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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する F16C 審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する F16C 審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する F16C 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する F16C 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する F16C |
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管理番号 | 1346933 |
審判番号 | 訂正2018-390124 |
総通号数 | 230 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2019-02-22 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2018-08-29 |
確定日 | 2018-11-15 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3918446号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第3918446号の明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件訂正審判の請求に係る特許第3918446号(以下、「本件特許」という。)は、平成13年3月28日に出願され、平成19年2月23日に特許権の設定登録がされ、平成30年8月29日に本件訂正審判請求がされた。 第2 請求の趣旨及び訂正の内容 本件訂正審判の請求の趣旨は、審判請求書の請求の趣旨に記載されるとおり、特許第3918446号の明細書を、本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものであって、その内容は次のとおりである。(審決注:下線部分が訂正箇所である。) 1 訂正事項1 特許請求の範囲の【請求項1】の「内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動自在に配設された複数の転動体と、前記内輪と前記外輪との間に形成され前記転動体が内設された空隙部内に充填された導電性グリースと、を備える転がり軸受において、前記導電性グリースは、1?10wt%のカーボンブラックと、5?20wt%の増ちょう剤と、0.1?10wt%の正リン酸エステル又は亜リン酸エステルと、を含有するとともに、前記内輪の軌道面,前記外輪の軌道面,及び前記転動体の転動面に形成された酸化膜の厚さが100nm以下であることを特徴とする転がり軸受」との記載を、 「内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動自在に配設された複数の転動体と、前記内輪と前記外輪との間に形成され前記転動体が内設された空隙部内に充填された導電性グリースと、を備える転がり軸受において、前記導電性グリースは、1?10wt%のカーボンブラックと、5?20wt%の増ちょう剤と、5?10wt%の正リン酸エステル又は亜リン酸エステルと、を含有するとともに、前記内輪の軌道面,前記外輪の軌道面,及び前記転動体の転動面に形成された酸化膜の厚さが100nm以下であることを特徴とする転がり軸受」に訂正する(請求項1を直接的に引用する請求項2についても同様に訂正する。)。 2 訂正事項2 特許請求の範囲の【請求項2】の「前記カーボンブラックと前記増ちょう剤との総量が5.1?20.1wt%であることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。」との記載を、 「前記カーボンブラックと前記増ちょう剤との総量が6?20.1wt%であることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。」に訂正する。 3 訂正事項3 明細書の段落【0011】の「0.1?10wt%の正リン酸エステル又は亜リン酸エステル」との記載を、 「5?10wt%の正リン酸エステル又は亜リン酸エステル」に訂正する。 4 訂正事項4 明細書の段落【0015】の「導電性グリースの潤滑性及び流動性から、前記増ちょう剤と前記導電性付与添加剤との総量は5.1?20.1wt%とすることが好ましい」との記載を、 「導電性グリースの潤滑性及び流動性から、前記増ちょう剤と前記導電性付与添加剤との総量は6?20.1wt%とすることが好ましい」に訂正する。 5 訂正事項5 明細書の段落【0036】【表1】中の「実施例2」との記載を、「参考例2」に訂正し、 明細書の段落【0038】の3箇所の「実施例2」との記載を、「参考例2」に訂正する。 第3 当審の判断 1 訂正事項1について (1)訂正の目的について 訂正事項1は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1において、導電性グリースに含まれる正リン酸エステル又は亜リン酸エステルの含有量について、「0.1?10wt%」とされていたのを、「5?10wt%」に狭めるものであるから、当該訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (2)願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて 願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。)の、段落【0036】【表1】の実施例1には、封入するグリースとして、カーボンブラックを「5.0wt%」、増ちょう剤を「7.0wt%」、摩耗防止添加剤である亜リン酸エステルを「5.0wt%」含有したものが記載され、 また、願書に添付した図面の【図5】のグラフには、実施例1の軸受について、摩耗防止添加剤(亜リン酸エステル)の添加量が5?10wt%の範囲では、酸化膜の厚さが100nm以下となっていることが示されている。 そうすると、導電性グリースに含まれる正リン酸エステル又は亜リン酸エステルの含有量について、「5?10wt%」とした点は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものである。 したがって、訂正事項1は、特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて 前記「(1)」のとおり、訂正事項1は、導電性グリースに含まれる正リン酸エステル又は亜リン酸エステルの含有量について、より狭くするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 したがって、訂正事項1は、特許法第126条第6項の規定に適合する。 2 訂正事項2について (1)訂正の目的について 前記訂正事項1による訂正後の請求項1においては、「1?10wt%のカーボンブラックと、5?20wt%の増ちょう剤」を特定しているから、カーボンブラックと増ちょう剤との総量の下限は、「6wt%」となる。 これに対して、請求項1を引用する請求項2においては、「前記カーボンブラックと前記増ちょう剤との総量が5.1?20.1wt%」を特定しているから、カーボンブラックと増ちょう剤との総量の下限は、「5.1wt%」となり、引用している請求項1の記載との間で整合していない。 訂正事項2は、請求項2の記載を請求項1の記載に整合させて、カーボンブラックと増ちょう剤との総量の下限を「6wt%」に訂正するものであるから、当該訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 また、訂正事項2は、訂正前の特許請求の範囲の請求項2において、カーボンブラックと増ちょう剤との総量について、「5.1?20.1wt%」とされていたのを、「6?20.1wt%」に狭めるものであるから、当該訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものでもある。 (2)願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて 訂正事項2は、実質的に、カーボンブラックと増ちょう剤との総量の下限を「6wt%」に訂正するものであるところ、訂正前の請求項1には、カーボンブラッの含有量範囲は、「1?10wt%」であり、増ちょう剤の含有量範囲は、「5?20wt%」であることが記載されているから、カーボンブラックと増ちょう剤との総量の下限が「6wt%」となることは明らかである。 そうすると、訂正事項2の、カーボンブラックと増ちょう剤との総量の下限を「6wt%」とした点は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものである。 したがって、訂正事項2は、特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて 前記「(1)」のとおり、訂正事項2は、カーボンブラックと増ちょう剤との総量について、より狭くするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 したがって、訂正事項2は、特許法第126条第6項の規定に適合する。 3 訂正事項3及び4について (1)訂正の目的について 訂正事項3及び4は、上記訂正事項1及び2に係る特許請求の範囲の訂正に伴って、対応する発明の詳細な説明の記載の整合を図るためにする訂正であるから、当該訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (2)願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて 訂正事項3及び4は、訂正事項1及び2に伴いする訂正であるので、前記「1(2)」及び「2(2)」と同様の理由により、訂正事項3及び4は、特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて 訂正事項3及び4は、特許請求の範囲の記載との整合を図るために、発明の詳細な説明の記載を訂正するものであるから、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項3及び4は、特許法第126条第6項の規定に適合する。 4 訂正事項5について (1)訂正の目的について 前記訂正事項1による訂正後の請求項1においては、「5?10wt%の正リン酸エステル又は亜リン酸エステル」を特定している。 これに対して、訂正前の明細書の段落【0036】【表1】の「実施例2」は、摩耗防止添加剤としての正リン酸エステル又は亜リン酸エステルを含んでいないから、特許請求の範囲に対応するものではなく、実施例とはいえない。 訂正事項5は、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、明細書の段落【0036】【表1】中に記載の「実施例2」、及び明細書の段落【0038】の3箇所に記載の「実施例2」を、全て「参考例2」に訂正するものであるから、当該訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (2)願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて 訂正事項5は、特許請求の範囲に対応していない例について使用された「実施例2」との表記を、「参考例2」に訂正したにすぎないから、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものである。 したがって、訂正事項5は、特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて 訂正事項5は、特許請求の範囲の記載との整合を図るために、発明の詳細な説明の記載を訂正するものであるから、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項5は、特許法第126条第6項の規定に適合する。 5 独立特許要件について (1)訂正後の請求項1について 訂正後の請求項1に係る発明は、訂正事項1により訂正されるものであるが、前記「1(1)」のとおり、訂正事項1は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1において、導電性グリースに含まれる正リン酸エステル又は亜リン酸エステルの含有量について、より狭くするものであるから、当該請求項に係る発明について特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、訂正事項1により当該請求項に係る発明が特許法第36条第4項第1項又は第6項(第4号を除く)に規定する要件を満たさなくなるものでもない。 (2)訂正後の請求項2について 訂正後の請求項2に係る発明は、訂正事項1により間接的に訂正されるとともに、訂正事項2により、カーボンブラックと増ちょう剤との総量について、より狭くするものであるが、訂正後の請求項1に係る発明を更に限定したものであるから、当該請求項に係る発明について特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、訂正事項1及び2により特許法第36条第4項第1項又は第6項(第4号を除く)に規定する要件を満たさなくなるものでもない。 (3)小括 以上のことから、訂正後の請求項1及び2に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。 したがって、訂正事項1及び2は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 第4 まとめ 以上のとおり、本件訂正審判に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項から第7項までの規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 転がり軸受 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動自在に配設された複数の転動体と、前記内輪と前記外輪との間に形成され前記転動体が内設された空隙部内に充填された導電性グリースと、を備える転がり軸受において、 前記導電性グリースは、1?10wt%のカーボンブラックと、5?20wt%の増ちょう剤と、5?10wt%の正リン酸エステル又は亜リン酸エステルと、を含有するとともに、 前記内輪の軌道面,前記外輪の軌道面,及び前記転動体の転動面に形成された酸化膜の厚さが100nm以下であることを特徴とする転がり軸受。 【請求項2】 前記カーボンブラックと前記増ちょう剤との総量が6?20.1wt%であることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、優れた導電性を有する(内外輪間の抵抗値が低い)とともに、導電性の経時的な低下が生じにくい転がり軸受に関する。 【0002】 【従来の技術】 一般情報機器、例えば複写機においては、その可動部分には多数の転がり軸受が使用されている。該転がり軸受の軌道面と転動体との間には回転中は油膜が形成されていて、前記軌道面と前記転動体とは非接触となっている。このような転がり軸受においては回転に伴って静電気が発生するため、その放射ノイズが複写機の複写画像に歪み等の悪影響を及ぼす等の不都合が生じる場合がある。 【0003】 このような不都合を回避するため、導電性グリースを転がり軸受に封入することにより内外の軌道輪及び転動体を導電状態にするとともに、前記内外の軌道輪のうち一方を接地することにより、静電気を該転がり軸受から除去するという対策が取られている。 このことを図8を参照しながら説明する。 【0004】 図8の玉軸受121は、外輪122と、内輪123と、外輪122と内輪123との間に転動自在に配設された複数の玉124と、複数の玉124を保持する保持器125と、外輪122のシールみぞ122bに取り付けられた接触形のシール126,126と、で構成されている。また、外輪122と内輪123とシール126,126とで囲まれた空間には導電性グリース127が充填され、シール126により玉軸受121内部に密封されている。 【0005】 そして、この導電性グリース127によって、前記両輪122,123の軌道面122a,123aと玉124との接触面が潤滑されるとともに、外輪122と内輪123と玉124とが導電状態となっている。さらに、外輪122又は内輪123は、この玉軸受121が使用されている情報機器、例えば複写機等の本体を通して接地されていて(図示せず)、玉軸受121の回転により発生する静電気が除去されるようになっている。 【0006】 導電性グリースとしては、カーボンブラックを増ちょう剤及び導電性付与添加剤として添加したものが主流であり(例えば、特公昭63-24038号公報に記載のもの)、このような導電性グリースは初期には優れた導電性を示す。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、本発明者らは、上記のような従来の導電性グリースは、その導電性が経時的に低下して行く場合があることを確認した。 このような現象の原因としては、従来は以下のようなことが考えられていた。すなわち、導電性グリースは当初は転がり軸受の軌道輪の軌道面と転動体との接触面に十分に存在していて、その導電性グリース中のカーボンブラックにより、前記軌道輪と前記転動体との間の導電性が確保されているものの、前記軌道輪と前記転動体との相対運動により前記導電性グリースが前記接触面から排除されたり、カーボンブラック粒子のチェーンストラクチャーが破壊されたりすることにより、導電性が経時的に低下して行くと考えられていた。 【0008】 また、接触面から排除された導電性グリースが再度接触面に入りにくいのは、この種のグリースのちょう度が低いことと、導電性付与添加剤が基油に不溶の微粒子であることによると考えられていた。 しかしながら、本発明者らが鋭意検討した結果、導電性(抵抗値)の経時変化は下記のような要因によって生じるものと推察するに至った。 【0009】 従来のカーボンブラックを含有する導電性グリースを封入した転がり軸受(内径8mm、外径22mm、幅7mmの玉軸受)を回転試験(Fr=19.6N、回転数150rpm、回転時間500時間)に供し、該回転試験後の転がり軸受の軌道面をオージェ電子分光分析により調査した。その結果、前記軌道面に酸化膜が生成していることが認められた。このことから、導電性の経時変化の原因は導電性グリースの性能劣化ではなく、絶縁性を有する酸化膜が軌道面に形成したことによるものであると考えられる。 【0010】 すなわち、転動体の表面と軌道面との金属接触により、軌道面に微小な損傷が生じる。この損傷部分には新生面が露出するが、この新生面は活性が高いため、空気中の酸素等により直ちに酸化され酸化膜が形成される。この酸化膜が導電性を低下させ、結果として経時的な抵抗値の上昇が見られることとなる。 そこで、本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、導電性の経時的な低下が生じにくい転がり軸受を提供することを課題とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】 前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明の転がり軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動自在に配設された複数の転動体と、前記内輪と前記外輪との間に形成され前記転動体が内設された空隙部内に充填された導電性グリースと、を備える転がり軸受において、前記導電性グリースは、1?10wt%のカーボンブラックと、5?20wt%の増ちょう剤と、5?10wt%の正リン酸エステル又は亜リン酸エステルと、を含有するとともに、前記内輪の軌道面,前記外輪の軌道面,及び前記転動体の転動面に形成された酸化膜の厚さが100nm以下であることを特徴とする。 【0012】 このような構成であれば、前記内輪の軌道面,前記外輪の軌道面,及び前記転動体の転動面に形成された酸化膜の厚さが小さいので、転がり軸受の導電性が経時的に低下することを抑制することができる。 なお、前記酸化膜の厚さは、転がり軸受内部に充填される前記導電性グリースの種類によって影響を受ける傾向があるが、その種類は特に限定されるものではない。 【0013】 以下に、前記導電性グリースが備える各成分について説明する。 〔導電性付与添加剤〕 導電性グリースに添加される導電性付与添加剤としては、導電性を備えた粉末が好適に使用され、その代表例としてはカーボンブラック等があげられる。また、カーボンブラックに代わるものとしては、アセチレンブラックなどの繊維状カーボンを主成分とする粒子、金,銀,銅,スズ,亜鉛,アルミニウムなどの金属粒子、酸化銀,硫化ニオブ,硝酸銀などの金属化合物粒子等があげられる。 【0014】 これらの導電性付与添加剤は、導電性の付与とともに増ちょう剤としても作用するので単独で用いることもできるが、グリースにおいて通常使用される増ちょう剤(リチウム石けん,ウレア化合物等)を、前記導電性付与添加剤に共存させてもよい。 導電性グリースにおける前記導電性付与添加剤の含有量は、0.1?10wt%であることが必要である。0.1wt%未満であると、導電性グリースの導電性が不足する。また、10wt%を超えるとグリースの性能低下(基油と増ちょう剤との分離など潤滑不良)が生じるおそれがあり、さらに、ちょう度が小さくなり導電性グリースが硬くなり、軸受などに封入し使用する場合に軸受トルクが大きくなったりする。導電性グリースに十分な導電性を付与するためには、前記導電性固体粉末は1wt%以上とすることがより好ましく、したがって1?10wt%であることがより好ましい。 【0015】 なお、前記増ちょう剤を添加する場合は、その含有量は5?20wt%とすることが好ましい。5wt%未満であると、軸受中のグリースが漏出しやすくなり、20wt%を超えるとトルクが大となる。 また、導電性グリースの潤滑性及び流動性から、前記増ちょう剤と前記導電性付与添加剤との総量は6?20.1wt%とすることが好ましい。 【0016】 〔添加剤〕 導電性グリースには、以下のような各種添加剤を添加してもよい。 導電性グリースに添加される摩耗防止添加剤としては、有機リン系化合物等があげられる。有機リン系化合物としては、例えば、一般式(RO)_(3)POで示される正リン酸エステル(TCP,TOP等)、一般式(RO)_(2)P(O)Hで示される亜リン酸ジエステルや一般式(RO)_(3)Pで示される亜リン酸トリエステルのような亜リン酸エステル等があげられる。なお、上記のRはアルキル基,アリール基,アルキルアリール基を示す。 【0017】 また、極圧添加剤としては、Zn-DTP(ジチオリン酸亜鉛),Mo-DTP(ジチオリン酸モリブデン)等のDTP金属化合物、Ni-DTC,Mo-DTC等のDTC金属化合物、イオウ,リン,塩素等を含む有機金属化合物などがあげられる。 さらに、油性剤としては、アミン系化合物、オレイン酸,コハク酸エステル等の有機脂肪酸化合物、アルケニルコハク酸無水物等のカルボン酸無水物などがあげられる。 【0018】 これらの中から、亜リン酸エステル,TCP,TOP,DTP金属化合物,及びDTC金属化合物の化学構造式を図1に示す。これらの構造式中のR以外の官能基(図1において破線により囲まれた部分の官能基)は、軌道面等を構成する金属に対して吸着作用を有していて、そのため前記化合物が軌道面等に吸着される。このことにより潤滑性が高められるので、軌道面等に金属接触による微小な損傷が生じることが防止されて、導電性を維持する効果が発揮される。 【0019】 なお、図1において破線により囲まれた部分の官能基以外の官能基で上記の作用を有するものとしては、例えば、油性剤であるオレイン酸,コハク酸エステル等の有機脂肪酸化合物やアルケニルコハク酸無水物等のカルボン酸無水物中に含まれる官能基、すなわち、カルボキシル基,酸無水物基があげられる。 前記導電性グリースにおいては、摩耗防止添加剤,極圧添加剤,及び油性剤のうち少なくとも1種を0.1?10wt%含有することが好ましい。0.1wt%未満であると、導電性の経時的な低下を抑える効果が不十分となり、また、10wt%を超えて添加すると、軌道面等の金属部分に腐食等の悪影響を及ぼすおそれがある。なお、導電性の経時的な低下をより長期間にわたって抑えるためには、0.5?7wt%とすることがより好ましい。 【0020】 そして、導電性の経時的な低下をさらに長期間にわたって抑えるためには、摩耗防止添加剤と油性剤とを併用することが好ましい。例えば、摩耗防止添加剤として亜リン酸エステル、油性剤としてカルボン酸無水物を用いた場合は、導電性の経時的な低下を抑える効果が特に優れている。 〔基油〕 導電性グリースに使用される基油としては、鉱油,ポリ-α-オレフィン油(PAO)等の合成炭化水素油,エステル油,フッ素油,エーテル油,ポリグリコール油などがあげられ、これらは単独又は2種以上混合して用いることができる。ただし、エステル油等のような極性の高い基油は、転がり軸受の周辺に使用される場合がある樹脂やトナーへ悪影響を与えるおそれがあるため、不適当である場合がある。 【0021】 前記基油は、粘度が大きくなりすぎると導電性に悪影響を及ぼすので、40℃における動粘度は120mm^(2)/sec以下が好ましい。120mm^(2)/secを超えると、油膜が比較的厚くなって抵抗値が大きくなる。ただし、動粘度が5mm^(2)/sec未満であると、蒸発損失や潤滑性の問題から適当ではない。すなわち、基油の粘度が低すぎると、例えば軸受の回転中に軌道面と転動体との金属接触を避けるのに十分な潤滑油膜の形成が困難となる。なお、前記効果をより良好なものとするためには、前記基油の40℃における動粘度は15?60mm^(2)/secであることがより好ましい。 【0022】 なお、導電性グリースにおける基油の含有量は、導電性グリース全量から導電性付与添加剤,摩耗防止添加剤,極圧添加剤,油性剤,増ちょう剤などを差し引いた部分が基油となるから、75?90wt%とすることが好ましい。 本発明は、転がり軸受に限らず、ボールねじ,リニアガイド,直動ベアリングのような転動装置に適用することも可能である。すなわち、本発明の転動装置は、ボールねじ,リニアガイド,直動ベアリングのうちいずれかの転動装置において、相対運動する部材間に形成され転動体が内設された空隙部内に、導電性付与添加剤を含有する導電性グリースを充填し、前記相対運動する部材の軌道面及び前記転動体の転動面に形成された酸化膜の厚さを100nm以下としたことを特徴とする。 【0023】 【発明の実施の形態】 本発明に係る転がり軸受の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図2は、本発明に係る転がり軸受の一実施形態である玉軸受の構造を示す縦断面図である。 この玉軸受21は、外輪22と、内輪23と、外輪22と内輪23との間に転動自在に配設された複数の玉24と、複数の玉24を保持する保持器25と、外輪22のシールみぞ22bに取り付けられた接触形のシール26,26と、で構成されている。また、外輪22と内輪23とシール26,26とで囲まれた空間には導電性グリース27が充填され、シール26により玉軸受21内部に密封されている。 【0024】 そして、この導電性グリース27によって、前記両輪22,23の軌道面22a,23aと玉24との接触面が潤滑されるとともに、外輪22と内輪23と玉24とが導電状態となっている。さらに、外輪22又は内輪23が接地されていて(図示せず)、玉軸受21の回転により発生する静電気が除去されるようになっている。 【0025】 導電性グリース27は、基油としてポリ-α-オレフィン油(40℃における動粘度は30.0mm^(2)/sec)を使用し、それに増ちょう剤としてリチウム石けんを7wt%、導電性付与添加剤としてカーボンブラックを5.0wt%、摩耗防止添加剤として亜リン酸エステル化合物を5.0wt%、それぞれ添加したものである(残部が基油)。 【0026】 このような玉軸受21は、前記両輪22,23の軌道面22a,23a及び玉24の転動面24aの表面に形成されている図示しない酸化膜の厚さが100nm以下とされているので、優れた導電性を有する(前記両輪22,23間の抵抗値が低い)とともに、導電性の経時的な低下が生じにくい。 また、導電性グリース27は、導電性とともに優れた潤滑性を有しているので、玉軸受21の軌道面22a,23aと玉24との金属接触が生じにくく、軌道面22a,23aや転動面24aに酸化膜が生成しにくい。その結果、導電性の経時的な低下が生じにくい。 【0027】 また、シール26を導電性ゴムで構成する等の手法により、シール26にも導電性を保持させれば、導電性の経時的な低下をより抑制することがでる。 よって、このような玉軸受21は、複写機,レーザープリンタ等の事務機器の静電気対策として顕著な有効性を発揮するものである。 なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。 【0028】 例えば、本実施形態においては、転がり軸受の例として玉軸受をあげて説明したが、本発明の転がり軸受は、他の種類の様々な転がり軸受に対して適用することができる。例えば、アンギュラ玉軸受,円筒ころ軸受,円すいころ軸受,針状ころ軸受,自動調心ころ軸受等のラジアル形の転がり軸受や、スラスト玉軸受,スラストころ軸受等のスラスト形の転がり軸受である。 【0029】 また、本発明は、転がり軸受に限らず、ボールねじ,リニアガイド,直動ベアリング等のような相対運動する部材を備えた転動装置に適用することも可能である。 次に、上記の玉軸受21とほぼ同様な数種の玉軸受について、回転中の内外輪間の抵抗値を測定して、導電性が経時変化する程度を評価した結果について説明する。 【0030】 まず、抵抗値を測定する装置について、図3の概略構成図を参照しながら説明する。 図3中、符号1は測定対象の玉軸受を表し、その内輪1aに取付けられた軸部材2をモータ3によって回転駆動することによって、軸受1を回転するように構成されている。そして、内輪1aと一体となっている軸部材2と外輪1bとの間に、定電圧電源4によって所定の定電圧が印加されるとともに、当該定電圧電源4と並列に抵抗測定装置5が接続されている。 【0031】 抵抗測定装置5は、測定した電圧値(アナログ値)をA/D変換回路6に出力する。A/D変換回路6は、予め設定されたサンプリング周期でデジタル値に変換し、当該変換したデジタル信号を演算処理装置7に出力する。本実施形態では、サンプリング周期として50kHz(サンプリング時間間隔=0.02ms)に設定してある。 【0032】 演算処理装置7は、最大抵抗値演算部7Aと、閾値処理部7Bと、波数カウント部7Cとを備える。最大抵抗値演算部7Aは、入力したデジタル信号に基づき最大抵抗値を演算する。閾値処理部7Bは、入力したデジタル信号について所定閾値で閾値処理を行い雑音を除去する。波数カウント部7Cは、閾値処理部7Bからのパルスカウントについて、経時的なパルス値の増減変化によって、所定時間単位毎の変動回数つまり波山の波数をカウントし、その単位時間当たりの波数の平均値を求める。また演算処理装置7は、求めた最大抵抗値及び単位時間当たりの波数の平均値を表示装置8に出力する。 【0033】 本実施形態では、上記波数をカウントする単位時間を0.328秒に設定してある。 表示装置8はディスプレイなどから構成され、演算処理装置7が求めた最大抵抗値及び単位時間当たりの波数の平均値を表示する。 次に、上記構成の装置を使用した、玉軸受1の抵抗値評価の方法について説明する。 【0034】 モータ3を駆動して軸部材2つまり内輪1aを所定回転速度で回転させた状態で、定電圧電源4から軸受1の内外輪1a,1b間に所定の定電圧を印加する。このとき、内外輪1a,1b間に電流が流れるが、スパーク等によって電圧が変動する。その電圧が抵抗測定装置5で測定され、続いてA/D変換回路6によってデジタル値に変換され、そのデジタル信号に基づいて、演算処理装置7が、最大抵抗値及び所定単位時間当たりの波数を求め、その値が表示装置8に表示される。 【0035】 封入するグリースの種類を変えた4種類の軸受(実施例1,2及び比較例1,2)を用意し、上記構成の装置を使用して、各軸受について、回転中の内外輪1a,1b間の抵抗値(最大値)を100時間毎に測定した。 ここで、4種類の軸受は共に内径8mm、外径22mm、幅7mmの玉軸受である。また、4種類のグリースの構成と物性(混和ちょう度及び体積抵抗率)は表1に示す通りであり、玉軸受への封入量は155?165mgである。 【0036】 【表1】 【0037】 測定条件を以下に示す。 軸部材2の回転数:150rpm 軸受1に与えるラジアル荷重(Fr):19.6N 回転時間 :500時間 印可電圧 :6.2V 最大電流 :100μA 雰囲気温度:25℃ 雰囲気湿度:50%RH そして、サンプリング周期は50kHz、0.328秒で行った。 【0038】 次に、結果を図4のグラフに示して、その内容を考察する。なお、図4のグラフにおいては、実施例1の結果を菱形印(◆)、参考例2の結果を三角印(▲)、比較例1の結果を四角印(■)、比較例2の結果をバツ印(×)で示した。 実施例1及び参考例2はカーボンブラックを含有する導電性グリースを備えた軸受であるが、図4に示したように、これらは初期の抵抗値が低い。これは、カーボンブラックを含有することにより、グリースの体積抵抗率が小さくなったことによる(表1参照)。しかし、カーボンブラックは含有するが摩耗防止添加剤は含有しない導電性グリースを備えた軸受である参考例2は、経時的な抵抗値の上昇が若干見られた。 【0039】 また、カーボンブラックを含有しないグリースを使用した比較例1及び比較例2の場合は、初期から抵抗値が大きい。このような軸受は、放射ノイズを誘導し、複写機やプリンタ等に使用された場合に、複写画像や印刷画像等の画像系に歪み等の悪影響を及ぼすおそれがある。 なお、実施例1の軸受のグリースにおいては、カーボンブラックの含有量は5wt%で、増ちょう剤の含有量は7wt%であり、その総量は12wt%である。このグリースと同程度の混和ちょう度及び潤滑性が得られる含有量の組合せとしては、カーボンブラック及び増ちょう剤を、1wt%及び11wt%とする場合、3wt%及び9wt%とする場合、7wt%及び3wt%とする場合(2wt%分は基油を多くする)が、それぞれ考えられる。 【0040】 次に、実施例1の軸受において、摩耗防止添加剤の添加量と、軌道面の酸化膜の厚さ及び玉軸受の抵抗値との関係について検討した結果を、図5のグラフを参照しながら説明する。なお、グラフの横軸は摩耗防止添加剤の添加量を示し、右側の縦軸は酸化膜の厚さを、左側の縦軸は軸受抵抗の最大値(回転500時間後の値)を示す。また、このグラフにおいては、酸化膜の厚さに関するデータを■印で示し、抵抗値に関するデータを◆印で示している。 【0041】 この酸化膜の厚さは、オージェ電子分光分析装置を用いて測定した。すなわち、試料表面に電子線を照射して、該試料表面から放出されるオージェ電子のエネルギー解析を行うことによって、該試料表面の元素分析(定性的分析及び定量的分析)を行うものである。そして、アルゴンイオン(Ar^(+))で該試料表面をスパッタしながら測定を行うことによって、深さ方向についても分析が可能となっている。 【0042】 オージェ電子分光分析により得られた測定チャートの一例を、図6に示す。表面からの深さが0nmに近い地点、すなわち軌道面の表面付近は、酸素オージェ電子の強度(測定チャートにおいて■印で示したもの)が強く、鉄オージェ電子の強度(測定チャートにおいて◆印で示したもの)が小さくなっている。そして、表面から深くなるにしたがって酸素オージェ電子の強度が小さくなっている。酸素オージェ電子の強度がバックグラウンドまで下がった地点(矢印で指し示した点)が、酸化膜の端部であり、その深さがすなわち酸化膜の厚さである。図6の例では、酸化膜の厚さは97nmである。 【0043】 図5のグラフから、摩耗防止添加剤の添加量が0.1?10wt%であると、玉軸受を500時間運転した後も、酸化膜の厚さが100nm以下となっていることが分かる。そして、酸化膜の厚さが100nm以下であると、玉軸受の抵抗値が低くなっていることが分かる。 次に、実施例1の軸受においてカーボンブラックの添加量を変化させたグリースを使用して、抵抗値の測定を行った結果について、図7を参照しながら説明する。なお、図7の抵抗値は初期の値である。 【0044】 カーボンブラックは0.1wt%程度の極少量でも導電性の付与に効果があるため、カーボンブラックの添加量を制限して、増ちょう剤をその分添加すれば、カーボンブラックの分散状態を経時的に良好に保つことができる。ただし、添加量を1wt%以上とすれば、抵抗値を十分に小さくできることがわかる。 しかし、カーボンブラックの添加量が多すぎると、導電性の元となるカーボンブラックの網目構造が破壊されて早期に導電性能が変化しやすい。この網目構造の破壊は、グリース漏れや油分離を引き起こしやすくするという問題も引き起こす。また、グリースの適度なちょう度を得るためには、カーボンブラックの添加量は10wt%以下が好ましい。 【0045】 すなわち、カーボンブラックの添加量が多くなると、ちょう度が小さくなり、グリースが硬くなる。表1のグリースの混和ちょう度が約250であったのに対し、カーボンブラックを15wt%添加すると混和ちょう度が200以下となることから、余裕も考慮して、カーボンブラックの添加量は10wt%以下が好ましい。 【0046】 【発明の効果】 以上のように、本発明の転がり軸受は、優れた導電性を有するとともに、導電性の経時的な低下が生じにくい。 【図面の簡単な説明】 【図1】各種添加剤の化学構造式を示す図である。 【図2】本発明に係る転がり軸受の一実施形態である玉軸受の構造を示す部分縦断面図である。 【図3】抵抗値を測定する装置の概略構成図である。 【図4】玉軸受の回転時間と軸受抵抗の最大値との相関を示すグラフである。 【図5】摩耗防止添加剤の添加量と、酸化膜の厚さ及び軸受抵抗の最大値との相関を示すグラフである。 【図6】玉軸受の軌道面のオージェ電子分光分析測定チャートである。 【図7】導電性付与添加剤の添加量と軸受抵抗の最大値との相関を示すグラフである。 【図8】従来の導電性グリースを備えた玉軸受の構造を示す部分縦断面図である。 【符号の説明】 21 玉軸受 22 外輪 22a 軌道面 23 内輪 23a 軌道面 24 玉 24a 転動面 27 導電性グリース |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2018-10-24 |
結審通知日 | 2018-10-26 |
審決日 | 2018-11-06 |
出願番号 | 特願2001-94258(P2001-94258) |
審決分類 |
P
1
41・
851-
Y
(F16C)
P 1 41・ 855- Y (F16C) P 1 41・ 853- Y (F16C) P 1 41・ 856- Y (F16C) P 1 41・ 854- Y (F16C) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 冨岡 和人 |
特許庁審判長 |
平田 信勝 |
特許庁審判官 |
小関 峰夫 尾崎 和寛 |
登録日 | 2007-02-23 |
登録番号 | 特許第3918446号(P3918446) |
発明の名称 | 転がり軸受 |
代理人 | 松山 美奈子 |
代理人 | 松山 美奈子 |