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審決分類 審判 判定 同一 属さない(申立て成立) A41B
管理番号 1344884
判定請求番号 判定2018-600004  
総通号数 227 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許判定公報 
発行日 2018-11-30 
種別 判定 
判定請求日 2018-02-13 
確定日 2018-09-28 
事件の表示 上記当事者間の特許第5464842号の判定請求事件について、次のとおり判定する。 
結論 イ号図面及びその説明書に示す靴下は、特許第5464842号発明の技術的範囲に属しない。 
理由 第1.請求の趣旨
本件判定の請求の趣旨は、「イ号図面及びその説明書に示す靴下」(以下、「イ号物件」という。)が、特許第5464842号の請求項1に係る発明の技術的範囲に属しない、との判定を求めるものである。

第2.本件特許発明
1.手続の経緯
本件出願 平成20年11月17日
拒絶理由通知 平成24年12月21日付け
意見書、手続補正書 平成25年 3月11日
拒絶理由通知 平成25年 6月25日付け
意見書、手続補正書 平成25年 9月 9日
設定登録 平成26年 1月31日
判定請求 平成30年 2月 9日
審尋(請求人) 平成30年 4月 5日付け
回答書(請求人) 平成30年 5月 8日付け
判定請求書副本の送達 平成30年 5月18日

なお、被請求人ら(特許権者:イイダ靴下株式会社、株式会社アドヴァンシング及び笠原巌)には、本判定請求書の副本を送達し、審尋及び回答書の副本を送付して、答弁書を提出する機会を与えたが、いずれの被請求人も、答弁書を提出しなかった。

2.本件特許発明
本件特許第5464842号(以下「本件特許」という。)の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明(以下「本件特許発明」という。)は、特許請求の範囲、特許明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりである(特許第5464842号公報参照)。
本件特許発明を、構成要件に分説して示すと以下のとおりである(A、B等のアルファベットは、構成要件をわかりやすくするための記号であり、当審が付与した。以下「構成要件A」などという。)。

【請求項1】
A:全体を筒状体として丸編により編成されるくつ下において、
B:前記筒状体の先端部に編成されるトウ部が袋状の指挿入部を複数に分割して形成され、
C:前記複数の指挿入部からなるトウ部が筒状体の先端の端部開口部を縫い合わせる縫製ラインより筒状体の先端側に形成され、
D:前記複数に分割された指挿入部のうち、小指を挿入する小指挿入部が、他の指挿入部より縫製ライン側に形成され、
E:前記小指挿入部が、当該小指挿入部に隣り合う他の指挿入部の側端に一部ウェールを重畳されて、足底に対して当該他の指挿入部の上側に位置するように形成され、
F:前記複数に分割された指挿入部のうち、親指を挿入する親指挿入部が、当該親指挿入部に隣り合う他の指挿入部の側端に一部重畳されて、足底に対して当該他の指挿入部の上側に位置するように形成されることを特徴とする
G:くつ下。

第3.イ号物件
本件判定請求書5(4)の「イ号の説明」(以下「イ号説明」という。)の記載、請求書に添付された「イ号の商品説明書図」(以下「イ号説明書図」という。)及び「イ号の商品説明書」の記載並びに平成30年5月8日付け回答書(以下「回答書」という。)の記載から、イ号物件について、以下の事項が把握される。

1.イ号物件を説明するためのイ号説明書図にて図示されている黒色のものは、筒状であることがその構造上自明である「靴下」と認められ、また、上側の図にて、(11´)、(12´)及び(13´)との番号が付された矢印が指す部分は、その着用時に足指が挿入される「指挿入部」であると認められる。
また、回答書の3(2)の図 B2の図示と、関連する記載及び(4)の「図 B2に示すように、イ号製品では小指挿入部11’が他の指挿入部13’の側端に対して、一部ウェールを重畳されて足底を基準として、他の指挿入部13’の上側に位置するように形成されています。」及び「図 B2に示すように、イ号製品では親指挿入部12’が他の指挿入部13’の側端に対して、一部ウェールを重畳されて足底を基準として、他の指挿入部13’の下側に位置するように形成されています。」との記載を踏まえると、イ号物件では、上記「指挿入部(11´)、(12´)及び(13´)」は、その一部が互いに重畳する状態となっていることが把握される。
一般に、靴下は、丸編み機または横網み機を用いて編成されるところ、回答書の3(1)の「この図に示すように、イ号製品では各指挿入部11’12’13’がお互いに重畳されて形成されています。 このような構造は、丸編み機の踵編みを利用して形成出来るもので有り、横編み機では、制御上、作ることはできません。」の記載を踏まえると、上記図 B2等に示されるような各指挿入部位(11´)、(12´)及び(13´)の一部が互いに重畳する状態となっている靴下は、丸編み機を用いる丸編により編成されるものと解される。
したがって、イ号物件は、「全体を筒状体として丸編により編成される靴下において」という構成を具備しているといえる。

2.イ号説明書図の上側の図から、(1´)との番号が付された赤線の矢印が指す、青線で囲まれた領域の下側に位置する部分は、イ号物件である「靴下」の先端部分であり、靴下を着用した際に足のつま先が入る部分、すなわち、「トウ部」であると解されるところ、該先端部分は(11´)、(12´)及び(13´)との番号が付された赤矢印が指す「指挿入部」に分かれていることが看取される。
また、イ号説明書図の上側及び下側の図や回答書の3(2)の図 B1?図 B3からは、上記「指挿入部」の先端部分が閉じていること、すなわち、上記「指挿入部」は袋状であることが看取される。
したがって、イ号物件は、「前記筒状体の先端部に編成される靴下のトウ部(1´)が袋状の指挿入部(11´,12´,13´)を複数に分割して形成され」という構成を具備しているといえる。

3.回答書の3(2)の図 B3の図示及び同(2)の「図 B3において、符号6’は複数の指挿入部(11’,12’,13’)からなるトウ部(1’)と筒状体の先端の端部開口部とを縫い合わせる縫製ライン(6’)である。」との記載から、イ号物件には、「トウ部(1´)」と筒状であることが自明な「靴下」の本体部分(トウ部(1´)を除いた部分)とを縫い合わせる「縫製ライン(6´)」が存在し、上記「トウ部(1´)」は、「縫製ライン(6´)」よりも「靴下」の先端側に位置していることが看取される。
したがって、イ号物件は、「前記複数の指挿入部(11´,12´,13´)からなるトウ部(1´)が筒状体の先端の端部開口部を縫い合わせる縫製ライン(6´)より靴下の先端側に形成され」という構成を具備しているといえる。

4.回答書の3(2)の図 B3の図示及び同書3(3)の「図 B3で示すように、イ号製品では小指挿入部11’が縫製ライン6’を基準として、他の指挿入部13’よりも短くなっています。」との記載から、イ号物件では、小指を挿入する小指挿入部(11´)が、縫製ライン(6´)を基準として、他の指挿入部(13´)より短くなっていることが看取される。
したがって、イ号物件は、「前記複数に分割された指挿入部(11´,12´,13´)のうち、小指を挿入する小指挿入部(11´)が、縫製ライン(6´)を基準として、他の指挿入部(13´)より短く」という構成を具備しているといえる。

5.回答書の3(2)の図 B2の図示及び同書3(4)の「図 B2に示すように、イ号製品では小指挿入部11’が他の指挿入部13’の側端に対して、一部ウェールを重畳されて足底を基準として、他の指挿入部13’の上側に位置するように形成されています。」との記載を踏まえると、イ号物件では、上記「小指挿入部(11´)」と「他の指挿入部(13´)」とが隣り合うよう配置されており、「小指挿入部(11´)」が、「他の指挿入部(13´)」の側端に一部ウェールを重畳されて、足底に対して当該他の指挿入部(13´)の上側に位置するように形成されことが把握される。
したがって、イ号物件は、「前記小指挿入部(11´)が、当該小指挿入部(11´)に隣り合う他の指挿入部(13´)の側端に一部ウェールを重畳されて、足底に対して当該他の指挿入部(13´)の上側に位置するように形成され」という構成を具備しているといえる。

6.回答書の3(2)の図 B2の図示及び同書3(4)の「図 B2に示すように、イ号製品では親指挿入部12’が他の指挿入部13’の側端に対して、一部ウェールを重畳されて足底を基準として、他の指挿入部13’の下側に位置するように形成されています。」との記載を踏まえると、イ号物件では、上記「親指挿入部(12´)」と「他の指挿入部(13´)」とが隣り合うよう配置されており、「親指挿入部(12´)」が、「他の指挿入部(13´)」の側端に一部ウェールを重畳されて、足底に対して当該他の指挿入部(13´)の下側に位置するように形成されことが把握される。
したがって、イ号物件は、「当該親指挿入部(12´)に隣り合う他の指挿入部(13´)の側端に一部ウェールを重畳されて、足底に対して当該他の指挿入部(13´)の下側に位置するように形成される」という構成を具備しているといえる。

7.以上を整理すると、イ号物件は次の構成(以下「構成a」などという。)を具備するものと認められる。

《イ号物件の構成》
a:全体を筒状体として丸編により編成される靴下において、
b:前記筒状体の先端部に編成される靴下のトウ部(1´)が袋状の指挿入部(11´,12´,13´)を複数に分割して形成され、
c:前記複数の指挿入部(11´,12´,13´)からなるトウ部(1´)が筒状体の先端の端部開口部を縫い合わせる縫製ライン(6´)より筒状体の先端側に形成され、
d:前記複数に分割された指挿入部(11´,12´,13´)のうち、小指を挿入する小指挿入部(11´)が、縫製ライン(6´)を基準として、他の指挿入部(13´)より短く、
e:前記小指挿入部(11´)が、当該小指挿入部(11´)に隣り合う他の指挿入部(13´)の側端に一部ウェールを重畳されて、足底に対して当該他の指挿入部(13´)の上側に位置するように形成され、
f:前記複数に分割された指挿入部(11´,12´,13´)のうち、親指を挿入する親指挿入部(12´)が、当該親指挿入部(12´)に隣り合う他の指挿入部(13´)の側端に一部ウェールを重畳されて、足底に対して当該他の指挿入部(13´)の下側に位置するように形成される、
g:靴下。

第4.当審の対比・判断
イ号物件が本件特許発明の構成要件AないしGを充足するか否かについて、構成要件Aをイ号物件の構成aに、構成要件Bを構成bに、のごとく順次対応させて、検討する。

1.構成要件A?C、E,Gについて
イ号物件の構成a?c、e及びgは、各々、本件特許発明の構成要件A?C、E及びGと一致しているから、イ号物件の構成a?c、e及びgは、各々、本件特許発明の構成要件A?C、E及びGを充足する。

2.構成要件Dについて
本件特許発明の構成要件Dでは、何を基準として「小指を挿入する小指挿入部が、他の指挿入部より縫製ライン側に形成され」るのかが必ずしも明確ではない。
そこで、本件特許明細書の記載を参酌すると、本件特許明細書の段落【0013】?【0015】には、「本発明の第1の実施形態に係るくつ下をこの製造方法と共に、図1ないし図4に基づいて3本指のくつ下について説明する。この図1は、本実施形態に係るくつ下のトウ部の平面図・正面図・底面図・・・前記トウ部1は、小指を挿入する小指挿入部11と、親指を挿入する親指挿入部12と、小指・親指以外の他の三本指を挿入する3本指挿入部13とを袋状に分割して編成する・・・この小指挿入部11、親指挿入部12及び3本指挿入部13は、前記ルーズ・コース60を縫い合わせて形成される縫製ライン6より筒状体の先端側に形成される・・・」との記載がある。そして、【図1】の(C)をみると、同図(C)からは、縫製ライン6を基準とした場合に、小指挿入部11の先端方向の長さは、親指挿入部12の先端方向の長さや小指・親指以外の他の三本指を挿入する3本指挿入部13の先端方向の長さよりも短く、上記小指挿入部11の先端部分は、上記親指挿入部12の先端や上記3本指挿入部の先端よりも、縫製ライン側にあることが看取される。
ゆえに、本件特許発明の構成要件Dは、上記看取されること、すなわち、「縫製ラインを基準とした場合に、小指挿入部の先端方向の長さは、親指挿入部の先端方向の長さや他の指挿入部の先端方向の長さよりも短く、上記小指挿入部の先端部分は、上記親指挿入部の先端や上記他の指挿入部の先端よりも、縫製ライン側にあること」を意味すると解するのが自然である。
してみると、イ号物件の構成d、すなわち、「前記複数に分割された指挿入部(11´,12´,13´)のうち、小指を挿入する小指挿入部(11´)が、が縫製ライン(6´)を基準として、他の指挿入部(13´)より短く」は、本件特許発明の構成要件Dと一致しているといえるから、イ号物件の構成dは、本件特許発明の構成要件Dを充足するといえる。

3.構成要件Fについて
イ号物件の構成fと本件特許発明の構成要件Fとは、親指を挿入する親指挿入部が、本件特許発明では、「足底に対して当該他の指挿入部の上側に位置するように形成され」るのに対し、イ号物件では、「足底に対して当該他の指挿入部(13´)の下側に位置するように形成され」る点で異なっている。
ゆえに、文言解釈上、イ号物件の構成fは、本件特許発明の構成要件Fと一致していない。

4.均等の判断
本件判定請求書の5(6)には「・・・従って、相違点(6)は、本願特許発明の本質的部分であるので、本要件が異なるイ号は、本件特許発明と均等ではない。」と記載されており、請求人は、「均等論」の適用について主張していると解されるから、上記構成要件Fについて均等であるか否かを検討する。

(1)均等の5要件
最高裁平成10年2月24日第三小法廷判決(平成6年(オ)第1083号)の判示によれば、特許請求の範囲に記載された構成中に対象製品等と異なる部分が存在する場合であっても、以下の5つの要件を満たす場合には、対象製品等は、特許請求の範囲に記載された構成と均等なものとして、対象製品等は、特許発明の技術的範囲に属するものと解するのが相当である。

(第1要件)上記異なる部分が特許発明の本質的部分でないこと。
(第2要件)上記異なる部分を対象製品等におけるものと置き換えても、特許発明の目的を達することができ、同一の作用効果を奏すること。
(第3要件)前記のように置き換えることに、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が、対象製品等の製造等の時点において容易に想到することができたものであること。
(第4要件)対象製品等が、特許発明の特許出願時における公知技術と同一又は当業者が公知技術から出願時に容易に推考できたものでないこと。
(第5要件)対象製品等が、特許発明の出願手続において、特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たる等の特段の事情がないこと。

(2)第1要件(本質的部分)について
本件特許発明の課題は、本件特許明細書の段落【0001】に「本発明は、トウ部が分割されたくつ下に関し、特に内反小指、外反母指等の足指障害を緩和するくつ下に関する。」と記載され、段落【0020】に「以上のように、本実施形態に係るくつ下は、小指挿入部11を3本指挿入部13のウェール方向の一部を重畳して編成し、小指挿入部11が3本指挿入部13の上側に位置するように形成されたことから、小指が薬指下に潜り込むという内反小指特有な小指の障害を十分に緩和することができる。特に、小指の付け根分を圧迫することがないことから、この小指付け根部分に強く食い込むことなく、くつ下被着者の着用感を向上させることができる。さらに、親指挿入部12も小指挿入部11と同様に3本指挿入部13のウェール方向の一部を重畳させて親指挿入部12が3本指挿入部13の上側に位置するように編成されたことから、外反母趾による障害も併せて緩和し、未然に防止できることとなる。」(下線は当審にて付与。)と記載されていることからみて、「内反小趾(指)、外反母趾(指)等の足指障害を緩和するくつ下」を提供することであると認められる。
そして、本件特許発明は、「小指挿入部が、当該小指挿入部に隣り合う他の指挿入部の側端に一部ウェールを重畳されて、足底に対して当該他の指挿入部の上側に位置するように形成され」ることに加えて、上記したイ号物件と異なる点である「親指挿入部」が「足底に対して当該他の指挿入部の上側に位置するように形成され」ることにより、上記本件特許発明の課題を解決したものであるといえるから、上記構成要件Fは、本件特許発明の本質的部分であるといえる。
したがって、上記異なる点は、本件特許発明の本質的部分であるから、上記第1要件を充足しない。

(3)第2要件(置換可能性)について
上記(2)で示したように、本件特許発明は、上記異なる点により、上記本件特許発明の課題を解決したものであるところ、イ号物件における上記異なる点に係る構成である、親指を挿入する親指挿入部について、足底に対する位置関係が本件特許発明とは逆の位置関係である「当該他の指挿入部(13´)の下側に位置するように形成」することは、上記本件特許発明の上記課題の解決を妨げる置換であり、同一の作用効果を奏するともいえない。
したがって、上記異なる点は、上記第2要件を充足しない。

(4)第5要件(意識的除外)について
本件特許の出願等の手続の経緯は、上記第2.1.に示したとおりであるところ、平成25年3月11日の手続補正書により補正された特許請求の範囲は、以下のとおりである。
「【請求項1】
全体を筒状体として丸編により編成されるくつ下において、
前記筒状体の先端部に編成されるトウ部が袋状の指挿入部を複数に分割して形成され、
前記複数の指挿入部からなるトウ部が筒状体の先端の端部開口部を縫い合わせる縫製ラインより筒状体の先端側に形成され、
前記複数に分割された指挿入部のうち、小指を挿入する小指挿入部が、他の指挿入部より縫製ライン側に形成され、
前記小指挿入部が、当該小指挿入部に隣り合う他の指挿入部の側端に一部ウェールを重畳されて、足底に対して当該他の指挿入部の上側に位置するように形成されることを
特徴とするくつ下。
【請求項2】
前記請求項1に記載のくつ下において、
前記複数に分割された指挿入部のうち、親指を挿入する親指挿入部が、当該親指挿入部に隣り合う他の指挿入部の側端に一部重畳されて、足底に対して当該他の指挿入部の上側に位置するように形成されることを
特徴とするくつ下。」
これに対して、平成25年6月25日付けで通知された拒絶の理由は以下のとおりである。
「 この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
・請求項 1
引用文献 1,2
備考:
・・・
引用文献1に記載された発明に、引用文献2の指袋を重ねる構成を適用し、本願の請求項1に係る発明とすることは、当業者にとって容易である。

<拒絶の理由を発見しない請求項>
請求項2に係る発明については、現時点では、拒絶の理由を発見しない。拒絶の理由が新たに発見された場合には拒絶の理由が通知される。
・・・
引 用 文 献 等 一 覧
1.特開2007-002362号公報
2.登録実用新案第3048452号公報
・・・」
被請求人は、この拒絶の理由に対して、平成25年9月9日の手続補正書により、拒絶の理由を発見しないとされた請求項2に係る発明に補正した。
被請求人は、この補正により、当該補正前には、親指を挿入する親指挿入部と当該親指挿入部に隣り合う他の指挿入部との位置関係に何らの特定がなかったものの中から、「前記複数に分割された指挿入部のうち、親指を挿入する親指挿入部が、当該親指挿入部に隣り合う他の指挿入部の側端に一部重畳されて、足底に対して当該他の指挿入部の上側に位置するように形成される」もの、すなわち、上記構成要件Fを具備するものへの選択をしたといえ、このことは、外形的に、上記構成要件Fを具備しないものを意図的に除外したと解されるような行動をとったものと理解することができることであり、本件特許は、その結果として、特許がなされたものである。
してみると、構成要件Fを具備しておらず、構成fを具備するイ号物件は、特許発明の出願手続において、特許請求の範囲から意識的に除外されたものに該当するといえる。
したがって、上記異なる点は、上記第5要件を充足しない。

(5)均等についてのまとめ
以上のとおり、イ号物件は、少なくとも均等の第1、第2及び第5要件を充足しないから、他の要件を判断するまでもなく、イ号物件の構成fと本件特許発明の構成要件Fとは均等なものとはいえない。

5.まとめ
イ号物件の構成a?e及びgは、各々、本件特許発明の構成要件A?E及びGを充足する。
一方、イ号物件の構成fは、本件特許発明の構成要件Fと一致するとも、均等であるともいえないから、イ号物件の構成fは、本件特許発明の構成要件Fを充足しない。

第5.むすび
以上によれば、イ号物件は、本件特許発明1の技術的範囲に属しない。
よって、結論のとおり判定する。
 
別掲 (別紙)
イ号説明書図




回答書の(図 B1)、(図 B2)及び(図 B3)

 
判定日 2018-09-18 
出願番号 特願2008-293922(P2008-293922)
審決分類 P 1 2・ 1- ZA (A41B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 新田 亮二  
特許庁審判長 千壽 哲郎
特許庁審判官 渡邊 豊英
久保 克彦
登録日 2014-01-31 
登録番号 特許第5464842号(P5464842)
発明の名称 くつ下  
代理人 平井 安雄  
代理人 平井 安雄  
代理人 平井 安雄  
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