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審決分類 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正しない F24C
審判 訂正 2項進歩性 訂正しない F24C
管理番号 1345115
審判番号 訂正2018-390036  
総通号数 228 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-12-28 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2018-02-26 
確定日 2018-10-09 
事件の表示 特許第3797904号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第3797904号(以下「本件特許」という。)に係る出願は、平成13年10月2日の出願であって、平成18年4月28日に特許権の設定登録がされたものであって、平成30年2月26日に本件訂正審判の請求がされたものである。そして、平成30年3月28日付けで当審より訂正拒絶理由が通知され、これに対して、平成30年4月27日に審判請求書を補正対象とする手続補正書及び意見書が提出されたものである。


第2 訂正拒絶理由の概要
当審が平成30年3月28日付けで通知した訂正拒絶理由の要旨は、以下のとおりである。

訂正後発明2、4、8は、引用例1記載の発明、引用例3記載の事項及び周知の構成から、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、独立特許要件を満たさないから、特許法第126条第7項の規定に適合しない。

なお、本件特許に関し、東京地方裁判所において侵害訴訟事件(平成29年(ワ)第10742号)の判決言渡が平成29年12月25日にあったところ、当該侵害訴訟事件における無効の抗弁中、進歩性の欠如について平成30年3月12日付けで刊行物等提出書が提出された。上記訂正拒絶理由は、当該進歩性の欠如についての無効理由に相当するものである。

引用例1:欧州特許出願公開第1010949号明細書
引用例2:独国特許出願公開第3909126号明細書
引用例3:独国特許出願公開第19709333号明細書
引用例4:欧州特許出願公開第0578600号明細書
添付資料5:HITACHIの「クッキングヒータ総合カタログ2001.4
添付資料6:Nationalの「IHクッキングヒータ総合カタログ2000/秋
添付資料7:HITACHIの「クッキングヒータ総合カタログ2001.7


第3 手続補正の適否
1 補正の内容
請求人が平成30年4月27日に提出した手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)は、請求項4及び8を削除するものである。

2 本件補正についての当審の判断
本件補正は、請求項の削除であるから、審判請求書の要旨を変更するものでない。よって、本件補正は特許法第131条の2第1項の規定に適合するから、本件補正は認める。

第4 請求の趣旨
本件審判請求は、特許第3797904号の願書に添付した明細書を、本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり、訂正後の請求項2、4、8について訂正することを求めるものである。


第5 本件審判請求に対する当審の判断
1 訂正内容
本件訂正の内容は本件補正により補正された審判請求書に添付された訂正明細書に記載されたとおりのものであって、以下のとおりである。

(1)訂正事項1
請求項2に「前記トッププレートの下方に、前記加熱手段の火力を表示する表示手段を備え、前記通信用投光部を、前記表示手段の近傍に配置したことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。」とあるのを、「鍋などの調理容器が載置されるトッププレートと、
このトッププレートの下方であって左右方向に並設された調理用の2つの電磁誘導式の加熱手段と、
この加熱手段を制御する通電制御手段と、
前記トッププレートの下方に配設され、当該トッププレートを通して光信号を上方に向けて発する通信用投光部と、
前記トッププレートの下方かつ前記加熱手段のそれぞれの前側に対応して配置され、当該加熱手段の火力を前記トッププレートを透過して表示する表示手段とを具備し、
記通電制御手段は、前記通信用投光部を介して、前記トッププレートの上方に配設される換気装置を制御する機能を有し、
前記トッププレートを、前記光信号の波長が透過する光透過性を有する耐熱強化ガラスから構成し、
前記通信用投光部を、前記表示手段の近傍にそれぞれ配置したことを特徴とする加熱調理器。」と訂正する。

(2)訂正事項2
請求項4を削除する。

(3)訂正事項3
請求項8を削除する。


2.訂正の適否
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的
上記訂正事項1は、訂正前の請求項2が請求項1の記載を引用する記載であるところ、請求項間の引用関係を解消して、請求項1の記載を引用しないものとするとともに、訂正前の「加熱手段」について「左右方向に並設された」「2つの電磁誘導式」であること、「表示手段」について「前記加熱手段のそれぞれの前側に対応して配置され」、加熱手段の火力を「トッププレートを透過して」表示すること、及び「通信用投光部」の表示手段の近傍への配置が、「それぞれ」であることを限定するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮及び第4号に規定する他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
上記訂正事項1は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項に適合するものである。

ウ 願書に添付した明細書、又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項1は、「加熱手段」が「左右方向に並設された」「2つの電磁誘導式」であるについては、本件特許明細書の【0021】の「図5に示すように、それぞれ調理用の加熱手段を構成する左IH用の加熱コイル20と、右IH用の加熱コイル21と」、【0016】の「加熱手段は、少なくとも電磁誘導加熱用の加熱コイルを含んでいる」及び図5に記載され、「表示手段」が「前記加熱手段のそれぞれの前側に対応して配置され」、加熱手段の火力を「トッププレートを透過して」表示することについては、【0022】の「左側のプリント基板23には、左側の加熱コイル20の前側に位置させて多数個の表示用LED25からなる左用LED群(表示手段)26が、加熱コイル20の外周部に沿うようにして弧状に配設されている。また、右側のプリント基板24には、右側の加熱コイル21の前側に位置させて多数個の表示用LED25からなる右用LED群(表示手段)27が、加熱コイル21の外周部に沿うようにして弧状に配設されていると共に、・・・各LED群26,27,28は、対応する加熱コイル20,21、中央ヒータ22の火力を表示するようになっており、対応する加熱コイル20,21、中央ヒータ22の火力が強い場合には表示用LED25の点灯個数が多くなり、火力が弱い場合には表示用LED25の点灯個数が少なくなる。」(「・・・」は省略を意味する。以下同じ。)に記載され、並びに「通信用投光部」の表示手段の近傍への配置が、「それぞれ」であることについては、【0022】の「左側のプリント基板23には、左側の加熱コイル20の前側に位置させて多数個の表示用LED25からなる左用LED群(表示手段)26が、加熱コイル20の外周部に沿うようにして弧状に配設されている。また、右側のプリント基板24には、右側の加熱コイル21の前側に位置させて多数個の表示用LED25からなる右用LED群(表示手段)27が、加熱コイル21の外周部に沿うようにして弧状に配設されていると共に」、【0023】の「前側の上記両プリント基板23,24に、それぞれ通信用投光部を構成する」に記載されているから、願書に添付した明細書、又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第126条第5項に適合するものである。

(2)訂正事項2、3について
ア 訂正の目的
上記訂正事項2、3は、訂正前の請求項4及び8を削除するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
上記訂正事項2、3は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項に適合するものである。

ウ 願書に添付した明細書、又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項2、3は、上記アのとおりであるから、願書に添付した明細書、又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第126条第5項に適合するものである。

(3)一群の請求項について
訂正前の請求項2、4、8は、請求項4及び8が、訂正の請求の対象である請求項2の記載を引用する関係にあるから、訂正前において一群の請求項に該当するものである。したがって、訂正の請求は、一群の請求項ごとにされたものである。

(4)独立特許要件について
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号又は第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第3項、第5項及び第6項の規定に適合する。訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするので、以下、同条第7項の規定に適合するか否かについて検討する。

ア 訂正後の請求項2に係る発明
訂正後の請求項2に係る発明(以下「訂正後発明2」という。)は、以下のとおりである。

【請求項2】
鍋などの調理容器が載置されるトッププレートと、
このトッププレートの下方であって左右方向に並設された調理用の2つの電磁誘導式の加熱手段と、
この加熱手段を制御する通電制御手段と、
前記トッププレートの下方に配設され、当該トッププレートを通して光信号を上方に向けて発する通信用投光部と、
前記トッププレートの下方かつ前記加熱手段のそれぞれの前側に対応して配置され、当該加熱手段の火力を前記トッププレートを透過して表示する表示手段とを具備し、
前記通電制御手段は、前記通信用投光部を介して、前記トッププレートの上方に配設される換気装置を制御する機能を有し、
前記トッププレートを、前記光信号の波長が透過する光透過性を有する耐熱強化ガラスから構成し、
前記通信用投光部を、前記表示手段の近傍にそれぞれ配置したことを特徴とする加熱調理器。

イ 引用発明
引用例1には、以下の記載がある(以下「#」は、ウムラウト記号付きを表す。但し「ss#」はエスツェットを表す。)。
(ア)「[0001] Die Erfindung bezieht sich auf eine Gera#tekombination, umfassend ein Gargera#t und eine Dunstabzugseinrichtung. Auss#erdem bezieht sich die Erfindung auf ein Verfahren zum Betreiben einer Gera#tekombination, die ein Garger#t und eine Dunstabzugseinrichtung umfasst.
[0002] In der Ku#che eines privaten Haushalts und in der Ku#che eines Gastronomiebetriebs ist u#ber einem Gargera#t in der Regel eine Dunstabzugseinrichtung angeordnet, die die beim Kochen entstehenden Da#mpfe aus der Ku#che absaugt. Dabei muss# die Dunstabzugseinrichtung vom Gera#tebediener selbsta#ndig einund ausgeschaltet werden. Ha#ufig wird das Einschalten der Dunstabzugseinrichtung jedoch erst verspa#tet vorgenommen oder ganz vergessen, was zu einer Geruchsbela#stigung und zu einem ungewollten Verteilen des im Kochdampfs enthaltenen Fetts in der Ku#che selbst und ggfs. auch in an die Ku#che angrenzenden Wohnra#umen fu#hrt. Selbst wenn der Gera#tebediener nicht vergessen haben sollte, die Dunstabzugseinrichtung rechtzeitig einzuschalten, kann es jedoch auch in einem solchen Fall immer noch vorkommen, dass die Dunstabzugseinrichtung nicht entsprechend stark oder schwach arbeitet.
[0003] Ein weiterer Nachteil derzeitiger Gera#tekombinationen aus Gargera#t und Dunstabzugseinrichtung besteht darin, dass die Dunstabzugseinrichtung u#ber eigene Bedien- und Anzeigeelemente verfu#gt, deren Reinhaltung oftmals schwierig ist und auch bei Anwendung gra#ss#ter Sorgfalt nicht immer hygienisch einwandfrei zu bewerkstelligen ist. Dieser Nachteil tritt besonders dann zutage, wenn auch noch die Bedien- und Anzeigeelement fu#r das Gargera#t in die Dunstabzugseinrichtung integriert sind, wie dies beispielsweise in der DE 39 09 126 A1 offenbart ist.
[0004] Der Erfindung liegt daher die Aufgabe zugrunde, eine Gera#tekombination, umfassend ein Gargera#t und eine Dunstabzugseinrichtung, und ein Verfahren zum Betreiben einer Gera#tekombination, die ein Gargera#t und eine Dunstabzugseinrichtung umfasst, anzugeben, mit denen ein bedarfsgerechter Betrieb der Dunstabzugseinrichtung ermo#glicht ist.」
(当審訳:[0001]
本発明は、調理機器と排煙装置とを有する機器コンビネーションに関する。また、本発明は、調理機器と排煙装置とを有する機器コンビネーションを運転するための方法に関する。
[0002]
一般家庭のキッチンおよび営業レストランのキッチンには、調理機器の上に通常は排煙装置が配置されており、この排煙装置は調理の際に発生する蒸気をキッチンから排出する。この場合、排煙装置は機器使用者によって自力でスイッチオンおよびスイッチオフされなければならない。しかしながら、しばしば排煙装置のスイッチオンは、後になって初めて行われるか、または完全に忘れられる。これは、嗅覚にとって有害であり、キッチン自体に調理蒸気内に含まれる油脂の不都合な拡散をもたらし、場合によってはキッチンに隣接する居室にも拡散させることになる。機器使用者が排煙装置を早めにスイッチオンすることを忘れなくても、排煙装置が相応に強くまたは弱く作業しない場合、このような事態が常に発生する。
[0003]
調理機器および排煙装置から成る今日の機器コンビネーションのその他の欠点は、排煙装置が操作および表示エレメントを有していて、この操作および表示エレメントを清潔に保っておくことはしばしば困難であり、細心の注意をはらって使用した場合でも、常に衛生的で申し分なく使用できるとは限らない。このような欠点は、特に、例えばドイツ連邦共和国特許公開第3909126号明細書に開示されているように、調理機器のための操作および表示エレメントが排煙装置内に組み込まれている場合でも、明らかである。
[0004]
そこで本発明の課題は、必要に応じて排煙装置の運転を可能にするような、調理機器と排煙装置とを有する機器コンビネーション、および調理器機器と排煙装置とを有する機器コンビネーションを運転するための方法を提供することである。)

(イ)「[0006] Die Gera#tekombination gema#ss# Anspruch 1 umfasst
a) ein Gargera#t, insbesondere einen Garofen (Back- und Bratofen) und/oder ein Kochfeld (Kochmulde, Kochstelle),
b) wenigstens ein Bedienelement (Beta#tigungselement) fu#r das Gargera#t zum Auswa#hlen wenigstens eines Betriebszustandes des Gargera#tes und
c) eine Dunstabzugseinrichtung zum Absaugen von im Betrieb des Gargera#tes entstehenden Gardu#nsten (Wrasen),
d) eine Steuereinrichtung, die mit dem wenigstens einen Bedienelement fu#r das Gargera#t und mit der Dunstabzugseinrichtung verbunden ist und bei wenigstens einer vorgegebenen Beta#tigung (durch eine Bedienperson) des Bedienelements oder eines der Bedienelemente fu#r das Gargera#t, insbesondere beim Einschalten des Gargera#ts, sowohl einen entsprechenden Betriebszustand des Gargera#tes einstellt als auch einen Absaugbetrieb der Dunstabzugseinrichtung aktiviert.」
(当審訳[0006]
請求項1に記載した機器コンビネーションは、
a)調理機器、特に調理オーブン(ベークオーブンおよびローストオーブン)および/または調理天板(調理台、ホットプレート)を有しており、
b)調理機器の少なくとも1つの運転状態を選択するための調理機器用の少なくとも1つの操作エレメント(作業エレメント)を有しており、
c)調理機器の運転中に発生する調理煙霧(湯気)を吸引するための排煙装置を有しており、
d)コントロールユニットを有しており、該コントロールユニットが、調理機器のための少なくとも1つの操作エレメントおよび排煙装置に接続されていて、調理機器のための操作エレメントまたは該操作エレメントのうちの1つの少なくとも1つの所定の操作(操作員による)時、特に調理機器のスイッチオン時に、調理機器の相応の運転状態を調節するとともに、排煙装置の吸引運転も作動させるようになっている。)

(ウ)「[0008] Auf diese Weise ist es gema#ss# der Erfindung mo#glich, den Betrieb der Dunstabzugseinrichtung an den Betrieb des Gargera#ts zu koppeln, so dass das Einschalten der Dunstabzugseinrichtung beim Einschalten oder Auswa#hlen des Betriebszustandes des Gargera#tes oder beim Betrieb des Gargera#tes automatisch vorgenommen wird und nicht wegen Vergesslichkeit unterbleibt. Auss#erdem ko#nnen gegebenenfalls Bedienelemente der Dunstabzugseinrichtung eingespart werden, wodurch glatte, nicht von Bedienelementen durchbrochene Fla#chen gestaltet werden ko#nnen, die sich einwandfrei reinigen lassen.」
(当審訳:[0008]
このような形式で、本発明によれば、排煙装置の運転と調理機器の運転とを連動させることができるので、排煙装置のスイッチオンは、調理機器の運転状態のスイッチオン若しくは選択時にまたは調理機器の運転時に自動的に行われ、失念のために行われないことはない。しかも、場合によっては排煙装置の操作エレメントを節約することができ、これによって、操作エレメントによって破断されていない、十分に清掃することができる滑らかな面が形成される。)

(エ)「[0010] In einer besonders vorteilhaften Ausfu#hrungsform ist das wenigstens eine Bedienelement, u#ber das sowohl das Gargera#t (direkt) als auch die Dunstabzugseinrichtung (indirekt) aktiviert und vorzugsweise auch deaktiviert werden kann, am oder im Gargera#t angeordnet, beispielsweise unterhalb eines Kochfeldes oder an einer Bedienblende. So erha#lt man einen kompakte, u#bersichtliche Anordnung der Bedienelemente beider Gera#te. Die Bedienelemente ko#nnen aber auch an einem separat in einem Einbaumo#bel einbaubaren Schaltkasten vorgesehen sein.
[0011] Um zusa#tzlich garantieren zu ko#nnen, dass die Dunstabzugseinrichtung auch mit einer bedarfsgerechten Absaugleistung arbeitet, ist es in einer vorteilhaften Weiterbildung vorgesehen, dem am Bedienelement eingestellten Betriebszustand des Gargera#tes eine diesem Betriebszustand Rechnung tragende Absaugleistung der Dunstabzugseinrichtung zuzuordnen. Hierunter kann beispielsweise verstanden werden, dass die Absaugleistung mit der Garintensita#t, insbesondere einer Gartemperatur, einer Garenergie (Heizenergie) oder einer Garleistung (Heizleistung), monoton oder streng monoton, vorzugsweise proportional (linear) zunimmt. Dazu kann ein im Gargera#t hinterlegtes Kennfeld abgerufen werden, das einer gewa#hlten oder bereits eingestellten Garintensita#t oder einem Garprogramm einen Wert fu#r die Absaugleistung zuordnet. Die Steuereinrichtung steuert dann die Gebla#seeinrichtung der Dunstabzugseinrichtung entsprechend diesem Absaugleistungswert an. So kann insbesondere die Absaugleistung abha#ngig von einer Kochstufe einer Kochstelle an einem Kochfeld oder auch von einem Garprogramm an einem Kochfeld oder einem Garofen sein. Beispielsweise kann f#r den Grillbetrieb des Garofens die maximale Absaugleistung der Dunstabzugseinrichtung vorgegeben werden, wa#hrend bei einem Heiss#luftbetrieb nur eine vergleichsweise niedrige Absaugleistung der Dunstabzugseinrichtung vorgegeben wird. In einer einfachen Ausfu#hrungsform kann aber auch die Dunstabzugseinrichtung bei eingeschaltetem Gargera#t unabha#ngig vom Betriebszustand des Gargera#tes mit einer im Wesentlichen konstanten Absaugleistung betrieben werden.
[0012] In zweckma#ss#iger Weiterbildung der Erfindung ist es entsprechend realisiert, mit dem Ausschalten des Gargera#ts den Absaugbetrieb der Dunstabzugseinrichtung zu deaktivieren. Hierbei kann es zweckma#ss#ig sein, die Deaktivierung des Absaugbetriebs zeitverzo#gert auszufu#hren, so dass noch eine gewisse Zeitdauer lang noch vorhandene Garda#mpfe und/oder auch durch das Warmhalten der gekochten Speisen noch entstehende Garda#mpfe abgesaugt werden ko#nnen. Um diese Zeitverzo#gerung besonders bedarfsgerecht auszugestalten, kann die Dauer der Zeitverzo#gerung von den zuvor durchlaufenen Betriebszusta#nden des Gargera#ts abha#ngig gemacht sein. In Anlehnung an die voranstehend geschilderten Beispiele kann die Ausschaltverzo#gerung bei einem vorangegangenen Grillbetrieb des Backofen wesentlich gro#ss#er sein, z.B. 15 Minuten, als bei einem vorangegangenen Heizluftbetrieb mit niedriger Temperatur, hier z.B. nur 5 Minuten.
[0013] Zur Erzielung eines optisch schlichten Designs und einer hygienisch besonders vorteilhaften Lo#sung ist eine kabelloser Daten- und/oder Signalu#bertragung zwiwchen der Dunstabzugseinrichtung und dem Gargera#t oder dem Bedienkasten fu#r das Gargera#t vorgesehen. Die Dunstabzugseinrichtung verfu#gt so u#ber keine sichtbare Verbindung zum Gargera#t; aufgrund eines fehlenden Kabels entfallen auch la#stige Kanten und Hohlraum um das Kabel herum, in denen sich ansonsten Fettspritzer und dergleichen halten ko#nnen. Zur drahtlosen u#bertragung ko#nnen alle an sich beklannten u#bertragungsmittel verwendet werden, insbesondere Infrarot-, Radio-, oder Ultraschall-Sender und -Empfa#nger. Die u#bertragung kann insbesondere auch bidirektional sein, so dass nicht nur der Betrieb der Dunstabzugseinrichtung vom Gargera#t aus steuerbar, sondern auch Ru#ckmeldungen der Dunstabzugseinrichtung an das Gargera#t u#bertragen werden ko#nnen. Beispiele hierfu#r ko#nnten die Meldungen der Dunstabzugseinrichtung sein, dass die Fettfilter gereinigt werden mu#ssen oder dass der Motor aus anderen Gra#nden u#berhitzt ist. Es ist dann zweckma#ss#igerweise am Gargera#t (oder am Bedienkasten) mindestens ein Anzeigeelement zur Darstellung des entsprechenden Betriebszustandes oder der Fehlfunktion der Dunstabzugseinrichtung vorgesehen.」
(当審訳:[0010]
特に好適な実施例によれば、調理機器(直接的に)も排煙装置(間接的に)も作動させ、かつ好適な形式で作動停止させることもできる、少なくとも1つの操作エレメントが、調理機器の外側にまたは内側に配置され、例えば調理天板の下側または操作孔に配置されていてよい。これによって、2つの機器の操作エレメントの、コンパクトで見通しのよい配置が得られる。また、操作エレメントは、ビルトイン家具内に別個に組み込み可能なスイッチボックスに設けられていてもよい。
[0011]
追加的に、排煙装置が必要に応じた吸引出力で作業するように保証するために、好適な実施態様によれば、操作エレメントで調節された調理機器の運転状態に、この運転状態を考慮した排煙装置の吸引出力が割り当てられるようになっている。このことは、例えば吸引出力は、調理の強さ、特に調理温度、調理エネルギ(加熱エネルギ)または調理能力(加熱出力)が増加すると、単調にまたは厳密に単調に、好適には比例して(線形に)増大する、という意味である。このために、調理機器に記憶された特性マップが呼び出され、この特性マップは、選択されたまたは既に調節されている調理の強さまたは調理プログラムに、吸引出力のための値を割り当てる。次いで、コントロールユニットが、排煙装置のファン装置をこの吸引出力値に合わせて制御する。従って、特に吸引出力は、調理天板におけるホットプレートの調理段階に、または調理天板若しくは調理オーブンにおける調理プログラムにも依存していてよい。例えば、調理オーブンのグリル運転のために排煙装置の最大吸引出力が設定され、これに対して、熱気運転においては、排煙装置の比較的低い吸引出力だけが設定される。しかしながら、最も簡単な実施例では、排煙装置も、調理機器がスイッチオンされた状態で調理機器の運転状態とは無関係に、概ね一定の吸引出力で運転される。
[0012]
本発明の好適な実施形態では、相応に、調理機器のスイッチオフとともに排煙装置の吸引運転を作動停止させるようになっている。この場合、好適な形式で、吸引運転の作動停止は、時間を遅らせて実施されるので、さらに所定の時間長さだけ長く、まだ存在している調理蒸気を吸引することができ、かつ/または調理された料理を温かく保つことによってなお発生する調理蒸気を吸引することができる。この時間遅延を特に必要に応じて準備するために、時間遅延の長さは、前に行われた調理機器の運転状態に依存して行われてよい。前記説明した例に基づいて、オーブンの先行するグリル運転におけるスイッチオフ遅延は、例えば5分だけである、先行する低い温度の熱気運転におけるよりも著しく長く、例えば15分であってよい。
[0013]
視覚的にフラットなデザイン、および衛生的に特に好適な解決策を得るために、排煙装置と調理機器または調理機器のための操作ボックスとの間で、ワイヤレスなデータおよび/または信号伝送が行われる。従って、排煙装置は、調理機器との目に見える接続を有していない。ケーブルが設けられていないことに基づいて、ケーブルを取り囲む邪魔な縁取りおよび中空スペースも省くことができ、そうでなければ、この中空スペース内に油脂飛沫等が溜まることになる。ワイヤレスな伝送のために、公知のすべての伝送手段、特に赤外線-、無線-または超音波-送受信機を使用することができる。伝送は、特に双方向であってもよいので、排煙装置の運転だけが調理機器から制御可能なのではなく、排煙装置のフィードバックも調理機器に伝送され得る。これは例えば、油脂フィルタを清掃する必要があるかまたはモータがその他の理由により過熱されていることの排煙装置の報告であってよい。この場合、好適な形式で、調理機器(または操作ボックス)に、排煙装置の相応の運転状態または機能不良を表示するための少なくとも1つの表示エレメントが設けられている。)

(オ)「[0017] Fig. 1 zeigt einen Einbau-Elektroherd, nachfolgend als Herd 2 bezeichnet, und eine daru#ber angeordnete Dunstabzugseinrichtung 4. Die Dunstabzugseinrichtung 4 verfu#gt im vorliegenden Ausfu#hrungsbeispiel u#ber keine eigenen Bedien- und Anzeigeelemente. Statt dessen wird der Betrieb der Dunstabzugseinrichtung 4 einzigallein von dem Herd 2 gesteuert. Dabei sind fu#r den Datenaustauch zwischen dem Herd 2 und der Dunstabzugseinrichtung 4 kombinierte Sender/Empfa#nger-Felder 6 in Infrarot-Technik im Herd 2 bzw. in der Dunstabzugseinrichtung 4 vorgesehen. Auf diese Weise erfolgt der Datenaustausch kabellos, so dass die Dunstabzugseinrichtung 4 optisch selbsta#ndig angeordnet ist und keine beispielsweise bei der Reinigung sto#rende Kabelverbindung vorgesehen sein muss#.
[0018] Mit der Beta#tigung eines Knebels 10 am Herd 2 wird die Dunstabzugseinrichtung 4 automatisch in Betrieb genommen. Eine hier nicht weiter dargestellte Steuereinheit des Herd 2 sorgt fu#r die Ausstrahlung einer geeigneten Infrarot-Signalsequenz, die eine hier nicht weiter dargestellte Steuereinheit der Dunstabzugseinrichtung 4 auswertet und einen hier nicht weiter dargestellten Lu#ftermotor der Dunstabzugseinrichtung 4 entsprechend einstellt. Die vorgesehene Absaugleistung der Dunstabzugseinrichtung wird beispielsweise dem noch nachfolgend zu Figur 3 zu erla#uternden Kennfeld entnommen.
[0019] Gleichzeitig mit der Beta#tigung des Knebels 10 wird auch eine Beleuchtung 12 der Dunstabzugseinrichtung 4 aktiviert. Die Beleuchtung 12 wird jedoch nur dann auch tatsa#chlich eingeschaltet, wenn ein in der Dunstabzugseinrichtung 4 angeordneter Da#mmerungsschalter 14 eine unzureichende Lichtsituation detektiert hat. Daru#ber hinaus wird die Beleuchtung 12 auch bei unzureichender Lichtsituation wieder ausgeschaltet, wenn ein ebenfalls in der Dunstabzugseinrichtung 4 angeordneter Bewegungsmelder 16 la#nger als eine vorbestimmte Zeitdauer keine Bewegung im Umfeld des Herds 2, also kein Herumhantieren am Herd 2 oder an auf dem Kochfeld 18 befindlichen Kochgefa#ss#en, meldet. Diese Zeitdauer betra#gt im Ausfu#hrungsbeispiel zwei Minuten.」
(当審訳:[0017]
図1は、ビルトイン電気調理器具(以下では調理器具2と呼ぶ)、およびその上に配置された排煙装置4を示す。排煙装置4は、図示の実施例では固有の操作および表示エレメントを有していない。その代り、排煙装置4の運転は調理器具2だけによって制御される。この場合、調理器具2と排煙装置4との間のデータ交換のために、組み合わされた、赤外線技術の送受信フィールド6が調理器具2内若しくは排煙装置4内に設けられている。このような形式でデータ交換がワイヤレスで行われるので、排煙装置4は、視覚的に独立して配置されていて、例えば清掃時にじゃまになるケーブル接続を設ける必要がない。
[0018]
調理器具2に設けられたボタン10を操作することによって、排煙装置4は自動的に作動される。ここには詳しく図示していない、調理器具2のコントロールユニットは、適切な赤外線信号シーケンスの放射を制御し、この赤外線信号シーケンスは、ここには詳しく図示していない、排煙装置4のコントロールユニットを評価し、ここには詳しく図示していない、排煙装置4のファンモータを相応に調節する。排煙装置の所定の吸引出力は、例えば以下に図3を用いて説明されている特性マップに記載されている。
[0019]
ボタン10の操作と同時に、排煙装置4の照明12も作動される。しかしながら、照明12は、排煙装置4内に配置された薄明スイッチ14が不十分な光状況を検出したときにのみ、実際にスイッチオンされる。さらに、同様に排煙装置4内に配置された動作検出器16が、調理器具2周辺に所定の時間長さより長く動きがない、つまり調理器具2または調理天板18上に位置する調理用具の操作がないことを報告すると、不十分な光状況においても、照明12は再びスイッチオフされる。この時間の長さは、この実施例では2分である。)

(カ)「図1



(キ)図1から、鍋などの調理容器が載置される調理天板18の下方には、加熱手段が左右に並設されていることが看取できる。

(ク)したがって、上記記載を総合し、訂正後発明の表現に倣って整理すると、引用例1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているといえる。

「鍋などの調理容器が載置される調理天板18と、この調理天板18の下方に配設された調理用の加熱手段と、この加熱手段を制御する調理器具2のコントロールユニットと、光信号を上方に向けて発する調理器具2の送受信フィールド6とを具備し、前記調理器具2のコントロールユニットは、前記調理器具2の送受信フィールド6を介して、前記調理天板18の上方に配設される排煙装置4を制御する機能を有し、加熱手段が左右に並設された加熱調理器具。」

ウ 対比
訂正後発明2と引用発明を対比すると、引用発明の「調理天板18」は、その機能から、訂正後発明2の「トッププレート」に相当し、以下同様に、「コントロールユニット」は「通電制御手段」に、「送受信フィールド6」は「通信用投光部」に、「排煙装置4」は「換気装置」に、「加熱調理器具」は「加熱調理器」にそれぞれ相当する。
引用発明の「この調理天板18の下方に配設された調理用の加熱手段」は、「加熱手段が左右に並設された」ものであるから、訂正後発明2の「このトッププレートの下方であって左右方向に並設された調理用の2つの」「加熱手段」に相当する。

そうすると、訂正後発明2と引用発明とは、以下の点で一致し、相違する。
<一致点>
「鍋などの調理容器が載置されるトッププレートと、
このトッププレートの下方であって左右方向に並設された調理用の2つの加熱手段と、
この加熱手段を制御する通電制御手段と、
光信号を上方に向けて発する通信用投光部と、
前記通電制御手段は、前記通信用投光部を介して、前記トッププレートの上方に配設される換気装置を制御する機能を有した加熱調理器。」

<相違点1>
加熱手段について、訂正後発明2は、「電磁誘導式」であるのに対して、引用発明は、電磁誘導式であるか不明な点。
<相違点2>
通信用投光部について、訂正後発明2は、「前記トッププレートの下方に配設され、当該トッププレートを通して」発するのに対して、引用発明は、トッププレートとの関係が不明である点。
<相違点3>
訂正後発明2は、「前記トッププレートの下方かつ前記加熱手段のそれぞれの前側に対応して配置され、当該加熱手段の火力を前記トッププレートを透過して表示する表示手段」を具備するのに対して、引用発明は、表示手段を有するか不明である点。
<相違点4>
トッププレートについて、訂正後発明2は、「前記光信号の波長が透過する光透過性を有する耐熱強化ガラスから構成」されているのに対して、引用発明は、性質、材質が不明である点。
<相違点5>
通信用投光部について、訂正後発明2は、「前記表示手段の近傍にそれぞれ配置した」のに対して、引用発明は、そのように特定されていない点。

エ 判断
<相違点1について>
加熱手段として、電磁誘導式の加熱手段を用いることは、周知(例えば、添付資料5?7参照。)であって、引用発明において、当該周知の加熱手段を適用し、上記相違点1に係る訂正後発明2の事項とすることは、当業者が容易になし得たことである。

<相違点2?5について>
引用例2には、調理レンジの上方に設けられたレンジフードに、調理レンジの操作ユニットと、操作ユニットに接続された赤外線送信機及び受信機とを配置し、調理レンジのガラスセラミック調理プレートの調理領域近傍に、出力切換部と出力切換部に接続された赤外線受信機及び送信機を配置し、レンジフードの赤外線送受信機と調理レンジの赤外線受信機との間で、赤外線により双方向の信号伝達を行うに当たり、その調理レンジ側の赤外線送受信器を、調理レンジのガラスセラミック調理プレートの下方に配置することにより、ガラスセラミックプレートに穿孔を生じさせないとともに、その平滑な表面を阻害しないという技術的事項が記載されており、当該技術的事項は周知である。
また、調理レンジの天板の上面上は、加熱調理による調理容器からの調理物の吹きこぼれ等による汚損のおそれがあることは、自明であり、引用例3によると、赤外線送受信機が吹きこぼれた調理物に接すれば、損傷等の危険性があることが認められる。穿孔のない調理レンジのガラスセラミック調理プレートの下方は、調理物の吹きこぼれの落下による損傷から装置を保護できる位置であり、赤外線送受信機を、穿孔のない調理レンジのガラスセラミック調理プレートの下方に配置することにより、赤外線送受信機の調理物による汚損防止を図ることができ、その結果として、通信の信頼性が向上することは、当業者にとって自明である。
そして、引用発明と引用例2に記載された前記の技術とは、換気装置と調理器具との間で赤外線により信号伝達を行う点で共通するところ、信号伝達を行う場合、その信号伝達の信頼性の向上を図ることは、普遍的な課題であるといえるから、通信の信頼性を向上させるために、赤外線送受信機の損傷を防ぐために、引用発明に引用例2に記載された前記周知の技術的事項を組み合わせることには、動機付けがある。
また、引用例2?4の記載によると、調理器具のトッププレート(調理天板)として赤外線を透過するセラミックガラス(強度,耐熱性のある結晶化ガラス)を用いることは、調理器具において広く用いられている技術である。
これらのことからすると、引用発明において、光信号である赤外線の波長が透過する性質を有する耐熱強化ガラスであるセラミックガラス製で調理天板を構成し、赤外線送受信機を調理天板の下方に設けて、調理器具の送受信フィールドを構成すること、すなわち、通信用投光部がトッププレートの下方に配設され、当該トッププレートを通して光信号を上方に向けて発するという構成にすることは、当業者が容易に想到し得ることである。
また、引用例4には、「調理プレート内のヒータと同数の電力表示器が、・・・セラミックガラスの下方に存在でき、7セグメントの表示部が、動作中の各々の抵抗器の電力の容易な表示を可能にする。」(平成30年3月12日付け刊行物等提出書に添付の訳文(以下「訳文」という。)4頁17?19行)との記載があり、また、添付資料5?7によると、トッププレートの下方に、加熱手段の火力を表示する表示手段を備えた加熱調理器は、本件出願日前に一般に販売されていたことが認められるから、加熱調理器において、「トッププレートの下方に、加熱手段の火力を表示する表示手段を備え」る構成は、本件出願日当時に広く知られていた技術であったと認められ、同じく加熱調理器に関する引用発明に、上記の広く知られた技術を適用するのに何らの困難もない。なお、当該表示手段は、使用者に加熱手段の火力を表示するものであるから、調理容器により視認することが妨げられにくい箇所に備えられるべきことは、当業者が当然に考慮すべき事項である。
次に、引用例2には「特別な場合においては、受信機(4)は例えば鍋又はその他の物体によって覆われることがあり得る。伝達区間は、これにより遮断されている。」(訳文3頁下から6?5行)との、引用例3には「機能の信頼性を高めるために、トッププレートの下側の異なる位置に、優先的に調理ゾーンの外側に配置される複数の赤外線受信器を設けることができる。赤外線受信器の1つが例えば調理器によって覆われた場合においても尚、赤外線制御信号は別の赤外線受信器によって受信することができる。」(訳文2頁下から11?8行)との各記載があり、赤外線送受信装置を備える調理機器において、調理容器等により赤外線の送受信が遮られる可能性があり、その送受信の信頼性を確保するという課題は、当業者にとって、本件出願日当時、自明な課題であった。
そして、当該自明な課題につき、引用例2には「受信機(4)は、調理プレート(1)のこのような箇所、例えば右後ろに配置されており、鍋又はこれに類するものによってこの箇所が覆われることはできる限り起こり得ない。」(訳文3頁4?6行)との、引用例3には「図3は、4つの調理ゾーン20?23と、トッププレートのコーナーの下側に配置される4つの赤外線受信器4A?4Dを有するトッププレート2の実施形態を平面図で示す。複数の赤外線受信器4A、4B、4C、および4Dを設けることによって、これらの赤外線受信器4A?4Dの3つまでが調理器または別の物体によって覆われている場合も赤外線遠隔操作は機能する。」(訳文3頁下から5行?末行)との各記載があるから、調理容器により赤外線通信が遮断されにくい箇所に赤外線送受信機を配設する構成を採用することにより、上記自明な課題が解決されることも、本件出願日当時明らかであった。
また、添付資料5?7には、加熱手段のそれぞれの前側といえる位置に対応して配置され、当該加熱手段の火力を表示する表示する表示手段を設けることが記載されている。
そうすると、引用例1に接した当業者において、引用発明に、加熱手段の火力を表示する表示手段に係る上記技術を適用して、トッププレートの下方であって、調理容器により視認することが妨げられにくい箇所である加熱手段の前側に同表示手段を備えるものとし、同じくトッププレートの下方に配設され、調理容器により赤外線通信が遮断されにくい箇所に設けるべきとされる赤外線送受信機(「調理器具2の送受信フィールド6」)を、同表示手段の近傍に設けることは、調理器具の構造やデザインに応じ、適宜設計し得る事項であり、容易に想到し得たことというべきである。
ここで、請求人は、引用例2?4に開示されたシステムでは、調理機器の操作装置が調理機器の外部にあるから、表示手段が調理機器に存する必要がない旨主張する(平成30年4月27日付け意見書の5頁6?8行)が、引用発明に表示手段を設けることに何らの困難もないことは既に説示したとおりであり、このことは引用例2?4に開示されたシステムに表示手段を設ける動機付けがあるかによっては左右されない。
また、請求人は、引用例2及び3に記載された技術的事項では、表示手段が調理器具側に存在せず、表示手段が調理容器によって視認されることが妨げられるという事態が生じ得ないから、引用例2及び3に記載された技術的事項は、「調理容器により視認することが妨げられにくい箇所に表示手段を設ける」ことを前提としていない旨主張する(平成30年4月27日付け意見書の5頁11?13行)が、当業者において表示手段を調理容器により視認することが妨げられにくい箇所に設けることを想到し得ることは、上記のとおりであって、このことは、引用例2及び3に記載された技術的事項では、表示手段が調理器具の側に存在しないことによって左右されるものではない。
そうすると、引用発明において、周知の事項を適用し、相違点2?5に係る訂正後発明2の事項とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

<作用効果について>
訂正後発明2の、表示手段の近傍に投光部が配置されること、表示手段が二つのIHヒータのそれぞれの前側に対応して配置されることにより、より一層光信号が遮断される確率を小さくすることができるという作用効果は、当業者が予測可能な範囲のものであり、格別なものでない。

オ 小括
上記のとおりであるから、訂正後発明2は、引用発明及び周知の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。


第6 むすび
したがって、訂正後発明2は、特許法第29条第2項の規定により、独立特許要件を満たさないから、特許法第126条第7項の規定に適合しない。

よって、結論のとおり審決する。
































添付資料5











添付資料6











添付資料7

 
審理終結日 2018-07-24 
結審通知日 2018-07-27 
審決日 2018-08-27 
出願番号 特願2001-306494(P2001-306494)
審決分類 P 1 41・ 856- Z (F24C)
P 1 41・ 121- Z (F24C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 豊島 唯  
特許庁審判長 田村 嘉章
特許庁審判官 井上 哲男
佐々木 正章
登録日 2006-04-28 
登録番号 特許第3797904号(P3797904)
発明の名称 加熱調理器  
代理人 特許業務法人 サトー国際特許事務所  
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