• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1349335
審判番号 不服2018-6044  
総通号数 232 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-04-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-05-01 
確定日 2019-02-21 
事件の表示 特願2016-152353号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成30年2月8日出願公開、特開2018-19856号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯の概要
本願は、平成28年8月2日の出願であって、平成29年6月19日付けで拒絶の理由が通知され、同年8月24日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成30年1月24日付け(発送日:同年1月30日)で拒絶査定がなされ、それに対して、同年5月1日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

第2 平成30年5月1日にされた手続補正についての補正却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成30年5月1日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 補正の内容
本件補正により、平成29年8月24日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1における
「遊技の進行を制御する主制御手段と、
前記主制御手段に接続され、前記主制御手段からの信号に応じて、特別図柄、特別図柄に対応する抽選についての保留記憶数、大当り遊技のラウンド数、普通図柄、普通図柄に対応する抽選についての保留記憶数のうちのいずれかをLEDにより表示する表示手段と
を備える遊技機であって、
前記表示手段は、
複数の前記LEDが表面実装されると共に、前記主制御手段に電気的に繋がるハーネスが接続されるコネクタが表面実装された表示用基板と、
前記複数のLEDが実装された前記表示用基板前面を覆うカバー部材と、
を備え、
前記カバー部材は、前記カバー部材を前後に貫通すると共に前記LEDに対応して形成される窓を区画し、前記窓に対応する前記LEDの状態を前記窓毎に区別可能に構成した窓画成部を備え、
前記表示手段は、前記表示用基板が前記カバー部材から取り外し困難、前記表示用基板と前記カバー部材とが再組み立て困難、又は、該表示手段を分解した際に前記カバー部材及び前記表示用基板の何れかに取り外しの痕跡が残るように構成した
ことを特徴とする遊技機。」は、
審判請求時に提出された手続補正書(平成30年5月1日付け)における
「遊技の進行を制御する主制御手段と、
前記主制御手段に接続され、前記主制御手段からの信号に応じて、特別図柄、特別図柄に対応する抽選についての保留記憶数、大当り遊技のラウンド数、普通図柄、普通図柄に対応する抽選についての保留記憶数のうちのいずれかをLEDにより表示する表示手段と
を備える遊技機であって、
前記表示手段は、
複数の前記LEDが前面に表面実装されると共に、前記主制御手段に電気的に繋がるハーネスが接続されるコネクタが後面に表面実装され、前記コネクタが前記複数のLEDの実装領域に対応する後側位置に配置された表示用基板と、
前記複数のLEDが実装された前記表示用基板前面を覆うカバー部材と、
を備え、
前記カバー部材は、前記カバー部材を前後に貫通すると共に前記LEDに対応して形成される窓を区画し、前記窓に対応する前記LEDの状態を前記窓毎に区別可能に構成した窓画成部を備え、
前記表示手段は、前記表示用基板が前記カバー部材から取り外し困難、前記表示用基板と前記カバー部材とが再組み立て困難、又は、該表示手段を分解した際に前記カバー部材及び前記表示用基板の何れかに取り外しの痕跡が残るように構成した
ことを特徴とする遊技機。」に補正された(下線は、補正箇所を明示するために当審にて付した。)。

2 補正の適否
本件補正は、補正前の請求項1?2のうちの請求項1について、発明を特定するために必要な事項である「表示手段」が備える「表示用基板」に関して、「複数の前記LEDが表面実装されると共に、前記主制御手段に電気的に繋がるハーネスが接続されるコネクタが表面実装された表示用基板」とあったものを「複数の前記LEDが前面に表面実装されると共に、前記主制御手段に電気的に繋がるハーネスが接続されるコネクタが後面に表面実装され、前記コネクタが前記複数のLEDの実装領域に対応する後側位置に配置された表示用基板」と限定することを含むものである。

そして、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。
また、本件補正は、願書に最初に添付した明細書の【1266】?【1267】の記載からみて新規事項を追加するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。

3 独立特許要件
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するかについて、以下に検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、次のとおりのものであると認める(記号A?Eは、分説するため審決にて付した。)。
「A 遊技の進行を制御する主制御手段と、
B 前記主制御手段に接続され、前記主制御手段からの信号に応じて、特別図柄、特別図柄に対応する抽選についての保留記憶数、大当り遊技のラウンド数、普通図柄、普通図柄に対応する抽選についての保留記憶数のうちのいずれかをLEDにより表示する表示手段と
を備える遊技機であって、
C 前記表示手段は、
C1 複数の前記LEDが前面に表面実装されると共に、前記主制御手段に電気的に繋がるハーネスが接続されるコネクタが後面に表面実装され、前記コネクタが前記複数のLEDの実装領域に対応する後側位置に配置された表示用基板と、
C2 前記複数のLEDが実装された前記表示用基板前面を覆うカバー部材と、
を備え、
D 前記カバー部材は、前記カバー部材を前後に貫通すると共に前記LEDに対応して形成される窓を区画し、前記窓に対応する前記LEDの状態を前記窓毎に区別可能に構成した窓画成部を備え、
E 前記表示手段は、前記表示用基板が前記カバー部材から取り外し困難、前記表示用基板と前記カバー部材とが再組み立て困難、又は、該表示手段を分解した際に前記カバー部材及び前記表示用基板の何れかに取り外しの痕跡が残るように構成した
ことを特徴とする遊技機。」

(2)刊行物1
原査定の拒絶理由において引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2015-100467号公報(以下「刊行物1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線部は当審で付した。以下同様。)。

ア 記載事項
(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDを用いた表示装置を備える遊技機に関する。
・・・
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来、特別図柄表示器では、基板に形成された孔部に端子を差し込んで半田付けするスルーホール実装によりLEDが基板に取り付けられていた。このため、LEDを基板から取り外し、再度基板に取り付けることが可能であり、不正行為の対象となるおそれがある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、LEDを用いた表示装置への不正行為を防止することを目的とする。
・・・
【0007】
本発明の遊技機は、遊技の進行を制御する主制御基板(700)と、主制御基板に接続され、主制御基板からの信号に応じて、特別図柄、特別図柄に対応する抽選についての保留記憶数、大当り遊技のラウンド数、普通図柄、普通図柄に対応する抽選についての保留記憶数のうちのいずれかをLEDにより表示する表示装置(208)とを備える遊技機(1)であって、表示装置は、1または複数のLEDが表面実装された表示用基板(400,2300)と、LEDを覆った状態で、該表示用基板に取り外し不可能又は再組立て不可能な状態で取り付けられたカバー部材(350,2210)とを有すること、を特徴とする。
・・・
【0011】
また、LEDが表示用基板に表面実装されているため、LEDを表示用基板にスルーホール実装する場合に比べ、軽量化が可能となると共に、故障を低減させることができる。」

(イ)「【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態としてのパチンコ遊技機1について説明する。
<第1実施形態>
[パチンコ遊技機1の構成]
図1を用いて、遊技機1の概略構成について説明する。図1は、本実施形態の遊技機1の概略正面図である。遊技機1は、遊技者の発射操作に基づいて遊技球を発射させ、特定の入賞装置に遊技球が入賞すると、その入賞に基づいて所定数の遊技球を遊技者に払い出すよう構成されたパチンコ遊技機である。なお、本実施形態の遊技機1は、1種タイプと呼ばれるパチンコ遊技機である。
【0014】
図1に示すように、遊技機1は、入賞や判定に関する役物等が設けられた遊技盤100と、遊技盤100を囲む枠部材101とを備えている。なお、遊技盤100の詳細構成は、図1では不図示(空白)としてり、別途、図2を用いて後述する。
・・・
【0017】
図2を用いて、遊技機1における略中央部に配置される遊技盤100の具体的構成を説明する。図2に示すように、遊技盤100は、板状の板状部材200に遊技釘や各種役物等を配することで構成されており、その中央に、液晶表示装置201を有している。また、遊技盤100は、入賞や判定に関する役物として、第1始動装置202、第2始動装置203、電動チューリップ204、2つのゲート205、大入賞装置206、4つの一般入賞装置207、及び、表示器208を有している。」

(ウ)「【0035】
[表示器及びサブ表示器について]
図3は、表示器208の正面図の一例である。本実施形態では、表示器208は、遊技領域102の左下に外レール210aに隣接して配されているが、これに限定されることは無く、様々な位置に配置することができる。
【0036】
表示器208は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報(換言すれば、遊技にて遊技者に付与される利益に関する情報)を表示するものである。より詳しくは、表示器208は、第1,第2特別図柄表示器300,310、第1,第2特別図柄保留表示器301,311、確変表示器320、時短表示器321、右打ち表示器322、大当たりラウンド数表示器330、普通図柄表示器340、及び、普通図柄保留表示器341として構成することができる。なお、これらの表示器の詳細については、後述する。
【0037】
また、サブ表示器220も、遊技にて遊技者に付与される利益に関する情報を表示するものであり、同様にして、第1,第2特別図柄表示器、第1,第2特別図柄保留表示器、確変表示器、時短表示器、右打ち表示器、大当たりラウンド数表示器、普通図柄表示器、及び、普通図柄保留表示器として構成することができる。
【0038】
表示器208及びサブ表示器220の双方が搭載される場合であれば、上述した表示器300?341としての機能の各々が、表示器208及びサブ表示器220のいずれかに割り当てられる。また、表示器208又はサブ表示器220の一方が搭載される場合であれば、搭載された表示器208又はサブ表示器220が、上述した表示器300?341としての機能を全て備えることになる。
【0039】
表示器208は、2列に並んだ複数のLEDを有しており、表示器208のみにより遊技にて遊技者に付与される利益に関する情報を表示する場合には、これらのLEDは、第1,第2特別図柄表示器300,310、第1,第2特別図柄保留表示器301,311、確変表示器320、時短表示器321、右打ち表示器322、大当たりラウンド数表示器330、普通図柄表示器340、及び、普通図柄保留表示器341を構成する。」

(エ)「【0069】
[遊技機1の内部構成]
図7は、遊技機1のブロック図である。遊技機1は、主制御基板700、払出制御基板710、演出制御基板720、画像制御基板730、ランプ制御基板740、発射制御基板750、及び電源基板760を備えている。
【0070】
主制御基板700は、遊技機の基本動作を制御する。主制御基板700は、ワンチップマイコン701を備えており、ワンチップマイコン701は、メインCPU701a、メインROM701bおよびメインRAM701cを含んでいる。また、主制御基板700は、主制御用の入力ポート及び出力ポート(いずれも不図示)を備えている。
・・・
【0072】
また、主制御用の出力ポートには、第2始動装置203に近接配置された電動チューリップ204のプレートを開閉動作させる始動装置開閉ソレノイド707、大入賞装置206を開閉するプレートを動作させる大入賞口開閉ソレノイド708、表示器208及びサブ表示器220の双方又は一方、外部情報信号を出力する遊技情報出力端子板709、払出制御基板710、及び、演出制御基板720が接続されている。この主制御用の出力ポートによって、各種信号が出力される。
【0073】
なお、表示器208及びサブ表示器220の双方又は一方は、既述の通り、特別図柄表示器300,310、特別図柄保留表示器301,311、確変表示器320、時短表示器321、右打ち表示器322、大当たりラウンド数表示器330、普通図柄表示器340、普通図柄保留表示器341を有しており、これら各表示器300?341がそれぞれ主制御用の出力ポートに接続されている。」

(オ)「【0197】
<第2実施形態>
第2実施形態では、第1実施形態の表示器208の構成が異なっている。そこで、本実施形態の表示器208特有の構成について説明し、第1実施形態と同様の構成については説明を割愛する。
【0198】
本実施形態では、表示器208は、1又は複数の表示部から構成されている。
図22は、表示部2200を正面側から見た斜視図である。また、図23は、表示部2200を底部側から見た斜視図である。
【0199】
表示部2200は、カバー部材2210と、表面に10個のLEDが表面実装された表示用基板2300等から構成されている。
カバー部材2210は、当該カバー部材2210の底部をなす板状の台座部2230と、台座部2230から突出した三角柱状の突起部2220とから構成されている。突起部2220の側面の角部は面取りがなされており、表示部2200は、突起部2220の頂部が遊技者に対面した状態で配される。
【0200】
突起部2220には、その突出方向に沿って当該突起部2220を貫通する導光用孔部2240が10個形成されている。
また、カバー部材2210の台座部2230は、その表面を覆った状態で表示用基板2300に取り付けられ、各導光用孔部2240は、表示用基板2300の表面に表面実装されたLEDに対応する位置に配される。これにより、突起部2220の頂部側から、導光用孔部2240を介して各LEDの点灯状態を視認することが可能となる。
【0201】
一方、表示用基板2300の裏面には、表面に表面実装されたLEDに配線されたコネクタ2310が設けられており(図23参照)、コネクタ2310を介して、該LEDと主制御基板700とが接続される。
【0202】
そして、表示用基板2300は、カバー部材2210の台座部2230に溶着されており、これにより、表示用基板2300は、カバー部材2210に対し、取り外し不可能或いは再組立て不可能な状態(換言すれば、取り外しが不可能或いは極めて困難な状態)で取り付けられる。」

イ 認定事項
(カ)刊行物1には、【0197】に「・・・第2実施形態では、第1実施形態の表示器208の構成が異なっている。・・・」と記載され、【0198】に「本実施形態では、表示器208は、1・・・の表示部から構成されている。図22は、表示部2200を正面側から見た斜視図である。また、図23は、表示部2200を底部側から見た斜視図である。」と記載され、【0199】に「表示部2200は、・・・表面に10個のLEDが表面実装された表示用基板2300等から構成されている。」と記載され、【0201】に「表示用基板2300の裏面には、表面に表面実装されたLEDに配線されたコネクタ2310が設けられており(図23参照)、コネクタ2310を介して、該LEDと主制御基板700とが接続される。」と記載されている。

第2実施形態の表示器208を構成する表示部2200を正面側から見た斜視図である【図22】、

第2実施形態の表示器208を構成する表示部2200を底部側から見た斜視図である【図23】、






そして、刊行物1の第2実施形態の表示器208を構成する表示部2200を正面側から見た斜視図である【図22】、第2実施形態の表示器208を構成する表示部2200を底部側から見た斜視図である【図23】には、表示用基板2300に関して、10個のLEDが表面実装されている表面領域に対応する裏面領域に、コネクタ2310が設けられていることが図示されている。
したがって、刊行物1には、「表示器208を構成する1の表示部2200は、10個のLEDが表面に表面実装され、LEDと主制御基板700との接続を介在するコネクタ2310が裏面に設けられ、コネクタ2310が、10個のLEDが実装されている表面領域に対応する裏面領域に設けられている表示用基板2300から構成され」ることが示されているものと認められる。

ウ 刊行物発明
上記アの(ア)?(オ)の記載事項、イの(カ)の認定事項、及び、図面の図示内容を総合勘案すると、刊行物1には、第1実施形態とは表示器208の構成が異なっている第2実施形態を中心に次の発明(以下「刊行物発明」という。)が記載されていると認められる(a?eは、本件補正発明の構成A?Eに対応させて付与した。)。
「a 遊技機の基本動作を制御する主制御基板700と(【0070】)、
b 主制御基板700が備える主制御用の各出力ポートにそれぞれが接続され、この主制御用の出力ポートから出力される各種信号に基づいて、特別図柄表示器300,310、特別図柄に対応する抽選についての保留記憶数を表示する特別図柄保留表示器301,311、確変表示器320、時短表示器321、右打ち表示器322、大当たりラウンド数表示器330、普通図柄表示器340、普通図柄に対応する抽選についての保留記憶数を表示する普通図柄保留表示器341を有する表示器208(【0007】、【0070】、【0072】?【0073】)と
を備える遊技機(【0014】、【0017】、【0069】)であって、
c 表示器208を構成する1の表示部2200は(【0198】)、
c1 10個のLEDが表面に表面実装され、LEDと主制御基板700との接続を介在するコネクタ2310が裏面に設けられ、コネクタ2310が、10個のLEDが実装されている表面領域に対応する裏面領域に設けられている表示用基板2300と(認定事項(カ))、
c2 その台座部2230が、表示用基板2300の表面を覆った状態で表示用基板2300に取り付けられたカバー部材2210(【0199】【0200】)と
から構成され、
d カバー部材2210は、その底部をなす板状の台座部2230から突出した三角柱状の突起部2220を、その突出方向に沿って貫通する導光用孔部2240が10個形成され、
突起部2220の頂部側から、導光用孔部2240を介して各LEDの点灯状態を視認することが可能となるように、各導光用孔部2240は、表示用基板2300の表面に表面実装されたLEDに対応する位置に配され(【0199】?【0200】)、
e 表示用基板2300は、カバー部材2210の台座部2230に溶着されており、これにより、表示用基板2300は、カバー部材2210に対し、取り外し不可能或いは再組立て不可能な状態で取り付けられる(【0202】)
遊技機。」

(3)対比
ア 本件補正発明と刊行物発明とを対比する(対比にあたっては、本件補正発明の構成A?Eと刊行物発明の構成a?eについて、それぞれ(a)?(e)の見出しを付して行った。)。
(a)刊行物発明における「遊技機の基本動作を制御する」ことは、本件補正発明における「遊技の進行を制御する」ことに相当する。
したがって、刊行物発明における構成aの「主制御基板700」は、本件補正発明における構成Aの「主制御手段」に相当する。

(b)刊行物発明における「主制御基板700が備える主制御用の各出力ポートにそれぞれが接続され」ることは、本件補正発明における「主制御手段に接続され」ることに相当する。
そして、刊行物発明における「主制御用の出力ポートから出力される各種信号に基づ」くことは、「各種信号」が「主制御基板700」から出力されるものであることから、本件補正発明における「主制御手段からの信号に応じ」ることに相当する。
また、刊行物発明における「表示器208」は、構成dより、「LEDの点灯」により表示を行うものであるから、刊行物発明における
「表示器208」のうちの「特別図柄表示器300,310」、
「表示器208」のうちの「特別図柄に対応する抽選についての保留記憶数を表示する特別図柄保留表示器301,311」、
「表示器208」のうちの「大当たりラウンド数表示器330」、
「表示器208」のうちの「普通図柄表示器340」、
「表示器208」のうちの「普通図柄に対応する抽選についての保留記憶数を表示する普通図柄保留表示器341」は、それぞれ、
本件補正発明における
「特別図柄」「をLEDにより表示する表示手段」、
「特別図柄に対応する抽選についての保留記憶数」「をLEDにより表示する表示手段」、
「大当り遊技のラウンド数」「をLEDにより表示する表示手段」、
「普通図柄」「をLEDにより表示する表示手段」、
「普通図柄に対応する抽選についての保留記憶数」「をLEDにより表示する表示手段」に相当する。
したがって、刊行物発明における「特別図柄表示器300,310、特別図柄保留表示器301,311、確変表示器320、時短表示器321、右打ち表示器322、大当たりラウンド数表示器330、普通図柄表示器340、普通図柄保留表示器341を有する表示器208」は、本件補正発明における「表示手段」に相当する。
よって、刊行物発明における構成bの「主制御基板700が備える主制御用の各出力ポートにそれぞれが接続され、この主制御用の出力ポートから出力される各種信号に基づいて、特別図柄表示器300,310、特別図柄保留表示器301,311、確変表示器320、時短表示器321、右打ち表示器322、大当たりラウンド数表示器330、普通図柄表示器340、普通図柄保留表示器341を有する表示器208」は、本件補正発明における構成Bの「主制御手段に接続され、主制御手段からの信号に応じて、特別図柄、特別図柄に対応する抽選についての保留記憶数、大当り遊技のラウンド数、普通図柄、普通図柄に対応する抽選についての保留記憶数のうちのいずれかをLEDにより表示する表示手段」に相当する。

(c、c1)上記(b)より、刊行物発明における「表示器208を構成する1の表示部2200」は、本件補正発明における「表示手段」に相当する。
そして、刊行物発明における「10個のLEDが表面に表面実装され」ることは、本件補正発明における「複数のLEDが前面に表面実装される」ことに相当する。
また、刊行物発明における「LEDと主制御基板700との接続を介在するコネクタ2310が裏面に設けられ」ることは、「接続」が配線(本件補正発明における「ハーネス」に相当する。)を用いてなされるものであるから、コネクタ2310は主制御基板700に配線接続されているものといえる。
したがって、刊行物発明における「LEDと主制御基板700との接続を介在するコネクタ2310が裏面に設けられ」ることと、本件補正発明における「主制御手段に電気的に繋がるハーネスが接続されるコネクタが後面に表面実装され」ることとは、「主制御手段に電気的に繋がるハーネスが接続されるコネクタが後面に実装され」ることで共通する。
さらに、刊行物発明における「コネクタ2310が、10個のLEDが実装されている表面領域に対応する裏面領域に設けられている」ことは、本件補正発明における「コネクタが複数のLEDの実装領域に対応する後側位置に配置された」ことに相当する。
よって、刊行物発明における構成c、c1の「10個のLEDが表面に表面実装され、LEDと主制御基板700との接続を介在するコネクタ2310が裏面に設けられ、コネクタ2310が、10個のLEDが実装されている表面領域に対応する裏面領域に設けられている表示用基板2300」から構成される「表示器208を構成する1の表示部2200」と、本件補正発明における構成C、C1の「複数のLEDが前面に表面実装されると共に、主制御手段に電気的に繋がるハーネスが接続されるコネクタが後面に表面実装され、コネクタが複数のLEDの実装領域に対応する後側位置に配置された表示用基板」を備える「表示手段」とは、「複数のLEDが前面に表面実装されると共に、主制御手段に電気的に繋がるハーネスが接続されるコネクタが後面に実装され、コネクタが複数のLEDの実装領域に対応する後側位置に配置された表示用基板を備える表示手段」である点で共通する。

(c、c2)刊行物発明における「その台座部2230が、表示用基板2300の表面を覆った状態で表示用基板2300に取り付けられ」ることは、構成c1によると、「表示用基板2300」「表面」に「10個のLEDが」「表面実装され」ているから、本件補正発明における「複数のLEDが実装された表示用基板前面を覆う」ことに相当する。
したがって、刊行物発明における構成c、c2の「その台座部2230が、表示用基板2300の表面を覆った状態で表示用基板2300に取り付けられたカバー部材2210」から構成される「表示器208を構成する1の表示部2200」は、本件補正発明における構成C、C2の「複数のLEDが実装された表示用基板前面を覆うカバー部材」を備える「表示手段」に相当する。

(d)刊行物発明における「カバー部材2210」「の底部をなす板状の台座部2230から突出した三角柱状の突起部2220を、その突出方向に沿って貫通する導光用孔部2240が10個形成」されることは、突起部2220に10個の導光用孔部2240が区画形成されることであるから、本件補正発明における「カバー部材を前後に貫通する」ように「形成される窓を区画」することに相当する。
そして、刊行物発明における「表示用基板2300の表面に表面実装されたLEDに対応する位置に配され」ることは、本件補正発明における「LEDに対応して形成される」ことに相当する。
また、刊行物発明における「突起部2220の頂部側から、導光用孔部2240を介して各LEDの点灯状態を視認することが可能となる」ことは、本件補正発明における「窓に対応するLEDの状態を窓毎に区別可能に構成」することに相当する。
したがって、刊行物発明における構成dの「その底部をなす板状の台座部2230から突出した三角柱状の突起部2220を、その突出方向に沿って貫通する導光用孔部2240が10個形成され、突起部2220の頂部側から、導光用孔部2240を介して各LEDの点灯状態を視認することが可能となるように、各導光用孔部2240は、表示用基板2300の表面に表面実装されたLEDに対応する位置に配され」る「カバー部材2210」は、本件補正発明における構成Dの「カバー部材を前後に貫通すると共にLEDに対応して形成される窓を区画し、窓に対応するLEDの状態を窓毎に区別可能に構成した窓画成部を備え」る「カバー部材」に相当する。

(e)刊行物発明における「表示用基板2300は、カバー部材2210の台座部2230に溶着されており、これにより、表示用基板2300は、カバー部材2210に対し、取り外し不可能」「な状態で取り付けられる」ことは、本件補正発明における「表示用基板がカバー部材から取り外し困難」「に構成した」ことに相当する。
そして、刊行物発明における「表示用基板2300は、カバー部材2210の台座部2230に溶着されており、これにより、表示用基板2300は、カバー部材2210に対し」「再組立て不可能な状態で取り付けられる」ことは、本件補正発明における「表示用基板とカバー部材とが再組み立て困難」「に構成した」ことに相当する。
ここで、刊行物発明は、構成c?c2によると、「表示器208を構成する1の表示部2200」が、「表示用基板2300」と「カバー部材2210」とから構成されるものである。
したがって、刊行物発明における構成eの「表示用基板2300は、カバー部材2210の台座部2230に溶着されており、これにより、表示用基板2300は、カバー部材2210に対し、取り外し不可能或いは再組立て不可能な状態で取り付けられる」ことは、本件補正発明における構成Eの「表示手段は、表示用基板が前記カバー部材から取り外し困難、表示用基板とカバー部材とが再組み立て困難、又は、該表示手段を分解した際に前記カバー部材及び表示用基板の何れかに取り外しの痕跡が残るように構成した」ことに相当する。

上記(a)?(e)より、両者の一致点および相違点は、次のとおりである。
[一致点]
「A 遊技の進行を制御する主制御手段と、
B 前記主制御手段に接続され、前記主制御手段からの信号に応じて、特別図柄、特別図柄に対応する抽選についての保留記憶数、大当り遊技のラウンド数、普通図柄、普通図柄に対応する抽選についての保留記憶数のうちのいずれかをLEDにより表示する表示手段と
を備える遊技機であって、
C 前記表示手段は、
C1’ 複数の前記LEDが前面に表面実装されると共に、前記主制御手段に電気的に繋がるハーネスが接続されるコネクタが後面に実装され、前記コネクタが前記複数のLEDの実装領域に対応する後側位置に配置された表示用基板と、
C2 前記複数のLEDが実装された前記表示用基板前面を覆うカバー部材と、
を備え、
D 前記カバー部材は、前記カバー部材を前後に貫通すると共に前記LEDに対応して形成される窓を区画し、前記窓に対応する前記LEDの状態を前記窓毎に区別可能に構成した窓画成部を備え、
E 前記表示手段は、前記表示用基板が前記カバー部材から取り外し困難、前記表示用基板と前記カバー部材とが再組み立て困難、又は、該表示手段を分解した際に前記カバー部材及び前記表示用基板の何れかに取り外しの痕跡が残るように構成した
遊技機。」

[相違点](構成C1)
コネクタの表示用基板の裏面への実装が、本件補正発明は、表面実装によるものであるのに対して、刊行物発明は、表面実装であるか否か不明である点で一応相違する。

(4)当審の判断
ア 相違点について
上記相違点について検討する。
(ア)周知技術に基づく判断
遊技機の技術分野において、基板の有効利用を図るために、基板の表面に電子部品を表面実装すると共に、基板の裏面にコネクタを表面実装することは、本願の出願前に周知の技術事項である(例えば、特開2005-26246号公報の【0068】?【0070】、【図2】には、回路基板のA面に電子部品等を表面実装すると共に、B面にコネクタ93を表面実装することが示され、特開2010-4427号公報の【0016】?【0017】、【0027】、【図3】には、プリント基板70の両面に表面実装型の電子部品72を表面実装すると共に、背面パネル62側の面に同軸コネクタレセプタクル73を表面実装することが示されている。)。
そして、刊行物発明は、構成c1の「コネクタ2310が、10個のLEDが実装されている表面領域に対応する裏面領域に設けられている表示用基板2300」を備えるものであるが、表示用基板2300の両面に複数のLEDとコネクタ2310とを設けることによって、基板の有効利用が図られているといえる。
したがって、刊行物発明と上記周知の技術事項とは、基板の有効利用を図るという同一の機能を有するものである。
よって、刊行物発明に上記周知の技術事項を適用して、コネクタ2310を表示用基板2300の裏面に表面実装し、上記相違点に係る本件補正発明の構成とすることは当業者が容易になし得たものである。

(イ)刊行物発明に基づく判断
刊行物発明は、構成c1を備えることにより「10個のLED」が「表示用基板2300」の「表面に表面実装」されるものである。
そして、刊行物1の【0011】の「LEDが表示用基板に表面実装されているため、LEDを表示用基板にスルーホール実装する場合に比べ、軽量化が可能となると共に、故障を低減させることができる。」との記載によると、刊行物発明は、「10個のLED」が「表示用基板2300」の「表面に表面実装」されることにより、「軽量化が可能となると共に、故障を低減させる」という作用効果を奏するものであるといえる。
したがって、「コネクタ2310」についても、「10個のLED」の場合と同様に、「軽量化が可能となると共に、故障を低減させる」ために、「表示用基板2300」の裏面に表面実装させ、上記相違点に係る本件補正発明の構成とすることは当業者が容易になし得たものである。

イ 請求人の主張について
請求人は、平成30年5月1日付け審判請求書の「4.本願発明が特許されるべき理由(B)新請求項1および2と引用文献との対比」において、次の主張をする。
「本願発明は、LEDおよびコネクタを表示用基板の前面と後面とに振り分けて表面実装すると共に、LEDおよびコネクタを表示用基板の前後に重なる位置に配置しているので、表示用基板をよりコンパクトにすることができます。このように、本願請求項1および2に係る発明は、「表示手段」全体を小型化して狭いスペースに配置できるので、遊技盤等の限られた前面スペースを有効利用して、他の遊技部品を配置する等が可能となり、それにより遊技の興趣を向上させることができます。LEDだけでなくコネクタも表面実装することで、LEDおよびコネクタを表示用基板の前後に重なる位置に配置できるのであり、LEDおよびコネクタの両方を表面実装するという技術的思想の開示がない引用文献1からは、本願発明の前記特徴事項を直ちに導き出すことができないのは明らかです。
このように、引用文献1からは、本願請求項1および2に係る発明と同様の作用効果が生じることはなく、引用文献1に開示の構成から、本願請求項1および2に係る発明を導き出せるはずもありません。」

そこで、請求人の上記主張について検討する。
請求人は、本件補正発明は、「LEDおよびコネクタを表示用基板の前後に重なる位置に配置している」ものであるが、この構成は引用文献1(審決における「刊行物1」に対応する。)からは導き出せない旨主張するが、本願発明の当該構成は、上記(3)対比(c、c1)において検討したように、刊行物発明の構成c、c1が備えるものである。
また、請求人は、本件補正発明は、「LEDおよびコネクタを表示用基板の前面と後面とに振り分けて表面実装する」ものであるが、この構成は引用文献1からは導き出せない旨主張するが、本件補正発明の当該構成は、上記(3)の本件補正発明と刊行物発明との対比において、相違点として抽出し、上記(4)ア(ア)?(イ)において検討したように、刊行物発明と周知の技術事項に基づいて当業者が容易になし得たものであり、また、刊行物発明に基づいて当業者が容易になし得たものである。
よって、請求人の上記主張を採用することはできない。

ウ 小括
本件補正発明により奏される効果は、刊行物発明、及び、上記周知の技術事項、若しくは、刊行物1に記載された技術事項、又は、刊行物発明から当業者が予測できる効果の範囲内のものであり、格別なものではない。
そうすると、上記ア?エにおいて検討したとおり、本件補正発明は、刊行物発明と周知の技術事項に基づいて、また、刊行物発明に基づいて当業者が容易になし得たものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものである。

(5)まとめ
上記(1)?(4)より、本件補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たさないものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されることとなったので、本願の請求項1?2に係る発明は、平成29年8月24日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?2に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。記号A?Eは、分説するため当審で付した。)は、次のとおりのものと認める。
「A 遊技の進行を制御する主制御手段と、
B 前記主制御手段に接続され、前記主制御手段からの信号に応じて、特別図柄、特別図柄に対応する抽選についての保留記憶数、大当り遊技のラウンド数、普通図柄、普通図柄に対応する抽選についての保留記憶数のうちのいずれかをLEDにより表示する表示手段と
を備える遊技機であって、
C 前記表示手段は、
C1’複数の前記LEDが表面実装されると共に、前記主制御手段に電気的に繋がるハーネスが接続されるコネクタが表面実装された表示用基板と、
C2 前記複数のLEDが実装された前記表示用基板前面を覆うカバー部材と、
を備え、
D 前記カバー部材は、前記カバー部材を前後に貫通すると共に前記LEDに対応して形成される窓を区画し、前記窓に対応する前記LEDの状態を前記窓毎に区別可能に構成した窓画成部を備え、
E 前記表示手段は、前記表示用基板が前記カバー部材から取り外し困難、前記表示用基板と前記カバー部材とが再組み立て困難、又は、該表示手段を分解した際に前記カバー部材及び前記表示用基板の何れかに取り外しの痕跡が残るように構成した
ことを特徴とする遊技機。」

2 拒絶の理由(平成29年6月19日付け)
原査定の拒絶の理由は、概略、次のとおりのものである。
(進歩性)本願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内において、頒布された下記の刊行物に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


〈引用文献等一覧〉
刊行物1:特開2015-100467号公報

3 刊行物に記載された事項
原査定の拒絶理由において提示された、刊行物1である特開2015-100467号公報(前記「第2 3(2)刊行物1」における「刊行物1」に対応する。)の記載事項及び刊行物発明の認定については、前記「第2 3(2)刊行物1」に記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、前記「第2 3(1)」で検討した本件補正発明における構成A?Eのうち、構成C1について、「複数の前記LEDが前面に表面実装されると共に、前記主制御手段に電気的に繋がるハーネスが接続されるコネクタが後面に表面実装され、前記コネクタが前記複数のLEDの実装領域に対応する後側位置に配置された表示用基板」とあったものを「複数の前記LEDが表面実装されると共に、前記主制御手段に電気的に繋がるハーネスが接続されるコネクタが表面実装された表示用基板」とその限定を省くものである。
そして、前記「第2 3(3)対比」で検討した内容からみて、刊行物発明における構成a?c、c2?eは、本願発明の構成A?C、C2?Eに、それぞれ、相当する。
そうすると、本願発明と刊行物発明とは、本件補正発明と同様にして、前記「第2 3(3)対比」における相違点(構成C1)に基づく次の相違点1(構成C1’)において相違し、その余の点において一致する。

[相違点1](構成C1’)
コネクタの表示用基板への実装が、本願発明は、表面実装によるものであるのに対して、刊行物発明は、表面実装であるか否か不明である点で一応相違する。

そして、相違点(構成C1)についての判断は、前記「第2 3(4)当審の判断」において検討したとおりであるから、コネクタの表示用基板への実装面が後面であることの限定を省いた相違点1(構成C1’)についても、相違点(構成C1)についての判断と同様である。
したがって、本願発明は、刊行物発明と周知の技術事項に基づいて当業者が容易になし得たものであり、また、刊行物発明に基づいて当業者が容易になし得たものである。

5 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2018-12-12 
結審通知日 2018-12-18 
審決日 2019-01-07 
出願番号 特願2016-152353(P2016-152353)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中村 祐一井海田 隆  
特許庁審判長 瀬津 太朗
特許庁審判官 田邉 英治
長崎 洋一
発明の名称 遊技機  
代理人 田中 信介  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ