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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A63F
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 A63F
審判 査定不服 特174条1項 取り消して特許、登録 A63F
管理番号 1350603
審判番号 不服2017-11070  
総通号数 233 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-05-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-07-25 
確定日 2019-05-07 
事件の表示 特願2013- 13783「ゲーム装置」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 8月14日出願公開、特開2014-144083、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯

平成25年1月28日:出願
平成28年11月8日:拒絶理由通知
平成29年1月16日:手続補正・意見書
平成29年4月13日:拒絶査定
平成29年7月25日:拒絶査定不服審判の請求、手続補正
平成30年3月23日:拒絶理由通知(当審)
平成30年5月28日:手続補正・意見書
平成30年11月9日:拒絶理由通知(当審)
平成30年12月27日:手続補正・意見書

第2 本願発明
本願発明は、平成30年12月27日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1、2に記載された事項により特定される次のとおりのものである(以下、それぞれ、「本願発明1」ないし「本願発明2」という。)。

「 【請求項1】
外部の装置とネットワークを介して接続されたゲーム装置であって、
プレーヤの操作に応じて、予め用意された複数のプレーモードからゲームを実行するために、何れかのプレーモードを選択すると共に、前記ゲームの実行時にゲーム制御するためのゲームデータを特定するために、各々に異なるオブジェクト画像が対応づけられた複数のゲームデータから何れかのゲームデータを選択する選択手段と、
選択された前記プレーモードに応じて前記ゲームを実行した後に、前記外部の装置から前記ゲーム装置に提供されたデータをもとに、前記複数のゲームデータに対応するオブジェクト画像以外のオブジェクト画像を、所定の複数の枚数から過去のプレーの実績に応じて所定の枚数を開放させた残りの枚数のパネルで隠したことを表現する、前記プレーヤに対応するアンロック画像を表示する表示手段と、
前記ゲームを実行した後に、前記プレーヤに対応するアンロック画像を、前記ゲームを実行するために選択されたプレーモードに応じた数のパネルを開放して、開放したパネルの範囲の表示形態を前記オブジェクト画像の対応する範囲の画像にしたアンロック画像に変更する変更手段と、
前記開放したパネルの範囲の表示形態を変更した前記アンロック画像を示すデータを、
前記プレーヤと対応づけて前記外部の装置に記憶させる制御手段とを具備し、
前記表示手段は、前記外部の装置から提供が開始されてからの経過期間に応じて前記パネルの所定の複数の枚数が減少された前記アンロック画像を表示することを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記変更手段により前記アンロック画像の全てのパネルが開放されて全体が前記オブジェクト画像に変更された場合に、当該オブジェクト画像が対応づけられたゲームデータを前記選択手段により選択可能にし、
前記選択可能になったゲームデータが前記選択手段により選択された場合に、当該ゲームデータを利用したゲーム制御により前記ゲームを実行するゲーム処理手段をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。」

第3 原査定の拒絶理由の概要
請求項1ないし3に係る各発明は引用文献1に記載された発明と引用文献2ないし4に記載された周知技術により当業者が容易に発明できたものであり、請求項4に係る発明は引用文献1に記載された発明と引用文献2ないし4に記載された周知技術、引用文献5、6に記載された周知の思想により当業者が容易に発明できたものであるから、請求項1ないし4に係る各発明は特許法第29条第2項に規定により特許を受けることができない。

<引用例等一覧>

1.特開2002-58869号公報
2.特開2012-120903号公報(周知技術を示す文献、特に段落【0111】段落参照。)
3.触った!遊んだ!ニンテンドー3DS体験!!,週刊ファミ通,株式会社エンターブレイン,2011年3月17日,第26巻第14号,p.46-47(周知技術を示す文献)
4.特開2004-209110号公報(周知技術を示す文献、特に段落【0038】、【0052】ないし【0055】参照。)
5.特開平8-206357号公報(周知の思想を示す文献、特に9頁左欄3ないし7行参照。)
6.特表2012-501720号公報(周知の思想を示す文献、特に段落【0021】参照。)

第4 当審の判断

1.引用例1
引用例1には、次の事項が記載されている。

ア.「【0018】【発明の実施の形態】図1は、本発明が適用されるビデオゲーム装置の一実施形態を示すブロック構成図である。このゲーム装置1は、ゲーム装置本体と、ゲーム画像を表示するためのテレビジョンモニタ2と、ゲームでの効果音等を出力するための増幅回路3及びスピーカ4と、画像、音源及びプログラムデータからなるゲームデータの記録された記録媒体5とからなる。記録媒体5は、例えば上記ゲームデータやオペレーティングシステムのプログラムデータの記憶されたROM等がプラスチックケースに収納された、いわゆるROMカセットや、光ディスク、フレキシブルディスク等であるが、ゲーム装置1の態様によっては、内蔵式のROM等でもよい。」(下線は強調のために当審で付した。以下同じ。)

イ.【0039】演出指示マーク表示部62は、曲選択部60によって選択された曲の曲番号データを基に演出指示マークの種類(ここでは「右」「左」「上」「下」の4種類)を決定し、曲のリズムに合致したタイミングで当該演出指示マークをテレビジョンモニタ2の表示画面にスクロール表示するものである。演出指示の操作をフットスイッチ装置26で行なうことを想定して、上記演出指示マークの種類を、演出指示マークに従って演出指示の操作が行なわれた場合に、遊技者が曲に合わせてダンスをしているように見えるように決定してもよい。
「【0040】タイミング評価部63は、コントローラ16またはフットスイッチ装置26からの演出指示の操作と前記演出指示マークによる演出指示タイミングとの一致度を、例えば、両者のタイミングのずれ量を図略の内部タイマ等で計測して、ずれ量の小さい順に「PERFECT」「GREAT」「GOOD」「MISS」「BOO」の5段階で評価し、評価結果を画面表示するものである。特に、「PERFECT」または「GREAT」が評価された場合をコンボと呼ぶ。なお、ここでは、コントローラ16またはフットスイッチ装置26からの演出指示の操作は、演出指示マークの種類(ここでは「右」「左」「上」「下」の4種類)に合致させたコントローラ16の方向指示ボタン16d(またはフットスイッチ装置26)を使用して行なわれ、演出指示マークと同じ方向の方向指示ボタン(またはフットスイッチ)が押された(または踏まれた)場合のみ上記の評価を行なうものとする。また、タイミング評価部63によるずれ量の評価に応じて、それに相応しい複数の効果音(喝采、擬音他)をスピーカ4に出力するようにし、これにより臨場感を醸し出してもよい。更に、タイミング評価部63は、各演出指示タイミング毎に、前述したずれ量の大小(ずれ量が小さいほど高い評価、すなわちスコアが高くなる)に応じたスコア付けを行い、これらを積算することにより、遊技者の操作に対する評価を行うものである。なお、後述するようにスコアはゲージの形態で画面上部に表示され、スコアすなわちゲージが“0”になるとゲーム終了となる。
【0041】連続性評価部64は、評価の一態様として操作の連続的な正確さ、不正確さを診るものであり、タイミング評価部63によって評価されたコンボが、例えば10回連続して内蔵カウンタによってカウントされると、パズルピース取得の権利が与えられ、パスルピース表示部65によって演出指示マークの代わりにジグソーパスルの1ピースがスクロール表示される。
【0042】以下の説明においては、画像組み立てパズルが、例えば、16ピースからなるジグソーパズルの場合について記述する。パズルピース表示部65は、16ピースからなるジグソーパズルのパズルピースの内、まだ取得されていないピース(取得されているか否かは、パズルピース取得部66で管理されている)を乱数発生により選び出し、演出指示マークの代わりにパズルピース画像を表示するものである。ただし、表示されるタイミング及び位置は演出指示マークと同様に決定される。なお、パズルピース取得部66によって、前回表示されたパズルピースが取得されなかったと判断された場合には、次回も前回と同一のパズルピースが表示されるようになっている。なお、画像処理の負荷を軽減するために、演出指示マークの代わりに表示するパズルピース画像は常に同一の画像であってもよい。
【0043】パズルピース取得部66は、コントローラ16またはフットスイッチ装置26からの演出指示の操作とパズルピース表示部65によって表示されるパズルピース画像の演出指示タイミングとの一致度を、例えば、両者のタイミングのずれ量を図略の内部タイマ等で計測して、ずれ量の小さい順に「PERFECT」「GREAT」「GOOD」「MISS」「BOO」の5段階で評価し、評価結果を画面表示すると共に、「PERFECT」または「GREAT」の評価がなされた場合には、当該パズルピースを取得したものし、ジグソーパズルのパズルピースの内どのピースが取得されたかを記憶する。なお、ここでは、コントローラ16またはフットスイッチ装置26からの演出指示の操作は、演出指示マークの種類(ここでは「右」「左」「上」「下」の4種類)に合致させたコントローラ16の方向指示ボタン16d(またはフットスイッチ装置26)を使用して行なわれ、パズルピース画像と画面上での横方向位置が同じ位置にある後述の基準マークSの方向と同じ方向の方向指示ボタン(またはフットスイッチ)が押された(または踏まれた)場合のみ上記の評価を行なうものとする。なお、画像処理の負荷を軽減するために、演出指示マークの代わりに表示するパズルピース画像を常に同一の画像とする場合には、パズルピース取得部66は、ジグソーパズルのパズルピースの内どのピースが取得されたかを記憶する代わりに取得されたパズルピース数を記憶してもよい。
【0044】隠し曲取得部67は、パズルピース取得部66によって記憶されている取得済みのパズルピースが16個(ジグソーパズルのパズルピースの全個数)に達したか否かを判断し、16個に達した場合は、標準曲以外の隠し曲を取得する権利を遊技者に付与するものである。
【0045】パスワード管理部68は、隠し曲取得部67によって隠し曲を取得した遊技者にのみ隠し曲を標準曲と同様に曲選択部60にて選択可能にするパスワードを取得する権利を遊技者に付与し、事前に登録されたパスワードを画面表示するものである。ゲーム開始時には、後述するようにメニュー選択画面が表示され、パスワード入力画面が選択されると、パスワード入力画面が表示され、入力されたパスワードがパスワード管理部68に登録されたパスワードと合致する場合には、隠し曲を標準曲と同様に曲選択部60にて選択可能とし、合致しない場合には隠し曲は曲選択部60では選択不可能(隠し曲は画面に表示されない)とする。
【0046】図4は、音楽ゲーム進行制御装置が適用されたゲームの画面遷移図である。ゲームの進行手順を図4と図5?図9の画面図とを用いて説明する。ゲームを開始すると、まず、図略のメニュー選択画面が表示される(ST1)。メニュー選択画面では、パスワード入力を行なうか、または、ゲームを開始するかの選択がおこなわれる。パスワード入力を行なう場合は、図5に示すパスワード入力画面が表示される(ST2)。
【0047】図5において、P1は8箇所のパスワードが入力可能なパスワード入力部であり、P2は現在入力受け付け状態にあるパスワード入力部を示すポインタである。また、パスワード入力方法は、コントローラ16の方向指示ボタン16d(またはフットスイッチ装置26)を使用して、「右」「左」「上」「下」の4種類の矢印のいずれかで行なわれるようになっている。
【0048】メニュー選択画面でゲームを開始するという選択が行なわれた場合には、パスワード入力画面で入力されたパスワードが、パスワード管理部68に格納されている登録済みのパスワードと照合され、一致するパスワードがある場合には、図略の曲選択画面に標準曲と隠し曲とが選択可能に表示される。一致するパスワードがない場合には、図略の曲選択画面には標準曲のみが選択可能に表示される(ST3)。曲選択画面では、ゲームに使用する曲が遊技者によって選択される。
【0049】曲選択が完了するとゲームが開始され、図6に示すゲーム画面が表示される(ST5)。図6には、ダンス画像の背景と、順次画面左側下方から所定の速度で上方に向けてスクロール移動する演出指示マークM2及びパズルピースM3と、タイミング評価部63によって算出されたスコアをゲージの形態で表示したものM4と、連続性評価部64によってカウントされるコンボが連続して成立した回数M5と、左下上右のマークを示す基準マークSとが表示されている。画面の左側上端に表示された基準マークSはタイミング指示を行うもので、スクロールされてきたマークM2またはM3が基準マークSと完全に重なる(一致する)状態がコントローラ16またはフットスイッチ装置26からの演出指示の操作の最適なタイミングである。なお、M2の画面における左右方向の表示位置は、基準マークSのM2と同じ向きの矢印の位置である。また、この画面では、コンボが成立した回数が20となったため、2回目のパズルピースM3が表示されている。なお、詳細は省略するが、画面右側の基準マークT及び演出指示マークM6は二人でゲームをする際に使用されるマークであり、概ね、基準マークTは基準マークSの役割を果たし、演出指示マークM6は演出指示マークM2の役割を果たすものである。
【0050】ゲーム中には、タイミング評価部63によってスコアが、常時監視されており、スコアが“0”になるとゲームは終了する(ST7)。また、ゲーム中は、曲選択画面にて選択された選択曲が終了したか否かが常時監視されており、選択曲が終了しない限りゲームは継続する(ST8)。選択曲が終了すると取得したパズルピース個数が0個か否かの判定がなされる(ST9)。取得したパズルピース個数が0個である場合には、ST17へ進む。取得したパズルピース個数が0個でない場合には、図7に示すジグソーパズル表示画面が表示される(ST11)。図7において、G01は取得されたパズルピースであり、G0は、取得されたパズルピースのみでジグソーパズルを組み上げた画像である。ここでは、16個全てのパズルピースが取得された場合を一例として示している。ジグソーパズルを組み上げた画像として、隠し曲の曲名や隠し曲に相応しい画像を表示することで演出効果を高めることも可能である。
【0051】つぎに、取得したパズルピース個数が16個か否かの判定がなされる(ST13)。取得したパズルピース個数が16個未満の場合にはST17へ進む。取得したパズルピース個数が16個の場合には、更に図8に示すようにジグソーパズル表示画面のジグソーパズル画像G1が反転した後、図9の隠し曲表示画面が表示されると同時に、隠し曲が隠し曲記憶部802から読み出されスピーカ4から出力される(ST15)。図9において、K1は隠し曲のタイトルであり、K0は隠し曲のイメージに合った画像であり、K2は隠し曲の選択可否判断に使用されるパスワードである。隠し曲の出力が完了すると、ST17へ進む。なお、遊技者は、隠し曲の出力中に画面に表示されたパスワードK2を記憶または記録して、次回、ゲーム開始時にパスワード入力画面からパスワードを入力することによって隠し曲の曲選択画面での選択を可能とすることができる。」

ウ.「【0056】(A)本実施態様においては、隠し曲が1曲である場合について説明したが、隠し曲が複数あるゲームでもよい。隠し曲が複数ある場合には、例えば、標準曲1曲に対して隠し曲が1曲取得できるようにして、取得した隠し曲の組み合わせ毎に異なるパスワードを登録しておくことで、取得済みの隠し曲を管理することが可能である。このようにすれば、パスワード入力で取得済みの隠し曲と標準曲とを選択可能とすることができる。隠し曲の数が多い程、ゲームを継続する意欲を向上させることが可能となる。更に、隠し曲が複数ある場合には、隠し曲毎に異なるジグソーパズルを表示するようにしておけば、より興趣性を高めることができる。」

エ.上記引用例1において、ゲームが終了する条件として、「スコアが“0”になるとゲームは終了する(ST7)。また、ゲーム中は、曲選択画面にて選択された選択曲が終了したか否かが常時監視されており、選択曲が終了しない限りゲームは継続する」(段落【0050】)の記載がされているが、「スコアが“0”にな」ったが「選択曲が終了しない」場合、ゲームは終了するか否か不明である。
そこで、図4を参照すると、引用例1において、ゲームが終了する条件は、「スコアが“0”になるか、選択曲3曲が終了するかのいずれかの条件でゲームは終了」(特に図4の「ST7」、「ST17」参照。)することであるといえる。
【図4】

オ.これらの記載を総合すると、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。
『ゲームを開始するという選択が行なわれ、ゲームに使用する曲が遊技者によって選択され、曲選択が完了するとゲームが開始され、曲のリズムに合致したタイミングで当該演出指示マークをテレビジョンモニタの表示画面にスクロール表示し、演出指示の操作をフットスイッチ装置で行ない、演出指示マークに従って演出指示の操作が行なわれ、フットスイッチ装置からの演出指示の操作と前記演出指示マークによる演出指示タイミングとの一致度を、計測して、ずれ量の小さい順に「PERFECT」「GREAT」「GOOD」「MISS」「BOO」の5段階で評価し、「PERFECT」または「GREAT」が評価された場合をコンボと呼び、コンボが、10回連続してカウントされると、パズルピース取得の権利が与えられ、演出指示マークの代わりにジグソーパスルの1ピースがスクロール表示され、フットスイッチ装置26からの演出指示の操作と表示されるパズルピース画像の演出指示タイミングとの一致度を、両者のタイミングのずれ量を計測して、ずれ量の小さい順に「PERFECT」「GREAT」「GOOD」「MISS」「BOO」の5段階で評価し、評価結果を画面表示すると共に、「PERFECT」または「GREAT」の評価がなされた場合には、当該パズルピースを取得したものとし、更に、各演出指示タイミング毎に、ずれ量の大小に応じたスコア付けを行い、これらを積算することにより、遊技者の操作に対する評価を行い、ゲーム中は、曲選択画面にて選択された選択曲が終了したか否かが常時監視されており、スコアが“0”になるか、選択曲3曲が終了するかのいずれかの条件でゲームは終了し、選択曲が終了すると取得したパズルピース個数が0個か否かの判定がなされ、取得したパズルピース個数が0個でない場合には、取得されたパズルピースのみでジグソーパズルを組み上げた画像であるジグソーパズル表示画面が表示され、取得したパズルピース個数が16個か否かの判定がなされ、取得したパズルピース個数が16個の場合には、ジグソーパズル表示画面のジグソーパズル画像が反転した後、隠し曲のタイトルと隠し曲のイメージに合った画像を含む隠し曲表示画面が表示されると同時に、隠し曲が隠し曲記憶部から読み出されスピーカから出力され、次回、ゲーム開始時に隠し曲の曲選択画面での選択を可能とすることができ、隠し曲が複数あるゲームをするビデオゲーム装置。』

2.本願発明1について

(1)対比

本願発明1と引用発明1とを対比すると、

ア.引用発明1の「遊技者」は、本願発明1の「プレーヤ」に相当し、以下同様に、「ビデオゲーム装置」は「ゲーム装置」に、それぞれ相当する。

イ.引用発明1の「曲」は、「ゲームに使用する」ものであり、引用発明1においては「曲のリズムに合致したタイミングで当該演出指示マークをテレビジョンモニタの表示画面にスクロール表示し、演出指示の操作をフットスイッチ装置で行な」うものであるから、前記「曲」に合わせてゲームの実行時にゲーム制御をするデータを備えるものであるといえる。
これに対して、本願発明1の「ゲームデータ」は「ゲームの実行時にゲーム制御するための」ものである。
よって、引用発明1の「曲」と、本願発明1の「ゲームデータ」は、ゲームの実行時にゲーム制御をするデータを備えるものであることで共通している。
また、引用発明1における「曲」と「隠し曲」との関係について、引用例1の明細書を参照すると「【0048】・・・図略の曲選択画面に標準曲と隠し曲とが選択可能に表示される。・・・曲選択画面では、ゲームに使用する曲が遊技者によって選択される。」と記載されており、上記「曲」には、「標準曲」と「隠し曲」の2種類あることが示されているから、上記「隠し曲」は、上記「曲」に包含されるものである。
よって、上記「曲」と同様に、引用発明1の「隠し曲」と、本願発明1の「ゲームデータ」は、ゲームの実行時にゲーム制御をするデータを備えるものであることで共通している。

ウ.引用発明1は「ゲームに使用する曲が遊技者によって選択され」るものであるから、曲を選択する選択手段を備えているといえる。
これに対して、本願発明1は「何れかのゲームデータを選択する選択手段」を備えるものである。
上記「イ.」で検討したとおり、引用発明1の「曲」と、本願発明1の「ゲームデータ」は、ゲームの実行時にゲーム制御をするデータを備えるものであることで共通している。
よって引用発明1と本願発明1は「ゲームの実行時にゲーム制御をするデータを備えるものを選択する選択手段」を備えるものであることで共通している。

エ.引用発明1の前記「隠し曲」は複数あるから、引用発明1の「隠し曲のタイトルと隠し曲のイメージに合った画像」は、複数の「隠し曲」毎に対応づけられた、それぞれ異なる「画像」が存在するといえる。
これに対して、本願発明1の「ゲームデータ」は「各々に異なるオブジェクト画像が対応づけられた複数の」ものである。
上記引用発明1の「隠し曲のタイトルと隠し曲のイメージに合った画像」と本願発明1の「オブジェクト画像」は、共に画像であることで共通している。
上記「イ.」で検討したとおり、引用発明1の「隠し曲」と、本願発明1の「ゲームデータ」は、ゲームの実行時にゲーム制御をするデータを備えるものであることで共通する。
よって、引用発明1の「隠し曲」と本願発明1の「ゲームデータ」は、「各々に異なる画像が対応づけられた複数の」「ゲームの実行時にゲーム制御をするデータを備えるもの」であることで共通している。

オ.引用発明1は「取得されたパズルピースのみでジグソーパズルを組み上げた画像であるジグソーパズル表示画面が表示され」、「取得したパズルピース個数が16個の場合には、ジグソーパズル表示画面のジグソーパズル画像が反転した後、隠し曲のタイトルと隠し曲のイメージに合った画像を含む隠し曲表示画面が表示される」ものであるのに対して、本願発明1は「オブジェクト画像を、所定の複数の枚数から過去のプレーの実績に応じて所定の枚数を開放させた残りの枚数のパネルで隠したことを表現する、・・・アンロック画像を表示する」ものである。
よって、引用発明1の前記「隠し曲のタイトルと隠し曲のイメージに合った画像」と、本願発明1の前記「オブジェクト画像を」「所定の枚数を開放させた残りの枚数のパネル隠したことを表現する」「アンロック画像」は、「パネル(パズルピース)によって隠された画像」であることで共通している。

カ.引用発明1は「ゲームに使用する曲が遊技者によって選択」されるものであるから、引用発明1には選択する元となる複数の曲が存在し、引用発明1は「ゲームに使用する曲が遊技者によって選択され」、「ゲームは終了し」た後に「取得したパズルピース個数が16個の場合には」「隠し曲のタイトルと隠し曲のイメージに合った画像を含む隠し曲表示画面が表示される」から、上記「遊技者によって選択され」た「ゲームに使用する曲」及び上記「選択する元となる複数の曲」は、上記「隠し曲表示画面」に表示される「隠し曲」以外のものである。
これに対して、本願発明1は「前記ゲームの実行時にゲーム制御するためのゲームデータを特定するために、各々に異なるオブジェクト画像が対応づけられた複数のゲームデータから何れかのゲームデータを選択」し、「前記複数のゲームデータに対応するオブジェクト画像以外のオブジェクト画像を、所定の複数の枚数から過去のプレーの実績に応じて所定の枚数を開放させた残りの枚数のパネルで隠したことを表現する」ものであり、前記「複数のゲームデータ」とは、「ゲームの実行時にゲーム制御するためのゲームデータを特定するために、」「何れかのゲームデータを選択する」元となるものである。
そして「イ.」で検討したとおり、引用発明1の「曲」及び「隠し曲」と、本願発明1の「ゲームデータ」は、「ゲームの実行時にゲーム制御をするデータを備えるもの」である点で共通するものであり、上記「オ.」で検討したとおり、引用発明1の前記「隠し曲のタイトルと隠し曲のイメージに合った画像」と本願発明1の前記「所定の枚数を開放させた残りの枚数のパネルで隠した」「オブジェクト画像」は、パネル(パズルピース)によって隠されているものであることで共通している。
よって、引用発明1と本願発明1は、「ゲームの実行時にゲーム制御をするデータを備えるものを特定するために、複数のゲームの実行時にゲーム制御をするデータを備えるものから何れかのゲームの実行時にゲーム制御をするデータを備えるものを選択」し、「前記複数のゲームの実行時にゲーム制御をするデータを備えるもの以外のデータを、パネル(パズルピース)によって隠されていることを表示する」ものであることで共通している。

キ.引用発明1の「隠し曲のタイトルと隠し曲のイメージに合った画像」は、遊技者(プレーヤ)が取得したパズルピース個数が16個の場合に表示されるものであるから、上記「隠し曲のタイトルと隠し曲のイメージに合った画像」と「遊技者(プレーヤ)」は対応しているものである。
本願発明1の「アンロック画像」は「プレーヤに対応する」ものである。
よって、引用発明1の前記「隠し曲のタイトルと隠し曲のイメージに合った画像」と、本願発明1の前記「所定の枚数を開放させた残りの枚数のパネルで隠したことを表現する」「アンロック画像」は、共に、「プレーヤと対応づけ」られている画像である点で共通している。

ク.引用発明1は、「隠し曲のタイトルと隠し曲のイメージに合った画像を含む隠し曲表示画面が表示される」ものであるから、本願発明1の「アンロック画像を表示する表示手段」と同様に、表示手段を備えているといえる。

ケ.よって本願発明1と引用発明1は、「ゲームの実行時にゲーム制御するためのゲームの実行時にゲーム制御をするデータを備えるものを特定するために、複数のゲームの実行時にゲーム制御をするデータを備えるものから何れかのゲームの実行時にゲーム制御をするデータを備えるものを選択する選択手段と、
前記複数のゲームの実行時にゲーム制御をするデータを備えるものに対応するデータ以外のデータを、パネルによって隠されていることを表現する、プレイヤーに対応する画像を表示する表示手段と、
を具備したゲーム装置。」で共通することで一致し、以下の相違点1ないし4で相違している。

相違点1:本願発明1の「ゲーム装置」が「外部の装置とネットワークを介して接続され」、「前記外部の装置から前記ゲーム装置に提供されたデータ」を用いるのに対して、引用発明1の「ビデオゲーム装置」は、「外部の装置とネットワークを介して接続され」ているのか否か明らかでない点。

相違点2:本願発明1は「プレーヤの操作に応じて、予め用意された複数のプレーモードからゲームを実行するために、何れかのプレーモードを選択する」のに対して、引用発明1は「複数のプレーモード」を有し、それらを選択するものではない点。

相違点3:本願発明1の「ゲームデータ」が「オブジェクト画像」に対応づけられており、「アンロック画像」に当該オブジェクト画像以外オブジェクト画像が隠されているのに対して、引用発明1の「曲」には画像が対応しているのか否か不明であり、隠し曲が隠し曲のイメージに合った画像を含むものである点。

相違点4:本願発明1の「アンロック画像」は、取得したパネルが所定の枚数のパネルの全てである場合以外は「所定の複数の枚数から過去のプレーの実績に応じて所定の枚数を開放させた残りの枚数のパネルで隠したことを表現する」ものであるのに対して、引用発明1の「ジグソーパズル表示画面」は、「取得されたパズルピースのみでジグソーパズルを組み上げた画像である」から、本願発明1の「前記ゲームを実行した後に、前記プレーヤに対応するアンロック画像を、前記ゲームを実行するために選択されたプレーモードに応じた数のパネルを開放して、開放したパネルの範囲の表示形態を前記オブジェクト画像の対応する範囲の画像にしたアンロック画像に変更する変更手段」、「前記開放したパネルの範囲の表示形態を変更した前記アンロック画像を示すデータを、前記プレーヤと対応づけて前記外部の装置に記憶させる制御手段」の各発明特定事項は、引用発明1には備えられていない点。

相違点5:本願発明1が「前記外部の装置から提供が開始されてからの経過期間に応じて前記パネルの所定の複数の枚数が減少された前記アンロック画像を表示する」のに対して、引用発明1は、そのようなものではない点で相違する。

(2)当審の判断

ア.まず、相違点5について検討する。
上記引用文献2ないし4には、相違点5に係る本願発明1の発明特定事項に関連する事項は記載されていない。
上記引用文献5には、・・・プレイ総時間が所定時間を超えた場合に所定期間が経過したとみなしゲームキャラクタの数・種類を変更する手法や、電源投入時間に基づき所定期間の経過を判断しゲームキャラクタの数・種類を変更する手法や、これらと均等な種々の手法が考えられる。」(段落【0054】)、引用文献6には「・・・いくつかのしきい値に達した後に、速度を連続的に低下させる・・・別の実施形態では、トリガメトリックは、特定のしきい値に達した後に、特定の車両へのアクセスを禁止してもよい。更に別の例では、トリガメトリックは、対戦用アバターの最大の強さの値を徐々に低下させるように実装されてもよい。」(段落【0021】)と記載され、引用例5、6記載の周知の思想と、相違点5に係る本願発明1の発明特定事項とは、時間の経過に応じてゲームの設定情報を変更するという点では共通する。
しかしながら、上記引用文献5、6はそれぞれ「プレイ総時間が所定時間を超えた場合」又は「電源投入時間」、「しきい値に達した」ことに基づいてゲームの設定情報を変更するものであり、相違点5に係る本願発明1の発明特定事項のように「外部の装置から提供が開始されてからの経過期間に応」ずるものではない。
また、上記引用例5、6はそれぞれ「ゲームキャラクタの数・種類を変更する」、「速度を連続的に低下させる」又は「特定の車両へのアクセスを禁止」又は「対戦用アバターの最大の強さの値を徐々に低下させる」ことにより、ゲームの設定情報を変更するものであり、相違点5に係る本願発明1の発明特定事項のように「前記パネルの所定の複数の枚数が減少された前記アンロック画像を表示する」ことにより、ゲームの設定情報を変更するものではない。
したがって、上記引用例5、6記載の周知技術から、上記相違点5に係る本願発明1の発明特定事項が容易に想到しえるものではない
そして、他に上記相違点5に係る本願発明1の発明特定事項が、当業者にとって容易に発明をすることができたとする根拠もない。
したがって、本願発明1は、上記相違点1ないし4について検討するまでもなく、引用発明1及び引用例2ないし6の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。

イ.本願発明2について
本願発明2は、本願発明1の発明特定事項に加えてさらなる発明特定事項を追加して限定を付したものであるから、本願発明2は、上記「ア.」と同様の理由により、引用発明1及び引用例2ないし6の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。

第5 当審拒絶理由について

1.平成30年3月23日付当審拒絶理由の内容

(1)請求項1の「前記第1ゲーム後の第2ゲーム実行後に、前記オブジェクトに対する区分数を、1つの前記オブジェクトが前記第1ゲームを実行した後に表示可能となった時からの経過期間に応じて段階的に変更して、前記記憶されたデータをもとに前記表示形態が変更された前記オブジェクトを表示する」の、「1つの前記オブジェクトが前記第1ゲームを実行した後に表示可能となった時」との発明特定事項、及び「第1ゲーム後の第2ゲーム実行後」に「段階的に変更」するとの発明特定事項は、出願当初の特許請求の範囲、明細書又は図面に記載した事項の範囲内ではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

(2)請求項1の「前記表示形態が変更された前記オブジェクトの区分を示すデータ」の「変更された」「区分」がどのようなものか、明細書には説明されておらず、当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載されていないので、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。

(3)請求項2の「前記変更手段により1つのオブジェクトに対する全ての区分の表示形態が変更された場合、前記オブジェクトに対応するゲーム用データを利用して第3ゲームを実行する」の、「表示形態が変更された場合」「第3ゲームを実行する」との発明特定事項は、明細書には説明されておらず、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

(4)請求項1の「前記第1ゲームのプレー内容に応じた数の、前記オブジェクトの前記1つまたは複数の領域の何れかを、前記オブジェクト全体に対して予め決められた表示形態に変更する変更手段」の「オブジェクト全体に対して予め決められた表示形態」、「前記オブジェクトに対する区分数を、1つの前記オブジェクトが前記第1ゲームを実行した後に表示可能となった時からの経過期間」の「表示可能となった時」、「第1ゲーム」、「第2ゲーム」の具体的な内容が不明である。
請求項2の「第3ゲーム」と本請求項が引用する請求項1の「第1ゲーム」、「第2ゲーム」それぞれの具体的内容とその区別が不明である。
よって請求項1、2は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

2.平成30年11月9日当審拒絶理由の内容

(1)本願請求項1及び2の記載は、下記の理由で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

ア.本願請求項1の発明特定事項である「第1ゲーム」と「第2ゲーム」、本願請求項2の発明特定事項である「第3ゲーム」の各々と、本願明細書の発明の詳細な説明の各「ゲーム」との対応関係が不明である。

イ.本願請求項1の発明特定事項である「第1オブジェクト画像」と「第2オブジェクト画像」の各々と、本願明細書の発明の詳細な説明の各「画像」との対応関係が不明である。

ウ.本願請求項1の「ゲーム制御のためのゲームデータを特定するために複数のゲームデータのそれぞれに対応する複数の第1オブジェクト画像から何れかの第1オブジェクト画像を選択する」との発明特定事項について、明細書に記載も示唆もされていない。

エ.本願請求項1の「前記第1ゲームを実行するために選択されたプレーモードに応じた数のパネルに相当する、前記第2オブジェクト画像の表示形態を、前記パネルで隠されていない前記第1オブジェクト画像に変更する変更手段」の発明特定事項について、明細書に記載も示唆もされていない。
カ.本願請求項1の「前記表示形態が変更された前記第2オブジェクト画像を示すデータを記憶する記憶手段」の発明特定事項について、明細書に記載も示唆もされていない。

キ.本願請求項1の「前記第2オブジェクト画像に対するパネルの数を、前記外部の装置から提供されてからの経過期間に応じた数に変更」することが「第2ゲームが実行された場合」にされるとの発明特定事項は明細書に記載も示唆もされていない。

(2)本願請求項1の記載は、特許請求の範囲が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
本願請求項1の「前記第1ゲームを実行するために選択されたプレーモードに応じた数のパネルに相当する、前記第2オブジェクト画像の表示形態を、前記パネルで隠されていない前記第1オブジェクト画像に変更する変更手段」の「プレーモードに応じた数のパネルに相当する、前記第2オブジェクト画像の表示形態」とは、どのような意味か不明であり、また「パネルで隠されていない前記第1オブジェクト画像に変更する」ことは、第1オブジェクト画像が隠されない状態になるという意味と解されるが、前記「プレーモードに応じた数のパネル」とどのような関連があるのか不明である。

3.当審拒絶理由の判断
平成30年12月27日に提出された手続補正書により、上記第2のとおり、請求項1、2の記載は補正されたので、当審拒絶理由は解消した。

第6 むすび
以上のとおり、原査定の理由及び当審拒絶理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-04-17 
出願番号 特願2013-13783(P2013-13783)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (A63F)
P 1 8・ 55- WY (A63F)
P 1 8・ 537- WY (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 古川 直樹古屋野 浩志  
特許庁審判長 尾崎 淳史
特許庁審判官 畑井 順一
吉村 尚
発明の名称 ゲーム装置  
代理人 野河 信久  
代理人 鵜飼 健  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 飯野 茂  
代理人 河野 直樹  
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