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審決分類 審判 査定不服 特174条1項 取り消して特許、登録 G06T
審判 査定不服 特29条の2 取り消して特許、登録 G06T
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 G06T
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06T
管理番号 1347482
審判番号 不服2018-3106  
総通号数 230 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-02-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-03-05 
確定日 2019-01-22 
事件の表示 特願2013- 55964「画像処理装置および方法」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 2月 6日出願公開、特開2014- 26638、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成25年3月19日の出願(国内優先権主張、平成24年6月22日(以下、「本件優先日」という。))であって、平成28年8月23日付けで拒絶理由通知がなされ、同年10月31日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされ、平成29年3月28日付けで最後の拒絶理由通知がなされ、同年6月5日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが、同年11月29日付けで、同年6月5日になされた手続補正についての補正の却下の決定がなされるとともに拒絶査定がなされ、これに対して平成30年3月5日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされた。その後、当審により、平成30年9月13日付けで、同年3月5日になされた手続補正についての補正の却下の決定がなされるとともに最後の拒絶理由通知がなされ、同年11月16日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたものである。


第2 原査定の概要

平成29年11月29日付け拒絶査定(以下、「原査定」という。)の概要は次のとおりである(引用文献等については、下記の引用文献等一覧を参照。)。

本願請求項1,5-7に係る発明は、引用文献Aに記載された発明及び引用文献Bに記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。また、本願請求項2-4に係る発明は、引用文献Aに記載された発明、引用文献Bに記載された技術及び引用文献Cに記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
A.特開2010-243589号公報
B.特開2006-295647号公報
C.特開2008-158389号公報


第3 当審拒絶理由の概要

平成30年9月13日付け拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)の概要は次のとおりである(引用文献等については、下記の引用文献等一覧を参照。)。

1 平成28年10月31日付け手続補正書でした補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

2 本願の請求項1,2,5-7に係る発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に特開2012-159824号公報で出願公開がされた特願2011-250062号(以下、「先願1」という。)の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、本願の発明者が先願1に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が先願1の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない。

3 本願の請求項3に係る発明は、特開2012-159824号公報(以下、「引用文献1」という。)に記載されているから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特願2011-250062号(特開2012-159824号公報)
2.特開2010-243589号公報(周知技術を示す文献)


第4 本願発明

本願請求項1-5に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明5」という。)は、平成30年11月16日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)で補正された特許請求の範囲の請求項1-5に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1-5は以下のとおりの発明である。

【請求項1】
「利用者を被写体として撮影して得られる複数の撮影画像の中から撮影画像を組み合わせる組み合わせ部と、
前記組み合わせ部により組み合わされた撮影画像のうちの全身画像を、前記複数の撮影画像のうちの他の全身画像に変更して、撮影画像の組み合わせを変更する画像変更部と、
前記画像変更部により組み合わせが変更された撮影画像を用いて、組み合わせ画像を生成する画像生成部と、
前記画像生成部により生成された組み合わせ画像を提供する画像提供部と
を備える画像処理装置。」

【請求項2】
「前記撮影画像は、全身画像とアップ画像とが混在している
請求項1に記載の画像処理装置。」

【請求項3】
「前記組み合わせ部により組み合わされた撮影画像に対して所定情報を付加する情報付加部を
さらに備え、
前記画像生成部は、前記画像変更部により組み合わせが変更された撮影画像と前記情報付加部により付加された所定情報とを用いて、組み合わせ画像を生成する
請求項1に記載の画像処理装置。」

【請求項4】
「前記所定情報は、筐体名、地域名、および撮影日時の少なくとも1つである
請求項3に記載の画像処理装置。」

【請求項5】
「画像処理装置が、
利用者を被写体として撮影して得られる複数の撮影画像の中から撮影画像を組み合わせる組み合わせステップと、
前記組み合わせステップの処理により組み合わされた撮影画像のうちの全身画像を、前記複数の撮影画像のうちの他の全身画像に変更して、撮影画像の組み合わせを変更する画像変更ステップと、
前記画像変更ステップの処理により組み合わせが変更された撮影画像を用いて、組み合わせ画像を生成する画像生成ステップと、
前記画像生成ステップの処理により生成された組み合わせ画像を提供する画像提供ステップと
を含む画像処理方法。」


第5 先願1

1 先願1は、本件優先日前の平成23年11月15日の出願であって、本件優先日後の平成24年8月23日に出願公開(特開2012-159824号公報)がされたものであって、その願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「先願明細書等」という。)には、次の記載がある(下線は当審で付した。)。
(1) 「【0042】
カメラ10はプレイヤを被写体として撮影するもので、一般にデジタルカメラが用いられる。図4ではカメラ10は1台であるが、カメラ10は複数台設けられてもよいし、移動や角度調節をできるようにされてもよい。本例では、カメラ10は移動及び角度を変更できる。これにより、カメラ10は被写体のアップを撮影することができ、被写体の全身を撮影することもできる。」
(2) 「【0100】
CPU103は、カメラ10で被写体となるプレイヤを複数回撮影して通常写真画像650を生成する。本例では、プレイヤを4回撮影し、図19(A)及び図19(B)に示す通常合成画像用の4枚の通常写真画像650を生成する。CPU103はさらに、プレイヤを2回撮影し、図19(C)に示す縦長又は横長の通常合成画像用の2枚の通常写真画像650、又は、正方形状の通常合成画像用の2枚の通常写真画像650を生成する。以下、通常写真画像650の作製処理の詳細を説明する。」
(3) 「【0209】
プレイヤにより「送信希望ボタン」が選択されたとき、CPU103は、プレイヤが携帯端末への合成画像の送信を希望したと判断する(S3406でYES)。この場合、CPU103はまず、編集処理において作製された複数の合成画像(通常合成画像CI及びコラージュ合成画像810)又は通常写真画像650のうち、携帯端末に転送する合成画像の選択を受け付ける(S3407)。このとき、コラージュ合成画像810が選択されてもよいし、編集処理において携帯端末の待ち受け画像用に編集処理した通常合成画像CIが選択されてもよい。さらに、デコメール(登録商標)用の素材(いわゆるデコ素材)を通常合成画像CIとともに選択してもよい。CPU103は、携帯端末へ送信する合成画像を1つ選択させてもよいし、2つ以上選択させてもよい。 」
(4) 「【0210】
携帯端末に転送する合成画像を受け付けた後(S3407)、CPU103は、合成画像の送信方法を受け付ける(S3408)。具体的には、CPU103は、プレイヤの携帯端末が非接触通信可能な機種か否かを問う表示画面をディスプレイ95に表示する。非接触通信はたとえば、Felica(登録商標)や、Bluetooth(登録商標)である。写真撮影遊戯機1は、非接触通信装置97(図10参照)を備える。プレイヤの携帯端末が非接触通信可能な機種であるとプレイヤが回答した場合(S3408でYES)、写真撮影遊戯機1は、非接触通信装置を介してプレイヤの携帯端末に、ステップS3407で選択された合成画像を送信する(S3410)。一方、ステップS3408での問い合わせの結果、プレイヤが、自身の携帯電話機が非接触通信可能な機種ではないと回答した場合(S3408でNO)、CPU103は、プレイヤの携帯端末のメールアドレスの入力を受け付ける(S3409)。この場合、CPU103は、入力されたアドレス宛にステップS3407で選択された合成画像を送信する(S3410)。具体的には、CPU103は選択された合成画像を図示しないサーバを経由してプレイヤの携帯端末に送信する。なお、ステップS3410はステップS3409の入力が完了した後印刷待機処理が完了するまでの間のいずれの時期に実行してもよい。」
(5) 「【0226】
本実施の形態による写真撮影遊戯機は、第1の実施の形態による写真撮影遊戯機と比較して、図30に代えて、図47に示す通常写真画像配置変換処理(S242)を実施する。その他の構成及び動作は第1の実施の形態と同じである。」
(6) 「【0230】
コラージュ合成画像810のレイアウト画像830の配置領域802には、写真画像820が配置される。そして、配置領域801A?801Cには、CPU103により任意に選択された通常写真画像650E、650A及び650Dが予め配置されている。要するに、CPU103は、予め完成させたコラージュ合成画像810をサンプルとして選択画面に表示する。写真画像選択領域1050内の複数の通常写真画像650のうち、通常写真画像650E、650A及び650Dには、選択されている旨を示すカーソル651がそれぞれ配置される。」
(7) 「【0232】
一方、プレイヤが図48に示すコラージュ合成画像810のサンプルを採用しない場合、選び直しボタン1060をタッチする。このとき、CPU103は、プレイヤが通常写真画像650の選択し直しを受け付けたと判断し(S2002でYES)、リセット処理を実行する(S2012)。」
(8) 「【0233】
リセット処理では、CPU103は、配置領域801A?801Cに配置された通常写真画像650E、650A及び650Dの配置を解除する。本例では、通常写真画像650E、650A及び650Dを、配置領域801A?801Cから削除する。そして、配置領域801A?801Cを特定するためのカウンタnを「0」にする(S2003)。」
(9) 「【0238】
プレイヤが通常写真画像650Cを選択したとき、CPU103は、通常写真画像650Cの選択を受け付け(S2005)、受け付けた通常写真画像650Cを配置領域801Aに配置して表示する(S2006)。」
(10) 「【0244】
本例において、プレイヤは通常写真画像650Dを選択したとする。この場合、CPU102は、通常写真画像650Dの選択を受け付け(S2005)、受け付けた通常写真画像650Dを配置領域801Bに表示する(S2006)。」
(11) 「【0247】
CPU103は、通常写真画像650Eの選択を受け付け(S2005)、選択された通常写真画像650Eを配置領域801Cに配置する(S2006)。このとき、CPU103は、全ての配置領域801A?801Cに通常写真画像650が配置されたと判断する(S2007でYES)。」
(12) 「【0248】
この場合、図52に示すとおり、選択画面内のコラージュ合成画像810の各配置領域801A?801Cには、通常写真画像650C?650Eが配置され、コラージュ合成画像810のイメージは完成している。CPU103はさらに、選択画面内に選び直しボタン1060と決定ボタン1070とを表示する。そして、選択領域1050内には通常写真画像650A?650Fを表示せず、選び直しボタン1060又は決定ボタン1070の選択を促す表示をする。」
(13) 「【0253】
以上のとおり、本実施の形態では、各配置領域801A?801C用の通常写真画像650A?650Fを順次選択画面に表示し、プレイヤに選択させる。この場合、第1の実施の形態(図30及び図31)の場合と比較して、各配置領域801A?801Cに配置する通常写真画像を選択しやすい。具体的には、本実施の形態では、初めに、配置領域801A用の通常写真画像650が写真画像選択領域1050に表示される。配置領域801A用の通常写真画像650の選択が完了すれば、次に、配置領域801B用の通常写真画像650が選択領域に表示される。要するに、各配置領域801A?801C用の写真画像650が順次写真画像選択領域1050に表示される。そのため、写真画像選択領域1050内に表示される通常写真画像のサイズも第1の実施の形態の場合と比較して大きく、見やすい。さらに、次にどの配置領域801の通常写真画像650を選択すればよいか分かりやすく、プレイヤにとって操作もしやすい。」
(14) 「【0257】
第2の実施の形態における通常写真画像配置変換処理(S242)以外の他の動作処理については、第1の実施の形態と同様である。」

2 先願発明1の認定
(1) 上記1(5)及び(14)より、段落【0225】-【0253】に記載される[第2の実施の形態]においても、段落【0036】-【0224】に記載される[第1の実施の形態]と同様に、「カメラ10で被写体となるプレイヤを複数回撮影して通常写真画像650を生成」(段落【0100】)するとともに、「コラージュ合成画像810が選択され」た場合「写真撮影遊戯機1は、非接触通信装置を介してプレイヤの携帯端末に、ステップS3407で選択された合成画像を送信する」(段落【0209】-【0210】)と認められる。
(2) したがって、先願明細書等には次の発明(以下、「先願発明1」という。)が記載されていると認められる。
「カメラ10で被写体となるプレイヤを複数回撮影して通常写真画像650を生成し、
コラージュ合成画像810の配置領域801A?801Cに、CPU103により任意に選択された通常写真画像650E、650A及び650Dを予め配置し、
プレイヤが選び直しボタン1060をタッチすると、CPU103は、配置領域801A?801Cに配置された通常写真画像650E、650A及び650Dの配置を解除し、各配置領域801A?801C用の通常写真画像650A?650Fを順次選択画面に表示し、プレイヤに選択させ、
コラージュ合成画像810の各配置領域801A?801Cに、選択された通常写真画像650C?650Eを配置して、コラージュ合成画像810のイメージを完成させ、
プレイヤの携帯端末にコラージュ合成画像810を送信する
写真撮影遊戯機1」


第6 先願発明1との対比・判断

1 本願発明1と先願発明1とを対比する。
(1) 先願発明1の「カメラ10で被写体となるプレイヤを複数回撮影して」「生成」される「通常写真画像650」は、本願発明1の「利用者を被写体として撮影して得られる複数の撮影画像」に相当する。
(2) 先願発明1において「コラージュ合成画像810の配置領域801A?801Cに、CPU103により任意に選択された通常写真画像650E、650A及び650Dを予め配置」することは、「CPU103」が「配置領域801A?801Cに」配置する「通常写真画像」を組み合わせることにほかならないから、先願発明1は、本願発明1の「利用者を被写体として撮影して得られる複数の撮影画像の中から撮影画像を組み合わせる組み合わせ部」に相当する構成を備えていると認められる。
(3) 先願発明1において「プレイヤが選び直しボタン1060をタッチすると、CPU103は、配置領域801A?801Cに配置された通常写真画像650E、650A及び650Dの配置を解除し、各配置領域801A?801C用の通常写真画像650A?650Fを順次選択画面に表示し、プレイヤに選択させ」ることは、「CPU103により任意に選択された通常写真画像」を「プレイヤに選択させ」た「通常写真画像」に変更することを意味する。そして、「プレイヤが選び直しボタン1060をタッチ」して「選び直し」を行っている以上、「CPU103により任意に選択された通常写真画像」とは異なる「通常写真画像」を「プレイヤ」が選択できることは明らかである。してみると、本願発明1と先願発明1とは、「前記組み合わせ部により組み合わされた撮影画像」「を、前記複数の撮影画像のうちの他の」「画像に変更して、撮影画像の組み合わせを変更する」という点で共通する。
(4) 先願発明1の「コラージュ合成画像810の各配置領域801A?801Cに、選択された通常写真画像650C?650Eを配置して、コラージュ合成画像810のイメージを完成させ」は、本願発明1の「前記画像変更部により組み合わせが変更された撮影画像を用いて、組み合わせ画像を生成する」に相当し、先願発明1は、本願発明1の「画像生成部」に相当する構成を備えていると認められる。
(5) 先願発明1の「プレイヤの携帯端末にコラージュ合成画像810を送信する」は、本願発明1の「前記画像生成部により生成された組み合わせ画像を提供する」に相当し、先願発明1は、本願発明1の「画像提供部」に相当する構成を備えていると認められる。
(6) 先願発明1の「写真撮影遊戯機1」は、「コラージュ合成画像」に関する画像処理を行っていると認められるところ、本願発明1の「画像処理装置」に相当する。

2 以上のことから、本願発明1と先願発明1との一致点及び相違点は、次のとおりである。
【一致点】
「利用者を被写体として撮影して得られる複数の撮影画像の中から撮影画像を組み合わせる組み合わせ部と、
前記組み合わせ部により組み合わされた撮影画像を、前記複数の撮影画像のうちの他の画像に変更して、撮影画像の組み合わせを変更する画像変更部と、
前記画像変更部により組み合わせが変更された撮影画像を用いて、組み合わせ画像を生成する画像生成部と、
前記画像生成部により生成された組み合わせ画像を提供する画像提供部と
を備える画像処理装置。」
【相違点】
「組み合わせ部により組み合わされた撮影画像を、前記複数の撮影画像のうちの他の画像に変更して、撮影画像の組み合わせを変更する」ことに関して、本願発明1では「撮影画像のうちの全身画像」を「複数の撮影画像のうちの他の全身画像」に変更しているのに対して、引用発明1では「撮影画像のうちの全身画像」を「複数の撮影画像のうちの他の全身画像」に変更していない点。

3 上記相違点について検討する。
画像処理装置の技術分野において、組み合わされた撮影画像のうちの全身画像を他の全身画像に変更することが、本件優先日の時点で周知技術又は慣用技術であったとはいえないから、上記相違点は課題解決のための具体化手段における微差であるとまではいえない。
してみると、本願発明1と先願発明1とは実質同一であるとはいえない。

4 本願発明2-5について
(1) 本願発明2-4は、本願発明1を引用するものであって、上記相違点に係る本願発明1の発明特定事項を備えるものであるから、本願発明2-4と先願発明1とは実質同一であるとはいえない。
(2) 本願発明5は、本願発明1とカテゴリーは異なるが実質的に同内容の発明であるから、本願発明5と先願明細書等に記載された発明とは実質同一であるとはいえない。


第7 特許法第17条の2第3項に関する当審拒絶理由について

1 特許法第17条の2第3項(新規事項)について、当審では、下記の拒絶理由を通知した。

(1) 平成28年10月31日付け手続補正書でした補正は、請求項4の記載を「前記画像変更部は、前記組み合わせ部により組み合わされた撮影画像のうち、全身画像を、他の撮影画像のうちのアップ画像に変更して、撮影画像の組み合わせを変更する請求項2に記載の画像処理装置。」とするものである。
しかしながら、願書に最初に添付した明細書の段落【0187】、【0188】および願書に最初に添付した図面の図16-18には、アップ画像を他のアップ画像に変更することおよび全身画像を他の全身画像に変更することは記載されていると認められるものの、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面には全身画像をアップ画像に変更することは記載されておらず、平成28年10月31日付け手続補正書でした補正は新たな技術的事項を導入するものである。
(2) したがって、平成28年10月31日付け手続補正書でした補正は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

2 特許法第17条の2第3項(新規事項)の拒絶理由についての判断

本件補正前の請求項4に係る発明は、本件補正により削除された。
したがって、上記1の拒絶理由は解消した。


第8 特許法第29条第1項第3号(新規性)に関する当審拒絶理由について

1 特許法第29条第1項第3号(新規性)について、当審では、下記の拒絶理由を通知した。

(1) 国内優先権の主張の効果について
平成28年10月31日付け手続補正書の請求項3には「前記画像変更部は、前記組み合わせ部により組み合わされた撮影画像のうち、アップ画像を、他の撮影画像のうちのアップ画像に変更して、撮影画像の組み合わせを変更する」との発明特定事項が記載されている。
これに対して、国内優先権の主張の基礎とした出願(特願2012-140978号)の出願当初の明細書、特許請求の範囲または図面(以下、「優先基礎明細書等」という。)の段落【0148】、【0166】および図16には、全身画像を他の撮影画像のうちの全身画像に変更することが記載されていると認められるものの、優先基礎明細書等にはアップ画像を他の撮影画像のうちのアップ画像に変更することが記載されておらず、平成28年10月31日付け手続補正書の請求項3は優先基礎明細書等との関係において新たな技術的事項が導入されたものである。
したがって、平成28年10月31日付け手続補正書でした補正による請求項3に係る発明について、国内優先権の主張の効果が認められない。
(2) 本願出願日(平成25年3月19日)前に頒布された刊行物である引用文献1の図48-52には、コラージュ合成画像において、アップ画像を他のアップ画像に変更することが看て取れるから、平成28年10月31日付け手続補正書の請求項3の「前記画像変更部は、前記組み合わせ部により組み合わされた撮影画像のうち、アップ画像を、他の撮影画像のうちのアップ画像に変更して、撮影画像の組み合わせを変更する」との発明特定事項は引用文献1に記載されている。
(3) したがって、平成28年10月31日付け手続補正書でした補正による請求項3に係る発明は、引用文献1に記載されているから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

2 特許法第29条第1項第3号(新規性)の拒絶理由についての判断

平成28年10月31日付け手続補正書でした補正による請求項3に係る発明は、本件補正により削除された。
したがって、上記1の拒絶理由は解消した。


第9 原査定についての判断

1 引用文献A
(1) 原査定の理由に引用された引用文献Aには次の記載がある(下線は当審で付した)。
ア 「【0004】
写真撮影遊戯機で生成された合成画像を携帯電話機に代表される携帯端末の待ち受け画像に利用する場合、合成画像に基づいて、携帯端末の表示画面に応じた形状の新たな合成画像(以下、二次的合成画像という)を編集できる方が好ましい。このような二次的合成画像の編集作業を全てのプレイヤがサーバ上で自由に行えば、サーバ負荷が増大する。」
イ 「【0005】
また、プレイヤが二次的合成画像の編集作業を写真撮影遊戯機で自由に行えば、編集作業に時間が掛かってしまい、プレイ時間に影響を与える。」
ウ 「【0009】
本発明の他の目的は、写真撮影遊戯機でのプレイ時間及びサーバ負荷への影響を抑えつつ、二次的合成画像を提供できる写真撮影遊戯システムを提供することである。」
エ 「【0035】
[機能構成]
図3を参照して、写真撮影遊戯機1は、撮影処理を実行する撮影用コンピュータ装置101aと、画像編集処理を実行する画像編集用コンピュータ装置101bと、動作中のコンピュータ装置101a,101bからの指示を受け付けて、接続されている各種装置を制御する制御基板102と、クロマキーキャプチャボード17とを備える。撮影用コンピュータ装置101aと画像編集用コンピュータ装置101bとは互いに接続され、画像データなどの授受をピアツーピアで行う。これらは写真撮影遊戯機1の制御装置100として機能する。」
オ 「【0036】
コンピュータ装置101a,101bは、CPU(Central Processing Unit)103a,103bと、本装置に所定の処理を実行させるための制御プログラム、処理に必要なグラフィックデータ、音声データ、撮影された写真画像、あらかじめ用意された複数の背景画像、あらかじめ用意された複数のフレーム画像や複数のスタンプ画像等の編集画像等を記憶するHDD(ハードディスク)104a,104b、制御プログラムの一時的な作業領域となるメモリ105a,105bとを含む。」
カ 「【0044】
[写真撮影遊戯システム]
図4を参照して、本実施の形態による写真撮影遊戯システムは、上述の写真撮影遊戯機1と、サーバ200とを備える。写真撮影遊戯機1とサーバ200とはインターネットに代表されるネットワーク250を介して接続される。」
キ 「【0058】
[撮影処理]
まず、撮影ブース2での写真撮影遊戯機1の動作を説明する。撮影用コンピュータ装置101aのCPU103aは、HDD104aに記憶された写真撮影遊戯プログラムをメモリ105aに読出して実行することにより、この撮影処理を実現する。」
ク 「【0059】
CPU103aは、カメラ10で被写体となるプレイヤを複数回撮影する。本例では6回撮影する。CPU103aはまた、撮影前に、所望の画像タイプ(正方形画像又は長方形画像)をプレイヤに選択させ、選択された画像タイプ用に撮影を行う。」
ケ 「【0070】
6回目の撮影動作を終了した後、CPU103aは最大枚数である6枚撮影したと判断する(S9でYES)。このとき、CPU103aは撮影の残り時間を確認する(S10)。残り時間が所定時間(たとえば60秒)未満である場合(S10でNO)、生成されたプレビュー画像のうち、落書きを行う画像の選択を受け付ける(S12)。CPU103aはたとえば、4?6枚の画像の選択を受け付ける。ここでは、5枚の画像(4枚の正方形画像と1枚の長方形画像)が選択されたとして説明を続ける。選択された画像は画像編集用コンピュータ装置101bのメモリ105bに送信される。」
コ 「【0073】
図15を参照して、CPU103bは、編集用ディスプレイ40に、画面をタッチして編集処理を開始するよう促す移動待ち画像を表示する(S21)。そして、プレイヤがタッチペン42で編集用ディスプレイ40をタッチしたとき、編集残り時間のカウントダウンを開始する(S22)。」
サ 「【0074】
続いて、CPU103bは、図16に示すように、シール紙に印刷する合成画像の分割レイアウトパターンの選択画面を表示する(S23)。そして、分割レイアウトパターンの選択を受け付ける。プレイヤは、所望の分割レイアウトパターンの選択ボタン751を選択する。選択されたボタン751はフレームカーソル753で囲まれて表示される。プレイヤは選択ボタン751を選択した後、決定ボタン752をタッチする。このとき、CPU103bは、選択された選択ボタン751に表示された分割レイアウトパターン固有のID(以下、レイアウトIDという)をメモリ105bに格納する(S24)
続いて、CPU103bは、図17に示す編集画面を編集用ディスプレイ40に表示する(S25)。編集画面には、左右に2つの編集領域60L及び60Rが表示され、二人の利用者がそれぞれの領域60(60L及び60R)で画像を編集できるようになっている。また、撮影処理(図11)のステップS12で選択された複数のプレビュー画像は、編集領域60L及び60Rのいずれかに割り当てられる。これにより、各々の編集領域60で異なるプレビュー画像の編集を行うことができる。」
シ 「【0079】
落書き時間が制限時間に達したとき(S27でYES)、または、おしまいボタン68へのタッチを検知したとき(S28でYES)、CPU103bは、写真画像及び入力された編集画像をメモリ105b又はHDD104bに保存し(S29)、編集処理を終了する。」
ス 「【0082】
図18を参照して、CPU103bは初めに、写真画像と、編集処理により入力された編集画像とを合成して複数の合成画像CI1?CI5を生成する(S51)。続いて、CPU103bは、先に設定されたシール紙の分割数をステップS51で生成された合成画像数と比較する(S52)。分割数が合成画像数よりも少ない場合(S52でYES)、CPU103bは複数の合成画像CI1?CI5のうち、印刷する合成画像の選択を受け付ける(S53)。具体的には、各合成画像が表示された複数の選択ボタンを編集用ディスプレイ40に表示し、その中から、分割数分の合成画像をプレイヤに選択させる。たとえば、合成画像数が5枚であり、分割数が4枚である場合、合成画像を4枚選択させる。プレイヤの操作により合成画像が選択されると、CPU103bは選択された合成画像のシール紙への印刷を開始する(S54)。これにより、図7に示すような写真シールが完成する。」
セ 「【0085】
CPU103bは、合成画像の種類及び枚数に基づいて、二次的合成画像データベースから採用可能な1つのレイアウトを自動的に選択する。そして、選択されたレイアウトの各区分AR1?AR5に、合成画像CI1?CI5を自動的に配置して、二次的合成画像500を作成する。たとえば、CPU103bが図19(A)を採用した場合、図19(A)の各区分AR1?AR5のサイズに合うように合成画像CI1?CI5のサイズを調整し、各合成画像CI1?CI5を各区分AR1?AR5に配置して合成する。このとき、長方形画像CI5は長方形状の区分AR5に配置される。また、正方形画像CI1?CI4は正方形状の任意の区分AR1?AR4に自動的に配置される。つまり、本実施の形態では、写真撮影遊戯機1が自動的に二次的合成画像を生成し、プレイヤは二次的合成画像500の編集に関与しない。そのため、本例では、二次的合成画像500のプレイヤ操作による編集回数及び編集時間は存在しない。このように写真撮影遊戯機1が自動的に二次的合成画像を生成すれば、二次的合成画像の生成に掛かる時間がプレイ時間に影響を与えない。」
ソ 「【0086】
続いて、CPU103bは、作成された二次的合成画像500をサーバ200に送信する(S57)。このとき、CPU103bは、二次的合成画像500とともに、画像編集処理で作成された合成画像CI1?CI5もサーバ200に送信する。サーバ200が新たな二次的合成画像510を生成できるようにするためである。CPU103bは、二次的合成画像510及び合成画像CI1?CI5に識別情報IDを付与してサーバ200に送信する。なお、識別情報IDは図7に示すように、写真シール紙の周縁部に印刷される(図7中では、ID=12345678)。識別情報IDはプレイヤが携帯端末300を用いてサーバ200から二次的合成画像500又は510を取得するときに利用される。」
タ 「【0088】
[サーバ及び携帯端末での処理]
サーバ200は、プレイヤの携帯端末300から二次的合成画像500の閲覧要求を受けたとき、二次的合成画像500のサンプル画像を含む閲覧画面を携帯端末300に送信する。プレイヤは閲覧画面をディスプレイ307に表示し、二次的合成画像500を確認する。プレイヤが二次的合成画像500のデザインに満足した場合、携帯端末300を用いて、二次的合成画像500をサーバ200から取得する。一方、二次的合成画像500のデザインにプレイヤが満足できない場合、プレイヤは、自身の編集操作により新たな二次的合成画像510を作成する。つまり、サーバ200は、二次的合成画像510を作成する機会をプレイヤに提供する。以下、サーバ200の動作について詳述する。」
チ 「【0095】
サーバ200はまず、図23に示す作成画面を携帯端末300に送信する。図23に示すように、作成画面には、作成される二次的合成画像510のレイアウトにおける区分数が4つの場合と、6つの場合とが表示されている。各区分は、写真撮影遊戯機1で生成された合成画像のうち、基準とする合成画像の形状に相似する。ここでは、写真撮影遊戯機1で生成された正方形画像及び長方形画像のうち、正方形画像を基準とする。そのため、各区分の形状は正方形とする。その結果、1つの区分が1つの正方形画像に対応し、隣り合う2つの区分が1つの長方形画像に対応する。」
ツ 「【0096】
ここで、プレイヤが6区分を選択したと仮定して説明を続ける。このときプレイヤは2つの選択ボタン410(4区分選択ボタン)、411(6区分選択ボタン)のうち、6区分選択ボタン411を選択する。このプレイヤ操作に応じて、携帯端末300は6区分を選択する旨の区分数指示をサーバ200に送信する。サーバ200は区分数指示を受け付ける(S71)。そして、選択された6区分のレイアウトが表示された区分画面を送信する。送信された区分画面の一例を図24に示す。区分画面には、6つの区分AR1?AR6が表示される。各区分AR1?AR6には表示番号「1」?「6」が対応付けられている。プレイヤは所望の区分を指定する。具体的には、携帯端末300の入力部を用いて所望の区分の番号を入力し、決定キーを押すか、枠状のカーソル414を所望の区分に移動させ、決定キーを押す。」
テ 「【0098】
続いて、サーバ200は、区分AR1に配置する合成画像の指定を受け付ける(S73)。具体的には、サーバ200は図25に示す合成画像選択画面を携帯端末300に送信する。合成画像選択画面には、ステップS57で写真撮影遊戯機1からサーバ200に送信された合成画像CI1?CI5のサンプル画像が表示される。プレイヤは、ディスプレイ307に表示された合成画像CI1?CI5のうち、区分AR1に入力したい合成画像を選択する。具体的には、プレイヤは、枠状のカーソル415により所望の合成画像に移動し、決定キーを押す。ここではプレイヤが合成画像CI1を選択したと仮定して説明を続ける。」
ト 「【0099】
プレイヤ操作により合成画像CI1が選択されたとき、携帯端末300は合成画像CI1の指定コマンドをサーバ200に送信する。このようにして、サーバ200は合成画像CI1の指定を受け付ける(S73)。そして、合成画像CI1を指定する。続いて、サーバ200は、指定された区分AR1への合成画像CI1の配置処理を実行する(S74?S80)。」
ナ 「【0112】
図33に示す区分画面が送信された後(S80)、その区分画面の各区分に配置された画像を見たプレイヤが、その配置レイアウト(デザイン)に満足したとき、プレイヤは、終了ボタン「これでOK!」412を選択する。このとき、携帯端末300は終了コマンドをサーバ200に送信する。サーバ200は終了コマンドを受け(S81でYES)、二次的合成画像510を作成する(S82)。具体的には、図33に示すとおりに各区分AR1?AR1に合成画像CI1?CI5を配置し合成して、二次的合成画像510を生成する。そして、図20に戻って、サーバ200は生成した二次的合成画像510を含む表示画面を携帯端末300に送信する(S65)。図34に表示画面の一例を示す。表示画面には、二次的合成画像510が表示されている。プレイヤはディスプレイ307で図34の表示画面を参照する。そして、表示画面内の二次的合成画像510のデザインで満足であれば、二次的合成画像510を携帯端末300に保存する。携帯端末300は画像等のファイルの保存機能を有しており、プレイヤ操作に応じて二次的合成画像510を保存する。」

(2) 以上より、引用文献Aには次の発明(以下、「引用発明A」という。)が記載されていると認められる。
「ネットワークを介して接続される写真撮影遊戯機とサーバとを備える写真撮影遊戯システムであって、
前記写真撮影遊戯機の撮影用コンピュータ装置のCPU103aは、
カメラで被写体となるプレイヤを複数回撮影し、
生成されたプレビュー画像のうち、落書きを行う画像の選択を受け付け、
選択された画像を画像編集用コンピュータ装置のメモリに送信し、
前記写真撮影遊戯機の画像編集用コンピュータ装置のCPU103bは、
画面をタッチして編集処理を開始するよう促す移動待ち画像を表示し、プレイヤがタッチペンで編集用ディスプレイをタッチしたとき、編集残り時間のカウントダウンを開始し、
編集画面を編集用ディスプレイに表示し、二人の利用者がそれぞれの領域で画像を編集できるようになり、
落書き時間が制限時間に達したとき、または、おしまいボタンへのタッチを検知したとき、写真画像及び入力された編集画像をメモリ又はHDDに保存し、編集処理を終了し、
写真画像と、前記編集処理により入力された編集画像とを合成して複数の合成画像CI1?CI5を生成し、
前記合成画像の種類及び枚数に基づいて、二次的合成画像データベースから採用可能な1つのレイアウトを自動的に選択して、前記選択されたレイアウトの各区分に、前記合成画像CI1?CI5を自動的に配置して、二次的合成画像を作成し、
前記作成された二次的合成画像を前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記プレイヤの携帯端末から前記二次的合成画像の閲覧要求を受けたとき、前記二次的合成画像のサンプル画像を含む閲覧画面を前記携帯端末に送信し、
前記二次的合成画像のデザインに前記プレイヤが満足できない場合、作成される二次的合成画像のレイアウトにおける区分数が4つの場合と、6つの場合とが表示されている作成画面を前記携帯端末に送信し、
前記プレイヤの操作に応じて選択され、前記携帯端末から送信される区分数の指示を受け付け、
前記プレイヤの操作により選択され、前記携帯端末から送信される、前記区分数の各区分に配置する前記合成画像CI1?CI5の指定を受け付け、
前記区分数の各区分に前記合成画像CI1?CI5を配置し合成して二次的合成画像を生成し、
前記生成した二次的合成画像を含む表示画面を前記携帯端末に送信する
写真撮影遊戯システム。」

2 引用発明Aとの対比・判断
(1) 本願発明1と引用発明Aとを対比する。
ア 引用発明Aにおいては、「カメラで被写体となるプレイヤを複数回撮影し」ているから、本願発明1と同様に「複数の撮影画像」が得られていることは明らかである。
イ 引用発明Aにおいては、「カメラで被写体となるプレイヤを複数回撮影し」て得られた「画像」から「選択された画像」と「編集画像」とを「合成」して「生成」された「複数の合成画像CI1?CI5」を「自動的に配置して、二次的合成画像を作成し」ているから、本願発明1と引用発明Aとは「利用者を被写体として撮影して得られる複数の撮影画像の中から撮影画像を組み合わせる」という点で共通する。
ウ 引用発明Aにおいては、「前記携帯端末から送信される、前記区分数の各区分に配置する前記合成画像CI1?CI5の指定を受け付け、前記区分数の各区分に前記合成画像CI1?CI5を配置し合成して二次的合成画像を生成し」ているから、本願発明1と引用発明Aとは「組み合わせが変更された撮影画像を用いて、組み合わせ画像を生成」している点で共通する。
エ 引用発明Aの「前記生成した二次的合成画像を含む表示画面を前記携帯端末に送信する」は、本願発明1の「生成された組み合わせ画像を提供する」に相当する。
オ 引用発明Aの「写真撮影遊戯機」は、本願発明1の「画像処理装置」に相当する。
カ 本願発明1の「画像処理装置」は一つの装置であるが、「写真撮影システム」の一形態であるといえるところ、本願発明1と引用発明Aとは「写真撮影システム」であるという点で共通する。
カ 以上より、本願発明1と引用発明Aとの一致点及び相違点は次のとおりである。
【一致点】
「利用者を被写体として撮影して得られる複数の撮影画像の中から撮影画像を組み合わせる組み合わせ部と、
前記組み合わせ部により組み合わされた撮影画像の組み合わせを変更する画像変更部と、
前記画像変更部により組み合わせが変更された撮影画像を用いて、組み合わせ画像を生成する画像生成部と、
前記画像生成部により生成された組み合わせ画像を提供する画像提供部と
を備える写真撮影システム。」
【相違点1】
「撮影画像の組み合わせ」の「変更」について、本願発明1では「組み合わせ部により組み合わされた撮影画像のうちの全身画像を、前記複数の撮影画像のうちの他の全身画像に変更して」いるのに対して、引用発明Aでは「区分数の各区分に配置する前記合成画像CI1?CI5の指定を受け付け、前記区分数の各区分に前記合成画像CI1?CI5を配置し」ている点。
【相違点2】
本願発明1は、一つの装置である「画像処理装置」であって、「組み合わせ部」、「画像変更部」、「画像生成部」及び「画像提供部」はいずれも「画像処理装置」に備えられているのに対して、引用発明Aは、「ネットワークを介して接続される写真撮影遊戯機とサーバとを備える写真撮影遊戯システム」であって、「組み合わせ部」は「写真撮影遊戯機」に備えられ、「画像変更部」、「画像生成部」及び「画像提供部」は「サーバ」に備えられている点。

(2)ア 上記相違点1について検討する。
(ア) 上記1(1)ア-ウより、引用発明Aの課題は「写真撮影遊戯機でのプレイ時間及びサーバ負荷への影響を抑えつつ、二次的合成画像を提供できる写真撮影遊戯システムを提供することである」と認められる。
そして、仮に、引用発明Aの「写真撮影遊戯機」に、引用文献Bに記載されている「選択された画像」を他の画像へ変更することを受け付ける技術を適用すれば、「写真撮影遊戯機でのプレイ時間」の増大を招くことは明らかであるから、前記引用発明Aの課題を踏まえると、そのような構成を採用することには阻害要因があるといえる。
また、引用発明Aの「サーバ」は、「選択された画像」以外の画像を受信しておらず、「選択された画像」を変更する他の画像を備えていないから、引用文献Bに記載されている「選択された画像」を他の画像へ変更することを受け付ける技術を適用することはできない。
してみると、引用発明Aにおいて、「選択された画像」の他の撮影画像への変更を行う構成を採用することは、当業者が容易に想到し得たことであるとはいえない。
(イ) よって、上記相違点1に係る本願発明1の発明特定事項は、当業者であっても容易に想到し得たことであるとはいえない。
(ウ) なお、仮に、引用発明Aにおいて、「選択された画像」の他の撮影画像への変更を行う構成を採用することができたとしても、原査定の理由に引用された引用文献B及びCには「全身画像」を「他の全身画像」に変更する点が記載されておらず、この点は当業者が容易に想到し得たことであるとはいえない。
イ 上記相違点2について検討する。
(ア) 仮に、引用発明Aにおいて、「サーバ」に換えて「写真撮影遊戯機」が、「画像変更部」、「画像生成部」及び「画像提供部」を備えるようにすれば、「写真撮影遊戯機でのプレイ時間」の増大は避けられず、上記引用発明Aの課題を踏まえると、そのようにすることには阻害要因があるといえる。
(イ) よって、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項は、当業者であっても容易に想到し得たことであるとはいえない。
ウ したがって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明A、並びに、引用文献Bに記載された技術及び引用文献Cに記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(3) 本願発明2-5について
ア 本願発明2-4は、本願発明1を引用するものであって、上記相違点1及び2に係る本願発明1の発明特定事項を備えるものであるから、当業者であっても、引用発明A、並びに、引用文献Bに記載された技術及び引用文献Cに記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
イ 本願発明5は、本願発明1とカテゴリーは異なるが実質的に同内容の発明であって、引用文献Aに記載された発明、並びに、引用文献Bに記載された技術及び引用文献Cに記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。


第10 むすび

以上のとおり、原査定の理由及び当審拒絶理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-01-08 
出願番号 特願2013-55964(P2013-55964)
審決分類 P 1 8・ 113- WY (G06T)
P 1 8・ 55- WY (G06T)
P 1 8・ 121- WY (G06T)
P 1 8・ 16- WY (G06T)
最終処分 成立  
前審関与審査官 登丸 久寿  
特許庁審判長 尾崎 淳史
特許庁審判官 藤本 義仁
後藤 昌夫
発明の名称 画像処理装置および方法  
代理人 稲本 義雄  
代理人 西川 孝  
代理人 三浦 勇介  
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