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審決分類 審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G01N
管理番号 1349303
審判番号 不服2017-9912  
総通号数 232 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-04-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-07-04 
確定日 2019-02-21 
事件の表示 特願2013-84884「鉄筋コンクリート診断方法及び鉄筋コンクリート診断装置」拒絶査定不服審判事件〔平成26年10月30日出願公開、特開2014-206487〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
この審判事件に関する出願(以下、「本願」という。)は、特許法第30条第2項(発明の新規性の喪失の例外)の規定の適用を受けようとする旨を願書に記載して平成25年4月15日にされた特許出願であり、同年5月2日に同条第3項の証明書(以下、単に「証明書」という。)が提出された。そして、平成28年10月11日に特許請求の範囲についての補正がされ、平成29年3月27日付けで拒絶査定がされ、同年4月4日に査定の謄本が送達された。
これに対して、同年7月4日に拒絶査定不服審判が請求された。
その後、当合議体は、平成30年2月23日付けで拒絶の理由を通知し(発送日:同27日)、請求人は、同年4月27日に意見書を提出した。

第2 本願に係る発明
本願の特許請求の範囲の請求項1ないし請求項8に係る発明は、本願の特許請求の範囲の請求項1ないし請求項8に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。

「【請求項1】
鉄筋コンクリートの不具合を診断する鉄筋コンクリート診断方法において、
パッシブ法またはアクティブ法によってコンクリートに熱を加えるコンクリート加熱工程と、
前記コンクリート加熱工程後にコンクリート表面の第一の熱画像を撮影する第一の熱画像撮影工程と、
前記第一の熱画像を用いてコンクリート表面と鉄筋表面の間に介在する空洞を検知すると共に、空洞とその直上のコンクリートからなるかぶりコンクリート領域の表面の第一の温度上昇量を求める第一の温度上昇量取得工程と、
前記第一の温度上昇量を用いて前記かぶりコンクリート領域の等価熱物性値を演算する熱物性値演算工程と、
鉄筋に熱を加える鉄筋加熱工程と、
前記鉄筋加熱工程後にコンクリート表面の第二の熱画像を撮影する第二の熱画像撮影工程と、
前記第二の熱画像を用いて前記かぶりコンクリート領域の表面の第二の温度上昇量を求める第二の温度上昇量取得工程と、
前記等価熱物性値を用いて前記第二の温度上昇量を補正して補正後温度上昇量(ΔTバー)を求める温度上昇量補正工程と、
実測コンクリート表面温度上昇量(ΔT_(2))から、コンクリート表面との間に空洞が介在しない鉄筋の腐食率を推測する推測式を用意し、前記補正後温度上昇量(ΔTバー)を前記推測式の実測コンクリート表面温度上昇量(ΔT_(2))に当てはめることによって空洞直下の鉄筋の腐食率を推測する腐食率推測工程と、を行う
ことを特徴とする鉄筋コンクリート診断方法。
【請求項2】
前記第二の温度上昇量取得工程では、さらに、前記かぶりコンクリート領域の表面外であって且つ鉄筋直上のコンクリート表面の第三の温度上昇量を求め、
前記腐食率推測工程では、コンクリート表面との間に空洞が介在しない鉄筋の腐食率を推測する推測式を用意し、前記補正後温度上昇量を前記推測式に当てはめることによって空洞直下の鉄筋の腐食率を推測し、さらに、前記第三の温度上昇量を前記推測式に当てはめることによって空洞直下外の鉄筋の腐食率を推測する
請求項1に記載の鉄筋コンクリート診断方法。
【請求項3】
前記推測式は、健全時コンクリート表面温度上昇量(ΔT_(st))と、実測コンクリート表面温度上昇量(ΔT_(2))と、鉄筋の比熱(C_(st))と、コンクリートの比熱(C_(con))と、腐食生成物の比熱(C_(cor))と、鉄筋の熱伝導率(k_(st))と、コンクリートの熱伝導率(k_(con))と、腐食生成物の熱伝導率(k_(cor))と、鉄筋の密度(ρ_(st))と、コンクリートの密度(ρ_(con))と、腐食生成物の密度(ρ_(cor))と、鉄筋の断面積(S_(st))と、コンクリートの断面積(S_(con))と、かぶり厚さ(c)と、拡散性状を表すパラメータ(α)と、を変数として鉄筋の腐食率(n)を求める式であり、
当該推測式の実測コンクリート表面温度上昇量(ΔT_(2))に前記補正後温度上昇量(ΔTバー)を当てはめることによって空洞直下の鉄筋の腐食率(n)を推測する
請求項1または2に記載の鉄筋コンクリート診断方法。
【請求項4】
前記熱物性値演算工程では、
前記第一の温度上昇量(ΔT_(1))の他に、前記コンクリート加熱工程によるコンクリート加熱前のコンクリート表面の温度(T_(ini))およびコンクリート加熱開始後のコンクリート表面の最高温度(T_(MAX))と、健全時コンクリート表面温度(T_(st))と、コンクリートの密度(ρ_(con))と、空洞の密度(ρ_(cav))と、コンクリートの比熱(C_(con))と、空洞の比熱(C_(cav))と、を用いて、コンクリートの熱容量と空洞の熱容量を統合した等価熱容量(ρCバー)を求め、
また、前記第一の温度上昇量(ΔT_(1))の他に、前記コンクリート加熱工程によるコンクリート加熱前のコンクリート表面の温度(T_(ini))およびコンクリート加熱開始後のコンクリート表面の最高温度(T_(MAX))と、健全時コンクリート表面温度(T_(st))と、コンクリートの熱伝導率(k_(con))と、空洞の熱伝導率(k_(cav))と、を用いて、コンクリートの熱伝導率と空洞の熱伝導率を統合した等価熱伝導率(Kバー)を求める
請求項1?3のいずれか一項に記載の鉄筋コンクリート診断方法。
【請求項5】
前記温度上昇量補正工程では、等価熱容量(ρCバー)と、コンクリートの密度(ρ_(con))と、コンクリートの比熱(C_(con))と、等価熱伝導率(Kバー)と、コンクリートの熱伝導率(k_(con))と、を用いて、前記第二の温度上昇量(ΔT_(2))を補正して前記補正後温度上昇量(ΔTバー)を求める
請求項4に記載の鉄筋コンクリート診断方法。
【請求項6】
鉄筋コンクリートの不具合を診断する鉄筋コンクリート診断方法において、
パッシブ法またはアクティブ法によってコンクリートに熱を加えるコンクリート加熱工程と、
前記コンクリート加熱工程後にコンクリート表面の熱画像を撮影する熱画像撮影工程と、
前記熱画像を用いてコンクリート表面と鉄筋表面の間に介在する空洞を検知すると共に、空洞とその直上のコンクリートからなるかぶりコンクリート領域の表面の温度上昇量(ΔT)を求める表面温度上昇量取得工程と、
前記かぶりコンクリート領域の表面の温度上昇量(ΔT)と、腐食鉄筋を含まない健全時における前記かぶりコンクリート領域の表面の温度上昇量(ΔT_(st))との比と、コンクリートの熱伝導率(k_(con))とを用いて、前記かぶりコンクリート領域の等価熱伝導率(Kバー)を演算する式(Kバー=f(ΔT_(st),ΔT,k_(con)))を用意するとともに、コンクリートの熱伝導率(k_(con))と、空洞の熱伝導率(k_(cav))と、前記かぶりコンクリート領域における空洞の体積率(φ)とを用いて、前記かぶりコンクリート領域の等価熱伝導率(Kバー)を演算する式(Kバー=g(φ,k_(con),k_(cav)))を用意し、これら両式が等しいという条件の下で、前記表面温度上昇量取得工程で取得した前記かぶりコンクリート領域の表面の温度上昇量(ΔT)を用いて前記かぶりコンクリート領域における空洞の体積率(φ)を演算する体積率演算工程と、
前記体積率を用いて空洞厚を推測する空洞厚推測工程と、を行う
ことを特徴とする鉄筋コンクリート診断方法。
【請求項7】
鉄筋コンクリートの不具合を診断する鉄筋コンクリート診断装置において、
鉄筋に熱を加える鉄筋加熱部と、
パッシブ法またはアクティブ法によるコンクリート加熱後のコンクリート表面の第一の熱画像および前記鉄筋加熱部による鉄筋加熱後のコンクリート表面の第二の熱画像を撮影する赤外線カメラと、
前記第一の熱画像を用いてコンクリート表面と鉄筋表面の間に介在する空洞とその空洞直上のコンクリートからなるかぶりコンクリート領域の表面の第一の温度上昇量を求める第一の温度上昇量取得部と、
前記第一の温度上昇量を用いて前記かぶりコンクリート領域の等価熱物性値を演算する熱物性値演算部と、
前記第二の熱画像を用いて前記かぶりコンクリート領域の表面の第二の温度上昇量を求める第二の温度上昇量取得部と、
前記等価熱物性値を用いて前記第二の温度上昇量を補正して補正後温度上昇量(ΔTバー)を求める温度上昇量補正部と、
実測コンクリート表面温度上昇量(ΔT_(2))から、コンクリート表面との間に空洞が介在しない鉄筋の腐食率を推測する推測式を用意し、前記補正後温度上昇量(ΔTバー)を前記推測式の実測コンクリート表面温度上昇量(ΔT_(2))に当てはめることによって空洞直下の鉄筋の腐食率を推測する腐食率推測部と、
推測された前記鉄筋の腐食率を表示する表示部と、を備えた
ことを特徴とする鉄筋コンクリート診断装置。
【請求項8】
鉄筋コンクリートの不具合を診断する鉄筋コンクリート診断装置において、
パッシブ法またはアクティブ法によるコンクリート加熱後のコンクリート表面の熱画像を撮影する赤外線カメラと、
前記熱画像を用いてコンクリート表面と鉄筋表面の間に介在する空洞とその空洞直上のコンクリートからなるかぶりコンクリート領域の表面の温度上昇量(ΔT)を求める温度上昇量取得部と、
前記かぶりコンクリート領域の表面の温度上昇量(ΔT)と、腐食鉄筋を含まない健全時における前記かぶりコンクリート領域の表面の温度上昇量(ΔT_(st))との比と、コンクリートの熱伝導率(k_(con))とを用いて、前記かぶりコンクリート領域の等価熱伝導率(Kバー)を演算する式(Kバー=f(ΔT_(st),ΔT,k_(con)))を用意するとともに、コンクリートの熱伝導率(k_(con))と、空洞の熱伝導率(k_(cav))と、前記かぶりコンクリート領域における空洞の体積率(φ)とを用いて、前記かぶりコンクリート領域の等価熱伝導率(Kバー)を演算する式(Kバー=g(φ,k_(con),k_(cav)))を用意し、これら両式が等しいという条件の下で、前記表面温度上昇量取得工程で取得した前記かぶりコンクリート領域の表面の温度上昇量(ΔT)を用いて前記かぶりコンクリート領域における空洞の体積率(φ)を演算する体積率演算部と、
前記体積率を用いて空洞厚を推測する空洞厚推測部と、
推測された前記空洞厚を表示する表示部と、を備えた
ことを特徴とする鉄筋コンクリート診断装置。」

第3 当合議体が通知した拒絶の理由
本願は、以下に示すとおり、発明の詳細な説明の記載が特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。

1 請求項1
請求項1に係る「鉄筋コンクリート診断方法」は、「熱物性値演算工程」、「温度上昇量補正工程」及び「腐食率推測工程」を行うものであるから、本願の発明の詳細な説明は当業者が請求項1に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されているというためには、本願の発明の詳細な説明の記載に基づいて、当業者が少なくともこれら3つの工程を実行することができなければならない。
そこで、これら3つの工程について順次検討すると、以下のとおりである。

(1)「熱物性値演算工程」について
請求項1に記載されているとおり、「熱物性値演算工程」は、「前記第一の温度上昇量を用いて前記かぶりコンクリート領域の等価熱物性値を演算する」工程である。そして、発明の詳細な説明の【0047】ないし【0049】の記載によれば、「前記かぶりコンクリート領域の等価熱物性値」は、具体的には「等価熱容量ρCバー」及び「等価熱伝導率Kバー」であり、それぞれ(3)式及び(4)式を用いて「実測コンクリート表面温度上昇量ΔT_(1)」から算出される。
ところが、(3)式には、「等価熱容量ρCバー」が「実測コンクリート表面温度上昇量ΔT_(1)」を含む8個の変数の関数であることが示されているだけで、「等価熱容量ρCバー」と「実測コンクリート表面温度上昇量ΔT_(1)」を含む8個の変数との具体的な関係は、何も示されていない。そして、その具体的な関係は、当業者にとって技術常識であるとか自明な事項であると認めるに足りる証拠もない。
同様に、(4)式には、「等価熱伝導率Kバー」が「実測コンクリート表面温度上昇量ΔT_(1)」を含む6個の変数の関数であることが示されているだけで、「等価熱伝導率Kバー」と「実測コンクリート表面温度上昇量ΔT_(1)」を含む6つの変数との具体的な関係は、何も示されていない。そして、その具体的な関係は、当業者にとって技術常識であるとか自明な事項であると認めるに足りる証拠もない。
そうすると、たとえ当業者であっても、(3)式及び(4)式を用いて「実測コンクリート表面温度上昇量ΔT_(1)」から「等価熱容量ρCバー」及び「等価熱伝導率Kバー」を算出することができると認めることはできない。
したがって、発明の詳細な説明の記載に基づいて、当業者が「熱物性値演算工程」を実行することができるということはできない。

(2)「温度上昇量補正工程」について
ア 請求項1に記載されているとおり、「温度上昇量補正工程」は、「前記等価熱物性値を用いて前記第二の温度上昇量を補正して補正後温度上昇量(ΔTバー)を求める」工程である。
ここで、「等価熱物性値」は、「熱物性値演算工程」を実行することによって得られるものであるが、「熱物性値演算工程」は、前記(1)のとおり、発明の詳細な説明の記載に基づいて当業者が実行することができるということはできない。
したがって、同工程を実行することによって得られる「等価熱物性値」を用いる「温度上昇量補正工程」も、発明の詳細な説明の記載に基づいて、当業者が実行することができるということはできない。

イ 以下に述べるとおり、発明の詳細な説明に記載された具体例からも、同様のことがいえる。
発明の詳細な説明の【0050】の記載によれば、「補正後温度上昇量(ΔTバー)」は、具体的には「補正後のコンクリート表面温度上昇量ΔT_(2)バー」であり、(5)式を用いて「実測コンクリート表面温度上昇量ΔT_(2)」から算出される。そして、(5)式に示されているとおり、「補正後のコンクリート表面温度上昇量ΔT_(2)バー」は、「等価熱容量ρCバー」及び「等価熱伝導率Kバー」を用いて算出される。
ところが、前記(1)のとおり、たとえ当業者であっても、(3)式及び(4)式を用いて「実測コンクリート表面温度上昇量ΔT_(1)」から「等価熱容量ρCバー」及び「等価熱伝導率Kバー」を算出することができると認めることはできない。そうすると、(5)式を用いて「実測コンクリート表面温度上昇量ΔT_(2)」から「補正後のコンクリート表面温度上昇量ΔT_(2)バー」を算出することができると認めることもできない。
したがって、「温度上昇量補正工程」は、発明の詳細な説明の記載に基づいて、当業者が実行することができるということはできない。

(3)「腐食率推測工程」について
ア 請求項1に記載されているとおり、「腐食率推測工程」は、「実測コンクリート表面温度上昇量(ΔT_(2))から、コンクリート表面との間に空洞が介在しない鉄筋の腐食率を推測する推測式を用意し、前記補正後温度上昇量(ΔTバー)を前記推測式の実測コンクリート表面温度上昇量(ΔT_(2))に当てはめることによって空洞直下の鉄筋の腐食率を推測する」工程である。
ここで、「補正後温度上昇量(ΔTバー)」は、「温度上昇量補正工程」を実行することによって得られるものであるが、「温度上昇量補正工程」は、前記(2)のとおり、発明の詳細な説明の記載に基づいて当業者が実行することができるということはできない。
したがって、同工程を実行することによって得られる「補正後温度上昇量(ΔTバー)」を用いる「腐食率推測工程」も、発明の詳細な説明の記載に基づいて、当業者が実行することができるということはできない。

イ 前記アの点を措くとしても、「腐食率推測工程」は、以下に述べるとおり、発明の詳細な説明の記載に基づいて、当業者が実行することができるということはできない。

(ア)請求項1に記載されているとおり、「腐食率推測工程」は、「実測コンクリート表面温度上昇量(ΔT_(2))から、コンクリート表面との間に空洞が介在しない鉄筋の腐食率を推測する推測式を用意」することを含む工程である。そして、発明の詳細な説明の【0038】ないし【0045】の記載によれば、「実測コンクリート表面温度上昇量(ΔT_(2))から、コンクリート表面との間に空洞が介在しない鉄筋の腐食率を推測する推測式」は、(1)式である。
ところが、(1)式には、「鉄筋の腐食率n」が「実測コンクリート表面温度上昇量(ΔT_(2))」を含む15個の変数の関数であることが示されているだけで、「鉄筋の腐食率n」と「実測コンクリート表面温度上昇量(ΔT_(2))」を含む15個の変数との具体的な関係は、何も示されていない。そして、その具体的な関係は、当業者にとって技術常識であるとか自明な事項であると認めるに足りる証拠もない。
さらに、15個の変数のうち、「α:拡散性状を表すパラメータ」は、その定義が発明の詳細な説明に記載されていないし、その定義が当業者にとって技術常識であるとか自明な事項であると認めるに足りる証拠もないから、何を表しているのかが明らかでない。
そうすると、たとえ当業者であっても、(1)式を手がかりとして、「実測コンクリート表面温度上昇量(ΔT_(2))から、コンクリート表面との間に空洞が介在しない鉄筋の腐食率を推測する推測式を用意」することができると認めることはできない。
したがって、発明の詳細な説明の記載に基づいて、当業者が「腐食率推測工程」を実行することができるということはできない。

(イ)請求人は、2012年(平成24年)8月10日に「第4回コンクリート構造物の非破壊検査シンポジウム」で発表された参考文献1を引用し、そこに記載された事項は本願の前に当業者の技術常識になっていたとした上で、参考文献1の(12)式が明細書の(1)式に対応し、明細書の(1)式はエネルギー保存則に従って当業者の技術常識から導かれると主張する(審判請求書、第8ページ第12行ないし第11ページ第5行)。
しかし、参考文献1が本願(出願日:平成25年4月15日)のおよそ8か月前にシンポジウムで発表されたからといって、そこに記載された事項が本願の前に当業者の技術常識になっていたと直ちに認めることはできない。
また、参考文献1の(12)式が本願の前に当業者の技術常識になっていたとしても、参考文献1の(12)式は、「鉄筋の腐食率n」が9個の変数の関数であることを示す一方、明細書の(1)式は、既に述べたとおり、「鉄筋の腐食率n」が15個の変数の関数であることを示すから、参考文献1の(12)式が明細書の(1)式に対応するということはできない。
さらに、参考文献1の(12)式に6個の変数を追加し、明細書の(1)式のように、「鉄筋の腐食率n」を15個の変数の関数として表すことは、「鉄筋の腐食率n」と追加する6個の変数との具体的な関係を表すことにほかならないが、「鉄筋の腐食率n」と追加する6個の変数との具体的な関係は、当業者にとって技術常識であるとか自明な事項であると認めるに足りる証拠もない。そもそも、追加するべき6個の変数には「α:拡散性状を表すパラメータ」が含まれており、これが何を表しているかが明らかでないことは、前記(ア)で述べたとおりである。このように何を表しているかが明らかでない変数と「鉄筋の腐食率n」との具体的な関係は、当業者にとって技術常識でも自明な事項でもないことが明らかである。
したがって、請求人の主張は、採用することができない。

(4)以上のとおりであるから、本願の発明の詳細な説明は、当業者が請求項1に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されているということはできない。
請求項1の記載を直接又は間接的に引用して記載された請求項2ないし請求項5に係る発明についても、同様のことがいえる。

2 請求項6
請求項6に係る「鉄筋コンクリート診断方法」は、「体積率演算工程」を行うものであるから、本願の発明の詳細な説明は当業者が請求項6に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されているというためには、本願の発明の詳細な説明の記載に基づいて、当業者が少なくともこの工程を実行することができなければならない。
そこで、検討すると、以下のとおりである。

(1)請求項6に記載されているとおり、「体積率演算工程」は、「前記かぶりコンクリート領域の表面の温度上昇量(ΔT)と、腐食鉄筋を含まない健全時における前記かぶりコンクリート領域の表面の温度上昇量(ΔT_(st))との比と、コンクリートの熱伝導率(k_(con))とを用いて、前記かぶりコンクリート領域の等価熱伝導率(Kバー)を演算する式(Kバー=f(ΔT_(st),ΔT,k_(con)))を用意する」ことを含む工程である。そして、発明の詳細な説明の【0075】ないし【0077】の記載によれば、この式は、(6)式である。
ところが、(6)式には、「等価熱伝導率(Kバー)」が「ΔT_(st):健全時(腐食鉄筋を含まない)コンクリート表面温度上昇量」、「ΔT:(コンクリート加熱前後における)実測コンクリート表面温度上昇量」及び「k_(con):コンクリートの熱伝導率」の関数であることが示されているだけで、「等価熱伝導率(Kバー)」とこれら3つの変数との具体的な関係は、何も示されていない。そして、その具体的な関係は、当業者にとって技術常識であるとか自明な事項であると認めるに足りる証拠もない。
そうすると、たとえ当業者であっても、(6)式を手がかりとして「前記かぶりコンクリート領域の表面の温度上昇量(ΔT)と、腐食鉄筋を含まない健全時における前記かぶりコンクリート領域の表面の温度上昇量(ΔT_(st))との比と、コンクリートの熱伝導率(k_(con))とを用いて、前記かぶりコンクリート領域の等価熱伝導率(Kバー)を演算する式(Kバー=f(ΔT_(st),ΔT,k_(con)))を用意する」ことができると認めることはできない。

(2)請求項6に記載されているとおり、「体積率演算工程」は、「コンクリートの熱伝導率(k_(con))と、空洞の熱伝導率(k_(cav))と、前記かぶりコンクリート領域における空洞の体積率(φ)とを用いて、前記かぶりコンクリート領域の等価熱伝導率(Kバー)を演算する式(Kバー=g(φ,k_(con),k_(cav)))を用意」することを含む工程である。そして、発明の詳細な説明の【0075】ないし【0077】の記載によれば、この式は、(7)式である。
ところが、(7)式には、「等価熱伝導率(Kバー)」が「k_(con):コンクリートの熱伝導率」、「k_(cav):空洞の熱伝導率」及び「φ:かぶりコンクリート領域における空洞5の体積率」の関数であることが示されているだけで、「等価熱伝導率(Kバー)」とこれら3つの変数との具体的な関係は、何も示されていない。そして、その具体的な関係は、当業者にとって技術常識であるとか自明な事項であると認めるに足りる証拠もない。
そうすると、たとえ当業者であっても、(7)式を手がかりとして「コンクリートの熱伝導率(k_(con))と、空洞の熱伝導率(k_(cav))と、前記かぶりコンクリート領域における空洞の体積率(φ)とを用いて、前記かぶりコンクリート領域の等価熱伝導率(Kバー)を演算する式(Kバー=g(φ,k_(con),k_(cav)))を用意」することができると認めることはできない。

(3)請求人は、参考文献2を引用して、そこに記載された(13)式及び(12)式がそれぞれ明細書の(6)式及び(7)式に対応すると主張する(審判請求書、第12ページ第2行ないし第17ページ第3行)。
しかし、参考文献2は、請求人が出典を明らかにしていないから、どのような性質の文献であるかが不明であり、参酌することはできない。
したがって、請求人の主張は、採用することができない。

(4)以上のとおりであるから、本願の発明の詳細な説明は、当業者が請求項6に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されているということはできない。

3 請求項7
請求項7に係る「鉄筋コンクリート診断装置」は、請求項1に係る「鉄筋コンクリート診断方法」を実施する装置であり、それを構成する「熱物性値演算部」、「温度上昇量補正部」及び「腐食率推測部」は、それぞれ請求項1に係る「鉄筋コンクリート診断方法」の「熱物性値演算工程」、「温度上昇量補正工程」及び「腐食率推測工程」を実行するものであると認められる。
ここで、前記1のとおり、請求項1に係る「鉄筋コンクリート診断方法」の「熱物性値演算工程」、「温度上昇量補正工程」及び「腐食率推測工程」は、発明の詳細な説明の記載に基づいて当業者が実行することができるということはできないから、当業者が発明の詳細な説明の記載に基づいて、それらの工程を実行する「熱物性値演算部」、「温度上昇量補正部」及び「腐食率推測部」を作ることもできないことは明らかである。
したがって、本願の発明の詳細な説明は、当業者が請求項7に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されているということはできない。

4 請求項8
請求項8に係る「鉄筋コンクリート診断装置」は、請求項6に係る「鉄筋コンクリート診断方法」を実施する装置であり、それを構成する「体積率演算部」は、請求項6に係る「鉄筋コンクリート診断方法」の「体積率演算工程」を実行するものであると認められる。
ここで、前記2のとおり、請求項6に係る「鉄筋コンクリート診断方法」の「体積率演算工程」は、発明の詳細な説明の記載に基づいて当業者が実行することができるということはできないから、当業者が発明の詳細な説明の記載に基づいて、この工程を実行する「体積率演算部」を作ることもできないことは明らかである。
したがって、本願の発明の詳細な説明は、当業者が請求項8に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されているということはできない。

第4 請求人の主張
意見書における請求人の主張の概要は、以下のとおりである。

1 請求項1
(1)明細書の(3)式及び(4)式
ア 明細書の(3)式(等価熱容量ρCバーを求める式)は、意見書に参考文献3として添付した論文「剥離空洞存在下における鉄筋腐食性状の診断方法に関する研究」の(6)式に対応する。
また、明細書の(3)式(等価熱容量ρCバーを求める式)は、審判請求書に参考文献2として添付した論文「鉄筋腐食推定手法の剥離空洞存在領域への拡張」の(10)式としても示されている。

イ 明細書の(4)式(等価熱伝導率Kバーを求める式)は、参考文献2の(12)式に対応する。参考文献2の(12)式の左辺のλバーは、明細書の(4)式のKバーに対応する。

ウ 参考文献3は、証明書に示されるように平成24年10月22日?24日に研究集会にて発表された論文である。

エ 参考文献2は、「コンクリート工学年次論文集」、第35巻、第1号、2013年(以下、単に「論文集」という。)に掲載された論文であり、2013年7月9日に発行されたものである。

(2)明細書の(1)式の変数と参考文献1の(12)式の変数との対応
明細書の(1)式(腐食率nを求める式)の変数は15個であり、参考文献1の(12)式の変数は9個である点については、参考文献1の(12)式の9個の変数が必須の変数であり、明細書の(1)式にのみ示されているK_(st),K_(con),K_(cor),ρ_(cor),c,α等の変数は、実際には使用していない変数である。

(3)明細書の(1)式の拡散性状を表すパラメータαの定義
明細書の(1)式の拡散性状を表すパラメータαは、参考文献1の(13)式に示されているように、かぶり厚cに依存して変化するコンクリート内部の熱拡散の分布形状を表すパラメータであり、実験結果と解析結果の対比によって決定されるものである。
また、明細書の(1)式の拡散性状を表すパラメータαは、参考文献3の(4)式に付帯して、かぶり厚cによって変化する式として示されている。

2 請求項6
(1)審判請求書で述べたとおり、明細書の(6)式及び(7)式(等価熱伝導率Kバーを求める式)は、それぞれ参考文献2の(13)式及び(12)式に対応する。

(2)意見書に参考文献4として添付した論文「耐火断熱レンガの伝熱機構と熱伝導率に関する考察」は、2004年に発表された論文であり、当業者であれば、参考文献4の(1)式から参考文献2の(12)式を当然に導くことができる。
したがって、明細書の(7)式は、当業者が当然に導くことができる。

(3)明細書の(6)式は、参考文献2に(13)式として示されているように、空洞が存在する領域と空洞が存在しない領域でのコンクリート表面温度上昇量の比が、対応する等価熱伝導率の比になるという技術常識から当然に当業者が導くことができる。

第5 当合議体の判断
1 請求項1
(1)明細書の(3)式及び(4)式
請求人は、明細書の(3)式は参考文献3の(6)式及び参考文献2の(10)式に対応し、明細書の(4)式は参考文献2の(12)式に対応すると主張する。
請求人の主張の趣旨は、参考文献3及び参考文献2に記載された事項を参酌すれば、明細書の(3)式によって表される「等価熱容量ρCバー」と「実測コンクリート表面温度上昇量ΔT_(1)」を含む8個の変数との具体的な関係も、明細書の(4)式によって表される「等価熱伝導率Kバー」と「実測コンクリート表面温度上昇量ΔT_(1)」を含む6つの変数との具体的な関係も、当業者の技術常識であるか、当業者にとって自明な事項であるというものと思われる。
しかし、参考文献3も参考文献2も、文献自体からはその出典が明らかでなく、どのような文献か(例えば、頒布された刊行物か、そうだとしたら、いつ頒布されたかなど)が不明であるから、明細書の(3)式及び(4)式の意味を解釈する際に、その記載を参酌することはできない。
この点について、請求人はさらに、参考文献3は証明書に示されるように平成24年10月22日?24日に研究集会にて発表された論文であると主張する。
しかし、証明書には、「空洞化の鉄筋腐食率を求める技術」が一般社団法人日本非破壊検査協会主催の平成24年度秋季講演大会【東京】で公開されたことが記載されているだけであるから、参考文献3が同講演大会で発表された論文であると認めることはできない。
また、請求人は、参考文献2は論文集に掲載された論文であり、2013年7月9日に発行されたものであると主張する。
しかし、参考文献2が論文集に掲載された論文であると認めるに足りる証拠はない。仮に、請求人が主張するとおり、参考文献2は論文集に掲載された論文であるとすると、参考文献2は本願より後に頒布された刊行物ということになるから、明細書の(3)式及び(4)式の意味を解釈する際に、その記載を参酌することはできない。
したがって、請求人の主張は、当を得ない。

(2)明細書の(1)式の変数と参考文献1の(12)式の変数との対応
請求人は、参考文献1の(12)式の9個の変数が必須の変数であり、明細書の(1)式にのみ示されているK_(st),K_(con),K_(cor),ρ_(cor),c,α等の変数は実際には使用していない変数であると主張する。
しかし、明細書の(1)式に示される15個の変数のうち、6個の変数(K_(st),K_(con),K_(cor),ρ_(cor),c,α)は実際には使用しないものであると認めるに足りる証拠はない。仮に、請求人が主張するとおりだとしても、当業者がそのことを理解し得るといえる理由が不明である。
したがって、請求人の主張は、採用することができない。

(3)明細書の(1)式の拡散性状を表すパラメータαの定義
請求人は、明細書の(1)式のパラメータαは参考文献1の(13)式に示されているように実験結果と解析結果の対比によって決定されるものであると主張し、また、参考文献3の(4)式に付帯して示されていると主張する。
請求人の主張の趣旨は、参考文献1及び参考文献3に記載された事項を参酌すれば、明細書の(1)式のパラメータαの定義は当業者の技術常識であるか、当業者にとって自明な事項であるというものと思われる。
しかし、参考文献1に記載された事項が本願の前に当業者の技術常識になっていたと直ちに認めることができないことは、前記第3の1(3)イ(イ)のとおりであるし、参考文献3がどのような文献かが不明なことは、前記(1)のとおりである。そうすると、明細書の(1)式のパラメータαの定義を理解する際に、それらの記載を参酌することはできない。
したがって、請求人の主張は、当を得ない。

2 請求項6
(1)請求人は、明細書の(6)式及び(7)式はそれぞれ参考文献2の(13)式及び(12)式に対応すると主張する。
請求人の主張の趣旨は、参考文献2に記載された事項を参酌すれば、明細書の(6)式によって表される「等価熱伝導率(Kバー)」と「ΔT_(st):健全時(腐食鉄筋を含まない)コンクリート表面温度上昇量」、「ΔT:(コンクリート加熱前後における)実測コンクリート表面温度上昇量」及び「k_(con):コンクリートの熱伝導率」との具体的な関係も、明細書の(7)式で表される「等価熱伝導率(Kバー)」と「k_(con):コンクリートの熱伝導率」、「k_(cav):空洞の熱伝導率」及び「φ:かぶりコンクリート領域における空洞5の体積率」との具体的な関係も、当業者の技術常識であるか、当業者にとって自明な事項であるというものと思われる。
しかし、前記1(1)のとおり、参考文献2はどのような文献かが不明であるし、仮に、請求人が主張するとおり、参考文献2は論文集に掲載された論文であるとすると、参考文献2は本願より後に頒布された刊行物ということになるから、明細書の(6)式及び(7)式の意味を解釈する際に、その記載を参酌することはできない。
したがって、請求人の主張は、当を得ない。

(2)請求人は、参考文献4の(1)式から参考文献2の(12)式を当然に導くことができるから、明細書の(7)式は当業者が当然に導くことができると主張する。
請求人の主張の趣旨は、参考文献4の記載を参酌すれば、明細書の(7)式の具体的な形は、当業者の技術常識であるか、当業者にとって自明な事項であるというものと思われる。
そこで、参考文献4を参照すると、その「3.1 既存の推定式」の項には、固体が連続相を構成し、気体がその内部に粒子状に分散している複合材料の熱伝導率の推定式として、直列式(1)、Maxwellの式(2)、Meredithの式(3)及びBruggemanの式(4)が記載されている。これらの式は、いずれも、複合材料(具体的にはレンガ)の熱伝導率λ_(r)を、固体の熱伝導率λ_(s)、気体の熱伝導率λ_(g)及び空隙率φ(それぞれ、明細書の(7)式の「k_(con):コンクリートの熱伝導率」、「k_(cav):空洞の熱伝導率」及び「φ:かぶりコンクリート領域における空洞5の体積率」に相当すると認められる。)の関数として表現するものである。
一方、明細書の(7)式は、「かぶりコンクリート領域の熱伝導率Kバー」を「分散系熱伝導率Kバー」と見たときに、それが、「k_(con):コンクリートの熱伝導率」、「k_(cav):空洞の熱伝導率」及び「φ:かぶりコンクリート領域における空洞5の体積率」の関数であることを示すだけであるから、その関数の具体的な形は、参考文献4の(1)式ないし(4)式のいずれでもあり得ることになる。そして、明細書の(7)式が、参考文献4に記載された4つの式のうち、特に直列式(1)であると解するべき理由は見当たらない。
そうすると、参考文献4の記載を参酌したとしても、明細書の(7)式の具体的な形を当業者が理解することができるということはできない。
したがって、請求人の主張は、採用することができない。

(3)請求人は、明細書の(6)式は、参考文献2に(13)式として示されているように、技術常識から当然に当業者が導くことができると主張する。
しかし、前記1(1)のとおり、参考文献2はどのような文献かが不明であるし、仮に、請求人が主張するとおり、参考文献2は論文集に掲載された論文であるとすると、参考文献2は本願より後に頒布された刊行物ということになるから、明細書の(6)式及び(7)式の意味を解釈する際に、その記載を参酌することはできない。
したがって、請求人の主張は、当を得ない。

3 判断のまとめ
以上のとおりであるから、請求人の主張は、いずれも当を得ないか、採用することができない。
そして、前記第3のとおり、本願の発明の詳細な説明は、当業者が請求項1、請求項6ないし請求項8に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されているということはできない。請求項1の記載を直接又は間接的に引用して記載された請求項2ないし請求項5に係る発明についても、同様のことがいえる。

第6 むすび
本願は、発明の詳細な説明の記載が特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていないから、拒絶するべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2018-12-13 
結審通知日 2018-12-18 
審決日 2019-01-08 
出願番号 特願2013-84884(P2013-84884)
審決分類 P 1 8・ 536- WZ (G01N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 後藤 大思  
特許庁審判長 清水 稔
特許庁審判官 須原 宏光
小林 紀史
発明の名称 鉄筋コンクリート診断方法及び鉄筋コンクリート診断装置  
代理人 山下 隆志  
代理人 山下 隆志  
代理人 山下 隆志  
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