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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1345374
審判番号 不服2017-17584  
総通号数 228 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-11-28 
確定日 2018-10-18 
事件の表示 特願2016- 17299「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 5月19日出願公開、特開2016- 83504〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成24年10月30日に出願した特願2012-239003号の一部を平成28年2月1日に新たな特許出願(特願2016-17299号)としたものであって、同年8月25日に手続補正書が提出され、平成29年1月11日付けで拒絶の理由が通知され、同年3月16日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年8月22日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、同年11月28日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
なお、請求人は、審査官が平成30年1月26日に作成した特許法第164条第3項に定める報告(前置報告)の内容に対して、同年3月16日に上申書(以下単に「上申書」という。)を提出している。

第2 平成29年11月28日にされた手続補正についての補正の却下の決定
〔補正の却下の決定の結論〕
平成29年11月28日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

〔理由〕
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正は、特許請求の範囲についてする補正を含むものであって、平成29年3月16日付け手続補正書によって補正された本件補正前の請求項1に、
「可変表示を行う遊技機であって、
遊技媒体が所定領域を通過したことにもとづいて、可変入賞装置を遊技媒体が入賞しやすい状態に制御することが可能な可変入賞装置制御手段と、
未だ開始していない可変表示において導出表示される表示結果が特定表示結果となるか否かを判定する判定手段と、
前記可変入賞装置が遊技媒体が入賞しやすい状態に制御されることを示唆する所定演出を実行する所定演出実行手段と、
前記判定手段による判定にもとづいて、当該判定の対象となった可変表示が実行される前の複数回の可変表示に亘って予告演出を実行するか否かを決定する予告演出決定手段と、
前記予告演出決定手段の決定にもとづいて前記予告演出を実行する予告演出実行手段とを備え、
前記所定演出実行手段は、
前記予告演出が実行されたときには、該予告演出が実行されないときに比べて、高い割合で前記所定演出を実行し、
前記可変入賞装置が遊技媒体が入賞しやすい状態に制御されている間、継続して前記可変入賞装置の位置を特定可能に報知する、遊技機。」とあったものを、

「可変表示を行う遊技機であって、
遊技媒体が所定領域を通過したことにもとづいて、可変入賞装置を遊技媒体が入賞しやすい状態に制御することが可能な可変入賞装置制御手段と、
未だ開始していない可変表示において導出表示される表示結果が特定表示結果となるか否かを判定する判定手段と、
前記可変入賞装置が遊技媒体が入賞しやすい状態に制御されることを示唆する所定演出を実行する所定演出実行手段と、
前記判定手段による判定にもとづいて、当該判定の対象となった可変表示が実行される前の複数回の可変表示に亘って予告演出を実行するか否かを決定する予告演出決定手段と、
前記予告演出決定手段の決定にもとづいて前記予告演出を実行する予告演出実行手段とを備え、
前記所定演出実行手段は、
前記予告演出が実行されたときには、該予告演出が実行されないときに比べて、高い割合で前記所定演出を実行し、
前記可変入賞装置が遊技媒体が入賞しやすい状態に制御されている間、継続して前記可変入賞装置の位置を報知し、
第1報知態様と、当該第1報知態様と異なる第2報知態様とに報知態様を切り替えて前記可変入賞装置の位置を報知する、遊技機。」とする補正を含むものである。
なお、下線は、補正前後の該当箇所を明示するために合議体が付した。

(2)本件補正後の請求項1に係る上記(1)の補正は、次の補正事項からなる。
本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「所定演出実行手段」が「前記可変入賞装置が遊技媒体が入賞しやすい状態に制御されている間、継続して前記可変入賞装置の位置を特定可能に報知する」ものから、「所定演出実行手段」が「前記可変入賞装置が遊技媒体が入賞しやすい状態に制御されている間、継続して前記可変入賞装置の位置を報知し、第1報知態様と、当該第1報知態様と異なる第2報知態様とに報知態様を切り替えて前記可変入賞装置の位置を報知する」とする補正。

2 本件補正の目的
(1)上記1(2)の補正は、願書に最初に添付された特許請求の範囲、明細書又は図面の【0345】、図46等の記載に基づいて、本件補正前の請求項1において記載されていた「前記可変入賞装置の位置を報知する」のが、「前記可変入賞装置の位置」を単に「報知する」だけでなく、「第1報知態様と、当該第1報知態様と異なる第2報知態様とに報知態様を切り替えて」「報知する」によるものであることに限定するものである。

(2)以上のとおり、本件補正後の請求項1に係る上記1(2)の補正は、新規事項を追加するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。また、本件補正後の請求項1に係る上記1(2)の補正は、本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が補正の前後において同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

3 独立特許要件について
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明を再掲すると、次のとおりのものである。なお、記号AないしFは、分説するため合議体が付した。

「A 可変表示を行う遊技機であって、
B 遊技媒体が所定領域を通過したことにもとづいて、可変入賞装置を遊技媒体が入賞しやすい状態に制御することが可能な可変入賞装置制御手段と、
C 未だ開始していない可変表示において導出表示される表示結果が特定表示結果となるか否かを判定する判定手段と、
D 前記可変入賞装置が遊技媒体が入賞しやすい状態に制御されることを示唆する所定演出を実行する所定演出実行手段と、
E 前記判定手段による判定にもとづいて、当該判定の対象となった可変表示が実行される前の複数回の可変表示に亘って予告演出を実行するか否かを決定する予告演出決定手段と、
F 前記予告演出決定手段の決定にもとづいて前記予告演出を実行する予告演出実行手段とを備え、
前記所定演出実行手段は、
D-1 前記予告演出が実行されたときには、該予告演出が実行されないときに比べて、高い割合で前記所定演出を実行し、
D-2 前記可変入賞装置が遊技媒体が入賞しやすい状態に制御されている間、継続して前記可変入賞装置の位置を報知し、
D-3 第1報知態様と、当該第1報知態様と異なる第2報知態様とに報知態様を切り替えて前記可変入賞装置の位置を報知する、遊技機。」

(2)引用例
ア 原査定の拒絶の理由で引用文献4として引用され、本願出願遡及日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2012-24267号公報(平成24年2月9日出願公開、以下「引用例1」という。)には、次の事項が図とともに記載されている(下線は引用発明等の認定に関連する箇所を明示するために合議体が付した。以下同様。)。
(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、図柄を変動表示させてから停止表示させる変動サイクルを1又は複数回連続して行うとともに、当該変動サイクル毎に特定の演出を行う連続演出を実行可能な遊技機に関するものである。
・・・略・・・
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、擬似連続演出や連続予告演出は、リーチ演出さえ実行されないはずれの図柄変動ゲームを対象にして行われたとき、大当りになるかもしれないことを示唆する大当り示唆演出が実行されないまま擬似連続演出又は連続予告演出が終了してしまう場合がある。このような場合、まだ擬似連続演出又は連続予告演出が継続して実行されるかもしれないと遊技者は期待しているにも係らず、擬似連続演出及び連続予告演出は終了してしまうので、遊技に対する興趣を低下させてしまう虞があった。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、図柄の変動表示及び停止表示を1又は複数回行う連続演出を実行する場合、当該連続演出がいつ終了するかを遊技者に認識させることのできる遊技機を提供することにある。」
(イ)「【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1?図16に基づいて説明する。
図1に示すようにパチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠12の前面側には前枠14が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠14は、図1に示すようにパチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠12に重なるように組み付けられている。前枠14は、中央部に窓口14aを有するとともに、該窓口14aの下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な上皿(貯留皿)15を一体成形した構成とされている。前枠14の裏面側には、機内部に配置された遊技盤13を保護するとともに窓口14aを覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。遊技盤13は、中枠12に装着される。また、遊技盤13及び前枠14には、発光演出を行う電飾表示部を構成する装飾ランプ16が配置されている。また、外枠11には、各種音声を出力して音声演出を行うスピーカ17が配置されている。
・・・略・・・
【0018】
図2に示すように、遊技盤13の右下方には、表示手段としての特別図柄表示装置H1とが設けられている。本実施形態では、特別図柄表示装置H1を7セグメント型の表示装置としている。特別図柄表示装置H1では、該特別図柄表示装置H1で変動させる図柄として設定される複数種類の特別図柄(以下、「特図」と示す場合がある)を1列で変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
・・・略・・・
【0029】
上始動入賞口25と下始動入賞口27の各奥方には、入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1,SW2(図5に示す)が配設されている。上始動入賞口25は、入球した遊技球を検知(入球検知)することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。同様に、下始動入賞口27は、入球した遊技球を検知(入球検知)することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
【0030】
また、遊技盤13において各始動入賞口25,27の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉28を備えた特別入賞手段としての大入賞口29が配設されている。大入賞口29の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図5に示す)が配設されている。大入賞口29は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉28の開動作によって大入賞口29が開放されて遊技球の入球が許容されるため、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄が確定停止表示されることを契機に付与される。
・・・略・・・
【0102】
主制御用CPU35aは、特別図柄に基づき特定される大当り遊技において、大当り遊技の開始時にオープニングコマンドを出力するとともに、各ラウンド遊技の開始時にラウンドコマンドを出力し、さらに大当り遊技の終了時にエンディングコマンドを出力する。オープニングコマンドはオープニング(演出)の開始を指示し、ラウンドコマンドはラウンド遊技(演出)の開始を指示し、エンディングコマンドはエンディング(演出)の開始を指示する。また、主制御用CPU35aは、特別図柄に基づき特定される大当り遊技において、各ラウンド遊技の開始時に、大入賞口29を開放させるように制御する。また、主制御用CPU35aは、特別図柄に基づき特定される大当り遊技において、ラウンド遊技毎に予め定めたラウンド遊技時間を計測するとともに、カウントスイッチSW3からの検知信号を入力してラウンド遊技中に入球した遊技球の入球個数をカウントする。そして、主制御用CPU35aは、大当り遊技の各ラウンド遊技において、ラウンド遊技時間が経過したこと、及び入球上限個数の遊技球が入球したことの何れかの終了条件を満たすことにより、大入賞口29を閉鎖させるように制御する。
・・・略・・・
【0129】
以下、主制御用CPU35aが、入賞検知時に行う先読みコマンド設定処理の処理内容を図9に基づき説明する。
先読みコマンド設定処理のステップS101において主制御用CPU35aは、特別図柄入力処理(図6)のステップS4で取得した乱数のうち大当り判定用乱数の値が、大当り判定値と一致するか否かを判定する(以下、この判定を「事前大当り判定」と示す)。この事前大当り判定において主制御用CPU35aは、現在の内部制御状態(入賞検知時の内部制御状態)に応じた大当り判定値を用いる。具体的に言えば、主制御用CPU35aは、現在の内部制御状態が確変状態である場合、高確率用の大当り判定値(共通大当り判定値と確変用大当り判定値)を用いて事前大当り判定を行う。一方で、主制御用CPU35aは、現在の内部制御状態(入賞検知時の内部制御状態)が非確変状態である場合、低確率用の大当り判定値(共通大当り判定値)を用いて事前大当り判定を行う。このように主制御用CPU35aは、各始動入賞口25,27で遊技球の入賞検知時、該入賞検知時に主制御用RAM35cに記憶された大当り判定用乱数の値が、後に行う大当り判定で大当りの当選とする判定結果となるか否かを事前判定するようになっている。
・・・略・・・
【0150】
次に、各種先読みコマンドを入力した統括制御用CPU36aの処理内容について説明する。
最初に、各種先読みコマンドを入力した統括制御用CPU36aが、当該コマンドの対象となった始動保留球に基づいた連続予告演出を実行し得る条件について図13及び図14に基づき説明する。
【0151】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、事前大当り判定が肯定の場合、その大当りが特別図柄B,Cに基づく15R短縮確変大当り遊技及び15R短縮非確変大当り遊技でなければ、内部制御状態で定めた始動保留球を対象として連続予告演出を実行可能に構成されている。換言すれば、事前大当り判定が肯定であってもその大当りが特別図柄B,Cに基づく大当り遊技である場合には、連続予告演出を実行不可能に構成されている。なお、事前大当り判定が否定で、且つ事前リーチ判定が肯定の場合には、内部制御状態に定めた始動保留球を対象として連続予告演出を実行可能に構成されている。
・・・略・・・
【0161】
そして、このように本実施形態のパチンコ遊技機10では、滞在中の演出モードと、大当りの場合に付与される大当り遊技の種類(特別図柄Aか否か)に応じて、連続予告演出が実行可能か実行不可能かを定めている。
【0162】
そして、各種先読みコマンドを入力した統括制御用CPU36aは、連続予告演出が実行可能であることを特定する場合、当該コマンドの対象となった始動保留球に基づく図柄変動ゲームを特定の図柄変動ゲーム(最終回の図柄変動ゲーム)とする連続予告演出を実際に実行するか否かを判定する。本実施形態において連続予告演出は、既に連続予告演出を実行している場合、実行しないようになっている。すなわち、統括制御用CPU36aは、これらの条件が成立した場合には連続予告演出を実行するか否かの判定を否定判定するとともに、前記条件が成立していない場合には実行抽選に当選することによって連続予告演出を実行するか否かの判定を肯定判定する。実行抽選は、所定の乱数を用いて行われるようになっており、対象となる始動保留球より以前に記憶されている始動保留球の数が多いほど当選確率が高められている。
【0163】
連続予告演出の実行を決定した統括制御用CPU36aは、連続予告演出の実行中であることを示す実行フラグを統括制御用RAM36cに設定する。それとともに、統括制御用CPU36aは、各種先読みコマンドに示される保留情報(何番目に記憶されているか、その前にどれだけ分の保留が存在しているか)にしたがって連続予告演出の対象とする図柄変動ゲームの回数を統括制御用RAM36cに設定する。そして、統括制御用CPU36aは、実行フラグ及び回数の設定後、前記回数分の変動パターン指定コマンドを入力する毎に、特定の演出の実行を指示する連続演出実行コマンドを表示制御用CPU37aに出力する。なお、統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドを入力する毎に前記回数を1減算するとともに、前記回数が「0(零)」になると実行フラグをクリアする。そして、連続演出実行コマンドを入力した表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲームの開始に伴って所定の演出を実行させるように演出表示装置H2(画像表示部GH)の表示内容を制御する。
【0164】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲーム中に、当該図柄変動ゲームが大当りとなることを報知する大当り報知演出を実行する。当該大当り報知演出では、実行された図柄変動ゲームが大当りとなることを報知するため、大当りとなる図柄変動ゲームでしか実行されないようになっている。
【0165】
以下、統括制御用CPU36aにて行われる大当り報知演出に係る制御について説明する。
統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、変動パターン指定コマンドが指定する変動パターンが大当り演出用の変動パターンであるか否かを特定する。そして、変動パターン指定コマンドが指定する変動パターンが大当り演出用の変動パターンである場合、統括制御用CPU36aは、飾り図柄用の図柄指定コマンドが指定する飾り図柄の図柄組み合わせが、15R特別確変大当り遊技が付与されることが特定可能な確変確定の図柄組み合わせである場合、現在連続予告演出中であるかを判定する。具体的には、統括制御用CPU36aは、統括制御用RAM36cに連続予告演出中であることを示す実行フラグが設定されているか否かを判定する。そして、統括制御用RAM36cに実行フラグが設定されていない場合、統括制御用CPU36aは、実行フラグが設定されていない場合の所定の確率(本実施形態では、25/101)で、大当り報知演出を実行するか否か報知判定を行う。一方、統括制御用RAM36cに実行フラグが設定されている場合、統括制御用CPU36aは、実行フラグが設定されている場合の所定の確率(本実施形態では、50/101)で、大当り報知演出を実行するか否かの報知判定を行う。なお、実行フラグが設定されている場合の所定の確率(50/101)は、実行フラグが設定されていない場合の所定の確率(25/101)よりも、高確率となるように設定されている。すなわち、本実施形態では、連続予告演出中の方が、連続予告演出中でない場合と比較して、大当り報知演出が実行されやすくなっている。
【0166】
また、報知判定に当選した場合、統括制御用CPU36aは、実行中の図柄変動ゲームにて、大当り報知演出を所定のタイミングで実行することを決定する。そして、統括制御用CPU36aは、前記所定のタイミングで、演出表示制御基板37と音声・ランプ制御基板38に、大当り報知演出を実行することを指示する報知コマンドを出力する。また、前記報知判定に非当選の場合、統括制御用CPU36aは、報知コマンドを出力しない。なお、本実施形態において、大当り報知演出は、何れの演出モードであっても、実行され得るようになっている。
【0167】
次に、表示制御用CPU37aにて行われる大当り報知演出に係る制御について説明する。
表示制御用CPU37aは、報知コマンドを入力すると、大当り報知演出が実行されたことを認識可能な演出内容の表示演出を実行するように演出表示装置H2の表示内容を制御する。なお、本実施形態では、大当り報知演出が実行されるとき、演出表示装置H2に「大当り」と表示されるようになっている。
【0168】
ここで、連続予告演出が複数回の図柄変動ゲームに亘って実行される態様について図15に基づき説明する。なお、図15は、演出表示装置H2の表示態様を示している。
図15では、連続予告演出が3回の図柄変動ゲームに亘って実行されることが決定された場合を例示する。また、図15では、連続予告演出の最終回の図柄変動ゲームが大当りとなる図柄変動ゲームであって、当該図柄変動ゲームにおいて大当り報知演出を実行することが決定されたものとする。また、連続予告演出が開始されてから各始動入賞口25,27に遊技球は入賞しないものとする。
【0169】
図15(a)に示すように、連続予告演出開始前(連続予告演出における初回の図柄変動ゲーム開始前)には、演出表示装置H2に、保留画像Rha1、Rha2、Rha3が表示されている。すなわち、演出表示装置H2における保留表示画像Rhaの表示態様から保留記憶数が「3」であることを認識することができる。そして、図15(a)において保留画像Rha1に対応する主制御用RAM35cの記憶領域に記憶された最先の各乱数の値に基づき図柄変動ゲームが開始される(図15(b)に示す)。また、図15(b)に示すように、連続予告演出における1回目(初回)の図柄変動ゲームが開始されると演出表示装置H2には、保留画像Rha3の表示されなくなり、保留画像Rha1,Rha2が表示されている。また、連続予告演出における図柄変動ゲームでは、図15(b)に示すように、演出表示装置H2に「連続予告演出中」と表示される。また、連続予告演出における1回目の図柄変動ゲームでは、図柄組み合わせ([567])が確定停止表示され終了する(図15(c)に示す)。
【0170】
また、連続予告演出における1回目の図柄変動ゲームが終了すると、図15(c)において保留画像Rha1に対応する主制御用RAM35cの記憶領域に記憶された各乱数の値に基づき図柄変動ゲームが開始され、連続予告演出における2回目の図柄変動ゲームが開始される(図15(d)に示す)。また、図15(d)に示すように、連続予告演出における2回目の図柄変動ゲームが開始されると演出表示装置H2には、保留画像Rha2の表示されなくなり、保留画像Rha1が表示されている。また、連続予告演出における図柄変動ゲームでは、図15(d)に示すように、演出表示装置H2に「連続予告演出中」と表示される。また、連続予告演出における2回目の図柄変動ゲームでは、図柄組み合わせ([114])が確定停止表示され終了する(図15(e)に示す)。
【0171】
また、連続予告演出における2回目の図柄変動ゲームが終了すると、図15(e)において保留画像Rha1に対応する主制御用RAM35cの記憶領域に記憶された最先の各乱数の値に基づき図柄変動ゲームが開始され、連続予告演出における3回目(最終回)の図柄変動ゲームが開始される(図15(f)に示す)。また、図15(f)に示すように、連続予告演出における3回目(最終回)の図柄変動ゲームが開始されると演出表示装置H2には、保留表示画像Rhaが表示されない。連続予告演出における図柄変動ゲームでは、図15(f)に示すように、演出表示装置H2に「連続予告演出中」と表示される。それとともに、連続予告演出における最終回の図柄変動ゲームでは、前述したように、大当り報知演出を実行することが決定されていることから演出表示装置H2にて大当り報知演出が実行される。このように、大当り報知演出が実行されることにより、遊技者は実行中の図柄変動ゲームが連続予告演出における最終回の図柄変動ゲームであることを認識することができる。また、連続予告演出における最終回の図柄変動ゲームでは、大当りの図柄組み合わせ([333])が確定停止表示され終了する(図15(g)に示す)。
【0172】
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)1回の図柄変動ゲーム(変動サイクル)では、図柄変動ゲームの開始で図柄の変動表示され、図柄変動ゲーム終了時に図柄が停止表示(確定停止表示)される。また、連続予告演出では、1又は複数回の図柄変動ゲームに亘って特定の演出(本実施形態では、「連続予告演出中」の表示演出)が図柄変動ゲーム毎に実行される。そして、連続予告演出を行うとき、連続予告演出における最終回の図柄変動ゲーム(連続予告演出の実行対象の図柄変動ゲーム)では、連続予告演出の最終回の図柄変動ゲームではない図柄変動ゲームと比較して、大当り報知演出が実行されやすいようにした。
【0173】
このように、連続予告演出が実行されている場合、連続予告演出における最終回の図柄変動ゲーム(変動サイクル)において大当り報知演出が実行されやすいため、大当り報知演出が実行されると、次の図柄の停止表示(現在の変動サイクル)が連続予告演出の最後であることを認識することができる。このように、連続予告演出の最終回の図柄変動ゲーム(変動サイクル)であることを思わせることにより、連続予告演出の最後にどのような図柄組み合わせが停止表示されるかについて十分注目させることができる。
【0174】
(2)連続予告演出が実行されている場合、連続予告演出が実行されていない場合と比較して、連続予告演出における最終回の図柄変動ゲームにて大当り報知演出が実行されやすいようにした。このようにすることで、連続演出が実行されると、同時に大当り報知演出が実行されることへの期待感を持たせることができる。よって、連続予告演出が実行され始めると、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0175】
(3)大当り報知演出が実行されると、15R特別確変大当り遊技が付与されることを認識可能にした。このようにすることで、大当り報知演出が実行された際の遊技者の興趣を、より向上させることができる。」
(ウ)「【図15】


(エ)上記(ア)ないし(ウ)からみて、引用例1には、次の発明が記載されている。なお、aないしfについては本願補正発明のAないしFに対応させて付与し、引用箇所の段落番号を併記した。
「a 特別図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行う特別図柄表示装置H1が設けられているパチンコ遊技機10(【0015】、【0018】)であって、
b、c 上始動入賞口25又は下始動入賞口27が、入球した遊技球を検知(入球検知)することにより、図柄変動ゲームの始動条件を付与し得、図柄変動ゲームにて大当り図柄が確定停止表示されることを契機に付与される大当り遊技において、各ラウンド遊技の開始時に、大入賞口29を開放させ遊技球の入球が許容されるように制御するとともに、
各始動入賞口25、27で遊技球の入賞検知時、該入賞検知時に主制御用RAM35cに記憶された大当り判定用乱数の値が、後に行う大当り判定で大当りの当選とする判定結果となるか否かを事前判定する、
主制御用CPU35a(【0029】、【0030】、【0102】、【0129】)と、
d、f 大当り報知演出が実行されたことを認識可能な演出内容の表示演出を実行するように、演出表示装置H2に「大当り」と表示して表示内容を制御するとともに、
連続演出実行コマンドが入力され、図柄変動ゲームの開始に伴って所定の演出を実行させるように演出表示装置H2(画像表示部GH)の表示内容を制御する、
表示制御用CPU36a(【0163】、【0167】)と、
e 連続予告演出の実行を決定する統括制御用CPU36a(【0163】)と、
を備え、
d-1 連続予告演出中の方が、連続予告演出中でない場合と比較して、大当り報知演出が実行されやすくなっている(【0165】)、
パチンコ遊技機10。」(以下「引用発明」という。)

イ 原査定の拒絶の理由に引用文献7として引用され、本願出願遡及日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2006-34626号公報(平成18年2月9日出願公開、以下「引用例2」という。)には、次の事項が図とともに記載されている。
(ア)「【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
・・・略・・・
【0042】
遊技領域7の中央付近には、それぞれが識別情報としての飾り図柄を可変表示(変動表示)する複数の可変表示部を含む可変表示装置9が設けられている。可変表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。
【0043】
可変表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する可変表示部を含む特別図柄表示器8が設けられている。特別図柄表示器8は、例えば、2つの7セグメント表示器によって構成される。
【0044】
特別図柄表示器8の左右には、それぞれ、左側の大入賞口12aが開放することを報知する左側開放報知表示器201と、右側の大入賞口12bが開放することを報知する右側開放報知表示器201とが設けられている。左側開放報知表示器201および右側開放報知表示器201は、例えば、それぞれLEDによって構成される。
【0045】
可変表示装置9の左側には、遊技演出に用いられる可動部材としてのハンマ151が設けられている。また、可変表示装置9の右側には、大当り遊技演出において大入賞口12a,12bの開放動作が実行されるラウンド数の抽選結果を遊技者に報知するラウンド抽選表示器203が設けられている。ラウンド抽選表示器203は、例えば、7セグメントLEDによって構成される。
【0046】
可変表示装置9の下方には、始動入賞口13を形成する可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口13に入った入賞球は、始動口スイッチ14によって検出され遊技盤6の背面に導かれる。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
【0047】
可変表示装置9と特別図柄表示器8との間には、始動入賞口13に遊技球が入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つのLEDから成る特別図柄始動記憶表示器18が設けられている。すなわち、始動記憶数のうち入賞順に4個まで表示する。特別図柄始動記憶表示器18は、始動入賞口13に有効始動入賞がある毎に、点灯状態とするLEDの数を1増やす。そして、特別図柄始動記憶表示器18は、特別図柄表示器8で可変表示が開始される毎に、点灯状態とするLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。この例では、特別図柄始動記憶表示器18は、特別図柄表示器8で可変表示が開始される毎に、点灯状態をシフトする。なお、この例では、始動入賞口13への入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)を設けているが、上限数を4個以上としてもよい。
【0048】
可変入賞球装置15の下部の左右には、それぞれ、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21a,21bによって開閉板20a,20bが開状態とされる大入賞口12a,12bが設けられている。開閉板20a,20bは、それぞれ、特別可変入賞球装置11a,11bの大入賞口12a,12bを開閉する手段である。開閉板20aから入った入賞球はV入賞スイッチ22aまたはカウントスイッチ23aで検出される。同様に、開閉板20bから入った入賞球はV入賞スイッチ22bまたはカウントスイッチ23bで検出される。
・・・略・・・
【0303】
次に、大当りが発生したあとの大当り遊技演出における可変表示装置9の表示状態の具体例について説明する。図50は、大当りが発生したあとの大当り遊技演出における可変表示装置9の表示状態の例を示す説明図である。
【0304】
演出制御用マイクロコンピュータ101は、可変表示装置9に飾り図柄の停止図柄として大当り図柄を導出表示したあと(図50(A))、大当りが発生したことを遊技者に報知し(図50(B))、その後に大当り遊技演出のラウンドパターンの抽選演出に移行することを遊技者に報知する(図50(C))。
【0305】
ラウンドパターンの抽選演出では、演出制御用マイクロコンピュータ101は、複数種類のラウンドパターンの変動表示(具体的には、8種類のラウンドパターンを示す表示である「1」?「8」の変動表示)を表示領域H3にて実行し、複数種類のラウンド数の変動表示(具体的には、3種類の開放可能回数を示す表示である「2」、「4」、「8」の変動表示)を表示領域H4にて実行する(図50(D))。そして、遊技者によってボタン17が押下されると、演出制御用マイクロコンピュータ101は、変動表示を終了し、決定されているラウンドパターンを表示領域H3に停止表示するとともに、ラウンド数を表示領域H4に停止表示する(図50(E))。なお、抽選結果としてのラウンド数は、遊技制御用マイクロコンピュータ60の制御によりラウンド抽選表示器203にも表示される。
【0306】
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ101は、各ラウンドが開始される前(開閉板20a,20bのいずれかが開放される前)に、今回のラウンド数を表示領域H5に表示することで報知するためのラウンド数報知と、前ラウンドまでの各ラウンドにおける大入賞口12a,12bの開放位置(開放履歴)を表示領域H6に表示することで報知するための開放履歴報知と、今回のラウンドにおいて大入賞口12a,12bのいずれが開放されるのかを表示領域H7に表示することで報知するための開放位置報知とを行う(図50(F)?図50(I))。
【0307】
本例では、可変表示装置9における表示領域H5に、ラウンド数報知として、「1R」,「2R」などの表示がなされる。また、可変表示装置9における表示領域H6に、開放履歴報知として、「左」、「右」、・・・のように、各ラウンドにおいて開放された大入賞口12a,12bの位置がラウンド順に表示される。すなわち、大入賞口12aが開放されたラウンドでは「左」が表示され、大入賞口12bが開放されたラウンドでは「右」が表示される。さらに、可変表示装置9における表示領域H7に、開放位置報知として、開放する大入賞口12a,12bが設置されている位置を示す矢印と方向(右または左)とが表示される。具体的には、大入賞口12aを開放する場合には「左」という文字と左側を指す矢印とが表示され、大入賞口12bを開放する場合には「右」という文字と右側を指す矢印とが表示される。なお、開放位置報知は、遊技制御用マイクロコンピュータ60の制御により左側開放報知表示器201および右側開放報知表示器202によっても行われている。
【0308】
そして、決定されたラウンドパターンにおける全てのラウンドが終了すると、あるいは、継続権が獲得されることなくラウンドが終了すると、演出制御用マイクロコンピュータ101は、可変表示装置9の表示領域H8に大当り遊技演出を終了する旨の報知を行う(図50(J))。」
(イ)「【図50】


(ウ)上記(ア)及び(イ)からみて、引用例2には、次の事項が記載されている。
「遊技領域7の中央付近には可変表示装置9が設けられ、該可変表示装置9の下方には可変入賞球装置15が設けられ、可変入賞球装置15の下部の左右には大入賞口12a,12bが設けられたものであり、可変表示装置9に飾り図柄の停止図柄として大当り図柄を導出表示したあと、大当りが発生したことを遊技者に報知するパチンコ遊技機等の遊技機(【0037】、【0042】、【0046】、【0048】、【0303】)において、
今回のラウンドにおいて大入賞口12a,12bのいずれが開放されるのかを表示領域H7に表示することで報知するための開放位置報知とを行うものであり、具体的には、大入賞口12aを開放する場合には「左」という文字と左側を指す矢印とが表示され、大入賞口12bを開放する場合には「右」という文字と右側を指す矢印とが表示すること(【0306】、【0307】)。」(以下「引用例2の記載事項」という。)

ウ 原査定の拒絶の理由に引用文献8として引用され、本願出願遡及日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2011-245329号公報(平成23年12月8日出願公開、以下「引用例3」という。)には、次の事項が図とともに記載されている。
(ア)「【発明を実施するための形態】
【0026】
実施の形態1.
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機などの他の遊技機に適用することもできる。
・・・略・・・
【0030】
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄を可変表示する複数の可変表示部を含む可変表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられている。可変表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置9は、図柄制御基板に搭載されている図柄制御用マイクロコンピュータによって制御される。
・・・略・・・
【0033】
可変表示装置9の下方には、始動入賞口14としての可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16(図2参照)によって開状態とされる。
【0034】
可変入賞球装置15の下部の左側には、特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド241によって開状態とされる開閉板201が設けられている。また、可変入賞球装置15の下部の右側には、特定遊技状態においてソレノイド242によって開状態とされる開閉板202が設けられている。開閉可能な2つの開閉板201,202によって2つの大入賞口(特別可変入賞球装置)が形成される。左側の大入賞口を第1大入賞口といい、右側の大入賞口を第2大入賞口という。第1大入賞口に入賞し遊技盤6の背面に導かれた入賞球はカウントスイッチ231で検出される。同様に、第2大入賞口に入賞し遊技盤6の背面に導かれた入賞球はカウントスイッチ232で検出される。
【0035】
この実施の形態では、大当り遊技中に第1大入賞口および第2大入賞口のいずれか一方が所定回数開放される。具体的には、大当りの種別として、大入賞口が2回開放される2ラウンドの大当りと、大入賞口が7回開放される7ラウンドの大当りと、大入賞口が15回開放される15ラウンドの大当りとが設けられている。そして、この実施の形態では、2ラウンドの大当りのときに第2大入賞口(右側の大入賞口)が開放され、7ラウンドの大当りのときに第1大入賞口(左側の大入賞口)が開放され、15ラウンドの大当りのときに第2大入賞口(右側の大入賞口)が開放される。
【0036】
第1大入賞口(左側の開閉板201)の左方には、第1大入賞口が最初に開放される前に、大当り遊技において第1大入賞口を開放することを遊技者に報知するための第1大入賞口表示灯38が設けられている。また、第2大入賞口(右側の開閉板202)の右方には、第2大入賞口が最初に開放される前に、大当り遊技において第2大入賞口を開放することを遊技者に報知するための第2大入賞口表示灯39が設けられている。遊技者は、第1大入賞口表示灯38が点灯することによって第1大入賞口が開放されることを認識し、第2大入賞口表示灯39が点灯することによって第2大入賞口が開放されることを認識することができる。これにより、遊技者がいずれの大入賞口(特別可変入賞装置)が開放状態になるかについて認識できずに不利益を受けてしまうのを防止することができる。
・・・略・・・
【0796】
なお、いずれの大入賞口が開放されるかについて大入賞口表示灯によって報知するタイミングは、大当り図柄が停止表示されているタイミングとしていたが、このような構成に限られず、大入賞口が開放される直前や大入賞口が開放された後(開放中)などであってもよい。また、演出用のマイクロコンピュータがファンファーレコマンドにもとづいて演出装置(可変表示装置9やランプ/LED、スピーカ27)を用いて大当りの種別を報知することにより、いずれの大入賞口が開放されるかについて報知するように構成されていたが、ファンファーレコマンド以外の演出制御コマンドにもとづいて、いずれの大入賞口が開放されるかについて報知するようにしてもよい。例えば、大当りの種別を指定可能な(大当りの種別に応じて分けられている)飾り図柄停止指定コマンド、大入賞口開放中表示コマンドまたは大入賞口開放後表示コマンドを送信し、演出用のマイクロコンピュータがそれらの演出制御コマンドにもとづいて、大入賞口の開放直前や開放後などに大当りの種別を報知することにより、いずれの大入賞口が開放されるかについて報知するようにしてもよい。また、大当りの種別に対応させて大入賞口のいずれが開放されるかについて報知するようにしていたが、大当りの種別と大入賞口の開放位置とを対応させないようにしてもよい。この場合は、いずれの大入賞口が開放されるかについて可変表示装置9の画面に表示するなどの方法によって遊技者に大入賞口の開放位置を報知するようにする。」
(イ)上記(ア)からみて、引用例3には、次の事項が記載されている。
「遊技領域7の中央付近には可変表示装置9が設けられ、該可変表示装置9の下方には可変入賞球装置15が設けられ、該可変入賞球装置15の下部の左側には開閉板201が、可変入賞球装置15の下部の右側には開閉板202がそれぞれ設けられ、2つの開閉板201,202によって2つの大入賞口が形成されたものであり、大当り遊技中に左側の大入賞口である第1大入賞口および右側の大入賞口である第2大入賞口のいずれか一方が所定回数開放されるパチンコ遊技機(【0026】、【0030】、【0033】ないし【0035】)において、
いずれの大入賞口が開放されるかについて可変表示装置9の画面に表示するなどの方法によって遊技者に大入賞口の開放位置を報知するようにすること(【0796】)。」(以下「引用例3の記載事項」という。)

エ 本願出願遡及日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2011-431号公報(平成23年1月6日出願公開、以下「引用例4」という。)には、次の事項が図とともに記載されている。
(ア)「【0011】
本発明を適用した第1の実施形態の弾球遊技機たるパチンコ機を説明する。図1に示すように、パチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造としてある。外枠51には、左側の上下の位置に設けたヒンジ53を介して、板ガラス61が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)52および後述の内枠が開閉可能に設けてある。
前枠52の板ガラス61の奥には前記内枠に保持された遊技盤10(図2)が設けてある。
・・・略・・・
【0015】
図2に示すように、遊技盤10には外レール11と内レール12とによって囲まれた略円形の遊技領域13が形成されている。遊技領域13には、その中央部にセンターケース14が装着され、センターケース14のほぼ中央下方および右斜め下方位置にはそれぞれ第1および第2の普通図柄の始動口21A,21Bが設置されている。両始動口21A,21Bは遊技球が通過可能なゲートで構成してある。
普通図柄(以下、単に普図という)の始動口21A,21Bは普図の当否抽選を実行する始動口であり、前記始動口21A,21Bのいずれかに遊技球が入球すると普図の当否抽選用の複数種類の乱数が抽出され、抽出された乱数は普図の保留記憶として記憶される。
【0016】
センターケース14の直下に位置する前記第1普図始動口21Aの右横位置には、普図の当否抽選が当選したときに開放される普通電動役物からなる特別図柄の始動口22が配設されている。該始動口22は特別図柄(以下、単に特図という)の当否抽選用の始動口であり、特図の始動口22に遊技球が入球すると複数種類の乱数が抽出され、これらの乱数に基づいて特図の当否抽選が行われる。特図の始動口22は普通電動役物で構成され、普図の当選時に、予め設定された所定時間および所定回数で開放する。例えば、通常の遊技状態であれば約2.6秒の開放が2回行なわれる。なお、始動口22に入球させるにはセンターケース14の上方を通過させて遊技領域の右側に発射(いわゆる右打ち)すると入球し易いように配置されている。
【0017】
前記第2普図始動口21Bの下方位置には、特図の当否抽選が当選となって当り遊技に移行したときに開放される特別電動役物からなる大入賞口25が配設されている。
・・・略・・・
【0030】
次にパチンコ機50の作動を説明する。
パチンコ機50は、第1または第2の普図始動口21A,21Bに遊技球が入球すると、普図の当否抽選を実行する。このとき普通図柄表示装置18および演出図柄表示装置15の図柄変動を開始し、その後、普通図柄表示装置18に普図を、演出図柄表示装置15に普図に対応する擬似図柄を確定表示して前記抽選結果を報知する。抽選結果が当りであれば普図の当り遊技として普通電動役物(特図の始動口22)を開放する。
この状態で特図の始動口22に遊技球が入球すると特図の当否抽選を実行し、該抽選結果が当りであれば特図の当り遊技として大入賞口22を開放する。なお特図の抽選結果は特別図柄表示装置16に特図を確定表示して報知する。
そして特図の当り遊技終了には遊技状態が通常の遊技状態とは異なる特別の遊技状態へ移行される。特別な遊技状態として、普図の当選確率を高確率とする普図確率変動機能、普通電動役物の開放延長機能および特図の当選確率を高確率とする特図確率変動機能が作動する第1の特別遊技状態、または普図確率変動機能および開放延長機能が作動する第2の特別遊技状態に移行する。
このように特図の当り遊技の終了後には、普図の当り遊技が生起しやすい状態となって、特図の当り遊技を連続して実行させることが可能である。なお、特図の当り遊技はリミッタにより制限される。
以下、主制御装置80(厳密には、そのCPU)が実行するプログラム処理に基づいて作動の詳細を説明する。
・・・略・・・
【0067】
また本パチンコ機50は、図2に示すように、遊技領域13の中央下部に第1の普図始動口21Aを設け、右側に第2の普図始動口21Bを設け、第1の普図始動口21Aを狙って遊技球を発射する左打ち遊技と、第2の普図始動口21Bを狙って遊技球を発射する右打ち遊技とを可能とする構成である。
そして図24に示す遊技状態報知ランプ部30に設けた左右の打ち位置ランプ41,42によりに左打ち遊技または右打ち遊技を推奨していることを報知する。例えば、通常の遊技状態の時は、左打ち位置ランプ41を点灯して、左打ち遊技を推奨する。
一方、特図の始動口22(普通電動役物)の作動中、大入賞口25(特別電動役物)の作動中、第1および第2特別遊技状態の時(開放延長機能が作動している)は、右打ち位置ランプ42を点灯して、右打ち遊技を推奨する。
このように遊技の進行に応じて、左打ち遊技または右打ち遊技のいずれかを推奨することにより、遊技者の緊張感および期待感をより高める効果を奏す。
なお、図24中、43は特図確変状態であることを示すランプ、44は時短状態であることを示すランプ、45はリミッタ作動状態となると点灯するランプ、19は前記普図保留数表示装置である。
【0068】
また左右の打ち位置ランプ41,42の表示の他に、推奨する打ち位置を報知する手段として、図25(a)に示すように、演出図柄表示装置に打ち位置を表示するようにしてもよい。
更に、右打ち推奨中に左側の第1の普図始動口21Aへの入球が検出されると、図25(b)に示すように右打ちを推奨する表示を行うことが望ましい。勿論、左打ち推奨中に右側の第2の普図始動口21Bへの入球が検出されたときには左打ちを推奨する表示を行うようにする。また表示の他に音声等で報知を行うようにしてもよい。」
(イ)「【図25】


(ウ)【0068】の記載、上記図25(a)及び(b)の記載からみて、演出図柄表示装置に、右打ち遊技を推奨する表示として、まず「○右打ち○」を表示し、左側の第1の普図始動口21Aへの入球が検出されると、「◆右打ちして下さい◆」を表示するものと認められる。
(エ)上記(ア)ないし(ウ)からみて、引用例4には、次の事項が記載されている。
「遊技領域13には、その中央部にセンターケース14が装着され、センターケース14のほぼ中央下方および右斜め下方位置にはそれぞれ第1および第2の普通図柄の始動口21A,21Bが設置され、前記第2普図始動口21Bの下方位置には、特図の当否抽選が当選となって当り遊技に移行したときに開放される特別電動役物からなる大入賞口25が配設されたパチンコ機50において(【0011】、【0015】、【0017】)、
左右の打ち位置ランプ41,42により、左打ち遊技または右打ち遊技を推奨していることを報知するとともに(【0067】)、
演出図柄表示装置に、右打ち遊技を推奨する表示を行い、右打ち遊技を推奨する表示として、まず「○右打ち○」を表示し、左側の第1の普図始動口21Aへの入球が検出されると、「◆右打ちして下さい◆」を表示すること(【0068】、図25、(ウ))。」(以下「引用例4の記載事項」という。)

(3)対比
ア 本願補正発明と引用発明とを対比する。なお、以下の見出し(a)ないし(f)は、本願補正発明のAないしFに対応させている。

(a)引用発明の「特別図柄を変動させて表示する・・・パチンコ遊技機10」は、「A 可変表示を行う遊技機」に相当する。

(b)引用発明の「遊技球」、「上始動入賞口25又は下始動入賞口27」及び「大入賞口29」は、それぞれ本願補正発明の「遊技媒体」、「所定領域」及び「可変入賞装置」に相当する。
また、引用発明において、「主制御用CPU35a」は、「上始動入賞口25又は下始動入賞口27」(所定領域)が、入球した「遊技球」(遊技媒体)を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件を付与し得、図柄変動ゲームにて大当り図柄が確定停止表示されることを契機に付与される大当り遊技において、各ラウンド遊技の開始時に、「大入賞口29」(可変入賞装置)を開放させ「遊技球」(遊技媒体)の入球が許容されるように制御するものである。
そうすると、引用発明の「主制御用CPU35a」は、本願補正発明の「B 遊技媒体が所定領域を通過したことにもとづいて、可変入賞装置を遊技媒体が入賞しやすい状態に制御することが可能な可変入賞装置制御手段」に相当する構成を備える。

(c)引用発明の「大当り図柄」の「確定停止表示」は、本願補正発明の「特定表示結果」に相当する。
また、引用発明において、「主制御用CPU35a」は、各始動入賞口25、27で遊技球の入賞検知時、該入賞検知時に主制御用RAM35cに記憶された大当り判定用乱数の値が、後に行う大当り判定で大当りの当選とする判定結果となるか否かを事前判定するものであり、技術常識からみて、未だ開始していない図柄変動ゲームにて「大当り図柄」の「確定停止表示」(特定表示結果)がなされるか否かを判定しているものである。
そうすると、引用発明の「主制御用CPU35a」は、「C 未だ開始していない可変表示において導出表示される表示結果が特定表示結果となるか否かを判定する判定手段」に相当する構成を備える。

(d)引用発明において、大当り遊技において、各ラウンド遊技の開始時に、大入賞口29(可変入賞装置)を開放させ遊技球の入球が許容されるようになるのであるから、演出表示装置H2に「大当り」と表示することは、本願補正発明の「前記可変入賞装置が遊技媒体が入賞しやすい状態に制御されることを示唆する所定演出」に相当する。
そして、引用発明の「表示制御用CPU36a」は、演出表示装置H2に「大当り」と表示(所定演出)して表示内容を制御するのであるから、「D 前記可変入賞装置が遊技媒体が入賞しやすい状態に制御されることを示唆する所定演出を実行する所定演出実行手段」に相当する構成を備える。

(e)引用発明の「連続予告演出」は、引用発明の「当該判定の対象となった可変表示が実行される前の複数回の可変表示に亘って予告演出」に相当する。
そして、引用発明の「連続予告演出」(予告演出)は、技術常識からみて、上記(c)で説示した事前判定に基づいて、実行するか否かを統括制御用CPU36aによって決定されていることは明らかである。
そうすると、引用発明の「統括制御用CPU36a」は、「E 前記判定手段による判定にもとづいて、当該判定の対象となった可変表示が実行される前の複数回の可変表示に亘って予告演出を実行するか否かを決定する予告演出決定手段」に相当する構成を備える。

(f)引用発明の「表示制御用CPU36a」は、連続演出実行コマンドが入力され、図柄変動ゲームの開始に伴って所定の演出を実行させるように演出表示装置H2(画像表示部GH)の表示内容を制御するものである。
そして、上記(e)で説示したことも踏まえれば、引用発明の「表示制御用CPU36a」は、「F 前記予告演出決定手段の決定にもとづいて前記予告演出を実行する予告演出実行手段」に相当する構成を備える。

(d-1)引用発明は、連続予告演出(予告演出)中の方が、連続予告演出(予告演出)中でない場合と比較して、大当り報知演出(所定演出)が実行されやすくなっている。
そして、上記(d)のとおり、大当り報知演出を実行するのは、「表示制御用CPU36a」であるから、引用発明は、本願補正発明の「前記所定演出実行手段」が「D-1 前記予告演出が実行されたときには、該予告演出が実行されないときに比べて、高い割合で前記所定演出を実行する」ことに相当する構成を備える。

イ 上記アからみて、本願補正発明と引用発明とは、
「A 可変表示を行う遊技機であって、
B 遊技媒体が所定領域を通過したことにもとづいて、可変入賞装置を遊技媒体が入賞しやすい状態に制御することが可能な可変入賞装置制御手段と、
C 未だ開始していない可変表示において導出表示される表示結果が特定表示結果となるか否かを判定する判定手段と、
D 前記可変入賞装置が遊技媒体が入賞しやすい状態に制御されることを示唆する所定演出を実行する所定演出実行手段と、
E 前記判定手段による判定にもとづいて、当該判定の対象となった可変表示が実行される前の複数回の可変表示に亘って予告演出を実行するか否かを決定する予告演出決定手段と、
F 前記予告演出決定手段の決定にもとづいて前記予告演出を実行する予告演出実行手段とを備え、
前記所定演出実行手段は、
D-1 前記予告演出が実行されたときには、該予告演出が実行されないときに比べて、高い割合で前記所定演出を実行する、
遊技機。」である点で一致し、次の点で相違する。

・相違点1(特定事項D-2)
本願補正発明では、「前記可変入賞装置が遊技媒体が入賞しやすい状態に制御されている間、継続して前記可変入賞装置の位置を報知し」ているのに対し、
引用発明では、そのような特定がない点。

・相違点2(特定事項D-3)
本願補正発明では、「第1報知態様と、当該第1報知態様と異なる第2報知態様とに報知態様を切り替えて前記可変入賞装置の位置を報知する」のに対し、
引用発明では、そのような特定がない点。

(4)判断
ア 相違点1について検討する。
(ア)パチンコ遊技機において、遊技領域の左右方向中央でない位置、例えば右側に大入賞口を設け、大当たり遊技のラウンド中に前記大入賞口が開放している間、該大入賞口の位置を特定可能なように報知することは周知(以下「周知技術」という。例.引用例2ないし4の記載事項(それぞれ上記(2)のイ(ウ)、ウ(イ)及びエ(エ)参照。))である。
(イ)引用発明は、大当り遊技において、各ラウンド遊技の開始時に、大入賞口29を開放させ遊技球の入球が許容されるように制御するものであるところ、遊技領域の左右方向中央でない位置、例えば右側に大入賞口を設けたパチンコ遊技機であって、ラウンド中に、開放している大入賞口の位置を特定可能に報知する周知技術に基づけば、引用発明において、遊技領域の左右方向中央でない位置、例えば右側に大入賞口を設けるとともに、ラウンド中に大入賞口(可変入賞装置)が開放(遊技媒体が入賞しやすい状態)している間、継続して大入賞口(可変入賞装置)の位置を報知するようになすことは当業者が適宜なし得たことである。
(ウ)以上のとおり、引用発明において、上記相違点1に係る本願補正発明の特定事項となすことは当業者が周知技術に基づいて適宜なし得たことである。

イ 相違点2について検討する。
(ア)引用例4の記載事項(上記(2)エ(ウ))は、特図の当り遊技として大入賞口22を開放するパチンコ機50において、演出図柄表示装置に、右打ち遊技を推奨する表示を行い、右打ち遊技を推奨する表示として、まず「○右打ち○」を表示し、左側の第1の普図始動口21Aへの入球が検出されると、「◆右打ちして下さい◆」を表示するものである。要するに、引用例4の記載事項は、「○右打ち○」(第1報知態様)と、当該「○右打ち○」と異なる「◆右打ちして下さい◆」(第2報知態様)とに報知態様を切り替えて大入賞口(可変入賞装置)の位置を報知しているものである。
(イ)引用発明は、大当り遊技において、大入賞口29を開放させ遊技球の入球が許容されるように制御するものであるところ、引用例4の記載事項に接した当業者であれば、引用発明において、ラウンド中に大入賞口(可変入賞装置)が開放(遊技媒体が入賞しやすい状態)している間、継続して大入賞口(可変入賞装置)の位置を報知する態様として、第1報知態様と、当該第1報知態様と異なる第2報知態様とに報知態様を切り替えて、大入賞口(可変入賞装置)の位置を報知するようになすことは容易になし得たことである。
(ウ)以上のとおり、引用発明において、上記相違点2に係る本願補正発明の特定事項となすことは当業者が引用例4の記載事項に基づいて適宜なし得たことである。

ウ 本願補正発明の奏する効果は、引用発明の奏する効果、引用例4の記載事項の奏する効果及び周知技術の奏する効果から予測することができた程度のものである。

エ 審判請求人の主張について
(ア)審判請求人は、審判請求書において、以下のとおり、概略主張している。
「(3) 拒絶理由について
・・・略・・・
そこで、出願人は、同日付提出の手続補正書によって、「前記所定演出実行手段は、前記可変入賞装置が遊技媒体が入賞しやすい状態に制御されている間、継続して前記可変入賞装置の位置を報知し、第1報知態様と、当該第1報知態様と異なる第2報知態様とに報知態様を切り替えて前記可変入賞装置の位置を報知する」という構成(構成G1,I1,J1)を規定しました。
これにより、第1報知態様と第2報知態様とに報知態様を切り替えて可変入賞装置の位置を報知することが明確になりました。
審査官殿が周知技術の認定において例示された引用文献7(審決注:引用例2)および引用文献8(審決注:引用例3)には、可変入賞装置に対して、1種類の報知態様にて報知を行う技術が記載されています。
しかしながら、上記構成のように、可変入賞装置が遊技媒体が入賞しやすい状態に制御されている間、可変入賞装置に対して、2種類の報知態様を切り替えて報知を行うことは、引用文献4(審決注:引用例1)、引用文献5、引用文献7、引用文献8のいずれにも記載されていません。
さらに、本願発明は、上記構成を備えることにより、「単調になりがちな可変入賞装置の位置の報知において、異なる2種類の報知態様を切り替えて報知を行う。このような報知態様の異なる報知を行うことによって遊技者を飽きさせず、遊技の興趣を向上させることができる。」という有利な効果を奏します。
したがいまして、本願発明1は、引用文献4に記載の発明または引用文献5に記載の発明および周知技術に基づいて、当業者が容易になし得たものではありません。」

(イ)上記イで示したとおり、「第1報知態様と第2報知態様とに報知態様を切り替えて可変入賞装置の位置を報知する」ことは引用例4に記載されており、引用例4の記載事項を引用発明に適用して本願補正発明の特定事項のようになすことは容易であるから、審判請求人の主張を採用することはできない。

(ウ)また、審判請求人は、上申書において、「そこで、出願人は、引用文献4との差異を明確にすべく、本願発明1および本願発明2において、下記の(a)および(b)の点を明確にする補正を行うことを希望致します。 (a)可変入賞装置の位置を、第1報知態様により報知した後に、第2報知態様に切り替えて報知する点
(b)第2報知態様による報知よりも、第1報知態様による報知の方が、可変入賞装置の位置の報知に関する情報量が多い点」とし、補正を希望する旨述べている。
しかしながら、引用例4の記載事項において、「◆右打ちして下さい◆」(第2報知態様)による報知よりも、「○右打ち○」(第1報知態様)による報知の方が、大入賞口(可変入賞装置)の位置の報知に関する情報量が少ないものの、いずれの情報量を少なくするかは当業者が適宜なし得た設計事項程度のことにすぎないから、上記(b)のようになすことは当業者が容易に想到し得たものである。

(5)独立特許要件のむすび
以上のとおりであるから、本願補正発明は、当業者が引用例1に記載された発明、引用例4の記載事項及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。
よって、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

4 小括
以上のとおり、本願補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものである。
したがって、本件補正は、同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし3に係る発明は、平成29年3月16日付けで補正された特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された事項によって特定されるものであるところ、そのうち請求項1に係る発明は、上記第2〔理由〕1(1)に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の平成29年3月16日付けの手続補正書により補正された請求項1及び2に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記引用文献4、7及び8に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、という拒絶の理由を含むものである。

引用文献4.特開2012-24267号公報
引用文献7.特開2006-34626号公報
引用文献8.特開2011-245329号公報

3 引用例
(1)引用例1(引用文献4)、引用例2(引用文献7)及び引用例3(引用文献8)の記載事項は、上記第2〔理由〕3(2)に記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、上記「第2〔理由〕1(2)」で検討した本願補正発明から、実質的に、「D-3 第1報知態様と、当該第1報知態様と異なる第2報知態様とに報知態様を切り替えて前記可変入賞装置の位置を報知する」に係る限定事項を削除したものである。
そうすると、本願発明と引用発明とは、上記「第2〔理由〕3(3)」に記載した相違点1でのみ相違する。
そして、引用発明において、相違点1に係る本願補正発明の特定事項となすことは、上記「第2〔理由〕3(4)」に記載したとおり、当業者が周知技術に基づいて適宜なし得たものであるから、本願発明は、当業者が引用発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。

5 むすび
本願発明は、以上のとおり、当業者が引用発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2018-08-08 
結審通知日 2018-08-21 
審決日 2018-09-03 
出願番号 特願2016-17299(P2016-17299)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 澤田 真治  
特許庁審判長 平城 俊雅
特許庁審判官 鉄 豊郎
松川 直樹
発明の名称 遊技機  
代理人 特許業務法人深見特許事務所  
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