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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  H05B
管理番号 1347691
異議申立番号 異議2018-700337  
総通号数 230 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-02-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-04-24 
確定日 2018-12-25 
異議申立件数
事件の表示 特許第6218101号発明「調光装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6218101号の請求項1、3、5、9、11に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第6218101号の請求項1、3、5、9及び11に係る特許についての出願は、平成28年5月30日(優先権主張平成27年6月8日、日本国)を国際出願日とする出願であって、平成29年10月6日にその特許権の設定登録がされ、平成29年10月25日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許について、平成30年4月24日に特許異議申立人小野恵司により特許異議の申立てがされ、当審は、平成30年8月17日に取消理由を通知した。それに対し、特許権者は、平成30年10月19日に意見書を提出した。

2.本件発明
本件特許の請求項1、3、5、9及び11に係る発明(以下、本件発明1等という。)は特許請求の範囲の請求項1?11に記載された事項により特定される以下のとおりのものと認める。
「【請求項1】
通電時に点灯する負荷と交流電源との間に電気的に接続される一対の入力端子と、
前記一対の入力端子間において、双方向の電流の遮断/通過を切り替えるように構成されている双方向スイッチと、
前記交流電源の交流電圧の位相を検出する位相検出部と、
前記負荷の光出力の大きさを指定する調光レベルが入力される入力部と、
前記一対の入力端子間に電気的に接続され、前記交流電源からの供給電力により制御電源を生成する電源部と、
前記電源部から前記制御電源の供給を受けて動作し、前記位相検出部からの検出信号に基づいて、前記交流電圧の半周期の始点から第1時間が経過する第1時点まで前記双方向スイッチがオフ状態となり、前記第1時点から前記調光レベルに応じた第2時間が経過する第2時点までは前記双方向スイッチがオン状態となり、前記第2時点から前記半周期の終点までは前記双方向スイッチがオフ状態となるように、前記双方向スイッチを制御する制御部と、
を備える調光装置。」
「【請求項3】
前記第1時間は一定長さの時間である請求項1または2に記載の調光装置。」
「【請求項5】
前記電源部は容量性素子を有する請求項1?4のいずれか1項に記載の調光装置。」
「【請求項9】
前記双方向スイッチは、前記一対の入力端子間に電気的に直列に接続された2個のスイッチ素子を含む請求項1?8のいずれか1項に記載の調光装置。」
「【請求項11】
交流電源に対して負荷と直列に接続され、前記負荷に供給する交流電圧を位相制御する双方向スイッチと、
前記交流電源の前記交流電圧の位相を検出する位相検出部と、
前記双方向スイッチと並列に接続され、前記交流電源を所定の制御電源に変換する変換動作を行い、前記制御電源を蓄積する容量性素子を有する電源部と、
前記電源部から前記容量性素子を通じて前記制御電源が供給され、前記位相検出部で検出された位相に基づき、前記交流電圧の毎半周期の期間を第一の期間、第二の期間、第三の期間、及び第四の期間に区分して、
前記第一の期間及び前記第四の期間では、前記双方向スイッチを非導通制御して前記負荷への電力供給を遮断し、前記電源部に前記変換動作を行わせ、
前記第二の期間では、前記双方向スイッチを導通制御して前記負荷に電力供給し、前記電源部に前記変換動作を停止させ、
前記第三の期間では、前記双方向スイッチを非導通制御して前記負荷への電力供給を遮断する
制御部と、
を具備していることを特徴とする調光装置。」

3.取消理由の概要
当審において、請求項1、3、5、9及び11に係る特許に対して通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
(1)請求項1、3、5、9及び11に係る発明は、引用文献1(特開2013-251189号公報(異議申立の甲第1号証))、引用文献2(米国特許第8339062号公報(異議申立の甲第2号証))、及び引用文献3(特開2013-149498号公報)に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1、3、5、9及び11に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

4.引用文献等の記載
(1)引用文献1の記載
本件特許に係る出願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1には、調光装置に関して、図面とともに、次の記載がある。なお、下線は当審で付した。
ア.「【0023】
調光装置Dは、例えばJISで規格化された図示しない配線器具取付枠に取り付けられて、照明器LTが設けられた部屋の壁等に設置される。調光装置Dは2線式調光装置であり、調光装置D外部にある照明器LTおよび商用交流電源ACとは2線で接続される。調光装置Dは、2つの端子0,1を有しており、一方の端子0が照明器LTに接続され、他方の端子1が商用交流電源ACに接続される。つまり、調光装置D、商用交流電源ACおよび照明器LTは直列接続される。図1において、商用交流電源AC、照明器LT、および調光装置Dを一巡して結ぶ回路を主電流ループ(主電流回路)と称する。・・
【0025】
調光装置Dは、スイッチング回路1、充放電回路2、サージ電圧検出回路3、充電禁止回路4、およびサージ電圧吸収素子5を備えている。・・
【0026】
スイッチング回路1は、一対のトランジスタQ1,Q2を備えている。一対のトランジスタQ1,Q2は、商用交流電源ACから照明器LTを経由して商用交流電源ACに戻る電流ループ内に互いに逆向きに直列接続されている。・・」
イ.「【0030】
充放電回路2は、トランジスタQ1,Q2のゲート端子Gに対する電荷の充電・放電を制御することにより、スイッチング回路1に位相制御を行わせる回路である。
【0031】
充放電回路2は、放電回路21、充電回路22、および遮断タイミング生成回路23を備えている。
【0032】
放電回路21は、スイッチング回路1を流れる主電流Tの通電停止を制御する回路である。放電回路21は、放電信号Sdの入力を得て一対のトランジスタQ1,Q2のゲート端子Gを放電する。放電回路21は、放電用のトランジスタQ5,Q6と抵抗R9,R10とを有する。トランジスタQ5と抵抗R9とで正動作側放電回路が構成され、トランジスタQ6と抵抗R10とで負動作側放電回路が構成される。トランジスタQ5,Q6は、NPN型トランジスタである。放電回路21には、トランジスタQ1,Q2のゲート端子Gに掛かる電位を制限するためのツェナーダイオードZD1,ZD2および抵抗R7,R8も設けられている。
【0033】
正動作側放電回路のトランジスタQ5がオンすると、トランジスタQ1のゲート端子Gの電荷は抵抗R9を介して放電し、スイッチング回路1の通電が停止する。また、負動作側放電回路のトランジスタQ6がオンすると、負動作側におけるトランジスタQ2のゲート端子Gの電荷は抵抗R10を介して放電し、スイッチング回路1の通電が停止する。」
ウ.「【0034】
充電回路22は、ある位相期間における主電流を逆位相側のスイッチング素子のゲート端子Gに通電して充電する回路である。充電回路22は、トランジスタQ1またはトランジスタQ2がオフ状態となることでトランジスタQ1,Q2の両端子間に発生する電圧によって通電する。充電回路22は、一対のトランジスタQ1,Q2のうち、放電回路21によりゲート端子Gの放電が行われた一方のトランジスタQ1(Q2)に対する他方のトランジスタQ2(Q1)のゲート端子Gを充電する。
【0035】
充電回路22は、2つのダイオードD3,D4を有する。ダイオードD3は正動作側充電回路を構成し、ダイオードD4は負動作側充電回路を構成する。正動作側充電回路のダイオードD3は、端子0、すなわちスイッチング回路1における正動作のトランジスタQ1のドレイン端子Dに発生する電圧によって通電し、この電圧の電荷を、負動作のトランジスタQ2のゲート端子Gに導通する。より具体的には、ダイオードD3は、放電信号SdのタイミングでトランジスタQ1に通電する主電流がオフされたとき、逆極性側のトランジスタQ2のゲート端子Gに主電流の一部を通電し、トランジスタQ2の規定値電圧まで電荷を充電する。負動作側充電回路のダイオードD4は、端子1、すなわちスイッチング回路1における負側のトランジスタQ2のドレイン端子Dに発生する電圧によって通電し、この電圧の電荷を、正側のトランジスタQ1のゲート端子Gに導通する。より具体的には、ダイオードD4は、トランジスタQ2がオフされたときに逆極性側のトランジスタQ1のゲートにその規定値電圧まで電荷を充電する。」
エ.「【0036】
遮断タイミング生成回路23は、トランジスタQ1,Q2のゲート端子Gの放電タイミングを決定する回路である。遮断タイミング生成回路23は、放電信号Sdを生成して放電回路21に入力する。放電信号Sdは、商用交流電源ACから出力される交流電力に同期し、操作に応じたタイミングで生成される。」
オ.「【0037】
遮断タイミング生成回路23は、ダイオードD5,D6、インバータ論理回路IC1,IC2,IC3、可変抵抗VR1、抵抗R12,R13,R14,R15,R16,R17、およびコンデンサC3,C4,C5,C6を有する。スイッチング回路1の両端(すなわち端子0,1)に掛かる交流電圧は、ダイオードD5,D6,D1,D2によって全波整流される。全波整流によって、交流電圧の波形における谷(負電圧)部分が山(正電圧)に変換され、交流電圧の2倍の周波数を有する脈流が生成される。この脈流の電圧は、スイッチング回路1の両端(すなわち端子0,1)双方の状態をまとめて表すものである。この脈流の電圧を、2つの抵抗R13,R14で分圧した信号をスイッチング状態信号Siと称する。なお、抵抗R13,R14による分圧前の脈流電圧は、抵抗R12およびコンデンサC3によって平滑され、インバータ論理回路IC1,IC2,IC3の電源電圧として用いられる。」
カ.「【0038】
3つのインバータ論理回路IC1,IC2,IC3、可変抵抗VR1、抵抗R15,R16、およびコンデンサC5によって遅延回路が構成されている。3つ、つまり奇数個のインバータ論理回路IC1,IC2,IC3は直列に接続されているので、上記遅延回路出力は、入力に対しレベル反転出力となる。可変抵抗VR1は、図示しない操作ツマミに連動しており、操作により抵抗値が変化することによって遅延回路の遅延量が変化する。スイッチング状態信号Siすなわち抵抗R13,R14によって分圧された脈流の信号は、遅延回路によって遅延されるとともに論理レベルが反転され、放電信号Sdとして出力される。放電信号Sdは、トランジスタQ1,Q2のゲート端子Gを放電するタイミングを表す。」
キ.「【0039】・・交流電圧が中点電位(0V)をクロスする(ゼロクロスの)タイミング近傍で、スイッチング状態信号Siは、ハイレベルからローレベルに遷移する。この遷移のタイミングから、可変抵抗VR1の操作に応じた時間だけ遅延して、放電信号Sdはハイレベルになる。つまり、遮断タイミング生成回路23は、交流電圧がゼロクロスするタイミングから、操作に応じた時間だけ遅延したタイミングで放電信号Sdのハイレベルを出力する。放電信号Sdによって、トランジスタQ1,Q2のゲート放電タイミングが制御され、調光がなされる。・・」
ク.「【0049】
調光装置Dの基本動作について、図1および図2を参照して説明する。まず、商用交流電源AC(図1参照)からの交流における正位相期間の動作、すなわち端子0が正の期間の動作を、その直前の負位相期間であるタイミングt1の状態から説明する。
【0050】・・タイミングt1では、トランジスタQ2はオフ状態であり、スイッチング回路1および負荷における主電流Iの導通は停止している・・
【0051】
また、トランジスタQ2のドレイン端子Dの電位は、充電回路22のダイオードD4を通じて、タイミングt1の負位相期間とは逆の正位相期間における電流を制御する正動作側のトランジスタQ1のゲート端子Gを充電する。・・
【0052】
この後、商用交流電源ACから供給される交流の状態が正位相期間に移ったタイミングt2では、スイッチング回路1における正動作側のトランジスタQ1のドレイン端子Dに正の電圧がかる。この直前の負位相期間においてトランジスタQ1のゲート端子Gは規定値電圧で充電されているため、トランジスタQ1のドレイン-ソース間がオン状態となる。したがって、主電流Iが、トランジスタQ1のドレイン-ソースを通じ、さらに、トランジスタQ2内蔵のダイオードD2を通じて流れる・・
【0053】
また、遮断タイミング生成回路23におけるダイオードD6を介して、トランジスタQ2のドレイン端子Dの状態を表したスイッチング状態信号Si(図2のパート(B))は、商用交流電源の電位(図2のパート(A))がゼロクロスするタイミングでハイレベルからローレベルに遷移する。これに応じて、遮断タイミング生成回路23における放電信号Sd(図2のパート(C))は、図示しない操作ツマミの操作に応じた遅延タイミングで、ローレベルから放電タイミングを示すハイレベルに遷移する。
【0054】
・・トランジスタQ1のゲート端子Gの電荷が、トランジスタQ5を通じて放電される(図2のパート(D))。この結果、トランジスタQ1がオフ状態になる。
【0055】
トランジスタQ1がオフ状態となったタイミングt3では、スイッチング回路1および負荷における主電流Iの導通が停止する。この時、トランジスタQ1のドレイン-ソース間には、商用交流電源ACから供給される電圧とほぼ等しい電圧が掛かる。したがって、今度は、トランジスタQ1のドレイン端子の電位が、充電回路22のダイオードD3を介して、負動作側のトランジスタQ2のゲート端子Gを充電する。
【0056】
この後、商用交流電源ACから供給される交流の状態が負位相期間に移ると、上述した動作が極性を変えて繰り返される。」

ケ.図1の「調光装置D」は、記載事項ア.(段落【0023】)の「2つの端子0,1を有し」、記載事項ア.(段落【0025】)の「スイッチング回路1、充放電回路2、サージ電圧検出回路3、充電禁止回路4、およびサージ電圧吸収素子5を備えている」ものであるので、2つの端子0,1と、スイッチング回路1と、充放電回路2と、サージ電圧検出回路3と、充電禁止回路4と、サージ電圧吸収素子5とを備えている調光装置Dといえる。
コ.図1の「0」「1」は、記載事項ア.(段落【0023】)の「一方の端子0が照明器LTに接続され、他方の端子1が商用交流電源ACに接続される。つまり、調光装置D、商用交流電源ACおよび照明器LTは直列接続される」ものであって、「商用交流電源AC、照明器LT、および調光装置Dを一巡して結ぶ回路を主電流ループ(主電流回路)」を形成するものであるので、通電時に点灯する照明器LTと商用交流電源ACとの間に電気的に接続されるものといえる。
サ.図1の「スイッチング回路1」は、「端子0」と「端子1」間に構成されたものであり、記載事項ア.(段落【0026】)の「一対のトランジスタQ1,Q2を備え」るものであるので、2つの端子0,1間に構成され、一対のトランジスタQ1,Q2を備えるものといえる。
シ.図1の「充放電回路2」は、記載事項イ.(段落【0031】)の「放電回路21、充電回路22、および遮断タイミング生成回路23を備え」、記載事項イ.(段落【0030】)の「トランジスタQ1,Q2のゲート端子Gに対する電荷の充電・放電を制御することにより、スイッチング回路1に位相制御を行わせる回路である」ので、放電回路21、充電回路22、および遮断タイミング生成回路23を備え、トランジスタQ1,Q2のゲート端子Gに対する電荷の充電・放電を制御することにより、スイッチング回路1に位相制御を行わせるものといえる。
ス.図1の「放電回路21」は、記載事項イ.(段落【0032】)の「放電信号Sdの入力を得て一対のトランジスタQ1,Q2のゲート端子Gを放電する。」ものであるので、放電信号Sdの入力を得て一対のトランジスタQ1,Q2のゲート端子Gを放電するものといえる。
セ.図1の「充電回路22」は、記載事項ウ.(段落【0035】)の「2つのダイオードD3,D4を有する。・・正動作側充電回路のダイオードD3は、端子0・・に発生する電圧によって通電し、・・放電信号SdのタイミングでトランジスタQ1に通電する主電流がオフされたとき逆極性側のトランジスタQ2のゲート端子Gに主電流の一部を通電し、トランジスタQ2の規定値電圧まで電荷を充電する。負動作側充電回路のダイオードD4は、端子1・・に発生する電圧によって通電し、・・トランジスタQ2がオフされたときに逆極性側のトランジスタQ1のゲートにその規定値電圧まで電荷を充電する。」ものであるので、2つの端子0,1間に電気的に接続され、商用交流電源ACからの供給電力によりトランジスタQ1、Q2のゲートに電荷を充電するものといえる。
ソ.図1の「遮断タイミング生成回路23」は、記載事項オ.の「ダイオードD5,D6、インバータ論理回路IC1,IC2,IC3、可変抵抗VR1、抵抗R12,R13,R14,R15,R16,R17、およびコンデンサC3,C4,C5,C6を有する。」、記載事項エ.の「トランジスタQ1,Q2のゲート端子Gの放電タイミングを決定する回路である。遮断タイミング生成回路23は、放電信号Sdを生成して放電回路21に入力する。放電信号Sdは、商用交流電源ACから出力される交流電力に同期し、操作に応じたタイミングで生成される。」ものであるので、ダイオードD5,D6、インバータ論理回路IC1,IC2,IC3、可変抵抗VR1、抵抗R12,R13,R14,R15,R16,R17、およびコンデンサC3,C4,C5,C6を有し、商用交流電源ACから出力される交流電力に同期し、操作に応じたタイミングで生成される、放電信号Sdを生成して放電回路21に入力し、トランジスタQ1,Q2のゲート端子Gの放電タイミングを決定する回路であるといえる。
タ.図1の「ダイオードD5,D6,D1,D2」「抵抗R13,R14」は、記載事項オ.の「スイッチング回路1の両端(すなわち端子0,1)に掛かる交流電圧は、ダイオードD5,D6,D1,D2によって全波整流される。全波整流によって、交流電圧の波形における谷(負電圧)部分が山(正電圧)に変換され、交流電圧の2倍の周波数を有する脈流が生成される。この脈流の電圧は、スイッチング回路1の両端(すなわち端子0,1)双方の状態をまとめて表すものである。この脈流の電圧を、2つの抵抗R13,R14で分圧した信号をスイッチング状態信号Siと称する。」ものであるので、交流電圧の2倍の周波数を有するスイッチング状態信号Siを生成するものといえる。
チ.図1の「可変抵抗VR1」は、記載事項キ.の「可変抵抗VR1の操作に応じた時間だけ遅延して、放電信号Sdはハイレベルになる。・・放電信号Sdによって、トランジスタQ1,Q2のゲート放電タイミングが制御され、調光がなされる。」ものであるので、調光レベルが入力されるものといえる。
ツ.図1の「ダイオードD5,D6,D1,D2」「抵抗R12およびコンデンサC3」は、記載事項オ.の「スイッチング回路1の両端(すなわち端子0,1)に掛かる交流電圧は、ダイオードD5,D6,D1,D2によって全波整流される。全波整流によって・・脈流が生成される。・・抵抗R13,R14による分圧前の脈流電圧は、抵抗R12およびコンデンサC3によって平滑され、インバータ論理回路IC1,IC2,IC3の電源電圧として用いられる。」ものであるので、2つの端子0,1間に電気的に接続され、商用交流電源ACからの供給電力によりインバータ論理回路IC1,IC2,IC3の電源電圧を生成するものといえる。

以上の記載によれば、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「2つの端子0,1と、スイッチング回路1と、充放電回路2と、サージ電圧検出回路3と、充電禁止回路4と、サージ電圧吸収素子5とを備えている調光装置Dであって、
2つの端子0,1は、通電時に点灯する照明器LTと商用交流電源ACとの間に電気的に接続されるものであり、
スイッチング回路1は、前記2つの端子0,1間に構成され、一対のトランジスタQ1,Q2を備えるものであり、
充放電回路2は、放電回路21、充電回路22、および遮断タイミング生成回路23を備え、トランジスタQ1,Q2のゲート端子Gに対する電荷の充電・放電を制御することにより、スイッチング回路1に位相制御を行わせるものであり、
放電回路21は、放電信号Sdの入力を得て一対のトランジスタQ1,Q2のゲート端子Gを放電するものであり、
充電回路22は、2つの端子0,1間に電気的に接続され、商用交流電源ACからの供給電力によりトランジスタQ1、Q2のゲートに電荷を充電するものであり、
遮断タイミング生成回路23は、ダイオードD5,D6、インバータ論理回路IC1,IC2,IC3、可変抵抗VR1、抵抗R12,R13,R14,R15,R16,R17、およびコンデンサC3,C4,C5,C6を有し、商用交流電源ACから出力される交流電力に同期し、操作に応じたタイミングで生成される、放電信号Sdを生成して放電回路21に入力し、トランジスタQ1,Q2のゲート端子Gの放電タイミングを決定する回路であり、
ダイオードD5,D6,D1,D2、抵抗R13,R14は、交流電圧の2倍の周波数を有するスイッチング状態信号Siを生成するものであり、
可変抵抗VR1は、調光レベルが入力されるものであり、
ダイオードD5,D6,D1,D2、抵抗R12およびコンデンサC3は、2つの端子0,1間に電気的に接続され、商用交流電源ACからの供給電力によりインバータ論理回路IC1,IC2,IC3の電源電圧を生成するものであり、
タイミングt1では、トランジスタQ2はオフ状態であり、スイッチング回路1および負荷における主電流Iの導通は停止しており、充電回路22のダイオードD4を通じて、タイミングt1の負位相期間とは逆の正位相期間における電流を制御する正動作側のトランジスタQ1のゲート端子Gを充電し、
商用交流電源ACから供給される交流の状態が正位相期間に移ったタイミングt2では、トランジスタQ1のゲート端子Gは規定値電圧で充電されているため、トランジスタQ1のドレイン-ソース間がオン状態となり、主電流Iが流れ、
遮断タイミング生成回路23における放電信号Sdは、操作ツマミの操作に応じた遅延タイミングで、ローレベルから放電タイミングを示すハイレベルに遷移し、トランジスタQ1のゲート端子Gの電荷が、トランジスタQ5を通じて放電され、トランジスタQ1がオフ状態になり、
トランジスタQ1がオフ状態となったタイミングt3では、スイッチング回路1および負荷における主電流Iの導通が停止し、今度は、トランジスタQ1のドレイン端子の電位が、充電回路22のダイオードD3を介して、負動作側のトランジスタQ2のゲート端子Gを充電し、
この後、商用交流電源ACから供給される交流の状態が負位相期間に移ると、上述した動作が極性を変えて繰り返される
調光装置D。」

(2)引用文献2の記載
本件特許に係る出願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献2には、交流位相制御方法を用いた非線形負荷を調光する方法およびその方法を使用したユニバーサル調光器に関して、図面とともに、次の記載がある。(引用文献2は英文である為、異議申立人が甲2抄訳として提出した、抄訳文を仮訳として用いる。)
ア.「Such a universal dimmer is achieved by using a method that measures and evaluates parameters of the load current and adapts the firing angles of the switching element in such way that the load RMS current is proportional to the dimmer setting (input), regardless of the type of load being controlled.」(第3欄第26?30行)
(このようなユニバーサル調光器は、負荷電流のパラメータを測定、評価し、負荷RMS電流が制御される負荷のタイプに関係なく調光設定(入力)に比例するようにスイッチング素子の点弧角を適合させる方法を使用することによって達成される。)

イ.「To provide a dimmer that can effectively vary the power delivered to a non-linear load, the characteristic of the load must be determined. To achieve this, the load current must be measured and analyzed. Also, to effectively regulate the output, it is important that a dimmer have the ability to switch the power to the load on and off at arbitrary angles in the AC period. Thus, the dimmer should be capable of connecting and disconnecting the power even at negative phase angles, that is, before zero crossing.」(第4欄第8?16行)
(非線形負荷に供給される電力を効果的に変化させることができる調光器を提供するためには、負荷の特性を決定しなければならない。これを実現するには、負荷電流を測定して分析する必要がある。また、出力を効果的に調整するには、調光器が交流周期内の任意の角度で負荷への電力をオン/オフする機能を持つことが重要である。したがって。調光器は、負の位相角すなわちゼロ交差前であっても、電力の接続および切断が可能でなければならない。)

ウ.「The control circuit generates signals that determine at which phase angle in the AC period the load is connected to the AC voltage and at which phase angle the load is disconnected from the voltage, which is different from conventional dimmers, which usually vary only one phase angle, or standard phase control dimmers which vary the angle at which the power is connected to the load, but leave the angle at which the power is switched off constantly at 0 degrees (see FIG.1a) or reverse phase control dimmers which vary the angle at which the power is switched off, but the angle at which the power is switched on is constantly at 0 degrees (FIG.1b).」(第4欄第40?51行)
(制御回路は、交流周期内のどの位相角で負荷がAC電圧に接続され、どの位相角において負荷が電圧から切り離されるかを決定する信号を生成する。これは従来の調光器とは異なっている。従来の調光器は、通常1つの位相角だけ変化させるもの、または電源が負荷に接続される角度を変化させるが、電源がオフになる角度は常に0度を維持する標準位相制御調光器(図1a参照)、またはスイッチオフされる角度を変化させるが、電源がスイッチオンされる角度は常に0度である逆位相制御調光器電源(図1b)である。)

エ.「The control circuit includes a firing angle adapting element such as a regulator or transforming element, where the measured load and the evaluated parameters of the load current, from the control circuit direct the firing angle adjustment element to adapt firing angles of the switching element in such way that the load RMS current is proportional to an input signal, regardless of the type of load being controlled. When the firing angle adjustment element is the transforming element 28, this can be used to transform the input values to corresponding firing angles directly, based on a measured load current time distribution.」(第4欄第52?62行)
(制御回路は、レギュレータまたは変換要素などのような点弧角調整要素を有し、負荷のタイプに関係なく、制御回路からの測定された負荷および評価された負荷電流のパラメータが、負荷RMS電流が入力信号に比例するようにスイッチング素子の点弧角を適合させる点弧角調整要素に指示する。点弧角調整要素が変換要素28である場合、測定された負荷電流時間分布に基づいて、入力値を対応する点弧角に直接変換するために使用することができる。)

オ.「The inventive dimmer thus is unique in that it incorporates a method for regulating and changing both the on angle and the off angle. Consequently, while various non-linear loads may have different characteristic in the positive and negative half wave of the AC period, the inventive dimmer compensates by using different sets of on/off angles for the positive and negative half period, as illustrated in FIG.7, and labeled t1-t4.」(第4欄第63行?第5欄第3行)
(このように、本発明の調光器は、オン角とオフ角の両方を調整して変更する方法を組み込んでいる点で独特である。その結果、様々な非線形負荷が交流周期の正および負の半波において異なる特性を有することができるが、本発明の調光器は、図7のt1?t4表示が示すように、正および負の半周期に対して異なるオン/オフ角度の組を使用することによって釣り合わせる。)

カ.「FIG.7 shows the switching waveforms for different input settings 5, the control circuit determining the range in which the load current is active and then calculating the on and off angles for both half periods. For example, the “On” angle for the first half period is noted as t1, the “off” for the first half period is noted t2, the “on” for the second half period is t3, and the “off” for the second half period is t4.」(第5欄第11?18行)
(図7は、異なる入力設定5に対するスイッチング波形を示しており、制御回路は、負荷電流がアクティブである範囲を決定し、次いで、両方の半周期についてオンおよびオフ角を計算する。例えば、前半期間の「オン」角度をt1、前半期間の「オフ」をt2、後半期間の「オン」をt3、後半期間はt4である。)

キ.「By measuring load current, the dimmer of the present invention is adapted to work with different loads, both linear and non-linear, without any modifications of the load or modifications of the dimmer itself, so that a universal dimmer is achieved. Whatever the load characteristics may be, the t1-t4 angles will change accordingly, with the dimmer also adaptable to loads with large phase shift between current and voltage.」(第5欄第31?38行)
(負荷電流を測定することにより、本発明の調光器は、調光器自体の負荷または変更を何ら変更することなく。線形および非線形の両方の異なる負荷で動作するように適合され、ユニバーサル調光器が達成される。負荷特性がどのようなものであっても、t1?t4の角度はそれに応じて変化し、調光器は電流と電圧との間の大きな位相シフトを伴う負荷にも適応可能である。)

ク.図7には「カ.」の「異なる入力設定5に対するスイッチング波形」が記載されており、「オ.」「カ.」のオン/オフ角度t1-t4が、交流電圧(AC voltage)の1周期を、半周期の始点からt1までの期間、t1からt2までの期間、及びt2から半周期の終点までの期間、次の半周期の始点からt3までの期間、t3からt4までの期間、及びt4から次の半周期の終点までの期間に区分するものとして記載されている。
そして、当該スイッチング波形は、図6の入力設定(input)5で設定されるものであって、「エ.」を併せ読むと、半周期の始点からt1までの期間及びt2から半周期の終点までの期間では、図6のスイッチング素子(switching element)1を非導通制御して図6の負荷(load)6への電力供給を遮断し、t1からt2までの期間ではスイッチング素子(switching element)1を導通制御して負荷(load)6への電力供給を行うものであることが認定できる。

(3)引用文献3の記載
本件特許に係る出願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献3には、調光装置に関して、図面とともに、次の記載がある。
ア.「【0008】
本発明によれば、第1の区間ではスイッチ部を導通制御して負荷に電力供給するとともに制御電源部の変換動作を停止制御し、第2の区間ではスイッチ部を非導通制御して負荷への電力供給を遮断するとともに制御電源部の変換動作を停止制御して負荷側に調光情報を伝え、第3の区間ではスイッチ部を非導通制御して負荷への電力供給を遮断するとともに制御電源部の変換動作を稼働制御して制御部に電力供給し、制御部で同期信号を取得できるようにするため、負荷が電源回路を有する場合でも負荷を正常に調光制御することが期待できる。」

(4)甲第3号証の記載
本件特許に係る出願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2013-243082号公報(異議申立の甲第3号証)には、調光装置に関して、図面とともに、次の記載がある。
ア.「【0019】
図3に示されるように、位相制御回路31は、2個のトランジスタ32および2個のダイオード33を有する。トランジスタ32およびダイオード33は、回路基板38に実装される。トランジスタ32は、互いに直列に接続され、かつ交流電源2と直列に接続される。ダイオード33は、互いに逆方向かつ直列に接続され、かつトランジスタ32と並列に接続される。位相制御回路31は、トリガー信号に基づいて位相制御回路31から出力される交流電源2の交流電流の大きさを変更することにより、負荷電流の大きさを変更する。なお、トランジスタ32は『半導体素子』に相当する。」

5.当審の判断
(1)取消理由通知に記載した取消理由について
ア.本件発明1について
(ア)対比
(a)引用発明の「照明器LT」は、本件発明1の「負荷」に相当し、以下同様に、
「商用交流電源AC」は、「交流電源」に、
「2つの端子0,1」は、「一対の入力端子」に、
「調光装置D」は、「調光装置」に、
相当する。
そして、引用発明の「2つの端子0,1」は、「通電時に点灯する照明器LTと商用交流電源ACとの間に電気的に接続されるもの」であるので、本件発明1の「通電時に点灯する負荷と交流電源との間に電気的に接続される一対の入力端子」に相当する。
(b)引用発明の「スイッチング回路1」は、「2つの端子0,1間に構成され、一対のトランジスタQ1,Q2を備えるもの」であり、トランジスタQ1,Q2は「トランジスタQ1のドレイン-ソース間がオン状態となり、主電流Iが流れ、・・トランジスタQ1がオフ状態となったタイミングt3では、スイッチング回路1および負荷における主電流Iの導通が停止し・・負位相期間に移ると、上述した動作が極性を変えて繰り返される」ものであるので、本件発明1の「前記一対の入力端子間において、双方向の電流の遮断/通過を切り替えるように構成されている双方向スイッチ」に相当する。
(c)引用発明の「ダイオードD5,D6,D1,D2、抵抗R13,R14」は、「交流電圧の2倍の周波数を有するスイッチング状態信号Siを生成する」ものであり、遮断タイミング生成回路23の「商用交流電源ACから出力される交流電力に同期し、操作に応じたタイミングで生成される、放電信号Sdを生成して放電回路21に入力し、トランジスタQ1,Q2のゲート端子Gの放電タイミングを決定する」のに用いるものであるので、本件発明1の「前記交流電源の交流電圧の位相を検出する位相検出部」に相当する。
(d)引用発明の「可変抵抗VR1」は、「調光レベルが入力されるもの」であるので、本件発明1の「前記負荷の光出力の大きさを指定する調光レベルが入力される入力部」に相当する。
(e)引用発明の「インバータ論理回路IC1,IC2,IC3」は、「放電信号Sdを生成して放電回路21に入力し、トランジスタQ1,Q2のゲート端子Gの放電タイミングを決定する回路」である「遮断タイミング生成回路23」の構成要素であるので、引用発明の「インバータ論理回路IC1,IC2,IC3の電源電圧」は、本件発明1の「制御電源」に相当する。
そして、引用発明の「ダイオードD5,D6,D1,D2、抵抗R12およびコンデンサC3」は、「2つの端子0,1間に電気的に接続され、商用交流電源ACからの供給電力によりインバータ論理回路IC1,IC2,IC3の電源電圧を生成するもの」であるので、本件発明1の「前記一対の入力端子間に電気的に接続され、前記交流電源からの供給電力により制御電源を生成する電源部」に相当する。
(f)引用発明の「遮断タイミング生成回路23」は、その構成要素であるインバータ論理回路IC1,IC2,IC3が、「インバータ論理回路IC1,IC2,IC3の電源電圧」(本件発明1の「制御電源」に相当)で動作するものであるので、本件発明1の「前記電源部から前記制御電源の供給を受けて動作」に相当する構成を備えるものといえる。
さらに、引用発明の「遮断タイミング生成回路23」は、「スイッチング状態信号Si」を用いて、「放電信号Sdを生成して放電回路21に入力」するものであり、「放電信号Sdは、操作ツマミの操作に応じた遅延タイミングで、ローレベルから放電タイミングを示すハイレベルに遷移し、トランジスタQ1のゲート端子Gの電荷が、トランジスタQ5を通じて放電され、トランジスタQ1がオフ状態」にするものであるので、本件発明1の「位相検出部からの検出信号に基づいて・・調光レベルに応じた第2時間が経過する第2時点までは前記双方向スイッチがオン状態となり、前記第2時点から前記半周期の終点までは前記双方向スイッチがオフ状態となるように、前記双方向スイッチを制御する」に相当する構成を備えるものといえる。
そうすると、引用発明の「遮断タイミング生成回路23」と、本件発明1の「前記電源部から前記制御電源の供給を受けて動作し、前記位相検出部からの検出信号に基づいて、前記交流電圧の半周期の始点から第1時間が経過する第1時点まで前記双方向スイッチがオフ状態となり、前記第1時点から前記調光レベルに応じた第2時間が経過する第2時点までは前記双方向スイッチがオン状態となり、前記第2時点から前記半周期の終点までは前記双方向スイッチがオフ状態となるように、前記双方向スイッチを制御する制御部」とは、「電源部から制御電源の供給を受けて動作し、位相検出部からの検出信号に基づいて、調光レベルに応じた第2時間が経過する第2時点までは双方向スイッチがオン状態となり、第2時点から半周期の終点までは双方向スイッチがオフ状態となるように、双方向スイッチを制御する制御部」である点で共通する。

そうすると、両者の一致点、相違点は次のとおりである。
〔一致点1〕
「通電時に点灯する負荷と交流電源との間に電気的に接続される一対の入力端子と、
前記一対の入力端子間において、双方向の電流の遮断/通過を切り替えるように構成されている双方向スイッチと、
前記交流電源の交流電圧の位相を検出する位相検出部と、
前記負荷の光出力の大きさを指定する調光レベルが入力される入力部と、
前記一対の入力端子間に電気的に接続され、前記交流電源からの供給電力により制御電源を生成する電源部と、
前記電源部から前記制御電源の供給を受けて動作し、前記位相検出部からの検出信号に基づいて、調光レベルに応じた第2時間が経過する第2時点までは前記双方向スイッチがオン状態となり、前記第2時点から前記半周期の終点までは前記双方向スイッチがオフ状態となるように、前記双方向スイッチを制御する制御部と、
を備える調光装置。」

〔相違点1〕
本件発明1は、「制御部」が「前記交流電圧の半周期の始点から第1時間が経過する第1時点まで前記双方向スイッチがオフ状態となり、前記第1時点から前記調光レベルに応じた第2時間が経過する第2時点までは前記双方向スイッチがオン状態」となるように制御するものであるのに対して、引用発明は、「商用交流電源ACから供給される交流の状態が正位相期間に移ったタイミングt2では、トランジスタQ1のゲート端子Gは規定値電圧で充電されているため、トランジスタQ1のドレイン-ソース間がオン状態となり、主電流Iが流れ、
遮断タイミング生成回路23における放電信号Sdは、操作ツマミの操作に応じた遅延タイミングで、ローレベルから放電タイミングを示すハイレベルに遷移し、トランジスタQ1のゲート端子Gの電荷が、トランジスタQ5を通じて放電され、トランジスタQ1がオフ状態にな」るものであって、交流電圧の半周期の始点から第1時間が経過する第1時点まで双方向スイッチがオフ状態となるものでない点。

(イ)相違点1についの検討
(a)引用文献2には、「非線形負荷を調光する方法およびその方法を使用したユニバーサル調光器」に関して、「非線形負荷に供給される電力を効果的に変化させることができる調光器を提供するために・・調光器が交流周期内の任意の角度で負荷への電力をオン/オフする機能を持つことが重要である。」(「4.(2)イ.」)として、交流電圧の毎半周期の期間を半周期の始点からt1までの期間、t1からt2までの期間、及びt2から半周期の終点までの期間に区分して、半周期の始点からt1までの期間及びt2から半周期の終点までの期間では、スイッチング素子1を非導通制御して負荷6への電力供給を遮断し、t1からt2までの期間ではスイッチング素子1を導通制御して負荷6への電力供給を行う(「4.(2)ク.」)ものが記載されている。
そして、引用文献2の「t1」、「t2」は、それぞれ、本件発明1の「半周期の始点から第1時間が経過する第1時点」、「前記第1時点から前記調光レベルに応じた第2時間が経過する第2時点」に相当するものであり、引用文献2の「半周期の始点からt1までの期間及びt2から半周期の終点までの期間では、スイッチング素子1を非導通制御して負荷6への電力供給を遮断」することは、本件発明1の「交流電圧の半周期の始点から第1時間が経過する第1時点まで前記双方向スイッチがオフ状態」であることに、引用文献2の「t1からt2までの期間ではスイッチング素子1を導通制御」することは、本件発明1の「第1時点から前記調光レベルに応じた第2時間が経過する第2時点までは前記双方向スイッチがオン状態」であることに相当するものである。

(b)そこで、引用発明に、引用文献2記載の「非線形負荷に供給される電力を効果的に変化させる」ための手段である「半周期の始点からt1までの期間及びt2から半周期の終点までの期間で・・スイッチング素子1を非導通制御して負荷6への電力供給を遮断し、t1からt2までの期間ではスイッチング素子1を導通制御して負荷6への電力供給を行う」制御を適用して、本件発明1の相違点1に係る構成とすることが当業者が容易に想到し得ることであるか、否かについて検討する。

(c)引用発明の「遮断タイミング生成回路23」(本件発明1の「制御部」)は、「放電信号Sdを生成して放電回路21に入力し、トランジスタQ1,Q2のゲート端子Gの放電タイミングを決定する回路」であるので、ゲート端子Gの電荷を放電することはできても、充電することができる回路ではない。
引用発明のゲート端子Gの電荷の充電は、「充電回路22」によりなされるものであるが、充電回路22は、「タイミングt1で・・充電回路22のダイオードD4を通じて、タイミングt1の負位相期間とは逆の正位相期間における電流を制御する正動作側のトランジスタQ1のゲート端子Gを充電」するものであり、トランジスタQ1のオン動作は「商用交流電源ACから供給される交流の状態が正位相期間に移ったタイミングt2では、トランジスタQ1のゲート端子Gは規定値電圧で充電されているため、トランジスタQ1のドレイン-ソース間がオン状態とな」るものであって、商用交流電源ACから供給される交流の状態が正位相期間に移ったタイミング以外で、トランジスタQ1,Q2をオンできるような構成とはなっていない。
そうすると、引用発明の調光装置は、引用文献2記載の「半周期の始点からt1までの期間及びt2から半周期の終点までの期間で・・スイッチング素子1を非導通制御して負荷6への電力供給を遮断し、t1からt2までの期間ではスイッチング素子1を導通制御して負荷6への電力供給を行う」制御は適用できないものであり、引用発明に、引用文献2記載の制御を適用して、本件発明1の相違点1に係る構成とすることが当業者が容易に想到し得るとはいえない。

(d)特許異議申立人は、特許異議申立書「3 (4)ウ (ア)」において、「『e 充電回路22』は『E 電源部』に相当し、・・『f 放電回路21』は・・『F 制御部』の一部と共通する。」と主張しているが、そのような対応関係としたところで、上記(c)で述べたとおり、引用発明に、引用文献2記載の制御を適用ができないことは変わらない。

(e)さらに、引用発明のトランジスタQ1,Q2を「前記交流電圧の半周期の始点から第1時間が経過する第1時点まで前記双方向スイッチがオフ状態となり、前記第1時点から前記調光レベルに応じた第2時間が経過する第2時点までは前記双方向スイッチがオン状態」となるようにすることは、引用文献3、さらに、異議申立人が甲第3号証として提示した特開2013-243082号公報にも記載も示唆もされていない。
そうすると、本件発明1は、上記引用発明、引用文献2?3、及び甲第3号証に記載された事項から、当業者が容易に想到し得るものではない。

イ.本件発明3、5について
本件発明3、5と引用発明とを対比すると、両者は相違点1に加えて、さらに以下の点で相違し、その余の点で一致する。

〔相違点2〕本件発明3は、「前記第1時間は一定長さの時間である」(なお、「前記第1時間」は、相違点1の第1時間)のに対して、引用発明は、交流電圧の半周期の始点から第1時間が経過する第1時点まで双方向スイッチがオフ状態となるものでない点。
〔相違点3〕本件発明5は、「前記電源部は容量性素子を有する」のに対して、引用発明の充電回路22は、容量性素子を備えていない点。

そして、上記「ア.」で検討したように、本件発明1の相違点1に係る構成とすることが当業者が容易に想到し得るとはいえないものであるので、本件発明3、5も、上記引用発明、引用文献2?3、及び甲第3号証に記載された事項から、当業者が容易に想到し得るものではない。

ウ.本件発明9について
引用発明の「スイッチング回路1」の「一対のトランジスタQ1,Q2を備える」構成(具体的には、引用文献1記載事項ア.の「スイッチング回路1は、一対のトランジスタQ1,Q2を備えている。一対のトランジスタQ1,Q2は、商用交流電源ACから照明器LTを経由して商用交流電源ACに戻る電流ループ内に互いに逆向きに直列接続されている。」もの)は、本件発明9の「一対の入力端子間に電気的に直列に接続された2個のスイッチ素子を含む」構成に相当する。
そうすると、本件発明9と引用発明とは相違点1のみで相違するものであるが、本件発明1の相違点1に係る構成とすることが当業者が容易に想到し得るとはいえないものであるので、本件発明9も、上記引用発明、引用文献2?3、及び甲第3号証に記載された事項から、当業者が容易に想到し得るものではない。

エ.本件発明11について
(a)引用発明の「照明器LT」は、本件発明11の「負荷」に相当し、以下同様に、
「商用交流電源AC」は、「交流電源」に、
「調光装置D」は、「調光装置」に、
相当する。
そして、引用発明の「スイッチング回路1」は、「2つの端子0,1間に構成され、一対のトランジスタQ1,Q2を備えるもの」であり、トランジスタQ1,Q2は「トランジスタQ1のドレイン-ソース間がオン状態となり、主電流Iが流れ、・・トランジスタQ1がオフ状態となったタイミングt3では、スイッチング回路1および負荷における主電流Iの導通が停止し・・負位相期間に移ると、上述した動作が極性を変えて繰り返される」ものであり、その「2つの端子0,1」は、「通電時に点灯する照明器LTと商用交流電源ACとの間に電気的に接続されるもの」であるので、引用発明の「スイッチング回路1」は、本件発明11の「交流電源に対して負荷と直列に接続され、前記負荷に供給する交流電圧を位相制御する双方向スイッチ」に相当する。
(b)引用発明の「ダイオードD5,D6,D1,D2、抵抗R13,R14」は、「交流電圧の2倍の周波数を有するスイッチング状態信号Siを生成する」ものであり、遮断タイミング生成回路23の「商用交流電源ACから出力される交流電力に同期し、操作に応じたタイミングで生成される、放電信号Sdを生成して放電回路21に入力し、トランジスタQ1,Q2のゲート端子Gの放電タイミングを決定する」のに用いるものであるので、本件発明11の「前記交流電源の前記交流電圧の位相を検出する位相検出部」に相当する。
(c)引用発明の「インバータ論理回路IC1,IC2,IC3」は、「放電信号Sdを生成して放電回路21に入力し、トランジスタQ1,Q2のゲート端子Gの放電タイミングを決定する回路」である遮断タイミング生成回路23の構成要素であるので、引用発明の「インバータ論理回路IC1,IC2,IC3の電源電圧」は、本件発明11の「所定の制御電源」に相当する。
そして、引用発明の「ダイオードD5,D6,D1,D2、抵抗R12およびコンデンサC3」は、「2つの端子0,1間に電気的に接続され、商用交流電源ACからの供給電力によりインバータ論理回路IC1,IC2,IC3の電源電圧を生成するもの」であり、「コンデンサC3」は容量性素子であるので、本件発明11の「前記双方向スイッチと並列に接続され、前記交流電源を所定の制御電源に変換する変換動作を行い、前記制御電源を蓄積する容量性素子を有する電源部」に相当する。
(d)引用発明の「遮断タイミング生成回路23」は、その構成要素であるインバータ論理回路IC1,IC2,IC3が、「インバータ論理回路IC1,IC2,IC3の電源電圧」(本件発明11の「制御電源」に相当)で動作するものであるので、本件発明11の「前記電源部から前記容量性素子を通じて前記制御電源が供給され」に相当する構成を備えるものといえる。
また、引用発明の「遮断タイミング生成回路23」は、「ダイオードD5,D6,D1,D2、抵抗R13,R14」(本件発明11の「位相検出部」に相当)で作成された「スイッチング状態信号Si」(本件発明11の「位相検出部で検出された位相」に相当)に基づき、「商用交流電源ACから出力される交流電力に同期し、操作に応じたタイミングで生成される、放電信号Sdを生成して放電回路21に入力」して「トランジスタQ1がオフ状態」とする(本件発明11の「交流電圧の毎半周期の期間を・・区分して・・双方向スイッチを非導通制御して前記負荷への電力供給を遮断する」に相当)ものであるので、本件発明11の「位相検出部で検出された位相に基づき、前記交流電圧の毎半周期の期間を・・区分して・・双方向スイッチを非導通制御して前記負荷への電力供給を遮断する」に相当する構成を備えるものといえる。
また、引用発明の「ダイオードD5,D6,D1,D2、抵抗R12およびコンデンサC3」は、「2つの端子0,1間に電気的に接続され」たものであり、「主電流Iの導通が停止」(本件発明11の「双方向スイッチを非導通制御して前記負荷への電力供給を遮断」に相当)のときにしか「電源電圧を生成」(本件発明11の「変換動作を行わせ」に相当)できないものであることは自明である。
そうすると、引用発明の「放電信号Sdを生成して放電回路21に入力し、トランジスタQ1,Q2のゲート端子Gの放電タイミングを決定する回路」である「遮断タイミング生成回路23」と、本件発明11の「前記電源部から前記容量性素子を通じて前記制御電源が供給され、前記位相検出部で検出された位相に基づき、前記交流電圧の毎半周期の期間を第一の期間、第二の期間、第三の期間、及び第四の期間に区分して、
前記第一の期間及び前記第四の期間では、前記双方向スイッチを非導通制御して前記負荷への電力供給を遮断し、前記電源部に前記変換動作を行わせ、
前記第二の期間では、前記双方向スイッチを導通制御して前記負荷に電力供給し、前記電源部に前記変換動作を停止させ、
前記第三の期間では、前記双方向スイッチを非導通制御して前記負荷への電力供給を遮断する
制御部」とは、
「前記電源部から前記容量性素子を通じて前記制御電源が供給され、前記位相検出部で検出された位相に基づき、前記交流電圧の毎半周期の期間を複数の期間に区分して、
特定の期間では、前記双方向スイッチを非導通制御して前記負荷への電力供給を遮断し、前記電源部に前記変換動作を行わせ、
別の特定の期間では、前記双方向スイッチを導通制御して前記負荷に電力供給し、前記電源部に前記変換動作を停止させる
制御部」である点で共通する。

そうすると、両者の一致点、相違点は次のとおりである。
〔一致点2〕
「交流電源に対して負荷と直列に接続され、前記負荷に供給する交流電圧を位相制御する双方向スイッチと、
前記交流電源の前記交流電圧の位相を検出する位相検出部と、
前記双方向スイッチと並列に接続され、前記交流電源を所定の制御電源に変換する変換動作を行い、前記制御電源を蓄積する容量性素子を有する電源部と、
前記電源部から前記容量性素子を通じて前記制御電源が供給され、前記位相検出部で検出された位相に基づき、前記交流電圧の毎半周期の期間を複数の期間に区分して、
特定の期間では、前記双方向スイッチを非導通制御して前記負荷への電力供給を遮断し、前記電源部に前記変換動作を行わせ、
別の特定の期間では、前記双方向スイッチを導通制御して前記負荷に電力供給し、前記電源部に前記変換動作を停止させる
制御部と、
を具備している調光装置。」

〔相違点4〕
本件発明11は、「制御部」が「前記位相検出部で検出された位相に基づき、前記交流電圧の毎半周期の期間を第一の期間、第二の期間、第三の期間、及び第四の期間に区分して、
前記第一の期間及び前記第四の期間では、前記双方向スイッチを非導通制御して前記負荷への電力供給を遮断し、前記電源部に前記変換動作を行わせ、
前記第二の期間では、前記双方向スイッチを導通制御して前記負荷に電力供給し、前記電源部に前記変換動作を停止させ、
前記第三の期間では、前記双方向スイッチを非導通制御して前記負荷への電力供給を遮断する」ように制御するものであるのに対して、引用発明は、「商用交流電源ACから供給される交流の状態が正位相期間に移ったタイミングt2では、トランジスタQ1のゲート端子Gは規定値電圧で充電されているため、トランジスタQ1のドレイン-ソース間がオン状態となり、主電流Iが流れ、
遮断タイミング生成回路23における放電信号Sdは、操作ツマミの操作に応じた遅延タイミングで、ローレベルから放電タイミングを示すハイレベルに遷移し、トランジスタQ1のゲート端子Gの電荷が、トランジスタQ5を通じて放電され、トランジスタQ1がオフ状態にな」るものであって、「第一の期間」で「双方向スイッチを非導通制御して前記負荷への電力供給を遮断し、前記電源部に前記変換動作を行わせ」ものでなく、「第四の期間」も区分されていない点。

(イ)相違点4についの検討
(a)引用文献2には、「非線形負荷を調光する方法およびその方法を使用したユニバーサル調光器」に関して、「非線形負荷に供給される電力を効果的に変化させることができる調光器を提供するために・・調光器が交流周期内の任意の角度で負荷への電力をオン/オフする機能を持つことが重要である。」(「4.(2)イ.」)として、交流電圧の毎半周期の期間を半周期の始点からt1までの期間、t1からt2までの期間、及びt2から半周期の終点までの期間に区分して、半周期の始点からt1までの期間及びt2から半周期の終点までの期間では、スイッチング素子1を非導通制御して負荷6への電力供給を遮断し、t1からt2までの期間ではスイッチング素子1を導通制御して負荷6への電力供給を行う(「4.(2)ク.」)ものが記載されている。
そして、引用文献2記載の「半周期の始点からt1までの期間」は、本件発明11の「第一の期間」に相当し、以下同様に、「t1からt2までの期間」は「第二の期間」に、「t2から半周期の終点までの期間」は「第三の期間」及び「第四の期間」に、「スイッチング素子1を非導通制御して負荷6への電力供給を遮断」は「双方向スイッチを非導通制御して前記負荷への電力供給を遮断」に、「スイッチング素子1を導通制御して負荷6への電力供給を行う」は「双方向スイッチを導通制御して前記負荷に電力供給」に、それぞれ相当するものである。

(b)そこで、引用発明に、引用文献2記載の「非線形負荷に供給される電力を効果的に変化させる」ための手段である「半周期の始点からt1までの期間及びt2から半周期の終点までの期間で・・スイッチング素子1を非導通制御して負荷6への電力供給を遮断し、t1からt2までの期間ではスイッチング素子1を導通制御して負荷6への電力供給を行う」制御を適用して、本件発明11の相違点4に係る構成とすることが当業者が容易に想到し得ることであるか、否かについて検討する。

(c)引用発明の「遮断タイミング生成回路23」(本件発明11の「制御部」に相当)は、「放電信号Sdを生成して放電回路21に入力し、トランジスタQ1,Q2のゲート端子Gの放電タイミングを決定する回路」であるので、ゲート端子Gの電荷を放電することはできても、充電することができる回路ではない。
引用発明のゲート端子Gの電荷の充電は、「充電回路22」によりなされるものであるが、充電回路22は、「タイミングt1で・・充電回路22のダイオードD4を通じて、タイミングt1の負位相期間とは逆の正位相期間における電流を制御する正動作側のトランジスタQ1のゲート端子Gを充電」するものであり、トランジスタQ1のオン動作は「商用交流電源ACから供給される交流の状態が正位相期間に移ったタイミングt2では、トランジスタQ1のゲート端子Gは規定値電圧で充電されているため、トランジスタQ1のドレイン-ソース間がオン状態とな」るものであって、商用交流電源ACから供給される交流の状態が正位相期間に移ったタイミング以外で、トランジスタQ1,Q2をオンできるような構成とはなっていない。
そうすると、引用発明の調光装置は、引用文献2記載の「半周期の始点からt1までの期間及びt2から半周期の終点までの期間で・・スイッチング素子1を非導通制御して負荷6への電力供給を遮断し、t1からt2までの期間ではスイッチング素子1を導通制御して負荷6への電力供給を行う」制御は適用できないものであり、引用発明に、引用文献2記載の制御を適用して、本件発明11の相違点4に係る構成とすることが当業者が容易に想到し得るとはいえない。

(d)特許異議申立人は、特許異議申立書「3 (4)ウ (オ)」において、「『e 充電回路22』は『M 電源部』に相当し、・・『f 放電回路21』は・・『F 制御部』の一部と共通する。」と主張しているが、そのような対応関係としたところで、上記(c)で述べたとおり、引用発明に、引用文献2記載の制御を適用ができないことは変わらない。

(e)さらに、引用発明のトランジスタQ1,Q2を「前記第一の期間及び前記第四の期間では、前記双方向スイッチを非導通制御して前記負荷への電力供給を遮断し、前記電源部に前記変換動作を行わせ、
前記第二の期間では、前記双方向スイッチを導通制御して前記負荷に電力供給し、前記電源部に前記変換動作を停止させ」るようにすることは、引用文献3、さらに、異議申立人が甲第3号証として提示した特開2013-243082号公報にも記載も示唆もされていない。
そうすると、本件発明11は、上記引用発明、引用文献2?3、及び甲第3号証に記載された事項から、当業者が容易に想到し得るものではない。

6 むすび
したがって、請求項1、3、5、9及び11に係る特許は、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、取り消すことができない。
また、他に請求項1、3、5、9及び11に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2018-12-13 
出願番号 特願2017-513826(P2017-513826)
審決分類 P 1 652・ 121- Y (H05B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 松本 泰典  
特許庁審判長 島田 信一
特許庁審判官 中川 真一
仁木 学
登録日 2017-10-06 
登録番号 特許第6218101号(P6218101)
権利者 パナソニックIPマネジメント株式会社
発明の名称 調光装置  
代理人 特許業務法人北斗特許事務所  

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