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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  B66B
管理番号 1347646
異議申立番号 異議2018-700242  
総通号数 230 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-02-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-03-23 
確定日 2018-11-26 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6205411号発明「エレベータの安全装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6205411号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-20〕、21、22、23、24、25について訂正することを認める。 特許第6205411号の請求項1ないし3、5ないし25に係る特許を維持する。 特許第6205411号の請求項4に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6205411号(以下、「本件特許」という。)についての出願は、2013年5月20日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2012年5月31日 フィンランド)を国際出願日として特許出願され、平成29年9月8日にその特許権の設定登録がされ、同年9月27日に特許掲載公報が発行され、その後、その特許について、平成30年3月23日に特許異議申立人 井澤幹(以下、「特許異議申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、当審において平成30年6月27日付けで取消理由を通知し、同年10月1日付けで意見書の提出及び訂正の請求があったものである。

第2 訂正の適否
1.訂正の内容
平成30年10月1日の訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)による訂正の内容は以下のとおりである。
なお、下線部は訂正箇所を示す。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記駆動装置はさらに、・・・(略)・・・駆動防止論理回路とを含み」
と記載されているのを、
「前記駆動装置はさらに、・・・(略)・・・駆動防止論理回路と、電磁ブレーキの制御コイルへ電力を供給するスイッチを含むブレーキ制御装置と、該ブレーキ制御装置のスイッチの制御極に制御パルスを生成することによって該ブレーキ制御装置の動作を制御するブレーキ制御回路と、前記入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると前記ブレーキ制御装置のスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成されたブレーキドロップアウト論理回路とを含み」
とする。
請求項1の記載を直接または間接的に引用する請求項2、5?9、12?14、17?20も同様に訂正する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項3に、
「前記駆動装置はさらに、・・・(略)・・・駆動防止論理回路とを含み、前記安全信号の信号導体は前記電子監視装置から前記駆動装置へ配線され」
と記載されているのを、
「前記駆動装置はさらに、・・・(略)・・・駆動防止論理回路と、電磁ブレーキの制御コイルへ電力を供給するスイッチを含むブレーキ制御装置と、該ブレーキ制御装置のスイッチの制御極に制御パルスを生成することによって該ブレーキ制御装置の動作を制御するブレーキ制御回路と、前記入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると前記ブレーキ制御装置のスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成されたブレーキドロップアウト論理回路とを含み、前記安全信号の信号導体は前記安全回路から前記駆動装置へ配線され」
とする。
請求項3の記載を直接または間接的に引用する請求項5?9、12?14、17?20も同様に訂正する。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項4を削除する。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項5に、
「請求項4に記載の安全装置」
と記載されているのを、
「請求項1ないし3のいずれかに記載の安全装置」
とする。
(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項6に、
「請求項1ないし5のいずれかに記載の安全装置」
と記載されているのを、
「請求項1ないし3および5のいずれかに記載の安全装置」
とする。
(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項7に、
「請求項4ないし6のいずれかに記載の安全装置」
と記載されているのを、
「請求項1ないし3、5および6のいずれかに記載の安全装置」
とする。
(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項8に、
「請求項4、請求項5、または請求項4に従属する場合の請求項6もしくは7に記載の安全装置」
と記載されているのを、
「請求項1ないし3および5ないし7のいずれかに記載の安全装置
(8)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項10に、
「請求項1ないし9のいずれかに記載の安全装置において、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極への制御パルスの信号路は前記駆動防止論理回路を通り、該駆動防止論理回路への給電は前記安全信号の信号路を通るように構成されていることを特徴とする安全装置。」
とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、
「エレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成されたセンサと、エレベータの安全を示す前記センサにより形成されるデータ用の入力を含む電子監視装置とを含むエレベータの安全装置において、該安全装置は前記エレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含み、該駆動装置は、直流バスと、該直流バスへ接続されエレベータモータに給電するモータブリッジとを含み、該モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記エレベータモータで駆動する場合は前記直流バスから該エレベータモータへ、また該エレベータモータで制動する場合は該エレベータモータから前記直流バスへ電力を供給し、前記駆動装置はさらに、前記モータブリッジの前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することで該モータブリッジの動作を制御する該モータブリッジの制御回路と、安全信号を該駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路と、該入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路とを含み、前記安全信号の信号導体は前記電子監視装置から前記駆動装置へ配線され、該電子監視装置は前記安全信号を遮断/接続する手段を含み、該電子監視装置は、前記安全信号を遮断することによって前記エレベータを走行阻止状態にするように構成され、該電子監視装置は、前記安全信号を接続することによって前記走行阻止状態を解除するように構成され、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極への制御パルスの信号路は前記駆動防止論理回路を通り、該駆動防止論理回路への給電は前記安全信号の信号路を通るように構成されていることを特徴とするエレベータの安全装置。」
とする。
請求項10の記載を直接または間接的に引用する請求項12?14、17?20も同様に訂正する。
(9)訂正事項9
特許請求の範囲の請求項11に、
「請求項1ないし10のいずれかに記載の安全装置において、前記モータブリッジの制御回路から前記駆動防止論理回路への制御パルスの信号路はアイソレータを通るように配設されていることを特徴とする安全装置。」
とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、
「エレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成されたセンサと、エレベータの安全を示す前記センサにより形成されるデータ用の入力を含む電子監視装置とを含むエレベータの安全装置において、該安全装置は前記エレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含み、該駆動装置は、直流バスと、該直流バスへ接続されエレベータモータに給電するモータブリッジとを含み、該モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記エレベータモータで駆動する場合は前記直流バスから該エレベータモータへ、また該エレベータモータで制動する場合は該エレベータモータから前記直流バスへ電力を供給し、前記駆動装置はさらに、前記モータブリッジの前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することで該モータブリッジの動作を制御する該モータブリッジの制御回路と、安全信号を該駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路と、該入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路とを含み、前記安全信号の信号導体は前記電子監視装置から前記駆動装置へ配線され、該電子監視装置は前記安全信号を遮断/接続する手段を含み、該電子監視装置は、前記安全信号を遮断することによって前記エレベータを走行阻止状態にするように構成され、該電子監視装置は、前記安全信号を接続することによって前記走行阻止状態を解除するように構成され、前記モータブリッジの制御回路から前記駆動防止論理回路への制御パルスの信号路はアイソレータを通るように配設されていることを特徴とするエレベータの安全装置。」
とする。
請求項11の記載を直接または間接的に引用する請求項12?14、17?20も同様に訂正する。
(10)訂正事項10
特許請求の範囲の請求項12に、
「請求項4ないし11のいずれかに記載の安全装置」
と記載されているのを、
「請求項1ないし3および5ないし11のいずれかに記載の安全装置」
とする。
(11)訂正事項11
特許請求の範囲の請求項13に、
「請求項4ないし12のいずれかに記載の安全装置」
と記載されているのを、
「請求項1ないし3および5ないし12のいずれかに記載の安全装置」
とする。
(12)訂正事項12
特許請求の範囲の請求項15に、
「請求項1ないし14のいずれかに記載の安全装置において、前記駆動防止論理回路は双極性もしくは多極性信号スイッチを含み、該スイッチを通って前記制御パルスが前記モータブリッジのスイッチの制御極へ通り、前記信号スイッチの少なくとも1つは前記入力回路へ接続されて、前記安全信号が遮断されると、前記信号スイッチを通る前記制御パルスの信号路が切断されることを特徴とする安全装置。」
とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、
「エレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成されたセンサと、エレベータの安全を示す前記センサにより形成されるデータ用の入力を含む電子監視装置とを含むエレベータの安全装置において、該安全装置は前記エレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含み、該駆動装置は、直流バスと、該直流バスへ接続されエレベータモータに給電するモータブリッジとを含み、該モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記エレベータモータで駆動する場合は前記直流バスから該エレベータモータへ、また該エレベータモータで制動する場合は該エレベータモータから前記直流バスへ電力を供給し、前記駆動装置はさらに、前記モータブリッジの前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することで該モータブリッジの動作を制御する該モータブリッジの制御回路と、安全信号を該駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路と、該入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路とを含み、前記安全信号の信号導体は前記電子監視装置から前記駆動装置へ配線され、該電子監視装置は前記安全信号を遮断/接続する手段を含み、該電子監視装置は、前記安全信号を遮断することによって前記エレベータを走行阻止状態にするように構成され、該電子監視装置は、前記安全信号を接続することによって前記走行阻止状態を解除するように構成され、前記駆動防止論理回路は双極性もしくは多極性信号スイッチを含み、該スイッチを通って前記制御パルスが前記モータブリッジのスイッチの制御極へ通り、前記信号スイッチの少なくとも1つは前記入力回路へ接続されて、前記安全信号が遮断されると、前記信号スイッチを通る前記制御パルスの信号路が切断されることを特徴とするエレベータの安全装置。」
とする。
請求項15の記載を直接または間接的に引用する請求項16?20も同様に訂正する。
(13)訂正事項13
特許請求の範囲の請求項17に、
「請求項4ないし16のいずれかに記載の安全装置」
と記載されているのを、
「請求項1ないし3および5ないし16のいずれかに記載の安全装置」
とする。
(14)訂正事項14
特許請求の範囲の請求項19に、
「請求項1ないし18のいずれかに記載の安全装置」
と記載されているのを、
「請求項1ないし3および5ないし18のいずれかに記載の安全装置」
とする。
(15)訂正事項15
特許請求の範囲の請求項20に、
「請求項1ないし19のいずれかに記載の駆動装置」
と記載されているのを、
「請求項1ないし3および5ないし19のいずれかに記載の駆動装置」
とする。
(16)訂正事項16
特許請求の範囲の請求項21に、
「請求項1ないし20のいずれかに記載の安全装置において、該安全装置は、前記駆動装置の直流バスへ接続された緊急時駆動装置を含み、該緊急時駆動装置は2次電源を有し、エレベータシステムの1次電源の障害の際は、該2次電源を介して前記直流バスへ電力を供給することができ、該緊急時駆動装置および前記駆動装置の両方は何ら機械的接触器なしにも実現されることを特徴とする安全装置。」
とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、
「エレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成されたセンサと、エレベータの安全を示す前記センサにより形成されるデータ用の入力を含む電子監視装置とを含むエレベータの安全装置において、該安全装置は前記エレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含み、該駆動装置は、直流バスと、該直流バスへ接続されエレベータモータに給電するモータブリッジとを含み、該モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記エレベータモータで駆動する場合は前記直流バスから該エレベータモータへ、また該エレベータモータで制動する場合は該エレベータモータから前記直流バスへ電力を供給し、前記駆動装置はさらに、前記モータブリッジの前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することで該モータブリッジの動作を制御する該モータブリッジの制御回路と、安全信号を該駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路と、該入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路とを含み、前記安全信号の信号導体は前記電子監視装置から前記駆動装置へ配線され、該電子監視装置は前記安全信号を遮断/接続する手段を含み、該電子監視装置は、前記安全信号を遮断することによって前記エレベータを走行阻止状態にするように構成され、該電子監視装置は、前記安全信号を接続することによって前記走行阻止状態を解除するように構成され、該安全装置は、前記駆動装置の直流バスへ接続された緊急時駆動装置を含み、該緊急時駆動装置は2次電源を有し、エレベータシステムの1次電源の障害の際は、該2次電源を介して前記直流バスへ電力を供給することができ、該緊急時駆動装置および前記駆動装置の両方は何ら機械的接触器なしにも実現されることを特徴とするエレベータの安全装置。」
とする。
(17)訂正事項17
特許請求の範囲の請求項10に、
「請求項1ないし9のいずれかに記載の安全装置において、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極への制御パルスの信号路は前記駆動防止論理回路を通り、該駆動防止論理回路への給電は前記安全信号の信号路を通るように構成されていることを特徴とする安全装置。」
とあるうち、請求項3を引用するものについて、独立形式に改め、新たな請求項22として、
「互いに直列に取り付けられエレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成された機械式安全スイッチを含む安全回路を含むエレベータの安全装置において、該安全装置は前記エレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含み、該駆動装置は、直流バスと、該直流バスへ接続されエレベータモータに給電用するモータブリッジとを含み、該モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記エレベータモータで駆動する場合は前記直流バスから該エレベータモータへ、また該エレベータモータで制動する場合は該エレベータモータから前記直流バスへ電力を供給し、前記駆動装置はさらに、前記モータブリッジの前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することで該モータブリッジの動作を制御する該モータブリッジの制御回路と、安全信号を該駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路と、該入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路とを含み、前記安全信号の信号導体は前記安全回路から前記駆動装置へ配線され、前記安全回路は前記安全信号を遮断/接続する手段を含み、前記安全信号は、該安全回路の安全スイッチを開放することによって遮断されるように構成され、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極への制御パルスの信号路は前記駆動防止論理回路を通り、該駆動防止論理回路への給電は前記安全信号の信号路を通るように構成されていることを特徴とするエレベータの安全装置。」
とする。
(18)訂正事項18
特許請求の範囲の請求項11に、
「請求項1ないし10のいずれかに記載の安全装置において、前記モータブリッジの制御回路から前記駆動防止論理回路への制御パルスの信号路はアイソレータを通るように配設されていることを特徴とする安全装置。」
とあるうち、請求項3を引用するものについて、独立形式に改め、新たな請求項23として、
「互いに直列に取り付けられエレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成された機械式安全スイッチを含む安全回路を含むエレベータの安全装置において、該安全装置は前記エレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含み、該駆動装置は、直流バスと、該直流バスへ接続されエレベータモータに給電用するモータブリッジとを含み、該モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記エレベータモータで駆動する場合は前記直流バスから該エレベータモータへ、また該エレベータモータで制動する場合は該エレベータモータから前記直流バスへ電力を供給し、前記駆動装置はさらに、前記モータブリッジの前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することで該モータブリッジの動作を制御する該モータブリッジの制御回路と、安全信号を該駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路と、該入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路とを含み、前記安全信号の信号導体は前記安全回路から前記駆動装置へ配線され、前記安全回路は前記安全信号を遮断/接続する手段を含み、前記安全信号は、該安全回路の安全スイッチを開放することによって遮断されるように構成され、前記モータブリッジの制御回路から前記駆動防止論理回路への制御パルスの信号路はアイソレータを通るように配設されていることを特徴とするエレベータの安全装置。」
とする。
(19)訂正事項19
特許請求の範囲の請求項15に、
「請求項1ないし14のいずれかに記載の安全装置において、前記駆動防止論理回路は双極性もしくは多極性信号スイッチを含み、該スイッチを通って前記制御パルスが前記モータブリッジのスイッチの制御極へ通り、前記信号スイッチの少なくとも1つは前記入力回路へ接続されて、前記安全信号が遮断されると、前記信号スイッチを通る前記制御パルスの信号路が切断されることを特徴とする安全装置。」
とあるうち、請求項3を引用するものについて、独立形式に改め、新たな請求項24として、
「互いに直列に取り付けられエレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成された機械式安全スイッチを含む安全回路を含むエレベータの安全装置において、該安全装置は前記エレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含み、該駆動装置は、直流バスと、該直流バスへ接続されエレベータモータに給電用するモータブリッジとを含み、該モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記エレベータモータで駆動する場合は前記直流バスから該エレベータモータへ、また該エレベータモータで制動する場合は該エレベータモータから前記直流バスへ電力を供給し、前記駆動装置はさらに、前記モータブリッジの前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することで該モータブリッジの動作を制御する該モータブリッジの制御回路と、安全信号を該駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路と、該入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路とを含み、前記安全信号の信号導体は前記安全回路から前記駆動装置へ配線され、前記安全回路は前記安全信号を遮断/接続する手段を含み、前記安全信号は、該安全回路の安全スイッチを開放することによって遮断されるように構成され、前記駆動防止論理回路は双極性もしくは多極性信号スイッチを含み、該スイッチを通って前記制御パルスが前記モータブリッジのスイッチの制御極へ通り、前記信号スイッチの少なくとも1つは前記入力回路へ接続されて、前記安全信号が遮断されると、前記信号スイッチを通る前記制御パルスの信号路が切断されることを特徴とするエレベータの安全装置。」
とする。
(20)訂正事項20
特許請求の範囲の請求項21に、
「請求項1ないし20のいずれかに記載の安全装置において、該安全装置は、前記駆動装置の直流バスへ接続された緊急時駆動装置を含み、該緊急時駆動装置は2次電源を有し、エレベータシステムの1次電源の障害の際は、該2次電源を介して前記直流バスへ電力を供給することができ、該緊急時駆動装置および前記駆動装置の両方は何ら機械的接触器なしにも実現されることを特徴とする安全装置。」
とあるうち、請求項3を引用するものについて、独立形式に改め、新たな請求項25として、
「互いに直列に取り付けられエレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成された機械式安全スイッチを含む安全回路を含むエレベータの安全装置において、該安全装置は前記エレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含み、該駆動装置は、直流バスと、該直流バスへ接続されエレベータモータに給電用するモータブリッジとを含み、該モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記エレベータモータで駆動する場合は前記直流バスから該エレベータモータへ、また該エレベータモータで制動する場合は該エレベータモータから前記直流バスへ電力を供給し、前記駆動装置はさらに、前記モータブリッジの前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することで該モータブリッジの動作を制御する該モータブリッジの制御回路と、安全信号を該駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路と、該入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路とを含み、前記安全信号の信号導体は前記安全回路から前記駆動装置へ配線され、前記安全回路は前記安全信号を遮断/接続する手段を含み、前記安全信号は、該安全回路の安全スイッチを開放することによって遮断されるように構成され、該安全装置はさらに、前記駆動装置の直流バスへ接続された緊急時駆動装置を含み、該緊急時駆動装置は2次電源を有し、エレベータシステムの1次電源の障害の際は、該2次電源を介して前記直流バスへ電力を供給することができ、該緊急時駆動装置および前記駆動装置の両方は何ら機械的接触器なしにも実現されることを特徴とするエレベータの安全装置。」
とする。

2.当審の判断
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的
訂正事項1は、訂正前の請求項1に訂正前の請求項4の事項を加え、「駆動装置」の構成を特定するものであるので、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的としたものといえる。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でした訂正であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項1は、訂正前の請求項1に訂正前の請求項4の事項を加えるものであるので、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内でした訂正であり、また、訂正前の請求項1の発明特定事項の構成を特定するものであるので、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でもない。
よって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するといえる。
(2)訂正事項2について
ア 訂正の目的
(ア) 訂正事項2のうち、訂正前の請求項3に訂正前の請求項4の事項を加える訂正は、「駆動装置」の構成を特定するものであるので、特許請求の範囲を減縮するものといえる。
(イ) 訂正事項2のうち、訂正前の請求項3の「前記電子監視装置」を「前記安全回路」とする訂正は、
a 明細書の段落【0014】に「安全信号の信号導体は安全回路から駆動装置へ接続され、・・・」と記載されていること、
b 明細書の段落【0060】の「安全リレー44のコイルは安全回路34と直列に接続されている。・・・安全リレー44の接点は、周波数変換機1の直流電圧電源40から駆動防止論理回路15およびブレーキドロップアウト論理回路16の共通入力回路12へ接続され、・・・」との記載及び図8の記載から、安全回路34が安全リレー44を含む周波数変換器1と直列に配線されていること、
c 請求項3に「前記電子監視装置」との記載より前に「電子監視装置」の記載がないのに対し、「安全回路」の記載はあること、
から、誤記を訂正するものといえる。
また、本件特許の出願は特許法第184条の4第1項の「外国語特許出願」であり、本件特許の請求項3に対応する、外国語特許出願の国際出願日における特許請求の範囲の請求項3には「safety circuit」と記載されていることから、「安全回路」とする訂正は誤訳を訂正するものともいえる。
(ウ) よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」及び同第2号に規定する「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものといえる。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でした訂正であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項2は、訂正前の請求項3に訂正前の請求項4の事項を加えるものであるので、特許明細書等に記載した事項の範囲内でした訂正であり、また、訂正前の請求項3の発明特定事項の構成を特定するものであるので、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でもない。
また、訂正事項2は、「前記監視装置」を国際出願日における特許請求の範囲の請求項3に記載されている「safety circuit」に対応する「安全回路」とする誤訳訂正を行うものであるので、国際出願日における外国語特許出願の明細書等に記載した事項の範囲内においてする訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でもない。
よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定並びに特許法第184条の19の規定により読み替えて適用する同法第126条第5項の規定に適合するといえる。
(3)訂正事項3について
ア 訂正の目的
訂正事項3は、訂正前の請求項4を削除するものであり、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的としたものといえる。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でした訂正であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項3は、訂正前の請求項4を削除するものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内でした訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でもないことは、明らかであり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するといえる。
(4)訂正事項4?7、10、11、13?15について
ア 訂正の目的
訂正前の請求項4は請求項1?3のいずれかを引用するものであったところ、訂正事項1及び2により訂正前の請求項1及び3に請求項4の事項が加えられたことで、訂正後の請求項1?3は訂正前の請求項4と等しいものとなった。
訂正事項4は、訂正前の請求項5が請求項4を引用していたところ、訂正事項3により請求項4が削除されたことにより不明瞭な記載となるのを、訂正後の請求項1?3のいずれかを引用し、整合するようにした訂正であり、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的としたものといえる。
同様に、訂正事項5?7、10、11、13?15は、訂正前の請求項6?8、12、13、17、19、20の引用する請求項に請求項4が含まれていたところ、訂正事項3により請求項4が削除されたことに伴い、当該請求項の引用する請求項が整合するようにした訂正であり、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的としたものといえる。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でした訂正であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項4?7、10、11、13?15は、訂正前の請求項5?8、12、13、17、19及び20が請求項4を引用していたのを、訂正前の請求項4に等しい訂正後の請求項1?3のいずれかを引用するようにしたものであり、何ら実質的な変更を伴うものではないので、特許明細書等に記載した事項の範囲内でした訂正であり、また、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でもない。
よって、訂正事項4?7、10、11、13?15は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するといえる。
(5)訂正事項8、9、12、16?20について
ア 訂正の目的
(ア)
訂正事項8、9、12、16は、訂正前の請求項10、11、15、21が多数項引用形式であったものを、請求項1を直接引用するものについて引用関係を解消して独立形式の請求項へ改めるための訂正であり、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものといえる。
(イ)
訂正事項17?20は、訂正前の請求項10、11、15、21が多数項引用形式であったものを、請求項3を直接引用するものについて、請求項3の誤記または誤訳を訂正し、引用関係を解消して独立形式の請求項へ改めるための訂正であり、特許法第120条の5第2項ただし書第2号に規定する「誤記又は誤訳の訂正」及び同4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものといえる。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内か否か、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正か否か
訂正事項8、9、12、16は、引用関係を解消する訂正であるので、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でもない。
訂正事項17?20は、誤記または誤訳の訂正及び引用関係を解消する訂正であるので、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でもない。
よって、訂正事項8、9、12、16?20は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するといえる。
(6)特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正前の全請求項である請求項1?21について特許異議の申立てがされているので、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第2号に掲げる事項を目的とする、訂正前の請求項1?15、17?21に係る訂正事項1?3、17?20に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の要件は課されない。
訂正事項4?16は、それらの訂正の目的からみて、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の要件は課されない。
(7)一群の請求項
訂正前の請求項2、4?21は訂正前の請求項1を引用するものであり、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。
訂正前の請求項4?21は訂正前の請求項3を引用するものであり、訂正事項2によって記載が訂正される請求項3に連動して訂正されるものである。
よって、訂正前の請求項1?21は、一群の請求項である。
そして、訂正事項1?20は、一群の請求項ごとに請求されたものであり、特許法第120条の5第4項の規定に適合する。
(8)別の訂正単位とする求め
特許権者は、訂正事項16?20による訂正後の請求項21?25についての訂正が認められる場合には、請求項21?25は、請求項1を含む一群の他の請求項とは別途訂正することを求めており(訂正請求書43頁1?4行)、これを認め、訂正後の請求項21?25を、訂正後の請求項1を含む一群の他の請求項とは別の訂正単位とすることを認める。
(9)小括
以上のとおりであるので、訂正事項1?20は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号?第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第4項、第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項[1?20]、21、22、23、24、25について訂正を認める。

第3 特許異議の申立てについて
1.本件発明
本件訂正請求により訂正された請求項1?25に係る発明(以下、「本件発明1?25」という。)は、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲の請求項1?25に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
エレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成されたセンサと、
エレベータの安全を示す前記センサにより形成されるデータ用の入力を含む電子監視装置とを含むエレベータの安全装置において、
該安全装置は前記エレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含み、
該駆動装置は、
直流バスと、
該直流バスへ接続されエレベータモータに給電するモータブリッジとを含み、
該モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記エレベータモータで駆動する場合は前記直流バスから該エレベータモータへ、また該エレベータモータで制動する場合は該エレベータモータから前記直流バスへ電力を供給し、前記駆動装置はさらに、
前記モータブリッジの前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することで該モータブリッジの動作を制御する該モータブリッジの制御回路と、
安全信号を該駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路と、
該入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路と、
電磁ブレーキの制御コイルへ電力を供給するスイッチを含むブレーキ制御装置と、
該ブレーキ制御装置のスイッチの制御極に制御パルスを生成することによって該ブレーキ制御装置の動作を制御するブレーキ制御回路と、
前記入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると前記ブレーキ制御装置のスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成されたブレーキドロップアウト論理回路とを含み、
前記安全信号の信号導体は前記電子監視装置から前記駆動装置へ配線され、
該電子監視装置は前記安全信号を遮断/接続する手段を含み、
該電子監視装置は、前記安全信号を遮断することによって前記エレベータを走行阻止状態にするように構成され、
該電子監視装置は、前記安全信号を接続することによって前記走行阻止状態を解除するように構成されていることを特徴とするエレベータの安全装置。
【請求項2】
請求項1に記載の安全装置において、前記電子監視装置と前記駆動装置との間にデータ転送バスが形成され、
該駆動装置は、エレベータの運動状況を測定するセンサの測定データ用の入力を含み、
前記電子監視装置は、前記エレベータの運動状況を測定するセンサから該電子監視装置と前記駆動装置との間の前記データ転送バスを通して測定データを受信するように構成されていることを特徴とする安全装置。
【請求項3】
互いに直列に取り付けられエレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成された機械式安全スイッチを含む安全回路を含むエレベータの安全装置において、
該安全装置は前記エレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含み、
該駆動装置は、
直流バスと、
該直流バスへ接続されエレベータモータに給電用するモータブリッジとを含み、
該モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記エレベータモータで駆動する場合は前記直流バスから該エレベータモータへ、また該エレベータモータで制動する場合は該エレベータモータから前記直流バスへ電力を供給し、前記駆動装置はさらに、
前記モータブリッジの前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することで該モータブリッジの動作を制御する該モータブリッジの制御回路と、
安全信号を該駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路と、
該入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路と、
電磁ブレーキの制御コイルへ電力を供給するスイッチを含むブレーキ制御装置と、
該ブレーキ制御装置のスイッチの制御極に制御パルスを生成することによって該ブレーキ制御装置の動作を制御するブレーキ制御回路と、
前記入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると前記ブレーキ制御装置のスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成されたブレーキドロップアウト論理回路とを含み、
前記安全信号の信号導体は前記安全回路から前記駆動装置へ配線され、
前記安全回路は前記安全信号を遮断/接続する手段を含み、
前記安全信号は、該安全回路の安全スイッチを開放することによって遮断されるように構成されていることを特徴とするエレベータの安全装置。
【請求項4】(削除)
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれかに記載の安全装置において、前記ブレーキ制御装置は前記直流バスへ接続され、
前記スイッチは、前記直流バスから前記電磁ブレーキの制御コイルへ電力を供給するように構成されていることを特徴とする安全装置。
【請求項6】
請求項1ないし3および5のいずれかに記載の安全装置において、前記駆動防止論理回路は、前記安全信号が接続されると、前記モータブリッジのスイッチの制御極へ制御パルスを通すように構成されていることを特徴とする安全装置。
【請求項7】
請求項1ないし3、5および6のいずれかに記載の安全装置において、前記ブレーキドロップアウト論理回路は、前記安全信号が接続されると、前記ブレーキ制御装置のスイッチの制御極へ制御パルスを通すように構成されていることを特徴とする安全装置。
【請求項8】
請求項1ないし3および5ないし7のいずれかに記載の安全装置において、前記駆動装置は、走行開始の許可信号を生成するインジケータ論理回路を含み、
該インジケータ論理回路は、前記駆動防止論理回路およびブレーキドロップアウト論理回路の両方が制御信号を通さない状態にあると、前記走行開始の許可信号を付勢するように構成され、
前記インジケータ論理回路は、前記駆動防止論理回路およびブレーキドロップアウト論理回路の少なくともいずれかが制御パルスを通す状態にあると、前記走行開始の許可信号を遮断するように構成され、
前記駆動装置は、前記走行開始の許可信号を該駆動装置の外部の監視論理回路に示す出力を含むことを特徴とする安全装置。
【請求項9】
請求項8に記載の安全装置において、前記走行開始の許可信号は前記駆動装置から前記電子監視装置へ送られ、
該電子監視装置は、前記安全信号が遮断されると、前記走行開始の許可信号の状態を読み取るように構成され、
該電子監視装置は、前記安全信号の遮断時に前記走行開始の許可信号が付勢されないと、前記エレベータの走行を阻止するように構成されていることを特徴とする安全装置。
【請求項10】
エレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成されたセンサと、
エレベータの安全を示す前記センサにより形成されるデータ用の入力を含む電子監視装置とを含むエレベータの安全装置において、
該安全装置は前記エレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含み、
該駆動装置は、
直流バスと、
該直流バスへ接続されエレベータモータに給電するモータブリッジとを含み、
該モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記エレベータモータで駆動する場合は前記直流バスから該エレベータモータへ、また該エレベータモータで制動する場合は該エレベータモータから前記直流バスへ電力を供給し、前記駆動装置はさらに、
前記モータブリッジの前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することで該モータブリッジの動作を制御する該モータブリッジの制御回路と、
安全信号を該駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路と、
該入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路とを含み、
前記安全信号の信号導体は前記電子監視装置から前記駆動装置へ配線され、
該電子監視装置は前記安全信号を遮断/接続する手段を含み、
該電子監視装置は、前記安全信号を遮断することによって前記エレベータを走行阻止状態にするように構成され、
該電子監視装置は、前記安全信号を接続することによって前記走行阻止状態を解除するように構成され、
前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極への制御パルスの信号路は前記駆動防止論理回路を通り、
該駆動防止論理回路への給電は前記安全信号の信号路を通るように構成されていることを特徴とするエレベータの安全装置。
【請求項11】
エレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成されたセンサと、
エレベータの安全を示す前記センサにより形成されるデータ用の入力を含む電子監視装置とを含むエレベータの安全装置において、
該安全装置は前記エレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含み、
該駆動装置は、
直流バスと、
該直流バスへ接続されエレベータモータに給電するモータブリッジとを含み、
該モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記エレベータモータで駆動する場合は前記直流バスから該エレベータモータへ、また該エレベータモータで制動する場合は該エレベータモータから前記直流バスへ電力を供給し、前記駆動装置はさらに、
前記モータブリッジの前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することで該モータブリッジの動作を制御する該モータブリッジの制御回路と、
安全信号を該駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路と、
該入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路とを含み、
前記安全信号の信号導体は前記電子監視装置から前記駆動装置へ配線され、
該電子監視装置は前記安全信号を遮断/接続する手段を含み、
該電子監視装置は、前記安全信号を遮断することによって前記エレベータを走行阻止状態にするように構成され、
該電子監視装置は、前記安全信号を接続することによって前記走行阻止状態を解除するように構成され、
前記モータブリッジの制御回路から前記駆動防止論理回路への制御パルスの信号路はアイソレータを通るように配設されていることを特徴とするエレベータの安全装置。
【請求項12】
請求項1ないし3および5ないし11のいずれかに記載の安全装置において、前記ブレーキ制御装置のスイッチの制御極への制御パルスが通る信号路は、前記ブレーキドロップアウト論理回路を通り、
該ブレーキドロップアウト論理回路への給電は前記安全信号の信号路を通るように構成されていることを特徴とする安全装置。
【請求項13】
請求項1ないし3および5ないし12のいずれかに記載の安全装置において、前記ブレーキ制御回路から前記ブレーキドロップアウト論理回路への制御パルスの信号路は、アイソレータを通るように配設されていることを特徴とする安全装置。
【請求項14】
請求項11ないし13のいずれかに記載の安全装置において、前記アイソレータはデジタルアイソレータであることを特徴とする安全装置。
【請求項15】
エレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成されたセンサと、
エレベータの安全を示す前記センサにより形成されるデータ用の入力を含む電子監視装置とを含むエレベータの安全装置において、
該安全装置は前記エレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含み、
該駆動装置は、
直流バスと、
該直流バスへ接続されエレベータモータに給電するモータブリッジとを含み、
該モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記エレベータモータで駆動する場合は前記直流バスから該エレベータモータへ、また該エレベータモータで制動する場合は該エレベータモータから前記直流バスへ電力を供給し、前記駆動装置はさらに、
前記モータブリッジの前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することで該モータブリッジの動作を制御する該モータブリッジの制御回路と、
安全信号を該駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路と、
該入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路とを含み、
前記安全信号の信号導体は前記電子監視装置から前記駆動装置へ配線され、
該電子監視装置は前記安全信号を遮断/接続する手段を含み、
該電子監視装置は、前記安全信号を遮断することによって前記エレベータを走行阻止状態にするように構成され、
該電子監視装置は、前記安全信号を接続することによって前記走行阻止状態を解除するように構成され、
前記駆動防止論理回路は双極性もしくは多極性信号スイッチを含み、該スイッチを通って前記制御パルスが前記モータブリッジのスイッチの制御極へ通り、
前記信号スイッチの少なくとも1つは前記入力回路へ接続されて、前記安全信号が遮断されると、前記信号スイッチを通る前記制御パルスの信号路が切断されることを特徴とするエレベータの安全装置。
【請求項16】
請求項15に記載の安全装置において、前記信号スイッチは、前記モータブリッジのハイサイドスイッチの制御極に関連して、および/または該モータブリッジのローサイドスイッチの制御極に関連して配設されていることを特徴とする安全装置。
【請求項17】
請求項1ないし3および5ないし16のいずれかに記載の安全装置において、前記ブレーキドロップアウト論理回路は双極性もしくは多極性信号スイッチを含み、該スイッチを通って制御パルスが前記ブレーキ制御装置のスイッチの制御極へ通り、
前記信号スイッチの少なくとも1つの極は前記入力回路へ接続されて、前記安全信号が遮断されると、前記信号スイッチを通る制御パルスの信号路が切断されることを特徴とする安全装置。
【請求項18】
請求項10ないし17のいずれかに記載の安全装置において、前記安全信号の信号路を通って生ずる給電は、前記安全信号Gの遮断によって遮断されるように構成されていることを特徴とする安全装置。
【請求項19】
請求項1ないし3および5ないし18のいずれかに記載の安全装置において、前記駆動装置は、交流電源と前記直流バスの間に接続された整流器を含むことを特徴とする安全装置。
【請求項20】
請求項1ないし3および5ないし19のいずれかに記載の駆動装置において、該駆動装置は、1つの機械的接触器もなく実現されることを特徴とする駆動装置。
【請求項21】
エレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成されたセンサと、
エレベータの安全を示す前記センサにより形成されるデータ用の入力を含む電子監視装置とを含むエレベータの安全装置において、
該安全装置は前記エレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含み、
該駆動装置は、
直流バスと、
該直流バスへ接続されエレベータモータに給電するモータブリッジとを含み、
該モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記エレベータモータで駆動する場合は前記直流バスから該エレベータモータへ、また該エレベータモータで制動する場合は該エレベータモータから前記直流バスへ電力を供給し、前記駆動装置はさらに、
前記モータブリッジの前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することで該モータブリッジの動作を制御する該モータブリッジの制御回路と、
安全信号を該駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路と、
該入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路とを含み、
前記安全信号の信号導体は前記電子監視装置から前記駆動装置へ配線され、
該電子監視装置は前記安全信号を遮断/接続する手段を含み、
該電子監視装置は、前記安全信号を遮断することによって前記エレベータを走行阻止状態にするように構成され、
該電子監視装置は、前記安全信号を接続することによって前記走行阻止状態を解除するように構成され、
該安全装置は、前記駆動装置の直流バスへ接続された緊急時駆動装置を含み、
該緊急時駆動装置は2次電源を有し、エレベータシステムの1次電源の障害の際は、該2次電源を介して前記直流バスへ電力を供給することができ、
該緊急時駆動装置および前記駆動装置の両方は何ら機械的接触器なしにも実現されることを特徴とするエレベータの安全装置。
【請求項22】
互いに直列に取り付けられエレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成された機械式安全スイッチを含む安全回路を含むエレベータの安全装置において、
該安全装置は前記エレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含み、
該駆動装置は、
直流バスと、
該直流バスへ接続されエレベータモータに給電用するモータブリッジとを含み、
該モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記エレベータモータで駆動する場合は前記直流バスから該エレベータモータへ、また該エレベータモータで制動する場合は該エレベータモータから前記直流バスへ電力を供給し、前記駆動装置はさらに、
前記モータブリッジの前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することで該モータブリッジの動作を制御する該モータブリッジの制御回路と、
安全信号を該駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路と、
該入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路とを含み、
前記安全信号の信号導体は前記安全回路から前記駆動装置へ配線され、
前記安全回路は前記安全信号を遮断/接続する手段を含み、
前記安全信号は、該安全回路の安全スイッチを開放することによって遮断されるように構成され、
前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極への制御パルスの信号路は前記駆動防止論理回路を通り、
該駆動防止論理回路への給電は前記安全信号の信号路を通るように構成されていることを特徴とするエレベータの安全装置。
【請求項23】
互いに直列に取り付けられエレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成された機械式安全スイッチを含む安全回路を含むエレベータの安全装置において、
該安全装置は前記エレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含み、
該駆動装置は、
直流バスと、
該直流バスへ接続されエレベータモータに給電用するモータブリッジとを含み、
該モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記エレベータモータで駆動する場合は前記直流バスから該エレベータモータへ、また該エレベータモータで制動する場合は該エレベータモータから前記直流バスへ電力を供給し、前記駆動装置はさらに、
前記モータブリッジの前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することで該モータブリッジの動作を制御する該モータブリッジの制御回路と、
安全信号を該駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路と、
該入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路とを含み、
前記安全信号の信号導体は前記安全回路から前記駆動装置へ配線され、
前記安全回路は前記安全信号を遮断/接続する手段を含み、
前記安全信号は、該安全回路の安全スイッチを開放することによって遮断されるように構成され、
前記モータブリッジの制御回路から前記駆動防止論理回路への制御パルスの信号路はアイソレータを通るように配設されていることを特徴とするエレベータの安全装置。
【請求項24】
互いに直列に取り付けられエレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成された機械式安全スイッチを含む安全回路を含むエレベータの安全装置において、
該安全装置は前記エレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含み、
該駆動装置は、
直流バスと、
該直流バスへ接続されエレベータモータに給電用するモータブリッジとを含み、
該モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記エレベータモータで駆動する場合は前記直流バスから該エレベータモータへ、また該エレベータモータで制動する場合は該エレベータモータから前記直流バスへ電力を供給し、前記駆動装置はさらに、
前記モータブリッジの前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することで該モータブリッジの動作を制御する該モータブリッジの制御回路と、
安全信号を該駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路と、
該入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路とを含み、
前記安全信号の信号導体は前記安全回路から前記駆動装置へ配線され、
前記安全回路は前記安全信号を遮断/接続する手段を含み、
前記安全信号は、該安全回路の安全スイッチを開放することによって遮断されるように構成され、
前記駆動防止論理回路は双極性もしくは多極性信号スイッチを含み、該スイッチを通って前記制御パルスが前記モータブリッジのスイッチの制御極へ通り、
前記信号スイッチの少なくとも1つは前記入力回路へ接続されて、前記安全信号が遮断されると、前記信号スイッチを通る前記制御パルスの信号路が切断されることを特徴とするエレベータの安全装置。
【請求項25】
互いに直列に取り付けられエレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成された機械式安全スイッチを含む安全回路を含むエレベータの安全装置において、
該安全装置は前記エレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含み、
該駆動装置は、
直流バスと、
該直流バスへ接続されエレベータモータに給電用するモータブリッジとを含み、
該モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記エレベータモータで駆動する場合は前記直流バスから該エレベータモータへ、また該エレベータモータで制動する場合は該エレベータモータから前記直流バスへ電力を供給し、前記駆動装置はさらに、
前記モータブリッジの前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することで該モータブリッジの動作を制御する該モータブリッジの制御回路と、
安全信号を該駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路と、
該入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路とを含み、
前記安全信号の信号導体は前記安全回路から前記駆動装置へ配線され、
前記安全回路は前記安全信号を遮断/接続する手段を含み、
前記安全信号は、該安全回路の安全スイッチを開放することによって遮断されるように構成され、
該安全装置はさらに、前記駆動装置の直流バスへ接続された緊急時駆動装置を含み、
該緊急時駆動装置は2次電源を有し、エレベータシステムの1次電源の障害の際は、該2次電源を介して前記直流バスへ電力を供給することができ、
該緊急時駆動装置および前記駆動装置の両方は何ら機械的接触器なしにも実現されることを特徴とするエレベータの安全装置。」

2.取消理由の概要
訂正前の請求項1?3、6、19及び20に係る特許に対して平成30年6月27日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
[取消理由]
本件特許の請求項1?3、6、19及び20に係る発明は、本件特許の優先日前外国において頒布された下記の引用文献に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。

引用文献:米国特許第7775327号明細書

なお、引用文献は、平成30年3月23日付けの特許異議申立人による特許異議申立書の甲第1号証である。

3.引用文献
(1)引用文献に記載された事項
引用文献には、図面とともに次の事項が記載されている。
なお、摘記の後の括弧内は当審による翻訳である。

"The invention concerns a method and a system for stopping elevators using AC-motors driven by static frequency converters."(1欄16?18行)
(本発明は、静的周波数変換器によって駆動される交流モータを使用するエレベータを停止させる方法及びシステムに関する。)

"The costs of the relays, their mounting and wiring increase the manufacturing costs."(2欄22?23行)
(リレーとその取り付け及び配線のコストは、製造コストを増加させる。)

"It is also known that switching off the converter outlet at low motor frequencies generates higher contact erosion, which again causes a shorter life of the relays.
It is the task of the invention to eliminate these disadvantages and completely abandon the principle of using motor relays."(2欄26?31行)
(低いモータ周波数でコンバータの出力をオフに切り替えることは、接点の侵食がより大きくなり、リレーの寿命を短くすることも知られている。
本発明の課題は、これらの欠点を解消し、モータリレーを使用するという原理を完全に放棄することである。)

"・・・ comprising an elevator safety circuit with preferably series-connected safety systems, acting via the elevator control upon the brake relay located in a frequency converter, said brake relay controlling the brake of the motor, the frequency converter comprising a frequency converter logic unit that produces control signals, ・・・"(2欄43?48行)
(・・・好ましくは直列に接続された安全システムを有するエレベータ安全回路を含み、エレベータ制御装置を介して周波数変換器に配置されたブレーキリレーに対して作用し、前記ブレーキリレーはモータのブレーキを制御し、周波数変換器は、制御信号を生成する周波数変換論理ユニットを含み、・・・)

"・・・ and a safety switch, which is on the one side connected to the brake relay and on the other side to the power semiconductors, so that de-energizing the brake relay will disconnect the torque-generating, rotating field of the motor." (2欄50?54行)
(・・・一方の側がブレーキリレーに接続され他方の側がパワー半導体に接続された安全スイッチと、を備え、ブレーキリレーの消勢によりモータのトルク発生回転磁界が遮断される。)

"With this invention, the frequency converter can be used for elevators without having relays at its outlet."(3欄12?13行)
(本発明によれば、周波数変換器は、その出力にリレーを有することなく、エレベータに使用することができる。)

"The safety circuit 1 of the elevator is usually made as series-connected safety systems 2, which act upon the brake relay 6 integrated in the frequency converter 18 via the elevator control 3."(3欄36?39行)
(エレベータの安全回路1は、通常、直列接続された安全システム2として構成されており、エレベータ制御装置3を介して周波数変換器18に組み込まれたブレーキリレー6に作用する。)

"By means of the contacts 19, the brake relay 6 controls the brake 15 of the motor 14 and acts upon the safety switch via contact 10."(3欄42?44行)
(接点19によって、ブレーキリレー6はモータ14のブレーキ15を制御し、接点10を介して安全スイッチに作用する。)

"In order to reduce the contact wear, the power semiconductor 20 is connected in series with the contacts 19 of the brake relay 6. Due to the faster switching behavior of the power semiconductor 20, an erosion of the contact 19 is avoided. The power semiconductor 20 is also connected in series with the relay 17 that switchably connects to magnetizing current 16."(3欄47?53行)
(接点の摩耗を低減するために、パワー半導体20はブレーキリレー6の接点19と直列に接続されている。パワー半導体20のより速いスイッチング動作のために、コンタクト19の侵食は回避される。電力半導体20はまた、励磁電流16にスイッチング可能に接続されたリレー17に直列に接続されている。)

"The logic unit 8 of the frequency converter 18 provides the pulse pattern to the power semiconductors located in the inverter forming the torque. The safety switch 9 blocks the pulse pattern, when the contacts 10 of the brake relay are open."(3欄54?58行)
(周波数変換器18の論理ユニット8は、トルクを形成するインバータ内に位置するパワー半導体にパルスパターンを供給する。安全スイッチ9は、ブレーキリレーの接点10が開いているときにパルスパターンを遮断する。)

"The power part of the frequency converter 18 comprises a rectifier 11 rectifying the mains voltage, a direct voltage intermediate circuit 12 and an inverter 13, which is preferably made of six power semiconductors."(3欄59?62行)
(周波数変換器18の電力部分は、主電圧を整流する整流器11と、直流電圧中間回路12と、好ましくは6つのパワー半導体からなるインバータ13とで構成される。)

"The output of the inverter 13, which is connected to the magnetizing current 16, is electrically connected to the motor 14."(3欄65?67行)
(励磁電流16に接続されたインバータ13の出力はモータ14に電気的に接続されている。)

" When the elevator control 3 receives a call 5, and the safety system 2 is dosed, the brake relay will be activated. Via the monitoring device 4, the elevator control 3 monitors the function of the brake relay 6.
By actuating the brake relay 6, the driving signals 7, such as driving direction and speed, will be transmitted to the frequency converter 18 from the elevator control.
In accordance with the driving signals, the frequency converter logic 8 generates a pulse pattern generating a rotating field for the power semiconductor."(4欄1?10行)
(エレベータ制御装置3が呼び出し5を受信し、安全システム2が投入されると、ブレーキリレーが作動される。監視装置4を介して、エレベータ制御装置3はブレーキリレー6の機能を監視する。
ブレーキリレー6を作動させることにより、駆動方向および速度などの駆動信号7は、エレベータ制御装置から周波数変換器18に送信される。
駆動信号に応じて、周波数変換器論理8は、電力半導体用の回転磁界を生成するパルスパターンを生成する。)

"When the brake relay is de-energized by an actuated safety system, on the one hand the brake is actuated and on the other hand the safety switch 9 is blocked."(4欄16?18行)
(作動された安全システムによってブレーキリレーが消勢されると、一方でブレーキが作動され、他方で安全スイッチ9が遮断される。)

(2)引用発明
上記(1)の記載事項及び図面の記載からみて、引用文献には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
〔引用発明〕
「エレベータの安全回路1を構成する安全システム2とブレーキリレー6の機能を監視する監視装置4とに接続された制御装置3と、エレベータのモータ14を駆動する周波数変換器18とからなる装置において、
周波数変換器18は、
主電源を整流する整流器11に接続された直流電圧中間回路12と、
直流電圧中間回路12へ接続されエレベータのモータ14に電気的に接続されたインバータ13とを含み、
インバータ13は6つのパワー半導体を含み、モータ14を駆動する場合は、直流電圧中間回路12からインバータ13を介してモータ14に電力を供給し、
インバータ13のパワー半導体にパルスパターンを供給する論理ユニット8と、
エレベータ制御装置3からの信号により開閉することができる接点10を備えたブレーキリレー6と、
接点10に接続され、接点10が開くと論理ユニット8からインバータ13へのパルスパターンを遮断するようにした安全スイッチ9と、
ブレーキ15への電力供給路に直列に配置されたパワー半導体20及びブレーキリレー6の接点19と、
エレベータ制御装置3の信号導体はブレーキリレー6に配線され、
エレベータ制御装置3は、ブレーキリレー6の接点10の開閉を制御する手段を含み、安全システム2によりブレーキリレー6が消勢されると接点10が開き、安全スイッチ9にて論理ユニット8からインバータ13へのパルスパターンを遮断する、装置。」

4.判断
(1)取消理由通知に記載した取消理由について
ア 本件発明1について
本件発明1と引用発明とを対比する。
後者の「エレベータの安全回路1を構成する安全システム2とブレーキリレー6の機能を監視する監視装置4」は、その機能からみて、前者の「エレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成されたセンサ」に相当する。
後者の「エレベータの安全回路1を構成する安全システム2とブレーキリレー6の機能を監視する監視装置4とに接続された制御装置3」は、安全システム2と監視装置4のデータが制御装置3に入力されることにほかならないので、前者の「エレベータの安全を示すセンサにより形成されるデータ用の入力を含む電子監視装置」に相当する。
後者の「安全システム2」と「監視装置4」とに接続された「制御装置3」と、「エレベータのモータ14を駆動する周波数変換器18とからなる装置」は、「安全システム2」、「監視装置4」と「制御装置3」とを含んだ「装置」であり、当該「装置」はエレベータの安全性に資するものであるので、前者の「センサ」と「電子監視装置」とを含む「エレベータの安全装置」に相当する。そして、後者の「装置」が「エレベータのモータ14を駆動する周波数変換器18」からなることは、モータ14はエレベータの巻上機の駆動源であるので、前者の「安全装置はエレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含」むことに相当する。
後者の「主電源を整流する整流器11に接続された直流電圧中間回路12」は、前者の「直流バス」に相当する。
後者の「直流電圧中間回路12へ接続されエレベータのモータ14に電気的に接続されたインバータ13」は、前者の「直流バスへ接続されエレベータモータに給電するモータブリッジ」に相当する。
後者の「インバータ13は6つのパワー半導体を含」むことは、技術常識を踏まえれば、前者の「モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含」むことに相当する。
後者の「モータ14を駆動する場合は、直流電圧中間回路12からインバータ13を介してモータ14に電力を供給」することは、前者の「エレベータモータで駆動する場合は直流バスからエレベータモータへ」、「電力を供給」することに相当する。
後者の「インバータ13のパワー半導体にパルスパターンを供給する論理ユニット8」は、パワー半導体の制御極にパルスを供給してインバータ13の制御を行うことが明らかであるので、前者の「モータブリッジのハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することでモータブリッジの動作を制御するモータブリッジの制御回路」に相当する。
後者の「エレベータ制御装置3からの信号により開閉すること」は、前者の「駆動装置の外部から遮断/接続すること」に相当し、後者の「接点10を備えたブレーキリレー6」は、「安全システム2によりブレーキリレー6が消勢されると、接点10が開き安全スイッチ9にて論理ユニット8からインバータ13へのパルスパターンを遮断する」ものであり、安全スイッチ9に送出する安全信号の接続・遮断を行うものといえるので、前者の「安全信号用の入力回路」に相当する。以上を踏まえると、後者の「エレベータ制御装置3からの信号により開閉することができる接点10を備えたブレーキリレー6」は、前者の「安全信号を駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路」に相当する。
後者の「接点10に接続され」ることは、前者の「入力回路へ接続され」ることに相当し、後者の「接点10が開く」ことは、前者の「安全信号が遮断される」ことに相当し、後者の「論理ユニット8からインバータ13へのパルスパターンを通さないようにした安全スイッチ9」は、前者の「モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路」に相当する。
後者の「エレベータ制御装置3の信号導体はブレーキリレー6に配線され」ることは、ブレーキリレー6が周波数変換器18を構成するものであるので、前者の「安全信号の信号導体は電子監視装置から駆動装置へ配線され」ることに相当する。
後者の「エレベータ制御装置3は、ブレーキリレー6の接点10の開閉を制御する手段を含」むことは、前者の「電子監視装置は安全信号を遮断/接続する手段を含」むことに相当する。
後者の「エレベータ制御装置3」が「安全システム2によりブレーキリレー6が消勢されると、接点10が開」くことは、前者の「電子監視装置は、安全信号を遮断すること」に相当し、後者の「接点10が開き、安全スイッチ9にて論理ユニット8からインバータ13へのパルスパターンを遮断する」ことは、前者の「安全信号を遮断することによって前記エレベータを走行阻止状態にする」ことに相当する。そして、後者の「エレベータ制御装置3」が「安全システム2によりブレーキリレー6が消勢されると接点10が開き、安全スイッチ9にて論理ユニット8からインバータ13へのパルスパターンを遮断する」ことは、裏返すと、ブレーキリレー6の接点10が閉じると論理ユニット8からインバータ13へのパルスパターンを接続することといえるので、前者の「電子監視装置は、安全信号を接続することによって走行阻止状態を解除する」構成を備えているといえる。

そうすると、両者の一致点、相違点は次のとおりである。
〔一致点1〕
「エレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成されたセンサと、
エレベータの安全を示す前記センサにより形成されるデータ用の入力を含む電子監視装置とを含むエレベータの安全装置において、
該安全装置は前記エレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含み、
該駆動装置は、
直流バスと、
該直流バスへ接続されエレベータモータに給電するモータブリッジとを含み、
該モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記エレベータモータで駆動する場合は前記直流バスから該エレベータモータへ電力を供給し、前記駆動装置はさらに、
前記モータブリッジの前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することで該モータブリッジの動作を制御する該モータブリッジの制御回路と、
安全信号を該駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路と、
該入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路とを含み、
前記安全信号の信号導体は前記電子監視装置から前記駆動装置へ配線され、
該電子監視装置は前記安全信号を遮断/接続する手段を含み、
該電子監視装置は、前記安全信号を遮断することによって前記エレベータを走行阻止状態にするように構成され、
該電子監視装置は、前記安全信号を接続することによって前記走行阻止状態を解除するように構成されているエレベータの安全装置。」
〔相違点1〕
本件発明1は、「エレベータモータで制動する場合はエレベータモータから直流バスへ電力を供給」するものであるのに対して、引用発明は、そのような構成を具備していない点。
〔相違点2〕
本件発明1は、「電磁ブレーキの制御コイルへ電力を供給するスイッチを含むブレーキ制御装置と、該ブレーキ制御装置のスイッチの制御極に制御パルスを生成することによって該ブレーキ制御装置の動作を制御するブレーキ制御回路と、前記入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると前記ブレーキ制御装置のスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成されたブレーキドロップアウト論理回路とを含」むものであるのに対して、引用発明は、「ブレーキ15への電力供給路に直列に配置されたパワー半導体20及び接点19」を有している点。

事案に鑑み、相違点2について以下検討する。
相違点2に係る本件発明1の「安全信号が遮断されるとブレーキ制御装置のスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成されたブレーキドロップアウト論理回路」とは、安全信号の遮断に起因して、ブレーキ制御装置のスイッチの制御極への制御パルスの供給を遮断するものと認められる。
これに対して、引用文献の記載及び図面を参酌すると、引用発明の「ブレーキ15への電力供給路に配置されたパワー半導体20及びブレーキリレー6の接点19」においては、パワー半導体20にはエレベータ制御装置3から信号が送られるものであり、本件発明1の「安全信号の遮断」に相当する引用発明の「ブレーキリレー6の接点10の開放」に起因して、エレベータ制御装置3からの信号が遮断されるものではなく、また、「ブレーキリレー6の接点10の開放」に起因して、エレベータ制御装置3からの信号が遮断される構成とすることについて、引用文献に記載及び示唆もない。
そうすると、引用発明を、相違点2に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得ることとはいえない。
よって、相違点1について検討するまでもなく、本件発明1は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

イ 本件発明3について
本件発明3は、本件発明1の相違点2に係る構成を有している。
そうすると、本件発明3は、少なくとも相違点2と同様の点で、引用発明と相違しているといえる。
そして、相違点2については、上記アで判断したとおりであるので、同様の理由により、本件発明3は引用発明に基づいて、当業者が容易に想到し得ることとはいえない。
よって、本件発明3は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

ウ 本件発明2、6、19及び20について
請求項2、5?9、12?14、17?20は、請求項1の記載を直接または間接的に引用するものである。
そうすると、本件発明2、6、19及び20は、本件発明1の相違点2に係る構成を有しているので、少なくとも相違点2と同様の点で、引用発明と相違しているといえる。
そして、相違点2については、上記アで判断したとおりである。
よって、本件発明2、6、19及び20は、本件発明1と同様の理由により、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(2)取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
特許異議申立人は、訂正前の請求項5、7?10、12、14?18及び21に係る発明は、甲第1号証(上記引用文献)に記載の事項から当業者が容易に発明をすることができたものであり、訂正前の請求項11及び13に係る発明は、甲第1号証及び甲第2号証(国際公開第2008/132975号)に記載の事項から当業者が容易に発明をすることができたものである旨主張している。
ア 本件発明5、7?9、12?14、16?18について
請求項5、7?9、12?14、16?18は、請求項1を直接または間接的に引用するものである。
そうすると、本件発明5、7?9、12?14、16?18は、本件発明1の相違点2に係る構成を有しているので、少なくとも相違点2と同様の点で、引用発明と相違しているといえる。
相違点2については、上記(1)アで判断したとおり、引用発明から容易に想到し得るとはいえず、また、甲第2号証は、フォトカプラを例示するに留まり、相違点2に係る構成を示唆するものではない。
よって、本件発明5、7?9、12?14、16?18は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
イ 本件発明10及び22について
訂正前の請求項10は、本件訂正請求により、訂正後の請求項10及び22となった。
(ア)
本件発明10と引用発明とを対比すると、上記(1)アで検討した相当関係を踏まえれば、両者は以下の点で相違し、その余の点で一致する。
〔相違点3〕
本件発明10は、「モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極への制御パルスの信号路は駆動防止論理回路を通り、駆動防止論理回路への給電は安全信号の信号路を通るように構成されている」のに対して、引用発明は、「論理ユニット8からインバータ13へのパルスパターンを通さないようにした安全スイッチ9」ではあるものの、安全スイッチ9への給電がブレーキリレー6の接点10を介しているのか不明な点。
相違点3について検討すると、相違点3に係る構成は、制御パルスの信号路の具体的回路構成に関わるものであり、引用文献には論理ユニット8から安全スイッチ9を介してインバータ13にパルスを送信する回路について具体的な示唆もないことからみて、相違点3に係る回路構成とすることが単なる設計的事項とはいえず、引用発明に基づいて当業者が容易に想到し得るとはいえない。
(イ)
本件発明22は、本件発明10の相違点3に係る構成を有しているので、本件発明10と同様の理由により、引用発明に基づいて当業者が容易に想到し得るとはいえない。
ウ 本件発明11及び23について
訂正前の請求項11は、本件訂正請求により、訂正後の請求項11及び23となった。
(ア)
本件発明11と引用発明とを対比すると、上記(1)アで検討した相当関係を踏まえれば、両者は以下の点で相違し、その余の点で一致する。
〔相違点4〕
本件発明11は、「モータブリッジの制御回路から駆動防止論理回路への制御パルスの信号路はアイソレータを通るように配設されている」のに対して、引用発明は、論理ユニット8から安全スイッチ9への信号路にアイソレータを配設しているとは特定されていない点。
相違点4について検討すると、相違点4に係る構成は、制御パルスの信号路の具体的回路構成に関わるものであり、引用文献には論理ユニット8から安全スイッチ9への信号路について具体的な示唆もないので、相違点4に係る回路構成とすることが単なる設計的事項とはいえず、また、甲第2号証は、フォトカプラを例示するに留まり、制御パルスの信号路にフォトカプラを設けることを示すものでもない。
よって本件発明11は、引用発明及び甲第2号証の記載に基づいて当業者が容易に想到し得るとはいえない。
(イ)
本件発明23は、本件発明11の相違点4に係る構成を有しているので、本件発明11と同様の理由により、引用発明に基づいて当業者が容易に想到し得るとはいえない。
エ 本件発明15及び24について
訂正前の請求項15は、本件訂正請求により、訂正後の請求項15及び24となった。
(ア)
本件発明15と引用発明とを対比すると、上記(1)アで検討した相当関係を踏まえれば、両者は以下の点で相違し、その余の点で一致する。
〔相違点5〕
本件発明15は、「駆動防止論理回路は双極性もしくは多極性信号スイッチを含み、該スイッチを通って制御パルスがモータブリッジのスイッチの制御極へ通り、信号スイッチの少なくとも1つは入力回路へ接続されて、安全信号が遮断されると、信号スイッチを通る制御パルスの信号路が切断される」のに対して、引用発明は、安全回路9の回路構成が明らかでない点。
相違点5について検討すると、相違点5に係る構成は、駆動防止論理回路の回路構成に関わるものであり、引用文献には安全回路9の回路構成について具体的な示唆もないので、相違点5に係る回路構成とすることが単なる設計的事項とはいえず、引用発明に基づいて当業者が容易に想到し得るとはいえない。
(イ)
本件発明24は、本件発明15の相違点5に係る構成を有しているので、本件発明15と同様の理由により、引用発明に基づいて当業者が容易に想到し得るとはいえない。
オ 本件発明21及び25について
訂正前の請求項21は、本件訂正請求により、訂正後の請求項21及び25となった。
(ア)
本件発明21と引用発明とを対比すると、上記(1)アで検討した相当関係を踏まえれば、両者は以下の点で相違し、その余の点で一致する。
〔相違点6〕
本件発明21は、「安全装置は、駆動装置の直流バスへ接続された緊急時駆動装置を含み、該緊急時駆動装置は2次電源を有し、エレベータシステムの1次電源の障害の際は、該2次電源を介して直流バスへ電力を供給することができ、該緊急時駆動装置および前記駆動装置の両方は何ら機械的接触器なしにも実現される」のに対して、引用発明は、緊急時駆動装置を有していない点。
相違点6について検討すると、引用文献には緊急時駆動装置について示唆もなく、他に当該装置を示唆する証拠もないので、引用発明を相違点6に係る本件発明21の構成とすることが単なる設計的事項とはいえず、引用発明に基づいて当業者が容易に想到し得るとはいえない。
(イ)
本件発明25は、本件発明21の相違点6に係る構成を有しているので、本件発明21と同様の理由により、引用発明に基づいて当業者が容易に想到し得るとはいえない。

したがって、特許異議申立人の主張は理由がない。

5.むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件特許の請求項1?3、5?25に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許の請求項1?3、5?25に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
また、請求項4に係る特許は、訂正により、削除されたため、本件特許の請求項4に対して、特許異議申立人 井澤幹がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成されたセンサと、
エレベータの安全を示す前記センサにより形成されるデータ用の入力を含む電子監視装置とを含むエレベータの安全装置において、
該安全装置は前記エレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含み、
該駆動装置は、
直流バスと、
該直流バスへ接続されエレベータモータに給電するモータブリッジとを含み、
該モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記エレベータモータで駆動する場合は前記直流バスから該エレベータモータへ、また該エレベータモータで制動する場合は該エレベータモータから前記直流バスへ電力を供給し、前記駆動装置はさらに、
前記モータブリッジの前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することで該モータブリッジの動作を制御する該モータブリッジの制御回路と、
安全信号を該駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路と、
該入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路と、
電磁ブレーキの制御コイルへ電力を供給するスイッチを含むブレーキ制御装置と、
該ブレーキ制御装置のスイッチの制御極に制御パルスを生成することによって該ブレーキ制御装置の動作を制御するブレーキ制御回路と、
前記入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると前記ブレーキ制御装置のスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成されたブレーキドロップアウト論理回路とを含み、
前記安全信号の信号導体は前記電子監視装置から前記駆動装置へ配線され、
該電子監視装置は前記安全信号を遮断/接続する手段を含み、
該電子監視装置は、前記安全信号を遮断することによって前記エレベータを走行阻止状態にするように構成され、
該電子監視装置は、前記安全信号を接続することによって前記走行阻止状態を解除するように構成されていることを特徴とするエレベータの安全装置。
【請求項2】
請求項1に記載の安全装置において、前記電子監視装置と前記駆動装置との間にデータ転送バスが形成され、
該駆動装置は、エレベータの運動状況を測定するセンサの測定データ用の入力を含み、
前記電子監視装置は、前記エレベータの運動状況を測定するセンサから該電子監視装置と前記駆動装置との間の前記データ転送バスを通して測定データを受信するように構成されていることを特徴とする安全装置。
【請求項3】
互いに直列に取り付けられエレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成された機械式安全スイッチを含む安全回路を含むエレベータの安全装置において、
該安全装置は前記エレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含み、
該駆動装置は、
直流バスと、
該直流バスへ接続されエレベータモータに給電用するモータブリッジとを含み、
該モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記エレベータモータで駆動する場合は前記直流バスから該エレベータモータへ、また該エレベータモータで制動する場合は該エレベータモータから前記直流バスへ電力を供給し、前記駆動装置はさらに、
前記モータブリッジの前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することで該モータブリッジの動作を制御する該モータブリッジの制御回路と、
安全信号を該駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路と、
該入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路と、
電磁ブレーキの制御コイルへ電力を供給するスイッチを含むブレーキ制御装置と、
該ブレーキ制御装置のスイッチの制御極に制御パルスを生成することによって該ブレーキ制御装置の動作を制御するブレーキ制御回路と、
前記入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると前記ブレーキ制御装置のスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成されたブレーキドロップアウト論理回路とを含み、
前記安全信号の信号導体は前記安全回路から前記駆動装置へ配線され、
前記安全回路は前記安全信号を遮断/接続する手段を含み、
前記安全信号は、該安全回路の安全スイッチを開放することによって遮断されるように構成されていることを特徴とするエレベータの安全装置。
【請求項4】(削除)
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれかに記載の安全装置において、前記ブレーキ制御装置は前記直流バスへ接続され、
前記スイッチは、前記直流バスから前記電磁ブレーキの制御コイルへ電力を供給するように構成されていることを特徴とする安全装置。
【請求項6】
請求項1ないし3および5のいずれかに記載の安全装置において、前記駆動防止論理回路は、前記安全信号が接続されると、前記モータブリッジのスイッチの制御極へ制御パルスを通すように構成されていることを特徴とする安全装置。
【請求項7】
請求項1ないし3、5および6のいずれかに記載の安全装置において、前記ブレーキドロップアウト論理回路は、前記安全信号が接続されると、前記ブレーキ制御装置のスイッチの制御極へ制御パルスを通すように構成されていることを特徴とする安全装置。
【請求項8】
請求項1ないし3および5ないし7のいずれかに記載の安全装置において、前記駆動装置は、走行開始の許可信号を生成するインジケータ論理回路を含み、
該インジケータ論理回路は、前記駆動防止論理回路およびブレーキドロップアウト論理回路の両方が制御信号を通さない状態にあると、前記走行開始の許可信号を付勢するように構成され、
前記インジケータ論理回路は、前記駆動防止論理回路およびブレーキドロップアウト論理回路の少なくともいずれかが制御パルスを通す状態にあると、前記走行開始の許可信号を遮断するように構成され、
前記駆動装置は、前記走行開始の許可信号を該駆動装置の外部の監視論理回路に示す出力を含むことを特徴とする安全装置。
【請求項9】
請求項8に記載の安全装置において、前記走行開始の許可信号は前記駆動装置から前記電子監視装置へ送られ、
該電子監視装置は、前記安全信号が遮断されると、前記走行開始の許可信号の状態を読み取るように構成され、
該電子監視装置は、前記安全信号の遮断時に前記走行開始の許可信号が付勢されないと、前記エレベータの走行を阻止するように構成されていることを特徴とする安全装置。
【請求項10】
エレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成されたセンサと、
エレベータの安全を示す前記センサにより形成されるデータ用の入力を含む電子監視装置とを含むエレベータの安全装置において、
該安全装置は前記エレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含み、
該駆動装置は、
直流バスと、
該直流バスへ接続されエレベータモータに給電するモータブリッジとを含み、
該モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記エレベータモータで駆動する場合は前記直流バスから該エレベータモータへ、また該エレベータモータで制動する場合は該エレベータモータから前記直流バスへ電力を供給し、前記駆動装置はさらに、
前記モータブリッジの前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することで該モータブリッジの動作を制御する該モータブリッジの制御回路と、
安全信号を該駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路と、
該入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路とを含み、
前記安全信号の信号導体は前記電子監視装置から前記駆動装置へ配線され、
該電子監視装置は前記安全信号を遮断/接続する手段を含み、
該電子監視装置は、前記安全信号を遮断することによって前記エレベータを走行阻止状態にするように構成され、
該電子監視装置は、前記安全信号を接続することによって前記走行阻止状態を解除するように構成され、
前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極への制御パルスの信号路は前記駆動防止論理回路を通り、
該駆動防止論理回路への給電は前記安全信号の信号路を通るように構成されていることを特徴とするエレベータの安全装置。
【請求項11】
エレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成されたセンサと、
エレベータの安全を示す前記センサにより形成されるデータ用の入力を含む電子監視装置とを含むエレベータの安全装置において、
該安全装置は前記エレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含み、
該駆動装置は、
直流バスと、
該直流バスへ接続されエレベータモータに給電するモータブリッジとを含み、
該モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記エレベータモータで駆動する場合は前記直流バスから該エレベータモータへ、また該エレベータモータで制動する場合は該エレベータモータから前記直流バスへ電力を供給し、前記駆動装置はさらに、
前記モータブリッジの前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することで該モータブリッジの動作を制御する該モータブリッジの制御回路と、
安全信号を該駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路と、
該入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路とを含み、
前記安全信号の信号導体は前記電子監視装置から前記駆動装置へ配線され、
該電子監視装置は前記安全信号を遮断/接続する手段を含み、
該電子監視装置は、前記安全信号を遮断することによって前記エレベータを走行阻止状態にするように構成され、
該電子監視装置は、前記安全信号を接続することによって前記走行阻止状態を解除するように構成され、
前記モータブリッジの制御回路から前記駆動防止論理回路への制御パルスの信号路はアイソレータを通るように配設されていることを特徴とするエレベータの安全装置。
【請求項12】
請求項1ないし3および5ないし11のいずれかに記載の安全装置において、前記ブレーキ制御装置のスイッチの制御極への制御パルスが通る信号路は、前記ブレーキドロップアウト論理回路を通り、
該ブレーキドロップアウト論理回路への給電は前記安全信号の信号路を通るように構成されていることを特徴とする安全装置。
【請求項13】
請求項1ないし3および5ないし12のいずれかに記載の安全装置において、前記ブレーキ制御回路から前記ブレーキドロップアウト論理回路への制御パルスの信号路は、アイソレータを通るように配設されていることを特徴とする安全装置。
【請求項14】
請求項11ないし13のいずれかに記載の安全装置において、前記アイソレータはデジタルアイソレータであることを特徴とする安全装置。
【請求項15】
エレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成されたセンサと、
エレベータの安全を示す前記センサにより形成されるデータ用の入力を含む電子監視装置とを含むエレベータの安全装置において、
該安全装置は前記エレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含み、
該駆動装置は、
直流バスと、
該直流バスへ接続されエレベータモータに給電するモータブリッジとを含み、
該モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記エレベータモータで駆動する場合は前記直流バスから該エレベータモータへ、また該エレベータモータで制動する場合は該エレベータモータから前記直流バスへ電力を供給し、前記駆動装置はさらに、
前記モータブリッジの前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することで該モータブリッジの動作を制御する該モータブリッジの制御回路と、
安全信号を該駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路と、
該入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路とを含み、
前記安全信号の信号導体は前記電子監視装置から前記駆動装置へ配線され、
該電子監視装置は前記安全信号を遮断/接続する手段を含み、
該電子監視装置は、前記安全信号を遮断することによって前記エレベータを走行阻止状態にするように構成され、
該電子監視装置は、前記安全信号を接続することによって前記走行阻止状態を解除するように構成され、
前記駆動防止論理回路は双極性もしくは多極性信号スイッチを含み、該スイッチを通って前記制御パルスが前記モータブリッジのスイッチの制御極へ通り、
前記信号スイッチの少なくとも1つは前記入力回路へ接続されて、前記安全信号が遮断されると、前記信号スイッチを通る前記制御パルスの信号路が切断されることを特徴とするエレベータの安全装置。
【請求項16】
請求項15に記載の安全装置において、前記信号スイッチは、前記モータブリッジのハイサイドスイッチの制御極に関連して、および/または該モータブリッジのローサイドスイッチの制御極に関連して配設されていることを特徴とする安全装置。
【請求項17】
請求項1ないし3および5ないし16のいずれかに記載の安全装置において、前記ブレーキドロップアウト論理回路は双極性もしくは多極性信号スイッチを含み、該スイッチを通って制御パルスが前記ブレーキ制御装置のスイッチの制御極へ通り、
前記信号スイッチの少なくとも1つの極は前記入力回路へ接続されて、前記安全信号が遮断されると、前記信号スイッチを通る制御パルスの信号路が切断されることを特徴とする安全装置。
【請求項18】
請求項10ないし17のいずれかに記載の安全装置において、前記安全信号の信号路を通って生ずる給電は、前記安全信号Gの遮断によって遮断されるように構成されていることを特徴とする安全装置。
【請求項19】
請求項1ないし3および5ないし18のいずれかに記載の安全装置において、前記駆動装置は、交流電源と前記直流バスの間に接続された整流器を含むことを特徴とする安全装置。
【請求項20】
請求項1ないし3および5ないし19のいずれかに記載の駆動装置において、該駆動装置は、1つの機械的接触器もなく実現されることを特徴とする駆動装置。
【請求項21】
エレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成されたセンサと、
エレベータの安全を示す前記センサにより形成されるデータ用の入力を含む電子監視装置とを含むエレベータの安全装置において、
該安全装置は前記エレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含み、
該駆動装置は、
直流バスと、
該直流バスへ接続されエレベータモータに給電するモータブリッジとを含み、
該モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記エレベータモータで駆動する場合は前記直流バスから該エレベータモータへ、また該エレベータモータで制動する場合は該エレベータモータから前記直流バスへ電力を供給し、前記駆動装置はさらに、
前記モータブリッジの前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することで該モータブリッジの動作を制御する該モータブリッジの制御回路と、
安全信号を該駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路と、
該入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路とを含み、
前記安全信号の信号導体は前記安全回路から前記駆動装置へ配線され、
該電子監視装置は前記安全信号を遮断/接続する手段を含み、
該電子監視装置は、前記安全信号を遮断することによって前記エレベータを走行阻止状態にするように構成され、
該電子監視装置は、前記安全信号を接続することによって前記走行阻止状態を解除するように構成され、
該安全装置は、前記駆動装置の直流バスへ接続された緊急時駆動装置を含み、
該緊急時駆動装置は2次電源を有し、エレベータシステムの1次電源の障害の際は、該2次電源を介して前記直流バスへ電力を供給することができ、
該緊急時駆動装置および前記駆動装置の両方は何ら機械的接触器なしにも実現されることを特徴とするエレベータの安全装置。
【請求項22】
互いに直列に取り付けられエレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成された機械式安全スイッチを含む安全回路を含むエレベータの安全装置において、
該安全装置は前記エレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含み、
該駆動装置は、
直流バスと、
該直流バスへ接続されエレベータモータに給電用するモータブリッジとを含み、
該モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記エレベータモータで駆動する場合は前記直流バスから該エレベータモータへ、また該エレベータモータで制動する場合は該エレベータモータから前記直流バスへ電力を供給し、前記駆動装置はさらに、
前記モータブリッジの前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することで該モータブリッジの動作を制御する該モータブリッジの制御回路と、
安全信号を該駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路と、
該入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路とを含み、
前記安全信号の信号導体は前記安全回路から前記駆動装置へ配線され、
前記安全回路は前記安全信号を遮断/接続する手段を含み、
前記安全信号は、該安全回路の安全スイッチを開放することによって遮断されるように構成され、
前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極への制御パルスの信号路は前記駆動防止論理回路を通り、
該駆動防止論理回路への給電は前記安全信号の信号路を通るように構成されていることを特徴とするエレベータの安全装置。
【請求項23】
互いに直列に取り付けられエレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成された機械式安全スイッチを含む安全回路を含むエレベータの安全装置において、
該安全装置は前記エレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含み、
該駆動装置は、
直流バスと、
該直流バスへ接続されエレベータモータに給電用するモータブリッジとを含み、
該モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記エレベータモータで駆動する場合は前記直流バスから該エレベータモータへ、また該エレベータモータで制動する場合は該エレベータモータから前記直流バスへ電力を供給し、前記駆動装置はさらに、
前記モータブリッジの前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することで該モータブリッジの動作を制御する該モータブリッジの制御回路と、
安全信号を該駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路と、
該入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路とを含み、
前記安全信号の信号導体は前記安全回路から前記駆動装置へ配線され、
前記安全回路は前記安全信号を遮断/接続する手段を含み、
前記安全信号は、該安全回路の安全スイッチを開放することによって遮断されるように構成され、
前記モータブリッジの制御回路から前記駆動防止論理回路への制御パルスの信号路はアイソレータを通るように配設されていることを特徴とするエレベータの安全装置。
【請求項24】
互いに直列に取り付けられエレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成された機械式安全スイッチを含む安全回路を含むエレベータの安全装置において、
該安全装置は前記エレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含み、
該駆動装置は、
直流バスと、
該直流バスへ接続されエレベータモータに給電用するモータブリッジとを含み、
該モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記エレベータモータで駆動する場合は前記直流バスから該エレベータモータへ、また該エレベータモータで制動する場合は該エレベータモータから前記直流バスへ電力を供給し、前記駆動装置はさらに、
前記モータブリッジの前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することで該モータブリッジの動作を制御する該モータブリッジの制御回路と、
安全信号を該駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路と、
該入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路とを含み、
前記安全信号の信号導体は前記安全回路から前記駆動装置へ配線され、
前記安全回路は前記安全信号を遮断/接続する手段を含み、
前記安全信号は、該安全回路の安全スイッチを開放することによって遮断されるように構成され、
前記駆動防止論理回路は双極性もしくは多極性信号スイッチを含み、該スイッチを通って前記制御パルスが前記モータブリッジのスイッチの制御極へ通り、
前記信号スイッチの少なくとも1つは前記入力回路へ接続されて、前記安全信号が遮断されると、前記信号スイッチを通る前記制御パルスの信号路が切断されることを特徴とするエレベータの安全装置。
【請求項25】
互いに直列に取り付けられエレベータの安全の観点から重要な機能を示すように構成された機械式安全スイッチを含む安全回路を含むエレベータの安全装置において、
該安全装置は前記エレベータの巻上機を駆動する駆動装置を含み、
該駆動装置は、
直流バスと、
該直流バスへ接続されエレベータモータに給電用するモータブリッジとを含み、
該モータブリッジはハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記エレベータモータで駆動する場合は前記直流バスから該エレベータモータへ、また該エレベータモータで制動する場合は該エレベータモータから前記直流バスへ電力を供給し、前記駆動装置はさらに、
前記モータブリッジの前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの制御極に制御パルスを生成することで該モータブリッジの動作を制御する該モータブリッジの制御回路と、
安全信号を該駆動装置の外部から遮断/接続することができる安全信号用の入力回路と、
該入力回路へ接続され、前記安全信号が遮断されると、前記モータブリッジのハイサイドスイッチおよび/またはローサイドスイッチの制御極へ制御パルスを通さないように構成された駆動防止論理回路とを含み、
前記安全信号の信号導体は前記安全回路から前記駆動装置へ配線され、
前記安全回路は前記安全信号を遮断/接続する手段を含み、
前記安全信号は、該安全回路の安全スイッチを開放することによって遮断されるように構成され、
該安全装置はさらに、前記駆動装置の直流バスへ接続された緊急時駆動装置を含み、
該緊急時駆動装置は2次電源を有し、エレベータシステムの1次電源の障害の際は、該2次電源を介して前記直流バスへ電力を供給することができ、
該緊急時駆動装置および前記駆動装置の両方は何ら機械的接触器なしにも実現されることを特徴とするエレベータの安全装置。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-11-13 
出願番号 特願2015-514545(P2015-514545)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (B66B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 中田 誠二郎  
特許庁審判長 大町 真義
特許庁審判官 内田 博之
平田 信勝
登録日 2017-09-08 
登録番号 特許第6205411号(P6205411)
権利者 コネ コーポレイション
発明の名称 エレベータの安全装置  
復代理人 あいわ特許業務法人  
代理人 香取 孝雄  
復代理人 あいわ特許業務法人  
代理人 香取 孝雄  
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