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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 F02B
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 F02B
管理番号 1346582
審判番号 不服2017-9065  
総通号数 229 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-01-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-06-21 
確定日 2018-12-25 
事件の表示 特願2015-511506「軸方向軸受装置」拒絶査定不服審判事件〔平成25年11月14日国際公開、WO2013/169505、平成27年6月4日国内公表、特表2015-516054、請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2013年4月29日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2012年5月8日、ドイツ国)を国際出願日とする出願であって、平成26年10月21日付けで国内書面及び翻訳文が提出され、平成28年9月9日付けで拒絶理由が通知され、平成28年12月13日付けで特許請求の範囲を補正する手続補正がされ、平成29年2月15日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、平成29年6月21日に拒絶査定不服審判の請求がされ、その審判の請求と同時に特許請求の範囲を補正する手続補正がされ、その後、当審において平成30年3月20日付けで拒絶理由が通知され、平成30年9月26日付けで明細書及び特許請求の範囲を補正する手続補正がされたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1?8に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」?「本願発明8」という。)は、平成30年9月26日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1?8に記載された事項により特定される次のとおりの発明である。

1 本願発明1
「【請求項1】
ターボチャージャの軸方向に延びる回転シャフト(10)用の軸方向軸受装置(11)であって、
非回転の軸方向軸受(3)と、
円周方向に沿って分布され、且つ前記軸方向軸受(3)から突出する、又は、前記軸方向軸受(3)内に凹設される、又は、軸方向に前記軸方向軸受(3)と面一である複数のセグメント(25)と、
前記回転シャフト(10)に共同回転して接続されるランオンカラー(12、13)であって、前記軸方向軸受の前記セグメント(25)で支持するための環状荷重支持面(15)を有するランオンカラー(12、13)と、
を有し、
前記セグメント(25)が1つの第1の縁部(36)と1つの第2の縁部(37)とによって境界付けられ、セグメント長さ(35)が前記円周方向の前記2つの縁部(36、37)の間の弧長として画定され、半径(r)が前記回転シャフト(10)の中心点(34)に対して軸方向に直角に画定され、
前記複数のセグメント(25)の各々が、休止面(27)と、前記休止面の前部に位置決めされた流体力学的に作用するくさび面(26)とを備え、
前記セグメント長さ(35)が半径(r)の増大と共により著しく増大し、
セグメント幅(31)が、前記セグメントの外側半径と内側半径との間の間隔として画定され、
前記第1の縁部(36)が前記くさび面を境界付ける縁部であり、
当該縁部は、一つの直線部のものではなく、
少なくとも2つの段部を有するか、又は、
少なくとも1つの直線部分と、少なくとも1つの湾曲部分とを有するか、又は、
異なる勾配を有する少なくとも2つの直線部分を有するか、又は、
アーチ状を有するものである、
軸方向軸受装置(11)。」

2 本願発明2?8
請求項2?8は、請求項1を直接的又は間接的に引用しているから、本願発明2?8は、本願発明1を包含した発明である。

第3 引用文献、引用発明等
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(米国特許出願公開第2010/0129212号明細書)には、図面とともに次の事項が記載されている。仮訳は当審が作成した。
(1)「[0020]Corresponding to FIG. 1 , an only partially shown exhaust-gas turbocharger 1 comprises a central shaft 2 that during operation rotates about an axis of rotation 3 . The shaft 2 bears in a rotationally-fixed manner a turbine wheel, which is not shown here, and/or a compressor wheel 5 . In the shown, preferred example, the exhaust-gas turbocharger 1 has a common shaft 2 for the compressor wheel 5 and for the turbine wheel. In order for the shaft 2 to be able to rotate about its axis of rotation 3 , it is rotatably mounted in a housing 7 of the turbocharger 1 by means of at least one radial bearing 8 . The respective radial bearing 8 can be configured as a hydrodynamic axial plain bearing. Furthermore, the shaft 2 is supported on the housing 7 in an axial direction by means of a central axial bearing 6 . In this manner, axial forces, which during operation act on the turbine wheel and/or on the compressor wheel 5 , can be supported by means of the shaft 2 on the housing 7 . The axial bearing 6 or the axial plain bearing 6 has with regard to the axis of rotation 3 wedge-shaped bearing segments 9 arranged distributed in the circumferential direction. Moreover, the axial bearing 6 has at least one thrust surface 10 , 11 that extends annularly in a plane that is perpendicular to the axis of rotation 3 . In the shown, preferred example, such a thrust surface 10 or 11 is respectively provided on both sides of the wedge-shaped segments 9 or wedge segments 9 . The wedge segments 9 act with the respective thrust surface 10 , 11 to form the hydrodynamic plain bearing and thereby realise a low-friction support of axial forces. In the representations of the thrust elements 18 , 19 in FIGS. 3 and 4 , respectively only the thrust surface 10 , 11 is shown or its covering with the wedge segments 9 .
[0021]FIG. 2 shows a bearing body 12 in an axial view, on which bearing body the wedge segments 9 are configured. In the example, precisely six wedge segments 9 are provided uniformly distributed in the circumferential direction, said wedge segments having on each axial side a ramp-shaped wedge surface 13 and a preferably level support surface 14 . The wedge segments 9 comprise a central through opening 15 that is dimensioned in such a manner that the shaft 2 as well as optionally a component connected thereto in a rotationally fixed manner can be axially inserted into the through opening 15 with radial clearance. The wedge segments 9 extend outward in the radial direction up to a bearing diameter 16 . The wedge segments 9 can exhibit in their respective wedge surface 13 a respective outlet opening 17 for lubricating oil by means of which outlet opening the lubricating oil can reach the region between wedge surface 13 and thrust surface 10 or 11 .
[0022]The respective thrust surface 10 or 11 is respectively configured on a thrust element 18 or 19 . The respective thrust element 18 or 19 has on one of the sides opposite the bearing body 9 the respective thrust surface 10 or 11 and is correspondingly likewise configured as an annular body. Corresponding to FIGS. 3 to 5 , differently sized thrust surfaces 10 , 11 or 10´, 11´ can be used in the realisation of different exhaust-gas turbocharger types that, as largely structurally similar, are intended to be used or are used in different internal combustion engines such as, for example, the Otto engine and the diesel engine. This is achieved in that the respective thrust element 18 , 19 has diameters of different sizes at least in the region of the respective thrust surface 10 , 11 . In the example of FIGS. 3 to 5 , the thrust elements 18 , 19 have in the region of the respective thrust surface 10 , 11 external diameters 20 or 20´ of different sizes. Differently-sized coverings of the wedge segments 9 also result from the thrust surfaces 10 , 11 having different sizes. In the variant shown in FIG. 3 , a maximal or complete coverage of the wedge segment 9 results. In this instance, the external diameter 20 of the thrust surface 10 , 11 or of the thrust element 18 , 19 in the region of the thrust surface 10 , 11 corresponds substantially to the diameter 16 that the wedge segments 9 exhibit radially on the outside. In contrast thereto, in the embodiment shown in FIG. 4 , the outer diameter 20´ of the thrust surface 10´, 11´ or of the thrust element 18´, 19 ´ is significantly smaller in the region of the respective thrust surface 10´, 11´ than the diameter 16 of the external circuit of the wedge segments 9 . Accordingly, the respective smaller thrust surface 10´, 11´ in FIG. 4 only partially overlaps or covers the wedge segments 9 . In the example, the axial bearing 6 is thus configured as an axial bearing that is axially operative on both sides in such a manner that it can support both compressive forces of the turbine wheel as well as compressive forces of the compressor wheel 5 on the housing 7 .
[0023]The bearing body 12 is preferably arranged in a rotationally-fixed manner on the housing 7, while the thrust elements 18, 19 are arranged on the shaft 2 in a rotationally-fixed manner. Accordingly, the external diameter 20 preferably varies in the thrust surfaces 10, 11, while the interior diameter 20 can substantially remain the same. In so far as the oil supply occurs by means of the through openings 17, which are integrated in the wedge segments 9, these through openings 17 are positioned as far radially inward as possible in such a manner that even with the use of the smallest thrust surface 10, 11, the lubricating oil enters in the gap between the wedge segments 9 and the thrust surface 10, 11.」

(仮訳)
[0020]図1に対応して、部分的にのみ示す排気ガス過給機1は、動作中に回転軸3の周りを回転する中央シャフト2を有する。シャフト2は、ここでは図示しないタービンホイール及び/又はコンプレッサホイール5を回転固定している。図示した好ましい実施例では、排気ガス過給機1のコンプレッサホイール5、タービンホイールのための共通のシャフト2を有している。シャフト2の回転軸3を中心として回転することができるように、少なくとも1つのラジアル軸受8を介して排気ガス過給機1のハウジング7に回転可能に取り付けられている。各ラジアル軸受8は、流体力学式のアキシャル平面ベアリングとして構成することができる。さらに、シャフト2は、中心軸軸受6を介してハウジング7に軸方向に支持されている。このようにして、作動中のタービンホイール及び/又はコンプレッサホイール5に作用する軸方向力は、ハウジング7にシャフト2を介して支持される。軸方向軸受6またはアキシャル平面ベアリング6が回転軸3の周方向に分散配置されたくさび形軸受セグメント9を有している。さらに、軸方向軸受6は、回転軸3に垂直な平面内で環状に延在する少なくとも1つのスラスト面10、11を有する。図示した好ましい実施例では、このようなスラスト面10又は11は、それぞれくさび形セグメント9、くさびセグメント9の両側に設けられる。くさびセグメント9が各スラスト面10、11に流体力学的な平面軸受を形成するように作用し、それにより、軸方向力の低摩擦の支持を実現する。図3及び図4のスラスト要素18、19の表示では、それぞれ1つのスラスト面10、11が示され、またはそれがくさびセグメント9で被覆されることが示されている。
[0021] 図2は、軸方向視において、軸受本体12上にくさびセグメント9が構成されることを示している。例えば、6個のくさびセグメント9が正確に周方向に均等に分散して配置され、前記くさびセグメントは、傾斜くさび面13および好ましい支持面14が設けられている。くさびセグメント9は、開口部15を通る中央を持ち、中央開口部15は、シャフト2並びに、場合によっては回動不能に結合された構成部材が半径方向の隙間をもって開口部15内に挿入することができるように寸法決めされる。くさびセグメント9は、ベアリング径16まで半径方向外方に延びている。くさびセグメント9は、傾斜くさび13内に潤滑油用の各出口開口部17を備え、それによって、潤滑油がスラスト面10または11との間の領域に到達することができる。
[0022] 各スラスト面10または11は、それぞれ、スラスト要素18または19上に構成されている。各スラスト要素18または19は、それぞれスラスト面10または11をくさびセグメント9の一方側に有し、それに対応して同様に環状体として構成されている。図3?図5に対応して、異なるサイズのスラスト面10、11または10´,11´は、異なる排気ガス過給機タイプの実現に使用することができ、ほとんど構造的に類似するように、例えばオットーエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関で使用される、或いは使用することを意図するものである。これは、それぞれのスラスト要素18、19は、スラスト面10、11の領域内で異なる大きさの直径を有していることによって達成される。図3?図5の例では、スラスト要素18、19は、異なる大きさの外部直径20又は20´のスラスト面10、11の領域を有している。くさびセグメント9の異なる寸法の被覆はまた、大きさの異なるスラスト面10、11から生じる。図3に示す変形例では、くさびセグメント9の最大または完全な被覆が生じる。この場合には、スラスト面10、11、或いは、スラスト面10、11の領域のスラスト要素18、19の外径20は、このくさびセグメント9が半径方向外側で示す径16に実質的に対応する。これとは対照的に、図4に示す実施形態では、スラスト面10´、11´のスラスト要素18´、19´の外径20´が、一対のくさびセグメント9の直径16よりもそれぞれのスラスト面10´、11´の領域でかなり小さくなる。したがって、図4に示すように、より小さい各スラスト面10´、11´は部分的にのみくさびセグメント9を覆う。実施例では、軸方向軸受6は、従って、コンプレッサーホイール5の圧縮力及びタービンホイールの圧縮力の双方をハウジング7にサポートすることができるように、軸方向両側に作用する軸方向軸受として構成されている。
[0023]軸受本体12はハウジング7に相対回動不能に配置されている、他方、スラスト要素18、19に相対回動不能にシャフト2に配置されている。従って、外径20は、好ましくは、スラスト表面10、11内で変化し、他方、内径20は、同一のままである。くさびセグメント9に設けられた貫通開口部17を介して潤滑油の供給が行われる限りは、これらの貫通開口部17はできるだけ径方向内側に配置され、最小のスラスト面10、11を使用しても、潤滑油がくさびセグメント9とスラスト面10、11との間のギャップに進入する。

(2)Fig.2及びFig.4からみて、くさびセグメント9が円周方向両側に1つの第1の縁部と1つの第2の縁部とによって境界付けられ、前記第1の縁部が傾斜くさび面13を境界付ける縁部であり、当該縁部は一つの直線部のものであることが理解できる。

(3)Fig.2及びFig.4からみて、くさびセグメント9の各々が、支持面14と、前記支持面14に隣接して位置決めされた傾斜くさび面13とを有することが理解できる。

(4)(1)?(3)を総合し、本願発明1の記載ぶりに則って整理すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

「排気ガス過給機1の軸方向に延びるシャフト2用の軸方向軸受6であって、
非回転の軸受本体12と、
円周方向に沿って分布され、且つ前記軸受本体12内に凹設される複数のくさびセグメント9と、
前記シャフト2に回転固定して接続されるスラスト要素18、19であって、前記軸受本体12の前記くさびセグメント9で支持するためのスラスト面10、11を有するスラスト要素18、19と、
を有し、
前記くさびセグメント9が1つの第1の縁部と1つの第2の縁部とによって境界付けられ、
前記くさびセグメント9の各々が、支持面14と、前記支持面14に隣接して位置決めされた流体力学的に作用する傾斜くさび面13とを備え、
前記第1の縁部が前記傾斜くさび面13を境界付ける縁部であり、
当該縁部は、一つの直線部のものである、
軸方向軸受6。」

第4 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
引用発明における「排気ガス過給機1」は本願発明1における「ターボチャージャー」に相当し、以下同様に、「シャフト2」は「回転シャフト(10)」に、「軸方向軸受6」は「軸方向軸受装置(11)」に、「軸受本体12」は「軸方向軸受(3)」に、「円周方向に沿って分布され、且つ前記軸受本体12内に凹設される複数のくさびセグメント9」は「円周方向に沿って分布され、且つ前記軸方向軸受から突出する、又は、前記軸方向軸受内に凹設される、又は、軸方向に前記軸方向軸受と面一である複数のセグメント(25)」に、「前記シャフト2に回転固定して接続されるスラスト要素18、19」は「前記回転シャフト(10)に共同回転して接続されるランオンカラー(12、13)」に、「スラスト面10、11」は「環状荷重支持面(15)」に、「支持面14」は「休止面(27)」に、「傾斜くさび面13」は「くさび面(26)」に、「第1の縁部」は「第1の縁部(36)」に、「第2の縁部」は「第2の縁部(37)」にそれぞれ相当する。

そうすると、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)
「ターボチャージャの軸方向に延びる回転シャフト(10)用の軸方向軸受装置(11)であって、
非回転の軸方向軸受(3)と、
円周方向に沿って分布され、且つ前記軸方向軸受(3)から突出する、又は、前記軸方向軸受(3)内に凹設される、又は、軸方向に前記軸方向軸受(3)と面一である複数のセグメント(25)と、
前記回転シャフト(10)に共同回転して接続されるランオンカラー(12、13)であって、前記軸方向軸受の前記セグメント(25)で支持するための環状荷重支持面(15)を有するランオンカラー(12、13)と、
を有し、
前記セグメント(25)が1つの第1の縁部(36)と1つの第2の縁部(37)とによって境界付けられ、
前記複数のセグメント(25)の各々が、休止面(27)と、前記休止面に位置決めされた流体力学的に作用するくさび面(26)とを備え、
前記第1の縁部(36)が前記くさび面を境界付ける縁部である、
軸方向軸受装置(11)。」

(相違点1)
本願発明1は、「セグメント長さ(35)が前記円周方向の前記2つの縁部(36、37)の間の弧長として画定され、半径(r)が前記回転シャフト(10)の中心点(34)に対して軸方向に直角に画定され」、「セグメント幅(31)が、前記セグメントの外側半径と内側半径との間の間隔として画定され」、「前記セグメント長さ(35)が半径(r)の増大と共により著しく増大し」、第1の縁部(36)がくさび面を境界付ける縁部であり、「当該縁部は、一つの直線部のものではなく、少なくとも2つの段部を有するか、又は、少なくとも1つの直線部分と、少なくとも1つの湾曲部分とを有するか、又は、異なる勾配を有する少なくとも2つの直線部分を有するか、又は、アーチ状を有するものである」のに対し、
引用発明は、第1の縁部は、「当該縁部は、一つの直線部のものである」点。

(相違点2)
本願発明1は、セグメント(25)のくさび面(26)が休止面(27)「の前部に」位置決めされるのに対し、
引用発明は、くさびセグメント9の傾斜くさび面13が支持面14「に隣接して」位置決めされる点。

(2)相違点についての判断
相違点1を検討する。
引用文献1には、本願発明1の上記相違点1に係る事項についての記載及び示唆は何もない。
そして、引用発明は、本願明細書の【0039】に記載されているとおり、従来のものと同様に、傾斜くさび面13を境界付ける縁部である第1の縁部が一つの直線部のものであるので、直径が増大すると、セグメント幅とセグメント長さの比率(セグメント幅/セグメント長さ)の増大がもたらされるのに対し、本願発明1は、上記相違点1に係る事項を備えることにより、「セグメント長さに対するセグメント幅の比率が半径の増大と共に一定に留まるために、セグメント長さが半径の増大と共により著しく増大する場合に荷重支持能力及び摩擦損失を改善できる」という効果を奏し得る。
したがって、本願発明1は、相違点2を検討するまでもなく、引用発明であるとはいえず、又は引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2 本願発明2?8について
本願発明2?8は、本願発明1の上記相違点1及び2に係る事項と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用発明であるとはいえず、又は引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

第5 原査定の概要及び原査定についての判断
原査定は、平成28年12月13日付けの手続補正により補正された請求項1?14に係る発明について、引用文献1に記載された発明であるから特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない、又は引用文献1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。
しかしながら、本願発明1?8は、本願発明1の上記相違点1及び2に係る事項を備えるものとなっており、上記のとおり、本願発明1?8は、引用発明であるとはいえず、又は引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
したがって、原査定を維持することはできない。

第6 当審拒絶理由について
1 特許法第36条第4項第1号について
本願は、発明の詳細な説明の段落【0008】の記載が不備のため、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていないとの拒絶の理由を通知しているが、平成30年9月26日付けの手続補正により補正された結果、この拒絶の理由は解消した。

2 特許法第36条第6項第1号について
本願は、特許請求の範囲の請求項1の記載が不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないとの拒絶の理由を通知しているが、平成30年9月26日付けの手続補正により補正された結果、この拒絶の理由は解消した。

3 特許法第36条第6項第2号について
本願は、特許請求の範囲の請求項1及び9が不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないとの拒絶の理由を通知しているが、平成30年9月26日付けの手続補正により補正された結果、この拒絶の理由は解消した。

第7 むすび
以上のとおり、本願発明1?8は、引用発明であるとはいえず、又は引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-12-10 
出願番号 特願2015-511506(P2015-511506)
審決分類 P 1 8・ 113- WY (F02B)
P 1 8・ 121- WY (F02B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 齊藤 彬稲葉 大紀  
特許庁審判長 佐々木 芳枝
特許庁審判官 冨岡 和人
金澤 俊郎
発明の名称 軸方向軸受装置  
代理人 大賀 眞司  
代理人 百本 宏之  
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