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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1350484
審判番号 不服2018-1157  
総通号数 233 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-05-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-01-29 
確定日 2019-04-03 
事件の表示 特願2016-543957「操作の決定」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 3月26日国際公開、WO2015/042074、平成28年12月15日国内公表、特表2016-539434〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続きの経緯

本願は、2014年(平成26年)9月16日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2013年9月17日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成29年4月19日付けの拒絶理由の通知に対し、同年7月25日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが、同年10月6日付けで拒絶査定がなされ、これに対して平成30年1月29日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

第2 平成30年1月29日にされた手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成30年1月29日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1.本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。

「【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ・プログラム・コードを含む少なくとも1つのメモリとを備える装置であって、該メモリおよび該コンピュータ・プログラム・コードは、前記プロセッサと共に動作して、該装置に、
前記装置の受動的目視(viewing)状態の入力をすることと、第1の入力を示す情報の受信をすることと、
少なくとも部分的には、受動的目視(viewing)状態および前記第1の入力に基づいて第1の操作を決定することと、
前記第1の操作を実行することと、環境センサ情報を受信することと、
前記環境センサ情報が、前記装置がユーザによって能動的に目視されていることを示すと判断することと、
少なくとも部分的には、前記環境センサ情報が、前記装置が前記ユーザによって能動的に目視されていることを示すと前記判断することに基づいて、装置の能動的目視状態の入力をすることと、
第2の入力を示す情報の受信をすることであって、該第2の入力は実質的に前記第1の入力と同じである、ことと、
少なくとも部分的には、前記能動的目視状態および前記第2の入力に基づいて第2の操作を決定することであって、前記第2の操作は前記第1の操作と異なる、ことと、
前記第2の操作を実行することと、
を実行させるように構成されており、
前記環境センサ情報は、タッチ・センサ、方向センサ、加速度計センサ、光学センサ、近接センサ、ジャイロ・センサ、磁力計センサ、慣性センサ、容量センサ、ソナー、レーダーのうちの1つ以上からの情報を含む、
装置。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、平成29年7月25日付けでされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。

「【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ・プログラム・コードを含む少なくとも1つのメモリとを備える装置であって、該メモリおよび該コンピュータ・プログラム・コードは、前記プロセッサと共に動作して、該装置に、
前記装置の受動的目視(viewing)状態の入力をすることと、第1の入力を示す情報の受信をすることと、
少なくとも部分的には、受動的目視(viewing)状態および前記第1の入力に基づいて第1の操作を決定することと、
前記第1の操作を実行することと、環境センサ情報を受信することと、
前記環境センサ情報が、前記装置がユーザによって能動的に目視されていることを示すと判断することと、
少なくとも部分的には、前記環境センサ情報が、前記装置が前記ユーザによって能動的に目視されていることを示すと前記判断することに基づいて、装置の能動的目視状態の入力をすることと、
第2の入力を示す情報の受信をすることであって、該第2の入力は実質的に前記第1の入力と同じである、ことと、
少なくとも部分的には、前記能動的目視状態および前記第2の入力に基づいて第2の操作を決定することであって、前記第2の操作は前記第1の操作と異なる、ことと、
前記第2の操作を実行することと、
を実行させるように構成されており、
前記環境センサ情報は、タッチ・センサ、方向センサ、加速度計センサ、赤外線センサ、光学センサ、近接センサ、ジャイロ・センサ、磁力計センサ、慣性センサ、容量センサ、ソナー、レーダーのうちの1つ以上からの情報を含む、
装置。」

2.補正の適否
本件補正の上記補正事項は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「前記環境センサ情報は、タッチ・センサ、方向センサ、加速度計センサ、赤外線センサ、光学センサ、近接センサ、ジャイロ・センサ、磁力計センサ、慣性センサ、容量センサ、ソナー、レーダーのうちの1つ以上からの情報を含む」から、「赤外線センサ」を削除して「前記環境センサ情報は、タッチ・センサ、方向センサ、加速度計センサ、光学センサ、近接センサ、ジャイロ・センサ、磁力計センサ、慣性センサ、容量センサ、ソナー、レーダーのうちの1つ以上からの情報を含む」とするものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、特許法第17条の2第3項、第4項に違反するところはない。

そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下、「本件補正発明」という。)が、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献の記載事項
ア.引用文献
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された引用文献である、特開2008-217444号公報(以下、「引用文献」という。)には、図面とともに、次の記載がある。(下線部は、当審で注目する箇所を示す。以下同様。)

「【0024】
図1は、本実施の形態にかかるビデオ録画再生装置100の構成を示すブロック図である。図1に示すように、ビデオ録画再生装置100は、主なハードウェア構成として、発信部131と、受信部132と、マイク133と、スピーカ134と、ポインティング受信部135と、表示部136と、指示表現記憶部151と、質問表現記憶部152と、状態遷移記憶部153と、応答記憶部154と、映像記憶部155と、を備えている。
【0025】
また、ビデオ録画再生装置100は、主なソフトウェア構成として、方向検出部101aと、距離検出部101bと、注視度決定部102と、音声受付部103と、認識部104と、要求受付部105と、抽出部106と、応答決定部107と、出力制御部120とを備えている。
【0026】
発信部131は、利用者の視聴方向または/および利用者までの距離を検出するためのセンシング情報を発信するものである。センシング情報とは、例えば、赤外線などの電磁波、または音波などの所定の検知部によって検出されうる情報をいう。本実施の形態では、発信部131は、赤外線発信部131aと、超音波発信部131bとを備えている。
【0027】
赤外線発信部131aは、利用者の視線方向を検出するため、指向性を有する赤外線を発光するものである。赤外線発信部131aは、利用者の視線方向に向けて赤外線を発光するように、例えば利用者が装着するヘッドセットの上部に備えられる。ヘッドセットの構成の詳細については後述する。
【0028】
超音波発信部131bは、距離計測のための超音波を発信するものである。超音波による距離測定は、市販されている距離測定機器などで一般的に利用されている技術である。超音波における距離測定では、超音波振動子によって超音波パルスを送出し、超音波センサーによってその超音波パルスを受信する。超音波は空気中を音速で伝播するため、超音波パルスが伝達してくるまで時間がかかるが、この時間を計測することによって距離を測定する。通常、超音波による距離測定では、測定機器に超音波振動子と超音波センサーを共に組み込んでおき、距離を測定する対象(壁など)に向けて超音波を放射し、その反射波を受信して距離を測定する。
【0029】
本実施の形態では、超音波振動子を超音波発信部131bに、超音波センサーは後述する超音波受信部132bにそれぞれ利用する。すなわち、超音波発信部131bによって超音波パルスを送出し、超音波受信部132bによって超音波パルスを受信する。超音波は空気中を音速で伝播するため、超音波パルスを伝達する時間差によって、距離を測定することができる。
【0030】
受信部132は、発信部131により発信されたセンシング情報を受信するものであり、赤外線受信部132aと、超音波受信部132bと、を備えている。
【0031】
赤外線受信部132aは、赤外線発信部131aが発信した赤外線を受信するものであり、例えば、後述する表示部136の下部に備えられる。なお、赤外線発信部131aおよび赤外線受信部132aは、各種電子機器のリモートコントロール装置とその読み込み装置として一般的に利用されているものと同様の構成により実現できる。
【0032】
超音波受信部132bは、超音波発信部131bが発信した超音波を受信するものであり、赤外線受信部132aと同様に、例えば、表示部136の下部に備えられる。
【0033】
なお、視線方向や距離を検出する方法は、赤外線および超音波を用いた方法に限られず、赤外線によって距離を測定する方法、撮像部によって撮像した顔画像を認識する画像認識処理を利用して、利用者と表示部136との間の距離や対面しているかどうかを判定する方法など、従来から用いられているあらゆる方法を適用できる。」

「【0051】
応答記憶部154は、実行すべき各応答について、注視度に応じて実際に実行する処理内容を表す応答アクションを格納した応答対応テーブルを記憶するものである。なお、注視度とは、利用者が表示部136を注視している度合いを表す情報であり、後述する注視度決定部102により決定される。
【0052】
図9は、応答記憶部154に記憶された応答対応テーブルのデータ構造の一例を示す説明図である。図9に示すように、応答対応テーブルは、アクション名と、注視度と、応答アクションとを対応づけて格納している。本実施の形態では、注視している度合いが高い順に、「近・対面」、「近・異方向」、「遠・対面」、および「遠・異方向」の4段階の注視度を用いる。注視度の決定方法の詳細と、応答アクションの詳細については後述する。
【0055】
方向検出部101aは、赤外線受信部132aが受信した赤外線によって利用者の視線方向を検出するものである。具体的には、方向検出部101aは、赤外線受信部132aによって赤外線を受信した場合は、視線方向は表示部136の方向に向いていることを検出する。
【0056】
距離検出部101bは、超音波受信部132bが受信した超音波によって利用者との距離を検出するものである。具体的には、距離検出部101bは、超音波発信部131bによって超音波パルスを送出してから、超音波受信部132bによって超音波パルスを受信するまでの時間を測定することによって、利用者までの距離を検出する。
【0057】
注視度決定部102は、方向検出部101aおよび距離検出部101bの検出結果を参照して、利用者の表示部136に対する注視度を決定するものである。本実施の形態では、注視度決定部102は、方向検出部101aが検出した視聴方向、および距離検出部101bが検出した距離に応じて、上述の4段階の注視度を決定する。
【0058】
具体的には、注視度決定部102は、注視度の高い順に、距離が近く視聴方向が表示部136方向である「近・対面」、距離が近いが視聴方向が表示部136に向いていない「近・異方向」、距離が遠く視聴方向が表示部136方向である「遠・対面」、距離が遠く視聴方向が表示部136に向いていない「遠・異方向」の4つの注視度のいずれかを決定する。
【0059】
なお、注視度決定部102は、距離検出部101bが検出した距離が予め定められた閾値より小さい場合に距離が「近い」と決定し、大きい場合に距離が「遠い」と決定する。また、注視度決定部102は、方向検出部101aが、視線方向が表示部136の方向に向いていることを検出した場合に、視線方向は「対面」であると決定し、視線方向が表示部136の方向に向いていることを検出しない場合に、視線方向は「異方向」であると決定する。
【0060】
なお、注視度の決定方法は上記に限られず、利用者が表示部136を注視する度合いを表すものであればあらゆる方法を用いることができる。例えば、利用者との距離を「近い」、「遠い」の2段階ではなく、2以上の所定の閾値を基準とした3段階以上の距離の大小に応じて注視度を決定してもよい。また、画像認識処理を用いた方法などにより、視聴方向と表示部136に対する方向との間の角度などを詳細に検出できる場合は、その角度に応じて注視度を詳細に分類する方法を用いてもよい。」

「【0065】
応答決定部107は、抽出部106が抽出したコマンドや質問、および要求受付部105が受付けたメニュー、コマンドなどに従って、対話の状態遷移等を行う対話の制御処理を行うとともに、遷移した状態に応じた応答を決定するものである。具体的には、応答決定部107は、状態遷移テーブルを参照して遷移する状態(次状態)を決定するとともに、次状態で実行する処理(アクション名)を決定する。
【0066】
出力制御部120は、応答決定部107によって決定されたアクション名に対して、注視度決定部102が決定した注視度に応じた応答アクションを決定するものである。具体的には、出力制御部120は、応答決定部107が決定したアクション名と、注視度決定部102が決定した注視度とに対応する応答アクションを、応答対応テーブルを参照して取得する。
【0067】
また、出力制御部120は、決定した応答アクションにしたがって応答を出力する処理を制御するものである。本実施の形態は、ビデオ録画再生装置100として対話装置を実現した例であるため、出力制御部120は、再生する映像コンテンツを生成するための処理を含む各種処理を実行する。
【0068】
なお、例えば、対話装置をカーナビゲーションシステムとして実現する場合は、出力制御部120は、応答として画面に表示する地図の画像データの生成処理など、カーナビゲーションで必要な各種処理を実行する。」

「【0087】
次に、このように構成された本実施の形態にかかるビデオ録画再生装置100による対話処理について図13を用いて説明する。図13は、本実施の形態における対話処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【0088】
まず、応答決定部107は、対話処理の状態を初期状態に設定する(ステップS1301)。次に、音声受付部103または要求受付部105が、それぞれ音声入力または文字入力を受付ける(ステップS1302)。
【0089】
音声が入力された場合は、認識部104が入力された音声を音声認識する(ステップS1303)。このように、本実施の形態では、コマンドなどの入力は、音声で行われる場合とリモートコントロール装置を用いて行われる場合を想定している。そして、いずれかの入力を受付けた場合に、対話処理が実行される。
【0090】
次に、抽出部106が、入力音声または入力文字がコマンドまたは質問文であるか否かを判定し、コマンドまたは質問文を抽出する入力判定処理を実行する(ステップS1304)。入力判定処理の詳細については後述する。
【0091】
次に、抽出部106が、入力コマンドが抽出されたか否かを判断する(ステップS1305)。抽出された場合(ステップS1305:YES)、応答決定部107は、対話処理の状態を、入力コマンドに対応する次状態に遷移する(ステップS1306)。具体的には、応答決定部107は、状態遷移記憶部153の状態遷移テーブルを参照し、現在の状態と入力コマンドとに対応する次状態を取得し、取得した次状態に状態を遷移する。例えば、初期状態で番組一覧コマンドが入力された場合は、次状態として番組一覧表示状態を状態遷移テーブルから取得し、番組一覧表示状態に状態を遷移する。
【0092】
次に、応答決定部107は、遷移した状態のアクション名を状態遷移テーブルから取得する(ステップS1307)。上述の例では、応答決定部107は、番組一覧表示状態に対応するアクション名として、番組一覧表示を取得する。
【0093】
次に、注視度決定部102が注視度決定処理を実行する(ステップS1308)。注視度決定処理とは、ヘッドセット201から発信されている赤外線および超音波によって、利用者の視線方向および利用者との距離を検出し、検出した視線方向および距離から注視度を決定する処理をいう。注視度決定処理の詳細については後述する。
【0094】
次に、出力制御部120は、ステップS1307で取得したアクション名と、ステップS1308で決定された注視度とに対応する応答アクションを応答記憶部154の応答対応テーブルから取得する(ステップS1309)。上述の例(アクション名=番組一覧表示)で、決定された注視度が「近・対面」であったとすると、応答アクションとして「10件を通常表示」が取得される。
【0095】
次に、出力制御部120が、取得された応答アクションに従い応答を出力する(ステップS1310)。
【0096】
例えば、アクション名が「番組一覧表示」の場合、利用者の注視度である「近・対面」、「近・異方向」、「遠・対面」、および「遠・異方向」に対し、「10件を通常表示」、「10件を通常表示&1件を音声出力」、「5件を拡大表示」、および「5件を拡大表示&1件を音声出力」という応答アクションがそれぞれ記載されている。
【0097】
ここで、「通常表示」および「拡大表示」は表示部136に文字を出力することを表しており、「拡大表示」では「通常表示」と比較して文字の大きさが拡大して表示される。図14および図15は、それぞれ通常表示および拡大表示の場合の番組一覧表示画面の一例を示す説明図である。図14では、通常の大きさの文字により、上位10件の番組の一覧が表示された例が示されている。図15では、拡大した文字により、上位5件の番組の一覧が表示された例が示されている。
【0098】
また、「1件を音声出力」は、番組一覧の先頭1件の情報を音声出力することを意味している。また、例えば、一覧表示される対象の番組が16件であった場合、先頭の番組タイトルと番組件数についての情報を音声によって出力するように構成してもよい。この場合、出力制御部120は、「8チャンネル8月10日の15時からの午後のワイド、他15件です。」という文字列を合成部128に送出し、合成部128によってデジタル形式の音声信号を生成する。生成された音声信号はスピーカ134から出力される。
【0099】
また、「指示箇所まで巻き戻しの後-再生」は、指示箇所まで巻き戻しを行った後、その箇所から再生を行うことを意味している。また、「指示箇所まで巻き戻しの後-再生&要約音声出力」は、指定箇所まで巻き戻しを行った後、その箇所から再生を行うとともに、巻き戻された部分についての要約を生成し、生成した要約を音声出力することを意味している。要約の生成は、上述の要約生成部127によって実行される。
【0100】
なお、応答の内容や出力態様を変更する方法としては、応答を表示部136に表示するかスピーカ134に出力するかといった出力メディアを変更する方法、表示する場合の文字の大きさ、文字数、文字色、背景、点滅有無などの表示態様を変更する方法が含まれる。
【0101】
この他、上記のような要約を生成するときの情報量を変更するように構成してもよい。例えば、「遠・対面」であれば、要約の結果として出力する映像コンテンツは長時間でよいが、「遠・異方向」であれば、ポイントを絞った最も短い要約を生成する。なお、要約結果の長さ調整は、要約処理でショットを選択する際の重要度の大きさで、いずれのレベルの重要度までを要約結果として残すかを制御することによって行うことができる。また、文中の修飾語を省略することによって生成する文を短くするように構成してもよい。
【0102】
なお、上記のような応答の出力方法は一例であり、一般的なビデオ録画再生装置100で実行されうるあらゆる応答に対応した処理が、ステップS1310の応答出力処理で実行される。」

「【0139】
このように、本実施の形態にかかる対話装置は、利用者の視線方向および利用者までの距離で判断される注視状況に応じて、応答の出力方法を変更して利用者に提示することができる。例えば、利用者が表示部を注視している場合には、音声による指示や質問が入力されると映像コンテンツそのものを表示するが、利用者が注視していない場合は要約文を音声で出力し、利用者が表示部から離れている場合は表示の文字を拡大することなどを可能としている。これにより、利用者の注視状況で応答を変更して自然な対話を実現することが可能となる。
【0140】
なお、以上では、テレビおよびビデオレコーダーを用いたビデオ録画再生装置として実現したマルチモーダル対話装置について述べたが、他の形態のマルチモーダル対話装置への応用も可能である。例えば、画面から離れて操作される場合があるゲーム機器に適用し、利用者が画面を注視しているか、および利用者までの距離が離れているかなどによって、操作に対する応答を変更するゲーム機を実現することができる。その他、プラントシステムや交通管理システム等における中央情報管理制御システムでも、マルチモーダル対話手段を利用する場合は、本実施の形態の手法を適用可能である。」

「【0146】
本実施の形態にかかる対話装置で実行される対話プログラムは、上述した各部(方向検出部、距離検出部と、注視度決定部、音声受付部、認識部、要求受付部、抽出部、応答決定部、出力制御部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU51が上記ROM52から対話プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。」

(イ)上記下線部の記載、関連箇所の記載及び図によれば、引用文献には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
〈引用発明〉
「ビデオ録画再生装置100は、主なソフトウェア構成として、方向検出部101aと、距離検出部101bと、注視度決定部102と、音声受付部103と、認識部104と、要求受付部105と、抽出部106と、応答決定部107と、出力制御部120とを備え、上述した各部はモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU51が上記ROM52から対話プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、各部が主記憶装置上に生成されるようになっているものであり、
方向検出部101aは、赤外線受信部132aが受信した赤外線によって利用者の視線方向を検出するものであり、具体的には、方向検出部101aは、赤外線受信部132aによって赤外線を受信した場合は、視線方向は表示部136の方向に向いていることを検出し、
距離検出部101bは、超音波受信部132bが受信した超音波によって利用者との距離を検出するものであり、具体的には、距離検出部101bは、超音波発信部131bによって超音波パルスを送出してから、超音波受信部132bによって超音波パルスを受信するまでの時間を測定することによって、利用者までの距離を検出し、
注視度決定部102は、方向検出部101aおよび距離検出部101bの検出結果を参照して、利用者の表示部136に対する注視度を決定するものであり、方向検出部101aが検出した視聴方向、および距離検出部101bが検出した距離に応じて、注視度の高い順に、距離が近く視聴方向が表示部136方向である「近・対面」、距離が近いが視聴方向が表示部136に向いていない「近・異方向」、距離が遠く視聴方向が表示部136方向である「遠・対面」、距離が遠く視聴方向が表示部136に向いていない「遠・異方向」の4つの注視度のいずれかを決定し、
応答決定部107は、要求受付部105が受付けたメニュー、コマンドなどに従って、対話の状態遷移等を行う対話の制御処理を行うとともに、遷移した状態に応じた応答を決定するものであり、
出力制御部120は、応答決定部107によって決定されたアクション名に対して、注視度決定部102が決定した注視度に応じた応答アクションを決定し、決定した応答アクションにしたがって応答を出力する処理を制御するものであり、再生する映像コンテンツを生成するための処理を含む各種処理を実行するものであり、
ビデオ録画再生装置100の対話処理の全体の流れは、
応答決定部107は、対話処理の状態を初期状態に設定し、音声受付部103または要求受付部105が、それぞれ音声入力または文字入力を受付け、音声が入力された場合は、認識部104が入力された音声を音声認識し、
抽出部106が、入力音声または入力文字がコマンドであるか否かを判定し、コマンドを抽出する入力判定処理を実行し、応答決定部107は、状態遷移記憶部153の状態遷移テーブルを参照し、現在の状態と入力コマンドとに対応する次状態を取得し、取得した次状態に状態を遷移し、例えば、初期状態で番組一覧コマンドが入力された場合は、次状態として番組一覧表示状態を状態遷移テーブルから取得し、番組一覧表示状態に状態を遷移し、
応答決定部107は、遷移した状態のアクション名を状態遷移テーブルから取得し、例えば、番組一覧表示状態に対応するアクション名として、番組一覧表示を取得し、
注視度決定部102は、ヘッドセット201から発信されている赤外線および超音波によって、利用者の視線方向および利用者との距離を検出し、検出した視線方向および距離から注視度を決定する注視度決定処理を行い、
出力制御部120は、取得したアクション名と、決定された注視度とに対応する応答アクションを応答記憶部154の応答対応テーブルから取得し、例えば(アクション名=番組一覧表示)で、決定された注視度が「近・対面」であったとすると、応答アクションとして「10件を通常表示」が取得され、出力制御部120が、取得された応答アクションに従い応答を出力、例えば、アクション名が「番組一覧表示」の場合、利用者の注視度である「近・対面」、「近・異方向」、「遠・対面」、および「遠・異方向」に対し、「10件を通常表示」、「10件を通常表示&1件を音声出力」、「5件を拡大表示」、および「5件を拡大表示&1件を音声出力」という応答アクションに従い応答を出力し、ここで、「通常表示」および「拡大表示」は表示部136に文字を出力することを表しており、「拡大表示」では「通常表示」と比較して文字の大きさが拡大して表示され「1件を音声出力」は、番組一覧の先頭1件の情報を音声出力することを意味している、
ビデオ録画再生装置100。」

(3)引用発明との対比
ア.本件補正発明と引用発明とを対比する。

(ア)引用発明の「方向検出部101a」が赤外線によって検出する「利用者の視線方向」及び「距離検出部101b」が超音波によって検出する「利用者との距離」は、本件補正発明の「環境センサ情報」に相当するといえ、引用発明の「注視度決定部102」が、「方向検出部101aおよび距離検出部101bの検出結果を参照」することは、本件補正発明の「環境センサ情報を受信すること」に相当するといえる。

(イ)引用発明の「入力音声または入力文字」は、本件補正発明の「第1の入力」、「第2の入力」に相当するといえ、引用発明の「入力音声または入力文字」から抽出された「入力コマンド」は、本件補正発明の「第1の入力を示す情報」、「第2の入力を示す情報」に相当し、引用発明の「入力コマンド」が入力された場合は、本件補正発明の「第1の入力を示す情報の受信をすること」、「第2の入力を示す情報の受信をすること」に相当するといえる。

(ウ)引用発明の方向検出部101aが検出した視聴方向、および距離検出部101bが検出した距離に応じて、「距離が近く視聴方向が表示部136方向である「近・対面」」を決定することは、装置の表示部136に対する利用者の注視度が高いことを示すものであるから、本件補正発明の「前記環境センサ情報が、前記装置が前記ユーザによって能動的に目視されていることを示すと判断すること」及び「少なくとも部分的には、前記環境センサ情報が、前記装置が前記ユーザによって能動的に目視されていることを示すと前記判断することに基づいて、装置の能動的目視状態の入力をすること」に相当するといえる。

(エ)本件補正発明の「装置の受動的目視(viewing)状態」、「前記装置の受動的目視(viewing)状態の入力をすること」は、どのような構成であるのか必ずしも明確ではないので、本願明細書の記載を参照すると、段落【0065】には、「前述のとおり、いくつかの環境において、装置は、装置は、ユーザに能動的に見られることができないように、配置されることができる。例えば、装置を、机の上に配置する。ユーザのポケットの中に入れる、ユーザの体に装着する、および/または、その他のことができる。これらのような環境において、装置に備えられたディスプレイは、装置のユーザによって受動的に見られることができる。装置の受動的目視の間、ユーザは、装置以外の何かにユーザの注意を集中さたり、装置を無視したり,装置をユーザの周辺視野で見たり、装置を遠くから見たり、および/または、その他をしていることがあり得る。例えば、装置の受動的目視の間、ユーザは、異なる装置に備えられたディスプレイの上に表示される情報を読んでいること、装置の独立したタスクを実行すること、および/または、その他をすることができる。このように、受動的に見られている装置は、能動的に見られていない。」と記載されている。
そうすると、本件補正発明の「前記装置の受動的目視(viewing)状態」は、ユーザが装置に備えられたディスプレイを能動的に見ることができないように、装置が配置される状態であって、ユーザが、装置以外の何かにユーザの注意を集中させたり、装置を無視したり、装置をユーザの周辺視野で見たり、装置を遠くから見たりできる状態を含むものといえる。
したがって、引用発明の方向検出部101aが検出した視聴方向、および距離検出部101bが検出した距離に応じて、「距離が近いが視聴方向が表示部136に向いていない「近・異方向」、距離が遠く視聴方向が表示部136方向である「遠・対面」、距離が遠く視聴方向が表示部136に向いていない「遠・異方向」」を決定することは、装置の表示部136に対する利用者の注視度が高くない、(引用文献の【0139】には、「例えば、利用者が表示部を注視している場合には、音声による指示や質問が入力されると映像コンテンツそのものを表示するが、利用者が注視していない場合は要約文を音声で出力し、利用者が表示部から離れている場合は表示の文字を拡大することなどを可能としている。」と記載されている。)すなわち能動的に見られていないことを示すものであるから、本件補正発明の「前記装置の受動的目視(viewing)状態の入力をすること」に相当するといえる。

(オ)引用発明の「アクション名が「番組一覧表示」の場合、利用者の注視度である「近・異方向」、「遠・対面」、および「遠・異方向」に対し、「10件を通常表示&1件を音声出力」、「5件を拡大表示」、および「5件を拡大表示&1件を音声出力」という応答アクション」を取得する構成は、「アクション名」が「入力コマンド」に対応していることは明らかである(「番組一覧コマンドが入力された場合」、「アクション名」は「番組一覧表示」である。)から、本件補正発明の「少なくとも部分的には、受動的目視(viewing)状態および前記第1の入力に基づいて第1の操作を決定すること」に相当するといえ、引用発明は「応答アクション」を実行することも明らかであるから、そのことは、本件補正発明の「前記第1の操作を実行することと」に相当するといえる。

(カ)引用発明の「アクション名が「番組一覧表示」の場合、利用者の注視度である「近・対面」に対し、「10件を通常表示」という応答アクション」を取得する構成は、「アクション名」が「入力コマンド」に対応していることは明らかである(「番組一覧コマンドが入力された場合」、「アクション名」は「番組一覧表示」である。)から、本件補正発明の「第2の入力を示す情報の受信をすることであって、該第2の入力は実質的に前記第1の入力と同じである、ことと、少なくとも部分的には、前記能動的目視状態および前記第2の入力に基づいて第2の操作を決定することであって、前記第2の操作は前記第1の操作と異なる、こと」に相当するといえ、引用発明は「応答アクション」を実行することも明らかであるから、そのことは、本件補正発明の「前記第2の操作を実行することと」に相当するといえる。

(キ)引用発明の「ビデオ録画再生装置100」が、「主なソフトウェア構成として、方向検出部101aと、距離検出部101bと、注視度決定部102と、音声受付部103と、認識部104と、要求受付部105と、抽出部106と、応答決定部107と、出力制御部120とを備えており、上述した各部(方向検出部、距離検出部と、注視度決定部、音声受付部、認識部、要求受付部、抽出部、応答決定部、出力制御部)はモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU51が上記ROM52から対話プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、各部が主記憶装置上に生成されるようになっている」ことは、本件補正発明の「少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ・プログラム・コードを含む少なくとも1つのメモリとを備える装置であって、該メモリおよび該コンピュータ・プログラム・コードは、前記プロセッサと共に動作して、該装置に、・・・こととを実行させるように構成されて」いることに相当するといえる。

イ.以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。

(一致点)
「少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ・プログラム・コードを含む少なくとも1つのメモリとを備える装置であって、該メモリおよび該コンピュータ・プログラム・コードは、前記プロセッサと共に動作して、該装置に、
前記装置の受動的目視(viewing)状態の入力をすることと、第1の入力を示す情報の受信をすることと、
少なくとも部分的には、受動的目視(viewing)状態および前記第1の入力に基づいて第1の操作を決定することと、
前記第1の操作を実行することと、環境センサ情報を受信することと、
前記環境センサ情報が、前記装置がユーザによって能動的に目視されていることを示すと判断することと、
少なくとも部分的には、前記環境センサ情報が、前記装置が前記ユーザによって能動的に目視されていることを示すと前記判断することに基づいて、装置の能動的目視状態の入力をすることと、
第2の入力を示す情報の受信をすることであって、該第2の入力は実質的に前記第1の入力と同じである、ことと、
少なくとも部分的には、前記能動的目視状態および前記第2の入力に基づいて第2の操作を決定することであって、前記第2の操作は前記第1の操作と異なる、ことと、
前記第2の操作を実行することと、
を実行させるように構成されている、装置。」

(相違点)
本願補正発明の「環境センサ情報」は、「タッチ・センサ、方向センサ、加速度計センサ、光学センサ、近接センサ、ジャイロ・センサ、磁力計センサ、慣性センサ、容量センサ、ソナー、レーダーのうちの1つ以上からの情報を含む」のに対し、引用発明は、受信した赤外線によって利用者の視線方向を検出する方向検出部101a、超音波によって利用者との距離を検出する距離検出部101bからの情報を含むものではあるが、「タッチ・センサ、方向センサ、加速度計センサ、光学センサ、近接センサ、ジャイロ・センサ、磁力計センサ、慣性センサ、容量センサ、ソナー、レーダーのうちの1つ以上からの情報を含む」ことは特定されていない点。

(4)判断
以下、相違点について検討する。

ア.相違点について
引用文献の段落【0033】には、「なお、視線方向や距離を検出する方法は、赤外線および超音波を用いた方法に限られず、赤外線によって距離を測定する方法、撮像部によって撮像した顔画像を認識する画像認識処理を利用して、利用者と表示部136との間の距離や対面しているかどうかを判定する方法など、従来から用いられているあらゆる方法を適用できる。」との記載があり、引用発明において、視線方向や距離を検出するための情報として、従来から普通に用いられている「タッチ・センサ、方向センサ、加速度計センサ、光学センサ、近接センサ、ジャイロ・センサ、磁力計センサ、慣性センサ、容量センサ、ソナー、レーダーのうちの1つ以上からの情報を含む」ようにすることは、当業者が容易に想到し得たものと認められる。

イ.そして、相違点を勘案してみても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明の奏する作用効果から、予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

ウ.したがって、本件補正発明は、引用発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3.本件補正についてのむすび
以上のとおり、本件補正は,特許法17条の2第6項で準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について

1.本願発明
平成30年1月29日付け手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし20に係る発明は、平成29年7月25日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし20に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。

2.原査定における拒絶の理由
原査定における拒絶の理由は、この出願の下記の請求項に係る発明は、本願の優先権主張の日(以下、「優先日」という。)前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができない。また、この出願の下記の請求項に係る発明は、本願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

請求項:1、2、4、5、9-11、13、14、17、18、20
引用文献:.特開2008-217444号公報

3.引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献及びその記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。

4.対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明の発明を特定するために必要な事項である「前記環境センサ情報は、タッチ・センサ、方向センサ、加速度計センサ、光学センサ、近接センサ、ジャイロ・センサ、磁力計センサ、慣性センサ、容量センサ、ソナー、レーダーのうちの1つ以上からの情報を含む」に削除された「赤外線センサ」を追加して、「前記環境センサ情報は、タッチ・センサ、方向センサ、加速度計センサ、赤外線センサ、光学センサ、近接センサ、ジャイロ・センサ、磁力計センサ、慣性センサ、容量センサ、ソナー、レーダーのうちの1つ以上からの情報を含む」とするものである。

そして、本願発明と引用発明を対比すると、引用発明の「方向検出部101aは、赤外線受信部132aが受信した赤外線によって利用者の視線方向を検出するもの」であり、引用発明の「利用者の視線方向」は、赤外線センサからの情報であるから、本願発明の「前記環境センサ情報は、タッチ・センサ、方向センサ、加速度計センサ、赤外線センサ、光学センサ、近接センサ、ジャイロ・センサ、磁力計センサ、慣性センサ、容量センサ、ソナー、レーダーのうちの1つ以上からの情報を含む」構成に相当するといえる。
また、本願発明の上記以外の構成については、前記第2の[理由]2(3)に記載したとおり、引用発明と一致するものであるから、本願発明と引用発明との間に相違点は認められない。
そうすると、本願発明は、引用文献に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができない。

第4 むすび

以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明ついて検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2018-11-02 
結審通知日 2018-11-06 
審決日 2018-11-19 
出願番号 特願2016-543957(P2016-543957)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
P 1 8・ 113- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 ▲高▼橋 徳浩  
特許庁審判長 千葉 輝久
特許庁審判官 ▲吉▼田 耕一
菊地 陽一
発明の名称 操作の決定  
代理人 三橋 真二  
代理人 森 啓  
代理人 鶴田 準一  
代理人 中澤 言一  
代理人 青木 篤  

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