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審決分類 審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載  A61G
審判 一部申し立て 2項進歩性  A61G
管理番号 1350654
異議申立番号 異議2018-700230  
総通号数 233 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-05-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-03-19 
確定日 2019-02-19 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6205298号発明「児用ベッド構造」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6205298号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲に記載された請求項〔6、9?12〕のとおり訂正することを認める。 特許第6205298号の請求項1,6,11及び12に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯

特許第6205298号の請求項1?12に係る特許についての出願は、平成29年9月8日に特許権の設定登録がされ、同年9月27日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許について、平成30年3月19日に特許異議申立人一條淳(以下「特許異議申立人」という。)より特許異議の申立てがなされ、同年5月31日付けで特許異議申立人に審尋がされ(なお、審尋に対して、期間内に回答がなされなかった。)、同日付で取消理由が通知され、その指定期間内である同年8月1日に意見書の提出及び訂正請求がなされ、同年8月28日付けで訂正請求があった旨が通知され(特許法第120条の5第5項)、同年10月3日に特許異議申立人より意見書が提出され、同年11月9日付けで訂正拒絶理由が通知され、その指定期間内である同年12月17日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 訂正の適否

1 訂正請求及びその補正について

平成30年8月1日に提出された訂正請求書(以下「訂正請求書」という。)及びこれに添付した訂正特許請求の範囲は、平成30年12月17日に提出された手続補正書(以下「補正書」ということがある。)により補正されたので、まずは当該補正の適否について検討する。

(1)補正の内容

ア 訂正請求書の3頁1?2行に
「・・・(請求項6の記載を直接的又は間接的に引用する請求項11、12
も同様に訂正する)。」
とあるのを、補正書の(別紙)2頁22?23行のとおり、
「・・・(請求項6の記載を直接的又は間接的に引用する請求項9、10、11、12も同様に訂正する)。」
と補正する(以下「補正ア」という。)。

イ 訂正請求書の3頁3?13行を削除する(以下「補正イ」という。)。

ウ 訂正請求書の4頁9?13行に
「 同様に、訂正後の請求項11,12に係る訂正事項1は、訂正後の請求項11,12が訂正後の請求項6の記載を引用することにより、訂正後の請求項11,12に係る発明におけるポール本体の構成を具体的に特定するものであるため、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する『特許請求の範囲の減縮』を目的とするものである。

なお、訂正後の請求項9,10は、訂正事項2により訂正後の請求項6の記載を引用しないので、訂正事項1は、訂正後の請求項9,10に係るものではない。」
とあるのを、補正書の(別紙)3頁19?24行のとおり、
「 同様に、訂正後の請求項9、10、11,12に係る訂正事項1は、訂正後の請求項9、10、11,12が訂正後の請求項6の記載を引用することにより、訂正後の請求項9、10、11,12に係る発明におけるポール本体の構成を具体的に特定するものであるため、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。」
と補正する(以下「補正ウ」という。)。

エ 訂正請求書の5頁19?23行に
「 本件においては、訂正前の請求項1,6,11及び12について特許異議の申立てがされている。
したがって、訂正前の請求項6,11及び12に係る訂正事項1に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。」
とあるのを、補正書の(別紙)4頁26行?5頁7行のとおり、
「 本件においては、訂正前の請求項1,6,11及び12について特許異議の申立てがされているので、訂正前の請求項6,11及び12に係る訂正事項1に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
訂正前の請求項9、10に係る訂正事項1は、上述のとおり、発明特定事項を付加するものであるから、訂正後の請求項9、10に係る発明については、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項に適合するものである。」
と補正する(以下「補正エ」という。)。

オ 訂正請求書の5頁24行?7頁14行を削除する(以下「補正オ」という。)。

カ 訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲に
「【請求項9】
上記台車本体が主要な平面であるほぼ平坦な面を有し、
上記ほぼ平坦な面が平面的に見て切込み形状の凹部を有し、
上記付属品取付け具が、平面的に見て、上記台車本体の下方と上記凹部とから成る領域から外側に突出していない退避位置まで上記車輪取付け軸を中心として回動することができるように構成されていることを特徴とする、
請求項1?5、7、8のうちのいずれか1つに記載の児用ベッド構造、
または、
点滴用ポールのポール本体が上記付属品取付け具に取付けられていることを特徴とする請求項1?5のうちのいずれか1つに記載の児用ベッド構造。」
とあるのを、補正書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、
「【請求項9】
上記台車本体が主要な平面であるほぼ平坦な面を有し、
上記ほぼ平坦な面が平面的に見て切込み形状の凹部を有し、
上記付属品取付け具が、平面的に見て、上記台車本体の下方と上記凹部とから成る領域から外側に突出していない退避位置まで上記車輪取付け軸を中心として回動することができるように構成されていることを特徴とする請求項1?8のうちのいずれか1つに記載の児用ベッド構造。」
と補正する(以下「補正カ」という。)。

(2)補正の適否

ア 補正イ、補正オ及び補正カ

補正イ、補正オ及び補正カは、請求項9の訂正事項を削除する補正であるから、訂正請求書の要旨を変更するものではない。

イ 補正ア、補正ウ及び補正エ

補正ア、補正ウ及び補正エは、補正イ及び補正オの補正に整合させるための訂正請求書の補正であるから、訂正請求書の要旨を変更するものではない。

したがって、補正書による補正は、訂正請求書の要旨を変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第131条の2第1項の規定に適合するので、当該補正を認める。

2 訂正の内容

平成30年8月1日にされた訂正請求による訂正(以下「本件訂正」という。なお、平成30年12月17日に提出された手続補正書により補正されている。)は、本件特許の特許請求の範囲を訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項6、9?12について訂正することを求めるものであり、その内容は以下のとおりである。

(1)訂正事項1(下線は、特許権者が訂正箇所を示すものとして付したものである。以下同様。)

特許請求の範囲の請求項6に
「点滴用ポールのポール本体が上記付属品取付け具に取付けられている」
と記載されているのを、
「点滴用ポールのポール本体が上記付属品取付け具に取付けられており、
上記ポール本体は、下側のポール部材と、この下側のポール部材にその下端側を収納されている上側のポール部材とを備え、
上記下側のポール部材は、上記児用ベッドに接触しないように、外向きにかつ斜め方向に屈曲している屈曲部を備えている」
に訂正する。

訂正前の請求項6、9?12は、請求項6を直接的又は間接的に引用して記載されているから、訂正前の請求項6、9?12に対応する訂正後の請求項6、9?12は一群の請求項である。
したがって、本件訂正請求は、一群の請求項ごとに特許請求の範囲の訂正を請求するものである。

3 訂正の適否

(1)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の有無

ア 訂正事項1について

訂正事項1による請求項6に係る訂正は、訂正前の請求項6に記載した発明を特定するために必要な事項である「ポール本体」について、「上記ポール本体は、下側のポール部材と、この下側のポール部材にその下端側を収納されている上側のポール部材とを備え、上記下側のポール部材は、上記児用ベッドに接触しないように、外向きにかつ斜め方向に屈曲している屈曲部を備えている」ことを限定するものである。
具体的には、本件特許の願書に添付された明細書(以下「本件明細書」といい、特許請求の範囲及び図面を含めて「本件明細書等」という。)の段落【0043】には、「また、ポール本体122は、下側のポール部材124と、この下側のポール部材124にその下端側を収納されている上側のポール部材125とを備えている。・・・また、下側のポール部材124は、かご受け7の外向きフランジ部42に接触しないように、この外向きフランジ部42のほぼ下方において外向きにかつ斜め方向に屈曲している屈曲部126を備えている。」と記載されている。
したがって、訂正事項1による訂正は、本件明細書等に記載された事項の範囲内において、訂正前の請求項6における「ポール本体」を限定するものであるから、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、また、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
また、訂正事項1による請求項9?12に係る訂正は、訂正事項1による請求項6に係る訂正に連動するものであるから、訂正事項1による請求項6に係る訂正と同様の理由から、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、また、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(2)独立特許要件

本件において、訂正前の請求項1、6、11及び12について特許異議の申立てがされているので、訂正前の請求項6、11及び12に係る訂正事項1に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項に規定される独立特許要件は課されない。
他方、訂正前の請求項9及び10に係る訂正事項1は、特許異議の申立てがされていない請求項について、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。
したがって、かかる訂正により訂正された請求項9及び10に係る発明については、独立特許要件について検討する必要があるので、以下検討する。

訂正後の請求項9及び10に係る発明は、それぞれ、後記「第3」の【請求項9】及び【請求項10】に記載された事項により特定されるとおりのものである。
そして、訂正後の請求項6を引用する訂正後の請求項9に係る発明及び訂正後の請求項9を引用する訂正後の請求項10に係る発明は、その構成として、訂正後の請求項1に記載された「車輪取付け軸に取付けられている付属品取付け具」を発明特定事項として具備するものである。
そして、後記「第4 2 2-1(2)ア(イ)」において示すとおり、かかる発明特定事項が当業者にとって容易想到であると解すべき合理的な理由はないし、また、他に訂正後の請求項9及び10に係る発明が特許を受けることができないとする理由も発見しない。

したがって、訂正後の請求項9及び10に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。

4 小括

以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項、第6項及び第7項の規定に適合する。
したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔6、9?12〕について訂正することを認める。

第3 本件発明

上記「第2」で述べたとおり、本件訂正は認められるので、本件特許の請求項1?12に係る発明(以下「本件発明1?12」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1?12に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「【請求項1】
台車と、児用ベッドと、上記児用ベッドを上記台車上に配設するために、上記台車上に上記児用ベッドを直接または間接的に支持している支持機構とを備え、
上記台車が、台車本体と、車輪と、上記車輪を上記台車本体に取付けている車輪取付け軸と、上記車輪取付け軸に取付けられている付属品取付け具とを備えていることを特徴とする児用ベッド構造。
【請求項2】
上記付属品取付け具が、ほぼ上下方向に延在しているロッド挿入孔を有する付属品取付け具本体と、クランプ部材と、付属品を上記付属品取付け具本体に固定するための第1の固定用ねじ部材と、第2の固定用ねじ部材とを備え、
上記付属品取付け具本体と上記クランプ部材とが上記第2の固定用ねじ部材により互いに結合されることによって、上記付属品取付け具本体に形成されているほぼ半円柱形状の第1の凹部と、上記クランプ部材に形成されているほぼ半円柱形状の第2の凹部とから、貫通孔が形成されるように構成され、
上記車輪取付け軸が上記貫通孔を貫通していることを特徴とする請求項1に記載の児用ベッド構造。
【請求項3】
上記車輪取付け軸のうちの上記付属品取付け具が取付けられていない総ての車輪取付け軸に取付けられている軸用カバーを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の児用ベッド構造。
【請求項4】
上記軸用カバーが、ほぼ半筒形状の第1のカバー片と、この第1のカバー片に向い合せの状態で対向するように当接しているほぼ半筒形状の第2のカバー片とからほぼ筒形状になるように構成されているほぼ中空の筒状体を備え、
上記第1のカバー片と上記第2のカバー片とがこれら両者の凹凸係合によって互いに一体的に結合されていることを特徴とする請求項3に記載の児用ベッド構造。
【請求項5】
上記台車の高さが、20?28cmの範囲であり、
上記付属品取付け具が上記車輪取付け軸にまだ取付けられていない状態において、上記車輪取付け軸が上記台車本体と上記車輪との間で露出している部分の軸心方向における長さが、3.2?4.6cmの範囲であることを特徴とする請求項1?4のうちのいずれか1つに記載の児用ベッド構造。
【請求項6】
点滴用ポールのポール本体が上記付属品取付け具に取付けられており、
上記ポール本体は、下側のポール部材と、この下側のポール部材にその下端側を収納されている上側のポール部材とを備え、
上記下側のポール部材は、上記児用ベッドに接触しないように、外向きにかつ斜め方向に屈曲している屈曲部を備えていることを特徴とする請求項1?5のうちのいずれか1つに記載の児用ベッド構造。
【請求項7】
ボンベを支持することができるボンベ支持具が上記付属品取付け具に取付けられていることを特徴とする請求項1?5のうちのいずれか1つに記載の児用ベッド構造。
【請求項8】
上記台車本体が主要な平面であるほぼ平坦な面を有し、
上記台車本体の上記ほぼ平坦な面に開口するように、上記台車本体の上記ほぼ平坦な面上にへこみ形状で構成されている物入れを備え、
上記ボンベ支持具が少なくとも部分的に上記物入れの底面上に支持されていることを特徴とする請求項7に記載の児用ベッド構造。
【請求項9】
上記台車本体が主要な平面であるほぼ平坦な面を有し、
上記ほぼ平坦な面が平面的に見て切込み形状の凹部を有し、
上記付属品取付け具が、平面的に見て、上記台車本体の下方と上記凹部とから成る領域から外側に突出していない退避位置まで上記車輪取付け軸を中心として回動することができるように構成されていることを特徴とする請求項1?8のうちのいずれか1つに記載の児用ベッド構造。
【請求項10】
上記切り込み形状の凹部の間口が、36?44cmの範囲であり、
上記切り込み形状の凹部の奥行きが、6?8cmの範囲であることを特徴とする請求項9に記載の児用ベッド構造。
【請求項11】
上記児用ベッド構造が新生児用ベッド構造であり、
上記児用ベッドが、新生児が収容されることができる新生児収容かごと、この新生児収容かごが収容されることができるかご受けとを備え、
上記かご受けが、上記支持機構上に直接的に支持され、
上記かご受けが、このかご受けのほぼ前後方向における傾斜角度を変更させることができるように、上記支持機構に傾動可能に支持されていることを特徴とする請求項1?10のうちのいずれか1つに記載の児用ベッド構造。
【請求項12】
上記支持機構が、上記台車上に配設されている固定支柱と、この固定支柱に対して上昇および下降することができる可動支柱とを備え、
上記かご受けが、上記可動支柱上に直接的に支持され、
上記可動支柱が上記固定支柱に対して上昇および下降することによって、上記かご受けが上昇および下降することができるように構成されていることを特徴とする請求項11に記載の児用ベッド構造。」

第4 特許異議の申立てについて

1 取消理由の概要

平成30年5月31日付けで特許権者に通知した取消理由(以下「本件取消理由」という。)の要旨は、次のとおりである。

本件特許の請求項1、6、11及び12に係る発明は、その出願前頒布された以下の刊行物に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その係る発明の特許は取り消すべきである。

刊行物1:意匠登録第1483727号公報
刊行物2:実願昭57-114845号(実開昭59-19145号)のマイクロフィルム

上記刊行物1及び刊行物2は、特許異議申立人が提出した甲第1号証及び甲第3号証である。

2 当審の判断

2-1 本件取消理由について

(1)刊行物の記載事項等

ア 刊行物1の記載事項等

刊行物1には、以下の事項等が記載されている(下線は当審で付与した。以下同様。)。

(1a)
「【意匠に係る物品の説明】本物品は、新生児を収容する新生児収容かごを、昇降が可能でかつ長さ方向における傾斜が可能なように、構成した新生児用ベッドである。」(第1頁「(55)」の項)

(1b)
刊行物1には、以下の図が示されている。
【斜視図】 【正面図】



【内部機構を省略したA-A線断面図】【背面図】


(1c)
刊行物1には、「新生児用ベッド」であることが記載されていることを踏まえると(摘示(1a))、【斜視図】、【正面図】及び【背面図】(摘示(1b))から、
「 台車と、
新生児収容かごと、
上記新生児収容かごを収容するかご受けと、
上記かご受けを台車上に直接的に支持する支柱と、
を備え、
上記台車が、
台車本体と、車輪と、上記車輪を上記台車本体に取付けている車輪取付け軸と
を備えていること」
が看取される。

(1d)
刊行物1には、「新生児を収容する新生児収容かごを、・・・長さ方向における傾斜が可能なように、構成した新生児用ベッド」であることが記載されていること(摘示(1a))及び上記(1c)によれば、【内部機構を省略したA-A断面図】(摘示(1b))から、「かご受けが、かご受けの長さ方向における傾斜が可能なように、支柱に傾動可能に支持されていること」が認定できる。

(1e)
刊行物1には、「新生児を収容する新生児収容かごを、昇降が可能・・・なように、構成した新生児用ベッド」であることが記載されていること(摘示(1a))及び上記(1c)によれば、【内部機構を省略したA-A断面図】(摘示(1b))から、
「支柱が、台車上に配設されている固定支柱と、この固定支柱に対して上昇および下降することができる可動支柱とを備え、
上記かご受けが、上記可動支柱上に直接的に支持され、
上記可動支柱が上記固定支柱に対して上昇および下降することによって、上記かご受けが上昇および下降することができるように構成されていること」
が認定できる。

上記(1a)?(1e)の記載を総合すると、刊行物1には、以下の発明(以下「刊行物1発明」という。)が記載されている。

「新生児を収容する新生児収容かごを、昇降が可能でかつ長さ方向における傾斜が可能なように、構成した新生児用ベッドであって、
台車と、
新生児収容かごと、
上記新生児収容かごを収容するかご受けと、
上記かご受けを台車上に直接的に支持する支柱と、
を備え、
上記台車が、
台車本体と、車輪と、上記車輪を上記台車本体に取付けている車輪取付け軸とを備え、
かご受けが、かご受けの長さ方向における傾斜が可能なように、支柱に支持され、
支柱が、台車上に配設されている固定支柱と、この固定支柱に対して上昇および下降することができる可動支柱とを備え、
上記かご受けが、上記可動支柱上に直接的に支持され、
上記可動支柱が上記固定支柱に対して上昇および下降することによって、上記かご受けが上昇および下降することができるように構成された
新生児用ベッド」

イ 刊行物2の記載事項等

刊行物2には、以下の事項等が記載されている。

(2a)
「3. 考案の詳細な説明
本案は輸血、点滴等を行つている患者を定置ベット、運搬車、移動ベット、或は車椅子等に移し換える場合、輸血、点滴等を継続しながらイルリガートルハンガー用支柱を手軽に移し換えることのできる、差し換え支承金具に関する。」(明細書第1頁第17行-第2頁第2行)

(2b)
「 本案を図面に示す実施例によつて説明すると、支承金具本体Aは、第1図に示すように所要内径を有する円筒枠1と、イルリガートルハンガー用支柱の下端部外径に適合する内径を有する有底筒状受金2との両者を第1図に示すように連通部3を設けて外形、双眼鏡形に成形し、且つ中央より前部aと、背部bとの二つに分割構成すると共に互に腹合させ、ネジ4にて結合一体化するように構成され、円筒枠1の内側には、上下端の内側に設けた囲繞凸縁5、6間に、挾着板ばね7を外側に挾着し、内側に滑り止めゴム板8を装着した二つ割の軸套形挾着金9を内装している。連通部3には、ハンガー支柱10の廻り止めピン11を押圧する押圧ばね12を装置している。13はピン11を進退操作するネジにして、長孔14内に嵌合したものである。
以上のように構成された支承金具本体Aの筒状受金は、イルリガートルハンガー用支柱の径が略一定しているから、内径を異にする必要はないが円筒枠は夫々径を異にする台枠の脚杆の何れにも適合するものでないから、台枠の脚杆を構成するパイプの径に適応するもの各種を構成しておけば、必要に応じイルリガートルバンガー用支柱を差し換え装置する場合、台枠の脚杆、例えば、移動式ベット、運搬車、定置ベット、車椅子等の脚杆の径に適応する円筒枠を夫々予め取付けておけば、イルリガートルハンガー用支柱を患者を移し換えるベット、或は運搬車や、車椅子に円筒枠と共に装置した筒状受金に差し換え、輸血や点滴を中断することなく患者を移動することができ、又筒状受金は台枠の脚杆に取付けられる円筒枠を回動することにより可及的支障とならない位置に移動させることができるので不使用時は外方に突出して支障とならないように保持することができ、依つて常時に脚杆に装着しておいても支障となることがなく、ハンガー用支柱を差し止める場合は、手軽に円筒枠と共に回動し、所定位置に移動させることができ、操作は至極便利である。依つて、本案を患者用寝台や、運搬車、車椅子その他、リカベリーベット等の台枠脚杆に常時取付けておけば、患者を移動する際輸血や点滴を中断することなく患者を安全に移動させることができる効果がある。」(明細書第2頁第17行-第4頁第18行)

上記(2a)及び(2b)を総合すると、刊行物2には、以下の技術(以下「刊行物2技術」という。)が記載されている。

「輸血、点滴等を行つている患者を定置ベット、運搬車、移動ベット、或は車椅子等に移し換える場合、輸血、点滴等を継続しながらイルリガートルハンガー用支柱を手軽に移し換えることのできる、差し換え支承金具に関する技術であって、支承金具本体Aの円筒枠1を台枠の脚杆、例えば、移動式ベット、運搬車、定置ベット、車椅子等の脚杆に予め取付ける技術」

(2)対比・判断

ア 本件発明1について

(ア)対比

本件発明1と刊行物1発明とを対比する。

a 刊行物1発明の「台車」は、本件発明の「台車」に相当する。

b 本件発明1の「児用ベッド」に関し、本件明細書【0010】には、
「 【0010】
さらに、本発明の第6の観点においては、上記児用ベッド構造が新生児用ベッド構造であり、上記児用ベッドが、新生児が収容されることができる新生児収容かごと、この新生児収容かごが収容されることができるかご受けとを備え、上記かご受けが、上記支持機構上に直接的に支持され、上記かご受けが、このかご受けのほぼ前後方向における傾斜角度を変更させることができるように、上記支持機構に傾動可能に支持されている。・・・」と記載されており、本件発明1の「児用ベッド」について、「児用ベッドが、新生児が収容されることができる新生児収容かごと、この新生児収容かごが収容されることができるかご受けとを備え」るものを含む構成であることが記載されている。
そうすると、刊行物1発明の「新生児収容かごと、上記新生児収容かごを収容するかご受け」は、本件発明1の「児用ベッド」に相当する。

c 本件発明1の「支持機構」は、「上記児用ベッドを上記台車上に配設するために、上記台車上に上記児用ベッドを直接または間接的に支持している」構成である。
そして、刊行物1発明の「支柱」は、「かご受けを台車上に直接的に支持する」構成であり、上記bで検討したとおり、「かご受け」は「児用ベッド」の一部を構成している。
そうすると、刊行物1発明の「上記かご受けを台車上に直接的に支持する支柱」は、本件発明1の「上記児用ベッドを上記台車上に配設するために、上記台車上に上記児用ベッドを直接的または間接的に支持している支持機構」に相当する。

d 本件発明1の「台車」は、「台車本体と、車輪と、上記車輪を上記台車本体に取付けている車輪取付け軸と、上記車輪取付け軸に取付けられている付属品取付け具とを備えている」構成である。
そして、刊行物1発明の「台車」は、「台車本体と、車輪と、上記車輪を上記台車本体に取付けている車輪取付け軸」とを備えていることから、本件発明1のかかる「台車」と刊行物1発明のかかる「台車」とは、「台車本体と、車輪と、上記車輪を上記台車本体に取付けている車輪取付け軸とを備えている」ことの限度で共通する。

e 本件発明1の「児用ベッド構造」は「台車と、児用ベッドと、上記児用ベッドを上記台車上に配設するために、上記台車上に上記児用ベッドを直接または間接的に支持している支持機構とを備え」た「構造」である。
そして、刊行物1発明の「新生児用ベッド」は、「台車と、新生児収容かごと、上記新生児収容かごを収容するかご受けと、上記かご受けを台車上に直接的に支持する支柱とを備え」た構成であり、上記b及びcの検討を踏まえると、刊行物1発明の「新生児用ベッド」は、本件発明1の「児用ベッド構造」に相当する。

上記a?eを総合すると、本件発明1と刊行物1発明との一致点、相違点は以下のとおりである。

<一致点>
「 台車と、児用ベッドと、上記児用ベッドを上記台車上に配設するために、上記台車上に上記児用ベッドを直接に支持している支持機構とを備え、
上記台車が、台車本体と、車輪と、上記車輪を上記台車本体に取付けている車輪取付け軸とを備えている児用ベッド構造。」

<相違点>
「台車」について、本件発明1の「台車」は、「車輪取付け軸に取付けられている付属品取付け具」を備えているのに対し、刊行物1発明はそれを備えていない点。

(イ)判断

相違点について検討する。

a 刊行物2技術の「支承金具本体A」は、「イルリガートルハンガー用支柱」を「差し替え支承」するものであるから、本件発明1の「付属品取付け具」に相当する。

b 刊行物1発明は、「新生児用ベッド」であることから、一般的には医療機関で使用される物品に関する発明であり、その使用に際しては、新生児に対して輸血や点滴等を行うことも想定されるものである。そして、刊行物2技術も「輸血、点滴等を行っている患者」を対象とした医療機関で使用される物品に関する技術である。

c そうすると、刊行物1発明及び刊行物2技術は、何れも医療機関で用いられる物品に関するものであることから同一の技術分野に属しているといえるとともに、刊行物1発明においても、新生児に対して輸血や点滴等を行うことも想定されるものであることから、刊行物1発明において、新生児に対する輸血や点滴が必要となった際に、刊行物2技術を適用する動機付けは存在するともいえる。

d そこで、刊行物1発明における刊行物2技術の適用について、以下検討する。
刊行物1発明に刊行物2技術を適用する際に、刊行物1発明が児用ベッド構造に係る発明であることも鑑みると、刊行物2技術の「支承金具本体A」を取付けうるのは、安定した設置が行える箇所でなければならないが、刊行物1発明の「車輪取付け軸」は、車輪とともに水平面において回転するものであるか否か等、いかなる構成を有しているのか明確に認定できず、刊行物1発明の「車輪取付け軸」に刊行物2技術の「支承金具本体A」を安定して取付けられるとまではいえないし、その周辺の部材の形状を最適なものに設計変更することも、当業者であれば設計上当然に行うことであるともいえない。

e そうすると、刊行物1及び刊行物2には、「車輪取付け軸に取付けられている付属品取付け具」が記載も示唆もされていないし、刊行物1発明に刊行物2技術を適用したとしても、かかる構成を採用することが当業者にとって容易に想到しうることであるといえる根拠も見いだせないことから、刊行物1発明において、上記相違点に係る本件発明1の構成を採用することが当業者にとって容易であるということはできない。

(ウ)以上のとおり、本件発明1は刊行物1発明と相違点において相違するものであるところ、相違点に係る本件発明1の構成は当業者にとって容易想到とはいえないものであるから、本件発明1は刊行物1発明及び刊行物2技術に事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

イ 本件発明6、11及び12について

本件発明6、11及び12は、本件発明1の発明特定事項を全て含み、さらに請求項6、11及び12により特定される事項により限定して発明を特定するものであるから、上記アと同様の理由から、本件発明6は、刊行物1発明及び刊行物2技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないし、本件発明11および12は、刊行物1発明及び刊行物2技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

2-2 本件取消理由において採用しなかった特許異議申立理由について

本件取消理由において採用しなかった特許異議申立理由の要旨は、次のとおりである。

(1)申立理由1(特許法第29条第2項)

特許異議申立人は、申立理由1として、本件発明1及び6は、甲第1、2及び3号証に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明11及び12は、甲第1、2、3及び4号証に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当し、請求項1及び6に係る特許は、同法第113条第2号により取り消されるべきものである旨主張している。

申立理由1について検討する。
特許異議申立人は、甲第2号証に関し、特許異議申立書11頁1?10行において、
「 上記記載事項1?3によれば、甲第2号証には、ストレッチャーのタイヤ付台車1が、台フレーム15の1隅部に起立した支柱16に点滴棒差込孔を有する点滴棒差込金具14を有することが記載されており、また記載事項4から、支柱16は、車輪を台車本体に取付けている車輪取付け軸と同軸とするものであることが見てとれる。

よって、甲第2号証には、本特許発明に関し、以下の技術的事項(構成)2dが開示されている。

『2d ストレッチャーのタイヤ付台車1の台フレーム15の1隅部に起立し、車輪を台車本体に取付けている車輪取付け軸と同軸の支柱16に、点滴棒差込孔を有する点滴棒差込金具を取り付けること』」
と主張している。
しかしながら、「記載事項4から、支柱16は、車輪を台車本体に取付けている車輪取付け軸と同軸とするものであることが見てとれる」とまでいうことはできないし、甲第2号証に記載されていると認められる事項は、
「ストレッチャーのタイヤ付き台車1の台フレーム15の1隅部に起立した支柱16に、点滴棒差込孔を有する点滴棒差込金具を取り付けること」
であって、「車輪取付け軸」に取り付けることではない。
また、特許異議申立人は、特許異議申立書19頁20行?20頁5行において、
「・・・医療機関で点滴棒(IVポール)を併用することが想定されている患者の定置ベット、運搬車、移動ベット、或いは車椅子等の台枠の脚部に点滴棒差込金具を設けることは、前記甲第2号証及び甲第3号証に・・・記載されるように周知技術である。
・・・
よって、甲1発明の前記課題を解決するために上記周知技術を適用し、向1発明の台車の脚部にある車輪取付け軸に点滴棒差込金具を設けることにより、構成要件D_(4)「上記車輪取付け軸に取付けられている付属品取付け具」の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。」
とも主張しているが、仮に「医療機関で点滴棒(IVポール)を併用することが想定されている患者の定置ベット、運搬車、移動ベット、或いは車椅子等の台枠の脚部に点滴棒差込金具を設けること」が周知技術であったとしても、「車輪取付け軸」に取り付けることまでも周知技術であることは示していないし、当該周知技術を適用したとしても、「車輪取付け軸」に取り付けることが、当業者にとって、容易想到であるという合理的理由もない。

そうすると、取消理由1に係る特許異議申立人の主張を勘案しても、本件発明1の相違点に係る本件発明1の構成は当業者にとって容易想到とはいえない。
そして、甲第4号証について検討するまでもなく、本件発明1の発明特定事項を全て含み、さらに請求項6、11及び12により特定される事項により限定して発明を特定する本件発明6、11及び12についても同様に、当業者にとって、容易想到であるという合理的理由もない。

(2)申立理由2(特許法第29条第1項第3号)

特許異議申立人は、申立理由2として、本件発明1、6、11及び12は、甲第5号証に記載された発明と同一であるから、本件発明1、6、11及び12は特許法第29条第1項第3号に該当し、請求項1、6、11及び12に係る特許は、同法第113条第2号により取り消されるべきものである旨主張している。

そこで、申立理由2について検討する。
甲第5号証に関し、平成30年5月31日付けの特許異議申立人に対する審尋において、甲第5号証の公知日が不明であり、甲第5号証のパンフレットが、本件特許の出願前に公知であると認定することはできない旨通知し、回答を求めた。
しかしながら、指定期間内に回答がなかったため、甲第5号証が本件特許の出願前に公知であると認定することはできず、申立理由2に理由はない。

第5 むすび

以上のとおりであるから、本件取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した申立理由によっては、本件請求項1、6、11及び12に係る特許を取り消すことはできないし、他に本件請求項1、6、11及び12に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
台車と、児用ベッドと、上記児用ベッドを上記台車上に配設するために、上記台車上に上記児用ベッドを直接または間接的に支持している支持機構とを備え、
上記台車が、台車本体と、車輪と、上記車輪を上記台車本体に取付けている車輪取付け軸と、上記車輪取付け軸に取付けられている付属品取付け具とを備えていることを特徴とする児用ベッド構造。
【請求項2】
上記付属品取付け具が、ほぼ上下方向に延在しているロッド挿入孔を有する付属品取付け具本体と、クランプ部材と、付属品を上記付属品取付け具本体に固定するための第1の固定用ねじ部材と、第2の固定用ねじ部材とを備え、
上記付属品取付け具本体と上記クランプ部材とが上記第2の固定用ねじ部材により互いに結合されることによって、上記付属品取付け具本体に形成されているほぼ半円柱形状の第1の凹部と、上記クランプ部材に形成されているほぼ半円柱形状の第2の凹部とから、貫通孔が形成されるように構成され、
上記車輪取付け軸が上記貫通孔を貫通していることを特徴とする請求項1に記載の児用ベッド構造。
【請求項3】
上記車輪取付け軸のうちの上記付属品取付け具が取付けられていない総ての車輪取付け軸に取付けられている軸用カバーを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の児用ベッド構造。
【請求項4】
上記軸用カバーが、ほぼ半筒形状の第1のカバー片と、この第1のカバー片に向い合せの状態で対向するように当接しているほぼ半筒形状の第2のカバー片とからほぼ筒形状になるように構成されているほぼ中空の筒状体を備え、
上記第1のカバー片と上記第2のカバー片とがこれら両者の凹凸係合によって互いに一体的に結合されていることを特徴とする請求項3に記載の児用ベッド構造。
【請求項5】
上記台車の高さが、20?28cmの範囲であり、
上記付属品取付け具が上記車輪取付け軸にまだ取付けられていない状態において、上記車輪取付け軸が上記台車本体と上記車輪との間で露出している部分の軸心方向における長さが、3.2?4.6cmの範囲であることを特徴とする請求項1?4のうちのいずれか1つに記載の児用ベッド構造。
【請求項6】
点滴用ポールのポール本体が上記付属品取付け具に取付けられており、
上記ポール本体は、下側のポール部材と、この下側のポール部材にその下端側を収納されている上側のポール部材とを備え、
上記下側のポール部材は、上記児用ベッドに接触しないように、外向きにかつ斜め方向に屈曲している屈曲部を備えていることを特徴とする請求項1?5のうちのいずれか1つに記載の児用ベッド構造。
【請求項7】
ボンベを支持することができるボンベ支持具が上記付属品取付け具に取付けられていることを特徴とする請求項1?5のうちのいずれか1つに記載の児用ベッド構造。
【請求項8】
上記台車本体が主要な平面であるほぼ平坦な面を有し、
上記台車本体の上記ほぼ平坦な面に開口するように、上記台車本体の上記ほぼ平坦な面上にへこみ形状で構成されている物入れを備え、
上記ボンベ支持具が少なくとも部分的に上記物入れの底面上に支持されていることを特徴とする請求項7に記載の児用ベッド構造。
【請求項9】
上記台車本体が主要な平面であるほぼ平坦な面を有し、
上記ほぼ平坦な面が平面的に見て切込み形状の凹部を有し、
上記付属品取付け具が、平面的に見て、上記台車本体の下方と上記凹部とから成る領域から外側に突出していない退避位置まで上記車輪取付け軸を中心として回動することができるように構成されていることを特徴とする請求項1?8のうちのいずれか1つに記載の児用ベッド構造。
【請求項10】
上記切り込み形状の凹部の間口が、36?44cmの範囲であり、
上記切り込み形状の凹部の奥行きが、6?8cmの範囲であることを特徴とする請求項9に記載の児用ベッド構造。
【請求項11】
上記児用ベッド構造が新生児用ベッド構造であり、
上記児用ベッドが、新生児が収容されることができる新生児収容かごと、この新生児収容かごが収容されることができるかご受けとを備え、
上記かご受けが、上記支持機構上に直接的に支持され、
上記かご受けが、このかご受けのほぼ前後方向における傾斜角度を変更させることができるように、上記支持機構に傾動可能に支持されていることを特徴とする請求項1?10のうちのいずれか1つに記載の児用ベッド構造。
【請求項12】
上記支持機構が、上記台車上に配設されている固定支柱と、この固定支柱に対して上昇および下降することができる可動支柱とを備え、
上記かご受けが、上記可動支柱上に直接的に支持され、
上記可動支柱が上記固定支柱に対して上昇および下降することによって、上記かご受けが上昇および下降することができるように構成されていることを特徴とする請求項11に記載の児用ベッド構造。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2019-02-08 
出願番号 特願2014-72389(P2014-72389)
審決分類 P 1 652・ 121- YAA (A61G)
P 1 652・ 113- YAA (A61G)
最終処分 維持  
前審関与審査官 中村 泰二郎  
特許庁審判長 氏原 康宏
特許庁審判官 仁木 学
一ノ瀬 覚
登録日 2017-09-08 
登録番号 特許第6205298号(P6205298)
権利者 アトムメディカル株式会社
発明の名称 児用ベッド構造  
代理人 特許業務法人太陽国際特許事務所  
代理人 特許業務法人太陽国際特許事務所  

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