• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G01B
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G01B
管理番号 1347509
審判番号 不服2017-18574  
総通号数 230 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-02-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-12-14 
確定日 2019-01-23 
事件の表示 特願2013- 13182「複数の位置測定装置を備えた装置」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 8月19日出願公開、特開2013-160760、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成25年1月28日(パリ条約による優先権主張 2012年2月1日(以下「優先日」という。)、ドイツ連邦共和国)の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成28年 9月 1日付け:拒絶理由通知書
平成28年11月 9日 :意見書、手続補正書の提出
平成29年 4月17日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書
平成29年 7月 5日 :意見書、手続補正書の提出
平成29年 8月24日付け:平成29年7月5日の手続補正についての補正の却下の決定、拒絶査定(以下「原査定」という。送達日:平成29年8月30日)
平成29年12月14日 :審判請求書、手続補正書の提出
平成30年 8月17日付け:拒絶理由通知書(以下「当審拒絶理由」という。発送日:同年同月22日)
平成30年10月 3日 :意見書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要
原査定の概要は次のとおりである。

本願の下記の請求項に係る発明は、本願の優先日前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明に基いて、本願の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

・請求項 1-4
・引用文献等 1、2

・請求項 5-8
・引用文献等 1-3

・請求項 9-11
・引用文献等 3、4

・請求項 12
・引用文献等 1-5

・請求項 13
・引用文献等 1、3、4

引用文献等一覧
1.特開2005-338075号公報
2.国際公開第2007/142351号
3.特開2011-117737号公報
4.特開2010-237202号公報
5.特開2009-55036号公報

第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は次のとおりである。

本願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
請求項1の「前記対象物(1)において必要な、様々な前記位置測定装置の全ての標準器(23.2,23.3)及び/又は測定反射器(23.1)」という記載は、発明の詳細な説明に記載されていない選択肢を含んでいるから、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない。

第4 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成30年10月3日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)で補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される発明であり、本願発明は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
- 2つの直交する第1及び第2のメイン移動軸(y,x)並びにこれに対して垂直な第3の軸(z)に沿って可変に配置された対象物(1)と、
- 6つ全ての空間的な自由度において前記対象物(1)の位置を検出するための複数の位置測定装置と
を備えて成り、複数の光学的な前記位置測定装置が唯一の走査方向から前記対象物(1)を走査するとともに、この走査方向が両メイン移動軸(y,x)のうちいずれかに一致し、前記6つの空間的な自由度が、前記第1及び第2のメイン移動軸(y,x)に沿った、並びにこれら第1及び第2のメイン移動軸に対して垂直な前記第3の軸(z)に沿った3つの並進運動自由度と、前記第1及び第2のメイン移動軸(y,x)周りの、並びにこれら第1及び第2のメイン移動軸に対して垂直な前記第3の軸(z)周りの3つの回転運動自由度とを含んでおり、
前記対象物(1)において必要な、様々な前記位置測定装置の全ての標準器(23.2,23.3)及び測定反射器(23.1)が前記対象物(1)の共通の側に配置されていることを特徴とする装置。」

第5 引用文献、引用発明等
1.引用文献3について
(1)原査定の拒絶の理由において、本願発明に対応する、原査定時点での請求項9に係る発明に対して、主たる引用文献として引用された引用文献3(特開2011-117737号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審による。以下同様。)。
「【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
【0013】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る露光装置EXの一例を示す概略構成図である。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。制御装置4は、基板Pを投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ基板Pに露光光ELを照射する。
【0014】
図1に示すように、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置4とを備えている。
・・・(中略)・・・
【0020】
基板ステージ2は、基板Pを保持した状態で、投影領域PRを含むベース部材8のガイド面8G上を移動可能である。基板ステージ2は、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されているような平面モータを含む駆動システムの作動により移動する。平面モータは、基板ステージ2に配置された可動子と、ベース部材8に配置された固定子とを有する。本実施形態においては、基板ステージ2は、駆動システムの作動により、ガイド面8G上において、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
【0021】
基板ステージ2は、基板Pをリリース可能に保持する基板保持部9を有する。基板保持部9は、基板Pの表面が+Z方向を向くように基板Pを保持する。本実施形態において、基板保持部9に保持された基板Pの表面と、その基板Pの周囲に配置される基板ステージ2の上面10とは、同一平面内に配置される(面一である)。上面10は、平坦である。本実施形態において、基板保持部9に保持された基板Pの表面、及び基板ステージ2の上面10は、XY平面とほぼ平行である。
【0022】
本実施形態において、マスクステージ1の位置情報は、例えば干渉計システム12によって計測される。干渉計システム12は、マスクステージ1に配置された計測ミラーを用いてマスクステージ1の位置を計測可能である。また、基板ステージ2の位置情報は、エンコーダシステム20や不図示の干渉計システムなどの計測装置MSRによって計測される。本実施形態では、例えば基板ステージ2のX方向及びY方向の位置情報についてはエンコーダシステム20を用いて計測し、Z方向の位置情報については不図示の干渉計システムを用いて計測する場合を例に挙げて説明する。
【0023】
図2及び図3は、計測装置MSRに含まれるエンコーダシステム20の構成を示す図である。図2は基板ステージ2近傍の構成を示す平面図であり、図3は側面図である。
図2及び図3に示すように、エンコーダシステム20は、基板ステージ2のX方向及びY方向の移動に対応して設けられたX方向用エンコーダシステム20X及びY方向用エンコーダシステム20Yを有している。X方向用エンコーダシステム20X及びY方向用エンコーダシステム20Yは、同一の構成となっているため、以下の説明においては、エンコーダシステム20の構成としてまとめて説明する。
【0024】
エンコーダシステム20は、光源21、光回折部22、干渉光学系23及び検出装置24を有している。
光源21としては、例えばレーザ光を射出するレーザ光源などを用いることができる。光源21は、2つの光射出部21A及び21Bを有している。2つの光射出部21A及び21Bは、基板ステージ2の光回折部22に対して異なる位置に向けてレーザ光を射出する。
【0025】
光射出部21A及び21Bは、計測基準板25に固定されている。当該計測基準板25は、例えば投影光学系PLなどを支持する不図示のコラム部材など、基板ステージ2に対して独立した位置に固定されている。なお、図2においては、計測基準板25の図示が省略されている。
【0026】
光回折部22は、基板ステージ2に設けられている。光回折部22は、2つの回折格子(第1回折格子22A及び第2回折格子22B)と、当該2つの回折格子を支持する支持部材22Cとを有している。第1回折格子22Aは基板ステージ2の上段側(+Z側)に設けられており、第2回折格子22Bは基板ステージ2の下段側(-Z側)に設けられている。第1回折格子22Aと第2回折格子22Bは、ピッチが互いに等しくなるように配置された格子をそれぞれ有しており、当該格子の位相が互いにずれるように配置されている。
・・・(後略)・・・」

【図1】

【図2】

【図3】

【0022】の記載及び図1より、露光装置EXがエンコーダシステム20及び(不図示の)干渉計システムを備えている点が見て取れる。
また、図2より、X方向用エンコーダシステム20Xは、基板ステージ2に対して、Y軸の方向から光の射出及び検出を行い、Y方向用エンコーダシステム20Yは、基板ステージ2に対して、X軸の方向から光の射出及び検出を行う点、X方向用エンコーダシステム20Xの2つの回折格子(第1回折格子22A及び第2回折格子22B)は、基板ステージ2のY軸側に設けられ、Y方向用エンコーダシステム20Yの2つの回折格子(第1回折格子22A及び第2回折格子22B)は、基板ステージ2のX軸側に設けられる点が見て取れる。

「【0048】
また、上記第1実施形態の構成に加えて、例えば図6に示すような基板ステージ2のZ方向の移動を検出可能な干渉計システム12Zを加える構成としても構わない。図6に示すように、干渉計システム12Zは、光射出部21C、Z反射鏡29、半透膜28C及び光検出器24Cを有している。ここでは、支持部材22Cの面22Dのうち、第1回折格子22A及び第2回折格子22Bが形成されていない部分に光射出部21Cのレーザ光を照射する構成となっている。また、Z反射鏡29は、固定鏡26と固定鏡27との間であって、第1回折格子22A及び第2回折格子22Bにおいて反射される0次光の光路から外れた位置に設けられている。このため、Z反射鏡29は、当該0次光を反射せず、かつ、面22Dで反射されたレーザ光を反射するような構成となる。Z反射鏡29で反射されたレーザ光は、面22Dにおいて光射出部21C側へ反射され、半透膜28Cによって反射されて光検出器24Cに入射されることになる。」

【図6】

図6より、干渉計システム12Zは、基板ステージ2に対して、Y軸の方向から光の射出及び検出を行う点、干渉計システム12ZでY軸の方向から射出された光を反射する面22Dは、基板ステージ2のY軸側に設けられる点が見て取れる。

(2)したがって、上記引用文献3には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置4と、エンコーダシステム20及び干渉計システムを備えた露光装置EX(【0014】、【0022】、図1より。以下同様。)において、
水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とし、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とし(【0012】)、
基板ステージ2は、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能であり(【0020】)、
基板ステージ2は、基板Pをリリース可能に保持する基板保持部9を有し、基板保持部9は、基板Pの表面が+Z方向を向くように基板Pを保持し、基板保持部9に保持された基板Pの表面、及び基板ステージ2の上面10は、XY平面とほぼ平行であり(【0021】)、
基板ステージ2の位置情報は、エンコーダシステム20や干渉計システムなどの計測装置MSRによって計測され、基板ステージ2のX方向及びY方向の位置情報についてはエンコーダシステム20を用いて計測し、Z方向の位置情報については干渉計システムを用いて計測し(【0022】)、
基板ステージ2のX方向の移動に対応して設けられたX方向用エンコーダシステム20Xは、基板ステージ2に対して、Y軸の方向から光の射出及び検出を行い、基板ステージ2のY方向の移動に対応して設けられたY方向用エンコーダシステム20Yは、基板ステージ2に対して、X軸の方向から光の射出及び検出を行い(【0023】、図2)、
エンコーダシステム20は、基板ステージ2に設けられている光回折部22を有し、光回折部22は、2つの回折格子(第1回折格子22A及び第2回折格子22B)を有し(【0024】、【0026】)、
X方向用エンコーダシステム20Xの2つの回折格子(第1回折格子22A及び第2回折格子22B)は、基板ステージ2のY軸側に設けられ、Y方向用エンコーダシステム20Yの2つの回折格子(第1回折格子22A及び第2回折格子22B)は、基板ステージ2のX軸側に設けられ(図2)、
基板ステージ2のZ方向の移動を検出可能な干渉計システム12Zは、基板ステージ2に対して、Y軸の方向から光の射出及び検出を行い(【0048】、図6)、
干渉計システム12Zは、支持部材22Cの面22Dのうち、第1回折格子22A及び第2回折格子22Bが形成されていない部分に光射出部21Cのレーザ光を照射し、面22Dでレーザ光が反射され(【0048】)、
干渉計システム12ZでY軸の方向から射出された光を反射する面22Dは、基板ステージ2のY軸側に設けられる(図6)、
露光装置EX(【0014】)。」

2.引用文献4について
(1)原査定の拒絶の理由において、本願発明に対応する、原査定時点での請求項9に係る発明に対して、従たる引用文献として引用された引用文献4(特開2010-237202号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0117】
<ステージ装置SGについて>
図16は、ステージ装置SGの斜視図である。図16に示されたようにウエハステージ4(ウエハテーブル8)のY軸方向及びX軸方向にそれぞれ延在する反射体としての反射面16x、16yが取り付けられており、反射面16x、16yの鏡面に対向してX軸用干渉装置100x及びY軸用干渉装置100yが設けられている。
【0118】
図16に示すように、X軸用の干渉装置100xは、Y軸方向に互いに離間して配置される2つの干渉光学系100xa及び100xb含む。干渉光学系100xaと干渉光学系100xbとは、ウエハテーブル8(ウエハステージ4)のY軸方向の位置に応じて選択的に使用される。干渉光学系100xaのY軸方向に関する配置位置は、投影光学系3の光軸AX(図15を参照)と概ね一致しており、干渉光学系100xbのY軸方向に関する配置位置は、ウエハアライメント系センサWA1の光軸AXa(図15を参照)と概ね一致している。そして、干渉光学系100xaが、投影光学系3(図15を参照)を介したウエハSWへの露光処理時に用いられ、干渉光学系100xbが、ウエハアライメント系センサWA1(図15を参照)を介したウエハステージ4上のマーク計測時に用いられる。
【0119】
各干渉光学系100xa及び100xbは、X軸方向に平行な光軸を有する複数のビームを、ウエハテーブル8(ウエハステージ4)に配設された反射面16xに照射する。そして、反射面16xからの反射ビームが各干渉光学系100xa及び100xbを介して検出器20(図1などを参照)に送られ、反射面16xのX軸方向の位置(距離)、ひいてはウエハテーブル(ウエハステージ4)の位置が検出される。
【0120】
具体的には、干渉光学系100xaを介して反射面16xに照射される複数のビーム60、61のうち、ウエハテーブル8のX軸方向の位置計測にビーム60が用いられ、また、ウエハテーブル8のY軸周りの回転角(ロール)の計測にビーム60とビーム61とが用いられる。同様に、干渉光学系100xbを介して反射面16xに照射される複数のビーム62、63のうち、ウエハテーブル8のX軸方向の位置計測にビーム62が用いられ、また、ウエハテーブル8のY軸周りの回転角(ロール)の計測にビーム62とビーム63とが用いられる。
【0121】
Y軸用の干渉装置100yのX軸方向に関する配置位置が、投影光学系3の光軸AX(図15参照)と概ね一致している。干渉装置100yは、Y軸方向に平行な光軸を有する複数のビームを、ウエハテーブル8(ウエハステージ4)に配設された反射面16yに照射する。そして、反射面16yからの反射ビームが各干渉光学系100xa及び100xbを介して検出器20(図1などを参照)に送られ、反射面16yのY軸方向の位置(距離)、ひいてはウエハテーブル(ウエハステージ4)の位置が検出される。
【0122】
具体的には、干渉装置100yを介して反射面16yに照射される複数のビーム64、65、66のうち、ウエハテーブル8のY軸方向の位置計測にビーム64とビーム65との少なくとも一方が用いられ、また、ウエハテーブル8のZ軸周りの回転角(ヨー)の計測にビーム64とビーム65とが用いられ、さらに、ウエハテーブル8のX軸周りの回転角(ピッチ)の計測にビーム64とビーム65とビーム66とが用いられる。」

【図16】

(2)したがって、上記引用文献4には次の技術的事項(以下「引用文献4に記載された技術的事項」という。)が記載されていると認められる。
「ウエハステージ4(ウエハテーブル8)のY軸方向及びX軸方向にそれぞれ延在する反射体としての反射面16x、16yが取り付けられ、反射面16x、16yの鏡面に対向してX軸用干渉装置100x及びY軸用干渉装置100yが設けられており(【0117】)、
X軸用の干渉装置100xの干渉光学系は、X軸方向に平行な光軸を有する複数のビームを、ウエハテーブル8(ウエハステージ4)に配設された反射面16xに照射し、反射面16xからの反射ビームが干渉光学系を介して検出器20に送られ、反射面16xのX軸方向の位置(距離)、ひいてはウエハテーブル(ウエハステージ4)の位置が検出され(【0118】、【0119】)、干渉光学系を介して反射面16xに照射される複数のビームが用いられてウエハテーブル8のY軸周りの回転角(ロール)の計測も行われ(【0120】)、
Y軸用の干渉装置100yは、Y軸方向に平行な光軸を有する複数のビームを、ウエハテーブル8(ウエハステージ4)に配設された反射面16yに照射し、反射面16yからの反射ビームが干渉光学系を介して検出器20に送られ、反射面16yのY軸方向の位置(距離)、ひいてはウエハテーブル(ウエハステージ4)の位置が検出され(【0121】)、
干渉装置100yを介して反射面16yに照射される複数のビーム64、65、66のうち、ウエハテーブル8のZ軸周りの回転角(ヨー)の計測にビーム64とビーム65とが用いられ、さらに、ウエハテーブル8のX軸周りの回転角(ピッチ)の計測にビーム64とビーム65とビーム66とが用いられる(【0122】)、
ステージ装置SG(【0117】)。」

3.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2005-338075号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0006】
本発明の一実施形態において、第1の軸に沿った変位を測定するシステムは、少なくとも第1の軸に対して垂直な第2の軸に沿って移動可能な装置と、第1の軸に対して0°よりも大きな角度(θ)で前記装置に取り付けられた測定ミラーと、ビームスプリッタを備えた干渉計とを含む。ビームスプリッタは入力ビームを測定ビームと基準ビームとに分割し、測定ビームを少なくとも2本の経路を通して測定ミラーに導き、2本の経路を通過した後で測定ビームを基準ビームに結合させ、出力ビームにする。干渉計の少なくとも外側において、測定ビームは、第1の軸に対して平行ではない経路を通る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図2は、本発明の一実施形態による、干渉計101を使用してZ軸(たとえば、平版印刷の焦点軸)に沿ったウェハステージ102の変位を測定する干渉計システム100を示す。レーザヘッド104は、2つの直角に偏光する周波数成分から成るコヒーレントな平行入力ビーム105を生成する。一方の周波数成分f_(A)(たとえば、P偏光を有する測定ビーム)は干渉計の測定経路に入り、他方の周波数成分f_(B)(たとえば、S偏光を有する基準ビーム)は干渉計の基準経路に入る。
【0008】
測定経路において、偏光ビームスプリッタ106は、周波数成分f_(A)を4分の1波長板108を通して測定平面ミラー110上に透過する。測定平面ミラー110は、Z軸に対して角度θの角度でウェハステージ102の側面に取り付けられる。測定平面ミラー110は、周波数成分f_(A)をビームステアリングミラー112に対して垂直に反射させる。一実施形態において、角度θは45°未満である。従って、測定平面ミラー110は、周波数成分f_(A)をウェハステージ102から離れた所に反射させ、従来技術の方法の欠点を回避する。
【0009】
ビームステアリングミラー112は角度2θに傾けて配置され、公称ステージ姿勢(Z軸を中心とするステージの回転がない状態)において、周波数成分f_(A)を入力経路に沿って偏光ビームスプリッタ106に返す。周波数成分f_(A)は再び4分の1波長板108を通過するため、戻りの偏光は90°回転され、偏光ビームスプリッタ106は、新たにS偏光の周波数成分f_(A)をコーナーキューブ・レトロリフレクタ114に反射させる。
・・・(中略)・・・
【0013】
受信機116は混合偏光子と、光検出器(たとえば、フォトダイオード)と、増幅器と、ステージ102が平行移動する時に出力ビーム119の位相シフトを検出するための位相検出電子回路とを含む。そして、位相シフトはステージの平行移動に関連付けられる。測定ビームはZ軸およびX軸により画定される平面内のみを伝搬するので、Y軸に沿った変位がZ変位の測定値に影響を与えることはない。測定ミラー110のY軸方向の非平面性は、Z変位の測定値に影響を与える可能性があるが、この誤差原因は較正手段によって減少させることができる。」

4.引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(国際公開第2007/142351号)には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0034】
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態を図1?図3に基づいて説明する。
【0035】
図1には、第1の実施形態に係る露光装置10の概略的な構成が示されている。露光装置10は、ステッパ等の一括露光型の投影露光装置である。後述するように本実施形態では、投影光学系PLが設けられており、以下においては、この投影光学系PLの光軸AXと平行な方向をZ軸方向、これに直交する面内で図1おけるし面内左右方向をY軸方向、Z軸及びY軸に直交する方向(図1における紙面直交方向)をX軸方向とし、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
【0036】
露光装置10は、照明ユニットIOP、レチクルRを保持するレチクルホルダRH、投影光学系PL、ウエハWを保持して所定の平面(本実施形態では、互いに直交するX軸及びY軸を含むXY平面)に沿って二次元移動するウエハステージWSTを含むステージ装置50、及びこれらの制御系等を含んでいる。
・・・(中略)・・・
【0042】
ステージ装置50は、不図示のウエハホルダを介してウエハWを保持するウエハステージWST、及びウエハステージWSTを駆動するウエハステージ駆動系124等を備えている。ウエハステージWSTは、投影光学系PLの図1における下方に配置され、その底面に設けられた気体静圧軸受、例えばエアベアリングによって、不図示のベースの上面の上方に非接触で支持されている。ウエハステージWSTは、例えばリニアモータ及びボイスコイルモータなどを含むウエハステージ駆動系124によって、XY平面(移動面)内のX軸方向及びY軸方向に所定ストロークで駆動されるとともに、XY平面に直交するZ軸方向及び回転方向(θx方向、θy方向及びθz方向)に微小駆動される。
・・・(中略)・・・
【0044】
ウエハステージWSTの位置情報は、図1に示されるリニアエンコーダシステム20によって、常時検出され、不図示の制御装置に送られる。
【0045】
これを更に詳述すると、リニアエンコーダシステム20は、図2に示されるような、いわゆる3格子干渉エンコーダから成るXエンコーダ20X、及びYZエンコーダ20YZを含んでいる。
【0046】
Xエンコーダ20Xは、図2及びエンコーダ20Xの平面図である図3に示されるように、ウエハステージWSTの-Y側の面に設けられた移動格子30Xに対して、光を照射する光源22と、光源22との間の位置関係が固定で、移動格子30Xで発生する回折光を集光させる固定スケール24A,24Bと、固定スケール24A,24Bにて集光された回折光を干渉させるインデックススケール26と、インデックススケール26にて干渉した光を検出する検出器28とを含んでいる。
【0047】
光源22は、例えばコヒーレントな光、例えば波長λ(=850nm)のレーザ光を図1における-Y方向から+Y方向に向けて射出する。この場合、光源22から射出されるレーザ光の光軸が投影光学系PLの投影中心(本実施形態では光軸AXと一致)を通るように光源22の位置が設定されている。
・・・(中略)・・・
【0053】
この光量分布は、移動格子30XのX軸方向の移動に伴って変化するので、この変化を検出器28を用いて検出することにより、ウエハステージWSTのX軸方向に関する位置情報を計測することが可能である。
・・・(中略)・・・
【0057】
YZエンコーダ20YZは、図2に示されるように、ウエハステージWSTの+X側の面に設けられた移動格子30YZに対して、光を照射する光源42と、光源42との間の位置関係が固定で、移動格子30YZで発生する回折光を集光させる固定スケール44A、44B及び44C,44Dと、固定スケール44A、44B及び固定スケール44C,44Dのそれぞれにて集光された回折光を干渉させるインデックススケール46と、インデックススケール46にて干渉した光を検出する検出器48とを含んでいる。移動格子30YZは、Y軸方向を周期方向とする回折格子とZ軸方向を周期方向とする回折格子とが組み合わされた二次元格子である。また、光源42から射出されるレーザ光の光軸が投影光学系PLの投影中心(本実施形態では光軸AXと一致)を通るように、光源42の位置(及び姿勢)が設定されている。
・・・(中略)・・・
【0064】
ここで、YZエンコーダ20YZにおいては、検出器48上に二次元的な模様(市松模様)が現れる。この二次元的な模様は、ウエハステージWSTのY軸方向位置及びZ軸方向位置に応じて変化するので、この変化を、検出器48の少なくとも一部を構成する4分割素子又はCCDなどにより測定することによって、ウエハステージWSTのY軸方向及びZ軸方向の位置を計測することができる。
・・・(中略)・・・
【0068】
なお、上記実施形態では、ウエハステージWSTのX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の位置をエンコーダを用いて計測することとしたが、これに限らず、少なくとも一軸方向のみをエンコーダを用いて計測することとしても良い。この場合、その他の方向をレーザ干渉計等の別の計測装置を用いて計測することとすることができる。例えば、ウエハステージWSTのZ軸方向の位置を、ウエハ表面のZ位置を検出する多点焦点位置検出系を用いて計測することとしても良い。
【0069】
また、上記実施形態では、ウエハステージWSTが6自由度方向に移動可能とされているので、エンコーダ20X及び20YZを複数設けることにより、6自由度方向の計測を行うこととしても良い。また、エンコーダ20Xについても、2軸方向の計測が可能なように、エンコーダ20YZと同様の構成を採用することとしても良い。」

「 【0070】
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態について、図4(A)、図4(B)に基づいて説明する。ここで、前述した第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分については、同一の符号を用いるとともにその説明を簡略にし、若しくは省略するものとする。
【0071】
図4(A)には、第1の実施形態の図2に対応する斜視図が示されている。この図4(A)に示されるように、本第2の実施形態では、ウエハステージWSTの-Y側端部に、反射面134が設けられており、また、エンコーダ本体20Y’の構成が第1の実施形態のエンコーダ20Xとは異なるものとされている。・・・
・・・(中略)・・・
【0073】
このエンコーダ本体20Y’では、反射面134に対して、光源22からの光がY軸方向に沿って照射され、図4(B)に示されるように、反射面134において+Z方向に向けて反射され、第1の固定スケール135に入射する。この固定スケール135は、入射した光に基づいて、次数の異なる複数の回折光を発生させる。図4(A),図4(B)では、それらの回折光のうち、第1の固定スケール135で発生した±1次回折光が示されている。
・・・(中略)・・・
【0075】
この場合、ウエハステージWSTのY軸方向の移動に伴って、第1の固定スケール135に対する光源22からの光の入射位置が変化するため、検出器28で検出される光量分布が変化する。したがって、この光量分布の変化を検出器28にて検出することにより、ウエハステージWSTのY軸方向に関する位置情報を計測することが可能である。本実施形態では、エンコーダ本体20Y’と第1の固定スケール135とを少なくとも含んでエンコーダが構成されている。
【0076】
なお、図4(A)では、ウエハステージWSTのY軸方向の位置計測を行うエンコーダ本体20Y’のみを図示したが、これに限らず、ウエハステージWSTの+X側端部(又は-X側端部)に反射面134と同様の反射面を設けるとともに、X軸方向計測用の第1の固定スケールを設け、これらに対応してエンコーダ本体20Y’と同様のX軸方向計測用のエンコーダ本体を設けることにより、ウエハステージWSTのX軸方向の位置計測を行うこととしても良い。この場合、ウエハステージWSTのX側端部に設けられる反射面はZX平面内でXY平面と鋭角(例えば45°)で交差し、X軸方向計測用の第1の固定スケールはX軸方向を周期方向とするパターンを有し、XY平面とほぼ平行にX軸方向を長手方向として設けられる。また、2つの反射面にそれぞれ入射するレーザ光の光軸が、例えば投影光学系PLの投影中心で直交するように配置してもよい。また、X軸方向の位置計測に用いる計測装置としてエンコーダを採用するのに代えて、例えば干渉計等の他の計測装置を採用することとしても良い。また、X軸方向の位置計測を本実施形態のエンコーダ本体を用いて行い、Y軸方向の位置計測をエンコーダ以外の計測装置で計測しても良い。
・・・(中略)・・・
【0078】
なお、上記実施形態では、ウエハステージWSTの反射面134を用いて、ウエハステージWSTのY軸方向位置を計測するエンコーダ本体20Y’を一つのみ設けることとしたが、これに限らず、Y軸方向位置を計測するエンコーダ本体をX軸方向に所定距離隔てて2つ設けることとしても良い。この場合、2つのエンコーダ本体から照射される光の光軸が、X軸方向に関して投影光学系PLの光軸から等距離の位置を通るようにすることで、各エンコーダ本体の計測結果を平均化することにより、ウエハステージWSTのY軸方向位置をアッベ誤差なく計測することができ、また、各エンコーダ本体の計測結果の差分をとることにより、ウエハステージWSTのZ軸回りの回転を計測することが可能である。・・・」

「【0079】
《第3の実施形態》
次に、本発明の第3の実施形態について、図5(A)、図5(B)に基づいて説明する。ここで、前述した第2の実施形態と同一若しくは同等の構成部分については、同一の符号を用いるとともにその説明を簡略にし、若しくは省略するものとする。
【0080】
図5(A)に示されるように、本第3の実施形態では、ウエハステージWSTの反射面134にX軸方向を周期方向とするパターン(例えば、回折格子)が形成され、ウエハステージWSTの上方には、X軸方向を周期方向とするパターン(例えば、回折格子)が形成され、XY平面とほぼ平行にY軸方向を長手方向とする固定スケール135’が設けられ、更にエンコーダ本体20X’の構成が上記第1、第2の実施形態と異なっている。
・・・(中略)・・・
【0085】
検出器28では、干渉光の光量分布を検出することにより、ウエハステージWSTのX軸方向の位置情報を計測することが可能である。これまでの説明から分かるように、本第3の実施形態では、固定スケール135’とエンコーダ本体20X’を少なくとも含んでエンコーダが構成されている。
・・・(中略)・・・
【0089】
なお、上記第3の実施形態では、X軸方向の位置情報のみを計測することとしたが、これに限らず、図6(A)に示されるような構成を採用することも可能である。すなわち、本例では、図6(A)に示されるように、固定スケール135に代えて、第1の固定スケール235を設け、エンコーダ本体20XYを採用することとする。第1の固定スケール235には、X軸方向を周期方向とするパターン(以下、「Xパターン」と呼ぶ)92a,92bと、該Xパターン92a,92bに挟まれた状態の、Y軸方向を周期方向とするパターン(以下「Yパターン」と呼ぶ)94とが設けられている。
・・・(中略)・・・
【0091】
一方、エンコーダ本体20XYは、図5(A)のエンコーダ本体20X’と、第2の実施形態のエンコーダ本体20Y’(図4(A)参照)とを組み合わせたような構成を有しており、具体的には、光源22と、ビームスプリッタ29と、検出器28と、第2の固定スケール224A,224Bと、インデックススケール226と、検出器228とを備えている。
【0092】
このようにして構成されたエンコーダ本体20XYでは、X軸方向の位置に関しては、上記第3の実施形態のエンコーダ本体(図5(A)のエンコーダ本体)20X’による計測と同様にして計測することができる。また、Y軸方向の位置に関しては、反射面134で発生する0次光を用いることとしている(図6(A)ではY軸方向の計測に用いる光が一点鎖線にて示されている)ので、上記第2の実施形態のエンコーダ本体(図4(A)のエンコーダ本体)20Y’と同様にして計測を行うことができる。
【0093】
このような図6(A)に示されるエンコーダを用いることにより、ウエハステージWSTのX軸方向の位置及びY軸方向の位置を計測することができ、かつ、上記第3の実施形態と同様、ウエハステージWSTに外付けで移動スケールを設けなくて良いので、ウエハステージWST全体の大型化を抑制することができる。また、干渉計に比べて空気揺らぎなどの影響が受けにくく、高精度な位置計測が可能となる。
・・・(中略)・・・
【0098】
この他、図5(A)、図6(A)及び図6(B)でそれぞれ示される構成の3つのエンコーダのうち、任意の2つを組み合わせ、その一方をウエハステージWSTのX側に、他方をY側に配置しても良い。」

「【0099】
《第4の実施形態》
次に、本発明の第4の実施形態について図7(A)?図8(C)に基づいて説明する。
【0100】
本第4の実施形態では、上述した図6(A)のエンコーダ本体20XY及び前述の第2の実施形態の第1の固定スケール135を用いて、ウエハステージWSTのZ軸方向の位置情報をも計測するものである。なお、第1の固定スケール135には、前述の第1の固定スケール235に形成されたパターン94と同様のY軸方向を周期方向とするパターン(以下、便宜上パターン94と記述する)が形成されているので、エンコーダ本体20XY及び第1の固定スケール235(パターン94部分)を用いていると考えることもできる。
【0101】
本第4の実施形態では、光源22から角度の異なる2つのレーザ光L1,L2(図7(B)参照)を反射面134に照射し、これら2つのレーザ光L1,L2による計測結果を用いてZ軸方向及びY軸方向の位置情報を計測する。
・・・(中略)・・・
【0111】
なお、上記第4の実施形態で説明した角度の異なる2つのレーザ光L1,L2を用いるエンコーダを2つ、Y軸方向に関して投影光学系の一側と他側にそれぞれ配置し、その2つのエンコーダで計測されるウエハステージWSTのZ軸方向の位置情報から、ウエハステージWSTのチルト情報(θx方向の回転情報)を計測しても良い。同様に、上記第4の実施形態で説明した角度の異なる2つのレーザ光L1,L2を用いるエンコーダを2つ、X軸方向に関して投影光学系の一側と他側にそれぞれ配置し、その2つのエンコーダで計測されるウエハステージWSTのZ軸方向の位置情報から、ウエハステージWSTのチルト情報(θy方向の回転情報)を計測しても良い。あるいは、投影光学系の+X側、-X側、+Y側及び-Y側の少なくとも1つの方向に、上記第4の実施形態で説明した角度の異なる2つのレーザ光L1,L2を用いるエンコーダを2つ配置しても良い。勿論、上記各場合において、角度の異なる2つのレーザ光L1,L2を用いるエンコーダを用いる代わりに、角度の異なる反射面をそれぞれ用意しても良い。」

「【0114】
なお、上記各実施形態及び変形例に係るエンコーダは、適宜組み合わせて用いることが可能である。したがって、例えば、図10に示されるように、2つの図6(B)のエンコーダ本体20XY’と、第4の実施形態で説明した2軸方向の計測が可能なエンコーダ(図7(A)?図8(C)参照)とを用いることにより、X,Y,Z、θx、θy、θz方向を同時に計測することが可能となる。この場合、2つのエンコーダ本体20XY’から照射される光の光軸が、投影光学系PLの光軸から等距離の位置を通るようにすることで、アッベ誤差なく高精度に計測することが可能となる。」

5.引用文献5について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献5(特開2009-55036号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0078】
干渉計システム118は、図2に示されるように、ウエハステージWSTの位置計測用のY干渉計16、X干渉計126、127、128、及びZ干渉計43A,43B並びに計測ステージMSTの位置計測用のY干渉計18及びX干渉計130等を含む。Y干渉計16及びX干渉計126、127、128(図1では、X干渉計126?128は不図示、図2参照)は、ウエハテーブルWTBの反射面17a,17bにそれぞれ測長ビームを照射して、それぞれの反射光を受光することにより、各反射面の基準位置(例えば投影ユニットPU側面に固定ミラーを配置し、そこを基準面とする)からの変位、すなわちウエハステージWSTのXY平面内の位置情報を計測し、この計測した位置情報を主制御装置20に供給する。本実施形態では、後述するように、上記各干渉計としては、一部を除いて、測長軸を複数有する多軸干渉計が用いられている。
・・・(中略)・・・
【0082】
Z干渉計43A、43Bは、図1及び図2を総合するとわかるように、Y干渉計16のX軸方向の一側と他側にほぼ同一距離離れて、且つY干渉計16より幾分低い位置にそれぞれ配置されている。
・・・(中略)・・・
【0087】
主制御装置20は、Y干渉計16の測長ビームB4_(1),B4_(2)に対応する測長軸の計測値の平均値に基づいて反射面17a、すなわちウエハテーブルWTB(ウエハステージWST)のY位置(より正しくは、Y軸方向の変位ΔY)を算出する。また、主制御装置20は、測長ビームB4_(1),B4_(2)に対応する測長軸の計測値の差より、ウエハステージWSTのZ軸回りの回転方向(θz方向)の変位(ヨーイング量)Δθz^((Y))を算出する。また、主制御装置20は、反射面17a及び反射面41aのY位置(Y軸方向の変位ΔY)に基づいて、ウエハステージWSTのθx方向の変位(ピッチング量)Δθxを算出する。
【0088】
また、X干渉計126は、図2及び図13に示されるように、投影光学系PLの光軸を通るX軸方向の直線(基準軸)LHに関して同一距離離れた2軸の測長軸に沿って測長ビームB5_(1),B5_(2)をウエハテーブルWTBに照射する。主制御装置20は、測長ビームB5_(1),B5_(2)に対応する測長軸の計測値に基づいて、ウエハステージWSTのX軸方向の位置(X位置、より正しくは、X軸方向の変位ΔX)を算出する。また、主制御装置20は、測長ビームB5_(1),B5_(2)に対応する測長軸の計測値の差より、ウエハステージWSTのθz方向の変位(ヨーイング量)Δθz^((X))を算出する。なお、X干渉計126から得られるΔθz^((X))とY干渉計16から得られるΔθz^((Y))は互いに等しく、ウエハステージWSTのθz方向への変位(ヨーイング量)Δθzを代表する。
・・・(中略)・・・
【0094】
上記の変位ΔZo、ΔYoは、Z干渉計43A、43Bのそれぞれで求められる。そこで、Z干渉計43Aで求められる変位をΔZoR、ΔYoRとし、Z干渉計43Bで求められる変位をΔZoL、ΔYoLとする。そして、Z干渉計43A、43Bそれぞれが照射する測長ビームB1、B2がX軸方向に離間する距離をDとする(図2参照)。かかる前提との下で、移動鏡41(すなわちウエハステージWST)のθz方向への変位(ヨーイング量)Δθz、θy方向への変位(ローリング量)Δθyは次式(5)、(6)で求められる。
Δθz=tan^(-1){(ΔYoR-ΔYoL)/D} …(5)
Δθy=tan^(-1){(ΔZoL-ΔZoR)/D} …(6)
【0095】
従って、主制御装置20は、上記式(3)?式(6)を用いることで、Z干渉計43A、43Bの計測結果に基づいて、ウエハステージWSTの4自由度の変位ΔZo、ΔYo、Δθz、Δθyを算出することができる。
【0096】
このように、主制御装置20は、干渉計システム118の計測結果から、6自由度方向(Z、X、Y、θz、θx、θy方向)に関するウエハステージWSTの変位を求めることができる。」

第6 対比・判断
1.対比
本願発明と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
(1)引用発明の「基板ステージ2」は、本願発明の「対象物」に相当する。
また、引用発明では、「水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とし、」「基板ステージ2は、X軸、Y軸、Z軸」「に移動可能であ」るから、引用発明における、「水平面内の所定方向」である「X軸方向」、「水平面内においてX軸方向と直交する」「Y軸方向」、「X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する」「Z軸方向」「に移動可能であ」る「基板ステージ2」は、本願発明の「2つの直交する第1及び第2のメイン移動軸(y,x)並びにこれに対して垂直な第3の軸(z)に沿って可変に配置された対象物」と、「2つの直交する第1及び第2の移動軸(y,x)並びにこれに対して垂直な第3の軸(z)に沿って可変に配置された対象物」である点で共通する。
ここで、引用発明の「X軸方向と直交する」「Y軸」、「X軸」は、本願発明における、「2つの直交する」、「第1」「のメイン移動軸(y)」、「第2のメイン移動軸(x)」と、「2つの直交する」、「第1の移動軸(y)」、「第2の移動軸(x)」である点で共通し、引用発明の「X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する」「Z軸」は、本願発明の「これに対して垂直な第3の軸(z)」に相当する。

(2)本願発明では、「6つ」「の空間的な自由度」について、「前記6つの空間的な自由度が、前記第1及び第2のメイン移動軸(y,x)に沿った、並びにこれら第1及び第2のメイン移動軸に対して垂直な前記第3の軸(z)に沿った3つの並進運動自由度と、前記第1及び第2のメイン移動軸(y,x)周りの、並びにこれら第1及び第2のメイン移動軸に対して垂直な前記第3の軸(z)周りの3つの回転運動自由度とを含んでおり」と特定されているところ、引用発明における、「X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とし」た際の、「基板ステージ2」が「移動可能であ」る「X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向」は、上記(1)をふまえると、本願発明における、「前記第1及び第2のメイン移動軸(y,x)に沿った、並びにこれら第1及び第2のメイン移動軸に対して垂直な前記第3の軸(z)に沿った3つの並進運動自由度と、前記第1及び第2のメイン移動軸(y,x)周りの、並びにこれら第1及び第2のメイン移動軸に対して垂直な前記第3の軸(z)周りの3つの回転運動自由度とを含んで」いる「6つ」「の空間的な自由度」と、「前記第1及び第2の移動軸(y,x)に沿った、並びにこれら第1及び第2の移動軸に対して垂直な前記第3の軸(z)に沿った3つの並進運動自由度と、前記第1及び第2の移動軸(y,x)周りの、並びにこれら第1及び第2の移動軸に対して垂直な前記第3の軸(z)周りの3つの回転運動自由度とを含んで」いる「6つ」「の空間的な自由度」である点で共通する。

(3)引用発明における、「基板ステージ2のX方向の移動に対応して設けられ」て「基板ステージ2のX方向」「の位置情報について」「計測」する「X方向用エンコーダシステム20X」、「基板ステージ2のY方向の移動に対応して設けられ」て「基板ステージ2の」「Y方向の位置情報について」「計測」する「Y方向用エンコーダシステム20Y」、「基板ステージ2のZ方向の移動を検出可能」で「基板ステージ2の」「Z方向の位置情報について」「計測」する「干渉計システム12Z」は、上記(1)、(2)をふまえると、本願発明の「6つ全ての空間的な自由度において前記対象物の位置を検出するための複数の位置測定装置」と、「空間的な自由度において前記対象物の位置を検出するための複数の位置測定装置」である点で共通する。
また、引用発明における、「X方向用エンコーダシステム20Xは、基板ステージ2に対して、Y軸の方向から光の射出及び検出を行い、」「Y方向用エンコーダシステム20Yは、基板ステージ2に対して、X軸の方向から光の射出及び検出を行い、」「干渉計システム12Zは、基板ステージ2に対して、Y軸の方向から光の射出及び検出を行」うことは、本願発明における「複数の光学的な前記位置測定装置が唯一の走査方向から前記対象物を走査するとともに、この走査方向が両メイン移動軸(y,x)のうちいずれかに一致」することと、「複数の光学的な前記位置測定装置が前記対象物を走査」する点で共通する。

(4)引用発明における、「基板ステージ2のY軸側に設けられ」た「X方向用エンコーダシステム20Xの2つの回折格子(第1回折格子22A及び第2回折格子22B)」、及び、「基板ステージ2のX軸側に設けられ」た「Y方向用エンコーダシステム20Yの2つの回折格子(第1回折格子22A及び第2回折格子22B)」は、上記(1)、(3)をふまえると、本願発明における、「前記対象物において必要な、」「前記位置測定装置の」「標準器」に相当する。
また、引用発明における、「基板ステージ2のY軸側に設けられる」「干渉計システム12ZでY軸の方向から射出された光を反射する面22D」は、上記(1)、(3)をふまえると、本願発明における、「前記対象物において必要な、」「前記位置測定装置の」「測定反射器」に相当する。
そうすると、引用発明における、「X方向用エンコーダシステム20Xの2つの回折格子(第1回折格子22A及び第2回折格子22B)は、基板ステージ2のY軸側に設けられ、Y方向用エンコーダシステム20Yの2つの回折格子(第1回折格子22A及び第2回折格子22B)は、基板ステージ2のX軸側に設けられ、」「干渉計システム12ZでY軸の方向から射出された光を反射する面22Dは、基板ステージ2のY軸側に設けられる」ことは、本願発明における、「前記対象物において必要な、様々な前記位置測定装置の全ての標準器及び測定反射器が前記対象物の共通の側に配置されている」ことと、「前記対象物において必要な、様々な前記位置測定装置の全ての標準器及び測定反射器が前記対象物に配置されている」点で共通する。

(5)引用発明における、「基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、」「エンコーダシステム20及び干渉計システムを備えた露光装置EX」は、上記(1)、(3)をふまえると、本願発明における、「対象物と、」「複数の位置測定装置とを備えて成」る「装置」に相当する。

したがって、本願発明と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「- 2つの直交する第1及び第2の移動軸(y,x)並びにこれに対して垂直な第3の軸(z)に沿って可変に配置された対象物と、
- 空間的な自由度において前記対象物の位置を検出するための複数の位置測定装置と
を備えて成り、複数の光学的な前記位置測定装置が前記対象物を走査し、6つの空間的な自由度が、前記第1及び第2の移動軸(y,x)に沿った、並びにこれら第1及び第2の移動軸に対して垂直な前記第3の軸(z)に沿った3つの並進運動自由度と、前記第1及び第2の移動軸(y,x)周りの、並びにこれら第1及び第2の移動軸に対して垂直な前記第3の軸(z)周りの3つの回転運動自由度とを含んでおり、
前記対象物において必要な、様々な前記位置測定装置の全ての標準器及び測定反射器が前記対象物に配置されている装置。」

(相違点)
(相違点1)
第1及び第2の移動軸(y,x)について、本願発明では「第1及び第2のメイン移動軸(y,x)」と特定されているが、
引用発明では、「Y軸」及び「X軸」が、「メイン」の移動軸かどうかは不明な点。
(相違点2)
本願発明では、複数の位置測定装置が「6つ全ての空間的な自由度において」前記対象物の位置を検出すると特定されているが、
引用発明では、「X方向用エンコーダシステム20X」が「基板ステージ2のX方向」「の位置情報について」「計測」し、「Y方向用エンコーダシステム20Y」が「基板ステージ2の」「Y方向の位置情報について」「計測」し、「干渉計システム12Z」が「基板ステージ2の」「Z方向の位置情報について」「計測」するに留まっており、3つの並進運動自由度において基板ステージ2の位置を検出する、とはいえるものの、「6つ全ての空間的な自由度において」基板ステージ2の位置を検出してはいない点。
(相違点3)
本願発明では、複数の光学的な前記位置測定装置が「唯一の走査方向から」前記対象物を走査するとともに、「この走査方向が両メイン移動軸(y,x)のうちいずれかに一致」すること、及び、前記対象物において必要な、様々な前記位置測定装置の全ての標準器及び測定反射器が前記対象物「の共通の側」に配置されていること、が特定されているが、
引用発明では、「X方向用エンコーダシステム20X」及び「干渉計システム12Z」は、「基板ステージ2に対して、Y軸の方向から光の射出及び検出を行」っているものの、「Y方向用エンコーダシステム20Yは、基板ステージ2に対して、X軸の方向から光の射出及び検出を行」っているから、「X方向用エンコーダシステム20X」、「Y方向用エンコーダシステム20Y」及び「干渉計システム12Z」が、「唯一の走査方向から」基板ステージ2を走査しているわけではなく、
また、「X方向用エンコーダシステム20Xの2つの回折格子(第1回折格子22A及び第2回折格子22B)」及び「干渉計システム12ZでY軸の方向から射出された光を反射する面22D」は、「基板ステージ2のY軸側に設けられ」るものの、「Y方向用エンコーダシステム20Yの2つの回折格子(第1回折格子22A及び第2回折格子22B)は、基板ステージ2のX軸側に設けられ」ているから、「X方向用エンコーダシステム20Xの2つの回折格子(第1回折格子22A及び第2回折格子22B)」、「Y方向用エンコーダシステム20Yの2つの回折格子(第1回折格子22A及び第2回折格子22B)」及び「干渉計システム12ZでY軸の方向から射出された光を反射する面22D」の全てが、基板ステージ2「の共通の側」に配置されているわけではない点。

2.相違点についての判断
事案に鑑みて、上記相違点3について先に検討する。
引用文献4に記載された技術的事項は、「Y軸用の干渉装置100yは、Y軸方向に平行な光軸を有する複数のビームを、ウエハテーブル8(ウエハステージ4)に配設された反射面16yに照射し、反射面16yからの反射ビームが干渉光学系を介して検出器20に送られ、反射面16yのY軸方向の位置(距離)、ひいてはウエハテーブル(ウエハステージ4)の位置が検出され」るものではあるが、それと同時に、「X軸用の干渉装置100xの干渉光学系は、X軸方向に平行な光軸を有する複数のビームを、ウエハテーブル8(ウエハステージ4)に配設された反射面16xに照射し、反射面16xからの反射ビームが干渉光学系を介して検出器20に送られ、反射面16xのX軸方向の位置(距離)、ひいてはウエハテーブル(ウエハステージ4)の位置が検出され」るものでもある。
そして、「X方向用エンコーダシステム20X」及び「Y方向用エンコーダシステム20Y」により「基板ステージ2のX方向及びY方向の位置情報」を「計測」する引用発明において、「X方向用エンコーダシステム20X」の構成はそのままに、「Y方向用エンコーダシステム20Y」の構成のみを代替すべく、「Y軸用の干渉装置100y」が「Y軸方向の位置(距離)」を「検出」するとともに「X軸用の干渉装置100x」が「X軸方向の位置(距離)」を「検出」する引用文献4に記載された技術的事項から、「Y軸用の干渉装置100y」が「Y軸方向の位置(距離)」を「検出」する構成のみを切り出して適用することに、動機づけを見出すことはできない。

また、引用文献2には、各種の実施形態や変形例が記載されてはいるが、相違点3に係る本願発明の、対象物において必要な全ての標準器及び測定反射器を対象物の共通の側に配置し、複数の光学的な位置測定装置が唯一の走査方向から対象物を走査する、という技術思想に関連する技術的事項については記載されていない。
引用文献1、5も、相違点3に係る本願発明の上記技術思想に関連する技術的事項を記載するものではない。

そして、本願発明は、相違点3に係る構成を有することにより、「提案された装置について決定的なことは、使用される全ての位置測定装置の光学的な走査が1つの走査装置によりなされる点である。このことは、図示した実施例において、第1のメイン移動軸yであり、この第1のメイン移動軸yに沿って、第2のメイン移動軸xに対して明らかに長い対象物1に対する移動ストロークが可能である。」(【0079】)という格別な効果を有する。

したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明は、当業者であっても引用発明、引用文献1、2、4、5に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

第7 原査定についての判断
以上のとおりであって、本願発明は、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1-5に基づいて容易に発明できたものとはいえない。したがって、原査定の理由を維持することはできない。

第8 当審拒絶理由についての判断
本件補正により、請求項1の記載において「前記対象物(1)において必要な、様々な前記位置測定装置の全ての標準器(23.2,23.3)及び測定反射器(23.1)」と特定されたから、特許法第36条第6項第1号に係る当審拒絶理由は解消した。

第9 むすび
以上のとおり、原査定の理由、当審拒絶理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-01-09 
出願番号 特願2013-13182(P2013-13182)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G01B)
P 1 8・ 537- WY (G01B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 三好 貴大梶田 真也  
特許庁審判長 中塚 直樹
特許庁審判官 清水 稔
中村 説志
発明の名称 複数の位置測定装置を備えた装置  
代理人 篠原 淳司  
代理人 鍛冶澤 實  
代理人 中村 真介  
代理人 江崎 光史  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ