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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  B60C
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  B60C
審判 全部申し立て 2項進歩性  B60C
管理番号 1343849
異議申立番号 異議2017-700473  
総通号数 226 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-10-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-05-15 
確定日 2018-07-06 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6025498号発明「非空気圧タイヤ」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6025498号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?5〕、6について訂正することを認める。 特許第6025498号の請求項1、2、5、6に係る特許を維持する。 特許第6025498号の請求項3、4に係る特許について特許異議申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6025498号の請求項1?6に係る特許についての出願は、平成24年10月18日に特許出願され、平成28年10月21日に特許の設定登録がされ、その後、平成29年5月15日に特許異議申立人 直井 和子(以下「異議申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、同年8月21日付けで取消理由が通知され、同年10月13日に特許権者から意見書の提出及び訂正請求があり、同年12月4日に特許権者から手続補正書(方式)が提出され、平成30年2月5日付けで訂正請求(以下「本件訂正請求」という。)があった旨の通知(特許法第120条の5第5項)がされ、同年3月9日に異議申立人から意見書が提出され、同年5月8日付けで訂正拒絶理由が通知され、同年5月18日に特許権者から意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 本件訂正請求の趣旨及び訂正内容
1 平成30年5月18日付けの手続補正(以下「手続補正」という。)の適否
手続補正は、具体的には、平成29年10月13日付けの訂正請求において、訂正事項5に係る請求項6の「前記第1外側連結部と前記外側第2連結部の延設方向は、」という記載における「外側第2連結部」を、請求項6の他の記載箇所と整合するよう「第2外側連結部」に補正するものである。
当該補正は、軽微な瑕疵を補正するものであって、訂正請求書の請求の趣旨の要旨を変更するものではないので、当該補正を認める。

2 本件訂正請求の趣旨
上記「1」のとおりであるので、本件訂正請求は、特許第6025498号の特許請求の範囲を、手続補正により補正された訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?5〕、6について訂正することを求めるものであり、その訂正の内容は以下のとおりである(下線は訂正後の変更部分を示す。)。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「前記複数の連結部は、前記内側環状部のタイヤ幅方向一方側から前記外側環状部のタイヤ幅方向他方側へ向かって延設される第1連結部と、前記内側環状部の前記タイヤ幅方向他方側から前記外側環状部の前記タイヤ幅方向一方側へ向かって延設される第2連結部とがタイヤ周方向に沿って配列されて構成されることを特徴とする非空気圧タイヤ。」と記載されているのを、「前記複数の連結部は、前記内側環状部のタイヤ幅方向一方側から前記外側環状部のタイヤ幅方向他方側へ向かって延設される第1連結部と、前記内側環状部の前記タイヤ幅方向他方側から前記外側環状部の前記タイヤ幅方向一方側へ向かって延設される第2連結部とがタイヤ周方向に沿って配列されて構成され、前記第1連結部と前記第2連結部は板状部材で形成されており、板幅方向がタイヤ周方向に一致し、タイヤ周方向から見た第1連結部及び第2連結部は、タイヤ径方向に湾曲する湾曲部が延設方向に沿って複数形成されており、前記第1連結部と前記第2連結部の延設方向は、タイヤ幅方向に対して15?50°傾斜する方向であり、複数の前記湾曲部は、前記延設方向に対してタイヤ径方向内側に凸となる湾曲部とタイヤ径方向外側に凸となる湾曲部が交互に形成されて構成されていることを特徴とする非空気圧タイヤ。」に訂正する(請求項1の記載を直接的に又は間接的に引用する請求項2、5も同様に訂正する。)。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項3を削除する。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項4を削除する。

(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項5に「請求項1?4の何れか1項に記載の非空気圧タイヤ。」と記載されているのを、「請求項1又は2に記載の非空気圧タイヤ。」に訂正する。

(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項6に「前記複数の外側連結部は、前記中間環状部のタイヤ幅方向一方側から前記外側環状部のタイヤ幅方向他方側へ向かって延設される第1外側連結部と、前記中間環状部の前記タイヤ幅方向他方側から前記外側環状部の前記タイヤ幅方向一方側へ向かって延設される第2外側連結部とがタイヤ周方向に沿って配列されて構成されることを特徴とする非空気圧タイヤ。」と記載されているのを、「前記複数の外側連結部は、前記中間環状部のタイヤ幅方向一方側から前記外側環状部のタイヤ幅方向他方側へ向かって延設される第1外側連結部と、前記中間環状部の前記タイヤ幅方向他方側から前記外側環状部の前記タイヤ幅方向一方側へ向かって延設される第2外側連結部とがタイヤ周方向に沿って配列されて構成され、前記第1外側連結部と前記第2外側連結部は板状部材で形成されており、板幅方向がタイヤ周方向に一致し、タイヤ周方向から見た第1外側連結部及び第2外側連結部は、タイヤ径方向に湾曲する湾曲部が延設方向に沿って複数形成されており、前記第1外側連結部と前記第2外側連結部の延設方向は、タイヤ幅方向に対して15?50°傾斜する方向であり、複数の前記湾曲部は、前記延設方向に対してタイヤ径方向内側に凸となる湾曲部とタイヤ径方向外側に凸となる湾曲部が交互に形成されて構成されていることを特徴とする非空気圧タイヤ。」に訂正する。

第3 訂正の適否についての判断
1 訂正の目的の適否について
(1)訂正事項1
訂正事項1は、「第1連結部」及び「第2連結部」の形状や延設方向の角度について、訂正前において特定がなかったものを、「前記第1連結部と前記第2連結部は板状部材で形成されており、板幅方向がタイヤ周方向に一致し、タイヤ周方向から見た第1連結部及び第2連結部は、タイヤ径方向に湾曲する湾曲部が延設方向に沿って複数形成されており、前記第1連結部と前記第2連結部の延設方向は、タイヤ幅方向に対して15?50°傾斜する方向であり、複数の前記湾曲部は、前記延設方向に対してタイヤ径方向内側に凸となる湾曲部とタイヤ径方向外側に凸となる湾曲部が交互に形成されて構成されている」に限定するものであり、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

(2)訂正事項2、3
訂正事項2、3は、訂正前の請求項3、4を削除するものであり、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

(3)訂正事項4
訂正前の請求項5が請求項1?4の何れか1項を引用していたものを、請求項3、4を引用しないものとするものであり、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

(4)訂正事項5
訂正事項5は、「第1外側連結部」及び「第2外側連結部」の形状や延設方向の角度について、訂正前において特定がなかったものを、「前記第1外側連結部と前記第2外側連結部は板状部材で形成されており、板幅方向がタイヤ周方向に一致し、タイヤ周方向から見た第1外側連結部及び第2外側連結部は、タイヤ径方向に湾曲する湾曲部が延設方向に沿って複数形成されており、前記第1外側連結部と前記第2外側連結部の延設方向は、タイヤ幅方向に対して15?50°傾斜する方向であり、複数の前記湾曲部は、前記延設方向に対してタイヤ径方向内側に凸となる湾曲部とタイヤ径方向外側に凸となる湾曲部が交互に形成されて構成されている」に限定するものであり、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

2 新規事項の有無について
訂正事項1は、願書に添付した明細書(特に段落【0048】、【0049】)、特許請求の範囲(特に請求項3、4、6)及び図面(以下、まとめて「明細書等」という。)に記載した事項を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではない。
訂正事項2、3は、請求項3、4を削除するものであるから、明細書等に記載した事項を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではない。
訂正事項4は、訂正事項2、3の請求項3、4の削除に伴い、請求項3、4を引用しないものとするものであるから、明細書等に記載した事項を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではない。
訂正事項5は、明細書等(特に請求項3、4、6、段落【0012】、【0018】、【0055】)に記載した事項を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、訂正事項1?5は、明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであるから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

3 拡張・変更の存否について
(1)訂正事項1
訂正事項1は、「第1連結部」及び「第2連結部」の形状や延設方向の角度について限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(2)訂正事項2、3
訂正事項2、3は、訂正前の請求項3、4を削除するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(3)訂正事項4
訂正事項4は、訂正事項2、3の請求項3、4の削除に伴い、請求項3、4を引用しないものとするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)訂正事項5
訂正事項5は、「第1外側連結部」及び「第2外側連結部」の形状や延設方向の角度について限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

4 一群の請求項について
訂正事項1?4は、訂正前の請求項1?5を訂正するものであり、訂正前の請求項2?5は請求項1を直接的又は間接的に引用するため、請求項1?5は一群の請求項である。
したがって、本件訂正請求の訂正事項1?4は、一群の請求項に対して請求されたものであるから、特許法第120条の5第4項に適合するものである。
なお、訂正事項5は、訂正前の請求項6を訂正するものである。

5 まとめ
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第5、6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1?5〕、6について訂正を認める。

第4 特許異議の申立てについて
1 本件特許発明
特許第6025498号の請求項1、2、5、6に係る特許は、それぞれ、本件訂正請求により訂正された特許請求の範囲の請求項1、2、5、6に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、請求項1、2、5、6に係る特許発明(以下「本件特許発明1」等という。)は、以下のとおりである。
「【請求項1】
車両からの荷重を支持する支持構造体を備える非空気圧タイヤにおいて、
前記支持構造体は、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部とを連結し、タイヤ周方向に互いが接続されることなく各々独立して設けられた複数の連結部とを備え、
前記複数の連結部は、前記内側環状部のタイヤ幅方向一方側から前記外側環状部のタイヤ幅方向他方側へ向かって延設される第1連結部と、前記内側環状部の前記タイヤ幅方向他方側から前記外側環状部の前記タイヤ幅方向一方側へ向かって延設される第2連結部とがタイヤ周方向に沿って配列されて構成され、
前記第1連結部と前記第2連結部は板状部材で形成されており、板幅方向がタイヤ周方向に一致し、
タイヤ周方向から見た第1連結部及び第2連結部は、タイヤ径方向に湾曲する湾曲部が延設方向に沿って複数形成されており、
前記第1連結部と前記第2連結部の延設方向は、タイヤ幅方向に対して15?50°傾斜する方向であり、複数の前記湾曲部は、前記延設方向に対してタイヤ径方向内側に凸となる湾曲部とタイヤ径方向外側に凸となる湾曲部が交互に形成されて構成されていることを特徴とする非空気圧タイヤ。
【請求項2】
前記第1連結部と前記第2連結部は、タイヤ周方向に沿って交互に配列されていることを特徴とする請求項1に記載の非空気圧タイヤ。
【請求項5】
タイヤ周方向から見た前記第1連結部と前記第2連結部は、タイヤ赤道面に対して対称な形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の非空気圧タイヤ。
【請求項6】
車両からの荷重を支持する支持構造体を備える非空気圧タイヤにおいて、
前記支持構造体は、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられた中間環状部と、その中間環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、前記内側環状部と前記中間環状部とを連結し、タイヤ周方向に各々独立して設けられた複数の内側連結部と、前記外側環状部と前記中間環状部とを連結し、タイヤ周方向に互いが接続されることなく各々独立して設けられた複数の外側連結部とを備え、
前記複数の外側連結部は、前記中間環状部のタイヤ幅方向一方側から前記外側環状部のタイヤ幅方向他方側へ向かって延設される第1外側連結部と、前記中間環状部の前記タイヤ幅方向他方側から前記外側環状部の前記タイヤ幅方向一方側へ向かって延設される第2外側連結部とがタイヤ周方向に沿って配列されて構成され、
前記第1外側連結部と前記第2外側連結部は板状部材で形成されており、板幅方向がタイヤ周方向に一致し、
タイヤ周方向から見た第1外側連結部及び第2外側連結部は、タイヤ径方向に湾曲する湾曲部が延設方向に沿って複数形成されており、
前記第1外側連結部と前記第2外側連結部の延設方向は、タイヤ幅方向に対して15?50°傾斜する方向であり、複数の前記湾曲部は、前記延設方向に対してタイヤ径方向内側に凸となる湾曲部とタイヤ径方向外側に凸となる湾曲部が交互に形成されて構成されていることを特徴とする非空気圧タイヤ。」

2 取消理由通知の概要
訂正前の請求項1?6に係る特許に対する取消理由通知の概要は、次のとおりである。

[理由1] 本件特許の下記の請求項に係る発明は、本件特許の出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
[理由2] 本件特許の下記の請求項に係る発明は、本件特許の出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
[理由3] 本件特許は、特許請求の範囲の記載が不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。


[引用例]
甲第1号証:米国特許出願公開第2009/0173421号明細書
甲第2号証:特許第11231号明細書
甲第3号証:米国特許出願公開第2011/0272254号明細書
甲第4号証:米国特許第1647871号明細書
甲第5号証:特開2009-35051号公報
甲第6号証:特開2009-196603号公報
(なお、取消理由通知において甲第2号証の公報名の誤記があったが、特許権者は正しい公報に基いて意見書を提出している。)

[理由1]、[理由2]について
請求項1?3、5に対して、甲第1号証又は甲第2号証又は甲第3号証
請求項1、2、4、5に対して、甲第4号証
[理由2]について
請求項4に対して、甲第1号証及び甲第2号証
請求項4に対して、甲第2号証及び甲第1、3、4号証
請求項4に対して、甲第3号証及び甲第2号証
請求項3に対して、甲第4号証及び甲第1?3号証
請求項6に対して、甲第5号証及び甲第1?4号証
請求項6に対して、甲第6号証及び甲第1?4号証

3 取消理由1、2についての判断
(1)各甲号証(以下「甲1」等と簡略表記する。)に記載された発明ないし技術的事項
ア 甲1に記載された発明ないし技術的事項
取消理由で引用した甲1のFig.5の記載からみて、「構造部材40」は、板状部材で形成されており、板幅方向がタイヤ周方向に一致していることが看取できる。
以上のことと、請求項1、段落[0001]、[0018]、[0021]、[0023]、[0024]、[0034]及びFig.1?5の記載からみて、以下の発明ないし技術的事項(以下「甲1発明」ないし「甲1技術」という。特にFig.5に係る例に対応。Fig.5に係る例はFig.1?4に係る例の変形例であることから、Fig.5に係る例において省略されている用語等はFig.1?4に係る例と同じものを用いた。なお、異議申立人が提出した翻訳文を参考に当審で翻訳した用語等を用いた。)が記載されているものと認める。
「車両に搭載される、外輪12、内輪14、及び衝撃及び振動を吸収する中間輪16を含むフラットレスハイブリッドタイヤ10において、
前記内輪14は、前記外輪12の内径28内に同心上に配設され、前記中間輪16は前記外輪12と前記内輪14との間に同心上に配設され、前記外輪12と前記内輪14を固定的に相互接続し、互いに対角上に配設される複数の構造部材40を含む複数の格子部材38を含み、交互の前記構造部材40を、対角上に配設して交差なく互いに相対させ、
前記複数の構造部材40は、板状部材で形成されており、板幅方向がタイヤ周方向に一致しているフラットレスハイブリッドタイヤ10。」

イ 甲2に記載された発明ないし技術的事項
取消理由で引用した甲2の第5図及びその前提となる第1図の記載から、「オオワD」(符号Dの部材はその漢字の読みの「オオワ」(大輪)とした。)は「轂A」の外側に同心円状に設けられたものであることが看取できる。また、同図から、「発條輻CC^(1)C^(2)」は、「轂A」の車輪幅方向一方側から「オオワD」の車輪幅方向他方側へ向かって延設される第1の「発條輻CC^(1)C^(2)」と、「轂A」の車輪幅方向他方側から「オオワD」の車輪幅方向一方側へ向かって延設される第2の「発條輻CC^(1)C^(2)」とが車輪周方向に沿って配列されて構成され、第1の「発條輻CC^(1)C^(2)」と第2の「発條輻CC^(1)C^(2)」は板状部材で形成されており、板幅方向が車輪周方向に一致し、車輪周方向から見た第1の「発條輻CC^(1)C^(2)」と第2の「発條輻CC^(1)C^(2)」は、湾曲部が2箇所形成されていることも看取できる(当審が第5図に加筆した下記参考図の破線で囲った箇所を参照。)。
〔参考図〕


以上のことと、特許請求の範囲の第1項、第1ページ第1?4行、第2ページ第21行?第3ページ第5行、第3ページ第18?20行及び第1、2、5図の記載からみて、甲2には以下の発明ないし技術的事項(以下「甲2発明」ないし「甲2技術」という。特に第5図に係る例に対応。第5図に係る例は第1、2図に係る例の変形例であることから、第5図の説明文等において省略されている用語等は第1、2図に係る例と同じものを用いた。なお、片仮名は平仮名とし、漢字も適宜新字体とした。)が記載されているものと認める。
「自動車荷車其他の車両に用いる、轂A、オオワD、及び成層発條からなる複数の発條輻CC^(1)C^(2)を備える車輪において、
前記複数の発條輻CC^(1)C^(2)は其一端は固定状にして前記轂Aに取付け、可撓性の他端は旋回的に前記轂Aの外側に同心円状に設けられた前記オオワDに取付け、前記発條輻CC^(1)C^(2)の先端は、前記オオワDの反対の点に於て取り付けられ、
前記発條輻CC^(1)C^(2)は、前記轂Aの車輪幅方向一方側から前記オオワDの車輪幅方向他方側へ向かって延設される第1の発條輻CC^(1)C^(2)と、前記轂Aの車輪幅方向他方側から前記オオワDの車輪幅方向一方側へ向かって延設される第2の発條輻CC^(1)C^(2)とが車輪周方向に沿って配列されて構成され、
前記第1の発條輻CC^(1)C^(2)と前記第2の発條輻CC^(1)C^(2)は板状部材で形成されており、板幅方向が車輪周方向に一致し、
車輪周方向から見た前記第1の発條輻CC^(1)C^(2)と前記第2の発條輻CC^(1)C^(2)は、湾曲部が2箇所形成されている車輪。」

ウ 甲3に記載された発明ないし技術的事項
取消理由で引用した甲3のFigure 1A?3の記載から、「外側トラクション要素16」は「ハブ11」の外側に同心円状に設けられたものであることが看取できる。また、同図から、「スポーク20」はホイール周方向に沿って配列されて構成されていること、及び、板状部材で形成されており、板幅方向がホイール周方向に一致していることも看取できる。
以上のことと、請求項1、段落[0012]、[0030]、[0033]、[0036]及びFigure 1A?3の記載からみて、甲3には以下の発明ないし技術的事項(以下「甲3発明」ないし「甲3技術」という。なお、異議申立人が提出した翻訳文を参考に当審で翻訳した用語等を用いた。)が記載されているものと認める。
「車両に用いられる、ハブ11、外側トラクション要素16、固定フランジ12b、13b、可動フランジ12a、13a、複数のホイール部分17、18を含む可変剛性ホイール10において、
前記複数のホイール部分17、18は、前記固定フランジ12b、13b及び前記可動フランジ12a、13a及び前記ハブ11の外側に同心円状に設けられた前記外側トラクション要素16に接続する2つの対向する斜めの複数のスポーク20がホイール周方向に沿って配列されて構成され、
前記複数のスポーク20は、板状部材で形成されており、板幅方向がホイール周方向に一致している可変剛性ホイール10。」

エ 甲4に記載された発明ないし技術的事項
取消理由で引用した甲4のFig.1?4の記載から、「弾性支持輪7」は「リム3」の外側に同心円状に設けられたものであることが看取できる。
また、同図から、「ばね部材8」の「傾斜支持部材15」は、タイヤ周方向に互いが接続されることなく各々独立していること、タイヤ周方向に沿って配列されて構成されていることが看取できる。また、同図より、互いに平行関係に延在する「傾斜支持部材15」の組(第1ページ第108行?第2ページ第1行参照。なお、行数は公報の左右に付された番号による。以下同様。また、互いに平行関係にある傾斜支持部材15の2本を「組」とした。)は、「リム3」のタイヤ幅方向一方側に配置された「コイルばね16」から「弾性支持輪7」のタイヤ幅方向他方側に配置された「コイルばね14」へ向かって延設される第1の「互いに平行関係に延在する傾斜支持部材15の組」と、「リム3」のタイヤ幅方向他方側に配置された「コイルばね16」から「弾性支持輪7」のタイヤ幅方向一方側に配置された「コイルばね14」へ向かって延設される第2の「互いに平行関係に延在する傾斜支持部材15の組」とがタイヤ周方向に沿って配列されて構成されていることも看取できる。
以上のことと、請求項1、第1ページ第1?8行、第1ページ第42?48行、第1ページ第60行?第2ページ第34行、第2ページ第44?48行、第2ページ第57?67行及びFig.1?4の記載からみて、甲4には以下の発明ないし技術的事項(以下「甲4発明」ないし「甲4技術」という。なお、異議申立人が提出した翻訳文を参考に当審で翻訳した用語等を用いた。)が記載されているものと認める。
「車両ホイールに備えられ、リム3、環状トレッド部材6と、環状トレッド部材6を支持する弾性支持輪7、複数のばね部材8を備える弾性タイヤであって、
前記ばね部材8は、前記弾性支持輪7と前記リム3との間に配設され、前記環状トレッド部材6及び前記弾性支持輪7に締結ロッド26により取り付けられるU形取付け部材12及び前記リム3に係合するリム係合部18と、タイヤ周方向に互いが接続されることなく各々独立している複数の互いに平行関係に延在する傾斜支持部材15の組とを備え、
前記複数の互いに平行関係に延在する傾斜支持部材15の組は、前記リム3のタイヤ幅方向一方側に配置されたコイルばね16から前記弾性支持輪7のタイヤ幅方向他方側に配置されたコイルばね14へ向かって延設される第1の互いに平行関係に延在する傾斜支持部材15の組と、前記リム3のタイヤ幅方向他方側に配置されたコイルばね16から前記弾性支持輪7のタイヤ幅方向一方側に配置されたコイルばね14へ向かって延設される第2の互いに平行関係に延在する傾斜支持部材15の組とがタイヤ周方向に沿って配列されて構成され、
前記複数の互いに平行関係に延在する傾斜支持部材15はばねワイヤ製である弾性タイヤ。」

オ 甲5に記載された発明
取消理由で引用した甲5の【図1】、【図3】の記載から、「複数の内側連結部4」及び「複数の外側連結部5」は、いずれもタイヤ周方向に各々独立して設けられたものであることが看取できる。
以上のことと、【請求項1】、段落【0022】及び【図1】、【図3】の記載からみて、甲5には次の発明(以下「甲5発明」という。)が記載されているものと認める。
「車両からの荷重を支持する支持構造体SSを備える非空気圧タイヤにおいて、
前記支持構造体SSは、内側環状部1と、その内側環状部1の外側に同心円状に設けられた中間環状部2と、その中間環状部2の外側に同心円状に設けられた外側環状部3と、前記内側環状部1と前記中間環状部2とを連結し、タイヤ周方向に各々独立して設けられた複数の内側連結部4と、前記外側環状部3と前記中間環状部2とを連結し、タイヤ周方向に互いが接続されることなく各々独立して設けられた複数の外側連結部5とを備え。
前記支持構造体SSは、弾性材料で一体成形されていると共に、少なくとも前記中間環状部2は補強繊維により補強されている非空気圧タイヤ。」

カ 甲6に記載された発明
取消理由で引用した甲6の【図4】の記載から、「スポーク5」は、タイヤ周方向に各々独立して多数設けられたものであることが看取できる。さらに、同図から、「連結部9」は、「環状の内周部材4」の外側に同心円状に設けられたものであり、「環状の外周部材3」は、「連結部9」の外側に同心円状に設けられたものであることも看取できる。また、段落【0003】、【0028】の記載から、「非空気式タイヤ」は乗用車用に適用可能なものであることは明らかである。
以上のことと、【請求項1】、【請求項2】、段落【0013】、【0019】及び【図4】の記載からみて、甲6には次の発明(以下「甲6発明」という。)が記載されているものと認める。
「乗用車用に適用可能なスポーク構造体2を備える非空気式タイヤにおいて、
前記スポーク構造体2は、環状の内周部材4と、その環状の内周部材4の外側に同心円状に設けられた連結部9と、その連結部9の外側に同心円状に設けられた環状の外周部材3と、前記環状の内周部材4と前記環状の外周部材3とを連結し、タイヤ周方向に各々独立して設けられ、前記連結部9によりタイヤ周方向に隣接するもの同士が連結される多数のスポーク5とを備え、この連結部9が隣接するスポーク5、5間の空間を径方向に区分し、その径方向外側に区分された空間に空気を封入した弾性袋体6を圧入して空気が封じ込められた非空気式タイヤ。」

(2)対比・判断
ア 甲1を主たる引例とした場合(理由1、2)
(ア)本件特許発明1について
a 対比
本件特許発明1と甲1発明とを対比する。
(a)後者の「車両」は前者の「車両」に相当し、同様に、「フラットレスハイブリッドタイヤ10」は「非空気圧タイヤ」に相当する。

(b)後者の「外輪12、内輪14、及び衝撃及び振動を吸収する中間輪16」は、「車両に搭載される」「フラットレスハイブリッドタイヤ10」に含まれるものであるから、前者の「車両からの荷重を支持する支持構造体」に相当する。
そして、後者の「内輪14」は前者の「内側環状部」に相当し、以下同様に、「外輪12」は「外側環状部」に、「中間輪16」の「格子部材38」の「構造部材40」は「連結部」に相当する。

(c)上記(a)、(b)を踏まえると、後者の「車両に搭載される、外輪12、内輪14、及び衝撃及び振動を吸収する中間輪16を含むフラットレスハイブリッドタイヤ10において」は、前者の「車両からの荷重を支持する支持構造体を備える非空気圧タイヤにおいて」に相当するといえる。

(d)後者の「互いに対角上に配設される複数の構造部材40」ということは、「構造部材40」は、タイヤ周方向に互いが接続されることなく各々が独立したものであり、「内輪14」のタイヤ幅方向一方側から「外輪12」のタイヤ幅方向他方側へ向かって延設される第1の「構造部材40」と、「内輪14」のタイヤ幅方向他方側から「外輪12」のタイヤ幅方向一方側へ向かって延設される第2の「構造部材40」を有しているといえる。また、後者の「交互の前記構造部材40を、対角上に配設して交差なく互いに相対させ」るということは、第1の「構造部材40」と第2の「構造部材40」が、タイヤ周方向に沿って配列されているといえる。
そうすると、上記(a)?(c)をも踏まえると、後者の「前記内輪14は、前記外輪12の内径28内に同心上に配設され、前記中間輪16は前記外輪12と前記内輪14との間に同心上に配設され、前記外輪12と前記内輪14を固定的に相互接続し、互いに対角上に配設される複数の構造部材40を含む複数の格子部材38を含み、交互の前記構造部材40を、対角上に配設して交差なく互いに相対させ」は、前者の「前記支持構造体は、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部とを連結し、タイヤ周方向に互いが接続されることなく各々独立して設けられた複数の連結部とを備え、前記複数の連結部は、前記内側環状部のタイヤ幅方向一方側から前記外側環状部のタイヤ幅方向他方側へ向かって延設される第1連結部と、前記内側環状部の前記タイヤ幅方向他方側から前記外側環状部の前記タイヤ幅方向一方側へ向かって延設される第2連結部とがタイヤ周方向に沿って配列されて構成され」に相当するといえる。

(e)上記(a)?(d)を踏まえると、後者の「前記複数の構造部材40は、板状部材で形成されており、板幅方向がタイヤ周方向に一致し」は、前者の「前記第1連結部と前記第2連結部は板状部材で形成されており、板幅方向がタイヤ周方向に一致し」に相当するといえる。

(f)以上のことから、本件特許発明1と甲1発明との一致点、相違点は次のとおりである。
〔一致点1〕
「車両からの荷重を支持する支持構造体を備える非空気圧タイヤにおいて、
前記支持構造体は、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部とを連結し、タイヤ周方向に互いが接続されることなく各々独立して設けられた複数の連結部とを備え、
前記複数の連結部は、前記内側環状部のタイヤ幅方向一方側から前記外側環状部のタイヤ幅方向他方側へ向かって延設される第1連結部と、前記内側環状部の前記タイヤ幅方向他方側から前記外側環状部の前記タイヤ幅方向一方側へ向かって延設される第2連結部とがタイヤ周方向に沿って配列されて構成され、
前記第1連結部と前記第2連結部は板状部材で形成されており、板幅方向がタイヤ周方向に一致する非空気圧タイヤ。」

〔相違点1〕
本件特許発明1が「タイヤ周方向から見た第1連結部及び第2連結部は、タイヤ径方向に湾曲する湾曲部が延設方向に沿って複数形成されており、前記第1連結部と前記第2連結部の延設方向は、タイヤ幅方向に対して15?50°傾斜する方向であり、複数の前記湾曲部は、前記延設方向に対してタイヤ径方向内側に凸となる湾曲部とタイヤ径方向外側に凸となる湾曲部が交互に形成されて構成されている」という事項を有しているのに対し、甲1発明は当該事項を有していない点。

b 判断
(a)理由1について
本件特許発明1と甲1発明との間には上記相違点1が存在するので、本件特許発明1は甲1発明であるとはいえない。
したがって、本件特許発明1は、特許法第29条第1項第3号に該当するとはいえない。

(b)理由2について
本件特許発明1は、上記相違点1に係る事項を有することにより、段落【0015】に記載される「タイヤ周方向から見た第1連結部及び第2連結部は、タイヤ径方向に湾曲する湾曲部が延設方向に沿って複数形成されていることが好ましい。この構成によれば、荷重負荷時に第1連結部及び第2連結部に生じる応力を分散することができるため、非空気圧タイヤの耐久性を向上できる。」、同【0049】に記載される「湾曲部31aが複数形成される場合、タイヤ径方向内側へ凸となる湾曲部31aとタイヤ径方向外側へ凸となる湾曲部31aが交互に形成される。湾曲部31aの数は、1?15個が好ましく、3?10個がより好ましい。湾曲部31aは、第1連結部31のうち応力が高くなるトレッド側に少なくとも1つ形成されることで、第1連結部31の応力を効果的に分散することができる。」という作用効果を奏するものと認められる。
ここで、本件特許発明1は、訂正前の請求項4の事項を含むものであるから、甲1発明への甲2技術の適用について検討すると、以下のとおりである。
甲2技術は「車輪周方向から見た前記第1の発條輻CC^(1)C^(2)と前記第2の発條輻CC^(1)C^(2)は、湾曲部が2箇所形成されて」いるという事項を有している。
しかしながら、甲2技術は「非空気圧タイヤ」ではなく「車輪」の技術である上(後述する「イ(ア)a」も参照。)、甲2技術の「湾曲部」は、湾曲方向が車輪径方向ではなく、第1の発條輻CC^(1)C^(2)と第2の発條輻CC^(1)C^(2)の延設方向に沿って形成されていないことから、2箇所の湾曲部は、延設方向に対して車輪径方向内側に凸となる湾曲部と車輪径方向外側に凸となる湾曲部が交互に形成されて構成されているというものではない。さらに、延設方向の車輪幅方向に対する具体的な角度も明らかでない。(なお、異議申立人は平成30年3月9日付けの意見書において、本件特許発明1等の「延設方向」について不明確である旨主張しているが、後述する「6」を参照。)
そうすると、仮に甲1発明に甲2技術を適用したとしても、上記相違点1に係る本件特許発明1の事項を有するものには至らない。
さらに、上記作用効果についての予測性があったともいえない。
したがって、本件特許発明1は、甲1発明及び甲2技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないので、本件特許発明1は、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものとはいえない。

(イ)本件特許発明2、5について
本件特許発明2、5は、本件特許発明1の発明特定事項を全て含み、さらに限定を加えたものであるから、本件特許発明1と同様の理由により、甲1発明であるとはいえないし、甲1発明及び甲2技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたともいえない。
よって、本件特許発明2、5は、特許法第29条第1項第3号に該当するとはいえないし、同法第29条第2項の規定に違反して特許されたものともいえない。

イ 甲2を主たる引例とした場合(理由1、2)
(ア)本件特許発明1について(その1)
a 対比
まず、一般に「タイヤ」とは、「車輪の外囲にはめる鉄またはゴム製の輪。」[株式会社岩波書店 広辞苑第六版]を示す用語である。
また、「轂」とは「車輪の中央にあって軸をその中に貫き、輻をその周囲にさしこんだ部分。」[株式会社岩波書店 広辞苑第六版]であり、ハブに相当するようなものである。また、「輻」とは「車の轂と輪とを支える木。や。スポーク。」[株式会社岩波書店 広辞苑第六版]であり、「オオワ」とは「車輪の外部を構成する曲形の木。」[株式会社岩波書店 広辞苑第六版]である。
そして、甲2発明の内側に配置された環状の部材である「轂A」は第1、2、5図の記載から明らかなように車軸そのものに取り付けられているものであることからみて、甲2発明はその文言通り「車輪」(ホイール)そのものであり、「非空気圧タイヤ」とはいえないものである。
したがって、本件特許発明1と甲2発明とを対比すると、本件特許発明1の発明特定事項が全て〔相違点2〕となり、一致点は存在しない。

b 判断
(a)理由1について
本件特許発明1と甲2発明との間には上記相違点2が存在するので、本件特許発明1は甲2発明であるとはいえない。
したがって、本件特許発明1は、特許法第29条第1項第3号に該当するとはいえない。

(b)理由2について
上記aで述べたように、甲2発明は「車輪」そのものであることから、甲2発明の構成を、甲1、3、4技術に示される周知の「非空気圧タイヤ」に転換することは、当業者であっても容易に想到し得たとはいえない。
したがって、本件特許発明1は、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものとはいえない。

(イ)本件特許発明1について(その2)
仮に、本件特許発明1の「非空気圧タイヤ」が、車輪(ホイール)やそれに類するような部材を要さず、その「内側環状部」が車軸に直接取り付けられるようなものを含み得るとした場合についても以下検討する。
a 対比
本件特許発明1と甲2発明とを対比する。
(a)後者の「自動車荷車其他の車両」は前者の「車両」に相当する。また、上記の仮定から、後者の「車輪」は前者の「非空気圧タイヤ」に相当する。

(b)後者の「轂A、オオワD、及び成層発條からなる複数の発條輻CC^(1)C^(2)」は、「自動車荷車其他の車両に用いる」「車輪」をなすものであるから、前者の「車両からの荷重を支持する支持構造体」に相当する。
そして、後者の「轂A」は前者の「内側環状部」に相当し、以下同様に、「オオワD」は「外側環状部」に、「成層発條からなる複数の発條輻CC^(1)C^(2)」は「連結部」に相当する。

(c)上記(a)、(b)を踏まえると、後者の「自動車荷車其他の車両に用いる、轂A、オオワD、及び成層発條からなる複数の発條輻CC^(1)C^(2)を備える車輪において」は、前者の「車両からの荷重を支持する支持構造体を備える非空気圧タイヤにおいて」に相当するといえる。

(d)後者の「複数の発條輻CC^(1)C^(2)」は、車輪周方向に互いが接続されることなく各々独立して設けられるものであることは明らかである。
そうすると、上記(a)?(c)をも踏まえると、後者の「前記複数の発條輻CC^(1)C^(2)は其一端は固定状にして前記轂Aに取付け、可撓性の他端は旋回的に前記轂Aの外側に同心円状に設けられた前記オオワDに取付け、前記発條輻CC^(1)C^(2)の先端は、前記オオワDの反対の点に於て取り付けられ」は、前者の「前記支持構造体は、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部とを連結し、タイヤ周方向に互いが接続されることなく各々独立して設けられた複数の連結部とを備え」に相当するといえる。

(e)後者の「第1の発條輻CC^(1)C^(2)」及び「第2の発條輻CC^(1)C^(2)」は、前者の「第1連結部」及び「第2連結部」に相当する。
そうすると、上記(a)?(c)をも踏まえると、後者の「前記発條輻CC^(1)C^(2)は、前記轂Aの車輪幅方向一方側から前記オオワDの車輪幅方向他方側へ向かって延設される第1の発條輻CC^(1)C^(2)と、前記轂Aの車輪幅方向他方側から前記オオワDの車輪幅方向一方側へ向かって延設される第2の発條輻CC^(1)C^(2)とが車輪周方向に沿って配列されて構成され」は、前者の「前記複数の連結部は、前記内側環状部のタイヤ幅方向一方側から前記外側環状部のタイヤ幅方向他方側へ向かって延設される第1連結部と、前記内側環状部の前記タイヤ幅方向他方側から前記外側環状部の前記タイヤ幅方向一方側へ向かって延設される第2連結部とがタイヤ周方向に沿って配列されて構成され」に相当するといえる。

(f)上記(a)?(c)、(e)を踏まえると、後者の「前記第1の発條輻CC^(1)C^(2)と前記第2の発條輻CC^(1)C^(2)は板状部材で形成されており、板幅方向が車輪周方向に一致し」は、前者の「前記第1連結部と前記第2連結部は板状部材で形成されており、板幅方向がタイヤ周方向に一致し」に相当するといえる。

(g)上記(a)?(c)、(e)を踏まえると、後者の「車輪周方向から見た前記第1の発條輻CC^(1)C^(2)と前記第2の発條輻CC^(1)C^(2)は、湾曲部が2箇所形成されて」と、前者の「タイヤ周方向から見た第1連結部及び第2連結部は、タイヤ径方向に湾曲する湾曲部が延設方向に沿って複数形成されて」とは、「タイヤ周方向から見た第1連結部及び第2連結部は、湾曲部が複数形成されて」の限度で一致するといえる。

(h)以上のことから、本件特許発明1と甲2発明との一致点、相違点は次のとおりである。
〔一致点2〕
「車両からの荷重を支持する支持構造体を備える非空気圧タイヤにおいて、
前記支持構造体は、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部とを連結し、タイヤ周方向に互いが接続されることなく各々独立して設けられた複数の連結部とを備え、
前記複数の連結部は、前記内側環状部のタイヤ幅方向一方側から前記外側環状部のタイヤ幅方向他方側へ向かって延設される第1連結部と、前記内側環状部の前記タイヤ幅方向他方側から前記外側環状部の前記タイヤ幅方向一方側へ向かって延設される第2連結部とがタイヤ周方向に沿って配列されて構成され、
前記第1連結部と前記第2連結部は板状部材で形成されており、板幅方向がタイヤ周方向に一致し、
タイヤ周方向から見た第1連結部及び第2連結部は、湾曲部が複数形成されている非空気圧タイヤ。」

〔相違点3〕
「タイヤ周方向から見た第1連結部及び第2連結部」に関し、
本件特許発明1は、「湾曲部」が「タイヤ径方向に湾曲する」ものであり、「延設方向に沿って複数形成されており」というものであって、「前記第1連結部と前記第2連結部の延設方向は、タイヤ幅方向に対して15?50°傾斜する方向であり、複数の前記湾曲部は、前記延設方向に対してタイヤ径方向内側に凸となる湾曲部とタイヤ径方向外側に凸となる湾曲部が交互に形成されて構成されている」のに対し、
甲2発明は、「湾曲部」の湾曲方向が車輪径方向ではなく、第1の発條輻CC^(1)C^(2)と第2の発條輻CC^(1)C^(2)の延設方向に沿って形成されていないことから、2箇所の湾曲部は、延設方向に対して車輪径方向内側に凸となる湾曲部と車輪径方向外側に凸となる湾曲部が交互に形成されて構成されているものではなく、さらに、延設方向の車輪幅方向に対する具体的な角度も明らかでない点。

b 判断
(a)理由1について
本件特許発明1と甲2発明との間には上記相違点3が存在するので、本件特許発明1は甲2発明であるとはいえない。
したがって、本件特許発明1は、特許法第29条第1項第3号に該当するとはいえない。

(b)理由2について
甲2発明において、「発條輻CC^(1)C^(2)」に2箇所形成される「湾曲部」は、甲2の第1ページ第1?4行、第2ページ末行?第3ページ第5行の記載、第5図の記載及び車輪の技術常識を考慮すれば、当該2箇所の湾曲部を含めて「発條輻CC^(1)C^(2)」全体を滑らかに湾曲させることにより、全体として「車輪」として必要とされるの「発條」(ばね)による振動吸収及び荷重の支持の機能を有するようにするものであることは明らかである。そうすると、そのようにして完成されているものに対し、何の契機もなく、その湾曲方向を車輪径方向とし、さらに2箇所の湾曲部を、延設方向に対して車輪径方向内側に凸となる湾曲部と車輪径方向外側に凸となる湾曲部が交互に形成するように大幅に構成を変更することは、当業者であっても容易に想到し得たこととはいえない。
そして、甲1、3、4技術を検討しても、いずれも「湾曲部」に相当する事項自体を有しておらず、上記相違点3に係る本件特許発明1の事項を容易想到とするような技術の開示は見当たらず、本件特許発明1は、甲2発明及び甲1、3、4技術に示される周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
したがって、本件特許発明1は、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものとはいえない。

(ウ)本件特許発明2、5について
本件特許発明2、5は、本件特許発明1の発明特定事項を全て含み、さらに限定を加えたものであるから、本件特許発明1と同様の理由により、甲2発明であるとはいえないし、甲2発明及び甲1、3、4技術に示される周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたともいえない。
よって、本件特許発明2、5は、特許法第29条第1項第3号に該当するとはいえないし、同法第29条第2項の規定に違反して特許されたものともいえない。

ウ 甲3を主たる引例とした場合(理由1、2)
(ア)本件特許発明1について
a 対比
本件特許発明1と甲3発明とを対比する。
(a)後者の「車両」は前者の「車両」に相当する。

(b)後者の「可変剛性ホイール10」における「固定フランジ12b、13b、可動フランジ12a、13a」は、段落[0033]の記載及びFigure 1A?2の記載から、「ハブ11」の外周の環状の部分に固定または可動に配置されているものであることは明らかである。
そして、後者の「外側トラクション要素16」、「固定フランジ12b、13b、可動フランジ12a、13a」及び「複数のホイール部分17、18」は、「車両に用いられる」「可変剛性ホイール10」の一部をなすものであるから、前者の「車両からの荷重を支持する支持構造体」に相当し、かつ、「非空気圧タイヤ」にも相当する。

(c)上記(a)、(b)を踏まえると、後者の「車両に用いられる、ハブ11、外側トラクション要素16、固定フランジ12b、13b、可動フランジ12a、13a、複数のホイール部分17、18を含む可変剛性ホイール10において」は、前者の「車両からの荷重を支持する支持構造体を備える非空気圧タイヤにおいて」を満足するといえる。

(d)後者の「固定フランジ12b、13b、可動フランジ12a、13a」は前者の「内側環状部」に相当し、以下同様に、「スポーク20」は「連結部」に、「外側トラクション要素16」は「外側環状部」に相当する。そして、「スポーク20」は、ホイール周方向に互いが接続されることなく各々独立して設けられるものであることは明らかである。

(e)上記(a)、(b)、(d)を踏まえると、後者の「前記複数のホイール部分17、18は、前記固定フランジ12b、13b及び前記可動フランジ12a、13a及び前記ハブ11の外側に同心円状に設けられた前記外側トラクション要素16に接続する2つの対向する斜めの複数のスポーク20がホイール周方向に沿って配列されて構成され」は、前者の「前記支持構造体は、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部とを連結し、タイヤ周方向に互いが接続されることなく各々独立して設けられた複数の連結部とを備え」を満足するといえる。

(f)上記(a)、(b)、(d)を踏まえると、後者の「前記複数のスポーク20は、板状部材で形成されており、板幅方向がホイール周方向に一致している」と、前者の「前記複数の連結部は、前記内側環状部のタイヤ幅方向一方側から前記外側環状部のタイヤ幅方向他方側へ向かって延設される第1連結部と、前記内側環状部の前記タイヤ幅方向他方側から前記外側環状部の前記タイヤ幅方向一方側へ向かって延設される第2連結部とがタイヤ周方向に沿って配列されて構成され、前記第1連結部と前記第2連結部は板状部材で形成されており、板幅方向がタイヤ周方向に一致し」とは、「前記連結部は板状部材で形成されており、板幅方向がタイヤ周方向に一致し」の限度で一致するといえる。

(g)以上のことから、本件特許発明1と甲3発明との一致点、相違点は次のとおりである。
〔一致点3〕
「車両からの荷重を支持する支持構造体を備える非空気圧タイヤにおいて、
前記支持構造体は、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部とを連結し、タイヤ周方向に互いが接続されることなく各々独立して設けられた複数の連結部とを備え、
前記連結部は板状部材で形成されており、板幅方向がタイヤ周方向に一致している非空気圧タイヤ。」

〔相違点4〕
本件特許発明1が、「前記複数の連結部は、前記内側環状部のタイヤ幅方向一方側から前記外側環状部のタイヤ幅方向他方側へ向かって延設される第1連結部と、前記内側環状部の前記タイヤ幅方向他方側から前記外側環状部の前記タイヤ幅方向一方側へ向かって延設される第2連結部とがタイヤ周方向に沿って配列されて構成され」るものであり(以下「事項4-1」という。)、「タイヤ周方向から見た第1連結部及び第2連結部は、タイヤ径方向に湾曲する湾曲部が延設方向に沿って複数形成されており、前記第1連結部と前記第2連結部の延設方向は、タイヤ幅方向に対して15?50°傾斜する方向であり、複数の前記湾曲部は、前記延設方向に対してタイヤ径方向内側に凸となる湾曲部とタイヤ径方向外側に凸となる湾曲部が交互に形成されて構成されている」(以下「事項4-2」という。)のに対し、甲3発明は、「複数のスポーク20」に関し、「前記固定フランジ12b、13b及び前記可動フランジ12a、13a及び前記ハブ11の外側に同心円状に設けられた前記外側トラクション要素16に接続する2つの対向する斜めの」ものであり、当該「複数のスポーク20」が「ホイール周方向に沿って配列されて構成され」ているものである点。

b 判断
(a)理由1について
本件特許発明1と甲3発明との間には上記相違点4が存在するので、本件特許発明1は甲3発明であるとはいえない。
したがって、本件特許発明1は、特許法第29条第1項第3号に該当するとはいえない。

(b)理由2について
上記相違点4について検討する。
まず、事項4-1に係る甲3発明の事項を言い換えれば、甲3発明の「スポーク20」は、「可動フランジ12a」と「外側トラクション要素16」とを斜めに接続する第1の「スポーク20」と、「固定フランジ12b」と「外側トラクション要素16」とを斜めに接続し、かつ、第1の「スポーク20」に対向する第2の「スポーク20」と、「可動フランジ13a」と「外側トラクション要素16」とを斜めに接続する第3の「スポーク20」と、「固定フランジ13b」と「外側トラクション要素16」とを斜めに接続し、かつ、第3の「スポーク20」に対向する第4の「スポーク20」の4種類を有しているといえる。
ここで、甲3の段落[0032]に「可変剛性ホイール10がより少ない又はより多いホイール部分17、18及びより少ない又はより多いホイール部分平面を含んでよいことは当業者に明らかであるはずである。」と記載されていることから、甲3発明の2つの「ホイール部分17、18」を少なくして1つの「ホイール部分」のみとし、それに対応させて当該「ホイール部分」に「スポーク20」を対向するよう斜めに設けるようにすることは、当業者にとって容易であるといえ、その場合、「外側トラクション要素16」の支持を考慮すれば、必然的に事項4-1のような構成となるとはいえる。
しかしながら、この場合であったとしても、事項4-2で相違することになり、事項4-1の事項を容易想到とした上でさらに事項4-2を容易想到とすることになり、いわゆる容易の容易である上、当該事項4-2は、実質的に上記相違点1と同様内容であって、その判断についても同様であり、本件特許発明1は、甲3発明及び甲2技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
したがって、本件特許発明1は、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものとはいえない。

(イ)本件特許発明2、5について
本件特許発明2、5は、本件特許発明1の発明特定事項を全て含み、さらに限定を加えたものであるから、本件特許発明1と同様の理由により、甲3発明であるとはいえないし、甲3発明及び甲2技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたともいえない。
よって、本件特許発明2、5は、特許法第29条第1項第3号に該当するとはいえないし、同法第29条第2項の規定に違反して特許されたものともいえない。

エ 甲4を主たる引例とした場合(理由1、2)
(ア)本件特許発明1について
a 対比
本件特許発明1と甲4発明とを対比する。
(a)後者の「弾性タイヤ」は前者の「非空気圧タイヤ」に相当する。

(b)後者の「リム3、環状トレッド部材6と、環状トレッド部材6を支持する弾性支持輪7」は、「車両ホイールに備えられ」る「弾性タイヤ」に備えられるものであるから、前者の「車両からの荷重を支持する支持構造体」に相当する。
そして、後者の「リム3」は前者の「内側環状部」に相当し、以下同様に、「環状トレッド部材6」及び「弾性支持輪7」は「外側環状部」に、「複数のばね部材8」は「連結部」に相当する。

(c)上記(a)、(b)を踏まえると、後者の「車両ホイールに備えられ、リム3、環状トレッド部材6と、環状トレッド部材6を支持する弾性支持輪7、複数のばね部材8を備える弾性タイヤであって」は、前者の「車両からの荷重を支持する支持構造体を備える非空気圧タイヤにおいて」に相当するといえる。

(d)後者の「互いに平行関係に延在する傾斜支持部材15の組」は、前者の「連結部」に相当する。
そうすると、上記(a)?(c)をも踏まえると、後者の「前記ばね部材8は、前記弾性支持輪7と前記リム3との間に配設され、前記環状トレッド部材6及び前記弾性支持輪7に締結ロッド26により取り付けられるU形取付け部材12及び前記リム3に係合するリム係合部18と、タイヤ周方向に互いが接続されることなく各々独立している複数の互いに平行関係に延在する傾斜支持部材15の組とを備え」は、前者の「前記支持構造体は、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部とを連結し、タイヤ周方向に互いが接続されることなく各々独立して設けられた複数の連結部とを備え」に相当するといえる。

(e)以上のことから、本件特許発明1と甲4発明との一致点、相違点は次のとおりである。
〔一致点4〕
「車両からの荷重を支持する支持構造体を備える非空気圧タイヤにおいて、
前記支持構造体は、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部とを連結し、タイヤ周方向に互いが接続されることなく各々独立して設けられた複数の連結部とを備える非空気圧タイヤ。」

〔相違点5〕
本件特許発明1が、「前記複数の連結部は、前記内側環状部のタイヤ幅方向一方側から前記外側環状部のタイヤ幅方向他方側へ向かって延設される第1連結部と、前記内側環状部の前記タイヤ幅方向他方側から前記外側環状部の前記タイヤ幅方向一方側へ向かって延設される第2連結部とがタイヤ周方向に沿って配列されて構成され、前記第1連結部と前記第2連結部は板状部材で形成されており、板幅方向がタイヤ周方向に一致し」というものであり(以下「事項5-1」という。)、「タイヤ周方向から見た第1連結部及び第2連結部は、タイヤ径方向に湾曲する湾曲部が延設方向に沿って複数形成されており、前記第1連結部と前記第2連結部の延設方向は、タイヤ幅方向に対して15?50°傾斜する方向であり、複数の前記湾曲部は、前記延設方向に対してタイヤ径方向内側に凸となる湾曲部とタイヤ径方向外側に凸となる湾曲部が交互に形成されて構成されている」(以下「事項5-2」という。)のに対し、甲4発明は、「前記複数の互いに平行関係に延在する傾斜支持部材15の組は、前記リム3のタイヤ幅方向一方側に配置されたコイルばね16から前記弾性支持輪7のタイヤ幅方向他方側に配置されたコイルばね14へ向かって延設される第1の互いに平行関係に延在する傾斜支持部材15の組と、前記リム3のタイヤ幅方向他方側に配置されたコイルばね16から前記弾性支持輪7のタイヤ幅方向一方側に配置されたコイルばね14へ向かって延設される第2の互いに平行関係に延在する傾斜支持部材15の組とがタイヤ周方向に沿って配列されて構成され」るものであって、「複数の互いに平行関係に延在する傾斜支持部材15の組」が「リム3」の「タイヤ幅方向一方側」あるいは「タイヤ幅方向他方側」から延設されるものではなく、「前記複数の互いに平行関係に延在する傾斜支持部材15はばねワイヤ製である」ものであって、さらに、「湾曲部」に相当する事項を有していない点。

b 判断
(a)理由1について
本件特許発明1と甲4発明との間には上記相違点5が存在するので、本件特許発明1は甲4発明であるとはいえない。
したがって、本件特許発明1は、特許法第29条第1項第3号に該当するとはいえない。

(b)理由2について
上記相違点5について検討する。
甲1技術(あるいは甲2、3技術)に示されるように、非空気圧タイヤにおいて、複数の連結部は、内側環状部のタイヤ幅方向一方側から外側環状部のタイヤ幅方向他方側へ向かって延設される第1連結部と、前記内側環状部の前記タイヤ幅方向他方側から前記外側環状部の前記タイヤ幅方向一方側へ向かって延設される第2連結部とがタイヤ周方向に沿って配列されて構成され、第1連結部と前記第2連結部を板状部材で形成されており、板幅方向がタイヤ周方向に一致させるようにするものは、周知技術といえるものであって、このような技術を甲4発明のばねワイヤ製の「傾斜支持部材15」に代えて採用して事項5-1を有するものとすることは、当業者であれば容易に想到し得たことといえる。
しかしながら、その場合であったとしても、事項5-2で相違することになり、事項5-1を容易想到とした上で事項5-2を容易想到とすることになり、いわゆる容易の容易である上、さらに、当該事項5-2は、実質的に上記相違点1と同様内容であって、その判断についても同様であり、本件特許発明1は、甲4発明、甲2技術、甲1技術(あるいは甲2、3技術)に示される周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
したがって、本件特許発明1は、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものとはいえない。

(イ)本件特許発明2、5について
本件特許発明2、5は、本件特許発明1の発明特定事項を全て含み、さらに限定を加えたものであるから、本件特許発明1と同様の理由により、甲4発明であるとはいえないし、甲4発明、甲2技術、甲1技術(あるいは甲2、3技術)に示される周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたともいえない。
よって、本件特許発明2、5は、特許法第29条第1項第3号に該当するとはいえないし、同法第29条第2項の規定に違反して特許されたものともいえない。

オ 甲5を主たる引例とした場合(理由2)
(ア)本件特許発明6について
a 対比
本件特許発明6と甲5発明とを対比する。
(a)後者の「車両」は前者の「車両」に相当し、以下同様に、「支持構造体SS」は「支持構造体」に、「非空気圧タイヤ」は「非空気圧タイヤ」に、「内側環状部1」は「内側環状部」に、「中間環状部2」は「中間環状部」に、「外側環状部3」は「外側環状部」に、「内側連結部4」は「内側連結部」に、「外側連結部5」は「外側連結部」にそれぞれ相当する。

(b)上記(a)を踏まえると、後者の「車両からの荷重を支持する支持構造体SSを備える非空気圧タイヤにおいて」は、前者の「車両からの荷重を支持する支持構造体を備える非空気圧タイヤにおいて」に相当するといえる。

(c)上記(a)を踏まえると、後者の「前記支持構造体SSは、内側環状部1と、その内側環状部1の外側に同心円状に設けられた中間環状部2と、その中間環状部2の外側に同心円状に設けられた外側環状部3と、前記内側環状部1と前記中間環状部2とを連結し、タイヤ周方向に各々独立して設けられた複数の内側連結部4と、前記外側環状部3と前記中間環状部2とを連結し、タイヤ周方向に互いが接続されることなく各々独立して設けられた複数の外側連結部5とを備え」は、前者の「前記支持構造体は、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられた中間環状部と、その中間環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、前記内側環状部と前記中間環状部とを連結し、タイヤ周方向に各々独立して設けられた複数の内側連結部と、前記外側環状部と前記中間環状部とを連結し、タイヤ周方向に互いが接続されることなく各々独立して設けられた複数の外側連結部とを備え」に相当するといえる。

(d)以上のことから、本件特許発明6と甲5発明との一致点、相違点は次のとおりである。
〔一致点5〕
「車両からの荷重を支持する支持構造体を備える非空気圧タイヤにおいて、
前記支持構造体は、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられた中間環状部と、その中間環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、前記内側環状部と前記中間環状部とを連結し、タイヤ周方向に各々独立して設けられた複数の内側連結部と、前記外側環状部と前記中間環状部とを連結し、タイヤ周方向に互いが接続されることなく各々独立して設けられた複数の外側連結部とを備える非空気圧タイヤ。」

〔相違点6〕
本件特許発明6が、「前記複数の外側連結部は、前記中間環状部のタイヤ幅方向一方側から前記外側環状部のタイヤ幅方向他方側へ向かって延設される第1外側連結部と、前記中間環状部の前記タイヤ幅方向他方側から前記外側環状部の前記タイヤ幅方向一方側へ向かって延設される第2外側連結部とがタイヤ周方向に沿って配列されて構成され、前記第1外側連結部と前記第2外側連結部は板状部材で形成されており、板幅方向がタイヤ周方向に一致し」ており(以下「事項6-1」という。)、「タイヤ周方向から見た第1外側連結部及び第2外側連結部は、タイヤ径方向に湾曲する湾曲部が延設方向に沿って複数形成されており、前記第1外側連結部と前記第2外側連結部の延設方向は、タイヤ幅方向に対して15?50°傾斜する方向であり、複数の前記湾曲部は、前記延設方向に対してタイヤ径方向内側に凸となる湾曲部とタイヤ径方向外側に凸となる湾曲部が交互に形成されて構成されている」(以下「事項6-2」という。)のに対し、甲5発明は、当該事項6-1、6-2を有していない点。

b 判断
上記相違点6について検討する。
甲1技術(あるいは甲2、3技術)に示されるように、非空気圧タイヤにおいて、複数の連結部は、内側環状部のタイヤ幅方向一方側から外側環状部のタイヤ幅方向他方側へ向かって延設される第1連結部と、前記内側環状部の前記タイヤ幅方向他方側から前記外側環状部の前記タイヤ幅方向一方側へ向かって延設される第2連結部とがタイヤ周方向に沿って配列されて構成され、第1連結部と前記第2連結部を板状部材で形成されており、板幅方向がタイヤ周方向に一致させるようにするものは、周知技術といえるものであって、このような技術を甲5発明の「外側連結部5」に代えて採用して事項6-1を有するものとすることは、当業者であれば容易に想到し得たことといえる。
しかしながら、その場合であったとしても、事項6-2で相違することになり、事項6-1を容易想到とした上で事項6-2を容易想到とすることになり、いわゆる容易の容易である上、さらに、当該事項6-2は、実質的に上記相違点1と同様内容であって、その判断についても同様であり、本件特許発明1は、甲5発明、甲2技術、甲1技術(あるいは甲2、3技術)に示される周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
なお、取消理由通知において指摘した甲4技術の「ばね部材8」は「板状部材」ではなく、上記事項6-1を容易想到とする証拠とはならない。
したがって、本件特許発明6は、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものとはいえない。

カ 甲6を主たる引例とした場合(理由2)
(ア)本件特許発明6について
a 対比
本件特許発明6と甲6発明とを対比する。
(a)後者の「乗用車」は前者の「車両」に相当し、同様に、「非空気式タイヤ」は「非空気圧タイヤ」に相当する。

(b)後者の「スポーク構造体2」は、「乗用車用に適用可能な」「非空気式タイヤ」に備えられるものであるから、前者の「車両からの荷重を支持する支持構造体」に相当する。
そして、後者の「環状の内周部材4」は「内側環状部」に、「環状の外周部材3」は「外側環状部」にそれぞれ相当する。

(c)後者の「連結部9」と「多数のスポーク5」における連結部9に連結される部分(以下「連結部分」という。)を全て併せたものは、全体として環状をなすことになるので、前者の「中間環状部」に相当する。そして、後者の「多数のスポーク5」における「連結部分」より内側の部分は、前者の「複数の内側連結部」に相当し、同様に、後者の「多数のスポーク5」における「連結部分」より外側の部分は、前者の「複数の外側連結部」に相当するといえる。

(d)上記(a)を踏まえると、後者の「乗用車用に適用可能なスポーク構造体2を備える非空気式タイヤにおいて」は、前者の「車両からの荷重を支持する支持構造体を備える非空気圧タイヤにおいて」に相当するとえる。

(e)上記(b)、(c)を踏まえると、後者の「前記スポーク構造体2は、環状の内周部材4と、その環状の内周部材4の外側に同心円状に設けられた連結部9と、その連結部9の外側に同心円状に設けられた環状の外周部材3と、前記環状の内周部材4と前記環状の外周部材5とを連結し、タイヤ周方向に各々独立して設けられ、前記連結部9によりタイヤ周方向に隣接するもの同士が連結される多数のスポーク5とを備え」は、前者の「前記支持構造体は、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられた中間環状部と、その中間環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、前記内側環状部と前記中間環状部とを連結し、タイヤ周方向に各々独立して設けられた複数の内側連結部と、前記外側環状部と前記中間環状部とを連結し、タイヤ周方向に互いが接続されることなく各々独立して設けられた複数の外側連結部とを備え」に相当するといえる。

(f)以上のことから、本件特許発明6と甲6発明との一致点、相違点は次のとおりである。
〔一致点6〕
「車両からの荷重を支持する支持構造体を備える非空気圧タイヤにおいて、
前記支持構造体は、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられた中間環状部と、その中間環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、前記内側環状部と前記中間環状部とを連結し、タイヤ周方向に各々独立して設けられた複数の内側連結部と、前記外側環状部と前記中間環状部とを連結し、タイヤ周方向に互いが接続されることなく各々独立して設けられた複数の外側連結部とを備える非空気圧タイヤ。」

〔相違点7〕
本件特許発明6が、「前記複数の外側連結部は、前記中間環状部のタイヤ幅方向一方側から前記外側環状部のタイヤ幅方向他方側へ向かって延設される第1外側連結部と、前記中間環状部の前記タイヤ幅方向他方側から前記外側環状部の前記タイヤ幅方向一方側へ向かって延設される第2外側連結部とがタイヤ周方向に沿って配列されて構成され、前記第1外側連結部と前記第2外側連結部は板状部材で形成されており、板幅方向がタイヤ周方向に一致し、タイヤ周方向から見た第1外側連結部及び第2外側連結部は、タイヤ径方向に湾曲する湾曲部が延設方向に沿って複数形成されており、前記第1外側連結部と前記第2外側連結部の延設方向は、タイヤ幅方向に対して15?50°傾斜する方向であり、複数の前記湾曲部は、前記延設方向に対してタイヤ径方向内側に凸となる湾曲部とタイヤ径方向外側に凸となる湾曲部が交互に形成されて構成されている」のに対し、甲6発明は、当該事項を有していない点。

b 判断
上記相違点7について検討すると、上記相違点6と実質的に同様内容であって、その判断についても同様であり、本件特許発明1は、甲6発明、甲2技術、甲1技術(あるいは甲2、3技術)に示される周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
したがって、本件特許発明6は、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものとはいえない。

(3)小括
以上のとおりであるから、取消理由1、2によっては、請求項1、2、5、6に係る特許を取り消すことはできない。

4 取消理由3についての判断
(1)取消理由3の概要
本件特許の請求項1に記載される「連結部」及び請求項6に記載される「外側連結部」は、例えば、棒状の連結部や板幅方向がタイヤ幅方向に一致する板状の連結部を含むものであり、そのような連結部は、荷重負荷時にタイヤ周方向に変形し、互いに干渉するおそれがあるため、課題を解決できるものではないものを含んでいる。
したがって、請求項1及び6の記載は、課題を解決するための手段が反映されているとはいえず、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えて特許を請求することになっている。
請求項1を引用する請求項2、請求項3を直接的ないし間接的に引用しない場合の請求項4、5についても同様のことがいえる。
したがって、請求項1、2、4?6に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない。

(2)判断
本件訂正により、請求項1の「連結部」について、「前記第1連結部と前記第2連結部は板状部材で形成されており、板幅方向がタイヤ周方向に一致し」という事項が特定されている。
また、本件訂正により、請求項6の「外側連結部」について、「前記第1外側連結部と前記第2外側連結部は板状部材で形成されており、板幅方向がタイヤ周方向に一致し」という事項が特定されている。
したがって、本件特許発明1及び6は、課題を解決するための手段が反映されたものとなり、取消理由3は解消した。

(3)小括
以上のとおりであるから、取消理由3によっては、請求項1、2、5、6に係る特許を取り消すことはできない。

5 取消理由通知において採用しなかった申立ての理由について
(1)特許法第36条第6項第1号について
ア 異議申立人は、異議申立書の第29ページ第17行?第30ページ第10行において、請求項1の「第1連結部」及び「第2連結部」、請求項6の「第1外側連結部」及び「第2外側連結部」の延設に関して、「一方側」、「他方側」とは、特定の位置を意味するものではなく、単に方向を示しているに過ぎないとし、明細書には一方側の「端部」と他方側の「端部」とを連結するもののみしか記載されていないことから、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えて特許を請求することになっている旨主張している。
しかしながら、課題を解決可能とするには、連結部が延設される箇所は必ずしも「端部」そのものでなくてもよいことは当業者であれば理解できることであり、課題を解決し、かつ、非空気圧タイヤとして正常に機能する範囲において、当該箇所は適宜設定可能なものといえ、請求項1及び6の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないとまではいえない。

イ 異議申立人は、異議申立書の第32ページ下から5行?下から4行にかけて、上記取消理由3の指摘に関し、訂正前の請求項3についても特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない旨主張している。
しかしながら、訂正前の請求項3には「前記第1連結部と前記第2連結部は板状部材で形成されており、板幅方向がタイヤ周方向に一致する」との事項が特定されており、請求項3の記載は特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないとはいえない上、訂正により当該事項は請求項1において特定されることとなっている。
そして、訂正後の請求項1の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしているのは、上記「4」で述べたとおりである。

(2)特許法第36条第6項第2号について
異議申立人は、異議申立書の第30ページ第13?21行において、請求項1の「連結部」、請求項6の「外側連結部」に関して、「タイヤ周方向に互いが接続されることなく」が、無負荷の状態で互いに接続されないことを特定しようとしているのか、荷重負荷の状態でも互いに接続されないことを特定しているのか明確でない旨主張している。
しかしながら、荷重等の条件の記載がないのであるから、単に「非空気圧タイヤ」としての物自体の構成を特定しているだけであることは明らかであり、請求項1及び6の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないとまではいえない。

6 平成30年3月9日付け意見書の明確性要件の主張について
(1)異議申立人は、意見書の第3?4ページの「(7)明確性要件について」において、複数の湾曲部を有する第1連結部及び第2連結部の延設方向の角度を一義的に定めることができないとして、訂正後の請求項1、2、5、6に係る発明が明確でない旨主張している。

(2)ここで、本件明細書を検討するに、以下の記載がある。
ア 「【0048】
第1連結部31と第2連結部32は、図2の斜視図のように、板状部材で形成されている。第1連結部31と第2連結部32は、略矩形の板状をしており、板幅方向PWがタイヤ周方向CDに一致している。第1連結部31と第2連結部32の延設方向PLは、タイヤ幅方向WDに対して傾斜する方向であり、タイヤ幅方向WDに対する傾斜角度は、15?50°が好ましい。
【0049】
タイヤ周方向CDから見た第1連結部31は、タイヤ径方向に湾曲する湾曲部31aが少なくとも1つ形成されていることが好ましく、タイヤ径方向に湾曲する湾曲部31aが延設方向Lに沿って複数形成されていることが好ましい。湾曲部31aが複数形成される場合、タイヤ径方向内側へ凸となる湾曲部31aとタイヤ径方向外側へ凸となる湾曲部31aが交互に形成される。湾曲部31aの数は、1?15個が好ましく、3?10個がより好ましい。湾曲部31aは、第1連結部31のうち応力が高くなるトレッド側に少なくとも1つ形成されることで、第1連結部31の応力を効果的に分散することができる。本実施形態では、湾曲部31aを4個設けた例を示す。湾曲部31aの曲率半径Rは、5?200mmが好ましく、20?150mmがより好ましい。
【0050】
第1連結部31と同様、タイヤ周方向CDから見た第2連結部32には、タイヤ径方向に湾曲する湾曲部32aが少なくとも1つ形成されていることが好ましく、タイヤ径方向に湾曲する湾曲部32aが延設方向Lに沿って複数形成されていることが好ましい。湾曲部32aの数、曲率半径等については、第1連結部31の湾曲部31aと同様とすることができる。」(なお、段落【0049】、【0050】の「延設方向L」は「延設方向PL」の誤記と認める。)」

イ 「【0063】
(4)前述の実施形態では、タイヤ周方向から見た第1連結部31及び第2連結部32に湾曲部が形成されている例を示したが、第1連結部31及び第2連結部32は湾曲部が形成されていない平板状でもよい。」

(3)また、【図2】、【図3A】、【図3B】は以下のとおりである。

(4)上記(3)の各図面から明らかなように「延設方向PL」を示す両矢印は直線状に記載されており、当該直線状に記載された両矢印で示される「延設方向PL」が湾曲している箇所の特定部分に対応したものであることを示す記載は明細書にも図面にもなく、さらに上記(2)イに、「第1連結部31及び第2連結部32は湾曲部が形成されていない平板状でもよい」と記載されていること、及び、【図3A】、【図3B】に記載される「延設方向PL」の角度からみて、「延設方向PL」とは、第1連結部31及び第2連結部が、それぞれ内側環状部1と外側環状部2と連結している箇所同士を結んだ直線の方向を示していることは、当業者にとって明らかといえる。
したがって、請求項1の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないとまではいえない。
請求項1を直接的ないし間接的に引用する請求項2、5、及び、請求項1と同様に「延設方向」の記載がある請求項6についても同様である。
よって、異議申立人の主張は採用できない。

第5 むすび
以上検討したとおり、取消理由通知に記載した取消理由、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、請求項1、2、5、6に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1、2、5、6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
請求項3、4に係る特許は、訂正により削除されたため、本件特許の請求項3、4に対して異議申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両からの荷重を支持する支持構造体を備える非空気圧タイヤにおいて、
前記支持構造体は、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部とを連結し、タイヤ周方向に互いが接続されることなく各々独立して設けられた複数の連結部とを備え、
前記複数の連結部は、前記内側環状部のタイヤ幅方向一方側から前記外側環状部のタイヤ幅方向他方側へ向かって延設される第1連結部と、前記内側環状部の前記タイヤ幅方向他方側から前記外側環状部の前記タイヤ幅方向一方側へ向かって延設される第2連結部とがタイヤ周方向に沿って配列されて構成され、
前記第1連結部と前記第2連結部は板状部材で形成されており、板幅方向がタイヤ周方向に一致し、
タイヤ周方向から見た第1連結部及び第2連結部は、タイヤ径方向に湾曲する湾曲部が延設方向に沿って複数形成されており、
前記第1連結部と前記第2連結部の延設方向は、タイヤ幅方向に対して15?50°傾斜する方向であり、複数の前記湾曲部は、前記延設方向に対してタイヤ径方向内側に凸となる湾曲部とタイヤ径方向外側に凸となる湾曲部が交互に形成されて構成されていることを特徴とする非空気圧タイヤ。
【請求項2】
前記第1連結部と前記第2連結部は、タイヤ周方向に沿って交互に配列されていることを特徴とする請求項1に記載の非空気圧タイヤ。
【請求項3】
(削除)
【請求項4】
(削除)
【請求項5】
タイヤ周方向から見た前記第1連結部と前記第2連結部は、タイヤ赤道面に対して対称な形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の非空気圧タイヤ。
【請求項6】
車両からの荷重を支持する支持構造体を備える非空気圧タイヤにおいて、
前記支持構造体は、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられた中間環状部と、その中間環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、前記内側環状部と前記中間環状部とを連結し、タイヤ周方向に各々独立して設けられた複数の内側連結部と、前記外側環状部と前記中間環状部とを連結し、タイヤ周方向に互いが接続されることなく各々独立して設けられた複数の外側連結部とを備え、
前記複数の外側連結部は、前記中間環状部のタイヤ幅方向一方側から前記外側環状部のタイヤ幅方向他方側へ向かって延設される第1外側連結部と、前記中間環状部の前記タイヤ幅方向他方側から前記外側環状部の前記タイヤ幅方向一方側へ向かって延設される第2外側連結部とがタイヤ周方向に沿って配列されて構成され、
前記第1外側連結部と前記第2外側連結部は板状部材で形成されており、板幅方向がタイヤ周方向に一致し、
タイヤ周方向から見た第1外側連結部及び第2外側連結部は、タイヤ径方向に湾曲する湾曲部が延設方向に沿って複数形成されており、
前記第1外側連結部と前記第2外側連結部の延設方向は、タイヤ幅方向に対して15?50°傾斜する方向であり、複数の前記湾曲部は、前記延設方向に対してタイヤ径方向内側に凸となる湾曲部とタイヤ径方向外側に凸となる湾曲部が交互に形成されて構成されていることを特徴とする非空気圧タイヤ。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-06-26 
出願番号 特願2012-230954(P2012-230954)
審決分類 P 1 651・ 113- YAA (B60C)
P 1 651・ 537- YAA (B60C)
P 1 651・ 121- YAA (B60C)
最終処分 維持  
前審関与審査官 増永 淳司  
特許庁審判長 島田 信一
特許庁審判官 一ノ瀬 覚
尾崎 和寛
登録日 2016-10-21 
登録番号 特許第6025498号(P6025498)
権利者 東洋ゴム工業株式会社
発明の名称 非空気圧タイヤ  
代理人 特許業務法人ユニアス国際特許事務所  
代理人 特許業務法人 ユニアス国際特許事務所  
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