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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C08F
審判 全部申し立て 2項進歩性  C08F
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C08F
管理番号 1348702
異議申立番号 異議2018-700371  
総通号数 231 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-03-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-05-01 
確定日 2018-12-20 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6222348号発明「高強度エラストマー」の特許異議申立事件について,次のとおり決定する。 
結論 特許第6222348号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり,訂正後の請求項〔1?3〕について訂正することを認める。 特許第6222348号の請求項1?3に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6222348号(請求項の数3。以下,「本件特許」という。)は,平成27年3月25日(優先権主張:平成26年4月2日)を国際出願日とする特許出願(特願2016-511575号)に係るものであって,平成29年10月13日に設定登録されたものである(特許掲載公報の発行日は,平成29年11月1日である。)。
その後,平成30年5月1日に,本件特許の請求項1?3に係る特許に対して,特許異議申立人である大橋直人(以下,「申立人」という。)により,特許異議の申立てがされた。
本件特許異議の申立てにおける手続の経緯は,以下のとおりである。

平成30年 5月 1日 特許異議申立書
7月 9日付け 取消理由通知書
8月31日 意見書,訂正請求書
9月25日付け 通知書(訂正請求があった旨の通知)
10月25日 意見書(申立人)

第2 訂正の請求について
1 訂正の内容
平成30年8月31日付けの訂正請求書による訂正(以下,「本件訂正」という。)の請求は,本件特許の特許請求の範囲を上記訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり,訂正後の請求項1?3について訂正することを求めるものであり,その内容は,以下のとおりである。下線は,訂正箇所を示す。

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に,「第二の単量体成分から得られる重合体のガラス転移温度(Tg)」とあるのを,「第二の単量体成分から得られる重合体の窒素雰囲気下において,昇温速度10℃/分の条件でDSC測定した結果により求められるガラス転移温度(Tg)」に訂正する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に,「ガラス転移温度(Tg)が-80?20℃であり」とあるのを,「ガラス転移温度(Tg)が-80?10℃であり」に訂正する。

2 訂正の適否についての当審の判断
(1)訂正事項1について
訂正事項1に係る訂正は,訂正前の請求項1に対して,「窒素雰囲気下において,昇温速度10℃/分の条件でDSC測定した結果により求められる」との記載を追加するものである。
この訂正は,訂正前の請求項1における「ガラス転移温度(Tg)」について,「窒素雰囲気下において,昇温速度10℃/分の条件でDSC測定した結果により求められる」ものであることを明確にするものであるから,明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。そして,本件特許の願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面には,「本発明では,Tgの値は,第二の単量体から得られる重合体をDSC測定した結果により求められる。この場合,DSCの測定は,窒素雰囲気下において,昇温速度10℃/分の条件にて実施する。」(【0043】)と記載されているから,この訂正は,同明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではない。

(2)訂正事項2について
訂正事項2に係る訂正は,訂正前の請求項1における,第二の単量体成分から得られる重合体の「ガラス転移温度(Tg)」について,「-80?20℃」を「-80?10℃」とするものである。
この訂正は,上記「ガラス転移温度(Tg)」について,「-80?20℃」を「-80?10℃」に限定するものであるから,特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。そして,本件特許の願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面には,「本発明において,第二の単量体から得られる重合体のガラス転移温度は(Tg)は-80?20℃の範囲であり,好ましくは-70?10℃の範囲であり,さらに好ましくは-60?0℃の範囲である。」(【0042】)と記載されているから,この訂正は,同明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではない。

(3)一群の請求項について
訂正前の請求項1?3について,請求項2及び3は,請求項1を直接又は間接的に引用するものであり,上記の訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって,訂正前の請求項1?3に対応する訂正後の請求項1?3は,一群の請求項である。そして,本件訂正は,その一群の請求項ごとに請求がされたものである。

3 まとめ
上記2のとおり,訂正事項1及び2に係る訂正は,特許法120条の5第2項ただし書1号及び3号に掲げる事項を目的とするものに該当し,同条4項に適合するとともに,同条9項において準用する同法126条5項及び6項に適合するものであるから,結論のとおり,本件訂正を認める。

第3 本件発明
前記第2で述べたとおり,本件訂正は認められるので,本件特許の請求項1?3に係る発明は,本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1?3に記載された事項により特定される以下のとおりのものである(以下,それぞれ「本件発明1」等という。本件特許の願書に添付した明細書を「本件明細書」という。)。

【請求項1】
第一の単量体成分を重合及び架橋することにより第一の網目構造を形成した後,該第一の網目構造中に第二の単量体成分を導入し,重合,又は重合及び架橋することにより得られる(セミ)相互侵入網目構造を有するエラストマーであって,
前記第一の単量体成分が,非イオン性ビニル系単量体のみからなり,
前記非イオン性ビニル系単量体が,非イオン性の(メタ)アクリル系単量体を50?100mol%含み,
前記第一の単量体成分において,架橋性単量体を除く単量体成分の総量に対して架橋性単量体を0.01?2mol%使用し,
前記第二の単量体成分が,以下の一般式(1)で表される化合物を80mol%以上含み,
前記第二の単量体成分から得られる重合体の窒素雰囲気下において,昇温速度10℃/分の条件でDSC測定した結果により求められるガラス転移温度(Tg)が-80?10℃であり,
前記第一の単量体成分及び前記第二の単量体成分の質量比が,1/0.1?1/30であるエラストマー。
【化1】

〔式中,R^(1)は水素原子又はメチル基を表し,R^(2)は炭素数1?8のアルキル基又は炭素数2?8のアルコキシアルキル基を表す。〕
【請求項2】
前記非イオン性の(メタ)アクリル系単量体が,炭素数1?12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル化合物を50?100mol%含む請求項1に記載のエラストマー。
【請求項3】
前記第二の単量体成分において,架橋性単量体を除く単量体成分の総量に対して架橋性単量体を0?2mol%使用する請求項1又は2に記載のエラストマー。

第4 取消理由の概要
1 特許異議申立書に記載した特許異議の申立ての理由
本件訂正前の請求項1?3に係る発明は,下記(1)及び(5)のとおりの取消理由があるから,本件特許の請求項1?3に係る特許は,特許法113条2号及び4号に該当し,取り消されるべきものである。証拠方法として,下記(6)の甲第1号証?甲第7号証(以下,単に「甲1」等という。)を提出する。

(1)取消理由1(新規性)
本件訂正前の請求項1?3に係る発明は,甲1に記載された発明が公開発表されたことにより,本件特許の優先日前に外国において公然知られた発明であるから,特許法29条1項1号に該当し特許を受けることができないものである。
(2)取消理由2(新規性)
本件訂正前の請求項1?3に係る発明は,甲2に記載された発明であるから,特許法29条1項3号に該当し特許を受けることができないものである。
(3)取消理由3-1(進歩性)
本件訂正前の請求項1?3に係る発明は,甲3に記載された発明並びに甲4及び5に記載された事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものである。
(4)取消理由3-2(進歩性)
本件訂正前の請求項1?3に係る発明は,甲4に記載された発明に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものである。
(5)取消理由4(明確性要件)
本件訂正前の請求項1?3に係る発明は,特許請求の範囲の記載が特許法36条6項2号に適合するものではない。
(6)証拠方法
・甲1 パリ市立工業物理化学高等専門大学(略称ESPCI Paris)の博士学位論文審査会で発表されたEtienne DUCROT氏の論文"Innovative tough elastomers : Designed sacrificial bonds in multiple networks "'
・甲2 "Miscibility of Poly(butyl acrylate)-Poly(butyl methacrylate) Sequential Interpenetrating Polymer Networks", Macromolecules, 2001, Vol.34, No.16, p.5525-5534
・甲3 "Swelling of Poly(Acrylates) Interpenetrating Polymer Networks in Isotropic Solvents", International Review of Physics, 2007, Vol.1, No.5, p.345-349
・甲4 特開平3-244609号公報
・甲5 特開2012-193237号公報
・甲6 J.BRANDRUP et al., "POLYMER HANDBOOK", FOURTH EDITION, Volume 1, John Wiley & Sons, Inc., 1999, p.VI/199-VI/203
・甲7 国際公開第2011/059043号

2 取消理由通知書に記載した取消理由
上記1の取消理由2(新規性),取消理由4(明確性要件)(うち,ガラス転移温度(Tg)に関するもの)と同旨。

3 平成30年10月25日付けの意見書における申立人の主張の概要
(1)本件発明1は,申立書7?15頁に記載したとおり,本件特許の優先日前に発表(公開)された発明であり,新規性を欠く。
(2)甲2及び4には,本件発明1と第二の重合体のTgのみが異なるエラストマーが記載されているが,甲1,3及び5並びに参考資料等を参酌すれば,甲2及び4に記載のエラストマーにおいて,第二の重合体のTgを所望の物性が得られる範囲となるように調整する程度のことは,当業者が容易になし得ることである。
また,本件明細書には,本件発明1に規定される第二の重合体のTgの範囲において,非常に高い強度を示し,ヒステリシスロスを生じることがないこと(当該範囲の臨界的意義)は示されていない。
(3)甲3には,本件発明1と第二の重合体を構成する単量体の種類のみが異なるエラストマーが記載されているが,甲1,2,4及び5並びに参考資料等を参酌すれば,甲3に記載のエラストマーにおいて,第二の重合体を構成する単量体を変更し,所望の物性が得られるように調整する程度のことは,当業者が容易になし得ることである。
(4)(セミ)相互侵入網目構造を有するエラストマーにおいて,第一の重合体の構成により得られる特徴と,第二の重合体の構成により得られる特徴とを組み合わせることで,エラストマー全体として所望の物性が得られることは,広く知られた事項であり(参考資料2,3),本件発明1における第一の重合体の構成及び第二の重合体の構成はいずれも公知であることから(甲2,参考資料1の実施例32),これらを組み合わせる程度のこと,また,所望の特性の一部を有する第二の重合体を含む(セミ)相互侵入網目構造を有するエラストマー(参考資料1の実施例32)において,第一の重合体を所望の特性を有する重合体(甲2)に置換する程度のことは,甲2及び参考資料等を参酌すれば,当業者が容易になし得ることであり,さらに,所望する特性が得られる範囲に第二の重合体のTgの上限値及び下限値を設定する程度のことに,何ら困難性はない。
(5)本件明細書の発明の詳細な説明には,本件発明1に規定される第二の重合体のTgの範囲において,非常に高い強度を示し,ヒステリシスロスを生じることがないこと(当該範囲の臨界的意義)は示されておらず,本件発明1は,特許請求の範囲の記載が特許法36条6項1号に適合するものではない。
(6)本件発明2及び3は,申立書32?33頁に記載したとおり,新規性及び進歩性を欠く。
(7)証拠方法
・参考資料1 特公平7-13215号公報
・参考資料2 特表2011-513502号公報
・参考資料3 特表2011-527377号公報
・参考資料4 「岩波 理化学辞典 第5版」,岩波書店,1998年2月20日,p.289,817
・参考資料5 JSR TECHNICAL REVIEW, 2010, No.117, p.16-21

第5 当審の判断
以下に述べるように,取消理由通知書に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議の申立ての理由によっては,本件特許の請求項1?3に係る特許を取り消すことはできない。

1 取消理由通知書に記載した取消理由
(1)取消理由4(明確性要件)(うち,ガラス転移温度(Tg)に関するもの)
取消理由通知書では,本件訂正前の請求項1?3に係る発明における「ガラス転移温度(Tg)」が,DSC測定した結果により求められたものであるのか(本件明細書【0043】),あるいは,架橋性単量体を除く単量体成分の種類及び使用量から,例えば「POLYMER HANDBOOK 第4版」(John Wiley & Sons,Inc.発行)に記載された各単独重合体のTgを元にして,式(1)に示す計算によって求められたものであるのか(同【0044】),明らかではないから,本件訂正前の請求項1?3に係る発明は明確ではない旨,指摘した。
これに対して,前記第2のとおり,本件訂正により,上記「ガラス転移温度(Tg)」が,「窒素雰囲気下において,昇温速度10℃/分の条件でDSC測定した結果により求められる」ものであることが明確にされたから,取消理由通知書に記載した取消理由4(明確性要件)(うち,ガラス転移温度(Tg)に関するもの)は解消した。
したがって,取消理由4(明確性要件)(うち,ガラス転移温度(Tg)に関するもの)によっては,本件特許の請求項1?3に係る特許を取り消すことはできない。

(2)取消理由2(新規性)
ア 甲2に記載された発明
甲2の記載(「2.実験セクション」の欄,表1)によれば,特に表1の「IPN78-01」,「IPN50-01」及び「IPN14-01」に着目すると,甲2には,以下の発明が記載されていると認められる。

「光開始剤としてベンゾインを用い,架橋剤として0.1重量%のエチレングリコールジメタクリレートを用い,同じ量のエチレングリコールジメタクリレートが2成分ネットワークの重合において加えられ,ブロック重合により調整した,逐次相互侵入ポリマーネットワークであって,
最初にポリ(ブチルアクリレート)ネットワークを重合させ,この最初のポリ(ブチルアクリレート)ネットワークを,適切な量のエチレングリコールジメタクリレート及びベンゾインを含む純粋なブチルメタクリレートモノマーに,異なる時間浸漬し,膨潤したネットワークをアルミニウム容器に密封し,24時間均質化させ,膨潤した試料を紫外光に曝して,ポリ(ブチルメタクリレート)ネットワークを重合させることにより得られた,
ポリ(ブチルアクリレート)ネットワークの含量が,78wt%,50wt%又は14wt%である,
逐次相互侵入ポリマーネットワーク。」(以下,「甲2発明」という。)

イ 本件発明1について
(ア)対比
a 本件発明1と甲2発明とを対比する。
(a)甲2発明における「ポリ(ブチルアクリレート)ネットワーク」は,「光開始剤としてベンゾインを用い,架橋剤として0.1重量%のエチレングリコールジメタクリレートを用い」た重合により得られたものであるが,モノマーとして「ブチルアクリレート」を用いることは明らかであり,また,重合とともに「架橋」していることも明らかである。
そうすると,甲2発明における「ポリ(ブチルアクリレート)ネットワーク」を得るためにモノマーとして用いる「ブチルアクリレート」と,架橋剤として用いる「0.1重量%のエチレングリコールジメタクリレート」は,本件発明1における「第一の単量体成分」に相当するとともに,本件発明1における「第一の単量体成分が,非イオン性ビニル系単量体のみからなり」,「前記非イオン性ビニル系単量体が,非イオン性の(メタ)アクリル系単量体を50?100mol%含」むことに相当する。そして,甲2発明における「ポリ(ブチルアクリレート)ネットワーク」は,本件発明1における「第一の単量体成分を重合及び架橋することにより」形成した「第一の網目構造」に相当する。
(b)甲2発明における「最初のポリ(ブチルアクリレート)ネットワーク」は,「適切な量のエチレングリコールジメタクリレート及びベンゾインを含む純粋なブチルメタクリレートモノマーに,異なる時間浸漬し」,「膨潤」させ,「アルミニウム容器に密封し,24時間均質化させ,膨潤した試料を紫外光に曝して,ポリ(ブチルメタクリレート)ネットワークを重合させる」が,重合とともに「架橋」していることは明らかである。
そうすると,甲2発明における「ポリ(ブチルメタクリレート)ネットワーク」を得るために用いる「ブチルメタクリレートモノマー」と,架橋剤として用いる「0.1重量%のエチレングリコールジメタクリレート」は,本件発明1における「第二の単量体成分」に相当するとともに,本件発明1における「前記第二の単量体成分が,以下の一般式(1)で表される化合物を80mol%以上含」むことに相当する(当審注:式は省略。以下同様。)。そして,甲2発明における「最初のポリ(ブチルアクリレート)ネットワークを,適切な量のエチレングリコールジメタクリレート及びベンゾインを含む純粋なブチルメタクリレートモノマーに,異なる時間浸漬し,膨潤したネットワークをアルミニウム容器に密封し,24時間均質化させ,膨潤した試料を紫外光に曝して,ポリ(ブチルメタクリレート)ネットワークを重合させる」ことは,本件発明1における「第一の網目構造中に第二の単量体成分を導入し,重合,又は重合及び架橋する」ことに相当する。
(c)本件発明1における「(セミ)相互侵入網目構造を有するエラストマー」と,甲2発明における「逐次相互侵入ポリマーネットワーク」とは,いずれも,「(セミ)相互侵入網目構造を有する重合体」の限りで共通する。

b 以上によれば,本件発明1と甲2発明とは,
「第一の単量体成分を重合及び架橋することにより第一の網目構造を形成した後,該第一の網目構造中に第二の単量体成分を導入し,重合,又は重合及び架橋することにより得られる(セミ)相互侵入網目構造を有する重合体であって,
前記第一の単量体成分が,非イオン性ビニル系単量体のみからなり,
前記非イオン性ビニル系単量体が,非イオン性の(メタ)アクリル系単量体を50?100mol%含み,
前記第二の単量体成分が,以下の一般式(1)で表される化合物を80mol%以上含む,
重合体。」
の点で一致し,少なくとも,以下の点で相違する。
・相違点1
本件発明1では,「前記第二の単量体成分から得られる重合体の窒素雰囲気下において,昇温速度10℃/分の条件でDSC測定した結果により求められるガラス転移温度(Tg)が-80?10℃」であるのに対して,甲2発明では,このようなガラス転移温度(Tg)が不明である点。

(イ)相違点1の検討
甲2には,甲2発明におけるポリ(ブチルメタクリレート)ネットワークを得るための,ブチルメタクリレートモノマーと0.1重量%のエチレングリコールジメタクリレート(本件発明1における「第二の単量体成分」に相当する。)について,これらの単量体成分から得られる重合体の「窒素雰囲気下において,昇温速度10℃/分の条件でDSC測定した結果により求められるガラス転移温度(Tg)」が具体的にどの程度であるのか,何ら記載されていない。また,当該ガラス転移温度(Tg)が,「-80?10℃」であると認めるに足りる証拠はない。
以上によれば,相違点1は実質的な相違点である。
したがって,本件発明1は,甲2に記載された発明であるとはいえない。

ウ 本件発明2及び3について
本件発明2及び3は,本件発明1を直接又は間接的に引用するものであるが,上記イで述べたとおり,本件発明1が甲2に記載された発明であるとはいえない以上,本件発明2及び3についても同様に,甲2に記載された発明であるとはいえない。

エ まとめ
以上のとおり,本件発明1?3は,いずれも,甲2に記載された発明であるとはいえない。
したがって,取消理由2(新規性)によっては,本件特許の請求項1?3に係る特許を取り消すことはできない。

2 取消理由通知において採用しなかった特許異議の申立ての理由
(1)取消理由4(明確性要件)(うち,プロダクトバイプロセスに関するもの)
申立人は,本件発明1は,エラストマー(物の発明)であるが,請求項1には,「・・・第一の網目構造を形成した後,該第一の網目構造中に第二の単量体成分を導入し,重合,又は重合及び架橋することにより得られる」という,その物の製造方法が記載されているところ,請求項1の記載が明確性要件に適合するといえるのは,出願時において当該物をその構造又は特性により直接特定することが不可能であるか,又はおよそ実際的でないという事情(不可能・非実際的事情)が存在するときに限られると解されるにもかかわらず,不可能・非実際的事情が存在することについて,本件明細書には記載がないから,本件発明1は明確でないと主張する。また,本件発明2及び3についても同様に主張する。
確かに,本件発明1は,「・・・第一の網目構造を形成した後,該第一の網目構造中に第二の単量体成分を導入し,重合,又は重合及び架橋することにより得られる」という,経時的要素の記載を含むものである。
しかしながら,当該記載は,(セミ)相互侵入網目構造について,第一の網目構造中に,そこに導入された第二の単量体成分が重合又は重合及び架橋した状態で存在していること(すなわち,そのような状態)を示すものにすぎず,本件発明1に係るエラストマーの構造を明確に表しているといえるから,明確性要件との関係で問題とされるべきプロダクトバイプロセスクレームには該当せず,不可能・非実際的事情の主張立証を要するものではない。また,本件発明2及び3についても同様である。
よって,申立人の主張は理由がない。
したがって,取消理由4(明確性要件)(うち,プロダクトバイプロセスに関するもの)によっては,本件特許の請求項1?3に係る特許を取り消すことはできない。

(2)取消理由1(新規性)
申立人は,本件発明1?3は,甲1に記載された発明が公開発表されたことにより,本件特許の優先日前に外国において公然知られた発明であると主張するので,以下,検討する。

ア 甲1に記載された発明の公知性について
申立人は,甲1は博士学位論文であり,その論文の内容は,本件特許の優先日前の2013年(平成25年)12月11日に,パリ市立工業物理化学高等専門大学にて開催された博士学位論文審査会(以下,「審査会」という。)で公開発表され,公然知られたものとなっていると主張する。
しかしながら,特許法29条1項1号でいう「公然知られた発明」とは,不特定の者に秘密でないものとしてその内容が知られた発明をいうところ,本件証拠上,上記日時に上記大学にて審査会が実際に開催されたのか,(開催されたとして,)審査会は公開されたものであったのか(守秘義務を負うものではなかったのか),審査会では具体的にどのような内容について発表されたのか(本件発明1?3に関連する部分についても発表されたといえるのか),等の点については明らかでない。そうすると,その結果として,甲1に係る博士学位論文の内容のうち,少なくとも本件発明1?3に関連する部分について,本件特許の優先日前に外国において,不特定の者に秘密でないものとしてその内容が知られたといえるかどうかは,不明というほかない。
以上によれば,甲1に記載された発明(のうち,少なくとも本件発明1?3に関連する発明)は,その内容が公開発表されたことにより,本件特許の優先日前に外国において公然知られた発明であると認めることはできない。

イ 本件発明1?3と甲1に記載された発明との同一性について
(ア)甲1に記載された発明
甲1の記載(49?52頁)によれば,甲1には,以下の発明が記載されていると認められる。
なお,以下,メチルアクリレートを「MA」,エチルアクリレートを「EA」,ブチルアクリレートを「BA」,1,4-ブタンジオールジアクリレートを「BDA」,2-ヒドロキシエチル-2-メチルプロピオフェノンを「HMP」という。

「MA,EA及びBAのいずれかのモノマーの溶液と,架橋剤としてのBDAと,UV開始剤としてのHMPを,溶媒としての無水トルエンに50wt%で溶解し,反応をUVで開始し,90分間進行させ,第1のネットワークを調製し,その後,MA又はEAの第2のモノマーと,架橋剤としてのBDAと,UV開始剤としてのHMPを含む浴中で,第1のネットワークを膨潤し,UVに2時間暴露して重合させることにより調製される,ダブルネットワークエラストマー。」(以下,「甲1発明」という。)

(イ)本件発明1について
a 対比
本件発明1と甲1発明とを対比すると,両者は,少なくとも,
「第一の単量体成分を重合及び架橋することにより第一の網目構造を形成した後,該第一の網目構造中に第二の単量体成分を導入し,重合及び架橋することにより得られる相互侵入網目構造を有するエラストマー。」
の点で一致し,少なくとも,以下の点で相違する。
・相違点2
本件発明1では,「前記第一の単量体成分及び前記第二の単量体成分の質量比が,1/0.1?1/30である」のに対して,甲1発明では,このような質量比が不明である点。

b 相違点2の検討
甲1には,第1のネットワークを調整するための,MA,EA及びBAのいずれかのモノマーとBDA(本件発明1における「第一の単量体成分」に相当する。)と,ダブルネットワークを調整するための,MA又はEAの第2のモノマーとBDA(本件発明1における「第二の単量体成分」に相当する。)について,これらの質量比が具体的にどの程度であるのか,記載されていない。
この点,申立人は,甲1の表2及び表3の記載から,甲1発明においては,第一の単量体成分及び第二の単量体成分の質量比が,「1/0.1?1/30」を満たすと主張する。
しかしながら,上記表3に示されているのは,第1のネットワークを膨潤させるために用いる膨潤浴の組成である。甲1には,上記膨潤浴中で第1のネットワークを平衡状態で膨潤させることが記載されているものの,平衡状態といっても,上記膨潤浴の全量が第1のネットワークを膨潤させたかどうかは,不明である。また,甲1には,その後,サンプルを上記膨潤浴から抽出し,穏やかに拭き取り,過剰のモノマーを除去することも記載されているから,第1のネットワーク中には,最終的にどの程度の量の膨潤浴の成分(MA又はEAの第2のモノマーと,架橋剤としてのBDAと,UV開始剤としてのHMP)が含まれているか,不明である。
そうすると,申立人が主張するように,甲1の表2及び表3の記載から,甲1発明において,第一の単量体成分及び第二の単量体成分の質量比が,「1/0.1?1/30」を満たすということはできない。
以上によれば,相違点2は実質的な相違点である。
したがって,本件発明1と甲1発明は同一の発明であるとはいえない。

(ウ)本件発明2及び3について
本件発明2及び3は,本件発明1を直接又は間接的に引用するものであるが,上記(イ)で述べたとおり,本件発明1と甲1発明が同一の発明であるとはいえない以上,本件発明2及び3と甲1発明についても,同一の発明であるとはいえない。

ウ まとめ
上記アのとおり,甲1に記載された発明(のうち,少なくとも本件発明1?3に関連する発明)は,その内容が公開発表されたことにより,本件特許の優先日前に外国において公然知られた発明であるとはいえず,また,上記イのとおり,そもそも,本件発明1?3と甲1に記載された発明は同一の発明であるとはいえない。
そうすると,本件発明1?3は,甲1に記載された発明が公開発表されたことにより,本件特許の優先日前に外国において公然知られた発明であるということはできない。
したがって,取消理由1(新規性)によっては,本件特許の請求項1?3に係る特許を取り消すことはできない。

(3)取消理由3-1(進歩性)
ア 甲3に記載された発明
甲3の記載(345頁右欄1?24行)によれば,甲3には,以下の発明が記載されていると認められる。
なお,以下,n-ブチルアクリレートを「n-ABu」,2-ヒドロキシエチルアクリレートを「EHA」,架橋剤である1,6ヘキサンジオールジアクリレートを「HDDA」,光開始剤であるDarocur 1173(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1)を「Darocur」,ポリブチルアクリレートを「PABu」,ポリヒドロキシエチルアクリレートを「PEHA」という。

「n-ABu/架橋剤HDDA/光開始剤Darocurの混合物を質量分率99/0.5/0.5wt%で調製し,窒素雰囲気下で波長l=350nm,強度I_(0)=1.5mW/cm^(2)を有するUVランプに露光時間15分で暴露し,得られた架橋ポリマーネットワークを,EHA/架橋剤HDDA/光開始剤Darocur(99/0.5/0.5)の第2の混合物に浸漬し,上記と同じ方法でUV硬化して得られた,0.5%PABu+0.5%PEHAからなる,相互貫入ポリマーネットワーク。」(以下,「甲3発明」という。)

イ 本件発明1について
(ア)対比
本件発明1と甲3発明とを対比すると,両者は,少なくとも,
「第一の単量体成分を重合及び架橋することにより第一の網目構造を形成した後,該第一の網目構造中に第二の単量体成分を導入し,重合及び架橋することにより得られる相互侵入網目構造を有する重合体。」
の点で一致し,少なくとも,以下の点で相違する。
・相違点3
本件発明1では,「前記第二の単量体成分が,以下の一般式(1)で表される化合物を80mol%以上含む」ものであって,「前記第二の単量体成分から得られる重合体の窒素雰囲気下において,昇温速度10℃/分の条件でDSC測定した結果により求められるガラス転移温度(Tg)が-80?10℃」であるのに対して,甲3発明では,第2の混合物における「EHA」及び「架橋剤HDDA」である点。

(イ)相違点3の検討
甲3には,甲3発明に係る相互貫入ポリマーネットワークにおいて,EHA/架橋剤HDDA/光開始剤Darocurの第2の混合物から得られたポリマーネットワーク(PEHA)を,別のポリマーネットワークに代えることについては,何ら記載されていない。
そうすると,甲3発明に係る相互貫入ポリマーネットワークにおいて,上記第2の混合物から得られたポリマーネットワーク(PEHA)を,別のポリマーネットワークに代える動機付けがあるとはいえず,そうであれば,上記第2の混合物におけるEHAを,別のモノマーに代える動機付けがあるとはいえない。そして,このことは,甲1,2,4及び5並びに参考資料1?5を考慮しても,変わるものではない。
甲4及び5には,熱可塑性エラストマーについて記載されているものの,甲3発明に係る相互貫入ポリマーネットワークは,特にエラストマーに関する課題や特性等に着目したものではないから,甲3発明において,甲4及び5に記載される事項を適用する動機付けがあるとはいえない。
以上によれば,甲3発明において,上記第2の混合物におけるEHA及び架橋剤HDDAに代えて,「前記第二の単量体成分が,以下の一般式(1)で表される化合物を80mol%以上含む」ものであって,「前記第二の単量体成分から得られる重合体の窒素雰囲気下において,昇温速度10℃/分の条件でDSC測定した結果により求められるガラス転移温度(Tg)が-80?10℃」であるものを用いることが,当業者が容易に想到することができたということはできない。

(ウ)小括
したがって,本件発明1は,甲3に記載された発明並びに甲4及び5に記載された事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

ウ 本件発明2及び3について
本件発明2及び3は,本件発明1を直接又は間接的に引用するものであるが,上記イで述べたとおり,本件発明1が,甲3に記載された発明並びに甲4及び5に記載された事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない以上,本件発明2及び3についても同様に,甲3に記載された発明並びに甲4及び5に記載された事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

エ まとめ
以上のとおり,本件発明1?3は,いずれも,甲3に記載された発明並びに甲4及び5に記載された事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
したがって,取消理由3-1(進歩性)によっては,本件特許の請求項1?3に係る特許を取り消すことはできない。

(4)取消理由3-2(進歩性)
ア 甲4に記載された発明
甲4の記載(特許請求の範囲)によれば,甲4には,以下の発明が記載されていると認められる。

「エチレン性不飽和結合を分子中に2個以上有する多官能性モノマーの共存下にアクリル酸エステルを重合させてガラス転移温度が0℃以下の架橋アクリルゴムを最終重合体組成物100重量部に対して55?90重量部の割合で生成させた後,これにメタクリル酸エステルとマレイミド類を加えて更に共重合させて,ガラス転移温度が110℃以上のメタクリル酸エステルとマレイミド類との共重合体を最終重合体組成物100重量部に対して45?10重量部の割合で生成させることにより製造される熱可塑性エラストマー。」(以下,「甲4発明」という。)

イ 本件発明1について
(ア)対比
本件発明1と甲4発明とを対比すると,両者は,少なくとも,
「第一の単量体成分を重合及び架橋することにより第一の構造を形成した後,該第一の構造に第二の単量体成分を導入し,重合することにより得られるエラストマー。」
の点で一致し,少なくとも,以下の点で相違する。
・相違点4
本件発明1では,「前記第二の単量体成分から得られる重合体の窒素雰囲気下において,昇温速度10℃/分の条件でDSC測定した結果により求められるガラス転移温度(Tg)が-80?10℃」であるのに対して,甲4発明では,「メタクリル酸エステルとマレイミド類との共重合体」の「ガラス転移温度が110℃以上」である点。

(イ)相違点4の検討
甲4発明に係る熱可塑性エラストマーは,メタクリル酸エステルとマレイミド類との共重合体につき,そのガラス転移温度を「110℃以上」とすることを前提とするものであるから,当該ガラス転移温度を110℃未満とすること(さらには,10℃以下とすること)は,阻害されているといえる。そして,このことは,甲1,3及び5並びに参考資料1?5を考慮しても,変わるものではない。
そうすると,甲4発明において,メタクリル酸エステルとマレイミド類との共重合体につき,「窒素雰囲気下において,昇温速度10℃/分の条件でDSC測定した結果により求められるガラス転移温度(Tg)」を「-80?10℃」とすることが,当業者が容易に想到することができたということはできない。

(ウ)小括
したがって,本件発明1は,甲4に記載された発明に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

ウ 本件発明2及び3について
本件発明2及び3は,本件発明1を直接又は間接的に引用するものであるが,上記イで述べたとおり,本件発明1が,甲4に記載された発明に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない以上,本件発明2及び3についても同様に,甲4に記載された発明に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

エ まとめ
以上のとおり,本件発明1?3は,いずれも,甲4に記載された発明に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
したがって,取消理由3-2(進歩性)によっては,本件特許の請求項1?3に係る特許を取り消すことはできない。

3 申立人のその他の主張について
ア 申立人は,甲2には,本件発明1と第二の重合体のTgのみが異なるエラストマーが記載されているが,甲1,3及び5並びに参考資料等を参酌すれば,甲2に記載のエラストマーにおいて,第二の重合体のTgを所望の物性が得られる範囲となるように調整する程度のことは,当業者が容易になし得ることであると主張する。
しかしながら,甲2には,甲2発明におけるポリ(ブチルメタクリレート)ネットワークを得るための,ブチルメタクリレートモノマーと0.1重量%のエチレングリコールジメタクリレート(本件発明1における「第二の単量体成分」に相当する。)について,これらの単量体成分から得られる重合体の「窒素雰囲気下において,昇温速度10℃/分の条件でDSC測定した結果により求められるガラス転移温度(Tg)」が具体的にどの程度であるのか,何ら記載されておらず,また,当該ガラス転移温度(Tg)を,「-80?10℃」に制御すべきことについても,何ら記載されていない。さらに,甲1,3及び5並びに参考資料1?5を考慮しても,当該ガラス転移温度(Tg)を,「-80?10℃」とすることを動機付ける記載は見当たらない。
そうすると,甲2発明において,ポリ(ブチルメタクリレート)ネットワークを得るための,ブチルメタクリレートモノマーと0.1重量%のエチレングリコールジメタクリレートについて,これらの単量体成分から得られる重合体の「窒素雰囲気下において,昇温速度10℃/分の条件でDSC測定した結果により求められるガラス転移温度(Tg)」を「-80?10℃」とすることが,当業者が容易に想到することができたということはできない。
よって,申立人の主張は理由がない。
イ 申立人は,平成30年10月25日付けの意見書において,前記第4の3(4),(5)のとおり,進歩性欠如及びサポート要件違反の取消理由を主張するが,これらの主張は,いずれも,新たな取消理由を主張するものであり,実質的に特許異議申立書の要旨を変更するものといえるから,採用しない。

第6 むすび
以上のとおり,取消理由通知書に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議の申立ての理由によっては,本件特許の請求項1?3に係る特許を取り消すことはできない。
また,他に本件特許の請求項1?3に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の単量体成分を重合及び架橋することにより第一の網目構造を形成した後、該第一の網目構造中に第二の単量体成分を導入し、重合、又は重合及び架橋することにより得られる(セミ)相互侵入網目構造を有するエラストマーであって、
前記第一の単量体成分が、非イオン性ビニル系単量体のみからなり、
前記非イオン性ビニル系単量体が、非イオン性の(メタ)アクリル系単量体を50?100mol%含み、
前記第一の単量体成分において、架橋性単量体を除く単量体成分の総量に対して架橋性単量体を0.01?2mol%使用し、
前記第二の単量体成分が、以下の一般式(1)で表される化合物を80mol%以上含み、
前記第二の単量体成分から得られる重合体の窒素雰囲気下において、昇温速度10℃/分の条件でDSC測定した結果により求められるガラス転移温度(Tg)が-80?10℃であり、
前記第一の単量体成分及び前記第二の単量体成分の質量比が、1/0.1?1/30であるエラストマー。
【化1】

〔式中、R^(1)は水素原子又はメチル基を表し、R^(2)は炭素数1?8のアルキル基又は炭素数2?8のアルコキシアルキル基を表す。〕
【請求項2】
前記非イオン性の(メタ)アクリル系単量体が、炭素数1?12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル化合物を50?100mol%含む請求項1に記載のエラストマー。
【請求項3】
前記第二の単量体成分において、架橋性単量体を除く単量体成分の総量に対して架橋性単量体を0?2mol%使用する請求項1又は2に記載のエラストマー。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-12-11 
出願番号 特願2016-511575(P2016-511575)
審決分類 P 1 651・ 113- YAA (C08F)
P 1 651・ 121- YAA (C08F)
P 1 651・ 537- YAA (C08F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 岡▲崎▼ 忠  
特許庁審判長 大熊 幸治
特許庁審判官 井上 猛
海老原 えい子
登録日 2017-10-13 
登録番号 特許第6222348号(P6222348)
権利者 東亞合成株式会社
発明の名称 高強度エラストマー  
代理人 特許業務法人三枝国際特許事務所  
代理人 特許業務法人三枝国際特許事務所  
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