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審決分類 審判 一部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮  C01B
管理番号 1343847
異議申立番号 異議2018-700082  
総通号数 226 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-10-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-02-01 
確定日 2018-07-12 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6171238号発明「炭素コーティングリチウムリン酸鉄ナノ粉末の製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6171238号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[10-16]について訂正することをを認める。 本件特許異議の申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6171238号の請求項1ないし16に係る特許についての出願は、平成26年1月9日(パリ条約による優先権主張 2013年7月9日 韓国(KR)、2014年1月8日 韓国(KR))を国際出願日とする出願であり、本件特許異議申立に関する経緯は次のとおりである。

平成29年 7月14日付け 特許権の設定登録
(特許公報発行 平成29年8月2日)
平成30年 2月 1日付け 請求項10ないし16に係る特許について
特許異議申立人 増山美紀より特許異議申立
・申立理由1
(特許法第36条第6項第1号)
・申立理由2
(特許法第36条第4項第1号)
・申立理由3
(特許法第29条第1項第3号)
平成30年 3月23日付け 取消理由通知
・申立理由1ないし3に加えて特許法第29
条第2項に係る取消理由を通知
平成30年 6月27日付け 訂正請求書及び意見書の提出

第2 訂正請求について
1.訂正事項
訂正前の特許請求の範囲の請求項10ないし16を訂正後に削除する。

2.訂正要件の判断
訂正事項は、単に請求項を削除するものである。
したがって、特許請求の範囲の減縮を目的とするから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号の規定に適合するものである。
また、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項の規定に適合するものである。
さらに、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないことは明らかだから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

3.一群の請求項についての説明
訂正前の請求項10ないし16は、請求項11ないし16がそれぞれ直接又は間接的に請求項10を引用しているものであって、訂正事項によって記載が訂正される請求項10に連動して訂正されるものであるから、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
したがって、本件訂正は、この一群の請求項について請求したものと認められる。

4.訂正請求についての結言
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とし、かつ、特許法第120条の5第4項及び第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
よって、訂正後の請求項[10-16]について訂正を認める。

第3 特許異議の申立てについて
上記「第1 手続の経緯」に記したように、本件特許異議申立は、請求項10ないし16に係る特許に対しするものであるが、上記「第2 訂正請求について」に記したように請求項10ないし16に係る特許は訂正により削除された。
したがって、本件特許異議申立は、対象となる請求項が存在しないものとなった。

第4 むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立人 増山美紀よりの特許異議申立は、不適法な特許異議の申立てであって、その補正をすることができないものであるから、特許法第120条の8第1項で準用する特許法第135条の規定によって却下すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)グリコール系溶媒にリチウム前駆体、鉄前駆体及びリン前駆体を入れて混合溶液を製造する段階;
(b)前記混合溶液を反応器内に投入し、前記グリコール系溶媒の沸点以上の温度で加熱濃縮させてメタルグリコレートスラリーを製造する段階;
(c)前記メタルグリコレートスラリーを乾燥して固形粉を形成する段階;及び
(d)前記固形粉を焼成して炭素がコーティングされたリチウムリン酸鉄ナノ粉末を製造する段階;
を含む炭素コーティングリチウムリン酸鉄ナノ粉末の製造方法。
【請求項2】
前記(b)段階の加熱濃縮は、10bar以下の圧力条件下で進められる請求項1に記載の炭素コーティングリチウムリン酸鉄ナノ粉末の製造方法。
【請求項3】
前記(c)段階の乾燥は、対流オーブン内で100?180℃の温度範囲内で進められる請求項1または請求項2に記載の炭素コーティングリチウムリン酸鉄ナノ粉末の製造方法。
【請求項4】
前記(d)段階の焼成は、400?900℃の温度範囲内で2?10時間の間進められる請求項1から請求項3の何れか一項に記載の炭素コーティングリチウムリン酸鉄ナノ粉末の製造方法。
【請求項5】
前記(d)段階は、無酸素雰囲気または不活性雰囲気下で進められる請求項1から請求項4の何れか一項に記載の炭素コーティングリチウムリン酸鉄ナノ粉末の製造方法。
【請求項6】
前記グリコール系溶媒は、エチレングリコール、ジエチレングリコール及び1,4-ブタンジオールからなる群より選択されるものである請求項1から請求項5の何れか一項に記載の炭素コーティングリチウムリン酸鉄ナノ粉末の製造方法。
【請求項7】
前記リチウム前駆体は、リチウムアセテートジハイドレート(CH_(3)COOLi・2H_(2)O)、リチウムヒドロキシドモノハイドレート(LiOH・H_(2)O)、リチウムヒドロキシド(LiOH)、リチウムカーボネート(Li_(2)CO_(3))、リチウムホスフェート(Li_(3)PO_(4))、リチウムホスフェートドデカハイドレート(Li_(3)PO_(4)・12H_(2)O)及びリチウムオキサレート(Li_(2)C_(2)O_(4))からなる群より選択される1または2以上の混合物である請求項1から請求項6の何れか一項に記載の炭素コーティングリチウムリン酸鉄ナノ粉末の製造方法。
【請求項8】
前記鉄前駆体は、クエン酸第二鉄(FeC_(6)H_(5)O_(7))、クエン酸第二鉄水和物(FeC_(6)H_(5)O_(7)・nH_(2)O)、硫酸第一鉄七水和物(FeSO_(4)・7H_(2)O)、シュウ酸鉄二水和物(FeC_(2)O_(4)・2H_(2)O)、鉄アセチルアセトネート(Fe(C_(5)H_(7)O_(2))_(3))、リン酸第二鉄二水和物(FePO_(4)・2H_(2)O)及び水酸化第二鉄(FeO(OH))からなる群より選択される1または2以上の混合物である請求項1から請求項7の何れか一項に記載の炭素コーティングリチウムリン酸鉄ナノ粉末の製造方法。
【請求項9】
前記リン前駆体は、トリ-アンモニウムホスフェートトリハイドレート((NH_(4))_(3)PO_(4)・3H_(2)O)、アンモニウムホスフェート((NH_(4))_(2)HPO_(4))、アンモニウムジハイドロジェンホスフェート(NH_(4)H_(2)PO_(4))及びリン酸(H_(3)PO_(4))からなる群より選択される1または2以上の混合物である請求項1から請求項8の何れか一項に記載の炭素コーティングリチウムリン酸鉄ナノ粉末の製造方法。
【請求項10】(削除)
【請求項11】(削除)
【請求項12】(削除)
【請求項13】(削除)
【請求項14】(削除)
【請求項15】(削除)
【請求項16】(削除)
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-07-03 
出願番号 特願2015-535589(P2015-535589)
審決分類 P 1 652・ 851- XA (C01B)
最終処分 決定却下  
前審関与審査官 山崎 直也飯濱 翔太郎  
特許庁審判長 大橋 賢一
特許庁審判官 中澤 登
後藤 政博
登録日 2017-07-14 
登録番号 特許第6171238号(P6171238)
権利者 エルジー・ケム・リミテッド
発明の名称 炭素コーティングリチウムリン酸鉄ナノ粉末の製造方法  
代理人 龍華国際特許業務法人  
代理人 龍華国際特許業務法人  

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