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審決分類 審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  A23F
審判 全部申し立て 2項進歩性  A23F
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  A23F
管理番号 1345847
異議申立番号 異議2017-701049  
総通号数 228 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-12-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-11-09 
確定日 2018-10-03 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6124504号発明「容器詰飲料」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6124504号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-6〕について訂正することを認める。 特許第6124504号の請求項1-6に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6124504号(以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし6に係る特許は、平成24年3月27日に特許出願され、平成29年4月14日にその特許権の設定登録(特許掲載公報の発行日:平成29年5月10日)がされ、これに対して平成29年11月9日に特許異議申立人 藤江 桂子(以下、「申立人」という。)により、本件特許の請求項1ないし6に係る特許について特許異議の申立てがされたものである。
そして、その後の手続は以下のとおりである。
・平成30年1月9日付け取消理由通知(発送日:平成30年1月12日)
・平成30年4月12日に特許権者による意見書の提出及び訂正の請求
・平成30年5月29日に申立人による意見書の提出
・平成30年6月25日付け訂正拒絶理由通知(発送日:平成30年6月28日)
・平成30年8月16日に特許権者による意見書及び平成30年4月12日付け訂正請求書(以下、単に「訂正請求書」という。)についての手続補正書の提出

第2 訂正の請求について
1 平成30年8月16日付け手続補正書による補正について
(1)補正の適否の判断
ア 訂正事項1の補正について
訂正事項1の補正は、請求項1に追加する「(CIS条件)」の記載について、
「(CIS条件)
Initial Temp.:-40℃
Equilib. Time:0.05min
Initial Time:1.0min
Rate:12.0℃/sec
End Time:35.0min」とあったのを、
「(CIS条件)
Initial Temp.:-40℃
Equilib. Time:0.05min
Initial Time:1.0min
Rate:12.0℃/sec
End Temp:250℃
End Time:35.0min」と補正するものである。
そこで、訂正事項1の補正が訂正請求書の要旨を変更するものであるか検討すると、訂正請求書には、「願書に添付した明細書の段落【0033】?【0035】には、実施例において茶アロマ成分量Aを測定する際に実際に採用したTDS、CIS及びGC-FID条件として、訂正事項1で追記した記載と同一の内容を記載している。」(6頁26ないし28行)との記載によれば、訂正事項1において、願書に添付した明細書の段落【0034】に記載した「(CIS条件)
Initial Temp.:-40℃
Equilib. Time:0.05min
Initial Time:1.0min
Rate:12.0℃/sec
End Temp:250℃
End Time:35.0min」の記載と同一の内容を追加する意図があったことは明らかである。
そうすると、訂正事項1の補正は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲1において、「(CIS条件)」の記載について、本来記載すべき「End Temp:250℃」との記載が脱落していたのを、追加するものであり、軽微な瑕疵の補正と認められるから、訂正請求書の要旨を変更するものではない。

イ 訂正事項2の補正について
訂正事項2の補正は、請求項2に追加する「(CIS条件)」の記載について、
「(CIS条件)
Initial Temp.:-40℃
Equilib. Time:0.05min
Initial Time:1.0min
Rate:12.0℃/sec
End Time:35.0min」とあったのを、
「(CIS条件)
Initial Temp.:-40℃
Equilib. Time:0.05min
Initial Time:1.0min
Rate:12.0℃/sec
End Temp:250℃
End Time:35.0min」と補正するものである。
そして、訂正請求書には、「願書に添付した明細書の段落【0033】?【0035】には、実施例において茶アロマ成分量Aを測定する際に実際に採用したTDS、CIS及びGC-FID条件として、訂正事項2で追記した記載と同一の内容を記載している。」(8頁8ないし10行)と記載されており、訂正事項1の補正についての検討を踏まえると、訂正事項2の補正は、同様に、軽微な瑕疵の補正と認められるから、訂正請求書の要旨を変更するものではない。

(2)小括
したがって、平成30年8月16日付け手続補正書による補正は、訂正請求書の要旨を変更するものではなく、これを認める。

2 訂正の請求の趣旨
平成30年8月16日付け手続補正書により補正された訂正請求書による訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)の趣旨は、本件特許の特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1ないし6について訂正すること(以下、「本件訂正」という。)を求めるものである。

3 本件訂正の内容
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1において、
「ただし、茶アロマ成分量Aとは、フルオロベンゼンを1.0質量ppbとなるように添加し、35℃に保持した該飲料50gから30分間に放出された気体成分について、GC-FID(検出器として水素炎イオン化型検出器を用いたガスクロマトグラフィー)を実施した時に得られるクロマトグラムにおいて、」とあるのを、
「ただし、茶アロマ成分量Aとは、フルオロベンゼンを1.0質量ppbとなるように添加し、35℃に保持した該飲料50gから30分間に放出された気体成分を担体で吸着・捕捉し、Cooled Injection Systems(CIS)機能付きの加熱脱着装置(TDS)を用いて、下記のTDS及びCIS条件でGC-FID(検出器として水素炎イオン化型検出器を用いたガスクロマトグラフィー)に導入し、下記のGC-FID条件で分析を実施した時に得られるクロマトグラムにおいて、」に訂正し(下線は、訂正箇所を示す。以下、この項において、同様。)、
末尾に、以下の記載を追加する。
「(TDS条件)
Initial Temp.:25℃、
Delay Time:0.50min
Initial Time:0.5min
Rate:60.0℃/sec
End Temp:250℃
Hold Time:5.0min
Transfer Temp.:250℃
(CIS条件)
Initial Temp.:-40℃
Equilib. Time:0.05min
Initial Time:1.0min
Rate:12.0℃/sec
End Temp:250℃
End Time:35.0min
(GC-FID条件)
・Oven
Equilib. Time:0.50min
Initial Temp.:40℃
Initial Time:5.0min
Rate:4.0℃/sec
End Temp.:230℃
・Column
Column:WAX系カラム、60m×内径320μm×膜厚1.00μm
・FID
Heater:300℃
H_(2)Flow:30mL/min.
AirFlow:400mL/min.
Make Up Gas:He25mL/min.
・Injecter
Mode:Spliteless
Initial temp.:Off
Purge Flow:8.0mL
Purge Time:0 min.
Total Flow:13.7ml/min.
Gas Saver:Off
Gas Type: Herium」

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2において、
「ただし、茶アロマ成分量Aとは、フルオロベンゼンを1.0質量ppbとなるように添加し、35℃に保持した該飲料50gから30分間に放出された気体成分について、GC-FID(検出器として水素炎イオン化型検出器を用いたガスクロマトグラフィー)を実施した時に得られるクロマトグラムにおいて、」とあるのを、
「ただし、茶アロマ成分量Aとは、フルオロベンゼンを1.0質量ppbとなるように添加し、35℃に保持した該飲料50gから30分間に放出された気体成分を担体で吸着・捕捉し、Cooled Injection Systems(CIS)機能付きの加熱脱着装置(TDS)を用いて、下記のTDS及びCIS条件でGC-FID(検出器として水素炎イオン化型検出器を用いたガスクロマトグラフィー)に導入し、下記のGC-FID条件で分析を実施した時に得られるクロマトグラムにおいて、」に訂正し、
末尾に、以下の記載を追加する。
「(TDS条件)
Initial Temp.:25℃、
Delay Time:0.50min
Initial Time:0.5min
Rate:60.0℃/sec
End Temp:250℃
Hold Time:5.0min
Transfer Temp.:250℃
(CIS条件)
Initial Temp.:-40℃
Equilib. Time:0.05min
Initial Time:1.0min
Rate:12.0℃/sec
End Temp:250℃
End Time:35.0min
(GC-FID条件)
・Oven
Equilib. Time:0.50min
Initial Temp.:40℃
Initial Time:5.0min
Rate:4.0℃/sec
End Temp.:230℃
・Column
Column:WAX系カラム、60m×内径320μm×膜厚1.00μm
・FID
Heater:300℃
H_(2)Flow:30mL/min.
AirFlow:400mL/min.
Make Up Gas:He25mL/min.
・Injecter
Mode:Spliteless
Initial temp.:Off
Purge Flow:8.0mL
Purge Time:0 min.
Total Flow:13.7ml/min.
Gas Saver:Off
Gas Type: Herium」

4 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的について
訂正事項1は、訂正前の請求項1における「茶アロマ成分量A」の測定で採用する「GC-FID(検出器として水素炎イオン化型検出器を用いたガスクロマトグラフィー)」について、試料導入及び測定の条件を追記するものであって、「茶アロマ成分量A」の意味を明確にするものである。
さらに、訂正事項1は、請求項1を引用する請求項3ないし6についても、同様に「茶アロマ成分量A」の意味を明確にするものである。
したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であること
特許明細書等には、明細書の段落【0030】ないし【0036】において、訂正事項1の訂正後の内容が記載されている。
したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項1は、訂正前の請求項1及び3ないし6における「茶アロマ成分量A」の意味を明確にするものであるから、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

(2)訂正事項2について
ア 訂正の目的について
訂正事項2は、訂正事項1と同様に、訂正前の請求項2ないし6における「茶アロマ成分量A」の意味を明確にするものである。
したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

イ 特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
特許明細書等には、明細書の段落【0030】ないし【0036】において、訂正事項2の訂正後の内容が記載されている。
したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項2は、訂正前の請求項2ないし6における「茶アロマ成分量A」の意味を明確にするものであるから、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

5 一群の請求項について
本件訂正請求は、請求項〔1-6〕という一群の請求項について請求されたものであるから、特許法第120条の5第4項の規定に適合するものである。

6 まとめ
以上のとおり、訂正事項1及び2は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合し、また、本件訂正請求は、特許法第120条の5第4項の規定に適合するから、結論のとおり訂正後の請求項〔1-6〕について訂正することを認める。

第3 特許異議の申立てについて
1 本件発明
本件特許の請求項1ないし6に係る発明(以下、順に「本件発明1」ないし「本件発明6」という。)について、それぞれ特許請求の範囲の請求項1ないし6には、以下の事項が記載されている。
「【請求項1】
非重合体カテキン類及び茶アロマ成分を含む飲料であって、
前記非重合体カテキン類の含有量が1ppm以上であり、
酒石酸鉄吸光光度法により測定されるタンニン含有量が30mg/100ml未満であり、
茶アロマ成分量Aが80以上である、飲料。
ただし、茶アロマ成分量Aとは、フルオロベンゼンを1.0質量ppbとなるように添加し、35℃に保持した該飲料50gから30分間に放出された気体成分を担体で吸着・捕捉し、Cooled Injection Systems(CIS)機能付きの加熱脱着装置(TDS)を用いて、下記のTDS及びCIS条件でGC-FID(検出器として水素炎イオン化型検出器を用いたガスクロマトグラフィー)に導入し、下記のGC-FID条件で分析を実施した時に得られるクロマトグラムにおいて、総ピーク面積の合計及びフルオロベンゼンのピーク面積を、各々、S_(Total)及びS_(IS)としたときに、下記の式(1)により得られる値。
A=S_(Total)/S_(IS) ・・・(1)
(TDS条件)
Initial Temp.:25℃、
Delay Time:0.50min
Initial Time:0.5min
Rate:60.0℃/sec
End Temp:250℃
Hold Time:5.0min
Transfer Temp.:250℃
(CIS条件)
Initial Temp.:-40℃
Equilib. Time:0.05min
Initial Time:1.0min
Rate:12.0℃/sec
End Temp:250℃
End Time:35.0min
(GC-FID条件)
・Oven
Equilib. Time:0.50min
Initial Temp.:40℃
Initial Time:5.0min
Rate:4.0℃/sec
End Temp.:230℃
・Column
Column:WAX系カラム、60m×内径320μm×膜厚1.00μm
・FID
Heater:300℃
H_(2)Flow:30mL/min.
AirFlow:400mL/min.
Make Up Gas:He25mL/min.
・Injecter
Mode:Spliteless
Initial temp.:Off
Purge Flow:8.0mL
Purge Time:0 min.
Total Flow:13.7ml/min.
Gas Saver:Off
Gas Type: Herium
【請求項2】
非重合体カテキン類及び茶アロマ成分を含む飲料であって、
前記非重合体カテキン類の含有量が1ppm以上であり、
酒石酸鉄吸光光度法により測定されるタンニン含有量が30mg/100ml未満であり、
酒石酸鉄吸光光度法により測定されるタンニン含有量(mg/100ml)に対する茶アロマ成分量Aの比(A/タンニン含有量)が3以上である、飲料。
ただし、茶アロマ成分量Aとは、フルオロベンゼンを1.0質量ppbとなるように添加し、35℃に保持した該飲料50gから30分間に放出された気体成分を担体で吸着・捕捉し、Cooled Injection Systems(CIS)機能付きの加熱脱着装置(TDS)を用いて、下記のTDS及びCIS条件でGC-FID(検出器として水素炎イオン化型検出器を用いたガスクロマトグラフィー)に導入し、下記のGC-FID条件で分析を実施した時に得られるクロマトグラムにおいて、総ピーク面積の合計及びフルオロベンゼンのピーク面積を、各々、S_(Total)及びS_(IS)としたときに、下記の式(1)により得られる値。
A=S_(Total)/S_(IS) ・・・(1)
(TDS条件)
Initial Temp.:25℃、
Delay Time:0.50min
Initial Time:0.5min
Rate:60.0℃/sec
End Temp:250℃
Hold Time:5.0min
Transfer Temp.:250℃
(CIS条件)
Initial Temp.:-40℃
Equilib. Time:0.05min
Initial Time:1.0min
Rate:12.0℃/sec
End Temp:250℃
End Time:35.0min
(GC-FID条件)
・Oven
Equilib. Time:0.50min
Initial Temp.:40℃
Initial Time:5.0min
Rate:4.0℃/sec
End Temp.:230℃
・Column
Column:WAX系カラム、60m×内径320μm×膜厚1.00μm
・FID
Heater:300℃
H_(2)Flow:30mL/min.
AirFlow:400mL/min.
Make Up Gas:He25mL/min.
・Injecter
Mode:Spliteless
Initial temp.:Off
Purge Flow:8.0mL
Purge Time:0 min.
Total Flow:13.7ml/min.
Gas Saver:Off
Gas Type: Herium
【請求項3】
容器、及び
該容器に充填された請求項1又は2に記載の飲料
を含む、容器詰飲料。
【請求項4】
前記容器が、最小厚みが300μm未満のプラスチック容器である、請求項3に記載の容器詰飲料。
【請求項5】
前記容器の酸素透過度が0.008cc/day・100ml・atm以上である、請求項3又は4に記載の容器詰飲料。
【請求項6】
前記容器の紫外線(波長360nm)透過率が70%以上である、請求項3?5いずれか1項に記載の容器詰飲料。」

2 取消理由の概要
平成30年1月9日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は、以下のとおりである。なお、当該取消理由は、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由を全て含んでいる。
(1)理由1(進歩性)
本件発明1ないし本件発明6は、下記イのとおり、その出願前日本国内において頒布された下記アに示す引用例1ないし6に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項1ないし6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。

ア 引用例
引用例1:特開2003-210111号公報(特許異議申立人より提出された甲第1号証)
引用例2:特開2012-5419号公報(同甲第2号証)
引用例3:特開2008-92817号公報(同甲第3号証)
引用例4:川口由美,外2名,”茶香気の苦渋味に及ぼす影響”,日本味と匂学会誌(第30回味と匂のシンポジウム),1996年12月,3巻,3号,p.640-643(同甲第4号証)
引用例5:特開2003-191319号公報(同甲第5号証)
引用例6:特開平10-278972号公報(同甲第6号証)

イ 各発明について
(ア)本件発明1について
本件発明1は、甲1に記載された発明、甲2及び3を例証とした周知技術並びに甲4を例証とした周知事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものと認められる。
(イ)本件発明2について
本件発明2は、甲1に記載された発明、甲2及び3を例証とした周知技術並びに甲4を例証とした周知事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものと認められる。
(ウ)本件発明3について
本件発明3は、甲1に記載された発明、甲2及び3を例証とした周知技術並びに甲4を例証とした周知事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものと認められる。
(エ)本件発明4について
本件発明4は、甲1に記載された発明、甲2及び3を例証とした周知技術、甲4を例証とした周知事項並びに甲5を例証とした周知事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものと認められる。
(オ)本件発明5について
本件発明5は、甲1に記載された発明、甲2及び3を例証とした周知技術、甲4を例証とした周知事項、甲5を例証とした周知事項並びに甲6を例証とした周知事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものと認められる。
(カ)本件発明6について
本件発明6は、甲1に記載された発明、甲2及び3を例証とした周知技術、甲4を例証とした周知事項、甲5を例証とした周知事項、甲6を例証とした周知事項並びに甲6を例証とした他の周知事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものと認められる。

(2)理由2(明確性)
本件特許の請求項1ないし6に係る特許は、特許請求の範囲の記載が以下の点で不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。

ア 本件発明1において、「茶アロマ成分量Aが80以上」という発明特定事項の技術的意味を、茶らしい味わいを実現することとの関係で理解できない。
また、特許異議申立人より提出された甲第7号証(”Twister Guideline”,[online],[平成29年11月6日検索],インターネット<http://www.gerstel.jp/pdf/Twister_Guideline_4web.pdf>;以下、「甲7」という。)及び甲8号証(”GERSTEL TWISTER オンサイト トレーニングテキスト”,アジレント・テクノロジー株式会社,2006年12月,Rev.B,目次,1-1,2-2;以下、「甲8」という。)の記載によれば、構成要件1Dでは「茶アロマ成分量A」を測定することはできない。
イ 本件発明2において、「成分量比が3以上」という発明特定事項の技術的意味を、茶らしい味わいを実現することとの関係で理解できない。
また、甲7及び甲8の記載によれば、構成要件2Dでは「茶アロマ成分量A」を測定することはできない。
ウ よって、本件発明1ないし6は、明確ではない。

ここで、「構成要件1D」は、請求項1における「茶アロマ成分量Aが80以上である」という特定事項及び「茶アロマ成分量A」を定義した、ただし書の特定事項からなるものをいう。
また、「構成要件2D」は、請求項2における「酒石酸鉄吸光光度法により測定されるタンニン含有量(mg/100ml)に対する茶アロマ成分量Aの比(A/タンニン含有量)が3以上である」という特定事項及び「茶アロマ成分量A」を定義した、ただし書の特定事項からなるものをいう。

(3)理由3(サポート要件)
本件特許の請求項1ないし6に係る特許は、特許請求の範囲の記載が以下の点で不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。

構成要件1D又は構成要件2Dを備える本件発明1ないし6により、「茶としての味わい、風味を有しつつ、長期間変色しない茶系飲料を提供する」という課題を解決できると認識できる程度の記載がされているとはいえない。
よって、本件発明1ないし6は、発明の詳細な説明に記載したものであるとはいえない。

(4)理由4(実施可能要件)
本件特許の請求項1ないし6に係る特許は、発明の詳細な説明の記載が以下の点で不備のため、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。

ア 発明の詳細な説明における実施例に記載された評価結果では、本件発明1ないし6に規定された茶アロマ成分量Aによって所定の効果を有する飲料が得られるのか不明である。
イ 発明の詳細な説明には、構成要件1D及び構成要件2Dに関して、茶アロマ成分量Aを測定する方法の記載がされているところ、茶アロマ成分量Aを測定することはできない。
ウ よって、発明の詳細な説明の記載は、当業者が本件発明1ないし6の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるとはいえない。

3 引用例の記載
(1)引用例1について
引用例1には、図面とともに以下の事項が記載されている。
ア 「【請求項1】 タンニン/ブリックス値が200mg%/Bx以下の高旨味茶葉抽出液と、高温抽出法で得た高温抽出茶葉抽出液とを用い、タンニン濃度を35?50mg%の範囲内に調整したことを特徴とする緑茶飲料の製造方法。」

イ 「【請求項9】 タンニン濃度が35mg%?50mg%の範囲内であり、お茶由来のブリックス値が0.17以上であることを特徴とする緑茶飲料。」

ウ 「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ペットボトル等の容器に入れて販売される緑茶飲料であって、保存時に経時的に生じる褐変を大幅に低減させた緑茶飲料の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、緑茶飲料は携帯に適したペットボトル飲料として販売されることにより、飛躍的にその販売量が増加した。このようなペットボトルの形態は、350mlの小容量のものから、2Lの大容量のものまで種々のものがあり、またこのような緑茶飲料は冷蔵された状態で販売されたり、加温された状態で販売されたりしている。
【0003】このようなペットボトル飲料として販売されている緑茶飲料は、外部からその内容物の液色が見えることから、緑茶の保存中における経時的な褐変現象は、著しく商品価値を損なうものである。したがって、従来より種々の褐変防止方法が行われてきた。
【0004】代表的な褐変防止方法としては、例えば、このような褐変現象が、緑茶抽出物に含まれるタンニン等のポリフェノールが酸化されて生じることから、アスコルビン酸等の酸化防止剤を添加する方法がある。しかしながら、ペットボトル飲料の充填方法では、ヘッドスペース中の酸素を完全に除去することは困難であり、また一般に用いられている耐熱性のペットボトルや無菌充填用のペットボトルの材質は、酸素の透過を完全に防止することができないため、多量の酸素の存在により緑茶飲料中のアスコルビン酸が消費されてしまうことから、アスコルビン酸の添加だけでは褐変の抑制を行うことは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ペットボトル等の容器を用いて販売された場合でも保存時の経時的な褐変量が極めて小さい緑茶飲料の製造方法を提供することを主目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、請求項1に記載するように、タンニン/ブリックス値(以下、Bx値と略称する場合がある。)が200mg%/Bx以下の高旨味茶葉抽出液と、高温抽出法で得た高温抽出茶葉抽出液とを用い、タンニン濃度を35?50mg%の範囲内に調整したことを特徴とする緑茶飲料の製造方法を提供する。
【0007】タンニン濃度を35?50mg%の範囲内としていることから、経時的な褐変を極めて小さいものとすることができると共に、上述したような高旨味茶葉抽出液と高温抽出法による高温抽出茶葉抽出液とをブレンドしたものであるので、タンニン濃度が上述したように低い範囲で調整した場合であっても、苦渋味があり、コク、旨味もあるより香味に濃厚感を感じる事ができる緑茶飲料とすることが可能となるのである。」

エ 「【0015】本発明は、請求項9に記載するように、タンニン濃度が35mg%?50mg%の範囲内であり、お茶由来のBx値が0.17以上であることを特徴とする緑茶飲料を提供する。このような緑茶飲料は、タンニン濃度が低いことから経時的な褐変量が少なく、かつBx値が上述したような範囲内であることから、旨味やこくを有するものである。」

オ 「【0017】A.緑茶飲料の製造方法
本発明の緑茶飲料の製造方法は、タンニン/Bx値が200mg%/Bx以下の高旨味茶葉抽出液と、高温抽出法で得た高温抽出茶葉抽出液とを用い、タンニン濃度を35?50mg%の範囲内に調整したことを特徴とするものである。
【0018】本発明においては、このようにタンニン/Bx値の低い高旨味茶葉抽出液と高温抽出茶葉抽出液とを用い、かつ緑茶飲料中のタンニン濃度を上述したような低い範囲としたものであるので、経時的な褐変現象を最小限に抑えることが可能であり、かつ緑茶の香味も十分なものである緑茶飲料を製造することが可能となる。
【0019】以下、このような緑茶飲料の製造方法について、詳細に説明する。
【0020】1.高旨味茶葉抽出液
本発明の緑茶飲料に用いられる高旨味茶葉抽出液とは、タンニン/Bx値が200mg%/Bx以下、好ましくは170mg%/Bx以下、中でも150mg%/Bx以下である茶葉抽出液をいうものである。
【0021】ここで、タンニン/Bx値とは、タンニン濃度をブリックス値で割った値である。本発明において、タンニン濃度は酒石酸鉄法により測定した値を用い、またブリックス値は、屈折率計で測定した値を用いることとする。
【0022】通常、タンニン濃度は、渋みの指標として、ブリックス値とは、こくを表す指標として使用される。従って、タンニン/ブリックス値とは、こくに対する渋みの指標として使用できる。つまり、この値が高ければ、こくが少なく、かつ渋みが多いことを意味し、逆に低ければ、こくがあり、かつ渋みが少ないことを意味する。一般に玉露や高級な煎茶はこの値が低い傾向にある。
【0023】このような低タンニン/Bx値の高旨味茶葉抽出液を用いるのは以下の理由によるものである。すなわち、緑茶飲料の経時的な褐変現象を低減するためには、緑茶飲料中のタンニン量を減らすことが効果的である。しかしながら、通常の茶葉抽出液を用いて低タンニン量の緑茶飲料を製造したのでは、旨味やこくが極めて希薄な緑茶飲料となってしまい、商品価値として問題が生じてしまう。
【0024】本発明においては、このようにタンニン量を低減しても旨味やこくを維持することができるようにするために、上述したような範囲内のタンニン/Bx値を有する高旨味茶葉抽出液を用いるのである。」

カ 「【0029】(1)酵素分解抽出法
本発明における高旨味茶葉抽出液の製造方法としては、上述したように、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、およびプロトペクチナーゼを少なくとも有する酵素群を用い、茶葉を酵素分解抽出処理する茶葉抽出液の製造方法が最も好ましい態様であるといえる。」

キ 「【0064】(2)他の高旨味茶葉抽出液の製造方法
本発明において用いられる高旨味茶葉抽出液は、上述した少なくとも4種類の酵素を用いる酵素分解抽出法に限定されるものではなく、上述した範囲内のタンニン/Bx値を有する茶葉抽出液であれば用いることが可能である。以下、その他の高旨味茶葉抽出系の製造方法について説明する。」

ク 「【0066】a.低温抽出法
本発明でいう低温抽出法とは、特に酵素を用いることなく、茶葉の抽出時の温度が20℃?40℃の範囲内の温度で行われる方法である。例えば、まず茶葉を準備し、これにアスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸および脱イオン水を添加し、さらに必要な場合はポリビニルポリピロリドンを添加して、20℃?40℃にて0.5?5時間抽出を行う。そして、遠心分離法により固液分離を行い、5μmの濾紙を用いて濾過を行う。そして、加熱殺菌を行うことにより低温抽出液を得る。さらに必要に応じて得られた抽出液を濃縮し、加熱殺菌を行った後、冷却して濃縮低温抽出液とするといった茶葉抽出液の製造方法である。」

ケ 「【0073】b.含水アルコール抽出法
本発明でいう含水アルコール抽出法とは、エタノールが10?90重量%程度含まれる含水アルコールを用いた抽出法である。例えば、まず茶葉を準備し、これを重量比率が水:エタノール=10?90:90?10である含水アルコールを用い、30?55℃で0.5?5時間攪拌抽出を行う。そして、80?90℃で5?20分間保持して殺菌を行う。そして、0?10℃まで冷却し、0?10℃にて一昼夜以上静置し、濾紙による自然濾過を行って茶葉抽出液を得る方法である。」

コ 「【0074】2.高温抽出茶葉抽出液
本発明においては、上述した高旨味茶葉抽出液に加えて、高温抽出茶葉抽出液が用いられる。これは、このような高温抽出茶葉抽出液を用いることにより、苦渋味があり、コク、旨味もあるより香味に濃厚感を感じる緑茶本来の味を有する緑茶飲料とすることができるからである。
【0075】このような高温抽出茶葉抽出液の製造方法は、茶葉から茶を抽出する一般的な方法であり、例えば、茶葉を準備し、これを50℃?90℃の温水にて、3分?10分間程度抽出を行う。次いで、篩により茶葉から抽出液を液切り後、5℃?20℃の範囲内となるまで冷却した後、遠心分離を行い、さらに膜濾過もしくは珪藻土濾過を行うことにより茶葉抽出液を得る方法である。」

サ 「【0078】3.配合割合
本発明においては、上述した高旨味茶葉抽出液と高温抽出茶葉抽出液とを用いて緑茶飲料を製造するのであるが、この際の配合割合としては、最終的な緑茶飲料のタンニン濃度が35?50mg%の範囲内となり、かつ、苦渋味があり、コク、旨味もあるより香味に濃厚感を感じる緑茶本来の味となるような配合割合で処方される。」

シ 「【0086】c.その他の添加剤
本発明においては、この他、着香、着色、酸化防止または抗菌の目的で、それぞれ茶フレーバー等の香料、葉緑素等の着色料、ルチン等の酸化防止剤、ショ糖脂肪酸エステル等の抗菌目的の乳化剤等を適宜添加しても良い。」

ス 「【0089】6.タンニン量の調整
本発明においては、緑茶飲料中のタンニン量を、35mg%?50mg%の範囲内、好ましくは40mg%?45mg%の範囲内となるように調整して緑茶飲料が製造される。
【0090】このようにタンニン量を上記範囲内となるように調整することにより、緑茶飲料の保存時の褐変量を低減させることが可能であり、かつ緑茶飲料としての香味面でもバランスのとれた良好な香味とすることが可能となるからである。
【0091】B.緑茶飲料
本発明の緑茶飲料は、タンニン濃度が35mg%?50mg%の範囲内、好ましくは40mg%?45mg%の範囲内であり、お茶由来のブリックス値が0.17以上、好ましくは0.19以上であることを特徴とするものである。
【0092】本発明の緑茶飲料は、このようにタンニン濃度が上述した範囲内であることから、保存時において経時的に生じる褐変量を低減させることが可能であるという利点を有するものである。またブリックス値が上述したような範囲であることから、タンニン濃度が低いにもかかわらず、緑茶飲料として苦渋味があり、コク、旨味もあるより香味に濃厚感を感じる緑茶本来の味とすることが可能となる。」

セ 「【0096】1.茶葉抽出液の製造
下記の実施例および比較例で用いる茶葉抽出液は、以下の方法で得られたものを用いた。
【0097】[実験例1:高温抽出法による高温抽出茶葉抽出液の製造]茶葉量に対して30倍量の70℃の温水に、茶葉を浸たし、適時攪拌しながら4分間抽出を行った。150メッシュサイズの金属ふるいで固液分離を行い、その濾液を10℃以下まで冷却した後、遠心分離、膜濾過で清澄な高温抽出茶葉抽出液を得た。
【0098】[実験例2:酵素分解抽出法による高旨味茶葉抽出液の製造]アスコルビン酸とその塩類で、pHを5.0に調整した茶葉量に対して15倍量の40℃の温水に、茶葉をあらかじめ溶解したセルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、プロトペクチナーゼ、αーアミラーゼからなる5種の酵素と共に浸せきし、常時攪拌しながら2時間、酵素反応を行った。この際、各酵素の使用量は、使用茶葉量に対して、それぞれ0.6重量%、0.3重量%、1.0重量%、1.5重量%、0.6重量%になるように添加した。
【0099】使用した酵素は、加熱失活後、膜濾過により除去した。さらに、この抽出液を適当な倍率で濃縮したものを、酵素分解抽出による高旨味茶葉抽出液とした。
【0100】[実験例3:低温抽出法による高旨味茶葉抽出液の製造]茶葉を、茶葉量の10倍量の23℃の純水で2時間抽出を行い、固液分離後の濾液にポリビニルポリピロリドンを抽出液に対して、1重量%になるように添加し、一定時間の攪拌を行い、ポリビニルポリピロリドンにタンニンを吸着させた。その後、遠心分離により、タンニンを吸着したポリビニルポリピロリドンを取り除き、さらに、この抽出液を濃縮することにより、低温抽出法による高旨味茶葉抽出液を得た。
【0101】[実験例4:含水アルコール抽出法による高旨味茶葉抽出液の製造]おおよそ50%濃度のエタノールを含む水溶液を50℃に加温し、それに茶葉を25重量%になるように加えて、1時間抽出を行い、冷却後、膜濾過により清澄化し含水アルコール抽出法による高旨味茶葉抽出液を得た。
【0102】[評価]上記実験例1から実験例4で得た各茶葉抽出液のタンニン/Bx値と、各抽出液をBx値0.3に希釈した際の香味の特徴を表1にまとめる。
【0103】
【表1】

【0104】2.緑茶飲料中のタンニン濃度の検討
上記実験例1から実験例4までの茶葉抽出液を用い、表2に示す処方を用いてタンニン濃度を30mg%から60mg%まで変更した緑茶飲料(実施例2-1、2-2、および比較例2-1、2-2)を製造した。
【0105】
【表2】

【0106】このようにして得た緑茶飲料を、耐圧缶にヘッドスペースを十分に空けた状態で充填し、130℃で5分間のレトルト処理(再レトルト)を行い、再レトルト前後の波長500nmにおける吸光度差を測定し、これを用いて経時的な褐変量を評価することとした。なお、上記再レトルト条件は、常温での保存期間の3?6ヶ月に相当するものである。結果を図1および表3にまとめる。
【0107】
【表3】

【0108】図1より明らかなように、タンニン濃度が増加すると経時的な褐変も悪化することが分かり、特に50mg%を超えると吸光度差が0.04を大幅に上回ることから経時的な褐変が問題となる。また、表3より、タンニン濃度が30mg%の場合は緑茶飲料として香味が不足することが分かる。」

ソ 「【0120】6.高温抽出茶葉抽出液と高旨味茶葉抽出液とのブレンドの検討
上記実験例1から実験例4までの茶葉抽出液を用い、表8に示す処方でそれぞれのタンニン濃度が40mg%となるように調製して緑茶飲料(実施例6-1?6-3、比較例6-1)を製造した。
【0121】
【表8】

【0122】これらの緑茶飲料の香味の特徴を評価した結果を表9にまとめる。高温抽出茶葉抽出液のみの処方では、良好な香味が得られていないことがわかる。
【0123】
【表9】



タ 「



[引用発明1]
上記ア(ア)ないし(ソ)の記載及び図1の記載によれば、引用例1には、次の事項からなる発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認める。
「タンニン/ブリックス値が200mg%/Bx以下の高旨味茶葉抽出液と、高温抽出法で得た高温抽出茶葉抽出液とを用いた緑茶飲料であって、
酒石酸鉄法により測定したタンニン濃度が35?50mg%の範囲内であり、
お茶由来のブリックス値が0.17以上である、緑茶飲料。」

[引用発明2]
上記ア(ア)ないし(ソ)の記載及び図1の記載によれば、引用例1には、次の事項からなる発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認める。
「ペットボトル等の容器、及び
該ペットボトル等の容器に入れた引用発明1を含む、ペットボトル飲料。」

(2)引用例2について
引用例2には、図面とともに以下の事項が記載されている。
ア 「【請求項1】
以下の(1)?(3)の工程を経ることを特徴とする茶エキスの製造方法。
(1)原料茶葉を水蒸気蒸留する際に生じる香気ガスを誘導し、当該香気ガスに水滴を吹付けて香気ガス成分を回収する工程、
(2)原料茶葉を水蒸気蒸留した留出残渣を水で抽出し、抽出液を回収する工程、
(3)工程(1)で得られた回収液と工程(2)で得られた抽出液とを混合する工程。
【請求項2】
以下の(1)?(4)の工程を経ることを特徴とする茶エキスの製造方法。
(1)原料茶葉を水蒸気蒸留する際に生じる香気ガスを誘導し、当該香気ガスに水滴を吹付けて香気ガス成分を回収する工程、
(2)原料茶葉を水蒸気蒸留し、留出液を回収する工程、
(3)原料茶葉を水蒸気蒸留した留出残渣を水で抽出し、抽出液を回収する工程、
(4)工程(1)で得られた回収液と、工程(2)で得られた留出液と、工程(3)で得られた抽出液とを混合する工程。」

イ 「【0022】
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、特に記載のない限り「%」は、「質量%」、「部」は「質量部」を意味するものとする。
【0023】
実施例1:緑茶エキスの調製
(1)第一工程:水蒸気蒸留処理
国産煎茶茶葉5kgを、常圧下、蒸気流量375L/hで水蒸気蒸留を行った。留出液が出始めるまでの間、留出液回収口から排出される香気ガスを吸着器の上部に誘導した。吸着器内には水を5kg溜めておき、香気ガスと向かい合うように水をシャワー・循環させた。コンデンサーから留出液が出始めた段階で、水の循環を止め香気ガス回収液5kgを回収した(香気ガス回収液1)。
留出液が出始めから、蒸気流量を150L/hに変更し、茶葉に対し同量(5kg)の留出液を回収した(留出液1)。
【0024】
(2)第二工程:抽出処理
第一工程終了後の茶葉全量をカラム型抽出機に充填した。92℃の温湯を抽出機上部より20L入れ、直ちに抽出機の下方より抽出液の回収を開始した。結果、抽出液16kgを得た(抽出液2)。
【0025】
(3)第三工程:調合、ろ過、殺菌工程
香気ガス回収液1を25部、留出物1を25部、抽出液1を50部の割合で混合し、次いで混合液を珪藻土濾過し、130℃、30秒加熱殺菌して本発明に係る緑茶エキスを得た(実施例1)。
【0026】
比較例1:緑茶エキスの調製
上記実施例1で得られた留出液150部と、抽出液150部を混合し、次いで混合液を珪藻土濾過し、130℃、30秒加熱殺菌して比較となる緑茶エキスを得た(比較例1)。
前述の方法で得られた実施例1及び比較例1はどちらも糖度3.3°、pH5.2であった。
更に、実施例1及び比較例1の緑茶エキスをそれぞれ1%に希釈した液で官能評価(パネラー8人)を行った。結果、8人中7人で実施例1の方が煎茶的な香気の力価が強く好ましいという評価であった。
【0027】
実施例2:緑茶エキスを配合した緑茶飲料の調製
国産煎茶葉を50℃で抽出してBrixを0.14°に調整したものを緑茶飲料原料液として、下記処方に従い、135℃、5秒間の殺菌を施した緑茶飲料を調製した。
<緑茶飲料の処方>
実施例1の緑茶エキス 0.1 (部)
L-アスコルビン酸ナトリウム 0.03
炭酸水素ナトリウム 0.003
緑茶飲料原料液にて合計 100とした。
【0028】
比較例2:緑茶飲料の調製
実施例2と同じ緑茶飲料原料液を用い、下記処方に従い、135℃、5秒間の殺菌を施した緑茶飲料を調製した。
<緑茶飲料の処方>
L-アスコルビン酸ナトリウム 0.03 (部)
炭酸水素ナトリウム 0.003
緑茶飲料原料液にて合計 100とした。
【0029】
比較例3:緑茶エキスを配合した緑茶飲料の調製
実施例2と同じ緑茶飲料原料液を用い、下記処方に従い、135℃、5秒間の殺菌を施した緑茶飲料を調製した。
<緑茶飲料の処方>
比較例1の緑茶エキス 0.1 (部)
L-アスコルビン酸ナトリウム 0.03
炭酸水素ナトリウム 0.003
緑茶飲料原料液にて合計 100とした。
【0030】
実施例2及び比較例2の緑茶飲料を比較評価すると、実施例2の方が煎茶的な香りが非常に強く表現されていて、風味・呈味ともに良好であった。また、実施例2と比較例3の緑茶飲料の比較では、実施例2の方が香り立ちがよく、嗜好性を刺激するものであった。したがって、本発明品の緑茶エキスは、一般的な緑茶飲料の風味や呈味を強調させることがわかった。」

(3)引用例3について
引用例3には、図面とともに以下の事項が記載されている。
ア 「【請求項1】
以下の(1)乃至(4)の工程を経ることを特徴とする茶エキスの製造方法。
(1)茶葉を温水で浸漬もしくは湿潤させる工程、
(2)工程(1)の茶葉を水蒸気抽出し、溜出液を回収する工程、
(3)工程(2)の溜出残渣を水で抽出し、抽出液を回収する工程、
(4)工程(2)の溜出液と、工程(3)の抽出液とを混合する工程。」

イ 「【0007】
本発明にかかる茶エキスの製造方法は、最初に茶葉を湿らせた後、水蒸気蒸留して得られる所定量の溜出液と、蒸留残渣を水抽出して得られる抽出液とを混合されてなるものであるところ、該製造方法により得られた茶エキスは、殺菌工程後にも優れた香りや風味を有するとともに、味においても優れた(香気が増強され、苦渋味も軽減された)ものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明に係る茶エキスの製造方法は、(必要に応じて、焙煎粉砕、若しくは醗酵粉砕した)茶葉をあらかじめ温水で浸漬もしくは湿潤させた後、該茶葉を水蒸気抽出し、所定量の溜出液を得る。
溜出残渣については水抽出することにより、得られた抽出液を回収する。
その後、前記溜出液と前記水抽出により得られた抽出液とを混合することにより、茶エキスを得る。
【0009】
即ち、本発明に係る製法は、
(1)茶葉(必要に応じ、焙煎粉砕・醗酵粉砕等、行う)を水で浸漬、若しくは湿潤させる工程、
(2)工程(1)で浸漬させた茶葉を水蒸気抽出し、溜出液を回収する工程、
(3)工程(2)の溜出残渣を水で抽出し、抽出液を回収する工程、
(4)工程(2)の溜出液と、工程(3)の抽出液とを混合する工程からなり、
上記(1)乃至(4)の工程をこの順序によって行うことにより得られた茶エキスは、殺菌工程後にも優れた香りや風味を有し、しかも味においても優れる上、飲料に適した濃度であるところ、希釈工程を経ることなく殺菌処理後そのまま茶飲料としての用途に供される。
【0010】
本発明に係る茶エキスの製造方法においては、最初に、茶葉を温水で浸漬もしくは湿潤させる工程〔工程(1)〕を、水蒸気抽出〔工程(2)〕、水抽出〔工程(3)〕を経る前に行う。」

ウ 「【0017】
次に、工程(2)について説明する。
工程(2)は、工程(1)で浸漬もしくは湿潤させた茶葉を水蒸気抽出し、溜出液を回収する工程である。
【0018】
風味豊かな茶エキスを得る為には、茶葉に含まれる香気成分を抽出することが必要であり、前記香気成分は茶葉を水蒸気抽出することにより得られる。
水蒸気抽出により、以下の水抽出を含む工程(3)では抽出されない香気成分を確実に抽出することができる。
また、本発明に係る製法により得られた茶エキスは、水蒸気抽出の溜出液が用いられているので、殺菌後にも豊かな風味、香りを有している。
以上より、水蒸気抽出を含む工程(2)を経ることは、風味豊かな茶エキスを得る上でかかせないものとなる。
【0019】
工程(2)は欠かせないものであるが、前提条件として工程(1)を経なければ、その高温により、後の工程(3)で得られる茶抽出液の呈味が悪くなる。
【0020】
以上より、工程(1)で得られた茶葉を水蒸気抽出し、溜出液を回収する工程(2)を経ることにより、回収された溜出液には茶葉中の優れた香りを有する香気成分が豊富に含まれ、且つ、以下の工程(3)で得られる抽出液にも豊富に呈味成分が含まれることとなるので、これらを混合〔工程(4)〕して得られる茶エキスは、優れた香りを有する香気成分を豊富に含みつつ、味にも優れたものとなる。
また、水蒸気抽出の際に原料が高温に長時間晒される結果、水抽出により抽出される呈味成分が劣化する弊害については事前に上記工程(1)を経ることにより回避することができる。
【0021】
工程(2)において回収される溜出液には、香気成分として、種々の化合物が多く含まれるが、これら香気成分は、原料を従来の抽出法、即ち、熱水或いは温水抽出法により抽出して得られる茶エキスにも含まれており、本発明にかかる茶エキスの製造方法により得られた茶エキスにはこれら香気成分が、従来のものよりも多く含まれている。
【0022】
次に、工程(3)について説明する。工程(3)は、前記工程(2)の溜出残渣を水で抽出し、茶エキスを回収する工程である。
【0023】
茶葉の水抽出を行うことによって茶葉原料中の呈味成分を抽出する。」

エ 「【0025】
次に、工程(4)について説明する。工程(4)においては、前記水抽出により得られる抽出液と水蒸気抽出により得られる溜出液を混合することにより茶エキスを得る。
【0026】
この茶エキスには抽出液中の呈味成分と溜出液中の香気成分が含まれているので、風味や香り、味において優れており、殺菌処理後にも品質が劣化することはない。」

オ 「【0034】
<実施例1>
緑茶(Camellia sinensis)葉200gを容器に入れ、40℃の温水200gで、10分間、湿らせた。
この際、茶葉が均質に湿らせることができるよう、温水を40℃とした。
次に、湿らせた茶葉を容器内で水蒸気蒸留し、溜出液を300g回収した。
蒸留残渣については40℃の温水4000gで、抽出した。
前記溜出液300gと抽出液3700gとを混合させた。
得られた茶エキス4000gを実施例1の試料とした。」

カ 「【0041】
上記実施例1?4及び比較例1?3で得られたエキスをBx.0.3になるように希釈し、重曹を添加しpH 6.3に調整したものを190gずつ缶に詰めた。次に、115℃で20分間殺菌したものをそれぞれパネラー10人に飲用してもらい、香りの強弱及び嗜好性と味について以下の基準で採点してもらった。
〔香り(強弱)〕
非常に強い…5点,強い…4点,普通…3点,やや弱い…2点,弱い…1点
〔香り(嗜好性)〕
非常に良い…5点,良い…4点,普通…3点,やや悪い…2点,悪い…1点
〔味〕
非常においしい…5点,おいしい…4点,普通…3点,ややおいしくない…2点,おいしくない…1点
10人のパネラーの合計点を算出した。結果を表1に示す。
【0042】
【表1】

【0043】
表1の結果の通り、実施例1?4のエキスのように、最初に茶を湿らせてから水蒸気蒸留して得られた蒸留液と、蒸留残渣を抽出して得られた抽出液が混合されてなるエキスを用いて製造された茶は、殺菌処理後にも豊かな風味、香りを有しており、味も良かった。
これに対し、比較例1のエキスのように、抽出により得られる抽出液からなるエキスを用いて製造された茶は、風味、香り、味の全てにおいて劣っていた。
また、比較例2のエキスのように茶を湿らさずに蒸留液を回収し、抽出して得られた抽出液が混合されてなるエキスを用いて製造された茶や、比較例3のエキスのように蒸留液の回収量を多くし、抽出して得られた抽出液が混合されてなるエキスを用いて製造された茶は香りの強さや嗜好性においては優れていたが、味が悪かった。
即ち、湿らし、水蒸気蒸留、抽出の順で抽出を行うことにより、豊かな風味、香りを有し、味においても優れた茶を製造することができた。」

(4)引用例4について
引用例4には、以下の事項が記載されている。
ア 「本研究では、独特の風味を持ち、多くの人々に嗜好品として親しまれている茶をサンプルとし、特徴的な香りが、茶の主要な味である苦味や渋味の強さや刺激閾値に及ぼす影響を調べることを目的とした。」(640頁5ないし8行)

イ 「試料
香気成分:緑茶と紅茶の茶葉をそれぞれ熱水抽出し、ポラパックQ樹脂吸着法により得られた香気濃縮物を無臭のミネラルオイルで希釈し香気成分とした。緑茶5.0g、紅茶2.25gの茶葉を150mlの熱水で浸出した時の香りの強さと同程度になる量を用いた。調製した香気濃縮物の香りの質も実際の飲用時とよく類似していた。
味物質 :ポリフェノン100(三井農林株式会社供試品)を実際に飲用する茶の苦渋味を呈するモデルとして用いた。ポリフェノン100は、(-)-EGC(-)-EC、(-)-EGCg、(-)-ECgの4種のカテキンと少量のカフェインを含んでおり、茶への渋味への効果が強い(-)-ECg^(4))を55.5%と最も多く含む(表1)。単一の苦味物質としてカフェインを用いた。」(640頁15行ないし末行)

ウ 「官能検査方法
味強度の測定方法
純水を無味として”0”、250ppmの試料溶液を”100”とした評価尺度で、4段階の濃度(50、100、150、200ppm)の試料溶液の味の強さを評価させた。試料溶液は10mlとし、被験者に10ml全てを口に含ませ、図1のように香りをかぎながら10秒間口の中で転がし吐き出させ、10秒間中に感じられた味の強さを評価させた。」(641頁1ないし6行)

エ 「苦渋味を呈するポリフェノン100については、緑茶及び紅茶の香りを付与することにより、味強度が強まり、3点識別テストの正解率が低下し閾値が上昇した。」(641頁下から5行ないし下から4行)

(5)引用例5について
引用例5には、図面とともに以下の事項が記載されている。
ア 「【請求項1】 ポリエステル樹脂製のプリフォームをブロー成形してなるボトル状容器であって、その平均肉厚が0.1?0.2mmであることを特徴とするボトル状容器。」

イ 「【0002】
【従来の技術】従来からポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂等を用いて有底のプリフォームを射出成形し、得られたプリフォームを加熱昇温後、二軸延伸ブロー成形を行ってボトル状容器を製造することが行われており、得られたボトル状容器は、透明性、表面光沢、耐衝撃性、ガスバリア性等に優れ、各種飲料、食品、液体洗剤などの容器として広く使用されている。
【0003】このようなボトル状容器を飲料用容器として用いるペットボトルは、通常、その平均肉厚が0.25?0.3mm程度とされており、リサイクル法の施行にともない使用樹脂量の削減や軽量化の要求が高まっている。」

(6)引用例6について
引用例6には、図面とともに以下の事項が記載されている。
ア 「【0010】また、PET樹脂からなるプラスチックボトルは、320nmより長波長側において紫外線透過性を有することから、アルコール飲料、ビタミンドリンク、フルーツジュースのような紫外線感受性物質の容器としては適当ではない。」

イ 「【0013】さらに、PET樹脂からなるプラスチックボトルの酸素遮断性能は十分ではないため、内容物の鮮度を低下させるという問題がある。容量0.5lのPET製ボトルの1日当たりの酸素透過量は0.125?0.170ccであり、遮断性能として十分なものとはいえない。携帯用プラスチックボトルの容量が小さいほど、内容物の接触(表面)面積は相対的に大きくなることから、高度の酸素遮断性能が要求されるからである。」

4 判断
(1)取消理由1(進歩性)について
ア 本件発明1について
(ア)対比
本件発明1と引用発明1とを対比すると、引用発明1の「酒石酸鉄法により測定したタンニン濃度」は、本件発明1の「酒石酸鉄吸光光度法により測定されるタンニン含有量」に相当し、また、引用発明1の「mg%」は、100mlの溶液に含まれる溶質の重量をmgで表したものであり、本件発明の「mg/100ml」に相当する。
したがって、両者は少なくとも次の点で相違する。
[相違点1]
「酒石酸鉄吸光光度法により測定されるタンニン含有量」について、本件発明1は、30mg/100ml未満であるのに対して、引用発明1は、35?50mg/100mlの範囲内である点。

(イ)判断
a 相違点1の検討
上記相違点1について検討する。
引用例1の表2(上記3(1)セ)には、タンニン/ブリックス値が200mg%/Bx以下の酵素分解抽出法による抽出液(表1の実験例2)、低温抽出法による抽出液(表1の実験例3)及び含水アルコール抽出法による抽出液(表1の実験例4)からなる高旨味茶葉抽出液と、高温抽出法で得た高温抽出茶葉抽出液(表1の実験例1)とを用いた緑茶飲料である、タンニン濃度(タンニン含有量)が30mg%の比較例2-1、タンニン濃度が40mg%の実施例2-1、タンニン濃度が50mg%の実施例2-2及びタンニン濃度が60mg%の比較例2-2が示されている。
そして、引用例1の表3(上記3(1)セ)には、タンニン濃度が30mg%の比較例2-1では、香味の特徴について「渋味は少ないが、お茶の旨みが感じられない。」と記載され、また、引用例1の段落【0108】には、「図1より明らかなように、タンニン濃度が増加すると経時的な褐変も悪化することが分かり、特に50mg%を超えると吸光度差が0.04を大幅に上回ることから経時的な褐変が問題となる。また、表3より、タンニン濃度が30mg%の場合は緑茶飲料として香味が不足することが分かる。」と記載されていることからすると、引用発明1は、タンニン/ブリックス値が200mg%/Bx以下の高旨味茶葉抽出液と、高温抽出法で得た高温抽出茶葉抽出液とを用いて、タンニン濃度(タンニン含有量)を35?50mg%(mg/100ml)の範囲内とすることにより、「タンニン濃度が上述したように低い範囲で調整した場合であっても、苦渋味があり、コク、旨味もあるより香味に濃厚感を感じる事ができる緑茶飲料とすることが可能となる」(上記3(1)ウの段落【0007】)ものである。
そうすると、引用発明1において、タンニン濃度(タンニン含有量)を、コク、旨味がなく香味に濃厚感を感じることができないような、30mg%(mg/100ml)未満とする動機付けはない。
また、上記3(2)及び(3)によると、引用例2及び3には、水蒸気処理によって茶葉から香気成分を含むエキスを抽出し、当該エキスを緑茶飲料に用いることは記載されているが、緑茶飲料において、本件発明1のように、タンニン含有量を30mg/100ml未満としても、所定量の茶アロマ成分を含むことにより、コクや旨味がある茶らしい味わいが得られるようにすることは記載されていない。
さらに、上記3(4)によると、引用例4には、茶葉から抽出された香気成分に、茶の苦味や渋味の強さを高める作用があることは記載されているが、緑茶飲料において、本件発明1のように、タンニン含有量を30mg/100ml未満としても、所定量の茶アロマ成分を含むことにより、コクや旨味がある茶らしい味わいが得られるようにすることは記載されていない。
なお、上記3(5)によると、引用例5には、最小厚みが300μm未満である飲料用のプラスチック容器が記載され、また、上記3(6)によると、引用例6には、ペットボトル容器の酸素透過度が0.008cc/day・100m1・atm以上である飲料用の容器が記載されているが、引用例5及び6には、緑茶飲料において、本件発明1のように、タンニン含有量を30mg/100ml未満としても、所定量の茶アロマ成分を含むことにより、コクや旨味がある茶らしい味わいが得られるようにすることは記載されていない。
また、申立人によって平成30年5月29日に意見書と共に提出された参考資料1(「日本茶インストラクター講座 第2巻」,特定非営利活動法人 日本茶インストラクター協会,2010年,p.35)には、下記の表20が示されているところ、表20は、水出し煎茶に関するものであって、たとえ、タンニン含有量を30mg/100ml未満した場合に、味評価が良好である例が記載されているとしても、引用発明1は、タンニン/ブリックス値が200mg%/Bx以下の高旨味茶葉抽出液と、高温抽出法で得た高温抽出茶葉抽出液とを用いたものであって、水出し煎茶とは異なること、及び、上述したとおり、引用発明1において、30mg%(mg/100ml)未満とすることは、動機付けがないことを考慮すると、参考資料1の表20の記載をもって、引用発明1のタンニン含有量を30mg/100ml未満とする動機付けがあるとはいえない。



したがって、引用発明1において、タンニン濃度(タンニン含有量)を30mg%(mg/100ml)未満とし、上記相違点1に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、引用例2ないし4に記載された事項を考慮しても、当業者が容易に想到し得たことではない。

b 効果について
そして、本件発明1は、上記相違点1に係る本件発明1の発明特定事項を備えることによる「薄肉化容器に詰めて長期間保存してもすぐには変色しない、クリアな色合いの茶系飲料を提供できる。」(特許明細書等の段落【0008】)という効果と共に、「タンニン含有量が少ないにもかかわらず、茶らしい味わいを実現することができる。」(特許明細書等の段落【0015】)という効果を奏するものである。

c 小括
したがって、本件発明1は、引用発明1及び引用例2ないし4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

イ 本件発明2について
(ア)対比
本件発明2と引用発明1とを対比すると、上記ア(ア)の対比と同様に、両者は少なくとも次の点で相違する。
[相違点2]
「酒石酸鉄吸光光度法により測定されるタンニン含有量」について、本件発明2は、30mg/100ml未満であるのに対して、引用発明1は、35?50mg/100mlの範囲内である点。

(イ)判断
相違点2は、相違点1と同様である。
そうすると、上記アの本件発明1についての検討を踏まえると、本件発明2は、引用発明1及び引用例2ないし4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ 本件発明3について
(ア)対比
本件発明3と引用発明2とを対比する。
・後者の「ペットボトル等の容器」は、前者の「容器」に相当し、以下同様に、「入れた」は「充填された」に、「ペットボトル飲料」は「容器詰飲料」に、それぞれ相当する。
・後者の「引用発明1」は、前者の「請求項1又は2に記載の飲料」に、「所定の飲料」という限りにおいて一致する。
そうすると、両者は次の点で相違し、その余の点で一致する。
[相違点3]
「所定の飲料」に関し、本件発明3においては、「請求項1又は2に記載の飲料」であるのに対して、引用発明2においては、「引用発明1」である点。

(イ)判断
相違点3は、本件発明3と引用発明2とは、発明を特定するための事項に含む「飲料」として、それぞれ本件発明1又は2と引用発明1としている点で、相違するというものである。
そうすると、上記アの本件発明1についての検討及び上記イの本件発明2についての検討並びに引用発明2は引用発明1を含んでいることを踏まえると、本件発明3は、引用発明2及び引用例2ないし4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

エ 本件発明4ないし6について
本件特許の請求項4ないし6において、請求項3を引用しており、本件発明4ないし6は、本件発明3の発明特定事項を全て含むものである。
そうすると、上記ウの本件発明3についての検討を踏まえると、本件発明4は、引用発明2及び引用例2ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではなく、また、本件発明5及び6は、引用発明2及び引用例2ないし6に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

オ まとめ
以上のとおりであるから、請求項1ないし6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。

(2)取消理由2(明確性)について
ア 検討
本件訂正後の請求項1及び2において、茶アロマ成分量Aの測定条件が明確になったので、「茶アロマ成分量A」の意味は明確になった。
なお、後記(4)で述べるとおり、「茶アロマ成分量A」の測定は当業者が実施可能なものである。
そうすると、本件発明1における「茶アロマ成分量Aが80以上」という発明特定事項及び本件発明2における「酒石酸鉄吸光光度法により測定されるタンニン含有量(mg/100ml)に対する茶アロマ成分量Aの比(A/タンニン含有量)が3以上」という発明特定事項の意味は明確であるから、本件発明1及び2は明確であり、発明特定事項として、本件発明1又は本件発明2を含む本件発明3ないし6も明確である。

イ まとめ
したがって、請求項1ないし6に係る特許は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものではない。

(3)取消理由3(サポート要件)について
ア 検討
本件特許明細書の段落【0043】ないし【0045】には、次の表1が記載されている。
「【0043】
[香味評価試験]
実施例及び比較例の飲料について、その香味を、良好を5点、やや良好を4点、普通を3点、やや悪いを2点、悪いを1点として、専門パネリスト5人により評価した。評価結果(パネリスト5人の点数の平均値)を表1に示す。
【0044】
[変色評価試験]
実施例及び比較例の飲料280mlをポリエチレンテレフタレートボトル(容量:280ml、酸素透過度:0.025cc/day・280ml・atm)に充填したものを2本ずつ用意し、冷蔵及び58℃で3週間保存した。
58℃で保存したサンプルについて冷蔵保存品と比較した褐変の度合いを、褐変度が小さいを5点、やや小さいを4点、普通を3点、やや大きいを2点、大きいを1点として、専門パネリスト5人により評価した。その評価結果(パネリスト5人の点数の平均値)を表1に示す。
【0045】
【表1】



表1の記載によると、実施例1ないし4は、いずれも本件発明1の「酒石酸鉄吸光光度法により測定されるタンニン含有量が30mg/100ml未満であり、茶アロマ成分量Aが80以上である」という発明特定事項(以下、「特定事項A」という。)又は本件発明2の「酒石酸鉄吸光光度法により測定されるタンニン含有量が30mg/100ml未満であり、酒石酸鉄吸光光度法により測定されるタンニン含有量(mg/100ml)に対する茶アロマ成分量Aの比(A/タンニン含有量)が3以上である」という発明特定事項(以下、「特定事項B」という。)の条件を満たすところ、香味評価及び変色評価の両方とも良好な結果(やや良好である4点以上)が得られている。
これに対して、特定事項A及びBの条件を満たさない比較例1ないし5には、香味評価及び変色評価の両方とも良好な結果が得られたものはない。
ここで、比較例1ないし5は、いずれもタンニン含有量が30mg/100mlを大きく超えるものであって、タンニン含有量が30mg/100ml未満である本件発明1ないし6とは前提が異なるものであり、上記香味評価及び変色評価の結果を考慮すれば、特定事項A又はBの技術的意味が理解できないというものでもない。
なお、後記(4)で述べるとおり、「茶アロマ成分量A」の測定は当業者が実施可能なものである。
そうすると、本件特許の発明の詳細な説明の記載から、特定事項Aを含む本件発明1及び3ないし6、並びに、特定事項Bを含む本件発明2及び3ないし6は、「茶としての味わい、風味を有しつつ、長期間変色しない茶系飲料を提供する」(本件特許明細書の段落【0006】)という課題を解決することが理解できるから、本件発明1ないし6は、発明の詳細な説明において発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲を超えているものではない。

イ まとめ
したがって、請求項1ないし6に係る特許は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものではない。

(4)取消理由4(実施可能要件)について
ア 検討
(ア)甲7及び甲8の記載内容を以下に示す。
甲7には、「TwisterにコーティングされているPDMSから溶出するシロキサンのバックグラウンドレベルは脱着温度に依存します。典型的なシロキサンのピークはカラムブリードと類似しています。(m/z=207、281、73、267、355、341)バックグラウンドの影響を最小限に抑えるためには、脱着時の温度を必要最低限に設定してください。」(1頁18行ないし21行)と記載されている。
また、甲8には、「PDMSは加熱脱着によっても、カラムブリード同様に、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3、m/z207)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4、m/z281)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5、m/z73、267、355)といった典型的なピークのみがバックグラウンドとして現れます。検出器として質量検出器などを用いれば、これらの影響を受けることは極端に少なくすることができます。)」(「2-2」の11行ないし15行)

(イ)申立人が平成30年5月29日付け意見書とともに提出した参考資料2及び3とその記載内容を以下に示す。
・参考資料2:大木道則、外3名、「化学辞典」、第1版第8刷、株式会社東京化学同人、2007年2月1日、1249頁、右欄、項目「フルオロベンゼン」
参考資料2の1249頁右欄の項目「フルオロベンゼン」には、「フルオロベンゼン ・・・・ 水に不溶」と記載されている。
・参考資料3:TOSHIO UENO,HIDEKI MASUDA,CHI-TANG HO,"Formation Mechanism of p-Methylacetophenone from Citral via a tert-Alkoxy Radical Intermediate」,Vol.52,No.18,J.Agric. Food. Chem.,2004,p.5677-5684
参考資料3の5678頁左欄下から3行ないし同頁右欄4行には、
「分析試料の調製。シトラールの分解生成物または8-ヒドロペルオキシ-p-シメンの分解生成物をジクロロメタン(30mL×2)で抽出した。ジクロロメタン中の0.01%(w/v)n-ペンタデカン1ミリリットルを内部標準として抽出物に添加した。抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、5mLまで減圧濃縮し、さらに窒素気流下で200μLまで濃縮した。」(仮訳)と記載されている。

(ウ)そこで検討すると、本件特許の明細書の段落【0030】には、「2.茶アロマ成分量Aの測定
実施例及び比較例の茶アロマ成分量Aを、以下のようにして測定した。
(1)分析前処理
試料(飲料)に、内部標準物質としてフルオロベンゼンをその濃度が1.0質量ppbとなるように添加し、よく混合した。次いで、内部標準物質を添加した上記試料50gを100mlの三角フラスコ中に入れ、該三角フラスコの上部に、気相成分を吸着・捕捉するための担体としてゲステル株式会社製のGERSTEL Twister(登録商標)の膜厚0.5mm、長さ10mmの規格のものを5個、試料に触れないように吊り下げた。
・・・
また、Twister(膜厚0.5mm、長さ10mm)は、長さ10mm、外径1mmのガラス棒の外側に100%PDMS(ポリジメチルシロキサン)を24μL分コーティングしたものであり、次のようにしてクリーニングした後に使用した。」と記載されている。
当該記載によれば、本件発明1は、茶アロマ成分量Aを測定するのに、気相成分を吸着・捕捉するための担体としてTwisterを使用し、Twisterの表面には、PDMS(ポリジメチルシロキサン)がコーティングされていることが分かる。
そして、甲7及び8の記載によれば、TwisterにコーティングされているPDMSから溶出するシロキサン類のピークがバックグラウンドレベルとして現れることことが示唆されており、本件発明1においても、茶アロマ成分量Aの測定に、PDMS由来のバックグラウンドレベルが現れる可能性がある。
しかしながら、甲7及び8の記載によれば、バックグラウンドレベルの影響を最小限にして成分量を測定するものであり、バックグラウンドレベルが現れるとしても、本件発明1の「ただし、茶アロマ成分量Aとは、フルオロベンゼンを1.0質量ppbとなるように添加し、35℃に保持した該飲料50gから30分間に放出された気体成分を担体で吸着・捕捉し、Cooled Injection Systems(CIS)機能付きの加熱脱着装置(TDS)を用いて、下記のTDS及びCIS条件でGC-FID(検出器として水素炎イオン化型検出器を用いたガスクロマトグラフィー)に導入し、下記のGC-FID条件で分析を実施した時に得られるクロマトグラムにおいて、総ピーク面積の合計及びフルオロベンゼンのピーク面積を、各々、S_(Total)及びS_(IS)としたときに、下記の式(1)により得られる値。」として定めることができないものでもない。
なお、参考資料2の記載によると、フルオロベンゼンが水に不溶であるとしても、融点-41.9℃の無色の液体(参考資料2)を、1.0質量ppbとなるように添加して上述のとおり測定したものを、茶アロマ成分量Aとするのであるから、フルオロベンゼンを添加することで測定できないものでもない。
また、本件発明2並びに本件発明1又は2の発明特定事項を全て含む本件発明3ないし6においても、本件発明1と同じ茶アロマ成分量Aの測定をしているのであるから、茶アロマ成分量Aの測定ができないとはいえない。
そうすると、本件特許の発明の詳細な説明の記載は、本件発明1ないし6について、当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載されているものである。

イ まとめ
したがって、請求項1ないし6に係る特許は、発明の詳細な説明の記載が、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものではない。

第4 むすび
以上のとおりであるから、平成30年1月9日付けで通知した取消理由1ないし4によっては、請求項1ないし6に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1ないし6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非重合体カテキン類及び茶アロマ成分を含む飲料であって、
前記非重合体カテキン類の含有量が1ppm以上であり、
酒石酸鉄吸光光度法により測定されるタンニン含有量が30mg/100ml未満であり、
茶アロマ成分量Aが80以上である、飲料。
ただし、茶アロマ成分量Aとは、フルオロベンゼンを1.0質量ppbとなるように添加し、35℃に保持した該飲料50gから30分間に放出された気体成分を担体で吸着・捕捉し、Cooled Injection Systems(CIS)機能付きの加熱脱着装置(TDS)を用いて、下記のTDS及びCIS条件でGC-FID(検出器として水素炎イオン化型検出器を用いたガスクロマトグラフィー)に導入し、下記のGC-FID条件で分析を実施した時に得られるクロマトグラムにおいて、総ピーク面積の合計及びフルオロベンゼンのピーク面積を、各々、S_(Total)及びS_(IS)としたときに、下記の式(1)により得られる値。
A=S_(Total)/S_(IS) ・・・(1)
(TDS条件)
Initial Temp.:25℃、
Delay Time:0.50min
Initial Time:0.5min
Rate:60.0℃/sec
End Temp:250℃
Hold Time:5.0min
Transfer Temp.:250℃
(CIS条件)
Initial Temp.:-40℃
Equilib. Time:0.05min
Initial Time:1.0min
Rate:12.0℃/sec
End Temp:250℃
End Time:35.0min
(GC-FID条件)
・Oven
Equilib. Time:0.50min
Initial Temp.:40℃
Initial Time:5.0min
Rate:4.0℃/sec
End Temp.:230℃
・Column
Column:WAX系カラム、60m×内径320μm×膜厚1.00μm
・FID
Heater:300℃
H_(2)Flow:30mL/min.
AirFlow:400mL/min.
Make Up Gas:He25mL/min.
・Injecter
Mode:Spliteless
Initial temp.:Off
Purge Flow:8.0mL
Purge Time:0 min.
Total Flow:13.7ml/min.
Gas Saver:Off
Gas Type: Herium
【請求項2】
非重合体カテキン類及び茶アロマ成分を含む飲料であって、
前記非重合体カテキン類の含有量が1ppm以上であり、
酒石酸鉄吸光光度法により測定されるタンニン含有量が30mg/100ml未満であり、
酒石酸鉄吸光光度法により測定されるタンニン含有量(mg/100ml)に対する茶アロマ成分量Aの比(A/タンニン含有量)が3以上である、飲料。
ただし、茶アロマ成分量Aとは、フルオロベンゼンを1.0質量ppbとなるように添加し、35℃に保持した該飲料50gから30分間に放出された気体成分を担体で吸着・捕捉し、Cooled Injection Systems(CIS)機能付きの加熱脱着装置(TDS)を用いて、下記のTDS及びCIS条件でGC-FID(検出器として水素炎イオン化型検出器を用いたガスクロマトグラフィー)に導入し、下記のGC-FID条件で分析を実施した時に得られるクロマトグラムにおいて、総ピーク面積の合計及びフルオロベンゼンのピーク面積を、各々、S_(Total)及びS_(IS)としたときに、下記の式(1)により得られる値。
A=S_(Total)/S_(IS) ・・・(1)
(TDS条件)
Initial Temp.:25℃、
Delay Time:0.50min
Initial Time:0.5min
Rate:60.0℃/sec
End Temp:250℃
Hold Time:5.0min
Transfer Temp.:250℃
(CIS条件)
Initial Temp.:-40℃
Equilib. Time:0.05min
Initial Time:1.0min
Rate:12.0℃/sec
End Temp:250℃
End Time:35.0min
(GC-FID条件)
・Oven
Equilib. Time:0.50min
Initial Temp.:40℃
Initial Time:5.0min
Rate:4.0℃/sec
End Temp.:230℃
・Column
Column:WAX系カラム、60m×内径320μm×膜厚1.00μm
・FID
Heater:300℃
H_(2)Flow:30mL/min.
AirFlow:400mL/min.
Make Up Gas:He25mL/min.
・Injecter
Mode:Spliteless
Initial temp.:Off
Purge Flow:8.0mL
Purge Time:0 min.
Total Flow:13.7ml/min.
Gas Saver:Off
Gas Type: Herium
【請求項3】
容器、及び
該容器に充填された請求項1又は2に記載の飲料
を含む、容器詰飲料。
【請求項4】
前記容器が、最小厚みが300μm未満のプラスチック容器である、請求項3に記載の容器詰飲料。
【請求項5】
前記容器の酸素透過度が0.008cc/day・100ml・atm以上である、請求項3又は4に記載の容器詰飲料。
【請求項6】
前記容器の紫外線(波長360nm)透過率が70%以上である、請求項3?5いずれか1項に記載の容器詰飲料。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-09-21 
出願番号 特願2012-72345(P2012-72345)
審決分類 P 1 651・ 537- YAA (A23F)
P 1 651・ 121- YAA (A23F)
P 1 651・ 536- YAA (A23F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 柴原 直司  
特許庁審判長 山崎 勝司
特許庁審判官 槙原 進
窪田 治彦
登録日 2017-04-14 
登録番号 特許第6124504号(P6124504)
権利者 ザ コカ・コーラ カンパニー
発明の名称 容器詰飲料  
代理人 大貫 敏史  
代理人 稲葉 良幸  
代理人 大貫 敏史  
代理人 稲葉 良幸  
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