• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載  E06B
審判 一部申し立て 特174条1項  E06B
審判 一部申し立て 2項進歩性  E06B
審判 一部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  E06B
審判 一部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  E06B
管理番号 1345862
異議申立番号 異議2017-701102  
総通号数 228 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-12-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-11-22 
確定日 2018-10-05 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6145093号発明「窓覆い用のコードなし格納式ローラシェード」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6145093号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-24〕、〔25-26〕、〔27-28〕について訂正することを認める。 特許第6145093号の請求項1、4ないし7、16ないし28に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6145093号(以下「本件特許」という。)の請求項1ないし28に係る特許についての出願は、平成24年8月27日(優先権主張 平成23年8月26日 米国)を国際出願日として出願したものであって、平成29年5月19日に特許の設定登録がされ、その後、その請求項1、4ないし7、16ないし28に対し、平成29年11月22日に特許異議申立人加藤浩志(以下「申立人」という。)より特許異議の申立てがされ、平成30年2月19日(2月22日発送)付けで取消理由が通知され、その指定期間内である同年5月23日に意見書の提出及び訂正の請求(以下「本件訂正」という。)がなされ、その後申立人に対し同年6月5日付けで訂正請求があった旨の通知(特許法第120条の5第5項)を送付し期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、申立人からは応答がなかったものである。

第2 訂正の適否についての判断
1 訂正内容
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1において、
「回転可能なローラと、
前記ローラに動作可能に接続されたシェード材料であって、前記シェード材料をそれぞれ格納および伸張するために、前記ローラに巻き付けることができ、前記ローラから広げることのできるシェード材料と、
前記ローラに動作可能に接続され、前記ローラに可変偏倚力を格納方向へ加えて、前記ローラから広げられた前記シェード材料の部分の重量を少なくとも釣り合わせるように構成された偏倚部品であって、前記シェード材料がより大きな量だけ前記ローラから広げられるときに、より大きな量の力を前記ローラに加えるように構成された偏倚部品と、
前記ローラ内に位置決めされた回転不能シャフトと、
前記回転不能シャフトに取り付けられたナットであって、前記ローラにキー止めされて、前記ローラの回転により前記ナットを前記回転不能シャフトの長さに沿って並進させるようにするナットとを備え、
伸張位置への前記シェード材料の走行の終点で、前記ナットが前記回転不能シャフトに配置された止めに係合して前記シェード材料の格納を制限し、前記格納方向への前記ローラの移動により、前記ナットが前記止めから係合解除される、コードなし格納式シェード。」と記載されているのを、
「回転可能なローラと、
前記ローラに動作可能に接続されたシェード材料であって、前記シェード材料をそれぞれ格納および伸張するために、前記ローラに巻き付けることができ、前記ローラから広げることのできるシェード材料と、
前記ローラに動作可能に接続され、前記ローラに可変偏倚力を格納方向へ加えて、前記ローラから広げられた前記シェード材料の部分の重量および前記ローラに加えられた摩擦力と少なくとも釣り合わせるように構成された偏倚部品であって、前記シェード材料がより大きな量だけ前記ローラから広げられるときに、より大きな量の力を前記ローラに加えるように構成された偏倚部品と、
前記ローラ内に位置決めされた回転不能シャフトと、
前記回転不能シャフトに取り付けられたナットであって、前記ローラにキー止めされて、前記ローラの回転により前記ナットを前記回転不能シャフトの長さに沿って並進させるようにするナットとを備え、
伸張位置への前記シェード材料の走行の終点で、前記ナットが前記回転不能シャフトに配置された止めに係合して前記シェード材料のさらなる伸張を制限するとともに、前記ナットが前記回転不能シャフトに配置されたナックルに係合して前記シェード材料の格納を制限し、前記格納方向への前記ローラの移動により、前記ナットが前記止めおよび前記ナックルから係合解除される、コードレス格納式シェード。」(下線は訂正箇所を示す。以下同様。)に訂正する。請求項1の記載を引用する請求項2?24も同様に訂正する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項20において、「前記ばねの前記第1の端部が、前記回転不能シャフトに係合するアンカを画定し、前記ばねの前記第2の端部が、前記ローラに回転可能にキー止めされる、請求項5に記載のシェード。」と記載されているのを、「前記ばねの前記第1の端部が、前記回転不能シャフトに係合するアンカを画定し、前記ばねの前記第2の端部が、前記ローラに動作可能にキー止めされる、請求項5に記載のシェード。」に訂正する。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項22において、「前記ばねの前記第2の端部がハウジングに係合し、前記ハウジングが前記ローラに回転可能にキー止めされる、請求項20に記載のシェード。」と記載されているのを、「前記ばねの前記第2の端部がハウジングに係合し、前記ハウジングが前記ローラに動作可能にキー止めされる、請求項20に記載のシェード。」に訂正する。

(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項23において、「前記ばねが、半径方向内端部と半径方向外端部とを有する時計ばねであり、前記第1の端部が、回転安定して前記ローラに動作可能に固定された前記半径方向内端部であり、前記第2の端部が前記半径方向外端部である、請求項20に記載のシェード。」と記載されているのを、「前記ばねが、半径方向内端部と半径方向外端部とを有する時計ばねであり、前記半径方向内端部が、回転安定して前記ローラに動作可能に固定されている、請求項20に記載のシェード。」に訂正する。

(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項25において、
「回転可能なローラと、
前記シェード材料を格納および伸張するために前記ローラに接続されたシェード材料と、
前記ローラ内に位置決めされた回転不能シャフトと、
前記回転不能シャフトに取り付けられたナットであって、前記ローラにキー止めされて、前記ローラの回転により前記ナットを前記回転不能シャフトの長さに沿って伸張方向へ、かつ前記伸張方向と反対の格納方向へ並進させるようにするナットとを備え、
前記ナットが前記回転不能シャフトに配置された止めに係合して前記シェード材料の格納を制限するまで、前記ナットが前記伸張方向へ移動し、
前記ナットが前記止めに係合することにより、前記ナットを前記格納方向への移動に対抗して保持し、前記ローラが回転して前記シェード材料を格納することにより、前記ナットを前記止めから係合解除する、格納式シェード。」と記載されているのを、
「回転可能なローラと、
前記シェード材料を格納および伸張するために前記ローラに接続されたシェード材料と、
前記ローラ内に位置決めされた回転不能シャフトと、
前記回転不能シャフトに取り付けられたナットであって、前記ローラにキー止めされて、前記ローラの回転により前記ナットを前記回転不能シャフトの長さに沿って伸張方向へ、かつ前記伸張方向と反対の格納方向へ並進させるようにするナットとを備え、
前記ナットが前記回転不能シャフトに配置された止めに係合して前記シェード材料のさらなる伸張を制限するとともに、前記ナットが前記回転不能シャフトに配置されたナックルに係合して前記シェード材料の格納を制限するまで、前記ナットが前記伸張方向へ移動し、
前記ナットが前記ナックルに係合することにより、前記ナットを前記格納方向への移動に対抗して保持し、前記ローラが回転して前記シェード材料を格納することにより、前記ナットを前記止めおよび前記ナックルから係合解除する、コードレス格納式シェード。」に訂正する。請求項25の記載を引用する請求項26も同様に訂正する。

(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項27において、
「回転可能なローラと、
前記シェード材料を格納および伸張するために前記ローラに接続されたシェード材料と、
前記ローラ内に位置決めされた回転不能シャフトと、
前記回転不能シャフトに取り付けられたナットであって、前記ローラにキー止めされて、前記ローラの回転により前記ナットを前記回転不能シャフトの長さに沿って並進させるようにするナットとを備え、
前記回転不能シャフトに配置された止めに前記ナットが係合する、前記ローラからの前記シェード材料の伸張位置に対応する走行の伸張点を前記ナットが有して、前記シェード材料の格納を制限し、前記ローラが回転して前記シェード材料を格納することにより、前記ナットを前記止めから係合解除する、格納式シェード。」と記載されているのを、
「回転可能なローラと、
前記シェード材料を格納および伸張するために前記ローラに接続されたシェード材料と、
前記ローラ内に位置決めされた回転不能シャフトと、
前記回転不能シャフトに取り付けられたナットであって、前記ローラにキー止めされて、前記ローラの回転により前記ナットを前記回転不能シャフトの長さに沿って並進させるようにするナットとを備え、
前記回転不能シャフトに配置された止めおよびナックルに前記ナットが係合する、前記ローラからの前記シェード材料の伸張位置に対応する走行の伸張点を前記ナットが有して、前記ナットが前記止めに係合して前記シェード材料のさらなる伸張を制限するとともに、前記ナットが前記ナックルに係合して前記シェード材料の格納を制限し、前記ローラが回転して前記シェード材料を格納することにより、前記ナットを前記止めおよび前記ナックルから係合解除する、コードレス格納式シェード。」に訂正する。請求項27の記載を引用する請求項28も同様に訂正する。

2 訂正の目的の適否、特許請求の範囲の拡張・変更の存否、新規事項の有無、及び一群の請求項について
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的の適否について
(ア)訂正事項1は、偏倚部品について、「前記ローラに動作可能に接続され、前記ローラに可変偏倚力を格納方向へ加えて、前記ローラから広げられた前記シェード材料の部分の重量および前記ローラに加えられた摩擦力と少なくとも釣り合わせるように構成された」と特定することにより、偏倚力と、シェード材料の重量と、ローラに加えられた摩擦力とが釣り合うことを明確にしたものである。
(イ)訂正事項1は、シェード材料の伸張と格納の制限について、「伸張位置への前記シェード材料の走行の終点で、前記ナットが前記回転不能シャフトに配置された止めに係合して前記シェード材料のさらなる伸張を制限するとともに、前記ナットが前記回転不能シャフトに配置されたナックルに係合して前記シェード材料の格納を制限し、前記格納方向への前記ローラの移動により、前記ナットが前記止めおよび前記ナックルから係合解除される」と特定することにより、ナットが止めに係合してシェード材料のさらなる伸張が制限され、ナットがナックルに係合してシェード材料の格納が制限され、格納方向へのローラの移動により、ナットが止めおよびナックルから係合解除されることを明確にしたものである。
(ウ)訂正事項1は、格納式シェードについて、「コードレス格納式シェード」と特定することにより、操作コードを備えていない、コードレス格納式シェードであることを明確にしたものである。
(エ)以上のとおりであるから、訂正事項1は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
上記アで説示したように、訂正事項1は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、発明のカテゴリー、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものとはいえない。
ウ 新規事項の有無について
(ア)偏倚部品について、本件特許明細書(願書に添付した明細書)の段落【0042】には「ばねモータの偏倚力を補完するために、所定の摩擦係数がシェードの操作システムの相対移動部分に組み込まれて、コイルばねの偏倚力と組み合さったシステム内の摩擦が、底部レールおよびシェード材料に作用する重力と等しくなり、これに打ち勝ち、または概ね釣り合うため、底部レールが、完全格納と完全伸張との間のユーザに選択された任意の位置に位置決めされたままとなる。」と記載されているとおり、偏倚力が摩擦と組み合わさってシェード材料に作用する重力と釣り合うことで、シェードが任意の位置に位置決めされることが記載されている。
(イ)シェード材料の伸張と格納の制限について、同段落【0054】には「可動端部コネクタ66は、前述したように、ローラが回転されるときに、固定ねじ切りシャフト68に沿って可逆的に並進されるように構成されたナットである。」と、同段落【0061】には「可動コネクタ66を左端キャップ62側へ並進させる方向へローラ42が回転している(シェードが伸張している)ことにより、コイルばね38に張力をかけ、コイルばね38を有効に伸ばすときに、可動コネクタ66の移動が、ねじ切りシャフト68から半径方向に突出する当接止め102により制限される。・・・可動コネクタ66のねじ114の一部が当接止め102に係合し、コネクタ66の移動が停止される・・・この位置は、シェードの完全伸張を示す。」と、同段落【0064】には「可動コネクタがその走行端部近くで回転するときにナックル114Aがナックル123(図17)を通過すると、ねじ98の端タブ125がねじ114のタブ114Bと係合することになり、各タブが延びる各逆角度がオーバセンタラッチまたは位置を形成する。このオーバセンタラッチまたは位置は、ばね38の張力下で、可動コネクタ66の固定ナット側へ戻る移動を定着させ、またはこれに抵抗する(シェードの格納)。これは、ねじ98、114の端タブ部125、114Bが、各ナックル123、114Aを越えて、ねじ98、114の残りの方向とは逆方向に曲がるためである。」と、同段落【0065】には「ローラ42の反対方向への移動により、図17に見られる可動コネクタの雌ねじ114が、シャフト68のねじ98Aの端部100とのオーバセンタ関係から離れてナックル上を移動し、ローラを回転させて、ばね張力の助けにより、シェードを格納することができる。」と記載されているとおり、ナットが止めに係合してシェード材料のさらなる伸張が制限され、ナットがナックルに係合してシェード材料の格納が制限され、格納方向へのローラの移動により、ナットが止めおよびナックルから係合解除されることが記載されている。
(ウ)操作コードを備えていない、コードレス格納式シェードは、本件特許明細書(願書に添付した明細書)全般に記載されている。
(エ)以上のとおりであるから、訂正事項1は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるといえる。

(2)訂正事項2について
ア 訂正の目的の適否について
訂正事項2は、ばねの第2の端部について、「前記ローラに回転可能にキー止めされる」との記載を「前記ローラに動作可能にキー止めされる」に訂正することにより、ばねがローラに動作可能であることを明確にしたものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
上記アで説示したように、訂正事項2は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、発明のカテゴリー、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものとはいえない。
ウ 新規事項の有無について
本件特許明細書(願書に添付した明細書)の段落【0085】には「釣合せ機構が、1つまたは複数の巻き可能なばねを備えることができ、このばねは、一端部で回転不能シャフトまたはロッドに動作可能に接続され、ローラに動作可能に接続されて、ローラの回転と共に移動することができる。」と記載されているとおり、ばねはローラに動作可能に接続されていることが記載されているから、訂正事項2は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるといえる。

(3)訂正事項3について
ア 訂正の目的の適否について
訂正事項3は、ばねの第2の端部について、「前記ばねの前記第2の端部がハウジングに係合し、前記ハウジングが前記ローラに回転可能にキー止めされる」との記載を「前記ばねの前記第2の端部がハウジングに係合し、前記ハウジングが前記ローラに動作可能にキー止めされる」に訂正することにより、ばねがローラに動作可能であることを明確にしたものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
上記アで説示したように、訂正事項3は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、発明のカテゴリー、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものとはいえない。
ウ 新規事項の有無について
本件特許明細書(願書に添付した明細書)の段落【0085】には「釣合せ機構が、1つまたは複数の巻き可能なばねを備えることができ、このばねは、一端部で回転不能シャフトまたはロッドに動作可能に接続され、ローラに動作可能に接続されて、ローラの回転と共に移動することができる。」と記載されているとおり、ばねはローラに動作可能に接続されていることが記載されているから、訂正事項3は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるといえる。

(4)訂正事項4について
ア 訂正の目的の適否について
訂正事項4は、時計ばねについて、「前記第1の端部が、回転安定して前記ローラに動作可能に固定された前記半径方向内端部であり、前記第2の端部が前記半径方向外端部である」との記載を「前記半径方向内端部が、回転安定して前記ローラに動作可能に固定されている」に訂正することにより、時計ばねの半径方向内端部がローラに動作可能に固定されていることを明確にしたものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
上記アで説示したように、訂正事項4は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、発明のカテゴリー、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものとはいえない。
ウ 新規事項の有無について
本件特許明細書(願書に添付した明細書)の段落【0106】には「板ばね308がアンカ310に巻かれ、これらは共にハウジング306の内側に位置決めされる。板ばねの半径方向内端部344が、アンカ310に係合する内側タブ256を形成すると共に、静止ロッド218に固定された部分を形成する。板ばねは、それ自体の周りに、時計ばねと同様の比較的密な螺旋状に巻かれ、半径方向外端部が、ハウジング306に係合する外側タブ354を形成し、ハウジング306および端部354が共に、作動可能な部分の一例を形成する。以下に説明されるように、ハウジング306がローラ242に動作可能に接続され、ローラ242と共に回転するように構成される。アンカ310は、ばね308に動作可能に接続され、固定支持ロッド218に動作可能に接続される。」と記載されているとおり、板ばね(時計ばね)の半径方向内端部が(アンカ310に係合する内側タブ256を形成し、ハウジング306の内側に位置決めされ、ハウジング306が)ローラに動作可能に固定されていることが記載されているから、訂正事項4は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるといえる。

(5)訂正事項5について
ア 訂正の目的の適否について
(ア)訂正事項5は、格納式シェードについて、「コードレス格納式シェード」と特定することにより、操作コードを備えていない、コードレス格納式シェードであることを明確にしたものである。
(イ)訂正事項5は、シェード材料の伸張と格納の制限について、「前記ナットが前記回転不能シャフトに配置された止めに係合して前記シェード材料のさらなる伸張を制限するとともに、前記ナットが前記回転不能シャフトに配置されたナックルに係合して前記シェード材料の格納を制限するまで、前記ナットが前記伸張方向へ移動し、前記ナットが前記ナックルに係合することにより、前記ナットを前記格納方向への移動に対抗して保持し、前記ローラが回転して前記シェード材料を格納することにより、前記ナットを前記止めおよび前記ナックルから係合解除する」と特定することにより、ナットが止めに係合してシェード材料のさらなる伸張が制限され、ナットがナックルに係合してシェード材料の格納が制限され、格納方向へのローラの移動により、ナットが止めおよびナックルから係合解除されることを明確にしたものである。
(ウ)以上のとおりであるから、訂正事項5は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
上記アで説示したように、訂正事項5は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、発明のカテゴリー、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものとはいえない。
ウ 新規事項の有無について
(ア)操作コードを備えていない、コードレス格納式シェードは、本件特許明細書(願書に添付した明細書)全般に記載されている。
(イ)シェード材料の伸張と格納の制限について、上記(1)ウ(イ)で述べたように、本件特許明細書(願書に添付した明細書)には、ナットが止めに係合してシェード材料のさらなる伸張が制限され、ナットがナックルに係合してシェード材料の格納が制限され、格納方向へのローラの移動により、ナットが止めおよびナックルから係合解除されることが記載されている。
(ウ)以上のとおりであるから、訂正事項5は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるといえる。

(6)訂正事項6について
ア 訂正の目的の適否について
(ア)訂正事項6は、格納式シェードについて、「コードレス格納式シェード」と特定することにより、操作コードを備えていない、コードレス格納式シェードであることを明確にしたものである。
(イ)訂正事項6は、シェード材料の伸張と格納の制限について、「前記回転不能シャフトに配置された止めおよびナックルに前記ナットが係合する、前記ローラからの前記シェード材料の伸張位置に対応する走行の伸張点を前記ナットが有して、前記ナットが前記止めに係合して前記シェード材料のさらなる伸張を制限するとともに、前記ナットが前記ナックルに係合して前記シェード材料の格納を制限し、前記ローラが回転して前記シェード材料を格納することにより、前記ナットを前記止めおよび前記ナックルから係合解除する」と特定することにより、ナットが止めに係合してシェード材料のさらなる伸張が制限され、ナットがナックルに係合してシェード材料の格納が制限され、格納方向へのローラの移動により、ナットが止めおよびナックルから係合解除されることを明確にしたものである。
(ウ)以上のとおりであるから、訂正事項6は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
上記アで説示したように、訂正事項6は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、発明のカテゴリー、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものとはいえない。
ウ 新規事項の有無について
(ア)操作コードを備えていない、コードレス格納式シェードは、本件特許明細書(願書に添付した明細書)全般に記載されている。
(イ)シェード材料の伸張と格納の制限について、上記(1)ウ(イ)で述べたように、本件特許明細書(願書に添付した明細書)には、ナットが止めに係合してシェード材料のさらなる伸張が制限され、ナットがナックルに係合してシェード材料の格納が制限され、格納方向へのローラの移動により、ナットが止めおよびナックルから係合解除されることが記載されている。
(ウ)以上のとおりであるから、訂正事項6は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるといえる。

(7)一群の請求項について
ア 訂正前の請求項1ないし24について、請求項2ないし24はそれぞれ請求項1を引用しているものであって、訂正事項1によって訂正される請求項1に連動して訂正されるものであるから、請求項1ないし24は一群の請求項である。
イ 訂正前の請求項25ないし26について、請求項26は、請求項25を引用しているものであって、訂正事項5によって訂正される請求項25に連動して訂正されるものであるから、請求項25ないし26は一群の請求項である。
ウ 訂正前の請求項27ないし28について、請求項28は、請求項27を引用しているものであって、訂正事項6によって訂正される請求項27に連動して訂正されるものであるから、請求項27ないし28は一群の請求項である。

3 小括
以上のとおりであるから、本件訂正は特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第5項、第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1?24〕、〔25?26〕、〔27?28〕について訂正することを認める。

第3 特許異議の申立てについて
1 訂正後の請求項1、4ないし7、16ないし28に係る発明
本件訂正後の請求項1、4ないし7、16ないし28に係る発明は、下記のとおりのものである(以下、それぞれ「本件発明1」などといい、それらをまとめて「本件発明」という。)。

「【請求項1】
回転可能なローラと、
前記ローラに動作可能に接続されたシェード材料であって、前記シェード材料をそれぞれ格納および伸張するために、前記ローラに巻き付けることができ、前記ローラから広げることのできるシェード材料と、
前記ローラに動作可能に接続され、前記ローラに可変偏倚力を格納方向へ加えて、前記ローラから広げられた前記シェード材料の部分の重量および前記ローラに加えられた摩擦力と少なくとも釣り合わせるように構成された偏倚部品であって、前記シェード材料がより大きな量だけ前記ローラから広げられるときに、より大きな量の力を前記ローラに加えるように構成された偏倚部品と、
前記ローラ内に位置決めされた回転不能シャフトと、
前記回転不能シャフトに取り付けられたナットであって、前記ローラにキー止めされて、前記ローラの回転により前記ナットを前記回転不能シャフトの長さに沿って並進させるようにするナットとを備え、
伸張位置への前記シェード材料の走行の終点で、前記ナットが前記回転不能シャフトに配置された止めに係合して前記シェード材料のさらなる伸張を制限するとともに、前記ナットが前記回転不能シャフトに配置されたナックルに係合して前記シェード材料の格納を制限し、前記格納方向への前記ローラの移動により、前記ナットが前記止めおよび前記ナックルから係合解除される、コードレス格納式シェード。

【請求項4】
前記偏倚部品が、前記ローラと前記回転不能シャフトとの間に動作可能に接続されたばねをさらに備え、
前記ローラの第1の方向への回転により、前記ばねによって前記ローラに加えられる偏倚力が増加し、
前記ローラの第2の方向への回転により、前記ばねによって前記ローラに加えられる偏倚力が減少する、請求項1に記載のシェード。
【請求項5】
前記ばねの第1の端部が固定位置で前記回転不能シャフトに動作可能に接続され、前記ばねの第2の端部が前記ローラに接続され、前記第2の端部が前記ローラと共に回転すると、前記ばねが巻き付き、または巻き出されて、前記ばねによって前記ローラに加えられる前記偏倚力を変化させる、請求項4に記載のシェード。
【請求項6】
前記ローラの回転により前記ナットを回転させて、前記ナットを前記回転不能シャフトのねじ切り部に沿って並進させる、請求項4に記載のシェード。
【請求項7】
前記止めが、前記回転不能シャフトの表面から半径方向外側に延びる突出部を備え、前記突出部が、前記ナットが前記走行の終点に到達するときに、前記ナットに配置されるナックルに係合するように構成される、請求項1に記載のシェード。

【請求項16】
前記ナットが前記走行の終点に隣接するときに、前記ローラが伸張方向に回転可能であって前記シェードを開き、かつ前記ナットを移動させて、前記ナットの一部が前記止め上を少なくとも部分的に移動して前記ローラを定位置に保持するようにする、請求項1に記載のシェード。
【請求項17】
前記止めと前記ナットとの間の構造的干渉により、前記ローラを定位置に保持する、請求項16に記載のシェード。
【請求項18】
ヘッドレールと底部レールとをさらに備え、前記シェード材料が、前記ヘッドレールと前記底部レールとに動作可能に接続され、前記ヘッドレールと前記底部レールとの間に伸張する、請求項1に記載のシェード。
【請求項19】
前記走行の終点が、前記ローラからの前記シェード材料の完全伸張にほぼ対応する、請求項1に記載のシェード。
【請求項20】
前記ばねの前記第1の端部が、前記回転不能シャフトに係合するアンカを画定し、
前記ばねの前記第2の端部が、前記ローラに動作可能にキー止めされる、請求項5に記載のシェード。
【請求項21】
前記アンカが、前記ばねの前記第1の端部を受けるためのアーバを含む、請求項20に記載のシェード。
【請求項22】
前記ばねの前記第2の端部がハウジングに係合し、
前記ハウジングが前記ローラに動作可能にキー止めされる、請求項20に記載のシェード。
【請求項23】
前記ばねが、半径方向内端部と半径方向外端部とを有する時計ばねであり、
前記半径方向内端部が、回転安定して前記ローラに動作可能に固定されている、請求項20に記載のシェード。
【請求項24】
前記時計ばねがハウジング内で受けられ、
前記ハウジングが前記半径方向外端部に取り付けられて、前記ローラにキー止めされ、
アーバが、前記時計ばねの開口中心部内で受けられて、前記半径方向内端部に取り付けられ、
前記アーバが、前記シャフトに回転不能に接続される、請求項23に記載のシェード。
【請求項25】
回転可能なローラと、
前記シェード材料を格納および伸張するために前記ローラに接続されたシェード材料と、
前記ローラ内に位置決めされた回転不能シャフトと、
前記回転不能シャフトに取り付けられたナットであって、前記ローラにキー止めされて、前記ローラの回転により前記ナットを前記回転不能シャフトの長さに沿って伸張方向へ、かつ前記伸張方向と反対の格納方向へ並進させるようにするナットとを備え、
前記ナットが前記回転不能シャフトに配置された止めに係合して前記シェード材料のさらなる伸張を制限するとともに、前記ナットが前記回転不能シャフトに配置されたナックルに係合して前記シェード材料の格納を制限するまで、前記ナットが前記伸張方向へ移動し、
前記ナットが前記ナックルに係合することにより、前記ナットを前記格納方向への移動に対抗して保持し、前記ローラが回転して前記シェード材料を格納することにより、前記ナットを前記止めおよび前記ナックルから係合解除する、コードレス格納式シェード。
【請求項26】
前記ナットが前記止めに係合するときに、前記シェード材料が前記ローラからほぼ完全に伸張される、請求項25に記載の格納式シェード。
【請求項27】
回転可能なローラと、
前記シェード材料を格納および伸張するために前記ローラに接続されたシェード材料と、
前記ローラ内に位置決めされた回転不能シャフトと、
前記回転不能シャフトに取り付けられたナットであって、前記ローラにキー止めされて、前記ローラの回転により前記ナットを前記回転不能シャフトの長さに沿って並進させるようにするナットとを備え、
前記回転不能シャフトに配置された止めおよびナックルに前記ナットが係合する、前記ローラからの前記シェード材料の伸張位置に対応する走行の伸張点を前記ナットが有して、前記ナットが前記止めに係合して前記シェード材料のさらなる伸張を制限するとともに、前記ナットが前記ナックルに係合して前記シェード材料の格納を制限し、前記ローラが回転して前記シェード材料を格納することにより、前記ナットを前記止めおよび前記ナックルから係合解除する、コードレス格納式シェード。
【請求項28】
前記ナットが前記止めに係合するときに、前記シェード材料が前記ローラからほぼ完全に伸張される、請求項27に記載の格納式シェード。」

2 取消理由の概要
本件訂正前の請求項1,4?7,16?28に係る特許に対して平成30年2月19日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
(1)29条1項3号(新規性欠如)
ア 本件特許の請求項1,4?7,16?22,25?28に係る発明は、本件特許の出願前日本国内において頒布された甲第1号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
イ 本件特許の請求項25?28に係る発明は、本件特許の出願前日本国内において頒布された甲第4号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
(2)29条2項(進歩性欠如)
ア 本件特許の請求項1,4?7,16?28に係る発明は、本件特許の出願前日本国内において頒布された甲第1号証に記載された発明及び周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
イ 本件特許の請求項1,4?7,16?21に係る発明は、本件特許の出願前日本国内において頒布された甲第2号証に記載された発明及び周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
ウ 本件特許の請求項22?24に係る発明は、本件特許の出願前日本国内において頒布された甲第3号証に記載された発明及び周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
(3)17条の2第3項(補正要件違反)
本件特許出願に係る平成28年11月29日付け手続補正書でした補正は、国際特許出願の明細書の翻訳文、請求の範囲の翻訳文又は図面(以下「出願当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、本件の請求項25?28に係る特許は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。
(4)36条6項1号及び2号、4項1号(記載要件違反)
本件の請求項1,4?7,16?28に係る特許は、明細書又は特許請求の範囲の記載が不備のため、特許法第36条第6項第1号及び2号、並びに第4項第1号に規定する要件を満たしていない。

(刊行物)
甲第1号証:実公平6-559号公報
甲第2号証:特開2011-38340号公報
甲第3号証:登録実用新案第3149752号公報
甲第4号証:特開平8-28168号公報
甲第5号証:特開平8-49484号公報
甲第6号証:実公平3-16400号公報

3 刊行物について
(1)甲第1号証
ア 甲第1号証の記載事項
取消理由で通知した、本件特許の優先日前に頒布された甲第1号証(実公平6-559号公報)には、次の事項が記載されている(下線は当決定で付した。以下同様。)。
(ア)「[産業上の利用分野]
本考案はロールブラインドのスクリーンの昇降範囲を規制する装置の改良に関する。」(1頁2欄13?15行)
(イ)「[考案が解決しようとする問題点]
・・・本考案・・・の目的とするところは、ロールの内側に収納し得る装置であって、スクリーンの上昇時のみならず、下降時の限度とショックも制御することができるものを提供することにある。」(2頁3欄24?37行)
(ウ)「[問題点を解決するための手段]
前記目的を達成するため、本考案の特徴とする手段は、ブラケットに固定支持された固定軸と、その固定軸に回転駆動可能に外嵌されたロールと、そのロールに一端が止着されて巻かれたスクリーンからなるロールブラインドにおいて、固定軸を延長してボルトを設け、そのボルトとこまをねじばめし、そのこまをロールにかみ合わせてそれと一体に回転させ、ボルトの先端側と根元側に第一及び第二コイルばねを取付けてこまの軸方向の移動範囲を限定したことにある。第一及び第二コイルばねは密巻きであり、こまと係合する側を自由端とし、その反対側をボルトに直接又はナットを介して係止する。こまの両端面の外周を円錐面状に形成し、その円錐面をそれぞれのコイルばねの内周面に部分的に内嵌するように係合させることが望ましい。第一コイルばねは自由端がスクリーンの巻上げ方向に回ると締り、第二コイルばねは自由端がスクリーンの巻下げ方向に回ると締るが、両者の自由端は相対しているので、コイルばねとしての巻き方向は同一である。ボルトの根元側に回り止めリングを掛けて第二コイルばねの取付け位置を調整可能にしてこまの移動範囲を調整する。」(2頁3欄38行?4欄8行)
(エ)「[作用]
スクリーンを巻いたロールを回転させてスクリーンを巻上げると、こまはロールと共に回転しながらボルト上を一方へ移動する。スクリーンが上昇限度及び下降限度に達したときにこまが第一及び第二コイルばねに係合するように、こまの初期位置と第二コイルばねのボルト上の位置があらかじめ設定される。こまが上昇限度に又は下降限度に達すると、こまは第一又は第二コイルばね嵌着してコイルばねを巻き締めようとするが、コイルばねの反発トルクにより、回転は阻止される。したがって、ロールの回転は停止し、スクリーンは上昇及び下降限度において停止し、停止に伴うシヨックはコイルばねに吸収される。スクリーンの上昇及び下降限度の調整はこまの初期位置と第二コイルばねのボルト上の回り止めリングによって係止位置を変えることによって簡単に行うことができる。スクリーンの上昇限度からの再下降及び下降限度からの再上昇の開始操作は、コイルばねの反発トルクの助勢により軽快になる。」(2頁4欄9?26行)
(オ)「[実施例]
本考案の装置を図面に示す実施例に基づいて具体的に説明する。
第1図及び第2図に示すロールブラインドは、ひもを引いてスクリーン12を昇降させる方式であり、巻上げ時にはコイルスプリング14の反発トルクが補助動力として作用する。スクリーン12は一端がロール20に止着されてその上に巻かれる。ロール20と一体の回転軸18はベアリングを介して一方のブラケット24に回転自在に支持され、その回転軸はばねブレーキ22を介してひも10が掛けられた滑車16に一体に結合する。したがって、ひも10を引いて滑車16を回すと、ロール20は必ず回転するが、スクリーン12の自重等によるロール側からの回転はばねブレーキ22により阻止される。反対側のブラケット26に固定軸30の外端部が支持される。その固定軸30はロール20の端部に内装されたブロック28をベアリングを介して回転自在に軸受けする。コイルスプリング14の回転側端部はブロック28と一体の回転リング33に係止され、固定軸側端部は固定軸に固定された固定リング34に係止される。固定軸30のブラケット26とブロック28の間に回り止めリング36が軸方向に摺動可能に取付けられ、ブロック側に寄るとブロック28と一体に結合する。
固定軸30の延長軸部40にボルト42を設け、そのボルトにこま44をねじばめする。ボルト42の先端に第一コイルばね50を嵌着する。こま44の第一コイルばね50に向う端面側には第一コイルばね50の内周面に部分的に内嵌する円錐面54が形成される。ボルトのおねじは先端方向に進み、第一コイルばねは自由端がスクリーン12が引出される方向に回されると締るように巻かれる。
ボルト42の根元側にナット64をはめ、そのナットに第二コイルばね60のこま44とは反対側の端部を係止する。第二コイルばね60は第一コイルばね50と同じ向きに巻かれる。こま44の第二コイルばね60に向う端面側に第二コイルばね60の内周面62に部分的に内嵌する円錐面55が形成される。ナット64のボルト42の根元側に回り止めリング66が掛けられ、ナット64の回転を阻止する。・・・スクリーン12の昇降位置の設定後、ひも10の操作によりスクリーン12が下降限度に達すると、こま44の円錐面55が第二コイルばね60の自由端内周面に回り込むが、こま44はそれ以上回転することはできないから、ロール20の回転すなわちスクリーン12の下降は停止する。このとき、ひも10を引いてもスクリーンを下げることはできないから、下降限度をこえてひも10を引いてスクリーンを逆巻きするという事故は未然に防止される。又、スクリーン停止時のシヨックは第二コイルばね60によって緩和される。下降限度からスクリーン12を上昇させるとき、コイルスプリング14と第二コイルばね60の反発トルクはスクリーン12を上昇させる方向に作用するから、軽快にスクリーン12の巻上げを開始することができる。
スクリーン12が上昇限度に達すると、こま44の円錐面54が第一コイルばね50の自由端の内周面52に回り込み、こま44すなわちロール20はそれ以上回転することはできないから、スクリーン12は上昇限度位置に停止する。このとき、補助スプリング14の初巻きによるトリクが比較的強くても、又、ひも10の引き方が強くても、停止時のショックは第一コイルばね50により吸収される。上昇限度のスクリーン12を再び引下げるとき、補助コイルスプリング14の抵抗を受けるが、第一コイルばね50はスクリーン巻下げ方向の反発力を持つので、巻き下げ始めの抵抗は従来よりも小さくなる。」(2頁4欄27行?3頁6欄15行)
(カ)「実施例はいずれも、ひもを引いてスクリーンを昇降させる方式であるが、本考案の装置はスクリーンを直接引下げてクラッチで停止し、内蔵したスプリングでスクリーンを巻上げる方式のロールブラインドにもそのまま適用できることはいうまでもない。」(3頁6欄25?29行)
(キ)「[考案の効果]
上記の通り、本考案の装置はロールブラインドのスクリーンの上昇及び下降限度を簡単に設定してその昇降範囲を規制することが可能であり、従来のロールの外側において軸方向に付設されるものとは異なり、ロールの内側に設けることができるから、ロールブラインドを軸方向に延長する必要はない。又、本考案の装置は、コイルばねがスクリーンを上限及び下限で停止したときのショックも吸収するだけでなく、上限及び下限から戻るときの操作が軽快になるという従来のものにはなかった格別の効果が得られる。さらに、本考案の装置は回り止めリングをつまんでボルトに沿って摺動させることにより、スクリーンの昇降範囲を至極容易に調整することができるという優れた効果を奏する。」(3頁6欄30?43行)

イ 甲第1号証の認定
上記アで摘記された事項からみて、甲第1号証には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。
「ひも10を引いてスクリーン12を昇降させる方式であり、巻上げ時にはコイルスプリング14の反発トルクが補助動力として作用するロールブラインドであって、
ブラケット26に固定支持された固定軸30と、その固定軸30に回転駆動可能に外嵌されたロール20と、そのロール20に一端が止着されて巻かれたスクリーン12からなり、
固定軸30を延長してボルト42を設け、そのボルト42とこま44をねじばめし、
ボルト42の先端側と根元側に第一コイルばね50及び第二コイルばね60を取付け、
ひも10の操作によりスクリーン12を巻いたロール20を回転させてスクリーン12を巻上げると、こま44はロール20と共に回転しながらボルト42上を一方へ移動し、
スクリーン12が上昇限度に達すると、こま44が第一コイルばね50に係合して、スクリーン12は上昇限度位置に停止し、
スクリーン12が下降限度に達すると、こま44が第二コイルばね60に係合して、スクリーン12の下降限度位置に停止する、
ロールブラインド。」

(2)甲第2号証
ア 甲第2号証の記載事項
取消理由で通知した、本件特許の優先日前に頒布された甲第2号証(特開2011-38340号公報)には、次の事項が記載されている。
(ア)「【技術分野】
【0001】
この発明は、ロールブラインドのスクリーンを昇降する昇降装置に関するものである。」
(イ)「【発明が解決しようとする課題】・・・
【0012】
この発明の目的は、スクリーンを所望高さに容易に昇降可能としながら、ロールブラインドの美観を向上させ得るロールブラインドのスクリーン昇降装置を提供することにある。」
(ウ)「【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1では、取付面に回転可能に支持された巻取軸からスクリーンを垂下し、前記スクリーンの下端にウェイトバーを取着し、前記巻取軸内に該巻取軸をスクリーン巻取り方向に付勢するスプリングモーターを備え、前記巻取軸の回転に基づいてスクリーンを昇降するロールブラインドにおいて、前記ウェイトバーの引き下げ操作に基づいて前記スクリーンを前記巻取軸から巻戻して所望高さに保持し、前記ウェイトバーの持ち上げ操作に基づいて前記スプリングモーターの付勢力に基づいて前記スクリーンを前記巻取軸に巻き取って所望高さに保持するブレーキ装置を備えた。
【0014】
請求項2では、前記スプリングモーターの付勢力に基づいて前記巻取軸に作用するスクリーン巻取り方向の回転トルクより、前記スクリーン及びウェイトバーの重量に基づいて前記巻取軸に作用するスクリーン巻戻し方向の回転トルクを大きく設定した。
【0015】
請求項3では、前記ブレーキ装置は、前記巻取軸のスクリーン巻戻し方向の回転のみを阻止するワンウェイクラッチと、前記ワンウェイクラッチの出力部と一体に回転するブレーキ筒と、前記ブレーキ筒の外周面に嵌着されたブレーキスプリングと、前記巻取軸と一体に回転するとともに、前記ブレーキスプリングの一端に係合する押圧部とを備え、前記ブレーキスプリングは、前記ウェイトバーの引き下げ操作に基づいて前記ブレーキ筒に対し摺動回転可能とし、前記巻取軸のスクリーン巻取り方向の回転に基づいて前記ブレーキ筒との摩擦を増大させる。
【0016】
請求項4では、前記ブレーキ装置は、前記巻取軸に、前記スクリーン及びウェイトバーの重量による回転トルクと、前記スプリングモーターの回転トルクのみが作用している状態では、前記巻取軸の回転を阻止する摩擦力を発生させるブレーキスプリングを備えた。
【0017】
請求項5では、前記ブレーキスプリングは、前記スクリーン及びウェイトバーの重量に基づく回転トルクでは、ブレーキ筒に対し回転しない摩擦力を備えた。
請求項6では、前記ウェイトバーの長手方向中央部に該ウェイトバーを操作するための操作片を設けた。」
(エ)「【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。図1および図2に示すロールブラインドは、取付ブラケット1を介して取付面に固定されるフレーム2の両端に支持ブラケット3が取着され、その支持ブラケット3間に円筒状の巻取軸4が回転可能に支持されている。
【0021】
前記巻取軸4からスクリーン5が垂下され、そのスクリーン5の下端にウェイトバー6が取着されている。そして、巻取軸4がスクリーン5の巻取り方向に回転されると、巻取軸4にスクリーン5が巻き取られてウェイトバー6が引き上げられ、巻取軸4がスクリーン5の巻戻し方向に回転されると、巻取軸4からスクリーン5が巻戻されてウェイトバー6が下降する。
【0022】
前記巻取軸4内の一端部には、捩じりコイルスプリングで構成されるスプリングモーター7が配設される。前記スプリングモーター7の一端は、前記支持ブラケット3に固定されたドラム部8に固定され、他端は前記巻取軸4に嵌着されたドライブプラグ9に固定されている。
【0023】
そして、巻取軸4がスクリーン5の巻戻し方向に回転されると、ドライブプラグ9を介してスプリングモーター7が蓄勢されるようになっている。図4に示すように、スプリングモーター7は、巻取軸4の回転数に比例した蓄勢力により常に巻取軸4にスクリーン巻取り方向の回転トルクT1を付与する。また、回転トルクT1は、スクリーン5を巻戻すにつれて増大するスクリーン5及びウェイトバー6の重量に基づいて巻取軸4に作用する逆方向の回転トルクT2より小さくなるように設定されている。
【0024】
前記巻取軸4内の他端には、スクリーン5を所望高さに保持するためのブレーキ装置10が設けられている。ブレーキ装置10の具体的構成を次に説明する。前記巻取軸4の他端側の支持ブラケット3にはドラム部11が取着され、そのドラム部11の中心部から支軸12が突出されている。前記支軸12にはブレーキ筒13が回転可能に支持され、そのブレーキ筒13の中間部の内周面は前記支軸12に固定されたワンウェイクラッチ14の外周面(出力部)に嵌着されている。
【0025】
前記ブレーキ筒13の外周面には捩じりコイルスプリングで構成されるブレーキスプリング15が巻着され、図3に示すように、ブレーキスプリング15の一端は径方向に円弧状に屈曲されて当接部16が形成されている。
【0026】
前記巻取軸4の他端部には軸受体17が嵌着固定され、その軸受体17の中心部に設けられた挿通孔18に前記支軸12が嵌挿されて、巻取軸4が軸受体17を介して支軸12に回転可能に支持されている。
【0027】
前記軸受体17の軸方向中間部の内周面には、図3に示すように、前記当接部16の両側に突出する押圧部19a,19bが形成されている。そして、前記巻取軸4が回転しようとすると、押圧部19a,19bのいずれかが当接部16をブレーキスプリング15の周方向に押圧するようになっている。・・・
【0031】
前記ウェイトバー6の長手方向中間部には、室内側に突出する操作片20が取着され、この操作片20を把持してウェイトバー6の引き下げ操作及び引き上げ操作が可能となっている。・・・
【0032】
次に、上記のように構成されたロールブラインドのブレーキ装置10の動作を図4及び図5に従って説明する。・・・
【0033】
そして、回転トルクT1は回転トルクT2以下の値に設定されているため、巻取軸4には図3に示す矢印B方向の回転トルクが作用してスクリーン5が巻戻されようとするが、ワンウェイクラッチ14の動作により巻取軸4の矢印B方向の回転が阻止される。従って、ウェイトバー6を操作しない状態では、ウェイトバー6が所望位置に保持される。
【0034】
この状態から、操作片20を操作してウェイトバー6を上方へ持ち上げると、図4に示すように、実質的に回転トルクT2が減少する。そして、回転トルクT2が回転トルクT1を下回ると、スプリングモーター7の付勢力により、巻取軸4に矢印A方向すなわちスクリーン巻取り方向の回転力が付与される。
【0035】
すると、ブレーキスプリング15とブレーキ筒13の摩擦力が増大するが、ワンウェイクラッチ14はブレーキ筒13の矢印A方向の回転を許容するので、巻取軸4が矢印A方向に回転されて、スクリーン5が引き上げられる。
【0036】
そして、スクリーン5が所望高さまで引き上げられたとき、ウェイトバー6の持ち上げ操作を停止すれば、スクリーン5が所望高さに保持される。一方、スクリーン5が所望高さに保持されている状態から、操作片20を操作してウェイトバー6を引き下げると、巻取軸4が図3に示す矢印B方向に回転され、軸受体17の押圧部19bがブレーキスプリング15の当接部16を同方向へ押圧する。
【0037】
すると、ブレーキスプリング15とブレーキ筒13との摩擦力が減少し、ブレーキ筒13はワンウェイクラッチ14の動作により同方向への回転が阻止されているので、ブレーキスプリング15はブレーキ筒13の外周面上を摺動しながら巻取軸4と一体に回転する。
【0038】
従って、図5に示すように、回転トルクT2より大きい回転トルクT3でウェイトバー6を下方へ引くと、スクリーン5を巻取軸4から巻戻して引き下げ可能である。この回転トルクT3は、回転トルクT2にブレーキスプリング15とブレーキ筒13との間の摩擦抵抗に打ち勝つトルクTadを付加すればよい。
【0039】
そして、スクリーン5を所望位置まで引き下げて操作片20を手放せば、スクリーン5が所望位置に保持される。・・・」

イ 甲第2号証の認定
上記アで摘記された事項からみて、甲第2号証には、次の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。
「取付面に回転可能に支持された巻取軸4からスクリーン5を垂下し、前記スクリーン5の下端にウェイトバー6を取着し、前記巻取軸4内に該巻取軸4をスクリーン巻取り方向に付勢するスプリングモーター7を備え、
巻取軸4がスクリーン5の巻取り方向に回転されると、巻取軸4にスクリーン5が巻き取られてウェイトバー6が引き上げられ、巻取軸4がスクリーン5の巻戻し方向に回転されると、巻取軸4からスクリーン5が巻戻されてウェイトバー6が下降する、ロールブラインドであって、
前記ウェイトバー6の引き下げ操作に基づいて前記スクリーン5を前記巻取軸4から巻戻して所望高さに保持し、前記ウェイトバー6の持ち上げ操作に基づいて前記スプリングモーター7の付勢力に基づいて前記スクリーン5を前記巻取軸4に巻き取って所望高さに保持するブレーキ装置10を備え、
前記ブレーキ装置10は、前記巻取軸4のスクリーン巻戻し方向の回転のみを阻止するワンウェイクラッチ14と、前記ワンウェイクラッチ14の出力部と一体に回転するブレーキ筒13と、前記ブレーキ筒13の外周面に嵌着されたブレーキスプリング15と、前記巻取軸4と一体に回転するとともに、前記ブレーキスプリング15の一端に係合する押圧部とを備え、
前記スプリングモーター10の付勢力に基づいて前記巻取軸4に作用するスクリーン巻取り方向の回転トルクT1より、前記スクリーン5及びウェイトバー6の重量に基づいて前記巻取軸4に作用するスクリーン巻戻し方向の回転トルクT2を大きく設定した、
ロールブラインド。」

(3)甲第3号証
ア 甲第3号証の記載事項
取消理由で通知した、本件特許の優先日前に頒布された甲第3号証(登録実用新案第3149752号公報)には、次の事項が記載されている。
(ア)「【技術分野】
【0001】
本考案は、スプリング式ロールスクリーンに関する。」
(イ)「【考案が解決しようとする課題】
【0003】
本考案は、スプリング式ロールスクリーンを提案する。前述の従来の引き紐式では、スクリーンを予定の高さに巻き取り、又は引き出し、定位することができない問題と、安全性を考慮して、自動巻き取り装置の回転を利用し、スプリング式ロールスクリーンの巻き取り及び展開を同時に制御し、ユーザーが簡単にロールスクリーンユニットの巻き取り又は展開をできるようにする。」
(ウ)「【課題を解決するための手段】
【0004】
スプリング式ロールスクリーンであって、主としてセットフレームと、ウエイトバーと、ロールスクリーンユニットと、固定端と、自動巻き取り装置と、を具備し、セットフレームの一端は、固定端に連接し、もう一端は、自動巻き取り装置に連接し、前記固定端とロールスクリーンユニットの軸は、嵌合して、回転し、前記自動巻き取り装置は、第二カバーユニット内部に、一端に凸軸のある外カバーを枢接し、前記外カバー内部に、スプリング部材を捲設し、外カバーの一端の凸軸とロールスクリーンユニットの軸筒が嵌合する。」
(エ)「【考案の効果】
【0005】
自動巻き取り装置と、固定端と、に連結するスプリング式ロールスクリーンであって、自動巻き取り装置が、スプリング式ロールスクリーンの巻き取り及び展開を制御することによって、ユーザーが、簡単にスクリーンを巻き取り、展開することができる。」
(オ)「【考案を実施するための形態】
【実施例】
【0007】
図2に示すように、本考案は、スプリング式ロールスクリーン20のセットフレーム30の一端に自動巻き取り装置70を取り付け、セットフレーム30のもう一端の固定端60と連結させ、自動巻き取り装置70の伝動によって、スプリング式ロールスクリーン20の巻き取り及び展開を制御する。前記スプリング式ロールスクリーン20は、主としてセットフレーム30と、ウエイトバー40と、ロールスクリーンユニット50と、固定端60と、自動巻き取り装置70と、を含む。前記セットフレーム30は、長形のレールであり、内部にガイド溝31が設けられ、前記ガイド溝31の両側にそれぞれ、固定溝32,33が設けられる。前記ウエイトバー40は、セットフレーム30の下方に離れて備えられる長形のレールである。前記ロールスクリーンユニット50は、セットフレーム30と、ウエイトバー40の間に設置され、図に示すように、前記ロールスクリーンユニット50の一端に、軸穴511を備える軸51を有する。・・・
【0009】
図2、3に示すように、前記自動巻き取り装置70は、セットフレーム30のもう一端側に設置され、前記自動巻き取り装置70には、第二カバーユニット71内に、内部にスプリング部材73を捲設した外カバー72が枢接され、前記第二カバーユニット71の第二カバー711の一端側に、外蓋712が固定され、第二カバー711は、一端側に容置空間7111を有し、前記容置空間7111の上端には、固定穴7112と、四隅に固定穴7113と、下端には貫通穴7114と、を備え、第二カバー711のもう一端側が延びて、セットフレーム30のガイド溝31の一端に嵌入する嵌合部7115を形成し、前記外蓋712は、第二カバー711の一端に蓋合され、その周囲には、第二カバー711の固定穴7113に対応する穴7121を有し、その一端が伸びて、貫通穴7114に対応する凸軸7122を形成し、凸軸7122は、係止溝7123を有する。前記外カバー72は、第二カバー711の一端の容置空間7111内に設けられ、外蓋712の凸軸7122が穿伸することによって定位され、その一端側に、凸軸721を有し、それによって、第二カバー711の貫通穴7114を貫通し、ロールスクリーンユニット50の軸51の一端の軸穴511内に穿入して嵌合され、前記外カバー72のもう一端側には、容室722が設けられ、容室722の中心に外蓋712の凸軸7122を組み付けるためのカバー穴723が設けられ、容室722の内縁に掛止部724が設けられる。前記自動巻取り装置70は、外カバー72のもう一端側の容室722内にスプリング部材73を有し、前記スプリング部材73の外側には、掛止部724に掛かって固定されるための、隙間7321のある鉤732を有し、中心には、凸軸7122の係止溝7123に係止される穿接体731を有し、セットフレーム30の下方のロールスクリーンユニット50が、スプリング部材73の伸張又は緊縮によって、展開又は巻き取りができるようにする。・・・
【0011】
本考案のスプリング式ロールスクリーン20のロールスクリーンユニット50の巻き取り、展開操作をする場合の応用を図4、5、6に示す。ユーザーはウエイトバー40を手押し(又は手引き)することができ、セットフレーム30のもう一端側の自動巻取り装置70の外カバー72のもう一端の容室722内のスプリング部材73の伸張又は緊縮によって、ロールスクリーンユニット50を上昇させて収納または、下降させて展開状態にし、ロールスクリーンユニット50が、下降作動している場合、ウエイトバー40の重さによって、ロールスクリーンユニット50が、下降した後、巻き戻らないようにし、効果的に本考案のスプリング式ロールスクリーン20の動作を制御する。」

イ 甲第3号証の認定
上記アで摘記された事項からみて、甲第3号証には、次の発明(以下「甲3発明」という。)が記載されていると認められる。
「セットフレーム30と、ウエイトバー40と、ロールスクリーンユニット50と、固定端60と、自動巻き取り装置70と、を具備し、
セットフレーム30の一端は、固定端60に連接し、もう一端は、自動巻き取り装置70に連接し、前記固定端60とロールスクリーンユニット50の軸は、嵌合して、回転し、
前記自動巻き取り装置70は、第二カバーユニット71内部に、一端に凸軸のある外カバー72を枢接し、前記外カバー72内部に、スプリング部材73を捲設し、外カバーの一端の凸軸とロールスクリーンユニット50の軸筒が嵌合するようにして、
ウエイトバー40を手押し又は手引きすることにより、ロールスクリーンユニット50を上昇させて収納または下降させて展開状態にし、ロールスクリーンユニット50が、下降作動している場合、ウエイトバー40の重さによって、ロールスクリーンユニット50が、下降した後、巻き戻らないようにした、
スプリング式ロールスクリーン。」

(4)甲第4号証
ア 甲第4号証の記載事項
取消理由で通知した、本件特許の優先日前に頒布された甲第4号証(特開平8-28168号公報)には、次の事項が記載されている。
(ア)「【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ロールスクリーンのスクリーン停止装置に関するものである。」
(イ)「【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のロールスクリーンのスクリーン停止装置では、ボールチェーンに逆巻き防止コネクタを取付けるようにしているため、ボールチェーンの外観が悪いという問題がある。この問題を解決するもの・・・スクリーンの上下限位置を設定するには、上記スクリーン停止装置を巻取パイプからいちいち取外して行わなければならないため、作業効率が悪いという問題がある。本発明は、上記課題を解決するためのものである。」
(ウ)「【0004】
【課題を解決するための手段】
・・・本発明のロールスクリーンのスクリーン停止装置は、セットフレーム(54)の両端に設けられるサイドプレート(48)と、サイドプレート(48)によって両端が回転可能に支持される巻取パイプ(14)と、巻取パイプ(14)に一端側が巻取り及び巻解き可能に連結されているスクリーン(58)と、巻取パイプ(14)を回転駆動可能なプーリ(32)と、プーリ(32)の回転駆動を操作可能な操作コード(56)と、を有するものにおいて、上記プーリ(32)を回転自在に支持するとともに、一端が上記サイドプレート(48)に回転可能な状態と回転不可能な状態とを切換え可能に支持されている主軸(38)と、主軸(38)の他端に一体に連結されているボルト軸(16)と、ボルト軸(16)のねじ部(16a)に軸方向に移動可能にねじ込まれているとともに、上記巻取パイプ(14)に一体回転可能に連結されているナット部材(18)と、プーリ(32)からの回転力によって巻取パイプ(14)と主軸(38)との締結を解除させる一方、巻取パイプ(14)からの回転力によって巻取パイプ(14)と主軸(38)とを締結させるように作用するクラッチばね(30、31)と、を有しており、ボルト軸(16)には、ナット部材(18)の所定量以上の軸方向への移動を規制する規制部(16b)が形成されている、ことを特徴とする。なお、かっこ内の符号は、後述する実施例の対応する部材を示す。」
(エ)「【作用】・・・
【0006】
・・・このとき、巻取パイプの回転に伴ってナット部材が回転するため、ナット部材はボルト軸上を規制部方向に移動していく。ナット部材は、規制部に接触する位置まで移動したら、それ以上移動することができないため、回転が拘束される。・・・」
(オ)「【0007】
【実施例】
図1に本発明のロールスクリーン10のスクリーン停止装置12の分解斜視図を示す。スクリーン停止装置12は、巻取パイプ14と、ボルト軸16と、移動こま(ナット部材)18と、Eリング20と、ケース22と、クラッチばね受け24と、クラッチリング26と、2つのワッシャ28及び29と、2つのクラッチばね30及び31と、プーリ32と、ベアリングカラー34と、ベアリング36と、主軸38と、プーリカバー40と、支持部材42と、フック44と、ばね46と、サイドプレート48と、固定部材50と、プレートカバー52と、を有している。巻取パイプ14は、これの内周面に円周方向に所定間隔をあけて3つの突条14aが形成されている。ボルト軸16には、これの一端側にこれのねじ部16aよりも大径のつば状の規制部16bが形成されており、これの他端側の軸心部に6角穴16cが形成されている。・・・
【0010】
次に、スクリーン58の昇降時の作用について説明する。・・・
このとき、巻取パイプ14の回転に伴って移動こま18が回転するため、移動こま18はボルト軸16のねじ部16aを、図6中左方向に移動していく。移動こま18は、図5に示されるように、ボルト軸16の規制部16bに接触する位置まで移動したら、それ以上移動することができないため、回転が拘束される。これにより、巻取パイプ14の回転も拘束されるため、ボールチェーン56を引き下ろすことができなくなる。したがって、スクリーン58は、設定された最下降位置で停止する。」

イ 甲第4号証の認定
上記アで摘記された事項からみて、甲第4号証には、次の発明(以下「甲4発明」という。)が記載されていると認められる。
「セットフレーム(54)の両端に設けられるサイドプレート(48)と、サイドプレート(48)によって両端が回転可能に支持される巻取パイプ(14)と、巻取パイプ(14)に一端側が巻取り及び巻解き可能に連結されているスクリーン(58)と、巻取パイプ(14)を回転駆動可能なプーリ(32)と、プーリ(32)の回転駆動を操作可能な操作コード(56)と、を有するロールスクリーンにおいて、
上記プーリ(32)を回転自在に支持するとともに、一端が上記サイドプレート(48)に回転可能な状態と回転不可能な状態とを切換え可能に支持されている主軸(38)と、主軸(38)の他端に一体に連結されているボルト軸(16)と、ボルト軸(16)のねじ部(16a)に軸方向に移動可能にねじ込まれているとともに、上記巻取パイプ(14)に一体回転可能に連結されているナット部材(18)と、プーリ(32)からの回転力によって巻取パイプ(14)と主軸(38)との締結を解除させる一方、巻取パイプ(14)からの回転力によって巻取パイプ(14)と主軸(38)とを締結させるように作用するクラッチばね(30、31)と、を有しており、ボルト軸(16)には、ナット部材(18)の所定量以上の軸方向への移動を規制するねじ部16aよりも大径のつば状の規制部(16b)が形成されている、
ロールスクリーンのスクリーン停止装置。」

(5)甲第5号証
ア 甲第5号証の記載事項
取消理由で通知した、本件特許の優先日前に頒布された甲第5号証(特開平8-49484号公報)には、次の事項が記載されている。
(ア)「【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ロールスクリーンに関するものである。」
(イ)「【0003】
【発明が解決しようとする課題】
・・・従来のスクリーンの巻取り上限位置設定装置では、・・・移動コマは、これが巻取り上限位置まで移動したときに、圧接体の弾性力により衝撃力が多少は吸収されるが、これらにより急にブレーキ力が加えられるため、かなり大きな衝撃力が発生する。このため、移動コマは、静止ボルトのねじ山に強固に結合されてしまい、巻取り上限位置からスクリーンを下降させる際に、下降操作に要する力が大きいという問題がある。上記問題を解決するもの・・・スクリーンが上記所望の位置まで巻上げられて停止するときには、移動こまはコイルばねによりショックが吸収されて停止することができる。しかしながら、・・・移動こまが停止する位置が変化するため、スクリーンの停止位置が一定でないという問題がある。本発明は、上記課題を解決するためのものである。」
(ウ)「【0004】
【課題を解決するための手段】
・・・本発明のロールスクリーンは、セットフレーム(12)の両端に設けられるサイドプレート(14)によって両端が回転可能に支持される巻取パイプ(16)と、巻取パイプ(16)に一端側が巻取り及び巻解き可能に連結されているスクリーン(18)と、巻取パイプ(16)に常時スクリーン(18)巻取り方向に回転させる力を加えている巻取スプリングと、巻取パイプ(16)へのスクリーン(18)の巻取り上限位置を設定可能な巻取り上限位置設定装置と、を有するものにおいて、上記巻取り上限位置設定装置は、上記巻取パイプ(16)と同心に配置されているボルト軸(52)と、ボルト軸(52)に軸方向に移動可能にねじ込まれているとともに、巻取パイプ(16)に一体回転するように連結されているナット部材(54)と、ボルト軸(52)に固定されている固定部材(60)と、これと固定部材(60)との間隔が所定値以上広がらないようにボルト軸(52)に相対回転可能にはめ合わされているとともに、ナット部材(54)と一体回転するように係合可能である規制部材(56)と、一端が規制部材(56)に、他端が固定部材(60)に、それぞれ連結されており、ナット部材(54)からの回転力によって規制部材(56)が回転することにより、縮径されていくように構成されている第1クラッチばね(58)と、を有する、ことを特徴とする。」
(エ)「【0008】
スクリーン18の巻取り上限位置設定後に、スクリーン18を下降させる場合は、つまみ92を持ってこれを引き下げる。これによりプルコード90を介してウエイトバー20が引き下げられるため、巻取パイプ16がスクリーン18巻解き方向に回転していく。・・・スクリーン18を、図7に示される最下降位置まで下降させて、ウエイトバー20を下方に引く力を解除すると、・・・巻取パイプ16は回転が拘束される。これにより、スクリーン18は停止する。・・・
【0009】
次に、スクリーン18を上昇させる場合は、つまみ92を持ってこれを若干引き下げる。これにより、プルコード90を介してウエイトバー20が若干引き下げられるため、巻取パイプ16とともにストッパケース42がスクリーン18巻解き方向へ若干回転するので、溝40aに案内されてボール48が移動して、ストッパケース42と溝付ドラム40との締結が解除される。このため、巻取パイプ16、ストッパケース42及びナット部材54は巻取スプリングの弾性力によりスクリーン18巻取り方向に回転する。・・・巻取パイプ16をスクリーン18巻取り方向に回転させようとする巻取スプリングの弾性力よりも、規制部材56の回転を停止させようとする第1クラッチばね58の弾性力の方が大きくなった時点で、・・・巻取パイプ16は回転が拘束されるため、スクリーン18の上昇が、一旦停止する。」

イ 甲第5号証の認定
上記アで摘記された事項からみて、甲第5号証には、次の発明(以下「甲5発明」という。)が記載されていると認められる。
「セットフレーム(12)の両端に設けられるサイドプレート(14)によって両端が回転可能に支持される巻取パイプ(16)と、巻取パイプ(16)に一端側が巻取り及び巻解き可能に連結されているスクリーン(18)と、巻取パイプ(16)に常時スクリーン(18)巻取り方向に回転させる力を加えている巻取スプリングと、巻取パイプ(16)へのスクリーン(18)の巻取り上限位置を設定可能な巻取り上限位置設定装置と、を有するロールスクリーンにおいて、
上記巻取り上限位置設定装置は、上記巻取パイプ(16)と同心に配置されているボルト軸(52)と、ボルト軸(52)に軸方向に移動可能にねじ込まれているとともに、巻取パイプ(16)に一体回転するように連結されているナット部材(54)と、ボルト軸(52)に固定されている固定部材(60)と、これと固定部材(60)との間隔が所定値以上広がらないようにボルト軸(52)に相対回転可能にはめ合わされているとともに、ナット部材(54)と一体回転するように係合可能である規制部材(56)と、一端が規制部材(56)に、他端が固定部材(60)に、それぞれ連結されており、ナット部材(54)からの回転力によって規制部材(56)が回転することにより、縮径されていくように構成されている第1クラッチばね(58)とを有する、
ロールスクリーン。」

(6)甲第6号証
ア 甲第6号証の記載事項
取消理由で通知した、本件特許の優先日前に頒布された甲第6号証(実公平3-16400号公報)には、次の事項が記載されている。
(ア)「[産業上の利用分野]
本考案はロールブラインドのスクリーンの巻上げ高さを規制する装置の改良に関する。」(1頁1欄26?28行)
(イ)「[考案が解決しようとする問題点]
本考案の目的は上記に鑑みてあらかじめ設定した高さに巻上げたスクリーンの引下げ操作が重くならないスクリーン巻上げ高さ規制装置を提供することにある。」(1頁2欄21?25行)
(ウ)「[問題点を解決するための手段]
前記目的を達成するため本考案の特徴とする手段は、ロールパイプと共に回転しながらボルト上を移動する移動こまに係合部を設け、その係合部をボルトと同軸に設けたコイルばねブレーキの自由端に係合させ、移動こまがそのコイルばねブレーキを締めてロールパイプの回転を停止させるようにしたことにある。コイルばねを密着式とし移動こまの係合部を円錐面状に形成してコイルばねの内面に摩擦係合させてショックを有効に吸収すると共に迅速に作用させることが望ましい。」(1頁2欄26行?2頁3欄8行)
(エ)「[実施例]
・・・ロールパイプ10が回転してスクリーン30があらかじめ設定した高さに巻上がると、第2図に示すように、移動こま26の係合部28はコイルばね25に嵌合し、係合部28の円錐面がコイルばね25の自由端を回すが、その回転方向はコイルばね25をブレーキドラム22に巻き締める方向になるから、コイルばね25はブレーキドラムに締着し、移動こま26の回転すなわちロールパイプ10の回転は制止される。・・・」(2頁4欄23?31行)

イ 甲第6号証の認定
上記アで摘記された事項からみて、甲第6号証には、次の発明(以下「甲6発明」という。)が記載されていると認められる。
「ロールパイプ10が回転してスクリーン30があらかじめ設定した高さに巻上がると、ロールパイプ10と共に回転しながら移動する移動こま26の係合部28がコイルばね25に嵌合し、係合部28の円錐面がコイルばね25の自由端を回すが、その回転方向はコイルばね25をブレーキドラム22に巻き締める方向になるから、コイルばね25はブレーキドラムに締着し、移動こま26の回転すなわちロールパイプ10の回転が制止される、ロールブラインド。」

4 29条1項3号、2項(新規性進歩性欠如)について
(1)甲1発明を主引例とした場合の検討
ア 本件発明1について
本件発明1と甲1発明とを対比すると、少なくとも、本件発明1が、「コードレス格納式シェード」であって、「伸張位置への前記シェード材料の走行の終点で、前記ナットが前記回転不能シャフトに配置された止めに係合して前記シェード材料のさらなる伸張を制限するとともに、前記ナットが前記回転不能シャフトに配置されたナックルに係合して前記シェード材料の格納を制限し、前記格納方向への前記ローラの移動により、前記ナットが前記止めおよび前記ナックルから係合解除される」のに対し、甲1発明は、「ひもを引いてスクリーン12を昇降させる方式」の「ロールブラインド」であって、そのような特定がない点で相違する(相違点1)。
なお、甲第1号証には、「実施例はいずれも、ひもを引いてスクリーンを昇降させる方式であるが、本考案の装置はスクリーンを直接引下げてクラッチで停止し、内蔵したスプリングでスクリーンを巻上げる方式のロールブラインドにもそのまま適用できることはいうまでもない。」(上記3(1)ア(カ)参照。)と記載されており、「コードレス」とすることも記載されているが、スクリーンを「クラッチ」で停止することが記載されているのみで、ナットが回転不能シャフトに配置されたナックルに係合してシェード材料の格納を制限し、格納方向へのローラの移動により、ナットがナックルから係合解除される構成は記載も示唆もされていない。
そして、甲第2号証ないし甲第6号証には、上記3(2)ないし(6)でそれぞれ述べたような発明が記載されているが、上記相違点1に係る本件発明1の構成は記載も示唆もされていない。申立人は、ナットと止めを隆起、突出部又は摩擦特性の高い表面部分により係合する手段は、甲第4号証、甲第5号証及び甲第6号証に記載のごとく従来から周知である旨主張するが、そうであるとしても、甲第4号証、甲第5号証及び甲第6号証には、ナットが回転不能シャフトに配置されたナックルに係合してシェード材料の格納を制限し、格納方向へのローラの移動により、ナットがナックルから係合解除される構成は記載も示唆もされておらず、そのような構成まで周知であるとはいえない。したがって、甲1発明において、上記相違点1に係る本件発明1の構成とすることが、当業者にとって容易に想到し得たこととはいえない。
よって、本件発明1は、甲第1号証に記載された発明ではなく、また、甲第1号証に記載された発明、及び甲第2号証ないし甲第6号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明できたものではない。

イ 本件発明4?7,16?24について
本件発明4ないし7、16ないし22は、本件発明1を引用するものであって、本件発明1の発明特定事項を全て含むものであるから、本件発明1と同様の理由で、甲第1号証に記載された発明ではない。
また、本件発明4ないし7、16ないし24は、本件発明1を引用するものであって、本件発明1の発明特定事項を全て含むものであるから、本件発明1と同様の理由で、甲第1号証に記載された発明、及び甲第2号証ないし甲第6号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明できたものではない。

ウ 本件発明25について
本件発明25と甲1発明とを対比すると、少なくとも、本件発明25が、「コードレス格納式シェード」であって、「前記ナットが前記回転不能シャフトに配置された止めに係合して前記シェード材料のさらなる伸張を制限するとともに、前記ナットが前記回転不能シャフトに配置されたナックルに係合して前記シェード材料の格納を制限するまで、前記ナットが前記伸張方向へ移動し、前記ナットが前記ナックルに係合することにより、前記ナットを前記格納方向への移動に対抗して保持し、前記ローラが回転して前記シェード材料を格納することにより、前記ナットを前記止めおよび前記ナックルから係合解除する」のに対し、甲1発明は、「ひもを引いてスクリーン12を昇降させる方式」の「ロールブラインド」であって、そのような特定がない点で相違する(相違点2)。
そして、甲第2号証ないし甲第6号証には、上記3(2)ないし(6)でそれぞれ述べたような発明が記載されているが、上記相違点2に係る本件発明25の構成は記載も示唆もされていないから、甲1発明において、上記相違点2に係る本件発明25の構成とすることが、当業者にとって容易に想到し得たこととはいえない。
よって、本件発明25は、甲第1号証に記載された発明ではなく、また、甲第1号証に記載された発明、及び甲第2号証ないし甲第6号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明できたものではない。

エ 本件発明26について
本件発明26は、本件発明25を引用するものであって、本件発明25の発明特定事項を全て含むものであるから、本件発明25と同様の理由で、甲第1号証に記載された発明ではなく、また、甲第1号証に記載された発明、及び甲第2号証ないし甲第6号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明できたものではない。

オ 本件発明27について
本件発明27と甲1発明とを対比すると、少なくとも、本件発明27が、「コードレス格納式シェード」であって、「前記回転不能シャフトに配置された止めおよびナックルに前記ナットが係合する、前記ローラからの前記シェード材料の伸張位置に対応する走行の伸張点を前記ナットが有して、前記ナットが前記止めに係合して前記シェード材料のさらなる伸張を制限するとともに、前記ナットが前記ナックルに係合して前記シェード材料の格納を制限し、前記ローラが回転して前記シェード材料を格納することにより、前記ナットを前記止めおよび前記ナックルから係合解除する」のに対し、甲1発明は、「ひもを引いてスクリーン12を昇降させる方式」の「ロールブラインド」であって、そのような特定がない点で相違する(相違点3)。
そして、甲第2号証ないし甲第6号証には、上記3(2)ないし(6)でそれぞれ述べたような発明が記載されているが、上記相違点3に係る本件発明27の構成は記載も示唆もされていないから、甲1発明において、上記相違点3に係る本件発明27の構成とすることが、当業者にとって容易に想到し得たこととはいえない。
よって、本件発明27は、甲第1号証に記載された発明ではなく、また、甲第1号証に記載された発明、及び甲第2号証ないし甲第6号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明できたものではない。

カ 本件発明28について
本件発明28は、本件発明27を引用するものであって、本件発明27の発明特定事項を全て含むものであるから、本件発明27と同様の理由で、甲第1号証に記載された発明ではなく、また、甲第1号証に記載された発明、及び甲第2号証ないし甲第6号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明できたものではない。

(2)甲2発明を主引例とした場合の検討
ア 本件発明1について
本件発明1と甲2発明とを対比すると、両者は「コードレス格納式シェード」である点で共通するといえるが、少なくとも、本件発明1が、「伸張位置への前記シェード材料の走行の終点で、前記ナットが前記回転不能シャフトに配置された止めに係合して前記シェード材料のさらなる伸張を制限するとともに、前記ナットが前記回転不能シャフトに配置されたナックルに係合して前記シェード材料の格納を制限し、前記格納方向への前記ローラの移動により、前記ナットが前記止めおよび前記ナックルから係合解除される」のに対し、甲2発明は、そのような特定がない点で相違する(相違点A)。
そして、甲第1号証、甲第3号証ないし甲第6号証には、上記3(1)、(3)ないし(6)でそれぞれ述べたような発明が記載されているが、上記相違点Aに係る本件発明1の構成は記載も示唆もされていないから、甲1発明において、上記相違点Aに係る本件発明1の構成とすることが、当業者にとって容易に想到し得たこととはいえない。
よって、本件発明1は、甲第2号証に記載された発明、及び甲第1号証、甲第3号証ないし甲第6号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明できたものではない。

イ 本件発明4?7,16?21について
本件発明4ないし7、16ないし21は、本件発明1を引用するものであって、本件発明1の発明特定事項を全て含むものであるから、本件発明1と同様の理由で、甲第2号証に記載された発明、及び甲第1号証、甲第3号証ないし甲第6号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3)甲3発明を主引例とした場合の検討
ア 本件発明22について
本件発明22は本件発明1を間接的に引用するものであるから、本件発明22と甲3発明とを対比すると、両者は「コードレス格納式シェード」である点で共通するといえるが、少なくとも、本件発明22が、「伸張位置への前記シェード材料の走行の終点で、前記ナットが前記回転不能シャフトに配置された止めに係合して前記シェード材料のさらなる伸張を制限するとともに、前記ナットが前記回転不能シャフトに配置されたナックルに係合して前記シェード材料の格納を制限し、前記格納方向への前記ローラの移動により、前記ナットが前記止めおよび前記ナックルから係合解除される」のに対し、甲3発明は、そのような特定がない点で相違する(相違点B)。
そして、甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証ないし甲第6号証には、上記3(1)、(2)、(4)ないし(6)でそれぞれ述べたような発明が記載されているが、上記相違点Bに係る本件発明22の構成は記載も示唆もされていないから、甲3発明において、上記相違点Bに係る本件発明22の構成とすることが、当業者にとって容易に想到し得たこととはいえない。
よって、本件発明22は、甲第3号証に記載された発明、及び甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証ないし甲第6号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明できたものではない。

イ 本件発明23について
本件発明23は本件発明22と同様に本件発明1を間接的に引用するものであるから、本件発明23と甲3発明とを対比すると、上記相違点Bで相違し、上記アと同様に相違点Bに係る本件発明23の構成とすることが、当業者にとって容易に想到し得たこととはいえない。
よって、本件発明23は、甲第3号証に記載された発明、及び甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証ないし甲第6号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明できたものではない。

ウ 本件発明24について
本件発明24は、本件発明23を引用するものであって、本件発明23の発明特定事項を全て含むものであるから、本件発明23と同様の理由で、甲第3号証に記載された発明、及び甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証ないし甲第6号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明できたものではない。

(4)甲4発明を主引例とした場合の検討
ア 本件発明25について
本件発明25と甲4発明とを対比すると、少なくとも、本件発明25が、「コードレス格納式シェード」であって、「前記ナットが前記回転不能シャフトに配置された止めに係合して前記シェード材料のさらなる伸張を制限するとともに、前記ナットが前記回転不能シャフトに配置されたナックルに係合して前記シェード材料の格納を制限するまで、前記ナットが前記伸張方向へ移動し、前記ナットが前記ナックルに係合することにより、前記ナットを前記格納方向への移動に対抗して保持し、前記ローラが回転して前記シェード材料を格納することにより、前記ナットを前記止めおよび前記ナックルから係合解除する」のに対し、甲4発明は、「スクリーン(58)」「を操作可能な操作コード(56)」「を有するロールスクリーン」であって、そのような特定がない点で相違する(相違点C)。
よって、本件発明25は、甲第4号証に記載された発明ではない。

イ 本件発明26について
本件発明26は、本件発明25を引用するものであって、本件発明25の発明特定事項を全て含むものであるから、本件発明25と同様の理由で、甲第4号証に記載された発明ではない。

ウ 本件発明27について
本件発明27と甲4発明とを対比すると、少なくとも、本件発明27が、「コードレス格納式シェード」であって、「前記回転不能シャフトに配置された止めおよびナックルに前記ナットが係合する、前記ローラからの前記シェード材料の伸張位置に対応する走行の伸張点を前記ナットが有して、前記ナットが前記止めに係合して前記シェード材料のさらなる伸張を制限するとともに、前記ナットが前記ナックルに係合して前記シェード材料の格納を制限し、前記ローラが回転して前記シェード材料を格納することにより、前記ナットを前記止めおよび前記ナックルから係合解除する」のに対し、甲4発明は、「スクリーン(58)」「を操作可能な操作コード(56)」「を有するロールスクリーン」であって、そのような特定がない点で相違する(相違点D)。
よって、本件発明27は、甲第4号証に記載された発明ではない。

エ 本件発明28について
本件発明28は、本件発明27を引用するものであって、本件発明27の発明特定事項を全て含むものであるから、本件発明27と同様の理由で、甲第4号証に記載された発明ではない。

5 17条の2第3項(補正要件違反)について
請求項25ないし28は、本件訂正により、「コードレス格納式シェード」であることが明らかになった。
したがって、本件訂正後の請求項25ないし28は、本件特許の国際特許出願の明細書の翻訳文、請求の範囲の翻訳文又は図面(以下「出願当初明細書等」という。)に記載されている「コードレス格納式シェード」と整合するものであって、当該出願当初明細書等に記載した事項の範囲内で特定される発明であるといえる。また、出願当初明細書等において、本件発明は、「操作および引張コードは、場合によって、コードが絡まって、使用が困難になり、繰り返される摩耗により覆いを擦り切れさせ、破り、損傷させるおそれがあり、ユーザに危険を与えうるループを形成することがあり得る」(段落【0006】)との課題を解決するために、「コードレス格納式シェード」としたものであるから、課題解決の観点からも出願当初明細書等に記載した事項の範囲内であるといえる。
よって、本件特許出願に係る平成28年11月29日付け手続補正書でした補正は、出願当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものでないとの補正要件違反は、本件訂正により解消されている。

6 36条6項1号及び2号、4項1号(記載要件違反)について
(1)36条6項2号(明確性要件違反)の検討
ア 請求項1,4?7,16?24について
(ア)本件訂正後の請求項1は、「コードレス格納式シェード」であることが明らかである。
(イ)本件訂正後の請求項1は、偏倚部品について、「前記ローラに動作可能に接続され、前記ローラに可変偏倚力を格納方向へ加えて、前記ローラから広げられた前記シェード材料の部分の重量および前記ローラに加えられた摩擦力と少なくとも釣り合わせるように構成された」と特定されており、偏倚力と、シェード材料の重量と、ローラに加えられた摩擦力とが釣り合うことが明らかである。
(ウ)本件訂正後の請求項1は、シェード材料の伸張と格納の制限について、「伸張位置への前記シェード材料の走行の終点で、前記ナットが前記回転不能シャフトに配置された止めに係合して前記シェード材料のさらなる伸張を制限するとともに、前記ナットが前記回転不能シャフトに配置されたナックルに係合して前記シェード材料の格納を制限し、前記格納方向への前記ローラの移動により、前記ナットが前記止めおよび前記ナックルから係合解除される」と特定されており、ナットが止めに係合してシェード材料のさらなる伸張が制限され、ナットがナックルに係合してシェード材料の格納が制限され、格納方向へのローラの移動により、ナットが止めおよびナックルから係合解除されることが明らかである。
(エ)以上のとおりであるから、本件訂正後の請求項1に係る発明及び当該発明を引用する本件訂正後の請求項4ないし7、16ないし24に係る発明は、明確である。
イ 請求項20について
本件訂正後の請求項20は、ばねの第2の端部について、「前記ローラに動作可能にキー止めされる」ことが特定されており、ばねがローラに動作可能であることが明らかである。
よって、本件訂正後の請求項20に係る発明及び当該発明を引用する本件訂正後の請求項21ないし24に係る発明は、明確である。

ウ 請求項22について
本件訂正後の請求項22は、ばねの第2の端部について、「前記ばねの前記第2の端部がハウジングに係合し、前記ハウジングが前記ローラに動作可能にキー止めされる」ことが特定されており、ばねがローラに動作可能であることが明らかである。
よって、本件訂正後の請求項22に係る発明は、明確である。

エ 請求項23について
本件訂正後の請求項23は、時計ばねについて、「前記半径方向内端部が、回転安定して前記ローラに動作可能に固定されている」ことが特定されており、時計ばねの半径方向内端部がローラに動作可能に固定されていることが明らかである。
よって、本件訂正後の請求項23に係る発明及び当該発明を引用する本件訂正後の請求項24に係る発明は、明確である。

(2)36条6項1号(サポート要件違反)の検討
ア 請求項1,4?7,16?24について
本件訂正後の請求項1は、偏倚部品について、「前記ローラに動作可能に接続され、前記ローラに可変偏倚力を格納方向へ加えて、前記ローラから広げられた前記シェード材料の部分の重量および前記ローラに加えられた摩擦力と少なくとも釣り合わせるように構成された」と特定されており、偏倚力と、シェード材料の重量と、ローラに加えられた摩擦力とが釣り合うことが明らかである。
そして、本件特許明細書(願書に添付した明細書)の段落【0042】には「ばねモータの偏倚力を補完するために、所定の摩擦係数がシェードの操作システムの相対移動部分に組み込まれて、コイルばねの偏倚力と組み合さったシステム内の摩擦が、底部レールおよびシェード材料に作用する重力と等しくなり、これに打ち勝ち、または概ね釣り合うため、底部レールが、完全格納と完全伸張との間のユーザに選択された任意の位置に位置決めされたままとなる。」と記載されているとおり、偏倚力が摩擦と組み合わさってシェード材料に作用する重力と釣り合うことで、シェードが任意の位置に位置決めされることが記載されている。
よって、本件訂正後の請求項1に係る発明及び当該発明を引用する本件訂正後の請求項4ないし7、16ないし24に係る発明は、願書に添付した明細書に記載されたものである、すなわちサポート要件を満たしている。
イ 請求項25?28について
本件訂正後の請求項25ないし28は、「コードレス格納式シェード」である。
そして、本件特許明細書(願書に添付した明細書)全般に「コードレス格納式シェード」が記載されている。
また、本件発明は、「操作および引張コードは、場合によって、コードが絡まって、使用が困難になり、繰り返される摩耗により覆いを擦り切れさせ、破り、損傷させるおそれがあり、ユーザに危険を与えうるループを形成することがあり得る」(段落【0006】)との課題を解決するために、「コードレス格納式シェード」としたものである。
よって、本件訂正後の請求項25ないし28に係る発明は、願書に添付した明細書に記載されたものである、すなわちサポート要件を満たしている。

(3)36条4項1号(実施可能要件違反)の検討
本件訂正後の請求項1に係る発明は、「前記ローラに動作可能に接続され、前記ローラに可変偏倚力を格納方向へ加えて、前記ローラから広げられた前記シェード材料の部分の重量および前記ローラに加えられた摩擦力と少なくとも釣り合わせるように構成された偏倚部品であって、前記シェード材料がより大きな量だけ前記ローラから広げられるときに、より大きな量の力を前記ローラに加えるように構成された偏倚部品」を備えた「コードレス格納式シェード」であるところ、本件特許明細書(願書に添付した明細書)の【発明の詳細な説明】の【発明を実施するための形態】欄には、偏倚力が摩擦と組み合わさってシェード材料に作用する重力と釣り合うことで、シェードが任意の位置に位置決めする、偏倚部品を備えた「コードレス格納式シェード」が具体的に記載されている。
よって、願書に添付した明細書の発明の詳細な説明には、本件訂正後の請求項1に係る発明及び当該発明を引用する本件訂正後の請求項4ないし7、16ないし24に係る発明を、当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載されたものである、すなわち実施可能要件を満たしている。

第4 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由、証拠によっては、本件請求項1,4?7,16?28に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1,4?7,16?28に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能なローラと、
前記ローラに動作可能に接続されたシェード材料であって、前記シェード材料をそれぞれ格納および伸張するために、前記ローラに巻き付けることができ、前記ローラから広げることのできるシェード材料と、
前記ローラに動作可能に接続され、前記ローラに可変偏倚力を格納方向へ加えて、前記ローラから広げられた前記シェード材料の部分の重量および前記ローラに加えられた摩擦力と少なくとも釣り合わせるように構成された偏倚部品であって、前記シェード材料がより大きな量だけ前記ローラから広げられるときに、より大きな量の力を前記ローラに加えるように構成された偏倚部品と、
前記ローラ内に位置決めされた回転不能シャフトと、
前記回転不能シャフトに取り付けられたナットであって、前記ローラにキー止めされて、前記ローラの回転により前記ナットを前記回転不能シャフトの長さに沿って並進させるようにするナットとを備え、
伸張位置への前記シェード材料の走行の終点で、前記ナットが前記回転不能シャフトに配置された止めに係合して前記シェード材料のさらなる伸張を制限するとともに、前記ナットが前記回転不能シャフトに配置されたナックルに係合して前記シェード材料の格納を制限し、前記格納方向への前記ローラの移動により、前記ナットが前記止めおよび前記ナックルから係合解除される、コードレス格納式シェード。
【請求項2】
前記シェード材料が、前シートと、後シートと、前記前シートおよび前記後シートの間に位置決めされた少なくとも1つの羽根とを備え、前記少なくとも1つの羽根が前縁部に沿って前記前シートに係合し、後縁部に沿って前記後シートに係合し、
前記ローラが、前記前シートおよび前記後シートに動作可能に係合されて、前記シェード材料のほぼ全体が前記ローラから伸張されるときに、前記少なくとも1つの羽根を閉鎖構成から開放構成へ移行させ、
羽根方向付け止め機構が、前記偏倚部品に動作可能に係合され、前記少なくとも1つの羽根が開放構成に方向付けられる少なくとも1つの方向で、前記ローラの移動を摩擦により制限するように動作可能である、請求項1に記載のシェード。
【請求項3】
前記羽根方向付け止め機構が、それぞれ前記少なくとも1つの羽根の別々の開放構成に対応する複数の係合位置を画定する、請求項2に記載のシェード。
【請求項4】
前記偏倚部品が、前記ローラと前記回転不能シャフトとの間に動作可能に接続されたばねをさらに備え、
前記ローラの第1の方向への回転により、前記ばねによって前記ローラに加えられる偏倚力が増加し、
前記ローラの第2の方向への回転により、前記ばねによって前記ローラに加えられる偏倚力が減少する、請求項1に記載のシェード。
【請求項5】
前記ばねの第1の端部が固定位置で前記回転不能シャフトに動作可能に接続され、前記ばねの第2の端部が前記ローラに接続され、前記第2の端部が前記ローラと共に回転すると、前記ばねが巻き付き、または巻き出されて、前記ばねによって前記ローラに加えられる前記偏倚力を変化させる、請求項4に記載のシェード。
【請求項6】
前記ローラの回転により前記ナットを回転させて、前記ナットを前記回転不能シャフトのねじ切り部に沿って並進させる、請求項4に記載のシェード。
【請求項7】
前記止めが、前記回転不能シャフトの表面から半径方向外側に延びる突出部を備え、前記突出部が、前記ナットが前記走行の終点に到達するときに、前記ナットに配置されるナックルに係合するように構成される、請求項1に記載のシェード。
【請求項8】
前記ナットが前記走行の終点に隣接するときに、前記ローラがさらに回転されて前記シェードを開くことにより、前記ナットを移動させることができ、前記ナックルの中心が前記突出部上を移動して前記ローラを定位置に保持するようにする、請求項7に記載のシェード。
【請求項9】
前記止めが、前記回転不能シャフトに固定されたカラーを備え、前記カラーおよび前記ナットが共に、前記ナットが前記走行の終点に到達したときに係合するように構成された戻り止め構造を有する、請求項1に記載のシェード。
【請求項10】
前記ローラが回転して前記シェードを開くときに、前記戻り止め構造が係合する、請求項9に記載のシェード。
【請求項11】
前記戻り止め構造が、前記ナットに配置されたピンを備え、前記ピンが、前記カラーに配置された溝に係合するように構成される、請求項9に記載のシェード。
【請求項12】
前記戻り止め構造が、前記カラーに配置されたピンを備え、前記ピンが、前記ナットに配置された溝に係合するように構成される、請求項9に記載のシェード。
【請求項13】
前記戻り止め構造が、前記ナットに配置された成形ばねを備え、前記成形ばねが、前記カラーに配置された溝に係合するように構成される、請求項9に記載のシェード。
【請求項14】
前記戻り止め構造が、前記ナットに配置された板ばねを備え、前記板ばねが、前記カラーに配置された溝に係合するように構成される、請求項9に記載のシェード。
【請求項15】
前記戻り止め構造が、前記ナットに配置されたピンを備え、前記ピンが、前記カラーに配置された複数の溝に係合するように構成される、請求項9に記載のシェード。
【請求項16】
前記ナットが前記走行の終点に隣接するときに、前記ローラが伸張方向に回転可能であって前記シェードを開き、かつ前記ナットを移動させて、前記ナットの一部が前記止め上を少なくとも部分的に移動して前記ローラを定位置に保持するようにする、請求項1に記載のシェード。
【請求項17】
前記止めと前記ナットとの間の構造的干渉により、前記ローラを定位置に保持する、請求項16に記載のシェード。
【請求項18】
ヘッドレールと底部レールとをさらに備え、前記シェード材料が、前記ヘッドレールと前記底部レールとに動作可能に接続され、前記ヘッドレールと前記底部レールとの間に伸張する、請求項1に記載のシェード。
【請求項19】
前記走行の終点が、前記ローラからの前記シェード材料の完全伸張にほぼ対応する、請求項1に記載のシェード。
【請求項20】
前記ばねの前記第1の端部が、前記回転不能シャフトに係合するアンカを画定し、
前記ばねの前記第2の端部が、前記ローラに動作可能にキー止めされる、請求項5に記載のシェード。
【請求項21】
前記アンカが、前記ばねの前記第1の端部を受けるためのアーバを含む、請求項20に記載のシェード。
【請求項22】
前記ばねの前記第2の端部がハウジングに係合し、
前記ハウジングが前記ローラに動作可能にキー止めされる、請求項20に記載のシェード。
【請求項23】
前記ばねが、半径方向内端部と半径方向外端部とを有する時計ばねであり、
前記半径方向内端部が、回転安定して前記ローラに動作可能に固定されている、請求項20に記載のシェード。
【請求項24】
前記時計ばねがハウジング内で受けられ、
前記ハウジングが前記半径方向外端部に取り付けられて、前記ローラにキー止めされ、
アーバが、前記時計ばねの開口中心部内で受けられて、前記半径方向内端部に取り付けられ、
前記アーバが、前記シャフトに回転不能に接続される、請求項23に記載のシェード。
【請求項25】
回転可能なローラと、
前記シェード材料を格納および伸張するために前記ローラに接続されたシェード材料と、
前記ローラ内に位置決めされた回転不能シャフトと、
前記回転不能シャフトに取り付けられたナットであって、前記ローラにキー止めされて、前記ローラの回転により前記ナットを前記回転不能シャフトの長さに沿って伸張方向へ、かつ前記伸張方向と反対の格納方向へ並進させるようにするナットとを備え、
前記ナットが前記回転不能シャフトに配置された止めに係合して前記シェード材料のさらなる伸張を制限するとともに、前記ナットが前記回転不能シャフトに配置されたナックルに係合して前記シェード材料の格納を制限するまで、前記ナットが前記伸張方向へ移動し、
前記ナットが前記ナックルに係合することにより、前記ナットを前記格納方向への移動に対抗して保持し、前記ローラが回転して前記シェード材料を格納することにより、前記ナットを前記止めおよび前記ナックルから係合解除する、コードレス格納式シェード。
【請求項26】
前記ナットが前記止めに係合するときに、前記シェード材料が前記ローラからほぼ完全に伸張される、請求項25に記載の格納式シェード。
【請求項27】
回転可能なローラと、
前記シェード材料を格納および伸張するために前記ローラに接続されたシェード材料と、
前記ローラ内に位置決めされた回転不能シャフトと、
前記回転不能シャフトに取り付けられたナットであって、前記ローラにキー止めされて、前記ローラの回転により前記ナットを前記回転不能シャフトの長さに沿って並進させるようにするナットとを備え、
前記回転不能シャフトに配置された止めおよびナックルに前記ナットが係合する、前記ローラからの前記シェード材料の伸張位置に対応する走行の伸張点を前記ナットが有して、前記ナットが前記止めに係合して前記シェード材料のさらなる伸張を制限するとともに、前記ナットが前記ナックルに係合して前記シェード材料の格納を制限し、前記ローラが回転して前記シェード材料を格納することにより、前記ナットを前記止めおよび前記ナックルから係合解除する、コードレス格納式シェード。
【請求項28】
前記ナットが前記止めに係合するときに、前記シェード材料が前記ローラからほぼ完全に伸張される、請求項27に記載の格納式シェード。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-09-25 
出願番号 特願2014-528496(P2014-528496)
審決分類 P 1 652・ 121- YAA (E06B)
P 1 652・ 537- YAA (E06B)
P 1 652・ 536- YAA (E06B)
P 1 652・ 55- YAA (E06B)
P 1 652・ 113- YAA (E06B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 佐々木 崇  
特許庁審判長 井上 博之
特許庁審判官 西田 秀彦
小野 忠悦
登録日 2017-05-19 
登録番号 特許第6145093号(P6145093)
権利者 ハンター・ダグラス・インコーポレーテッド
発明の名称 窓覆い用のコードなし格納式ローラシェード  
代理人 宮前 徹  
代理人 竹内 茂雄  
代理人 小野 新次郎  
代理人 串田 幸一  
代理人 竹内 茂雄  
代理人 串田 幸一  
代理人 田村 義行  
代理人 田村 義行  
代理人 宮前 徹  
代理人 小野 新次郎  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ