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審決分類 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件  G01S
審判 訂正 2項進歩性  G01S
管理番号 1347953
審判番号 訂正2018-390088  
総通号数 231 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-03-29 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2018-05-25 
確定日 2018-12-17 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5674066号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第5674066号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項4について訂正することを認める。 訂正後の請求項〔2、3〕について訂正することについての審判請求は成り立たない。 
理由 第1 請求の趣旨
特許第5674066号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項2、請求項3及び請求項4について、請求項ごとに訂正することを認める。

第2 手続の経緯
特許第5674066号(以下、「本件特許」という。)は、平成20年12月18日(以下、「本件出願日」という。)にされた特許出願(特願2008-322847)の一部を平成25年4月26日に新たな特許出願(特願2013-94289)としたものに係る特許であり、平成27年1月9日にその特許権の設定の登録がされた。
請求人は、平成30年5月25日に、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲の訂正をすることについて訂正審判(以下、「本件審判」という。)を請求した。
これに対して、審判長は、同年8月2日付けで訂正拒絶理由を通知し、請求人は、同年9月5日に意見書を提出した。

第3 訂正の内容
本件審判は、一群の請求項である訂正前の請求項2及び請求項3について請求されたものである。そして、請求人は、意見書で、本件審判の請求は特許法第126条第1項ただし書第4号に掲げる事項(いわゆる引用関係の解消)を目的とする訂正を含むとした上で、引用先の請求項の訂正が認められるときは引用元の請求項とは別の訂正単位として扱われることを求めている。

1 訂正事項
本件審判の請求書(本件審判請求書)に記載された訂正事項は、以下のとおりである。

(1)訂正事項1
訂正前の請求項2は、訂正前の請求項1を引用する形式であったが、これを独立形式にして、訂正後の請求項2とする。
さらに、「前記連結手段は、前記三次元計測結果を順次連結して得られる計測結果を時系列的に表示させる」という事項で限定する。

(2)訂正事項2
訂正前の請求項3は、訂正前の請求項1又は請求項2を引用する形式であった。これら2つの発明(訂正前の請求項1又は訂正前の請求項2を引用する訂正前の請求項3に係る発明)のうち、訂正前の請求項1を引用するものを独立形式にして、訂正後の請求項3とする。
さらに、「前記連結手段は、相互に共通領域を有する前記三次元計測結果の相互位置関係を決定する決定手段を含み、複数の前記三次元計測結果が順次連結された計測結果には、複数の前記三次元計測結果のうち、相互に共通領域を有しない前記三次元計測結果が含まれている」という事項で限定する。

(3)訂正事項3
訂正前の請求項3は、訂正前の請求項1又は請求項2を引用する形式であった。これら2つの発明(訂正前の請求項1又は訂正前の請求項2を引用する訂正前の請求項3に係る発明)のうち、訂正前の請求項2を引用するものを独立形式にして、訂正後の請求項4とする。

2 訂正前後の特許請求の範囲の記載
訂正前後の特許請求の範囲の記載は、具体的には以下のとおりである。下線は、当合議体が付したものであり、訂正箇所を示す。
なお、以下では、訂正前の請求項1ないし請求項3に係る発明を「本件発明1」ないし「本件発明3」といい、「本件発明1」ないし「本件発明3」を併せて「本件各発明」という。また、訂正後の請求項1ないし請求項4に係る発明を「訂正発明1」ないし「訂正発明4」という。

(1)訂正前
「【請求項1】
超音波を送波する送波器と、
前記送波器から送波された超音波の対象物からの反射波を受波する受波器と、
前記対象物からの反射波の情報を三次元計測結果として処理する処理手段とを備える超音波計測装置において、
前記三次元計測結果を順次連結させる連結手段を含み、
前記連結手段は、前記三次元計測結果の相互位置関係を決定する決定手段を含むことを特徴とする超音波計測装置。
【請求項2】
請求項1に記載の超音波計測装置において、
前記三次元計測結果は、前記送波器から遠方に行くに従って広がる測定領域内の前記対象物の測定結果であることを特徴とする超音波計測装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の超音波計測装置において、
超音波の伝搬音速と送波時刻から受波時刻までの往復伝搬時間とにより、前記送波器から前記対象物までの距離を得ることを特徴とする超音波計測装置。」

(2)訂正後
「【請求項1】
超音波を送波する送波器と、
前記送波器から送波された超音波の対象物からの反射波を受波する受波器と、
前記対象物からの反射波の情報を三次元計測結果として処理する処理手段とを備える超音波計測装置において、
前記三次元計測結果を順次連結させる連結手段を含み、
前記連結手段は、前記三次元計測結果の相互位置関係を決定する決定手段を含むことを特徴とする超音波計測装置。
【請求項2】
超音波を送波する送波器と、
前記送波器から送波された超音波の対象物からの反射波を受波する受波器と、
前記対象物からの反射波の情報を三次元計測結果として処理する処理手段とを備える超音波計測装置において、
前記三次元計測結果を順次連結させる連結手段を含み、
前記三次元計測結果は、前記送波器から遠方に行くに従って広がる測定領域内の前記対象物の測定結果であり、
前記連結手段は、前記三次元計測結果の相互位置関係を決定する決定手段を含み、
前記連結手段は、前記三次元計測結果を順次連結して得られる計測結果を時系列的に表示させることを特徴とする超音波計測装置。
【請求項3】
超音波を送波する送波器と、
前記送波器から送波された超音波の対象物からの反射波を受波する受波器と、
前記対象物からの反射波の情報を三次元計測結果として処理する処理手段とを備える超音波計測装置において、
前記三次元計測結果を順次連結させる連結手段を含み、
超音波の伝搬音速と送波時刻から受波時刻までの往復伝搬時間とにより、前記送波器から前記対象物までの距離を得るように構成され、
前記連結手段は、相互に共通領域を有する前記三次元計測結果の相互位置関係を決定する決定手段を含み、
複数の前記三次元計測結果が順次連結された計測結果には、複数の前記三次元計測結果のうち、相互に共通領域を有しない前記三次元計測結果が含まれていることを特徴とする超音波計測装置。
【請求項4】
超音波を送波する送波器と、
前記送波器から送波された超音波の対象物からの反射波を受波する受波器と、
前記対象物からの反射波の情報を三次元計測結果として処理する処理手段とを備える超音波計測装置において、
前記三次元計測結果を順次連結させる連結手段を含み、
前記三次元計測結果は、前記送波器から遠方に行くに従って広がる測定領域内の前記対象物の測定結果であり、
超音波の伝搬音速と送波時刻から受波時刻までの往復伝搬時間とにより、前記送波器から前記対象物までの距離を得るように構成され、
前記連結手段は、前記三次元計測結果の相互位置関係を決定する決定手段を含むことを特徴とする超音波計測装置。」

第4 訂正拒絶理由の概要
本件審判の請求に係る訂正事項のうち、訂正後の請求項2についての訂正事項1及び訂正後の請求項3についての訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第4号に掲げる事項を目的とする訂正に該当する。
しかし、訂正発明2及び訂正発明3は、本件出願日より前の1999年(平成11年)12月23日を国際公開日とする国際公開第99/66343号(以下、「引用文献1」という。)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、同法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。
したがって、本件審判の請求は、同法第126条第7項の規定に適合しない。

第5 請求人の主張
意見書における請求人の主張の概要は、以下のとおりである。

1 訂正発明2について
(1)引用文献1には、互いに部分的に重なり合う「合成画像」を次々に連結して「3次元画像」を提供するという事項、すなわち、部分的に重なり合う第1の画像と第2の画像とを合成した後、第2の画像を新たな第1の画像とし、部分的に重なり合う新たな第1の画像と新たな第2の画像とを合成する処理を繰り返すという事項は記載されていない。
引用文献1の記載(後記第6の4(1)ア(ウ)、(カ)、(コ)、(サ)、(ス)、(セ))によれば、同文献に記載されているのは、第1の画像と部分的に重なり合う第2の画像の数を多くすることで、実物との間の誤差を低減するという事項である。例えば、第1の画像が取得された後、複数の第2の画像が時系列順に取得されると、第1の画像及び複数の第2の画像の全てが部分的に重なり合っている領域の3次元画像(合成画像)が生成される。したがって、さまざまな角度から所定領域(第1の画像の領域)の付近を撮像し、この所定領域を集中的に三次元計測できる一方、3次元画像を生成できる範囲が第1の画像の付近に限られるため、広範囲にわたって3次元画像を効率的に生成することが困難になる。
また、引用文献1には、第1の画像の点を第2の画像の点に置換する処理が行われると記載されているが、この処理が行われると、第1の画像の視野は広がるのではなく、逆に狭くなるから、この処理が何回繰り返されても第1の画像の視野が拡大することはない。(意見書、第6ページ第3行ないし第25行)

(2)引用文献1には、「前記連結手段は、前記三次元計測結果を順次連結して得られる計測結果を時系列的に表示させる」という事項も記載されていない。(意見書、第6ページ第27行ないし最終行)

(3)引用文献1には、従来技術である二次元ソナーの問題点についての記載があり、また、二次元ソナーと三次元ソナーとが対比され、三次元ソナーは船体の動揺に影響されにくく、広い三次元画像を取得できることが記載されているが、三次元ソナーの撮像領域(視野)をさらに広げるとの記載はない。(意見書、第7ページ第2行ないし第7行)

2 訂正発明3について
(1)訂正発明3は、「三次元計測結果を順次連結させる連結手段」を備え、この「連結手段」は「相互に共通領域を有する前記三次元計測結果の相互位置関係を決定する決定手段」を含み、「複数の前記三次元計測結果が順次連結された計測結果には、複数の前記三次元計測結果のうち、相互に共通領域を有しない前記三次元計測結果が含まれている」ので、超音波計測装置を搭載した船体の移動中、三次元計測結果を逐次に取得することで、海底の連続的な三次元計測結果を広範囲にわたって効率的に取得することができる。しかし、このような事項は、引用文献1に記載も示唆もされていない。
引用文献1に記載されているのは、第1の画像と部分的に重なり合う第2の画像の数を多くすることで、実物との間の誤差を低減するという事項であり、第1の画像が取得された後、複数の第2の画像が時系列順に取得されると、第1の画像及び複数の第2の画像の全てが部分的に重なり合っている領域の3次元画像(合成画像)が生成されるので、広範囲にわたって3次元画像を効率的に生成することが困難になる。(意見書、第7ページ17行ないし第8ページ5行)

(2)訂正拒絶理由によれば、引用発明では「各新しい画像」が一部の「前の画像」と重なり合わないことも許容されると認定されているが、引用文献1に記載されているのは、音響変換器の位置又は動きの変動を補償した合成画像を生成するという課題を解決するために、さまざまな角度から所定領域の付近を撮像し、この所定領域を三次元計測するという技術であるから、「各新しい画像」が一部の「前の画像」と重なり合わないことは許容されていない。(意見書、第8ページ第7行ないし第19行)

第6 当合議体の判断
1 訂正の目的について
(1)訂正事項1
訂正事項1は、訂正後の請求項2についての訂正である。

ア 訂正事項1のうち、訂正前の請求項2の記載から「請求項1に記載の超音波計測装置において、」という記載を削除するとともに、訂正前の請求項2の記載に「超音波を送波する送波器と、前記送波器から送波された超音波の対象物からの反射波を受波する受波器と、前記対象物からの反射波の情報を三次元計測結果として処理する処理手段とを備える超音波計測装置において、前記三次元計測結果を順次連結させる連結手段を含み、」「前記連結手段は、前記三次元計測結果の相互位置関係を決定する決定手段を含み、」という記載を追加する訂正(以下、「訂正事項1A」という。)は、訂正前の請求項1の記載を引用することによって訂正前の請求項2に記載されていた事項を、そのまま具体的に書き表して訂正後の請求項2の記載とする訂正である。
そうすると、訂正事項1Aは、訂正前の請求項2の記載を、訂正前の請求項1の記載を引用しないものにする訂正である。そして、訂正前の請求項2に係る発明と訂正後の請求項2に係る発明とは、一対一の対応関係を有し、しかも、訂正前の請求項2と訂正後の請求項2とで、記載の内容は何ら変更されていない。
したがって、訂正事項1Aは、特許法第126条第1項ただし書第4号に掲げる事項(いわゆる引用関係の解消)を目的とする訂正である。

イ 訂正事項1のうち、訂正前の請求項2の記載に「前記連結手段は、前記三次元計測結果を順次連結して得られる計測結果を時系列的に表示させる」という記載を追加する訂正(以下、「訂正事項1B」という。)は、「連結手段」を「前記三次元計測結果を順次連結して得られる計測結果を時系列的に表示させる」ものに限定する訂正である。
したがって、訂正事項1Bは、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項(特許請求の範囲の減縮)を目的とする訂正である。

(2)訂正事項2及び訂正事項3
訂正事項2は、訂正後の請求項3についての訂正であり、訂正事項3は、訂正後の請求項4についての訂正である。

ア 訂正事項2のうち、訂正前の請求項3の記載から「請求項1又は2に記載の超音波計測装置において、」という記載を削除するとともに、訂正前の請求項3の記載に「超音波を送波する送波器と、前記送波器から送波された超音波の対象物からの反射波を受波する受波器と、前記対象物からの反射波の情報を三次元計測結果として処理する処理手段とを備える超音波計測装置において、前記三次元計測結果を順次連結させる連結手段を含み、」「前記連結手段は、」「前記三次元計測結果の相互位置関係を決定する決定手段を含み、」という記載を追加する訂正(以下、「訂正事項2A」という。)は、訂正前の請求項1又は請求項2の記載を引用することによって訂正前の請求項3に記載されていた事項のうち、訂正前の請求項1の記載を引用することによって訂正前の請求項3に記載されていた事項を、そのまま具体的に書き表して訂正後の請求項3の記載とする訂正である。
また、訂正事項3は、訂正前の請求項3の記載から「請求項1又は2に記載の超音波計測装置において、」という記載を削除するとともに、訂正前の請求項3の記載に「超音波を送波する送波器と、前記送波器から送波された超音波の対象物からの反射波を受波する受波器と、前記対象物からの反射波の情報を三次元計測結果として処理する処理手段とを備える超音波計測装置において、前記三次元計測結果を順次連結させる連結手段を含み、前記三次元計測結果は、前記送波器から遠方に行くに従って広がる測定領域内の前記対象物の測定結果であり、」「前記連結手段は、前記三次元計測結果の相互位置関係を決定する決定手段を含む」という記載を追加したものを訂正後の請求項4の記載とする訂正であり、これは、訂正前の請求項3の記載において、訂正前の請求項1又は請求項2の記載を引用することによって訂正前の請求項3に記載されていた事項のうち、訂正前の請求項2の記載を引用することによって訂正前の請求項3に記載されていた事項を、そのまま具体的に書き表したものを、訂正後の請求項4の記載とする訂正である。
そうすると、訂正事項2A及び訂正事項3は、訂正前の請求項3の記載を、訂正前の請求項1及び請求項2の記載を引用しないものにする訂正である。そして、訂正前の請求項3に係る発明と訂正後の請求項3及び請求項4に係る発明とは、一対一の対応関係を有し、かつ、訂正前の請求項3と訂正後の請求項3及び請求項4とで、記載の内容は何ら変更されていない。
したがって、訂正事項2A及び訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第4号に掲げる事項(いわゆる引用関係の解消)を目的とする訂正である。

イ 訂正事項2のうち、訂正前の請求項3の記載に「相互に共通領域を有する」という記載を追加する訂正(以下、「訂正事項2B」という。)は、「決定手段」による「相互位置関係」の「決定」の対象である「前記三次元計測結果」を「相互に共通領域を有する」ものに限定する訂正である。
したがって、訂正事項2Bは、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項(特許請求の範囲の減縮)を目的とする訂正である。

ウ 訂正事項2のうち、訂正前の請求項3の記載に「複数の前記三次元計測結果が順次連結された計測結果には、複数の前記三次元計測結果のうち、相互に共通領域を有しない前記三次元計測結果が含まれている」という記載を追加する訂正(以下、「訂正事項2C」という。)は、「前記三次元計測結果を順次連結させる連結手段」によって得られる「複数の前記三次元計測結果が順次連結された計測結果」を「複数の前記三次元計測結果のうち、相互に共通領域を有しない前記三次元計測結果が含まれている」ものに限定する訂正である。
したがって、訂正事項2Cは、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項(特許請求の範囲の減縮)を目的とする訂正である。

(3)訂正の目的についてのまとめ
以上のとおりであるから、訂正事項1及び訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第4号に掲げる事項を目的とする訂正であり、訂正事項3は、同第4号に掲げる事項を目的とする訂正である。

2 新規事項の追加について
(1)本件特許の明細書及び図面の記載
本件特許の明細書及び図面(以下、「本件明細書等」という。)には、以下の記載がある。下線は、当合議体が付した。

「【0037】
図6(a)および(b)に示すように、本実施形態に係る超音波計測装置1は、船体2に設置され、船体2の船底から海底の対象物30に向けて超音波ビーム21を送波し、その反射波を受波することで、図6(c)に示すような計測結果を得ることができる。
【0038】
ここで、図6(b)に示すように船底からの視野角αを30度程度とすると、図6(c)における計測結果の一辺の長さは、水深の半分となる。例えば、水深100mにおいては、一辺50mの海底状況が凹凸の程度を含め三次元的に描出された一回の計測結果として得ることができる。ここで、一回の計測結果は、計測する所要時間が短いことから、船体2の動揺等による幾何学的な歪の影響を受けることなく、正確な海底の三次元形状を示すことができる。
【0039】
ここで、図6(c)に示された計測結果は、海底形状として正しいものであるが、船体2からの相対的な位置関係を示す船体座標系(x-y-z)によるものであり、日本測地系のような地表に固定した座標系とは対応しない。以後、これら日本測地系(準拠楕円体座標系)のような、地表面に固定された直角座標系をX-Y-Zとして表す。
【0040】
図6に示されたように、図7のa,b,cの各位置において実行すると、船体2が正確に等速直線運動を行っていれば、各位置において、計測結果60a,60b,60cとして得ることができる。これらの計測結果60a,60b,60cは、船体座標系における正しい海底状況である。」

「【0042】
図7に示された計測結果60a,60b,60cは、上述したように、船体座標系における正しい海底状況を表したものであるが、船体2の航行は、等速直線運動と異なり、種々の要因により変動する。ここで、一般的に、合同な二個の三次元構造物は、直線状になり三点が一致すると、全体として重なることから、図7における計測結果60a,60b,60cは、図8に示す計測結果60aにおける特徴点70a,70b,70cと、計測結果60bにおける特徴点70a’,70b’,70c’とを重ね、同様に、計測結果60bにおける特徴点70d,70e,70fと、計測結果60cにおける特徴点70d’,70e’,70f’とを重ねることにより船体2の位置を知ることなく、地表面に固定された直角座標系X-Y-Z上に連結することができる。」

「【0044】
連結手段51により連結された計測結果61は、図9に示すように表示して得られ、正しい広域な海底形状として連結される。このように、本実施形態に係る超音波計測装置1は、船体位置の情報を必要としないことから、船体2が動揺した場合においても、動揺等に影響されることなく、地表面に固定された直角座標系X-Y-Z上に正しい海底形状として連結表示された計測結果を得ることができる。」

【図6】


【図7】


【図8】


【図9】


(2)訂正事項1
ア 訂正事項1A
訂正事項1Aは、前記1(1)アのとおり、訂正前の請求項1の記載を引用することによって訂正前の請求項2に記載されていた事項を、そのまま具体的に書き表して訂正後の請求項2の記載とする訂正であり、記載の内容を何ら変更するものではないから、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてする訂正であることが明らかである。

イ 訂正事項1B
(ア)本件明細書等の前記(1)の記載によれば、以下のことが認められる。

a 船体2に設置された超音波計測装置1は、海底の対象物30に向けて超音波ビーム21を送波し、その反射波を受波することで、正確な海底の三次元形状を示す一回の計測結果を得ることができる(【0037】ないし【0039】、図6(c))。

b これを複数の位置(図7のa、b、c)で実行すると、船体2が正確に等速直線運動を行っていれば、各位置で計測結果60a、60b、60cを得ることができるが、船体2の航行は種々の要因により変動するので、実際には等速直線運動にならない(【0040】、【0042】、図7)。

c 計測結果60a、60b、60cは、連結手段51によって連結することができ、連結された計測結果61は、正しい広域な海底形状として連結され、図9に示すように表示される(【0042】、【0044】)。

d 図9を参照すると、連結された計測結果61は、計測結果60a、60b、60cをこの順番で連結して表示したものであることが見て取れる。

(イ)以上のことをまとめると、本件明細書等には、複数の位置で得た正確な海底の三次元形状を示す計測結果60a、60b、60cを連結手段51によって連結し、連結された計測結果61を正しい広域な海底形状として表示することが記載されている。ここで、計測結果60a、60b、60cは、船体2の航行中に得られたものである以上、船体2が実際には等速直線運動を行わないとしても、時系列に沿って得られたものであることが明らかである。そして、連結された計測結果61は、計測結果60a、60b、60cをこの順番で連結して表示したものであるから、時系列に沿って得られた計測結果60a、60b、60cを順次連結したものということになる。そうすると、連結された計測結果61を表示することは、三次元計測結果を順次連結して得られる計測結果を時系列的に表示させることにほかならない。
したがって、本件明細書等には、複数の三次元計測結果を連結手段によって順次連結して得られる計測結果を時系列的に表示させることが記載されていると認められる。

(ウ)訂正事項1Bは、前記1(1)イのとおり、「連結手段」を「前記三次元計測結果を順次連結して得られる計測結果を時系列的に表示させる」ものに限定する訂正であるから、前記(イ)を踏まえると、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてする訂正であると認められる。

(3)訂正事項2
ア 訂正事項2A
訂正事項2Aは、前記1(2)アのとおり、訂正前の請求項1又は請求項2を引用することによって訂正前の請求項3に記載されていた事項のうち、訂正前の請求項1の記載を引用することによって訂正前の請求項3に記載されていた事項を、そのまま具体的に書き表して訂正後の請求項3の記載とする訂正であり、記載の内容を何ら変更するものではないから、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてする訂正であることが明らかである。

イ 訂正事項2B及び訂正事項2C
(ア)本件明細書等の前記(1)の記載によれば、各位置で得られた計測結果60a、60b、60cは、計測結果60aにおける特徴点70a,70b,70cと計測結果60bにおける特徴点70a’,70b’,70c’とを重ね、計測結果60bにおける特徴点70d,70e,70fと計測結果60cにおける特徴点70d’,70e’,70f’とを重ねることによって連結されて、連結された計測結果61が得られる(【0040】、【0042】、【0044】、図7、図8)。
そうすると、計測結果60aは計測結果60bと、計測結果60bは計測結果60cと、それぞれ相互に共通領域を有することが明らかである。そして、計測結果60aにおける特徴点70a,70b,70cと計測結果60bにおける特徴点70a’,70b’,70c’とを重ねることで、計測結果60aと計測結果60bとの位置関係が決定され、同様にして、計測結果60bと計測結果60cとの位置関係が決定されることが分かる。
ここで、正確な海底の三次元形状を示す一回の計測結果を得ること(【0037】ないし【0039】、図6(c))は、船体2の航行中に任意の位置で繰り返せることが明らかであるし、そうして得られた追加の計測結果を同じ手順で計測結果60a、60b、60cと連結できることも明らかである。そして、追加の計測結果が順次連結されて、連結された計測結果61が得られたとき、そこに含まれる複数の計測結果は、船体2の航行中に得られたものである以上、その航行距離が長くなるにつれて、必ずしも相互に共通領域を有しなくなることは、当業者が当然に理解することである。
したがって、本件明細書等には、相互に共通領域を有する三次元計測結果の相互位置関係を決定することが記載され、また、複数の三次元計測結果が順次連結された計測結果には、相互に共通領域を有しない三次元計測結果が含まれることが記載されていると認められる。

(イ)訂正事項2Bは、前記1(2)イのとおり、「決定手段」による「相互位置関係」の「決定」の対象である「前記三次元計測結果」を「相互に共通領域を有する」ものに限定する訂正である。また、訂正事項2Cは、前記1(2)ウのとおり、「前記三次元計測結果を順次連結させる連結手段」によって得られる「複数の前記三次元計測結果が順次連結された計測結果」を「複数の前記三次元計測結果のうち、相互に共通領域を有しない前記三次元計測結果が含まれている」ものに限定する訂正である。
したがって、前記(ア)を踏まえると、訂正事項2B及び訂正事項2Cは、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてする訂正であると認められる。

(4)訂正事項3
訂正事項3は、前記1(2)アのとおり、訂正前の請求項3の記載において、訂正前の請求項1又は請求項2の記載を引用することによって訂正前の請求項3に記載されていた事項のうち、訂正前の請求項2の記載を引用することによって訂正前の請求項3に記載されていた事項を、そのまま具体的に書き表したものを、訂正後の請求項4の記載とする訂正であり、記載の内容を何ら変更するものではないから、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてする訂正であることが明らかである。

(5)新規事項の追加についてのまとめ
以上のとおりであるから、訂正事項1ないし訂正事項3は、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてする訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合する。

3 実質的拡張又は変更について
(1)本件特許に係る発明の内容
ア 本件明細書等には、以下の記載がある。

「【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述した従来の計測方法によると、方位方向xに扇形に多数送波される細い超音波ビーム120の放射方向は、船体2の三次元位置及びロール,ピッチ,ヨウの6条件により変動することから、その計測位置の精度が低下し、より精度の高い計測結果を得るためには、これら6条件を全て把握し、その把握した条件により計測結果を補正する必要があり、装置が大規模になってしまうといった問題があった。
【0013】
また、従来の計測装置100は、計測装置の正面(z-x平面)の観測視野内の対象物131の形状を計測する場合についてのみ適用可能であり、広範囲の連続計測には適用することができないといった問題もあった。
【0014】
さらに、従来の計測方法は、超音波の伝搬速度が1500m/s程度であることから、仮に水深を75mとすると、送波した超音波が対象物131に反射して往復するのに0.1秒を必要とする。このため、海底形状を10cmの精度で計測するためには、船体2の最高運航速度が10cm/0.1s=1m/s(2ノット)に制限され、作業効率が極度に低下するといった問題もあった。
【0015】
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、船体の三次元位置及びロール,ピッチ,ヨウの6条件を把握することなく、高速運航下においても、海底形状を連続計測することができる超音波計測装置を提供することを主たる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る超音波計測装置は、超音波を送波する送波器と、前記送波器から送波された超音波の対象物からの反射波を受波する受波器と、前記対象物からの反射波の情報を三次元計測結果として処理する処理手段とを備える超音波計測装置において、前記三次元計測結果を順次連結させる連結手段を含み、前記連結手段は、前記三次元計測結果の相互位置関係を決定する決定手段を含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る超音波計測装置において、前記三次元計測結果は、前記送波器から遠方に行くに従って広がる測定領域内の前記対象物の測定結果であることができる。
【0018】
また、本発明に係る超音波計測装置において、超音波の伝搬音速と伝搬音速と送波時刻から受波時刻までの往復伝搬時間とにより、前記送波器から前記対象物までの距離を得ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る超音波計測装置は、三次元計測結果を順次連結させる連結手段を含んでいるので、船体の三次元位置及びロール,ピッチ,ヨウの6条件を把握することなく、高速運航下においても海底形状の連続計測を行うことができる。
【0020】
また、本発明に係る超音波計測装置は、三次元計測結果が、送波器から遠方に行くに従って広がる測定領域内の対象物を測定し、該三次元計測結果を連結手段で順次連結しているので、対象物の立体形状を正確に把握することができる。即ち、三次元計測結果は、対象物の斜め方向からの計測結果を含んでいるので、例えば、対象物が海底面から浮き上がった状態であった場合でも、該浮き上がった状態を的確に計測することが可能である。」

イ 本件明細書等の前記アの記載によれば、本件各発明について、次のことが認められる。
すなわち、本件各発明は、従来の超音波計測装置の、船体の三次元位置及びロール、ピッチ、ヨウの6条件を全て把握して計測結果を補正する必要があるため大規模になってしまう、広範囲の連続計測に適用できない、船体の最高運航速度が制限されて作業効率が極度に低下する、といった問題に鑑みてなされたものであり、船体の三次元位置及びロール、ピッチ、ヨウの6条件を把握することなく、高速運航下においても海底形状を連続計測することができる超音波計測装置を提供することを主な課題とするものである(【0012】ないし【0015】)。
そして、本件各発明は、この課題を解決するために、超音波計測装置に、三次元計測結果の相互位置関係を決定する決定手段を含むとともに、三次元計測結果を順次連結させる連結手段を設けるという手段を採用した(【0016】)。
その結果、本件各発明は、三次元計測結果を順次連結させる連結手段を含んでいるので、船体の三次元位置及びロール、ピッチ、ヨウの6条件を把握することなく、高速運航下においても海底形状の連続計測を行うことができるという効果を奏する(【0019】)。
また、本件発明2は、三次元計測結果が送波器から遠方に行くに従って広がる測定領域内の対象物の測定結果であることにより、対象物の立体形状を正確に把握することができるという効果も奏する(【0017】、【0020】)。
さらに、本件発明3は、超音波の伝搬音速と伝搬音速と送波時刻から受波時刻までの往復伝搬時間とにより、送波器から対象物までの距離を得ることができる(【0018】)。
以上を踏まえて、訂正事項1ないし訂正事項3について検討する。

(2)訂正事項1
ア 訂正事項1A
訂正事項1Aは、前記1(1)アのとおり、訂正前の請求項1の記載を引用することによって訂正前の請求項2に記載されていた事項を、そのまま具体的に書き表して訂正後の請求項2の記載とする訂正であり、記載の内容を何ら変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないことが明らかである。

イ 訂正事項1B
訂正事項1Bは、前記1(1)イのとおり、「連結手段」を「前記三次元計測結果を順次連結して得られる計測結果を時系列的に表示させる」ものに限定する訂正である。
これは、「連結手段」が「三次元計測結果を順次連結させる」結果として得られる「前記三次元計測結果を順次連結して得られる計測結果」を表示する具体的な態様を限定するものにすぎず、それによって本件発明2の課題に含まれない新たな課題を解決するものとは認められないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないということができる。

(3)訂正事項2
ア 訂正事項2A
訂正事項2Aは、前記1(2)アのとおり、訂正前の請求項1又は請求項2を引用することによって訂正前の請求項3に記載されていた事項のうち、訂正前の請求項1の記載を引用することによって訂正前の請求項3に記載されていた事項を、そのまま具体的に書き表して訂正後の請求項3の記載とする訂正であり、記載の内容を何ら変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないことが明らかである。

イ 訂正事項2B及び訂正事項2C
訂正事項2Bは、前記1(2)イのとおり、「決定手段」による「相互位置関係」の「決定」の対象である「前記三次元計測結果」を「相互に共通領域を有する」ものに限定する訂正であり、訂正事項2Cは、前記1(2)ウのとおり、「前記三次元計測結果を順次連結させる連結手段」によって得られる「複数の前記三次元計測結果が順次連結された計測結果」を「複数の前記三次元計測結果のうち、相互に共通領域を有しない前記三次元計測結果が含まれている」ものに限定する訂正である。
これらは、「連結手段」が「三次元計測結果を順次連結させる」結果として得られる「前記三次元計測結果を順次連結して得られる計測結果」に含まれる複数の「三次元計測結果」の相互の具体的な関係を限定するものにすぎず、それによって本件発明3の課題に含まれない新たな課題を解決するものとは認められないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないということができる。

(4)訂正事項3
訂正事項3は、前記1(2)アのとおり、訂正前の請求項3の記載において、訂正前の請求項1又は請求項2の記載を引用することによって訂正前の請求項3に記載されていた事項のうち、訂正前の請求項2の記載を引用することによって訂正前の請求項3に記載されていた事項を、そのまま具体的に書き表したものを、訂正後の請求項4の記載とする訂正であり、記載の内容を何ら変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないことが明らかである。

(5)実質的拡張又は変更についてのまとめ
以上のとおりであるから、訂正事項1ないし訂正事項3は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。

4 独立特許要件について
前記1のとおり、訂正事項1及び訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第4号に掲げる事項を目的とする訂正であるから、訂正発明2及び訂正発明3は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない。
そこで、検討すると、以下のとおりである。

(1)引用文献1に記載された発明
ア 引用文献1には、以下の記載がある。下線は、当合議体が付した。原文の引用の後に記載した日本語訳は、当合議体が作成した。

(ア)(第1ページ第2行ないし第28行)
「This invention relates to a method for producing an image of a
submerged object, e.g. a shipwreck or the sea bottom.
Acoustic sensors have become increasingly more common in systems
for underwater sensing and imaging. Sonars are often used, ranging
from simple systems detecting echos of an emitted pulse, to side
scan sonars or two-dimensional multibeam sonar systems emitting and
receiving signals along a line within a chosen angle and three-
dimensional acoustic cameras, such as described in the articles "3D
ACOUSTIC CAMERA FOR UNDERWATER IMAGING" by Rolf Kahrs Hansen and
Poul Arndt Andersen in Acoustical Imaging, vol. 20, Plenum Press,
New York, 1993, and "A 3D UNDERWATER ACOUSTIC CAMERA - PROPERTIES
AND APPLICATIONS" by R.K. Hansen and P.A. Andersen in Acoustical
Imaging, vol. 22, Plenum Press, New York, 1996.
In imaging larger objects the two-dimensional sonar is normally
used by moving the sonar over e.g. the sea bottom and scanning at an
angle essentially perpendicular to the direction of the movement.
The data sampled along each line are combined to provide a segmented
picture of the sea floor. A problem inherent in this solution is the
difficulties in controlling the exact position of the sensor. A
sonar unit being moved over the sea bottom is subject to drift
because of current, wind, and if the sonar is carried by a boat, and
inaccuracies in the control system of the vessel.」
「この発明は、例えば難破船のような水中物体又は海底の画像を生成する方法に関する。
音響センサは、水中感知および撮像のためのシステムにおいてますます一般的になってきている。ソナーは、発信されたパルスのエコーを検出する簡単なシステムから、選択された角度内のラインに沿って信号を送受信するサイドスキャンソナー又は2次元マルチビームソナーシステムや、…(合議体注:論文名省略)…といった論文に記載されているような3次元音響カメラまでの範囲にわたって、しばしば使用される。
より大きな物体を撮像する際に、2次元ソナーは、通常、ソナーを例えば海底の上方で移動させ、移動の方向に対して実質的に垂直な角度で走査することによって使用される。各ラインに沿ってサンプリングされたデータは、海底のセグメント化された画像を提供するために組み合わされる。この解決策に固有の問題は、センサの正確な位置を制御することの困難さである。海底上を移動するソナーユニットは、海流や風によって、及びソナーがボートによって運ばれるならさらに船舶の制御システムの不正確さによって、ドリフトを受ける。」

(イ)(第1ページ第29行ないし第31行)
「It is an object of this invention to provide a method for
generating an image of the sea floor or under water objects using a
3D acoustic imaging system.」
「この発明の目的は、3D音響画像システムを使用して海底又は水中物体の画像を生成するための方法を提供することである。」

(ウ)(第1ページ第32行ないし第35行)
「It is also an object of this invention to provide a method for
generating a composite image of underwater structures being
compensated for variations in the position or the movement of the
acoustic transducers.」
「また、本発明の目的は、海中の構造物に関して、音響変換器の位置又は動きの変動を補償した合成画像を生成することである。」

(エ)(第1ページ第38行ないし第2ページ第4行)
「The advantageous features of the invention related to the use of a
3D acoustic transducer system are thus that each 3D segment contains
data being virtually insensitive to movements of the recording
transducer unit, that the 3D segments have been combined in order to
provide a larger 3D image.」
「したがって、3D音響変換器システムの使用に関するこの発明の有利な特徴は、各3Dセグメントが記録変換器ユニットの動きに対して実質的に不感であるデータを含み、3Dセグメントがより大きな3D画像を提供するために組み合わされていることである。」

(オ)(第2ページ第5行ないし第9行)
「Another advantageous feature is that the 3D segments have a
coordinate accuracy which is better than the accuracy of the
position measurement system, due to corrections based upon the
information content in the separate 3D image elements.」
「別の有利な特徴は、個別の3D画像要素の情報内容に基づく補正によって、3Dセグメントが位置測定システムの正確さより優れた座標の精度を有することである。」

(カ)(第2ページ第10行ないし第20行)
「Yet another advantageous feature of this invention is that each
underwater object, due to the overlapping images, are insonified
several times, from different angles of incidence. If one angle of
incidence does not cause reflected energy to be transmitted back to
the transducer unit, the next angle of incidence might, thus
providing a 3D image of the objects to a certain degree comprising
views if the inside or back side of the objects. Therefore, much
more detail will be available in the combined image than in one
separate 3D image, or images composed of measurements from side scan
sonars.」
「本発明のさらに別の有利な特徴は、重なり合う画像を得るために、海中の物体が、異なる入射角から複数回、超音波を当てられることである。もし、一つの入射角が変換器ユニットへと返送されるべき反射エネルギーを生じさせなければ、次の入射角が生じさせ、そうして、物体の内側又は裏側の眺めをある程度まで含む物体の3D画像を提供するかもしれない。したがって、合成画像では、1枚の個別の3D画像又はサイドスキャンソナーからの測定値で構成される画像よりも、ずっと多くの詳細が利用可能になるだろう。」

(キ)(第2ページ第29行ないし第33行)
「The camera 1 in figure 1 emits a number of pulses toward a
selected volume 2. The pulses are reflected by different objects 3
and the receiver is capable of receiving the reflected pulses at a
number of different sensors in a sensor matrix 4.」
「図1において、カメラ1は、選択した体積2に向けて多数のパルスを発信する。パルスは、異なる物体3によって反射され、受信機は、センサーマトリックス4内の多数の異なるセンサで、反射されたパルスを受信することができる。」

(ク)(第2ページ第34行ないし第39行)
「The sensors are capable of sensing the phase, time and amplitude
of the received signal from a chosen angular sector defined by α_(?)
and α_(⊥) (see figure 2). Comprised in the transducer unit 1 is also
computing means for, based on the measurements of each sensor,
calculating the direction, strength and time of arrival for the
reflected waves.」
「センサは、α_(?)及びα_(⊥)によって定義される選択された角度範囲からの受信信号の位相、時刻及び振幅を検知することができる(図2参照)。変換器ユニット1には、各センサの測定値に基づいて、反射波の方向、強度及び到着時間を計算するための計算手段も含まれる。」

(ケ)(第2ページ最終行ないし第3ページ第10行)
「The signal received from each direction, defined by the angular
segments Δα_(?) and Δα_(⊥) included α_(?) and α_(⊥), respectively, is
analysed to detect the arrival of the peak amplitude or amplitudes
of the signals received within the angular segment . The time of
arrival of the peak amplitude indicates distance to the object.
Thus, a composite image may be obtained from the direction of the
received signal and the distance to the reflected object within each
angular segment, as is indicated in figure 1 where the measured
volume comprises a number of planes 5 referring to different
distances from the sensor array 4.」
「α_(?)及びα_(⊥)にそれぞれ含まれる角度セグメントΔα_(?)及びΔα_(⊥)で定義される各方向から受信された信号は、その角度セグメント内で受信された信号の最大振幅の到達を検出するために分析される。最大振幅の到達時間は、対象物までの距離を示す。このように、合成画像は、受信信号の方向と各角度セグメント内の反射物体までの距離とから得られ、これは、図1に示されるとおりであり、そこでは、測定された体積がセンサーアレイ4からの異なる距離を参照する多数の平面5からなる。」

(コ)(第3ページ第27行ないし第37行)
「We refer now to figure 2. Having registered a first image 2 the
process may be repeated producing a second acoustic image 6 at least
partially overlapping the first image. By analysing the two images
certain common features 3 in the common volume 7 may be found, e.g.
an object protruding towards the transducer. Assuming that the
features 3 are stationary the scale and relative positions of the
images may be adjusted to provide a unitary three-dimensional image
from the two images. This way any errors due to variations in the
position or movement of the transducer unit may be reduced or
eliminated.」
「ここで、図2を参照する。第1の画像2を登録したら、そのプロセスは、第1の画像と少なくとも部分的に重なり合う第2の音響像6を生成して繰り返される。2枚の画像を解析することにより、共通の体積7内にある共通の特徴3、例えば変換器の方向に突出する物体が発見されるかもしれない。特徴3が静止していると仮定すると、画像の大きさと相対的な位置を調整して、2枚の画像から1枚のものとしてまとまった3次元画像を提供することができる。このようにして、変換器ユニットの位置又は運動の変動に起因する誤差を低減又は排除することができる。」

(サ)(第3ページ第38行ないし第40行)
「Preferably three or more common features 3 are used when combining
the images, thus reducing the chances of error if one of the chosen
features turns out to be moving.」
「好ましくは、画像を連結するときに、3つ以上の共通の特徴3が用いられ、これによって、選択された特徴の1つが動いていることが判明した場合、実物との間の誤差を低減できる。」

(シ)(第4ページ第17行ないし第20行)
「The three-dimensional image produced by a single acoustic pulse
has a time tag which is applied to all the points in the image. This
three-dimensional image is called a 3D image element.」
「単一の音響パルスによって生成された3次元画像は、画像の全ての点に適用される時間タグを有する。この3次元画像は、3D画像要素と呼ばれる。」

(ス)(第4ページ第21行ないし第5ページ第12行)
「Referring to figure 3 the preferred method for combining two
images is as follows :
…(中略)…
S8. The neighbourhood of points in image I are checked for the
presence of points from image II. All points are checked - above or
below the intensity threshold.
S9. If such image II points are present in the neighbourhood, the
maximum of their intensity is found an if it is higher than the
intensity of the image I point, it replaces the intensity of the
corresponding image I point.」
「図3を参照すると、2枚の画像を合成するための好ましい方法は、以下の通りである。
…(中略)…
S8.画像Iに属する点の近傍において、画像IIに属する点の有無が検査される。所定の強度閾値以上又は以下である全ての点が検査される。
S9.もし画像IIに属する点が[画像Iに属する点の]近傍に存在し、その最大強度が画像Iに属する点の強度よりも高い場合には、画像IIに属する点の値が、画像Iに属する点の値に置換される。」

(セ)(第5ページ第15行ないし第22行)
「When surveying an underwater object by using a plurality of over-
lapping images, the process is repeated by moving the transducer
unit as smoothly as possible and obtaining new images partially
overlapping the previous image. As increasing the number of over-
lapping images will reduce the noise in the resulting composite
image, each new image is preferably partially overlapping more than
one of the previous images.」
「複数の重なり合う画像を用いて水中物体を調査する場合には、変換器ユニットをできるだけ滑らかに移動させ、前の画像と部分的に重なり合う新たな画像を取得することによって、そのプロセスが繰り返される。重なり合う画像の数が増加すると、得られる合成画像のノイズが減少するので、各新しい画像は、1つより多くの前の画像と部分的に重なり合うことが好ましい。」

(ソ)(第6ページ第32行ないし最終行)
「Also the possible side lobes of the acoustic transducers may be
controlled by choosing the distance between the transducers
depending on the frequency used in the measurements.
Thus the number of transducers and the size of the transducer
array, as well as the frequency used, affect the measurements and
may be chosen according to the specific use of the invention. The
relationships between these parameters are well known in the related
technical art.」
「また、音響変換器の可能なサイドローブは、測定において使用される周波数に応じて、変換器間の距離を選択することによって制御することができる。
変換器の数及び変換器アレイのサイズは、使用される周波数と同様、測定に影響を与え、そして、この発明の特定の用途に応じて選択することができる。これらのパラメータ間の関係は、関連技術分野でよく知られている。」

(タ)(第7ページ第12行ないし第17行)
「In the preferred embodiment of the invention the source and the
receiver array are separate transducers, preferably positioned in
the same transducer or sensor unit. It is, however, within the scope
of this invention to provide a transducer array being capable of
both emitting and receiving the acoustic waves.」
「この発明の好ましい実施形態では、発信源及び受信機のアレイは別々の変換器であり、好ましくは同一の変換器又はセンサユニット内に配置される。しかしながら、音響波の発信及び受信の両方が可能な変換器アレイを提供することは、この発明の範囲内である。」

(チ)(図1)


(ツ)(図2)


イ 引用文献1の前記アの記載によれば、以下のことが認められる。
(ア)引用文献1には、海底又は水中物体の画像を生成する3D音響画像システムが記載されている(前記ア(イ))。

(イ)3D音響画像システムは、選択した体積に向けて多数のパルスを発信するカメラと、異なる物体によって反射されたパルスを受信するセンサーマトリックス内の多数の異なるセンサを有する受信機とを備える(前記ア(キ))。

(ウ)引用文献1には、発信源及び受信機のアレイは同一の変換器又はセンサユニット内に配置されると記載されているから(前記ア(タ))、3D音響画像システムのカメラ及び受信機は、一つのユニット内に配置される。

(エ)センサは、選択された角度範囲からの受信信号の位相、時刻及び振幅を検知することができる(前記ア(ク))。

(オ)変換器ユニットでもあるカメラは、各センサの測定値に基づいて反射波の方向、強度及び到着時間を計算する計算手段を含む(前記ア(ク))。

(カ)各方向から受信された信号は、その角度セグメント内で受信された信号の最大振幅の到達を検出するために分析され、最大振幅の到達時間は、対象物までの距離を示し、合成画像は、受信信号の方向と各角度セグメント内の反射物体までの距離とから得られる(前記ア(ケ))。

(キ)第1の画像を登録したら、そのプロセスは、第1の画像と少なくとも部分的に重なり合う第2の音響像を生成して繰り返され、2枚の画像を解析することにより共通の体積内にある共通の特徴が発見され、特徴が静止していると仮定して画像の大きさと相対的な位置が調整され、2枚の画像から1枚のものとしてまとまった3次元画像が提供される(前記ア(コ))。

(ク)複数の重なり合う画像を用いて水中物体を調査する場合には、変換器ユニットをできるだけ滑らかに移動させ、前の画像と部分的に重なり合う新たな画像を取得することによって、そのプロセスが繰り返され、各新しい画像は1つより多くの前の画像と部分的に重なり合う(前記ア(セ))。

(ケ)以上のことをまとめると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

「選択した体積に向けて多数のパルスを発信するカメラと、
異なる物体によって反射されたパルスを受信するセンサーマトリックス内の多数の異なるセンサを有する受信機とを備え、
海底又は水中物体の画像を生成する3D音響画像システムであって、
カメラ及び受信機は、一つのユニット内に配置され、
センサは、選択された角度範囲からの受信信号の位相、時刻及び振幅を検知することができ、
変換器ユニットでもあるカメラは、各センサの測定値に基づいて反射波の方向、強度及び到着時間を計算する計算手段を含み、
各方向から受信された信号は、その角度セグメント内で受信された信号の最大振幅の到達を検出するために分析され、最大振幅の到達時間は、対象物までの距離を示し、合成画像は、受信信号の方向と各角度セグメント内の反射物体までの距離とから得られ、
第1の画像を登録したら、そのプロセスは、第1の画像と少なくとも部分的に重なり合う第2の音響像を生成して繰り返され、2枚の画像を解析することにより共通の体積内にある共通の特徴が発見され、特徴が静止していると仮定して画像の大きさと相対的な位置が調整され、2枚の画像から1枚のものとしてまとまった3次元画像が提供され、
複数の重なり合う画像を用いて水中物体を調査する場合には、変換器ユニットをできるだけ滑らかに移動させ、前の画像と部分的に重なり合う新たな画像を取得することによって、そのプロセスが繰り返され、各新しい画像は1つより多くの前の画像と部分的に重なり合う
3D音響画像システム。」

(2)訂正発明2について
ア 対比
訂正発明2と引用発明とを対比すると、以下のとおりである。

(ア)引用発明は、「3D音響画像システム」であるから、その「カメラ」が「発信する」「多数のパルス」は、音波のパルスであることが明らかである。
一方、本件明細書等には、「超音波ビーム21aの方向に短い超音波信号を送波し、高い距離分解能を実現することができるように形成しても構わない。」(【0034】)という記載があり、「超音波ビーム21aの方向に短い超音波信号」とは、超音波パルスを意味するものと認められる。そうすると、訂正発明2の「送波器」が「送波する」「超音波」には、超音波パルスも含まれる。また、「超音波」とは、「振動数が約2万ヘルツ以上で、定常音として耳に聞こえない音波。」(株式会社岩波書店「広辞苑第六版DVD-ROM版」)であるから、音波の一種である。
以上のことを踏まえると、引用発明の「パルス」と訂正発明2の「超音波」とは、「音波」である点で共通する。そして、引用発明の「発信」は、訂正発明2の「送波」に相当するから、引用発明の「選択した体積に向けて多数のパルスを発信するカメラ」と訂正発明2の「超音波を送波する送波器」とは、「音波を送波する送波器」である点で共通する。

(イ)引用発明の「物体」は、訂正発明2の「対象物」に相当し、前記(ア)を踏まえると、引用発明の「物体によって反射されたパルス」と、訂正発明2の「前記送波器から送波された超音波の対象物からの反射波」とは、「前記送波器から送波された音波の対象物からの反射波」である点で共通する。また、引用発明の「受信」は、訂正発明2の「受波」に相当する。
したがって、引用発明の「異なる物体によって反射されたパルスを受信するセンサーマトリックス内の多数の異なるセンサを有する受信機」と訂正発明2の「前記送波器から送波された超音波の対象物からの反射波を受波する受波器」とは、「前記送波器から送波された音波の対象物からの反射波を受波する受波器」である点で共通する。

(ウ)前記(イ)を踏まえると、引用発明の「各センサの測定値」は、訂正発明2の「前記対象物からの反射波の情報」に相当するから、引用発明の「各センサの測定値に基づいて反射波の方向、強度及び到着時間を計算する計算手段」は、訂正発明2の「前記対象物からの反射波の情報を」「処理する処理手段」に相当する。
そして、引用発明では、「各方向から受信された信号は、その角度セグメント内で受信された信号の最大振幅の到達を検出するために分析され、最大振幅の到達時間は、対象物までの距離を示し、合成画像は、受信信号の方向と各角度セグメント内の反射物体までの距離とから得られ」るのであるから、「計算手段」が「各センサの測定値に基づいて反射波の方向、強度及び到着時間を計算する」ことによって「合成画像」が得られ、その「合成画像」は「受信信号の方向」及び「各角度セグメント内の反射物体までの距離」に関する情報を含むと認められる。すなわち、引用発明の「合成画像」は、三次元情報を含むと認められ、したがって、訂正発明2の「三次元計測結果」に相当する。
以上のことをまとめると、引用発明の「各センサの測定値に基づいて反射波の方向、強度及び到着時間を計算する計算手段」は、訂正発明2の「前記対象物からの反射波の情報を三次元計測結果として処理する処理手段」に相当する。

(エ)前記(ア)ないし(ウ)を踏まえると、引用発明の「3D音響画像システム」と訂正発明2の「超音波計測装置」とは、「音波計測装置」である点で共通する。

(オ)引用発明では、「第1の画像を登録したら、そのプロセスは、第1の画像と少なくとも部分的に重なり合う第2の音響像を生成して繰り返され、」「2枚の画像から1枚のものとしてまとまった3次元画像が提供され、」「複数の重なり合う画像を用いて水中物体を調査する場合には、」「前の画像と部分的に重なり合う新たな画像を取得することによって、そのプロセスが繰り返され」る。ここでいう「画像」は「合成画像」を指すから、引用発明は、2枚の合成画像から1枚のものとしてまとまった3次元画像を提供するプロセスを、前の合成画像と部分的に重なり合う新たな合成画像を取得することによって繰り返すものである。これは、互いに部分的に重なり合う「合成画像」を次々に連結して「1枚のものとしてまとまった3次元画像」を提供していくことにほかならない。そして、前記(ウ)のとおり、引用発明の「合成画像」は、訂正発明2の「三次元計測結果」に相当する。
そうすると、引用発明の「1枚のものとしてまとまった3次元画像」は、訂正発明2の「三次元計測結果を順次連結して得られる計測結果」に相当し、したがって、引用発明は、訂正発明2の「前記三次元計測結果を順次連結させる連結手段」に相当する手段を含むということができる。

(カ)引用発明の「センサ」は、「選択された角度範囲からの受信信号の位相、時刻及び振幅を検知する」ものである。ここで、「選択された角度範囲」は、「センサ」から離れるに従って広がる領域であることが明らかである。そして、引用発明の「センサ」は、「センサーマトリックス内の多数の異なるセンサ」として「受信機」が「有する」ものであり、また、引用発明の「カメラ及び受信機は、一つのユニット内に配置され」るから、実質的に同じ位置にある。そうすると、「選択された角度範囲」は、結局のところ、「カメラ」から離れるに従って広がる領域にほかならない。すなわち、引用発明の「センサ」は、「カメラ」から離れるに従って広がる領域からの「受信信号の位相、時刻及び振幅を検知する」ものである。そして、引用発明の「合成画像」は、前記(ウ)のとおり、「各センサの測定値に基づいて反射波の方向、強度及び到着時間を計算する」ことによって提供されるのであるから、「カメラ」から離れるに従って広がる領域内の情報を含むことになる。
したがって、前記(ア)ないし(ウ)を踏まえると、引用発明の「合成画像」は、訂正発明2の「三次元計測結果」と同様に、「前記送波器から遠方に行くに従って広がる測定領域内の前記対象物の測定結果」であるということができる。

(キ)引用発明では、「第1の画像を登録したら、そのプロセスは、第1の画像と少なくとも部分的に重なり合う第2の音響像を生成して繰り返され、」「2枚の画像から1枚のものとしてまとまった3次元画像が提供され、」「複数の重なり合う画像を用いて水中物体を調査する場合には、変換器ユニットをできるだけ滑らかに移動させ、前の画像と部分的に重なり合う新たな画像を取得することによって、そのプロセスが繰り返され」る過程で、「2枚の画像を解析することにより共通の体積内にある共通の特徴が発見され、特徴が静止していると仮定して画像の大きさと相対的な位置が調整され」る。ここで、「2枚の画像を解析することにより共通の体積内にある共通の特徴が発見され、特徴が静止していると仮定して画像の大きさと相対的な位置が調整され」ることは、互いに部分的に重なり合う「合成画像」の相互位置関係が決定されることにほかならない。
すなわち、引用発明では、互いに部分的に重なり合う「合成画像」を次々に連結して「1枚のものとしてまとまった3次元画像」を提供していく(前記(オ))過程で、互いに部分的に重なり合う「合成画像」の相互位置関係が決定されるのであるから、引用発明が含む訂正発明2の「前記三次元計測結果を順次連結させる連結手段」に相当する手段は、訂正発明2の「前記三次元計測結果の相互位置関係を決定する決定手段」に相当する手段を含むということができる。

イ 一致点及び相違点
前記アの対比の結果をまとめると、訂正発明2と引用発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。

(ア)一致点
「音波を送波する送波器と、
前記送波器から送波された音波の対象物からの反射波を受波する受波器と、
前記対象物からの反射波の情報を三次元計測結果として処理する処理手段とを備える音波計測装置において、
前記三次元計測結果を順次連結させる連結手段を含み、
前記三次元計測結果は、前記送波器から遠方に行くに従って広がる測定領域内の前記対象物の測定結果であり、
前記連結手段は、前記三次元計測結果の相互位置関係を決定する決定手段を含む音波計測装置。」

(イ)相違点
a 相違点1
訂正発明2は、「音波」が「超音波」であるのに対し、
引用発明は、「音波」が「超音波」であるかは不明な点。

b 相違点2
訂正発明2は、「連結手段」が「三次元計測結果を順次連結して得られる計測結果を時系列的に表示させる」のに対し、
引用発明は、「連結手段」に相当する手段を含むものの、それが「合成画像」を次々に連結した「1枚のものとしてまとまった3次元画像」(訂正発明2の「三次元計測結果を順次連結して得られる計測結果」に相当する。)を時系列的に表示させるかは不明な点。

ウ 相違点についての判断
(ア)相違点1について
引用文献1には、使用する音波の周波数は特定の用途に応じて選択できる旨の記載があるから(前記(1)ア(ソ))、引用発明で使用する音波の周波数も、当業者が用途に応じて適宜選択し得る事項である。そして、音波が超音波であるか否かは、専らその音波が耳に聞こえるか否かという人間の事情によって決まるのであるから、海底又は水中物体の画像の生成という引用発明の目的に直接関係しないことは明らかである。
したがって、引用発明で使用する音波を超音波とすることは、当業者が用途に応じて使用する音波の周波数を選択する際に適宜行い得る事項にすぎない。

(イ)相違点2について
一般に「画像」とは、「えすがた。絵像。」又は「機械的処理により、感光材料・紙・スクリーン・テレビ-ブラウン管などの上にうつし出された像。」(株式会社岩波書店「広辞苑第六版DVD-ROM版」)のことであるから、人間が目で見ることを前提とするものと認められる。
引用発明は、「海底又は水中物体の画像を生成する」ものであり、具体的には「1枚のものとしてまとまった3次元画像」を提供するものである。そして、その「1枚のものとしてまとまった3次元画像」も、「画像」である以上、人間が目で見ることを前提とするものと認められる。
そうすると、引用発明において、「1枚のものとしてまとまった3次元画像」を人間の目に見えるようにすること、すなわち、「1枚のものとしてまとまった3次元画像」を表示することは、当業者にとって自明なことである。そして、そのような機能を「連結手段」に相当する手段に追加することは、当業者が適宜行い得る設計事項にすぎない。
ここで、引用発明は、互いに部分的に重なり合う「合成画像」を次々に連結して「1枚のものとしてまとまった3次元画像」を提供していくものであり(前記ア(オ))、互いに部分的に重なり合う「合成画像」は、「複数の重なり合う画像を用いて水中物体を調査する場合には、変換器ユニットをできるだけ滑らかに移動させ、前の画像と部分的に重なり合う新たな画像を取得することによって」得られるものであるから、引用発明の「1枚のものとしてまとまった3次元画像」は、「合成画像」を時系列に沿って並べたものにほかならない。
したがって、引用発明において「1枚のものとしてまとまった3次元画像」を表示すれば、相違点2に係る訂正発明2の構成を備えるようになることは明らかである。

エ 訂正発明2についてのまとめ
以上のとおりであるから、訂正発明2は、引用文献1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)訂正発明3について
ア 対比
訂正発明3と引用発明とを対比すると、以下のとおりである。

(ア)訂正発明2と引用発明との対比における前記(2)ア(ア)ないし(オ)は、訂正発明3と引用発明との対比にもそのまま当てはまる。

(イ)引用発明の「対象物までの距離」は、「選択した体積に向けて多数のパルスを発信するカメラ」から「物体」までの距離であり、「反射物体までの距離」であることが明らかであるから、訂正発明3の「前記送波器から前記対象物までの距離」に相当する。
したがって、引用発明において「各方向から受信された信号は、その角度セグメント内で受信された信号の最大振幅の到達を検出するために分析され、最大振幅の到達時間は、対象物までの距離を示」すことと、訂正発明3が「超音波の伝搬音速と送波時刻から受波時刻までの往復伝搬時間とにより、前記送波器から前記対象物までの距離を得るように構成され」ることとは、「前記送波器から前記対象物までの距離を得るように構成され」ることである点で共通する。

(ウ)引用発明では、「第1の画像を登録したら、そのプロセスは、第1の画像と少なくとも部分的に重なり合う第2の音響像を生成して繰り返され、」「2枚の画像から1枚のものとしてまとまった3次元画像が提供され、」「複数の重なり合う画像を用いて水中物体を調査する場合には、変換器ユニットをできるだけ滑らかに移動させ、前の画像と部分的に重なり合う新たな画像を取得することによって、そのプロセスが繰り返され」る過程で、「2枚の画像を解析することにより共通の体積内にある共通の特徴が発見され、特徴が静止していると仮定して画像の大きさと相対的な位置が調整され」る。ここで、「2枚の画像を解析することにより共通の体積内にある共通の特徴が発見され、特徴が静止していると仮定して画像の大きさと相対的な位置が調整され」ることは、互いに部分的に重なり合う「合成画像」の相互位置関係が決定されることにほかならない。
すなわち、引用発明では、互いに部分的に重なり合う「合成画像」を次々に連結して「1枚のものとしてまとまった3次元画像」を提供していく(前記(2)ア(オ))過程で、互いに部分的に重なり合う「合成画像」の相互位置関係が決定されるのであり、互いに部分的に重なり合うとは、換言すれば、相互に共通領域を有することであるから、引用発明が含む訂正発明3の「前記三次元計測結果を順次連結させる連結手段」に相当する手段は、訂正発明3の「相互に共通領域を有する前記三次元計測結果の相互位置関係を決定する決定手段」に相当する手段を含むということができる。

(エ)引用発明では、「第1の画像を登録したら、そのプロセスは、第1の画像と少なくとも部分的に重なり合う第2の音響像を生成して繰り返され、」「2枚の画像から1枚のものとしてまとまった3次元画像が提供され、」「複数の重なり合う画像を用いて水中物体を調査する場合には、変換器ユニットをできるだけ滑らかに移動させ、前の画像と部分的に重なり合う新たな画像を取得することによって、そのプロセスが繰り返され」る過程で、「各新しい画像は1つより多くの前の画像と部分的に重なり合う」とされているだけで、「各新しい画像」が全ての「前の画像と部分的に重なり合う」とされているわけではない。すなわち、引用発明では、「各新しい画像」が一部の「前の画像」と重なり合わないことも許容されている。
したがって、引用発明は、訂正発明3の「複数の前記三次元計測結果が順次連結された計測結果には、複数の前記三次元計測結果のうち、相互に共通領域を有しない前記三次元計測結果が含まれている」に相当する構成を備えるということができる。

イ 一致点及び相違点
前記アの対比の結果をまとめると、訂正発明3と引用発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。

(ア)一致点
「音波を送波する送波器と、
前記送波器から送波された音波の対象物からの反射波を受波する受波器と、
前記対象物からの反射波の情報を三次元計測結果として処理する処理手段とを備える音波計測装置において、
前記三次元計測結果を順次連結させる連結手段を含み、
前記送波器から前記対象物までの距離を得るように構成され、
前記連結手段は、相互に共通領域を有する前記三次元計測結果の相互位置関係を決定する決定手段を含み、
複数の前記三次元計測結果が順次連結された計測結果には、複数の前記三次元計測結果のうち、相互に共通領域を有しない前記三次元計測結果が含まれていることを特徴とする音波計測装置。」

(イ)相違点
a 相違点3
訂正発明3は、「音波」が「超音波」であるのに対し、
引用発明は、「音波」が「超音波」であるかは不明な点。

b 相違点4
訂正発明3は、「超音波の伝搬音速と送波時刻から受波時刻までの往復伝搬時間とにより、前記送波器から前記対象物までの距離を得る」のに対し、
引用発明は、「各方向から受信された信号は、その角度セグメント内で受信された信号の最大振幅の到達を検出するために分析され、最大振幅の到達時間は、対象物までの距離を示」すとされるにとどまる点。

ウ 相違点についての判断
(ア)相違点3について
相違点3は、訂正発明2と引用発明との相違点1(前記(2)イ(イ)a)と同じであるから、前記(2)ウ(ア)のとおり、当業者が用途に応じて使用する音波の周波数を選択する際に適宜行い得る事項にすぎない。

(イ)相違点4について
引用文献1に記載されているとおり(前記(1)ア(ア))、引用発明は、ソナーの技術分野に属する発明である。そして、ソナーが音速と音波の往復伝搬時間とに基づいて対象物までの距離を測定する装置であることは、技術常識である。そうすると、引用発明においても、音速と音波の往復伝搬時間とに基づいて対象物までの距離を得ていると認められる。
したがって、相違点4は、実質的な差異ではない。

エ 訂正発明3についてのまとめ
以上のとおりであるから、訂正発明3は、引用文献1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)請求人の主張について
ア 請求人は、訂正発明2及び訂正発明3に関し、引用文献1に記載されているのは第1の画像と部分的に重なり合う第2の画像の数を多くすることで、実物との間の誤差を低減するという事項であり、互いに部分的に重なり合う「合成画像」を次々に連結して「3次元画像」を提供するという事項は記載されていないと主張する。
しかし、請求人の主張は、以下に述べるとおり、採用することができない。

(ア)引用文献1には、音響像である2枚の画像(すなわち、第1の画像及び第1の画像と少なくとも部分的に重なり合う第2の画像)を解析することにより、共通の体積内にある共通の特徴が発見され、特徴が静止していると仮定して画像の大きさと相対的な位置が調整され、2枚の画像から1枚のものとしてまとまった3次元画像が提供されることで、変換器ユニットの位置又は運動の変動に起因する誤差を低減又は排除することができる旨の記載がある(前記(1)ア(コ))。
ここで、引用文献1には、単一の音響パルスによって生成された3次元画像が3D画像要素と呼ばれる旨の記載がある(前記(1)ア(シ))。さらに、個別の3D画像要素の情報内容に基づく補正によって、3Dセグメントが位置測定システムの正確さより優れた座標の精度を有し、各3Dセグメントが記録変換器ユニットの動きに対して実質的に不感であるデータを含む旨の記載がある(前記(1)ア(エ)、(オ))。
この記載から、音響像である2枚の画像は、3D画像要素であると認められる。また、2枚の画像から提供され、変換器ユニットの位置又は運動の変動に起因する誤差が低減又は排除された3次元画像は、3Dセグメントであると認められる。
そして、引用文献1には、3Dセグメントがより大きな3D画像を提供するために組み合わされる旨の記載がある(前記(1)ア(エ))。
そうすると、引用発明において「第1の画像を登録したら、そのプロセスは、第1の画像と少なくとも部分的に重なり合う第2の音響像を生成して繰り返され、」「2枚の画像から1枚のものとしてまとまった3次元画像が提供され、」「複数の重なり合う画像を用いて水中物体を調査する場合には、」「前の画像と部分的に重なり合う新たな画像を取得することによって、そのプロセスが繰り返され」ることは、2枚の合成画像から1枚のものとしてまとまった3次元画像を提供するプロセスを、前の合成画像と部分的に重なり合う新たな合成画像を取得することによって繰り返すことを意味するものと認められる。これは、互いに部分的に重なり合う「合成画像」を次々に連結して「1枚のものとしてまとまった3次元画像」を提供していくことにほかならない。

(イ)この点について、請求人はさらに、引用文献1には第1の画像の点を第2の画像の点に置換する処理を行う旨の記載があり、この処理が行われると第1の画像の視野は狭くなると主張する。
しかし、この処理は、2枚の画像を合成する方法の一工程として行われるものであり(前記(1)ア(ス))、第1の画像の点を第2の画像の点に置換したからといって、第1の画像又は第2の画像がなくなるわけではない。そうすると、合成後の画像は、2枚の画像の両方を含むことになるから、より広い範囲の画像となることが明らかである。

(ウ)請求人が主張するように、引用文献1の記載(前記(1)ア(ウ)、(カ)、(コ)、(サ)、(ス)、(セ))によれば、引用文献1には、第1の画像と部分的に重なり合う第2の画像の数を多くすることで、実物との間の誤差を低減するという事項が記載されている。
しかし、このことは、互いに部分的に重なり合う「合成画像」を次々に連結して「1枚のものとしてまとまった3次元画像」を提供するという事項が引用文献1に記載されていることを何ら否定するものではない。

イ 請求人のその他の主張は、引用文献1には互いに部分的に重なり合う「合成画像」を次々に連結して「1枚のものとしてまとまった3次元画像」を提供するという事項は記載されていないことを前提とするものであるから、前記アのとおり、前提において採用することができない。

(5)独立特許要件についてのまとめ
以上のとおりであるから、訂正発明2及び訂正発明3は、引用文献1に記載された発明(引用発明)に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。
したがって、訂正事項1及び訂正事項2は、同法第126条第7項の規定に適合しない。

5 むすび
訂正事項1及び訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第4号に掲げる事項を目的とする訂正であり、同条第5項及び第6項の規定に適合するが、同条第7項の規定に適合しないので、訂正後の請求項2及び請求項3についての訂正は、認めることができない。
訂正事項3は、同条第1項ただし書第4号に掲げる事項を目的とする訂正であり、同条第5項及び第6項の規定に適合する。そして、請求人は、同条第1項ただし書第4号に掲げる事項を目的とする訂正について、引用先の請求項の訂正が認められるときは引用元の請求項とは別の訂正単位として扱われることを求めているので、訂正後の請求項4についての訂正を認めることとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を送波する送波器と、
前記送波器から送波された超音波の対象物からの反射波を受波する受波器と、
前記対象物からの反射波の情報を三次元計測結果として処理する処理手段とを備える超音波計測装置において、
前記三次元計測結果を順次連結させる連結手段を含み、
前記連結手段は、前記三次元計測結果の相互位置関係を決定する決定手段を含むことを特徴とする超音波計測装置。
【請求項2】
超音波を送波する送波器と、
前記送波器から送波された超音波の対象物からの反射波を受波する受波器と、
前記対象物からの反射波の情報を三次元計測結果として処理する処理手段とを備える超音波計測装置において、
前記三次元計測結果を順次連結させる連結手段を含み、
前記三次元計測結果は、前記送波器から遠方に行くに従って広がる測定領域内の前記対象物の測定結果であり、
前記連結手段は、前記三次元計測結果の相互位置関係を決定する決定手段を含み、
前記連結手段は、前記三次元計測結果を順次連結して得られる計測結果を時系列的に表示させることを特徴とする超音波計測装置。
【請求項3】
超音波を送波する送波器と、
前記送波器から送波された超音波の対象物からの反射波を受波する受波器と、
前記対象物からの反射波の情報を三次元計測結果として処理する処理手段とを備える超音波計測装置において、
前記三次元計測結果を順次連結させる連結手段を含み、
超音波の伝搬音速と送波時刻から受波時刻までの往復伝搬時間とにより、前記送波器から前記対象物までの距離を得るように構成され、
前記連結手段は、相互に共通領域を有する前記三次元計測結果の相互位置関係を決定する決定手段を含み、
複数の前記三次元計測結果が順次連結された計測結果には、複数の前記三次元計測結果のうち、相互に共通領域を有しない前記三次元計測結果が含まれていることを特徴とする超音波計測装置。
【請求項4】
超音波を送波する送波器と、
前記送波器から送波された超音波の対象物からの反射波を受波する受波器と、
前記対象物からの反射波の情報を三次元計測結果として処理する処理手段とを備える超音波計測装置において、
前記三次元計測結果を順次連結させる連結手段を含み、
前記三次元計測結果は、前記送波器から遠方に行くに従って広がる測定領域内の前記対象物の測定結果であり、
超音波の伝搬音速と送波時刻から受波時刻までの往復伝搬時間とにより、前記送波器から前記対象物までの距離を得るように構成され、
前記連結手段は、前記三次元計測結果の相互位置関係を決定する決定手段を含むことを特徴とする超音波計測装置。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2018-10-24 
結審通知日 2018-10-26 
審決日 2018-11-06 
出願番号 特願2013-94289(P2013-94289)
審決分類 P 1 41・ 121- YC (G01S)
P 1 41・ 856- YC (G01S)
最終処分 一部成立  
前審関与審査官 堀 圭史  
特許庁審判長 清水 稔
特許庁審判官 小林 紀史
中村 説志
登録日 2015-01-09 
登録番号 特許第5674066号(P5674066)
発明の名称 超音波計測装置  
代理人 特許業務法人磯野国際特許商標事務所  
代理人 特許業務法人磯野国際特許商標事務所  

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