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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1343833
審判番号 不服2017-16016  
総通号数 226 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-10-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-10-30 
確定日 2018-09-06 
事件の表示 特願2014-159235号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年3月22日出願公開、特開2016-36352号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成26年8月5日の出願であって、平成29年1月16日付けで拒絶の理由が通知され、同年3月27日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年7月31日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、同年10月30日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正(以下「本件補正」という。)がなされたものである。

第2 本件補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
本件補正を却下する。

[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
本件補正は特許請求の範囲の請求項1の記載の補正を含むものであり、本件補正前の平成29年3月27日にされた手続補正の特許請求の範囲の請求項1の記載と本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は、それぞれ以下のとおりである(下線部は補正箇所を示す。また、A?H3については発明を分説するため当審で付与した。)。

(本件補正前)
「【請求項1】
可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
可変表示に関する情報を、保留記憶として記憶する保留記憶手段と、
前記保留記憶手段に記憶されている前記保留記憶の各々に対応した保留表示を表示する保留表示制御手段と、
前記保留表示とは異なる画像である保留画像を前記保留記憶に対応して表示する保留画像表示制御手段とを備え、
前記保留画像表示制御手段は、
前記保留画像を遊技状態に応じて表示可能であり、
前記保留記憶が記憶されていない場合には、前記保留記憶が記憶されていない場合に対応した前記保留画像を表示する
ことを特徴とする遊技機。」

(本件補正後)
「【請求項1】
A 表示装置を備え、識別情報の可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
B 可変表示に関する情報を、保留記憶情報として記憶する保留記憶手段と、
C 前記保留記憶手段に記憶されている前記保留記憶情報の各々に対応した保留表示を表示する保留表示制御手段と、
D 前記保留表示とは異なる画像である保留画像を前記保留記憶情報に対応して表示する保留画像表示制御手段とを備え、
E 前記保留表示として、所定の周期で動作表示する特定保留表示を表示可能であり、
F 前記特定保留表示の表示中に新たな前記特定保留表示を表示させるときには、表示中の前記特定保留表示の動作表示に新たな前記特定保留表示の動作表示を同期させ、
G 前記表示装置は、識別情報の可変表示に対応して表示される特定表示を遊技状態に応じて表示する特定表示領域と、前記保留画像を表示する保留画像表示領域とを含み、
H 前記保留画像表示制御手段は、
H1 前記保留画像を遊技状態に応じて表示可能であり、
H2 前記保留記憶情報が記憶されていない場合には、前記保留記憶情報が記憶されていない場合に対応した前記保留画像を表示し、
H3 1の遊技状態としての客待ちデモンストレーション表示の表示中には、前記保留記憶情報が記憶されていない場合に対応した前記保留画像を表示する
ことを特徴とする遊技機。」

2 補正の適否
本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「遊技機」について、「A 表示装置を備え」ることを限定するとともに、その「表示装置」について、「G 前記表示装置は、識別情報の可変表示に対応して表示される特定表示を遊技状態に応じて表示する特定表示領域と、前記保留画像を表示する保留画像表示領域とを含」むことを特定し、また、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「遊技機」が「行」う「可変表示」について、Aの「識別情報の」可変表示であることを限定し、さらに、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「保留表示制御手段」が「表示する」「保留表示」について、「E 前記保留表示として、所定の周期で動作表示する特定保留表示を表示可能であり、F 前記特定保留表示の表示中に新たな前記特定保留表示を表示させるときには、表示中の前記特定保留表示の動作表示に新たな前記特定保留表示の動作表示を同期させ」ることを限定し、そのうえ、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「保留画像表示制御手段」について、「H3 1の遊技状態としての客待ちデモンストレーション表示の表示中には、前記保留記憶情報が記憶されていない場合に対応した前記保留画像を表示する」ことを限定したものである。
なお、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「保留記憶」について、「保留記憶情報」に変更する補正は、そもそも「保留記憶」が「可変表示に関する情報」の呼称なのであるから、技術的範囲を実質的に変更するものではない。
そして、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明とは、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。
そうすると、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。
また、本件補正は、願書に最初に添付された明細書の段落【0013】、【0018】?【0021】、【0041】、【0371】及び【0507】並びに図1及び図53?57の記載に基づいており、新規事項を追加するものではなく、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たすものである。

そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明は、前記1(本件補正後)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献に記載された事項
ア 原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願前に頒布された刊行物である特許第5507727号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。

「【0009】
以下、図面を用いて、本発明の一実施の形態に係る遊技台(例えば、パチンコ機100等の弾球遊技機やスロット機等の回胴遊技機)について詳細に説明する。まず、図1を用いて、本実施の形態に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。パチンコ機100は、外部的構造として、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面に備える。」

「【0020】
演出装置206には、略中央に装飾図柄表示装置208を配設し、その上部に演出可動体224を配設し、その下部に普通図柄表示装置210と、第1特別図柄表示装置212と、第2特別図柄表示装置214と、普通図柄保留ランプ216と、第1特別図柄保留ランプ218と、第2特別図柄保留ランプ220と、高確中ランプ222を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特図1」、第2特別図柄を「特図2」と称する場合がある。」

「【0028】
特図1始動口230は、本実施形態では遊技盤200の中央下部に1つだけ配設している。特図1始動口230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、特図1表示装置212による特図変動遊技を開始する。なお、特図1始動口230に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0029】
特図2始動口232は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施形態では第二普図始動口229の下方に1つだけ配設している。特図2始動口232は、左右に開閉自在な羽根部材232aを備え、羽根部材232aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置210が当り図柄を停止表示した場合に羽根部材232aが所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。特図2始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、特図2表示装置214による特図変動遊技を開始する。なお、特図2始動口232に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。第二普図始動口229およびその下方の特図2始動口232は、演出装置206を挟んで右側となる第二流下経路内にあるので、演出装置206を挟んで左側となる第一流下経路に進んだ遊技球が第二普図始動口229を通過したり、特図2始動口232に入球したりすることはない。また、第一普図始動口229および特図1始動口230は、演出装置206を挟んで左側となる第一流下経路内にあるので、演出装置206を挟んで右側となる第二流下経路に進んだ遊技球が第一普図始動口227を通過したり、特図1始動口230に入球したりすることはない。
【0030】
可変入賞口234は、大入賞口またはアタッカと呼ばれ、本実施形態では遊技盤200の特図1始動口230の下方に1つだけ配設している。可変入賞口234は、開閉自在な扉部材234aを備え、扉部材234aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選して特図表示装置が大当り図柄を停止表示した場合に扉部材234aが所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126に排出する。なお、可変入賞口234に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。」

「【0044】
また、基本回路402には、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC416と、各種ランプ418の制御を行うための駆動回路420と、演出可動体224および、後述する可動物703の駆動制御を行うための駆動回路422と、演出可動体224と可動物703の現在位置や初期位置を検出する演出可動体センサ424と、チャンスボタン136の押下を検出するチャンスボタン検出センサ426と、所定の検出センサ、例えば演出可動体センサ424やチャンスボタン検出センサ426からの検出信号を基本回路402に出力するセンサ回路428と、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406と、を接続している。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
次に、パチンコ機100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路を備えている。基本回路には、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246の制御を行うための駆動回路を接続している。」

「【0082】
特図1始動口230へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する特図1保留数記憶領域が満タン(本例では、保留数4で満タンとなる)でない場合、乱数値生成回路(ハード乱数回路)318の特図1始動口230に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶された値に所定の加工を施して生成した大当り判定用乱数値を取得すると共に、RAM308に設けた特図決定用乱数値カウンタから特図決定用乱数値を取得して特図1乱数値記憶領域に取得順に格納する。特図1乱数値記憶領域内の大当り判定用乱数値および特図決定用乱数値の組(以下、「特図1乱数値の組」または「特図1始動情報」と略称する)は、特図1保留数記憶領域に記憶された特図1保留数と同数分だけ格納される。特図1乱数値記憶領域内では、特図1保留数が1つ減るごとに保留順位が最上位(最先であり最も過去に記憶されている)の特図1乱数値の組のデータが消去されると共に、残余の特図1乱数値の組のデータの保留順位が1ずつ繰り上がるように処理される。また、特図1保留数が1つ増えるごとに、保留順位が最下位(最後)の特図1乱数値の組のデータの次の保留順位に新たな特図1乱数値の組のデータが書き込まれる。
【0083】
特図2始動口232へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する特図2保留数記憶領域が満タン(本例では、保留数4で満タンとなる)でない場合、乱数値生成回路318の特図2始動口232に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶された値に所定の加工を施して生成した大当り判定用乱数値を取得すると共に、RAM308に設けた大当り時用特図決定用乱数値カウンタから大当り時用特図決定用乱数値を取得して特図2乱数値記憶領域に取得順に格納する。特図2乱数値記憶領域内の大当り判定用乱数値および大当り時用特図決定用乱数値の組(以下、「特図2乱数値の組」または「特図2始動情報」と略称する)は、特図2保留数記憶領域に記憶された特図2保留数と同数分だけ格納される。特図2乱数値記憶領域内では、特図2保留数が1つ減るごとに保留順位が最上位の特図2乱数値の組のデータが消去されると共に、残余の特図2乱数値の組のデータの保留順位が1ずつ繰り上がるように処理される。また、特図2保留数が1つ増えるごとに、保留順位が最下位の特図2乱数値の組のデータの次の保留順位に新たな特図2乱数値の組のデータが書き込まれる。」

「【0162】
装飾図柄表示装置208の長方形の表示領域の左側縦辺近傍には、上から順に、特図1保留数表示領域a1、特図1の第4図柄表示領域a2、特図2保留数表示領域a3、特図2の第4図柄表示領域a4、普図保留数表示領域a5、および普図の第4図柄表示領域a6が配置されている。また、装飾図柄表示装置208の長方形の表示領域の下側横辺の中央から左側は、特図1保留数表示領域801になっている。装飾図柄表示装置208の長方形の表示領域の下側横辺の中央から右側は、特図2保留数表示領域になっている。装飾図柄表示装置208の長方形の表示領域の下側横辺の中央部は、普図演出表示または変動アイコン表示を行う特別演出領域803になっている。
【0163】
図24(a)は、特図1変動遊技の実行中であり、特図1表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す特図1の変動表示を行っている状態を示している。装飾図柄表示装置208の左中右図柄表示領域208a、208b、208cにはそれぞれ装飾図柄が上から下に移動する装飾図柄の変動表示が行われている(図中、下向きの矢印で示す)。また、特図1の第四図柄表示領域a2には特図1変動遊技が実行中であることを示す表示がされている。また、特図2変動遊技は停止中であり、特図2表示装置214には、停止図柄態様として例えば第1はずれ図柄「特図I」が停止表示されている。また、特図2の第四図柄表示領域a4には特図2変動遊技が停止中であることを示す表示がされている。また、普図変動遊技は停止中であり、普図表示装置210には、停止図柄態様として例えばはずれ図柄「普図C」が停止表示されている。また、普図の第四図柄表示領域a6には普図変動遊技が停止中であることを示す表示がされている。
【0164】
特図1保留ランプ218には3つのLEDが点灯しており特図1の保留数が「3」であることが示されている。また、装飾図柄表示装置208の特図1保留数表示領域801には、3つの保留表示h1?h3がされて特図1の保留数が3であることが示されている。また、特図1保留数表示領域a1には、特図1の保留数を示す数字「3」が表示されている。特図1保留数表示領域801の1番目の保留表示h1は特図1の先読み結果を報知する先読み保留表示であり、例えば、「爺」のキャラクタ画像が表示される。2番目と3番目の保留表示h2、h3は通常保留表示であり、例えば黒丸の画像が表示される。
【0165】
特図2保留ランプ220には全てのLEDが消灯しており特図2の保留数が「0」であることが示されている。また、装飾図柄表示装置208の特図2保留数表示領域には、保留表示がされておらず特図2の保留数が0であることが示されている。また、特図2保留数表示領域a3には、特図2の保留数を示す数字「0」が表示されている。」

「【0190】
図26(c)は、特図1変動遊技の実行中であり、特図1表示装置212は、特図1の変動表示を行っている状態を示している。装飾図柄表示装置208の左中右図柄表示領域208a、208b、208cには装飾図柄の変動表示が行われている。また、特図1の第四図柄表示領域a2には特図1変動遊技が実行中であることを示す表示がされている。当該特図1変動遊技の開始に伴い特図1の保留が1つ減るため、特図1保留ランプ218には全てのLEDが消灯しており特図1の保留数が「0」であることが示されている。また、装飾図柄表示装置208の特図1保留数表示領域801には、保留表示がされておらず特図1の保留数が0であることが示されている。また、特図1保留数表示領域a1には、特図1の保留数を示す数字「0」が表示されている。装飾図柄表示装置208の特別演出領域803には消化された保留があたかも移動してきたかのように「爺」の画像による変動アイコン表示がされている。さらに、装飾図柄表示装置208の演出表示領域には、「ボタンを押せ!」というメッセージとともにチャンスボタン136を模した画像でボタン押下示唆表示がされている。また、チャンスボタン136の押下を受け付ける期間を示すボタン受付期間表示画像がされている。」

「【0192】
図26(e)は、左図柄表示領域208aに装飾7が停止表示され、さらに右図柄表示領域208cに装飾7が停止表示され、中図柄表示装置208bだけが装飾図柄の変動表示を行っているノーマルリーチ状態を示している。
【0193】
図26(f)は、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展した状態を示している。左中右図柄表示領域208a、208b、208cは装飾図柄表示装置208の表示領域の右上角部に縮小表示され、表示領域の大部分が演出表示領域として使用される。本例では、武士が大声で「勝負じゃ!」と叫んでいるスーパーリーチ画像が表示されている。」

「【0197】
図27(e)は、装飾図柄表示装置208の表示領域に表示される当たり中表示画面を例示している。表示領域の中央部大画面が演出表示領域に用いられ、本例では馬に乗った武士が山道を移動している当たり中表示画像が表示されている。表示領域の周囲には、例えば、左上角部には当該大当りが特別大当りであることを示す「7」の数字の特別大当り画像が表示されている。また、表示領域上辺部には獲得球数表示画像が表示されている(本例では「80球」と表示されている)。また、表示領域右上角部にはラウンド数表示画像が表示されている(本例では、「1R」と表示されている)。また、右下角部には大当り回数(連荘回数)表示画像が表示されている(本例では、「大当り回数:1」と表示されている)。」

「【0199】
図27(g)は、装飾図柄表示装置208の表示領域に表示されるデモ表示画面を例示している。本例では、「Daito」の文字列が表示されている。図27(h)は、装飾図柄表示装置208の表示領域に表示されるエラー表示画面を例示している。本例では、扉開放エラー画面と皿満タンエラー画面が表示されている。」

【図26】


図26(e)には、段落【0192】の記載を参照すれば、ノーマルリーチ状態のときに特図保留数表示領域a1、a3に特図の保留数を示す数字を表示することが見て取れる。
また、図26(f)には、段落【0193】の記載を参照すれば、スーパーリーチ状態のときに特図保留数表示領域a1、a3に特図の保留数を示す数字を表示することが見て取れる。

【図27】


図27(e)には、段落【0197】の記載を参照すれば、大当り中に特図保留数表示領域a1、a3に特図の保留数を示す数字を表示しないことが見て取れる。
また、図27(g)には、段落【0199】の記載を参照すれば、デモ中に特図保留数表示領域a1、a3に特図の保留数を示す数字を表示しないことが見て取れる。

上記記載事項を総合すれば、引用文献1には以下の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる(a?h2については本願補正発明のA?H2に対応させて付与した。)。

「a 装飾図柄表示装置208を備え、特図表示装置212、214による特図変動遊技を行い、特図変動遊技に当選して特図表示装置212、214が大当り図柄を停止表示した場合に可変入賞口234の扉部材234aを所定の時間間隔、所定の回数で開閉するパチンコ機100であって(【0009】、【0020】、【0028】?【0030】)、
b 特図始動口230、232へ入賞があった場合且つ特図保留数記憶領域が満タンでない場合、大当り判定用乱数値および特図決定用乱数値を取得し、大当り判定用乱数値および特図決定用乱数値の組を特図始動情報として、特図保留数記憶領域に記憶された特図保留数と同数分だけ格納するRAM308の特図乱数値記憶領域と(【0082】、【0083】)、
c 特図の先読み結果を報知する先読み保留表示又は通常保留表示を装飾図柄表示装置208の長方形の表示領域の下側横辺の特図保留数表示領域801に表示する第2副制御部500と(【0044】、【0162】、【0164】)、
d 装飾図柄表示装置208の長方形の表示領域の左側縦辺近傍の特図保留数表示領域a1、a3に特図の保留数を示す数字を表示する第2副制御部500とを備え(【0044】、【0162】、【0165】)、
g 前記装飾図柄表示装置208は、特図変動遊技の実行中、それぞれ装飾図柄が上から下に移動する装飾図柄の変動表示を行う左中右図柄表示領域208a、208b、208cであって、左図柄表示領域208aに装飾図柄7を停止表示し、さらに右図柄表示領域208cに装飾図柄7を停止表示し、中図柄表示装置208bだけが装飾図柄の変動表示を行っているノーマルリーチ状態や、表示領域の右上角部に縮小表示され、表示領域の大部分が演出表示領域として使用されるスーパーリーチ状態とすることが可能な左中右図柄表示領域208a、208b、208cと(【0163】、【0192】、【0193】)、特図の保留数を示す数字を表示する特図保留数表示領域a1、a3と(【0162】、【0165】)を含み、
h 前記第2副制御部500は(【0044】)、
h1 ノーマルリーチ状態やスーパーリーチ状態のときに特図保留数表示領域a1、a3に特図の保留数を示す数字を表示し、大当たり中やデモ表示中に特図保留数表示領域a1、a3に特図の保留数を示す数字を表示せず(【0192】、【0193】、【0197】、【0199】、図26(e)、図26(f)、図27(e)、図27(g))、
h2 特図の保留数が0である場合には、特図保留数表示領域a1、a3に特図の保留数を示す数字「0」を表示する(【0165】、【0190】)
パチンコ機100。」

イ 本願の出願前に頒布された刊行物である特開2014-104189号公報(以下「引用文献2」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。

「【0030】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照して遊技機の全体構成について説明する。」

「【0576】
このように、特別図柄の作動記憶が存在していない際に新たな特別図柄の作動記憶が追加されると、マーカ素材番号は「1」が選択されたマーカ画像が表示される保留マーカ登場演出が実行される。そして、時間経過と共にマーカ素材番号が「2」、「3」、…と順次変更されることで、コインがあたかも回転しているようなアニメーションとなり保留マーカ回転演出が実現される。そして、特別図柄の作動記憶が存在している際、すなわち、保留マーカ回転演出が実行されている際に、新たな特別図柄の作動記憶が追加されると、変更されたマーカ画像と同一のマーカ素材番号が選択されたマーカ画像が新たに表示される保留マーカ登場演出が実行される。したがって、保留マーカ回転演出が実行されている特別図柄に対応するマーカ画像の表示に同期して、新たな特別図柄のマーカ画像が表示(選択)されることを表している。なお、特別図柄の種類やその作動記憶数に区別はなく、第1特別図柄に対応するマーカ画像の表示に同期して、新たな第1特別図柄のマーカ画像が表示(選択)されたり、新たな第2特別図柄のマーカ画像が表示(選択)されたりすることを表している。同様に、第2特別図柄に対応するマーカ画像の表示に同期して、新たな第1特別図柄のマーカ画像が表示(選択)されたり、新たな第2特別図柄のマーカ画像が表示(選択)されたりすることを表している。」

上記記載事項を総合すれば、引用文献2には以下の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されているものと認められる(e?fについては本願補正発明のE?Fに対応させて付与した。)。

「e 特別図柄の作動記憶が存在していない際に新たな特別図柄の作動記憶が追加されると、マーカ素材番号は「1」が選択されたマーカ画像が表示される保留マーカ登場演出が実行され、そして、時間経過と共にマーカ素材番号が「2」、「3」、…と順次変更されることで、コインがあたかも回転しているようなアニメーションとなり保留マーカ回転演出が実現され(【0576】)、
f 特別図柄の作動記憶が存在している際、すなわち、保留マーカ回転演出が実行されている際に、新たな特別図柄の作動記憶が追加されると、変更されたマーカ画像と同一のマーカ素材番号が選択されたマーカ画像が新たに表示される保留マーカ登場演出が実行され、したがって、保留マーカ回転演出が実行されている特別図柄に対応するマーカ画像の表示に同期して、新たな特別図柄のマーカ画像が表示される(【0576】)
パチンコ機1(【0030】)。」

ウ 本願の出願前に頒布された刊行物である特開2014-27986号公報(以下「引用文献3」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。

「【0009】
以下、図面を用いて、本発明の一実施の形態に係る遊技台(例えば、パチンコ機等の弾球遊技機やスロットマシン等の回胴遊技機)について説明する。まず、図1を用いて、本実施の形態によるパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。パチンコ機100は、外部的
構造として、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面に備える。」

「【0173】
図12(h)は、装飾図柄表示装置208のデモ表示の例を示している。図12(h)に示すように、装飾図柄表示装置208の図柄表示領域208a?208cには、はずれを報知する図柄組合せ「装飾2-装飾8-装飾0」が表示されている。第四図柄表示領域208eには、特図変動遊技が終了していることを示す白丸が表示され、特図保留数表示領域208fには、特図変動遊技の保留数が0であることを示す数字「0」が表示されている。すなわち、図柄表示領域208a?208c、第四図柄表示領域208eおよび特図保留数表示領域208fは、この遊技台が空き台であることを表示している。これらの表示は、次の遊技者に遊技操作の開始を要求する操作要求報知に該当する場合がある。
【0174】
また装飾図柄表示装置208の画面上方には、この遊技台が空き台(デモ中)であることを報知する「?客待ち中?」というメッセージが表示されている。この表示は、次の遊技者に遊技操作の開始を要求する操作要求報知に該当する場合がある。」

上記記載事項を総合すれば、引用文献3には以下の発明(以下「引用発明3」という。)が記載されているものと認められる(h3については本願補正発明のH3に対応させて付与した。)。

「h3 装飾図柄表示装置208のデモ表示中に、装飾図柄表示装置208の特図保留数表示領域208fに特図変動遊技の保留数が0であることを示す数字「0」が表示される(【0173】)
パチンコ機100(【0009】)。」

(3)対比・判断
ア 対比
本願補正発明と引用発明1とを対比する。なお、見出し(a)?(h2)は、本願補正発明のA?H2に対応させている。

(a)引用発明1のaの「装飾図柄表示装置208」、「特図表示装置212、214による特図変動遊技」及び「特図表示装置が大当り図柄を停止表示した場合に可変入賞口234の扉部材234aを所定の時間間隔、所定の回数で開閉する」ことは、それぞれ、本願補正発明のAの「表示装置」、「識別情報の可変表示」及び「遊技者にとって有利な遊技状態」に相当する。
したがって、引用発明1の「a 装飾図柄表示装置208を備え、特図表示装置212、214による特図変動遊技を行い、特図変動遊技に当選して特図表示装置212、214が大当り図柄を停止表示した場合に可変入賞口234の扉部材234aを所定の時間間隔、所定の回数で開閉するパチンコ機100」は、本願補正発明の「A 表示装置を備え、識別情報の可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機」に相当する。

(b)引用発明1のbの「大当り判定用乱数値及び特図決定用乱数値」、「特図始動情報」及び「RAM308の特図乱数値記憶領域」は、本願補正発明のBの「可変表示に関する情報」、「保留記憶情報」及び「保留記憶手段」に相当する。
したがって、引用発明1のbの「大当り判定用乱数値および特図決定用乱数値の組を特図始動情報として」「格納するRAM308の特図乱数値記憶領域」は、本願補正発明の「B 可変表示に関する情報を、保留記憶情報として記憶する保留記憶手段」に相当する。

(c)引用発明1のcの「特図保留数表示領域801」に「表示」される「先読み保留表示」と「通常保留表示」が、「b 特図始動口230、232へ入賞があった場合且つ特図保留数記憶領域が満タンでない場合」に「取得」され「特図保留数記憶領域に記憶された特図保留数と同数分だけ格納」される「特図始動情報」の各々に対応していることは明らかである。
したがって、引用発明1の「c 装飾図柄表示装置208の長方形の表示領域の下側横辺の特図保留数表示領域801に、特図の先読み結果を報知する先読み保留表示又は通常保留表示を表示する第2副制御部500」は、本願補正発明の「C 前記保留記憶手段に記憶されている前記保留記憶情報の各々に対応した保留表示を表示する保留表示制御手段」に相当する。

(d)引用発明1の「d 装飾図柄表示装置208の長方形の表示領域の左側縦辺近傍の特図保留数表示領域a1、a3に」「表示」される「特図の保留数を示す数字」が、「c 装飾図柄表示装置208の長方形の表示領域の下側横辺の特図保留数表示領域801に」「表示」される「特図の先読み結果を報知する先読み保留表示又は通常保留表示」と異なる画像であることは明らかである。
また、引用発明1のdの「特図保留数表示領域a1、a2」に「表示」される「特図の保留数を示す数字」が、「b 特図始動口230、232へ入賞があった場合且つ特図保留数記憶領域が満タンでない場合」に「取得」され「特図保留数記憶領域に記憶された特図保留数と同数分だけ格納」される「特図始動情報」の各々に対応していることは明らかである。
したがって、引用発明1の「d 装飾図柄表示装置208の長方形の表示領域の左側縦辺近傍の特図保留数表示領域a1、a3に特図の保留数を示す数字を表示する第2副制御部500」は、本願補正発明の「D 前記保留表示とは異なる画像である保留画像を前記保留記憶情報に対応して表示する保留画像表示制御手段」に相当する。

(g)引用発明1のgの「特図変動遊技の実行中、それぞれ」「上から下に移動する」「変動表示を行う」「装飾図柄」は、本願補正発明のGの「識別情報の可変表示に対応して表示される特定表示」に相当する。
また、引用発明1のgの「左図柄表示領域208aに装飾図柄7を停止表示し、さらに右図柄表示領域208cに装飾図柄7を停止表示し、中図柄表示装置208bだけが装飾図柄の変動表示を行っているノーマルリーチ状態や、表示領域の右上角部に縮小表示され、表示領域の大部分が演出表示領域として使用されるスーパーリーチ状態とする」ことは、本願補正発明のGの「特定表示を遊技状態に応じて表示する」ことに相当する。
したがって、引用発明1の「g 前記装飾図柄表示装置208は、特図変動遊技の実行中、それぞれ装飾図柄が上から下に移動する装飾図柄の変動表示を行う左中右図柄表示領域208a、208b、208cであって、左図柄表示領域208aに装飾図柄7を停止表示し、さらに右図柄表示領域208cに装飾図柄7を停止表示し、中図柄表示装置208bだけが装飾図柄の変動表示を行っているノーマルリーチ状態や、表示領域の右上角部に縮小表示され、表示領域の大部分が演出表示領域として使用されるスーパーリーチ状態とすることが可能な左中右図柄表示領域208a、208b、208cと、特図の保留数を示す数字を表示する特図保留数表示領域a1、a3とを含」むことは、本願補正発明の「G 前記表示装置は、識別情報の可変表示に対応して表示される特定表示を遊技状態に応じて表示する特定表示領域と、前記保留画像を表示する保留画像表示領域とを含」むことに相当する。

(h1)引用発明1の「h 前記第2副制御部500は」、「h1 ノーマルリーチ状態やスーパーリーチ状態のときに特図保留数表示領域a1、a3に特図の保留数を示す数字を表示し、当たり中やデモ表示中のときに特図保留数表示領域a1、a3に特図の保留数を示す数字を表示」しないことは、本願補正発明の「H 前記保留画像表示制御手段は」、「H1 前記保留画像を遊技状態に応じて表示可能であ」ることに相当する。

(h2)引用発明1の「h 前記第2副制御部500は」、「h2 特図の保留数が0である場合には、特図保留数表示領域a1、a2に特図の保留数を示す数字「0」を表示する」ことは、本願補正発明の「H 前記保留画像表示制御手段は」、「H2 前記保留記憶情報が記憶されていない場合には、前記保留記憶情報が記憶されていない場合に対応した前記保留画像を表示」することに相当する。

そうすると、両者は、
「A 表示装置を備え、識別情報の可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
B 可変表示に関する情報を、保留記憶情報として記憶する保留記憶手段と、
C 前記保留記憶手段に記憶されている前記保留記憶情報の各々に対応した保留表示を表示する保留表示制御手段と、
D 前記保留表示とは異なる画像である保留画像を前記保留記憶情報に対応して表示する保留画像表示制御手段とを備え、
G 前記表示装置は、識別情報の可変表示に対応して表示される特定表示を遊技状態に応じて表示する特定表示領域と、前記保留画像を表示する保留画像表示領域とを含み、
H 前記保留画像表示制御手段は、
H1 前記保留画像を遊技状態に応じて表示可能であり、
H2 前記保留記憶情報が記憶されていない場合には、前記保留記憶情報が記憶されていない場合に対応した前記保留画像を表示する
遊技機。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

(相違点1)
本願補正発明は「E 前記保留表示として、所定の周期で動作表示する特定保留表示を表示可能であり、F 前記特定保留表示の表示中に新たな前記特定保留表示を表示させるときには、表示中の前記特定保留表示の動作表示に新たな前記特定保留表示の動作表示を同期させ」るのに対し、引用発明1はそのようなものではない点。

(相違点2)
「H 前記保留画像表示制御手段」が、本願補正発明は「H3 1の遊技状態としての客待ちデモンストレーション表示の表示中には、前記保留記憶情報が記憶されていない場合に対応した前記保留画像を表示する」のに対し、引用発明1はそのようなものではない点。

イ 判断
以下、上記相違点について検討する。
(相違点1について)
上記(2)イに記載した引用発明2のeの「新たな特別図柄の作動記憶が追加されると」「表示される」「マーカ画像」は、本願補正発明のEの「前記保留表示」に相当する。
引用発明2のeの「時間経過と共にマーカ素材番号が「2」、「3」、…と順次変更されることで、コインがあたかも回転しているようなアニメーションとなり保留マーカ回転演出が実現され」ることは、本願補正発明のEの「所定の周期で動作表示する特定保留表示を表示可能であ」ることに相当する。
引用発明2の「f 特別図柄の作動記憶が存在している際、すなわち、保留マーカ回転演出が実行されている際に、新たな特別図柄の作動記憶が追加されると、変更されたマーカ画像と同一のマーカ素材番号が選択されたマーカ画像が新たに表示される保留マーカ登場演出が実行され、したがって、保留マーカ回転演出が実行されている特別図柄に対応するマーカ画像の表示に同期して、新たな特別図柄のマーカ画像が表示される」ことは、本願補正発明の「F 前記特定保留表示の表示中に新たな前記特定保留表示を表示させるときには、表示中の前記特定保留表示の動作表示に新たな前記特定保留表示の動作表示を同期させ」ることに相当する。
したがって、引用発明2は、相違点1に係る本願補正発明の構成E、Fを備えるといえる。
そして、引用発明1の特図保留数表示領域801について、アニメーションの表現による遊技の興趣向上のために、引用発明2を適用して、相違点1に係る本願補正発明の構成に想到することに当業者にとって格別の困難性はない。

(相違点2について)
上記(2)ウに記載した引用発明3の「h3 装飾図柄表示装置208のデモ表示中に、装飾図柄表示装置208の特図保留数表示領域208fに特図変動遊技の保留数が0であることを示す数字「0」が表示される」ことは、本願補正発明の「H3 1の遊技状態としての客待ちデモンストレーション表示の表示中には、前記保留記憶情報が記憶されていない場合に対応した前記保留画像を表示する」ことに相当する。
したがって、引用発明3は、相違点2に係る本願補正発明の構成H3を備えるといえる。
そして、デモ表示中に特図の保留数を示す数字を表示させるか否かは、当業者が適宜選択し得る設計的事項といえ、引用発明1におけるデモ表示中に、引用発明3のデモ表示中に特図変動遊技の保留数を表示している態様を適用して、相違点2に係る本願補正発明の構成に想到することに当業者にとって格別の困難性はない。

そして、本願補正発明の発明の奏する作用効果は、引用発明1、引用発明2及び引用発明3の奏する作用効果から予測できる範囲のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

したがって、本願補正発明は、引用発明1、引用発明2及び引用発明3に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(4)請求人の主張について
ア 請求人は、審判請求書において、以下のように主張する。

(ア)本願補正発明と引用文献1に記載された発明とを比較すると、引用文献1に記載された発明を用いたとしても、少なくとも、上記のE、Fの構成要素が存在せず、本願補正発明では、上記のE、Fの構成要素を備えることによって、保留表示として、所定の周期で動作表示する特定保留表示を表示可能であり、特定保留表示の表示中に新たな特定保留表示を表示させるときには、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させるように構成され、そのような構成を備えることによって、本願補正発明では、特定保留表示の動作表示を同期させるので、特定保留表示を表示可能に構成した場合に保留表示の見栄えを確保することができ、遊技に対する興趣を向上させることができ、当初明細書の段落[0013]に記載されたような効果を奏するものとなっている。

(イ)引用文献1に記載された発明を用いたとしても、上記のG、Hの構成要素も大きく異なり、本願補正発明では、上記のG、Hの構成要素を備えることによって、表示装置が、識別情報の可変表示に対応して表示される特定表示を遊技状態に応じて表示する特定表示領域と、保留画像を表示する保留画像表示領域とを含むとともに、保留画像を遊技状態に応じて表示可能であるように構成され、すなわち、本願補正発明では、特定表示と保留画像との両方について遊技状態に応じた表示がなされるように構成され、そのような構成を備えることによって、本願補正発明では、上記のG、Hの構成要素を組み合わせた相乗的な作用により、遊技状態に応じて行われる演出について特定表示および保留画像の両方が邪魔することなく、遊技者による現在の遊技状態の誤認を抑制しつつ、演出の興趣低下を抑制できるという効果を奏するものとなっている。

(ウ)引用文献1には、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させるという上記のE、Fのように構成することは何ら記載も示唆もされておらず、また、拒絶査定の備考欄によれば「引用文献1には、保留画像を遊技状態に応じて表示可能であるように制御する点が記載されている」と指摘されているが、引用文献1では、少なくとも特定表示を遊技状態に応じて表示するという上記のGの構成を充足しておらず、従って、特定表示と保留画像との両方について遊技状態に応じた表示を行うものにはなっておらず、上記のG、Hとは大きく構成が異なっており、以上のことから、本願補正発明と引用文献に記載された発明とを比較すると、引用文献1に記載された発明を用いたとしても、少なくとも、上記のE、Fの構成要素が存在しないとともに、上記のG、Hの構成要素も大きく異なり、すると、引用文献1に記載された発明にもとづいて、特定保留表示を表示可能に構成した場合に保留表示の見栄えを確保することができ、遊技に対する興趣を向上させることができ、遊技者による現在の遊技状態の誤認を抑制しつつ、演出の興趣低下を抑制できるようにするという本願補正発明の構成に想到することは困難なことであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとの拒絶理由は解消したものと思料する。

イ しかしながら、上記ア(ア)については、上記(3)イの(相違点1について)で検討したように、引用発明1の特図保留数表示領域801について、アニメーションの表現による遊技の興趣向上のために、引用発明2を適用して、相違点1に係る本願補正発明の構成に想到することに格別の困難性はない。
また、上記ア(イ)については、上記(3)アの(g)で検討したように、引用発明1の「g 前記装飾図柄表示装置208は、特図変動遊技の実行中、それぞれ装飾図柄が上から下に移動する装飾図柄の変動表示を行う左中右図柄表示領域208a、208b、208cであって、左図柄表示領域208aに装飾図柄7を停止表示し、さらに右図柄表示領域208cに装飾図柄7を停止表示し、中図柄表示装置208bだけが装飾図柄の変動表示を行っているノーマルリーチ状態や、表示領域の右上角部に縮小表示され、表示領域の大部分が演出表示領域として使用されるスーパーリーチ状態とすることが可能な左中右図柄表示領域208a、208b、208cと、特図保留数表示領域a1、a3とを含」むことは、本願補正発明の「G 前記表示装置は、識別情報の可変表示に対応して表示される特定表示を遊技状態に応じて表示する特定表示領域と、前記保留画像を表示する保留画像表示領域とを含」むことに相当するといえ、また、上記(3)イの(相違点2について)で検討したように、デモ表示中に特図の保留数を示す数字を表示させるか否かは、当業者が適宜選択し得る設計的事項といえ、引用発明1の特図保留数表示領域a1、a3に対して、引用発明3を適用して、相違点2に係る本願補正発明の構成に想到することに格別の困難性はない。
そして、上記ア(ウ)については、上記ア(ア)及び(イ)について言及したとおりであり、また、本願補正発明の、保留表示の見栄えを確保することができ、遊技に対する興趣を向上させることができ、遊技者による現在の遊技状態の誤認を抑制しつつ、演出の興趣低下を抑制できるという作用効果は、引用発明1、引用発明2及び引用発明3の奏する作用効果から予測できる範囲のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
よって、請求人の主張は採用できない。

(5)本件補正についてのむすび
以上より、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、平成29年3月27日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記第2[理由]1の(本件補正前)に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶理由
原査定の拒絶の理由のうち、請求項1に係るものは、
(新規性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に頒布された以下の引用文献に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない、
(進歩性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に頒布された以下の引用文献1に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、
というものである。

引用文献1:特許第5507727号公報

3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項は、前記第2[理由]2(2)アに記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本願補正発明の発明特定事項である「遊技機」について、「A 表示装置を備え」るという限定を省くとともに、その「表示装置」について、「G 前記表示装置は、識別情報の可変表示に対応して表示される特定表示を遊技状態に応じて表示する特定表示領域と、前記保留画像を表示する保留画像表示領域とを含」むという限定を省き、また、本願補正発明の発明特定事項である「遊技機」が「行」う「可変表示」について、Aの「識別情報の」可変表示であるという限定を省き、さらに、本願補正発明の発明特定事項である「保留表示制御手段」が「表示する」「保留表示」について、「E 前記保留表示として、所定の周期で動作表示する特定保留表示を表示可能であり、F 前記特定保留表示の表示中に新たな前記特定保留表示を表示させるときには、表示中の前記特定保留表示の動作表示に新たな前記特定保留表示の動作表示を同期させ」るという限定を省き、そのうえ、本願補正発明の発明特定事項である「保留画像表示制御手段」について、「H3 1の遊技状態としての客待ちデモンストレーション表示の表示中には、前記保留記憶情報が記憶されていない場合に対応した前記保留画像を表示する」という限定を省いたものである。
なお、本願補正発明の発明特定事項である「保留記憶情報」について、「情報」を省いた「保留記憶」とすることは、そもそも「保留記憶」が「可変表示に関する情報」の呼称なのであるから、技術的範囲を実質的に変更しない。
そうすると、本願発明と引用発明1を対比すると、前記第2[理由]2(3)アに記載した相違点1、2は生じず、本願発明と引用発明1は一致し、本願発明は、引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない。
また、仮に、本願発明と引用発明1との間に相違点があったとしても、本願発明は、引用発明1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない、または、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2018-07-09 
結審通知日 2018-07-10 
審決日 2018-07-24 
出願番号 特願2014-159235(P2014-159235)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 113- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 進藤 利哉  
特許庁審判長 鉄 豊郎
特許庁審判官 赤穂 州一郎
藤田 年彦
発明の名称 遊技機  
代理人 眞野 修二  
代理人 塩川 誠人  
代理人 岩壁 冬樹  
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