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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  G09F
管理番号 1346235
審判番号 無効2017-800009  
総通号数 229 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-01-25 
種別 無効の審決 
審判請求日 2017-01-27 
確定日 2018-11-09 
事件の表示 上記当事者間の特許第6035579号「登記識別情報保護シール」の特許無効審判事件についてされた平成29年 8月21日付け審決に対し、知的財産高等裁判所において審決取消しの判決(平成29年(行ケ)第10180号、平成30年 3月28日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 特許第6035579号の請求項1ないし4に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第6035579号は、特許法第46条の2第1項の規定により、平成27年3月20日に出願された実用新案登録第3198127号(実願2015-1677号)に基づいて、平成28年1月21日に出願され、同年11月11日に設定登録がなされたものである。
そして、本件無効審判請求に係る手続の経緯は、以下のとおりである。
平成29年1月27日 無効審判請求書提出
平成29年2月14日 手続補正書提出(請求人)
平成29年3月8日 上申書提出(請求人)
平成29年4月4日 審判事件答弁書提出
平成29年5月29日 口頭審理陳述要領書提出(被請求人)
平成29年5月31日 口頭審理陳述要領書提出(請求人)
平成29年6月14日 口頭審理
平成29年6月28日 上申書提出(請求人)
平成29年8月21日 請求は成り立たない旨の審決(第1次審決)
平成30年3月28日 審決取消判決言渡
平成30年6月11日 審決の予告
なお、審決の予告に対し、両当事者からは指定した期間内に何らの応答もなかった。

第2 本件特許発明
本件特許の請求項1ないし4に係る発明は、本件特許明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された次のとおりのものである(以下、それぞれ「本件特許発明1」?「本件特許発明4」という。また、これらを総称して「本件特許発明」という。)。
「【請求項1】
登記識別情報通知書の登記識別情報が記載されている部分に貼り付けて登記識別情報を隠蔽・保護するための、一度剥がすと再度貼り直しできない登記識別情報保護シールであって、前記登記識別情報保護シールを構成する粘着剤層の少なくとも前記登記識別情報に接触する部分には前記登記識別情報通知書に粘着しない非粘着領域を有することを特徴とする登記識別情報保護シール。
【請求項2】
前記非粘着領域は、前記登記識別情報が記載されている部分を囲む矩形領域であることを特徴とする請求項1記載の登記識別情報保護シール。
【請求項3】
前記非粘着領域は、前記登記識別情報が記載されている部分を囲む任意の多角形領域であることを特徴とする請求項1記載の登記識別情報保護シール。
【請求項4】
前記非粘着領域は、コーナー部にR面取りなどの面取りがされていることを特徴とする請求項2乃至3いずれか1項記載の登記識別情報保護シール。」


第3 請求人の主張及び証拠方法
請求人は、「特許第6035579号発明の特許請求の範囲の請求項1?4に係る各発明についての特許を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めている。
また、無効理由の概要は以下のとおりであって、本件特許は無効とすべきである旨主張している。
本件特許発明1ないし4は、甲第1号証ないし甲第4号証(必要とあれば甲第5号証ないし甲第8号証)に記載された発明に基づいて、出願前に、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は同法第123条第1項第2号の規定に該当し、無効とすべきものである(以下「無効理由」という。)。

また、上記無効理由を立証するための証拠方法は、以下のとおりである。
(証拠方法)
[書証]
甲第1号証:特開2007-52379号公報
甲第2号証:特開2008-40797号公報
甲第3号証:特開2009-244476号公報
甲第4号証:特開2002-55618号公報
甲第5号証:実願平1-72721号(実開平3-12279号)のマイクロフィルム
甲第6号証:実願昭61-189006号(実開昭63-92774号)のマイクロフィルム
甲第7号証:特開2009-69393号公報
甲第8号証:実願昭57-17613号(実開昭58-120077号)のマイクロフィルム
(以上、無効審判請求書に添付して提出された。)
甲第9号証:登録識別情報保護シールの写真
甲第10号証の1:総合カタログ(価格が平成18年4月17日現在のもの)、法令書式センター、表紙、2頁、6頁、裏表紙
甲第10号証の2:総合カタログ(価格が平成18年7月14日現在のもの)、法令書式センター、表紙
甲第10号証の3:総合カタログ(価格が平成18年10月1日現在のもの)、法令書式センター、表紙
甲第10号証の4:総合カタログ(価格が平成19年2月6日現在のもの)、法令書式センター、表紙
甲第10号証の5:総合カタログ(価格が平成19年5月5日現在のもの)、法令書式センター、表紙
甲第10号証の6:総合カタログ(価格が平成19年9月19日現在のもの)、法令書式センター、表紙
甲第10号証の7:総合カタログ(価格が平成19年12月9日現在のもの)、法令書式センター、表紙
甲第10号証の8:総合カタログ(価格が平成20年3月17日現在のもの)、法令書式センター、表紙
甲第10号証の9:総合カタログ(価格が平成20年8月1日現在のもの)、法令書式センター、表紙
甲第10号証の10:総合カタログ(価格が平成21年1月5日現在のもの)、法令書式センター、表紙
甲第10号証の11:総合カタログ(価格が平成21年7月24日現在のもの)、法令書式センター、表紙
甲第10号証の12:総合カタログ(価格が平成22年2月19日現在のもの)、法令書式センター、表紙
甲第10号証の13:総合カタログ(価格が平成23年2月19日現在のもの)、法令書式センター、表紙、2頁、8頁、裏表紙
甲第11号証の1:法令書式センター通販カタログ、2011年10月、表紙、3頁、12頁、裏表紙
甲第11号証の2:法令書式センター通販カタログ、2012年4月、表紙
甲第11号証の3:法令書式センター通販カタログ、2012年10月、表紙
甲第11号証の4:法令書式センター通販カタログ、2013年1月、表紙
甲第11号証の5:法令書式センター通販カタログ、2013年9月、表紙
甲第11号証の6:法令書式センター通販カタログ、2014年2月、表紙
甲第11号証の7:法令書式センター通販カタログ、2014年11月、表紙、3頁、12頁、裏表紙
甲第12号証:登録識別情報保護シール使用状況を撮影した写真
甲第13号証の1:小松勇太、登録識別情報の使い方の事例、2017年6月26日
甲第13号証の2:福田博、登録識別情報の使い方の事例、2017年6月23日
甲第13号証の3:市毛英明、登録識別情報の使い方の事例、2017年6月23日
甲第14号証:登録識別情報通知、平成24年3月6日、東京法務局杉並出張所登記官河西幸男
甲第15号証:石原正巳、報告書、平成29年6月23日
甲第16号証の1:日本司法書士連合会会長細田長司、法務省民事局通達等の送付について(お知らせ)、平成22年3月24日
甲第16号証の2:法務省民事局民事第二課長、登記識別情報を記載した書面の登記識別情報を記載した部分が見えないようにするシールのはがれ方が不完全であることにより登記識別情報が読み取れない状態になった場合の取扱いについて(通知)、平成22年3月19日
甲第16号証の3:東京法務局民事行政部長、登記識別情報を記載した書面の登記識別情報を記載した部分が見えないようにするシールのはがれ方が不完全であることにより登記識別情報が読み取れない状態になった場合の取扱いについて(照会)、平成21年12月10日
甲第16号証の4:法務省民事局民事第二課長、登記識別情報を記載した書面の登記識別情報を記載した部分が見えないようにするシールのはがれ方が不完全であることにより登記識別情報が読み取れない状態になった場合の取扱いについて(回答)、平成22年3月19日
甲第17号証の1:あすか司法書士事務所 補助者の日記<東京都台東区> 登記識別情報の残ったシールの剥がし方、2013年7月3日掲載、<URL:http://asukanishi.exblog.jp/19166069/>
甲第17号証の2:「日々是好日」日記 うまく剥がれないことが、<URL:http://odagiri-office.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/post-17a6.html>
甲第17号証の3:司法書士 佐藤芳久事務所 26.『登記識別情報について』2009年12月1日(火)晴れ、<URL:http://www.sato-office-machida.jp/article/13585706.html>
甲第17号証の4:司法書士日記“走って遊んで仕事して” 上尾の司法書士矢島亮のつぶやき こういう時間を…、<URL:http://ryoman.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/post-d11b.html>
甲第18号証の1:法務省、登記識別情報通知書の様式の変更等について、平成28年2月2日掲載、2017年6月14日検索、<URL:http://www.moj.go.jp/MINJI/minji105_00206.html>
甲第18号証の2:変更後の証明書用紙(表紙)のデザイン、<URL:http://www.moj.go.jp/content/001131096.pdf>
甲第18号証の3:変更後の記載事項の見本、<URL:http://www.moj.go.jp/content/001131098.pdf>
甲第18号証の4:登記識別情報通知書の様式の変更日一覧 平成28年2月2日現在、<URL:http://www.moj.go.jp/content/001131099.pdf>
(以上、平成29年6月28日付け上申書に添付して提出された。)
なお、被請求人は、甲第1ないし8号証の成立を認めている。


第4 被請求人の主張及び証拠方法
被請求人は、「本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする」との審決を求めている。
また、上記請求人の主張に対し、概略、以下のとおり主張して、本件特許を無効とすべき理由はない旨の主張をしている。
1.無効理由について
甲第1?8号証のいずれにも、本件特許発明1の「前記登記識別情報保護シールを構成する粘着剤層の少なくとも前記登記識別情報に接触する部分には前記登記識別情報通知書に粘着しない非粘着領域を有すること」との発明特定事項は記載されておらず、当業者は容易に想到し得ない。

また、上記無効理由に反論するための証拠方法は、以下のとおりである。
(証拠方法)
[書証]
乙第1号証:特開2010-260184号公報
乙第2号証:登録識別情報保護シールの使用状況を撮影した写真
(以上、審判事件答弁書に添付して提出された。)
乙第3号証:株式会社フジカラーフォトセンター 代表取締役松井哲、報告書
乙第4号証:有限会社静三工業 代表取締役佐々木修、報告書
(以上、平成29年5月29日付け口頭審理陳述要領書に添付して提出された。)
なお、請求人は、乙第1ないし4号証の成立を認めている。


第5 主な各甲号証に記載されている事項
1.甲第1号証
甲第1号証には、以下のとおり開示されている(なお、下線は審決で付した。以下同じ。)。
(1)「【請求項1】
登記識別情報通知書が法務局から下付された際に登記識別情報を秘匿していた目隠しシールを前記登記識別情報通知書から剥がした後に前記登記識別情報を秘匿するための一度剥がすと貼りなおしが出来ない登記識別情報保護シールであって、
前記登記識別情報保護シールを前記登記識別情報通知書に貼付する者が押印及び又は署名をするための第一の領域と、
前記登記識別情報保護シールを前記登記識別情報通知書から剥がす者が押印及び又は署名をするための第二の領域と
を表面に備えることを特徴とする登記識別情報保護シール。」

上記(1)の開示事項を総合すると、甲第1号証には、以下のとおりの発明が示されていると認められる(以下「甲第1号証発明」という。)。
「登記識別情報通知書が法務局から下付された際に登記識別情報を秘匿していた目隠しシールを前記登記識別情報通知書から剥がした後に前記登記識別情報を秘匿するための一度剥がすと貼りなおしが出来ない登記識別情報保護シール。」

2.甲第2号証
甲第2号証には、以下のとおり開示されている。
(1)「【0016】
図2は、本発明の実施例に係る目隠しシール10の構成例を示す断面図である。
図2に示すように、本実施例に係る目隠しシール10は、名称部11等を表面に印刷する表面基材層21と、目隠しシール10を擬似的に接着させる疑似層22と、目隠しシール10を登記識別情報通知40等に接着するための粘着剤層23と、剥離材層24と、目隠しシール10を履歴管理シート30に接着するための粘着剤層25と、剥離材層26と、で構成されている。」
(2)「【0019】
なお、本実施例に係る目隠しシール10は、図3で後述するように、剥離剤層26を剥がして履歴管理シート30の所定の位置(貼着台紙部31の位置)に貼付けて使用される。そして、必要に応じて、剥離剤層24を剥がして目隠しシール10を登記識別情報通知40等に接着する。登記識別情報通知40等に接着された目隠しシール10は、登記識別情報通知40等から剥がそうとすると、疑似層22からはがれるため、再度目隠しシール10を登記識別情報通知40等に貼付けることができなくなる。」

上記(1)、及び(2)の開示事項を総合すると、甲第2号証には、以下のとおりの発明が示されていると認められる。
「目隠しシール10は、名称部11等を表面に印刷する表面基材層21と、目隠しシール10を擬似的に接着させる疑似層22と、目隠しシール10を登記識別情報通知40等に接着するための粘着剤層23と、剥離材層24と、目隠しシール10を履歴管理シート30に接着するための粘着剤層25と、剥離材層26と、で構成されており、
剥離剤層26を剥がして履歴管理シート30の所定の位置(貼着台紙部31の位置)に貼付けて使用され、必要に応じて、剥離剤層24を剥がして目隠しシール10を登記識別情報通知40等に接着し、登記識別情報通知40等に接着された目隠しシール10は、登記識別情報通知40等から剥がそうとすると、疑似層22からはがれるため、再度目隠しシール10を登記識別情報通知40等に貼付けることができなくなる目隠しシール10。」

3.甲第3号証
甲第3号証には、以下のとおり開示されている。
(1)「【請求項1】
脆質層の一側面に支持層を剥離不可能に貼着し、前記脆質層の他側面に粘着剤を介して剥離紙を剥離可能に貼着した封緘シールにおいて、前記剥離紙には、封緘シールの貼り付け時に記録面を読み取り不能に覆い隠し、かつ、封緘シールを剥離したとき脆質層の一部が記録面に付着しないように、前記剥離紙を貫通する切り込みを形成したことを特徴とする封緘シール。」
(2)「【0019】
次に、この封緘シール1の使用方法について説明する。図3における符号12は検体が収納される採血管等の容器で、該容器12には識別情報を付与するラベル13が貼付されている。
【0020】
まず、図4のように封緘シール1の剥離紙4を切り込み11の外側から剥し、支持層2の粘着剤7が塗布されている面を被貼り付け面側にして、封緘シール1を容器12上のラベル13に跨がる状態で貼り付ける。このとき、中央側の剥離紙4は切り込み11により粘着剤7上に残り、ラベル13を覆うことにより、封緘シール1の剥離時に脆質層3に損傷を与えるのを防止できる(図5)。
【0021】
次に、検査機関等で正規の手続きを経てラベル13を読み取る際には、容器12から封緘シール1を剥し取る(図6)。
脆質層3は金属箔や金属蒸着フィルムなどの薄く脆弱なものであるうえに、型抜き部8がワックス層9を介して粘着剤7と接しているから、剥離紙4を剥し取って対象物に貼り付けた状態から剥し取ると、脆質層3は型抜き部8で簡単に欠損し、欠損した脆質層3は支持層2と被貼付面の双方に、元に戻せない状態で付着する(図7、図8)。」

また、甲第3号証の図1及び図7を参照すると、剥離紙を貫通する切り込みは、ラベルの記録面を囲んで矩形領域を形成するように設けられており、その矩形領域のコーナは面取りされている点が示されている。

上記(1)、(2)、図1及び図7の開示事項を総合すると、甲第3号証には、以下のとおりの発明が示されていると認められる(以下「甲第3号証発明」という。)。
「脆質層の一側面に支持層を剥離不可能に貼着し、前記脆質層の他側面に粘着剤を介して剥離紙を剥離可能に貼着した封緘シールにおいて、前記剥離紙には、封緘シールの貼り付け時にラベルの記録面を読み取り不能に覆い隠し、かつ、封緘シールを剥離したとき脆質層の一部がラベルの記録面に付着しないように、前記剥離紙を貫通する切り込みを形成し、
剥離紙を貫通する切り込みは、ラベルの記録面を囲んで矩形領域を形成するように設けられており、その矩形領域のコーナは面取りされており、
封緘シールの剥離紙を切り込みの外側から剥し、支持層の粘着剤が塗布されている面を被貼り付け面側にして、封緘シールを容器上のラベルに跨がる状態で貼り付け、このとき、中央側の剥離紙は切り込みにより粘着剤上に残り、ラベルを覆うことにより、封緘シールの剥離時に脆質層に損傷を与えるのを防止でき、
次に、ラベルを読み取る際には、剥離紙を剥し取って対象物に貼り付けた状態から剥し取ると、欠損した脆質層は支持層と被貼付面の双方に、元に戻せない状態で付着する封緘シール。」

4.甲第4号証
甲第4号証には、以下のとおり開示されている。
(1)「【0009】図1は本発明に係る情報隠蔽ラベルの使用状態を例示した平面図、図2は図1のX-X断面図であり、これらの図に示されるように、隠蔽ラベル10は、被着体20に形成された情報21を隠蔽するようにして接着剤30を介して被着体20に貼り合わされている。
【0010】被着体20の情報21は、数字や文字などであって、被着体20の表面に印刷されるか又はプリンター等で印字されることで形成されている。一方、隠蔽ラベル10は、基材11の内面側に脆質層12を有しており、被着体20の情報21に対応する部分に非接着層13が形成されるとともに、その非接着層13の両側に間隔を置いてミシン目からなる破断線14が平行に形成されている。」
(2)「【0016】隠蔽ラベル10を剥離すると、情報21の部分は非接着層13で保護されているため、正確な情報が判読できる。一方、接着部分では被着体20に脆質層12が部分的に残るので、一度剥離が行われたことが明確に分かる。このため、情報が不正使用されるリスクを著しく軽減することができる。また、脆質層のパターンが「無効」「開封済み」等の表示であれば、利用者は不正使用された可能性のある情報かどうかラベルを剥がす前に判断することができる。」

上記(1)、及び(2)の開示事項を総合すると、甲第4号証には、以下のとおりの発明が示されていると認められる。
「隠蔽ラベルは、被着体に形成された情報を隠蔽するようにして接着剤を介して被着体に貼り合わされており、
被着体の情報は、数字や文字などであり、一方、隠蔽ラベルは、基材の内面側に脆質層を有しており、被着体の情報に対応する部分に非接着層が形成されるとともに、その非接着層の両側に間隔を置いてミシン目からなる破断線が平行に形成され、
隠蔽ラベルを剥離すると、情報の部分は非接着層で保護されているため、正確な情報が判読でき、一方、接着部分では被着体に脆質層が部分的に残るので、一度剥離が行われたことが明確に分かる隠蔽ラベル。」

5.甲第5号証
甲第5号証には、以下のとおり開示されている。
(1)「隠蔽性のある不透明シートと、該不透明シートの裏面に塗布された、非粘着性、被再熱シール性で易剥離性または弱凝集性のコート剤と、該コート剤に塗布又は印刷されたヒートシール性接着剤とを有することを特徴とする秘密保持ラベル。」(第1頁第4?8行)
(2)「また、このヒートシール性接着剤は、ラベル本体の裏面の全面に塗布し、または周縁部のみを熱圧着する方式であってもよいし、グラビア印刷機やフレキソ印刷機等の印刷機を用いて、ラベル本体の周縁部に点状や破線状あるいは連続線状に印刷した、所謂パートコートされた物を熱圧着する方式でもよいが、経済的にはパートコートしたものが最も好ましい。」(第7頁第5?13行)
(3)「不透明コート(審決注:「不透明シート」の誤記と認める。)とコート剤との界面又はコート剤の内部から容易に剥離でき、葉書面から剥がれることは無く、葉書に記載された情報を誤って傷付けることがないものである。また、一旦剥離すると、ヒートシール性接着剤の上に非粘着性で被再熱シール性のコート剤が残っているので、再びラベルを葉書に接合することはできない。」(第11頁第12?19行)

上記(1)?(3)の開示事項を総合すると、甲第5号証には、以下のとおりの発明が示されていると認められる。
「隠蔽性のある不透明シートと、該不透明シートの裏面に塗布された、非粘着性、被再熱シール性で易剥離性または弱凝集性のコート剤と、該コート剤に塗布又は印刷されたヒートシール性接着剤とを有し、
ヒートシール性接着剤は、ラベル本体の裏面の周縁部のみを熱圧着する方式であってもよいし、グラビア印刷機やフレキソ印刷機等の印刷機を用いて、ラベル本体の周縁部に連続線状に印刷した、所謂パートコートされた物を熱圧着する方式でもよいものであり、
不透明シートとコート剤との界面又はコート剤の内部から容易に剥離でき、葉書面から剥がれることは無く、葉書に記載された情報を誤って傷付けることがないものである。また、一旦剥離すると、ヒートシール性接着剤の上に非粘着性で被再熱シール性のコート剤が残っているので、再びラベルを葉書に接合することはできない秘密保持ラベル。」

6.甲第6号証
甲第6号証には、以下のとおり開示されている。
(1)「被着体の情報表示部を視認不能に覆う不透明部を備えたシート体から成り:前記情報表示部の周部に位置して前記シート体に剥離可能な印刷層を形成すると共に、該印刷層上に該シート体を被着体に接着するための感圧性接着剤層を積層して成ることを特徴とする秘密保持シート。」(第1頁第5?11行)
(2)「シート体4を被着体1より剥離すると、第3図C及び第2図に示すように、印刷層7はシート体4に対して剥離可能である一方、感圧性接着剤層8に接着されているから、引き剥がされるシート体4に追従することなく、該印刷層7の少なくとも一部は接着剤層8上に転移する。従って、シート体4を被着体1に再度接着させようとしても、シート体4は前記剥離された印刷層7上には接着せず分離状態にあり、元の状態には復帰しない。」(第6頁第10?19行)

上記(1)、及び(2)の開示事項を総合すると、甲第6号証には、以下のとおりの発明が示されていると認められる。
「被着体の情報表示部を視認不能に覆う不透明部を備えたシート体から成り、前記情報表示部の周部に位置して前記シート体に剥離可能な印刷層を形成すると共に、該印刷層上に該シート体を被着体に接着するための感圧性接着剤層を積層して成り、
シート体を被着体より剥離すると、印刷層はシート体に対して剥離可能である一方、感圧性接着剤層に接着されているから、引き剥がされるシート体に追従することなく、該印刷層の少なくとも一部は接着剤層上に転移して、シート体を被着体に再度接着させようとしても、シート体は前記剥離された印刷層上には接着せず分離状態にあり、元の状態には復帰しない秘密保持シート。」

7.甲第7号証
甲第7号証には、以下のとおり開示されている。
(1)「【請求項1】
シート本体の裏面に粘着剤層を備え、その粘着剤層を介して前記シート本体を隠蔽すべき情報が表示された情報部に貼り付けるようにしたものであって、前記粘着剤層は、前記シート本体の外周縁部に位置する強粘着性部とその強粘着性部に囲まれた領域に形成されて前記強粘着性部よりも粘着性が低い弱粘着性部とからなると共に、前記シート本体には前記弱粘着性部と前記強粘着性部との境界に沿って切断可能部が形成され、その切断可能部を切断することにより前記シート本体のうち前記強粘着性部に対応する領域を前記情報部に粘着させたまま前記弱粘着性部に対応する領域を前記情報部から剥離可能にしたものにおいて、前記切断可能部は、前記強粘着性部と前記弱粘着性部との境界線に対して傾斜しつつ隣接して並ぶ多数のスリット群によって形成されている情報保護シール。」

上記(1)の開示事項を総合すると、甲第7号証には、以下のとおりの発明が示されていると認められる。
「シート本体の裏面に粘着剤層を備え、その粘着剤層を介して前記シート本体を隠蔽すべき情報が表示された情報部に貼り付けるようにしたものであって、前記粘着剤層は、前記シート本体の外周縁部に位置する強粘着性部とその強粘着性部に囲まれた領域に形成されて前記強粘着性部よりも粘着性が低い弱粘着性部とからなると共に、前記シート本体には前記弱粘着性部と前記強粘着性部との境界に沿って切断可能部が形成され、その切断可能部を切断することにより前記シート本体のうち前記強粘着性部に対応する領域を前記情報部に粘着させたまま前記弱粘着性部に対応する領域を前記情報部から剥離可能にしたものにおいて、前記切断可能部は、前記強粘着性部と前記弱粘着性部との境界線に対して傾斜しつつ隣接して並ぶ多数のスリット群によって形成されている情報保護シール。」

8.甲第8号証
甲第8号証には、以下のとおり開示されている。
(1)「脆弱層と接着剤層より構成される脆性シールの該接着剤層上の一部に、接着性のない隠蔽材層を少なくとも設けたことを特徴とする隠蔽シール。」(第1頁第5?7行)
(2)「・・・画像形成体(6)の表面に位置する画像(4)上に脆性シール(2)を構成する接着剤層(2)によって貼着、固定して使用する。」(第3頁第1?3行)
(3)「この隠蔽材層(3)は、下に位置する画像(4)が、いかなる強さの可視光線を隠蔽シール(10)に照射しても見えないように設ける層である。」(第4頁第1?3行)

上記(1)?(3)の開示事項を総合すると、甲第8号証には、以下のとおりの発明が示されていると認められる。
「脆弱層と接着剤層より構成される脆性シールの該接着剤層上の一部に、接着性のない隠蔽材層を少なくとも設けた隠蔽シールであって、
この隠蔽材層(3)の下に画像形成体(6)の表面に位置する画像(4)が位置する隠蔽シール。」


第6 当審の判断
1.本件特許発明1について
(1)対比
本件特許発明1と甲第1号証発明とを対比すると、
後者における「登記識別情報通知書」は、その構造、機能、作用等からみて、前者における「登記識別情報通知書」に相当し、以下同様に、「登記識別情報」は「登記識別情報」に、「『目隠しシール』、及び『登記識別情報保護シール』」は「登記識別情報保護シール」に、それぞれ相当する。
また、後者における登記識別情報保護シールは、登記識別情報通知書から剥がした後に登記識別情報を秘匿するための一度剥がすと貼りなおしが出来ないものであるから、登記識別情報通知書の登記識別情報が記載されている部分に貼り付けて登記識別情報を隠蔽・保護するための、一度剥がすと再度貼り直しできないものであって、粘着剤層を有するものといえる。
したがって、両者は、
「登記識別情報通知書の登記識別情報が記載されている部分に貼り付けて登記識別情報を隠蔽・保護するための、一度剥がすと再度貼り直しできない登記識別情報保護シールであって、前記登記識別情報保護シールを構成する粘着剤層を有する登記識別情報保護シール。」
の点で一致し、以下の点で相違している。
[相違点1]
本件特許発明1は、「粘着剤層の少なくとも登記識別情報に接触する部分には登記識別情報通知書に粘着しない非粘着領域を有する」のに対し、甲第1号証発明は、粘着剤層の形成が、シートの全面についてなのか、その一部なのかが明らかではない点。

(2)判断
上記相違点1について以下検討する。
まず、甲第3号証発明について検討する。
甲第3号証発明は、上記「第5 3.」のとおりであって、甲第3号証発明における「ラベル」は、封緘シールの貼り付け時にラベルの記録面を読み取り不能に覆い隠されるものであるから、甲第3号証発明における「ラベル」と本件特許発明1における「登記識別情報通知書」とは、「(秘密)情報通知書」との概念で共通する。
また、甲第3号証発明における「(ラベルの)記録面」は、封緘シールによって読み取り不能に覆い隠されるものであるから、「(ラベルの)記録面」は、「秘密情報が記載されている」といえる。
また、甲第3号証発明における「封緘シール」は、脆質層の他側面に粘着剤を介して設けられた剥離紙には、封緘シールの貼り付け時にラベルの記録面を読み取り不能に覆い隠し、かつ、封緘シールを剥離したとき脆質層の一部がラベルの記録面に付着しないように、前記剥離紙を貫通する切り込みを形成し、封緘シールの剥離紙を切り込みの外側から剥し、支持層の粘着剤が塗布されている面を被貼り付け面側にして、封緘シールを容器上のラベルに跨がる状態で貼り付け、このとき、中央側の剥離紙は切り込みにより粘着剤上に残り、ラベルを覆うことにより、封緘シールの剥離時に脆質層に損傷を与えるのを防止でき、次に、ラベルを読み取る際には、剥離紙を剥し取って対象物に貼り付けた状態から剥し取ると、欠損した脆質層は支持層と被貼付面の双方に、元に戻せない状態で付着するから、甲第3号証発明における「封緘シール」と本件特許発明1における「登記識別情報保護シール」とは、「秘密情報保護シール」との概念で共通し、また、甲第3号証発明における「封緘シール(秘密情報保護シール)」は、「ラベル((秘密)情報通知書)に貼り付けるために、封緘シールの剥離紙を切り込みの外側の部位を剥して粘着剤を露出させ、ラベルの記録面に記載された秘密情報に対応する中央側の部位には粘着剤上に剥離紙が残されている、すなわち実質的に粘着剤を設けていない」といえる。
してみると、甲第3号証発明には、「(秘密)情報通知書に貼り付けるために外側の部位を剥して粘着剤を露出させ、(秘密)情報通知書の記録面に記載された秘密情報に対応する部分(領域)には、実質的に粘着剤を設けていない秘密情報保護シール」が示されているといえる。
次に、甲第1号証発明に甲第3号証発明を適用する動機付けについて検討すると、判決においては、
「登記識別情報保護シールを登記識別情報通知書に何度も貼り付け,剥離することを繰り返すと,粘着剤層が多数積層して,登記識別情報を読み取りにくくなるという登記識別情報保護シールにおける本件課題は,登記識別情報保護シールを登記識別情報通知書に何度も貼り付け,剥離することを繰り返すと必然的に生じるものであって,登記識別情報保護シールの需要者には当然に認識されていたと考えられる(甲15)。現に,本件原出願日の5年以上前である平成21年9月30日には,登記識別情報保護シールの需要者である司法書士に認識されていたものと認められる(甲26の3)。そして,登記識別情報保護シールの製造・販売業者は,需要者の要求に応じた製品を開発しようとするから,本件課題は,本件原出願日前に,当業者において周知の課題であったといえる。
そうすると,本件課題に直面した登記識別情報保護シールの技術分野における当業者は,粘着剤層の下の文字(登記識別情報)が見えにくくならないようにするために,粘着剤層が登記識別情報の上に付着することがないように工夫するものと認められる。甲3発明は,秘密情報に対応する部分には実質的に粘着剤が設けられていないものであり,甲3発明と甲1発明とは,秘密情報保護シールであるという技術分野が共通し,一度剥がすと再度貼ることはできないようにして,秘密情報の漏洩があったことを感知するという点でも共通する。したがって,甲1発明に甲3発明を適用する動機付けがあるといえる。
甲1発明に甲3発明を適用すると,粘着剤層が登記識別情報の上に付着することがなくなり,本件課題が解決される。したがって,甲1発明において,甲3発明を適用し,相違点に係る構成とすることは,当業者が容易に想到するものと認められる。」(判決書35?36頁「イ 甲1発明に甲3発明を適用する動機付け」)
と判断されている(上記判決中、「甲1発明」及び「甲3発明」は、それぞれ、審決の「甲第1号証発明」及び「甲第3号証発明」を指す。)。
上記判断は、行政事件訴訟法第33条第1項の規定により、当合議体を拘束する。
よって、甲第1号証発明に対して甲第3号証発明を適用することで、上記相違点1に係る本件特許発明1の発明特定事項とすることは当業者が容易に想到し得ることである。

(3)小括
よって、本件特許発明1は、甲第1号証発明、及び甲第3号証発明に基づいて当業者が容易に想到し得るものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件特許発明1についての特許は、無効とするべきものである。

2.本件特許発明2について
(1)対比
本件特許発明2は、本件特許発明1の発明特定事項である「非粘着領域」に「前記登記識別情報が記載されている部分を囲む矩形領域である」との限定を加えたものである。
本件特許発明2と甲第1号証発明とを対比すると、上記「1.(1)」での検討を踏まえるに、両者は上記相違点1に加え、以下の点で相違し、他に相違する点はない。
[相違点2]
本件特許発明2の非粘着領域は、「登記識別情報が記載されている部分を囲む矩形領域である」のに対し、甲第1号証発明は、そのようなものではない点。

(2)判断
上記相違点1については上記「1.(2)」で検討したとおりである。
次に、上記相違点2について検討する。
甲第3号証発明は、上記「第5 3.」のとおりであって、甲第3号証発明における「剥離紙」を貫通する「切り込み」は、ラベルの記録面を囲んで矩形領域を形成するように設けられているから、「(秘密)情報通知書の記録面に記載された秘密情報に対応する実質的に粘着剤を設けていない部分(領域)が、秘密情報が記載されている部分を囲む矩形領域である」といえる。
してみると、甲第3号証発明には「(秘密)情報通知書の記録面に記載された秘密情報に対応する実質的に粘着剤を設けていない部分(領域)が、秘密情報が記載されている部分を囲む矩形領域である」点が示されている。
そして、甲第1号証発明に対して甲第3号証発明を適用することが、当業者にとって容易に想到し得るものであることは、上記「1.(2)」で検討したとおりであるから、甲第1号証発明に対して甲第3号証発明を適用することで、上記相違点2に係る本件特許発明2の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。
そして、本件特許発明2の発明特定事項全体によって奏される効果も、甲第1号証発明、及び甲第3号証発明から当業者が予測し得る範囲内のものである。

(3)小括
よって、本件特許発明2は、甲第1号証発明、及び甲第3号証発明に基づいて当業者が容易に想到し得るものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件特許発明2についての特許は、無効とするべきものである。

3.本件特許発明3について
(1)対比
本件特許発明3は、本件特許発明1の発明特定事項である「非粘着領域」に「前記登記識別情報が記載されている部分を囲む任意の多角形領域である」との限定を加えたものである。
本件特許発明3と甲第1号証発明とを対比すると、上記「1.(1)」での検討を踏まえるに、両者は上記相違点1に加え、以下の点で相違し、他に相違する点はない。
[相違点3]
本件特許発明3の非粘着領域は、「登記識別情報が記載されている部分を囲む任意の多角形領域である」のに対し、甲第1号証発明は、そのようなものではない点。

(2)判断
上記相違点1については上記「1.(2)」で検討したとおりである。
次に、上記相違点3について検討する。
甲第3号証発明は、上記「第5 3.」のとおりであって、甲第3号証発明における「剥離紙」を貫通する「切り込み」は、ラベルの記録面を囲んで矩形領域を形成するように設けられており、矩形領域は多角形領域であるといえるから、「(秘密)情報通知書の記録面に記載された秘密情報に対応する実質的に粘着剤を設けていない部分(領域)が、秘密情報が記載されている部分を囲む多角形領域である」といえる。
してみると、甲第3号証発明には「(秘密)情報通知書の記録面に記載された秘密情報に対応する実質的に粘着剤を設けていない部分(領域)が、秘密情報が記載されている部分を囲む任意の多角形領域である」点が示されている。
そして、甲第1号証発明に対して甲第3号証発明を適用することが、当業者にとって容易に想到し得るものであることは、上記「1.(2)」で検討したとおりであるから、甲第1号証発明に対して甲第3号証発明を適用することで、上記相違点3に係る本件特許発明3の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。
そして、本件特許発明3の発明特定事項全体によって奏される効果も、甲第1号証発明、及び甲第3号証発明から当業者が予測し得る範囲内のものである。

(3)小括
よって、本件特許発明3は、甲第1号証発明、及び甲第3号証発明に基づいて当業者が容易に想到し得るものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件特許発明3についての特許は、無効とするべきものである。

4.本件特許発明4について
(1)対比
本件特許発明4は、本件特許発明2または3の発明特定事項である「非粘着領域」に「コーナー部にR面取りなどの面取りがされている」との限定を加えたものである。
本件特許発明4と甲第1号証発明とを対比すると、上記「1.(1)」、「2.(1)」及び「3.(1)」での検討を踏まえるに、両者は、上記相違点1、及び、上記相違点2または上記相違点3のいずれか、に加え、以下の点で相違し、他に相違する点はない。
[相違点4]
本件特許発明4の非粘着領域は、「コーナー部にR面取りなどの面取りがされている」のに対し、甲第1号証発明は、そのようなものではない点。

(2)判断
上記相違点1?3については、上記「1.(2)」、「2.(2)」及び「3.(2)」で検討したとおりである。
次に、上記相違点4について検討する。
甲第3号証発明は、上記「第5 3.」のとおりであって、甲第3号証発明における「剥離紙」を貫通する「切り込み」は、ラベルの記録面を囲んで矩形領域を形成するように設けられており、その矩形領域のコーナは面取りされているから、「実質的に粘着剤を設けていない部分(領域)のコーナは面取りされている」といえる。
してみると、甲第3号証発明には「実質的に粘着剤を設けていない部分(領域)のコーナは面取りされている」点が示されている。
そして、甲第1号証発明に対して甲第3号証発明を適用することが、当業者にとって容易に想到し得るものであることは、上記「1.(2)」で検討したとおりであるから、甲第1号証発明に対して甲第3号証発明を適用することで、上記相違点4に係る本件特許発明4の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。
そして、本件特許発明4の発明特定事項全体によって奏される効果も、甲第1号証発明、及び甲第3号証発明から当業者が予測し得る範囲内のものである。

(3)小括
よって、本件特許発明4は、甲第1号証発明、及び甲第3号証発明に基づいて当業者が容易に想到し得るものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件特許発明4についての特許は、無効とするべきものである。


第7 むすび
以上のとおりであるから、本件特許発明1ないし4についての特許は、無効とするべきものである。

審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人の負担とする。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2018-09-07 
結審通知日 2018-09-11 
審決日 2018-09-25 
出願番号 特願2016-21270(P2016-21270)
審決分類 P 1 113・ 121- Z (G09F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 吉田 英一  
特許庁審判長 森次 顕
特許庁審判官 荒井 隆一
畑井 順一
登録日 2016-11-11 
登録番号 特許第6035579号(P6035579)
発明の名称 登記識別情報保護シール  
代理人 特許業務法人 日峯国際特許事務所  
代理人 秋山 敦  
代理人 井上 真  
代理人 福士 智恵子  
代理人 林 實  
代理人 永島 賢也  
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