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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  C08F
審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載  C08F
審判 一部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C08F
管理番号 1346745
異議申立番号 異議2017-700993  
総通号数 229 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-01-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-10-17 
確定日 2018-10-12 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6115100号発明「光硬化性組成物」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6115100号の明細書、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?9〕について訂正することを認める。 特許第6115100号の請求項1、3?5に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6115100号(以下、「本件特許」という。)に係る出願は、平成24年11月23日に特許出願され、平成29年3月31日に特許権の設定登録(請求項の数9)がされ、同年4月19日に特許掲載公報が発行された。
その後、平成29年10月17日に、特許異議申立人岡林茂(以下、「申立人」という。)により、請求項1、3?5に係る本件特許について、甲第1?3号証を証拠方法として、特許法第29条第1項第3号、同法同条第2項及び同法第36条第6項第2号に基づく取消理由を主張する特許異議の申立てがされ、平成29年12月15日付けで取消理由が通知され、平成30年2月19日に意見書及び訂正請求書の提出があった。そして、申立人に対する平成30年3月28日付けの訂正請求があった旨の通知(特許法第120条の5第5項)に対しては、申立人からの応答はなかった。
平成30年6月22日付けで取消理由(決定の予告)が通知され、同年8月27日に特許権者より意見書及び訂正請求書の提出があった。
なお、平成30年2月19日に提出された訂正請求書による訂正請求は、特許法第120条の5第7項の規定より、取り下げられたものとみなす。

第2 訂正の適否についての判断
1.請求の趣旨
平成30年8月27日に特許権者が行った訂正請求(以下、「本件訂正請求」という。)は、「特許第6115100号の明細書、特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲の通り、訂正後の請求項1?9について訂正することを求める」ことを請求の趣旨とするものである。

2.訂正の内容
本件訂正請求による訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである。なお、訂正箇所を分かりやすく対比するために、当審において下線を付与した。

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に
「成分(C)
2以上の(メタ)アクリロキシ基を有するイソシアヌル酸誘導体」と記載されているのを、
「成分(C)
2以上の(メタ)アクリロキシ基を有するイソシアヌル酸誘導体モノマー」に訂正する。

(結果として、請求項1を直接的あるいは間接的に引用する請求項2?9も訂正することになる。)

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に
「成分(D)
3以上の(メタ)アクリロキシ基を有するカプロラクトンオリゴマー誘導体」と記載されているのを、
「成分(D)
3以上の(メタ)アクリロキシ基を有するカプロラクトンオリゴマー誘導体(但し、イソシアヌル酸誘導体を除く)」に訂正する。

(結果として、請求項1を直接的あるいは間接的に引用する請求項2?9も訂正することになる。)

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項4に
「更に、成分(B)
成分(B):ウレタンアクリレートオリゴマーおよびポリエステルアクリレートオリゴマーのいずれか
を含有する」と記載されているのを、
「更に、成分(B)
成分(B):ウレタンアクリレートオリゴマー(但し、カプロラクトンオリゴマー誘導体及びイソシアヌル酸誘導体を除く)およびポリエステルアクリレートオリゴマー(但し、カプロラクトンオリゴマー誘導体、イソシアヌル酸誘導体及びウレタンアクリレートオリゴマーを除く)のいずれか
を含有する」に訂正する。

(結果として、請求項4を直接的あるいは間接的に引用する請求項5?9も訂正することになる。)

(4)訂正事項4
発明の詳細な説明の【0007】に記載された、
「成分(C)
2以上の(メタ)アクリロキシ基を有するイソシアヌル酸誘導体」を、
「成分(C)
2以上の(メタ)アクリロキシ基を有するイソシアヌル酸誘導体モノマー」に訂正する。

(5)訂正事項5
発明の詳細な説明の【0007】に記載された、
「成分(D)
3以上の(メタ)アクリロキシ基を有するカプロラクトンオリゴマー誘導体」を、
「成分(D)
3以上の(メタ)アクリロキシ基を有するカプロラクトンオリゴマー誘導体(但し、イソシアヌル酸誘導体を除く)」に訂正する。

(6)訂正事項6
発明の詳細な説明の【0013】に記載された、
「<成分A>
成分(A)は多官能アクリレート系モノマーであり、・・・。多官能アクリレート系モノマーの具体例としては、ビスフェノールF-EO変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA-EO変性ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。」を、
「<成分A>
成分(A)は多官能アクリレート系モノマーであり、・・・。多官能アクリレート系モノマーの具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。」に訂正する。

(7)一群の請求項について
本件訂正前の請求項2?9は、訂正請求の対象である請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する関係にあるから、訂正前の請求項1?9は特許法第120条の5第4項に規定される一群の請求項である。そして、本件訂正請求は、一群の請求項〔1-9〕に対して請求されたものである。また、明細書に係る訂正は、一群の請求項〔1-9〕について請求されたものである。

3.訂正の目的の適否、新規事項の有無、一群の請求項及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否

(1)訂正事項1、2による訂正について
訂正前の請求項1には、「以下の成分(A)、(C)、(D)及び(E):・・・を含有する光硬化性組成物。」と記載されており、訂正前の請求項1に係る発明は、成分(A)、(C)、(D)及び(E)の全ての成分を含む組成物の発明と特定される一方、請求項1には、「成分(C)」は「2以上の(メタ)アクリロキシ基を有するイソシアヌル酸誘導体」、「成分(D)」は「3以上の(メタ)アクリロキシ基を有するカプロラクトンオリゴマー誘導体」と特定され、一方、成分(C)と成分(D)は、概念上重複する化合物を包含し得るものとして特定されている点で技術的に整合しておらず、訂正前の請求項1には不明瞭な記載があった。
訂正事項1及び2による訂正は、成分(D)から、成分(C)を除き、成分(C)及び成分(D)には、概念上重複する化合物が含まれないことを明らかにすることで、当該不明瞭な記載を明瞭とするためのものであるから、これらの訂正事項による訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、成分(C)については、本件特許の願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。)の【0017】に説明されていたが、ここで例示される化合物は、一般的に当業者に「モノマー」と認識されるもののみであるし、成分(D)については、本件特許明細書の【0019】に説明されているが、イソシアヌル酸誘導体に相当する化合物は記載されていない。
そうすると、訂正事項1、2による訂正は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(訂正後の請求項1を直接的あるいは間接的に引用する請求項2?9についての訂正も同様である。)

(2)訂正事項3による訂正について
訂正前の請求項4は、請求項1等に特定される、「(A)、(C)、(D)及び(E):・・・を含有する光硬化性組成物」が、「更に、成分(B)」として、「ウレタンアクリレートオリゴマーおよびポリエステルアクリレートオリゴマーのいずれか」を含有することを特定するものであるが、これらのオリゴマーと、成分(D)の「3以上の(メタ)アクリロキシ基を有するカプロラクトンオリゴマー誘導体」及び成分(C)の「2以上の(メタ)アクリロキシ基を有するイソシアヌル酸誘導体」とは、概念上重複する化合物を包含し得るものである点で、訂正前の請求項4の記載は不明瞭であったし、また、成分(B)と成分(D)は、その定義上同じ化合物を包含し得る点で、技術的に明確に区別することができないものであった。
さらに、訂正前の請求項4には、「ウレタンアクリレートオリゴマーおよびポリエステルアクリレートオリゴマーのいずれか」と記載されており、両者は、別の化合物として特定される一方、「ウレタンアクリレートオリゴマー」と「ポリエステルアクリレートオリゴマー」自体は、概念上重複する化合物を包含し得るものであり、この点でも訂正前の請求項4には不明瞭な記載があった。

訂正事項3による訂正は、成分(B)が概念上、成分(D)、成分(C)と重複する化合物を含んでいないこと、及び、「ポリエステルアクリレートオリゴマー」には、「ウレタンアクリレートオリゴマー」は含まれないことを明らかにして、上記の不明瞭な記載を明瞭とすることを目的とするものであるから、訂正事項3による訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、成分(B)については、本件特許明細書の【0015】に説明されているが、ここには、成分(B)が、成分(D)や成分(C)に相当する化合物は記載されていない。
そうすると、訂正事項4による訂正は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(訂正後の請求項4を直接的あるいは間接的に引用する請求項5?9についての訂正も同様である。)

(3)訂正事項4、5による訂正について
訂正事項4は、上記訂正事項1による訂正に伴い、特許請求の範囲(請求項1)と明細書の記載との整合を図るための補正であるし、訂正事項5は、上記訂正事項2による訂正に伴い、特許請求の範囲(請求項1)と明細書の記載との整合を図るための補正である。そして、上記(1)において、訂正事項1、2による訂正について説示したと同様の理由によって、訂正事項4、5による訂正は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(4)訂正事項6による訂正について
特許請求の範囲の請求項1の成分(A)の「多官能アクリレート系モノマー」に関し、明細書の【0013】には、成分(A)が、「分子内に2以上・・・の(メタ)アクリレート残基を有する重合性化合物」であると記載され、また、同段落には、一般的に、当業者が「多官能アクリレート系モノマー」ではなく、「光重合性オリゴマー」と認識している化合物が例示されており(「光重合性オリゴマー」については、必要なら、特許権者が平成30年2月19日に意見書に添付して提出した乙第1号証(加藤清視著「紫外線硬化システム」、株式会社総合技術センター発行、平成元年2月28日、平成2年7月31日第二刷の151?152頁)参照。)、訂正前の特許請求の範囲(請求項1)の記載と明細書の記載には不整合があった。
訂正事項6は、一般的には「多官能アクリレート系モノマー」にはあたらないと当業者が認識している化合物を例示から削除することで、当該不整合を是正し、特許請求の範囲(請求項1)の記載と明細書の記載を整合させるための訂正であるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項6による訂正は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(なお、特許異議の申立てがされていない請求項2、6?9を実質的に訂正することになる訂正事項1?3に関し、訂正事項1?3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号又は第2号に掲げる事項を目的とする訂正ではないから、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。)

(5)小括
したがって、上記訂正請求による訂正事項1?6は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号又は第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1-9〕について訂正を認める。


第3 本件発明
前記第2で述べたとおり、本件訂正は認められるので、本件特許の請求項1?9に係る発明は、本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1?9に記載された事項により特定されるとおりのものである。(以下、請求項番号に対応して、それぞれ「本件発明1」等という。)

「【請求項1】
以下の成分(A)、(C)、(D)及び(E):
成分(A)(但し、以下の成分(C)及び(D)を除く)
多官能アクリレート系モノマー;
成分(C)
2以上の(メタ)アクリロキシ基を有するイソシアヌル酸誘導体モノマー;
成分(D)
3以上の(メタ)アクリロキシ基を有するカプロラクトンオリゴマー誘導体(但し、イソシアヌル酸誘導体を除く); 及び
成分(E)
光重合開始剤
を含有する光硬化性組成物。
【請求項2】
環状オレフィン系樹脂からなる基材フィルムと、その少なくとも片面に形成された保護コート層とからなる保護コート層付フィルムの当該保護コート層を形成するための保護コート層形成用組成物である請求項1記載の光硬化性組成物。
【請求項3】
成分(A)の含有量が5?40質量%であり、成分(C)の含有量が5?40質量%であり、成分(D)の含有量が10?80質量%であり、成分(E)の含有量が1?10質量%である請求項1又は2記載の光硬化性組成物。
【請求項4】
更に、成分(B)
成分(B):ウレタンアクリレートオリゴマー(但し、カプロラクトンオリゴマー誘導体及びイソシアヌル酸誘導体を除く)およびポリエステルアクリレートオリゴマー(但し、カプロラクトンオリゴマー誘導体、イソシアヌル酸誘導体及びウレタンアクリレートオリゴマーを除く)のいずれか
を含有する請求項1?3のいずれかに記載の光硬化性組成物。
【請求項5】
成分(B)の含有量が10?30質量%であり、成分(A)と成分(B)との合計含有量が40質量%以下である請求項4記載の光硬化性組成物。
【請求項6】
環状オレフィン系樹脂からなる基材フィルムと、その少なくとも片面に形成された保護コート層とからなる保護コート層付フィルムであって、該保護コート層が、請求項1?5のいずれかに記載の光硬化性組成物の光硬化物層である保護コート層付フィルム。
【請求項7】
基材フィルムの厚さが、25?200μmであり、保護コート層の厚さが0.5?8μmである請求項6記載の保護コート層付フィルム。
【請求項8】
請求項6又は7記載の保護コート層付フィルムの少なくとも片面に透明電極が形成されているタッチパネル用保護コート層付フィルム。
【請求項9】
画像表示素子と少なくとも請求項8のタッチパネル用保護コート層付フィルムとが積層された画像表示・入力装置。」


第4 特許異議の申立て及び取消理由通知(決定の予告)の概要
1.特許異議申立書に記載した特許異議の申立ての理由
本件訂正前の請求項1、3?5に係る発明に対して、申立人が申立てていた特許異議の申立ての理由は、概略、本件特許の請求項1、3?5に係る発明についての特許は、以下の(1)?(3)のとおりの取消理由により、取り消されるべきものであるというものであって、申立人は、特許異議申立書(以下、単に「申立書」という。)に添付して、証拠方法として下記(4)の甲第1号証?甲第3号証を提出した。

(1)取消理由1(新規性)
訂正前の請求項1、3?5に係る発明は、本件特許の出願前日本国内において頒布された下記の刊行物(甲第1号証)に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないから、それらの発明に係る特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。

(2)取消理由2(進歩性)
訂正前の請求項1、3?5に係る発明は、本件特許の出願前日本国内において頒布された下記の刊行物(甲第1号証)に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、それらの発明に係る特許は同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。

(3)取消理由3(明確性)
本件特許は、以下の(i)?(iv)の点で、特許請求の範囲(請求項1、3?5)の記載に不備があるために、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、同法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。

(i)成分(C)と(D)は、その定義上同じ化合物を包含し得る点で、技術的に明確に区別することができない。(請求項1、3?5に係る発明に対し)
(ii)成分(A)と(B)は、その定義上同じ化合物を包含し得る点で、技術的に明確に区別することができない。(請求項4?5に係る発明に対し)
(iii)成分(B)と(D)は、その定義上同じ化合物を包含し得る点で、技術的に明確に区別することができない。(請求項4?5に係る発明に対し)
(iv)成分(B)として記載される「ウレタンアクリレートオリゴマー」と「ポリエステルアクリレートオリゴマー」は、その定義上同じ化合物を包含し得る点で、技術的に明確に区別することができない。(請求項4?5に係る発明に対し)

(4)証拠方法
甲第1号証:特開2010-59229号公報
甲第2号証:特開2011-173982号公報
甲第3号証:巴工業(株)製品情報、化成品関連[平成29年10月5日検索]、インターネット
<http://www.tomo-e.co.jp/j/product/chem/index.html>
その2:同号証の「有機系原材料」の「紫外線硬化樹脂」のリンク先の資料
<http://www.tomo-e.co.jp/j/product/chem/sartomer.html>
その3:同号証その2の「ウレタンアクリレートオリゴマー」のリンク先の資料
<http://www.tomo-e.co.jp/j/product/chem_pdf/sartomer/5_urethane.pdf>

「甲第1号証」?「甲第3号証」はいずれも、申立人の提示した証拠方法である。甲第2号証及び甲第3号証は、取消理由3に関連して申立人により提示された。以下、「甲第1号証」?「甲第3号証」を、それぞれ、「甲1」?「甲3」という。

2.合議体が取消理由通知書(決定の予告)に記載した取消理由
合議体が平成30年6月22日付けで通知した取消理由(決定の予告)は、次のとおりである(上記1.の(3)取消理由3(明確性)の(iii)及び(iv)と同旨。)。

本件特許は、特許請求の範囲(請求項1、3?5)の記載に不備があるために、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、同法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。
(なお、具体的な不備の内容は、上記1.の(3)の(iii)及び(iv)に記載のとおり。)


第5 当審の判断

以下に述べるように、取消理由通知書(決定の予告)に記載した取消理由、及び、特許異議申立書に記載された特許異議の申立ての理由によっては、本件発明1、3?5に係る発明についての本件特許を取り消すことはできない。

第5-1 取消理由通知書(決定の予告)に記載した取消理由(取消理由3(iii)及び(iv))についての判断


(1) 合議体が、平成30年6月22日付けの取消理由通知書(決定の予告)で通知した取消理由(上記第4の1.の(3)の取消理由3の(iii)及び(iv)に相当する部分)についての指摘は、それぞれ、次のとおりである。
・(iii)
「(3)本件発明4?5について(成分(B)及び(D)の点)
請求項4には、請求項1の「成分(A)、(C)、(D)及び(E):・・・を含有する光硬化性組成物」が、「更に」、「成分(B):ウレタンアクリレートオリゴマーおよびポリエステルアクリレートオリゴマーのいずれかを含有する」ことが記載されるところ、請求項1によれば、成分(D)は、「3以上の(メタ)アクリロキシ基を有するカプロラクトンオリゴマー誘導体」であって、(1)で述べたとおり、(メタ)アクリロキシ基を3以上有していれば、カプロラクトンオリゴマーを原料として誘導される任意の置換基構造の化合物を包含し得る。
そして、本件特許明細書には、成分(D)の具体例として、アルケマ社の商品名「CN929」が記載されている(【0019】及び【0055】の表1中の実施例15等)。ここで、甲2の【0012】には、「複数の(メタ)アクリレート基を有するウレタン樹脂」の「三官能」の例として、「サートマー製CN929」が記載され、これは、甲3によれば「ポリエステル骨格を有する脂肪族三官能ウレタンアクリレート」である「ウレタンアクリレートオリゴマー」である(甲3のその3)ところ、サートマー社が、2011年(平成23年)7月1日付けでアルケマグループの一員となっていることからすると、本件特許明細書に記載された「CN929」と、甲2及び甲3に記載された「CN929」とは同じ商品を意味する蓋然性が高い。
そうすると、成分(D)には、成分(B)の「ウレタンアクリレートオリゴマー」及び「ポリエステルアクリレートオリゴマー」に該当する化合物が含まれることになり、成分(B)と(D)は、その定義上同じ化合物を包含し得る点で、技術的に明確に区別することができない。
よって、本件発明4は、明確ではない。
請求項4を引用する本件発明5についても同様である。 」

・(iv)
「(4)本件発明4?5について(成分(B)同士)
成分(B)として記載される「ウレタンアクリレートオリゴマー」と「ポリエステルアクリレートオリゴマー」はその定義上同じ化合物を包含し得る点で、技術的に明確に区別することができない。
例えば、(3)で述べたとおり、例えば、アルケマ社の商品名「CN929」は、成分(B)の「ウレタンアクリレートオリゴマー」にも、「ポリエステルアクリレートオリゴマー」にも該当する化合物であるし、同様に、甲1の(C)成分とされる「(ポリ)ウレタンアクリレート」は、「ウレタンアクリレートオリゴマー」といえるが、その製造原料のポリオール化合物がポリエステルポリオール等である場合(甲1の【0017】)「ポリエステルアクリレートオリゴマー」であるともいえる。
よって、本件発明4は、明確ではない。
請求項4を引用する本件発明5についても同様である。」

(2) ここで、本件訂正により、上記の取消理由が解消しているかについて検討する。

訂正後の本件発明4は、
「更に、成分(B)
成分(B):ウレタンアクリレートオリゴマー(但し、カプロラクトンオリゴマー誘導体及びイソシアヌル酸誘導体を除く)およびポリエステルアクリレートオリゴマー(但し、カプロラクトンオリゴマー誘導体、イソシアヌル酸誘導体及びウレタンアクリレートオリゴマーを除く)のいずれか
を含有する請求項1?3のいずれかに記載の光硬化性組成物。」
というものであり、請求項1によれば、本件発明4の光硬化性組成物の成分(D)は、「3以上の(メタ)アクリロキシ基を有するカプロラクトンオリゴマー誘導体(但し、イソシアヌル酸誘導体を除く)」というものである。

そして、取消理由の(iii)に関し、訂正後の成分(B)が「ウレタンアクリレートオリゴマー」である場合も、「ポリエステルアクリレートオリゴマー」である場合も、括弧書きで、成分(D)の「カプロラクトンオリゴマー誘導体」が除かれているから、成分(B)は、成分(D)と技術的に明確に区別することができる。
したがって、本件発明4についての取消理由の(iii)には理由がない。

また、取消理由の(iv)に関し、訂正後の成分(B)が「ポリエステルアクリレートオリゴマー」である場合については、括弧書きで「ウレタンアクリレートオリゴマー」が除かれている。
そうすると、成分(B)を構成する「ウレタンアクリレートオリゴマー」と「ポリエステルアクリレートオリゴマー」とは、技術的に明確に区別することができる。
したがって、本件発明4についての取消理由の(iv)にも理由がない。

さらに、本件発明5は、請求項4を引用するものであり、本件発明5についても、請求項4についての訂正により、成分(B)と成分(D)とは技術的に明確に区別することができるものとなっているし、また、成分(B)を構成する「ウレタンアクリレートオリゴマー」と「ポリエステルアクリレートオリゴマー」とは、技術的に明確に区別することができるものとなっている。
よって、本件発明5についての取消理由(iii)及び(iv)にも理由がない。

以上のとおり、本件発明4?5は明確であり、これらの発明に係る特許について、取消理由の(iii)及び(iv)により取り消されるべきであるとすることはできない。


第5-2 取消理由通知(決定の予告)において採用しなかった特許異議申立ての理由について

取消理由通知(決定の予告)において採用しなかった特許異議申立ての理由は、第4の1.に記載した取消理由1(新規性)、2(進歩性)及び3(明確性)の(i)、(ii)である。
以下に検討する。

1.取消理由1(新規性)及び2(進歩性)について

(1)甲1の記載事項及び甲1に記載された発明
本件特許の出願前日本国内において頒布された刊行物である甲1の請求項1には、以下の記載がある。
「テトラヒドロフタル酸残基とトリメチロールプロパン残基と(メタ)アクロイル基を有するポリエステル(メタ)アクリレート(A)10?20質量部、
イソシアヌレート骨格を有する2官能以上の(メタ)アクリレート(B)20?50質量部、
ジイソシアネート化合物(c1)、分子内に2個以上のヒドロキシ基を有するポリオール化合物(c2)、および、分子内に1個以上のヒドロキシ基を有するヒドロキシ(メタ)アクリレート(c3)を反応させて得られる(ポリ)ウレタン(メタ)アクリレート(C)10?30質量部、ならびに、
25℃における粘度が200mPa・s以下である3官能以上の(メタ)アクリレート(D)10?30質量部、[(A)?(D)成分の合計100質量部]
を含んでなる活性エネルギー線硬化性組成物。」

ここで、以下、「テトラヒドロフタル酸残基とトリメチロールプロパン残基と(メタ)アクロイル基を有するポリエステル(メタ)アクリレート(A)」を「成分(1a)」と、
「イソシアヌレート骨格を有する2官能以上の(メタ)アクリレート(B)」を「成分(1b)」と、
「ジイソシアネート化合物(c1)、分子内に2個以上のヒドロキシ基を有するポリオール化合物(c2)、および、分子内に1個以上のヒドロキシ基を有するヒドロキシ(メタ)アクリレート(c3)を反応させて得られる(ポリ)ウレタン(メタ)アクリレート(C)」を「成分(1c)」と、
「25℃における粘度が200mPa・s以下である3官能以上の(メタ)アクリレート(D)」を「成分(1d)」という。

また、甲1の請求項1に係る発明の具体的態様に相当する例の記載として、甲1には、以下の記載がある。

「【0050】
(実施例および比較例)
表1から表3に示す各成分(配合量の数値は質量部基準)からなる活性エネルギー線硬化性組成物をコーティング材として用いて、試験片を作製した。それらの評価結果を各表に示す。
・・・
【0052】
【表2】

・・・
【0054】
表1?3中の化合物の記号は次の通りである。
・「PesA-1」:合成例1で得たポリエステルアクリレート。
・「AIC」:トリス(2-アクロイルオキシエチル)イソシアヌレートとビス(2-アクリロイルオキシエチル)モノヒドロキシエチルイソシアヌレートの混合物(東亞合成社製、商品名アロニックスM-315)。
・「M-325」:1分子当たり1個のカプロラクトンにより変性されたトリスアクリロイルオキシエチルイソシアヌレート(東亜合成社製、商品名アロニックスM-325)。
・「M-327」:1分子当たり3個のカプロラクトンにより変性されたトリスアクリロイルオキシエチルイソシアヌレート(東亜合成社製、商品名アロニックスM-327)。
・「UA-1」:ビス(4-イソシアナトシクロヘキシル)メタン2mol、ノナブチレングリコール1molおよび2-ヒドロキシエチルアクリレート2molから合成したウレタンアクリレート85質量部に対し、2-エチルヘキシルアクリレート15質量部で希釈したもの。
・「UA-2」:ビス(4-イソシアナトシクロヘキシル)メタン2mol、ポリカプロラクトンジオール(重量平均分子量530、ダイセル化学工業社製、商品名プラクセル205)1molおよび2-ヒドロキシエチルアクリレート2molから合成したウレタンアクリレート。
・「UA-3」:ビス(4-イソシアナトシクロヘキシル)メタン2mol、ポリカーボネートジオール(数平均分子量500、クラレ社製、商品名クラレポリオールC590)1molおよび2-ヒドロキシエチルアクリレート2molから合成したウレタンアクリレート。
・「TMPTA」:トリメチロールプロパントリアクリレート(25℃における粘度80mPa・s)。
・「TMP(3PO)TA」:1分子当たり3個のプロピレンオキサイドで変性されたトリメチロールプロパントリアクリレート(25℃における粘度60mPa・s)。
・「TMP(2PO)TA」:1分子あたり2個のプロピレンオキサイドで変性されたトリメチロールプロパントリアクリレート(25℃における粘度78mPa・s)。
・「HALS-1」:光安定剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名チヌビン152)37.3gをn-酢酸ブチル66.4gに完全に溶解させた液へ、2-アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、商品名カレンズAOI)7.00gと、反応触媒としてジブチルチンジラウレート0.0265gとを入れて、30℃で8時間攪拌し合成して得た光安定剤。
・「HALS-2」:ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケートとメチル(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケートの混合物からなる光安定剤(三共化成製、商品名サノールLS-292)。
・「UVA-1」:トリアジン系紫外線吸収剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名チヌビン400)。
・「BNP」:ベンゾフェノン。
・「MPG」:メチルフェニルグリオキシレート。
・「APO」:2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド。
・「L-7001」:シリコン系レベリング剤(東レダウコーニング社製、商品名L-7001)。
・「PGM」:1-メトキシ-2-プロパノール。
・「ECA」:エチルジグリコールアセテート。」

さらに、「PesA-1」の「合成例1」に関し、甲1には、以下の記載がある。
「【0049】
(合成例1:ポリエステル(メタ)アクリレート(PesA-1)の合成)
無水テトラヒドロフタル酸0.5モル、トリメチロールプロパン1モル、アクリル酸2モル、トルエン1000ml、98%硫酸をトルエン以外の全成分100部に対して2.5部、および、フェノチアジンをアクリル酸全量100部に対して0.08部の各成分を混合して、液温約110℃で攪拌しながらエステル化反応させた。その際の反応によって生成する水は、トルエンとの共沸により系外へ流出させた。そして、反応開始から8時間後にほぼ理論値の水が流出したので、反応を止め冷却した。次いで、3質量%のアンモニアと20質量%の硫安を含む水溶液で反応液を洗浄し、トルエン層に0.05gのハイドロキノンを入れ、6mmHgの減圧下、約50℃でトルエンを除去し、(A)成分としてのポリエステルアクリレート(PesA-1)を得た。」

以上の甲1の記載によれば、甲1には、「成分(1a)」?「成分(1d)」を含んでなる活性エネルギー線硬化性組成物に関するものである甲1の請求項1に係る発明の具体的態様に相当する発明として、実施例7に、「成分(1a)」?「成分(1d)」のそれぞれに対応する「成分(1A)」?「成分(1D)」を含む、以下の発明が記載されている。

「成分(1A) PesA-1(以下のPesA-1の合成例で得たポリエステルアクリレート)12質量部、
成分(1B) M-327(1分子当たり3個のカプロラクトンにより変性されたトリスアクリロイルオキシエチルイソシアヌレート)44質量部、
成分(1C) UA-1(ビス(4-イソシアナトシクロヘキシル)メタン2mol、ノナブチレングリコール1molおよび2-ヒドロキシエチルアクリレート2molから合成したウレタンアクリレート85質量部に対し、2-エチルヘキシルアクリレート15質量部で希釈したもの。)29質量部、
成分(1D) TMPTA(トリメチロールプロパントリアクリレート(25℃における粘度80mPa・s)) 15質量部、
その他の成分として、HALS-1(光安定剤)1質量部、UVA-1(トリアジン系紫外線吸収剤)3質量部、BNP(ベンゾフェノン)1質量部、MPG(メチルフェニルグリオキシレート)1質量部、APO(2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド)1質量部、L-7001(シリコン系レベリング剤)0.3質量部、PGM(1-メトキシ-2-プロパノール)85質量部、ECA(エチルジグリコールアセテート)3質量部、
合計194.7質量部
からなる、活性エネルギー線硬化性組成物。

PesA-1の合成例:
無水テトラヒドロフタル酸0.5モル、トリメチロールプロパン1モル、アクリル酸2モル、トルエン1000ml、98%硫酸をトルエン以外の全成分100部に対して2.5部、および、フェノチアジンをアクリル酸全量100部に対して0.08部の各成分を混合して、液温約110℃で攪拌しながらエステル化反応させた。その際の反応によって生成する水は、トルエンとの共沸により系外へ流出させた。そして、反応開始から8時間後にほぼ理論値の水が流出したので、反応を止め冷却した。次いで、3質量%のアンモニアと20質量%の硫安を含む水溶液で反応液を洗浄し、トルエン層に0.05gのハイドロキノンを入れ、6mmHgの減圧下、約50℃でトルエンを除去して、(1A)成分としてのポリエステルアクリレート(PesA-1)を得た。」(以下「甲1発明」という。)

(2)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲1発明とを対比する。
「成分(1D) TMPTA(トリメチロールプロパントリアクリレート(25℃における粘度80mPa・s)」はアクリレートが3官能であるから、これらはいずれも本件発明1の「成分(A)(但し、以下の成分(C)及び(D)を除く) 多官能アクリレート系モノマー」に相当する。
また、甲1発明の「成分(1B) M-327(1分子当たり3個のカプロラクトンにより変性されたトリスアクリロイルオキシエチルイソシアヌレート)」は、本件発明1の「成分(C) 2以上の(メタ)アクリロキシ基を有するイソシアヌル酸誘導体モノマー」に相当する。
さらに、甲1発明の「BNP(ベンゾフェノン)」、「MPG(メチルフェニルグリオキシレート)」、「APO(2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド)」は、いずれも、甲1の【0027】に記載されるとおり、「光重合開始剤」であって、本件発明1の「成分(E) 光重合開始剤」に相当するし、本件発明1の「光」は、本件特許明細書の【0039】にも記載されているとおり「エネルギー線」を含むから、甲1発明の「活性エネルギー線硬化性組成物」は、本件発明1の「光硬化性組成物」に相当する。
そして、本件発明1では、「以下の成分(A)、(C)、(D)及び(E):・・・を含有する光硬化性組成物。」と特定されており、本件発明1の組成物は、他の成分を包含し得るものとして特定されているから、甲1発明に含まれるその他の成分である、「成分(1A)」の「(PesA-1(合成例1で得たポリエステルアクリレート)」、「成分(1C)」の「UA-1(ウレタンアクリレート)」(これらは、当業者に「光重合性オリゴマー」と認識されているものである(必要なら、特許権者が平成30年2月19日に意見書に添付して提出した前記乙第1号証参照。)。)、「HALS-1(光安定剤)1質量部、UVA-1(トリアジン系紫外線吸収剤)3質量部、L-7001(シリコン系レベリング剤)0.3質量部、PGM(1-メトキシ-2-プロパノール)85質量部、ECA(エチルジグリコールアセテート)3質量部」を含む点は、本件発明1との相違点とはならない。

そうすると、本件発明1と甲1発明とは、以下の一致点で一致し、以下の相違点1で相違している。
<一致点>
「以下の成分(A)、(C)、及び(E):
成分(A)(但し、以下の成分(C)及び(D)を除く)
多官能アクリレート系モノマー;
成分(C)
2以上の(メタ)アクリロキシ基を有するイソシアヌル酸誘導体モノマー;
及び
成分(E)
光重合開始剤
を含有する光硬化性組成物。」

(なお、上記において、成分(A)から除かれている「成分(D)」は、第3で記載したとおり、「3以上の(メタ)アクリロキシ基を有するカプロラクトンオリゴマー誘導体(但し、イソシアヌル酸誘導体を除く)」である。)

<相違点1>
本件発明1の光硬化性組成物には、「成分(D)」である「3以上の(メタ)アクリロキシ基を有するカプロラクトンオリゴマー誘導体(但し、イソシアヌル酸誘導体を除く)」が含まれるのに対し、甲1発明の光硬化性組成物には、「成分(D)」は含まれていない点。

イ 判断
上記アで記載したとおり、本件発明1と甲1発明とは、上記の相違点1で相違しており、相違点1は実質的な相違点であるから、本件発明1は甲1に記載された発明とはいえない。

また、甲1には、本件発明1の成分(D)である「3以上の(メタ)アクリロキシ基を有するカプロラクトンオリゴマー誘導体(但し、イソシアヌル酸誘導体を除く)」に相当する化合物は記載されていないから、甲1の記載からは、甲1発明を、相違点に係る本件発明1の構成を備えたものとすることを当業者は容易に想到し得ない。(なお、申立人が提出した他の証拠の記載を参酌しても同様である。)

よって、本件発明1について、甲1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。

(3)本件発明3?5について
本件発明3?5と甲1発明を対比すると、両者は、甲1発明と、少なくとも上記の相違点1で相違している。
そして、相違点1についての判断は、上記(2)のイで記載したとおりであるから、本件発明3?5については、本件発明1について、上記(2)のイで記載したと同様の理由によって、甲1に記載された発明であるとも、甲1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。

(4)まとめ
以上のとおり、取消理由1及び2には理由がなく、これらの取消理由によっては、本件発明1、3?5についての特許を取り消すことはできない。


2.取消理由3(明確性)の(i)及び(ii)について
申立人が訂正前の請求項1、3?5に係る発明に対して申立てていた取消理由3の(i)は、概略、成分(C)と成分(D)とは、その定義上同じ化合物を包含し得る点で、技術的に明確に区別することができないというものであるし、また、申立人が訂正前の請求項1、3?5に係る発明に対して申立てていた取消理由3の(ii)は、概略、成分(A)と(B)は、その定義上同じ化合物を包含し得る点で、技術的に明確に区別することができないというものである。

ア (i)の点の記載不備について
本件訂正後の請求項1は、第3で記載した次のとおりのものである。
「以下の成分(A)、(C)、(D)及び(E):
成分(A)(但し、以下の成分(C)及び(D)を除く)
多官能アクリレート系モノマー;
成分(C)
2以上の(メタ)アクリロキシ基を有するイソシアヌル酸誘導体モノマー;
成分(D)
3以上の(メタ)アクリロキシ基を有するカプロラクトンオリゴマー誘導体(但し、イソシアヌル酸誘導体を除く); 及び
成分(E)
光重合開始剤
を含有する光硬化性組成物。」

訂正後の請求項1の発明特定事項の記載によれば、成分(D)から、成分(C)に該当する化合物である「イソシアヌル酸誘導体モノマー」を包含する「イソシアヌル酸誘導体」が除かれており、訂正前の請求項1において、概念上重複し得るものとして記載されていた、成分(C)と成分(D)とは技術的に明確に区別することができるものとなっている。
また、請求項1を引用する請求項3?5に係る発明についても、訂正により成分(C)と成分(D)とが技術的に明確に区別することができるものとなっている。

したがって、取消理由3の(i)の点の取消理由によっては、本件発明1、3?5についての本件特許を取り消すことはできない。

イ (ii)の点の記載不備について
本件訂正後の請求項4は、第3で記載した次のとおりのものである。
「更に、成分(B)
成分(B):ウレタンアクリレートオリゴマー(但し、カプロラクトンオリゴマー誘導体及びイソシアヌル酸誘導体を除く)およびポリエステルアクリレートオリゴマー(但し、カプロラクトンオリゴマー誘導体、イソシアヌル酸誘導体及びウレタンアクリレートオリゴマーを除く)のいずれか
を含有する請求項1?3のいずれかに記載の光硬化性組成物。」

また、訂正後の請求項1は、上記アで記載したとおりのものであり、成分(A)は、「多官能アクリレート系モノマー」である。

ここで、成分(A)について、請求項1に「多官能アクリレート系モノマー」と記載されており、技術常識からすると、該モノマーに成分(B)は含まれない。一方、訂正前の本件特許明細書の【0013】には、「多官能アクリレート系モノマー」について、「分子内に2以上・・・の(メタ)アクリレート残基を有する重合性化合物」と記載され、該モノマーの例示に、「ビスフェノールF-EO変性ジ(メタ)アクリレート」、「ビスフェノールA-EO変性ジ(メタ)アクリレート」、「ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート」、「ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート」といった、一般的に、当業者に「光重合性オリゴマー」と認識されている各種化合物(必要なら、第2の3.(6)で指摘した乙第1号証参照。)が含まれており、成分(A)をかかる「光重合性オリゴマー」も含むものと解すると、成分(A)は、成分(B)も含み得る点で、成分(A)と成分(B)を技術的に明確に区別することができず、訂正前の請求項1に係る発明は不明確となっていた。

しかしながら、訂正により、本件特許明細書の【0013】の成分(A)についての例示から、技術常識に反する、「光重合性オリゴマー」と認識される化合物は削除され、成分(A)の「多官能アクリレート系モノマー」が、当業者の通常の理解のとおり、成分(B)のような、「光重合性オリゴマー」を包含しないことが明らかとなった。そうすると、成分(A)と成分(B)とは、技術的に明確に区別することができるものとなっているから、本件発明1は明確である。
さらに、訂正により、請求項4を引用する請求項5に係る発明についても、成分(A)と成分(B)とは技術的に明確に区別することができるものとなっているから、本件発明5も明確となった。

したがって、上記取消理由3の(ii)の点の取消理由によっては、本件発明4?5についての本件特許を取り消すことはできない。


第7 むすび
以上のとおり、取消理由通知書(決定の予告)に記載した取消理由、及び、特許異議申立書に記載した特許異議の申立ての理由によっては、本件特許の請求項1、3?5に係る発明についての特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許の請求項1、3?5に係る発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
光硬化性組成物
【技術分野】
【0001】
本発明は、環状オレフィン系樹脂からなる基材フィルムとその少なくとも片面に積層された保護コート層とからなる保護コート層付フィルムの当該保護コート層を形成するために特に適した光硬化性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タッチパネル用電極フィルムのベースフィルム材料の一例として、ポリメタクリレートフィルムやポリエステルフィルム等の透明な基材フィルムに、ポリウレタンアクリレート系光硬化物層等をハードコート層として設けたハードコート層付フィルムが使用されていた。ところが、ポリメタクリレートフィルムやポリエステルフィルムは、吸湿性が高く、また熱変形し易いという特性を有しているため、近年では、高透明性、低吸湿性、屈折率安定性に優れた環状オレフィン系樹脂フィルムを、ハードコート層付フィルムの基材フィルムとして適用することが提案されている(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2012-66477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、環状オレフィン系樹脂フィルムは、透明性や吸湿性等の特性の点で好ましいものではあるが、柔軟性が十分とはいえず、また、表面硬度が比較的低いために、耐擦過性が低く、傷が付きやすいという欠点を有する。従って、環状オレフィン系樹脂フィルムに、従来と同様のハードコート層を設けることが行われている。しかし、環状オレフィン系樹脂フィルムを基材フィルムとして使用するハードコート層付フィルムを、曲げ試験に付した場合、ハードコート層はもとより環状オレフィン系樹脂フィルム表面にもクラックが生ずるという問題があった。また、このようなハードコート層付フィルムに対しては、カールし難い性質や、応力緩和性と寸法安定性と間に良好なバランスを実現する破断伸度範囲、更に、ハードコート層と環状オレフィン系樹脂フィルムとの間に良好な密着性を実現することが求められている。
【0005】
本発明の目的は、以上の従来の技術の課題を解決することであり、基材フィルムである環状オレフィン系樹脂フィルムにコート層が積層されたコート層付フィルムに対して曲げ試験を行っても、実用上問題となるクラックが発生せず、また、コート層付フィルム自体がカールし難く、良好な破断伸度を示し、良好な密着性を示すようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、従来のポリエステルフィルムやポリメタクリレートフィルムに比べ環状オレフィン系樹脂フィルムが、柔軟性に乏しく且つ傷が付き易いという特性に鑑み、環状オレフィン系樹脂フィルムに積層すべき保護コート層として、従来に比べ柔軟ではあるが耐擦過性には優れている層を形成することにより本願発明の目的が達成され得るという仮定の下、多官能アクリレート系モノマーと、2以上の(メタ)アクリロイル基を有するイソシアヌル酸誘導体と、3以上の(メタ)アクリロイル基を有するカプロラクトンオリゴマー誘導体と、光重合開始剤とを含有する特定配合の光硬化性組成物の光硬化樹脂層を保護コート層として環状オレフィン系樹脂フィルムに積層することにより、上述の目的を達成できることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
即ち、本発明は、以下の成分(A)、(C)、(D)及び(E):
成分(A)
多官能アクリレート系モノマー;
成分(C)
2以上の(メタ)アクリロキシ基を有するイソシアヌル酸誘導体モノマー;
成分(D)
3以上の(メタ)アクリロキシ基を有するカプロラクトンオリゴマー誘導体(但し、イソシアヌル酸誘導体を除く); 及び
成分(E)
光重合開始剤
を含有する光硬化性組成物を提供する。この光硬化性組成物は、環状オレフィン系樹脂からなる基材フィルムと、その少なくとも片面に形成された保護コート層とからなる保護コート層付フィルムの当該保護コート層を形成するための保護コート層形成用組成物として特に有用である。
【0008】
また、本発明は、環状オレフィン系樹脂からなる基材フィルムと、その少なくとも片面に形成された保護コート層とからなる保護コート層付フィルムであって、該保護コート層が、上述の成分(A)、(C)、(D)及び(E)を含有する光硬化性組成物の光硬化物層である保護コート層付フィルムを提供する。また、本発明は、この保護コート層付フィルムの少なくとも片面に透明電極が形成されているタッチパネル用保護コート層付フィルムを提供する。更に、本発明は、少なくともこのタッチパネル用保護コート層付フィルムと画像表示素子とが積層された画像表示・入力装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の光硬化性組成物は、成分(A)として多官能アクリレート系モノマー、成分(C)として2以上の(メタ)アクリロキシ基を有するイソシアヌル酸誘導体、成分(D)として3以上の(メタ)アクリロキシ基を有するカプロラクトンオリゴマー誘導体、及び成分(E)として光重合開始剤を含有する。このため、この光硬化性組成物の光硬化物層を保護コート層として、環状オレフィン系樹脂からなる基材フィルム上に積層して得た保護コート層付フィルムは、保護コート層を外側にして直径約数mm程度の棒に沿って180度折り曲げ試験を行っても、実用上問題のあるクラックが、保護コート層の最表面だけでなく、保護コート層側の環状オレフィン系樹脂からなる基材フィルム表面にも発生せず、また、保護コート層付フィルム自体がカールし難く、良好な破断伸度を示し、良好な密着性を示す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の保護コート層付フィルムの断面図である。
【図2】図2は、本発明のタッチパネル用保護コート層付フィルムの断面図である。
【図3】図3は、本発明のタッチパネル用保護コート層付フィルムの断面図である。
【図4】図4は、曲げ試験の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の光硬化性組成物を具体的に説明する。
【0012】
本発明の光硬化性組成物は、環状オレフィン系樹脂からなる基材フィルムと、その少なくとも片面に形成された保護コート層とからなる保護コート層付フィルムの当該保護コート層を形成するための保護コート層形成用組成物として特に有用であり、以下の成分(A)、(C)、(D)及び(E)を含有する。以下、成分毎に詳細に説明する。
【0013】
<成分(A)>
成分(A)は多官能アクリレート系モノマーであり、環状オレフィン系樹脂との密着性や光硬化性組成物自体の反応性を向上させるためのものである。このような多官能アクリレートモノマーは、分子内に2以上、好ましくは3以上のアクリレート残基又はメタクリレート残基(以下、(メタ)アクリレート残基)を有する重合性化合物であり、接着剤などの分野で用いられている多官能アクリレート系モノマーから適宜選択して使用することができる。多官能アクリレート系モノマーの具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、ペンタエリスリトールトリアクリレートを密着性、反応性、架橋性、表面硬度などの点から好ましく使用することができる。市場で入手可能な具体例としては、東亞合成(株)の商品名「M305」、新中村化学(株)の商品名「TMM-3L」等で特定されるものを挙げることができる。
【0014】
成分(A)の光硬化性組成物中の含有量は、少なすぎると密着性、反応性、架橋性、表面硬度などの特性が劣化する傾向があり、多すぎると屈曲性、カールなどの特性が劣化する傾向があるので、好ましくは5?50質量%、より好ましくは5?40質量%、更に好ましくは5?20質量%である。
【0015】
<成分(B)>
本発明の光硬化性組成物は、成分(A)の多官能アクリレート系モノマーに加えて、光硬化性組成物の光硬化物の表面硬度を向上させるために、必要に応じ、本発明の効果を損なわない範囲で、多官能アクリレート系オリゴマーを成分(B)として含有することができる。多官能アクリレート系オリゴマーとしては、ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマーを挙げることができ、その分子量は好ましくは500?10000である。市場で入手可能な具体例としては、日本合成化学工業(株)の商品名「UV7605」、東亞合成(株)の商品名「M1100」、「M1200」、「M1210」、「M1600」、「M9050」共栄社化学(株)の商品名「AH-600」
、「AT-600」等で特定されるものが挙げられる。
【0016】
成分(B)の光硬化性組成物中の含有量は、多すぎると屈曲性、カールなどの特性が劣化する傾向があるので、好ましくは40質量%を超えないようにする。より好ましくは10?30質量%以下である。なお、成分(B)を配合する場合、成分(A)との合計で40質量%を超えないようにすることが好ましい。
【0017】
<成分(C)>
成分(C)の2以上の(メタ)アクリロキシ基を有するイソシアヌル酸誘導体は、イソシアヌル酸環状構造を有し、光硬化性組成物の光硬化物の耐熱性を向上させ、カールし難くするために配合されている。このようなイソシアヌル酸誘導体としては、ビス((メタ)アクリロキシアルキル)-ヒドロキシアルキルイソシアヌル酸、トリス((メタ)アクリロキシアルキル)イソシアヌル酸等を挙げることができる。ここで、2つの(メタ)アクリロキシ基を有するイソシアヌル酸誘導体は、3つ以上の(メタ)アクリロキシ基を有するイソシアヌル酸誘導体に比べ、光硬化性組成物の光硬化の際に硬化収縮する程度が小さいので好ましく使用することできる。特に好ましくは、2つの(メタ)アクリロキシ基を有するビス(アクリロキシエチル)-ヒドロキシエチルイソシアヌル酸を使用することができる。市場で入手可能な具体例としては、東亞合成(株)の商品名「M-215」、「M-315」等で特定されるものを挙げることができる。
【0018】
成分(C)の光硬化性組成物中の含有量は、少なすぎると屈曲性、カール、密着性、耐熱性などの特性が劣化する傾向があり、多すぎると架橋性、密着性などの特性が劣化する傾向があるので、好ましくは5?40質量%、より好ましくは10?30質量%である。
【0019】
<成分(D)>
成分(D)の3以上の(メタ)アクリロキシ基を有するカプロラクトンオリゴマー誘導体は、光硬化性組成物の光硬化物に、良好な屈曲性や耐クラック性等を示す柔軟性を付与するために配合されている。このようなカプロラクトンオリゴマー誘導体の中でも、9個の(メタ)アクリロキシ基を有するものを好ましく使用することができる。また、成分(D)の3以上の(メタ)アクリロキシ基を有するカプロラクトンオリゴマー誘導体としては、破断伸度(オリゴマー伸度)が30?50%となるものを好ましく使用することができる。ここで述べる破断伸度(オリゴマー伸度)とは、オリゴマー誘導体100質量部に光重合開始剤として2-ヒドロキシ-2-シクロヘキシルアセトフェノンを3質量部配合した組成物を、硬化後の膜厚を60?100μm厚みになる様に塗布、200mW/cm2、300mJ/cm^(2)という条件で光硬化させて得たオリゴマー硬化物を引張試験機(品名:テンシロン、オリエンテック(株))にて評価し、破断に至るまでの伸度(%)を示す。オリゴマー中に溶剤が含有されている場合、必要に応じて、光硬化の前後にて溶剤を揮発させた後に測定する。市場で入手可能な具体例としては、日本合成化学工業(株)の商品名「UT 5236」、「UT5237」、アルケマ社の商品名「CN929」等で特定されるものを挙げることができる。また、発明の効果を損なわない範囲で、2つの(メタ)アクリロキシ基を有するカプロラクトンオリゴマー誘導体、例えば、アルケマ社の商品名「CNUVE151」、ダイセルサイテック社の商品名「EB8402」等を、3以上の(メタ)アクリロキシ基を有するカプロラクトンオリゴマー誘導体と併用してもよい。
【0020】
成分(D)の光硬化性組成物中の含有量は、少なすぎると屈曲性、耐クラック性、カールなどの特性が劣化する傾向があり、多すぎると表面硬度、密着性などの特性が劣化する傾向があるので、好ましくは10?80質量%、より好ましくは40?60質量%である。
【0021】
<成分(E)>
成分(E)の光重合開始剤としては、公知の光ラジカル重合開始剤の中から適宜選択して使用することができる。たとえは、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンジルケタール系光重合開始剤、リン系光重合開始剤等が挙げられる。具体的には、アセトフェノン系光重合開始剤として、2-ヒドロキシ-2-シクロヘキシルアセトフェノン(イルガキュア(IRGACURE)184、BASFジャパン社製)、α-ヒドロキシ-α,α′-ジメチルアセトフェノン(ダロキュア(DAROCUR)1173、BASFジャパン社製)、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン(イルガキュア(IRGACURE)651、BASFジャパン社製)、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン(ダロキュア(DAROCUR)2959、BASFジャパン社製)、2-ヒドロキシ-1-{4-[2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル]-ベンジル}フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン(イルガキュア(IRGACURE)127、BASFジャパン社製)等が挙げられる。ベンジルケタール系光重合開始剤として、ベンゾフェノン、フルオレノン、ジベンゾスベロン、4-アミノベンゾフェノン、4,4′-ジアミノベンゾフェノン、4-ヒドロキシベンゾフェノン、4-クロロベンゾフェノン、4,4′-ジクロロベンゾフェノン等が挙げられる。また、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1(イルガキュア(IRGACURE)369、チバジャパン社製)も使用することができる。リン系光重合開始剤として、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド(イルガキュア(IRGACURE)819、BASFジャパン社製)、(2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルフォスフィンオキサイド(ダロキュア(DAROCURE)TPO、BASFジャパン社製)等が挙げられる。
【0022】
成分(E)の光硬化性組成物中の含有量は、少なすぎると硬度性能の低下による密着性の低下や硬度不足が生ずる傾向があり、多すぎると重合の不具合による密着性などの特性が低下する傾向があるので、好ましくは0.5?25質量%、より好ましくは1?10質量部である。
【0023】
本発明の光硬化性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、溶剤、レベリング剤、色相調整剤、着色剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、各種熱可塑性樹脂材料等の添加剤を含有することができる。また、屈折率調整および表面を意図的に粗面化するために、有機物、無機物および有機無機ハイブリットからなる微粒子を適宜添加することが可能である。
【0024】
帯電防止剤としては、例えば、導電性カーボン、無機微粒子、無機微粉末、界面活性剤、イオン性液体などを用いることができる。これらの帯電防止剤は単独、または2種以上併用してもよい。無機微粒子および無機微粉末の材料としては、例えば、導電性金属酸化物を主成分とする材料が挙げられる。導電性金属酸化物としては、例えば、酸化スズ、酸化インジウム、ATO(アンチモンドープ酸化錫)、ITO(インジウムドープ酸化錫)、アンチモン酸化亜鉛などを用いることができる。
【0025】
本発明の光硬化性組成物は、上述した成分(A)、(C)、(D)、(E)、更に(B)の他、各種添加剤を、常法に従って均一に混合することにより製造することができる。
【0026】
以上説明した本発明の光硬化性組成物は、既に説明したように、環状オレフィン系樹脂からなる基材フィルムと、その少なくとも片面に形成された保護コート層とからなる保護コート層付フィルムの当該保護コート層を形成するための保護コート層形成用組成物として特に有用である。
【0027】
ここで環状オレフィン系樹脂としては、環状オレフィン(例えば、ノルボルネン類)の開環メタセシス重合とそれに続く水素化反応により得られる、シクロオレフィンをモノマーとする主鎖に脂環構造をもつ樹脂(COP)や、環状オレフィン(例えば、ノルボルネン類)とα-オレフィン(例えばエチレン)との付加重合により得られる樹脂(COC)が挙げられる。
【0028】
COPの具体例としては、日本ゼオン(株)の商品名「ZEONOR」で特定されるポリテトラシクロドデセン等が挙げられる。また、COCの具体例としては、TOPAS Advanced Polymers社の商品名「TOPAS」で特定されるエチレン・ノルボルネン・コポリマー、三井化学(株)の商品名「APEL」で特定されるエチレン・テトラシクロドデセン・コポリマー、JSR(株)の商品名「ARTON」で特定されるエチレン・テトラシクロドデセン・メタクリル酸エステル・コポリマー等を挙げることができる。これら環状オレフィン系樹脂からなるフィルムには、公知の手法により位相差機能が付与されていてもよい。
【0029】
従って、本発明の光硬化性組成物を利用し、環状オレフィン系樹脂からなる基材フィルムと、その少なくとも片面に形成された保護コート層とからなる保護コート層付フィルムであって、該保護コート層が、本発明の光硬化性組成物の光硬化物層である保護コート層付フィルムも本発明の一部である。
【0030】
図1に、このような保護コート層付フィルム3の断面図を示す。保護コート層付フィルム3は、基材フィルム1の両面に保護コート層2が積層された構造を有する。図示していないが、保護コート層2は、基材フィルム2の片面にのみ積層されていてもよい。なお、基材フィルム1の材質、保護コート層2を形成するための光硬化性組成物については、既に説明したとおりである。
【0031】
基材フィルム1の厚さは、それが適用される光学装置の種類や性能により異なるが、通常、25?200μm、好ましくは40?150μmであり、保護コート層2の厚さは、通常、0.5?8μm、好ましくは0.8?7μmである。
【0032】
なお、保護コート層付フィルム3の製造の際に行う光硬化性組成物の塗布方法や光硬化条件は、使用した光硬化性組成物の配合処方等に応じて、公知の手法や条件を適宜採用することができる。以下に保護コート層付フィルムの製造方法(塗料調整→基材フィルム前処理→塗工→乾燥・硬化)の一例を説明する。
【0033】
(塗料調製)
まず、上述した成分(A)、(C)、(D)、(E)、更に必要に応じて成分(B)の他、溶剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、酸化防止剤、シリカ微粒子粘度調整剤等の各種添加剤を、ディスパーなどの攪拌機を用いて常法に従って均一に混合することにより光硬化性組成物の塗料を調製する。この光硬化性組成物は、透光性を有することはもちろん、着色、ヘイズにより透過光の色相、透過光量が顕著に変化しないものが好ましい。
【0034】
溶剤としては、例えば使用する樹脂原料を十分溶解するものであれば、特に限定されるものではなく、公知の有機溶剤を使用することができる。有機溶剤としては、例えば、MEK、MIBK、ANON等のケトン系溶剤;IPA、n-BuOH、t-BuOH等のアルコール系溶剤;酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル系溶剤、グリコールエーテル系溶剤等が挙げられる。
【0035】
(基材フィルム前処理)
次に、基材フィルムと光硬化性組成物の硬化物層との密着性を向上させる目的で、基材フィルムの片面又は両面に、酸化法や凹凸化法により表面処理を施すことが好ましい。酸化法としては、例えばコロナ放電処理、グロー放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等が挙げられる。
【0036】
(塗工)
次に、上述のようにして得られた塗料を、基材フィルム上に塗工する。塗工方法は、特に限定されるものではなく、公知の塗工方法を用いることができる。公知の塗工方法としては、例えば、公知の塗工方法としては、例えば、マイクログラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ダイレクトグラビアコート法、ダイコート法、ディップ法、スプレーコート法、リバースロールコート法、カーテンコート法、コンマコート法、ナイフコート法、スピンコート法などが挙げられる。
【0037】
(乾燥・硬化)
次に、基材フィルム上に塗工された塗料を乾燥、硬化させることにより光硬化性組成物の硬化物層(即ち、保護コート層)を形成する。これにより、本発明の保護コート層付フィルムが得られる。
【0038】
乾燥条件は特に限定されるものではなく、自然乾燥であっても、乾燥温度や乾燥時間などを調整する人工的乾燥であってもよい。但し、乾燥時に塗料表面に風を当てる場合、塗膜表面に風紋が生じないようすることが好ましい。風紋が生じると塗布外観の悪化、表面性の厚みムラが生じるからである。
【0039】
なお、光硬化性組成物を硬化させる光としては紫外線の他、ガンマー線、アルファー線、電子線等のエネルギー線を適用することができる。その場合には、光重合開始剤この用いて電離線硬化組成物を適用してもよい。
【0040】
このような保護コート層付フィルムは、その少なくとも片面にITO膜や導電性有する微粒子またはナノワイヤー形状材料等を使用した透明電極を公知の手法により形成することによりタッチパネル用保護コート層付フィルムとして好ましく利用することができる。更に、このようなタッチパネル用保護コート層付フィルムを、液晶表示素子や有機EL表示素子などの画像表示素子に積層することにより、スマートフォーンやパーソナルコンピュータの画像表示・入力装置として好ましく適用することができる。
【0041】
図2及び図3にタッチパネル用保護コート層付フィルム5の一例の断面図を示す。図2では、基材フィルム1の両面に保護コート層2が形成され、更に保護コート層2の表面に、ITO等の公知の透明電極4が形成されている。図3では、保護コート層2と透明電極4との間に、公知の位相差フィルム等の光学調整層6が形成されている。これらのタッチパネル用保護コート層付フィルム5の製造は、先に説明した保護コート層付フィルム3の製造方法に準じて製造することができる。
【実施例】
【0042】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
【0043】
実施例1?21、比較例1?13
表1に示す配合(単位=質量%)の成分を均一に混合することにより光硬化性組成物を調製し、以下に説明するように保護コート層付フィルムを作成した。
【0044】
(保護コート層付フィルムの作製)
得られた光硬化性組成物を、基材フィルムとしてコロナ処理が施された厚さ100μmもしくは50μmの環状オレフィン樹脂フィルム(ZEONOR、日本ゼオン(株))の両面に、光硬化後に両面に形成されたそれぞれの保護コート層の厚みが表1に示す厚さとなるように塗布し、200mW/cm^(2)で300mJ/cm^(2)という照射条件で光硬化させて保護コート層を形成することにより、図1に示す層構造の保護コート層付フィルムを得た。
【0045】
得られた保護コート層付フィルムについて、「曲げ試験」、「マルテンス硬度」、「破断伸度」、「カール特性」、「耐擦過性」及び「密着性」を以下に説明するように試験・評価した。得られた結果を表1に示す。
【0046】
なお、光硬化性組成物を構成する成分(A)?(D)の個々の成分と光重合開始剤とを含有する組成物を用いて、図1に示す構造と同様のコート層付フィルムを作成し、同様に破断伸度を測定し、当該成分のオリゴマー伸度とした。
【0047】
<曲げ試験>
図4に示すように、保護コート層付フィルム(100mm×20mm)10の長手側を、保護コート層を外側にして、ステンレスの丸棒11に沿って架け渡しすることにより180度に曲げ、両先端を粘着テープ12で接合してループ状とし、接合部にクリップ13を掛け、その先端に300gの分銅(荷重)を装着し、10秒間保持した。その後、分銅を外し、丸棒11周辺の保護コート層表面又は保護コート層側の基材フィルム表面にクラックが生じた否かを倍率10倍の光学顕微鏡で観察し、クラックが生じたときの丸棒の直径を表1に示した。直径の数値の後の“p”は、保護コート層表面にクラックが生じたことを示し、“b”は、保護コート層側の基材フィルム表面にクラックが生じたことを示している。
【0048】
なお、この直径の数値が小さいほど、曲げに対してクラックが生じ難いことを示している。
【0049】
また、丸棒の直径を変えて同様に試験を行い、保護コート層付フィルムが破断してしまったときの丸棒の直径を表1に示した。
【0050】
<マルテンス硬度>
保護コート層付フィルム(30mm×70mm)を測定面の反対側を東亞合成(株)製アロンアルファ等を用いてスライドガラスに固定し、完全に硬化させたものを用いる。測定は任意の場所を選択し最大押し込み深さが保護コート層の平均厚みの10%以下になる様にビッカース圧子にて表面硬度を測定する。固定の為の接着剤層の影響を最小限に抑えるために、できる限り薄く形成するのが好ましい。測定はマルテンス硬化計(HM500、フィッシャーインストルメンツ(株))を測定した。得られた結果を表1に示した。実用上、保護コート層のマルテンス硬度は150N/mm^(2)以上であることが望まれる。
【0051】
<破断伸度>
保護コート層付フィルム(70mm×20mm)を、引張試験器(品名:テンシロン、オリエンテック(株))を用いて、速度0.5mm/分で引張り、試料が切断(破断)したときの伸び率を求めた。得られた結果を表1に示す。実用上、保護コート層付フィルムの破断伸度は8?30%であることが望まれる。
【0052】
<カール特性>
保護コート層付フィルム(100mm×100mm)を、保護コート層を上にして平坦な金属板に残置し、金属板から浮き上がった四隅における金属板からの高さをそれぞれ測定し、それらの平均値(カール値)を求めた。カール値が5mm未満である場合を良好「○」と評価し、5mm以上10mm未満を普通「△」と評価し、10mm以上を不良「×」と評価した。得られた結果を表1に示した。
【0053】
<耐擦過性>
保護コート層付フィルム(100mm×50mm)の保護コート層を上にして引掻試験機(品名:学振型摩擦堅牢度試験機、テスター産業(株))に取り付け、#0000のスチールウールに荷重250gを加え保護コート層表面を20回(10往復)の引掻試験を行い、傷の有無を目視観察した。傷が全く観察されない場合を良好「○」と評価し、傷が1?10本観察された場合を普通「△」と評価し、全面に亘って無数の傷が観察された場合を不良「×」と評価した。得られた結果を表1に示した。
【0054】
<密着性(JIS K5400)>
保護コート層付フィルム(50mm×50mm)の保護コート層に対し、カッターで直線状の切れ込みを入れ、100個の碁盤目を形成した。その碁盤目に対し粘着テープ(セロハンテープ、ニチバン(株))を貼り付け、引き剥がした際に、粘着テープに転着せず、保護コート層付フィルム側に残存した碁盤目の数を数えた。その数が100個である場合を良好「○」と評価し、100個未満30個以上である場合を普通「△」と評価し、30個未満である場合を不良「×」と評価した。得られた結果を表1に示した。
【0055】
【表1】

【0056】
(考察)
表1の結果から以下のことが理解される。
(1)環状オレフィン樹脂フィルムからなる基材フィルム上に保護コート層が形成された実施例1?21の保護コート層付フィルムは、いずれの評価項目についても実用上許容できる好ましい特性を示した。
【0057】
(2)比較例1及び4の保護コート層付フィルムの場合、成分(D)として2官能のカプロラクトンオリゴマー誘導体を約60質量%で使用したので、耐擦過性の評価が不良「×」であった。
【0058】
(3)比較例2及び5の保護コート層付フィルムの場合、成分(D)として2官能のカプロラクトンオリゴマー誘導体を約40質量%で使用したので、耐擦過性だけでなく密着性の評価が不良「×」であった。
【0059】
(4)比較例3及び6の保護コート層付フィルムの場合、成分(D)として2官能のカプロラクトンオリゴマー誘導体を約20質量%で使用したので、密着性の評価が不良「×」であった。
【0060】
(5)比較例7?10の保護コート層付フィルムの場合、成分(D)を使用していないので、カール性の評価が不良「×」であった。
【0061】
(6)比較例9?12の保護コート層付フィルムの場合、成分(C)を使用していないので、カール性の評価が不良「×」であった。
【0062】
(7)比較例13の保護コート層付フィルムの場合、成分(C)を使用していないので、カール性の評価が不良「×」であったことに加え、密着性の評価が不良「×」であった。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の光硬化性組成物の光硬化物層を保護コート層として、環状オレフィン系樹脂からなる基材フィルム上に積層して得た保護コート層付フィルムは、保護コート層を外側にして直径約数mm程度の棒に沿って180度折り曲げ試験を行っても、実用上問題のあるクラックが、保護コート層の最表面だけでなく、保護コート層側の環状オレフィン系樹脂からなる基材フィルム表面にも発生せず、また、保護コート層付フィルム自体がカールし難く、良好な密着性を示す。従って、本発明の光硬化性組成物は保護コート層付フィルムの保護コート層の形成に有用である。
【符号の説明】
【0064】
1 基材フィルム
2 保護コート層
3 保護コート層付フィルム
4 透明電極
5 タッチパネル用保護コート層付フィルム
6 光学調整層
10 保護コート層付フィルム
11 丸棒
12 粘着テープ
13 クリップ
14 分銅
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の成分(A)、(C)、(D)及び(E):
成分(A)(但し、以下の成分(C)及び(D)を除く)
多官能アクリレート系モノマー;
成分(C)
2以上の(メタ)アクリロキシ基を有するイソシアヌル酸誘導体モノマー;
成分(D)
3以上の(メタ)アクリロキシ基を有するカプロラクトンオリゴマー誘導体(但し、イソシアヌル酸誘導体を除く); 及び
成分(E)
光重合開始剤
を含有する光硬化性組成物。
【請求項2】
環状オレフィン系樹脂からなる基材フィルムと、その少なくとも片面に形成された保護コート層とからなる保護コート層付フィルムの当該保護コート層を形成するための保護コート層形成用組成物である請求項1記載の光硬化性組成物。
【請求項3】
成分(A)の含有量が5?40質量%であり、成分(C)の含有量が5?40質量%であり、成分(D)の含有量が10?80質量%であり、成分(E)の含有量が1?10質量%である請求項1又は2記載の光硬化性組成物。
【請求項4】
更に、成分(B)
成分(B):ウレタンアクリレートオリゴマー(但し、カプロラクトンオリゴマー誘導体及びイソシアヌル酸誘導体を除く)およびポリエステルアクリレートオリゴマー(但し、カプロラクトンオリゴマー誘導体、イソシアヌル酸誘導体及びウレタンアクリレートオリゴマーを除く)のいずれか
を含有する請求項1?3のいずれかに記載の光硬化性組成物。
【請求項5】
成分(B)の含有量が10?30質量%であり、成分(A)と成分(B)との合計含有量が40質量%以下である請求項4記載の光硬化性組成物。
【請求項6】
環状オレフィン系樹脂からなる基材フィルムと、その少なくとも片面に形成された保護コート層とからなる保護コート層付フィルムであって、該保護コート層が、請求項1?5のいずれかに記載の光硬化性組成物の光硬化物層である保護コート層付フィルム。
【請求項7】
基材フィルムの厚さが、25?200μmであり、保護コート層の厚さが0.5?8μmである請求項6記載の保護コート層付フィルム。
【請求項8】
請求項6又は7記載の保護コート層付フィルムの少なくとも片面に透明電極が形成されているタッチパネル用保護コート層付フィルム。
【請求項9】
画像表示素子と少なくとも請求項8のタッチパネル用保護コート層付フィルムとが積層された画像表示・入力装置。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-10-02 
出願番号 特願2012-256975(P2012-256975)
審決分類 P 1 652・ 113- YAA (C08F)
P 1 652・ 121- YAA (C08F)
P 1 652・ 537- YAA (C08F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 松元 洋  
特許庁審判長 大熊 幸治
特許庁審判官 渕野 留香
近野 光知
登録日 2017-03-31 
登録番号 特許第6115100号(P6115100)
権利者 デクセリアルズ株式会社
発明の名称 光硬化性組成物  
代理人 特許業務法人太陽国際特許事務所  
代理人 特許業務法人田治米国際特許事務所  
代理人 特許業務法人田治米国際特許事務所  
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