不能または認識困難としてもよい。」

・認定事項

(オ)上記記載事項(ア)?(エ)を総合すると、引用文献3には、「擬似連における演出図柄のチャンス目図柄の仮停止表示のタイミングで、第1保留記憶表示部と第2保留記憶表示部の表示を消去することにより、擬似連であるのか否かを分かりにくくすること」(以下、「引用文献3記載の事項」という。)が記載されていると認められる。

(3)対比
本願補正発明と引用発明とを対比する(対比にあたっては、本願補正発明の構成A?H、J、Iと引用発明の構成a?h、jについて、それぞれ(a)?(h)、(j)の見出しを付して行った。)。

(a)引用発明の「演出表示装置9」、「パチンコ遊技機1」は、それぞれ本願補正発明の「表示手段」、「遊技台」に相当する。

(b)引用発明の「第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)」は、本願補正発明の「保留数」に相当する。
また、引用文献1の記載事項(ケ)の【0411】、(コ)の【0530】、【0531】に記載されるように、「保留表示」の数は、始動入賞が発生したときに1つ増え、演出図柄の変動表示が開始されることにより1つ減ることから、「保留表示」の数が、「第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)」に対応することは明らかである。したがって、引用発明の「アイコンとして表示される保留表示」は、本願補正発明の「保留数に対応する数の保留アイコン」に相当する。
よって、引用発明の「第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部18cであって、アイコンとして表示される保留表示を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられ」た「演出表示装置9」は、本願補正発明の「保留数に対応する数の保留アイコンの表示を表示可能な手段」に相当する。

(c)引用発明の「高確率/高ベース状態」と「通常状態」は、本願補正発明の「複数種類の演出モード」に相当し、また、前者は本願補正発明の「第一の演出モード」に、後者は「第二の演出モード」に相当する。
そして、引用発明において、「背景画面」を、「高確率/高ベース状態に応じた背景画面」にしたり「通常状態に応じた背景画面」にしたりできることは、本願補正発明において、「複数種類の演出モードに応じた演出を実行可能で」あることに相当する。
よって、引用発明において、「遊技状態が高確率/高ベース状態であるときには、前記背景画像を高確率/高ベース状態に応じた背景画面にし、遊技状態が通常状態であるときには、演出表示装置9に表示する背景画像を通常状態に応じた背景画面にするものであ」ることは、本願補正発明において、「複数種類の演出モードに応じた演出を実行可能であり、前記複数種類の演出モードのうちの一の演出モードは、第一の演出モードであり、前記複数種類の演出モードのうちの一の演出モードは、第二の演出モードであ」ることに相当する。

(d)引用発明の「可動物予告の態様の先読み予告演出」と「保留球変化の態様の先読み予告演出」は、本願補正発明の「複数種類の先読み予告」に相当し、また、前者は本願補正発明の「第一の先読み予告」に、後者は「第三の先読み予告」に相当する。
よって、引用発明において、「可動物予告の態様の先読み予告演出と、通常時とは異なる特殊態様で保留表示を増加させる先読み予告演出とが実行可能であ」ることは、本願補正発明において、「複数種類の先読み予告を実行可能であり、前記複数種類の先読み予告のうちの一の先読み予告は、第一の先読み予告であり、前記複数種類の先読み予告のうちの一の先読み予告は、第三の先読み予告であ」ることに相当する。

(e)引用発明の「可動物予告の態様の先読み予告演出」と「保留球変化の態様の先読み予告演出」とは、異なる先読み予告であるから、引用発明において、「可動物予告の態様の先読み予告演出と、通常時とは異なる特殊態様で保留表示を増加させる先読み予告演出とが実行可能であ」ることは、本願補正発明において、「前記第三の先読み予告は、前記第一の先読み予告とは異なる先読み予告であ」ることに相当する。

(f)引用発明の「通常時とは異なる特殊態様」は、本願補正発明の「先読み予告態様」に相当するから、引用発明において、「通常時とは異なる特殊態様で保留表示を増加させる」ことは、本願補正発明において、「保留アイコンを先読み予告態様で表示すること」に相当する。
よって、引用発明において、「通常時とは異なる特殊態様で保留表示を増加させる先読み予告演出とが実行可能であ」ることは、本願補正発明において、「前記第三の先読み予告とは、保留アイコンを先読み予告態様で表示することによって行われる先読み予告のことであ」ることに相当する。

(g)引用発明において、「遊技状態が高確率/高ベース状態であるときには、可動物予告の態様の先読み予告演出の実行を制限し、遊技状態が通常状態であるときには、可動物予告の態様の先読み予告演出が実行されることがあ」ることは、上記(c)、(d)より、本願補正発明において、「前記第一の演出モードにおいて、前記第一の先読み予告が開始される場合がなく、前記第二の演出モードにおいて、前記第一の先読み予告が開始される場合があ」ることに相当する。

(h)引用発明の構成hと本願補正発明の構成Hとは、「前記表示手段は、保留数が増加した場合に、保留アイコンが出現」する表示を表示可能な手段である点で共通する。

(j)引用発明において、「保留球変化の態様の先読み予告演出は、始動入賞が発生したタイミングで直ちに実行されるものである」ことは、本願補正発明において、「入賞時先読み予告演出としても、前記第三の先読み予告が開始される場合(以下、「第二の場合」という。)があ」ることに相当する。

上記(a)?(h)、(j)の検討により、本願補正発明と引用発明とは、

[一致点]
「A 表示手段を備えた遊技台であって、
B 前記表示手段は、保留数に対応する数の保留アイコンの表示を表示可能な手段であり、
C 複数種類の演出モードに応じた演出を実行可能であり、
前記複数種類の演出モードのうちの一の演出モードは、第一の演出モードであり、
前記複数種類の演出モードのうちの一の演出モードは、第二の演出モードであり、
D 複数種類の先読み予告を実行可能であり、
前記複数種類の先読み予告のうちの一の先読み予告は、第一の先読み予告であり、
前記複数種類の先読み予告のうちの一の先読み予告は、第三の先読み予告であり、
E 前記第三の先読み予告は、前記第一の先読み予告とは異なる先読み予告であり、
F 前記第三の先読み予告とは、保留アイコンを先読み予告態様で表示することによって行われる先読み予告のことであり、
G 前記第一の演出モードにおいて、前記第一の先読み予告が開始される場合がなく、
前記第二の演出モードにおいて、前記第一の先読み予告が開始される場合があり、
H’ 前記表示手段は、保留数が増加した場合に、保留アイコンが出現する表示を表示可能な手段であり、
J 入賞時先読み予告としても、前記第三の先読み予告が開始される場合(以下、「第二の場合」という。)がある、
L ことを特徴とする遊技台。」」
である点で一致し、構成H、I、Kに関して次の点で相違する。

[相違点1](構成H)
本願補正発明は、「前記表示手段は、保留数が増加した場合に、保留アイコンが出現するアニメ(以下、「保留増加アニメ」という。)の表示を表示可能な手段であ」るとの構成を備えるが、引用発明は、そのような構成を備えていない点。

[相違点2](構成I)
本願補正発明は、「装飾図柄の変動表示が表示されている状態において前記保留増加アニメの表示が開始され、次の装飾図柄の変動表示が表示されている状態において、該保留増加アニメによって出現した保留アイコンを対象にした前記第三の先読み予告が開始される場合(以下、「第一の場合」という。)があ」るとの構成を備えるが、引用発明は、そのような構成を備えていない点。

[相違点3](構成K)
本願補正発明は、「保留アイコンは、変動アイコンとして表示される場合があるアイコンであり、変動アイコンは、装飾図柄の変動表示に対応して表示されるアイコンであり、保留数が1以上且つ装飾図柄の変動表示が表示されている状態において、変動アイコンと保留アイコンの両方が表示されている状態から該変動アイコンのみが表示されている状態になる場合がある」との構成を備えるが、引用発明は、そのような構成を備えていない点。

(4)当審における判断
ア 相違点1、2について
上記相違点1、2は、いずれも「保留増加アニメ」に関連することであるため、まとめて検討する。
上記引用文献2記載の事項における「装飾図柄表示装置は、保留が増加すると、保留を表す保留画像が出現する保留増加アニメーションの表示を行う手段であ」ることは、本願補正発明の構成Hの「前記表示手段は、保留数が増加した場合に、保留アイコンが出現するアニメ(以下、「保留増加アニメ」という。)の表示を表示可能な手段であ」ることに相当する。次に、上記引用文献2に記載の事項における「デフォルトの初期表示態様の保留画像」は、引用文献2の上記記載事項(イ)の【0185】に記載されるように、先読み非実行の際にも用いられる保留表示の態様であるから、「デフォルトの初期表示態様の保留画像」が「「緑」、「緑(文字あり)」、「赤」、「赤(文字あり)」または「金」の最終表示態様の保留画像に変更」されるときが、本願補正発明の「第三の先読み予告が開始される」ときに相当する。よって、引用文献2記載の事項における「抽出用乱数値の値が「27-46」、「47-61」、「62-71」、「72-76」、「77」のときは、装飾図柄の変動中に保留増加アニメーションの表示が行われ、保留減少を表示変更契機として、該保留増加アニメーションによって出現したデフォルトの初期表示態様の保留画像を、「緑」、「緑(文字あり)」、「赤」、「赤(文字あり)」または「金」の最終表示態様の保留画像に変更」することは、本願補正発明の構成Iの「装飾図柄の変動表示が表示されている状態において前記保留増加アニメの表示が開始され、次の装飾図柄の変動表示が表示されている状態において、該保留増加アニメによって出現した保留アイコンを対象にした前記第三の先読み予告が開始される場合(以下、「第一の場合」という。)があ」ることに相当する。さらに、引用文献2記載の事項の「抽出用乱数値の値が「78-82」、「83-87」、「88-90」、「91-92」、「93」のときは、始動口への入賞が検出されたときに、「緑」または「赤」の初期表示態様の保留画像の表示を行うこと」は、本願補正発明の構成Jの「入賞時先読み予告としても、前記第三の先読み予告が開始される場合(以下、「第二の場合」という。)がある」ことに相当する。
そして、引用発明と引用文献2記載の事項は、保留表示を用いた先読み予告演出を行う遊技機において遊技の興趣を向上させるという点で共通の課題を有するものである。また、先読み予告演出を入賞時先読み予告演出として行う点(構成J)で、保留表示を用いた先読み予告演出の態様が一部共通するものである。さらに、引用文献1には、記載事項(オ)の【0201】に記載されるように、「可動物予告」等の先読み予告演出についてではあるものの、入賞が発生した後の変動表示から先読み予告演出を開始することも記載されている。
これらのことからみて、引用発明に引用文献2記載の技術事項を適用し、上記相違点1、2に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

イ 相違点3について
上記相違点3について検討する。
上記引用文献3記載の事項の「擬似連における演出図柄のチャンス目図柄の仮停止表示のタイミング」は、本願補正発明の「装飾図柄の変動表示が表示されている状態」に相当する。
そして、引用発明と引用文献3記載の事項は、遊技に対する興趣を向上させるという点で共通の課題を有するものである。
ところで、遊技機の技術分野において、装飾図柄の変動表示に対応する変動アイコンを表示すること(以下、「周知事項1」という。)が、本願遡及日前に周知である(例えば、引用文献2の図22の「保留消化表示領域912」に表示されるアイコン、本願遡及日前に頒布された刊行物である特開2013-48743号公報の図27の「消化保留表示領域2085」に表示されるアイコンを参照。)。
以上のことからみて、引用発明に引用文献3記載の事項を採用し、擬似連における演出図柄のチャンス目図柄の仮停止表示のタイミングで合算保留記憶表示部18cの保留表示を消去することにより、擬似連であるのか否かを分かりにくくするようにすること、及び、引用発明に周知事項1を採用し、変動アイコンを表示できるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことであり、その際、保留表示を消去するにあたっては擬似連であるのか否かを分かりにくくすることができればよく変動アイコンを消去する必要がないことは自明のことであるから、擬似連の間、つまり装飾図柄の変動表示が表示されている状態において、保留表示(本願補正発明の「保留アイコン」に相当)を消去し変動アイコンのみ表示するようにすることは、当業者が適宜なし得た事項である。
よって、引用発明に引用文献3記載の事項及び周知事項1を採用することにより、上記相違点3に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

ウ 請求人の主張について
請求人は、平成29年4月17日付け意見書において、
「しかも、引用文献1の段落0447には、「なお、例えば、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出に関しては、先読み予告設定制限期間の解除時に未判定の保留記憶に対して遡って実行してしまうと、合算保留記憶表示部18cに既に第1通常表示や第2通常表示として表示されている保留表示が途中から第1特殊表示や第2特殊表示に変更されてしまうことになり、不自然な保留表示を実行してしまうことになる。そのため、図43(D)に示すように、この実施の形態では、先読み予告設定制限解除時の先読み予告振分テーブルDには、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出に対して割り振りを行わないようにし、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出を遡って実行することがないようにしている。」といった記載があります。この段落0447の記載によれば、引用文献1における「保留球変化」先読み予告は、入賞時に実行するものであり、先読み予告を制限する期間があって、その期間において増加した保留については不具合防止のため入賞時以後に保留変化させないようにしていることが念押しされており、引用文献1記載の「可動物予告」等と「保留球変化」先読み予告を置き換えることに対する阻害要因になります。」
と主張する。
しかしながら、引用文献1の上記【0447】の記載は、始動入賞時のコマンドの取りこぼしや不整合が発生するという特殊な事態が生じた場合に設定される期間である「先読み予告設定制限期間」が解除されたときの処理に関する記載にすぎず、第2[理由]3(2)(ツ)で認定した引用発明が行っている通常の遊技状態における処理に関する記載ではない。また、引用文献1には、上記「ア」で述べたとおり、「可動物予告」等の先読み予告演出についてではあるものの、入賞が発生した後の変動表示から先読み予告演出を開始することも記載されている。これらのことを考慮すれば、上記【0447】の記載が、引用発明に引用文献2記載の技術事項を適用し、相違点1、2に係る本願補正発明の構成とすることを困難にする要因になるとは認められない。

(5)小括
本願補正発明により奏される効果は、引用発明、引用文献2記載の事項、引用文献3記載の事項、周知事項1から当業者が予測できる範囲内のものであり、格別顕著なものとは言えない。
そうすると、上記(4)において検討したとおり、本願補正発明は、引用発明、引用文献2記載の事項、引用文献3記載の事項、周知事項1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものである。

4 まとめ
上記1?3より、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たさないものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されることとなったので、本願の請求項1に係る発明は、平成29年4月17日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものと認める。

「【請求項1】
A 表示手段を備えた遊技台であって、
B 前記表示手段は、保留数に対応する数の保留アイコンの表示を表示可能な手段であり、
C 複数種類の演出モードに応じた演出を実行可能であり、
前記複数種類の演出モードのうちの一の演出モードは、第一の演出モードであり、
前記複数種類の演出モードのうちの一の演出モードは、第二の演出モードであり、
D 複数種類の先読み予告を実行可能であり、
前記複数種類の先読み予告のうちの一の先読み予告は、第一の先読み予告であり、
前記複数種類の先読み予告のうちの一の先読み予告は、第三の先読み予告であり、
E 前記第三の先読み予告は、前記第一の先読み予告とは異なる先読み予告であり、
F 前記第三の先読み予告とは、保留アイコンを先読み予告態様で表示することによって行われる先読み予告のことであり、
G 前記第一の演出モードにおいて、前記第一の先読み予告が開始される場合がなく、
前記第二の演出モードにおいて、前記第一の先読み予告が開始される場合があり、
H 前記表示手段は、保留数が増加した場合に、保留アイコンが出現するアニメ(以下、「保留増加アニメ」という。)の表示を表示可能な手段であり、
I 装飾図柄の変動表示が表示されている状態において前記保留増加アニメの表示が開始され、次の装飾図柄の変動表示が表示されている状態において、該保留増加アニメによって出現した保留アイコンを対象にした前記第三の先読み予告が開始される場合(以下、「第一の場合」という。)があり、
J 入賞時先読み予告としても、前記第三の先読み予告が開始される場合(以下、「第二の場合」という。)がある、
L ことを特徴とする遊技台」

2 拒絶査定の理由
拒絶査定の理由の概要は、この出願の請求項1に係る発明は、本願遡及日前に頒布された下記の引用文献1及び引用文献2に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献1:特開2013-42781号公報
引用文献2:特開2013-34710号公報

3 引用文献に記載された事項
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及び引用文献2の記載事項、及び、引用発明の認定については、上記「第2[理由]3(2)引用文献に記載された事項」に記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、上記「第2[理由]」で検討した本願補正発明から、構成Kを省くものである。
そうすると、本願発明と引用発明とは、上記相違点1、2において相違し、その余の点において一致する。
そして、上記相違点1、2については、上記第2[理由]3の(4)ア「相違点1、2について」で検討したとおりであり、引用発明に引用文献2記載の技術事項を適用し、上記相違点1、2に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

5 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2018-06-26 
結審通知日 2018-07-03 
審決日 2018-07-25 
出願番号 特願2016-81569(P2016-81569)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山本 一  
特許庁審判長 長崎 洋一
特許庁審判官 荒井 誠
松川 直樹
発明の名称 遊技台  
代理人 吉延 彰広  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ