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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B41F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 B41F
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 B41F
管理番号 1349427
審判番号 不服2018-1641  
総通号数 232 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-04-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-02-06 
確定日 2019-02-26 
事件の表示 特願2014-151638「ペースト材料を印刷するための装置および印刷方法」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 2月12日出願公開、特開2015- 27799〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成26年7月25日(パリ条約による優先権主張平成25年7月26日 米国)の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成28年5月25日付け:拒絶理由通知書
平成28年8月29日 :手続補正書の提出
平成29年1月16日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書
平成29年4月12日 :手続補正書の提出
平成29年9月28日付け:平成29年4月12日の手続補正についての補正の却下の決定、拒絶査定
平成30年2月 6日 :審判請求書、同時に手続補正書の提出

第2 平成30年2月6日にされた手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]
平成30年2月6日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について
上記第1のとおり、原審において、本件特許出願の出願人である審判請求人が平成29年4月12日になした手続補正は、補正の却下の決定がなされていることから、本件補正は、平成28年8月29日に提出された手続補正書に記載された特許請求の範囲の全文を、平成30年2月6日に提出された手続補正書に記載された特許請求の範囲の全文に補正するものであり、その補正の一部には、請求項1の記載を、下記(1)から(2)に補正する補正事項を含むものである。

(1)本件補正前の請求項1(平成28年8月29日提出の手続補正書に記載のもの)
「印刷チャンバと、
前記印刷チャンバの中で1つまたは複数の基板を支持するための複数の支持部材であって、前記1つまたは複数の基板を運搬するための単一の運搬経路に沿って互いに隣接して配置され、各支持部材が、印刷位置においてそれぞれの基板を個々に支持することができる複数の支持部材と、
複数の印刷パターンを有するステンシルであって、各印刷パターンが、前記支持部材の位置に対応するように別の印刷パターンと隣接して配置されており、各印刷パターンが、前記印刷位置で前記支持部材のうちの1つによって支持された少なくとも1つの基板上に印刷すべき所望のペーストパターンに対応しているステンシルと、
前記印刷パターンのうちの少なくとも1つを用いて、前記少なくとも1つの基板上にペースト材料を印刷するように配置されたペースト印刷機とを備え、
前記ペースト印刷機は、第1の印刷パターンまたは第2の印刷パターンにわたって塗布方向にペースト材料を伸ばすスキージブレードを備え、前記スキージブレードは、前記第1の印刷パターンまたは前記第2の印刷パターンにわたって前記ペースト材料を伸ばすために、第1の印刷パターンに隣接した第1のポイントと第2の印刷パターンに隣接した第2のポイントとの間で前記塗布方向に直交するよう移動可能である、スクリーン印刷機。」

(2)本件補正後の請求項1(平成30年2月6日提出の手続補正書に記載のもの)なお、下線は補正箇所を示す。
「印刷チャンバと、
前記印刷チャンバの中で1つまたは複数の基板を支持するための複数の支持部材であって、前記1つまたは複数の基板を運搬するための単一の運搬経路に沿って互いに隣接して配置され、各支持部材が、印刷位置においてそれぞれの基板を個々に支持することができる複数の支持部材と、
複数の印刷パターンを有するステンシルであって、各印刷パターンが、前記支持部材の位置に対応するように別の印刷パターンと隣接して配置されており、各印刷パターンが、前記印刷位置で前記支持部材のうちの1つによって支持された少なくとも1つの基板上に印刷すべき所望のペーストパターンに対応しているステンシルと、
前記印刷パターンのうちの少なくとも1つを用いて、前記少なくとも1つの基板上にペースト材料を印刷するように配置されたペースト印刷機とを備え、
前記ペースト印刷機は、第1の印刷パターンまたは第2の印刷パターンにわたって塗布方向にペースト材料を伸ばすスキージブレードを備え、前記塗布方向は、前記運搬経路に直交し、前記スキージブレードは、前記第1の印刷パターンまたは前記第2の印刷パターンにわたって前記ペースト材料を伸ばすために、第1の印刷パターンに隣接した第1のポイントと第2の印刷パターンに隣接した第2のポイントとの間で前記塗布方向に直交するよう移動可能であり、
前記複数の支持部材は、共通の昇降テーブルによって支持され、前記複数の支持部材の高さは、互いに独立して調節可能である、スクリーン印刷機。」

(3)本件補正の内容について
上記請求項1の補正は、補正前の請求項1の発明特定事項である「塗布方向」について、「前記塗布方向は、前記運搬経路に直交し、」と具体的に限定し、更に、補正前の請求項1の発明特定事項である「複数の支持部材」について、「前記複数の支持部材は、共通の昇降テーブルによって支持され、前記複数の支持部材の高さは、互いに独立して調節可能である、」と具体的に限定するものであり、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

2 本件補正発明についての独立特許要件についての検討
上記1で検討したとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、本件補正後の請求項1に係る発明(上記1(2)に示したもの。以下、「本件補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たすものであるか否かについて検討する。

(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(2)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献、引用発明等
ア 特開2008-272964号公報について
原査定の拒絶の理由で引用された、本願の優先日前に頒布された引用文献である、特開2008-272964号公報には、次の記載がある。(下線は審決で付した。以下同じ。)

(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品をプリント基板に実装するために、プリント基板に半田を印刷するスクリーン印刷方法、スクリーン印刷機及びプリント基板生産ラインに関する。」

(イ)「【0026】
スクリーン印刷機2は、ベース4上にプリント基板6を搬送方向であるX軸方向に搬送する基板搬送装置8、プリント基板6を印刷位置で支持する基板支持装置10、スクリーンマスク12を保持するマスク保持装置14と、スキージ装置16とを備えている。
【0027】
基板搬送装置8は、図1に示すように、プリント基板6を搬入するインコンベヤ18とプリント基板6を印刷位置付近まで搬送するメインコンベヤ20とプリント基板6を搬出するアウトコンベヤ22とで構成される。これらのインコンベヤ18、メインコンベヤ20、アウトコンベヤ22は、ベース上に夫々一対のガイド図略が設けられ、これらのガイドには夫々図略のコンベヤベルトが環状に配設されている。また、これらのコンベヤベルトは夫々図略のプーリに張架され、これらのプーリは図略の駆動モータに連結されている。上記コンベヤベルトが循環させられることにより、プリント基板6が搬送される。また、前記駆動モータは作動制御装置30により作動が制御されている。また、前記各ガイドの間は搬送されるプリント基板6の大きさに合わせて調節可能になっている。
【0028】
また、基板搬送装置(メインコンベヤ20)8の少し上方には、X軸方向に並ぶ第1の印刷位置Aと第2の印刷位置Bとが定められている。
【0029】
基板支持装置10は、メインコンベヤ20の位置に組み合わされて構成され、前記第1の印刷位置Aに対応する第1の基板支持装置10aと前記第2の印刷位置Bに対応する第2の基板支持装置10bを備え、前記ガイド26の間にプリント基板6が載置される図略の基板支持台を夫々備えている。これらの基板支持台は図略の昇降装置によって夫々昇降させられるようになっている。メインコンベヤ20の図略のガイドの先端部には図略のクランプ装置が設けられ、該クランプ装置は図略の一対のクランプ部材を備えている。該クランプ部材の一方は固定されて固定クランプ部材とされ、他方は可動クランプ部材としてX軸方向に直角なY軸方向に移動可能になっている。プリント基板6はインコンベヤ18を経てメインコンベヤ20により搬送され、メインコンベヤ20にて図略のストッパ(第1の印刷位置A或いは第2の印刷位置Bに対応する)により停止されたプリント基板6は、前記基板支持台によりメインコンベヤ20から印刷位置に持ち上げられ、前記クランプ装置にクランプされた状態でスクリーンマスク12に接触するようになっている。」

(ウ)「【0031】
スクリーンマスク12は、銅、ステンレス鋼、ニッケル等の金属からなるメタル部分とその外周に弾性変形し易いメッシュ部分からなるいわゆるコンビネーションマスクである。スクリーンマスク12には、図5に示すように、前記第1の印刷位置Aに対応する位置にプリント基板6の表面を印刷するための貫通孔の第1のパターン40が形成され、前記第2の印刷位置Bに対応する位置にプリント基板6の裏面を印刷するための貫通孔の第2のパターン42が形成されている。また、スクリーンマスク12の上には、図略の半田供給装置よりペースト状の半田が供給されるようになっている。
【0032】
スキージ装置16は、図2及び図3に示すように、X軸方向に並んだ一対の第1のスライド46及び第2のスライド48と、第1のスライド46に保持される第1の昇降装置49及び第3の昇降装置50と、第1の昇降装置49に保持される請求項に言うスキージとしての第1のスキージユニット54と、第3の昇降装置50に保持される同スキージとしての第3のスキージユニット55と、第2のスライド48に保持される第2の昇降装置51及び第4の昇降装置52と、第2の昇降装置51に保持される同スキージとしての第2のスキージユニット56と、第4の昇降装置52に保持される同スキージとしての第4のスキージユニット57と、第1のスライド46及び第2のスライド48をY軸方向に送る第1のスライド送り装置58及び第2のスライド送り装置60と、を備えている。スライド送り装置58,60は、駆動源としてのサーボモータ43とボールねじ機構45とを含み、サーボモータ43の回転がボールねじ機構45により直線運動に変換されて、前記第1のスライド46及び前記第2のスライド48が夫々独立してY軸方向に移動させられる。また、このサーボモータ43は作動制御装置30によって制御される。スライド46,48の移動は、第1及び第2のスライド46,48の間にY軸方向に延在する中間部ガイドレール62と、各スライド46,48の外側面に夫々設けられ中間部ガイドレール62に平行な外側ガイドレール64と、第1のスライド46及び第2のスライド48の両側面に夫々固定されて中間部ガイドレール62及び外側ガイドレール64に相対移動可能に夫々嵌合するガイドブロック66とにより案内される。これらの昇降装置49,50,51,52、スライド46,48及びスライド送り装置58,60により相対移動装置を構成する。
【0033】
前記スライド46,48には一対の側壁及び天壁を備えて門形をなすフレーム70が固定されている。第1のスライド46に固定されるフレーム70には、第1の昇降装置49及び第1のスキージユニット54と、第3の昇降装置50及び第3のスキージユニット55とが、スキージ本体47の移動方向(摺動方向)に直交する面に対して左右対称に設けられている。第2のスライド48に固定されるフレーム70にも、同様に第2の昇降装置51及び第2のスキージユニット56と、第4の昇降装置52及び第4のスキージユニット57と、が設けられている。これらの昇降装置49,50,51,52及びスキージユニット54,55,56,57は構成が同じであり、第1の昇降装置49及び第1のスキージユニット54を代表例として説明する。
【0034】
第1の昇降装置49は、図2及び図3に示すように、エアが封入されるシリンダ部72と封入されるエアの圧力によりシリンダ部72内を摺動するピストン部74とを有している。このピストン部74の下端部にはガイドロッド78が固定され、ガイドロッド78は第1のスライド46に立設された案内筒76に摺動可能に嵌合されてスキージ本体47の昇降を案内するようになっている。シリンダ部72は、図略のエアホースを介して図略のエアポンプに連通され、前記エアホースの途中に設けられた図略の電磁弁によりエアの供給が制御されるようになっている。また、この電磁弁は作動制御装置30により制御される。
【0035】
第1のスキージユニット54は、スキージ本体47と、第1の昇降装置49の下部にスキージ本体47を組み付けるスキージ保持部材80とを備えている。スキージ保持部材80は前記ガイドロッド78の下端部に蝶螺子等により係脱可能に連結されている。スキージ保持部材80は、スキージ本体47の摺動方向と直角な方向(X軸方向)に延在する長尺材で形成され、スキージ保持部材80にはスキージ本体47がボルト等により着脱可能に固定されている。スキージ本体47は、例えば薄いステンレス板から成り、スキージ保持部材80により、スキージ移動方向と直角な方向に延在する姿勢で保持されている。また、スキージ本体47はスクリーンマスク12に直角な平面に対して前傾した状態で保持されている。」

(エ)「【0043】
上記のように構成されたスクリーン印刷機の作動について、図面に基づき以下に説明する。本実施形態におけるスクリーン印刷機2を使用して、プリント基板6に印刷剤としてペースト状の半田44を印刷する場合には、スクリーンマスク12が固定されているマスク支持台34上に位置決めされ、そのスクリーンマスク12の上に前記半田供給装置より半田44が載せられる。
【0044】
スキージ装置16において、図5に示すように、第1のスライド46及び第2のスライド48はスクリーンマスク12の印刷領域中、Y軸方向において一方の端(図5において下方)に位置し、第1のスキージユニット乃至第4のスキージユニット54,55,56,57は、いずれも上昇端に位置される。そして、プリント基板(第1のプリント基板)6が、図6に示すように、インコンベヤ18及びメインコンベヤ20により搬入され、基板支持装置10により上昇させられてスクリーンマスク12の下面に接触する第1の印刷位置Aに位置決め保持される。
【0045】
続いて、前記電磁弁が開かれて、第1の昇降装置49により第1のスキージユニット54が下降されて、第1のスキージユニット54のスキージ本体47の下端がスクリーンマスク12の上面に接触する状態となる。このとき、他のスキージユニット55,56,57は上昇端に保持されたままの状態にある。続いて、前記サーボモータ43を駆動させて、図7に示すように、第1のスライド46をY軸方向(図7において上方向)に移動させ、第1のスキージユニット54及び第3のスキージユニット55をY軸方向に移動させる。このとき第1のスキージユニット54のスキージ本体47が、スクリーンマスク12の表面に接触しながら摺動し、スクリーンマスク12上に置かれた半田44を貫通孔の第1のパターン40に押し込んで、プリント基板6の表面に第1のパターンの印刷を行う。」

(オ)「【0049】
次に、プリント基板(第2のプリント基板)6は、図9に示すように、インコンベヤ18よりメインコンベヤ20に搬入され、基板支持装置10により上昇させられてスクリーンマスク12の下面に接触する第2の印刷位置Bに位置決め保持される。続いて同様に、第2の昇降装置51により第2のスキージユニット56が下降されて、第2のスキージユニット56のスキージ本体47の下端がスクリーンマスク12の上面に接触する状態となる。このとき、他のスキージユニット54,55,57は上昇端に保持されたままの状態にある。続いて、前記サーボモータ43を作動させて、図10に示すように、第2のスライド48をY軸方向に移動させ、第2のスキージユニット56及び第4のスキージユニット57をY軸方向に移動させる。このとき第2のスキージユニット56のスキージ本体47が、スクリーンマスク12の表面に接触しながら摺動し、スクリーンマスク12上に置かれた半田44を貫通孔の第2のパターン42に押し込んで、プリント基板6の裏面に第2のパターンの印刷を行う。次に、基板支持装置10を下降させて第2のパターンに裏面が印刷されたプリント基板6をメインコンベヤ20に移し替える。そして、メインコンベヤ20及びアウトコンベヤ22を作動させて第2のパターンに裏面が印刷されたプリント基板6を、図11に示すように、第2のシャトルコンベヤ106(図4参照)に移して、第2のシャトルコンベヤ106をY軸方向にスライドさせて、実装機108の第2の搬送レーン122に整列させて、前記プリント基板6を第2の搬送レーン122へと搬出する。」

(カ)「【0052】
一方、第1の印刷位置Aには、図12に示すように、新たなプリント基板6が搬入されて位置決めされる。以下、第3のスキージユニット55が降下されて同様に印刷がおこなわれる。」

上記(ア)?(カ)を総合すると、上記引用文献には次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。

「ベース上にプリント基板を搬送方向であるX軸方向に搬送する基板搬送装置、プリント基板を印刷位置で支持する基板支持装置、スクリーンマスクを保持するマスク保持装置と、スキージ装置とを備え、
基板搬送装置は、プリント基板を搬入するインコンベヤとプリント基板を印刷位置付近まで搬送するメインコンベヤとプリント基板を搬出するアウトコンベヤとで構成されており、
基板搬送装置の少し上方には、X軸方向に並ぶ第1の印刷位置と第2の印刷位置とが定められており、
基板支持装置は、第1の印刷位置に対応する第1の基板支持装置と第2の印刷位置に対応する第2の基板支持装置を備え、ガイドの間にプリント基板が載置される基板支持台を夫々備えており、これらの基板支持台は昇降装置によって夫々昇降させられるようになっており、
スクリーンマスクには、第1の印刷位置に対応する位置にプリント基板の表面を印刷するための貫通孔の第1のパターンが形成され、第2の印刷位置に対応する位置にプリント基板の裏面を印刷するための貫通孔の第2のパターンが形成されており、
スクリーンマスクの上には、半田供給装置よりペースト状の半田が供給されるようになっており、
スキージ装置は、X軸方向に並んだ一対の第1のスライド及び第2のスライドと、第1のスライドに保持される第1の昇降装置及び第3の昇降装置と、第1の昇降装置に保持される第1のスキージユニットと、第3の昇降装置に保持される第3のスキージユニットと、第2のスライドに保持される第2の昇降装置及び第4の昇降装置と、第2の昇降装置に保持される第2のスキージユニットと、第4の昇降装置に保持される第4のスキージユニットと、第1のスライド及び第2のスライドをY軸方向に送る第1のスライド送り装置及び第2のスライド送り装置と、を備えており、
第1のスキージユニットは、スキージ本体と、第1の昇降装置の下部にスキージ本体を組み付けるスキージ保持部材とを備えており、各スキージユニットは構成が同じであり、
プリント基板が、インコンベヤ及びメインコンベヤにより搬入され、基板支持装置により上昇させられてスクリーンマスクの下面に接触する第1の印刷位置に位置決め保持され、第1の昇降装置により第1のスキージユニットが下降されて、第1のスキージユニットのスキージ本体の下端がスクリーンマスクの上面に接触する状態となり、第1のスライドをY軸方向に移動させ、第1のスキージユニット及び第3のスキージユニットをY軸方向に移動させ、第1のスキージユニットのスキージ本体が、スクリーンマスクの表面に接触しながら摺動し、スクリーンマスク上に置かれた半田を貫通孔の第1のパターンに押し込んで、プリント基板の表面に第1のパターンの印刷を行い、
次に、プリント基板は、インコンベヤよりメインコンベヤに搬入され、基板支持装置により上昇させられてスクリーンマスクの下面に接触する第2の印刷位置に位置決め保持され、第2の昇降装置により第2のスキージユニットが下降されて、第2のスキージユニットのスキージ本体の下端がスクリーンマスクの上面に接触する状態となり、第2のスライドをY軸方向に移動させ、第2のスキージユニット及び第4のスキージユニットをY軸方向に移動させ、第2のスキージユニットのスキージ本体が、スクリーンマスクの表面に接触しながら摺動し、スクリーンマスク上に置かれた半田を貫通孔の第2のパターンに押し込んで、プリント基板の裏面に第2のパターンの印刷を行い、
第1の印刷位置に新たなプリント基板が搬入されて位置決めされ、第3のスキージユニットが降下されて同様に印刷がおこなわれる、
電子部品をプリント基板に実装するために、プリント基板に半田を印刷する、スクリーン印刷機。」

イ 特開平10-138452号公報について
原査定の拒絶の理由で引用された、本願の優先日前に頒布された引用文献である、特開平10-138452号公報には、次の記載がある。

(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板にクリーム半田を印刷するスクリーン印刷装置に関するものである。」

(イ)「【0008】次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷装置の側面図、図2は本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷装置の平面図である。本形態では、マスクホルダ1に保持されるマスク2に、4つのパターン配列P1?P4を、それぞれスペースを介して形成することとしている。」

(ウ)「【0013】8はマスク2より上方に位置するスキージヘッドであり、このうち、9は図1の紙面垂直方向(図2では、矢印N1?N4)方向に移動し、マスク2上でクリーム半田Sをかき寄せ、各パターン配列P1?P4のマスク孔(図示せず)を介してクリーム半田Sを基板3に印刷するスキージである。」

(エ)「【0018】したがって、シリンダ19を駆動すると、スキージヘッド8を図2の矢印N5方向に移動させることができる。要するに、ボールネジ18とシリンダ19の組合せにより、パターン配列P1?P4のうちの目的のパターン配列にスキージヘッド8をセットすることができ、セット後スキージ9をスライド(矢印N1?N4のいずれか)させることができる。」

(オ)「【0021】まず、位置決め手段4に第1の品種の基板3をセットする。そして、位置決め手段3を用いてパターン配列P1の真下に、この基板3を位置決めする。
【0022】また、昇降部21を用いて、スキージヘッド8をマスク2から小距離浮かせ、シリンダ19及びボールネジ18を用いて、スキージヘッド8をパターン配列P1の真上に位置させる。そして、昇降部21によりスキージヘッド8を下降させ、マスク2に接触させる。
【0023】次に、図2の矢印N1で示すように、スキージ9をスライドさせ、パターン配列P1による印刷を行う。このとき、スキージ9の両脇にあるサイドスキージ11によって、クリーム半田Sは、隣接するパターン配列P2、P3などに触れないように規制され、また各パターン配列P1,P2,P3,P4の間にはスペースが開けてあるので、印刷中のクリーム半田Sが印刷に用いているパターン配列P1以外のパターン配列P2,P3,P4に付着することはない。
【0024】そして、パターン配列P1による印刷が、所定回数(経験上目詰まりを起こし始める回数よりも少ない回数として予め設定されている)に達したら、次にパターン配列P2を用いる印刷に移る。
【0025】この印刷は、スキージヘッド8と位置決め手段4による第1の品種の基板3の位置をパターン配列P2にあわせて、上述と同様の要領で行う。以上の印刷が完了したら、第1の品種の基板3の印刷を終える。
【0026】次に、第2の品種の基板3について、パターン配列P3による印刷を行う。そして、パターン配列P3による印刷が所定回数に達したら、パターン配列P4による印刷を行う。これにより、第2の品種の基板3の印刷を終える。
【0027】以上説明したように、本形態のスクリーン印刷装置を用いると、同一種類のパターン配列がマスクに形成されているとき、目詰りによるマスク交換の回数を減らすことができる。また、異なる種類のパターン配列がマスクに形成されているとき、複数種類の基板に対して、マスク交換をすることなく連続的に印刷することができる。このように、マスク交換の頻度を少なくして、ロスタイムを削減し、生産性を向上することができるものである。」


(カ)図2を参照すると、矢印N5方向は、スキージがクリーム半田を基板に印刷する際に移動する矢印N1?N4方向と直交していることが分かる。

上記(ア)?(カ)を総合すると、上記引用文献には次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。

「マスクに、4つのパターン配列P1?P4を、それぞれスペースを介して形成し、
各パターン配列のマスク孔を介してクリーム半田を基板に印刷するスキージを有し、
スキージヘッドを、スキージがクリーム半田を基板に印刷する際に移動する矢印N1?N4方向と直交する矢印N5方向に移動させ、パターン配列P1?P4のうちの目的のパターン配列にスキージヘッド8をセットすることができ、セット後スキージを矢印N1?N4のいずれかにスライドさせることができ、
まず、位置決め手段に基板をセットし、位置決め手段を用いてパターン配列P1の真下に、この基板を位置決めし、スキージヘッドをパターン配列P1の真上に位置させ、スキージヘッドを下降させ、マスクに接触させ、矢印N1で示すように、スキージをスライドさせ、パターン配列P1による印刷を行い、
次に、パターン配列P2を用いる印刷に移り、この印刷は、スキージヘッドと位置決め手段による基板の位置をパターン配列P2にあわせて、上述と同様の要領で行われるものであり、
次に、パターン配列P3による印刷を行い、そして、パターン配列P4による印刷を行い、
異なる種類のパターン配列がマスクに形成されているとき、複数種類の基板に対して、マスク交換をすることなく連続的に印刷することができる、
基板にクリーム半田を印刷するスクリーン印刷装置。」

ウ 特開2010-46843号公報について
原査定の拒絶の理由で引用された、本願の優先日前に頒布された引用文献である、特開2010-46843号公報には、次の記載がある。

(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン板の周縁部がスクリーン枠に支持されパターン孔が形成されたスクリーンとプリント基板とを位置合わせして、スクリーン上の塗布剤をスキージを移動させることにより前記プリント基板上にパターン孔を介して塗布するスクリーン印刷機に関する。」

(イ)「【0012】
前記基板支持機構2は、Z軸移動機構(Z軸駆動源含む)6により上下動可能な支持テーブル7と、一方(奥側)のプリント基板Pの移動のための移動機構と、他方(手前側)のプリント基板Pの移動のための機構とを備えている。
【0013】
即ち、一方のプリント基板Pに対応する前者の移動機構は、一方のプリント基板Pを前記供給コンベア21Aから受け継いで位置決め固定する第1位置決め機構8Aと、前記支持テーブル7上に設けられ一方のプリント基板PをX軸方向(基板搬送方向)と直交するY軸方向にY軸駆動源の駆動により移動させるための第1Yテーブル(第1一方向移動機構)9と、この第1Yテーブル9上に設けられ一方のプリント基板PをX軸方向にX軸駆動源の駆動により移動可能とする第1Xテーブル(第1他方向移動機構)10Aと、この第1Xテーブル10A上に設けられθ軸駆動源の駆動により水平面内で第1位置決め機構8Aを回転させることで前記一方のプリント基板Pを回転させる第1θテーブル(第1回転機構)11Aとを備えている。他方のプリント基板Pに対応する後者の移動機構は、他方のプリント基板Pを前記供給コンベア21Bから受け継いで位置決め固定する第2位置決め機構8Bと、前記支持テーブル7上に設けられ他方のプリント基板PをX軸駆動源の駆動によりX軸方向に移動可能とする第2Xテーブル(第2他方向移動機構)10Bと、この第2Xテーブル10B上に設けられθ軸駆動源の駆動により水平面内で第2位置決め機構8Bを回転させることで前記他方のプリント基板Pを回転させる第2θテーブル(第2回転機構)11Bとを備えている。
【0014】
なお、前記第1及び第2位置決め機構8A、8Bには、夫々プリント基板PをX軸駆動源の駆動によりX軸方向に搬送するための一対の搬送コンベア12A、12Bと、この搬送コンベア12A、12Bに搬送されて所定位置に停止した各プリント基板PをZ軸駆動源の駆動により規制部(図示せず)に下方から押圧する上下動可能な押上げ板13A、13Bとを備えている。」

(ウ)「【0020】
次に、スクリーン印刷機1の動作を説明する。先ず、上流側装置より受け継がれて各プリント基板Pが供給コンベア21A、21上にあると(図2参照)、フォトセンサ(図示せず)がこれを検知して基板ストッパ(図示せず)が下降し、各基板Pを搬送中に動かないように押さえる。次に、基板支持機構2が上流方向に移動し、各搬送コンベア12A、12Bが夫々供給コンベア21A、21Bと連結される。
【0021】
そして、供給コンベア21A、21Bが駆動され、これに基板支持機構2の搬送コンベア12A、12Bが連動して基板Pが基板支持機構2上に搬送され、所定位置に達すると供給コンベア21A、21Bが停止する。そして、搬送コンベア12A、12Bに搬送されて所定位置に停止した各プリント基板PをZ軸駆動源の駆動により規制部に下方から各押上げ板13A、13Bが押圧して、各プリント基板Pを位置決め固定した後、基板支持機構2が右方向に移動して最初の位置に復帰する(図3参照)。この各押上げ板13A、13Bの昇降ストロークはプリント基板Pの厚さに応じて制御される。」

(エ)「【0028】
以上のような実施形態によれば、プリント基板Pを2枚搬送するように構成して、1回のスキージ15の移動により2枚ずつ印刷処理することができるようにし、しかも簡単な構成により行えるようにすることができ、各プリント基板Pとスクリーン3との位置ズレが同時に補正することができることとなる。」

上記(ア)?(エ)を総合すると、上記引用文献には次の発明(以下、「引用発明3」という。)が記載されていると認められる。

「基板支持機構は、Z軸移動機構により上下動可能な支持テーブルと、一方のプリント基板の移動のための移動機構と、他方のプリント基板の移動のための機構とを備え、
一方のプリント基板に対応する前者の移動機構は、一方のプリント基板を供給コンベアから受け継いで位置決め固定する第1位置決め機構と、支持テーブル上に設けられ一方のプリント基板をX軸方向(基板搬送方向)と直交するY軸方向にY軸駆動源の駆動により移動させるための第1Yテーブルと、この第1Yテーブル上に設けられ一方のプリント基板をX軸方向にX軸駆動源の駆動により移動可能とする第1Xテーブルと、この第1Xテーブル上に設けられθ軸駆動源の駆動により水平面内で第1位置決め機構を回転させることで一方のプリント基板を回転させる第1θテーブルを備えており、
他方のプリント基板に対応する後者の移動機構は、他方のプリント基板を供給コンベアから受け継いで位置決め固定する第2位置決め機構と、支持テーブル上に設けられ他方のプリント基板をX軸駆動源の駆動によりX軸方向に移動可能とする第2Xテーブルと、この第2Xテーブル上に設けられθ軸駆動源の駆動により水平面内で第2位置決め機構を回転させることで他方のプリント基板を回転させる第2θテーブルとを備えており、
第1及び第2位置決め機構は、夫々所定位置に停止した各プリント基板をZ軸駆動源の駆動により規制部に下方から押圧する上下動可能な押上げ板を備えており、
搬送コンベアに搬送されて所定位置に停止した各プリント基板をZ軸駆動源の駆動により規制部に下方から各押上げ板が押圧して、各プリント基板を位置決め固定し、各押上げ板の昇降ストロークはプリント基板の厚さに応じて制御され、
プリント基板を2枚搬送するように構成して、1回のスキージの移動により2枚ずつ印刷処理することができるようにした、
スクリーン上の塗布剤をスキージを移動させることによりプリント基板上にパターン孔を介して塗布するスクリーン印刷機。」

(3)対比
本件補正発明と引用発明1とを対比する。
ア 引用発明1の「基板支持台」は、「基板支持装置」に備えられる「第1の印刷位置に対応する第1の基板支持装置と第2の印刷位置に対応する第2の基板支持装置」に「夫々備え」られており、「プリント基板が載置される」ものであり、当該「基板支持台」は、その構造、機能、作用からみて、本件補正発明の「1つまたは複数の基板を支持するための複数の支持部材」に相当し、更に、本件補正発明と同様、「印刷位置においてそれぞれの基板を個々に支持することができる」ものであるといえる。
また、引用発明1においては、「基板搬送装置は、プリント基板を搬入するインコンベヤとプリント基板を印刷位置付近まで搬送するメインコンベヤとプリント基板を搬出するアウトコンベヤとで構成されており」、これらの「インコンベヤ」、「メインコンベヤ」及び「アウトコンベヤ」により、本件補正発明の「1つまたは複数の基板を運搬するための単一の運搬経路」に相当するものを構成している。そして、引用発明1においては、「基板搬送装置の少し上方には、X軸方向に並ぶ第1の印刷位置と第2の印刷位置とが定められており」、また、(「基板支持台」を備える)「第1の基板支持装置」は「第1の印刷位置に対応」しており、(別の「基板支持台」を備える)「第2の基板支持装置」は「第2の印刷位置に対応」しており、ここで、「第1の印刷位置」と「第2の印刷位置」とが「X軸方向に並」んでいるとは、両者が搬送方向であるX軸方向に関して互いに隣接していることは明らかであるから、引用発明1における(「第1の基板支持装置」及び「第2の基板支持装置」に備えられている)各「基板支持台」は、搬送方向であるX軸方向に関して互いに隣接しているといえるので、本件補正発明と同様、「前記1つまたは複数の基板を運搬するための単一の運搬経路に沿って互いに隣接して配置され」ているといえる。
してみると、引用発明1における、「基板支持装置」に備えられる「第1の印刷位置に対応する第1の基板支持装置と第2の印刷位置に対応する第2の基板支持装置」に「夫々備え」られており、搬送方向であるX軸方向に関して互いに隣接し、「プリント基板が載置され」る、各「基板支持台」と、本件補正発明の「前記印刷チャンバの中で1つまたは複数の基板を支持するための複数の支持部材であって、前記1つまたは複数の基板を運搬するための単一の運搬経路に沿って互いに隣接して配置され、各支持部材が、印刷位置においてそれぞれの基板を個々に支持することができる複数の支持部材」とは、「1つまたは複数の基板を支持するための複数の支持部材であって、前記1つまたは複数の基板を運搬するための単一の運搬経路に沿って互いに隣接して配置され、各支持部材が、印刷位置においてそれぞれの基板を個々に支持することができる複数の支持部材」である点で共通する。

イ 引用発明1においては、「スクリーンマスクには、第1の印刷位置に対応する位置にプリント基板の表面を印刷するための貫通孔の第1のパターンが形成され、第2の印刷位置に対応する位置にプリント基板の裏面を印刷するための貫通孔の第2のパターンが形成されており」、当該「貫通孔の第1のパターン」及び「貫通孔の第2のパターン」は、その構造、機能、作用からみて、本件補正発明の「複数の印刷パターン」に相当し、当該「貫通孔の第1のパターン」及び「貫通孔の第2のパターン」が「形成され」た「スクリーンマスク」は、本件補正発明の「複数の印刷パターンを有するステンシル」に相当する。
また、上記ア のとおり、引用発明1においては、(「基板支持台」を備える)「第1の基板支持装置」は「第1の印刷位置に対応」しており、(別の「基板支持台」を備える)「第2の基板支持装置」は「第2の印刷位置に対応」しているから、当該「(第1の印刷位置に対応する位置に形成されている)貫通孔の第1のパターン」及び「(第2の印刷位置に対応する位置に形成されている)貫通孔の第2のパターン」は、(「第1の基板支持装置」及び「第2の基板支持装置」に備えられている)各「基板支持台」の位置に対応しているといえ、更に、上記ア のとおり、引用発明1においては、「第1の印刷位置」と「第2の印刷位置」とが、搬送方向であるX軸方向に関して互いに隣接していることは明らかであるから、当該「貫通孔の第1のパターン」及び「貫通孔の第2のパターン」は、搬送方向であるX軸方向に関して互いに隣接しているといえるので、本件補正発明と同様、「各印刷パターンが、前記支持部材の位置に対応するように別の印刷パターンと隣接して配置されている」といえる。
更に、引用発明1においては、「スクリーンマスクの上には、半田供給装置よりペースト状の半田が供給されるようになって」おり、「プリント基板に半田を印刷する」ものとなっているから、当該「貫通孔の第1のパターン」及び「貫通孔の第2のパターン」は、「第1の印刷位置」又は「第2の印刷位置」で「基板支持台」に「載置され」た「プリント基板」に印刷されるペースト状の半田のパターンであるといえるので、本件補正発明と同様、「各印刷パターンが、前記印刷位置で前記支持部材のうちの1つによって支持された少なくとも1つの基板上に印刷すべき所望のペーストパターンに対応している」といえる。
してみると、引用発明1における、「貫通孔の第1のパターン」及び「貫通孔の第2のパターン」が「形成され」た「スクリーンマスク」であって、当該「貫通孔の第1のパターン」及び「貫通孔の第2のパターン」が、各「基板支持台」の位置に対応し、搬送方向であるX軸方向に関して互いに隣接しており、「第1の印刷位置」又は「第2の印刷位置」で「基板支持台」に「載置され」た「プリント基板」に印刷されるペースト状の半田のパターンである、「スクリーンマスク」は、本件補正発明の、「複数の印刷パターンを有するステンシルであって、各印刷パターンが、前記支持部材の位置に対応するように別の印刷パターンと隣接して配置されており、各印刷パターンが、前記印刷位置で前記支持部材のうちの1つによって支持された少なくとも1つの基板上に印刷すべき所望のペーストパターンに対応しているステンシル」に相当する。

ウ 引用発明1における、「第1のスキージユニットと、第3のスキージユニットと、第2のスキージユニットと、第4のスキージユニットと、を備え」た「スキージ装置」は、ペースト状の半田を印刷するものであるといえるから、本件補正発明の「前記印刷パターンのうちの少なくとも1つを用いて、前記少なくとも1つの基板上にペースト材料を印刷するように配置されたペースト印刷機」に相当するものを構成している。

エ 引用発明1において、(「スキージ装置」が備える)各「スキージユニット」の「スキージ本体」は、「スクリーンマスクの表面に接触しながら摺動し、スクリーンマスク上に置かれた半田を貫通孔の第1のパターン」又は「第2のパターン」「に押し込んで、プリント基板の表面に第1のパターン」又は「第2のパターン」「の印刷を行」うものであるから、本件補正発明の「第1の印刷パターンまたは第2の印刷パターンにわたって塗布方向にペースト材料を伸ばすスキージブレード」に相当する。
また、引用発明1において、ペースト状の半田を塗布する際に、各「スキージユニット」は「Y軸方向に移動」するから、各「スキージユニット」が有する「スキージ本体」も「Y軸方向に移動」すること、すなわち、ペースト状の半田の塗布方向は、プリント基板の搬送方向である「X軸方向」と直交していることは明らかである。
してみると、引用発明1の「スキージ装置」は、「スクリーンマスクの表面に接触しながら摺動し、スクリーンマスク上に置かれた半田を貫通孔の第1のパターン」又は「第2のパターン」「に押し込んで、プリント基板の表面に第1のパターン」又は「第2のパターン」「の印刷を行」う「スキージ本体」本体を備えており、更に、ペースト状の半田の塗布方向は、プリント基板の搬送方向である「X軸方向」と直交しているから、本件補正発明と同様、「前記ペースト印刷機は、第1の印刷パターンまたは第2の印刷パターンにわたって塗布方向にペースト材料を伸ばすスキージブレードを備え、前記塗布方向は、前記運搬経路に直交し」ているといえる。

オ 引用発明1においては、「基板支持装置は、第1の印刷位置に対応する第1の基板支持装置と第2の印刷位置に対応する第2の基板支持装置を備え、ガイドの間にプリント基板が載置される基板支持台を夫々備えており、これらの基板支持台は昇降装置によって夫々昇降させられるようになって」いるから、当該「基板支持台」は、本件補正発明と同様、「前記複数の支持部材の高さは、互いに独立して調節可能である」といえる。

カ 引用発明1の「スクリーン印刷機」は、本件補正発明の「スクリーン印刷機」に相当する。

したがって、両者の間には、次の一致点、相違点がある。
(一致点)
「1つまたは複数の基板を支持するための複数の支持部材であって、前記1つまたは複数の基板を運搬するための単一の運搬経路に沿って互いに隣接して配置され、各支持部材が、印刷位置においてそれぞれの基板を個々に支持することができる複数の支持部材と、
複数の印刷パターンを有するステンシルであって、各印刷パターンが、前記支持部材の位置に対応するように別の印刷パターンと隣接して配置されており、各印刷パターンが、前記印刷位置で前記支持部材のうちの1つによって支持された少なくとも1つの基板上に印刷すべき所望のペーストパターンに対応しているステンシルと、
前記印刷パターンのうちの少なくとも1つを用いて、前記少なくとも1つの基板上にペースト材料を印刷するように配置されたペースト印刷機とを備え、
前記ペースト印刷機は、第1の印刷パターンまたは第2の印刷パターンにわたって塗布方向にペースト材料を伸ばすスキージブレードを備え、前記塗布方向は、前記運搬経路に直交し、
前記複数の支持部材の高さは、互いに独立して調節可能である、スクリーン印刷機。」

(相違点)
(相違点1)
本件補正発明は、「印刷チャンバ」を備えているのに対し、引用発明1はそのような構成を備えているのか明らかでない点。
(相違点2)
本件補正発明においては、「複数の支持部材」は、「前記印刷チャンバの中で」1つまたは複数の基板を支持するのに対し、引用発明1の「基板支持台」は、プリント基板が載置されるものではあるものの、「印刷チャンバの中で」プリント基板が載置されるのか明らかでない点。
(相違点3)
本件補正発明においては、「前記スキージブレードは、前記第1の印刷パターンまたは前記第2の印刷パターンにわたって前記ペースト材料を伸ばすために、第1の印刷パターンに隣接した第1のポイントと第2の印刷パターンに隣接した第2のポイントとの間で前記塗布方向に直交するよう移動可能であ」るのに対し、引用発明1はそのような構成を有しない点。
(相違点4)
本件補正発明においては、「前記複数の支持部材は、共通の昇降テーブルによって支持され」ているのに対し、引用発明1はそのような構成を有しない点。

(4)相違点についての判断
上記相違点について検討する。
ア 相違点1及び2について
例えば、本件出願の優先日前に頒布された刊行物である特開平1-205592号公報に「第1図に示す印刷方法において、密閉したチャンバー8内に電子回路基板1に設けられた導電パッド2上にスクリーン5をのせ、その上にクリームはんだ3をのせスキージ4を移動方向Aに移動することによりクリームはんだ3はスクリーンを通してパッド2上に印刷される。」(第1頁右下欄第20行?第2頁左上欄第5行)とあり、また、本件出願の優先日前に頒布された刊行物である特開昭63-250898号公報には、「先ず、第1図の如く真空チャンバ(図示せず)内に回路パターン状に穴のあいた印刷用スクリーン2を配置し、該印刷用スクリーン2の下に保持基板1を配置し、前記印刷用スクリーン2上にクリームはんだ3をのせた後、真空チャンバ内を減圧状態にし、印刷用スクリーン2上で印刷用スキージ4を摺動させてクリームはんだ3を印刷用スクリーンの回路パターン状の穴から押し出し、基板1上に回路状はんだパターン5を形成する。」(第2頁左下欄第1?9行)とあるように、基板にはんだ(ペースト材料)をスクリーン印刷する印刷機において、基板をチャンバー内に配置してはんだ(ペースト材料)の印刷を行うこと、すなわち、印刷チャンバを備え、印刷チャンバの中で何らかの手段により基板を支持してはんだ(ペースト材料)をスクリーン印刷することは、本件出願の優先日前において、従来周知の常套手段である。
そして、引用発明1が、プリント基板に半田を印刷するものであることからすれば、引用発明1において、印刷チャンバを備えるようにして、印刷チャンバの中で基板支持台により基板を支持するようにすることは、当業者が適宜なし得る程度のことである。
してみると、引用発明1に当該周知技術を適用して、上記相違点1及び2に係る本件補正発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

イ 相違点3について
引用発明2は、上記第(2)イ のとおりであって、引用発明2における「スキージ」は、その構造、機能、作用からみて、本件補正発明の「スキージブレード」に相当する。
また、引用発明2において、「マスク」に形成された、「4つのパターン配列」のうち、「パターン配列P1」及び「パターン配列P2」、あるいは、「パターン配列P3」及び「パターン配列P4」は、本件補正発明の「第1の印刷パターン」及び「第2の印刷パターン」に、それぞれ相当する。
そして、引用発明2においては「スキージヘッドを、スキージがクリーム半田を基板に印刷する際に移動する矢印N1?N4方向と直交する矢印N5方向に移動させ、パターン配列P1?P4のうちの目的のパターン配列にスキージヘッド8をセットすることができ、セット後スキージを矢印N1?N4のいずれかにスライドさせることができる」ものであり、このとき、「スキージヘッド」と「スキージ」は一体で移動することは明らかであり、且つ、「矢印N5方向」は、「矢印N1?N4方向」すなわち塗布方向と直交するから、「スキージ」は、「パターン配列P1」と「パターン配列P2」との間で、あるいは、「パターン配列P3」と「パターン配列P4」との間で、塗布方向に直交するよう移動するものであるといえる。
してみると、引用発明2は、「スキージブレードは、前記第1の印刷パターンまたは前記第2の印刷パターンにわたって前記ペースト材料を伸ばすために、第1の印刷パターンと第2の印刷パターンとの間で前記塗布方向に直交するよう移動可能であ」るといえる。

引用発明1と引用発明2とは、スクリーン印刷機という共通の技術分野に属し、共に、複数の印刷パターンが形成されたスクリーンマスク(ステンシル)を用いてはんだ(ペースト材料)を基板に印刷するという点でも共通する。
引用発明1においては、「第1及び第3のスキージユニット」は、搬送方向であるX軸方向に並んだ「第1のスライド」に保持される「第1の昇降装置及び第3の昇降装置」にそれぞれ保持され、一方、「第2及び第4のスキージユニット」は、搬送方向であるX軸方向に並んだ「第2のスライド」に保持される「第2の昇降装置及び第4の昇降装置」にそれぞれ保持されている。よって、引用発明1では、「第1及び第3のスキージユニット」、及び、「第2及び第4のスキージユニット」が、「搬送方向であるX軸方向に並んだ」構成となっている。
ここで、引用発明1では、「プリント基板」は順次搬入されていることが明らかであり、「X軸方向に並ぶ第1の印刷位置と第2の印刷位置」のいずれかに「位置決め固定され」るものとなっており、「プリント基板」が「第1の印刷位置」に「位置決め固定され」た際には「第1又は第3のスキージユニット」により半田の印刷が行われ、「プリント基板」が「第2の印刷位置」に「位置決め固定され」た際には「第2又は第4のスキージユニット」により半田の印刷が行われるものとなっている。
そうすると、引用発明1では、「第1又は第3のスキージユニット」と「第2又は第4のスキージユニット」とは、必ずしも同時に両者が使用されるものではないことは明らかである。
そして、装置等における構成を簡素化あるいは簡略化することは、一般的な課題であり、引用発明1においても内在する自明の課題であるといえる。
一方、引用発明2は、「スキージ」(スキージブレード)を有する「スキージヘッド」が一つのみであり、引用発明1に比べてその構成が簡素化あるいは簡略化された構成となっているといえる。
そうすると、構成を簡素化あるいは簡略化するという自明の課題を解決するために、引用発明1において、「第1及び第3のスキージユニット」、及び、「第2及び第4のスキージユニット」が、「搬送方向であるX軸方向に並んだ」構成に代えて、引用発明2が有する、「スキージブレードは、前記第1の印刷パターンまたは前記第2の印刷パターンにわたって前記ペースト材料を伸ばすために、第1の印刷パターンと第2の印刷パターンとの間で前記塗布方向に直交するよう移動可能であ」る構成を採用する動機付けがあるといえ、引用発明1に引用発明2を適用することは当業者が容易に想到し得ることである。

ここで、引用発明2は、「スキージブレードは、前記第1の印刷パターンまたは前記第2の印刷パターンにわたって前記ペースト材料を伸ばすために、第1の印刷パターンと第2の印刷パターンとの間で前記塗布方向に直交するよう移動可能であ」るといえるものの、各パターン配列を用いる印刷を行う際、「スキージヘッドをパターン配列」の「真上に位置させている」ことからすると、スキージブレードの塗布方向に直交する移動は、各印刷パターンの真上の位置間の移動であると一応考えられる。
しかしながら、引用発明2において、スキージブレードの塗布方向に直交する移動は、各印刷パターンに対応する位置間の移動であれば、各印刷パターンの真上の位置間の移動でなくてもよく、各印刷パターンに隣接したポイント間の移動であってもよいことは、当業者にとって明らかである。
してみると、引用発明1に引用発明2を適用する際、スキージブレードの塗布方向に直交する移動を、各印刷パターンに隣接したポイント間での移動とすることで、「前記スキージブレードは、前記第1の印刷パターンまたは前記第2の印刷パターンにわたって前記ペースト材料を伸ばすために、第1の印刷パターンに隣接した第1のポイントと第2の印刷パターンに隣接した第2のポイントとの間で前記塗布方向に直交するよう移動可能であ」るという、上記相違点3に係る本件補正発明の発明特定事項とすることは、当業者が適宜なし得る設計事項に過ぎないものである。

ウ 相違点4について
引用発明3は、上記第(2)ウ のとおりであって、「第1及び第2位置決め機構」に備えられた「押上げ板」は、「各プリント基板を位置決め固定」するものであるから、本件補正発明の「複数の支持部材」に相当する。
また、引用発明3においては、「支持テーブル上」に「第1Yテーブル」が設けられ、この「第1Yテーブル上」に「第1Xテーブル」が設けられ、この「第1Xテーブル上」に「第1θテーブル」が設けられ、この「第1θテーブル」は「第1位置決め機構を回転させることで一方のプリント基板を回転させる」ものである。また、引用発明3において、「支持テーブル上」には「第2Xテーブル」も設けられており、この「第2Xテーブル上」に「第2θテーブル」が設けられ、この「第2θテーブル」は「第2位置決め機構を回転させることで他方のプリント基板を回転させる」ものである。そして、引用発明3において、「第1及び第2位置決め機構」には各「押上げ板」が備えられていることからすれば、「第1及び第2位置決め機構」に備えられた各「押上げ板」は、いずれも、共通の「支持テーブル」によって支持されているといえ、当該「支持テーブル」は、本件補正発明の「共通の昇降テーブル」に相当する。
してみると、引用発明3は、本件補正発明と同様、「前記複数の支持部材は、共通の昇降テーブルによって支持され」た構成を有しているといえる。
ここで、引用発明3の「支持テーブル」は「Z軸移動機構により上下動可能な」ものであるから、各「押上げ板」を同時に昇降させるものであるといえる。
引用発明1と引用発明3は、スクリーン印刷機という共通の技術分野に属し、また、引用発明1において、2つの「基板支持台」の動作を効率よく行う必要があることは自明であるから、「基板支持台」を夫々昇降させる構成だけでなく、2つの「基板支持台」を同時に昇降させることが可能な構成を組み合わせる動機付けがあるといえる。
そうすると、引用発明1において、引用発明3が有する「前記複数の支持部材は、共通の昇降テーブルによって支持され」た構成を付加することで、上記相違点4に係る本件補正発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

エ 本件補正発明の効果について
本件補正発明の発明特定事項全体によって奏される効果も、引用発明1?3、及び、周知技術から当業者が予測し得る範囲内のものである。

オ 小括
以上のとおりであるから、本件補正発明は、引用発明1?3、及び、周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(3)補正の却下の決定のむすび
よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。


第3 本願発明について
1 本願発明
平成30年2月6日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成28年8月29日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし25に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、上記第2の[理由]1(1)に記載のとおりのものである。

2 原査定における拒絶の理由
原査定の拒絶の理由(請求項1に関するもの)は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

特開2008-272964号公報
特開平10-138452号公報

3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された上記引用文献及びその記載事項は、上記第2の[理由]2(2)ア及びイ に記載したとおりである。

4 対比
本願発明は、上記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「前記塗布方向は、前記運搬経路に直交し、」という限定を削除し、更に、「前記複数の支持部材は、共通の昇降テーブルによって支持され、前記複数の支持部材の高さは、互いに独立して調節可能である、」という限定を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに、「前記塗布方向は、前記運搬経路に直交し、」、及び、「前記複数の支持部材は、共通の昇降テーブルによって支持され、前記複数の支持部材の高さは、互いに独立して調節可能である、」という事項を含む、他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、上記第2の[理由]2(3)に記載したとおり、引用発明1と上記相違点1?4において相違するものであるから、本願発明と引用発明とは、上記相違点1?3において相違し、他に相違する点はない。

5 相違点についての判断
上記相違点1?3については、上記第2の[理由]2(4)で検討したとおりである。
したがって、本願発明は、引用発明1?2、及び、周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2018-09-28 
結審通知日 2018-10-01 
審決日 2018-10-12 
出願番号 特願2014-151638(P2014-151638)
審決分類 P 1 8・ 572- Z (B41F)
P 1 8・ 575- Z (B41F)
P 1 8・ 121- Z (B41F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 藏田 敦之  
特許庁審判長 吉村 尚
特許庁審判官 荒井 隆一
尾崎 淳史
発明の名称 ペースト材料を印刷するための装置および印刷方法  
代理人 実広 信哉  
代理人 阿部 達彦  
代理人 村山 靖彦  
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