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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A47L
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 A47L
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 A47L
管理番号 1349558
審判番号 不服2017-4566  
総通号数 232 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-04-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-04-03 
確定日 2019-04-01 
事件の表示 特願2015- 46698号「カバレッジロボット」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 7月16日出願公開、特開2015-128652号、請求項の数(10)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
この出願(以下「本願」という。)は、2006年12月4日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2005年12月2日アメリカ合衆国(US))を国際出願日とする特願2008-543549号の一部を順次分割して、平成27年3月10日に新たな特許出願としたものであって、その経緯は、概ね次のとおりである。
平成27年 3月31日 手続補正書
平成28年 3月25日付け 拒絶理由通知書
平成28年 6月22日 意見書、手続補正書
平成28年11月30日付け 拒絶査定
平成29年 4月 3日 拒絶査定不服審判請求、手続補正書
平成30年 4月 6日付け 拒絶理由通知書
平成30年10月 1日 意見書、手続補正書
平成31年 1月25日付け 拒絶理由通知書
平成31年 1月31日 意見書、手続補正書

第2 本願発明について
本願の請求項1?10に係る発明(以下「本願発明1」?「本願発明10」という。)は、平成31年1月31日の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?10に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「【請求項1】
カバレッジロボットであって、
支持体(202,104)と、
前記支持体を動かす駆動車輪アセンブリと、
床面の清掃を行う清掃アセンブリと、
前記支持体の上面に設けられた凹部に合致して、略平面な前記カバレッジロボットの上壁部を形成する、前記支持体に着脱可能なカバー(106)と、
を備え、
前記カバーは、前記支持体に着脱可能に接続される無線通信手段を提供する機能性データモジュールを備え、
前記支持体は、前記カバーが取り付けられた状態において前記無線通信手段と通信可能である、カバレッジロボット。
【請求項2】
前記機能性データモジュールは記憶部を備える、請求項1に記載のカバレッジロボット。
【請求項3】
前記記憶部は、前記カバレッジロボットの駆動距離を記録する、請求項2に記載のカバレッジロボット。
【請求項4】
前記記憶部は、前記カバレッジロボットの使用頻度を記録する、請求項2又は3に記載のカバレッジロボット。
【請求項5】
前記記憶部は、前記支持体に取り付けられたモジュールの寿命を記録する、請求項2から4のいずれか一項に記載のカバレッジロボット。
【請求項6】
前記記憶部は、前記カバレッジロボットのソフトウェア挙動を変更するためのソフトウェアを記憶する、請求項2から5のいずれか一項に記載のカバレッジロボット。
【請求項7】
前記記憶部は、前記カバレッジロボットによって使用されるコンテンツを記憶する、請求項2から6のいずれか一項に記載のカバレッジロボット。
【請求項8】
前記カバレッジロボットは、前記カバーを前記支持体に取り付けると動作可能になる、
請求項1から7のいずれか一項に記載のカバレッジロボット。
【請求項9】
前記機能性データモジュールは、前記カバレッジロボットが置かれている環境を検出するためのセンサを更に備える、請求項1から8のいずれか一項に記載のカバレッジロボット。
【請求項10】
前記機能性データモジュールは、マイクロプロセッサを更に備える、請求項1から9のいずれか一項に記載のカバレッジロボット。」

第3 原査定の概要
原査定(平成28年11月30日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1?10に係る発明は、以下の引用例A?引用例Jに記載された発明に基いて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<引用例一覧>
A.特開2000-342496号公報
B.特開2002-16684号公報
C.特開2001-84037号公報
D.特開2005-216209号公報
E.特開2000-207215号公報
F.特開2000-342497号公報
G.特開2002-92762号公報(周知技術を示す文献;新たに引用した文献)
H.特開平4-266734号公報(周知技術を示す文献;新たに引用した文献)
I.特開2002-321180号公報(周知技術を示す文献;新たに引用した文献)
J.特開2002-354139号公報(周知技術を示す文献;新たに引用した文献)

第4 当審拒絶理由の概要
(平成30年 4月 6日付け 拒絶理由通知書)
1 (新規性)本願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
2 (進歩性)本願の下記の請求項に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
3 (明確性)本願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
4 (サポート要件)本願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。


●理由1(新規性)、理由2(進歩性)について
・請求項 1、2、8?10 :引用例 1
●理由2(進歩性)について
・請求項 3?7 :引用例 1
●理由3(明確性)、4(サポート要件)について
請求項1について
請求項1には、「本体」、「上面外形を完成させる」及び「プレート」との事項が特定する内容が、どのようなものを意味しているか明確でないため、請求項1に係る発明を明確に特定することができない。
この点は、請求項1を引用する請求項2?10についても同様である。

<引用例一覧>
1.特開2002-354139号公報(拒絶査定時の引用例J)

(平成31年 1月25日付け 拒絶理由通知書)
5 (明確性要件)本願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法36条6項2号に規定する要件を満たしていない。

●理由5
・請求項1?10について
平成30年10月1日の手続補正により補正した特許請求の範囲の請求項1に記載の「前記支持体の上面に設けられた凹部に合致して前記カバレッジロボットの外壁の一部を形成するよう構成された、前記支持体に着脱可能なカバー(106)」における「外壁の一部を形成するように構成された」との事項が明確でないため、特許請求の範囲の記載が不明確となっている。
この点について、請求項1を引用する請求項2?10についても同様である。
したがって、本願の請求項1?10に係る特許請求の範囲は、明確でない。

第5 引用例、引用発明等
1.当審拒絶理由で引用した引用例
引用例1(特開2002-354139号公報(拒絶査定時の引用例J))には、以下の事項が記載されている。
「【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、この実施の形態はこの発明をロボットとしてロボットクリーナを使用したロボットクリーナの制御システムに適用したものについて述べる。
【0010】図1はシステム全体の構成を示す図、図2はロボットクリーナの内部構成を示す図で、下部が略円形状で上部が略半球形状になっている筐体1の前面中央部に、カメラ2が携帯電話に接続され、かつ、これらが一体化されたカメラ付き携帯電話3を挿入固定する電話挿入部4を設け、前面から側面に跨った下部に超音波センサからなる複数の障害物検知用の障害物センサ5を配置している。前記障害物センサ5は、例えば、前面から見える位置に所定の間隔をあけて3個配置し、左右の側面に所定の間隔をあけて2個ずつ配置している。」
「【0011】前記筐体1内には、掃除手段を構成する、クリーナモータ6とこのモータ6で回転するファン7とこのファン7の回転により底部に設けた吸込口8から塵を吸込んで集める集塵室9が収納されている。また、前記筐体1の底部略中央の左右にそれぞれ左駆動車輪10a、右駆動車輪10bを取り付け、この各駆動車輪10a,10bをそれぞれ左走行モータ11a、右走行モータ11bで回転駆動するようにしている。そして、前記各駆動車輪10a,10bの回転をそれぞれ左エンコーダ12a、右エンコーダ12bで検出するようにしている。」
「【0012】前記筐体1の底部後端中央には方向が自由に変化する車輪13が取り付けられている。また、前記筐体1内には、CPU、ROM、RAM等の制御回路部品を組み込んだ回路基板14及び各部に電源を供給するバッテリ15が収納されている。前記電話挿入部4の後部には、この電話挿入部4に前記カメラ付き携帯電話3が挿入されたときにその携帯電話3のイヤホン端子に接続され、この携帯電話3が受信した音声信号であるDTMF(デュアル・トーン・マルチ・フリーケンシー)信号を解読してロボットの制御信号に変換するDTMF解読器16が収納されている。」
「【0013】図1において17は操作装置を構成する携帯電話で、この携帯電話17は前面に操作ボタン18と表示器19を備える。前記操作ボタン18を操作することによって、動画像転送モードの設定、DTMF信号を発生させるための設定、ロボットに対する動作命令の設定をすることができる。前記操作ボタン18を操作することによって設定された動画像転送モードの設定信号、ロボットに対する動作命令は近くの基地局20に無線送信される。前記基地局20は、前記携帯電話17からの信号を無線送信し、前記ロボットの携帯電話3は基地局20からの信号をアンテナを介して受信するようになっている。」
「【0021】ロボットクリーナの携帯電話3は自動的に着信するように設定されているので、S3にて、携帯電話3は自動着信して通話ができる状態となる。このとき、携帯電話17から携帯電話3に動画像転送モードで動作させるための設定信号も送信されるので、携帯電話3はこの設定信号を受信して動画像転送モードを設定する。動画像転送モードが設定されると、携帯電話3は接続されたカメラ2を動作させ、カメラ2で動画像の取得を開始し、この取得した動画像を携帯電話17に送信する。これにより、携帯電話3はカメラ2によって外部を撮像し、その動画像を逐次基地局20を経由して携帯電話17に送信するようになる。従って、操作者はカメラ2が撮像している内容を携帯電話17の表示器19によって確認することができるようになる。但し、この場合、携帯電話17としてはリアルタイム動画像を再生できる機能を有する携帯電話を使用する。」

これらの記載事項及び図面から、引用例1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「下部が略円形状で上部が略半球形状になっている筐体1の前面中央部に、カメラ2が携帯電話に接続され、かつ、これらが一体化されたカメラ付き携帯電話3を挿入固定する電話挿入部4を設け、前面から側面に跨った下部に超音波センサからなる複数の障害物検知用の障害物センサ5を配置し、前記筐体1内には、掃除手段を構成する、クリーナモータ6とこのモータ6で回転するファン7とこのファン7の回転により底部に設けた吸込口8から塵を吸込んで集める集塵室9が収納され、前記筐体1の底部略中央の左右にそれぞれ左駆動車輪10a、右駆動車輪10bを取り付け、この各駆動車輪10a,10bをそれぞれ左走行モータ11a、右走行モータ11bで回転駆動するようにし、前記各駆動車輪10a,10bの回転をそれぞれ左エンコーダ12a、右エンコーダ12bで検出するようにし、前記筐体1の底部後端中央には方向が自由に変化する車輪13が取り付けられ、前記筐体1内には、CPU、ROM、RAM等の制御回路部品を組み込んだ回路基板14及び各部に電源を供給するバッテリ15が収納され、前記電話挿入部4の後部には、この電話挿入部4に前記カメラ付き携帯電話3が挿入されたときにその携帯電話3のイヤホン端子に接続され、この携帯電話3が受信した音声信号であるDTMF(デュアル・トーン・マルチ・フリーケンシー)信号を解読してロボットの制御信号に変換するDTMF解読器16が収納されている、ロボットクリーナ。」

2.拒絶査定時に引用されたが、当審拒絶理由においては採用しなかった引用例における記載事項
(1) 引用例A
「【特許請求の範囲】
【請求項1】 清掃面を清掃する自走式の清掃ロボットであって、
清掃ロボットに情報を取得させるために本体に設けられた情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得した情報を予め連絡先に指定された端末に連絡するための無線通信可能な携帯情報端末と、
前記情報取得手段により取得した情報を前記携帯情報端末から前記指定の端末宛に発信する発信制御手段とを備えている清掃ロボット。」
「【0006】本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その第1の目的は、清掃ロボットから離れた場所にいる清掃管理業者やメンテナンス業者等が、清掃ロボットが取得した情報の連絡を清掃ロボットから携帯情報端末や端末を通じて直接受けられる清掃ロボットを提供することにある。
【0007】第2の目的は、清掃ロボットが清掃作業上の異常等の情報を取得すると直接清掃管理業者等に連絡することができ、清掃管理業者等が知らないために清掃をしないまま放置される効率の悪さを解消することにある。
【0008】第3の目的は、清掃ロボットの故障等のメンテナンス情報を、清掃ロボットから直接メンテナンス業者等に連絡できるようにし、故障等に迅速かつ的確に対応することを可能にすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために請求項1に記載の発明では、清掃面を清掃する自走式の清掃ロボットであって、清掃ロボットに情報を取得させるために本体に設けられた情報取得手段と、前記情報取得手段により取得した情報を予め連絡先に指定された端末に連絡するための無線通信可能な携帯情報端末と、前記情報取得手段により取得した情報を前記携帯情報端末から前記指定の端末宛に発信する発信制御手段とを備えている。」
「【0038】本体2の上部後面には携帯情報端末としての携帯電話25が取り付けられている。また、本体2の上部後面に設けられたメモリカード挿入部(メモリコネクタ)26にはメモリカード27が挿着されている。メモリカード27には清掃エリアを清掃ロボット1に教えるための複数のマップデータ等が記憶されている。また、本体2の上面後部には通信用のアンテナ28が備えられている。本体2の内部には清掃ロボット1の通信制御および運行制御を司るコントローラ29(図2に示す)が配設されている。」
「【0054】清掃作業中、マイコン31は走行制御プログラムの他、異常検出プログラムを実行しており、各センサ14?16,33?37からの入力信号に基づいて、バッテリ残量不足、 ゴミ満杯、 清掃消耗部品交換時期(ブラシ交換時期)、障害物走行不能の異常の有無を検出する。この4種類の異常の一つが検出されると、清掃ロボット1は清掃作業を一時中断する。この中断と同時にマイコン31はその異常内容を知らせる信号を通信用マイコン32に送信する。また、作業者が指定した清掃作業を全て終了すると、マイコン31は通信用マイコン32に清掃作業終了信号を送信する。
【0055】通信用マイコン32はマイコン31から信号を入力すると、発信制御プログラムを実行する。そして、入力信号の信号内容に応じた文字データと、指定された連絡先の電話番号とをメモリ51から読み出し、モデム50を通じて電話番号先にダイヤルする発信制御をし、備え付けの携帯電話28を使ってその文字データを相手先の携帯電話52に発信する。
【0056】作業者が所有する携帯電話52に無線中継基地53を介して電話がかかり、携帯電話52のメッセージ表示欄52aに連絡内容が文字表示される。メッセージ表示欄52aには、例えばバッテリ残量不足のときは「バッテリ充電」、ゴミ満杯のときは「ゴミ満杯」、障害物走行不能となったときは「障害物」と文字が表示される。また、清掃作業を終了したときは「清掃終了」と文字表示される。
【0057】このため、清掃ロボット1が清掃作業を中断したときは、清掃ロボット1が見えない離れた場所に作業者がいたとしても、清掃作業を中断したことは作業者の携帯電話52に直ちに連絡される。また、清掃作業の終了は直ちに作業者に携帯電話52で連絡されるため、清掃終了した後の待機状態のまま清掃ロボット1が放置されることがなくなる。」
(2) 引用例B
「【特許請求の範囲】
【請求項1】 携帯端末装置に設けたカード挿入口に無線カードモデムを挿入して無線交信を行なう携帯端末装置であって、
上記携帯端末装置側にアンテナを有し、
上記携帯端末装置の本体と上記無線カードモデム間に上記アンテナ接続用の接触部を設けたことを特徴とする携帯端末装置。」
「【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来構成で説明した図6の無線カードモデム10ではアンテナ12を立ててもPC1の側面に立設される構造となるため、低い位置にアンテナ12が立設されるので輻射の条件は悪くなり、通信品質が期待出来ない。」
(3) 引用例C
「【請求項1】 無人搬送車をシステムコントローラで管理するようにしたシステムにおいて、メンテナンスが設定された無人搬送車をメンテナンス位置へ走行させるための走行指令を発生するとともに、該無人搬送車への搬送指令の割付を禁止するための、メンテナンス管理手段を設けたことを特徴とする、無人搬送車システム。」
「【0013】14は無人搬送車システムを管理するシステムコントローラで、16は端末であり、オペレータは端末16からシステムコントローラ14に対話的に様々な設定を行う。そしてシステムコントローラ14は、無人搬送車4やステーション6,急速充電ポイント8,均等充電ポイント10の図示しない充電設備等と通信し、これらを制御する。
【0014】図2にシステムコントローラ14の構成を示す。20はバッテリー管理部で、そのサブシステムとして急速充電管理部21と均等充電管理部22とがある。急速充電の必要性は、例えば個々の無人搬送車4が、バッテリーの出力電流等から判断し、急速充電の許可を外部入出力30を介して、急速充電管理部21へ要求する。これに対して急速充電管理部21は急速充電を許可し、最寄りの急速充電ポイント8への走行等を指令する。」
(4) 引用例D
「【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用傾向がその他の日と異なる特異日の自動検出を行う特異日自動検出手段を有する自律走行装置。
【請求項2】
時間帯別使用頻度検出手段と閾値決定手段とタイマと演算手段を有し、前記演算手段は前記時間帯別使用頻度検出手段が検出する時間帯ごとの使用頻度と前記閾値決定手段で設定する閾値との演算結果から特異日を特定する自律走行装置。
【請求項3】
特定時間時間帯別使用頻度検出手段と閾値決定手段とタイマと演算手段を有し、前記演算手段は前記特定時間帯別使用頻度検出手段が検出する時間帯ごとの使用頻度と前記閾値決定手段で設定する閾値との演算結果から特異日を特定する自律走行装置。
【請求項4】
時間帯別使用頻度検出手段と特定時間帯別使用頻度検出手段と閾値決定手段とタイマと演算手段を有し、前記閾値決定手段は前記時間帯別使用頻度検出手段と前記特定時間時間帯別使用頻度検出手段が検出する時間帯ごとの使用頻度の比較により閾値を決定し、前記演算手段は前記特定時間帯別使用頻度検出手段が検出する時間帯ごとの使用頻度と前記閾値決定手段で決定した前記閾値との演算結果から特異日を特定する自律走行装置。」
(5) 引用例E
「【特許請求の範囲】
【請求項1】 本体の動作を制御するための動作制御プログラム、本体の移動経路を示すマップ情報ファイル等を用いて本体の自律走行を制御する制御部を備えた自律走行型ロボットにおいて、
外部装置との間で情報を入出力する情報入出力部を備えるとともに、
上記動作制御プログラムを書き換え可能なメモリに記憶し、
さらに、上記制御部は、上記情報入出力部において上記外部装置から第1のコマンドが入力されたとき、上記メモリに記憶している動作制御プログラムを上記外部装置から入力される動作制御プログラムに書き換える自律走行型ロボット。」
「【0020】さらに、5はファンを有する送風機であり、6は集塵室、7は本体底部に設けられた吸込口、8は吸込口7と集塵室6とを接続するパイプである。制御部10は吸込用モータ12により上記ファンの回転を制御し、吸込口7から塵や埃等のゴミを集塵室6に吸い込む。吸込口7にはブラシ9が設けられており、制御部10がブラシ用モータ13によりブラシ7の回転を制御する。15は掃除機1の動作状態の表示や、入力操作を受け付ける表示・操作部である。16は、後述するプログラム更新装置20(この発明で言う外部装置に相当する。)との通信を制御する通信部である。なお、この実施形態では掃除ロボット1とプログラム更新装置20とは、電磁波を利用した無線信号で通信を行う。
【0021】上記構成の掃除ロボット1は、EEPROM10aに記憶している動作制御プログラムやマップ情報ファイル等に基づいて走行用モータ11の回転を制御して障害物等を回避しながら本体1を走行させるとともに、吸込用モータ12およびブラシ用モータ13の回転を制御して吸込口7に対向している床面から塵や埃等のゴミを吸い込む。すなわち、公知の掃除ロボットと同様の掃除機能を有している。
【0022】図4は、プログラム更新装置の構成を示すブロック図である。このプログラム更新装置20は、本体の動作を制御する制御部21と、掃除ロボット1に供給する動作制御プログラム等の情報を記憶する記憶部22と、表示を行う表示部23と、入力操作を行う操作部24と、掃除ロボットと電磁波を利用した無線信号で通信を行う通信部25とを備えている。なお、記憶部22はプログラム更新装置20に設けた記憶素子(RAM等)であってもよいし、プログラム更新装置20に着脱自在のICカード(メモリカード)やCD-ROM等の記憶媒体であってもよい。
【0023】以下、この実施形態にかかる掃除ロボットの動作について説明する。まず、掃除動作について簡単に説明する。この実施形態の掃除ロボット1は、上記したように制御部10が本体1の自律走行を制御しながら掃除を行う。掃除ロボット1の表示・操作部15またはプログラム更新装置20の操作部24において、所定の入力操作を行うことで掃除動作を開始させることができる。なお、プログラム更新装置20の操作部24において所定の入力操作を行った場合には、プログラム更新装置20が掃除ロボット1に対して通信部25から掃除動作の開始を要求するコマンドを送信する。」
(6) 引用例F
「【特許請求の範囲】
【請求項1】 自走式の清掃ロボットであって、
環境状態の測定を行う環境測定手段を備えた清掃ロボット。
【請求項2】 環境状態の測定を行なった測定位置を検出する位置検出手段と、
測定時刻を計時する計時手段と、
環境測定の測定結果を、該測定結果の前記測定位置及び測定時刻に対応させた測定データを生成する測定データ生成手段とを備えている請求項1に記載の清掃ロボット。
【請求項3】 前記測定データを記録する測定データ記録手段を備えている請求項2に記載の清掃ロボット。
【請求項4】 清掃ロボットを遠隔操作で移動させるために使用する画像情報を取得する画像情報取得手段と、
前記画像情報を無線で送信する情報送信手段と、
清掃ロボットを遠隔操作で移動させるために生成された移動指令信号を受信する指令信号受信手段と、
前記移動指令信号に基づく移動制御を行う移動制御手段とを備えている請求項1?請求項3のいずれか一項に記載の清掃ロボット。
【請求項5】 前記測定結果を予め設定された判定値と比較し、比較結果に基づいて測定結果が異常であるか否かを判断する測定結果判断手段と、
測定結果が異常であると判断したとき、その測定結果が異常であることを無線で送信する異常結果送信手段とを備えている請求項1?請求項4のいずれか一項に記載の清掃ロボット。
【請求項6】 前記環境状態は、温度、湿度、騒音、風速、照度、二酸化炭素濃度及び浮遊粉塵密度の内の少なくとも1つである請求項1?請求項5のいずれか一項に記載の清掃ロボット。」
「【0037】メモリカード40には、清掃ロボット3Aで清掃を行うことが分かっている複数の異なる清掃領域2A?2Cに対して作成された各清掃領域データが予め記憶されている。又、メモリカード40には、各清掃領域データに対し、その清掃領域2A?2Cにおいて標準とされている清掃程度を指令する清掃程度データが記憶されている。清掃程度とは、清掃ロボット3Aによる掃き掃除のていねいさであって、清掃程度データとして、移動速度と、移動方向に対する幅方向における清掃範囲の重複幅と、各ブラシ16,18の回転速度とを指令するデータとが記憶されている。
【0038】本実施の形態では、ジャイロセンサ26及びマイコン44が位置検出手段を構成し、マイコン44及びタイマ47が計時手段を構成し、マイコン44が測定データ生成手段である。又、メモリカード40、読み書き装置41及びマイコン44が測定データ記録手段を構成する。又、赤外線ライト27、赤外線カメラ28、撮像制御装置53、画像処理装置54及びマイコン44が画像情報取得手段を構成し、マイコン43,44、無線LANモジュール45が情報送信手段及び指令信号受信手段を構成し、マイコン44が移動制御手段である。又、マイコン44が測定結果判断手段であり、マイコン43,44、無線LANモジュール45が異常結果送信手段を構成する。」
(7) 引用例G
「【0034】また、カバー部22には、回路室29に対応して略透明で画像検出手段8のCCDカメラ40が周囲の状態を撮影可能な窓部45が設けられている。また、カバー部22には、吸塵手段34の電動送風機33を覆って電動送風機33から排気される排気風を外部に排出する図示しない排気孔が設けられているとともに、移動体アンテナ11を貫通させて外部に突出させる図示しない貫通孔が設けられている。
【0035】さらに、カバー部22には、メモリカードなどの記憶媒体47が着脱可能に装着され移動体制御手段5が搭載された回路基板に接続されるコネクタ48が配設されている。そして、移動体制御手段5は、記憶媒体47に入力されたデータに基づいて走行手段7、周囲状態検出手段10および吸塵手段13を制御する。」
(8) 引用例H
「【0009】14はロボット本体1の下に設けられた方形枠状のバンパースイッチである。このバンパースイッチ14は、掃除ロボットRが走行中に障害物を検出できずに衝突した場合、衝突を検知して掃除ロボットRを停止させるものである。20はロボット本体1とバンパースイッチ14との間に設けられたACコード巻き取り機構、21はACコードである。30はメモリーカードであり、これには掃除を行う部屋の大きさに該当する寸法情報や柱などの障害物情報が記憶されている。40はスタートスイッチ、41はストップスイッチ、50は手押しハンドルである。」
「【0011】次に、この掃除ロボットRの制御について説明する。まず、メモリーカード30により掃除すべき会議室の寸法情報や障害物情報を入力すると、目標軌道が自動的に作成される。また、障害物情報を入力していない場合にも、掃除ロボットRは自律的に障害物を検出しながら走行できる。そして、掃除ロボットRは、左右の動輪3に取り付けられたエンコーダ4からの距離情報と、左右に取り付けられた横方向測距用超音波センサ11からの距離情報とにより、現在のX-Y座標を検出しながら目標に向かって走行する。」
(9) 引用例I
「【0019】以下、この構成について、更に詳細に説明する。ロボット1は、図1及び図2に示すように、頭部11、胴体部12、脚部13及び腕部14等で構成され、胴体部12には、頭部11、脚部13、腕部14等をそれぞれ駆動する駆動手段111、131、141が設けられている。駆動手段111、131、141は、制御用の端末装置2からの制御信号によって制御される制御手段15の出力信号によって、それぞれ駆動されるように構成されている。したがって、制御用の端末装置2より各駆動手段に対する制御信号が入力されると、それの制御信号に基づいて制御手段15から各駆動手段に対する駆動信号が出力される。駆動手段111、131、141はそれぞれの駆動信号に基づいて頭部11、脚部13、腕部14等を駆動し、これによりロボット1が前後に移動及び/又は左右に旋回し、また頭部11及び腕部14等がそれぞれ上下左右に駆動される。
【0020】ロボット1の頭部11の顔に相当する部分には、カメラ110が搭載されており、カメラ110で撮影した映像信号は、映像信号処理手段16で、伝送効率を向上させるためにMPEG圧縮など、任意の圧縮技術を用いて圧縮処理された後、制御手段15の制御に基づいて送受信手段17及びアンテナ18を介して家庭内等に設置される電話機4側に無線伝送されるように構成されている。
【0021】また、電話機4からの呼び出しにより回線を接続した後、制御用の端末装置2からの各種制御信号がアンテナ18を介して送受信手段17で受信され、制御手段15の制御に基づいて、それぞれの駆動手段111、131、141を駆動するように構成されている。
【0022】制御用の端末装置2は、図1及び図3に示すように、通常の、例えばPHS方式の携帯電話機で構成されており、アンテナ21、アンテナ21に接続された送受信手段22、通話手段23、映像信号処理手段24、制御信号送出手段25、制御手段26、表示手段27、キーボード28及び送受話器29などで構成されている。
【0023】上記実施の形態において、次に、その動作を説明する。制御用の端末装置2は、前述したように、通常の、例えばPHS方式の携帯電話機等で構成されており、制御用の端末装置2のキーボード28を操作して、家庭内に設けられた電話機4に電話をかけると、端末装置2と電話機4とがPHS公衆回線3を介して回線接続される。回線接続後、端末装置2は通常のPHS携帯電話機として機能する。
【0024】端末装置2と電話機4とが回線接続された状態で、端末装置2よりロボット1を制御するために行われる所定のキー操作は、制御手段26で検出され、制御手段26より所定のキー操作に対応する制御信号が出力される。制御信号は、制御信号送出手段25、送受信手段22及びアンテナ21を介してPHS公衆回線に放出され、電話機4で受信される。」

第6 対比・判断
1.当審拒絶理由における理由1及び理由2について
(1) 本願発明1について
本願発明1と引用発明とを対比する。
引用発明における「ロボットクリーナ」、「筐体1」、及び「携帯電話3」は、その機能、構成及び技術的意義から、それぞれ、本願発明1の「カバレッジロボット」、「支持体(202,104)」、並びに「無線通信手段」及び「機能性データモジュール」に相当する。
そして、引用発明の「掃除手段を構成する、クリーナモータ6とこのモータ6で回転するファン7とこのファン7の回転により底部に設けた吸込口8から塵を吸込んで集める集塵室9が収納され」る態様は、各部材が組立て(アセンブリ)られたものであり、本願発明1の「床面の清掃を行う清掃アセンブリ」に相当する。
また、引用発明の「前記筐体1の底部略中央の左右にそれぞれ左駆動車輪10a、右駆動車輪10bを取り付け、この各駆動車輪10a,10bをそれぞれ左走行モータ11a、右走行モータ11bで回転駆動するようにし、前記各駆動車輪10a,10bの回転をそれぞれ左エンコーダ12a、右エンコーダ12bで検出するようにし、前記筐体1の底部後端中央には方向が自由に変化する車輪13が取り付けられ」た態様は、筐体を動かす駆動車輪が組立て(アセンブリ)られたものであり、本願発明の「前記支持体を動かす駆動車輪アセンブリ」に相当する。
さらに、引用発明の「筐体1の前面中央部に」、「カメラ付き携帯電話3を挿入固定する電話挿入部4を設け」、「前記筐体1内に」「前記電話挿入部4の後部には、この電話挿入部4に前記カメラ付き携帯電話3が挿入されたときにその携帯電話3のイヤホン端子に接続され、この携帯電話3が受信した音声信号であるDTMF(デュアル・トーン・マルチ・フリーケンシー)信号を解読してロボットの制御信号に変換するDTMF解読器16が収納されている」態様は、引用発明の携帯電話がロボットクリーナの筐体に着脱可能に接続されて、筐体1は、携帯電話3が取り付けられた状態において携帯電話と通信可能であるといえる。そうすると、本願発明1の「前記カバーは、前記支持体に着脱可能に接続される無線通信手段を提供する機能性データモジュールを備え、前記支持体は、前記カバーが取り付けられた状態において前記無線通信手段と通信可能である」態様と、「前記支持体に着脱可能に接続される無線通信手段を備え、前記支持体は前記無線通信手段と通信可能である」との限りで一致する。
したがって、両者の一致点、相違点は以下のとおりである。
[一致点]
「カバレッジロボットであって、
支持体と、
前記支持体を動かす駆動車輪アセンブリと、
床面の清掃を行う清掃アセンブリと、
を備え、
前記支持体に着脱可能に接続される無線通信手段を備え、前記支持体は前記無線通信手段と通信可能である、
カバレッジロボット。」

[相違点]
支持体及び支持体と前記無線通信手段とが通信可能であることについて、本願発明1は、「前記支持体の上面に設けられた凹部に合致して、略平面な前記カバレッジロボットの上壁部を形成する、前記支持体に着脱可能なカバー(106)と、前記カバーは、前記支持体に着脱可能に接続される無線通信手段を提供する機能性データモジュールを備え、前記支持体は、前記カバーが取り付けられた状態において前記無線通信手段と通信可能である」とされているのに対して、引用発明は、無線通信手段が携帯電話3であって、下部が略円形状で上部が略半球形状になっている筐体1の前面中央部に、カメラ2が携帯電話に接続され、かつ、これらが一体化されたカメラ付き携帯電話3を挿入固定する電話挿入部4を設けられた態様とされている点。

以下、上記相違点について検討する。
[相違点について]
引用例1には、引用発明の携帯電話3について、上記相違点に係る本願発明1の特定事項である、「前記支持体の上面に設けられた凹部に合致して、略平面な前記カバレッジロボットの上壁部を形成する、前記支持体に着脱可能なカバー(106)」の態様とすること、さらに「前記カバーは、前記支持体に着脱可能に接続される無線通信手段を提供する機能性データモジュールを備え、前記支持体は、前記カバーが取り付けられた状態において前記無線通信手段と通信可能である」との態様とすることについて、示唆をするところはなく、また、他の引用例A?Iに記載も示唆もなされていない。
さらに、携帯電話3を、略平面な筐体1の上壁部を形成する、前記筐体1に着脱可能なカバーとすることは、技術常識であると認めることもできない。
よって、引用発明において、上記相違点に係る本願発明1の特定事項を採用することは、当業者であっても容易に想到し得たとすることはできない。
したがって、上記相違点に係る特定事項を備える本願発明1は、引用発明と同一のものであるとはいえないし、また、引用発明及び引用例1、引用例A?Iに記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることもできない。
(2) 本願発明2?10について
本願の特許請求の範囲における請求項2?10は、請求項1の記載を他の記載に置き換えることなく直接又は間接的に引用して記載したものであるから、本願発明2?10は、本願発明1の発明特定事項を全て含むものである。
したがって、本願発明2?本願発明10は、本願発明1と同様の理由で、引用発明と同一のものとはいえないし、また、引用発明及び引用例1、引用例A?Iに記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
2.当審拒絶理由における理由3、理由4及び理由5について 平成31年1月31日提出の手続補正書による補正によって、請求項1について、「前記支持体の上面に設けられた凹部に合致して、略平面な前記カバレッジロボットの上壁部を形成する、前記支持体に着脱可能なカバー(106)」と補正されたことにより、当審拒絶理由における上記理由3、理由4及び理由5の不備は解消された。
よって、請求項1及び請求項1を直接又は間接的に引用する請求項2?10についての記載不備は解消された。

第7 原査定の概要及び原査定についての判断
原査定は、請求項1?10に係る発明について、上記引用例A?Jに記載された事項に基いて当業者が容易に想到し得たものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。
しかし、平成31年1月31日提出の手続補正書により補正された請求項1?10に係る発明は、「前記支持体の上面に設けられた凹部に合致して、略平面な前記カバレッジロボットの上壁部を形成する、前記支持体に着脱可能なカバー(106)」を含むものであって、当該カバーは、上記「第6」の「1.」で検討したとおり、引用発明及び引用例A?Jに開示や示唆がされておらず、本願発明1?10は、引用例A?Jに基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
したがって、原査定を維持することはできない。

第8 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-03-19 
出願番号 特願2015-46698(P2015-46698)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (A47L)
P 1 8・ 121- WY (A47L)
P 1 8・ 113- WY (A47L)
最終処分 成立  
前審関与審査官 村山 睦  
特許庁審判長 田村 嘉章
特許庁審判官 井上 哲男
山崎 勝司
発明の名称 カバレッジロボット  
代理人 松岡 修平  
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