• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G06K
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06K
管理番号 1348528
審判番号 不服2018-5970  
総通号数 231 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-03-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-05-01 
確定日 2019-02-26 
事件の表示 特願2014-126389「情報コード生成方法,情報コード,情報コード読取システム,及び情報コード利用システム」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 1月12日出願公開,特開2016- 4535,請求項の数(20)〕について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,平成26年6月19日の出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。
平成29年 9月27日付け:拒絶理由通知書
平成29年11月27日 :意見書,手続補正書の提出
平成30年 2月 2日付け:拒絶査定(原査定)
平成30年 5月 1日 :審判請求書,手続補正書の提出
平成30年12月11日付け:拒絶理由通知書(当審)
平成30年12月25日 :意見書,手続補正書の提出


第2 本願発明
本願請求項1-20に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」-「本願発明20」という。)は,平成30年12月25日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-20に記載された事項により特定される発明であり,本願発明5は以下のとおりの発明である。

「【請求項5】
所定のコード領域の内部に情報を表示する単位となるセルを配列してなる情報コードであって、
前記コード領域の内部に、予め定められた形状の特定パターンが配置される特定パターン領域と、複数種類の前記セルによってデータを記録するデータ記録領域と、複数種類の前記セルによって誤り訂正符号を記録する誤り訂正符号記録領域とが設けられ、前記コード領域の内部において、前記特定パターン領域及び前記データ記録領域以外の位置に、前記セルによって解読対象データが記録されない領域であって前記誤り訂正符号による誤り訂正の対象にならない空き領域が、単一の前記セルのサイズよりも大きいサイズで設けられ、前記空き領域内が検索キーの表示予定領域である認識対象領域として構成され、
前記検索キーの画像となる検索キー画像が前記認識対象領域に表されるように表示部に表示され、
前記データ記録領域に、前記検索キー画像を送信する送信先としてインターネット上の検索サイトを特定するアドレス情報が記録されていることを特徴とする情報コード。」

なお,本願発明1-4,6-20の概要は以下のとおりである。

本願発明6-8は,本願発明5を減縮した発明である。

本願発明1は,本願発明5の情報コードを生成する情報コード生成方法の発明であり,本願発明5の発明特定事項を全て有し,本願発明5とカテゴリ表現が異なる発明である。
そして,本願発明2-4は,本願発明1を減縮した発明である。

本願発明9は,本願発明5の情報コードを読み取る情報コード読取システムの発明であり,本願発明5の発明特定事項を全て有し,本願発明5とカテゴリ表現が異なる発明である。
そして,本願発明10-14は,本願発明9を減縮した発明である。

本願発明15は,本願発明5の情報コードを生成し読み取る情報コード利用システムの発明であり,本願発明5の発明特定事項を全て有し,本願発明5とカテゴリ表現が異なる発明である。
そして,本願発明16-20は,本願発明15を減縮した発明である。


第3 引用文献,引用発明等
1 引用文献1について
(1)原査定の拒絶の理由で引用された本願出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である,特開2002-216088号公報(平成14年8月2日出願公開。以下,「引用文献1」という。)には,図面とともに,次の記載がある(当審注:下線は当審が付与した。)。

「【0012】
・・・(中略)・・・
【発明の実施の形態】(第1実施例)以下、本発明の第1実施例について図1乃至図4を参照して説明する。図1は、情報コード1を示すものである。情報コード1は、その記録面側に、2次元コードの一種であるマイクロQRコード2と、そのマイクロQRコード(以下、単にコードと称す)2の図1中下方側に人間が判読可能な文字“Q Phone”を白抜きで表示した文字3を配置して構成されている。ここで、コード2が配置されている領域をコード領域1aとし、文字3が配置されている領域(後述するシンボル4を含む)を文字領域1bとする。
【0013】コード2は、黒色の正方形を印字してなる暗セルと、その暗セルが存在しない部分として白色の正方形となっている明セルとを2次元的に組み合わることで数字,英字,漢字,かな,記号等の情報を符号化し、矩形状に形成されているものである。コード2は、詳細は後述するが、CCDカメラなどを備えているコード読取り装置によって暗セルと明セルとで構成される符号化パターンが光学的に読み取られ、デコードされるようになっている。」

「【0021】次に、本実施例の作用について図3及び図4をも参照して説明する。図3は、コード読取り装置5のCPU14が実行する処理の内容を示すフローチャートである。CPU14は、先ず、CCDエリアセンサ8を介して、情報コード1の全領域の画像データを読み込む(ステップS0)。そして、読み込んだ画像データより、コード2の位置決めシンボル2aに対応した“1:1:3:1:1”のような特定の周波数比を特定比検出回路13の検出結果より検出すると(ステップS1)、位置決めシンボル2aに基づいてコード領域1aを検出する(ステップS2)。
・・・(中略)・・・
【0023】それから、CPU14は、文字領域1bに設定した走査線に基づく走査を行うことで走査線上における文字3のパターンを検出する(ステップS5)。ここで、文字領域1bに対して設定される走査線は、図1(b)に示すように“U,M,D”の3本であり、それらの位置を決定する方法について、以下、図4を参照して説明する。
・・・(中略)・・・
【0026】再び、図3を参照する。CPU14は、ステップS5において文字領域1bに設定した走査線“U,M,D”に基づく走査を行ない、文字3のパターンを検出すると、続いて、走査したパターンと基準パターンとを比較照合することによって、文字3の割り出しを行う(ステップS6)。
【0027】ここで、“基準パターン”とは、文字3として表記されるものは特定の限られた文字であるため、走査されることが予想されるデータパターンとしてメモリ12に予め記憶されているものである。この基準パターンに対して、実際に走査が行われた結果白抜きで検出される文字部3Cのパターンを照合して、文字3“Q Phone”を割り出す(識別する)。この場合、上述のように、あらゆる文字や記号等を想定する必要性は低いため、走査線が3本程度であっても文字3を十分に割り出すことが可能である。」

「【図1】



(2)上記記載から,引用文献1には,次の技術的事項が記載されているものと認められる。

ア 情報コードは、2次元コードの一種であるマイクロQRコードが配置されるコード領域と、文字が配置される文字領域とで構成される(【0012】,【図1】)。

イ マイクロQRコードは,数字,英字,漢字,かな,記号等の情報を符号化した符号化パターンを,黒色の正方形である暗セルと,白色の正方形である明セルとを2次元的に組み合わせて構成し,矩形状に形成されている(【0013】)。
また,マイクロQRコードは,その内部に位置決めシンボルが配置されている(【0021】,【図1】)。

ウ 文字領域に配置される文字は,コード読み取り装置のCPUによりパターンを検出されると,メモリに予め記憶されたデータパターンである基準パターンと比較照合することにより,割り出しが行われるものである(【0021】,【0023】,【0026】,【0027】)。

(3)上記(1),(2)から,引用文献1には,次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「情報を符号化した符号化パターンを正方形である暗セルと明セルを2次元的に組み合わせて構成し,矩形状に形成されたマイクロQRコードが配置されるコード領域と,文字が配置される文字領域とで構成される情報コードであって,
前記マイクロQRコードの内部に,位置決めシンボルが配置され,暗セルと明セルとで情報を符号化した符号化パターンが構成されており,
文字領域に配置された文字は,コード読み取り装置によりパターン検出されると,基準パターンと比較照合が行われる,
情報コード。」

2 引用文献2について
(1)原査定の拒絶の理由で引用された本願出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である,特開2009-295145号公報(平成21年12月17日出願公開。以下,「引用文献2」という。)には,図面とともに,次の記載がある(当審注:下線は当審が付与した。)。

「【0049】
[第1実施形態]
以下、本発明の二次元コード読取装置を具現化した第1実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る二次元コードリーダ20を概略的に例示するブロック図である。
・・・(中略)・・・
【0061】
次に、二次元コードリーダ20によって読み取られる二次元コードについて説明する。
二次元コードリーダ20によって読み取られる二次元コードQは、誤り訂正機能を有するものであり、例えば、図2(a)のような構成のものが用いられる。図2(a)で例示される二次元コードQは、2-M型のQRコード(登録商標)として構成されており、図3のように、3つの位置検出パターンFP1?FP3を備えると共に、28のデータコードブロック(D1?D28)と、16の誤り訂正コードブロック(E1?E16)を配置し得る構成をなしている。
【0062】
データコードブロック(D1?D28)は、デコードすべきデータをコード化したブロックであり、例えば製品番号等の各種データがデータコード語によって表され、複数のセルによって表現されている。また、誤り訂正コードブロック12は、誤り訂正用のデータをコード化したブロックである。この誤り訂正コードブロック12を構成する誤り訂正コード語は、データコードブロック(D1?D28)を構成するデータコード語に基づいて生成されたものである。なお、データコード語に基づいて誤り訂正コード語を生成する方法としては、例えば、JISX0510:2004に規定された誤り訂正コード語の生成方法(JISX0510:2004、8.5誤り訂正)を用いることができる。誤り訂正コードブロック12は、このような方法によって生成された誤り訂正コード語を複数のセルによって表現したブロックとして構成される。
【0063】
また、図2(a)の二次元コードQは、コード領域内に所定の記入領域が設けられている。図2(a)の例では、コード領域内に矩形枠の目印60が形成されており、この目印60の内部領域が記入領域61として構成されている。なお、図2(a)の例では、記入領域の位置を一点鎖線61にて概念的に示している
【0064】
記入領域61は、二次元コードQを使用するユーザの手作業により、或いは特別な記入装置などにより、既に形成された明色セル或いは暗色セルの上から所定の記入がなされうる領域として構成されるものである。目印60は、コード領域内において記入領域61の位置を特定する機能を有しており、図2(a)の例では、目印60によって記入領域の外縁が特定されている(即ち、目印60の内部領域全体が記入領域61として構成されている)。
【0065】
上記のように二次元コードQに設けられた記入領域61は、当該記入領域61内に記入がなされた場合に、その記入後の当該二次元コードQの誤り検出において「所定の誤り情報」が確認されるように構成されるものである。具体的には、記入領域61内のデータコードブロックに誤りが存在し、かつ記入領域61外のデータコードブロックに誤りが存在しない場合に、二次元コード読取装置20による誤り検出処理において所定の誤り率で誤りが検出されるようになっている。従って、記入領域に記入(例えば作業者によるペンなどを用いた塗り潰し等)がなされ、記入領域61内のデータコードブロックが誤った状態となったとき、読み取りの際の誤り検出処理(後述)において「所定の誤り率」が確認されることとなる。なお、特定の1つのデータコードブロックが記入領域61として定められていてもよく、特定の複数のデータコードブロックが記入領域として定められていてもよい。
本実施形態では、「所定の誤り率」が「所定の誤り情報」の一例に相当する。
【0066】
次に、二次元コードの解読処理について説明する。図4は、図1の二次元コードリーダ20で行われる解読処理を例示するフローチャートである。
・・・(中略)・・・
【0069】
そして、S2で算出された誤り率が、予め定められた「所定の誤り率」であるか否かを判断する(S3)。本実施形態で用いる二次元コードQは、記入領域61内のデータコードブロックに誤りが発生した場合に「所定の誤り率」となるように構成されており、S3の処理では、S2で算出された誤り率が「所定の誤り率」であるか否かを判断することで、記入領域61に記入がなされたか否かを判断している。」

「【0139】
[第8実施形態]
次に第8実施形態について説明する。図18は、第8実施形態に係る二次元コード読取装置の読取対象を説明する説明図であり、(a)は、記入領域に記入される前の状態を示す図であり、(b)は記入領域に記入された後の状態を示す図である。図19は、第8実施形態に係る二次元コード読取装置で行われる解読処理の流れを例示するフローチャートである。図20は、二次元コードが付された読取対象物を例示する説明図であり、(a)は読取対象物に付された二次元コードに記入がなされていない状態を説明する説明図であり、(b)は読取対象物に付された二次元コードに文字が記入された状態を説明する説明図である。図21は、登録記号別データの一例を概念的に説明する説明図である。
・・・(中略)・・・
【0141】
本実施形態で用いられる二次元コードQ8は、図18(a)に示すように、第1実施形態で用いられる二次元コードQ(図2)と同様の構成をなしており、目印のみが第1実施形態と若干異なっている。第8実施形態で用いる二次元コードQ8も、コード領域内に矩形枠の目印860が形成されており、この目印860の内部領域が記入領域861として構成されている。
【0142】
記入領域861は、二次元コードQ8を使用するユーザの手作業により、或いは特別な記入装置などにより、既に形成された明色セル或いは暗色セルの上から所定の記入がなされうる領域として構成されるものである。目印860は、コード領域内において記入領域861の位置を特定する機能を有しており、図18(a)の例では、目印860によって記入領域の外縁が特定されている(即ち、目印860の内部領域全体が記入領域861として構成されている)。
【0143】
上記のように二次元コードQ8に設けられた記入領域861は、当該記入領域861内に記入がなされた場合に、その記入後の二次元コードQ8を読み取る際の誤り検出において「所定の誤り情報」が確認されるように構成されるものである。本実施形態では、特定の複数のデータコードブロックが記入領域861として定められており、例えば、記入領域861内のいずれかのデータコードブロックに誤りが存在し、かつ記入領域861外のデータコードブロックに誤りが存在しない場合に、二次元コード読取装置20による誤り検出処理において所定の誤り率で誤りが検出されるようになっている。
【0144】
次に、本実施形態に係る二次元コード読取装置で行われる解読処理について説明する。
・・・(中略)・・・
【0146】
さらに、S801の読取処理の際に行われた誤り検出処理での検出結果に基づいて誤り率を算出し、誤り率が閾値以上であるか判断する処理を行う(S802)。S801の読取処理では当該読取処理の一部をなす誤り検出処理にてコード画像の誤り位置及び誤り内容を検出しているため、S802の処理では、既に誤り検出処理で得られた誤り位置及び誤り内容に基づいて誤りデータ量を確認し、全データ量に対する誤りデータ量の割合(誤り率)を算出する。具体的には例えば、全データコードブロックの数Xaに対する誤りが確認されたデータコードブロックの数Xbの割合Xb/Xaを誤り率として算出する。 そして、その算出された誤り率が、予め定められた閾値以上であるか否かを判断する。
・・・(中略)・・・
【0149】
一方、S802において、誤り率が閾値以上であると判断される場合(例えば図18(b)、図20(b)のような二次元コードQ8を読み取る場合)、S802にてYesに進み、記号入力枠を特定する処理を行う(S803)。この処理は、後述する記号認識処理を行う領域を特定する処理である。この処理では、予め定められた方法で記号入力枠を特定しており、その特定方法としては、例えば、誤りが生じている全データコードブロックを記号入力枠として特定してもよく、二次元コード読取装置20内にあらかじめ登録されている情報に基づいて記号入力枠を特定してもよい。あらかじめ登録されている情報に基づいて記号入力枠を特定する方法としては、例えば、二次元コードQ8の記入領域の位置情報を二次元コード読取装置20内に記録しておき、S803の処理においてこれを読み出すようにすればよい。
【0150】
S803の後には、記号認識処理を行う(S804)。S804では、画像処理分野において公知とされている文字認識技術を用い、S803で特定された枠内の記号を認識する。なお、文字認識技術としては、公知の様々な方式を用いることができ、例えば、光学式文字読取装置(OCR:optical character reader)で用いられる技術などを好適に利用できる。この技術自体は公知であるので詳細な説明は省略するが、この場合、装置内に記号ごとの標準パターンを登録しておき、この標準パターンと入力パターンのマッチングによって認識を行えばよい。
・・・(中略)・・・
【0154】
S806の比較処理では、S804で認識された記号が、メモリ35に登録された複数の登録記号のいずれかと一致するか否かを確認し、その確認処理後、S804で認識された記号(認識記号)がいずれかの登録記号と一致したか否かを判断する処理を行う(S807)。なお、本実施形態では、メモリ35が「登録手段」の一例に相当する。また、制御回路40が「確認手段」の一例に相当する。」

「【0164】
[第9実施形態]
次に第9実施形態について図22を参照しつつ説明する。なお、図22は、第9実施形態に係る二次元コード読取装置で行われる解読処理の流れを例示するフローチャートである。
・・・(中略)・・・
【0178】
第8実施形態では、記入領域内に複数のセルが配置され、このセルに重ね書きされる形態で記号が記入されたときの例を示したが、図23(a)のように二次元コードQ8の記入領域861が作業者等によって塗り潰されてセルサイズよりも大きい単一色領域として構成され、この単一色領域に記号が記入されたときに、この記入された記号を認識するようにしてもよい。このようにすると、記入領域に記号が記入されたときに、記入された記号と背景(単一色領域)とを区別しやすく、記入された記号をより正確に認識することができる。」

(2)上記記載から,引用文献2には,次の技術的事項が記載されているものと認められる。

ア 第1実施形態
(ア)二次元コードQは,誤り訂正機能を有するものであり,また,2-M型のQRコードとして構成されており,3つの位置検出パターンと,データコードブロックと,誤り訂正コードブロックを配置しており(【0049】,【0061】),さらに,コード領域内に矩形枠として形成された目印の内部領域が記入領域として構成されている(【0063】)。

(イ)データコードブロックは,デコードすべきデータをコード化したブロックであり,複数のセルによって表現されている(【0062】)。

(ウ)誤り訂正コードブロックは,誤り訂正用のデータをコード化したブロックである(【0062】)。

(エ)記入領域は,明色セル或いは暗色セルにより構成され,ユーザの手作業或いは特別な記入装置などにより,当該明色セル或いは暗色セルの上から所定の記入がなされうる領域であり(【0064】),記入がなされた場合,記入後の二次元コードQの誤り検出において「所定の誤り率」が確認されるように構成されるものである(【0065】)。

(オ)二次元コードQは,解読処理が行われる際に,算出された誤り率が「所定の誤り率」であるか否かを判断することで,記入領域に記入がなされたか否かが判断されるものである(【0066】,【0069】)。

イ 第8実施形態
(ア)二次元コードQ8は,第1実施形態における二次元コードQとは,目印のみが若干異なるものの,同様の構成をなすものである(【0139】,【0141】,【0142】,【0143】)。

(イ)二次元コードQは,読取処理が行われる際の誤り検出処理で検出した誤り率が閾値以上であると判断される場合,特定された記号入力枠内の記号認識処理により認識された記号が,メモリに登録された複数の登録記号のいずれかと一致するか否か確認がなされるものである(【0144】,【0146】,【0149】,【0150】,【0154】)。

ウ 第9実施形態
(ア)二次元コードQ8は,第8実施形態における二次元コードQ8の「記入領域」が,セルサイズよりも大きい単一色領域として構成されるものであり,当該単一色領域に記号が記入されたときに,当該記号の認識が行われるものである。

(3)上記(1),(2)から,引用文献2には,第9実施形態として,次の技術的事項が記載されていると認められる。

「2-M型のQRコードとして構成され,誤り訂正機能を有する二次元コードであって,
3つの位置検出パターンと,デコードすべきデータを複数のセルによってコード化したブロックであるデータコードブロックと,誤り訂正用のデータをコード化したブロックである誤り訂正コードブロックとが配置されるとともに,コード領域内に矩形枠として形成された目印の内部領域に,前記セルサイズよりも大きい単一色領域として記入領域が構成されており,
当該単一色領域に記号が記入されたときに,読取処理が行われる際に検出した誤り率が閾値以上である場合,記号認識処理により認識された前記記号がメモリに登録された複数の登録記号のいずれかと一致するか否か確認がなされる二次元コード。」

3 その他の文献について
(1)原査定の拒絶の理由において引用された引用文献3である再公表特許第2014/077186号(平成29年1月5日発行。)と同内容を開示し,本願出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である国際公開第2014/077186号(2014年(平成26年)5月22日出願国際公開。以下,「参考文献1」という。)図面とともに,次の記載がある(当審注:下線は当審が付与した。)。

「[0026] 以下、本発明の実施形態を説明する。
図2は、第1実施形態の二次元コードを示す図である。
第1実施形態の二次元コードは、35×35セルの大きさを有し、9×9のブロックに分割され、隣接するブロック間に1セルの明の分離スペース23を有する。したがって、分離スペースは、8×8列の1セル幅のブロック間隔の格子状パターンになる。右下の3×3ブロックおよび3×3分離スペースの部分には第1位置検出パターン12Aが、左上の2×2ブロックおよび2×2分離スペースの部分には第2位置検出パターン12Dが、右上の3(横)×2(縦)ブロックおよび3×2分離スペースの部分には第3位置検出パターン12Bが、左下の2(横)×3(縦)ブロックおよび2×3分離スペースの部分には第4位置検出パターン12Cが、それぞれ設けられている。したがって、二次元コードの第1から第4位置検出パターン以外のブロックに、第1から第4位置検出パターン以上のパターンが出現することはない。
[0027] 二次元コードのコード部分の最小単位はセルである。二次元コードは、通常正方形または長方形の形状をとる。他の形状も可能だが、二次元コードの多くは四角形であり、第1実施形態の二次元コードも正方形であるが、これに限定されるものではなく、長方形でも他の形状でもよい。
[0028] 一般に、二次元コードは明暗のセルでデータを表し、第1実施形態の二次元コードもコード部は明暗のセルでデータを表す。
・・・(中略)・・・
[0032] 二次元コードの4個の位置検出パターン以外の56ブロックは、データ部であり、実データブロック、誤り訂正符号ブロック、バージョン情報ブロック、フォーマット情報ブロック、および絵柄埋込情報ブロックと、を含む。
・・・(中略)・・・
[0034] したがって、位置検出パターン、バージョン情報ブロック、フォーマット情報ブロック、絵柄埋込情報ブロック、位置補正パターンを設けるブロック、さらに誤り訂正符号ブロックを除いた、残りのブロック22が、実データブロックである。もし、絵柄の埋め込みが行われる場合には、絵柄埋込情報ブロックが指示する絵柄埋め込みブロックも実データブロックから除く。実データは、実データブロックに属するブロックについて、左上から右に順にデータを敷き詰め、敷き詰め終わったら1ブロック下の左から敷き詰めるという具合に順に記録する。」

「[0063]
図8は、第1実施形態の二次元コードにしたがって作成した二次元コードの別の例を示す図である。図8の二次元コードは、59×59セルで、15×15ブロックの二次元コードであり、バージョンは5×5となる。図8の二次元コードは、ブロック座標(2,5)と(11,8)を対角とする長方形の絵柄領域を有し、IDコードと物品名が記載された画像が付されている。これにより、ユーザーは、コードを認識する前でも認識対象の概要を判別することが可能である。」

「[図8]



(2)上記記載から,参考文献1には,次の技術的事項が記載されているものと認められる。

ア 二次元コードは,4つの位置検出パターン,実データブロック,誤り訂正符号ブロック,及び絵柄領域を有するものであり([0026],[0032],[0063],[図8]),また,最小単位である明暗のセルでデータを表すものである([0027],[0028])。

イ 実データブロックは,絵柄領域に絵柄の埋め込みが行われる場合には,当該絵柄領域(絵柄埋め込みブロック)は実データブロックから除かれるものである([0034])。

(3)上記(1),(2)から,参考文献1には,次の技術的事項が記載されていると認められる。

「最小単位である明暗のセルを有する二次元コードであって,
4つの位置検出パターン,明暗のセルでデータを表す実データブロック,誤り訂正符号ブロック,及び,絵柄の埋め込みが行われ,実データブロックから除かれる絵柄領域を有する二次元コード。」


第4 対比・判断
1 本願発明5について
(1)対比
ア 本願発明5と引用発明とを対比する。
(ア)引用発明の「正方形である暗セルと明セル」は,情報を符号化した符号化パターンを構成するものであるから,本願発明5の「情報を表示する単位となるセル」に相当する。
また,当該「正方形である暗セルと明セルを2次元的に組み合わせて構成」することは,本願発明5でいうところの「セルを配列してなる」ことに相当する。
そして,引用発明の「情報コード」は,「情報を符号化した符号化パターンを正方形である暗セルと明セルを2次元的に組み合わせて構成し,矩形状に形成されたマイクロQRコードが配置されるコード領域と」「で構成される」ものであるから,引用発明の「情報コード」と本願発明5の「情報コード」とは,後記する点で相違するものの,「所定のコード領域の内部に情報を表示する単位となるセルを配列してなる」点において一致するといえる。

(イ)引用発明の「位置決めシンボル」は,マイクロQRコードの技術仕様から,「予め定められた形状の特定パターン」であり,マイクロQRコード内の特定の領域(本願発明5の「特定パターン領域」)に配置されるものであることが明らかである。
また,引用発明の「暗セルと明セル」は,「複数種類」のセルであるといえ,また,当該暗セルと明セルとで「情報を符号化した符号化パターン」が構成される領域は,「データを記録するデータ記録領域」といえるものである。
そして,引用発明の「情報コード」は,その内部に「位置決めシンボルが配置され,暗セルと明セルとで情報を符号化した符号化パターンが構成されて」いるマイクロQRコードで構成されるものであるから,当該「情報コード」のコード領域の内部に,「位置決めシンボルが配置され,暗セルと明セルとで情報を符号化した符号化パターンが構成されて」いるといえるものである。
してみれば,引用発明の「情報コード」と本願発明5の「情報コード」とは,後記する点で相違するものの,「前記コード領域の内部に、予め定められた形状の特定パターンが配置される特定パターン領域と、複数種類の前記セルによってデータを記録するデータ記録領域と」「が設けられ」ている点において一致するといえる。

イ 以上のことから,本願発明5と引用発明との一致点及び相違点は,次のとおりである。

(一致点)
「 所定のコード領域の内部に情報を表示する単位となるセルを配列してなる情報コードであって、
前記コード領域の内部に、予め定められた形状の特定パターンが配置される特定パターン領域と、複数種類の前記セルによってデータを記録するデータ記録領域とが設けられていることを特徴とする情報コード。」

(相違点)
(相違点1)
本願発明5の情報コードは,「複数種類のセルによって誤り訂正符号を記録する誤り訂正符号記録領域が設けられ」ているのに対し,引用発明の情報コードは,そのような特定がなされていない点。

(相違点2)
本願発明5の情報コードは,「前記特定パターン領域及び前記データ記録領域以外の位置に、前記セルによって解読対象データが記録されない領域であって前記誤り訂正符号による誤り訂正の対象にならない空き領域が、単一の前記セルのサイズよりも大きいサイズで設けられ、前記空き領域内が検索キーの表示予定領域である認識対象領域として構成され」ているのに対し,引用発明の情報コードは,そのような特定がなされていない点。

(相違点3)
本願発明5の情報コードは,「表示部に表示され」る際に「前記検索キーの画像となる検索キー画像が前記認識対象領域に表され」,「前記データ記録領域に、前記検索キー画像を送信する送信先としてインターネット上の検索サイトを特定するアドレス情報が記録されている」のに対し,引用発明の情報コードは,そのような特定がなされていない点。

(2)相違点についての判断
事案に鑑みて,上記相違点3について先に検討すると,上記相違点3に係る本願発明5の「表示部に表示され」る際に「前記検索キーの画像となる検索キー画像が前記認識対象領域に表され」,「前記データ記録領域に、前記検索キー画像を送信する送信先としてインターネット上の検索サイトを特定するアドレス情報が記録されている」という構成(以下,「相違構成」という。)は,上記引用文献2及び参考文献1のいずれにも記載されておらず,当業者にとって自明な事項でもない。
また,引用発明に上記引用文献2及び参考文献1に記載の技術的事項のいずれを適用しても,本願発明5の上記相違構成を想到することは適宜なし得たとすることもできない。
したがって,他の相違点について判断するまでもなく,本願発明5は,当業者であっても引用発明及び引用文献2並びに参考文献1に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2 本願発明6-8について
本願発明6-8は,本願発明5を減縮した発明であり,よって,本願発明5の上記相違構成と同一の構成を備えるものであるから,本願発明5と同じ理由により,当業者であっても引用発明及び引用文献2並びに参考文献1に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

3 本願発明1について
本願発明1は,本願発明5の情報コードを生成する情報コード生成方法の発明であり,本願発明5の発明特定事項を全て有するカテゴリ表現が異なる発明であり,よって,本願発明5の上記相違構成と同一の構成を備えるものであるから,本願発明5と同じ理由により,当業者であっても引用発明及び引用文献2並びに参考文献1に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

4 本願発明2-4について
本願発明2-4は,本願発明1を減縮した発明であり,よって,本願発明5の上記相違構成と同一の構成を備えるものであるから,本願発明5と同じ理由により,当業者であっても引用発明及び引用文献2並びに参考文献1に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

5 本願発明9について
本願発明9は,本願発明5の情報コードを読み取る情報コード読取システムの発明であって,本願発明5の発明特定事項を全て有するカテゴリ表現が異なる発明であり,よって,本願発明5の上記相違構成と同一の構成を備えるものであるから,本願発明5と同じ理由により,当業者であっても引用発明及び引用文献2並びに参考文献1に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

5 本願発明10-14について
本願発明10-14は,本願発明9を減縮した発明であり,よって,本願発明5の上記相違構成と同一の構成を備えるものであるから,本願発明5と同じ理由により,当業者であっても引用発明及び引用文献2並びに参考文献1に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

6 本願発明15について
本願発明15は,本願発明5の情報コードを生成し読み取る情報コード利用システムの発明であって,本願発明5の発明特定事項を全て有するカテゴリ表現が異なる発明であり,本願発明5の上記相違構成と同一の構成を備えるものであるから,本願発明5と同じ理由により,当業者であっても引用発明及び引用文献2並びに参考文献1に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

7 本願発明16-20について
本願発明16-20は,本願発明15を減縮した発明であり,よって,本願発明5の上記相違構成と同一の構成を備えるものであるから,本願発明5と同じ理由により,当業者であっても引用発明及び引用文献2並びに参考文献1に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。


第5 原査定の概要及び原査定についての判断
(特許法第29条2項について)
原査定は,請求項1-40について上記引用文献1-3に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとしたものである。
しかしながら,平成30年12月25日付け手続補正により補正された請求項1-20に係る発明は,それぞれ前記「第4」で検討した相違点3に係る上記相違構成と同一の構成を備えるものになったことから,上記のとおり,本願発明5と同じ理由により,上記引用発明及び上記引用文献2-3に記載された技術的事項に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって,原査定を維持することはできない。


第6 当審拒絶理由について
1 特許法第36条第6項第2号について
当審では,
(1)請求項1-20の記載について,「検索対象」は,いわゆる「検索キー」と,検索される対象である「被検索」対象のいずれを表しているのかが明確でない;
(2)請求項1-20の記載について,「検索対象」と「検索対象画像」の異同が明確でない;
(3)請求項1-20の記載について,「自動的に送信」が行われる契機が不明である;
(4)請求項1-4,15-20の記載について,「前記情報コード生成装置に対して外部から入力された画像である検索対象画像が前記認識対象領域に表されるように前記情報コードを前記表示部に表示し、」との記載は,「情報コード生成方法」ではなく,むしろ情報コードを「表示する方法」を構成するステップのようにも解され,結果,全体として発明の構成を不明確にしている;
(5)請求項9-20の記載について,「情報コードが表示部に表示された情報コード媒体を撮像し」との記載に関し,「表示部」と「情報コード媒体」の異同について明確に把握できない;
との拒絶の理由を通知しているが,平成30年12月25日付け手続補正により特許請求の範囲の記載が補正された結果,この拒絶の理由は解消した。

2 特許法第36条第6項第1号について
当審では,請求項9-20について,
(1)「前記認識対象領域内に前記検索対象が表された状態で前記情報コード媒体が撮像された場合に、前記認識対象領域内に表される前記検索対象を検索する所定の検索処理を行う検索処理部」との記載について,認識対象領域内に検索キーとして表された「検索対象」自体を検索する所定の検索処理を検索処理部が行うことは,発明の詳細な説明には記載されていない;
(2)「検索処理部」,及び「情報コード読取システム」は,発明の詳細な説明に記載された実施例における「読取装置」と「管理装置(検索サイト)」を合わせたもの(段落【0090】),及び「読取装置」にそれぞれ対応するものと解されるが,請求項には(読取装置に対応する)「情報コード読取システム」が,(読取装置と管理装置(検索サイト)を合わせたものに対応する)「検索処理部」を有すると記載されており,発明の詳細な説明の記載と矛盾した内容となっている;
(3)「検索処理部」が有する「送信部」,「受信部」,「記憶部」,「類似画像抽出部」の各構成は,当該検索処理部を有する「情報コード読取システム」が有するものといえるのに対し,発明の詳細な説明を参酌すると,上記検索処理部に対応する「読取装置」と「管理装置(検索サイト)」のうち,「読取装置」が上記「送信部」を,「管理装置(検索サイト)」が上記「受信部」,「記憶部」,及び「類似画像抽出部」を有するべきものと解されるから,請求項と発明の詳細な説明の記載は矛盾している;
との拒絶の理由を通知しているが,平成30年12月25日付け手続補正により特許請求の範囲の記載が補正された結果,この拒絶の理由は解消した。


第7 むすび
以上のとおり,本願発明1-20は,当業者が引用発明及び引用文献2-3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-02-14 
出願番号 特願2014-126389(P2014-126389)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (G06K)
P 1 8・ 121- WY (G06K)
最終処分 成立  
前審関与審査官 梅沢 俊  
特許庁審判長 辻本 泰隆
特許庁審判官 須田 勝巳
▲はま▼中 信行
発明の名称 情報コード生成方法、情報コード、情報コード読取システム、及び情報コード利用システム  
代理人 田下 明人  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ