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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G02B
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G02B
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 G02B
管理番号 1347053
審判番号 不服2017-16729  
総通号数 230 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-02-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-11-10 
確定日 2018-12-06 
事件の表示 特願2015-162635「光学部品、及びそれを備えた光学装置」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 2月23日出願公開、特開2017- 40791〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本件出願は、平成27年8月20日の出願であって、その手続等の経緯は、概略、以下のとおりである。
平成29年 3月 8日付け:手続補正書
平成29年 5月23日付け:拒絶理由通知書
平成29年 8月 3日付け:意見書、手続補正書
平成29年 8月 9日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
平成29年11月10日付け:審判請求書、手続補正書

第2 補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成29年11月10日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について
(1)本件補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである。
「 エポキシ化合物(A)として下記式(a’)
【化1】

[式中、R^(1)?R^(18)は同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭化水素基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示す。Xはエステル結合を含む連結基を示す]
で表される化合物を含有する硬化性組成物の硬化物からなる光学部品であって、前記光学部品がレンズであり、当該レンズの外縁部に厚み0.1mm以下のコーティング層を少なくとも1層有する、最大厚み2mm以下、平面視における最大幅10mm以下の光学部品。」

(2)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである。なお、下線は、当合議体が付したものであり、補正箇所を示す。
「 エポキシ化合物(A)として下記式(a)
【化1】

[式中、R^(1)?R^(18)は同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭化水素基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示す。Xは単結合又は連結基(エステル結合を含む連結基を除く)を示す]
で表される化合物と下記式(a’)
【化2】

[式中、R^(1)?R^(18)は前記に同じ。X’はエステル結合を含む連結基を示す]
で表される化合物を含有する硬化性組成物(分子内に2以上のエポキシ基を有するシロキサン化合物を含む場合を除く)の硬化物からなる光学部品であって、前記光学部品がレンズであり、当該レンズの外縁部に厚み0.1mm以下の、樹脂と着色剤とを含むコーティング層を少なくとも1層有する、最大厚み2mm以下、平面視における最大幅10mm以下の光学部品。」

2 補正の適否
(1)新規事項違反
本件補正は、「エポキシ化合物(A)」を、[1]連結部分(X)が「単結合又は連結基(エステル結合を含む連結基を除く)」である「式(a)で表される化合物」と、[2]連結部分(X’)が「エステル結合を含む連結基」である「式(a’)で表される化合物」の2種類とした上で、「硬化性組成物」を、上記[1]の「式(a)で表される化合物」と、上記[2]の「式(a’)で表される化合物」が組み合わせられたものとする補正を含むものである。
そこで、このような補正を含む本件補正が、願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)に記載した範囲内でしたものであるかについて検討すると、以下のとおりである。

ア 当初明細書等の記載
エポキシ化合物(A)の連結部分(X,X’)に関して、当初明細書等には、概略、以下の記載がある。

(ア)「【0034】
上記式(a)におけるXは、単結合又は連結基(1以上の原子を有する2価の基)を示す。上記連結基としては、例えば、2価の炭化水素基、炭素-炭素二重結合の一部又は全部がエポキシ化されたアルケニレン基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、アミド基、及びこれらが複数個連結した基等を挙げることができる。」

(イ)「【0037】
上記式(a)で表される化合物の代表的な例としては、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(3,4-エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、(3,4,3’,4’-ジエポキシ)ビシクロヘキシル、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、1,2-エポキシ-1,2-ビス(3,4-エポキシシクロヘキサン-1-イル)エタン、2,2-ビス(3,4-エポキシシクロヘキサン-1-イル)プロパン、1,2-ビス(3,4-エポキシシクロヘキサン-1-イル)エタン等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらは硬化の際の収縮率又は膨張率が小さい点で好ましい。」

(ウ)「【実施例】
【0123】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
・・・(中略)・・・
【0128】
合成例1?3
下記表1に示す処方(単位:重量部)に従って各成分を混合して硬化性組成物を得た。
・・・(中略)・・・
【0139】
実施例3?5
コーティング材、及びコーティング層厚みを表に記載の通りに変更し、コーティング材の変更に伴い、コーティング層の形成方法を下記のように変更した以外は実施例1と同様に行って、個片化物を得、外観、光学特性、遮光性、及び耐熱性を評価した。
・・・(中略)・・・
【0143】
比較例1
実施例1において得られたコーティング層を設ける前の硬化物(表面処理済み個片化物)について、外観、光学特性、遮光性、及び耐熱性を同様に評価した。
【0144】
【表1】

【0145】
上記表1における略称は、以下の通りである。
<硬化性化合物>
CELLOXIDE2021P:3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(3,4-エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、分子量252、商品名「セロキサイド2021P」、(株)ダイセル製
(a-1):調製例1で得られた化合物、(3,4,3’,4’-ジエポキシ)ビシクロヘキシル、分子量194
(a-2):調製例2で得られた化合物、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、分子量238
OXT101:3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、分子量116、商品名「アロンオキセタンOXT-101」、東亞合成(株)製
YX8000:水素化ビスフェノールA型エポキシ化合物、分子量353、商品名「YX8000」、三菱化学(株)製
<表面改質剤>
BYK-333:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、商品名「BYK-333」、ビッグケミー・ジャパン(株)製
<カチオン重合開始剤>
CPI-101A:ジフェニル[4-(フェニルチオ)フェニル]スルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、商品名「CPI-101A」、サンアプロ(株)製」

イ 当合議体の判断
エポキシ化合物(A)の連結部分(X,X’)についてみると、当初明細書等には、種々の連結基が、エステル結合を含むものとそれ以外とを区別することなく、列挙されているにとどまる(【0034】)。また、エポキシ化合物(A)の組み合わせについてみても、代表例としての種々の化合物がエステル結合を含むものとそれ以外とを区別することなく、組み合わせて使用することができるとされているにとどまる(【0037】)。
そうしてみると、これら記載に接した当業者が、これら化合物を、「エステル結合を含む化合物」(式(a’)で表される化合物)と「それ以外の化合物」(式(a)で表される化合物)の2種類に分けて理解することができない。とりわけ、当業者は、「エステル結合を含む化合物」に該当しないものを概括して、「それ以外の化合物」として理解することができない。したがって、当業者は、「エステル結合を含む化合物」と「それ以外の化合物」の組み合わせについても、理解することができない。

この点は、実施例についてみても、同様である。
当初明細書等には、実施例として、「CELLOXIDE2021P」、「化合物(a-1)」、「OXT101」、「YX8000」、「BYK-333」及び「CPI-101A」が組み合わせられた硬化性組成物、並びに、「CELLOXIDE2021P」、「化合物(a-2)」、「OXT101」、「YX8000」、「BYK-333」及び「CPI-101A」が組み合わせられた硬化性組成物が記載されている(【0144】)。そして、当業者ならば、「CELLOXIDE2021P」がエステル結合を含む化合物に該当すること、並びに、「化合物(a-1)」及び「化合物(a-2)」がエステル結合を含む化合物に該当しないことを、事後的に指摘を受けることにより、理解可能である。
しかしながら、当初明細書等には、「エステル結合を含む化合物」と「それ以外の化合物」という概念それ自体が記載されていない。まして、「エステル結合を含む化合物」と「それ以外の化合物」という概念と、実施例のこれら化合物とを関連付ける記載もない。そうしてみると、たとえ実施例の化合物の記載に接した当業者といえども、これら化合物を「エステル結合を含む化合物」と「それ以外の化合物」の2種類に分けて理解することができない。とりわけ、当業者は、「化合物(a-1)」及び「化合物(a-2)」を概括して、エステル結合を含む化合物に該当しない「それ以外の化合物」として理解することができない。したがって、当業者は、実施例の硬化性組成物を、「エステル結合を含む化合物」と「それ以外の化合物」の組み合わせを含むものとして、理解することができない。
【0144】には、化合物が、調整例及び商品名の略称で特定されている。したがって、当業者が、仮に、これら化合物を分けて理解することがあるとしても、高々、調整例による化合物と市販されている化合物に分けて考えることができるにとどまる。また、当業者が、仮に、これら化合物を組み合わせるという観点から理解したとしても、高々、市販されている化合物と、調整例による化合物を組み合わせて良いと理解する程度にとどまる。
以上のとおりであるから、本件補正は、当初明細書等に記載した事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるということができない。

なお、請求人は、本件補正発明に関して、「本願発明では、光学部品を形成する硬化性組成物が、エポキシ化合物として、式(a)で表される化合物と式(a’)で表される化合物とを共に含有し、前記式(a’)で表される化合物は親水性基であるエステル結合を有するため親水性を示し、一方、親水性基であるエステル結合を有さない式(a)で表される化合物は疎水性を示します。すなわち、本願発明における硬化性組成物は親水性を示す硬化性化合物と疎水性を示す硬化性化合物とを併せて有するため、前記硬化性組成物の硬化物である光学部品は、コーティング層が親水性を示すものであっても、また、疎水性を示すものであっても、例えば式(a)で表される化合物と式(a’)で表される化合物の配合割合を調整することで親和性を示すことができ、優れた密着性を示すことができます。」と主張している(審判請求書(a)本願発明の説明)。
しかしながら、当初明細書等には、このような技術的事項は、何ら記載されていない。また、当初明細書には、「親水性」や「疎水性」という用語は記載されておらず、実施例1?実施例5においても式(a)で表される化合物と式(a’)で表される化合物の配合割合は一定である(【0144】の表1)から、当初明細書等に、上記の技術的事項が示唆されているともいえない。
請求人の上記主張を考慮すると、なおさら、本件補正は、当初明細書等に記載した事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるということができない。
以上のとおり、本件補正は、特許法17条の2第3項の規定に違反するものであり、同法159条1項で読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下されるべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

仮に、本件補正が当初明細書等に記載された事項の範囲内においてするものであって、特許法17条の2第3項に規定する要件を満たすものであるとした場合、本件出願の明細書の【0001】及び【0006】の記載からみて、本件補正前の請求項1に係る発明と、本件補正後の請求項1に係る発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正は、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに相当する。
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が同条6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

(2)進歩性違反
ア 引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用され、本件出願の出願前に電気回線を通じて公衆に利用可能となった国際公開第2015/098736号(以下「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている。なお、下線は、当合議体が付したものであり、引用発明の認定に活用した箇所を示す。

(ア)「技術分野
[0001] 本発明は、金型を用いてレンズを製造する用途に適した硬化性組成物(レンズ用硬化性組成物)、前記レンズ用硬化性組成物を硬化して得られるレンズ、及び前記レンズを搭載した光学装置に関する。本願は、2013年12月26日に日本に出願した、特願2013-269397号、及び2014年10月30日に日本に出願した、特願2014-221123号の優先権を主張し、その内容をここに援用する。
・・・(中略)・・・
[0005] 本発明者等は脂環エポキシ基を有するカチオン硬化性化合物を使用すると、耐熱性に優れ且つ光学特性に優れたレンズが得られることを見いだした。しかし、ウェハレベルレンズ等の小型化、軽量化、薄肉化されたレンズやフレネルレンズ等の特殊な形状を有するレンズを金型を用いて製造する場合、金型に硬化性組成物を充填する際に「泡噛み」が発生し易く、「泡噛み」により金型の転写精度が低下することがわかった。
・・・(中略)・・・
課題を解決するための手段
[0007] 本発明者等は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定のエポキシ化合物、及び特定のポリシロキサンを含む硬化性組成物は、金型との濡れ性を向上することができ、硬化性組成物を金型に充填する際に「泡噛み」の発生を防止することができること、優れた硬化性を有し、耐熱性、光学特性、及び金型の転写精度に優れたレンズが得られることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
・・・(中略)・・・
発明の効果
[0029] 本発明のレンズ用硬化性組成物は上記構成を有するため、金型との濡れ性を向上することができ、硬化性組成物を金型に充填する際に「泡噛み」の発生を防止することができる。その上、硬化性に優れ、耐熱性、光学特性(透明性、高屈折率、耐黄変性等)に優れた硬化物を形成することができる。そのため、本発明のレンズ用硬化性組成物を使用すれば、金型の転写精度に優れ、且つ耐熱性及び光学特性に優れたレンズが得られ、ウェハレベルレンズ等の小型化、軽量化、薄肉化されたレンズやフレネルレンズ等の特殊な形状を有するレンズを金型を用いて製造する用途に好適に使用することができる。
また、本発明のレンズは上記レンズ用硬化性組成物を原料とするため、金型の転写精度に優れ、且つ耐熱性及び光学特性に優れる。
更に、本発明の光学装置は前記金型の転写精度に優れ、且つ耐熱性及び光学特性に優れたレンズが搭載されているため、高い品質を有する。
[0030] 尚、本明細書において「ウェハレベルレンズ」とは、携帯電話等に使用されるカメラをウェハレベルで製造する際に使用されるレンズであり、レンズ一個のサイズは、直径が1?10mm程度、その厚みが100?2000μm程度である。
また、「フレネルレンズ」とは、通常のレンズを同心円状の領域に分割し厚みを減らしたレンズであり、のこぎり状の断面を持つ。レンズ一個のサイズは、直径が1?10mm程度、その厚みが100?2000μm程度である。」

(イ)「発明を実施するための形態
[0032]<レンズ用硬化性組成物>
本発明のレンズ用硬化性組成物(単に「硬化性組成物」と称する場合がある)は、脂環式エポキシ化合物(A)、カチオン重合開始剤(B)、及びポリシロキサン(C)を少なくとも含有し、且つ前記ポリシロキサン(C)を硬化性組成物全量(100重量%)に対して0.01?5重量%含有する。
[0033][脂環式エポキシ化合物(A)]
本発明の硬化性組成物の必須成分である脂環式エポキシ化合物(A)は、下記式(a)で表されるカチオン硬化性化合物である。但し、脂環式エポキシ化合物(A)には、シロキサン結合を有する化合物は含まれない。
[0034][化3]

[0035] 上記式(a)中、R^(1)?R^(18)は同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭化水素基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示す。
・・・(中略)・・・
[0045] 上記式(a)中、Xは単結合又は連接基(1以上の原子を有する二価の基;シロキサン結合を含む基を除く)を示す。上記連接基としては、例えば、二価の炭化水素基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、カーボネート基、アミド基、及びこれらが複数個連接した基等を挙げることができる
・・・(中略)・・・
[0047] 上記Xにおける連接基としては、特に、酸素原子を含有する連接基が好ましく、具体的には、-CO-、-O-CO-O-、-COO-、-O-、-CONH-;これらの基が複数個連接した基;これらの基から選択される1又は2以上と上記二価の炭化水素基から選択される1又は2以上とが連接した基等を挙げることができる。
[0048] 上記式(a)で表される脂環式エポキシ化合物の代表的な例としては、(3,4,3’,4’-ジエポキシ)ビシクロヘキシル、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、1,2-エポキシ-1,2-ビス(3,4-エポキシシクロヘキサン-1-イル)エタン、2,2-ビス(3,4-エポキシシクロヘキサン-1-イル)プロパン、1,2-ビス(3,4-エポキシシクロヘキサン-1-イル)エタンや、下記式(a-1)?(a-10)で表される化合物等を挙げることができる。尚、下記式(a-5)、(a-7)中のn^(1)、n^(2)は、それぞれ1?30の整数を表す。下記式(a-5)中のLは炭素数1?8のアルキレン基であり、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、s-ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を挙げることができる。これらの中でも、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン基等の炭素数1?3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。下記式(a-9)、(a-10)中のn^(3)?n^(8)は、同一又は異なって1?30の整数を示す。
[0049][化4]

[化5]

[0050] 本発明の硬化性組成物において、脂環式エポキシ化合物(A)は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。脂環式エポキシ化合物(A)は、公知乃至慣用の方法により製造できる
[0051] 脂環式エポキシ化合物(A)としては、なかでも、硬化性に優れ、耐熱性、光学特性、耐湿性、低収縮性、低線膨張性等に優れる硬化物を得ることができる点から、(3,4,3’,4’-ジエポキシ)ビシクロヘキシル、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、及び2,2-ビス(3,4-エポキシシクロヘキサン-1-イル)プロパンから選択される少なくとも1種を必須成分とすることが好ましい。
・・・(中略)・・・
[0124]<レンズの製造方法>
本発明のレンズの製造方法は、下記工程を有する。
工程1:上記レンズ用硬化性組成物をレンズ成型用金型に充填する工程
工程2:光照射して前記硬化性組成物を硬化させる工程」
[0125] 成型に用いるレンズ成型用金型の材質は特に限定されず、例えば、金属、ガラス、プラスチック、シリコン等のいずれであってもよいが、なかでもシリコン金型を使用することが好ましい。本発明においては上記レンズ用硬化性組成物を使用するため、金型に対して優れた濡れ性を有し、硬化性組成物を充填する際に「泡噛み」の発生を抑制することができ、転写精度に優れたレンズを製造することができる。
[0126] レンズ用硬化性組成物をレンズ成型用金型に充填する方法には、キャスティング成型法や射出成型法等が含まれる。工程1における充填についてキャスティング成型法を採用する場合は、本発明の硬化性組成物をレンズ成型用金型に接触させることにより充填することができ、工程1における充填について射出成型法を採用する場合は、発明の硬化性組成物をレンズ成型用金型に射出することにより充填することができる。
[0127] また、工程1においてレンズ成型用金型としてウェハレベルレンズ成型用金型を使用した場合は、ウェハレベルレンズが得られ、フレネルレンズ成型用金型を使用した場合はフレネルレンズが得られる。本発明においては金型への濡れ性に優れる上記レンズ用硬化性組成物を使用するため、ウェハレベルレンズ等の小型化、軽量化、薄肉化されたレンズやフレネルレンズ等の特殊な形状を有するレンズの成型用金型を使用しても、転写精度に優れたレンズを製造することができる。
[0128] 工程2における光照射は、例えば、水銀ランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ、メタルハライドランプ、太陽光、電子線源、レーザー光源、LED光源等を使用し、積算照射量が例えば500?5000mJ/cm^(2)となる範囲で照射することにより行うことができる。本発明ではLED光源のような単波長光源(例えば、350?450nmのUV-LED)を使用することで、透明性の高い光学特性に優れたレンズを製造することができる。
[0129] また、工程2では、光照射後に更にアニール処理を施してもよい。アニール処理は、例えば、100?200℃の温度で30分?1時間程度加熱することにより行われる。アニール処理は、レンズ成型用金型を外してから実施してもよく、外すことなく実施してもよい。本発明の硬化性組成物の硬化物は100?200℃程度の高温環境下でも優れた耐熱性を有し、形状保持性に優れる。このため、レンズ成型用金型から外した後にアニール処理を施してもレンズピッチにズレを生じることがなく、優れたレンズ中心位置精度を有するレンズを効率よく製造することができる。
[0130] 更に、工程1において2個以上のレンズ型を有するレンズ成型用金型を使用する場合(同時成型法)は、工程2に付すことにより2個以上のレンズが連接した連接レンズが得られる。その場合は、得られた連接レンズを切断し、必要に応じて余分な部分を除去することによって、レンズを得ることができる。
[0131] 前記2個以上のレンズ型を有するレンズ成型用金型は、レンズ型が規則正しく配列(整列)されていてもよいし、ランダムに配列されていてもよい。
[0132] また、連接レンズの切断は、公知乃至慣用の加工手段等により実施でき、連接レンズを1枚ずつ切断してもよいし、2枚以上積層した状態で切断してもよい。本発明のレンズの製造方法で得られるレンズは金型の転写精度に優れるため、連接レンズを複数枚重ね、最上部の連接レンズを基準に切断ラインの位置を決定して切断することにより、複数のレンズを破損することなく分離させることができ、コストの削減及び作業の効率化が可能である。
[0133] 上記製造方法により製造される本発明のレンズには、ウェハレベルレンズ、フレネルレンズ、カメラのフラッシュ用レンズ等、及びこれらのレンズが2個以上連接した連接レンズ等が含まれる。また、前記レンズ又は連接レンズが複数枚(例えば2?5枚、特に2?3枚)積層されたレンズ又は連接レンズの積層体(以後、「積層レンズ」と称する場合がある)も含まれる。
・・・(中略)・・・
[0136] さらに、本発明のレンズは、回路基板に実装する場合、リフローによって半田付け実装が可能である。このため、本発明のレンズを搭載したカメラモジュールは、携帯電話等のPCB(Printed Circuit Board)基板上に、他の電子部品の表面実装と同一の半田リフロープロセスにて、直接、非常に効率良く実装することができ、極めて効率的な光学装置の製造が可能となる。」

(ウ)「実施例
[0137] 以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[0138] 調製例1(脂環式エポキシ化合物(a-1)の調製)
95重量%硫酸70g(0.68モル)と1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7(DBU)55g(0.36モル)を撹拌混合して脱水触媒を調製した。
撹拌機、温度計、および脱水管を備え且つ保温された留出配管を具備した3リットルのフラスコに、水添ビフェノール(=4,4’-ジヒドロキシビシクロヘキシル)1000g(5.05モル)、上記で調製した脱水触媒125g(硫酸として0.68モル)、プソイドクメン1500gを入れ、フラスコを加熱した。内温が115℃を超えたあたりから水の生成が確認された。さらに昇温を続けてプソイドクメンの沸点まで温度を上げ(内温162?170℃)、常圧で脱水反応を行った。副生した水は留出させ、脱水管により系外に排出した。尚、脱水触媒は反応条件下において液体であり反応液中に微分散していた。3時間経過後、ほぼ理論量の水(180g)が留出したため反応終了とした。反応終了液を10段のオールダーショウ型の蒸留塔を用い、プソイドクメンを留去した後、内部圧力10Torr(1.33kPa)、内温137?140℃にて蒸留し、731gのビシクロヘキシル-3,3’-ジエンを得た。
[0139] 得られたビシクロヘキシル-3,3’-ジエン243g、酢酸エチル730gを反応器に仕込み、窒素を気相部に吹き込みながら、かつ、反応系内の温度を37.5℃になるようにコントロールしながら約3時間かけて30重量%過酢酸の酢酸エチル溶液(水分率0.41重量%)274gを滴下した。滴下終了後、40℃で1時間熟成し反応を終了した。さらに30℃で反応終了時の粗液を水洗し、70℃/20mmHgで低沸点化合物の除去を行い、脂環式エポキシ化合物270gを得た。得られた脂環式エポキシ化合物のオキシラン酸素濃度は15.0重量%であった。また1H-NMRの測定では、δ4.5?5ppm付近の内部二重結合に由来するピークが消失し、δ3.1ppm付近にエポキシ基に由来するプロトンのピークの生成が確認された。そのため、得られた脂環式エポキシ化合物は(3,4,3’,4’-ジエポキシ)ビシクロヘキシルであることが確認された。
[0140] 調製例2(脂環式エポキシ化合物(a-2)の調製)
5L反応器に水酸化ナトリウム(顆粒状)(499g、12.48モル)、及びトルエン(727mL)を加え、窒素置換した後に、テトラヒドロベンジルアルコール(420g、3.74モル)のトルエン(484mL)溶液を添加し、70℃で1.5時間熟成した。次いで、メタンスルホン酸テトラヒドロベンジル(419g、2.20モル)を添加し、3時間還流下で熟成させた後、室温まで冷却し、水(1248g)を加えて反応を停止し、分液した。分液した有機層を濃縮後、減圧蒸留を行うことにより、ジテトラヒドロベンジルエーテルを無色透明液体として得た(収率:85%)。得られたジテトラヒドロベンジルエーテルの1H-NMRスペクトルを測定した。
^(1)H-NMR(CDCl3):δ1.23-1.33(m,2H), 1.68-1.94(m,6H), 2.02-2.15(m,6H), 3.26-3.34(m,4H), 5.63-7.70(m,4H)
[0141] 得られたジテトラヒドロベンジルエーテル(200g、0.97モル)、20%SP-D(酢酸溶液)(0.39g)、及び酢酸エチル(669mL)を反応器に加え、40℃に昇温した。次いで、29.1%過酢酸(608g)を5時間かけて滴下し、3時間熟成した。その後、アルカリ水溶液で3回、イオン交換水で2回有機層を洗浄後、減圧蒸留を行うことにより、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)エーテルを無色透明液体として得た(収率:77%)。
[0142] 調製例3(脂環式エポキシ化合物(a-3)の調製)
撹拌器、冷却管、温度計、窒素導入管を備えた1リットルのジャケット付きフラスコに水36g、硫酸水素ナトリウム12.0g、イソプロピリデン-4,4'-ジシクロヘキサノール(アルドリッチ製)500g、溶媒としてソルベッソ150(エクソンモービル製)500gを加えて100℃で脱水反応させた。水の留出が無くなった時点で反応終了とした。反応液をガスクロマトグラフィーで分析を行ったところ、96%の収率で2,2-ビス(3-シクロヘキセン-1-イル)プロパンが生成していた。得られた反応液を、分液漏斗を用いて500mlのイオン交換水で洗浄した後、有機層を減圧蒸留し無色透明液状の2,2-ビス(3-シクロヘキセン-1-イル)プロパン387.0gを得た。その純度は96.1%であった。
[0143] 得られた2,2-ビス(3-シクロヘキセン-1-イル)プロパン100g、酢酸エチル30gを前記と同様の1リットルのジャケット付きフラスコに仕込み、窒素を気相部に吹き込みながら、反応系内の温度を30℃になるように約2時間かけて、実質的に無水の過酢酸の酢酸エチル溶液307.2g(過酢酸濃度:29.1%、水分含量0.47%)を滴下した。滴下終了後、30℃で3時間熟成し反応を終了した。さらに30℃で反応終了液を水洗し、70℃/20mmHgで脱低沸を行い、2,2-ビス(3,4-エポキシシクロヘキサン-1-イル)プロパンを99.4gを得た。得られた製品の性状は、オキシラン酸素濃度11.3%、粘度3550cP(25℃)であり、^(1)H-NMRスペクトルからδ4.5?5ppm付近の内部二重結合に由来するピークが消失し、δ2.9?3.1ppm付近にエポキシ基に由来するプロトンのピークの生成が確認された。
[0144] 実施例1?8、比較例1?3
下記表1に記載の各成分を配合組成(単位;重量部)に従って配合し、室温で自転公転型ミキサーを撹拌・混合することにより、均一で透明なレンズ用硬化性組成物を得た。
[0145][表1]

[0146]
表1の略語について説明する。
[カチオン硬化性化合物]
(脂環式エポキシ化合物(A))
a-1:調製例1で得られた化合物((3,4,3’,4’-ジエポキシ)ビシクロヘキシル)
a-2:調製例2で得られた化合物(ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル)
a-3:調製例3で得られた化合物(2,2-ビス(3,4-エポキシシクロヘキサン-1-イル)プロパン)
(シロキサン化合物(D))
d-1:下記式(d-1)で表される環状シロキサン(信越化学工業(株)製、商品名「X-40-2670」、エポキシ当量:200)
[化10]

(その他のカチオン硬化性化合物(E))
YX8000:非エステル系水添ビスフェノール型ジグリシジル化合物(三菱化学(株)製、商品名「YX8000」)
OXT-221:3-エチル-3{[(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシ]メチル}オキセタン(東亞合成(株)製、商品名「アロンオキセタンOXT221」)
OXT-101:3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン(東亞合成(株)製、商品名「アロンオキセタンOXT101」)
[カチオン重合開始剤(B)]
CPI-101A:芳香族スルホニウム塩(4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、サンアプロ(株)製、商品名「CPI-101A」)
b-1:4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム フェニルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート
[レベリング剤]
(ポリシロキサン(C))
BYK-UV3510:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンとポリエーテルの混合物、商品名「BYK-UV3510」、ビックケミー・ジャパン(株)製
BYK-307:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンとポリエーテルの混合物、商品名「BYK-307」、ビックケミー・ジャパン(株)製
(フッ素系レベリング剤)
F477:含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、商品名「メガファックF477」、DIC(株)
[酸化防止剤]
IN1010:ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェノール)プロピオネート]、商品名「IRGANOX1010」、BASF製
HP-10:2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)オクチルホスファイト、商品名「HP-10」、(株)ADEKA製
・・・(中略)・・・
[0149] 実施例及び比較例で得られたレンズ用硬化性組成物を、下記UV照射方法により硬化させて硬化物を得た。
<UV照射方法>
25℃でレンズ用硬化性組成物を金型に塗布し、その後、所定の厚み(0.5mm)のスペーサーを金型で挟み、UV照射装置(商品名「365nm LED Unit」、ウシオ(株)製)を用いてUV照射(照射強度=50?100mW/cm、積算照射量=2500?5000mJ/cm^(2))を行った。
その後離型し、更に予め150℃に熱したオーブンで30分間加熱してアニール処理を行って硬化物を得た(それぞれ5個ずつ)。


(エ)「[請求項1] 下記式(a)で表される脂環式エポキシ化合物(A)、カチオン重合開始剤(B)、及び下記式(c)で表されるポリシロキサン(C)を少なくとも含有し、且つ前記ポリシロキサン(C)を硬化性組成物全量(100重量%)に対して0.01?5重量%含有するレンズ用硬化性組成物。
[化1]

(式中、R^(1)?R^(18)は同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭化水素基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示し、Xは単結合又は連接基(シロキサン結合を含む基を除く)を示す)
[化2]

[式中、R^(19)?R^(22)は同一又は異なって、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、及び-RNHCOR’基(Rはアルキレン基又はアルケニレン基を示し、R’はアルキル基又はアルケニル基を示す)から選択される基を示し、m、nは同一又は異なって、1以上の整数を示す]
・・・(中略)・・・
[請求項9] 下記工程を有するレンズの製造方法。
工程1:請求項1?5の何れか1項に記載のレンズ用硬化性組成物をレンズ成型用金型に充填する工程
工程2:光照射して前記硬化性組成物を硬化させる工程
・・・(中略)・・・
[請求項16] 請求項9?12、14の何れか1項に記載のレンズの製造方法により得られるレンズ。
[請求項17] ウェハレベルレンズである請求項15又は16に記載のレンズ。」

イ 引用文献1に記載された発明
(ア)引用発明
上記アより、引用文献1には、請求項17(請求項1、請求項9及び請求項16に記載された発明特定事項を具備するもの)に係る発明が記載されているところ、この発明の引用記載を整理すると、次のとおりとなる(以下「引用発明」という。)
「 下記工程を有するレンズの製造方法により得られる、
ウエハレベルレンズ。
工程1:下記式(a)で表される脂環式エポキシ化合物(A)、カチオン重合開始剤(B)、及び下記式(c)で表されるポリシロキサン(C)を少なくとも含有し、且つ前記ポリシロキサン(C)を硬化性組成物全量(100重量%)に対して0.01?5重量%含有するレンズ用硬化性組成物をレンズ成型用金型に充填する工程
工程2:光照射して前記硬化性組成物を硬化させる工程
[化1]

(式中、R^(1) ?R^(18 )は同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭化水素基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示し、Xは単結合又は連接基(シロキサン結合を含む基を除く)を示す)
[化2]

[式中、R^(19) ?R^(22) は同一又は異なって、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、及び-RNHCOR’基(Rはアルキレン基又はアルケニレン基を示し、R’はアルキル基又はアルケニル基を示す)から選択される基を示し、m、nは同一又は異なって、1以上の整数を示す]」

(イ)実施例引用発明
上記アより、引用文献1には、実施例1として、次の発明が記載されている(以下「実施例引用発明」という。)。なお、各成分の配合組成は、[0145]の表1に記載された数値である。
「 下記に記載の各成分を配合組成に従って配合し、室温で自転公転型ミキサーを撹拌・混合して得た、均一で透明な、レンズ用硬化性組成物を得、
25℃でレンズ用硬化性組成物を金型に塗布し、その後、所定の厚み(0.5mm)のスペーサーを金型で挟み、UV照射装置を用いてUV照射を行い、
その後離型し、更に予め150℃に熱したオーブンで30分間加熱してアニール処理を行って得た、
硬化物。
a-1:(3,4,3’,4’-ジエポキシ)ビシクロヘキシル:40重量部
d-1:下記式(d-1)で表される環状シロキサン(信越化学工業(株)製、商品名「X-40-2670」、エポキシ当量:200):25重量部
[化10]

YX8000:非エステル系水添ビスフェノール型ジグリシジル化合物(三菱化学(株)製、商品名「YX8000」):35重量部
CPI-101A:芳香族スルホニウム塩(4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、サンアプロ(株)製、商品名「CPI-101A」):0.45重量部
BYK-307:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンとポリエーテルの混合物、商品名「BYK-307」、ビックケミー・ジャパン(株)製:0.5重量部
IN1010:ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェノール)プロピオネート]、商品名「IRGANOX1010」、BASF製:1重量部
HP-10:2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)オクチルホスファイト、商品名「HP-10」、(株)ADEKA製:1重量部」

ウ 引用発明との対比
本件補正発明と引用発明を対比すると、以下のとおりとなる。

(ア)エポキシ化合物(A)
引用発明の「式(a)で表される脂環式エポキシ化合物(A)」は、その化学構造からみて、本件補正発明の「エポキシ化合物(A)」に相当する。

(イ)光学部品
引用発明の「ウエハレベルレンズ」は、「式(a)で表される脂環式エポキシ化合物(A)」を含有する「レンズ用硬化性組成物」を「硬化させる工程」を含む製造方法により得られるものである。
また、引用発明の「硬化性組成物」は、本件補正発明において、「硬化性組成物」が含まないものとされている、「分子内に2以上のエポキシ基を有するシロキサン化合物」を含有しないものである。
さらに、引用発明の「ウエハレベルレンズ」は、技術的にみて、本件補正発明の「光学部品」に相当する。
そうしてみると、引用発明の「ウエハレベルレンズ」は、本件補正発明の「下記式(a)で表される化合物」を「含有する硬化性組成物(分子内に2以上のエポキシ基を有するシロキサン化合物を含む場合を除く)の硬化物からなる光学部品であって、前記光学部品がレンズであ」る「光学部品」という要件を満たすものである。

エ 引用発明との一致点・相違点
(ア)本件補正発明と引用発明は、次の構成で一致する。
(一致点)
「 エポキシ化合物(A)を含有する硬化性組成物(分子内に2以上のエポキシ基を有するシロキサン化合物を含む場合を除く)の硬化物からなる光学部品であって、前記光学部品がレンズである、
光学部品。」

(イ)本件補正発明と引用発明は、次の点で相違する。
(相違点1)
本件補正発明の「硬化性組成物」は、「エポキシ化合物(A)」として、「下記式(a)で表される化合物」と「下記式(a’)で表される化合物」を含有するのに対して、引用発明は、このように特定されたものではない点。
【化1】

[式中、R^(1)?R^(18)は同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭化水素基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示す。Xは単結合又は連結基(エステル結合を含む連結基を除く)を示す]
【化2】

[式中、R^(1)?R^(18)は前記に同じ。X’はエステル結合を含む連結基を示す]

(相違点2)
本件補正発明の「光学部品」は、「レンズの外縁部に厚み0.1mm以下の、樹脂と着色剤とを含むコーティング層を少なくとも1層有する」のに対して、引用発明は、このように特定されたものではない点。

(相違点3)
本件補正発明の「光学部品」は、「最大厚み2mm以下、平面視における最大幅10mm以下」であるのに対して、引用発明は、このように特定されたものではない点。

オ 相違点1-3についての判断
相違点1-3についての判断は、以下のとおりである。

(ア)相違点1について
引用発明の「式(a)で表される脂環式エポキシ化合物(A)」は、次の化学構造を有する点で、本件補正発明の「式(a)で表される化合物」及び式(a’)で表される化合物」と共通する。

(式中、R^(1)?R^(18)は同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭化水素基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示し、Xは単結合又は連接基を示す)

そして、引用文献1の[0045]には、引用発明の「式(a)で表される脂環式エポキシ化合物(A)」における「式(a)」中の連結基である、「X」としてエステル結合が挙げられており、[0047]には、「X」としては、エステル結合が酸素原子を含有する連結基が好ましく、具体的なものとして-COO-が例示されている。また、引用文献1の[0048]及び[0049]には、「式(a)で表される脂環式エポキシ化合物(A)」の代表的な例として、本件補正発明の式(a’)で表される化合物に相当する、化合物(a-1)、(a-2)、(a-7)-(a-10)が挙げられている。さらに、引用文献1の[0050]には、脂環式エポキシ化合物(A)を2種以上組み合わせて使用できることが記載されている。
そうしてみると、引用発明において、上記記載に基づいて、「式(a)で表される脂環式エポキシ化合物(A)」として、「式(a)」中の「X」が単結合又はエステル結合を含む連結基を除く連結である化合物とともに、「式(a)」中の「X」がエステル結合を含む連結基である化合物を用いて、相違点1に係る本件補正発明の構成とすること(例:[0049]に記載された、市販品として容易に入手可能である化合物(a-1)と、[0051]に記載された「必須成分とすることが好ましい」3つの化合物のうち1種を用いること)は、当業者における通常の創意工夫の範囲内の事項にすぎない。

(イ)相違点2について
レンズの外縁部に厚み0.1mm以下の、樹脂と着色剤とを含むコーティング層を設けることは、周知技術である。例えば、原査定の拒絶の理由に引用され、本件出願の出願前に電気回線を通じて公衆に利用可能となった国際公開第2014/156915号の[0012]、[0014]及び[図2]には、遮光膜17をレンズ部15aの外側に設けることが記載され、また[0018]及び[0021]には、遮光膜17を黒色顔料や黒色染料等の遮光性物質や感光性モノマーを含むインクを用いて形成することが記載され、さらに[0024]には、遮光膜17の膜厚を10?40μmとすることが記載されている。また、原査定の拒絶の理由に引用され、本件出願の出願前に頒布された特開2009-175331号公報の【0053】、【0055】及び【図3】には、レンズ部2の外周部から張り出されたフランジ部3の一方の面に印刷パターン4を形成することが記載され、また【0057】には、印刷パターン4の材料には紫外線硬化型の黒色のインクが用いられることが記載され、さらに【0084】及び【図7】には、第1の印刷部4a及び第1の印刷部4bを30?50μmの厚さにすることが好ましいことが記載されている。
そうしてみると、引用発明において、レンズの外縁部に厚み0.1mm以下の、樹脂と着色剤とを含むコーティング層を設けることは、周知技術に基づいて、当業者が発明を具体化する際における通常の創作能力を発揮することによってなし得る程度の事項にすぎない。

(ウ)相違点3について
引用文献1の[0030]には、ウエハレベルレンズ1個のサイズは直径が1?10mm程度、厚みが100?2000μm程度であることが記載されている。
そうしてみると、引用発明の「ウエハレベルレンズ」は、実質的に直径が1?10mm程度、厚みが100?2000μm程度であるといえる。そうでないとしても、引用発明において、「ウエハレベルレンズ」の直径及び厚みを、それぞれ1?10mm程度及び100?2000μm程度のものとすることは、引用文献1の[0030]の記載に基づいて、当業者が容易に想到するものである。
したがって、引用発明の「ウエハレベルレンズ」は、本件補正発明の「光学部材」における、「最大厚み2mm以下、平面視における最大幅10mm以下」という要件を満たすものであるか、又はそうでないとしても、当該要件を満たす構成とすることは、当業者が容易に想到するものである。

カ 審判請求人の主張について
審判請求人は、平成29年11月10日付け審判請求書において、概略、本願発明の光学部品は、式(a)で表される化合物と式(a’)で表される化合物を含有し、且つ分子内に2以上のエポキシ基を有するシロキサン化合物を含有しない硬化性組成物の硬化物からなる光学部品の表面に、樹脂と着色剤とを含むコーティング層を有するため、コーティング層が親水性及び疎水性のいずれであっても光学部品は親和性を有し、優れた密着性を示すことができる旨主張している。
しかしながら、本件の明細書には、式(a)で表される化合物と式(a’)で表される化合物を含有し、且つ分子内に2以上のエポキシ基を有するシロキサン化合物を含有しない硬化性組成物の硬化物からなる光学部品の表面に、樹脂と着色剤とを含むコーティング層を有する構成とすることによって、コーティング層が親水性及び疎水性のいずれであっても光学部品は親和性を有し、優れた密着性を示すという効果は記載されていない。また、本件の明細書の記載から当業者が当該効果を推論できるともいえない。
また、仮に審判請求人が主張する効果を当業者が推論できるものであるとした場合、引用文献1の[0045]、[0047]-[0050]には、上記オ(ア)に記載したとおり、引用発明の「式(a)で表される脂環式エポキシ化合物(A)」の「式(a)」中の連結基である、「X」がエステル結合である化合物とすること、並びに「式(a)で表される脂環式エポキシ化合物(A)」を2種以上組み合わせて使用できることが記載されていることから、本件補正発明の式(a)で表される化合物と式(a’)で表される化合物を含有する構成とすることは当業者が容易に想到するものであるとともに、当該構成が審判請求人が主張する効果を奏することも当業者が推論できるものといえる。
さらに、密着性を改善する手段として、極性基の割合を制御すること自体は周知慣用技術であると認めうるが、本件補正発明は、少なくとも、R^(1)?R^(18)の炭化水素基の鎖長や分岐の度合い等を限定するものではなく、また、密着性の程度を比較するような比較例等の記載が本件の明細書にはなされていないことに鑑みると、本件補正発明は、審判請求人が主張する効果を生じないものを包含するものと考えられる。
以上のことから、審判請求人が主張する効果は採用できない。

キ 実施例引用発明との一致点・相違点
(ア)引用発明に替えて、実施例引用発明を採用しても同様である。すなわち、本件補正発明と引用発明は、次の構成で一致する。
(一致点)
「 エポキシ化合物(A)として下記式(a)
【化1】

[式中、R^(1)?R^(18)は同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭化水素基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示す。Xは単結合又は連結基(エステル結合を含む連結基を除く)を示す]
で表される化合物を含有する硬化性組成物の硬化物からなる光学部品であって、前記光学部品がレンズであり、最大厚み2mm以下の光学部品。」

(イ)本件補正発明と実施例引用発明は、次の点で相違する。
(相違点4)
本件補正発明の「硬化性組成物」は、「下記式(a’)で表される化合物」を含有するのに対して、実施例引用発明は、このように特定されたものではない点。
下記式(a’)
【化2】

[式中、R^(1)?R^(18)は前記に同じ。X’はエステル結合を含む連結基を示す]

(相違点5)
本件補正発明の「硬化性組成物」は、「分子内に2以上のエポキシ基を有するシロキサン化合物を含む場合を除く」のに対し、実施例引用発明は、当該シロキサン化合物に該当する、「d-1:下記式(d-1)で表される環状シロキサン(信越化学工業(株)製、商品名「X-40-2670」、エポキシ当量:200)」を含むものである点。


(相違点6)
本件補正発明の「光学部品」は、「レンズの外縁部に厚み0.1mm以下の、樹脂と着色剤とを含むコーティング層を少なくとも1層有する」のに対して、実施例引用発明は、このように特定されたものではない点。

(相違点7)
本件補正発明の「光学部品」は、「平面視における最大幅10mm以下」であるのに対して、実施例引用発明は、このように特定されたものではない点。

ク 相違点4-7の判断
(ア)相違点4について
引用文献1の[0045]には、「式(a)で表される脂環式エポキシ化合物(A)」における「式(a)」中の連結基である、「X」としてエステル結合が挙げられており、[0047]には、「X」としては、エステル結合が酸素原子を含有する連結基が好ましく、具体的なものとして-COO-が例示されている。また、引用文献1の[0048]及び[0049]には、「式(a)で表される脂環式エポキシ化合物(A)」の代表的な例として、本件補正発明の式(a’)で表される化合物に相当する、化合物(a-1)、(a-2)、(a-7)-(a-10)が挙げられている。さらに、引用文献1の[0050]には、脂環式エポキシ化合物(A)を2種以上組み合わせて使用できることが記載されている。
そうしてみると、実施例引用発明において、上記記載に基づいて、「式(a)で表される脂環式エポキシ化合物(A)」として、「a-1:(3,4,3’,4’-ジエポキシ)ビシクロヘキシル」とともに、「式(a)」中の「X」がエステル結合を含む連結基である化合物を用いて、相違点4に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者における通常の創意工夫の範囲内の事項にすぎない。
あるいは、引用文献1の[0050]には、脂環式エポキシ化合物(A)を2種以上組み合わせて使用できることが記載されており、実施例引用発明において、当該記載に基づいて、a-1に加えて、[0049]に記載されている、市販品として容易に入手可能である化合物(a-1)(式(a‘)で表される化合物に該当)を用いることは、当業者が通常の創作能力を発揮することによってなし得る程度の事項である。

(イ)相違点5について
引用文献1の[0008]には、引用文献1にいう本発明は式(a)で表される脂環式エポキシ化合物(A)、カチオン重合開始剤(B)、及び下記式(c)で表されるポリシロキサン(C)を少なくとも含有し、且つ前記ポリシロキサン(C)を硬化性組成物全量(100重量%)に対して0.01?5重量%含有するレンズ用硬化性組成物を提供するものであることが記載されているから、実施例引用発明は、本件補正発明における「分子内に2以上のエポキシ基を有するシロキサン化合物」([0009]に記載のシロキサン化合物(D))を必須成分とするものではないといえる(当合議体注:この点は、引用文献1の[請求項1]と[請求項2]の関係からも明らかである。)。
そうしてみると、実施例引用発明において、本件補正発明における「分子内に2以上のエポキシ基を有するシロキサン化合物」に該当する、「d-1:下記式(d-1)で表される環状シロキサン(信越化学工業(株)製、商品名「X-40-2670」、エポキシ当量:200)」を含まないものとすること([0009]に記載のシロキサン化合物(D)を含まないものとすること)は、引用文献1が明示的に示唆する事項であり、当業者が通常の創作能力を発揮することによってなし得る程度の事項にすぎない。

(ウ)相違点6について
レンズの外縁部に厚み0.1mm以下の、樹脂と着色剤とを含むコーティング層を設けることは、上記オ(イ)に記載したとおり、周知技術である。
そうしてみると、実施例引用発明において、レンズの外縁部に厚み0.1mm以下の、樹脂と着色剤とを含むコーティング層を設けることは、周知技術に基づいて、当業者が発明を具体化する際における通常の創作能力を発揮することによってなし得る程度の事項にすぎない。

(エ)相違点7について
引用文献1の[0030]には、ウエハレベルレンズ1個のサイズは直径が1?10mm程度、厚みが100?2000μm程度であることが記載されている。
そして、実施例引用発明における「硬化物」は「厚み」が「0.5mm」のスペーサーを金型で挟んで得たものであるなど、ウエハレベルレンズを製造することを予定したものであるといえる。
そうしてみると、実施例引用発明の「硬化物」は、実質的に直径が1?10mm程度であるといえる。そうでないとしても、引用発明において、「硬化物」の直径を、1?10mm程度のものとすることは、引用文献1の[0030]の記載に基づいて、当業者が容易に想到するものである。
したがって、実施例引用発明の「硬化物」は、本件補正発明の「光学部材」における、「平面視における最大幅10mm以下」という要件を満たすものであるか、又はそうでないとしても、当該要件を満たす構成とすることは、当業者が容易に想到するものである。

ケ 小括
本件補正発明は、引用発明又は実施例引用発明、並びに、周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 本件補正についてのむすび
本件補正は、特許法17条の2第3項の規定に違反してされたものであるので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
仮に、本件補正が特許法17条の2第3項の規定に違反してされたものでないとしても、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
平成29年11月10日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本件出願の請求項に係る発明は、平成29年8月3日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1-10に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(1)に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由
本願発明に対する原査定の拒絶の理由は、概略、本願発明は、その出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明が記載された下記の引用文献1と、その出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献2-5及び8に記載された周知技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

1:国際公開第2015/098736号
2:国際公開第2014/156915号
3:特開2009-175331号公報
4:特開平11-95001号公報
5:特開平3-168937号公報
6:国際公開第2015-025970号
7:特開2013-3322号公報
8:国際公開第2014/034507号

3 引用文献1の記載及び引用発明等
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及びその記載事項は、前記第2の[理由]2(2)アに記載したとおりである。
また、引用文献1に記載された引用発明及び実施例引用発明は、前記第2の[理由]2(2)イに記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、(i)「硬化性組成物」が「式(a)で表される化合物」を含有するという発明特定事項、(ii)「硬化性組成物」が「分子内に2以上のエポキシ基を有するシロキサン化合物を含む場合を除く」という発明特定事項、(iii)「コーティング層」が「樹脂」と「着色剤」を含むという発明特定事項の3つを削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]2(2)ケに記載したとおり、引用発明又は実施例引用発明、並びに、周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明又は実施例引用発明、並びに、周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本件出願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2018-10-02 
結審通知日 2018-10-09 
審決日 2018-10-24 
出願番号 特願2015-162635(P2015-162635)
審決分類 P 1 8・ 561- Z (G02B)
P 1 8・ 575- Z (G02B)
P 1 8・ 121- Z (G02B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 井上 徹  
特許庁審判長 樋口 信宏
特許庁審判官 宮澤 浩
川村 大輔
発明の名称 光学部品、及びそれを備えた光学装置  
代理人 後藤 幸久  
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