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審決分類 |
審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する F16F 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する F16F 審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する F16F |
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管理番号 | 1348993 |
審判番号 | 訂正2018-390166 |
総通号数 | 232 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2019-04-26 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2018-10-18 |
確定日 | 2019-01-15 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6396414号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第6396414号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-10、12-21〕について訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件訂正審判の請求に係る特許第6396414号(以下「本件特許」という。)は、2014年3月14日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2013年3月15日 米国、2013年8月14日 米国)を国際出願日とする出願であって、平成30年9月7日に特許権の設定登録がされ、同年10月18日に本件訂正審判請求がされたものである。 第2 請求の趣旨及び訂正の内容 本件訂正審判の請求の趣旨は、審判請求書の請求の趣旨に記載されるとおり、特許第6396414号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1?10及び12?21について訂正することを認める、との審決を求めるものであって、その内容は次のとおりである(審決注:下線部分が訂正箇所である。)。 特許請求の範囲の請求項1の「第2出口ポートであって、自由流れモードにおいて、流体は、前記入口に流入し、流れ制御バルブの前記第1出口ポートから流出し」の記載を、 「第2出口ポートと、を備え、自由流れモードにおいて、流体は、前記入口に流入し、前記パッシブダイバータバルブの前記第1出口ポートから流出し」に訂正する(以下「本件訂正事項」という。)。 第3 当審の判断 1 一群の請求項について 訂正前の請求項1?10及び12?21について、請求項2?10及び12?21は、請求項1を直接または間接に引用しているものであって、本件訂正事項によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。 したがって、訂正前の請求項1?10及び12?21に対応する訂正後の請求項1?10及び12?21は、一群の請求項であり、特許法第126条第3項の規定に適合する。 2 訂正要件について (1)訂正の目的について 訂正前の請求項1において、「パッシブダイバータバルブであって、入口と、第1出口ポートと、第2出口ポートであって」との記載は、「パッシブダイバータバルブ」、「入口」、「第1出口ポート」及び「第2出口ポート」の相互の関係が記載されていないために、不明瞭となっているところ、本件訂正事項は、訂正後の請求項1において、パッシブダイバータバルブが、「入口」と、「第1出口ポート」と、「第2出口ポート」とを備えることを明確にすることにより、当該記載の明確化を図ったものである。 また、訂正前の請求項1において、「流れ制御バルブの前記第1出口ポート」との記載は、「流れ制御バルブ」と「第1出口ポート」との関係が不明瞭となっているところ、本件訂正事項は、訂正後の請求項1において、「第1出口ポート」を備えるバルブが「パッシブダイバータバルブ」であることを明確にすることにより、当該記載の明確化を図ったものである。 したがって、本件訂正事項は、記載内容が他の記載との関係で不合理を生じている記載を正すものであり、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 同様に、訂正後の請求項2?10及び12?21は、いずれも訂正後の請求項1を引用するものであるから、本件訂正事項による訂正後の請求項2?10及び12?21に関する訂正も、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (2)願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて 本件特許の明細書の段落【0008】には、「一態様によれば、ダンパ用ダイバータバルブは入口と、第1出口ポートと、第2出口ポートとを含む。」との記載があり、ダイバータバルブが、入口と、第1出口ポートと、第2出口ポートとを含んでいること、すなわち「パッシブダイバータバルブであって、入口と、第1出口ポートと、第2出口ポートと、を備え」ていることが開示されている。 また、本件特許の明細書の段落【0008】には、「自由流れモードにおいて、流体は入口からダイバータバルブの第1出口ポートまで自由に流れることができる。」との記載があり、「自由流れモードにおいて、流体は、前記入口に流入し、前記パッシブダイバータバルブの前記第1出口ポートから流出」することが開示されている。 したがって、本件訂正事項は、本件特許の明細書に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて 前記「(1)」のとおり、本件訂正事項は、パッシブダイバータバルブが、「入口」と、「第1出口ポート」と、「第2出口ポート」とを備えることを明確にするとともに、「第1出口ポート」を備えるバルブが「パッシブダイバータバルブ」であることを明確にしたにすぎず、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 したがって、本件訂正事項は、特許法第126条第6項の規定に適合する。 第4 まとめ 以上のとおり、本件訂正審判に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第3項、第5項及び第6項の規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 パッシブダイバータバルブであって、 入口と、 第1出口ポートと、 第2出口ポートと、を備え、 自由流れモードにおいて、流体は、前記入口に流入し、前記パッシブダイバータバルブの前記第1出口ポートから流出し、 既定の速度を超える流体流速度の増大に応答して、前記パッシブダイバータバルブは、前記第1出口ポートを少なくとも部分的に閉鎖するとともに前記第2出口ポートを開放して、流路切換流れモードで動作する、パッシブダイバータバルブ。 【請求項2】 前記流路切換流れモードが既定の体積流量に応答して起動する、請求項1に記載のパッシブダイバータバルブ。 【請求項3】 少なくとも2つのモードで動作する可動シール要素であって、第1モードにおいて、前記入口と前記第1出口ポートとの間の流体連通を提供し、第2モードにおいて、前記入口と前記第2出口ポートとの間の流体連通を提供する可動シール要素と、 前記可動シール要素を前記第1モードで動作するように付勢する力要素と、 前記入口と前記第1出口ポートとの間の流体制限部であって、それによって前記入口から前記第1出口ポートまでに流体圧力の低下が存在する、流体制限部と、をさらに備え、 前記可動シール要素の第1側の少なくとも一部が前記入口に流体連通し、前記可動シール要素の第2側の少なくとも一部が前記第1出口ポートに流体連通し、その結果、前記第1側に作用する第1閾値を超える正味圧力が前記可動シール要素を前記第2モードで動作させる、請求項1又は2に記載のパッシブダイバータバルブ。 【請求項4】 第2閾値を下回る正味圧力が、前記可動シール要素の第1側に作用すると、前記可動シール要素を前記第1モードで動作させる、請求項3に記載のパッシブダイバータバルブ。 【請求項5】 前記第2モードの間、前記入口からの流体が前記第1出口ポート及び第2出口ポートの両方に連通するように、前記第2モードが前記入口と前記第1出口ポートとの間に流れ経路をさらに提供する、請求項3又は4に記載のパッシブダイバータバルブ。 【請求項6】 前記第2モードの間、前記入口と前記第1出口ポートとの間の前記流れ経路が、前記第1モードの間の前記入口と前記第1出口ポートとの間の前記流れ経路よりも制限的である、請求項5に記載のパッシブダイバータバルブ。 【請求項7】 前記第1出口ポートが油圧ポンプと流体連通する、請求項5又は6に記載のパッシブダイバータバルブ。 【請求項8】 前記可動シール要素が、中間の調整可能な移行を介して動作の前記第1モードにおける第1位置から動作の前記第2モードの第2位置へ移動し、流体が、前記第1位置に対する前記可動シール要素の軸方向移動位置に応じて制限された方法で前記入口から前記第1出口ポート及び前記第2出口ポートの両方に流れる、請求項3?7のいずれか1項に記載のパッシブダイバータバルブ。 【請求項9】 前記可動シール要素の前記第1側の有効投射圧力領域が、前記可動シール要素の前記第2側と面積で等しい、請求項3?8のいずれか1項に記載のパッシブダイバータバルブ。 【請求項10】 前記可動シール要素が、少なくとも2つの位置の間で移動するディスクを備える、請求項3?9のいずれか1項に記載のパッシブダイバータバルブ。 【請求項11】 パッシブダイバータバルブを使用する方法であって、 前記パッシブダイバータバルブの入口ポートから第1出口ポートに流体が自由流れ動作モードにおいて第1流量で流れることを許容することと、 前記第1流量から第2流量への流量の増大に応じて、流路切換流れモードにおいて、前記入口ポートから第2出口ポートに前記流体の少なくとも一部の流路を切り換えることと、を含む、方法。 【請求項12】 圧縮チャンバ及びリバウンドチャンバの少なくとも1つと、油圧ポンプ/モータと、を含むダンパと、 請求項1?10のいずれか1項に記載のパッシブダイバータバルブであって、少なくとも1つの動作モードにおいて、前記圧縮チャンバ及び前記リバウンドチャンバの間、前記圧縮チャンバ及び前記油圧モータ/ポンプの間、並びに、前記リバウンドチャンバ及び前記油圧モータ/ポンプの間の少なくとも1つの間の流体の流れを制御するパッシブダイバータバルブと、を備えるダンパシステム。 【請求項13】 前記第2出口ポートを通って流れる流体が、前記圧縮チャンバ及び前記リバウンドチャンバの少なくとも1つに流れ込む前に制限されるように前記第2出口ポートと流体連通する減衰弁をさらに備える、請求項12に記載のダンパシステム。 【請求項14】 前記減衰弁は、デグレッシブ弁及び柔軟性ディスクスタックのうちの1つを備える、請求項13に記載のダンパシステム。 【請求項15】 前記減衰弁が前記自由流れモードから前記流路切換流れモードに切り替わる場合に、前記減衰弁は、滑らかな圧力応答を提供するように調整される、請求項13又は14に記載のダンパシステム。 【請求項16】 前記減衰弁が前記流路切換流れモードで動作している場合に、特定のダンパ力-速度特性を提供するように調整される、請求項13?15のいずれか1項に記載のダンパシステム。 【請求項17】 前記ダンパはセミアクティブダンパである、請求項12?16のいずれか1項に記載のダンパシステム。 【請求項18】 前記ダンパはアクティブサスペンションダンパである、請求項12?16のいずれか1項に記載のダンパシステム。 【請求項19】 前記第2出口ポートは、流体が前記圧縮チャンバと前記リバウンドチャンバとの間で流れて前記油圧ポンプ/モータを迂回することを可能にするバイパスである、請求項12?16のいずれか1項に記載のダンパシステム。 【請求項20】 前記流路切換流れモードの少なくとも一部の間、前記第1出口ポートは部分的にのみ閉鎖される、請求項12?16のいずれか1項に記載のダンパシステム。 【請求項21】 前記流路切換流れモードの少なくとも一部の間、前記第1出口ポートは完全に閉鎖される、請求項12?16のいずれか1項に記載のダンパシステム。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2018-12-11 |
結審通知日 | 2018-12-13 |
審決日 | 2019-01-04 |
出願番号 | 特願2016-502418(P2016-502418) |
審決分類 |
P
1
41・
853-
Y
(F16F)
P 1 41・ 854- Y (F16F) P 1 41・ 855- Y (F16F) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 村山 禎恒、大谷 謙仁 |
特許庁審判長 |
大町 真義 |
特許庁審判官 |
尾崎 和寛 小関 峰夫 |
登録日 | 2018-09-07 |
登録番号 | 特許第6396414号(P6396414) |
発明の名称 | 多経路流体ダイバータバルブ |
代理人 | 稲葉 良幸 |
代理人 | 江口 昭彦 |
代理人 | 吉川 雅也 |
代理人 | 内藤 和彦 |
代理人 | 大貫 敏史 |
代理人 | 江口 昭彦 |
代理人 | 吉川 雅也 |
代理人 | 内藤 和彦 |
代理人 | 稲葉 良幸 |
代理人 | 大貫 敏史 |