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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A63F
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 A63F
管理番号 1344157
審判番号 不服2018-4192  
総通号数 227 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-11-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-03-28 
確定日 2018-09-10 
事件の表示 特願2017-143122「情報処理装置及びプログラム」拒絶査定不服審判事件〔、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成29年7月24日の出願であって、同年11月2日付けで拒絶理由が通知され、平成30年1月11日付けで意見書が提出され、同月23日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ(送達日 同月30日)、これに対し、同年3月28日に拒絶査定不服審判が請求され、その後、当審において同年4月16日付けで拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年6月11日付けで意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 本願発明

本願の請求項1ないし5に係る発明は、平成30年6月11日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定されるものと認められる。本願の請求項1ないし5に係る発明(以下、順に「本願発明1」ないし「本願発明5」という。)は以下のとおりである。

「【請求項1】
合成元となるコンテンツそれぞれの合成に必要となる複数の素材コンテンツが設定されたコンテンツ情報を記憶するコンテンツ情報記憶部と、
各ユーザーが所持する所持コンテンツ及び各ユーザーがトレードで獲得したい希望コンテンツが各ユーザーに関連付けて設定されたユーザー情報を記憶するユーザー情報記憶部と、
所持コンテンツの中から合成元となるコンテンツを指定する操作がユーザーによって行われたことにより、前記合成元となるコンテンツの合成に必要となる複数の素材コンテンツそれぞれと前記ユーザーの所持コンテンツを比較し、前記合成元となるコンテンツの合成に必要となる複数の素材コンテンツの中に前記ユーザーが所持していない不足分の素材コンテンツが存在するか否かを判定する比較部と、
前記合成元となるコンテンツの合成に必要となる複数の素材コンテンツの中に前記ユーザーが所持していない不足分の素材コンテンツが存在する場合に、前記不足分の素材コンテンツを表示した画面において前記ユーザーがトレードでの獲得を要求する操作を行なったか否かを判定するゲーム進行部と、
前記ユーザーがトレードでの獲得を要求する操作を行なったことにより、前記ユーザーがトレードで獲得したい希望コンテンツとしての前記不足分の素材コンテンツをトレード対象として設定する処理を実行するトレード部と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記トレード部は、前記ユーザーが個数を指定した上でトレードでの獲得を要求する操作を行なったことにより、前記不足分の素材コンテンツをその指定された個数分だけ前記トレード対象として設定する処理を実行する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記比較部は、前記ユーザーがゲームプレイを行なって獲得した獲得コンテンツと前記ユーザーがトレードで獲得したい前記希望コンテンツを比較し、
前記トレード部は、前記ユーザーがゲームプレイを行なって獲得した獲得コンテンツが前記ユーザーの前記希望コンテンツと一致する場合に、当該希望コンテンツのトレード対象としての設定を解除する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1-3のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記トレード部は、前記ユーザーがトレードで獲得したい希望コンテンツを所定数までトレード対象として設定可能である、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
コンピューターを、
合成元となるコンテンツそれぞれの合成に必要となる複数の素材コンテンツが設定されたコンテンツ情報を記憶するコンテンツ情報記憶手段、
各ユーザーが所持する所持コンテンツ及び各ユーザーがトレードで獲得したい希望コンテンツが各ユーザーに関連付けて設定されたユーザー情報を記憶するユーザー情報記憶手段、
所持コンテンツの中から合成元となるコンテンツを指定する操作がユーザーによって行われたことにより、前記合成元となるコンテンツの合成に必要となる複数の素材コンテンツそれぞれと前記ユーザーの所持コンテンツを比較し、前記合成元となるコンテンツの合成に必要となる複数の素材コンテンツの中に前記ユーザーが所持していない不足分の素材コンテンツが存在するか否かを判定する比較手段、
前記合成元となるコンテンツの合成に必要となる複数の素材コンテンツの中に前記ユーザーが所持していない不足分の素材コンテンツが存在する場合に、前記不足分の素材コンテンツを表示した画面において前記ユーザーがトレードでの獲得を要求する操作を行なったか否かを判定するゲーム進行手段、
前記ユーザーがトレードでの獲得を要求する操作を行なったことにより、前記ユーザーがトレードで獲得したい希望コンテンツとしての前記不足分の素材コンテンツをトレード対象として設定する処理を実行するトレード手段、
として機能させるためのプログラム。」

第3 原査定の理由について

1.原査定の理由の概要
原査定の理由の概要は以下のとおりである。

(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。



・請求項 1-5
・引用文献等 1-2

<引用文献等一覧>
1.特許第6075495号公報
2.特開2014-27983号公報

2.原査定の理由についての当審の判断
(1)刊行物
ア.刊行物1
原査定に係る拒絶理由で引用された、本願の出願日前に頒布された刊行物である特許第6075495号公報(以下「刊行物1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同じ。)。

(ア)「【請求項1】
合成元となるコンテンツの合成に必要となる複数の素材コンテンツ、及び、合成元となるコンテンツのそれぞれに対応付けて合成先となるコンテンツが設定されたコンテンツ情報を記憶するコンテンツ情報記憶部と、
ユーザーの所持する1又は複数のコンテンツが設定されたユーザー情報を記憶するユーザー情報記憶部と、
自己の所持するコンテンツの中から合成元となるコンテンツを指定する操作がユーザーによって行われたことに応答して、前記コンテンツ情報及び前記ユーザー情報を参照し、指定された前記合成元となるコンテンツの合成に必要となる複数の素材コンテンツのうち、前記ユーザーが所持していない不足分のコンテンツを獲得希望対象として予め登録すると共に、不足分の前記コンテンツが合成先となるコンテンツとして対応付けられている他の合成元となるコンテンツ、及び、前記他の合成元となるコンテンツの合成に必要となる素材コンテンツのうち、ユーザーが所持していない不足分のコンテンツを獲得希望対象として予め登録する予約登録部と、
ユーザーの操作に応答して、獲得希望対象として予め登録されたコンテンツに関する所持状況を前記ユーザーに通知する通知部と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。」

(イ)「【0017】
[実施形態]
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の一例を示す構成図である。図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム1は、1台以上のクライアント端末10とサーバー装置20とがネットワークNを介して接続されている。
【0018】
クライアント端末10は、ユーザーが操作するPC、スマートフォン、タブレットなどの端末装置や、家庭用や業務用のゲーム専用機器などの端末装置である。サーバー装置20は、クライアント端末10でユーザーにより行われるゲームの管理や制御、ゲーム内での課金処理等を行う。ネットワークNは、インターネット等であって、移動無線基地局などを含む。
【0019】
なお、本発明は図1に示すクライアント・サーバー型の情報処理システム1の他、ゲーム内での課金処理を行う仕組みを別途設けることで単体のゲーム装置においても適用可能である。図1の情報処理システム1は一例であって用途や目的に応じて様々なシステム構成例があることは言うまでもない。例えば、図1のサーバー装置20は複数のコンピューターに分散して構成してもよい。」

(ウ)「【0042】
ユーザー情報記憶部222は、ユーザーに関するユーザー情報を記憶している。ユーザー情報記憶部222が記憶するユーザー情報には、ユーザーのランク、ユーザーが所持する各種キャラクター、ユーザーの予約情報等が設定されている。」

(エ)「【0064】
図6は、ユーザー情報の一例を示す構成図である。このユーザー情報は、項目としてユーザーID、名前、ランク、所持キャラクター、所持ポイント、パーティ、予約情報、保護キャラクター等を有する。ユーザーIDは、ユーザーを一意に識別するための情報である。名前は、ユーザー名を示す情報である。ランクは、ユーザーのゲームレベルを示す情報である。所持キャラクターは、ユーザーが所持する1又は複数の各種キャラクターを示す情報である。ここでは、図中にて括弧書きで示すように、所持キャラクターの所持数も併せて設定されている。所持ポイントは、ユーザーが所持するゲームポイントの量を示す情報である。パーティは、ユーザーのパーティを構成する各キャラクターを示す情報である。予約情報は、ユーザーの予約登録に関する情報である。保護キャラクターは、売却や合成に利用されないように保護されたキャラクターを示す情報である。本実施形態では、保護キャラクターをユーザーが選択できないように選択対象から除外することによって保護する。」

(オ)「【0071】
そして、クライアント端末10の要求送信部101は、操作受付部150がユーザーから受け付けた操作内容に基づき、サーバー装置20に要求を行う。サーバー装置20のゲーム進行部201は、クライアント端末10から操作内容を受け付けると、予約登録部205に対してユーザーに指定されたベースキャラクターに関する予約登録処理の実行を要求する。
【0072】
次いで、サーバー装置20の予約登録部205は、ゲーム進行部201から予約登録処理の実行を要求されると、キャラクター情報記憶部221が記憶するキャラクター情報を参照して、ユーザーによって指定されたベースキャラクターに対応付けられた合成先となる進化キャラクターを取得する(ステップS13)。
【0073】
次に、サーバー装置20の予約登録部205は、キャラクター情報記憶部221が記憶するキャラクター情報を参照して、ユーザーによって指定されたベースキャラクターに対応付けられた複数の素材キャラクター(つまりベースキャラクターの進化合成に必要となる素材キャラクター)を取得する(ステップS14)。
【0074】
次いで、サーバー装置20の予約登録部205は、ユーザー情報記憶部222が記憶するユーザー情報に設定された所持キャラクターを参照して、上述したステップS14の処理にて取得された複数の素材キャラクターのうち、ユーザーが未だ所持していない不足分のキャラクターを特定する(ステップS15)。」

(カ)「【0079】
次いで、サーバー装置20の予約登録部205は、このようにしてユーザーに指定されたベースキャラクターの進化合成に必要となるキャラクターに関するデータを取得すると、予約登録画面をクライアント端末10に表示させるように表示制御部204に画面表示制御の実行を要求する(ステップS19)。」

(キ)「【0081】
図10は、予約登録画面の一例を示すイメージ図である。図10に示す予約登録画面500には、進化キャラクター表示領域501、ベースキャラクター表示領域502、素材キャラクター表示領域503、不足キャラクター表示領域504、予約登録を行うための操作ボタン505、キャラクターの再選択を行うための操作ボタン506が表示されている。」

(ク)「【0085】
不足キャラクター表示領域504には、ユーザーによって指定されたベースキャラクターの進化合成に必要となる複数の素材キャラクターのうち、ユーザーが未だ所持していない不足分の素材キャラクターが表示される。ここでは、不足分の素材キャラクターとして「キャラX」が破線で囲われており、その不足個数も対応付けて表示されている。」

(ケ)「【0100】
そして、予約登録を希望するユーザーは、クライアント端末10の画面表示部160に予約登録画面が表示されているときに、操作ボタン505を選択する操作をクライアント端末10に対して行う。その一方で、予約登録を希望せずにキャラクターの再選択を希望するユーザーは、クライアント端末10の画面表示部160に予約登録画面が表示されているときに、操作ボタン506を選択する操作をクライアント端末10に対して行う。
【0101】
クライアント端末10の操作受付部150は、ユーザーから予約登録を行うための操作又はキャラクターの再選択を行うための操作を受け付ける。クライアント端末10の要求送信部101は、操作受付部150がユーザーから受け付けた操作内容に基づき、サーバー装置20に要求を行う。
【0102】
図5に戻り、サーバー装置20の予約登録部205は、クライアント端末10から操作内容を受け付け、予約登録を行うための操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS20)。
【0103】
この判定の結果、キャラクターの再選択を行うための操作が受け付けられた場合には、ステップS11の処理に戻り、それ以降の処理を繰り返す。これに対し、予約登録を行うための操作が受け付けられた場合には、次のステップS21の処理に進む。
【0104】
次いで、サーバー装置20の予約登録部205は、予約登録を行うための操作を受け付けた場合には、ユーザー情報記憶部222が記憶するユーザー情報に設定された予約情報に対して、ユーザーによって指定されたベースキャラクターに関する予約登録を行なう(ステップS21)。
【0105】
図13は、予約情報の一例を示す構成図である。この予約情報は、項目として予約ID、名前、進化希望対象、獲得希望対象等を有する。予約IDは、進化予約を一意に識別するための情報である。名前は、予約名を示す情報である。進化希望対象は、ユーザーに指定され登録されたベースキャラクター(つまり「ベースキャラクター表示領域」に表示されたベースキャラクター)のキャラクターIDを示す情報である。獲得希望対象は、登録された不足分のキャラクター(つまり「不足キャラクター表示領域」に表示されたキャラクター)のキャラクターIDを示す情報である。図中にて括弧書きで示すように、不足個数も併せて設定されている。」

(コ)上記(イ)には「図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の一例を示す構成図である。図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム1は、1台以上のクライアント端末10とサーバー装置20とがネットワークNを介して接続されている。」及び「本発明は図1に示すクライアント・サーバー型の情報処理システム1の他、ゲーム内での課金処理を行う仕組みを別途設けることで単体のゲーム装置においても適用可能である。」と記載されている。ここで、「本発明」が上記(ア)の「情報処理装置」であることは明らかであるから、刊行物1には「情報処理装置は1台以上のクライアント端末10とサーバー装置20とがネットワークNを介して接続されている情報処理システムの他、ゲーム内での課金処理を行う仕組みを別途設けることで単体のゲーム装置においても適用可能である」ことが記載されているといえる。

(サ)上記(ア)と(イ)ないし(ケ)とを対照すると、上記(ア)における「コンテンツ」は(イ)ないし(ケ)における「キャラクター」と対応し、同様に、「合成元となるコンテンツ」は「ベースキャラクター」と、「素材コンテンツ」は「素材キャラクター」と、「コンテンツ情報記憶部」は「キャラクター情報記憶部221」とそれぞれ対応する。そうすると、(イ)ないし(ケ)における「キャラクター」は「コンテンツ」であり、「ベースキャラクター」は「合成元となるコンテンツ」であり、「素材キャラクター」は「素材コンテンツ」であり、「キャラクター情報記憶部221」は「コンテンツ情報記憶部であるといえる。また、このような対応関係を踏まえると、(イ)ないし(ケ)における「不足キャラクター表示領域504」は「不足コンテンツ表示領域」であるといえる。

上記の記載事項を総合すると、刊行物1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。

「合成元となるコンテンツの合成に必要となる複数の素材コンテンツ、及び、合成元となるコンテンツのそれぞれに対応付けて合成先となるコンテンツが設定されたコンテンツ情報を記憶するコンテンツ情報記憶部と、
ユーザーの所持する1又は複数のコンテンツが設定されたユーザー情報を記憶するユーザー情報記憶部と、
自己の所持するコンテンツの中から合成元となるコンテンツを指定する操作がユーザーによって行われたことに応答して、前記コンテンツ情報及び前記ユーザー情報を参照し、指定された前記合成元となるコンテンツの合成に必要となる複数の素材コンテンツのうち、前記ユーザーが所持していない不足分のコンテンツを獲得希望対象として予め登録すると共に、不足分の前記コンテンツが合成先となるコンテンツとして対応付けられている他の合成元となるコンテンツ、及び、前記他の合成元となるコンテンツの合成に必要となる素材コンテンツのうち、ユーザーが所持していない不足分のコンテンツを獲得希望対象として予め登録する予約登録部と、
ユーザーの操作に応答して、獲得希望対象として予め登録されたコンテンツに関する所持状況を前記ユーザーに通知する通知部と、を備えた情報処理装置であって、
情報処理装置は1台以上のクライアント端末とサーバー装置とがネットワークNを介して接続されている情報処理システムの他、ゲーム内での課金処理を行う仕組みを別途設けることで単体のゲーム装置においても適用可能であり、
ユーザー情報記憶部は、ユーザーに関するユーザー情報を記憶しており、ユーザー情報記憶部が記憶するユーザー情報には、ユーザーのランク、ユーザーが所持する各種コンテンツ、ユーザーの予約情報等が設定されており、
予約情報は、ユーザーの予約登録に関する情報であり、
予約情報は、項目として予約ID、名前、進化希望対象、獲得希望対象等を有し、
予約登録部は、コンテンツ情報記憶部が記憶するコンテンツ情報を参照して、ユーザーによって指定された合成元となるコンテンツに対応付けられた複数の素材コンテンツ(つまり合成元となるコンテンツの進化合成に必要となる素材コンテンツ)を取得し、
次いで、予約登録部は、ユーザー情報記憶部が記憶するユーザー情報に設定された所持コンテンツを参照して、取得された複数の素材コンテンツのうち、ユーザーが未だ所持していない不足分のコンテンツを特定し、
次いで、予約登録部は、ユーザーに指定された合成元となるコンテンツの進化合成に必要となるコンテンツに関するデータを取得すると、予約登録画面をクライアント端末に表示させるように表示制御部に画面表示制御の実行を要求し、
予約登録画面には、不足コンテンツ表示領域が表示されており、
不足コンテンツ表示領域には、ユーザーによって指定された合成元となるコンテンツの進化合成に必要となる複数の素材コンテンツのうち、ユーザーが未だ所持していない不足分の素材コンテンツが表示され、
クライアント端末の操作受付部は、ユーザーから予約登録を行うための操作又はコンテンツの再選択を行うための操作を受け付け、クライアント端末の要求送信部は、操作受付部がユーザーから受け付けた操作内容に基づき、サーバー装置に要求を行い、サーバー装置の予約登録部は、クライアント端末から操作内容を受け付け、予約登録を行うための操作を受け付けたか否かを判定し、
サーバー装置の予約登録部は、予約登録を行うための操作を受け付けた場合には、ユーザー情報記憶部が記憶するユーザー情報に設定された予約情報に対して、ユーザーによって指定されたベースキャラクターに関する予約登録を行なう
情報処理装置。」

イ.刊行物2
原査定に係る拒絶理由で引用された、本願の出願日前に頒布された刊行物である特開2014-27983号公報(以下「刊行物2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

(ア)「【0101】
(7-6)変形例6
上記実施形態のゲーム制御装置の変形例6の機能ブロック図を図26に示す。図26に示すように、この機能ブロック図は、図10に示したものとは、受付手段59、記憶手段60及び通知手段61が追加されている点で異なる。
受付手段59は、モンスターカード(オブジェクト)に関する情報がユーザ(第1ユーザ)に提供されるときに、当該ユーザの入力に関する情報に基づいて、当該モンスターカードの登録指示を受け付ける機能を備える。
記憶手段60は、登録指示が受け付けられた場合、登録指示を行ったユーザ(第1ユーザ)と当該モンスターカード(オブジェクト)に関する情報とを対応付けてデータベースサーバ30(記憶装置)に記憶させる機能を備える。
通知手段61は、データベースサーバ30(記憶装置)に記憶されたモンスターカードに関する情報のうち、ユーザに対応付けられた情報を、当該ユーザ以外のユーザに通知する機能を備える。
本変形例によれば、ユーザは、モンスターカードに関する情報が提供されたときに当該モンスターカードを登録したいと考えた場合、自身の入力によって、当該モンスターカードを自身と対応付けて登録することができる。この場合、ユーザは、例えば、登録したモンスターカードを任意のタイミングで確認することや、登録したモンスターカードを所望していることを他のユーザに伝えることなどが可能となるため、ゲームにおけるユーザの利便性を向上させることができる。
【0102】
本変形例のゲームでは、他のユーザのチームに含まれるモンスターカードに関する情報がユーザに提供されたときに、当該ユーザが「欲しいもの登録」をすることができるように構成されている。ここで、「欲しいもの登録」とは、ゲームの実行中に表示されるモンスターカードのうちユーザが欲しいと感じたモンスターカードを登録することである。ユーザがモンスターカードを「欲しいもの登録」することによって、登録されたモンスターカードがユーザの仲間に通知されるため、仲間がそのモンスターカードを保有している場合には、その仲間からそのモンスターカードがプレゼントされるか、あるいはその仲間との間でトレードを行うことによって、そのモンスターカードを入手することができる場合がある。
ゲームデータベース32は、各ユーザが登録したモンスターカードの識別コードが記述される欲しいもの登録データを記憶する。欲しいもの登録データのデータ構成例を図27に示す。図27に示すように、欲しいもの登録データは、例えば、ユーザIDに対応付けて、登録されたモンスターカードの識別コードが記述されている。」

上記の記載事項を総合すると、刊行物2には、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されているものと認められる。

「受付手段、記憶手段及び通知手段を備え、
受付手段は、モンスターカード(オブジェクト)に関する情報がユーザ(第1ユーザ)に提供されるときに、当該ユーザの入力に関する情報に基づいて、当該モンスターカードの登録指示を受け付ける機能を備え、
記憶手段は、登録指示が受け付けられた場合、登録指示を行ったユーザ(第1ユーザ)と当該モンスターカード(オブジェクト)に関する情報とを対応付けてデータベースサーバ(記憶装置)に記憶させる機能を備え、
他のユーザのチームに含まれるモンスターカードに関する情報がユーザに提供されたときに、当該ユーザが「欲しいもの登録」をすることができるように構成され、
「欲しいもの登録」とは、ゲームの実行中に表示されるモンスターカードのうちユーザが欲しいと感じたモンスターカードを登録することであり、
ユーザがモンスターカードを「欲しいもの登録」することによって、登録されたモンスターカードがユーザの仲間に通知されるため、仲間がそのモンスターカードを保有している場合には、その仲間からそのモンスターカードがプレゼントされるか、あるいはその仲間との間でトレードを行うことによって、そのモンスターカードを入手することができる場合がある
ゲーム制御装置。」

(2)本願発明1について
ア.対比
本願発明1と引用発明1とを対比する。

後者の「合成元となるコンテンツのそれぞれに対応付けて合成先となるコンテンツが設定されたコンテンツ情報を記憶するコンテンツ情報記憶部」は、その機能、作用等からみて、前者の「合成元となるコンテンツそれぞれの合成に必要となる複数の素材コンテンツが設定されたコンテンツ情報を記憶するコンテンツ情報記憶部」に相当する。
後者は「前記他の合成元となるコンテンツの合成に必要となる素材コンテンツのうち、ユーザーが所持していない不足分のコンテンツを獲得希望対象として予め登録する」から、後者の「獲得希望対象」と前者の「各ユーザーがトレードで獲得したい希望コンテンツ」とは「各ユーザーが獲得したい希望コンテンツ」との概念で共通する。後者において、「ユーザー情報記憶部は、ユーザーに関するユーザー情報を記憶しており、ユーザー情報記憶部222が記憶するユーザー情報には、ユーザーのランク、ユーザーが所持する各種コンテンツ、ユーザーの予約情報等が設定されており、予約情報は、ユーザーの予約登録に関する情報であり、予約情報は、項目として予約ID、名前、進化希望対象、獲得希望対象等を有」するものであるところ、「ユーザー情報」に含まれる「ユーザーが所持する各種コンテンツ」は前者の「各ユーザーが所持する所持コンテンツ」に相当する。また、後者の「ユーザー情報」のうちの「予約情報」に含まれる「獲得希望対象」は、「前記他の合成元となるコンテンツの合成に必要となる素材コンテンツのうち、ユーザーが所持していない不足分のコンテンツを獲得希望対象として予め登録する」ものであるから、前者の「各ユーザーがトレードで獲得したい希望コンテンツ」とは、「各ユーザーが獲得したい希望コンテンツ」との概念で共通する。そして、後者の「ユーザー情報記憶部」は「ユーザーに関するユーザー情報を記憶して」いるのだから、「ユーザー情報」に含まれる「ユーザーが所持する各種キャラクター」及び「獲得希望対象」がユーザーに関連づけられていることは明らかである。そうすると、後者の「ユーザーの所持する1又は複数のコンテンツが設定されたユーザー情報を記憶するユーザー情報記憶部」と、前者の「各ユーザーが所持する所持コンテンツ及び各ユーザーがトレードで獲得したい希望コンテンツが各ユーザーに関連付けて設定されたユーザー情報を記憶するユーザー情報記憶部」とは、「各ユーザーが所持する所持コンテンツ及び各ユーザーが獲得したい希望コンテンツが各ユーザーに関連付けて設定されたユーザー情報を記憶するユーザー情報記憶部」との概念で共通する。
後者においては、「コンテンツ情報記憶部が記憶するコンテンツ情報を参照して、ユーザーによって指定された合成元となるコンテンツに対応付けられた複数の素材コンテンツ(つまり合成元となるコンテンツの進化合成に必要となる素材コンテンツ)を取得し、次いで、予約登録部は、ユーザー情報記憶部が記憶するユーザー情報に設定された所持コンテンツを参照して、取得された複数の素材コンテンツのうち、ユーザーが未だ所持していない不足分のコンテンツを特定」するところ、このうち、「コンテンツ情報記憶部が記憶するコンテンツ情報を参照して、ユーザーによって指定された合成元となるコンテンツに対応付けられた複数の素材コンテンツ(つまり合成元となるコンテンツの進化合成に必要となる素材コンテンツ)を取得」することは、前者の「所持コンテンツの中から合成元となるコンテンツを指定する操作がユーザーによって行われたことにより、前記合成元となるコンテンツの合成に必要となる複数の素材コンテンツそれぞれと前記ユーザーの所持コンテンツを比較」することに相当し、ユーザー情報記憶部が記憶するユーザー情報に設定された所持コンテンツを参照して、取得された複数の素材コンテンツのうち、ユーザーが未だ所持していない不足分のコンテンツを特定」することは、前者の「前記合成元となるコンテンツの合成に必要となる複数の素材コンテンツの中に前記ユーザーが所持していない不足分の素材コンテンツが存在するか否かを判定する」ことに相当する。そうすると、後者の当該「予約登録部」は、前者の「所持コンテンツの中から合成元となるコンテンツを指定する操作がユーザーによって行われたことにより、前記合成元となるコンテンツの合成に必要となる複数の素材コンテンツそれぞれと前記ユーザーの所持コンテンツを比較し、前記合成元となるコンテンツの合成に必要となる複数の素材コンテンツの中に前記ユーザーが所持していない不足分の素材コンテンツが存在するか否かを判定する比較部」に相当するといえる。
後者において、「不足コンテンツ表示領域には、ユーザーによって指定された合成元となるコンテンツの進化合成に必要となる複数の素材コンテンツのうち、ユーザーが未だ所持していない不足分の素材コンテンツが表示され、クライアント端末の操作受付部は、ユーザーから予約登録を行うための操作又はコンテンツの再選択を行うための操作を受け付け、クライアント端末の要求送信部は、操作受付部がユーザーから受け付けた操作内容に基づき、サーバー装置に要求を行い、サーバー装置の予約登録部は、クライアント端末から操作内容を受け付け、予約登録を行うための操作を受け付けたか否かを判定」するところ、後者の「情報処理装置」は「1台以上のクライアント端末とサーバー装置とがネットワークNを介して接続されている情報処理システムの他、ゲーム内での課金処理を行う仕組みを別途設けることで単体のゲーム装置においても適用可能であ」って、「クライアント端末」及び「サーバー装置」における処理を「単体のゲーム装置」において処理することができるといえるから、後者の「情報処理装置」は「不足コンテンツ表示領域には、ユーザーによって指定された合成元となるコンテンツの進化合成に必要となる複数の素材コンテンツのうち、ユーザーが未だ所持していない不足分の素材コンテンツが表示され」、「操作受付部は、ユーザーから予約登録を行うための操作又はコンテンツの再選択を行うための操作を受け付け」、「要求送信部は、操作受付部がユーザーから受け付けた操作内容に基づき」、「要求を行い」、「予約登録部は」、「操作内容を受け付け、予約登録を行うための操作を受け付けたか否かを判定」するものであって、このような「判定」を行うための手段を有していることは明らかである。そして、後者の当該手段と前者の「前記合成元となるコンテンツの合成に必要となる複数の素材コンテンツの中に前記ユーザーが所持していない不足分の素材コンテンツが存在する場合に、前記不足分の素材コンテンツを表示した画面において前記ユーザーがトレードでの獲得を要求する操作を行なったか否かを判定するゲーム進行部」とは、「前記合成元となるコンテンツの合成に必要となる複数の素材コンテンツの中に前記ユーザーが所持していない不足分の素材コンテンツが存在する場合に、前記不足分の素材コンテンツを表示した画面において前記ユーザーが獲得を要求する操作を行なったか否かを判定するゲーム進行部」との概念で共通する。
後者は「サーバー装置の予約登録部は、予約登録を行うための操作を受け付けた場合には、ユーザー情報記憶部が記憶するユーザー情報に設定された予約情報に対して、ユーザーによって指定されたベースキャラクターに関する予約登録を行なう」ところ、「サーバー装置」については上述のとおりであり、また、後者における「予約登録」とは「ユーザーが所持していない不足分のコンテンツを獲得希望対象として予め登録する」ことであると認められる。そうすると、後者の当該「予約登録部」と、前者の「前記ユーザーがトレードでの獲得を要求する操作を行なったことにより、前記ユーザーがトレードで獲得したい希望コンテンツとしての前記不足分の素材コンテンツをトレード対象として設定する処理を実行するトレード部」とは、「前記ユーザーが獲得を要求する操作を行なったことにより、前記ユーザーが獲得したい希望コンテンツとしての前記不足分の素材コンテンツを設定する処理を実行する手段」との概念で共通する。

したがって、両者は、
「合成元となるコンテンツそれぞれの合成に必要となる複数の素材コンテンツが設定されたコンテンツ情報を記憶するコンテンツ情報記憶部と、
各ユーザーが所持する所持コンテンツ及び各ユーザーが獲得したい希望コンテンツが各ユーザーに関連付けて設定されたユーザー情報を記憶するユーザー情報記憶部と、
所持コンテンツの中から合成元となるコンテンツを指定する操作がユーザーによって行われたことにより、前記合成元となるコンテンツの合成に必要となる複数の素材コンテンツそれぞれと前記ユーザーの所持コンテンツを比較し、前記合成元となるコンテンツの合成に必要となる複数の素材コンテンツの中に前記ユーザーが所持していない不足分の素材コンテンツが存在するか否かを判定する比較部と、
前記合成元となるコンテンツの合成に必要となる複数の素材コンテンツの中に前記ユーザーが所持していない不足分の素材コンテンツが存在する場合に、前記不足分の素材コンテンツを表示した画面において前記ユーザーが獲得を要求する操作を行なったか否かを判定するゲーム進行部と、
前記ユーザーが獲得を要求する操作を行なったことにより、前記ユーザーが獲得したい希望コンテンツとしての前記不足分の素材コンテンツを設定する処理を実行する手段と、
を備えた情報処理装置。」
の点で一致し、以下の3点で相違している。

[相違点1]
ユーザー情報記憶部が、前者においては各ユーザーの「トレードで獲得したい希望コンテンツ」が各ユーザーに関連付けて設定されたものであるのに対して、後者においてはそのようなものでない点。

[相違点2]
ゲーム進行部に関して、合成元となるコンテンツの合成に必要となる複数の素材コンテンツの中にユーザーが所持していない不足分の素材コンテンツが存在する場合に、不足分の素材コンテンツを表示した画面において、前者が前記ユーザーが「トレードでの獲得を要求する操作を行なったか否か」を判定するのに対して、後者はそのようなものでない点。

[相違点3]
トレード部に関して、前者がユーザーが「トレードでの獲得を要求する操作」を行なったことにより、ユーザーが「トレードで獲得したい希望コンテンツとしての不足分の素材コンテンツ」を「トレード対象として設定する」処理を実行するのに対して、後者の「ユーザーが獲得を要求する操作を行なったことにより、前記ユーザーが獲得したい希望コンテンツとしての前記不足分の素材コンテンツを設定する処理を実行する手段」はそのようなものではなく、「トレード部」とはいえない点。

イ.判断
上記相違点3について検討する。

引用発明2は、上記「(1)イ.」のとおりであって、引用発明2の「モンスターカード」は本願発明1の「コンテンツ」に相当する。また、引用発明2の「ユーザが欲しいと感じたモンスターカード」と、本願発明1の「ユーザーがトレードで獲得したい希望コンテンツ」とは、「ユーザーが獲得したい希望コンテンツ」との概念で共通する。

しかしながら、引用発明2の「欲しいもの登録」は、「他のユーザのチームに含まれるモンスターカードに関する情報がユーザに提供されたとき」に行うことができるものであって、本願発明1の「トレード対象として設定する処理」のように「ユーザーがトレードで獲得したい希望コンテンツとしての前記不足分の素材コンテンツ」、すなわち、「合成元となるコンテンツの合成に必要となる複数の素材コンテンツ」のうちで「ユーザーが所持していない不足分の素材コンテンツ」を対象とするものではないし、「仲間がそのモンスターカードを保有している場合には、その仲間からそのモンスターカードがプレゼントされるか、あるいはその仲間との間でトレードを行うことによって、そのモンスターカードを入手することができる場合がある」ものであって、「欲しいもの登録」をしたモンスターカードについて結果的にトレードを行う場合はあるものの、予めトレード対象として設定するものではない。

そうすると、引用発明2は、上記相違点3に係る本願発明1の発明特定事項を備えるものではない。

そして、本願発明1は、上記相違点3に係る本願発明1の発明特定事項を具備することにより、本願明細書に記載の「ユーザーにとって必要となる素材コンテンツをトレードの対象として簡単に設定できる」(段落【0008】)という効果を奏するものである。

したがって、本願発明1は、引用発明1及び2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(3)本願発明2ないし5について
本願発明2ないし4は、本願発明1をさらに限定したものである。
また、本願発明5は、本願発明1に対応するプログラムの発明であって、上記相違点3に係る本願発明1の発明特定事項と同様の事項を発明特定事項として備えるものである。
そうすると、本願発明1については上記「(2)」のとおりであるから、本願発明2ないし5は、本願発明1と同様に、引用発明1及び2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(4)まとめ
以上のとおりであるから、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。

第4 当審拒絶理由について

1.当審拒絶理由の概要
当審において通知した拒絶理由の概要は以下の通りである。

「1.(サポート要件)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

2.(明確性)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。



●理由1(サポート要件)について

・請求項 1ないし5

本願の請求項1に係る発明の課題は、「ユーザーにとって必要となる素材コンテンツをトレードの対象として簡単に設定できるようにすること」(段落【0007】)であって、その解決手段は、本願の明細書の段落【0062】ないし【0086】及び図5に記載のステップS11からステップS19に至る一連の処理を行う機構を備えることであると認められる。
一方、請求項1における「比較部」が「所持コンテンツの中から合成元となるコンテンツを指定する操作がユーザーによって行われたことにより、前記合成元となるコンテンツの合成に必要となる複数の素材コンテンツそれぞれと前記ユーザーの所持コンテンツを比較する」ことはステップS14の一部に対応し、「トレード部」が「前記合成元となるコンテンツの合成に必要となる複数の素材コンテンツの中に前記ユーザーが所持していない不足分の素材コンテンツが存在する場合に、前記ユーザーがトレードでの獲得を要求する操作を行なったことにより、その不足分の素材コンテンツを前記ユーザーがトレードで獲得したい希望コンテンツとして設定する処理を実行する」ことはステップS19に対応すると認められるものの、請求項1においては、ステップS14の残部である「サーバー装置20の比較部203は、その比較の結果に基づいて、その複数の素材キャラクターの中にユーザーが未だ所持していない不足分の素材キャラクターが存在するか否かを判定する」(段落【0071】)処理やステップS15ないしステップS18に対応する処理を行う機構が規定されておらず、出願時の技術常識を考慮しても、請求項1に係る発明の課題を解決できないことが明らかである。

したがって、請求項1には、発明の詳細な説明に記載された、発明の課題を解決するための手段が反映されておらず、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えることとなる。
よって、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない。
また、請求項2ないし5に係る発明も、同様に発明の詳細な説明に記載したものでない。

●理由2(明確性)について

・請求項 1ないし5

(1)請求項1の「前記合成元となるコンテンツの合成に必要となる複数の素材コンテンツの中に前記ユーザーが所持していない不足分の素材コンテンツが存在する場合に、前記ユーザーがトレードでの獲得を要求する操作を行なったことにより、その不足分の素材コンテンツを前記ユーザーがトレードで獲得したい希望コンテンツとして設定する処理を実行するトレード部」という記載は、「合成元となるコンテンツの合成に必要となる複数の素材コンテンツの中にユーザーが所持していない不足分の素材コンテンツが存在する」か否かや、「ユーザーがトレードでの獲得を要求する操作を行なった」か否かの判定が行われることを前提とするものであるが、これらの判定を「トレード部」が行うのか、それとも他の機構が行うのかが不明であり、また、後者の場合にはどのような機構が行うのかも不明である。
また、請求項5についても同様の点が不明である。
よって、請求項1ないし5に係る発明は明確でない。

(2)請求項1の「その不足分の素材コンテンツを前記ユーザーがトレードで獲得したい希望コンテンツとして設定する」という記載は、「不足分の素材コンテンツ」に対してどのような設定をすることを指すのかが不明である。
特に、明細書には、「ユーザーにとって必要となる素材コンテンツをトレードの対象として簡単に設定できるようにする」(段落【0007】)、及び、「ユーザーの希望キャラクターをトレード対象として設定登録する」(段落【0086】)との記載があるところ、「ユーザーがトレードで獲得したい希望コンテンツとして設定する」ことと「トレード対象として設定する」こととが同じことを指すのか否かが明確でない。
また、請求項5についても同様の点が不明である。
よって、請求項1ないし5に係る発明は明確でない。」

2.当審拒絶理由の判断
平成30年6月11日付け手続補正書による補正により、請求項1ないし5は、上記「第2」において摘示した請求項1ないし5のとおりにそれぞれ補正された。

当該補正によって、請求項1において「比較部」が前記合成元となるコンテンツの合成に必要となる複数の素材コンテンツの中に前記ユーザーが所持していない不足分の素材コンテンツが存在するか否かを判定する」こと、及び、「情報処理装置」が「前記合成元となるコンテンツの合成に必要となる複数の素材コンテンツの中に前記ユーザーが所持していない不足分の素材コンテンツが存在する場合に、前記不足分の素材コンテンツを表示した画面において前記ユーザーがトレードでの獲得を要求する操作を行なったか否かを判定するゲーム進行部」を備えることが特定されるとともに、請求項5において「比較手段」が「前記合成元となるコンテンツの合成に必要となる複数の素材コンテンツの中に前記ユーザーが所持していない不足分の素材コンテンツが存在するか否かを判定する」こと、及び、「プログラム」が「前記合成元となるコンテンツの合成に必要となる複数の素材コンテンツの中に前記ユーザーが所持していない不足分の素材コンテンツが存在する場合に、前記不足分の素材コンテンツを表示した画面において前記ユーザーがトレードでの獲得を要求する操作を行なったか否かを判定するゲーム進行手段」を備えることが特定された結果、請求項1ないし5に係る発明は発明の詳細な説明に記載したものとなった。

また、当該補正によって、請求項1における「比較部」及び「ゲーム進行部」並びに請求項5における「比較手段」及び「ゲーム進行手段」について上記のとおり特定されるとともに、請求項1において「トレード部」が「前記ユーザーがトレードでの獲得を要求する操作を行なったことにより、前記ユーザーがトレードで獲得したい希望コンテンツとしての前記不足分の素材コンテンツをトレード対象として設定する処理を実行する」ことが特定され、請求項5において「トレード手段」が「前記ユーザーがトレードでの獲得を要求する操作を行なったことにより、前記ユーザーがトレードで獲得したい希望コンテンツとしての前記不足分の素材コンテンツをトレード対象として設定する処理を実行する」ことが特定された結果、請求項1ないし5に係る発明は明確となった。

よって、当審拒絶理由は解消した。

第5 むすび

以上のとおりであるから、原査定の理由及び当審拒絶理由によっては、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-08-20 
出願番号 特願2017-143122(P2017-143122)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (A63F)
P 1 8・ 121- WY (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 宮本 昭彦  
特許庁審判長 尾崎 淳史
特許庁審判官 森次 顕
藤本 義仁
登録日 2018-09-28 
登録番号 特許第6406728号(P6406728)
発明の名称 情報処理装置及びプログラム  
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