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審決分類 審判 全部申し立て 発明同一  A44B
審判 全部申し立て 2項進歩性  A44B
管理番号 1344825
異議申立番号 異議2017-701105  
総通号数 227 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-11-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-11-24 
確定日 2018-08-30 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6134791号発明「被着体と連結具の連結構造、及び連結具」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6134791号の明細書及び特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-2〕、〔3-8〕、9について訂正することを認める。 特許第6134791号の請求項1及び2、3-8、9に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6134791号(以下「本件特許」という。)の請求項1-9に係る特許についての出願は、平成25年6月3日に国際出願され、平成29年4月28日に本件特許が設定登録(登録時の明細書を以下「本件明細書」という。)され、その後、本件特許について、同年11月24日に特許異議申立人 椎名 一男(以下「本件申立人」という。)により、全請求項に対して特許異議の申立てがされ、平成30年1月30日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である同年3月30日に意見書の提出及び訂正の請求(以下「本件訂正」という。)があったものである。
なお、当合議体は、本件訂正について本件申立人に意見書の提出の機会を与えたが、本件申立人から意見書は提出されなかった。

第2 本件訂正についての判断
1 一群の請求項について
本件請求項1-9における一群の請求項の関係は、それらの引用関係からみて、(1)請求項1及び請求項1を引用する請求項2、(2)請求項3及び請求項3を直接的または間接的に引用する請求項4?8、(3)請求項9の3つに分けられる。後記するように、訂正事項1?4は、請求項1、2からなる一群の請求項ごとになされており、また、訂正事項5?12は、請求項3?8からなる一群の請求項ごとになされているところ、これらの訂正事項は、特許法第120条の5第4項の規定に適合するものである。
以下、請求項1?2からなる一群の請求項についての訂正(訂正事項1?4)、請求項3?8からなる一群の請求項についての訂正(訂正事項5?12)及び請求項9についての訂正(訂正事項13?14)について、順次検討する。
2 請求項1?2からなる一群の請求項についての訂正
(1)訂正の内容(決定注:訂正箇所に下線を付加した。)
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を以下の訂正事項1-1?1-3のようにまとめて訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2も同様に訂正する)。
(ア)訂正事項1-1
特許請求の範囲の請求項1に「前記連結具本体(2)の前記正面視略コ字状の外周面から突出する係合要素(6)としての雄要素(6)と、」とあるのを、「前記連結具本体(2)の前記正面視略コ字状の外周面における三面のうち両側の二面に関しては当該二面における一面のみから突出する係合要素(6)としての雄要素(6)と、」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2も同様に訂正する)。
(イ)訂正事項1-2
特許請求の範囲の請求項1に「多数の雌要素(9)からなる面ファスナーの雌要素群(9a)を備える被着体(8)とを備え、」とあるのを、「多数の雌要素(9)からなる面ファスナーの雌要素群(9a)を備える被着体(8)とを備え、
前記被着体(8)は第1の被着体(81)と第2の被着体(82)とを備え、
前記第1の被着体(81)と前記第2の被着体(82)とはそれぞれ、前記雌要素群(9a)を備えるストラップと、前記雌要素群(9a)を備える生地との何れかであり、」と訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2も同様に訂正する)。
(ウ)訂正事項1-3
特許請求の範囲の請求項1に「前記連結具(1)は、前記被着体(8)の端部における表裏面を挟む状態で装着され、前記内側雄要素群(4)を前記被着体(8)の雌要素群(9a)に係合させて連結する」とあるのを、「前記連結具(1)は、前記正面視略コ字状の内周面に関しては、当該内周面に前記第1の被着体(81)の端部における表裏面を挟む状態で装着されると共に、前記内側雄要素群(4)を前記第1の被着体(81)の前記雌要素群(9a)に係合させて連結し、
前記連結具(1)は、前記正面視略コ字状の外周面に関しては、当該外周面の前記一面を前記第2の被着体(82)に押し当てて装着されると共に、前記雄要素(6)を前記第2の被着体(82)の前記雌要素群(9a)に係合させて連結する」と訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2も同様に訂正する)。
イ 訂正事項2
本件明細書を以下の訂正事項2-1?2-3のようにまとめて訂正する。
(ア)訂正事項2-1
本件明細書の段落【0008】に記載された「連結具本体の正面視略コ字状の外周面から突出する係合要素としての雄要素と、」とあるのを、「連結具本体の正面視略コ字状の外周面における三面のうち両側の二面に関しては当該二面における一面のみから突出する係合要素としての雄要素と、」に訂正する。
(イ)訂正事項2-2
本件明細書の段落【0008】に記載された「被着体は、多数の雌要素からなる面ファスナーの雌要素群を備える。」とあるのを、「被着体は、多数の雌要素からなる面ファスナーの雌要素群を備える。被着体は第1の被着体と第2の被着体とを備え、第1の被着体と第2の被着体とはそれぞれ、雌要素群を備えるストラップと、雌要素群を備える生地との何れかである。」に訂正する。
(ウ)訂正事項2-3
本件明細書の段落【0008】に記載された「そして連結具は、被着体の端部における表裏面を挟む状態で装着され、内側雄要素群を被着体の雌要素群に係合させて連結することを特徴とする。」とあるのを、「そして連結具は、正面視略コ字状の内周面に関しては、当該内周面に第1の被着体の端部における表裏面を挟む状態で装着されると共に、内側雄要素群を第1の被着体の雌要素群に係合させて連結する。連結具は、正面視略コ字状の外周面に関しては、当該外周面の前記一面を第2の被着体に押し当てて装着されると共に、雄要素を前記第2の被着体の雌要素群に係合させて連結することを特徴とする。」に訂正する。
ウ 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項2を以下の訂正事項3-1、3-2のようにまとめて訂正する。
(ア)訂正事項3-1
特許請求の範囲の請求項2に「前記被着体(8)はその表裏面に前記雌要素群(9a)を備え、」とあるのを、「前記第1の被着体(81)と前記第2の被着体(82)とはその表裏面に前記雌要素群(9a)を備え、」に訂正する。
(イ)訂正事項3-2
特許請求の範囲の請求項2に「前記連結具本体(2)の前記正面視略コ字状の外周面から突出する多数の前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)からなる面ファスナーの外側雄要素群(3)と、」とあるのを、「前記連結具本体(2)の前記正面視略コ字状の外周面における三面のうち両側の二面に関しては前記一面のみから突出する多数の前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)からなる面ファスナーの外側雄要素群(3)と、」に訂正する。
エ 訂正事項4
本件明細書を以下の訂正事項4-1、4-2のようにまとめて訂正する。
(ア)訂正事項4-1
本件明細書の段落【0009】に記載された「すなわち被着体はその表裏面に前記雌要素群を備えるものとする。」とあるのを、「すなわち第1の被着体と第2の被着体とはその表裏面に前記雌要素群を備えるものとする。」に訂正する。
(イ)訂正事項4-2
本件明細書の段落【0009】に記載された「連結具本体の正面視略コ字状の外周面から突出する多数の係合要素としての雄要素からなる面ファスナーの外側雄要素群と、」とあるのを、「連結具本体の正面視略コ字状の外周面における三面のうち両側の二面に関しては前記一面のみから突出する多数の係合要素としての雄要素からなる面ファスナーの外側雄要素と、」に訂正する。
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の有無
ア 訂正事項1について
(ア)訂正事項1-1
a 訂正の目的
訂正前の請求項1記載の特許発明では、「前記連結具本体(2)の前記正面視略コ字状の外周面から突出する係合要素(6)としての雄要素(6)と、」として、雄要素の突出する部位が、連結具本体の正面視略コ字状の外周面であることのみを特定していたが、外周面のどこであるのかについては何ら特定されていない。
これに対して、訂正後の請求項1記載の特許発明では、雄要素の突出する部位が、外周面における三面のうち両側の二面に関しては当該二面における一面のみである旨を明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、当該訂正事項1-1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 新規事項の追加の有無
本件明細書の段落【0027】には、「・・・。より詳しく言えば、外側雄要素群3は、正面視略コ字状の外周面のうち略平行な2つの面の一方から突出し、・・・」との記載がされていることから、当該訂正事項1-1は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
c 実質上の拡張・変更の有無
訂正事項1-1は、発明特定事項を直列的に付加するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
(イ)訂正事項1-2
a 訂正の目的
訂正前の請求項1記載の特許発明では「多数の雌要素(9)からなる面ファスナーの雌要素群(9a)を備える被着体(8)とを備え、」として、被着体は多数の雌要素(9)からなる面ファスナーの雌要素群(9a)を備えることのみを特定していたが、その具体的な構成が何であるのかについては何ら特定されていない。
これに対して、訂正後の請求項1記載の特許発明では、被着体は第1の被着体(81)と第2の被着体(82)とを備える構成であること、および第1の被着体(81)と第2の被着体(82)とはそれぞれ、雌要素群(9a)を備えるストラップと、雌要素群(9a)を備える生地との何れかの構成である旨を明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、当該訂正事項1-2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 新規事項の追加の有無
上記訂正事項1-2は、本件明細書の第1実施形態に基づいて導き出される構成である。この第1実施形態に係る説明として、本件明細書の段落【0037】には、「・・・。第1の被着体81と第2の被着体82は、ストラップであって、生地自体の表裏面には多数の被係合要素としての雌要素9からなる面ファスナーの雌要素群9aを備えている。・・・」との記載がされており、同段落【0053】には、「また本発明の連結具1に用いる被着体8は、第1の面板21と第2の面板22に挟まれる部分については、雌要素9となる部分(例えばループ状の形態の部分)があればよく、図27に示すようにストラップであっても良いし、図28に示すように、表面にループ状の形態を備えた生地(例えばニット、不織布なども含む)の包帯やテープであっても良いし、図29に示すように衣服の一対の合わせ目であっても良い。」とされていることから、当該訂正事項1-2は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
c 実質上の拡張・変更の有無
上記訂正事項1-2は、発明特定事項を直列的に付加するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
(ウ)訂正事項1-3
a 訂正の目的
訂正前の請求項1記載の特許発明では、「前記連結具(1)は、前記被着体(8)の端部における表裏面を挟む状態で装着され、前記内側雄要素群(4)を前記被着体(8)の雌要素群(9a)に係合させて連結する」として、内側雄要素群を連結する構成、つまり正面視略コ字状の内周面を連結する構成のみを特定していたが、正面視略コ字状の外周面を連結する構成については何ら特定されていない。
これに対して、訂正後の請求項1記載の特許発明では、前記正面視略コ字状の外周面に関しては、当該外周面の前記一面を前記第2の被着体(82)に押し当てて装着されると共に、前記雄要素(6)を前記第2の被着体(82)の前記雌要素群(9a)に係合させて連結する旨を明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、当該訂正事項1-3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、訂正前の請求項1記載の特許発明では、「前記連結具(1)は、前記被着体(8)の端部における表裏面を挟む状態で装着され、前記内側雄要素群(4)を前記被着体(8)の雌要素群(9a)に係合させて連結する」としていたため、「雌要素群(9a)」がごの前に記載された「多数の雌要素」と同じ部材であるのかが、明瞭でなかった。
これに対して、訂正後の請求項1記載の特許発明では、雌要素群が前に述べられている旨を「前記」を用いて明らかにするものであるから、当該訂正事項12は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものでもある。
b 新規事項の追加の有無
上記訂正事項1-3は、本件明細書の第1実施形態に基づいて導き出される構成である。この第1実施形態に係る説明として、本件明細書の段落【0038】には、「・・・。すると、第1の面板21と第2の面板のみの内側雄要素群4が第1の被着体81の雌要素群9aに係合して連結される。このとき連結具1は、正面視して略コ字状となる。次に第2の被着体82に連結具1を装着するために、第2の面板22の外側雄要素群3を第2の被着体82の表裏面の片面に押し当てると、外側雄要素群3が第2の被着体82の雌要素群9aに係合して連結される。・・・」との記載がされていることから、当該訂正事項1-3は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
c 実質上の拡張・変更の有無
上記訂正事項1-3は、発明特定事項を直列的に付加するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
イ 訂正事項2について
(ア)訂正事項2-1
a 訂正の目的
訂正事項2-1は、上記訂正事項1-1?1-3により、請求項1が訂正されたため、対応する本件明細書の段落【0008】を同様に訂正することを目的とするものである。したがって、当該訂正事項2-1は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
b 新規事項の追加の有無
上記訂正事項2-1は、本件明細書の第1実施形態に基づいて導き出される構成である。この第1実施形態に係る説明として、段落【0027】には、「・・・。より詳しく言えば、外側雄要素群3は、正面視略コ字状の外周面のうち略平行な2つの面の一方から突出し、・・・」との記載がされていることから、当該訂正事項2-1は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
c 実質上の拡張・変更の有無
上記訂正事項2-1は請求項1,2に記載された「雄要素」が、「連結具本体の正面視略コ字状の外周面のどの部位から突出するのか」に関し、その解釈に影響を与え得る訂正であるが、当該訂正事項2-1については、構成を特定する事項を直列的に付加する訂正であり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
d 本件明細書の訂正に対応する請求項について
上記訂正事項2-1により訂正される本件明細書の段落【0008】は、請求項1に対応する記載であるが、訂正前の請求項1及び請求項2により構成される一群の請求項の全てについて訂正がなされているから、特許法第120条の5第9項により準用される同法第126条第4項の規定に適合している。
(イ)訂正事項2-2
a 訂正の目的
訂正事項2-2は、上記訂正事項1-1?1-3により、請求項1が訂正されたため、対応する本件明細書の段落【0008】を同様に訂正することを目的とするものである。したがって、当該訂正事項2-2は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
b 新規事項の追加の有無
上記訂正事項2-2は、本件明細書の第1実施形態に基づいて導き出される構成である。この第1実施形態に係る説明として、段落【0037】には、「・・・。第1の被着体81と第2の被着体82は、ストラップであって、生地自体の表裏面には多数の被係合要素としての雌要素9からなる面ファスナーの雌要素群9aを備えている。・・・」との記載がされており、段落【0053】には、「また本発明の連結具1に用いる被着体8は、第1の面板21と第2の面板22に挟まれる部分については、雌要素9となる部分(例えばループ状の形態の部分)があればよく、図27に示すようにストラップであっても良いし、図28に示すように、表面にループ状の形態を備えた生地(例えばニット、不織布 なども含む)の包帯やテープであっても良いし、図29に示すように衣服の一対の合わせ目であっても良い。」とされていることから、当該訂正事項2-2は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
c 実質上の拡張・変更の有無
上記訂正事項2-2は、請求項1,2に記載された「被着体」が、「どのような構成であるのか」に関し、その解釈に影響を与え得る訂正であるが、当該訂正事項2-2については、構成を特定する事項を直列的に付加する訂正であり、カテゴリーや対象、自的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
d 本件明細書の訂正に対応する請求項について
上記訂正事項2-2により訂正される本件明細書の段落【0008】は、請求項1に対応する記載であるが、訂正前の請求項1及び請求項2により構成される一群の請求項の全てについて訂正がなされているから、特許法120条の5第9項により準用される同法126条4項の規定に適合している。
(ウ)訂正事項2-3
a 訂正の目的
訂正事項2-3は、上記訂正事項1-1?1-3により、請求項1が訂正されたため、対応する本件明細書の段落【0008】を同様に訂正することを目的とするものである。したがって、当該訂正事項2-3は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
b 新規事項の追加の有無
上記訂正事項2-3は、本件明細書の第1実施形態に基づいて導き出される構成である。この第1実施形態に係る説明として、段落【0038】には、「・・・。すると、第1の面板21と第2の面板のみの内側雄要素群4が第1の被着体81の雌要素群9aに係合して連結される。このとき連結具1は、正面視して略コ字状となる。次に第2の被着体82に連結具1を装着するために、第2の面板22の外側雄要素群3を第2の被着体82の表裏面の片面に押し当てると、外側雄要素群3が第2の被着体82の雌要素群9aに係合して連結される。・・・」との記載がされていることから、当該訂正事項2-3は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
c 実質上の拡張・変更の有無
上記訂正事項2-3は、請求項1,2に記載された「連結具」が、「正面視略コ字状の外周面に関してどのようにして連結するのか」に関し、その解釈に影響を与え得る訂正であるが、当該訂正事項2-3については、構成を特定する事項を直列的に付加する訂正であり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
d 本件明細書の訂正に対応する請求項について
上記訂正事項2-3により訂正される本件明細書の段落【0008】は、請求項1に対応する記載であるが、訂正事項1及び訂正事項3により、訂正前の請求項1及び請求項2により構成される一群の請求項の全てについて訂正がなされているから、特許法120条の5第9項により準用される同法126条4項の規定に適合している。
ウ 訂正事項3について
(ア)訂正事項3-1
a 訂正の目的
訂正前の請求項2記載の特許発明では、「前記被着体(8)はその表裏面に前記雌要素群(9a)を備え、」として、被着体の表裏面に雌要素群を備えることのみを特定していたが、被着体を構成する第1の被着体と第2の被着体との表裏面に雌要素群を備えることについては何ら特定されていない。
これに対して、訂正後の請求項2記載の特許発明では、第1の被着体の表裏面と第2の被着体の表裏面とに雌要素群を備える旨を明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、当該訂正事項3-1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 新規事項の追加の有無
上記訂正事項3-1は、本件明細書の第1実施形態に基づいて導き出される構成である。この第1実施形態に係る説明として、段落【0037】には、「上記した本発明の第1実施形態の連結具1は、図1、図7に示すように、被着体8としての第1の被着体81及び第2の被着体82に取り付けられる。第1の被着体81と第2の被着体82は、ストラップであって、生地自体の表裏面 には多数の被係合要素としての雌要素9からなる面ファスナーの雌要素群9aを備えている。・・・」との記載がされていることから、当該訂正事項3-1は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
c 実質上の拡張・変更の有無
上記訂正事項3-1は、発明特定事項を直列的に付加するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
(イ)訂正事項3-2
a 訂正の目的
訂正前の請求項2記載の特許発明では、「前記連結具本体(2)の前記正面視略コ字状の外周面から突出する多数の前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)からなる面ファスナーの外側雄要素群(3)と、」として、雄要素の突出する部位が、連結具本体の正面視略コ字状の外周面であることのみを特定していたが、外周面のどこであるのかについては何ら特定されていない。
これに対して、訂正後の請求項2記載の特許発明では、雄要素の突出する部位が、外周面における三面のうち両側の二面に関しては前記一面のみである旨を明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものである。ちなみに「前記一面」としたのは、訂正後の請求項1記載の特許発明で「外周面における三面のうち両側の二面に関しては当該二面における一面のみ」としたからである。以上から、当該訂正事項3-2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 新規事項の追加の有無
上記訂正事項3-2は、本件明細書の第1実施形態に基づいて導き出される構成である。この第1実施形態に係る説明として、段落【0027】には、「・・・。より詳しく言えば、外側雄要素群3は、正面視略コ字状の外周面のうち略平行な2つの面の一方から突出し、・・・」との記載がされていることから、当該訂正事項3-2は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
c 実質上の拡張・変更の有無
上記訂正事項3-2は、発明特定事項を直列的に付加するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
エ 訂正事項4について
(ア)訂正事項4-1
a 訂正の目的
訂正事項4-1は、上記訂正事項3-1?3-2により、請求項2が訂正されたため、対応する本件明細書の段落【0009】を同様に訂正することを目的とするものである。したがって、当該訂正事項4-1は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を自的とするものである。
b 新規事項の追加の有無
上記訂正事項4-1は、本件明細書の第1実施形態に基づいて導き出される構成である。この第1実施形態に係る説明として、段落【0037】には、「上記した本発明の第1実施形態の連結具1は、図1、図7に示すように、被着体8としての第1の被着体81及び第2の被着体82に取り付けられる。第1の被着体81と第2の被着体82は、ストラップであって、生地自体の表裏面には多数の被係合要素としての雌要素9からなる面ファスナーの雌要素群9aを備えている。・・・」との記載がされていることから、当該訂正事項4-1は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
c 実質上の拡張・変更の有無
上記訂正事項4-1は、請求項2に記載された「第1の被着体と第2の被着体との表裏面」が、「雌要素群を備えるか否か」に関し、その解釈に影響を与え得る訂正であるが、当該訂正事項4-1については、構成を特定する事項を直列的に付加する訂正であり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
d 本件明細書の訂正に対応する請求項について
上記訂正事項2-3により訂正される本件明細書の段落【0009】は、請求項1に対応する記載であるが、訂正事項1及び訂正事項3により、訂正前の請求項1及び請求項2により構成される一群の請求項の全てについて訂正がなされているから、特許法120条の5第9項により準用される同法126条4項の規定に適合している。
(イ)訂正事項4-2
a 訂正の目的
訂正事項4-2は、上記訂正事項3-1?3-2により、請求項2が訂正されたため、対応する本件明細書の段落【0009】を同様に訂正することを目的とするものである。したがって、当該訂正事項4-2は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
b 新規事項の追加の有無
上記訂正事項4-2は、本件明細書の第1実施形態に基づいて導き出される構成である。この第1実施形態に係る説明として、段落【0027】には、「・・・。より詳しく言えば、外側雄要素群3は、正面視略コ字状の外周面のうち略平行な2つの面の一方から突出し、・・・」との記載がされていることから、当該訂正事項4-2は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
c 実質上の拡張・変更の有無
上記訂正事項4-2は、請求項2に記載された「雄要素」が、「連結具本体の正面視略コ字状の外周面のどの部位から突出するのか」に関し、その解釈に影響を与え得る訂正であるが、当該訂正事項4-2については、構成を特定する事項を直列的に付加する訂正であり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
d 本件明細書の訂正に対応する請求項について
上記訂正事項4-2により訂正される本件明細書の段落【0009】は、請求項2に対応する記載であるが、訂正前の請求項1及び請求項2により構成される一群の請求項の全てについて訂正がなされているから、特許法第120条の5第9項により準用される同法第126条第4項の規定に適合している。
3 請求項3?8からなる一群の請求項についての訂正
(1)訂正の内容(決定注:訂正箇所に下線を付している。)
ア 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項3を以下の訂正事項5-1、5-2のようにまとめて訂正する(請求項3の記載を引用する請求項4?8も同様に訂正する)。
(ア)訂正事項5-1
特許請求の範囲の請求項3に「正面視略コ字状の連結具本体(2)と、」とあるのを、「雌要素群(9a)を備えるストラップ、および雌要素群(9a)を備える生地を連結対象としての被着体(8)に用いるための連結具において、
正面視略コ字状の連結具本体(2)と、」に訂正する(請求項3の記載を引用する請求項4?8も同様に訂正する)。
(イ)訂正事項5-2
特許請求の範囲の請求項3に「前記連結具本体(2)の前記正面視略コ字状の外周面から突出する前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)と、」とあるのを、「前記連結具本体(2)の前記正面視略コ字状の外周面における三面のうち両側の二面に関しては当該二面における一面のみから突出する係合要素(6)としての雄要素(6)と、」に訂正する(請求項3の記載を引用する請求項4?8も同様に訂正する)。
イ 訂正事項6
本件明細書を以下の訂正事項6-1、6-2のようにまとめて訂正する。
(ア)訂正事項6-1
本件明細書の段落【0010】に記載された「次に本発明の連結具について述べる。」とあるのを、「次に本発明の連結具について述べる。本発明の連結具は、雌要素群を備えるストラップ、および雌要素群を備える生地を連結対象としての被着体に用いるためのものである。」に訂正する。
(イ)訂正事項6-2
本件明細書の段落【0010】に記載された「連結具本体の正面視略コ字状の外周面から突出する係合要素としての雄要素と、」とあるのを、「連結具本体の正面視略コ字状の外周面における三面のうち両側の二面に関しては当該二面における一面のみから突出する係合要素としての雄要素と、」に訂正する。
ウ 訂正事項7
特許請求の範囲の請求項4に「前記連結具本体(2)の前記正面視略コ字状の外周面から突出する多数の前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)からなる面ファスナーの外側雄要素群(3)と、」とあるのを、「前記連結具本体(2)の前記正面視略コ字状の外周面における三面のうち両側の二面に関しては前記一面のみから突出する多数の前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)からなる面ファスナーの外側雄要素群(3)と、」に訂正する(請求項4の記載を引用する請求項5?8も同様に訂正する)。
エ 訂正事項8
本件明細書の段落【0011】に記載された「連結具本体の正面視略コ字状の外周面から突出する多数の係合要素としての雄要素からなる面ファスナーの外側雄要素群と、」とあるのを、「連結具本体の正面視略コ字状の外周面における三面のうち両側の二面に関しては前記一面のみから突出する多数の係合要素としての雄要素からなる面ファスナーの外側雄要素群と、」に訂正する。
オ 訂正事項9
特許請求の範囲の請求項5に「前記正面視略コ字状の外周面であって前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)との少なくとも一方の外面から突出する前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)と、」とあるのを、「前記正面視略コ字状の外周面であって前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)との一方のみの外面から突出する前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)と、」に訂正する(請求項5の記載を引用する請求項6,8も同様に訂正する)。
カ 訂正事項10
本件明細書の段落【0012】に記載された「正面視略コ字状の外周面であって第1の面板と第2の面板との少なくとも一方の外面から突出する係合要素としての雄要素と、」とあるのを、「正面視略コ字状の外周面であって第1の面板と第2の面板との一方のみの外面から突出する係合要素としての雄要素と、」に訂正する。
キ 訂正事項11
特許請求の範囲の請求項7を以下の訂正事項11-1,11-2のようにまとめて訂正する(請求項7の記載を引用する請求項8も同様に訂正する)。
(ア)訂正事項11-1
特許請求の範囲の請求項7に「前記正面視略コ字状の外周面であって前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)との少なくとも一方の外面から突出する前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)と、」とあるのを、「前記正面視略コ字状の外周面であって前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)との一方のみの外面から突出する前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)と、」に訂正する(請求項7の記載を引用する請求項8も同様に訂正する)。
(イ)訂正事項11-2
特許請求の範囲の請求項7に「前記連結具本体(2)は、弾性部材であって、正面視した場合に平時には略コ字状であり、」とあるのを、「前記連結具本体(2)は、弾性部材であって、正面視した場合に平時には略コ字状であり、弾性によって略コ字状の開口幅を一時的に変更可能としてあり、」に訂正する(請求項7の記載を引用する請求項8も同様に訂正する)。
ク 訂正事項12
本件明細書を以下の訂正事項12-1,12-2のようにまとめて訂正する。
(ア)訂正事項12-1
本件明細書の段落【0014】に記載された「正面視略コ字状の外周面であって第1の面板と第2の面板との少なくとも一方の外面から突出する係合要素としての雄要素と、」とあるのを、「正面視略コ字状の外周面であって第1の面板と第2の面板との一方のみの外面から突出する係合要素としての雄要素と、」に訂正する。
(イ)訂正事項12-2
本件明細書の段落【0014】に記載された「連結具本体は、弾性部材であって、正面視した場合に平時には略コ字状であり、」とあるのを、「連結具本体は、弾性部材であって、正面視した場合に平時には略コ字状であり、弾性によって略コ字状の開口幅を一時的に変更可能としてあり、」に訂正する。
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の有無
ア 訂正事項5
(ア)訂正事項5-1
a 訂正の目的
訂正前の請求項3記載の特許発明では、「正面視略コ字状の連結具本体(2)と、」としていたが、連結具本体を含む連結具の連結対象については何ら特定されていない。
これに対して、訂正後の請求項3記載の特許発明では、連結具の連結対象である被着体が、雌要素群(9a)を備えるストラップ、および雌要素群(9a)を備える生地である旨を明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、当該訂正事項5-1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 新規事項の追加の有無
上記訂正事項5-1は、本件明細書の第1実施形態に基づいて導き出される構成である。この第1実施形態に係る説明として、段落【0037】には、「・・・。第1の被着体81と第2の被着体82は、ストラップであって、生地自体の表裏面には多数の被係合要素としての雌要素9からなる面ファスナーの雌要素群9aを備えている。・・・」との記載がされており、段落【0053】には、「また本発明の連結具1に用いる被着体8は、第1の面板21と第2の面板22に挟まれる部分については、雌要素9となる部分(例えばループ状の形態の部分)があればよく、図27に示すようにストラップであっても良いし、図28に示すように、表面にループ状の形態を備えた生地(例えばニット、不織布 なども含む)の包帯やテープであっても良いし、図29に示すように衣服の一対の合わせ目であっても良い。」とされていることから、当該訂正事項5-1は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
c 実質上の拡張・変更の有無
上記訂正事項5-1は、発明特定事項を直列的に付加するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
(イ)訂正事項5-2
a 訂正の目的
訂正前の請求項3記載の特許発明では、「前記連結具本体(2)の前記正面視略コ字状の外周面から突出する前記係合要素(6)としての雄要素(6)と、」として、雄要素の突出する部位が、連結具本体の正面視略コ字状の外周面であることのみを特定していたが、外周面のどこであるのかについては何ら特定されていない。
これに対して、訂正後の請求項3記載の特許発明では、雄要素の突出する部位が、外周面における三面のうち両側の二面に関しては当該二面における一面のみである旨を明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、当該訂正事項5-2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また訂正前の請求項3記載の特許発明では、「前記係合要素(6)」および「前記雄要素(6)」として、「係合要素」および「雄要素」が前に述べられている旨を特定していたが、実際は述べられておらず、「前記」の記載が明確でなかった。
これに対して、訂正後の請求項3記載の特許発明では、係合要素および雄要素が、初めて出現する用語である旨を明らかにするものであるから、当該訂正事項5-2は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものでもある。
b 新規事項の追加の有無
上記訂正事項5-2は、本件明細書の第1実施形態に基づいて導き出される構成である。この第1実施形態に係る説明として、段落【0027】には、「・・・。より詳しく言えば、外側雄要素群3は、正面視略コ字状の外周面のうち略平行な2つの面の一方から突出し、・・・」との記載がされていることから、当該訂正事項5-2は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
c 実質上の拡張・変更の有無
上記訂正事項5-2は、発明特定事項を直列的に付加するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
イ 訂正事項6
(ア)訂正事項6-1
a 訂正の目的
訂正事項6-1は、上記訂正事項5-1?5-2により、請求項3が訂正されたため、対応する本件明細書の段落【0010】を同様に訂正することを目的とするものである。したがって、当該訂正事項6-1は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
b 新規事項の追加の有無
上記訂正事項6-1は、本件明細書の第1実施形態に基づいて導き出される構成である。この第1実施形態に係る説明として、段落【0037】には、「・・・。第1の被着体81と第2の被着体82は、ストラップであって、生地自体の表裏面には多数の被係合要素としての雌要素9からなる面ファスナーの雌要素群9aを備えている。・・・」との記載がされており、段落【0053】には、「また本発明の連結具1に用いる被着体8は、第1の面板21と第2の面板22に挟まれる部分については、雌要素9となる部分(例えばループ状の形態の部分)があればよく、図27に示すようにストラップであっても良いし、図28に示すように、表面にループ状の形態を備えた生地(例えばニット、不織布 なども含む)の包帯やテープであっても良いし、図29に示すように衣服の一対の合わせ目であっても良い。」とされていることから、当該訂正事項6-1は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
c 実質上の拡張・変更の有無
上記訂正事項6-1は、請求項3に記載された「連結具」が、「何を連結対象とするのか」に関し、その解釈に影響を与え得る訂正であるが、当該訂正事項6-1については、構成を特定する事項を直列的に付加する訂正であり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
d 本件明細書の訂正に対応する請求項について
上記訂正事項6-1により訂正される本件明細書の段落【0010】は、請求項3に対応する記載であるが、訂正前の請求項3?8により構成される一群の請求項の全てについて訂正がなされているから、特許法第120条の5第9項により準用される同法第126条第4項の規定に適合している。
(イ)訂正事項6-2
a 訂正の目的
訂正事項6-2は、上記訂正事項5-1?5-2により、請求項3が訂正されたため、対応する本件明細書の段落【0010】を同様に訂正することを目的とするものである。したがって、当該訂正事項6-1は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
b 新規事項の追加の有無
上記訂正事項6-2は、本件明細書の第1実施形態に基づいて導き出される構成である。この第1実施形態に係る説明として、段落【0027】には、「・・・(略)。より詳しく言えば、外側雄要素群3は、正面視略コ字状の外周面のうち略平行な2つの面の一方から突出し、(略)・・・」との記載がされていることから、当該訂正事項6-2は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
c 実質上の拡張・変更の有無
上記訂正事項6-2は、請求項3に記載された「雄要素」が、「連結具本体の正面視略コ字状の外周面のどの部位から突出するのか」に関し、その解釈に影響を与え得る訂正であるが、当該訂正事項6-2については、構成を特定する事項を直列的に付加する訂正であり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
d 本件明細書の訂正に対応する請求項について
上記訂正事項6-2により訂正される本件明細書の段落【0010】は、請求項3に対応する記載であるが、訂正前の請求項3?8により構成される一群の請求項の全てについて訂正がなされているから、特許法第120条の5第9項により準用される同法第126条第4項の規定に適合している。
ウ 訂正事項7
(ア)訂正の目的
訂正前の請求項4記載の特許発明では、「前記連結具本体(2)の前記正面視略コ字状の外周面から突出する前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)と、」としていたが、雄要素の突出する部位が、連結具本体の正面視略コ字状の外周面であることのみを特定していたが、外周面のどこであるのかについては何ら特定されていない。
これに対して、訂正後の請求項4記載の特許発明では、雄要素の突出する部位が、外周面における三面のうち両側の二面に関しては前記一面のみである旨を明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものである。ちなみに「前記一面」としたのは、訂正後の請求項3記載の特許発明で「外周面における三面のうち両側の二面に関しては当該二面における一面のみ」としたからである。以上から、当該訂正事項7は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(イ)新規事項の追加の有無
上記訂正事項7は、本件明細書の第1実施形態に基づいて導き出される構成である。この第1実施形態に係る説明として、段落【0027】には、「・・・。より詳しく言えば、外側雄要素群3は、正面視略コ字状の外周面のうち略平行な2つの面の一方から突出し、・・・」との記載がされていることから、当該訂正事項7は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(ウ)実質上の拡張・変更の有無
上記訂正事項7は、発明特定事項を直列的に付加するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
エ 訂正事項8
(ア)訂正の目的
訂正事項8は、上記訂正事項7により、請求項4が訂正されたため、対応する本件明細書の段落【0011】を同様に訂正することを目的とするものである。
したがって、当該訂正事項8は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(イ)新規事項の追加の有無
上記訂正事項8は、本件明細書の第1実施形態に基づいて導き出される構成である。この第1実施形態に係る説明として、段落【0027】には、「・・・。より詳しく言えば、外側雄要素群3は、正面視略コ字状の外周面のうち略平行な2つの面の一方から突出し、・・・」との記載がされていることから、当該訂正事項8は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(ウ)実質上の拡張・変更の有無
上記訂正事項8は、請求項4に記載された「雄要素」が、「連結具本体の正面視略コ字状の外周面のどの部位から突出するのか」に関し、その解釈に影響を与え得る訂正であるが、当該訂正事項8については、構成を特定する事項を直列的に付加する訂正であり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
(エ)本件明細書の訂正に対応する請求項について
上記訂正事項8により訂正される本件明細書の段落【0011】は、請求項4に対応する記載であるが、訂正前の請求項3?8により構成される一群の請求項の全てについて訂正がなされているから、特許法第120条の5第9項により準用される同法第126条第4項の規定に適合している。
オ 訂正事項9
(ア)訂正の目的
訂正前の請求項5記載の特許発明では、「前記正面視略コ字状の外周面であって前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)との少なくとも一方の外面から突出する前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)と、」として、雄要素が第1の面板と第2の面板との少なくとも一方の外面から突出することのみを特定していたが、いずれか一方のみの外面であることについては何ら特定されていない。
これに対して、訂正後の請求項5記載の特許発明では、雄要素が第1の面板と第2の面板との一方のみの外面から突出する旨を明らかにすることで、訂正後の請求項3記載の特許発明に合わせ、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、当該訂正事項9は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(イ)新規事項の追加の有無
上記訂正事項9は、本件明細書の第1実施形態に基づいて導き出される構成である。この第1実施形態に係る説明として、段落【0027】には、「・・・。より詳しく言えば、外側雄要素群3は、正面視略コ字状の外周面のうち略平行な2つの面の一方から突出し・・・」との記載がされていることから当該訂正事項9は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(ウ)実質上の拡張・変更の有無
上記訂正事項9は、請求項5に記載された「雄要素」が、「第1の面板と第2の面板とのうちどの外面から突出するのか」に関し、その解釈に影響を与え得る訂正であるが、当該訂正事項9については、構成を特定する事項を直列的に付加する訂正であり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
カ 訂正事項10
(ア)訂正の目的
訂正事項10は、上記訂正事項9により、請求項5が訂正されたため、対応する本件明細書の段落【0012】を同様に訂正することを目的とするものである。したがって、当該訂正事項10は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(イ)新規事項の追加の有無
上記訂正事項10は、本件明細書の第1実施形態に基づいて導き出される構成である。この第1実施形態に係る説明として、段落【0027】には「・・・。より詳しく言えば、外側雄要素群3は、正面視略コ字状の外周面のうち略平行な2つの面の一方から突出し、・・・」との記載がされていることから、当該訂正事項10は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(ウ)実質上の拡張・変更の有無
上記訂正事項10については、構成を特定する事項を直列的に付加する訂正であり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
(エ)本件明細書の訂正に対応する請求項について
上記訂正事項10により訂正される本件明細書の段落【0012】は、請求項5に対応する記載であるが、訂正前の請求項3?8により構成される一群の請求項の全てについて訂正がなされているから、特許法第120条の5第9項により準用される同法第126条第4項の規定に適合している。
キ 訂正事項11
(ア)訂正事項11-1
a 訂正の目的
訂正前の請求項7記載の特許発明では、「前記正面視略コ字状の外周面であって前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)との少なくとも一方の外面から突出する前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)と、」として、雄要素が第1の面板と第2の面板との少なくとも一方の外面から突出することのみを特定していたが、いずれか一方のみの外面であることについては何ら特定されていない。
これに対して、訂正後の請求項7記載の特許発明では、雄要素が第1の面板と第2の面板との一方のみとの外面から突出する旨を明らかにすることで、訂正後の請求項3記載の特許発明に合わせ、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、当該訂正事項11-1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 新規事項の追加の有無
上記訂正事項11-1は、本件明細書の第1実施形態に基づいて導き出される構成である。この第1実施形態に係る説明として、段落【0027】には、「・・・。より詳しく言えば、外側雄要素群3は、正面視略コ字状の外周面のうち略平行な2つの面の一方から突出し、・・・」との記載がされていることから、当該訂正事項11-1は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
c 実質上の拡張・変更の有無
上記訂正事項11-1は、請求項7に記載された「雄要素」が、「第1の面板と第2の面板とのうちどの外面から突出するのか」に関し、その解釈に影響を与え得る訂正であるが、当該訂正事項11-1については、構成を特定する事項を直列的に付加する訂正であり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
(イ)訂正事項11-2
a 訂正の目的
訂正前の請求項7記載の特許発明では、「前記連結具本体(2)は、弾性部材であって、正面視した場合に平時には略コ字状であり、」として、連結具本体が弾性を有することと、平面視した場合の平時の形態のみを特定していたが、弾性がいかなるように作用するのかについては何ら特定されていない。
これに対して、訂正後の請求項7記載の特許発明では、連結具本体は弾性によって略コ字状の開口幅を一時的に変更可能である旨を明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、当該訂正事項11-2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 新規事項の追加の有無
上記訂正事項11-2は、本件明細書の第1実施形態に基づいて導き出される構成である。この第1実施形態に係る説明として、段落【0048】には、「・・・。連結具本体2は、正面視した場合に平時には略コ字状であり、弾性によって略コ字状の開口幅(上下幅)を一時的に変更可能としている。」との記載がされていることから、当該訂正事項11-2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
c 実質上の拡張・変更の有無
上記訂正事項11-2は、請求項7に記載された「連結具本体」が、「略コ字状の開口幅を変更するのか否か」に関し、その解釈に影響を与え得る訂正であるが、当該訂正事項11-2については、構成を特定する事項を直列的に付加する訂正であり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ク 訂正事項12
(ア)訂正事項12-1
a 訂正の目的
訂正事項12-1は、上記訂正事項11-1?11-2により、請求項7が訂正されたため、対応する本件明細書の段落【0014】を同様に訂正することを目的とするものである。したがって、当該訂正事項12-1は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
b 新規事項の追加の有無
上記訂正事項12-1は、本件明細書の第1実施形態に基づいて導き出される構成である。この第1実施形態に係る説明として、段落【0027】には、「・・・。より詳しく言えば、外側雄要素群3は、正面視略コ字状の外周面のうち略平行な2つの面の一方から突出し、・・・」との記載がされていることから、当該訂正事項12-1は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
c 実質上の拡張・変更の有無
上記訂正事項12-1は、請求項7に記載された「雄要素」が、「第1の面板と第2の面板とのうちどの外面から突出するのか」に関し、その解釈に影響を与え得る訂正であるが、当該訂正事項12-1については、構成を特定する事項を直列的に付加する訂正であり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
d 本件明細書の訂正に対応する請求項について
上記訂正事項12-1により訂正される本件明細書の段落【0014】は、請求項7に対応する記載であるが、訂正前の請求項3?7により構成される一群の請求項の全てについて訂正がなされているから、特許法第120条の5第9項により準用される同法第126条第4項の規定に適合している。
(イ)訂正事項12-2
a 訂正の目的
訂正事項12-2は、上記訂正事項11-1?11-2により、請求項7が訂正されたため、対応する本件明細書の段落【0014】を同様に訂正することを目的とするものである。したがって、当該訂正事項12-2は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
b 新規事項の追加の有無
上記訂正事項12-2は、本件明細書の第1実施形態に基づいて導き出される構成である。この第1実施形態に係る説明として、段落【0048】には、「・・・(略)。連結具本体2は、正面視した場合に平時には略コ字状であり、弾性によって略コ字状の開口幅(上下幅)を一時的に変更可能としている。」との記載がされていることから、当該訂正事項12-2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
c 実質上の拡張・変更の有無
上記訂正事項12-2は、請求項7に記載された「連結具本体(2)」が、「弾性によってどのように作用するのか」に関し、その解釈に影響を与え得る訂正であるが、当該訂正事項12-2については、構成を特定する事項を直列的に付加する訂正であり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
d 本件明細書の訂正に対応する請求項について
上記訂正事項12-2により訂正される本件明細書の段落【0014】は、請求項7に対応する記載であるが、訂正前の請求項3?7により構成される一群の請求項の全てについて訂正がなされているから、特許法第120条の5第9項により準用される同法第126条第4項の規定に適合している。
4 請求項9についての訂正
(1)訂正の内容
ア 訂正事項13
特許請求の範囲の請求項9を以下の訂正事項13-1?13-4のようにまとめて訂正する。
(ア)訂正事項13-1
特許請求の範囲の請求項9に「正面視略コ字状の連結具本体(2)と、」とあるのを、「雌要素群(9a)を備えるストラップ、および雌要素群(9a)を備える生地を連結対象としての被着体(8)に用いるための連結具において、
正面視略コ字状の連結具本体(2)と、」に訂正する。
(イ)訂正事項13-2
特許請求の範囲の請求項9に「前記連結具本体(2)の前記正面視略コ字状の外周面から突出する多数の前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)からなる面ファスナーの外側雄要素群(3)と、」とあるのを、「前記連結具本体(2)の前記正面視略コ字状の外周面における三面のうち両側の二面に関しては当該二面における一面のみから突出する多数の係合要素(6)としての雄要素(6)からなる面ファスナーの外側雄要素群(3)と、」に訂正する。
(ウ)訂正事項13-3
特許請求の範囲の請求項9に「前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)は、前記正面視略コ字状の外周面であって前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)との少なくとも一方の外面から突出するものであり、」とあるのを「前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)は、前記正面視略コ字状の外周面であって前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)との一方のみの外面から突出するものであり、」に訂正する。
(エ)訂正事項13-4
特許請求の範囲の請求項9に「前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)との少なくとも一方には反対側の面板へ向かって突出するストッパー(29)を、前記正面視略コ字状の開口方向とは反対側の端部に備える」とあるのを、「前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)との少なくとも一方には反対側の面板へ向かって突出するストッパー(29)であって被着体(8)の端面を位置決めするための前記ストッパー(29)を、前記正面視略コ字状の開口方向とは反対側の端部と当該開口方向の端部とに関しては当該反対側の端部にのみ備える」に訂正する。
イ 訂正事項14
本件明細書を以下の訂正事項14-1?14-4のようにまとめて訂正する。
(ア)訂正事項14-1
本件明細書の段落【0016】に記載された「すなわち連結具は、正面視略コ字状の連結具本体と、」とあるのを、「すなわち連結具は、雌要素群を備えるストラップ、および雌要素群を備える生地を連結対象としての被着体に用いるためものである。そして連結具は、正面視略コ字状の連結具本体と、」に訂正する。
(イ)訂正事項14-2
本件明細書の段落【0016】に記載された「連結具本体の正面視略コ字状の外周面から突出する多数の係合要素としての雄要素からなる面ファスナーの外側雄要素群と、」とあるのを、「連結具本体の正面視略コ字状の外周面における三面のうち両側の二面に関しては当該二面における一面のみから突出する多数の係合要素としての雄要素からなる面ファスナーの外側雄要素群と、」に訂正する。
(ウ)訂正事項14-3
本件明細書の段落【0016】に記載された「係合要素としての雄要素は、正面視略コ字状の外周面であって第1の面板と第2の面板との少なくとも一方の外面から突出するものである。」とあるのを、「係合要素としての雄要素は、正面視略コ字状の外周面であって第1の面板と第2の面板との一方のみの外面から突出するものである。」に訂正する。
(エ)訂正事項14-4
本件明細書の段落【0016】に記載された「第1の面板と第2の面板との少なくとも一方には反対側の面板へ向かって突出するストッパーを、前記正面視略コ字状の開口方向とは反対側の端部に備えるものである。」とあるのを、「第1の面板と第2の面板との少なくとも一方には反対側の面板へ向かって突出するストッパーであって被着体の端面を位置決めするためのストッパーを、前記正面視略コ字状の開口方向とは反対側の端部と当該開口方向の端部とに関しては当該反対側の端部にのみ備えるものである。」に訂正する。
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の有無
ア 訂正事項13
(ア)訂正事項13-1
a 訂正の目的
訂正前の請求項9記載の特許発明では、「正面視略コ字状の連結具本体(2)と、」とし、連結具本体の形状については特定していたが、連結具本体を含む連結具の連結対象については何ら特定されていない。
これに対して、訂正後の請求項9記載の特許発明では、連結具の連結対象である被着体が、雌要素群(9a)を備えるストラップ、および雌要素群(9a)を備える生地である旨を明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、当該訂正事項13-1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 新規事項の追加の有無
上記訂正事項13-1は、本件明細書の第1実施形態に基づいて導き出される構成である。この第1実施形態に係る説明として、段落【0037】には、「・・。第1の被着体81と第2の被着体82は、ストラップであって、生地自体の表裏面には多数の被係合要素としての雌要素9からなる面ファスナーの雌要素群9aを備えている。・・・」との記載がされており、段落【0053】には、「また本発明の連結具1に用いる被着体8は、第1の面板21と第2の面板22に挟まれる部分については、雌要素9となる部分(例えばループ状の形態の部分)があればよく、図27に示すようにストラップであっても良いし、図28に示すように、表面にループ状の形態を備えた生地(例えばニット、不織布なども含む)の包帯やテープであっても良いし、図29に示すように衣服の一対の合わせ目であっても良い。」とされていることから、当該訂正事項13-1は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
c 実質上の拡張・変更の有無
上記訂正事項13-1は、発明特定事項を直列的に付加するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
(イ)訂正事項13-2
a 訂正の目的
訂正前の請求項9記載の特許発明では、「前記連結具本体(2)の前記正面視略コ字状の外周面から突出する多数の前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)からなる面ファスナーの外側雄要素群(3)と、」として、雄要素の突出する部位が、連結具本体の正面視略コ字状の外周面であることのみを特定していたが、外周面のどこであるのかについては何ら特定されていない。
これに対して、訂正後の請求項9記載の特許発明では、雄要素の突出する部位が、外周面における三面のうち両側の二面に関しては当該二面における一面のみである旨を明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、当該訂正事項13-2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また訂正前の請求項9記載の特許発明では、「前記係合要素(6)」および「前記雄要素(6)」として、「係合要素」および「雄要素」が前に述べられている旨を特定していたが、実際は述べられておらず、「前記」の記載は明瞭でなかった。
これに対して、訂正後の請求項9記載の特許発明では、係合要素および雄要素が、初めて出現する用語である旨を明らかにするものであるから、当該訂正事項13-2は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものでもある。
b 新規事項の追加の有無
上記訂正事項13-2は、本件明細書の第1実施形態に基づいて導き出される構成である。この第1実施形態に係る説明として、段落【0027】には、「・・・。より詳しく言えば、外側雄要素群3は、正面視略コ字状の外周面のうち略平行な2つの面の一方から突出し、・・・」との記載がされていることから、当該訂正事項13-2は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
c 実質上の拡張・変更の有無
上記訂正事項13-2は、請求項9に記載された「雄要素」が、「第1の面板と第2の面板とのうちどの外面から突出するのか」に関し、その解釈に影響を与え得る訂正であるが、当該訂正事項13-2については、構成を特定する事項を直列的に付加する訂正であり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
(ウ)訂正事項13-3
a 訂正の目的
訂正前の請求項9記載の特許発明では、「前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)は、前記正面視略コ字状の外周面であって前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)との少なくとも一方の外面から突出するものであり、」として、雄要素が第1の面板と第2の面板との少なくとも一方の外面から突出することのみを特定していたが、いずれか一方のみの外面であることについては何ら特定されていない。
これに対して、訂正後の請求項9記載の特許発明では、雄要素が第1の面板と第2の面板との一方のみの外面から突出する旨を明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、当該訂正事項13-3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 新規事項の追加の有無
上記訂正事項13-3は、本件明細書の第1実施形態に基づいて導き出される構成である。この第1実施形態に係る説明として、段落【0027】には、「・・・。より詳しく言えば、外側雄要素群3は、正面視略コ字状の外周面のうち略平行な2つの面の一方から突出し、・・・」との記載がされていることから、当該訂正事項13-3は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
c 実質上の拡張・変更の有無
上記訂正事項13-3は、請求項9に記載された「雄要素」が、「第1の面板と第2の面板とのうちどの外面から突出するのか」に関し、その解釈に影響を与え得る訂正であるが、当該訂正事項13ー3については、構成を特定する事項を直列的に付加する訂正であり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
(エ)訂正事項13-4
a 訂正の目的
訂正前の請求項9記載の特許発明では、「ストッパー(29)を、前記正面視略コ字状の開口方向とは反対側の端部に備える」として、ストッパーが正面視略コ字状の開口方向とは反対側の端部に備えることのみを特定していたが、当該開口方向の端部とに関しては何ら特定されていない
これに対して、訂正後の請求項9記載の特許発明では、正面視略コ字状の開口方向とは反対側の端部にのみ備えること、つまり当該開口方向の端部に備えない旨を明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、当該訂正事項13-4は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また訂正前の請求項9記載の特許発明では、「ストッパー(29)」の対象について何ら特定されていない。
これに対して、訂正後の請求項9記載の特許発明では、被着体(8)の端面を位置決めするための前記ストッパー(29)である旨を明らかにすることで、明瞭でない記載の釈明をしようとするものであるから、当該訂正事項13-4は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものでもある。
b 新規事項の追加の有無
上記訂正事項13-4は、本件明細書の第1実施形態に基づいて導き出される構成である。この第1実施形態に係る説明として、段落【0043】には、「本発明の第3実施形態の連結具1は、図16?図19に示すように、・してある点では第1実施形態と同じであり、・・・、並びに被着体8としての第1の被着体81の端面を位置決めするストッパー29を備える点では第1実施形態と相違する。」との記載がされており、段落【0044】には、「ストッパー29は、連結具本体2の基本形態の状態において、第1の面板21と第2の面板22のうち一方における接合部23側の端部から対向する面板へ向かって突出しており、図示の例では第2の面板22の内面における接合部23側の端部から第1の面板21へ向かって突出している。」との記載がされていることから、当該訂正事項13-4は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
c 実質上の拡張・変更の有無
上記訂正事項13-4は、請求項9に記載された「ストッパー」が、「略コ字状の開口方向の端部に備えられているか否か」に関し、その解釈に影響を与え得る訂正であり、「ストッパー」の対象がなんであるのかに関し、その解釈に影響を与え得る訂正であるが、当該訂正事項13-4については、構成を特定する事項を直列的に付加する訂正であり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
イ 訂正事項14
(ア)訂正事項14-1
a 訂正の目的
訂正事項14-1は、上記訂正事項13-1?13-4により、請求項9が訂正されたため、対応する本件明細書の段落【0016】を同様に訂正することを目的とするものである。したがって、当該訂正事項14-1は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
b 新規事項の追加の有無
上記訂正事項14-1は、本件明細書の第1実施形態に基づいて導き出される構成である。この第1実施形態に係る説明として、段落【0037】には、「・・・。第1の被着体81と第2の被着体82はストラップであって、生地自体の表裏面には多数の被係合要素としての雌要素9からなる面ファスナーの雌要素群9aを備えている。・・・」との記載がされており、段落【0053】には、「また本発明の連結具1に用いる被着体8は、第1の面板21と第2の面板22に挟まれる部分については、雌要素9となる部分(例えばループ状の形態の部分)があればよく、図27に示すようにストラップであっても良いし、図28に示すように、表面にループ状の形態を備えた生地(例えばニット、不織布なども含む)の包帯やテープであっても良いし、図29に示すように衣服の一対の合わせ目であっても良い。」とされていることから当該訂正事項14-1は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
c 実質上の拡張・変更の有無
上記訂正事項14-1は、請求項9に記載された「連結具」が「何を連結対象とするのか」に関し、その解釈に影響を与え得る訂正であるが、当該訂正事項14-1については、構成を特定する事項を直列的に付加する訂正であり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
d 本件明細書の訂正に対応する請求項について
上記訂正事項14-1により訂正される本件明細書の段落【0016】は、請求項9に対応する記載であるが、訂正前の請求項9について訂正がなされているから、特許法第120条の5第9項により準用される同法第126条第4項の規定に適合している。
(イ)訂正事項14-2
a 訂正の目的
訂正事項14-2は、上記訂正事項13-1?13-4により、請求項9が訂正されたため、対応する本件明細書の段落【0016】を同様に訂正することを目的とするものである。したがって、当該訂正事項14-2は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
b 新規事項の追加の有無
上記訂正事項14-2は、本件明細書の第1実施形態に基づいて導き出される構成である。この第1実施形態に係る説明として、段落【0027】には、「・・・。より詳しく言えば、外側雄要素群3は、正面視略コ字状の外周面のうち略平行な2つの面の一方から突出し、・・・」との記載がされていることから、当該訂正事項14-2は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
c 実質上の拡張・変更の有無
上記訂正事項14-2は、請求項9に記載された「雄要素」が、「連結具本体の正面視略コ字状の外周面のどの部位から突出するのか」に関し、その解釈に影響を与え得る訂正であるが、当該訂正事項14-2については、構成を特定する事項を直列的に付加する訂正であり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
d 本件明細書の訂正に対応する請求項について
上記訂正事項14-2により訂正される本件明細書の段落【0016】は、請求項9に対応する記載であるが、訂正前の請求項9について訂正がなされているから、特許法第120条の5第9項により準用される同法第126条第4項の規定に適合している。
(ウ)訂正事項14-3
a 訂正の目的
訂正事項14-3は、上記訂正事項13-1?13-4により、請求項9が訂正されたため、対応する本件明細書の段落【0016】を同様に訂正することを目的とするものである。したがって、当該訂正事項14-3は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
b 新規事項の追加の有無
上記訂正事項14-3は、本件明細書の第1実施形態に基づいて導き出される構成である。この第1実施形態に係る説明として、段落【0027】には、「・・・。より詳しく言えば、外側雄要素群3は、正面視略コ字状の外周面のうち略平行な2つの面の一方から突出し、・・・」との記載がされていることから、当該訂正事項14-3は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
c 実質上の拡張・変更の有無
上記訂正事項14-3は、請求項9に記載された「雄要素」が、「第1の面板と第2の面板とのうちどの外面から突出するのか」に関し、その解釈に影響を与え得る訂正であるが、当該訂正事項14-3については、構成を特定する事項を直列的に付加する訂正であり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
d 本件明細書の訂正に対応する請求項について
上記訂正事項14-3により訂正される本件明細書の段落【0016】は、請求項9に対応する記載であるが、訂正前の請求項9について訂正がなされているから、特許法第120条の5第9項により準用される同法第126条第4項の規定に適合している。
(エ)訂正事項14-4
a 訂正の目的
訂正事項14-4は、上記訂正事項13-1?13-4により、請求項9が訂正されたため、対応する本件明細書の段落【0016】を同様に訂正することを目的とするものである。したがって、当該訂正事項14-4は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
b 新規事項の追加の有無
上記訂正事項14-4は、本件明細書の第1実施形態に基づいて導き出される構成である。この第1実施形態に係る説明として、段落【0043】には、「本発明の第3実施形態の連結具1は、図16?図19に示すように、・・してある点では第1実施形態と同じであり、・・・、並びに被着体8としての第1の被着体81の端面を位置決めするストッパー29を備える点では第1実施形態と相違する。」との記載がされており、段落【0044】には、「ストッパー29は、連結具本体2の基本形態の状態において、第1の面板21と第2の面板22のうち一方における接合部23側の端部から対向する面板へ向かって突出しており、図示の例では第2の面板22の内面における接合部23側の端部から第1の面板21へ向かって突出している。」との記載がされていることから、当該訂正事項14-4は、本件明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
c 実質上の拡張・変更の有無
上記訂正事項14-4は、請求項9に記載された「ストッパー」が、「略コ字状の開口方向の端部に備えられているか否か」に関し、その解釈に影響を与え得る訂正であるが、当該訂正事項14-4については、構成を特定する事項を直列的に付加する訂正であり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
d 本件明細書の訂正に対応する請求項について
上記訂正事項14-4により訂正される本件明細書の段落【0016】は、請求項9に対応する記載であるが、訂正前の請求項9について訂正がなされているから、特許法第120条の5第9項により準用される同法第126条第4項の規定に適合している。
5 本件訂正についての小括
上記1?4で検討したように、請求項1?2からなる一群の請求項についての訂正、請求項3?8からなる一群の請求項についての訂正及び請求項9についての訂正のいずれも適法であるから、訂正後の請求項〔1-2〕,〔3-8〕,9について訂正を認める。

第3 特許異議の申立てについて
1 本件発明
本件訂正後の請求項1?9に係る発明(以下「本件発明1」?「本件発明9」という。)は、訂正請求書に添付された特許請求の範囲の請求項1?9に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。
「【請求項1】
正面視略コ字状の連結具本体(2)と、
前記連結具本体(2)の前記正面視略コ字状の外周面における三面のうち両側の二面に関しては当該二面における一面のみから突出する係合要素(6)としての雄要素(6)と、
前記正面視略コ字状の内周面から突出する多数の雄要素(6)からなる面ファスナーの内側雄要素群(4)とを備える連結具(1)であって、前記連結具本体(2)と前記係合要素としての前記雄要素(6)と前記内側雄要素群(4)とを一体成型してある連結具(1)と、
多数の雌要素(9)からなる面ファスナーの雌要素群(9a)を備える被着体(8)とを備え、
前記被着体(8)は第1の被着体(81)と第2の被着体(82)とを備え、
前記第1の被着体(81)と前記第2の被着体(82)とはそれぞれ、前記雌要素群(9a)を備えるストラップと、前記雌要素群(9a)を備える生地との何れかであり、
前記連結具(1)は、前記正面視略コ字状の内周面に関しては、当該内周面に前記第1の被着体(81)の端部における表裏面を挟む状態で装着されると共に、前記内側雄要素群(4)を前記第1の被着体(81)の前記雌要素群(9a)に係合させて連結し、
前記連結具(1)は、前記正面視略コ字状の外周面に関しては、当該外周面の前記一面を前記第2の被着体(82)に押し当てて装着されると共に、前記雄要素(6)を前記第2の被着体(82)の前記雌要素群(9a)に係合させて連結することを特徴とする被着体と連結具との連結構造。
【請求項2】
前記第1の被着体(81)と前記第2の被着体(82)とはその表裏面に前記雌要素群(9a)を備え、
前記連結具(1)は、前記連結具本体(2)と、前記連結具本体(2)の前記正面視略コ字状の外周面における三面のうち両側の二面に関しては前記一面のみから突出する多数の前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)からなる面ファスナーの外側雄要素群(3)と、前記内側雄要素群(4)とを備えると共に、前記連結具本体(2)と前記外側雄要素群(3)と前記内側雄要素群(4)とを一体成型してあることを特徴とする請求項1記載の被着体と連結具との連結構造。
【請求項3】
雌要素群(9a)を備えるストラップ、および雌要素群(9a)を備える生地を連結対象としての被着体(8)に用いるための連結具において、
正面視略コ字状の連結具本体(2)と、
前記連結具本体(2)の前記正面視略コ字状の外周面における三面のうち両側の二面に関しては当該二面における一面のみから突出する係合要素(6)としての雄要素(6)と、
前記正面視略コ字状の内周面から突出する多数の雄要素(6)からなる面ファスナーの内側雄要素群(4)とを備え、
前記連結具本体(2)と前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)と前記内側雄要素群(4)とを一体成型してあることを特徴とする連結具。
【請求項4】
前記連結具本体(2)と、前記連結具本体(2)の前記正面視略コ字状の外周面における三面のうち両側の二面に関しては前記一面のみから突出する多数の前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)からなる面ファスナーの外側雄要素群(3)と、前記内側雄要素群(4)とを備えると共に、前記連結具本体(2)と前記外側雄要素群(3)と前記内側雄要素群(4)とを一体成型してあることを特徴とする請求項3記載の連結具。
【請求項5】
略平行で且つ対向する第1の面板(21)及び第2の面板(22)と、前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)の同じ側の端部を連結する接合部(23)とから正面視略コ字状を形作る連結具本体(2)と、
前記正面視略コ字状の外周面であって前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)との一方のみの外面から突出する前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)と、
前記正面視略コ字状の内周面であって前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)との少なくとも一方の内面から突出する多数の雄要素(6)からなる面ファスナーの内側雄要素群(4)とを備え、
前記接合部(23)は、少なくとも一部にヒンジ部(25)を備え、
前記ヒンジ部(25)は、前記接合部(23)を中心にして前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)とを開閉可能にすると共に、前記第1の面板(21)と前記接合部(23)と前記第2の面板(22)とを一列に並べた状態で前記連結具本体(2)と前記外側雄要素群(3)と前記内側雄要素群(4)とを一体成型することを可能とすることを特徴とする請求項3又は4記載の連結具。
【請求項6】
前記内側雄要素群(4)は、前記第1の面板(21)の内面から突出する多数の前記雄要素(6)からなる第1の内側雄要素群(41)と、前記第2の面板(22)の内面から突出する多数の前記雄要素(6)からなる第2の内側雄要素群(42)とを備えることを特徴とする請求項5記載の連結具。
【請求項7】
略平行な第1の面板(21)及び第2の面板(22)と、前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)の同じ側の端部を連結する接合部(23)とから正面視略コ字状を形作る連結具本体(2)と、
前記正面視略コ字状の外周面であって前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)との一方のみの外面から突出する前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)と、
前記正面視略コ字状の内周面であって前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)の両方の内面から突出する多数の雄要素(6)からなる面ファスナーの内側雄要素群(4)とを備え、
前記内側雄要素群(4)は、前記第1の面板(21)の内面から突出する多数の前記雄要素(6)からなる第1の内側雄要素群(41)と、前記第2の面板(22)の内面から突出する多数の前記雄要素(6)からなる第2の内側雄要素群(42)とを備え、
前記連結具本体(2)は、弾性部材であって、正面視した場合に平時には略コ字状であり、
平面視した場合には、前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)とは、前記接合部(23)側の端部同士を重なり合う重合部とそれぞれし、それ以外の部分同士を重なり合わない非重合部とそれぞれするものであり、
前記第1の面板(21)の内面のうち前記非重合部を前記第1の内側雄要素群(41)の形成領域とし、前記第2の面板(22)のうち前記非重合部を前記第2の内側雄要素群(42)の形成領域としてあること特徴とする請求項3又は4記載の連結具。
【請求項8】
前記連結具本体(2)の前記接合部(23)から前記正面視略コ字状の開口方向とは異なる方向へ突出する操作部(5)を備えることを特徴とする請求項5?7の何れかに記載の連結具。
【請求項9】
雌要素群(9a)を備えるストラップ、および雌要素群(9a)を備える生地を連結対象としての被着体(8)に用いるための連結具において、
正面視略コ字状の連結具本体(2)と、
前記連結具本体(2)の前記正面視略コ字状の外周面における三面のうち両側の二面に関しては当該二面における一面のみから突出する多数の係合要素(6)としての雄要素(6)からなる面ファスナーの外側雄要素群(3)と、
前記正面視略コ字状の内周面から突出する多数の雄要素(6)からなる面ファスナーの内側雄要素群(4)とを備え、
前記連結具本体(2)は、略平行な第1の面板(21)及び第2の面板(22)と、前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)の同じ側の端部を連結する接合部(23)とから正面視略コ字状を形作るものであり、
前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)は、前記正面視略コ字状の外周面であって前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)との一方のみの外面から突出するものであり、
面ファスナーの前記内側雄要素群(4)は、前記正面視略コ字状の内周面であって前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)との少なくとも一方の内面から突出する多数の雄要素(6)からなるものであり、
前記接合部(23)は、少なくとも一部にヒンジ部(25)を備え、
前記ヒンジ部(25)は、前記接合部(23)を中心にして前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)とを開閉可能にすると共に、前記第1の面板(21)と前記接合部(23)と前記第2の面板(22)とを一列に並べた状態で前記連結具本体(2)と前記外側雄要素群(3)と前記内側雄要素群(4)とを一体成型することを可能とし、
前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)との少なくとも一方には反対側の面板へ向かって突出するストッパー(29)であって被着体(8)の端面を位置決めするための前記ストッパー(29)を、前記正面視略コ字状の開口方向とは反対側の端部と当該開口方向の端部とに関しては当該反対側の端部にのみ備えることを特徴とする連結具。」
2 取消理由の概要
訂正前の請求項1?9に係る特許に対して平成30年1月30日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
(1)取消理由1
ア 請求項1?6に係る発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に出願公開がされた甲第1号証に記載された発明(以下「先願発明1」という。)又は甲第2号証に記載された発明(以下「先願発明2」という。)と同一であって、この出願の発明者が先願発明1、2の発明者と同一でなく、この出願時に、この出願の出願人と先願発明1、2の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないものである。したがって、請求項1?6に係る特許は、特許法第113条第2号の規定に該当し、取り消されるべきものである。
イ 先願発明
(ア)先願発明1(甲第1号証)
特願2013-93135号(特開2014-213003号公報)
(イ)先願発明2(甲第2号証)
特願2013-66581号(特開2014-188180号公報)
(2)取消理由2
ア 請求項1?9に係る発明は、甲第3号証?甲第6号証(以下「引用文献3」?「引用文献6」という。)に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、請求項1?9に係る特許は、特許法第113条第2号の規定に該当し、取り消されるべきものである。
イ 引用文献
(ア)引用文献3
特開平9-75113号公報(甲第3号証)
(イ)引用文献4
米国特許第4879854号公報(甲第4号証)
(ウ)引用文献5
特開2008-161487号公報(甲第5号証)
(エ)引用文献6
特許第4954017号公報(甲第6号証)
3 先願発明について
(1)先願発明1について
ア 甲第1号証の記載
(ア)請求項1
「座席用クッション体の表面を被覆シートで覆った座席であって、該クッション体に設けた溝部の内壁の少なくとも一部がループ状係合素子を表面に有する布帛(A)で覆われており、一方、該被覆シートの裏面にはループ状係合素子を表面に有する布帛(B)が取り付けられており、布帛(A)のループ状係合素子と布帛(B)のループ状係合素子が、共に、溝部内に存在する、両面に雄型係合素子を有する両面ファスナー(C)の雄型係合素子と係合していることにより被覆シートが座席用クッション体表面に固定されていることを特徴とする座席。」
(イ)請求項5
「両面ファスナー(C)が、樹脂製の基板の表面および裏面に同樹脂からなる雄型係合素子が突出しており、同雄型係合素子が、基板から直立するステムと同ステム先端からファスナー(C)の幅方向に突出する係合突起からなる請求項1?4のいずれか1項に記載の座席。」
(ウ)図1



(エ)明細書の段落【0069】
「 1:座席用クッション体
2:溝部
4:被覆シート
7:ループ状係合素子
8:雄型係合素子
9:ループ状係合素子
10:基板
8´:雄型係合素子用ノズル部
8´:基板用ノズル部
A:ループ状係合素子を有する布帛(A)
B:ループ状係合素子を有する布帛(B)
C:雄型係合素子を両面に有する両面ファスナー(C)」
(オ)明細書の段落【0050】
「次に、このような雄型係合素子を両面に有する面ファスナー(C)を用いて、被覆シートをクッション体表面に固定する方法について説明する。
まず、図1に示すように、被覆シートの裏面、通常は被覆シートの表面同士を重ね合わせた箇所の裏面側に縫製等によりループ状係合素子を表面に有する布帛(B)を取り付ける。この際、ループ状係合素子面が外側となるように布帛(B)を取り付ける。そして、このようにして被覆シートの裏面にループ状係合素子を有する布帛(B)を取り付け、さらに、このループ状係合素子を覆うように、両面に雄型係合素子を有する面ファスナー(C)をループ状係合素子を表面に有する布帛(B)に重ね合わせ、布帛(B)のループ状係合素子と両面ファスナー(C)の片面の雄型係合素子を係合させる。このようにして、被覆シートの裏面にループ状係合素子を有する布帛(B)が取り付けられ、さらにそれに両面に雄型係合素子を有する面ファスナー(C)が取り付けられたものが得られる。」
イ 先願発明1
上記記載事項から、特に、両面ファスナー(C)に注目すると、甲第1号証には、「両面に雄型係合素子を有する両面ファスナー(C)であって、樹脂製の基板の表面と裏面に同樹脂からなる雄型係合素子が突出しており、両面に存在するループ型係合素子を有する布帛(A)(B)と係合する両面ファスナー(C)」の発明が記載されていると認められる。
(2)先願発明2について
ア 甲第2号証の記載
(ア)請求項1
「基体の表面に、基体中央部より片側に傾斜ステム群(a)が、そして反対側に傾斜ステム群(b)が存在しているシートであって、下記構成(A)と(B)を満足していることを特徴とする傾斜ステムシート。
(A)傾斜ステム群(a)と傾斜ステム群(b)には、ともに、基体表面から突出しておりかつそれぞれ一方向に傾斜した多数のステムが林立していること。
(B)傾斜ステム群(a)に存在しているステムと傾斜ステム群(b)に存在しているステムが共に基体中央部から遠ざかる方向に傾斜していること。」
(イ)請求項3
「基体の裏面に、基体中央部より片側に傾斜ステム群(c)が、そして反対側に傾斜ステム群(d)が存在しており、下記構成(C)と(D)を満足している請求項1に記載の傾斜ステムシート。
(C)傾斜ステム群(c)と傾斜ステム群(d)には、ともに、基体裏面から突出しておりかつ一方向に傾斜した多数のステムが林立していること。
(D)傾斜ステム群(c)に存在しているステムと傾斜ステム群(d)に存在しているステムが共に基体中央部方向に傾斜していること。」
(ウ)図8



イ 先願発明2
上記アの記載から、正面視略コ字状の部品に注目すると、「外周面から突出する雄要素(5)及び内周面から突出する雄要素(14)を有する正面視略コ字状の連結具」の発明が記載されていると認められる。
4 引用文献の記載
(1)引用文献3(甲3)
引用文献3には以下の記載がある。
ア 明細書段落【0008】
「・・・以下、本発明の好ましい実施の形態を図示実施例に基づいて具体的に説明する。図1は同実施例に係る開閉用押圧止具の表面図であり、図2は同背面図、図3は同押圧止具の使用態様を示す部分断面図である。」
イ 同段落【0009】
「本実施例に係る開閉用押圧止具10は4隅部を面取りされた全体が略梯形をなす第1及び第2の平板部11,12からなり、両平板部11,12はほぼ平行を維持した状態で底辺同士が連結部13をもって一体に連結されている。図示例にあっては、第1及び第2の平板部11,12は同一形状をなしているが、その肉厚は第2の平板部12よりも第1の平板部11の方が厚手とされ、更にその連結部13からは第1及び第2の平板部11,12と平行な摘み片14が外方に向けて突設されている。なお、前記第1及び第2の平板部11,12の間隔は、本発明の押圧止具10を取り付ける衣類などの取付部の厚みにより任意に選定される。」
ウ 同段落【0010】
「・・・前記第1平板部11の表面周縁部には縫着部をなす連続溝部11bが形成されている。この溝部11bは第1平板部11の肉厚が縫着に支障を来さない場合には不要であるが、縫着線が確認できる点から僅かであっても溝部11bは形成することが好ましい。」
エ 同段落【0012】
「かかる構成からなる本実施例に係る開閉押圧止具10は、例えば射出成形により単一工程で簡単に成形することができる。即ち、例えば図示を省略する固定金型には第1平板部11の外形、装飾模様及び連結部13の一部を成形するためのキャビティを有し、一方の可動金型には第2平板部12、多数の係合素子15及び連結部13の一部を成形するためのキャビティを有すると共に、前記固定金型及び可動金型の中間に所定の肉圧を有する平板状の挿入金型を有する射出成形金型をもって容易に成形が可能である。なお、前記フック状係合素子15のキャビティはその形状から単独の金型表面に刻設することは不可能であるため、複数の薄板材の端面に同キャビティの全形状又は一部の形状を形成し、これを適当に組み合わせて積層することにより形成する。また、その成形時には図示せぬエジェクタピンなどの離型部材によって前記フック状キャビティから直接引き抜くことができるが、前記複数の薄板材を板厚方向に適宜手段により離間させることによっても容易に分離させることが可能である。」
オ 同段落【0013】
「かかる構成を備えた本実施例の押圧止具10を衣類などに取り付けるには、図3に示すようにその摘み片14を外側にすると共に係合素子15の突出する面が衣類の内側となるように、例えば図4に示すようなスキーウェアー30の前立部の上前端縁30aを第1及び第2の平板部11,12で挟む込むようにして予め決められた位置にセットし、溝部11bに沿って縫糸16をもって縫着する。なお、この縫着に代えて接着剤による接着も可能である。この接着による取り付けの場合にも、後述する理由により前記溝部11bを形成することが好ましい。・・・」
カ 図1



キ 図2



ク 図3



ケ 引用発明
以上の記載から、開閉押圧止具10に注目すると、引用文献3には「略コ字状の開閉押圧止具10が記載されており、雌要素群を備える生地と、その生地とは別の生地を連結対象とする連結部であり、開閉押圧止具10は、第1平板部11、第2平板部12及びそれらを連結する連結部13を備え、その第2平板部12のみに外周に突出する雄要素が一体成形されている」発明が記載されていると認められる。
(2)引用文献4(甲4)
引用文献4には、次の記載がある。
ア 第3欄35?38行
「・・・the trap channel is indicated as 10 and comprises a back portion 12 from which two parallel, spaced side portions 14 extend.(当審訳:挟み込み式溝型止具10は、背面部12とそれから相互に離間して平行に延びる2つの側面部14を含む)」
イ 第3欄52?55行
「In the preferred embodiment, the facing inner surfaces of the side portions 14 have the hook portion 16 of hook and loop type fastening material thereon. (当審訳:好適な実施例においては、側面部14の内側面には、フックとループとで係合する面ファスナーにおけるフック部分16が設けられる。)」
ウ 第4欄4?6行
「At the points where the side portions 14 join the back portion 12, there are longitudinal living hinges 18.(当審訳:2つの側面部14は、ヒンジ18を介して背面部12に接続している。)」
エ 第4欄17?34行
「As indicated therein, because of the living hinges 18, the side portions 14 can be pivoted outward to the position of FIG. 6. A U-shaped piece of the loop portion of the hook and loop fastening material such as that sold by the assignee of the present invention under the trademark Velcro, generally indicated as 20, is disposed over the edge 22 of the panel 24. ・・・(省略)・・・ The edge 22 is pressed into the hook portion 16 on the back portion 12 and then the side portions 14 are swung about the living hinges 18 to engage the hook and loop portions 16, 20 thereon. To release the panel 24 from the trap channel 10, the process is simply reversed.(当審訳:図示したように、一体成形されたヒンジ18により、側面部14は図6に示した位置まで外側に回転することができる。フックとループで形状する面ファスナー(出願人の製品であって商品名ベルクロが一例である)のU字型のループ部分がパネル24のエッジ部分22に設けられる。エッジ部分22を背面部12上のフック部16に押しつけ、次いで、側面部14を一体成形されたヒンジ18の周りに回転させてフック部20とループ部16を係合させる。この操作を逆にすると、パネル24が溝型止具10から離れる。)」
オ Fig.3



カ Fig.6?8



(3)引用文献5(甲5)
引用文献5の段落【0064】には、次の記載がある。
「また、このように面接合成形部材10を袖口2の生地片2a,2b間に差し込んで固定するにあたっては、その差し込み量を常に一定とすることが好ましいため、袖口2の部材被着部5に面接合成形部材10の差し込み量を規定するストッパを配しておくとよい。本実施例1では被着体として袖口2を挙げているため、袖口2の柔軟性を損なってはならない。そこで、ストッパとしての機能を有するとともに、柔軟性をも阻害させないためには、袖口2における面接合成形部材10の差し込み端に対応する位置で縫糸をもって生地片2a,2bを縫い付けるようにすることが好ましい。これによって、前記ストッパとしての機能が十分に発揮される。」
(4)引用文献6(甲6)
引用文献6の明細書の段落【0010】には、次の記載がある。
「・・・樹脂製ブラケットの成形時にファスナーの両側縁を保持するフック及びファスナーの挿入端を規制し、かつ脱落を防止するストッパー用突起が一体成形されている。・・・」
5 当審の判断
(1)取消理由1について
ア 本件発明1について
先願発明1及び2は、いずれも、正面視略コ字状の外周面に関して、両側の2面の両方の面から係合要素が突出する構造を有するものである。そして、その構造により、座席シートを座席に強固に取り付けることができると認められる。
そうすると、「前記連結具本体(2)の前記正面視略コ字状の外周面における三面のうち両側の二面に関しては当該二面における一面のみから突出する係合要素(6)としての雄要素(6)」という構成を有する本件発明1は、先願である甲1または甲2と同一ということはできない。
イ 本件発明2について
本件発明2は、本件発明1の構成を全て含み、かつ本件発明1を更に特定するものであるから、上記アと同様に、先願である甲1または甲2と同一であるということはできない。
ウ 本件発明3について
先願発明1及び2は、いずれも、正面視略コ字状の外周面に関して、両側の2面の両方の面から係合要素が突出する構造を有するものである。そして、その構造により、座席シートを座席に強固に取り付けることができると認められる。
そうすると、「前記連結具本体(2)の前記正面視略コ字状の外周面における三面のうち両側の二面に関しては当該二面における一面のみから突出する係合要素(6)としての雄要素(6)」という構成を有する本件発明3は、先願である甲1または甲2と同一ということはできない。
エ 本件発明4?6について
本件発明4?6は、いずれも本件発明3の構成を全て含み、かつ本件発明3を更に特定するものであるから、上記ウと同様に、先願である甲1または甲2と同一であるということはできない。
オ 小括
上記ア?エで検討したように、本件発明1?6は、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができないものということはできないから、本件発明1?6に係る特許は、特許法第113条第2号に該当するものでなく、取り消すことができない。
(2)取消理由2について
ア 本件発明1、3、9について
(ア)本件発明1と引用発明とを対比すると、本件発明1は、引用発明が有しない「前記正面視略コ字状の内周面から突出する多数の雄要素(6)からなる面ファスナーの内側雄要素群(4)」を有する点で、少なくとも相違する。本件発明3及び9についても、同様である。
(イ)この点について、引用文献4には、挟み込み式溝型止具10であって、正面視略コ字状の内周面から突出する多数のフック16を有するものが記載されているが、本件発明1、3、9が、ストラップ及び生地を接続するためのものであるのに対し、引用文献4の止具が対象とするのは、オフィス等のパーティションであって、技術分野が大きく異なるものである。引用文献3に接した当業者にとって、引用文献4に記載された止具の技術を採用しようとすること自体に困難性があるといえる。
(ウ)そうすると、本件発明1、3は、引用発明及び引用文献4に記載された技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。また、上記引用文献5及び6は、本件発明9のみに引用され、引用文献5及び6も、上記(ア)の事項について記載も示唆もないから、本件発明9は、引用発明及び引用文献4?6に記載された技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
イ 本件発明2、4?8について
本件発明2は、本件発明1の構成を全て含み、かつ本件発明1を更に特定するものである。また、本件発明4?8は、本件発明3の構成を全て含み、かつ本件発明3を更に特定するものである。したがって、上記アの理由と同様に本件発明2、4?8も引用発明及び引用文献4に記載された技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものといえない。
ウ 小括
上記ア、イで検討したように、本件発明1?9は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものということはできないから、本件発明1?9に係る特許は、特許法第113条第2号に該当するものでなく、取り消すことができない。

第4 むすび
以上のとおり、本件発明1?6は、先願発明1または2と同一の発明であるとはいえないから、本件発明1?6は、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることがないということはできない。
また、本件発明1?9は、引用発明及び引用文献4?6に記載された技術に基いて当業者が容易に発明をすることができた発明ということができないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものということはできない。
したがって、本件発明1?9に係る特許は、いずれも特許法113条2号の規定に該当するとはいえず、取消理由通知に記載した理由によっては、取り消すことはできない。
また、他に本件発明1?9に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
被着体と連結具の連結構造、及び連結具
【技術分野】
【0001】
本発明は、係合要素を外面に備える連結具の内面側に被着体(例えばストラップの端部や、衣服用の合わせ目)を連結するための被着体と連結具の連結構造、及び連結具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば人体の関節に障害がある場合に、その関節の可動範囲を制限するための矯正具が存在する。矯正具は、関節の付近に当てる矯正本体部と、矯正具本体部を人体に固定するための複数組の一対のストラップとを備えるものである。各組の一対のストラップ同士を連結するために、被着体としての一方のストラップの端部には多数の係合要素を外面に備える連結具が取り付けられ、他方のストラップには連結具の係合要素に係止するための多数の被係合要素が取り付けられている。また衣服の一対の合わせ目を留めるために、被着体としての片方の合わせ目には係合要素を外周面に備える連結具が取り付けられ、他方の合わせ目が連結具に係止するための被係合要素として機能するものが存在する。
【0003】
このような連結具の具体的な従来例として、正面視略コ字状(断面略コ字状又はJ字状)の連結具本体と、連結具本体の開口方向とは反対方向に突出する操作部と、連結具本体の上面に一体成形された多数の係合要素とを備えるものが存在する(特許文献1、2)。この連結具は、連結具本体の内側に被着体を収容すると共に、連結具本体と被着体とを縫着や接着することにより、被着体に対して取り付けられていた。
【0004】
また連結具の他の従来例として、コ字状に屈曲可能な連結具本体としての基布と、基布の外面に取り付けられた面ファスナーと称する多数の係合要素とを備えるものも存在する(特許文献3)。この連結具も、略コ字状に屈曲させた連結具本体の内側には被着体としてのテープ等の端部を収容し、連結具本体をテープ等に縫着することにより、被着体に対して取り付けられていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9-75113号公報
【特許文献2】特許第3474791号公報
【特許文献3】特開平7-194413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
つまり上記した従来の連結具は、その内側に収容する被着体に対して縫着や接着により取り付けられているので、取り付け作業が煩雑であった。また従来の連結具では、一旦取り付けられると、取り外すことは、大変な困難を伴うので、普通行わないのが一般的である。
【0007】
本発明は上記実情を考慮して創作されたものであり、その目的は、正面視略コ字状をなす連結具本体の外周面に係合要素を備えるだけでなく、連結具本体の内周面に対して被着体を容易に着脱することのできる被着体と連結具との連結構造及び連結具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の被着体と連結具との連結構造は、連結具と、被着体とを備えている。
連結具は、正面視略コ字状の連結具本体と、連結具本体の正面視略コ字状の外周面における三面のうち両側の二面に関しては当該二面における一面のみから突出する係合要素としての雄要素と、正面視略コ字状の内周面から突出する多数の雄要素からなる面ファスナーの内側雄要素群とを備える。また連結具は、連結具本体と係合要素としての雄要素と内側雄要素群とを一体成型してある。
被着体は、多数の雌要素からなる面ファスナーの雌要素群を備える。被着体は、第1の被着体と第2の被着体とを備え、第1の被着体と第2の被着体とはそれぞれ、雌要素群を備えるストラップと、雌要素群を備える生地との何れかである。
そして連結具は、正面視略コ字状の内周面に関しては、当該内周面に第1の接着体の端部における表裏面を挟む状態で装着されると共に、内側雄要素群を第1の被着体の雌要素群に係合させて連結する。連結具は、正面視略コ字状の外周面に関しては、当該外周面の前記一面を第2の被着体に押し当てて装着されると共に、雄要素を前記第2の被着体の雌要素群に係合させて連結することを特徴とする。
【0009】
また係合要素としての雄要素が設けられる連結具本体の外周面に対して被着体を容易に着脱すると共に、連結具の成形を容易にするには、次のようにすることが望ましい。
すなわち第1の被着体と第2の被着体とはその表裏面に前記雌要素群を備えるものとする。また連結具は、連結具本体と、連結具本体の正面視略コ字状の外周面における三面のうち両側の二面に関しては前記一面のみから突出する多数の係合要素としての雄要素からなる面ファスナーの外側雄要素群と、内側雄要素群とを備えると共に、連結具本体と外側雄要素群と内側雄要素群とを一体成型してあることである。
【0010】
次に本発明の連結具について述べる。本発明の連結具は、雌要素群を備えるストラップ、および雌要素群を備える生地を連結対象としての被着体に用いるためのものである。本発明の連結具は、前記したように、正面視略コ字状の連結具本体と、連結具本体の正面視略コ字状の外周面における三面のうち両側の二面に関しては当該二面における一面のみから突出する係合要素としての雄要素と、正面視略コ字状の内周面から突出する多数の雄要素からなる面ファスナーの内側雄要素群とを備え、連結具本体と係合要素としての雄要素と内側雄要素群とを一体成型してあることを特徴とする。
【0011】
また係合要素としての雄要素が設けられる連結具本体の外周面に対して被着体を容易に着脱すると共に、連結具の成形を容易にするには、次のようにすることが望ましい。
すなわち、連結具は、連結具本体と、連結具本体の正面視略コ字状の外周面における三面のうち両側の二面に関しては前記一面のみから突出する多数の係合要素としての雄要素からなる面ファスナーの外側雄要素群と、内側雄要素群とを備えると共に、連結具本体と外側雄要素群と内側雄要素群とを一体成型してあることである。
【0012】
また連結具は、その形態を変形可能なものとして、以下のものがある。
すなわち連結具は、略平行で且つ対向する第1の面板及び第2の面板と、第1の面板と第2の面板の同じ側の端部を連結する接合部とから正面視略コ字状を形作る連結具本体と、正面視略コ字状の外周面であって第1の面板と第2の面板との一方のみの外面から突出する係合要素としての雄要素と、正面視略コ字状の内周面であって第1の面板と第2の面板との少なくとも一方の内面から突出する多数の雄要素からなる面ファスナーの内側雄要素群とを備えるものとする。接合部は、少なくとも一部にヒンジ部を備える。ヒンジ部は、接合部を中心にして第1の面板と第2の面板とを開閉可能にすると共に、第1の面板と接合部と第2の面板とを一列に並べた状態で連結具本体と外側雄要素群と内側雄要素群とを一体成型することを可能とするものである。
【0013】
また内側雄要素群は、正面視略コ字状の内周面から突出していれば良く、例えば第1の面板と第2の面板の一方にのみ突出するものであっても良いが、被着体に対してより強固に連結するには次のようにすることが望ましい。
すなわち内側雄要素群は、第1の面板の内面から突出する多数の雄要素からなる第1の内側雄要素群と、第2の面板の内面から突出する多数の雄要素からなる第2の内側雄要素群とを備えることである。
【0014】
また連結具は、その形態を殆ど変形不能なものとして、以下のものがある。
すなわち連結具は、略平行な第1の面板及び第2の面板と、第1の面板と第2の面板の同じ側の端部を連結する接合部とから正面視略コ字状を形作る連結具本体と、正面視略コ字状の外周面であって第1の面板と第2の面板との一方のみの外面から突出する係合要素としての雄要素と、正面視略コ字状の内周面であって第1の面板と第2の面板の両方の内面から突出する多数の雄要素からなる面ファスナーの内側雄要素群とを備えるものとする。内側雄要素群は、第1の面板の内面から突出する多数の雄要素からなる第1の内側雄要素群と、第2の面板の内面から突出する多数の雄要素からなる第2の内側雄要素群とを備える。連結具本体は、弾性部材であって、正面視した場合に平時には略コ字状であり、弾性によって略コ字状の開口幅を一時的に変更可能としてあり、平面視した場合には、第1の面板と第2の面板とは、接合部側の端部同士を重なり合う重合部とそれぞれし、それ以外の部分同士を重なり合わない非重合部とそれぞれするものであり、第1の面板の内面のうち非重合部を第1の内側雄要素群の形成領域とし、第2の面板のうち非重合部を第2の内側雄要素群の形成領域としてある。
【0015】
さらに連結具は、連結具本体の外周面であって接合部の外面には何も備えていない構成であっても良いが、連結具を取扱い易くするには次のようにすることが望ましい。
すなわち連結具は、連結具本体の接合部から正面視略コ字状の開口方向とは異なる方向へ突出する操作部を備えることである。
【0016】
さらに本発明の連結具は、被着体を位置決めして収容するには次のようにする。
すなわち連結具は、雌要素群を備えるストラップ、および雌要素群を備える生地を連結対象としての被着体に用いるためものである。そして連結具は、正面視略コ字状の連結具本体と、連結具本体の正面視略コ字状の外周面における三面のうち両側の二面に関しては当該二面における一面のみから突出する多数の係合要素としての雄要素からなる面ファスナーの外側雄要素群と、正面視略コ字状の内周面から突出する多数の雄要素からなる面ファスナーの内側雄要素群とを備えるものとする。連結具本体は、略平行な第1の面板及び第2の面板と、第1の面板と第2の面板の同じ側の端部を連結する接合部とから正面視略コ字状を形作るものである。係合要素としての雄要素は、正面視略コ字状の外周面であって第1の面板と第2の面板との一方のみの外面から突出するものである。面ファスナーの内側雄要素群は、正面視略コ字状の内周面であって第1の面板と第2の面板との少なくとも一方の内面から突出する多数の雄要素からなるものである。接合部は、少なくとも一部にヒンジ部を備える。ヒンジ部は、接合部を中心にして第1の面板と第2の面板とを開閉可能にすると共に、第1の面板と接合部と第2の面板)とを一列に並べた状態で連結具本体と外側雄要素群と内側雄要素群とを一体成型することを可能とする。第1の面板と第2の面板との少なくとも一方には反対側の面板へ向かって突出するストッパーであって被着体の端面を位置決めするためのストッパーを、前記正面視略コ字状の開口方向とは反対側の端部と当該開口方向の端部とに関しては当該反対側の端部にのみ備えるものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の被着体と連結具との連結構造、及び本発明の連結具によれば、連結具本体の内周面に備わる面ファスナーとしての内側雄要素群により、面ファスナーの雌要素群を備える被着体を連結具の内側へ着脱する作業が従来に比べて容易に行える。また連結具本体の外周面に備わる係合要素により、別の被着体へ取り付けることもできる。しかも連結具本体と内側雄要素群とを一体成型してあるので、連結具の成形も容易である。また係合要素が雄要素の場合、連結具本体と係合要素としての雄要素と内側雄要素群とを一体成型してあるので、連結具の成形も容易である。
【0019】
また被着体の表裏面に前記雌要素群を備え、連結具本体の正面視略コ字状の外周面には多数の係合要素としての雄要素からなる面ファスナーの外側雄要素群を突出するものとすれば、連結具本体の外周面に対して被着体を着脱する作業が容易に行える。しかも連結具本体と外側雄要素群と内側雄要素群とを一体成型してあるので、連結具の成形も容易である。
【0020】
さらに連結具は、略平行で且つ対向する第1の面板及び第2の面板と、第1の面板と第2の面板とを連結する接合部とから連結具本体を正面視略コ字状を形作るものとし、第1の面板と第2の面板の少なくとも一方の内面には内側雄要素群を備え、接合部が少なくとも一部にヒンジ部を備えているものであれば、雌要素群を備える被着体を連結具本体の内側へ着脱する作業が容易に行えるし、第1の面板と接合部と第2の面板とを一列に並べた状態で連結具を一体成型できる。
【0021】
また連結具は、内側雄要素群が、第1の面板の内面から突出する第1の内側雄要素群と、第2の面板の内面から突出する第2の内側雄要素群とを備えるものであれば、連結具の内側を被着体により強固に連結することができる。
【0022】
さらに連結具は、連結具本体が、弾性部材であって、正面視した場合に平時には第1の面板と第2の面板と接合部とから正面視略コ字状をなすものであれば、弾性によって略コ字状の開口幅を一時的に変更することにより、略コ字状の内側に被着体を連結できる。しかも平面視した場合には、第1の面板と第2の面板とが重なり合わない非重合部のうち第1の面板の非重合部を第1の内側雄要素群の形成領域とし、第2の面板の非重合部を第2の内側雄要素群の形成領域としてあるので、連結具を一体成型することもできる。
【0023】
また連結具は、連結具本体の接合部から正面視略コ字状の開口方向とは異なる方向へ突出する操作部を備えるものであれば、連結具が取り扱いやすくなる。
【0024】
また連結具は、第1の面板と第2の面板との少なくとも一方にはストッパーを備えるものであれば、被着体の端面をストッパーで位置決めして、連結具の内側に被着体を連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第一実施形態の連結具を被着体に連結している状態を示す斜視図である。
【図2】第一実施形態の連結具の成形時の形態を示す平面図である。
【図3】図2の正面図である。
【図4】図2の下面図である。
【図5】図2の左側面図である。
【図6】図4のVI-VI線切断部の断面形状のみを示す端面図である。
【図7】第一実施形態の連結具の使用状態を示す拡大正面図である。
【図8】雄要素群の一例を示す拡大斜視図である。
【図9】第一実施形態の変形例を示す下面図である。
【図10】図9のX-X線切断部の断面形状のみを示す端面図である。
【図11】本発明の第二実施形態の連結具における成型時の形態を示す平面図である。
【図12】図11の正面図である。
【図13】図11の下面図である。
【図14】図11のXIV-XIV線切断部の断面形状のみを示す端面図である。
【図15】第二実施形態の連結具を被着体に連結している状態を示す拡大正面図である。
【図16】本発明の第三実施形態の連結具における成型時の形態を示す平面図である。
【図17】図16の正面図である。
【図18】図16の下面図である。
【図19】第三実施形態の連結具を被着体に連結している状態を示す拡大正面図である。
【図20】本発明の第四実施形態の連結具の形態を示す平面図である。
【図21】図20の正面図である。
【図22】図20の下面図である。
【図23】図20のXXIII-XXIII線切断部の断面図である。
【図24】第四実施形態の連結具を被着体に連結している状態を示す平面図である。
【図25】本発明の連結具の使用状態を示す説明図である。
【図26】本発明の連結具の使用状態を示す説明図である。
【図27】本発明の連結具の使用状態を示す説明図である。
【図28】本発明の連結具の使用状態を示す説明図である。
【図29】本発明の連結具の使用状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の第1実施形態の連結具1は、図1に示すように、連結具1としての骨格部分を構成する連結具本体2と、連結具本体2の一形態すなわち取付け時の形態としての正面視略コ字状の外周面から突出する多数の係合要素6(図示の例では係合要素は雄要素6である。)からなる面ファスナーの外側雄要素群3と、正面視略コ字状の内周面から突出する多数の雄要素6からなる面ファスナーの内側雄要素群4と、連結具本体2から正面視略コ字状の開口方向とは異なる方向へ突出する操作部5とを備えるものである。より詳しく言えば、外側雄要素群3は、正面視略コ字状の外周面のうち略平行な2つの面の一方から突出し、内側雄要素群4は、正面視略コ字状の内周面のうち略平行な2つの面の両方から突出している。以後、連結具1の各構成要素については、特段断りがない限りは、取付け時の形態である正面視コ字状を基本的形態として説明するものとする。
【0028】
図1?図7に示す連結具本体2は、略平行な第1の面板21及び第2の面板22と、第1の面板21と第2の面板22の同じ側の端部を連結する接合部23とを備える。より詳しく言えば、第1の面板21と第2の面板22とは対向する状態に配置されている。なお方向性については、この基本的形態を基準として、第1の面板21と第2の面板22との対向する方向を上下方向、より詳しく言えば両面板21,22の相対的な関係では第1の面板21側を上方向、第2の面板22側を下方向とする。また正面視略コ字状の開口方向を右方向、開口の深さ方向を左方向とする。さらに第1の面板21の一辺と接合部23の一辺とが繋がっている長さ方向を前後方向とし、図7の紙面の手前側を後方向、図7の紙面の奥側を前方向として以後説明する。
【0029】
連結具1の成型時の形態は、図2?図6に示すように、第1の面板21と接合部23と第2の面板22とを一列に並べた状態である。連結具本体2の形態は取付け時と成型時とで異なっており、その形態の変化を可能とするために、接合部23が設けられている。
【0030】
前記接合部23は、第1の面板21と第2の面板22との対向する方向である上下方向に延びる中板24と、中板24の上端部と第1の面板21及び中板24の下端部と第2の面板22とをそれぞれ接続する一対のヒンジ部25,25とを備えている。中板24と一対のヒンジ部25,25とは何れも第1の面板21及び第2の面板22の接合部23側の辺の全長に亘って(前後方向の全長に亘って)延びている。
これら一対のヒンジ部25,25は正面視略円弧状となっており、一対の円弧の膨らむ方向は一対のヒンジ部25の間隔が離れる方向となっている。より詳しく言えば上側のヒンジ部25の円弧は上側に膨らみ、下側のヒンジ部25の円弧は下側に膨らんでいる。また各ヒンジ部25は、円弧状に湾曲する形態と一直線に延びる形態との変形を可能とする肉厚であり、第1の面板21と第2の面板22の肉厚よりも薄く形成されている。
一対のヒンジ部25,25は、中板24に対して第1の面板21と第2の面板22とを屈曲可能に連結しており、言い換えれば接合部23は、第1の面板21と前記第2の面板22とを屈曲可能に連結してある。それゆえヒンジ部25は、接合部23(中板24)を中心にして第1の面板21と第2の面板22とは開閉可能にする。すなわち両方の面板21,22の先端部(接合部23から遠い方の端部)が離隔したり接近したりすることが可能となる。
【0031】
操作部5は、接合部23から正面視略コ字状の開口方向とは反対方向へ突出しており、指で摘ままれる部分である。また操作部5は、平面視して前後方向に長い略長方形状であって、略長方形状の四辺のうち接合部23とは反対側の辺は、前後方向の全長の中間部が接合部23から最も遠ざかる円弧状となっている。また操作部5は、正面視してその上面が断面円弧状の曲面形状となっている。より詳しく言えば、上面が接合部23から遠ざかるにつれて徐々に低くなっていく断面円弧状の曲面である。また、図7に示すように、操作部5の外面のうち第2の面板側の面(下面)は、下側に膨らむ円弧状のヒンジ部25の下面、及び第2の面板の下面よりも上側に位置している。それ故、後で詳述する被着体8としての第2の被着体82と操作部5の下面との係合時においては、操作部5の下面と被着体8との間にすき間Gが形成され、そのすき間Gにより連結具1を第2の被着体82から着脱する操作が行いやすい。
【0032】
第1の面板21は、表裏面を平面としてある。表面は文字、模様等を施す装飾面であって、周縁部全周に対してそれよりも内側を段差状に隆起させている。また第1の面板21は、略矩形であって、接合部23から最も離れた一辺(右辺)にはその辺の中間部が接合部23側へ窪む凹部21aを備えている。この凹部21aは円弧状に窪んでおり、親指の腹側(爪とは反対面側)に接しやすくしてある。
第2の面板22も、表裏面を平面としてある。また第2の面板22は、その大部分を占める略矩形の部分と、略矩形状の部分の接合部23側の辺から接合部23に近づくにつれて前後幅が前後対称的に広くなる略台形状の部分とを備えている。基本的形態のとき平面視すると、第2の面板22の略台形状の部分は第1の面板21の接合部23側と重なり合い、第2の面板22の略矩形状の部分は、第1の面板21に重なり合う部分と、第1の面板21から張り出す部分とが形成される。
なお第1の面板21と第2の面板22の裏面とは、第1の面板21と第2の面板22とが対向する面であり、内面とも言い、第1の面板21の内面は下面、第2の面板22の内面は上面である。また第1の面板21と第2の面板22の表面とは、各々の内面とは反対の面であり、外面とも言い、第1の面板21の外面は上面、第2の面板22の外面は下面である。従って連結具本体2の正面視略コ字状の外周面のうち2面を両面板21,22の外面が形成し、正面視略コ字状の内周面のうち2面を両面板21,22の内面が形成している。
【0033】
雄要素6は、面ファスナーのフックであって、図示の例ではJ字状である。また雄要素6は、各面板21,22から上又は下方向に突出し、突出した先端側で円弧状に膨らんでいる。また複数の雄要素6を所定間隔をあけて縦横に整列させたものが、雄要素列6aである。雄要素列6aの具体的な構造の一例が、雄要素6の具体的な構造の一例を含めて図8の拡大斜視図に示されている。説明の便宜上、図8の中において示す面板は第2の面板22とし、符号Xで示す方向を横方向、符号Yで示す方向を縦方向とする。複数の雄要素6は、第2の面板22の上面から縦横に間隔をあけて突出しており、各雄要素6に対して縦方向Yの手前側には第1の補強部61を、縦方向Yの奥側には第2の補強部62を第2の面板22から上方向に突出している。縦方向Yに並んだ複数の雄要素6,6は、交互に配置された左フックと右フックである。左フックは、上方向に立ち上がると共に、その頂部を左向きに延長しながら下方に向かう形状であり、右フックは上方向に立ち上がると共に、その頂部を右向きに延長しながら下方に向かう形状である。そして第1の補強部61は、各雄要素6の頂部付近まで第2の面板22から突出し、第2の補強部62は、第1の補強部61よりも低い位置まで第2の面板22から突出している。このような第1の補強部61、左フックの雄要素6、第2の補強部62、第1の補強部61、右フックの雄要素6、第2の補強部62が、この順番を繰り返して縦方向Yに一直線に並んでおり、これらは縦方向Yに一体成形されている。この第1の補強部61と第2の補強部62に雄要素6は挟まれることにより、雄要素6が雌要素(図示せず)から外れる際や、雄要素6が金型からの型抜き時に外れる際に、雄要素6の耐久性を高めてある。このようにして縦方向Yに一体成形されたものが、横方向Xに間隔をおいて形成されて、雄要素例6aが形成されている。
【0034】
外側雄要素群3は、第1の面板21の外面の周縁部を除く領域に、雄要素列6aを複数列前後方向に所定間隔をあけて並列させたものである。
【0035】
内側雄要素群4は、第1の面板21の内面から突出する多数の雄要素6からなる第1の内側雄要素群41と、第2の面板22の内面から突出する多数の雄要素6からなる第2の内側雄要素群42とを備える。第1の内側雄要素群41は、第1の面板21の内面の周縁部を除く領域に、雄要素列6aを複数列前後方向に所定間隔をあけて並列させたものである。第2の内側雄要素群42は、第2の面板22の外面の周縁部を除く領域に、雄要素列6aを複数列前後方向に所定間隔をあけて並列させたものである。
【0036】
上記した連結具1は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン等の熱可塑性材料、或いは、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリ塩化ビニル系などの熱可塑性樹脂ゴム弾性体など)により一体成型されたものである。つまり連結具本体2と操作部5と外側雄要素群3と内側雄要素群4とは射出成型によって一体成形される。外側雄要素群3と内側雄要素群4は、成型時にはアンダーカットである。従って連結具1を金型から型抜きをするために、エジェクタピンが金型の本体から出没する構造となっている。そしてエジェクタピンが連結具1を押し出す箇所を形成するために、前述したように第1の面板21や第2の面板22には周縁部を除く領域において雄要素列6aが所定間隔をあけて並列されており、この周縁部と所定間隔の部分が押出し箇所となる。
【0037】
上記した本発明の第1実施形態の連結具1は、図1、図7に示すように、被着体8としての第1の被着体81及び第2の被着体82に取り付けられる。第1の被着体81と第2の被着体82は、ストラップであって、生地自体の表裏面には多数の被係合要素としての雌要素9からなる面ファスナーの雌要素群9aを備えている。雌要素9は生地の表面に突出するループであり、このループが雄要素6としてのフックに係合して連結される。
【0038】
上記した第1実施形態の連結具1は、以下のようにして被着体8に装着される。まず第1の被着体81に連結具1を装着するために、使用者は、第1の面板21と第2の面板22とを開いておき、第1の被着体81の端面を中板24の内面に面で接触する状態として位置決めしながら、第2の面板22の上に第1の被着体81を載せる。そして、第1の面板21を閉じて、第1の被着体81の端部をその表裏面側から第1の面板21と第2の面板22とで挟むようにする。すると、第1の面板21と第2の面板22との内側雄要素群4が第1の被着体81の雌要素群9aに係合して連結される。このとき連結具1は、正面視して略コ字状となる。次に第2の被着体82に連結具1を装着するために、第2の面板22の外側雄要素群3を第2の被着体82の表裏面の片面に押し当てると、外側雄要素群3が第2の被着体82の雌要素群9aに係合して連結される。以上により第1の被着体81と第2の被着体82は、連結具1を介して連結されたものとなる。
【0039】
本発明の第1実施形態の連結具1の変形例は、図9、図10に示すように、接合部23以外は第1実施形態と同じである。この接合部23の中板24は、第1の面板21と第2の面板22における接合部23側の辺の全長(前後方向全長)に亘って延びているが、中板24と第1の面板21とを接続するヒンジ部25、並びに中板24と第2の面板22とを接続するヒンジ部25は、いずれも2つである。各々2つのヒンジ部25,25が第1の面板21又は第2の面板22と中板24とを前後方向の両端部において接続している。従って各々2つのヒンジ部25,25の間は、空間部26となっている。この第1実施形態の連結具1の変形例は、前述した第1実施形態の連結具1と同様に、一体成型されたものである。従って連結具本体2が正面視略コ字状の形態となっているときに、成型時の形態に戻ろうとする復元力がヒンジ部25に作用する。この復元力が、第1実施形態の連結具1で生じる復元力に比ベると、小さくなっている。より詳しく言えば、各ヒンジ部25は、第1の面板21又は第2の面板22に接続している前後方向の全長が短くなっているので、第1実施形態の連結具1の変形例で生じる復元力は、第1実施形態の連結具1で生じる復元力に比べると、小さくなっている。したがって、第1実施形態の連結具1の変形例は、第1実施形態の連結具1に比べて、正面視コ字状となっている形態(第1の被着体81に連結している形態)を維持し易いものである。ヒンジ部25、空間部26の大きさ、形態などを変えることにより、ヒンジ部25に作用する復元力を調整できる。
【0040】
本発明の第2実施形態の連結具1は、図11?図15に示すように、連結具本体2と、連結具本体2の基本形態としての正面視略コ字状の外周面から突出する外側雄要素群3と、正面視略コ字状の内周面から突出する内側雄要素群4とを備えている点、連結具本体2が接合部23を中心にして第1の面板21と第2の面板22とを開閉可能である点では第1実施形態と同じであり、操作部5を備えていない点では第1実施形態と相違する。また本発明の第2実施形態の連結具1は、第1の面板21と第2の面板22の形状、並びに接合部23の数について、第1実施形態の連結具1と相違するものである。以下相違する点について詳述する。
【0041】
第1の面板21は略台形状であって、台形を形成する平行な2辺のうち長辺を接合部23側の辺とし、平行な2辺のうち短辺を接合部23から最も遠い辺としてある。また第2の面板22は略長方形状である。
接合部23は、2つ設けられている。すなわち2つの接合部23,23は、第1の面板21と第2の面板22における接合部23側の全長の前後両側に離隔して配置されている。従って2つの接合部23,23の間は、空間部26である。各接合部23は、中板24と、中板24の上下端部と第1の面板21又は第2の面板22を繋ぐ一対のヒンジ部25とを備えている。中板24は、第1の面板21及び第2の面板22と略同じ肉厚としており、これらに対して各ヒンジ部25は、肉厚を薄くし、円弧状に湾曲する形態と一直線に延びる形態との変形を可能としてある。
【0042】
第2実施形態の連結具1も、第1実施形態の連結具1と同様にして、使用者は第1の被着体81と第2の被着体82とに連結具1を連結する。この場合も中板24と第1の被着体81の端面とを面で接触する状態で位置決めできる。
【0043】
本発明の第3実施形態の連結具1は、図16?図19に示すように、連結具本体2と、連結具本体2の基本形態としての正面視略コ字状の外周面から突出する外側雄要素群3と、正面視略コ字状の内周面から突出する内側雄要素群4とを備えている点、連結具本体2が接合部23を中心にして第1の面板21と第2の面板22とを開閉可能としてある点では第1実施形態と同じであり、接合部23がヒンジ部25のみから構成されている点、操作部5を備えていない点、並びに被着体8としての第1の被着体81の端面を位置決めするストッパー29を備える点では第1実施形態と相違する。また本発明の第3実施形態の連結具1は、第1の面板21と第2の面板22の形状、並びに接合部23の形成範囲ついて、第1実施形態の連結具1と相違するものである。以下相違する点について詳述する。
【0044】
ストッパー29は、連結具本体2の基本形態の状態において、第1の面板21と第2の面板22のうち一方における接合部23側の端部から対向する面板へ向かって突出しており、図示の例では第2の面板22の内面における接合部23側の端部から第1の面板21へ向かって突出している。またストッパー29は、前後方向に沿って延長しており、第2の面板22の前後方向の全長のうち前後端部を除いた範囲に形成してある。
【0045】
第1の面板21は、正面視して接合部23側の端部を円弧面状に湾曲する形状としてある。より詳しく言えば、第1の面板21の接合部23側の端部は、その上面側が膨らむような円弧面であって、正面視略コ字状の連結具本体2の基本形態の状態において、第2の面板22への上下間隔が接合部23に近づくにつれて徐々に狭まるような円弧面である。また第1の面板21は、平面視して略矩形状とし、その矩形の接合部23側の辺が半円状に膨らむ形状となっている。しかも矩形の四辺のうち接合部23から最も遠い辺には凹部21aが形成されている。
また第2の面板22は、平面視して略矩形状であって、矩形の四辺のうち接合部23側の辺を半円状に膨らむ形状としてある。従って成型時の形態であれば、接合部23の両側に第1の面板21の半円状の辺と第2の面板22の半円状の辺とが対向することになり、これら半円状の2つの辺の前後方向中央部が接合部23で接続されている。つまりこれら半円状の2つの辺の前後方向中央部が接合部23の形成範囲となる。また接合部23は、全部をヒンジ部25としており、第1実施形態での中板24を備えていない。
【0046】
第3実施形態の連結具1も、第1実施形態の連結具1と同様にして、使用者は第1の被着体81と第2の被着体82とに連結具1を連結する。この場合にはストッパー29と第1の被着体81の端面とを面で接触する状態で位置決めできる。
【0047】
本発明の第4実施形態の連結具1は、図20?図24に示すように、連結具本体2と、連結具本体2の基本形態としての正面視略コ字状の外周面から突出する外側雄要素群3と、正面視略コ字状の内周面から突出する内側雄要素群4と、操作部5を備えている点では第1実施形態と同じであり、連結具本体2が平時には正面視略コ字状である点すなわち連結具本体2が開閉可能ではない点では第1実施形態と相違する。また本発明の第4実施形態の連結具1は、第1の面板21と第2の面板22の形状、並びに接合部23の形成範囲ついて、第1実施形態の連結具1と相違するものである。以下相違する点について詳述する。
【0048】
連結具本体2は、平面視して略矩形の枠状の第1の面板21と、第1の面板21の枠の内側に形成される開口部21bの下側に大部分が配置される第2の面板22と、第1の面板21と第2の面板22との同じ側の端部であって対向する部分の間を連結する接合部23とを備えている。また連結具本体2は、弾性部材であって、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン等の熱可塑性材料、或いは、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリ塩化ビニル系などの熱可塑性樹脂ゴム弾性体など)の射出成型により一体成型されたものである。連結具本体2は、正面視した場合に平時には略コ字状であり、弾性によって略コ字状の開口幅(上下幅)を一時的に変更可能としている。
【0049】
平面視した場合に、第1の面板21と第2の面板22とは、接合部23側の端部だけで重なり合っている。つまり第1の面板21と第2の面板22とは互いの大部分において重なり合っていない。
より詳しく言えば、第1の面板21は、平面視して略矩形の枠状のうちコ字状の部分が、第2の面板22とは重なり合っておらず、このコ字状の部分の内面(下面)に第1の内側雄要素群41を形成してある。図示の例では第1の面板21は、コ字状の部分における両端部の内面に第1の内側雄要素群41を形成してある。
また第2の面板22の大部分は、開口部21bの真下に位置しているので、第1の面板21と重なり合っておらず、この大部分の内面(上面)に第2の内側雄要素群42を形成してある。従って平面視した場合には第1の内側雄要素群41の形成領域と第2の内側雄要素群42の形成領域とは、分かれている。なお外側雄要素群3は、第2の面板22の外面(下面)に形成してある。
【0050】
接合部23は、第1の面板21と第2の面板22とを接続する細長い板状であって、その前後両端は第1の面板21の前後端にまで達している。接合部23の肉厚は、第1の面板21や第2の面板22と遜色のない厚みであって、図示の例では第1の面板21や第2の面板22よりも厚く形成されている。従って接合部23は、第1実施形態のようなヒンジ部25が無く、いわば中板24だけで形成されているものと言える。
操作部5は、接合部23から(より詳しく言えば、接合部23の前後長の全域から)第2の面板22とは反対側に突出する平面視略矩形状の板である。また操作部5の表面(上面)は装飾面となり、操作部5の裏面(下面)は、第2の面板22と面一となっており、この裏面にも周縁部を除いた領域に多数の雄要素6からなる面ファスナーの雄要素群6bを備えている。この雄要素群6bも、複数の雄要素列6aが所定間隔をあけて並列したものとなっている。
【0051】
上記した第4実施形態の連結具1は、以下のようにして被着体8に装着される。まず第1の被着体81に連結具1を装着するために、使用者は、連結具1の弾性を利用して第1の面板21と第2の面板22とを開口幅が広がるように押し開く。そして第1の被着体81の端面を接合部23の内面に面で接触する状態として位置決めしながら、押し開く力を緩めると、第1の面板21と第2の面板22との開口幅が連結具1の復元力によって狭まり、第1の被着体81の端部がその表裏面側から第1の面板21と第2の面板22とで挟まれる。すると、第1の面板21と第2の面板22との内側雄要素群4が第1の被着体81の雌要素群9aに係合して連結される。このとき連結具1は、正面視して略コ字状となる。次に第2の被着体82に連結具1を装着するために、第2の面板22の外側雄要素群3と操作部5の雄要素群6bを第2の被着体82の表裏面の片面に押し当てると、外側雄要素群3と雄要素群6bとが第2の被着体82の雌要素群9aに係合して連結される。以上により第1の被着体81と第2の被着体82は、連結具1を介して連結されたものとなる。
【0052】
なお本発明の連結具1は正面視略コ字状の内周面に被着体8の端部を連結して使用するものである。そして被着体8の端部とは、図25に示すように被着体8の長手方向の端部であっても良いし、図26に示すように被着体8の幅方向の端部であっても良い。
【0053】
また本発明の連結具1に用いる被着体8は、第1の面板21と第2の面板22に挟まれる部分については、雌要素9となる部分(例えばループ状の形態の部分)があればよく、図27に示すようにストラップであっても良いし、図28に示すように、表面にループ状の形態を備えた生地(例えばニット、不織布なども含む)の包帯やテープであっても良いし、図29に示すように衣服の一対の合わせ目であっても良い。
【0054】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。例えば連結具1の形状は、正面視略矩形状に限らず、円形等の他形状であっても良い。さらに、被着体8の一端部表裏を多数の被係合要素としての雄要素(繊維性のフック材)6からなる雄要素群6bとし、一端部以外の表裏を雌要素9からなる雌要素群9aから形成し、一方、連結具1は連結具本体2の外周面に多数の係合要素としての雌要素9からなる面ファスナー片の雌要素群9aを貼着してなるものとすることも可能である。また連結具本体2の外周面には多数の係合要素6を備えるものに限らず、1つ又は複数(多数とは言い難い程度の数量)の係合要素6を備えるものであっても良い。図示しないが、この場合の係合要素6の一例としてはキノコ状のボタン部材が挙げられる。ボタン部材の一例は、連結具本体1の外周面から突出する棒状の軸部と、軸部の先端部で傘状に広がる頭部とを備えるものである。この場合被着体8としての第2の被着体82には被係合要素としての係合孔(生地の厚み方向に貫通する係合孔)を備えるものとし、この係合孔に軸部を貫通させた状態で連結具本体2と頭部との間に第2の被着体82を挟むようにして、連結具1と第2の被着体82を連結することができる。従って係合要素は、雄要素6や雌要素9に限られない。
【符号の説明】
【0055】
1 連結具
2 連結具本体
21 第1の面板
21a凹部
21b開口部
22 第2の面板
23 接合部
24 中板
25 ヒンジ部
26 空間部
29 ストッパー
3 外側雄要素群
4 内側雄要素群
41第1の内側雄要素群
42第2の内側雄要素群
5 操作部
6 雄要素
6a雄要素列
6b雄要素群
61 第1の補強部
62 第2の補強部
8 被着体
81第1の被着体
82第2の被着体
9 雌要素
9a雌要素群
G すき間
X 横方向
Y 縦方向
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面視略コ字状の連結具本体(2)と、
前記連結具本体(2)の前記正面視略コ字状の外周面における三面のうち両側の二面に関しては当該二面における一面のみから突出する係合要素(6)としての雄要素(6)と、
前記正面視略コ字状の内周面から突出する多数の雄要素(6)からなる面ファスナーの内側雄要素群(4)とを備える連結具(1)であって、前記連結具本体(2)と前記係合要素としての前記雄要素(6)と前記内側雄要素群(4)とを一体成型してある連結具(1)と、
多数の雌要素(9)からなる面ファスナーの雌要素群(9a)を備える被着体(8)とを備え、
前記被着体(8)は第1の被着体(81)と第2の被着体(82)とを備え、
前記第1の被着体(81)と前記第2の被着体(82)とはそれぞれ、前記雌要素群(9a)を備えるストラップと、前記雌要素群(9a)を備える生地との何れかであり、
前記連結具(1)は、前記正面視略コ字状の内周面に関しては、当該内周面に前記第1の被着体(81)の端部における表裏面を挟む状態で装着されると共に、前記内側雄要素群(4)を前記第1の被着体(81)の前記雌要素群(9a)に係合させて連結し、
前記連結具(1)は、前記正面視略コ字状の外周面に関しては、当該外周面の前記一面を前記第2の被着体(82)に押し当てて装着されると共に、前記雄要素(6)を前記第2の被着体(82)の前記雌要素群(9a)に係合させて連結することを特徴とする被着体と連結具との連結構造。
【請求項2】
前記第1の被着体(81)と前記第2の被着体(82)とはその表裏面に前記雌要素群(9a)を備え、
前記連結具(1)は、前記連結具本体(2)と、前記連結具本体(2)の前記正面視略コ字状の外周面における三面のうち両側の二面に関しては前記一面のみから突出する多数の前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)からなる面ファスナーの外側雄要素群(3)と、前記内側雄要素群(4)とを備えると共に、前記連結具本体(2)と前記外側雄要素群(3)と前記内側雄要素群(4)とを一体成型してあることを特徴とする請求項1記載の被着体と連結具との連結構造。
【請求項3】
雌要素群(9a)を備えるストラップ、および雌要素群(9a)を備える生地を連結対象としての被着体(8)に用いるための連結具において、
正面視略コ字状の連結具本体(2)と、
前記連結具本体(2)の前記正面視略コ字状の外周面における三面のうち両側の二面に関しては当該二面における一面のみから突出する係合要素(6)としての雄要素(6)と、
前記正面視略コ字状の内周面から突出する多数の雄要素(6)からなる面ファスナーの内側雄要素群(4)とを備え、
前記連結具本体(2)と前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)と前記内側雄要素群(4)とを一体成型してあることを特徴とする連結具。
【請求項4】
前記連結具本体(2)と、前記連結具本体(2)の前記正面視略コ字状の外周面における三面のうち両側の二面に関しては前記一面のみから突出する多数の前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)からなる面ファスナーの外側雄要素群(3)と、前記内側雄要素群(4)とを備えると共に、前記連結具本体(2)と前記外側雄要素群(3)と前記内側雄要素群(4)とを一体成型してあることを特徴とする請求項3記載の連結具。
【請求項5】
略平行で且つ対向する第1の面板(21)及び第2の面板(22)と、前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)の同じ側の端部を連結する接合部(23)とから正面視略コ字状を形作る連結具本体(2)と、
前記正面視略コ字状の外周面であって前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)との一方のみの外面から突出する前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)と、
前記正面視略コ字状の内周面であって前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)との少なくとも一方の内面から突出する多数の雄要素(6)からなる面ファスナーの内側雄要素群(4)とを備え、
前記接合部(23)は、少なくとも一部にヒンジ部(25)を備え、
前記ヒンジ部(25)は、前記接合部(23)を中心にして前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)とを開閉可能にすると共に、前記第1の面板(21)と前記接合部(23)と前記第2の面板(22)とを一列に並べた状態で前記連結具本体(2)と前記外側雄要素群(3)と前記内側雄要素群(4)とを一体成型することを可能とすることを特徴とする請求項3又は4記載の連結具。
【請求項6】
前記内側雄要素群(4)は、前記第1の面板(21)の内面から突出する多数の前記雄要素(6)からなる第1の内側雄要素群(41)と、前記第2の面板(22)の内面から突出する多数の前記雄要素(6)からなる第2の内側雄要素群(42)とを備えることを特徴とする請求項5記載の連結具。
【請求項7】
略平行な第1の面板(21)及び第2の面板(22)と、前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)の同じ側の端部を連結する接合部(23)とから正面視略コ字状を形作る連結具本体(2)と、
前記正面視略コ字状の外周面であって前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)との一方のみの外面から突出する前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)と、
前記正面視略コ字状の内周面であって前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)の両方の内面から突出する多数の雄要素(6)からなる面ファスナーの内側雄要素群(4)とを備え、
前記内側雄要素群(4)は、前記第1の面板(21)の内面から突出する多数の前記雄要素(6)からなる第1の内側雄要素群(41)と、前記第2の面板(22)の内面から突出する多数の前記雄要素(6)からなる第2の内側雄要素群(42)とを備え、
前記連結具本体(2)は、弾性部材であって、正面視した場合に平時には略コ字状であり、弾性によって略コ字状の開口幅を一時的に変更可能としてあり、
平面視した場合には、前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)とは、前記接合部(23)側の端部同士を重なり合う重合部とそれぞれし、それ以外の部分同士を重なり合わない非重合部とそれぞれするものであり、
前記第1の面板(21)の内面のうち前記非重合部を前記第1の内側雄要素群(41)の形成領域とし、前記第2の面板(22)のうち前記非重合部を前記第2の内側雄要素群(42)の形成領域としてあること特徴とする請求項3又は4記載の連結具。
【請求項8】
前記連結具本体(2)の前記接合部(23)から前記正面視略コ字状の開口方向とは異なる方向へ突出する操作部(5)を備えることを特徴とする請求項5?7の何れかに記載の連結具。
【請求項9】
雌要素群(9a)を備えるストラップ、および雌要素群(9a)を備える生地を連結対象としての被着体(8)に用いるための連結具において、
正面視略コ字状の連結具本体(2)と、
前記連結具本体(2)の前記正面視略コ字状の外周面における三面のうち両側の二面に関しては当該二面における一面のみから突出する多数の係合要素(6)としての雄要素(6)からなる面ファスナーの外側雄要素群(3)と、
前記正面視略コ字状の内周面から突出する多数の雄要素(6)からなる面ファスナーの内側雄要素群(4)とを備え、
前記連結具本体(2)は、略平行な第1の面板(21)及び第2の面板(22)と、前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)の同じ側の端部を連結する接合部(23)とから正面視略コ字状を形作るものであり、
前記係合要素(6)としての前記雄要素(6)は、前記正面視略コ字状の外周面であって前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)との一方のみの外面から突出するものであり、
面ファスナーの前記内側雄要素群(4)は、前記正面視略コ字状の内周面であって前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)との少なくとも一方の内面から突出する多数の雄要素(6)からなるものであり、
前記接合部(23)は、少なくとも一部にヒンジ部(25)を備え、
前記ヒンジ部(25)は、前記接合部(23)を中心にして前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)とを開閉可能にすると共に、前記第1の面板(21)と前記接合部(23)と前記第2の面板(22)とを一列に並べた状態で前記連結具本体(2)と前記外側雄要素群(3)と前記内側雄要素群(4)とを一体成型することを可能とし、
前記第1の面板(21)と前記第2の面板(22)との少なくとも一方には反対側の面板へ向かって突出するストッパー(29)であって被着体(8)の端面を位置決めするための前記ストッパー(29)を、前記正面視略コ字状の開口方向とは反対側の端部と当該開口方向の端部とに関しては当該反対側の端部にのみ備えることを特徴とする連結具。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-08-23 
出願番号 特願2015-521188(P2015-521188)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (A44B)
P 1 651・ 161- YAA (A44B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 遠藤 秀明  
特許庁審判長 井上 茂夫
特許庁審判官 蓮井 雅之
門前 浩一
登録日 2017-04-28 
登録番号 特許第6134791号(P6134791)
権利者 YKK株式会社
発明の名称 被着体と連結具の連結構造、及び連結具  
代理人 特許業務法人みなみ特許事務所  
代理人 特許業務法人みなみ特許事務所  
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