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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  B60C
審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載  B60C
管理番号 1348701
異議申立番号 異議2017-700921  
総通号数 231 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-03-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-09-27 
確定日 2018-12-17 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6104215号発明「空気入りタイヤ」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6104215号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?7〕について訂正することを認める。 特許第6104215号の請求項1ないし3、5ないし7に係る特許を維持する。 
理由 第1.手続の経緯
特許第6104215号の請求項1?7に係る特許についての出願は、平成26年9月24日に出願され、平成29年3月10日にその特許権の設定登録がされ、同年3月29日に特許掲載公報が発行された。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。
平成29年 9月27日 :特許異議申立人清水すみ子(以下「特許異議
申立人」という。)より請求項1?3、5?
7に係る特許に対する特許異議の申立て
同年12月 6日付け:取消理由通知書
平成30年 2月 6日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出
同年 2月19日付け:訂正請求があった旨の通知書(特許法第12
0条の5第5項)
同年 3月20日 :特許異議申立人による意見書の提出
同平 6月 4日付け:取消理由通知書(決定の予告)
同年 8月 3日 :特許権者による意見書の提出及び訂正請求
同年 8月24日付け:訂正請求があった旨の通知書(特許法第12
0条の5第5項)
同年 9月27日 :特許異議申立人による意見書の提出

第2.訂正の適否
1.訂正の内容
平成30年8月3日にされた訂正の請求(以下「本件訂正請求」という。また、本件訂正請求に係る訂正を「本件訂正」という。)は、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを求めるものであり、その訂正の内容は以下のとおりである。(下線部は訂正個所)
なお、平成30年2月6日にされた訂正の請求は、特許法第120条の5第7項の規定により、取下げられたものとみなす。

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、
「トレッド部に、トレッド端側をタイヤ周方向に連続してのびるショルダー主溝と、前記ショルダー主溝のタイヤ軸方向外側のショルダー陸部とを含む空気入りタイヤであって、前記ショルダー陸部には、前記ショルダー主溝からトレッド端側にのびかつタイヤ軸方向の外端が前記ショルダー陸部内で終端する第1ショルダーサイプと、前記第1ショルダーサイプの前記外端よりもトレッド端側に位置する内端からトレッド端までのびる第2ショルダーサイプとを含み、前記第2ショルダーサイプの前記内端は、前記第1ショルダーサイプをタイヤ軸方向外側に仮想延長した位置に設けられている」
と記載されているのを、
「トレッド部に、トレッド端側をタイヤ周方向に連続してのびるショルダー主溝と、前記ショルダー主溝のタイヤ軸方向外側のショルダー陸部とを含む空気入りタイヤであって、前記ショルダー陸部には、前記ショルダー主溝からトレッド端側にのびかつタイヤ軸方向の外端が前記ショルダー陸部内で終端する第1ショルダーサイプと、前記第1ショルダーサイプの前記外端よりもトレッド端側に位置する内端からトレッド端までのびる第2ショルダーサイプとを含み、前記第2ショルダーサイプの前記内端は、前記第1ショルダーサイプをタイヤ軸方向外側に仮想延長した位置に設けられており、前記トレッド部には、前記ショルダー主溝のタイヤ軸方向内側をタイヤ周方向に連続してのびる少なくとも1本のセンター主溝と、前記ショルダー主溝と前記センター主溝との間に区分されたミドル陸部とを含み、前記ミドル陸部には、第1端が前記センター主溝又は前記ショルダー主溝に位置しかつ第2端が前記ミドル陸部内で終端する複数のミドルラグ溝が設けられ、前記ミドルラグ溝の長さは、前記ミドル陸部の最大幅の50%?90%であり、前記ミドルラグ溝は、前記第1端が前記ショルダー主溝に位置しかつ前記第2端が前記ミドル陸部内で終端する第1ミドルラグ溝と、前記第1端が前記センター主溝に位置しかつ前記第2端が前記ミドル陸部内で終端する第2ミドルラグ溝とを含む」
に訂正する(請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2、3、5?7も同様に訂正する)。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項3に、
「前記トレッド部には、前記ショルダー主溝のタイヤ軸方向内側をタイヤ周方向に連続してのびる少なくとも1本のセンター主溝と、前記ショルダー主溝と前記センター主溝との間に区分されたミドル陸部とを含み、前記ミドル陸部には、第1端が前記センター主溝又は前記ショルダー主溝に位置しかつ第2端が前記ミドル陸部内で終端する複数のミドルラグ溝が設けられ、前記ミドルラグ溝の溝幅は、前記第1端から前記第2端に向かって段階的に小さくなるように変化している」
と記載されているのを、
「前記ミドルラグ溝の溝幅は、前記第1端から前記第2端に向かって段階的に小さくなるように変化している」
に訂正する(請求項3の記載を直接的又は間接的に引用する請求項5?7も同様に訂正する)。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項4に、
「前記ミドル陸部には、前記センター主溝と前記ショルダー主溝との間を継ぐ複数本の第1ミドルサイプが設けられ、前記ミドルラグ溝とこれに隣接する前記第1ミドルサイプとの間に区分された陸部片には、前記第1端側に向かってタイヤ半径方向内方に傾斜する面取り部が設けられている請求項3記載の空気入りタイヤ」と記載されているのを、
「トレッド部に、トレッド端側をタイヤ周方向に連続してのびるショルダー主溝と、前記ショルダー主溝のタイヤ軸方向外側のショルダー陸部とを含む空気入りタイヤであって、前記ショルダー陸部には、前記ショルダー主溝からトレッド端側にのびかつタイヤ軸方向の外端が前記ショルダー陸部内で終端する第1ショルダーサイプと、前記第1ショルダーサイプの前記外端よりもトレッド端側に位置する内端からトレッド端までのびる第2ショルダーサイプとを含み、前記第2ショルダーサイプの前記内端は、前記第1ショルダーサイプをタイヤ軸方向外側に仮想延長した位置に設けられており、前記トレッド部には、前記ショルダー主溝のタイヤ軸方向内側をタイヤ周方向に連続してのびる少なくとも1本のセンター主溝と、前記ショルダー主溝と前記センター主溝との間に区分されたミドル陸部とを含み、前記ミドル陸部には、第1端が前記センター主溝又は前記ショルダー主溝に位置しかつ第2端が前記ミドル陸部内で終端する複数のミドルラグ溝が設けられ、前記ミドルラグ溝の溝幅は、前記第1端から前記第2端に向かって段階的に小さくなるように変化しており、前記ミドル陸部には、前記センター主溝と前記ショルダー主溝との間を継ぐ複数本の第1ミドルサイプが設けられ、前記ミドルラグ溝とこれに隣接する前記第1ミドルサイプとの間に区分された陸部片には、前記第1端側に向かってタイヤ半径方向内方に傾斜する面取り部が設けられていることを特徴とする空気入りタイヤ。」
に訂正する(請求項4の記載を直接的又は間接的に引用する請求項5?7も同様に訂正する)。

(4)訂正前の請求項1?7は、請求項2?7が、訂正の請求の対象である請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する関係にあるから、訂正前において一群の請求項に該当するものである。
したがって、訂正の請求は、一群の請求項ごとにされたものである。

2.訂正の適否
(1)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
ア.訂正事項1は、請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「トレッド部」に関し、訂正前の請求項3の発明特定事項の一部に基づいて「前記トレッド部には、前記ショルダー主溝のタイヤ軸方向内側をタイヤ周方向に連続してのびる少なくとも1本のセンター主溝と、前記ショルダー主溝と前記センター主溝との間に区分されたミドル陸部とを含み、前記ミドル陸部には、第1端が前記センター主溝又は前記ショルダー主溝に位置しかつ第2端が前記ミドル陸部内で終端する複数のミドルラグ溝が設けられ」との限定を加えるとともに、願書に添付された明細書(以下「本件明細書」といい、図面を含めて「本件明細書等」という。)の段落【0044】の記載内容に基づいて「前記ミドルラグ溝は、前記第1端が前記ショルダー主溝に位置しかつ前記第2端が前記ミドル陸部内で終端する第1ミドルラグ溝と、前記第1端が前記センター主溝に位置しかつ前記第2端が前記ミドル陸部内で終端する第2ミドルラグ溝とを含む」との限定を加え、さらに「ミドルラグ溝」に関し、同段落【0050】の記載内容に基づいて「前記ミドルラグ溝の長さは、前記ミドル陸部の最大幅の50%?90%であり」との限定を加えるものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

イ.訂正事項2は、上記訂正事項1に係る訂正に伴って、訂正前の請求項3の発明特定事項の一部である「前記トレッド部には、前記ショルダー主溝のタイヤ軸方向内側をタイヤ周方向に連続してのびる少なくとも1本のセンター主溝と、前記ショルダー主溝と前記センター主溝との間に区分されたミドル陸部とを含み、前記ミドル陸部には、第1端が前記センター主溝又は前記ショルダー主溝に位置しかつ第2端が前記ミドル陸部内で終端する複数のミドルラグ溝が設けられ」との事項が重複することを解消するためのものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ.訂正事項3は、訂正前において、請求項4が請求項1又は2を引用する請求項3を引用する記載であったところ、訂正後に、請求項2を引用しないものとした上で、請求項1を引用する請求項3を引用するものについて、請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改める訂正であるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないことを目的とするとともに、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(2)独立特許要件
本件においては、請求項1?3及び5?7について特許異議の申立てがされ、請求項4について申立てがされていないので、訂正後における請求項1?3及び請求項4を引用しない請求項5?7に係る発明については特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項で規定される独立特許要件は課されない。
一方、特許異議の申立てがされていない請求項4及び請求項4を引用する請求項5?7は、上記訂正事項3により特許請求の範囲の減縮(特許法第120条の5第2項ただし書第1号)を目的に含むものとして訂正されているから、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の規定により、訂正後の請求項4及び請求項4を引用する請求項5?7に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない。
ここで、訂正後の請求項4に係る発明は、「前記ミドル陸部には、前記センター主溝と前記ショルダー主溝との間を継ぐ複数本の第1ミドルサイプが設けられ、前記ミドルラグ溝とこれに隣接する前記第1ミドルサイプとの間に区分された陸部片には、前記第1端側に向かってタイヤ半径方向内方に傾斜する面取り部が設けられている」との構成を含むものである。
そして、特許異議申立書に添付した甲第1号証?甲第12号証及び平成30年3月20日に特許異議申立書人が提出した意見書に添付された参考文献1?参考文献4には、少なくとも訂正後の請求項4に係る発明に含まれる当該構成は開示されていないから、訂正後の請求項4及び請求項4を引用する請求項5?7に係る発明は特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を見いだせない。
さらに、他に訂正後の請求項4及び請求項4を引用する請求項5?7に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由も見当たらない。
したがって、訂正後の請求項4及び請求項4を引用する請求項5?7に記載されている事項により特定される発明は、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の規定に適合する。

3.小括
したがって、上記訂正請求による訂正事項1?3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号又は第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項から第7項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1?7〕についての訂正を認める。

第3.本件発明
本件訂正請求により訂正された請求項1?7に係る発明は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1?7に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、その請求項1?3、5?7に係る発明(以下「本件発明1?3、5?7」という。)は、次の事項により特定されるとおりのものである。
「 【請求項1】
トレッド部に、トレッド端側をタイヤ周方向に連続してのびるショルダー主溝と、前記ショルダー主溝のタイヤ軸方向外側のショルダー陸部とを含む空気入りタイヤであって、
前記ショルダー陸部には、前記ショルダー主溝からトレッド端側にのびかつタイヤ軸方向の外端が前記ショルダー陸部内で終端する第1ショルダーサイプと、
前記第1ショルダーサイプの前記外端よりもトレッド端側に位置する内端からトレッド端までのびる第2ショルダーサイプとを含み、
前記第2ショルダーサイプの前記内端は、前記第1ショルダーサイプをタイヤ軸方向外側に仮想延長した位置に設けられており、
前記トレッド部には、前記ショルダー主溝のタイヤ軸方向内側をタイヤ周方向に連続してのびる少なくとも1本のセンター主溝と、前記ショルダー主溝と前記センター主溝との間に区分されたミドル陸部とを含み、
前記ミドル陸部には、第1端が前記センター主溝又は前記ショルダー主溝に位置しかつ第2端が前記ミドル陸部内で終端する複数のミドルラグ溝が設けられ、
前記ミドルラグ溝の長さは、前記ミドル陸部の最大幅の50%?90%であり、
前記ミドルラグ溝は、前記第1端が前記ショルダー主溝に位置しかつ前記第2端が前記ミドル陸部内で終端する第1ミドルラグ溝と、前記第1端が前記センター主溝に位置しかつ前記第2端が前記ミドル陸部内で終端する第2ミドルラグ溝とを含むことを特徴とする空気入りタイヤ。
【請求項2】
前記第2ショルダーサイプは、前記第1ショルダーサイプをタイヤ軸方向外側に仮想延長した延長線上をのびている請求項1記載の空気入りタイヤ。 【請求項3】
前記ミドルラグ溝の溝幅は、前記第1端から前記第2端に向かって段階的に小さくなるように変化している請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。 【請求項5】
前記ミドル陸部には、前記ミドルラグ溝の前記第2端から、前記第1端とは反対側にのびて前記センター主溝又は前記ショルダー主溝に連通する第2ミドルサイプが設けられている請求項3又は4に記載の空気入りタイヤ。 【請求項6】
前記ショルダー陸部には、トレッド端からタイヤ軸方向内側にのびかつ内端がショルダー陸部で終端するショルダーラグ溝と、
前記ショルダーラグ溝の前記内端と前記ショルダー主溝との間を継ぐ第3ショルダーサイプとが設けられている請求項1乃至5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項7】
前記トレッド部には、前記ショルダー主溝のタイヤ軸方向内側をタイヤ周方向に連続してのびる一対のセンター主溝と、前記センター主溝の間に区分されたセンター陸部とを含み、
前記センター陸部には、第1端が前記センター主溝に位置しかつ第2端が前記センター陸部内で終端する複数のセンターラグ溝が設けられ、
前記センターラグ溝の溝幅は、前記第1端から前記第2端に向かって段階的に小さくなるように変化している請求項1乃至6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。」

第4.取消理由の概要
1.本件発明1?3及び5?7に係る特許に対して平成30年6月4日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は、以下のとおりである。

[取消理由]
本件特許の請求項1?3、5?7に係る発明は、本件特許の出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物1?15に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。



刊行物1:特開2014-97725号公報 (特許異議申立人が提出した
甲第2号証)
刊行物2:特開2013-49325号公報(同参考文献1)
刊行物3:特開2014-162439号公報(同参考文献2)
刊行物4:特開2014-162259号公報(同参考文献3)
刊行物5:特開2011-25786号公報(同参考文献4)
刊行物6:特開平10-24707号公報 (同甲第5号証)
刊行物7:特開2012-162194号公報(同甲第6号証)
刊行物8:特開2013-133081号公報(同甲第7号証)
刊行物9:特開平10-236112号公報 (同甲第1号証)
刊行物10:特開2004-168189号公報(同甲第8号証)
刊行物11:特開2013-193464号公報(同甲第9号証)
刊行物12:特開2012-224245号公報(同甲第10号証)
刊行物13:特開2014-97765号公報 (同甲第11号証)
刊行物14:特開2010-132236号公報(同甲第12号証)

2.[取消理由]の概要は上記1.のとおりであるが、各請求項と刊行物の対応関係を簡略的に示すと、次のとおりとなる。 (「周知技術」には便宜上、番号(1?6)を付している。)
(1)刊行物1(甲第2号証)を主たる証拠とする場合
・請求項1、2
・刊行物1及び周知技術1(刊行物2?5)

・請求項3、5
・さらに、周知技術2(刊行物6?8)

・請求項6
・さらに、周知技術3(刊行物9?11)

・請求項7
・さらに、周知技術4(刊行物7、12)

(2)刊行物7(甲第6号証)を主たる証拠とする場合
・請求項1?3、7
・刊行物7、上記周知技術1及び周知技術5(刊行物1、9)

・請求項5
・さらに、周知技術6(刊行物6、13、14)

・請求項6
・さらに、上記周知技術3

第5.当審の判断
1.刊行物1(甲第2号証)を主たる証拠とする場合
(1)刊行物1及び周知技術1?4
(1-1)刊行物1の記載事項及び刊行物1に記載された発明
刊行物1には、「空気入りタイヤ」に関し、図面とともに以下の事項が記載されている。(下線は当審で付与。以下同様。)
ア.「【背景技術】
【0002】
従来から、ウエット性能向上のために、トレッドのショルダー部にタイヤ周方向に対して斜めに延びるサイプをタイヤ周方向に一定間隔で設けてブロック状のショルダー陸部を形成しているタイヤがある・・・
【0004】
ところで、一般的なタイヤでは、ロードノイズの抑制のために、陸部に多くの斜めサイプを設けて、接地時における陸部のタイヤ径方向の圧縮剛性を低下させることがある。
しかし、斜めサイプを配置し過ぎると、陸部のタイヤ周方向に対して斜め方向の剛性が低下してしまう。特に、ショルダー陸部では、旋回時に生じる応力が大きいため、陸部のタイヤ周方向に対して斜め方向の剛性が重要になる。
【0005】
本発明は、ショルダー陸部のタイヤ径方向の圧縮剛性を低減させつつ、ショルダー陸部のタイヤ周方向に対して斜め方向の剛性を確保することを課題とする。」

イ.「【0014】
図1には、タイヤ10のトレッド12の展開図が示されている。なお、図1中の矢印Sはタイヤ10の周方向(以下、適宜「タイヤ周方向」と記載する。)を示し、矢印Wはタイヤ10の軸方向(以下、適宜「タイヤ軸方向」と記載する。)を示している。タイヤ軸方向についてはタイヤ幅方向と読み替えてもよい。
また、符号CLはタイヤ10のタイヤ軸方向の中心を通りタイヤ軸方向に直角な面である赤道面(以下、適宜「タイヤ赤道面」と記載する。)を示している。
なお、本実施形態では、タイヤ軸方向に沿ってタイヤ10の赤道面CLに近い側を「タイヤ軸方向内側」、タイヤ軸方向に沿ってタイヤ10の赤道面CLから遠い側を「タイヤ軸方向外側」と記載する。
【0015】
また、図1中の符号12Eは、トレッド12の接地端を示している。なお、ここでいう「接地端」とは、タイヤ10をJATMA YEAR BOOK(日本自動車タイヤ協会規格、2012年度版)に規定されている標準リムに装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力(内圧-負荷能力対応表の太字荷重)に対応する空気圧(最大空気圧)の100%の内圧を充填し、最大負荷能力を負荷したときの接地面のタイヤ幅方向外側端を指している。また、タイヤ10の使用地又は製造地においては、JATMA規格に代わりTRA規格またはETRTO規格が適用される。」

ウ.「【0017】
図1に示すように、タイヤ10の路面との接地部位を構成するトレッド12には、タイヤ赤道面CL上にタイヤ周方向に沿って略ジグザグ状に延びるセンター周方向溝14が形成されている。なお、本発明は、上記構成に限定されず、センター周方向溝14は、直線状に延びる構成であってもよい。
【0018】
また、トレッド12には、センター周方向溝14を挟んで両側にタイヤ周方向に沿って直線状に延びる一対のショルダー周方向溝16が形成されている。また、本実施形態では、ショルダー周方向溝16の溝幅が一定とされている。なお、ショルダー周方向溝16は、本発明のタイヤ軸方向最外側の周方向溝の一例である。
トレッド12には、センター周方向溝14からショルダー周方向溝16に向かって延び、途中でタイヤ周方向に折れ曲がるセンターラグ溝18が、タイヤ周方向に一定間隔で複数形成されている。
このセンターラグ溝18は、センター周方向溝14からタイヤ周方向に対して斜めに延びる横溝部18Aと、横溝部18Aの端部からタイヤ周方向に延びる縦溝部18Bとで構成されている。
【0019】
また、トレッド12には、縦溝部18Bの端部(センターラグ溝18の端部)とショルダー周方向溝16とを接続する第1センターサイプ20が設けられている。この第1センターサイプ20は、縦溝部18Bの端部からタイヤ周方向に延び、途中でショルダー周方向溝16に向かって折れ曲がっている。なお、本実施形態では、第1センターサイプ20の折れ曲がり部分20Aと横溝部18Aとがタイヤ周方向に対して逆向きに傾斜している。この構成により、例えば、走行時に折れ曲がり部分20Aのエッジと横溝部18Aのエッジとで生じるエッジ効果が互いに打ち消し合うため、車両の片側流れを抑制することができる。
【0020】
なお、ここでいう「サイプ」は、接地時に壁面同士が接触して閉じる程度の溝幅に設定された細溝を指している。また、サイプ以外の溝は、接地時に壁面同士が接触しない溝幅に設定されている。
【0021】
前述したセンター周方向溝14、ショルダー周方向溝16、センターラグ溝18、及び第1センターサイプ20によってトレッド12のセンター部には、ブロック状陸部22がタイヤ周方向に複数形成されている。なお、タイヤ周方向に並べられた複数のブロック状陸部22により、センター陸部が構成されている。」

エ.「【0026】
図1に示すように、トレッド12のショルダー部には、リブ状陸部30が形成されている。具体的には、リブ状陸部30は、ショルダー周方向溝16のタイヤ軸方向外側に形成されている。なお、リブ状陸部30は、本発明のショルダー陸部の一例である。
本実施形態では、ショルダー周方向溝16を含んでタイヤ軸方向内側をトレッド12のセンター部、このセンター部のタイヤ軸方向外側をショルダー部としている。
【0027】
リブ状陸部30には、後述する第1ショルダーサイプ32、第2ショルダーサイプ34、第3ショルダーサイプ36、第4ショルダーサイプ38及び小孔40のみが設けられている。なお、本発明はこの構成に限定されず、上記以外のパターン要素(例えば、サイプや溝など)がリブ状陸部30に設けられていてもよい。
【0028】
また、本実施形態のリブ状陸部30は、切り欠き部31、第1ショルダーサイプ32、第2ショルダーサイプ34、第3ショルダーサイプ36、及び第4ショルダーサイプ38によってタイヤ周方向に分断されずに、タイヤ周方向に連続している。言い換えると、リブ状陸部30は、タイヤ周方向に地続きになっている。
切り欠き部31は、リブ状陸部30のショルダー周方向溝16側の側壁をタイヤ軸方向外側に切り欠いて形成された部位であり、本実施形態では、上記側壁を略三角形状に切り欠いて形成された部位である。
【0029】
第1ショルダーサイプ32は、タイヤ周方向に対して斜めに延びてリブ状陸部30内で終端している。この第1ショルダーサイプ32は、タイヤ周方向に一定間隔で複数形成されている。本実施形態では、第1ショルダーサイプ32は、切り欠き部31の先端部からタイヤ周方向に対して斜めに延びている。また、本実施形態では、第1ショルダーサイプ32の延びる方向は、第3センターサイプ26の延びる方向と同じ方向(本実施形態では、平行)とされている。なお、本実施形態の第1ショルダーサイプ32は、本発明のサイプの一例である。
【0030】
第2ショルダーサイプ34は、接地端12Eからタイヤ周方向に対して斜めに延びてリブ状陸部30内で終端している。また、第2ショルダーサイプ34は、タイヤ周方向に第1ショルダーサイプ32と同じ間隔で形成されている。なお、本実施形態では、第1ショルダーサイプ32の延長線EL上に第2ショルダーサイプ34が配置されている。」

オ.「【0039】
次に、タイヤ10の作用効果について説明する。
タイヤ10では、ショルダー部のリブ状陸部30に第1ショルダーサイプ32及び第2ショルダーサイプ34を設けていることから、第1ショルダーサイプ32及び第2ショルダーサイプ34の各々の開口縁部(エッジ)により、ウエット路面上の水膜を除去することができるため、ウエット路面走行時における走行性能(主に制動性能)を確保することができる。」

カ.次の図面が示されている。


キ.上記記載事項ウ.の段落【0021】の記載内容及び【図1】を参酌すると、センター周方向溝14とショルダー周方向溝16との間にセンター陸部が構成されていることは明らかである。

以上の記載事項及び認定事項によれば、刊行物1には、以下の発明が記載されていると認められる(以下「引用発明1」という。)。
「トレッド12には、タイヤ赤道面CL上にタイヤ周方向に沿って延びるセンター周方向溝14を挟んで両側にタイヤ周方向に沿って直線状に延びる一対のショルダー周方向溝16が形成され、前記トレッド12のショルダー部には、前記ショルダー周方向溝16のタイヤ軸方向外側にリブ状陸部30が形成され、
前記リブ状陸部30には、第1ショルダーサイプ32、第2ショルダーサイプ34が設けられ、前記第1ショルダーサイプ32は、タイヤ周方向に対して斜めに延びて前記リブ状陸部30内で終端し、前記第2ショルダーサイプ34は、接地端12Eからタイヤ周方向に対して斜めに延びてリ前記ブ状陸部30内で終端し、前記第1ショルダーサイプ32の延長線EL上に前記第2ショルダーサイプ34が配置されており、
前記センター周方向溝14と前記ショルダー周方向溝16との間にセンター陸部が構成され、前記センター陸部には、前記センター周方向溝14からタイヤ周方向に対して斜めに延びる横溝部18Aと、前記横溝部18Aの端部からタイヤ周方向に延びる縦溝部18Bとで構成されているセンターラグ溝18が複数形成され、前記センターラグ溝18の端部と前記ショルダー周方向溝16とを接続する第1センターサイプ20が設けられ、前記第1センターサイプ20が前記縦溝部18Bの端部からタイヤ周方向に延び、途中で前記ショルダー周方向溝16に向かって前記横溝部18Aとはタイヤ周方向に対して逆向きに傾斜して折れ曲がっている折れ曲がり部分20で構成されている空気入りタイヤ。」

(1-2)周知技術1(刊行物2?5)
刊行物2の段落【0005】及び段落【0045】の記載内容並びに【図1】の図示内容により、刊行物2にはマッド性能及び排水性能を向上させるために「ミドル陸部6に、一端がショルダー周方向溝3に位置しかつ他端がミドル陸部6内で終端するミドル外ラグ溝22と、一端がセンター周方向溝4に位置しかつ他端がミドル陸部6内で終端するミドル内ラグ溝23を含ませていること」が記載されているといえる。
刊行物3の段落【0006】及び段落【0037】?段落【0039】の記載内容並びに【図1】及び【図3】の図示内容から、刊行物3にはマッド性能及びノイズ性能を向上させるために「ミドル陸部6に、一端がショルダー主溝3に位置しかつ他端がミドル陸部6内で終端する外側ミドルラグ溝11と、一端がクラウン主溝4に位置しかつ他端がミドル陸部6内で終端する内側ミドルラグ溝12を含ませていること」が記載されているといえる。
刊行物4の段落【0007】、段落【0044】及び段落【0045】の記載内容並びに【図1】及び【図2】の図示内容から、刊行物4にはマッド性能及びノイズ性能を向上させるために「ミドル陸部6に、一端がショルダー周方向主溝3に位置しかつ他端がミドル陸部6内で終端する外のミドルスロット22と、一端がセンター周方向主溝4に位置しかつ他端がミドル陸部6内で終端する内のミドルスロット21を含ませていること」が記載されているといえる。
刊行物5の段落【0005】及び段落【0033】の記載内容並びに【図1】及び【図3】の図示内容から、刊行物5にはウエット性能、ドライ性能、及び低転がり抵抗を向上させるために「センターリブ18に、一端が第2周方向溝16に位置しかつ他端がセンターリブ18内で終端する第2切欠24と、一端が第1周方向溝14に位置しかつ他端がセンターリブ18内で終端する第1切欠22を含ませていること」が記載されているといえる。
以上の刊行物2?5により、空気入りタイヤの技術分野において、ウエット性能又はマッド性能(エッジ効果)等を向上させるために、ミドル陸部に、一端がショルダー主溝に位置しかつ他端がミドル陸部内で終端するミドルラグ溝と、一端がセンター主溝に位置しかつ他端がミドル陸部内で終端するミドルラグ溝とを含ませる構成は、本件出願日前に周知の技術といえる。

(1-3)周知技術2(刊行物6?8)
刊行物6の段落【0019】の記載内容並びに【図1】の図示内容から、刊行物6には「横溝4の溝幅は、ショルダー部主溝2sに位置する一端から陸部3の内部に位置する他端に向かって段階的に小さくなるように変化していること」が記載されているといえる。
刊行物7の段落【0019】の記載内容並びに【図1】及び【図2】の図示内容から、刊行物7には「ラグ溝21の溝幅は、主溝2に位置する一端からミドルリブ20の内部に位置する他端に向かって段階的に小さくなるように変化していること」が記載されているといえる。
刊行物8の段落【0033】の記載内容並びに【図2】及び【図5】の図示内容から、刊行物8には「第2ラグ溝36の溝幅は、最内側周方向主溝20に位置する一端から第2リブ34の内部に位置する他端に向かって段階的に小さくなるように変化していること」が記載されているといえる。
以上の刊行物6?8により、ミドルラグ溝の溝幅を、ショルダー主溝に位置する一端からミドル陸部の内部に位置する他端に向かって段階的に小さくなるように変化することは、本件出願日前に周知の技術といえる。

(1-4)周知技術3(刊行物9?11)
刊行物9の段落【0009】の記載内容及び【図1】の図示内容から、刊行物9には「側部区画4に、トレッド端からタイヤ軸方向内側にのびかつ内端が前記側部区画4で終端する横溝8と、前記横溝8の前記内端と周方向細溝との間を継ぐ微小サイプ13とを設けること」が記載されているといえる。
刊行物10の段落【0018】の記載内容及び【図1】の図示内容から、刊行物10には「ショルダー陸部列5に、トレッド端からタイヤ軸方向内側にのびかつ内端が前記ショルダー陸部列5で終端する横溝6と、前記横溝6の前記内端と周溝3との間を継ぐサイプ8とを設けること」が記載されているといえる。
刊行物11の段落【0060】の記載内容及び【図2】の図示内容から、刊行物11には「ショルダー陸部13に、トレッド端からタイヤ軸方向内側にのびかつ内端がショルダー陸部13で終端するショルダー横溝18と、前記ショルダー横溝18の前記内端とショルダー主溝10との間を継ぐショルダー補助サイプ20とを設けること」が記載されているといえる。
以上の刊行物9?11により、ショルダー陸部に、トレッド端からタイヤ軸方向内側にのびかつ内端がショルダー陸部で終端するショルダーラグ溝と、前記ショルダーラグ溝の前記内端とショルダー主溝との間を継ぐショルダーサイプとを設けることは、本件出願日前に周知の技術といえる。

(1-5)周知技術4(刊行物7、12)
刊行物7の段落【0018】の記載内容及び【図1】の図示内容から、刊行物7には、「トレッド部に、主溝2のタイヤ軸方向内側をタイヤ周方向に連続してのびる一対の主溝1と、前記主溝1の間に区分されたセンターリブ10とを含み、前記センターリブ10には、第1端が前記主溝1に位置しかつ第2端が前記センターリブ10内で終端する複数のラグ溝11が設けられ、前記ラグ溝11の溝幅は、前記第1端から前記第2端に向かって段階的に小さくなるように変化する構成」が記載されているといえる。
刊行物12の段落【0053】の記載内容並びに【図1】及び【図4】の図示内容から、刊行物12には「トレッド部2に、ショルダー主溝4のタイヤ軸方向内側をタイヤ周方向に連続してのびる一対のセンター主溝3と、前記センター主溝3の間に区分されたセンター陸部6とを含み、前記センター陸部6には、第1端が前記センター主溝3に位置しかつ第2端が前記センター陸部6内で終端する複数のセンターラグ溝25が設けられ、前記センターラグ溝25の溝幅は、前記第1端から前記第2端に向かって段階的に小さくなるように変化する構成」が記載されているといえる。
以上の刊行物7及び12により、トレッド部に、ショルダー主溝のタイヤ軸方向内側をタイヤ周方向に連続してのびる一対のセンター主溝と、前記センター主溝の間に区分されたセンター陸部とを含み、前記センター陸部には、第1端が前記センター主溝に位置しかつ第2端が前記センター陸部内で終端する複数のセンターラグ溝が設けられ、前記センターラグ溝の溝幅は、前記第1端から前記第2端に向かって段階的に小さくなるように変化する構成は、本件出願日前に周知の技術といえる。

(2)対比・判断
(2-1)本件発明1について
ア.対比
本件発明1と引用発明1を対比する。

後者の「トレッド12」は前者の「トレッド部」に相当し、後者の「空気入りタイヤ」は前者の「空気入りタイヤ」に相当する。

後者の「タイヤ赤道面CL上にタイヤ周方向に沿って延びるセンター周方向溝14」は前者の「タイヤ周方向に連続してのびる少なくとも1本のセンター主溝」に相当し、後者の「センター周方向溝14を挟んで両側にタイヤ周方向に沿って直線状に延びる一対のショルダー周方向溝16」は前者の「トレッド端側をタイヤ周方向に連続してのびるショルダー主溝」に相当するから、後者の「トレッド12には、タイヤ赤道面CL上にタイヤ周方向に沿って延びるセンター周方向溝14を挟んで両側にタイヤ周方向に沿って直線状に延びる一対のショルダー周方向溝16が形成され」る構成は、前者の「トレッド部に、トレッド端側をタイヤ周方向に連続してのびるショルダー主溝と、」「前記トレッド部には、前記ショルダー主溝のタイヤ軸方向内側をタイヤ周方向に連続してのびる少なくとも1本のセンター主溝と」「を含」む構成に相当する。

後者の「前記トレッド12のショルダー部」の「ショルダー周方向溝16のタイヤ軸方向外側に」「形成され」る「リブ状陸部30」は前者の「前記ショルダー主溝のタイヤ軸方向外側のショルダー陸部」に相当するから、後者の「前記トレッド12のショルダー部には、ショルダー周方向溝16のタイヤ軸方向外側にリブ状陸部30が形成され」る構成は、前者の「トレッド部に、」「前記ショルダー主溝のタイヤ軸方向外側のショルダー陸部とを含む」構成に相当する。

後者の「前記リブ状陸部30に」「設けられ、」「タイヤ周方向に対して斜めに延びてリブ状陸部30内で終端」する「第1ショルダーサイプ32」は、刊行物1の【図1】を参酌するとショルダー周方向溝16からトレッド12の接地端12E側にのびかつタイヤ軸方向の外端がリブ状陸部30内で終端していることは明らかであるから、前者の「前記ショルダー陸部に」「含」まれ「前記ショルダー主溝からトレッド端側にのびかつタイヤ軸方向の外端が前記ショルダー陸部内で終端する第1ショルダーサイプ」に相当する。
後者の「前記リブ状陸部30に」「設けられ、」「接地端12Eからタイヤ周方向に対して斜めに延びてリブ状陸部30内で終端」する「第2ショルダーサイプ34」は、前者の「前記ショルダー陸部に」「含」まれ「前記第1ショルダーサイプの前記外端よりもトレッド端側に位置する内端からトレッド端までのびる第2ショルダーサイプ」に相当する。
また、後者の「前記第1ショルダーサイプ32の延長線EL上に前記第2ショルダーサイプ34が配置され」る構成は、前者の「前記第2ショルダーサイプの前記内端は、前記第1ショルダーサイプをタイヤ軸方向外側に仮想延長した位置に設けられ」る構成に相当する。
そうすると、後者の「前記リブ状陸部30には、第1ショルダーサイプ32、第2ショルダーサイプ34が設けられ、第1ショルダーサイプ32は、タイヤ周方向に対して斜めに延びてリブ状陸部30内で終端し、第2ショルダーサイプ34は、接地端12Eからタイヤ周方向に対して斜めに延びてリブ状陸部30内で終端し、前記第1ショルダーサイプ32の延長線EL上に前記第2ショルダーサイプ34が配置されており」との構成は、前者の「前記ショルダー陸部には、前記ショルダー主溝からトレッド端側にのびかつタイヤ軸方向の外端が前記ショルダー陸部内で終端する第1ショルダーサイプと、前記第1ショルダーサイプの前記外端よりもトレッド端側に位置する内端からトレッド端までのびる第2ショルダーサイプとを含み、前記第2ショルダーサイプの前記内端は、前記第1ショルダーサイプをタイヤ軸方向外側に仮想延長した位置に設けられており」との構成に相当する。

後者の「前記センター周方向溝14と前記ショルダー周方向溝16との間に」「構成され」ている「センター陸部」は、前者の「前記ショルダー主溝と前記センター主溝との間に区分されたミドル陸部」に相当する。

後者の「前記センター周方向溝14と前記ショルダー周方向溝16との間にセンター陸部が構成され、前記センター陸部には、センター周方向溝14からタイヤ周方向に対して斜めに延びる横溝部18Aと、横溝部18Aの端部からタイヤ周方向に延びる縦溝部18Bとで構成されているセンターラグ溝18が形成され、前記センターラグ溝18の端部とショルダー周方向溝16とを接続する第1センターサイプ20が設けられている」との構成から、センターラグ溝18(横溝部18A及び縦溝部18B)は、一端がセンター周方向溝14に位置しかつ他端がセンター陸部内で終端する構成といえるから、後者の「前記センター周方向溝14と前記ショルダー周方向溝16との間にセンター陸部が構成され、前記センター陸部には、センター周方向溝14からタイヤ周方向に対して斜めに延びる横溝部18Aと、横溝部18Aの端部からタイヤ周方向に延びる縦溝部18Bとで構成されているセンターラグ溝18が形成され、前記センターラグ溝18の端部とショルダー周方向溝16とを接続する第1センターサイプ20が設けられている」との構成と前者の「前記ミドル陸部には、第1端が前記センター主溝又は前記ショルダー主溝に位置しかつ第2端が前記ミドル陸部内で終端する複数のミドルラグ溝が設けられ、前記ミドルラグ溝の長さは、前記ミドル陸部の最大幅の50%?90%であり、前記ミドルラグ溝は、前記第1端が前記ショルダー主溝に位置しかつ前記第2端が前記ミドル陸部内で終端する第1ミドルラグ溝と、前記第1端が前記センター主溝に位置しかつ前記第2端が前記ミドル陸部内で終端する第2ミドルラグ溝とを含む」との構成とは、「前記ミドル陸部には、第1端が前記センター主溝又は前記ショルダー主溝に位置しかつ第2端が前記ミドル陸部内で終端する複数のミドルラグ溝が設けられ、前記ミドルラグ溝は、前記第1端が前記センター主溝に位置しかつ前記第2端が前記ミドル陸部内で終端する第2ミドルラグ溝を含む」との構成の限度で共通する。

以上を総合すると、本件発明1と引用発明1とは以下の点で一致及び相違するといえる。
<一致点>
「トレッド部に、トレッド端側をタイヤ周方向に連続してのびるショルダー主溝と、前記ショルダー主溝のタイヤ軸方向外側のショルダー陸部とを含む空気入りタイヤであって、
前記ショルダー陸部には、前記ショルダー主溝からトレッド端側にのびかつタイヤ軸方向の外端が前記ショルダー陸部内で終端する第1ショルダーサイプと、
前記第1ショルダーサイプの前記外端よりもトレッド端側に位置する内端からトレッド端までのびる第2ショルダーサイプとを含み、
前記第2ショルダーサイプの前記内端は、前記第1ショルダーサイプをタイヤ軸方向外側に仮想延長した位置に設けられており、
前記トレッド部には、前記ショルダー主溝のタイヤ軸方向内側をタイヤ周方向に連続してのびる少なくとも1本のセンター主溝と、前記ショルダー主溝と前記センター主溝との間に区分されたミドル陸部とを含み、
前記ミドル陸部には、第1端が前記センター主溝又は前記ショルダー主溝に位置しかつ第2端が前記ミドル陸部内で終端する複数のミドルラグ溝が設けられ、前記ミドルラグ溝は、前記第1端が前記センター主溝に位置しかつ前記第2端が前記ミドル陸部内で終端する第2ミドルラグ溝を含む空気入りタイヤ。」

<相違点1>
「ミドルラグ溝」に関し、
本件発明1は、「前記ミドルラグ溝の長さは、前記ミドル陸部の最大幅の50%?90%であり、前記ミドルラグ溝は、前記第1端が前記ショルダー主溝に位置しかつ前記第2端が前記ミドル陸部内で終端する第1ミドルラグ溝」を含むのに対し、
引用発明1は、「センターラグ溝18」の長さが特定されていないとともに、かかる第1ミドルラグ溝を含むことが特定されていない点。

イ.判断
相違点1について検討する。
引用発明1は、「前記センター陸部には、センター周方向溝14からタイヤ周方向に対して斜めに延びる横溝部18Aと、横溝部18Aの端部からタイヤ周方向に延びる縦溝部18Bとで構成されているセンターラグ溝18が複数形成され、前記センターラグ溝18の端部と前記ショルダー周方向溝16とを接続する第1センターサイプ20が設けられ、前記第1センターサイプ20が前記縦溝部18Bの端部からタイヤ周方向に延び、途中で前記ショルダー周方向溝16に向かって横溝部18Aとはタイヤ周方向に対して逆向きに傾斜して折れ曲がっている折れ曲がり部分20で構成されている」との構成を有し、刊行物1の記載事項ウ.の段落【0019】に記載されているように、走行時に折れ曲がり部分20Aのエッジと横溝部18Aのエッジとで生じるエッジ効果が互いに打ち消し合うため、車両の片側流れを抑制する作用効果を有するものである。そして、エッジ効果としては、横溝部18Aが第1センターサイプ20の折れ曲がり部分20Aより高いことは、溝とサイプの構成の違いから明らかであることを考慮すると、センターラグ溝18(本件発明1の「ミドルラグ溝」)の長さをセンター陸部(本件発明1の「ミドル陸部材」)の最大幅の50%?90%に設定すると、横溝部18Aのエッジ効果が増大して、折れ曲がり部分20Aのエッジ効果が減少するから、折れ曲がり部分20Aのエッジと横溝部18Aのエッジとで生じるエッジ効果が互いに打ち消し合うことが達成されなくなってしまう。
そうすると、センターラグ溝18の長さをセンター陸部の最大幅の50%?90%に設定することには阻害要因があるといえるものであり、ミドルラグ溝の長さが、ミドル陸部の最大幅の50%?90%であることが、刊行物6の段落【0016】、刊行物7の段落【0028】、及び刊行物8の段落【0031】に開示されているように本件出願日前に周知であるとしても、引用発明1に当該周知技術を適用する動機付けはないといえる。
また、周知技術1は、相違点1に係る「前記ミドルラグ溝は、前記第1端が前記ショルダー主溝に位置しかつ前記第2端が前記ミドル陸部内で終端する第1ミドルラグ溝」に関与するものであり、引用発明1において、センターラグ溝18の長さをセンター陸部の最大幅の50%?90%に設定することの契機となるものではない。
したがって、引用発明1は、上記相違点1に係る、「前記ミドルラグ溝の長さは、前記ミドル陸部の最大幅の50%?90%であり」との構成には至らないから、本件発明1は、引用発明1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(2-2)本件発明2、3、5?7について
本件発明2、3、5?7は、本件発明1の発明特定事項を全て含み、さらに、限定を加えて発明を特定するものである。
よって、上記(2-1)イ.に示した理由と同様の理由により、本件発明2、3、5?7は、引用発明1及び周知技術1?4に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

2.刊行物7(甲第6号証)を主たる証拠とする場合
(1)刊行物7及び周知技術1、3、5、6
(1-1)刊行物7の記載事項及び引用発明
刊行物7には、「空気入りタイヤ」に関し、図面とともに以下の事項が記載されている。
ア.「【請求項1】
トレッド部にセンター位置の両側に位置してタイヤ周方向に延びる一対の第1主溝と該第1主溝よりもショルダー側に位置してタイヤ周方向に延びる一対の第2主溝とを設け、一対の第1主溝の相互間にセンターリブを区画し、第1主溝と第2主溝との間にミドルリブを区画し、第2主溝の外側にショルダーリブを区画した空気入りタイヤにおいて、前記センターリブ及び前記ミドルリブにそれぞれショルダー側の壁面からセンター側に向かって延長してリブ内で終端する複数本のラグ溝をセンター側に近づくに連れて溝幅が徐々に狭くなるように形成し、前記ショルダーリブにタイヤ幅方向に延長する複数本のラグ溝を第2主溝に対して非連通となるように形成し、前記トレッド部のセンター位置から第1主溝の中心までの距離を前記センター位置から接地端までの距離の15%?25%の範囲に設定し、前記トレッド部のセンター位置から第2主溝の中心までの距離を前記センター位置から接地端までの距離の60%?80%の範囲に設定し、第1主溝の幅を第2主溝の幅の70%?90%の範囲に設定し、第1主溝及び第2主溝の総面積を前記トレッド部の接地領域の面積の15%?25%の範囲に設定し、前記トレッド部のセンター位置から接地端までの距離の50%の位置を境にして前記トレッド部の接地領域をセンター領域とショルダー領域とに区分したとき、前記センター領域の溝面積比率を前記ショルダー領域の溝面積比率よりも小さくしたことを特徴とする空気入りタイヤ。」

イ.「【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、転がり抵抗とウエット性能を良好に維持しながら通過音の低減を可能にした空気入りタイヤを提供することにある。」

ウ.「【発明の効果】
【0007】
本発明者は、トレッド部にタイヤ周方向に延びる4本の主溝を設けた空気入りタイヤの通過音について鋭意研究した結果、トレッド部において路面と接地してから離れるまでの変形が最も大きいのはセンター領域であり、そのセンター領域に配置された溝がポンピング作用に基づいて大きな通過音を発生し、その通過音への寄与が大きいことを知見し、本発明に至ったのである。
【0008】
即ち、本発明では、トレッド部に一対のセンター側の第1主溝とショルダー側の一対の第2主溝とを設け、一対の第1主溝の相互間にセンターリブを区画し、第1主溝と第2主溝との間にミドルリブを区画し、第2主溝の外側にショルダーリブを区画した空気入りタイヤにおいて、センターリブ及びミドルリブにそれぞれショルダー側の壁面からセンター側に向かって延長してリブ内で終端する複数本のラグ溝をセンター側に近づくに連れて溝幅が徐々に狭くなるように形成し、ショルダーリブにタイヤ幅方向に延長する複数本のラグ溝を第2主溝に対して非連通となるように形成し、第1主溝及び第2主溝の位置を所定の範囲に規定し、第1主溝及び第2主溝の寸法関係を所定の範囲に規定し、第1主溝及び第2主溝の総面積を所定の範囲に規定し、トレッド部のセンター領域の溝面積比率をショルダー領域の溝面積比率よりも小さくすることにより、センター領域に配置された溝に起因する通過音を効果的に抑制し、タイヤ全体としての通過音の低減をすることができる。しかも、トレッド部の全体としての溝面積比率は従来と同等に設定することが可能であるので、転がり抵抗とウエット性能については良好に維持することができる。」

エ.「【0017】
図1に示すように、トレッド部Tにはセンター位置Ceの両側に位置してタイヤ周方向に延びる一対の主溝1(第1主溝)と該主溝1よりもショルダー側に位置してタイヤ周方向に延びる一対の主溝2(第2主溝)とが形成され、一対の主溝1の相互間にセンターリブ10が区画され、主溝1と主溝2との間にそれぞれミドルリブ20が区画され、主溝2の外側にそれぞれショルダーリブ30が区画されている。主溝1,2はその溝幅及び溝深さが特に限定されるものではないが、例えば、溝幅が4.0mm?12.0mmの範囲に設定され、溝深さが7.0mm?10.0mmの範囲に設定されている。
【0018】
センターリブ10には、そのショルダー側の壁面からセンター側に向かって延長してリブ10内で終端する複数本のラグ溝11がタイヤ周方向に間隔をおいて形成されている。これらラグ溝11はセンター側に近づくに連れて溝幅が徐々に狭くなるように形成されている。ラグ溝11の溝幅の変化は連続的であっても良く段階的であっても良い。
【0019】
ミドルリブ20には、そのショルダー側の壁面からセンター側に向かって延長してリブ20内で終端する複数本のラグ溝21がタイヤ周方向に間隔をおいて形成されている。これらラグ溝21はセンター側に近づくに連れて溝幅が徐々に狭くなるように形成されている。ラグ溝21の溝幅の変化は連続的であっても良く段階的であっても良い。
【0020】
ショルダーリブ30には、タイヤ幅方向に延長する複数本のラグ溝31がタイヤ周方向に間隔をおいて形成されている。これらラグ溝31は主溝2に対して非連通となるように形成されている。」

オ.以下の図面が示されている。


以上の記載事項によれば、刊行物7には、以下の発明が記載されていると認められる(以下「引用発明2」という。)。
「トレッド部Tにセンター位置Ceの両側に位置してタイヤ周方向に延びる一対の第1主溝1と該第1主溝1よりもショルダー側に位置してタイヤ周方向に延びる一対の第2主溝2とを設け、一対の第1主溝1の相互間にセンターリブ10を区画し、第1主溝1と第2主溝2との間にミドルリブ20を区画し、第2主溝2の外側にショルダーリブ30を区画した空気入りタイヤにおいて、前記センターリブ10及び前記ミドルリブ20にそれぞれショルダー側の壁面からセンター側に向かって延長してリブ内で終端する複数本のラグ溝11、21をセンター側に近づくに連れて溝幅が徐々に狭くなるように形成し、前記ショルダーリブ30にタイヤ幅方向に延長する複数本のラグ溝31を第2主溝2に対して非連通となるように形成し、前記トレッド部Tのセンター位置Ceから第1主溝1の中心までの距離を前記センター位置Ceから接地端Eまでの距離の15%?25%の範囲に設定し、前記トレッド部Tのセンター位置Ceから第2主溝2の中心までの距離を前記センター位置Ceから接地端Eまでの距離の60%?80%の範囲に設定し、第1主溝1の幅を第2主溝2の幅の70%?90%の範囲に設定し、第1主溝1及び第2主溝2の総面積を前記トレッド部Tの接地領域の面積の15%?25%の範囲に設定し、前記トレッド部Tのセンター位置Ceから接地端Eまでの距離の50%の位置を境にして前記トレッド部Tの接地領域をセンター領域Acとショルダー領域Asとに区分したとき、前記センター領域Acの溝面積比率を前記ショルダー領域Asの溝面積比率よりも小さくした空気入りタイヤ。」

(1-2)周知技術1、3は、上記1.(1)の(1-2)及び(1-4)に記載したとおりである。

(1-3)周知技術5(刊行物1、9)
刊行物1には、上記1.(1)(1-1)で述べた引用発明1に特定されているようにウエット性能の向上及びロードノイズの抑制(段落【0002】及び段落【0004】)を図るために、「前記リブ状陸部30には、第1ショルダーサイプ32、第2ショルダーサイプ34が設けられ、第1ショルダーサイプ32は、タイヤ周方向に対して斜めに延びてリブ状陸部30内で終端し、第2ショルダーサイプ34は、接地端12Eからタイヤ周方向に対して斜めに延びてリブ状陸部30内で終端し、前記第1ショルダーサイプ32の延長線EL上に前記第2ショルダーサイプ34が配置されており」との構成が記載されている。
刊行物9の段落【0001】及び段落【0009】の記載内容並びに【図1】の図示内容から、刊行物9にはウエット性能及び氷上性能等を向上させるために、「周方向細溝6からトレッド端側にのびかつタイヤ軸方向の外端が側部区画4内で終端するショルダーサイプ11と、前記ショルダーサイプ11の前記外端よりもトレッド端側に位置する内端からトレッド端までのびるバットレスサイプ12とを含み、前記バットレスサイプ12の前記内端は、前記ショルダーサイプ11をタイヤ軸方向外側に仮想延長した位置に設けられており、前記バットレスサイプ12は、前記ショルダーサイプ11をタイヤ軸方向外側に仮想延長した延長線上をのびている構成」が記載されているといえる。
以上の刊行物1及び9により、空気入りタイヤの分野において、ウエット性能等を向上させるために、ショルダー主溝からトレッド端側にのびかつタイヤ軸方向の外端が前記ショルダー陸部内で終端する第1ショルダーサイプと、前記第1ショルダーサイプの前記外端よりもトレッド端側に位置する内端からトレッド端までのびる第2ショルダーサイプとを含み、前記第2ショルダーサイプの前記内端は、前記第1ショルダーサイプをタイヤ軸方向外側に仮想延長した位置に設けられており、前記第2ショルダーサイプは、前記第1ショルダーサイプをタイヤ軸方向外側に仮想延長した延長線上をのびている構成は、本件出願日前に周知の技術といえる。

(1-4)周知技術6(刊行物6、13、14)
刊行物6の段落【0019】の記載内容及び【図1】の図示内容から、刊行物6には「陸部3に横溝4の陸部3内の他端から、該横溝4とは反対側にのびてセンター部主溝2cに連通する細溝5が設けること」が記載されているといえる。
刊行物13の段落【0050】の記載内容及び【図5】の図示内容から、刊行物13には「ミドル陸部6にミドル横溝20のミドル陸部6内の他端から、該ミドル横溝20とは反対側にのびてセンター主溝4に連通する幅狭部28が設けること」が記載されているといえる。
刊行物14の段落【0031】の記載内容及び【図3】の図示内容から、刊行物14には「ミドル陸部6oにテーパ横部20aのミドル陸部6o内の他端から、該テーパ横部20aとは反対側にのびて内の周方向主溝3oに連通する細溝状部20bが設けること」が記載されているといえる。
以上の刊行物6、13、14により、ミドル陸部にミドルラグ溝のミドル陸部内の他端から、該ミドルラグ溝とは反対側にのびてセンター主溝又はショルダー主溝に連通するミドルサイプを設けることは、本件出願日前に周知の技術といえる。

(2)対比・判断
(2-1)本件発明1について
ア.対比
本件発明1と引用発明2を対比する。

後者の「トレッド部T」は前者の「トレッド部」に相当し、後者の「空気入りタイヤ」は前者の「空気入りタイヤ」に相当する。

後者の「センター位置Ceの両側に位置してタイヤ周方向に延びる一対の第1主溝1」は前者の「センター主溝」に相当し、後者の「該第1主溝1よりもショルダー側に位置してタイヤ周方向に延びる一対の第2主溝2」は前者の「トレッド端側をタイヤ周方向に連続してのびるショルダー主溝」に相当するから、後者の「トレッド部Tにセンター位置Ceの両側に位置してタイヤ周方向に延びる一対の第1主溝1と該第1主溝1よりもショルダー側に位置してタイヤ周方向に延びる一対の第2主溝2とを設け」る構成は、前者の「トレッド部に、トレッド端側をタイヤ周方向に連続してのびるショルダー主溝と、」「前記トレッド部には、前記ショルダー主溝のタイヤ軸方向内側をタイヤ周方向に連続してのびる少なくとも1本のセンター主溝と」「を含」む構成に相当する。

後者の「第2主溝2の外側に」「区画した」「ショルダーリブ30」は前者の「前記ショルダー主溝のタイヤ軸方向外側のショルダー陸部」に相当するから、後者の「トレッド部Tに」「第2主溝2の外側にショルダーリブ30を区画し」との構成は、前者の「トレッド部に、」「前記ショルダー主溝のタイヤ軸方向外側のショルダー陸部とを含む」構成に相当する。

後者の「第1主溝1と第2主溝2との間に」「区画し」た「ミドルリブ20」は前者の「前記ショルダー主溝と前記センター主溝との間に区分されたミドル陸部」に相当し、後者の「前記ミドルリブ20に」「ショルダー側の壁面からセンター側に向かって延長してリブ内で終端する複数本のラグ溝21」は前者の「前記第1端が前記ショルダー主溝に位置しかつ前記第2端が前記ミドル陸部内で終端する第1ミドルラグ溝」に相当する。
そうすると、後者の「第1主溝1と第2主溝2との間にミドルリブ20を区画し、」「前記ミドルリブ20に」「ショルダー側の壁面からセンター側に向かって延長してリブ内で終端する複数本のラグ溝」「21をセンター側に近づくに連れて溝幅が徐々に狭くなるように形成し」との構成と、前者の「前記ミドル陸部には、第1端が前記センター主溝又は前記ショルダー主溝に位置しかつ第2端が前記ミドル陸部内で終端する複数のミドルラグ溝が設けられ、前記ミドルラグ溝の長さは、前記ミドル陸部の最大幅の50%?90%であり、前記ミドルラグ溝は、前記第1端が前記ショルダー主溝に位置しかつ前記第2端が前記ミドル陸部内で終端する第1ミドルラグ溝と、前記第1端が前記センター主溝に位置しかつ前記第2端が前記ミドル陸部内で終端する第2ミドルラグ溝とを含む」との構成とは、「前記ミドル陸部には、第1端が前記センター主溝又は前記ショルダー主溝に位置しかつ第2端が前記ミドル陸部内で終端する複数のミドルラグ溝が設けられ、前記ミドルラグ溝は、前記第1端が前記ショルダー主溝に位置しかつ前記第2端が前記ミドル陸部内で終端する第1ミドルラグ溝を含む」との構成の限度で共通する。

以上を総合すると、本件発明1と引用発明2とは以下の点で一致及び相違するといえる。
<一致点>
「トレッド部に、トレッド端側をタイヤ周方向に連続してのびるショルダー主溝と、前記ショルダー主溝のタイヤ軸方向外側のショルダー陸部とを含む空気入りタイヤであって、
前記トレッド部には、前記ショルダー主溝のタイヤ軸方向内側をタイヤ周方向に連続してのびる少なくとも1本のセンター主溝と、前記ショルダー主溝と前記センター主溝との間に区分されたミドル陸部とを含み、
前記ミドル陸部には、第1端が前記センター主溝又は前記ショルダー主溝に位置しかつ第2端が前記ミドル陸部内で終端する複数のミドルラグ溝が設けられ、
前記ミドルラグ溝は、前記第1端が前記ショルダー主溝に位置しかつ前記第2端が前記ミドル陸部内で終端する第1ミドルラグ溝を含む空気入りタイヤ。」

<相違点2>
「ショルダー陸部」に関し、
本件発明1は、「前記ショルダー主溝からトレッド端側にのびかつタイヤ軸方向の外端が前記ショルダー陸部内で終端する第1ショルダーサイプと、前記第1ショルダーサイプの前記外端よりもトレッド端側に位置する内端からトレッド端までのびる第2ショルダーサイプとを含み、前記第2ショルダーサイプの前記内端は、前記第1ショルダーサイプをタイヤ軸方向外側に仮想延長した位置に設けられており」との構成を有するのに対し、
引用発明2は、「タイヤ幅方向に延長する複数本のラグ溝31が前記主溝2に対して非連通となるように形成され」る構成を有するが、かかる「第1ショルダーサイプ」及び「第2ショルダーサイプ」が特定されていない点。
<相違点3>
「ミドルラグ溝」に関し、
本件発明1は、「前記ミドルラグ溝の長さは、前記ミドル陸部の最大幅の50%?90%であり、前記ミドルラグ溝は、」「前記第1端が前記センター主溝に位置しかつ前記第2端が前記ミドル陸部内で終端する第2ミドルラグ溝」を含むのに対し、
引用発明2は、「ラグ溝21」の長さが特定されていないとともに、かかる第2ミドルラグ溝を含むことが特定されていない点。

イ.判断
(ア)事案に鑑み相違点3について検討する。
引用発明2が解決しようとする課題は、記載事項イ.に記載されているように、「転がり抵抗とウエット性能を良好に維持しながら通過音の低減を可能」にすることであり、引用発明2の「前記トレッド部Tのセンター位置Ceから接地端Eまでの距離の50%の位置を境にして前記トレッド部Tの接地領域をセンター領域Acとショルダー領域Asとに区分したとき、前記センター領域Acの溝面積比率を前記ショルダー領域Asの溝面積比率よりも小さく」するとの構成により、記載事項ウ.に記載されているように、「トレッド部のセンター領域の溝面積比率をショルダー領域の溝面積比率よりも小さくすることにより、センター領域に配置された溝に起因する通過音を効果的に抑制し、タイヤ全体としての通過音の低減をすることができる。」という効果を得るものである。
そうすると、本件発明1の相違点3に対応する構成である、第1端が第1主溝1に位置しかつ第2端がミドルリブ内で終端するラグ溝を追加することは、センター領域Acの溝面積比率を増大することにつながるから、引用発明2の課題及び効果の達成を阻害するものということもでき、当該ラグ溝を追加することには阻害要因があるといえる。
そして、周知技術1に示されるように、空気入りタイヤの技術分野において、ウエット性能やエッジ効果等を向上させるために、ミドル陸部に、一端がショルダー主溝に位置しかつ他端がミドル陸部内で終端するミドルラグ溝と、一端がセンター主溝に位置しかつ他端がミドル陸部内で終端するミドルラグ溝とを含ませる構成が、本件出願日前に周知であるとしても、上記阻害要因があるから、引用発明2に周知技術1を適用する動機付けはないといえる。
したがって、引用発明2において、上記相違点3に係る「前記第1端が前記センター主溝に位置しかつ前記第2端が前記ミドル陸部内で終端する第2ミドルラグ溝」を追加する構成には至らないものである。

(イ)以上により、少なくとも上記相違点3に係る本件発明1の構成が容易想到であるとはいえないから、本件発明1は、引用発明2及び周知技術1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(2-2)本件発明2、3、5?7について
本件発明2、3、5?7は、本件発明1の発明特定事項を全て含み、さらに、限定を加えて発明を特定するものである。
よって、上記(2-1)イ.に示した理由と同様の理由により、本件発明2、3、5?7は、引用発明2及び周知技術1、3、5、6に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

3.取消理由において採用しなかった特許異議申立理由について
(1)特許異議申立書人は、訂正前の請求項1?3、5?7に係る特許について、以下の理由により、特許法第29条第1項第3号又は同法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから特許を取り消すべきものである旨主張している。上記理由の内容を簡略的に記載すると、次のとおりとなる。
ア.甲第1号証(特開平10-236112号公報)を主たる証拠とする場合
・理由:29条1項3号及び29条2項
・請求項:請求項1、2、6

・理由:29条2項
・請求項:請求項3、5、7

イ.甲第3号証(特開2010-12879号公報)を主たる証拠とする場合
・理由:29条1項3号及び29条2項
・請求項:請求項1、2

・理由:29条2項
・請求項:請求項3、5?7

ウ.甲第4号証(特開2004-25954号公報)を主たる証拠とする場合
・理由:29条1項3号及び29条2項
・請求項:請求項1、2

・理由:29条2項
・請求項:請求項3、5?7

エ.甲第5号証(特開平10-24707号公報)を主たる証拠とする場合
・理由:29条2項
・請求項:請求項3、5

(2)当審の判断
本件発明1?3、5?7は、「前記ミドルラグ溝の長さは、前記ミドル陸部の最大幅の50%?90%であり、前記ミドルラグ溝は、前記第1端が前記ショルダー主溝に位置しかつ前記第2端が前記ミドル陸部内で終端する第1ミドルラグ溝と、前記第1端が前記センター主溝に位置しかつ前記第2端が前記ミドル陸部内で終端する第2ミドルラグ溝とを含む」(以下「構成A」という。)という事項を有しており、当該事項は上記ア.?エ.の理由の各主たる証拠としている甲第1、3?5号証に記載されておらず、また、各主たる証拠に基いて当業者が容易に想到できるものではない。
以下、上記各理由毎に補足する。
ア.甲第1号証に記載されている空気入りタイヤは、段落【0009】に記載され、【図1】に示されるように、周方向細溝6(本件発明1の「ショルダー主溝」に相当。以下()内には本件発明1を構成要素のみを記す)と周方向主溝1(センター主溝)との間に、周方向副溝5が形成され、該周方向副溝5から傾斜溝7を設ける構成であり、当該構成から本件発明1の構成Aに変更する動機付けはないといえる。

イ.甲第3号証に記載されている空気入りタイヤは、段落【0013】に記載され、【図1】に示されるように、周方向溝2(センター主溝)、周方向溝3、及び周方向溝4(ショルダー主溝)と横溝6、7によりブロック8の周方向長さをブロック9の周方向長さの約2倍にして、タイヤ周方向の剛性を高めるという技術的意義を有するものであるから、甲第3号証に記載されている上記構成から本件発明1の構成Aに変更する動機付けはないといえる。

ウ.甲第4号証に記載されている氷雪路用空気入りタイヤは、段落【0011】に記載され、【図1】に示されるように、5本の主溝2と複数の横溝3とで6列のブロック列5A?5Fに区分されている多数のブロック4の接地表面に複数のサイプ6が設けることで氷雪路性能を向上させるという技術的意義を有するものであるから、甲第4号証に記載されている上記構成から本件発明1の構成Aに変更する動機付けはないといえる。

エ.甲第5号証に記載されている氷雪路用空気入りタイヤは、段落【0010】に記載され、【図1】に示されるように、各陸部3(ミドル陸部)には、それぞれショルダー部主溝2s(ショルダー主溝)のジグザグの屈曲頂部からセンター部主溝2c(センター主溝)に向けてタイヤ幅方向の途中まで延びる横溝4(第1ミドルラグ溝)が設けられ、さらに横溝4の内端からセンター部主溝2c側のジグザグの屈曲頂部に細溝5が連通している構成にして、氷上性能と雪上性能を向上する技術的意義を有するものであるから、甲第5号証に記載されている上記構成から本件発明1の構成Aに変更する動機付けはないといえる。

したがって、特許異議申立書人の主張する取消事由で取り消すことができない。

第6.むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1?3、5?7に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1?3、5?7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレッド部に、トレッド端側をタイヤ周方向に連続してのびるショルダー主溝と、前記ショルダー主溝のタイヤ軸方向外側のショルダー陸部とを含む空気入りタイヤであって、
前記ショルダー陸部には、前記ショルダー主溝からトレッド端側にのびかつタイヤ軸方向の外端が前記ショルダー陸部内で終端する第1ショルダーサイプと、
前記第1ショルダーサイプの前記外端よりもトレッド端側に位置する内端からトレッド端までのびる第2ショルダーサイプとを含み、
前記第2ショルダーサイプの前記内端は、前記第1ショルダーサイプをタイヤ軸方向外側に仮想延長した位置に設けられており、
前記トレッド部には、前記ショルダー主溝のタイヤ軸方向内側をタイヤ周方向に連続してのびる少なくとも1本のセンター主溝と、前記ショルダー主溝と前記センター主溝との間に区分されたミドル陸部とを含み、
前記ミドル陸部には、第1端が前記センター主溝又は前記ショルダー主溝に位置しかつ第2端が前記ミドル陸部内で終端する複数のミドルラグ溝が設けられ、
前記ミドルラグ溝の長さは、前記ミドル陸部の最大幅の50%?90%であり、
前記ミドルラグ溝は、前記第1端が前記ショルダー主溝に位置しかつ前記第2端が前記ミドル陸部内で終端する第1ミドルラグ溝と、前記第1端が前記センター主溝に位置しかつ前記第2端が前記ミドル陸部内で終端する第2ミドルラグ溝とを含むことを特徴とする空気入りタイヤ。
【請求項2】
前記第2ショルダーサイプは、前記第1ショルダーサイプをタイヤ軸方向外側に仮想延長した延長線上をのびている請求項1記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記ミドルラグ溝の溝幅は、前記第1端から前記第2端に向かって段階的に小さくなるように変化している請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
トレッド部に、トレッド端側をタイヤ周方向に連続してのびるショルダー主溝と、前記ショルダー主溝のタイヤ軸方向外側のショルダー陸部とを含む空気入りタイヤであって、
前記ショルダー陸部には、前記ショルダー主溝からトレッド端側にのびかつタイヤ軸方向の外端が前記ショルダー陸部内で終端する第1ショルダーサイプと、
前記第1ショルダーサイプの前記外端よりもトレッド端側に位置する内端からトレッド端までのびる第2ショルダーサイプとを含み、
前記第2ショルダーサイプの前記内端は、前記第1ショルダーサイプをタイヤ軸方向外側に仮想延長した位置に設けられており、
前記トレッド部には、前記ショルダー主溝のタイヤ軸方向内側をタイヤ周方向に連続してのびる少なくとも1本のセンター主溝と、前記ショルダー主溝と前記センター主溝との間に区分されたミドル陸部とを含み、
前記ミドル陸部には、第1端が前記センター主溝又は前記ショルダー主溝に位置しかつ第2端が前記ミドル陸部内で終端する複数のミドルラグ溝が設けられ、
前記ミドルラグ溝の溝幅は、前記第1端から前記第2端に向かって段階的に小さくなるように変化しており、
前記ミドル陸部には、前記センター主溝と前記ショルダー主溝との間を継ぐ複数本の第1ミドルサイプが設けられ、
前記ミドルラグ溝とこれに隣接する前記第1ミドルサイプとの間に区分された陸部片には、前記第1端側に向かってタイヤ半径方向内方に傾斜する面取り部が設けられていることを特徴とする空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記ミドル陸部には、前記ミドルラグ溝の前記第2端から、前記第1端とは反対側にのびて前記センター主溝又は前記ショルダー主溝に連通する第2ミドルサイプが設けられている請求項3又は4に記載の空気入りタイヤ。
【請求項6】
前記ショルダー陸部には、トレッド端からタイヤ軸方向内側にのびかつ内端がショルダー陸部で終端するショルダーラグ溝と、
前記ショルダーラグ溝の前記内端と前記ショルダー主溝との間を継ぐ第3ショルダーサイプとが設けられている請求項1乃至5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項7】
前記トレッド部には、前記ショルダー主溝のタイヤ軸方向内側をタイヤ周方向に連続してのびる一対のセンター主溝と、前記センター主溝の間に区分されたセンター陸部とを含み、
前記センター陸部には、第1端が前記センター主溝に位置しかつ第2端が前記センター陸部内で終端する複数のセンターラグ溝が設けられ、
前記センターラグ溝の溝幅は、前記第1端から前記第2端に向かって段階的に小さくなるように変化している請求項1乃至6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-12-06 
出願番号 特願2014-194261(P2014-194261)
審決分類 P 1 652・ 121- YAA (B60C)
P 1 652・ 113- YAA (B60C)
最終処分 維持  
前審関与審査官 細井 龍史  
特許庁審判長 氏原 康宏
特許庁審判官 島田 信一
中村 泰二郎
登録日 2017-03-10 
登録番号 特許第6104215号(P6104215)
権利者 住友ゴム工業株式会社
発明の名称 空気入りタイヤ  
代理人 浦 重剛  
代理人 石原 幸信  
代理人 浦 重剛  
代理人 住友 慎太郎  
代理人 住友 慎太郎  
代理人 苗村 潤  
代理人 苗村 潤  
代理人 石原 幸信  
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