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審決分類 審判 訂正 特123条1項8号訂正、訂正請求の適否 訂正する A63F
管理番号 1350874
審判番号 訂正2019-390009  
総通号数 234 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-06-28 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2019-01-25 
確定日 2019-03-16 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6443187号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第6443187号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項2及び請求項3について訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第6443187号(以下、「本件特許」という。)は、平成27年3月31日の出願であって、平成30年12月7日に特許権の設定登録がなされ、平成31年1月25日に訂正審判の請求がなされたものである。

第2 請求の趣旨
本件訂正審判請求の趣旨は、本件特許の願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。)、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項2及び3について訂正することを認める、との審決を求めるものである。

第3 訂正の内容
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項2を削除する。

2 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項3を削除する。

3 訂正事項3
本件特許明細書の段落【0007】の内容を削除する。

4 訂正事項4
本件特許明細書の段落【0008】の内容を削除する。

5 訂正事項5
本件特許明細書の段落【0010】の内容を削除する。

6 訂正事項6
本件特許明細書の段落【0011】の内容を削除する。

第4 当審の判断
1 訂正事項1、2について
(1)訂正の目的について
本件特許の特許請求の範囲には請求項1?3があるところ、訂正事項1、2は、訂正前の請求項2、3を削除する訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。

(2)新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項1、2は、訂正前の請求項2、3を削除する訂正であるから、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件特許明細書等」という。)のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
また、訂正事項1、2は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項1、2は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

2 訂正事項3?6について
(1)訂正の目的について
訂正事項3?6は、本件特許明細書の段落【0007】、【0008】、【0010】、【0011】の記載を、上記第3「1 訂正事項1」、「2 訂正事項2」による請求項2、3を削除する訂正に伴い、整合性を図るために削除する訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。

(2)新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項3?6は、請求項2、3を削除する訂正に伴い、整合性を図るために削除する訂正であるから、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
また、訂正事項3?6は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項3?6は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

3 独立特許要件について
訂正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができない理由を発見することはできない。
したがって、訂正事項1?2は、特許法第126条第7項の規定に適合する。

第5 むすび
したがって、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第1号又は第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5?7項の規定に適合する。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機において、遊技球が流下可能な遊技領域を有した遊技盤に遊技球が入球可能な始動口が設けられ、その始動口への遊技球の入賞に基づいて、遊技の抽選を実行して、その抽選結果を示す演出が所定期間実行される遊技機が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-219617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この種のパチンコ機においては、さらに好適な遊技が求められていた。
【0005】
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、さらに好適な遊技を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、演出を実行する演出実行手段と、遊技者の操作動作を非接触で検出することが可能な検出手段と、その検出手段により前記操作動作が検出された場合に、前記演出実行手段により特定の演出を実行させる演出可変手段と、を有し、前記検出手段は、前記操作動作を検出可能な第1検出領域とその第1検出領域の一部である共有検出領域を含む第2検出領域とを少なくとも有し、前記共有検出領域が形成されることを禁止する禁止位置と、前記共有検出領域が形成されることを許可する許可位置とに可変することが可能な可変部材と、その可変部材を前記禁止位置と前記許可位置とに可変制御する可変制御手段と、前記第1検出領域と前記第2検出領域とのどちらで前記検出手段により検出されたかを判別する判別手段と、を有し、前記演出可変手段は、前記禁止位置に前記可変部材が可変されている場合には、前記判別手段による前記第1検出領域と前記第2検出領域とのどちらか一方で検出された判別結果に基づいて、それぞれ対応する前記特定の演出に可変させるものである。
【0007】(削除)
【0008】(削除)
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の遊技機によれば、演出を実行する演出実行手段と、遊技者の操作動作を非接触で検出することが可能な検出手段と、その検出手段により前記操作動作が検出された場合に、前記演出実行手段により特定の演出を実行させる演出可変手段と、を有し、前記検出手段は、前記操作動作を検出可能な第1検出領域とその第1検出領域の一部である共有検出領域を含む第2検出領域とを少なくとも有し、前記共有検出領域が形成されることを禁止する禁止位置と、前記共有検出領域が形成されることを許可する許可位置とに可変することが可能な可変部材と、その可変部材を前記禁止位置と前記許可位置とに可変制御する可変制御手段と、前記第1検出領域と前記第2検出領域とのどちらで前記検出手段により検出されたかを判別する判別手段と、を有し、前記演出可変手段は、前記禁止位置に前記可変部材が可変されている場合には、前記判別手段による前記第1検出領域と前記第2検出領域とのどちらか一方で検出された判別結果に基づいて、それぞれ対応する前記特定の演出に可変させるものである。よって、より好適な遊技を提供できるという効果がある。
【0010】(削除)
【0011】(削除)
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】 第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。
【図2】 パチンコ機の遊技盤の正面図である。
【図3】 パチンコ機の背面図である。
【図4】 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】 動作ユニットの正面斜視図である。
【図6】 動作ユニットの分解正面斜視図である。
【図7】 動作ユニットの正面図である。
【図8】 動作ユニットの正面図である。
【図9】 回転体昇降ユニットの正面図である。
【図10】 回転体昇降ユニットの分解正面斜視図である。
【図11】 回転体昇降ユニットの分解背面斜視図である。
【図12】 中央ユニットの分解正面斜視図である。
【図13】 中央ユニットの分解背面斜視図である。
【図14】 左ユニットの分解正面斜視図である。
【図15】 左ユニットの分解背面斜視図である。
【図16】 右ユニットの分解正面斜視図である。
【図17】 収容体の分解正面斜視図である。
【図18】 (a)は、図17の矢印XVIIIa方向視における収容体の側面図であり、(b)は、図18(a)の矢印XVIIIb方向視における収容体の正面図である。
【図19】 第1回転体の分解正面斜視図である。
【図20】 第1回転体および第2回転体の図形の組み合わせを示すテーブルである。
【図21】 第1回転体および第2回転体が回転される際の遷移状態を示す第1回転体および第2回転体の側面模式図である。
【図22】 第1回転体および第2回転体が回転される際の遷移状態を示す第1回転体および第2回転体の側面模式図である。
【図23】 中央遊動ユニットの正面図である。
【図24】 中央遊動ユニットの分解正面斜視図である。
【図25】 中央遊動ユニットの分解背面斜視図である。
【図26】 第1部材の分解正面斜視図である。
【図27】 第1部材の分解背面斜視図である。
【図28】 左右回転ユニットの正面図である。
【図29】 左右回転ユニットの分解正面斜視図である。
【図30】 左右回転ユニットの分解背面斜視図である。
【図31】 (a)から(c)は、中央遊動ユニットの正面図である。
【図32】 (a)から(c)は、中央遊動ユニットの断面背面図である。
【図33】 (a)から(c)は、中央遊動ユニットの正面図である。
【図34】 (a)から(c)は、中央遊動ユニットの正面図である。
【図35】 (a)から(c)は、中央遊動ユニットの断面背面図である。
【図36】 (a)から(c)は、中央遊動ユニットの断面背面図である。
【図37】 (a)から(c)は、下降位置に配置された中央遊動ユニットの正面図である。
【図38】 (a)から(c)は、中央遊動ユニットの断面背面図である。
【図39】 (a)から(c)は、下降位置に配置された中央遊動ユニットの正面図である。
【図40】 (a)から(c)は、中央遊動ユニットの断面背面図である。
【図41】 (a)は、中央遊動ユニットおよび左右回転ユニットの正面図であり、(b)は、中央遊動ユニット及び左右回転ユニットの上面図であり、(c)は、図41(b)のXLIc-XLIc線における中央遊動ユニット及び左右回転ユニットの断面背面図である。
【図42】 (a)は、左右センサ装置の正面図であり、(b)は、図42(a)のXLIIb-XLIIb線における左右センサ装置の断面図である。
【図43】 (a)は、左右センサ装置の正面図であり、(b)は、図43(a)のXLIIIb-XLIIIb線における左右センサ装置の断面図である。
【図44】 (a)は、左右センサ装置の正面図であり、(b)は、図44(a)のXLIVb-XLIVb線における左右センサ装置の断面図である。
【図45】 (a)は、左右センサ装置の正面図であり、(b)は、図45(a)のXLVb-XLVb線における左右センサ装置の断面図である。
【図46】 (a)及び(b)は、ガラスユニットの板ガラスの部分拡大上面図である。
【図47】 (a)は、第2実施形態における収容体の側面図であり、(b)は、図47(a)の矢印XLVIIb方向視における収容体の正面図である。
【図48】 第1回転体および第2回転体の図形の組み合わせを示すテーブルである。
【図49】 第1回転体および第2回転体が回転される際の遷移状態を示す第1回転体および第2回転体の側面模式図である。
【図50】 第1回転体および第2回転体が回転される際の遷移状態を示す第1回転体および第2回転体の側面模式図である。
【図51】 (a)は、第3実施形態における収容体の側面図であり、(b)は、図51(a)の矢印LIb方向視における収容体の正面図である。
【図52】 第1回転体および第2回転体の図形の組み合わせを示すテーブルである。
【図53】 第1回転体および第2回転体が回転される際の遷移状態を示す第1回転体および第2回転体の側面模式図である。
【図54】 第1回転体および第2回転体が回転される際の遷移状態を示す第1回転体および第2回転体の側面模式図である。
【図55】 (a)は、第4実施形態における中央遊動ユニットの上面図であり、(b)は、図55(a)の矢印LVb方向視における中央遊動ユニットの背面図であふぃ、(c)は、図55(a)の状態からアーム体が下方へ回転された状態における中央遊動ユニットの背面図である。
【図56】 (a)は、第5実施形態における中央遊動ユニットおよび左右回転ユニットの正面図であり、(b)は、中央遊動ユニットおよび左右回転ユニットの断面背面図である。
【図57】 (a)は、中央遊動ユニットおよび左右回転ユニットの正面図であり、(b)は、中央遊動ユニットおよび左右回転ユニットの断面背面図である。
【図58】 (a)は、枠ボタンを模式的に示す模式図であり、(b)は、選択スイッチを模式的に示す模式図である。
【図59】 第1制御例における表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図である。
【図60】 第1制御例における表示画面に表示される演出の一例を示す模式図である。
【図61】 第1制御例における表示画面に表示される演出の一例を示す模式図である。
【図62】 (a)は、第1制御例における表示画面に表示される演出の一例を示す模式図であり、(b)は、第1制御例における表示画面に表示される演出の一例を示す模式図である。
【図63】 第1制御例における表示画面に表示される演出の一例を示す模式図である。
【図64】 第1制御例における各種カウンタの概要を示す図である。
【図65】 (a)は、第1制御例における主制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第1制御例における主制御装置内のRAMの電気的構成を示すブロック図である。
【図66】 (a)は、第1当たり乱数カウンタC1と特別図柄の大当たりの判定値との対応関係を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1当たり種別カウンタCS2と大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄の当たりの判定値との対応関係を模式的に示した模式図である。
【図67】 (a)は、変動パターン選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、大当たり時における変動種別カウンタCS1と変動種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、外れ時(通常)における変動種別カウンタCS1と変動種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(d)は、外れ時(確変)における変動種別カウンタCS1と変動種別との対応関係を模式的に示した模式図である。
【図68】 (a)は、第1制御例における音声ランプ制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第1制御例における音声ランプ制御装置内のRAMの電気的構成を示すブロック図である。
【図69】 (a)は、第1制御例における変動パターン選択テーブルAの内容を模式的に示す模式図であり、(b)は、第1制御例における変動パターン選択テーブルBの内容を模式的に示す模式図である。
【図70】 第1制御例における変動パターン選択テーブルCの内容を模式的に示す模式図である。
【図71】 (a)は、第1制御例における魚群予告選択テーブルの内容を模式的に示す模式図であり、(b)は、第1制御例における揺れ動作テーブルの内容を模式的に示す模式図である。
【図72】 第1制御例における表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図73】 第1制御例における表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。
【図74】 第1制御例における転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。
【図75】 第1制御例における描画リストの一例を模式的に示した模式図である。
【図76】 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図77】 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。
【図78】 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理を示したフローチャートである。
【図79】 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。
【図80】 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。
【図81】 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。
【図82】 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。
【図83】 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。
【図84】 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
【図85】 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
【図86】 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される時間設定処理を示したフローチャートである。
【図87】 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
【図88】 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
【図89】 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動パターン選択処理を示したフローチャートである。
【図90】 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される予告選択処理を示したフローチャートである。
【図91】 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。
【図92】 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される同期演出管理処理を示したフローチャートである。
【図93】 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される音量設定処理を示したフローチャートである。
【図94】 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される左右選択処理を示したフローチャートである。
【図95】 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される揺れ制御処理を示したフローチャートである。
【図96】 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される枠ボタン入力監視・演出処理を示したフローチャートである。
【図97】 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるSW演出制御処理を示したフローチャートである。
【図98】 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される特殊SW演出制御処理を示したフローチャートである。
【図99】 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるタッチセンサ制御処理を示したフローチャートである。
【図100】 第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
【図101】 第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるブート処理を示すフローチャートである。
【図102】 (a)は、第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。
【図103】 第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
【図104】 (a)は、第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示したフローチャートである。
【図105】 第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。
【図106】 第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。
【図107】 第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される警告画像設定処理を示したフローチャートである。
【図108】 第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。
【図109】 (a)は、第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される転送設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される常駐画像転送設定処理を示したフローチャートである。
【図110】 第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される通常画像転送設定処理を示したフローチャートである。
【図111】 第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートである。
【図112】 (a)?(b)は、第2制御例における第3図柄表示装置に表示される表示態様の一例を示した図である。
【図113】 (a)は、第2制御例における音声ランプ制御装置におけるROMの内容の一部を模式的に示した模式図であり、(b)は、第2制御例における音声ランプ制御装置におけるRAMの内容の一部を模式的に示した模式図である。
【図114】 第2制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理2を示したフローチャートである。
【図115】 第2制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるリール制御処理を示したフローチャートである。
【図116】 第2制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動パターン選択処理2を示したフローチャートである。
【図117】 第2制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。
【図118】 第3制御例における表示画面に表示される演出の一例を示す模式図である。
【図119】 第3制御例における時間演出を実行するタイミングを示したタイミングチャートである。
【図120】 (a)及び(b)は、図119の期間A1における第3図柄表示装置で表示される演出画面を模式的に示した図である。
【図121】 (a)及び(b)は、図119の期間Bにおける第3図柄表示装置で表示される演出画面を模式的に示した図である。
【図122】 (a)及び(b)は、第3制御例における第3図柄表示装置で表示される揺れ演出の演出画面を模式的に示した図である。(b)は(a)の別例である。
【図123】 (a)は、第3制御例における音声ランプ制御装置のROMの内容を模式的に示した図であり、(b)は、第3制御例における主制御装置のRAMの内容を模式的に示した図である。
【図124】 第3制御例における回転体動作テーブルの一例を模式的に示した模式図である。
【図125】 (a)は、第3制御例における犬種選択テーブルの内容を模式的に示した図であり、(b)は、第3制御例における揺れ動作テーブル2を模式的に示した図である。
【図126】 第3制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
【図127】 第3制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理2を示すフローチャートである。
【図128】 第3制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される入賞時演出変更処理を示すフローチャートである。
【図129】 第3制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される先読みリール表示演出処理を示すフローチャートである。
【図130】 第3制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される音量設定処理2を示すフローチャートである。
【図131】 第3制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される音量設定期間管理処理を示すフローチャートである。
【図132】 第3制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される特殊演出処理を示すフローチャートである。
【図133】 第3制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される揺れ制御処理2を示すフローチャートである。
【図134】 (a)、(b)は、第3制御例におけるリールシナリオテーブルの内容を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図39を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
【0014】
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
【0015】
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
【0016】
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14および下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14および下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
【0017】
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラス16aを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
【0018】
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
【0019】
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29?33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29?33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29?33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
【0020】
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29?33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
【0021】
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
【0022】
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
【0023】
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
【0024】
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
【0025】
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、第3入賞口82、可変入賞装置65、第1スルーゲート66、第2スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は薄い板材を張り合わせた木材からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に目視できないように形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、第3入賞口82、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側からタッピングネジ等により固定されている。
【0026】
遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
【0027】
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
【0028】
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
【0029】
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLEDおよび7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640および第3入賞口82へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640および第3入賞口82へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
【0030】
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
【0031】
なお、本パチンコ機10では、第1入賞口64,第2入賞口640,第3入賞口82,のいずれかに入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
【0032】
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
【0033】
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
【0034】
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640および第3入賞口82に付随する第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
【0035】
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640および第3入賞口82に付随する第1電動役物640aおよび第2電動役物82aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640および第3入賞口82に付随する第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが開放される時間および1回の当たりで第1電動役物640a及び第2電動役物82aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640および第3入賞口82に付随する第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが開放される時間や、1回の当たりで第1電動役物640aおよび第2電動役物82を開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
【0036】
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64、第2入賞口640、第3入賞口82のいずれかの入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、第1スルーゲート66および第2スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。
【0037】
また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。このセンターフレーム86の中央に開口される開口部から第3図柄表示装置81が視認可能とされる。また、後述する回転体昇降ユニット300,中央遊動ユニット400および左右回転ユニット500が動作されると、それらの相対変位部材450や従動部材560の少なくとも一部がセンターフレーム86の開口部内に張り出し、開口部を介して視認可能とされる。
【0038】
第3図柄表示装置81は15インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中および下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
【0039】
第2図柄表示装置は、球が第1スルーゲート66および第2スルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が第1スルーゲート66および第2スルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
【0040】
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640および第3入賞口82に付随された第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
【0041】
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640および第3入賞口82の第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
【0042】
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する第1電動役物640aおよび第2電動役物82aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640および第3入賞口へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する第1電動役物640aおよび第2電動役物82aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
【0043】
第1スルーゲート66は、可変表示装置ユニット80の左側の領域において遊技盤に組み付けられ、第2スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の右側の領域において遊技盤に組み付けられる。第1スルーゲート66および第2スルーゲート67は、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤を流下する球の一部が通過可能に構成されている。第1スルーゲート66および第2スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
【0044】
球の第1スルーゲート66および第2スルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
【0045】
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第1スルーゲート66および第2スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートの組み付け数は2つに限定されるものではなく、3つ以上の複数であっても良い。また、スルーゲートの組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右両側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
【0046】
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
【0047】
一方、第1入賞口64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。また、第1入賞口64の正面視右方には、第3入賞口82が配設されている。これら、第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
【0048】
また、第1入賞口64,第2入賞口640,第3入賞口82は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
【0049】
第2入賞口640には第1電動役物640aが付随されている。この第1電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は第1電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、第1スルーゲート66または第2スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、第1電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
【0050】
また、第3入賞口82には第2電動役物82aが付随されている。この第2電動役物82aは開閉可能に構成されており、通常は第2電動役物82aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第3入賞口82へと入賞しにくい状態となっている。一方、第1スルーゲート66または第2スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、第2電動役物82aが開放状態(拡大状態)となり、球が第3入賞口82へ入賞しやすい状態となる。
【0051】
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中または時短中は、第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中または時短中は、通常時と比して、第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
【0052】
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640および第3入賞口82にあるような第1電動役物640aおよび第2電動役物82aは有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
【0053】
よって、通常中においては、第2入賞口640および第3入賞口82に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640および第3入賞口82に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
【0054】
一方、確変中や時短中は、第2スルーゲート67に球を通過させることで、第3入賞口82に付随する第2電動役物82aが開放状態となりやすく、第3入賞口82に入賞しやすい状態であるので、第3入賞口82へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第2スルーゲート67を通過させて第2電動役物82aを開放状態にすると共に、第3入賞口82への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
【0055】
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
【0056】
なお、上記した形態に限らず、第1スルーゲート66および第2スルーゲート67のどちらかは、球が通過した場合、第2図柄とは別の図柄の当たり抽選をしてもよく、その別の図柄の抽選によって、第3入賞口82に付随する第2電動役物82aまたは、第2入賞口640に付随する第1電動役物640aが開放状態に変位するものとしてもよい。この場合、第1スルーゲート66と第2スルーゲート67に球が通過することで抽選する図柄は異なるため、第1スルーゲート66および第2スルーゲート67を球が通過して開放する電動役物はどちらか一方ずつに選択されることになる。
【0057】
これにより、例えば、第2図柄に当たりが選択されると第2電動役物82aが開放するとした場合、球を右打ちして第2スルーゲート67を通過させると、第2図柄が抽選され、第2図柄の抽選に当たりが選択されると第2電動役物82aが開放し、球を左打ちして第1スルーゲート66を通過させると、第2図柄とは別の図柄が抽選され、第2図柄とは別の図柄に当たりが選択されると第1電動役物640aが開放する遊技状態とできる。
【0058】
よって、確変中に第2図柄の抽選が当たり易い遊技状態とし、時短中には第2図柄とは別の図柄が当たりやすい遊技状態とすると、確変中は、右打ちして第2スルーゲート67を通過させ第2電動役物82aを開放して球を入賞させ易い遊技状態と、時短中は、左打ちして第1スルーゲート66を通過させ第1電動役物を開放して球を入賞し易い遊技状態にできる。そのため、通常中と時短中と確変中の遊技状態をそれぞれ違った遊技状態にできるので、遊技者にそれぞれの遊技状態を楽しませることができる。
【0059】
また、他には、第2図柄に当たりが選択されると第2電動役物82aが開放するとした場合、球を右打ちして第2スルーゲート67を通過させると、第2図柄とは別の図柄が抽選され、第2図柄とは別の図柄の抽選に当たりが選択されると第1電動役物640aが開放し、球を左打ちして第1スルーゲート66を通過させると、第2図柄が抽選され、第2図柄に当たりが選択されると第2電動役物82aが開放する遊技状態にもできる。
【0060】
この場合は、確変中および時短中にかかわらず、右打ちして球が第2スルーゲート67を通過すると第1電動役物を開放し、球を第2入賞口640に入賞し易い遊技状態と、左打ちして球が第1スルーゲート66を通過すると第2電動役物82aを開放し球を第3入賞口82に入賞し易い遊技状態とできる。よって、遊技者は、右打ちから左打ちまたは、左打ちから右打ちといった打ち方の変更をする必要がある。そのため、遊技者に対して、随時打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
【0061】
第1入賞口64の右側には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64,第2入賞口64,第3入賞口82,のいずれかの入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
【0062】
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
【0063】
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
【0064】
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の上方右側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
【0065】
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
【0066】
遊技盤13には、第1アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640,82,にも入賞しなかった球は、第1アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口71は、第1入賞口64の下方に配設される。
【0067】
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
【0068】
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
【0069】
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
【0070】
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114、払出制御装置111および発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100?104に収納されている。基板ボックス100?104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
【0071】
また、基板ボックス100(主制御装置110)および基板ボックス102(払出制御装置111および発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
【0072】
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
【0073】
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
【0074】
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
【0075】
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
【0076】
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
【0077】
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
【0078】
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
【0079】
主制御装置110のMPU201には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
【0080】
また、入出力ポート205には、各入賞口への球の入賞を検出するスイッチ(センサ)または各種ゲートを球が通過したことを検出するスイッチ(センサ)や不正行為を検出するスイッチ(センサ)といった各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
【0081】
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
【0082】
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
【0083】
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
【0084】
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
【0085】
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29?33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
【0086】
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22、各種演出に用いられるスイッチ(センサ)群や各種可変部材(可動役物)の動作を監視するスイッチ(センサ)群からなる各種スイッチ、各種可変部材(可動役物)を駆動させる駆動モータ420,530,630等からなるモータなどがそれぞれ接続されている。その他装置228には、駆動モータが含まれる。
【0087】
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
【0088】
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
【0089】
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113および第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
【0090】
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110?114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧およびバックアップ電圧を各制御装置110?114等に対して必要な電圧を供給する。
【0091】
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201および払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110および払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110および払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110および払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
【0092】
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
【0093】
次いで、図5から図8を参照して、動作ユニット200の概略構成について説明する。図5は、動作ユニット200の正面斜視図であり、図6は、動作ユニット200の分解正面斜視図である。また、図7及び図8は、動作ユニット200の正面図である。
【0094】
なお、図7では、回転体昇降ユニット300が下降位置に、中央遊動ユニット400が上昇位置に、左右回転ユニット500が退避位置に、それぞれ配置された状態が図示され、図8では、回転体昇降ユニット300が上昇位置に、中央遊動ユニット400が下降位置に、左右回転ユニット500が張出位置に、それぞれ配置された状態が図示される。
【0095】
図5から図8に示すように、動作ユニット200は、箱状に形成される背面ケース210を備え、その背面ケース210の内部空間には、その上方および下方に回転体昇降ユニット300および中央遊動ユニット400がそれぞれ配設されると共に、中央遊動ユニット400を挟んで左右に一対の左右回転ユニット500及び左右センサ装置600が配設される。
【0096】
背面ケース210は、底壁部211及びその底壁部211の外縁から立設される外壁部212を備え、これら各壁部211,212により一面側(図6紙面左手前側)が開放された箱状に形成される。背面ケース210の底壁部211には、その中央に矩形状の開口211aが開口形成され、背面ケース210が正面視矩形の枠状に形成される。なお、開口211aは、第3図柄表示装置81(図2参照)の外形に対応した(即ち、第3図柄表示装置81を配設可能な)大きさに形成される。
【0097】
回転体昇降ユニット300は、複数(本実施形態では3個)が幅方向に並設される箱状の収容体330と、それら各収容体330にそれぞれ収容される複数(本実施形態では2個)の回転体(第1回転体340a及び第2回転体340b)とを主に備える。
【0098】
複数の収容体330は、それぞれ独立して上下方向(図7及び図8の上下方向)に昇降可能に形成される。この場合、下降位置では(図7参照)、第1回転体340a及び第2回転体340bが遊技盤13の背面側に配置され遊技者から視認不能とされる。一方、上昇位置では(図8参照)、第1回転体340a及び第2回転体340bが遊技盤13(センターフレーム86)の開口部まで上昇され、かかる開口部を介して遊技者が視認可能とされる。
【0099】
第1回転体340a及び第2回転体340bは、収容体330に回転可能に軸支され、その回転により外周面に描かれた複数(本実施形態では3個)の図形を順に遊技者に視認させる。なお、第1回転体340a及び第2回転体340bは、断面三角形の柱状体として形成され、外周の3面にそれぞれ異なる図形が描かれる。
【0100】
本実施形態では、第1回転体340a及び第2回転体340bの駆動源を1の駆動モータ350で共用して、部品コストを削減可能としつつも、これら第1回転体340a及び第2回転体340bの図形の組み合わせを変更可能として、合計9種類の組み合わせを遊技者に視認させることができる(図20参照)。なお、詳細については後述する。
【0101】
中央遊動ユニット400は、ベース体410と、そのベース体410に基端側が回転可能に軸支される一対のアーム体430と、それら一対のアーム体430の基端側と反対側となる先端側がそれぞれ相対変位可能に連結される第1部材440とを備える(図23参照)。
【0102】
一対のアーム体430は、それぞれ別々の駆動モータ450により駆動され、互いに独立して変位(回転)可能に形成される。これにより、第1部材440を、上下方向に沿った直線状の昇降だけでなく、直線運動と回転運動とを組み合わせた態様で遊動させることができると共にその遊動を取り入れつつ昇降させることができ、第1部材440の動きに変化を与えることができる(図31から図34参照)。なお、詳細については後述する。
【0103】
左右回転ユニット500は、回転体昇降ユニット300の正面ベース315,317及び中央遊動ユニット400のベース体410の前面に配設されるベース(背面ベース511及び正面ベース512)と、そのベース体410に基端側が回転可能に軸支される変位部材530とを備える(図29参照)。変位部材530は、遊技盤13の背面側に退避して遊技者から視認不能とされる退避位置(図7参照)と、遊技盤13(センターフレーム86)の開口部内に張り出す張出位置(図8参照)との間で回転される。この場合、変位部材530は、張出位置に配置されることで、第1部材440に当接してその動きを規制可能に形成される(図41参照)。なお、詳細については後述する。
【0104】
左右センサ装置600は、背面ケース210の開口211aを挟んで左右に配設される第1センサ610及び第2センサ620を備える。これら第1センサ610及び第2センサ620は、光を照射する発光部およびその発光部から照射され対象物F(図46参照)から反射された光を受光する受光部を備える光センサとして形成され、ガラスユニット16の板ガラス16aの前方における遊技者の手指の有無を検出可能に形成される。
【0105】
第1センサ610は、回転体昇降ユニット300の中央ユニット300Cにおける正面ベース312の上端側に配設され(図9参照)、第2センサ620は、背面ケース210の底壁部211に配設される。この場合、第1センサ610及び第2センサ620は、互いに発光部および受光部を内側へ向けた傾斜姿勢で配設される。よって、遊技盤13(センターフレーム86)の開口部を挟んでそれぞれ開口部の内縁よりも幅方向の奥まった位置(幅方向外側となる位置)に配設されることができ、遊技者から視認され難くできる。
【0106】
次いで、図9から図46を参照して、回転体昇降ユニット300、中央遊動ユニット400、左右回転ユニット500及び左右センサ装置600の詳細構成を説明する。まず、図9から図22を参照して、回転体昇降ユニット300の詳細構成について説明する。
【0107】
図9は、回転体昇降ユニット300の正面図である。また、図10は、回転体昇降ユニット300の分解正面斜視図であり、図11は、回転体昇降ユニット300の分解背面斜視図である。
【0108】
図9から図11に示すように、回転体昇降ユニット300は、中央の収容体330を昇降させるための中央ユニット300Cと、左右の収容体330をそれぞれ昇降させるための左ユニット300L及び右ユニット300Rとの3ユニットから形成される。左ユニット300Lは、中央ユニット300Cの前面側に重ね合わされ、右ユニット300Rは、中央ユニット300Cの右側端部に連結され、これにより、3個の収容体330が幅方向に並設される。
【0109】
ここで、図12から図19を参照して、中央ユニット300C、左ユニット300L及び右ユニット300Rの詳細構成について説明する。まず、中央ユニット300Cについて、図12及び図13を参照して説明する。図12は、中央ユニット300Cの分解正面斜視図であり、図13は、中央ユニット300Cの分解背面斜視図である。
【0110】
図12及び図13に示すように、中央ユニット300Cは、正面視L字状の背面ベース311と、その背面ベース311の正面側に重ね合わされる正面ベース312と、その正面ベース312の正面側に配設される駆動モータ320と、その駆動モータ320の駆動力により背面ベース311及び正面ベース312に対して昇降される収容体330と、その収容体330に収容される第1回転体340a及び第2回転体340bと、背面ベース311及び正面ベース312の対向面間に収容され駆動モータ320の駆動力を収容体330に伝達する伝達機構と、を主に備える。
【0111】
中央ユニット300Cにおける伝達機構は、駆動モータ320の駆動軸に固着される駆動ギヤ321と、その駆動ギヤ321に歯合される伝達ギヤ322と、その伝達ギヤ322に歯合されるピニオンギヤ323と、そのピニオンギヤ323に歯合されると共に平板状の部材の側面に歯切りがされたラックとして形成されるラックギヤ324と、そのラックギヤ324が一側に配設されると共に他側に収容体330が配設される連結部材325とを備える。
【0112】
背面ベース311の正面には、一対の軸が突設され、これら各軸に伝達ギヤ322及びピニオンギヤ323が回転可能に軸支される。また、背面ベース311の正面には、スライドガイド351,352が案内方向を上下方向(図12上下方向)とする姿勢で平行に配設され、これらスライドガイド351,352によって連結部材325(ラックギヤ324)及び収容体330が上下方向に案内される。即ち、連結部材325及び収容体330の移動方向が上下方向に規制される。
【0113】
よって、駆動モータ320の回転駆動力が、駆動ギヤ321及び伝達ギヤ322を介してピニオンギヤ323に伝達され、ピニオンギヤ323が回転されると、そのピニオンギヤ323の回転運動がラックギヤ324の直線運動に変換され、そのラックギヤ324の直線運動に伴って、連結部材325と共に収容体330が上下方向に変位(昇降)される(図7及び図8参照)。
【0114】
この場合、連結部材325は、ラックギヤ324が配設される縦長形状の部分と、収容体330が配設される縦長形状の部分とを、それらの下端側どうしを横長形状の部分で連結することで、正面視コ字状に形成される。これにより、左の収容体330が下降位置に配置された状態で、中央の収容体330が上昇位置に配置された場合でも、連結部材325の横長形状の部分を正面ベース312の背面に位置させ、遊技者から視認されることを回避できる。
【0115】
なお、スライドガイド351は、背面ベース311の正面に形成される案内溝と、その案内溝に沿って摺動可能に形成されると共に連結部材325の背面に固着される摺動体とからなる直線案内機構として形成される。後述する左ユニット300L及び右ユニット300Rにおいても同様である。また、スライドガイド352は、背面ベース311に固着される第1レールと、連結部材325又は収容体330に固着される第2レールと、それら第1レール及び第2レールの間に介在され両者の長手方向への相対変位を許容するための中間レールとからなる伸縮式の直線案内機構として形成される。
【0116】
ここで、中央の収容体330の側方(図12左側)には、左の収容体330が並設されることから(図9参照)、その分、連結部材325の横幅(図12左右方向)寸法が長くなる。更に、上述した通り、遊技者からの視認を回避するために、横長形状の部分が介在されるため、連結部材325が正面視コ字状に形成され、その剛性が低下される。そのため、中央の収容体330の姿勢が不安定となりやすい(左右方向への揺れが発生しやすい)。
【0117】
これに対し、本実施形態では、中央の収容体330の背面側には、伸縮式の直線案内機構(スライドガイド352)を配設するので、中央の収容体330が上昇位置に配置された状態でも、伸長したスライドガイド352により左右方向への揺れを規制して、中央の収容体330の姿勢を安定させることができる。一方で、中央の収容体330が下降位置に配置された状態では(図9参照)、スライドガイド352を短縮させ、遊技者から視認されることを回避できる。
【0118】
次いで、左ユニット300Lについて、図14及び図15を参照して説明する。図14は、左ユニット300Lの分解正面斜視図であり、図15は、左ユニット300Lの分解背面斜視図である。
【0119】
図14及び図15に示すように、左ユニット300Lは、正面視縦長に形成され中央ユニット300Cの正面ベース312(図12参照)の正面に配設される背面ベース313と、その背面ベース313の正面側に重ね合わされる中間ベース314と、その中間ベース314の正面側に重ね合わされる正面ベース315と、中間ベース314の背面側に配設される駆動モータ320と、その駆動モータ320の駆動力により各ベース313?315に対して昇降される収容体330と、その収容体330に収容される第1回転体340a及び第2回転体340bと、各ベース313?315の各対向面間に収容され駆動モータ320の駆動力を収容体330に伝達する伝達機構と、を主に備える。
【0120】
左ユニット300Lにおける伝達機構は、駆動モータ320の駆動軸に固着される駆動ギヤ321と、その駆動ギヤ321に歯合される伝達ギヤ322a,322bと、伝達ギヤ322bに同軸に固着されるピニオンギヤ323と、そのピニオンギヤ323に歯合されると共に平板状の部材の側面に歯切りがされたラックとして形成されるラックギヤ324と、そのラックギヤ324を収容体330に連結する連結部材326とを備える。
【0121】
中間ベース314の正面には、軸が突設され、この軸に伝達ギヤ322aが回転可能に軸支される。また、中間ベース314には、軸支孔が穿設され、その軸支孔に伝達ギヤ322b及びピニオンギヤ323が同軸に固着された状態で回転可能に軸支される。
【0122】
背面ベース313の正面には、スライドガイド351が案内方向を上下方向(図14上下方向)とする姿勢で配設され、このスライドガイド351によって連結部材326(ラックギヤ324)が上下方向に案内される。また、中央ユニット300の正面ベース312(図12参照)の正面には、ガイド板353が締結固定される。ガイド板353には、長穴状の開口である案内溝353aが上下方向に沿って延設され、この案内溝353aには、収容体330の下端側に位置する突出ピンがカラーCを介して内挿される。よって、収容体330は、ガイド板353の案内溝353aに沿って上下方向に案内される。即ち、連結部材326及び収容体330の移動方向が上下方向に規制される。
【0123】
よって、駆動モータ320の回転駆動力が、駆動ギヤ321及び伝達ギヤ322a,322bを介してピニオンギヤ323に伝達され、ピニオンギヤ323が回転されると、そのピニオンギヤ323の回転運動がラックギヤ324の直線運動に変換され、そのラックギヤ324の直線運動に伴って、連結部材326と共に収容体330が上下方向に変位(昇降)される(図7及び図8参照)。
【0124】
次いで、右ユニット300Rについて、図16を参照して、説明する。図16は、右ユニット300Rの分解正面斜視図である。
【0125】
図16に示すように、右ユニット300Lは、正面略L字状に形成され中央ユニット300Cの背面ベース311(図12参照)の右側端部に連結される配設される背面ベース316と、その背面ベース313の正面側に重ね合わされる正面ベース317と、正面ベース317の正面側に配設される駆動モータ320と、その駆動モータ320の駆動力により背面ベース316及び正面ベース317に対して昇降される収容体330と、その収容体330に収容される第1回転体340a及び第2回転体340bと、背面ベース316及び正面ベース317の対向面間に収容され駆動モータ320の駆動力を収容体330に伝達する伝達機構と、を主に備える。
【0126】
右ユニット300Rにおける伝達機構は、駆動モータ320の駆動軸に固着される駆動ギヤ321と、その駆動ギヤ321に歯合されるピニオンギヤ323と、そのピニオンギヤ323に歯合されると共に平板状の部材の側面に歯切りがされたラックとして形成されるラックギヤ324と、そのラックギヤ324を収容体330に連結する連結部材327とを備える。
【0127】
背面ベース316の正面には、軸が突設され、この軸にピニオンギヤ324が回転可能に軸支される。背面ベース316の正面には、スライドガイド351が案内方向を上下方向(図16上下方向)とする姿勢で配設され、このスライドガイド351によって連結部材327(ラックギヤ324)が上下方向に案内される。また、正面ベース316には、長穴状の開口である案内溝316aが上下方向に沿って延設され、この案内溝316aには、収容体330の下端側に位置する突出ピンがカラー(図示せず)を介して内挿される。よって、収容体330は、背面ベース316の案内溝316aに沿って上下方向に案内される。即ち、連結部材327及び収容体330の移動方向が上下方向に規制される。
【0128】
よって、駆動モータ320の回転駆動力が、駆動ギヤ321を介してピニオンギヤ323に伝達され、ピニオンギヤ323が回転されると、そのピニオンギヤ323がラックギヤ324の直線運動に変換され、そのラックギヤ324の直線運動に伴って、連結部材327と共に収容体330が上下方向に変位(昇降)される(図7及び図8参照)。
【0129】
上述したように、中央ユニット300Cでは、連結部材325の横幅寸法が長くなり(図12参照)、中央の収容体330の姿勢が不安定となりやすい(左右方向への揺れが発生しやすい)。これに対し、左ユニット300L及び右ユニット300Rでは、左の収容体330及び右の収容体330の側面の近接する位置にラックギヤ323を設けるので、連結部材326,327の横幅(図14及び図16左右方向)寸法を短くして、その剛性を高めることができる。よって、左右の収容体330の姿勢を安定させる(左右方向や揺れ難くする)ことができる。
【0130】
これに伴って、左右の収容体330の背面側には、伸縮式の直線案内機構(スライドガイド352)を配設する必要がなく、ガイド板353又は背面ベース316の案内溝353a,316aによる案内により十分に姿勢を安定化できる。その結果、部品コストの削減を図ることができる。
【0131】
次いで、収容体330及びその収容体330に収容される第1回転体340a及び第2回転体340bについて、図17から図19を参照して説明する。
【0132】
図17は、収容体330の分解正面斜視図である。また、図18(a)は、図17の矢印XVIIIa方向視における収容体330の側面図であり、図18(b)は、図18(a)の矢印XVIIIb方向視における収容体330の正面図である。なお、図18(a)及び図18(b)では、側壁体332、隔壁体334及び装飾体335が取り外された状態が図示される。
【0133】
図17及び図18に示すように、収容体330は、基体331と、その基体331の左右に配設される左右の側壁体332,333と、左の側壁体332の内面側に配設される隔壁体334と、基体331の前面に配設される装飾体335とを備え、これら各部331?335が締結固定により一体化されることで、箱状に形成される。
【0134】
基体331は、収容体330の背面(図18(b)紙面奥側)、上面および下面(図18(b)上側および下側)を形成する部材であり、3枚の板状の部材を組み合わせて一体に形成される。収容体330の背面を形成する部分には、可視光を反射する鏡として形成される反射部RFが正面に配設される。
【0135】
反射部RFは、正面視矩形状に形成され、第1回転体340a及び第2回転体340bを正面視した場合に、それら両回転体340a,340bよりも少なくとも上下方向に張り出す大きさを有して形成される(図18(b)参照)。
【0136】
側壁体332,333は、収容体330の左右の側面を形成する矩形板状の部材であり、それぞれ2箇所に保持孔332a,333aが穿設される。保持孔332a,333aは、第1回転体340a及び第2回転体340bの後述する固定軸341が挿通される孔であり、かかる固定軸341を回転不能に保持する。なお、保持孔332a,333aは、その内周面の軸直断面形状が、円形からその円周上の2点を直線で接続して区画される一方を取り除いた形状とされる。
【0137】
隔壁体334は、側壁体332と略同一の外形を有する矩形板状の部材であり、側壁体332との対向面間に伝達ギヤ352及び中間ギヤ354を回転可能に軸支する。また、隔壁体334には、第1ギヤ353及び第2ギヤ355を挿通させるための挿通孔334aが2箇所に穿設される。
【0138】
装飾体335は、収容体330の正面を装飾する部材であり、中央に矩形状の開口335aが形成されることで正面視枠状に形成される。遊技者は、開口335を介して第1回転体340a及び第2回転体340bの回転の態様やそれら両回転体340a,340bの外周面に描かれた図形を視認することができる(図9参照)。
【0139】
このように形成される収容体330には、隔壁体334に配設される駆動モータ350と、その駆動モータ320の駆動力により回転される第1回転体340a及び第2回転体340bと、駆動モータ320の駆動力を第1回転体340a及び第2回転体340bに伝達する伝達機構と、第1回転体340aの回転位置を検出する検出機構とが主に収納される。
【0140】
収容体330における伝達機構は、駆動モータ350の駆動軸に固着される駆動ギヤ351と、その駆動ギヤ351に順に歯合される伝達ギヤ352、第1ギヤ353、中間ギヤ354及び第2ギヤ355からなる歯車列とを備える。伝達ギヤ352及び中間ギヤ354は、側壁体332及び隔壁体334の対向面間に回転可能に保持され、第1ギヤ353及び第2ギヤ355は、第1回転体340a及び第2回転体340bの軸方向端面にそれぞれ固着される。
【0141】
ここで、図19を参照して、第1回転体340a及び第2回転体340bの詳細構成について説明する。図19は、第1回転体340aの分解正面斜視図である。
【0142】
なお、第1回転体340aと第2回転体340bとは、外周面に描かれる図形が異なる点を除き、実質的に同一の構成であるので、以下においては、第1回転体340aを代表例として説明し、第2回転体340bの説明は省略する。
【0143】
図19に示すように、第1回転体340aは、固定軸341と、その固定軸341の軸方向両端(軸部341b)に回転可能に軸支される一対の端面板342と、それら一対の端面板342の間に架設される3枚の表示板(第1表示板343A、第2表示板343B及び第3表示板343C)とを主に備える。
【0144】
固定軸341は、胴部341aと、その胴部341aの軸方向両端に連設される軸部341bとを備える。固定軸341は、収容体330の側壁体332,333(図17参照)に回転不能に保持される部位であり、軸方向両端に位置する一対の軸部341aと、一対の軸部341aを接続する胴部341bとを備える。
【0145】
軸部341bは、その軸直断面形状が、円形からその円周上の2点を直線で接続して区画される一方を取り除いた形状(円柱の外周面の一部を平面で面取りした形状)とされ、側壁体332,333の保持孔332a,333a(図17参照)に対して若干小さな相似形状とされる。よって、かかる軸部341bが側壁体332,333の保持孔332a,333aに挿通されることで、固定軸341を収容体330(側壁体332,333)に回転不能に保持することができる。
【0146】
胴部341bには、複数(本実施形態では4個)のLED344が取着され、そのLED344から発光された光を第1表示板343A?第3表示板343Cの内面に照射可能とされる。
【0147】
この場合、胴部341bは、軸部341aが側壁体332,333の保持孔332a,333aに挿通されて回転不能に保持された状態では、LED344の照射方向を収容体330の前面(装飾体335の開口335a、図18(b)紙面手前側の面)へ向けた姿勢(回転位置)で配置される。よって、LED344から発光された光を、第1表示板343A?第3表示板343Cのうちの収容体330の前面(後述する「視認位置」)に配置された表示板の内面に照射することができる。
【0148】
なお、固定軸341(軸部341a、胴部341b)は、軸方向両端が開口した中空の円筒状に形成されるので、かかる内部空間を利用してLED344の配線を取り回すと共にその配線を軸方向端部の開口から収容体330の外部へ引き出すことができる。また、固定軸341は、上述したように、収容体330に対して回転不能とされるので、第1回転体340aが回転されても、LED344の配線に捩じりや引っ張りの外力が作用することを回避できる。
【0149】
端面板342は、正面視三角形状に形成される部材であり、中央に軸直断面が円形の軸支孔342が穿設される。軸支孔342の内径寸法は、固定軸341の軸部341aの外径寸法よりも若干大きな寸法に設定される。よって、軸支孔342aに軸部341aが挿通されることで、固定軸341に対して端面板342が回転可能に軸支される。これにより、端面板342は、固定軸341を介して、収容体330の内部に回転可能に保持される。
【0150】
ここで、固定軸341は、軸部341aよりも胴部341bが大径に形成されるので、収容体330の側壁体332,333と固定軸341の胴部341bとの間で端面板342の軸方向位置を規定できると共に、端面板342を介して固定軸341を一対の側壁体332,333の間で保持できる。
【0151】
一対の端面板342の一方には、伝達機構における第1ギヤ353が、他方には検出機構における後述する基部ギヤ361が、それぞれ固着される。なお、第2回転体340bには、一対の端面板342の一方には、伝達機構における第2ギヤ355が固着されるが、他方への基部ギヤ361の装着は省略される(図17及び図18参照)。
【0152】
第1表示板343A?第3表示板343Cは、それぞれ正面視略矩形の板状の部材であり、長手方向両端の外縁を端面板342の外縁(3辺)にそれぞれ接続することで、一対の端面板342の間に架設され、かかる端面板342と共に三角柱状体を形成する。
【0153】
これら第1表示板343A?第3表示板343Cには、その外面にそれぞれ図形が描かれている。よって、三角柱状体が回転されると、各表示板343A?343Cの外面にそれぞれ描かれた図形が装飾体335の開口335aを介して順に遊技者に視認可能とされる。
【0154】
第1表示板343A?第3表示板343Cの外面の少なくとも一部は、固定軸341の軸方向視において、外方へ凸となる円弧状に湾曲して形成される。これにより、後述するように、第1回転体340aと第2回転体340bとの間に回転位置の所定回転角度(例えば、12度)のずれが存在する状態であっても、各表示板343A?343Cの外面に描かれた図形を視認する遊技者に対し、所定回転角度のずれの認識を困難とさせることができる。
【0155】
なお、本実施形態では、固定軸341の軸方向視において、第1表示板343A?第3表示板343Cの幅方向端部が外方へ凸となる円弧状に湾曲して形成される一方、幅方向中央部分が略平坦面状に形成される。これにより、図形の視認性の確保と、回転体340a,340b間のずれの認識を困難とさせることとの両立を図ることができる。また、湾曲して形成される円弧状部分の円弧の半径は、固定軸341の軸心から各表示板343A?343Cの外面までの最大距離よりも大きくな値(例えば、2倍以上かつ4倍以下)に設定される。
【0156】
ここで、以下においては、三角柱状体が回転される際の第1表示板343A?第3表示板343Cの配設位置として、収容体330の前面(図18(b)紙面手前側の面)に外面を向けその外面に描かれる図形が装飾体335の開口335aを介して遊技者から視認可能となる位置を「視認位置」と称し、収容体330(基体331)の内面に外面を向けその外面に描かれる図形が装飾体335の開口335aを介して遊技者から視認不能となる位置を「遮蔽位置」と称す。
【0157】
よって、例えば、第1表示板343Aが視認位置に配置されると、第2表示板343B及び第3表示板343Cが遮蔽位置に配置される(図18(a)及び図18(b)参照)。この状態から三角柱状体が120度だけ正方向または逆方向へ回転されると、第2表示板343B又は第3表示板343Cの一方が視認位置に配置され、第2表示板343B又は第3表示板343Cの他方と第1表示板343Aとが遮蔽位置に配置される。
【0158】
この場合、本実施形態では、第1表示板343Aは、その全体が光を透過させない形態に形成される一方、第2表示板343B及び第3表示板343Cは、光が透過可能な透過部PNを一部に備えて形成される。また、第1表示板343Aの内面には、可視光を反射する鏡として形成される反射部RFが配設される。
【0159】
上述したように、LED344は、第1表示板343A?第3表示板343Cのうちの視認位置に配置された表示板の内面を照射可能な位置に配置される。よって、視認位置に第2表示板343B又は第3表示板343Cが配置された状態では、LED344から発光された光を、各表示板343B,343Cの透過部PNを透過させて遊技者に直接視認させることができる。
【0160】
一方、視認位置に第1表示板343Aが配置された状態では(図18(a)及び図18(b)参照)、LED344から発光された光を、第1表示板343Aの内面の反射部RFで反射させ、第2表示板343B又は第3表示板343Cの透過部PNを透過させた後、収容体330の基体331における反射部RFで反射させ、この基体331の反射部RFからの反射光として遊技者に間接的に視認させることができる。
【0161】
例えば、第1表示板343Aが視認位置に配置される回転位置で第1回転体340aを停止させ、LED344を発光させることで、収容体330の基体331における反射部RFで反射した反射光を視認した遊技者に、その遊技者から視認不能な位置(遮蔽位置)に配置された第2表示板343B又は第3表示板343Cの図形を連想させることができる。これにより、第2表示板343B又は第3表示板343Cの図形が視認可能となる位置に第1回転体340aが回転されることを遊技者に期待させる又は示唆することができる。
【0162】
特に、本実施形態では、第1回転体340a及び第2回転体340bが断面三角形状に形成されるので、各回転体340a,340bが回転される際には、その回転に伴って、反射板RFと各回転体340a,340bの外面(各表示板343A?343C)との間の間隔、各回転体340a,340bどうしの外面の間の間隔(図18(b)上下方向間隔)、或いは、各回転体340a,340bの見かけの直径(図18(b)上下方向寸法)を増減させることができると共に、反射板RFに対する各回転体340a,340bの外面(各表示板343Aから343C)の対向角度を変化させることができる。即ち、両回転体340a,340bの回転に伴い、LED344から発光され透過部PNから照射された光を、基体441の反射部RFからの反射光として視認する遊技者に対して、その反射光の態様(例えば、光が視認される領域の大きさ)を周期的に変化させることができる。
【0163】
図17及び図18に戻って説明する。検出機構は、第1回転体340aの端面板342に固着される基部ギヤ361と、その基部ギヤ361に歯合される中間ギヤ362と、その中間ギヤ362に歯合されるギヤであって径方向外方に張り出す被検出板363aを備える末端ギヤ363と、その末端ギヤ363の被検出板363aを検出するセンサ装置364とを備える。
【0164】
中間ギヤ362及び末端ギヤ363は、側壁体333に回転可能に保持され、センサ装置364は、被検出板363aの移動軌跡上に検出領域を配置した状態で、基体331に配設される。よって、センサ装置364は、被検出板363aの検出状体に基づいて、第1回転体340aの回転位置を検出することができる。即ち、センサ装置364の検出結果に基づいて、第1回転体340a及び第2回転体340bの回転位置を制御する(例えば、任意位置で停止させる)ことができる。
【0165】
次いで、第1回転体340a及び第2回転体340bの回転動作について説明する。駆動モータ350が回転されると、その回転が伝達機構を介して第1回転体340a及び第2回転体340bに伝達され、これら両回転体340a,340bが回転される。
【0166】
具体的には、駆動モータ350が回転されると、その回転が駆動ギヤ351及び伝達ギヤ352を介して第1ギヤ353に伝達され、第1ギヤ353が回転される。これにより、第1回転体340aが回転される。また、第1ギヤ353が回転されると、その回転が中間ギヤ354を介して第2ギヤ355に伝達され、第2ギヤ355が回転される。これにより、第2回転体340bが第1回転体340aと同方向に回転される。また、駆動モータ350の回転方向が反転されると、第1回転体340a及び第2回転体340bが上述した場合とは逆方向に回転される。
【0167】
その結果、遊技者に視認される第1回転体340aの図形と第2回転体340bの図形との組み合わせが順に変更される。この場合、両回転体340a,340bの図形の組み合わせは、従来品では、3組に限定されていた。
【0168】
即ち、第1回転体340aと第2回転体340bとが1の駆動モータにより同期して回転駆動されるため、形成可能な組み合わせは、例えば、第1回転体340aの第1表示板343Aと第2回転体340aの第1表示板343Aとを表示位置に配置する第1の組み合わせ、第1回転体340aの第2表示板343Bと第2回転体340aの第2表示板343Bとを表示位置に配置する第2の組み合わせ、第1回転体340aの第3表示板343Cと第2回転体340aの第3表示板343Cとを表示位置に配置する第3の組み合わせの3組のみであった。
【0169】
一方で、第1回転体340aと第2回転体340bとをそれぞれ異なる駆動モータにより独立して回転駆動する構造を採用することで、最大9組の組み合わせを形成することができると共に、その組み合わせを任意に現出させることができる。しかしながら、この場合には、2個の駆動モータを必要とする分、部品コストの増加を招く。
【0170】
これに対し、本実施形態では、駆動モータ350の数を1個のみに抑えつつ、第1回転体340a及び第2回転体340bの図形の組み合わせを9組形成することができると共に、その組み合わせを任意に現出させることができる。また、本実施形態では、第1回転体340a及び第2回転体340bの回転位置の完全一致を要求せず、回転位置の所定量のずれを許容することで、9組の組み合わせを速やかに現出させることができる。この両回転体340a,340bの図形の組み合わせについて、図20及び図21を参照して説明する。
【0171】
図20は、第1回転体340a及び第2回転体340bの図形の組み合わせを示すテーブルである。また、図21及び図22は、第1回転体340a及び第2回転体340bが回転される際の遷移状態を示す第1回転体340a及び第2回転体340bの側面模式図であり、図21(a)から図21(e)は、図20にNo.1?5として示す状態に、図22(a)から図22(e)は、図20にNo.6?10として示す状態に、それぞれ対応する。
【0172】
なお、図20では、第1回転体340a及び第2回転体340bの図形の組み合わせとして、視認位置に第1表示板343Aが配置された状態が符号「A」又は「A’」により、視認位置に第2表示板343Bが配置された状態が符号「B」又は「B’」により、視認位置に第3表示板343Cが配置された状態が符号「C」又は「C’」により、それぞれ表される。
【0173】
例えば、図20のNo.10「A,C’」で表される状態は、第1回転体340aの第1表示板343Aと第2回転体340bの第3表示板343Cとがそれぞれ視認位置に配置され、第1回転体340aからは第1表示板343Aに描かれる図形が、第2回転体340bからは第3表示板343Cに描かれる図形が、それぞれ遊技者に視認される状態に対応する。
【0174】
また、図21では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、第1回転体340aの第1表示板343A?第3表示板343Cを符号「A?C」を用いて、第2回転体340aの第1表示板343A?第3表示板343Cを符号「A’?C’」を用いて、それぞれ図示する。
【0175】
ここで、第1回転体340a及び第2回転体340bは、それぞれに固着される第1ギヤ353及び第2ギヤ355の歯数が異なる値に設定される。本実施形態では、第1ギヤ353の歯数が14に、第2ギヤ355の歯数が20とされる、第1回転体340aを120度回転させると、第2回転体340bが108度回転するように形成される。
【0176】
図20のNo.1及び図21(a)に示すように、第1回転体340aの第1表示板343A及び第2回転体340bの第1表示板343Aをそれぞれ視認位置に配置した状態から(図20のNo.1「A’,A」、第1の組み合わせ)、第1回転体340aを120度回転させその第2表示板343Bを視認位置に配置させると、図20のNo.2及び図21(b)に示すように、第2回転体340bは第2表示板343Bを視認位置に配置させる。これにより、第2の組み合わせ(図20のNo.2「B’,B」)を形成することができる。
【0177】
この場合、第1回転体340aの120度の回転に対し、第2回転体340bの回転は108度であるので、両者の回転位置に12度の差異(ずれ)が生じるが、各回転体340a,340bを軸直角方向から視認する遊技者が、その12度の回転角度の差異を認識することは困難であり、その結果、第1回転体340a及び第2回転体340bの各第2表示板343Bの外面に描かれた図形がそれぞれ視認位置に配置された(第2の組み合わせが形成された)と認識させることができる。
【0178】
特に、本実施形態では、上述したように、第1表示板343A?第3表示板343Cの外面が、固定軸341の軸方向視において、外方へ凸となる円弧状に湾曲して形成される(即ち、図形が描かれる面が各回転体340a,340bの回転方向に沿って湾曲される)ので、これら各表示板343A?343Cの外面に描かれた図形を正面視する遊技者に対し、第1回転体340a及び第2回転体340bの回転位置の相違(ずれ)を認識させることを困難とさせることができる。
【0179】
図20のNo.2及び図21(b)に示す状態から、第1回転体340aを120度回転させその第3表示板343Cを視認位置に配置させると、図20のNo.3及び図21(c)に示すように、第2回転体340bはその回転位置を第1回転体340aに対して位置ずれされた位置に配置する。即ち、この状態では、両者の間に24度の回転角度の差異が形成されるため、遊技者に図形のずれ(組み合わせの非成立、図20のNo.3「-,C」)を認識させることができる。
【0180】
同様に、図20のNo.4及び図21(d)に示す状態から図20のNo.9及び図22(d)に示す状態までの区間の回転では、第1回転体340aは、その120度の回転毎に各表示板343A?343Cを視認位置に配置させる一方で、第2回転体340bはその回転位置を第1回転体340aに対して位置ずれさせた位置に配置する。その結果、遊技者に図形のずれ(組み合わせの非成立、図20のNo.4「-,A」?No.9「-,C」)を認識させることができる。
【0181】
図20のNo.9及び図22(d)に示す状態から(図20のNo.9「-,C」)、第1回転体340aを120度回転させその第1表示板343Aを視認位置に配置させると、図20のNo.10及び図22(e)に示すように、第2回転体340bは第3表示板343Cを視認位置に配置させる。これにより、第3の組み合わせ(図20のNo.10「C’,A」)を形成することができる。
【0182】
なお、本実施形態によれば、図形のずれ(組み合わせの非成立、図20のNo.3「-,C」?No.9「-,C」)が形成される区間においても、第2回転体340bの回転を継続させ、遊技者から視認される図形を切り替え続けることができるため、第3の組み合わせにおいて、いずれの図形が組み合わされるのかを遊技者に予測困難とさせることができる。
【0183】
以降は、上述した態様(図20のNo.1及び図21(a)に示す状態から図20のNo.9及び図22(e)に示す状態までの区間の回転)と実質的に同一の態様が、更に2回繰り返されることで、1サイクルが完了される(テーブルが始点から終点まで一巡される)。
【0184】
この場合、図20のNo.11?No.20に示す状態の区間では、図21及び図22における第1回転体340aの位相を120度異ならせた状態に置き換えて考えれば良く、第4の組み合わせ(図20のNo.11「A’,B」)、第5の組み合わせ(図20のNo.12「B’,C」)及び第6の組み合わせ(図20のNo.20「C’,B」)を形成することができる。
【0185】
また、図20のNo.21?No.30に示す状態の区間では、図21及び図22における第1回転体340aの位相を240度異ならせた状態に置き換えて考えれば良く、第7の組み合わせ(図20のNo.21「A’,C」)、第8の組み合わせ(図20のNo.22「B’,A」)及び第9の組み合わせ(図20のNo.30「C’,C」)を形成することができる。
【0186】
以上のように、本実施形態によれば、駆動モータ350の回転を第1回転体340a及び第2回転体340bのそれぞれへ伝達する伝達機構が、複数の歯車(駆動ギヤ351?第2ギヤ355の5枚の歯車)からなる歯車列として形成され、駆動モータ350の回転を、第1回転体340a及び第2回転体340bへそれぞれ異なる回転比で伝達可能に形成される。
【0187】
これにより、第1回転体340aの回転周期と第2回転体340bの回転周期とを異ならせることができる。その結果、1個の駆動モータ350のみであっても、第1回転体340a及び第2回転体340bの図形の組み合わせを9組形成することができると共に、その組み合わせを任意に変更できる(所望の組み合わせを任意に現出させることができる)。
【0188】
また、伝達機構が歯車列として形成されることで、構造を簡素化して、部品コストの削減と耐久性および信頼性の向上とを図ることができるだけでなく、各歯車が常に歯合されているので、駆動モータ350の回転方向を正逆切り替えることで、図20に示すテーブルの進行方向を切り替えることができる。
【0189】
よって、例えば、図20のテーブルを正方向(図20下方向)へ進行し、図形のずれ(組み合わせの非成立)が形成される区間(例えば、図20のNo.3?No.9)を経て、第3の組み合わせ(図20のNo.10「C’,A」)を現出させた後または現出させた直前で、駆動モータ350の回転方向を逆転させ、図20のテーブルを逆方向(図20上方向)へ戻るという一連の動作を繰り返すことができ、これにより、第3の組み合わせの現出を遊技者に期待させるという演出を行うことができる。
【0190】
或いは、例えば、第1の組み合わせ(図20のNo.1「A’,A」)が形成された状態から、第9の組み合わせ(図20のNo.30「C’,C」)を現出させる必要がある場合に、図20のテーブルを正方向(図20下方向)へ進行して、第9の組み合わせを現出させることに加え、図20のテーブルを逆方向(図20上方向)へ進行して、第9の組み合わせを現出させることもできる。即ち、前者の場合には、第1回転体340aの120度の回転を30回繰り返すことが必要となるのに対し、後者の場合には、第1回転体340aの120度の回転を1回行えば良いので、所望の図形の組み合わせを速やかに現出させることができる。
【0191】
ここで、第1回転体340aの120度の回転に対して、第2回転体340bを60度回転させる構成とした場合(即ち、第2回転体340bの回転を、第1回転体340aの回転に対し、「1/整数」倍に設定した場合)には、第1回転体340a及び第2回転体340bの回転位置に差異(ずれ)を発生させることなく、図形の組み合わせを複数形成することができる。しかしながら、この場合には、図形の組み合わせ可能な数が最大3組となる。
【0192】
これに対し、本実施形態では、上述したように、第1、第4及び第7の組み合わせ(図20のNo.1「A’,A」、No.11「A’,B」及びNo.21「A’,C」)を除き、残りの6組の組み合わせ(第2、第3、第5、第6、第8及び第9の組み合わせ)において、第1回転体340a及び第2回転体340bの回転位置に所定回転角度の差異(ずれ)が発生することを許容する。これにより、図形の組み合わせ可能な数を9組とすることができる。
【0193】
即ち、第1回転体340a及び第2回転体340bを1の駆動モータ350により回転させる構造において、図形の組み合わせ可能な数を9組とすることは、駆動モータ350の回転を第1回転体340a及び第2回転体340bのそれぞれへ伝達する伝達機構が歯車列として形成されるだけでは達成不可能であり、本実施形態のように、第1回転体340a及び第2回転体340bの回転位置に所定回転角度の差異(ずれ)が生じることを許容することで初めて可能となったものである。これにより、図形の組み合わせ可能数の増加による演出効果の向上を図りつつ、駆動モータ350の必要数を抑制して、製品コストの削減を図ることができる。
【0194】
この場合、第1回転体340a及び第2回転体340bの回転位置に所定回転角度の差異(ずれ)が生じる図形の組み合わせ(第2、第3、第5、第6、第8及び第9の組み合わせ)では、第1回転体340a及び第2回転体340bを停止させる停止位置を補正するようにしても良い。
【0195】
例えば、第2、第5及び第8の組み合わせ(図20のNo.2「B’,B」、No.12「B’,C」及びNo.22「B’,A」)では、図21(b)に示すように、第2回転体340bの位相が遅れるので、第1回転体340aを所定角度だけ位相を進めた回転位置で停止させる。即ち、基準面からの位置ずれが第2回転体340bのみに集中されているので、図21(a)に示す状態から第1回転体340aを120度回転させた回転位置で停止させるのではなく、例えば、126度回転させた回転位置で停止させる。これにより、基準面からの位置ずれを第1回転体340a及び第2回転体34bに分散させて、目立たなくすることができる。
【0196】
同様に、例えば、第3、第6及び第9の組み合わせ(図20のNo.10「C’,A」、No.20「C’,B」及びNo.30「C’,C」)では、図22(e)に示すように、第2回転体340bの位相が先行されるので、第1回転体340aを所定角度だけ位相を遅らせた回転位置で停止させる。即ち、基準面からの位置ずれが第2回転体340bのみに集中されているので、図22(d)に示す状態から第1回転体340aを120度回転させた回転位置で停止させるのではなく、例えば、114度回転させた回転位置で停止させる。これにより、基準面からの位置ずれを第1回転体340a及び第2回転体34bに分散させて、目立たなくすることができる。
【0197】
上述したように、回転体昇降ユニット300は、各収容体300が上下方向に昇降可能に形成され、下降位置では(図7参照)、第1回転体340a及び第2回転体340bを遊技盤13の背面に位置させて遊技者から視認不能とできる。よって、第1回転体340aの図形と第2回転体340bの図形との組み合わせのうちの所望の組み合わせを必要なタイミングで速やかに現出させることができる。
【0198】
即ち、本実施形態では、9組の図形の組み合わせが形成可能であるが故に、テーブルが長くなる(図20のテーブルの段数が多くなる)ため、所望の組み合わせを現出させるためには、第1回転体340a及び第2回転体340bを比較的多く回転させる必要があり、その分、時間が嵩む。
【0199】
これに対し、本実施形態では、各収容体300を下降位置に配置することで(図7参照)、第1回転体340a及び第2回転体340bを遊技者から視認不能な位置に退避させることができる。これにより、第1回転体340a及び第2回転体340bの回転を遊技者に認識されることなく、その回転位置を所定の回転位置まで事前に回転させておくことができ、その結果、必要なタイミングが到来した際には、各収容体300を上昇位置に配置し(図8参照)、第1回転体340a及び第2回転体340bの残りの回転を実行することで、所望の組み合わせを速やかに現出させることができる。
【0200】
なお、各収容体300の下降位置への配置は、特定の変動パターンで第1回転体340a及び第2回転体340bを回転させる際にのみ行うようにしても良い。例えば、第1回転体340a及び第2回転体340bの回転の開始から結果の表示(回転の停止)までの時間が比較的短い変動パターンでは、各収容体300を下降位置へ配置せず、各回転体340a,340bの回転の開始から停止を、遊技者から視認可能な位置で行う一方、各回転体340a,340bの回転の開始から結果の表示(回転の停止)までの時間が比較的長い変動パターンでは、各回転体340a,340bの事前の回転を遊技者から視認不能な位置で行うようにしても良い。
【0201】
この場合、本実施形態では、第1回転体340a及び第2回転体340bの下降位置における事前の回転は、所定の動作手段が動作される場合に行われる。これにより、第1回転体340a及び第2回転体340bの事前の回転が遊技者に認識されることを抑制することができる。
【0202】
即ち、第1回転体340a及び第2回転体340bを回転させる際には、比較的大きな音が発生するため、下降位置に移動されて、遊技者から視認不能とされたとしても、その回転時に発生する音によって第1回転体340a及び第2回転体340bが事前に回転されていることを、遊技者に認識させてしまうおそれがある。
【0203】
これに対し、第1回転体340a及び第2回転体340bの回転を、所定の動作手段の動作時に行うことで、その動作に紛れ込ませることができる。その結果、第1回転体340a及び第2回転体340bの事前の回転を遊技者に認識させ難くすることができる。
【0204】
なお、動作手段としては、例えば、払出装置133、音声出力装置226、或いは、球発射ユニット112a(いずれも図3又は図4参照)が例示される。これらの動作手段が動作されている状態では、例えば、球の払出、音声の出力、或いは、球の発射に伴い、比較的大きな音が発生する。よって、遊技者に第1回転体340a及び第2回転体340bの事前の回転を認識させ難くできる。
【0205】
なお、これに代えて、或いは、これに加えて、第3図柄表示装置81(図2参照)において表示される演出が所定の演出である場合に、第1回転体340a及び第2回転体340bの事前の回転を行うようにしても良い。第3図柄表示装置81に表示される演出が所定の演出である場合には、その所定の演出に遊技者の意識を集中させることができるため、その分、第1回転体340a及び第2回転体340bの事前の回転を遊技者に認識させ難くできる。
【0206】
次いで、図23から図27を参照して、中央遊動ユニット400について説明する。図23は、中央遊動ユニット400の正面図である。また、図24は、中央遊動ユニット400の分解正面斜視図であり、図25は、中央遊動ユニット400の分解背面斜視図である。
【0207】
図23から図25に示すように、中央遊動ユニット400は、背面ケース210の底壁部211(図6参照)に配設されるベース体410と、そのベース体410の正面に配設される一対のカバー体420と、それらカバー体420及びベース体410の対向面間に基端側が回転可能に軸支されると共に先端側を向い合せた姿勢で配置される一対のアーム体430と、それら一対のアーム体430の先端側がそれぞれ相対変位可能に連結される第1部材440と、一対の駆動モータ450の駆動力を一対のアーム体420へそれぞれ伝達する伝達機構と、を主に備える。
【0208】
ベース体410は、正面視横長の矩形状に形成され、そのベース体410の長手方向両端部分にカバー体420が部分的に配設(覆設)される。ベース体410及びカバー体420の互いの対向面には、アーム体430の基端側(回転軸431)を回転可能に軸支するための軸支孔411,421がそれぞれ同軸となる位置に凹設される。
【0209】
また、ベース体410の正面には、伝達機構の後述するクランクギヤ453を回転可能に軸支するための軸412が突設される。軸412の先端には、Eリング(止め輪)が嵌合可能な嵌合溝が凹設され、かかる嵌合溝に嵌合された止め輪によりクランクギヤ453が軸412から抜け出ることを規制する。
【0210】
カバー体420の側壁には、切り欠き部422が開口形成され、アーム体430の回転を許容するための空間が確保される。一方で、アーム体430の回転が所定角度を越えた場合には、切り欠き部422の開口内縁をアーム体430の外面に当接させることで、アーム部材420の所定角度以上の回転を規制可能に形成される。即ち、カバー体420は、アーム部材420の所定角度以上の回転を規制するストッパとしての機能を発揮可能に形成される。
【0211】
なお、ベース体410の長手方向中央には、回転体413が配設される。回転体413は、図示しない駆動モータの駆動力により回転可能に形成される部材であり、第1部材440が上昇位置に配置されると(図31(a)参照)、かかる第1部材440に遮蔽され、遊技者から視認不能とされる一方、第1部材440が下降位置に配置されると(図31(c))、第1部材440の上方に縦に並設された状態で、遊技者から視認可能とされる。
【0212】
アーム体430は、正面視略く字状に屈曲して形成される長尺棒状体であり、回転軸431と、被駆動溝432と、連結ピン433とを主に備える。回転軸431は、上述したように、ベース体410及びカバー体420の軸支孔411,421に軸支される軸であり、アーム体430の基端側における正面および背面からそれぞれ同軸に突設される。アーム体430は、かかる回転軸431を回転中心として、先端側を上下方向に昇降させる態様で、ベース体410及びカバー体420に対して回転可能とされる。
【0213】
被駆動溝432は、伝達機構の後述する偏心ピン454が摺動可能に挿通される部位であり、アーム体430の屈曲部分から回転軸431へ向けて延設される直線状(正面視長穴形状)の開口として形成される。後述するように、クランクギヤ453の回転に伴い偏心ピン454が被駆動溝432に沿って摺動されることで、アーム体430が回転軸431を中心として回転される。
【0214】
連結ピン433は、アーム体430の先端側における正面から突設される棒状体であり、第1部材440の背面に形成される摺動溝441aに沿って摺動可能に挿通される。かかる連結ピン433を介して、アーム体430と第1部材440とが相対移動可能に連結される。
【0215】
なお、第1部材440の摺動溝441aに挿通された連結ピン433の先端には、後述するように、第1部材430の組み立て工程において、カラー(図示せず)が締結固定され、かかるカラーが連結ピン433の摺動溝441aからの抜け止めとされる。また、アーム体430には、屈曲部分を挟んで被駆動溝432と反対側となる位置の正面に回転体434が配設される。回転体434は、アーム体430の背面側に配設される駆動モータ435の駆動力により回転可能に形成される。
【0216】
伝達機構は、上述したように、駆動モータ450の駆動力をアーム体420へ伝達するための機構であり、駆動モータ450が取り付けられた取付板451と、駆動モータ450の駆動軸に固着されるピニオンギヤ452と、そのピニオンギヤ452に歯合されるクランクギヤ453と、そのクランクギヤ453の回転中心(軸412)から偏心して位置する偏心ピン454と、を主に備える。
【0217】
取付板451は、ベース体410の正面であって、カバー体420の上方となる位置に配設され、ピニオンギヤ452が、取付板451とベース体410との対向面間に収納される。偏心ピン454は、クランクギヤ453の正面から突設され、アーム体430の被駆動溝432に挿通される。なお、偏心ピン454の先端には、Eリング(止め輪)が嵌合可能な嵌合溝が凹設され、かかる嵌合溝に嵌合された止め輪により偏心ピン454が被駆動溝432から抜け出ることを規制する。
【0218】
伝達機構によれば、駆動モータ450の回転駆動力が、ピニオンギヤ452を介してクランクギヤ453に伝達され、クランクギヤ453が所定回転角(本実施形態では略180度)だけ回転されると、そのクランクギヤ453の回転中心から偏心する偏心ピン454が円弧状の軌跡を描きつつ正面視上下方向に変位される。これにより、アーム体430が、被駆動溝432を摺動する偏心ピン454によって、上方へ押し上げられる又は下方へ押し下げられ、回転軸431を回転中心として回転される(図31参照)。
【0219】
第1部材440は、上述したように、摺動溝441aに挿通された連結ピン433を介して、アーム体430に相対変位可能に連結される部材であり、一対のアーム体430がそれぞれ独立に回転されることで、後述するように、直線運動と回転運動とを組み合わせた態様で遊動可能とされる(図33及び図34参照)。ここで、図26及び図27を参照して、第1部材440の詳細構成について説明する。
【0220】
図26は、第1部材440の分解正面斜視図であり、図27は、第1部材440の分解背面斜視図である。
【0221】
図26及び図27に示すように、第1部材440は、基体441と、その基体441の正面および背面にそれぞれ配設される正面体442及び背面体443と、基体441の背面に回転可能に配設される腕部材444と、その腕部材444を回転させるための駆動力を発生する駆動モータ445と、その駆動モータ445の駆動力を腕部材444に伝達するクランク部材446と、を主に備える。
【0222】
基体441は、第1部材440の骨格をなす部材であり、正面視円形の板状に形成される。基体441には、一対の摺動溝441aが開口形成される。各摺動溝441aは、直線状に延設される正面視長穴形状の開口として形成され、一対が非平行に配設される。詳細には、一対の摺動溝441aは、基体441の正面視において、中央から両端へ向けて上昇傾斜される正面視逆ハ字状に配設される。
【0223】
基体441の背面には、摺動溝441aの内縁に対応して形成される筒状の筒部441bが立設されると共に、腕部材444を回転可能に軸支するための軸441cが突設される。
【0224】
筒部441bには、アーム体430の連結ピン433(図24及び図25参照)が摺動可能に挿通される。即ち、筒部441bの内周面により連結ピン433を支持できるので、その分、連結ピン433の支持面積を拡大して、アーム体430に対する第1部材440の相対変位を安定化させることができる。
【0225】
正面体442は、第1部材440の正面を形成する部材であり、基体441と略同径の正面視円形であって所定の厚み寸法を有する円板状に形成される。正面体442は、光透過性の材料から形成されると共に、その正面体442の内部には、複数の発光手段(本実施形態ではLED)が配設される。よって、複数の発光手段を発光(点灯または点滅)させることで、正面体442の正面および外周面を透過した光を、正面および外周面から外部へ向けて照射することができる。これにより、正面体442の全体(正面および外周面)が発光しているように遊技者に視認させることができる。
【0226】
なお、正面体442は、基体441にアーム体430の連結ピン433が連結された後に、基体441に配設(締結固定)される。即ち、基体441の摺動溝441aには、背面側からアーム体430の連結ピン433が挿通され、基体441の正面側に突出された連結ピン433の先端に、少なくとも基体441の筒部441bの溝幅よりも大きな直径のカラー(図示せず)が装着(締結固定)され、かかるカラーが連結ピン433の基体441からの抜け止めとされる。
【0227】
腕部材444は、正面体442の直径寸法よりも長い長尺状の部材であり、軸支孔444aと、被駆動溝444bとを備える。軸支孔444aは、正面体441の軸441aに軸支される孔であり、腕部材444の長手方向中央となる位置に穿設される。被駆動溝444bは、クランク部材446の偏心ピン446bが摺動可能に挿通される部位であり、被軸支孔444aの下方において腕部材444の長手方向と直交して延設される直線状(正面視長穴状)の開口として形成される。
【0228】
腕部材444は、その両端部分を正面体442の両側から外方へ張り出した姿勢で(図23参照)、基体441及び背面体443の対向面間で軸441aに回転可能に軸支され、後述するように、クランク部材446の回転に伴い偏心ピン446bが被駆動溝444bに沿って摺動されることで、軸支孔444bを中心として回転される。
【0229】
クランク部材446は、基体441及び背面体443の対向面間に配設される部材であり、駆動モータ445の駆動軸に固着される回転本体446aと、その回転本体446aの回転中心(駆動モータ445の駆動軸)から偏心して位置する偏心ピン446bとを備える。偏心ピン446bは、回転本体446aの正面から突設され、腕部材444の被駆動溝444bに挿通される。
【0230】
クランク部材446の回転本体446aが駆動モータ445の回転駆動力により回転されると、その回転本体446aの回転中心から偏心する偏心ピン446bが所定半径の円軌跡を描きつつ変位される。これにより、被駆動溝444bが偏心ピン446bによって、左右へ交互に押し引きされ、所定回転角(本実施形態では略30度)の回転を正逆方向に交互に繰り返す態様で、軸支孔444a(軸441c)を回転中心として腕部材444が回転される(図39及び図40参照)。
【0231】
これにより、後述するように、正面体442の両側から左右に張り出す腕部材444の両端部分を、互い違いに上下に往復動作させる態様で、腕部材444の動作を遊技者に視認させることができる。また、かかる腕部材440の往復動作をアーム体430の停止中に行うことで、後述するように、往復動作の反作用(慣性力)を基体441及び正面体442に作用させ、アーム体430に対して正面体442が相対変位する動作を遊技者に視認させることができる。
【0232】
次いで、図28から図29を参照して、左右回転ユニット500について説明する。なお、左右回転ユニット500は、背面ケース210の開口211aを挟んで左右に一対が配設されるところ(図6参照)、これら一対の左右回転ユニット500は、左右対称の形状に形成される点を除き、実質的に同一の構成で形成されるので、一方(正面視左側に配設されるもの)についてのみ説明し、他方の説明は省略する。
【0233】
図28は、左右回転ユニット500の正面図である。また、図29は、左右回転ユニット500の分解正面斜視図であり、図30は、左右回転ユニット500の分解背面斜視図である。
【0234】
図28から図30に示すように、左右回転ユニット500は、正面視矩形状の背面ベース511と、その背面ベース511の正面側に重ね合わされる正面ベース512と、その正面ベース513の正面に配設されるカバー体513と、背面ベース511の背面側に配設される駆動モータ520と、その駆動モータ520の駆動力により背面ベース511及び正面ベース512に対して回転される変位部材530と、その変位部材530へ駆動モータ520の駆動力を伝達する伝達機構と、を主に備える。
【0235】
背面ベース511及びカバー体513の互いの対向面には、変位部材530の基端側(回転軸531)を回転可能に軸支するための軸支孔511a,513aがそれぞれ同軸となる位置に凹設される。正面ベース512には、変位部材530の回転軸531が挿通される開口512aと、伝達機構の後述するクランクギヤ540の偏心ピン542が挿通される開口512bとが開口形成される。
【0236】
変位部材530は、正面に羽根状の装飾が施された部材であり、回転軸531と、被駆動孔532とを主に備える。回転軸531は、上述したように、背面ベース511及びカバー体513の軸支孔511a,513aに軸支される軸であり、変位部材530の基端側(図29下側)における正面および背面からそれぞれ同軸に突設される。変位部材530は、かかる回転軸531を回転中心として、正面視において正面ベース512と重なる退避位置と背面ケース210の開口211a(図8参照)側へ張り出す張出位置との間で回転可能とされる(図7及び図8参照)。
【0237】
被駆動孔432は、伝達機構の後述するリンク部材550の連結ピン552が回転可能に軸支される孔であり、回転軸531から先端側へ所定距離だけ離間した位置に凹設される。後述するように、クランクギヤ540の回転がリンク部材550を介して被駆動孔432に伝達されることで、変位部材530が回転軸531を中心として回転される。
【0238】
伝達機構は、上述したように、駆動モータ520の駆動力を変位部材530へ伝達するための機構であり、駆動モータ520の駆動軸に固着されるピニオンギヤ521と、そのピニオンギヤ521に歯合されるクランクギヤ540と、そのクランクギヤ453を変位部材530に連結するリンク部材550と、を主に備える。
【0239】
クランクギヤ540は、背面ベース511及び正面ベース512の対向面間に回転可能に保持されるギヤであり、その回転中心から偏心する位置に偏心ピン541が正面へ向けて突設される。リンク部材550には、正面ベース512と変位部材530との対向面間に配設される棒状体であり、長手方向一端側の背面に連結孔551が凹設されると共に、長手方向他端側の正面から連結ピン552が突設される。
【0240】
クランクギヤ540の偏心ピン541は、正面ベース512の開口512bを介して、リンク部材550の連結孔551に回転可能に軸支され、リンク部材550の連結ピン552は、変位部材530の被駆動孔532に回転可能に軸支される。これにより、変位部材530とクランクギヤ540とがリンク部材550を介して連結され、クランク機構が構成される。
【0241】
伝達機構によれば、駆動モータ520の回転駆動力が、ピニオンギヤ521を介してクランクギヤ540に伝達され、クランクギヤ540が所定回転角(本実施形態では略180度)だけ回転されると、そのクランクギヤ453の回転中心から偏心する偏心ピン541が円弧状の軌跡を描きつつ変位されると共に、その偏心ピン541の変位がリンク部材550を介して変位部材530へ伝達される。即ち、変位部材530の基端側が、リンク部材550によって、左右方向へ交互に押し引きされる。これにより、変位部材530が、回転軸431を回転中心として、上述した退避位置と張出位置との間で回転される(図7及び図8参照)。
【0242】
次いで、以上のように構成された中央遊動ユニット400の動作について、図31から図41を参照して説明する。なお、以下においては、説明の便宜のため、一対のアーム体430に対し、第1部材440を正面視した際に左側(図31左側)及び右側(図31右側)に位置するものを、それぞれ「左」のアーム体430及び「右」のアーム体430と称す。
【0243】
図31(a)から図31(c)は、中央遊動ユニット400の正面図であり、図31(a)は上昇位置に配置された状態に、図31(b)は上昇位置および下降位置の間に配置された状態に、図31(c)は下降位置に配置された状態に、それぞれ対応する。
【0244】
また、図32(a)から図32(c)は、中央遊動ユニット400の断面背面図であり、図32(a)は図31(a)における、図32(b)は図31(b)における、図32(c)は図31(c)における、中央遊動ユニット400の断面背面図にそれぞれ対応する。
【0245】
なお、図32(a)から図32(c)は、連結ピン433に直交する平面で切断して第1部材440の背面を視認する断面図に対応する。また、左右のアーム体430の外形が二点鎖線を用いて模式的に図示される一方、背面体443、駆動モータ450及びクランク部材446の図示が省略される。後述する図35、図36、図38及び図40においても同様であるので、以下においてはその説明を省略する。
【0246】
図31(a)及び図32(a)に示すように、中央遊動ユニット400が上昇位置に配置された状態では、左右のアーム体430が共に先端側(連結ピン433側)を上方に振り上げた姿勢とされ、第1部材440が最上方に位置される。左右のアーム体430の各連結ピン433は、第1部材440の径方向外縁に近い側の各摺動溝441aの終端(以下「外側終端」と称す)に近接して位置される。この場合、連結ピン433と摺動溝441の外側終端との間には所定の隙間が形成される。
【0247】
図31(a)及び図32(a)に示す状態から、一対の駆動モータ450がそれぞれ回転駆動され、各クランクギヤ453が回転されると、そのクランクギヤ453の偏心ピン454が被駆動溝432を摺動しつつ、左右のアーム体430をそれぞれ下方へ押し下げる。
【0248】
これにより、左右のアーム体430が回転軸431(図24及び図25参照)を回転中心として回転され、図31(b)及び図32(b)に示すように、第1部材440が下方へ変位される。この状態から、一対の駆動モータ450の回転駆動により各クランクギヤ453が更に回転されると、左右のアーム体430が更に下方へ押し下げられて、図31(c)及び図32(c)に示すように、中央遊動ユニット400が下降位置に配置される。
【0249】
図31(c)及び図32(c)に示すように、中央遊動ユニット400が下降位置に配置された状態では、左右のアーム体430が共に先端側(連結ピン433側)を下方に振り下げた姿勢とされ、第1部材440が最下方に位置し第3図柄表示装置81(図2参照)の前面側に張り出された状態が形成される。また、第1部材440の上方には、回転体413が遊技者から視認可能に露出される。
【0250】
左右のアーム体430の各連結ピン433は、第1部材440の中心に近い側の各摺動溝441aの終端(以下「内側終端」と称す)に近接して位置される。この場合、連結ピン433と摺動溝441の内側終端との間には所定の隙間が形成される。なお、本実施形態では、下降位置における連結ピン433と内側終端との間の隙間が、上昇位置における連結ピン433と外側終端との間の隙間よりも大きくなるように設定される。
【0251】
これにより、後述するように、慣性の作用や腕部材444の動作を利用して、第1部材440をアーム部材430に対して相対変位させる場合には(図37及び図38参照)、下降位置における相対変位量を大きくできる。即ち、第3図柄表示装置81(図2参照)の前面側において、第1部材440を大きな変位で動作させることができる。
【0252】
図31(c)及び図32(c)に示す状態(下降位置)から、上述した場合とは逆方向に一対の駆動モータ450がそれぞれ回転駆動されると、各クランクギヤ453の回転に伴い、偏心ピン454が被駆動溝432を摺動しつつ、左右のアーム体430をそれぞれ上方へ押し上げることで、最終的に、図31(a)及び図32(c)に示すように、中央遊動ユニット400が上昇位置に配置される。
【0253】
このように、中央遊動ユニット400によれば、第1部材440を上昇位置と下方位置との間で昇降させることができる。しかしながら、第1部材440の昇降の一例として説明した上記動作は、第1部材440が、上昇位置と下降位置との間を同じ姿勢を維持しつつ直線運動するものであり、その第1部材440の動きの変化が乏しい。
【0254】
これに対し、本実施形態では、左右のアーム体430が互いに独立して変位(回転)可能に形成されると共に、それら左右のアーム体430のそれぞれの先端側(連結ピン433)が、第1部材440(摺動溝441a)に相対変位(摺動)可能に連結されるので、左右のアーム体430の回転の態様に応じて、第1部材440の動きに変化を与えつつ昇降させることもできる。かかる動作の一例について、図33から図36を参照して説明する。
【0255】
図33(a)から図33(c)及び図34(a)から図34(c)は、中央遊動ユニット400の正面図であり、図33(a)は上昇位置に配置された状態に、図33(b)、図33(c)、図10(a)及び図10(b)は上昇位置および下降位置の間に配置された状態に、図10(c)は下降位置に配置された状態に、それぞれ対応する。
【0256】
また、図35(a)から図35(c)及び図36(a)から図36(c)は、中央遊動ユニット400の断面背面図であり、図35(a)から図35(c)は図33(a)から図33(c)における中央遊動ユニット400の断面背面図にそれぞれ対応し、図36(a)から図36(c)は図10(a)から図10(c)における中央遊動ユニット400の断面背面図にそれぞれ対応する。
【0257】
図33(a)及び図35(a)に示すように、中央遊動ユニット400が上昇位置に配置された状態から、右のアーム体430に対応する駆動モータ450のみを回転駆動して、先端側(連結ピン433)が下方(図33(a)下方向)へ向かう回転方向へ向けて、右のアーム体430を回転させる(なお、以下、この回転を「下方への回転」と称す)。
【0258】
この右のアーム体430の下方への回転により、右(図35(a)では左側)のアーム体430の連結ピン433が摺動溝441aを下方へ押し下げることで、図33(b)及び図35(b)に示すように、第1部材40を右肩下がりの姿勢に変化(傾斜)させることができる。
【0259】
ここで、停止状態にある左(図35(a)では右側)のアーム体430は図237(a)に示すように、上昇位置において、連結ピン433と摺動溝441aにおける外側終端との間に所定の隙間が形成されている。この場合、第1部材440が右肩下がり(図35(b)では左肩下がり)の姿勢に変化(傾斜)されると、左のアーム体430の連結ピン433が連結されている摺動溝441aの傾斜がより急角度となり、かかる連結ピン433と摺動溝441aとの間に形成される隙間の方向が、重力の作用による第1部材440の移動(落下)を許容する方向に配置される。
【0260】
よって、図33(a)及び図35(a)に示す上昇位置から、右のアーム体430のみを下方へ回転させると、所定の回転位置までは、第1部材440を右のアーム体430の回転に従動させて変位させることができる一方、所定の回転位置に達した後は、第1部材440を重力の作用による自由落下によって、図33(b)及び図35(b)に示す状態に配置することができる。
【0261】
即ち、右のアーム体430が所定の回転位置に達するまでは、右のアーム体430の下方への回転に従動していた第1部材440を、所定の回転位置に達した後は、右のアーム体430の下方への回転に従動させず、自由落下によって下方へ急激に変位させて右のアーム体430の変位から先行させることができる。その結果、第1部材440の動きに変化を与えることができる。
【0262】
図33(b)及び図35(b)に示す状態から、右のアーム体430が更に下方へ回転されると、右(図35(b)では左側)のアーム体430の連結ピン433が摺動溝441aを更に下方へ押し下げることで、図33(c)及び図35(c)に示すように、第1部材40の右肩下がりの姿勢を更に急角度に変化(傾斜)させることができる。
【0263】
この場合、左(図35(b)では右側)のアーム体430が停止状態にあると共に、その連結ピン433が摺動溝441aの外側終端に達していることから、この連結ピン433(図35(b)では右側)を回転中心として第1部材440を回転させることができ、右のアーム体430の下方への回転に伴って、第1部材440を正面視において左のアーム体430側(図33左側)へ押し込んだ状態を形成することができる。
【0264】
即ち、図33(a)の上昇位置から図33(c)に示す状態までの過程において、右のアーム体430の下方への回転に伴って、第1部材440を、下方(図33下方向)への直線運動と、右肩下がりとなる方向(図33時計回り)への回転運動と、左方(図33左方向)への直線運動とを組み合わせた動きで変位させることができ、その動きに変化を与えることができる。
【0265】
図33(c)及び図35(c)に示す状態に達すると、左のアーム体430の連結ピン433に加え、右のアーム体430の連結ピン433も摺動溝441aの外側終端に位置するため、かかる右のアーム体430の下方への回転が規制される。よって、この状態からは、次いで、左(図33(c)左側)のアーム体430を下方へ回転させる。
【0266】
この左のアーム体430の下方への回転により、左(図35(c)では右側)のアーム体430の連結ピン433が摺動溝441aを下方へ押し下げることで、図34(a)及び図36(a)に示すように、第1部材40を右肩下がりの姿勢から水平な姿勢に変化(復帰)させることができる。
【0267】
ここで説明する動作の一例では、図34(a)及び図36(a)に示す状態から、左のアーム体430を、カバー体420の切欠き部422により規制される位置まで、更に下方へ回転させる。これにより、左(図36(a)では右側)のアーム体430の連結ピン433が摺動溝441aを更に下方へ押し下げることで、上述した場合(図33参照)とは逆に、図34(b)及び図36(b)に示すように、第1部材40を左肩下がりの姿勢に変化(傾斜)させることができる。
【0268】
図34(b)及び図36(b)に示す状態に達すると、左のアーム体430が既に最下方まで回転されており、それ以上の下方の回転が規制されるので、この状態からは、次いで、右(図34(b)では左側)のアーム体430を、カバー体420の切欠き部422により規制される位置まで、下方へ回転させる。これにより、図34(c)及び図36(c)に示すように、第1部材40を、左肩下がりの姿勢から水平な姿勢に変化(復帰)させると共に、最下方となる位置に配置することができる。即ち、下降位置に配置される。
【0269】
このように、本実施形態の中央遊動ユニット400によれば、左右のアーム体430が互いに独立して変位(回転)可能に形成されると共に、それら左右のアーム体430のそれぞれの先端側(連結ピン433)が、第1部材440(摺動溝441a)に相対変位(摺動)可能に連結されるので、左右のアーム体430を互いに独立に変位させることで、第1部材440に直線運動と回転運動とを組み合わせた動きを付与可能として、その動きに変化を与えることができる。
【0270】
特に、左右のアーム体430は、その基端側(回転軸431)がベース体410及びカバー体420に回転可能に軸支され、かかる基端側を中心として回転されるので、左右のアーム体430の先端側(連結ピン433)のそれぞれを、中心位置が互いに異なる円弧状の軌跡に沿って移動させることができる。その結果、左右のアーム体430が直線状にスライド変位される場合と比較して、直線運動および回転運動をより複雑に組み合わせた動きを第1部材440に付与することができ、より大きな変化をその動きに与えることができる。
【0271】
ここで、本実施形態の中央遊動ユニット400によれば、上昇位置または下降位置に配置された第1部材440を、左右のアーム体430を回転させることなく、左右のアーム体430に対して惰性(慣性の作用)により相対変位させることができる。この第1部材440の変位について、下降位置における変位を一例として、図37及び図38を参照して説明する。
【0272】
図37(a)から図37(c)は、下降位置に配置された中央遊動ユニット400の正面図であり、図37(a)では第1部材440が中央に位置する状態が、図37(b)及び図37(c)では図37(a)に図示する状態から第1部材440が左右に横揺れされた状態が、それぞれ図示される。
【0273】
また、図38(a)から図38(c)は、中央遊動ユニット400の断面背面図であり、図38(a)から図38(c)は図37(a)から図37(c)における中央遊動ユニット400の断面背面図にそれぞれ対応する。
【0274】
図37(a)及び図38(a)に示すように、下降位置(基準位置)に配置された状態では、左右のアーム体430の各連結ピン433は、第1部材440の各摺動溝441aの外側終端および内側終端のそれぞれとの間に隙間を有する位置に配置される。よって、左右のアーム体430が停止されている状態であっても、上述した隙間の分、アーム体430に対する第1部材440の相対変位を許容することができる。
【0275】
例えば、左右のアーム体430の一方または両方を所定速度で変位(回転)させた後に停止させることで、その停止に伴い発生する慣性力を第1部材440に作用させ、各連結ピン433が各摺動溝441aの外側終端または内側終端へ向けて往復動する変位を形成することができる。即ち、図37及び図38に示すように、左右のアーム体430の変位(回転)を停止させた後において、第1部材440を惰性(慣性の作用)により左右に往復動(横揺れ)させることができ、その動きに変化を与えることができる。
【0276】
この場合、本実施形態では、第1部材440の一対の摺動溝441aは、それぞれ直線状に形成されると共に、非平行に配置されるので、左右のアーム体430の変位を停止させ、第1部材440を左右のアーム体430に対して惰性(慣性の作用)により相対変位させる際には、第1部材440の動きに回転成分を付与することができる。これにより、第1部材440を、直線運動のみでなく、直線運動に回転運動を組み合わせた動きで、左右に往復動(横揺れ)させることができ、その結果、第1部材440の動きに変化を与えることができる。
【0277】
また、各摺動溝441aが直線状に形成されることで、左右のアーム体430の変位(回転)に伴い、連結ピン433が摺動溝441aに沿って摺動する際には、抵抗を抑制して、スムーズに摺動させることができる。これにより、左右のアーム体430の変位に伴う第1部材440の変位を安定化することができると共に、各駆動モータ450の負荷を抑制できる。
【0278】
更に、本実施形態では、一対の摺動溝441aが略ハの字状に配置されるので、第1部材440の左右への往復動が収束して停止した後は、その停止状態に第1部材440を維持することができる。よって、例えば、他のユニットや表示装置による演出が行われ、中央遊動ユニット400が上昇位置に退避されて待機する状態において、第1部材440がアーム体430に対して外乱によりがたつくことを抑制できる。その結果、摺動溝441aや連結ピン433の摩耗を抑制できる。
【0279】
ここで、上述したようにアーム体430の停止後に第1部材440を惰性(慣性の作用)により左右に往復動させることは、第1部材が上昇位置と下降位置との間を同じ姿勢を維持しつつ直線運動するのみの構造(即ち、左右のアーム体が独立して変位することができない従来品)では、不可能であり、本実施形態のように左右のアーム体430を独立して変位可能に構成したことで初めて可能となったものである。これにより、第1部材440の動きに変化を与えることができる。
【0280】
即ち、第1部材が上昇位置と下降位置との間を同じ姿勢を維持しつつ直線運動するのみの構造(従来品)では、アーム体が停止されても、その停止に伴い第1部材に作用する慣性力が、その第1部材を左右に往復動(鉾揺れ)させるきっかけとは成り得ない。
【0281】
これに対し、本実施形態では、第1部材440が傾斜した姿勢とされた状態から、一方のアーム体430は停止状態のまま、他方のアーム体430のみを変位(回転)させることで、第1部材440を基準位置(例えば、下降位置)に配置できるので(図34及び図35参照)、他方のアーム体430の停止に伴う慣性力を、第1部材440を左右に往復動(横揺れ)させるきっかけとすることができる。その結果、第1部材440の左右への往復動を確実に発生させることができると共に、その左右への往復動の振幅を大きくすることができる。
【0282】
なお、ここでは、第1部材440を左右のアーム体430に対して惰性(慣性の作用)で左右に往復動(横揺れ)させる位置として、下降位置を一例として説明したが、上記構成から理解できる通り、他の位置においても可能である。即ち、左右のアーム体430が停止された状態において、各連結ピン433と第1部材440の各摺動溝441aの外側終端および内側終端のそれぞれとの間に隙間を有する位置であれば、いずれの位置であっても良い。よって、上昇位置または下降位置に限られず、上昇位置と下降位置との間の任意の位置で左右への往復動(横揺れ)を発生させることができる。また、左右のアーム体430が停止される回転位置は、同じ回転位置である必要はなく、異なる回転位置(即ち、第1部材440が傾斜姿勢となる位置)で停止されても良い。
【0283】
次いで、第1部材440の腕部材444の変位を利用して、第1部材440を左右へ往復動(横揺れ)させる動作について、図39及び図40を参照して説明する。即ち、本実施形態の中央遊動ユニット400によれば、上述した惰性(慣性の作用)による第1部材440の左右への往復動が収束した後でも、第1部材440を、左右のアーム体430を回転させることなく、左右へ往復動させることができる。
【0284】
図39(a)から図39(c)は、下降位置に配置された中央遊動ユニット400の正面図であり、図39(a)では第1部材440が中央に位置する状態が、図39(b)及び図39(c)では図39(a)に図示する状態から第1部材440が左右に横揺れされた状態が、それぞれ図示される。
【0285】
また、図40(a)から図40(c)は、中央遊動ユニット400の断面背面図であり、図40(a)から図40(c)は図39(a)から図39(c)における中央遊動ユニット400の断面背面図にそれぞれ対応する。
【0286】
図39(a)及び図40(a)に示すように、下降位置(基準位置)に配置された状態では、左右のアーム体430の各連結ピン433は、上述したように、第1部材440の各摺動溝441aの外側終端および内側終端のそれぞれとの間に隙間を有する位置に配置される。よって、左右のアーム体430が停止されている状態であっても、上述した隙間の分、アーム体430に対する第1部材440の相対変位を許容することができる。
【0287】
即ち、第1部材440は、基体441の背面に腕部材444が配設されるので、かかる腕部材444を駆動モータ445の駆動力により変位(回転)させることで、その反力を基体441に作用させることができ、その反力の作用により各連結ピン433を各摺動溝441aの外側終端または内側終端へ向けて往復動させることができる。その結果、左右のアーム体430が停止状態であっても、第1部材440を左右へ往復動(横揺れ)させることができる。
【0288】
具体的には、図39(a)及び図40(a)に示すように、左右のアーム体430が停止されると共にその左右のアーム体430に対して第1部材440が停止され、腕部材444が中立位置に位置する状態から、図39(b)及び図40(b)に示すように、かかる腕部材444を正面視時計回り(右回り)に回転させることで、その反力の作用により、基体441及び正面体442を正面視反時計回り(左回り)に回転させることができると共に、図39(c)及び図40(c)に示すように、腕部材444を正面視反時計回り(右回り)に回転させる。
【0289】
これにより、腕部材444の回転に伴う反力の作用により、基体441及び正面体442を正面視時計回り(左回り)に回転させることができる。その結果、第1部材440を左右に往復動(横揺れ)させることができ、その動きに変化を与えることができる。
【0290】
この場合、本実施形態では、第1部材440は、腕部材444が、基体441に回転可能に軸支され、駆動モータ445から付与される駆動力により回転されるので、腕部材444の変位に伴う反力を、基体441及び正面体442に対して回転方向へ作用させやすくすることができる。その結果、基体441及び正面体442の動きに回転の成分を発生させやすくできる。
【0291】
特に、本実施形態では、腕部材444の回転中心(基体441の軸441c)が左右のアーム体430の一対の連結ピン433の左右方向中央に位置されるので、腕部材444の回転に伴う反力を、第1部材430(基体441及び正面体442)の回転運動に繋げやすくできる。
【0292】
なお、ここでは、腕部材444の回転時の反力により第1部材440を左右に往復動(横揺れ)させる位置として、下降位置を一例として説明したが、上記構成から理解できる通り、他の位置においても可能である。即ち、左右のアーム体430が停止された状態において、各連結ピン433と第1部材440の各摺動溝441aの外側終端および内側終端のそれぞれとの間に隙間を有する位置であれば、いずれの位置であっても良い。よって、上昇位置または下降位置に限られず、上昇位置と下降位置との間の任意の位置で左右への往復動(横揺れ)を発生させることができる。また、左右のアーム体430が停止される回転位置は、同じ回転位置である必要はなく、異なる回転位置(即ち、第1部材440が傾斜姿勢となる位置)で停止されても良い。
【0293】
ここで、第1部材440にその姿勢を検出するセンセ装置を設け、そのセンサ装置の検出結果に基づいて、腕部材444の回転状態を変更する制御を行っても良い。これにより、第1部材440の動きを速やかに収束させる、或いは、第1部材440を左右に往復動(横揺れ)させることができる。
【0294】
例えば、左右のアーム体430の変位(回転)が停止され、この停止に伴って、第1部材440が惰性(慣性の作用)により左右のアーム体430に対して左右に往復動(横揺れ)される際には(図37及び図38参照)、その第1部材440の基体441及び正面体442の往復動を弱めるように腕部材444を回転させる(腕部材444の回転により発生する反力を、基体441及び正面体442の運動を打ち消す方向へ作用させる)。これにより、第1部材440の動きを速やかに収束させることができる。
【0295】
或いは、第1部材440の動きが収束して停止している状態、又は、第1部材440が惰性(慣性の作用)により左右に往復動(横揺れ)されている状態から、第1部材440の基体441及び正面体442を往復動させる又はその往復動を強めるように腕部材444を回転させる(腕部材444の回転により発生する反力を、基体441及び正面体442の運動を増幅させる方向へ作用させる)。これにより、第1部材440を左右に往復動させることができると共に、腕部材444の回転状態に応じて、第1部材440の左右への往復動に変化を付与することができる。
【0296】
なお、センサとしては、第1部材440の腕部材444を除く他の部分(例えば、基体441、正面体442又は背面体443など)に配設されその3方向の加速度を検出する加速度センサ(例えば、静電容量型、ピエゾ型など)、アーム体430及び第1部材440の間の距離を検出する距離センサ(例えば、三角測距式やタイム・オブ・フライト式など)などが例示される。距離センサでは、少なくとも2箇所に設け、アーム体430に対する第1部材440(基体441や正面体442)の相対姿勢を検出するように構成する。
【0297】
次いで、中央遊動ユニット400と左右回転ユニット500との連携について、図41を参照して説明する。
【0298】
図41(a)は、中央遊動ユニット400及び左右回転ユニット500の正面図であり、図41(b)は、中央遊動ユニット400及び左右回転ユニット500の上面図であり、図41(c)は、図41(b)のXLIc-XLIc線における中央遊動ユニット400及び左右回転ユニット500の断面背面図である。
【0299】
なお、図41(a)から図41(c)では、中央遊動ユニット400が下降位置に、左右回転ユニット500が張出位置に、それぞれ配置された状態が図示される。また、図41(a)から図41(c)では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、各ベース体410,511,512やカバー体420,513等の図示が省略され、説明に必要な主要な構成のみが図示される。
【0300】
図41に示すように、本実施形態では、中央遊動ユニット400が下降位置に配置された状態で、左右回転ユニット500が張出位置に配置されると、中央遊動ユニット400の第1部材440(基体441)の背面に立設される一対の筒部441bに対し、左右回転ユニット500の一対の変位部材530がそれぞれ当接可能に形成される。これにより、第1部材430の動きを規制することができる。
【0301】
例えば、上昇位置に配置されていた中央遊動ユニット400を左右のアーム体430の下方への回転により下降位置に配置した際に、同時に、左右回転ユニット500を張出位置に配置して、第1部材440(筒部441b)に変位部材530を当接させることで、上述した場合のように(図37及び図38参照)、第1部材440が惰性(慣性の作用)により左右に往復動(横揺れ)されることを規制することができる。
【0302】
或いは、第1部材440の腕部材444を変位(回転)させる場合に、第1部材440(筒部441b)に変位部材530を当接させることで、腕部材444の変位の反作用により、第1部材(基体441及び正面体442)が左右に往復動(横揺れ)されることを規制することができ、これにより、正面体442は停止状態に維持しつつ、腕部材444のみを変位させる態様を遊技者に視認させることができる。
【0303】
このように、本実施形態によれば、左右回転ユニット500の変位部材530の配設位置に応じて(即ち、変位部材530を筒部441bに当接させるか否かを切り替えることで)、腕部材444の変位に伴う反力で第1部材540(基体441及び正面体442)を腕部材444と共に変位させる態様と、第1部材540(基体441及び正面体442)を停止状態に維持しつつ、腕部材444のみを変位させる態様とを選択的に形成することができる。
【0304】
次いで、図42から図48を参照して、左右センサ装置600について説明する。まず、図42及び図43を参照して、左右センサ装置600と中央遊動ユニット400との関係について説明する。
【0305】
図42(a)及び図43(a)は、左右センサ装置600の正面図であり、図42(b)及び図43(b)は、図42(a)のXLIIb-XLIIb線および図43(a)のXLIIIb-XLIIIb線における左右センサ装置600の断面図である。図42では第1部材440が上昇位置に、図43では第1部材440が下降位置に、それぞれ配置された状態が図示される。
【0306】
なお、図42及び図43では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、背面ケース210、第1部材440及びガラスユニット16の板ガラス16aのみが図示され、他の構成の図示が省略される。また、図42及び図43では、第1センサ610及び第2センサ620からそれぞれ照射された光の経路および板ガラス16aに照射された光の照射領域S1,S2が二点鎖線を用いて模式的に図示される。後述する図44及び図45においても同様であり、その説明は省略する。
【0307】
図42及び図43に示すように、左右センサ装置600は、ガラスユニット16の板ガラス16aの前方における遊技者の手指を検出し、その有無(存在)や位置、或いは、動作方向や動作速度を取得するためのセンサであり、背面ケース210の開口211aを挟んで左右に配設される第1センサ610及び第2センサ620を備える。なお、第1センサ610は、回転体昇降ユニット300の中央ユニット300Cにおける正面ベース312の上端側に配設され(図9参照)、第2センサ620は、背面ケース210の底壁部211に配設される。
【0308】
第1センサ610及び第2センサ620は、発光部および受光部を備える光センサとして形成され、板ガラス16aに照射される光の照射領域S1,S2が、板ガラス16aの幅方向(図42(a)左右方向)中央で重なりを有するように、発光部を内側へ向けた傾斜姿勢で配設される。よって、上述したように、遊技盤13(センターフレーム86)の開口部を挟んでそれぞれ開口部の内縁よりも幅方向の奥まった位置(幅方向外側となる位置)に各センサ装置610,620を配設することができ、遊技者から視認され難くできる。
【0309】
この場合、板ガラス16aの前方(図42(a)紙面手前側、図42(b)下側)であって、照射領域S1,S2の斜め前方(発光部からの照射方向に沿う方向での前方)に遊技者の手指が存在する場合には、発光部から照射され板ガラス16aを透過した光が、遊技者の手指で反射され、その反射された光が受光部で受光されることで、遊技者の手指の存在が検出される。
【0310】
左右センサ装置600は、第1センサ610及び第2センサ620を左右に配設し、板ガラス16aの前方2か所(照射領域S1,S2のそれぞれに対応する領域)での検出を行うことができるので、両センサ610,620のそれぞれの検出結果に基づいて、遊技者の手指の位置(照射領域S1又は照射領域S2のいずれの前方に位置するか)、動作方向(照射領域S1から照射領域S2へ向かう方向またはその逆方向)或いは動作速度(照射領域S1,S2間を横切る際の速度)を検出できる。
【0311】
ここで、本実施形態では、例えば、図43に示すように、左右センサ装置600(第1センサ610及び第2センサ620)の光の経路が、第1部材440の移動領域に重なるように設定される。即ち、第1部材440が左右センサ装置の検出領域(第1センサ610及び第2センサ620と板ガラス16aとの間の光の経路)の少なくとも一部に重なる位置まで変位可能に形成される。
【0312】
この場合、第1部材440は、図43(a)及び図43(b)に示すように、板ガラス16aの前方(図43(a)紙面手前側、図43(b)下側)であって、照射領域S1の斜め前方(第1センサ610の発光部からの照射方向に沿う方向での前方)における領域(以下「第1センサ610の検出領域」と称す)と、板ガラス16aの前方であって、照射領域S2の斜め前方(第2センサ620の発光部からの照射方向に沿う方向での前方)における領域(以下「第2センサ620の検出領域」と称す)とを区画する位置に変位可能とされる。
【0313】
これにより、板ガラス16aの前方において、第1センサ610の検出領域と第2センサ620の検出領域とを確実に切り離すことができる。よって、第1センサ610の検出領域にある遊技者の手指を第2センサ620が、第2センサ620の検出領域にある遊技者の手指を第1センサ610が、それぞれ検出することを確実に回避できる。
【0314】
よって、例えば、遊技者に二者択一の選択をさせる演出(例えば、第3図柄表示装置81の表示領域内の左右2箇所(第1センサ610の検出領域に対応する位置と第2センサ620の検出領域に対応する位置の2箇所)に選択対象(例えば、図形や文字)が表示され、その選択対象に対応する2箇所の領域(検出位置)のいずれかに遊技者が手指を近づけることで、いずれか一方を選択する演出)を行う場合に、その遊技者の選択動作の検出精度を高めることができる。
【0315】
また、中央遊動ユニット400は、上述したように、左右のアーム体430が互いに独立して変位(回転)可能に形成されると共に、第1部材440(基体441)に腕部材444が相対変位可能に配設されるので、第1部材440を上下方向に沿って直線状に昇降させるだけでなく、第1部材440を左右に往復動(横揺れ)させることができる(図39参照)。また、第1部材440の停止位置を左右方向のいずれか一方へ偏らせることができる(図33及び図34参照)。
【0316】
これにより、第1部材440の動き(位置)に応じて、第1センサ610の検出領域または第2センサ620の検出領域のうちの少なくとも一方または両方の大きさを変更することができる。よって、例えば、第3図柄表示装置81に表示される選択対象の表示態様の変化に応じて、遊技者に自分の手指を移動させて、その手指が検出される位置(検出領域)を探させるという演出を行うことができる。
【0317】
また、例えば、第1部材440が第1センサ610の検出領域または第2センサ620の検出領域のうちの一方を遮蔽して、検出不能とすることもできるので、第3図柄表示装置81には選択対象を手指により選択することを遊技者に指示する表示がなされているにも関わらず、第1部材440が検出領域の一方を遮蔽して、遊技者の選択動作の邪魔をするという演出を行うことができる。或いは、第1部材440が検出領域の一方を遮蔽することで、他方を選択するように遊技者に促す指示を第3図柄表示装置81に表示するという演出を行うことができる。
【0318】
図44(a)は、左右センサ装置600の正面図であり、図44(b)は、図44(a)のXLIVb-XLIVb線における左右センサ装置600の断面図である。
【0319】
上述したように、第1部材440は、正面体442が光透過性の材料から形成されると共に、内部に複数の発光手段(LED)が配設され、それら複数の発光手段を発光(点灯または点滅)させることで、正面体442の正面および外周面を透過した光を、正面および外周面から外部へ向けて照射させることができる。これにより、正面体442の全体(正面および外周面)が発光しているように遊技者に視認させることができる。
【0320】
この場合、第1部材440の正面体442(特に、その正面体442の外周面)から外部へ向けて照射された光が、第1センサ610及び第2センサ620に入射されると、入射された光と発光部から発光された光との干渉が発生することや入射された光を受光部が直接受光することに起因して、誤検出を招く。
【0321】
これに対し、本実施形態によれば、図44に示すように、正面体442(特に、外周面)から外部へ照射された光が、第1センサ610及び第2センサ620へ入射されることを遮蔽可能な位置(正面体442と各センサ610,620とを結ぶ仮想線(図44(b)の破線矢印)を横切る位置、以下「遮蔽位置」と称す)に、変位部材530が変位可能に形成される。よって、正面体442の発光手段を発光させる際には、変位部材530を遮蔽位置へ変位させることで、発光手段から発光された光から各センサ610,620を変位部材530により遮蔽することができ、その結果、各センサ610,620の誤検出を抑制できる。
【0322】
また、このように、発光手段から発光された光が第1センサ610及び第2センサ620へ入射されることを遮蔽するための手段を、変位部材530に兼用させることで、常設の遮蔽部材を設けることを不要として、その分、部品コストの削減を図ることができる。一方、発光手段の発光が行われない際には、変位部材530を遮蔽位置から退避させることができるので、その分、常設の遮蔽部材を設ける場合と比較して、スペースを確保できる。よって、変位部材530の退避により確保されるスペースを、他の変位部材が変位するためのスペースとして利用することができる。
【0323】
更に、第1部材440(正面体442)は、上昇位置と下降位置との間を昇降可能に形成されるところ(図33及び図34参照)、その第1部材440の変位位置に応じて、変位部材530を変位(回転)させて遮蔽位置に配置することができる。即ち、第1部材440の動きに変位部材530を追従させることができる。よって、第1部材440の配置(昇降位置)に関わらず、第1センサ610及び第2センサ620を変位部材530により遮蔽することができる。
【0324】
即ち、第1部材440の可動範囲の全範囲に対応できるように、常設の遮蔽部材を設ける場合には、かかる遮蔽部材の配設に大きなスペースが必要となるところ、変位部材530であれば、第1部材440の変位(昇降位置)に応じて自身が遮蔽位置へ変位することができるので、変位部材530を小型化することが可能となる。よって、常設の遮蔽部材を不要とできる分、部品コストの削減とスペースの確保とを達成できるだけでなく、変位部材530を駆動するための駆動モータ520の負担を軽減することができる。
【0325】
次いで、図45を参照して、左右センサ装置600と左右回転ユニット500との関係について説明する。
【0326】
図45(a)は、左右センサ装置600の正面図であり、図45(b)は、図45(a)のXLVb-XLVb線における左右センサ装置600の断面図である。
【0327】
図45に示すように、左右回転ユニット500は、左右の変位部材530が退避位置(図7参照)と張出位置(図8参照)との間を変位(回転)可能にそれぞれ形成され、それら退避位置および張出位置に左右の変位部材530が配置されたことを検出するセンサ(図示せず)が設けられているところ、左右の変位部材530は、退避位置と張出位置との間となる中間位置(所定位置)において、第1センサ610の検出領域および第2センサ620の検出領域に重なる(横切る)ようにそれぞれ形成される。
【0328】
左右センサ装置600は、左右回転ユニット500の各変位部材530が中間位置(所定位置)に配置されたことを、各センサ610,620によって、それぞれ独立に検出可能に形成される。これにより、板ガラス16aの前方における対象物F(図46参照)の有無を検出する手段と、変位部材530の中間位置への配置を検出する手段とを、第1センサ610及び第2センサ620に兼用させることができる。よって、変位部材530が中間位置に配置されたことを検出するためのセンサを別途設けることを不要として、その分、製品コストの削減を図ることができる。
【0329】
なお、左右センサ装置600の各センサ610,620によって左右回転ユニット500の各変位部材530が検出される位置を、中間位置ではなく、張出位置としても良い。変位部材530が張出位置へ配置されたことを検出するためのセンサを別途設けることを不要として、その分、製品コストの削減を図ることができる。
【0330】
次いで、図46を参照して、左右センサ装置600により板ガラス16aの汚れDを検出する方法について説明する。
【0331】
図46(a)及び図46(b)は、ガラスユニット16の板ガラス16aの部分拡大上面図であり、図42(b)に対応する。なお、図46では、第1センサ610の発光部から発光された光の経路が二点鎖線を用いて模式的に図示される。また、図42(a)では、第1センサ610の検出領域に存在する対象物Fが、図42(b)では、照射領域S1(図42(a)参照)に付着する汚れDが、それぞれ模式的に図示される。
【0332】
図46(a)に示すように、例えば、第1センサ610(図42参照)の検出領域に対象物F(遊技者の手指)が存在する場合、第1センサ610の発光部から照射された光は、板ガラス16aを所定の屈折角で屈折しつつ透過した後、対象物Fで反射され、往路と同じ経路を辿ることで、第1センサ610の受光部に受光される。これにより、第1センサ610により遊技者の手指の存在が検出される。
【0333】
この場合、第1センサ610及び第2センサ620は、互いの発光部および受光部を内側へ向けた傾斜姿勢で配設されることで(図42参照)、上述したように、遊技盤13の開口部を挟んでそれぞれ開口部の内縁よりも幅方向の奥まった位置(幅方向外側となる位置)での配設が可能となり(図6参照)、これら各センサ610,620を遊技者から視認され難くできる。
【0334】
しかしながら、この場合には、図46(b)に示すように、第1センサ610の発光部から発光された光の板ガラス16aに対する入射角が大きくなる(入射方向と板ガラス16aとが平行に近くなる)ため、板ガラス16aに汚れD(例えば、遊技者の手の脂など)が付着されていると、その汚れDによって光が往路とは異なる方向へ反射してしまい、反射光を第1センサ610の受光部に受光させることができない。よって、板ガラス16aへの汚れDの付着の有無を第1センサ610によって検出することができない。
【0335】
これに対し、本実施形態によれば、第1センサ610及び第2センサ620が互いの発光部および受光部を内側へ向けた傾斜姿勢で配設されるので、板ガラス16aの照射領域S1に汚れDが付着される場合には、第1センサ610の発光部から発光され光を、第2センサ620の受光部が検出することができ、これにより、板ガラス16aへの照射領域S1への汚れDの付着の有無を検出できる。なお、照射領域S2への汚れDの有無は、第2センサ620の発光部から発光され光を、第1センサ610の受光部が検出するか否かに基づいて判断できる。
【0336】
即ち、第1センサ610の発光部から発光した光が、第2センサ620の受光部により受光される場合には照射領域S1への汚れDの付着があり、第2センサ620の受光部により受光されない場合には照射領域S1への汚れDの付着はない、とそれぞれ判断できる。同様に、第2センサ620の発光部から発光した光が、第1センサ610の受光部により受光される場合には照射領域S2への汚れDの付着があり、第1センサ610の受光部により受光されない場合には照射領域S2への汚れDの付着はない、とそれぞれ判断できる。
【0337】
ここで、第1センサ610及び第2センサ620による板ガラス16aの汚れDの有無の検出は、パチンコ機10の電源投入時の処理において行うことが好ましい。パチンコ機10の電源投入時は、遊技者が入店していないため、板ガラス16aの前方(各センサ610,620の検出領域)に対象物F(遊技者の手指)が存在しない。よって、対象物Fと汚れDとの区別(例えば、対象物で反射する場合の経路長と汚れDで反射する場合の経路長との差に基づいて、発光から受光までに要する時間に閾値を設ける)を行う必要がなく、その分、板ガラス16aの汚れDの有無の検出精度を高めることができるからである。
【0338】
次いで、図47から図50を参照して、第2実施形態について説明する。図47(a)は、第2実施形態における収容体330の側面図であり、図47(b)は、図47(a)の矢印XLVIIb方向視における収容体330の正面図である。なお、図47(a)は、図18(a)に対応する。また、図47(a)及び図47(b)では、側壁体332、隔壁体334及び装飾体335が取り外された状態が図示される。
【0339】
第1実施形態では、駆動モータ350が回転駆動されると、その回転が第1回転体340a及び第2回転体340bへ伝達機構により常時伝達される場合を説明したが、第2実施形態における伝達機構は、駆動モータ350の回転の第2回転体340bへの伝達を断続的とすることが可能に形成される。なお、上記第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0340】
図47(a)及び図47(d)に示すように、第2実施形態における伝達機構は、駆動モータ350の駆動軸に固着される駆動ギヤ351と、その駆動ギヤ351に順に歯合される伝達ギヤ352、第1ギヤ2353、中間ギヤ2354及び第2ギヤ2355からなる歯車列とを備える。
【0341】
第1ギヤ2353は、第1実施形態における第1ギヤ353に対して歯数のみが異なり、他の構成は同一に形成される。なお、第1ギヤ2353の歯数は20に設定される。一方、第2ギヤ2355は、第1実施形態のける第2ギヤ355に対して厚み寸法のみが異なり、他の構成は同一に形成される。即ち、第2ギヤ2355の歯数は20に設定される。よって、第1ギヤ2353と第2ギヤ2355とは実質的に同一の歯車として形成される。
【0342】
中間ギヤ2354は、第1ギヤ2353と第2ギヤ2355との間に介在される歯車であり、2枚の歯車(第1側中間ギヤ2354a及び第2側中間ギヤ2354b)を軸方向(図47(b)左右方向)に同心に重ね合わせて一体化した部材として形成される。
【0343】
第1側中間ギヤ2354aには、第1ギヤ2353の歯と歯合可能な歯が全周にわたって形成される。よって、第1ギヤ2353(第1回転体340a)が回転されている間は、その回転に同期して、中間ギヤ2354(第1側中間ギヤ2354a及び第2側中間ギヤ2354b)が常に回転される。なお、第1側中間ギヤ2354aは歯数が21に設定される。
【0344】
第2側中間ギヤ2354bは、第1側中間ギヤ2354aの歯の一部を省略した点を除き他の構成は第1側中間ギヤ2354aと同一の歯車として形成される。詳細には、第2側中間ギヤ2354bには、7個の歯を省略(除去)した領域である非歯合領域と、その非歯合領域の残部の領域(即ち、14個の歯が周方向に連続する領域)である歯合領域とが形成される。
【0345】
第2側中間ギヤ2354bの非歯合領域では、歯が省略(除去)され、第2ギヤ2355の歯と歯合不能とされるため、中間ギヤ2354bから第2ギヤ2355への回転の伝達が遮断される。一方、第2側中間ギヤ2354bの歯合領域では、第2ギヤ2355の歯と歯合可能とされ、中間ギヤ2354bから第2ギヤ2355へ回転が伝達される。
【0346】
この場合、第2側中間ギヤ2354bの非歯合領域は、歯数が21に設定される第1側中間ギヤ2354aに対し、7個の歯を省略することで形成される領域であるので、中心角が120度とされ、歯合領域は、残りの14個の歯に対応する領域であるので、中心角が240度とされる。
【0347】
よって、第2回転体340bは、第2側中間ギヤ2354bと第2ギヤ2355とが非歯合とされる非歯合領域に対応する区間では、停止されており、第2側中間ギヤ2354bと第2ギヤ2355とが歯合される始業領域に対応する区間では、回転される。従って、第1回転体340aが360度回転されると、中間ギヤ2354も360度回転される一方、第2回転体340bは、240度だけ回転される。
【0348】
次いで、第2実施形態における第1回転体340a及び第2回転体340bの回転動作について説明する。
【0349】
図48は、第1回転体340a及び第2回転体340bの図形の組み合わせを示すテーブルである。また、図49及び図50は、第1回転体340a及び第2回転体340bが回転される際の遷移状態を示す第1回転体340a及び第2回転体340bの側面模式図であり、図49(a)から図49(e)は、図48にNo.1?5として示す状態に、図50(a)から図50(d)は、図48にNo.6?9として示す状態に、それぞれ対応する。
【0350】
なお、図48から図50では、第1実施形態の場合と同様に、第1回転体340aの第1表示板343A?第3表示板343Cを符号「A?C」を用いて、第2回転体340aの第1表示板343A?第3表示板343Cを符号「A’?C’」を用いて、それぞれ図示する。
【0351】
ここで、第1回転体340aの第1表示板343A及び第2回転体340bの第1表示板343Aをそれぞれ視認位置に配置した状態(図48のNo.1及び図49(a)に示す状態)を以下「初期状態」と称す。この初期状態では、第2ギヤ2355に対する中間ギヤ2354の位相は、歯合領域と非歯合領域との一側の境界位置(歯合領域の終端、非歯合領域の始端)に設定される(図47(a)参照)。
【0352】
図48のNo.1及び図49(a)に示すように、第1回転体340aの第1表示板343A及び第2回転体340bの第1表示板343Aをそれぞれ視認位置に配置した状態から(図48のNo.1「A’,A」、第1の組み合わせ)、第1回転体340aを120度回転させその第2表示板343Bを視認位置に配置させると、第2回転体340bは、中間ギヤ2354(第2側中間ギヤ2354b)における非歯合領域の作用により回転が伝達されず、停止状態に維持される。
【0353】
その結果、図48のNo.2及び図49(b)に示すように、第2回転体340bは第1表示板343Aが視認位置に配置された状態に維持される。これにより、第2の組み合わせ(図48のNo.2「A’,B」)を形成することができる。
【0354】
なお、図48のNo.2及び図49(b)に示す状態では、初期状態(図49(a)参照)から第1回転体340a(第1ギヤ2353)が120度回転され、これに伴って、中間ギヤ2354も120度回転されているので、第2ギヤ2355に対する中間ギヤ2354の位相が、歯合領域と非歯合領域との他側の境界位置(歯合領域の始端、非歯合領域の終端)に配置される。
【0355】
図48のNo.2及び図49(b)に示す状態から、第1回転体340aを120度回転させその第3表示板343Cを視認位置に配置させると、第2回転体340bは、中間ギヤ2354(第2側中間ギヤ2354b)における歯合領域(中心角240度のうちの前半の120度の領域)の作用により120度回転される。
【0356】
その結果、図48のNo.3及び図49(c)に示すように、第2回転体340bは第2表示板343Bを視認位置に配置させる。これにより、第3の組み合わせ(図48のNo.3「B’,C」)を形成することができる。
【0357】
図48のNo.3及び図49(c)に示す状態から、第1回転体340aを120度回転させその第3表示板343Aを視認位置に配置させると、第2回転体340bは、中間ギヤ2354(第2側中間ギヤ2354b)における歯合領域(中心角240度のうちの後半の120度の領域)の作用により120度回転される。
【0358】
その結果、図48のNo.4及び図49(d)に示すように、第2回転体340bは第3表示板343Cを視認位置に配置させる。これにより、第4の組み合わせ(図48のNo.4「C’,A」)を形成することができる。
【0359】
なお、図48のNo.4及び図49(d)に示す状態では、初期状態(図49(a)参照)から第1回転体340a(第1ギヤ2353)が360度回転され、これに伴って、中間ギヤ2354も360度回転されているので、第2ギヤ2355に対する中間ギヤ2354の位相が、歯合領域と非歯合領域との一側の境界位置(歯合領域の終端、非歯合領域の始端)に配置される。
【0360】
以降は、上述した態様(図48のNo.1及び図49(a)に示す状態から図48のNo.3及び図49(c)に示す状態までの区間の回転)と実質的に同一の態様が、更に2回繰り返されることで、1サイクルが完了される(テーブルが始点から終点まで一巡される)。
【0361】
この場合、図48のNo.4?No.6に示す状態の区間では、図49(a)?図49(c)における第1回転体340aの位相を120度異ならせた状態に置き換えて考えれば良く、第5の組み合わせ(図48のNo.5「C’,B」)及び第6の組み合わせ(図48のNo.6「A’,C」)を形成することができる。
【0362】
また、図48のNo.7?No.9に示す状態の区間では、図49(a)?図49(c)における第1回転体340aの位相を240度異ならせた状態に置き換えて考えれば良く、第7の組み合わせ(図48のNo.7「B’,A」)、第8の組み合わせ(図48のNo.8「B’,B」)及び第9の組み合わせ(図48のNo.9「C’,C」)を形成することができる。
【0363】
以上のように、本実施形態によれば、駆動モータ350の回転を第1回転体340a及び第2回転体340bのそれぞれへ伝達する伝達機構が複数の歯車からなる歯車列として形成され、そのうちの1の歯車(中間歯車2354)には、相手の歯車(第2ギヤ2355)と歯合して回転を伝達する歯合領域と、相手の歯車に対して非歯合となり回転の伝達を遮断する非歯合領域とが形成される。
【0364】
これにより、第1回転体340aを回転させつつ第2回転体340bを一時的に停止させることができるので、第1回転体340a及び第2回転体340bの図形の組み合わせを変更することができる。その結果、1個の駆動モータ350のみで、組み合わせ可能な最大数である9組の組み合わせを形成することができると共に、その組み合わせを任意に選択することができる。その結果、部品コストの削減を図りつつ、各回転体340a,340bの回転による効果的な演出を行うことができる。
【0365】
特に、本実施形態によれば、第1回転体340aを回転させつつ第2回転体340bを停止させる状態と、第1回転体340a及び第2回転体340bの両者を回転させる状態との2つの状態を形成することができる。即ち、第1回転体340aを回転させつつ第2回転体340bの回転を停止させると共に、その第2回転体340bの停止を解除して回転を再開させることができるので、第1回転体340a及び第2回転体340bの図形の組み合わせを視認する遊技者の興趣を高めることができる。
【0366】
また、本実施形態の伝達機構によれば、回転方向の方向性を有さないので、駆動モータ350の回転方向を正逆切り替えることで、図48に示すテーブルの進行方向を切り替えることができる。よって、例えば、第1の組み合わせ(図48のNo.1「A’,A」)が形成された状態から、第8の組み合わせ(図48のNo.8「B’,B」)を現出させる場合に、図48のテーブルを正方向(図48下方向)へ進行して、第8の組み合わせを現出させることに加え、図48のテーブルを逆方向(図48上方向)へ進行して、第9の組み合わせを現出させることもできる。
【0367】
これにより、前者の場合のように、図48のNo.7からNo.8への移行において、第2回転体340bを停止させた状態で、第1回転体340aのみを回転させて、第8の組み合わせ(図48のNo.8「B’,B」)を現出させる(即ち、一方には「B’」が既に現出されている状態で、他方を「A」から「B」に切り替えて、「B’,B」を現出させる)演出と、後者の場合のように、図48のNo.9からNo.8への移行において、第1回転体340a及び第2回転体340bの両者を回転させて、第8の組み合わせ(図48のNo.8「B’,B」)を現出させる(即ち、一方および他方の両方の図形が切り替えられて「B’,B」を現出させる)演出とを遊技状態に応じて任意に選択して実行することができる。
【0368】
また、前者の場合には、第1回転体340aの120度の回転を7回繰り返すことが必要となるのに対し、後者の場合には、第1回転体340aの120度の回転を2回行えば良いので、所望の図形の組み合わせを速やかに現出させることができる。
【0369】
ここで、本実施形態では、中間ギヤ2354(第2側中間ギヤ2354b)に非歯合領域が形成され、第1回転体340aが回転されている間、第2回転体340bの回転と停止とが切り替えられ、図形の組み合わせが変更される。この場合、中間ギヤ2354における非歯合領域の形成範囲が、第1回転体340a及び第2回転体340bの外周面に複数描かれた図形の間隔に対応して設定される。即ち、第1回転体340a及び第2回転体340bが第1表示板343Aから第3表示板343Cをそれぞれ備え、各外周面に描かれる図形が120度間隔で配置されることから、非歯合領域の形成範囲(中心角)が120度に設定される。
【0370】
これにより、第1回転体340aと第2回転体340bとの位相がずれないので、第1回転体340aの図形と第2回転体340bの図形との組み合わせを要素とする図48に示すテーブルの長さを短く(テーブルの段数を少なく)することができる。よって、所望の図形の組み合わせを現出させるのに必要とされる第1回転体340a及び第2回転体340bの回転数を抑制できる。即ち、所望の図形の組み合わせを現出させるのに必要な時間を短縮できる。
【0371】
但し、中間ギヤ2354における非歯合領域の形成範囲を、第1回転体340a及び第2回転体340bの外周面に複数描かれた図形の間隔に非対応に設定しても良い。例えば、非歯合領域の形成範囲を中心角108度の範囲とした場合には、第1実施形態の場合と同様に、第1回転体340a及び第2回転体340bの位相のずれを生じさせることができる。よって、図形の組み合わせを複数(例えば、9組)形成可能としつつ、図形が組み合わされない状態も形成可能として、遊技者に図形のずれ(組み合わせの非成立)を視認させることができる。
【0372】
次いで、図51から図54を参照して、第3実施形態について説明する。図51(a)は、第3実施形態における収容体330の側面図であり、図51(b)は、図51(a)の矢印LIb方向視における収容体330の正面図である。なお、図51(a)は、図18(a)に対応する。また、図51(a)及び図51(b)では、側壁体332、隔壁体334及び装飾体335が取り外された状態が図示される。
【0373】
第2実施形態では、中間ギヤ2354に非歯合領域と歯合領域とがそれぞれ1箇所ずつ形成される場合を説明したが、第3実施形態における中間ギヤ3354には、非歯合領域と歯合領域とがそれぞれ2箇所ずつ形成される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0374】
図51(a)及び図51(d)に示すように、第3実施形態における伝達機構は、駆動モータ350の駆動軸に固着される駆動ギヤ351と、その駆動ギヤ351に順に歯合される伝達ギヤ352、第1ギヤ3353、中間ギヤ3354及び第2ギヤ3355からなる歯車列とを備える。
【0375】
第1ギヤ3353は、第1実施形態における第1ギヤ353に対して厚み寸法のみが異なり、他の構成は同一に形成される。即ち、第1ギヤ3353の歯数は20に設定される。一方、第2ギヤ3355は、第1実施形態のける第2ギヤ355に対して歯数および厚み寸法が異なり、他の構成は同一に形成される。なお、第2ギヤ3355の歯数は20に設定される。よって、第1ギヤ3353と第2ギヤ3355とは実質的に同一の歯車として形成される。
【0376】
中間ギヤ3354は、第1ギヤ3353と第2ギヤ3355との間に介在される歯車であり、2枚の歯車(第1側中間ギヤ3354a及び第2側中間ギヤ3354b)を軸方向(図51(b)左右方向)に同心に重ね合わせて一体化した部材として形成される。
【0377】
第1側中間ギヤ3354aには、第1ギヤ3353の歯と歯合可能な歯が全周にわたって形成される。よって、第1ギヤ3353(第1回転体340a)が回転されている間は、その回転に同期して、中間ギヤ3354(第1側中間ギヤ3354a及び第2側中間ギヤ3354b)が常に回転される。なお、第1側中間ギヤ3354aは歯数が35に設定される。
【0378】
第2側中間ギヤ3354bは、第1側中間ギヤ3354aの歯の一部を省略した点を除き他の構成は第1側中間ギヤ3354aと同一の歯車として形成される。詳細には、第2側中間ギヤ3354bには、7個の歯を省略(除去)した領域である第1の非歯合領域X1及び第2の非歯合領域X2と、それら第1の歯合領域X1及び第2の非歯合領域X2の間の一方に位置し7個の歯が周方向に連続する領域である第1の歯合領域Y1と、その第1の歯合領域Y1から位相を180度異ならせて第1の歯合領域X1及び第2の非歯合領域X2の間の他方に位置し14個の歯が周方向に連続する領域である第2の歯合領域Y2とが形成される。
【0379】
よって、本実施形態では、第1回転体340a(第1ギヤ3353)を360度回転させると、第1の歯合領域Y1では、第2回転体340b(第2ギヤ3355)を120度回転させると共に、第2の歯合領域Y2では、第2回転体340b(第2ギヤ3355)を240度回転させることができる。一方、第1の非歯合領域X1及び第2の非歯合領域X2では、第2回転体340b(第2ギヤ3355)が停止されている間に、第1回転体340a(第1ギヤ3353)をそれぞれ120度回転させることができる。
【0380】
次いで、第3実施形態における第1回転体340a及び第2回転体340bの回転動作について説明する。
【0381】
図52は、第1回転体340a及び第2回転体340bの図形の組み合わせを示すテーブルである。また、図53及び図54は、第1回転体340a及び第2回転体340bが回転される際の遷移状態を示す第1回転体340a及び第2回転体340bの側面模式図であり、図53(a)から図53(d)は、図52にNo.1?4として示す状態に、図54(a)及び図54(b)は、図52にNo.5,6として示す状態に、それぞれ対応する。
【0382】
なお、図52から図54では、第1実施形態の場合と同様に、第1回転体340aの第1表示板343A?第3表示板343Cを符号「A?C」を用いて、第2回転体340aの第1表示板343A?第3表示板343Cを符号「A’?C’」を用いて、それぞれ図示する。
【0383】
ここで、第3実施形態における初期状態は、第2実施形態の場合と同様に、第1回転体340aの第1表示板343A及び第2回転体340bの第1表示板343Aをそれぞれ視認位置に配置した状態とされる。この初期状態では、第2ギヤ3355に対する中間ギヤ3354の位相は、第1の歯合領域Y1と第1の非歯合領域X1との境界位置(第1の歯合領域Y1の終端、第1の非歯合領域X1の始端)に設定される(図51(a)参照)。
【0384】
図52のNo.1及び図53(a)に示すように、第1回転体340aの第1表示板343A及び第2回転体340bの第1表示板343Aをそれぞれ視認位置に配置した状態から(図52のNo.1「A’,A」、第1の組み合わせ)、第1回転体340aを120度回転させその第2表示板343Bを視認位置に配置させると、第2回転体340bは、中間ギヤ3354(第2側中間ギヤ3354b)における第1の非歯合領域X1の作用により回転が伝達されず、停止状態に維持される。
【0385】
その結果、図52のNo.2及び図53(b)に示すように、第2回転体340bは第1表示板343Aが視認位置に配置された状態に維持される。これにより、第2の組み合わせ(図52のNo.2「A’,B」)を形成することができる。
【0386】
なお、図52のNo.2及び図53(b)に示す状態では、初期状態(図53(a)参照)から第1回転体340a(第1ギヤ3353)が120度回転され、これに伴って、第2ギヤ3355に対する中間ギヤ3354の位相が、第1の非歯合領域X1と第2の歯合領域Y2との境界位置(第2の歯合領域Y2の始端、第1の非歯合領域X1の終端)に配置される。
【0387】
図52のNo.2及び図53(b)に示す状態から、第1回転体340aを120度回転させその第3表示板343Cを視認位置に配置させると、第2回転体340bは、中間ギヤ3354(第2側中間ギヤ3354b)における第2の歯合領域Y2(14個の歯のうちの前半の7個の歯)の作用により120度回転される。
【0388】
その結果、図52のNo.3及び図53(c)に示すように、第2回転体340bは第2表示板343Bを視認位置に配置させる。これにより、第3の組み合わせ(図52のNo.3「B’,C」)を形成することができる。
【0389】
図52のNo.3及び図53(c)に示す状態から、第1回転体340aを120度回転させその第3表示板343Aを視認位置に配置させると、第2回転体340bは、中間ギヤ3354(第2側中間ギヤ3354b)における第2の歯合領域Y2(14個の歯のうちの後半の7個の歯)の作用により120度回転される。
【0390】
その結果、図52のNo.4及び図53(d)に示すように、第2回転体340bは第3表示板343Cを視認位置に配置させる。これにより、第4の組み合わせ(図52のNo.4「C’,A」)を形成することができる。
【0391】
なお、図52のNo.4及び図53(d)に示す状態では、初期状態(図53(a)参照)から第1回転体340a(第1ギヤ3353)が360度回転され、これに伴って、第2ギヤ3355に対する中間ギヤ3354の位相が、第2の歯合領域Y2と第2の非歯合領域X2との境界位置(第2の歯合領域Y2の終端、第2の非歯合領域の始端)に配置される。
【0392】
図52のNo.4及び図53(d)に示す状態から、第1回転体340aを120度回転させその第2表示板343Bを視認位置に配置させると、第2回転体340bは、中間ギヤ3354(第2側中間ギヤ3354b)における第2の非歯合領域X2の作用により回転が伝達されず、停止状態に維持される。
【0393】
その結果、図52のNo.5及び図54(a)に示すように、第2回転体340bは第3表示板343Cが視認位置に配置された状態に維持される。これにより、第5の組み合わせ(図52のNo.5「C’,B」)を形成することができる。
【0394】
なお、図52のNo.5及び図54(a)に示す状態では、初期状態(図53(a)参照)から第1回転体340a(第1ギヤ3353)が480度(120度×4)回転され、これに伴って、第2ギヤ3355に対する中間ギヤ3354の位相が、第2の非歯合領域X2と第1の歯合領域Y1との境界位置(第2の非歯合領域Xの終端、第1の歯合領域Y1の始端)に配置される。
【0395】
図52のNo.5及び図54(a)に示す状態から、第1回転体340aを120度回転させその第3表示板343Cを視認位置に配置させると、第2回転体340bは、中間ギヤ3354(第2側中間ギヤ3354b)における第2の歯合領域Y2(7個の歯)の作用により120度回転される。
【0396】
その結果、図52のNo.6及び図54(b)に示すように、第2回転体340bは第1表示板343Aを視認位置に配置させる。これにより、第6の組み合わせ(図52のNo.6「A’,C」)を形成することができる。
【0397】
なお、図52のNo.6及び図54(b)に示す状態では、中間ギヤ3354が、初期状態(図53(a)参照)から360度回転される。即ち、中間ギヤ3354は、初期状態に復帰され、第2ギヤ3355に対する位相が、第1の歯合領域Y1と第1の非歯合領域X1との境界位置(第1の歯合領域Y1の終端、第1の非歯合領域X1の始端)に設定される(図53(a)参照)。
【0398】
よって、以降は、上述した態様(図52のNo.1及び図53(a)に示す状態から図52のNo.6及び図54(b)に示す状態までの区間の回転)と実質的に同一の態様が、繰り返される。その結果、1サイクル(テーブルの始点から終点までの一巡)の間に、9組の組み合わせを形成することができる。なお、本実施形態では、1サイクルのテーブルの段数が15段とされる。
【0399】
以上のように、本実施形態によれば、駆動モータ350の回転を第1回転体340a及び第2回転体340bのそれぞれへ伝達する伝達機構が複数の歯車からなる歯車列として形成され、そのうちの1の歯車(中間歯車3354)には、相手の歯車(第2ギヤ3355)と歯合して回転を伝達する歯合領域(第1及び第2の歯合領域Y1,Y2)と、相手の歯車に対して非歯合となり回転の伝達を遮断する非歯合領域(第1及び第2の非歯合領域Y1,Y2)とが形成される。
【0400】
これにより、第1回転体340aを回転させつつ第2回転体340bを一時的に停止させることができるので、第1回転体340a及び第2回転体340bの図形の組み合わせを変更することができる。その結果、1個の駆動モータ350のみで、組み合わせ可能な最大数である9組の組み合わせを形成することができると共に、その組み合わせを任意に選択することができる。その結果、部品コストの削減を図りつつ、各回転体340a,340bの回転による効果的な演出を行うことができる。
【0401】
特に、本実施形態によれば、中間ギヤ3354には、第2ギヤ3355への回転の伝達を遮断する非歯合領域(第1及び第2の非歯合領域X1,X2)が2箇所に分散配置され、歯合領域と非歯合領域とが周方向に交互に配置される。よって、例えば、図52のNo.4からNo.7で示す状態のように、第2回転体340bの回転の停止を2種の図形で連続させることができる。よって、第1回転体340a及び第2回転体340bの図形の組み合わせを視認する遊技者の期待感や興趣を高めることができる。
【0402】
また、本実施形態の伝達機構によれば、回転方向の方向性を有さないので、駆動モータ350の回転方向を正逆切り替えることで、図52に示すテーブルの進行方向を切り替えることができる。よって、例えば、図52のテーブルをNo.4からNo.7までの間で進行方向を正逆切り替えることで、第1回転体340aと第2回転体340bとの回転速度を遊技者に異ならせて視認させることができる。
【0403】
次いで、図55を参照して、第4実施形態について説明する。図55(a)は、第4実施形態における中央遊動ユニット4400の上面図であり、図55(b)は、図55(a)の矢印LVb方向視における中央遊動ユニット4400の背面図である。また、図55(c)は、図55(a)の状態からアーム体4430が下方へ回転された状態における中央遊動ユニット4400の背面図である。なお、図55では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、ベース体410やカバー体420等の図示が省略され、説明に必要な主要な構成のみが図示される。
【0404】
第1実施形態では、第1部材440に摺動溝441aが形成されると共に、アーム体430に連結ピン433が形成される場合を説明したが、第4実施形態における摺動溝4439及び連結ピン4449は、それぞれアーム体4430及び第1部材4440に形成される。なお、なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0405】
図55(a)から図55(c)に示すように、第4実施形態における中央遊動ユニット4400は、一対のアーム体4430のそれぞれの先端側に摺動溝4439が開口形成されると共に、それら各摺動溝4439に挿通される一対の連結ピン4449が第1部材4440の背面から突設される。
【0406】
摺動溝4439は、直線状に延設される正面視長穴形状の開口として形成され、アーム体4430の長手方向に沿って延設される。連結ピン4449は、摺動溝441aに沿って摺動可能な断面円形の棒状体として形成される。摺動溝4439及び連結ピン4449を介して、アーム体4430と第1部材4440とが相対移動可能に連結される。なお、連結ピン4449の先端には、摺動溝441aの溝幅よりも大径のカラーが抜け止めとして締結固定される。
【0407】
このように、本実施形態における中央遊動ユニット400によれば、摺動溝4439とその摺動溝4439に摺動可能に挿通される連結ピン4449とにより一対のアーム体4430と第1部材4440とを連結する構造において、連結ピン4449を第1部材4440から突設させ、摺動溝4439を一対のアーム体4430に形成するので、アーム体4430の変位位置(回転角度)を調整することで、摺動溝4439の向き(傾斜角度)を変化させることができる。
【0408】
即ち、アーム部材4430の回転を停止させ、第1部材4440を惰性(慣性の作用)により左右に往復動(横揺れ)させる場合(図37及び図38参照)や、腕部材444を変位(回転)させることで発生する反力の作用により第1部材4440を左右へ往復動(横揺れ)させる場合(図39及び図40参照)には、アーム部材4430の回転角度を調整して、一対の摺動溝4439の間の相対角度を変化させることで、第1部材4440の往復動の態様を変化させることができる。
【0409】
図55(c)に示すように、一対の摺動溝4439を略ハの字状に配置する場合には、上述したように、回転成分を付与することができるので、第1部材440を、直線運動のみでなく、直線運動に回転運動を組み合わせた動きで、左右に往復動(横揺れ)させることができる。
【0410】
この場合、本実施形態によれば、一対のアーム体4430の変位位置(回転角度)を変更することで、一対の摺動溝4439の間の相対角度(ハの字の対向角度)を調整することができ、その結果、第1部材4440の左右への往復動の態様を変化させることができる。
【0411】
例えば、一対の摺動溝4439の間の相対角度を小さく(ハの字の対向角度を小さく)することで、回転成分を増加させ、第1部材4440の左右への往復動(横揺れ)における回転運動の割合を増加させることができる。一方、一対の摺動溝4439の間の相対角度を大きく(ハの字の対向角度を大きく)することで、回転成分を減少させ、第1部材4440の左右への往復動(横揺れ)における直線運動の割合を増加させることができる。
【0412】
特に、本実施形態によれば、図55(b)に示すように、一対の摺動溝4439を一直線上に配置することができるので、回転成分を発生させず、第1部材4440の左右への往復動(横揺れ)を直線運動のみで行わせることができる。即ち、第1部材4440が左右方向へ水平移動する態様を形成できる。
【0413】
なお、このように、一対の摺動溝4439の間の相対角度を変更して、第1部材4440の左右への往復動の態様を変化させること(回転成分を含む態様と、回転成分を含まず、直線成分のみの態様との両者を可能とすること)は、第1部材440(基体441)に摺動溝441aが形成される第1実施形態では達成不可能であり、アーム体4430の先端に摺動溝4439を形成することで初めて可能となったものである。これにより、第1部材4440の動きに変化を付与できる。
【0414】
次いで、第5実施形態における中央遊動ユニット400及び左右回転ユニット5500について、図56及び図57を参照して説明する。図56(a)及び図57(a)は、第5実施形態における中央遊動ユニット400及び左右回転ユニット5500の正面図であり、図56(b)及び図57(b)は、中央遊動ユニット400及び左右回転ユニット5500の断面背面図である。
【0415】
なお、図56(b)及び図57(b)は、図41(c)に対応する。また、図56及び図57では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、各ベース体410,511,512やカバー体420,513等の図示が省略され、説明に必要な主要な構成のみが図示される。
【0416】
第5実施形態における左右回転ユニット5500は、第1実施形態における左右回転ユニット500(図41参照)と比較して、張出位置の位置が下方に配置される。よって、中央遊動ユニット400が下降位置に配置された状態で、左右回転ユニット5500が張出位置に配置されると、左右回転ユニット5500の変位部材530により、中央遊動ユニット400の第1部材440(基体441)の背面に立設される一対の筒部441bを下方へ押し下げることができる。
【0417】
よって、図56及び図57に示すように、中央遊動ユニット400が下降位置に配置された状態で、左右回転ユニット500の左右の変位部材530をそれぞれ交互に張出位置に配置する(一方を張出位置に配置しつつ、他方を張出位置から若干後退させる動作を繰り返す)ことで、第1部材440を左右に往復動(横揺れ)させることができる。
【0418】
なお、この場合には、左右の変位部材530をそれぞれ交互に張出位置に配置する動作および張出位置から後退される動作と、第1部材440の左右への往復動(横揺れ)の動作とが連動(同期)するように、左右の変位部材530を変位(回転)させても良い。第1部材440及び左右の変位部材530の全体が連動して上下左右に揺れる動きを形成でき、一体感のある大きな動きを遊技者に認識させることができる。
【0419】
或いは、左右の変位部材530の一方を第1部材440(筒部441b)に衝突させ、その衝突により発生する反動(慣性)で第1部材440を左右に往復動(横揺れ)させると共に、所定時間経過後に、次いで、左右の変位部材530の他方を第1部材440(筒部441b)に衝突させ、第1部材440を引き続き左右に往復動(横揺れ)させるようにしても良い。第1部材440の左右への往復動を強調して遊技者に認識させることができる。
【0420】
このように、第5実施形態によれば、アーム体430を変位させることなく、第1部材440を左右に往復動させることができる。即ち、第5実施形態によれば、中央遊動ユニット400のアーム体430の上方または下方への回転を停止させた際の惰性(慣性力の作用)により第1部材440をアーム体430に対して左右に往復動させる形態だけでなく、アーム体430の変位に起因する慣性力を利用せず、左右回転ユニット500の変位部材530の変位を利用して第1部材440を左右に往復動させる形態も形成することができる。
【0421】
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【0422】
上記各実施形態において、1の実施形態の一部または全部を他の1又は複数の実施形態の一部または全部と入れ替えて又は組み合わせて、遊技機を構成しても良い。
【0423】
上記各実施形態では、回転体昇降ユニット300において、第1回転体340a及び第2回転体340bがそれぞれ表示面(第1から第3表示板343A?343C)を3面備え、それら3面の図形を組み合わせて遊技者に視認させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1回転体340aの表示面の面数nと第2回転体340bの表示面の面数mとが異なる値に設定されるものであっても良い。
【0424】
上記各実施形態では、回転体昇降ユニット300において、駆動モータ350の駆動力を第1回転体340a及び第2回転体340bに伝達する伝達機構が、駆動ギヤ351、伝達ギヤ352、第1ギヤ353,2353,3353、中間ギヤ354,2354,3354及び第2ギヤ355,2355,3355からなる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、中間ギヤ354,2354,3354及び第2ギヤ355,2355,3355を少なくとも備えるものとして形成しても良い。
【0425】
例えば、中間ギヤ354,2354,3354を第1回転体340aに配設すると共に、その中間ギヤ354,2354,3354に歯合可能な状態で第2ギヤ355,2355,3355を第2回転体340bに配設し、駆動モータ530の駆動軸を、中間ギヤ354,2354,3354又は第2ギヤ355,2355,3355の一方に固着する構造が例示される。かかる構造によれば、歯車の数を低減して、部品コストの削減を図ることができる。
【0426】
上記各実施形態では、回転体昇降ユニット300において、基体331には、収容体330の背面(図18(b)紙面奥側)を形成する部分の正面(内面)に反射部RFを配設する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の部分に反射部RFを配設しても良い。他の部位としては、基体331の部分であって、収容体330の上面または下面を形成する部分の内面が例示される。これら各面は、第1回転体340a及び第2回転体340bが回転される際にその外周面(各表示板343A?343C)が対面される面なので、LED344から発光された光を遊技者へ向けて視認可能に反射させることができる。
【0427】
特に、本実施形態では、第1回転体340a及び第2回転体340bが断面三角形状に形成されるので、各回転体340a,340bが回転される際には、その回転に伴って、上記反射板RFが配設される基体441の各内面と各回転体340a,340bの外周面との間の隙間(図18(b)上下方向間隔)を増減させることができると共に、上記反射板RFが配設される基体441の各内面に対する各回転体340a,340bの各表示板343Aから343Cとの対向角度を変化させることができる。これにより、LED344から発光され透過部PNから照射された光を、反射部RFからの反射光として視認する遊技者に対して、その反射光の態様を変化させることができる。
【0428】
上記各実施形態では、回転体昇降ユニット300において、第1回転体340a及び第2回転体340bの回転軸が互いに平行に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、直交するものであっても良い。これにより、遊技者に対して、例えば、第1回転体340a及び第2外周面340bの外周面にそれぞれ描かれる図形を互いに直交する方向へ変位(移動)させることができる。この場合、各表示板344A?344Cは正面視正方形上に形成することが好ましい。第1回転体340a及び第2回転体340bを並設した場合に、それらの外周面に描かれる図形の一体感を形成できるからである。
【0429】
上記各実施形態では、回転体昇降ユニット300において、1の収容体330に配設される回転体(第1回転体340a及び第2回転体340b)の数が2本とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、3本以上であっても良い。
【0430】
上記各実施形態では、中央遊動ユニット400において、左右のアーム体430の基端側がベース体410に回転可能に軸支される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、左右のアーム体430の基端側をベース体410に対してスライド変位可能に形成しても良い。スライド変位によっても、左右のアーム体430が独立に変位可能とされることで、上記各実施形態の場合と同様に、第1部材440の動きに変化を付与することができる。
【0431】
上記各実施形態では、中央遊動ユニット400において、アーム体430及び第1部材440が連結ピン433及び摺動溝441aにより連結されることで、左右のアーム体430の変位(回転)時や慣性力が作用される際などに、アーム部材430に対して第1部材440が相対変位可能とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、アーム体430及び第1部材440を相対変位可能に連結する構造は他の構造であっても良い。
【0432】
他の構造としては、例えば、アーム体430の先端と第1部材440とを、弾性部材(例えば、ゴム状弾性体やウレタン、金属製のコイルばね・ねじりばね、板ばねなど)を介して連結し、弾性部材の弾性変形により相対変位を可能とする構造、アーム体430の先端と第1部材440とを、軸と軸孔とにより回転可能に連結し、軸孔に対する軸の回転により相対変位を可能とする構造、アーム体430の先端と第1部材440とを、球状のボールとそのボールに球面接触するスタッドとにより連結し、スタッドに対するボールの回転により相対変位を可能とする構造、アーム体430の先端と第1部材440とを、1又は複数のリンク機構により連結し、リンク機構の変形により相対変位を可能とする構造、これらの一部または全部を組み合わせた構造、などが例示される。
【0433】
上記各実施形態では、中央遊動ユニット400を上昇位置または下降位置に配置する際の動作方法を説明したが、それら各動作方法は一例であり、他の動作方法を採用することは当然可能である。よって、例えば、図33及び図34に示す動作方法において、その一部を他の動作方法に置き換えても良い。
【0434】
上記各実施形態では、中央遊動ユニット400において、第1部材440を惰性(慣性の作用)により左右に往復動(横揺れ)させる場合には、左右のアーム体430を停止状態に維持する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1部材440の左右への往復動が収束する前に、左右のアーム体430の一方または両方を所定振幅で周期的に変位(回転)させても良い。アーム体430の変位が所定振幅での周期的な変位なので、かかるアーム体430の動きを遊技者に認識させることなく、第1部材440の左右への往復動を形成し、惰性による往復動が継続されていると遊技者に認識させることができる。
【0435】
上記各実施形態では、中央遊動ユニット400において、腕部材444が左右対称形状とされ、その重心位置が左右方向中央に位置する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、腕部材444の重心位置を左右方向のいずれか一方側へ偏心させても良い。これによれば、腕部材444の回転に伴い基体441に作用される反力を大きくして、第1部材440の左右への往復動(横揺れ)を大きくできると共に変化を与えることができる。
【0436】
上記各実施形態では、中央遊動ユニット400及び左右回転体500,5500において、第1部材440(基体441の筒部441b)に変位部材530を直接当接させることで、第1部材440の動きを規制する或いは第1部材440に動きを発生させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1部材440(基体441の筒部441b)と変位部材530とを非接触としつつ、同様の動作を実行可能に形成しても良い。
【0437】
具体的には、第1部材440(基体441の筒部441b)又は変位部材530の一方に磁石を配設する共に、第1部材440(基体441の筒部441b)又は変位部材530の他方に磁石または鉄製部材を配設し、変位部材530が所定位置まで変位された場合に、一方の磁石と他方の磁石または鉄製部材との間で磁力が作用されることで、第1部材440の動きを規制する或いは第1部材440に動きを発生させる構造が例示される。
【0438】
これによれば、第1部材440(基体441の筒部441b)と変位部材530とを非接触として、両者が当接することを回避できるので、衝突による損傷を抑制することができる。なお、第1部材440(基体441の筒部441b)又は変位部材530の他方に鉄製部材を配設する場合には、左右の変位部材530の一方と第1部材440との間に作用する磁力、及び、左右の変位部材530の他方と第1部材440との間に作用する磁力とを釣り合わせて、左右の変位部材530の間で第1部材440が引っ張られるようにすることで、非接触状態とする。
【0439】
<制御的構成について>
次に、図58?図111を参照して、第1実施形態における制御的構成についての第1制御例について説明する。
【0440】
<第1制御例について>
次に、図58?図111を参照して、パチンコ機10における第1制御例について説明する。図58(a)は、枠ボタン22とタッチスイッチ290を示した図である。枠ボタン22は、遊技者が押下する押下部を有しており、押下部を所定量下方に押下するとリミット型のスイッチがオンとなる構成となっている。パチンコ機10では、所定間隔(本制御例では、2ms)毎に枠ボタン22の状態を監視しており、「OFF」の状態から「ON」と判別された次の監視タイミング(2ms後)でも「ON」と判別されたら枠ボタン22が押下されたと判別している。このように構成することで、ノイズ等で一瞬だけON状態となった場合に誤って枠ボタン22が押下されたと判別してしまう不具合を抑制できる。また、枠ボタン22が連続して押下され続けていない状態、即ち「ON」の状態から「OFF」の状態に切り替わり、その次の監視タイミングでも「OFF」と判別されると枠ボタン22の押下が解除されたと判別する。
【0441】
タッチスイッチ290は、枠ボタン22と前方側に近接して配置されている。タッチスイッチ290は上皿17の上面と略同一面にセンサ部が配置されており、そのセンサ部より赤外線が放射され、その赤外線が対象物に当たって反射した赤外線を識別するとオンするように構成されている。よって、遊技者は、タッチスイッチ290のセンサ部に手等を所定距離まで近づけることで、センサをオンさせることができる。タッチスイッチ290をオン状態にするために、手等をセンサ部に近づける動作をすることをタッチスイッチ290を操作するという。
【0442】
また、タッチスイッチ290も枠ボタン22と同様にパチンコ機10が所定間隔(本制御例では、2ms)で状態を監視しており、「OFF」と判別された状態から次に「ON」状態となり、その次にさらに「ON」と判別されるとタッチスイッチ290が遊技者により操作されたと判別して、第3図柄表示装置81の表示態様を可変させる等の処理を実行する。タッチスイッチ290のセンサ部の上面には「touch」の文字が示されており、タッチスイッチ290が配置されていることを遊技者が容易に分かるように構成されている。
【0443】
図58(b)は、選択スイッチ291の構成を示した図である。この選択スイッチ291は、枠ボタン22の右側に配置されており、枠ボタン22と同様の押下スイッチで構成されている。選択スイッチ291は、上方向の三角形で構成された上選択スイッチ291aと下方向の三角形で構成された下選択スイッチ291bで構成されている。この選択スイッチ291は、主に音量を調節する場合に、遊技者が押下して使用される。上選択スイッチ291aを押下することにより、音量が大となるように設定される。また、下選択スイッチ291bを押下することにより、音量が小となるように設定される。それぞれのスイッチが押下され、オン状態になると信号が音声ランプ制御装置113に出力されて、押下したことを判別できるように構成されている。
【0444】
図59に示す第3図柄表示装置81の表示画面(表示領域)には、上下方向に3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1?Z3はキャラクタと数字から構成される主図柄と、主図柄の間に設けられる副図柄(ブランク図柄)とから構成される。これら図柄列は周期性をもって矢印X方向(右から左方向)へとスクロールして変動表示が行われる。特に上図柄列Z1および中図柄列Z2においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列され、下図柄列Z3においては、主図柄の数字が降順に現れるように配列されている。
【0445】
また、第3図柄表示装置81の表示画面(表示領域)には、各図柄列Z1?Z3毎に左・中・右の3列に第3図柄が表示される。この表示領域の左列部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本制御例では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
【0446】
また、第3図柄表示装置81の表示画面(表示領域)には、この表示領域の中列部が有効ラインL2、右列部が有効ラインL3、左下から右上方向への斜めラインが有効ラインL4、左上から右下への斜めラインが有効ラインL5と合計で5つの有効ラインが構成され、そのいずれの有効ライン上に大当たり図柄の組合せが停止表示されても大当たりとして大当たり動画が表示される。
【0447】
なお、図59では省略したが、第3図柄表示装置の表示領域には、上述した第3図柄が表示される表示領域(主表示領域)以外に、副表示領域が設けられている。副表示領域は、主表示領域よりも下方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域に等区分されている。このうち、左側の小領域は、第1入賞口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、その他の小領域は、予告演出画像を表示する領域である。
【0448】
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入賞口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域の小領域においても示される。小領域には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
【0449】
また、本制御例では、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄は、スーパーリーチとなった場合等において、図柄に付されている数字のみの図柄に可変して表示されたり、主表示領域が拡大されて、小表示領域の表示領域がなくなる場合等がある。このように構成することで、遊技者に新鮮味のある表示態様を表示することができる。
【0450】
なお、本制御例においては、第1入賞口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
【0451】
次に、図60を参照して、本制御例における第3図柄表示装置81で表示される左右選択演出の表示態様について説明する。図60(a)は、左右選択演出が実行される場合における第3図柄表示装置81、中央誘導ユニット400および左右センサ装置600の状態を示す模式図である。左右選択演出が実行されると、まず第1センサ610の照射領域(検出領域)S1と第2センサ620の照射領域(検出領域)S2とが重複する共通領域を覆うように中央遊動ユニット400が降下する。
【0452】
中央遊動ユニット400が降下することにより、その降下した中央遊動ユニット400によって左右センサ装置600が照射する光が遮蔽され、ガラス板16aに光が到達しなくなる。それにより、中央遊動ユニット400が降下している箇所に対応するガラス板16aの表面は左右センサ装置の検出領域から除外され、第1センサ610の照射領域(検出領域)S1と第2センサ620の照射領域(検出領域)とが分断される。
【0453】
このように分断された照射領域(検出領域)S1およびS2に対応する表示領域にそれぞれ遊技者に選択させる内容を表示する(図60では、照射領域S1に対応する表示領域に夕日背景、照射領域S2に対応する表示領域に星空背景を表示)。このように構成することにより、遊技者は表示領域に表示されている表示内容を見て、その表示画面に対応するガラス板16aに触れるだけで任意の選択をすることが可能となる。また、第1センサ610の照射領域S1と第2センサ620の照射領域S2とが重複する領域および重複する領域の近傍の領域は中央遊動ユニット400によって左右センサ装置600の照射領域から除外されており、照射領域S1と照射領域S2とが完全に分断されているため、遊技者が選択していない側のセンサが遊技者の手指を検出してしまう誤検出を防ぐことができる。
【0454】
よって、本制御例の左右センサ装置600の構成および中央遊動ユニット400の降下制御によれば、遊技者がガラス板16aに触れているか否かを検出するだけの演出が実行された場合には、第1センサ610の照射領域S1と第2センサ620の照射領域S2とを一部が重複するように左右センサ装置600を設けているため、広い領域で遊技者の手指を検出することが可能となり、遊技者が左右の何れかを選択する演出が実行された場合には、第1センサ610の照射領域S1と第2センサ620の照射領域S2とを完全に分断させることができ、遊技者が選択していない側のセンサが遊技者の手指を検出してしまう誤検出を防ぐことができる。これにより、遊技者の手指を検出する複数の演出に対し、各演出に適した検出状況を構築することで遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
【0455】
なお、本制御例では、中央遊動ユニット400が左右センサ装置600の照射領域(検出領域)S1,S2を分断することで左右選択演出を実現可能に構成したが、それ以外の構成を用いて左右選択演出を実現可能に構成してもよい。左右選択演出を実現可能に構成する別例について、図60(b)を用いて説明する。
【0456】
図60(b)は、別例における左右選択演出が実行される場合の第3図柄表示装置81、中央誘導ユニット400および左右センサ装置600の状態を示す模式図である。本別例では、左右選択処理が実行されると、まず第3図柄表示装置81の表示領域を分断するように中央遊動ユニット400が降下される。そして、中央遊動ユニット400に設けられる加速度センサより情報を取得して中央遊動ユニット400の位置情報を算出する。
【0457】
そして、算出された位置情報より、第3図柄表示装置81の表示領域のうち、中央遊動ユニット400に覆われていない所定の表示領域を左右選択表示領域として設定し、その左右選択表示領域に左右選択画面を表示する。次いで、左右センサ装置600を構成する第1センサ610及び第2センサ620の照射位置(検出位置)S1,S2が左右選択画面と重複するように左右選択装置600を可変させる。
【0458】
上述した別例の構成によれば、第3図柄表示装置81の表示領域を覆う可変部材(中央遊動ユニット400)の移動に合わせて、第3図柄表示装置81の表示領域に表示される左右選択画面の表示位置および左右センサ装置600の照射位置(検出位置)を変更することが可能になるため、左右選択演出における遊技者の選択操作を確実に検出できるという効果がある。
【0459】
なお、本別例では加速度センサを用いて可変部材の位置を算出する構成を用いたが、それに限ることなく例えば可変部材の駆動制御を行うプログラムの実行状況より可変部材の位置を算出してもよい。
【0460】
次に、図61?図62を参照して、時間演出期間(モードC)に第3図柄表示装置81で表示される表示態様について説明する。パチンコ機10に電源が投入されてから55分が経過すると、5分間の時間演出期間(モードC)としてふれあいタイムと呼ばれる犬とタッチスイッチ290を使用してふれあうことのできる演出が表示される演出表示態様が表示される。この期間においては、通常演出期間(モードA)で表示される表示態様(図59参照)に変えて、図61に示す表示態様に切り替えて表示される。第3図柄が表示される主表示領域は縮小されて右下に表示され、その他の領域に犬のキャラクタが表示される。そして、左下の表示領域にタッチセンタ290を操作して犬を近くに呼ぶ演出(犬を拡大して表示させる演出)が表示されるようにするように遊技者に促す演出が表示される。「呼ぶ」という文字を表示して、タッチスイッチ290を操作するとこの犬を呼ぶ演出が表示されることを遊技者に報知している。
【0461】
図62(a)は、ふれあい演出として「なでる演出」態様の一例を示した図である。「なでる演出」では、タッチスイッチ290をオンにできる距離まで手を近づけて、枠ボタン22の周囲を回動させてタッチスイッチ290をオンにさせる(操作する)ように促している。タッチスイッチ290がオンすることで、犬の頭上に表示された手を模した図柄も回転して、犬の頭をなでるように表示され、犬が喜んだ表情に可変して表示される。
【0462】
このようにすることで、遊技者の手の動きがあたかも犬をなでているかのような動きになるため、遊技者は犬をなでているかのような気分を味わうことができる。また、その操作を報知する表示態様の上部には、インジケータが表示され、遊技者がなでる動作をすることに基づいて、所定の抽選が行われて、その抽選の結果に応じて表示画面右側に表示されるインジケータが上昇していく。
【0463】
表示画面右側に表示されているインジケータは、次回の時間演出期間(RTC292より取得した時間情報に基づく演出期間)が到来するまでの間の魚群信頼度を表示している。つまり、時間演出期間中に実行されるふれあい演出は、魚群信頼度を設定するための演出であり、ふれあい演出中にタッチスイッチ290を数多く操作することで次回の時間演出期間までの間魚群の信頼度が高くなるよう設定可能に構成されている。
【0464】
このように構成することにより、遊技者は演出の信頼度を自分の操作で変更することができるため、積極的に遊技に参加するようになり、遊技に飽きてしまうことを抑制することが可能となる。
【0465】
なお、本制御例ではふれあい演出として「なでる演出」を説明したが、ふれあい演出の内容を複数設けてもよい。演出内容を複数設ける場合は、インジケータの上昇率が高いが間違えて操作した場合はインジケータが下がる演出を設け、遊技者がゲーム性を選択できるようにするとよい。このような演出として例えば「ブラッシング演出」が考えられる。「ブラッシング演出」では表示されている犬の胴体をうまくブラッシングすることでインジケータが大きく上昇し、間違えて犬の顔をブラッシングしてしまうとインジケータが下降してしまうといった演出が考えられる。
【0466】
また、遊技者がふれあい演出を行うことでインジケータが下降する演出を設けてもよい。このような構成を設けることで、意図的に魚群信頼度を下げて出現頻度を上げるといった設定も任意に行えるようにすることができる。
【0467】
また、犬の種類を複数用意し、犬の種類によってインジケータの上昇具合や設定可能な演出の種類を変更できるようにしてもよい。犬の種類を複数用意する場合であれば、例えば、通常期間における複数のミッションや遊技内容に基づいて登場する犬の種類を変更するとよい。このように構成することにより、ふれあい演出中に所望の特典を得るために、通常期間における遊技を集中して行うこととなり、遊技に飽きてしまうことを抑制することが可能となる。
【0468】
また、枠ボタン22の周囲を回動させてタッチスイッチ290を操作した場合、一般的に素早く操作すると200ms?300ms程度の間隔でオンすると想定される。よって、タッチスイッチ290がオンする間隔が200ms?300msを含む151ms?500msの場合に、最もインジケータが上がり易く設定されている。よって、正しい動作で素早くタッチスイッチ290を操作している遊技者ほどより多くの特典を付与することができる。また、この「なでる演出」では、タッチスイッチ290をずっとオンさせ続けている遊技者、即ち、タッチスイッチ290に手をかざしているだけの遊技者等には、インジケータにレベルが上昇しないように構成した。これにより、正しい動作で遊技するように促すことができる。
【0469】
図62(b)は、「ふれあい演出」の終了画面の一例を示した図である。「ふれあい演出」である「ふれあいタイム」(図62(a)参照)中のタッチスイッチ290操作によって、魚群の信頼度が70%となったことを報知している。なお、「ふれあいタイム」終了時点で保留記憶されている当否判定結果の中に判定結果が大当たりの保留記憶がある場合に、「ふれあいタイム」の遊技結果を無視して「魚群の信頼度は100%」と表示してもよい。このように構成することにより、演出の最後まで遊技者に興味を持たせることが可能となり、遊技に対する飽きを抑制することが可能となる。
【0470】
次に、図63を参照して変動表示中における音量設定の表示態様について説明する。図63は第3図柄変動表示中に音量設定画面が表示される一例を示した模式図である。本制御例は第3図柄表示装置81にて第3図柄の変動表示が実行されている期間であっても、リーチが成立するまでの期間であれば遊技者の操作に基づいて音量を設定できるよう構成されている。
【0471】
第3図柄の変動表示が実行中に枠ボタン22を操作すると、第3図柄の変動画面よりも上層に音量設定画面が表示される。この音量設定画面が表示されている間に選択スイッチ291(上選択スイッチ291a、下選択スイッチ291b)を操作することにより、音量が調整される。音量設定画面には現在の音量レベルと、音量設定が可能であることを示す「音量設定中」の文字と、操作スイッチ291を操作することを促すマークとが表示されている。
【0472】
この音量設定画面は、変動中の第3図柄がリーチ状態になった場合や、音量設定が可能となってから(音量設定画面が表示されてから)所定時間、選択スイッチ291が操作されなかった場合や、音量設定を完了させる操作を行った場合に消去される。
【0473】
以上説明をしたように、本制御例では第3図柄の変動表示中に音量を設定可能に構成されているため、遊技中の音声を聞きながら(遊技音量を聞きながら)音量を調整することができる。これにより、第3図柄が変動していない場合に音量を調整し、第3図柄の変動表示が開始された場合に想定外の遊技音量となってしまうという不具合を低減させることが可能となる。
【0474】
なお、本制御例では音量設定画面に現在の音量レベルを表示しているが、これに加えて、パチンコ機10にて出力される遊技音量の最大値に対して現在出力されている遊技音量がどれくらいなのかを遊技者が相対的に把握することができる音量値を表示してもよい。このように構成することで、現在出力されている遊技音量と音量値とを踏まえて音量を調整することが可能となり、遊技中に想定外の遊技音量が出力されるという不具合をより低減させることが可能となる。
【0475】
また、このような構成を用いる場合は、現在実行されている変動表示における遊技音量の最大値を遊技者が把握できるよう表示するとよい。このように構成することにより、遊技者は今回の変動表示で大きな音が発生することを事前に察知することが可能となり、事前に音量を調整することが可能となる。また、現在実行されている変動表示における遊技音量の最大値を表示することにより、当否判定の結果を遊技者が予想することができ、遊技の興趣を向上させることも可能となる。
【0476】
さらに、当否判定の結果が大当り等の所定の結果である場合は、遊技者が枠ボタン22を操作しても音量設定画面が表示されず、音量設定ができないように構成してもよい。このように構成することで、通常行われる音量の調整操作に対して遊技結果に基づく変化を付与することが可能となり、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
【0477】
なお、図63では、第3図柄が変動している場合における音量設定画面を示しているが、第3図柄が変動していない状態が所定時間継続することにより、パチンコ機10のタイトルが表示される待機画面(デモ画面)が表示されている場合においても音量設定画面が表示されるように構成されている。この場合、デモ画面が表示されてから所定時間が経過した場合、又はデモ画面中に所定の操作を行った場合に音量設定画面が表示され音量が設定可能となる。
【0478】
<パチンコ機10における電気的構成について>
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
【0479】
ここで、図4に記載されている主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について図64を参照して説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
【0480】
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
【0481】
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図76参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図84参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、特別図柄の保留球を記憶するための4つの保留エリア(保留第1?第4エリア)からなる特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、特別図柄の特別図柄保留球実行エリアが設けられている。特別図柄保留球格納エリア203aの各エリアには、第1入賞口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2の各値がそれぞれ格納される。
【0482】
また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1?第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球がスルーゲート66または67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
【0483】
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0?299)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0?299の値を取り得るカウンタの場合は299)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
【0484】
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0?299の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0?299の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図76参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図84参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
【0485】
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される特別図柄大当たり乱数テーブル(図66(a)参照)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この特別図柄大当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。なお、特別図柄の高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル(図66(a)参照)と、特別図柄の低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル(図66(a)参照)とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
【0486】
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0?99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0?99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
【0487】
ここで、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
【0488】
一方で、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。本制御例では、大当たり種別は、「大当たりA」と「大当たりB」との2種類が設定されており、第1当たり種別カウンタC2によって、「大当たりA」と「大当たりB」とのどちらか一方が決定される。そして、その大当たり種別を示す表示態様が大当たり図柄として第1図柄表示装置37に表示される。
【0489】
本制御例のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0?299の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個あり、その乱数値である「7」は、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/300」となる。
【0490】
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は10個あり、その値である「0?9」は、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/30」となる。
【0491】
また、本制御例のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0?99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図示しない大当たり種別選択テーブルに設定される、この第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0?59」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、値が「60?99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。
【0492】
このように、本制御例のパチンコ機10は、第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、2種類の当たり種別(大当たりA、大当たりB)が決定されるように構成されている。尚、第1当たり種別カウンタC2の値(乱数値)から、特別図柄の大当たり種別を決定するための乱数値は、大当たり種別選択テーブル202b(図66(b)参照))により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
【0493】
変動種別カウンタCS1は、例えば0?198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆる短時間外れ、長時間外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図84参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202dは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
【0494】
次に、主制御装置110が変動パターンを選択して、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づいて、詳細な変動パターンが決定される仕組みについて説明する。音声ランプ制御装置113のROM222の変動パターン選択テーブル222a内には、図69?図70に示したように特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン選択テーブルがそれぞれ設定されている。
【0495】
なお、詳細は後述するが、本制御例では、音声ランプ制御装置113により、RTC292が計時する計時データに基づいて、パチンコ機10に電源が投入されてからの時間が計測され、54分間の通常演出期間(モードA)が設定され、その通常演出期間が経過すると、1分間の準備期間(モードB)が設定され、その準備期間の後に、5分間の時間演出期間(モードC)が設定される。この各期間についての詳細については、後述するが、この設定された期間により、主制御装置110からの変動パターンコマンドが同じであっても、期間が異なることにより選択される変動パターンが異なるように設定される。ここで、異なる演出が設定されても、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動時間で構成された演出となっており、各演出の変動時間や、当否判定結果、大まかな変動の内容(リーチ、スーパーリーチ、非リーチ等)は同一となるように構成されている。このように構成することで、主制御装置110は、個別の変動パターンを決定する必要がなく、制御付加を軽減することができる。また、主制御装置110のROM202に記憶される変動パターン選択テーブルのデータ量も抑制することができる。
【0496】
変動パターン選択テーブル202dの一部である変動パターン選択テーブルについて説明する。変動パターン選択テーブルは変動が開始される特別図柄の当否判定結果、現在の演出モードに対応して、それぞれ、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、各変動パターンを選択する構成となっている。ここで、決定される変動パターンは、変動パターンの大まかな種別、変動時間が決定される事となる。「大当たりA」、「大当たりB」共通の当否判定結果が大当たりの場合に選択される変動パターンとして、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」各種が規定されている。各変動パターンに対して、変動種別カウンタCS1の値が割り付けられており、当否判定結果が当たりであれば、取得している変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動パターンが決定される。なお、当否判定結果が当たりである場合には、保留個数の値に関わらず、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動パターンが選択される。ここで、当否判定結果が当たりである場合には、「ノーマルリーチ」よりも、「スーパーリーチ」となる変動パターンの方が選択され易く設定されている。よって、当否判定結果が当たりである場合には、「スーパーリーチ」の変動パターンが実行されて大当たりとなる頻度が増え、遊技者は、「スーパーリーチ」の変動パターンが選択されると大当たりへの期待を持ちやすい。
【0497】
なお、「ノーマルリーチ」の大当たりの変動パターンであるノーマルリーチ大当たり変動パターンは、左図柄列Z1と右図柄列Z3とで同じ図柄で停止表示されるリーチ表示態様を経て、中図柄列Z2が所定時間変動表示した後に、リーチ表示態様の主図柄と同じ図柄で停止表示される変動表示態様である。「ノーマルリーチ」の大当たりの変動パターンは、後述する「スーパーリーチ」の大当たりとなる変動パターンと比較して、比較的に短い変動時間で構成されている。
【0498】
「スーパーリーチ」の大当たりの変動パターンであるスーパーリーチ大当たり変動パターンA?Cは、ノーマルリーチ大当たり変動パターンAと同様に、リーチ表示態様で表示され、その後に、キャラクタ等が表示されて、リーチ表示態様で表示されている図柄と同じ図柄で中図柄列Z2が停止表示されるか否かの演出が実行される。「スーパーリーチ」の変動パターンは、「ノーマルリーチ」の変動パターンよりも比較的に長い変動時間で構成されている。
【0499】
次に、特別図柄の当否判定結果が外れである場合に選択される変動パターンとしては、外れ用の変動パターンとして、「短時間外れ(短時間用)」、「長時間外れ(短時間用)」、「ノーマルリーチ外れ」、「スーパーリーチ外れ」が規定されている。「短時間外れ」の変動パターンである短時間外れ変動パターンは、他の変動パターンよりも短い変動時間(7000ms)で構成され、リーチ表示態様で表示されることなく、所定時間の間、主図柄が変動表示された後に、左図柄列Z1、右図柄列Z3、中図柄列Z2の順で主図柄が停止表示される表示態様が実行される。「長時間外れ」の変動パターンである長時間外れ変動パターンは、短時間外れ変動パターンよりも長い変動時間(10000ms)で構成されている。「ノーマルリーチ外れ」の変動パターンであるノーマルリーチ外れ変動パターンは、ノーマルリーチ大当たり変動パターンに対して中図柄列Z2がリーチ表示態様の図柄とは異なる図柄で最終的に停止表示されることで異なる表示態様で構成された抽選結果が外れである事を示す表示態様である。このノーマルリーチ外れ変動パターンは、当否判定結果が外れである場合には、後述するスーパーリーチ外れ変動パターンよりも選択され易く構成されている。また、「スーパーリーチ外れ」であるスーパーリーチ外れ変動パターンは、スーパーリーチ大当たり変動パターン各種に対して、最終的に外れを示す表示態様で表示される点で異なる表示態様である。
【0500】
なお、特別図柄の当否判定結果が外れである場合には、変動開始時の特別図柄の保留個数が0?2個である場合と3個?4個である場合とで、選択される変動パターンの割合が異なるように変動種別カウンタCS1が各変動パターンにそれぞれ割り付けされるよう構成してもよい。
【0501】
例えば、保留個数が0個?2個である場合には、「短時間外れ」の変動パターンには、変動種別カウンタCS1の値が割り付けられておらず、選択されない構成とすればよい。これにより、保留個数が0?2個である時には、選択される変動パターンの変動時間が比較的長くなり、その間に第1入賞口64に遊技球を入球させやすくして、特別図柄の変動が停止した期間(遊技の抽選が実行されない期間)が発生してしまうのを抑制できる。
【0502】
また、保留個数が3個?4個である場合には、「短時間外れ」の変動パターンが選択される割合が多く設定するとよい。これにより、保留個数が3個?4個と上限個数に近い場合には、短い変動パターンが選ばれやすく構成することで、第1入賞口64に入球しても、保留個数以上の無効球となってしまう不具合を抑制することができる。
【0503】
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0?239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本制御例ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球がスルーゲート66または67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
【0504】
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される普通当たり乱数テーブル202c(図66(c)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、普通当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この普通当たり乱数テーブル202c(図66(c)参照)は、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。さらに、普通図柄の当たりの種別は、通常当たりと長時間当たりとが設定されており、それぞれ第2当たり乱数カウンタC4の値が設定されている。
【0505】
ここで、普通図柄の通常当たりは、通常遊技状態(低確率遊技状態)、大当たり遊技状態では、0.2秒の開放時間で第1電動役物640aが開放状態に作動される動作が、1回実行される当たりである。また、時短中、確変期間においては、2秒間の開放時間で第1電動役物640aが開放状態に作動される動作が、2回繰り返される当たりである。
【0506】
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球がスルーゲート66または67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置(図示せず)において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5?204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値が「5?20」であれば、通常当たりとして、第1電動役物640aが「0.2秒間×1回」だけ開放される。なお、本制御例では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1電動役物640aが「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。また、第2当たり乱数カウンタC4の値が「21?204」であれば、長時間当たりとして、第1電動役物640aが「1秒×2回」だけ開放される。
【0507】
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5?204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の普通当たり乱数テーブル202c(図66(c)参照)に格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
【0508】
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球がスルーゲート66または67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5?204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入賞口640に付随する第1電動役物640aが「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2入賞口640に付随する第1電動役物640aの解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入賞口640へ球が入球し易い状態となる。尚、本制御例では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1電動役物640aが「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
【0509】
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0?239)、タイマ割込処理(図76参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図84参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
【0510】
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
【0511】
図4に戻り、説明を続ける。RAM203は、図64に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
【0512】
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
【0513】
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図84参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図83参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図82参照)が即座に実行される。
【0514】
また、RAM203は、図65(b)に示すように、特別図柄保留球格納エリア203aと、普通図柄保留球格納エリア203bと、特別図柄保留球数カウンタ203cと、普通図柄保留球数カウンタ203dと、時短中カウンタ203eと、確変フラグ203fと、その他メモリエリア203zとを有している。
【0515】
特別図柄保留球格納エリア203aは、特別図柄に対する1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア?保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
【0516】
より具体的には、球が第1入賞口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1?C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア?保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1?第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
【0517】
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1?C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1?C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
【0518】
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア?保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア?保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本制御例では、特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア?第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
【0519】
普通図柄保留球格納エリア203bは、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア?保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
【0520】
より具体的には、球がスルーゲート66または67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア?保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1?第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
【0521】
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
【0522】
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
【0523】
特別図柄保留球数カウンタ203cは、第1入賞口64の入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203cは、初期値がゼロに設定されており、第1入賞口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図79のS404参照)。一方、特別図柄保留球数カウンタ203cは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図77のS205参照)。
【0524】
この特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図77のS206、図79のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
【0525】
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
【0526】
尚、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81に保留球数図柄を表示する。
【0527】
普通図柄保留球数カウンタ203dは、スルーゲート66または67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置(図示せず)で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、球がスルーゲート66または67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図81のS704参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図80のS605参照)。
【0528】
球がスルーゲート66または67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図81のS705)。一方、球がスルーゲート66または67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203bには新たに何も記憶されない(図81のS703:No)。
【0529】
時短中カウンタ203eは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203eの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203eは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において特別図柄の抽選が行われ、特別図柄の大当たりと判定される度に、その大当たり種別に応じた値が設定される。即ち、特別図柄の大当たりになった場合には、時短中カウンタ203eの値が幾つであるかに関わらず、大当たり種別に応じた値が新たに設定される。
【0530】
確変フラグ203fは、遊技状態が確変である場合にオンに設定されるフラグである。
【0531】
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置(図示せず)、第2図柄保留ランプ(図示せず)、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
【0532】
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
【0533】
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
【0534】
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図82参照)が即座に実行される。
【0535】
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
【0536】
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
【0537】
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29?33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や連続予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
【0538】
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22、タッチスイッチ290、選択スイッチ291などがそれぞれ接続されている。
【0539】
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示される背景モードを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。
【0540】
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
【0541】
音声ランプ制御装置113のROM222には、図68(a)に示すように、変動パターン選択テーブル222a、SW予告選択テーブル222b、魚群選択テーブル222c、揺れ動作テーブル222dが格納されている。また、音声ランプ制御装置113のRAM223には、図68(b)に示すように、入賞情報格納エリア223a、特別図柄保留球数カウンタ223b、普通図柄保留球数カウンタ223c、変動開始フラグ223d、停止種別選択フラグ223e、演出カウンタ223f、時間演出実行フラグ223g、投入時間記憶エリア223h、開始期間フラグ223i2、SW有効時間記憶エリア223j、レベル記憶エリア223k、期待度記憶エリア223m、演出モード記憶エリア223n、待機フラグ223o、タッチ演出有効時間記憶エリア223q、間隔カウンタ223r、音量設定記憶エリア223s、音量設定フラグ223t、分離フラグ223u、動作中フラグ223v、その他メモリエリア223zが少なくとも設けられている。
【0542】
入賞情報格納エリア223aは、主制御装置110から出力される入賞コマンドに基づいて、入賞情報が保留球に対応して記憶されるエリアである。入賞情報としては、当否判定結果、変動パターン、停止種別等の各種情報が設定される。
【0543】
特別図柄保留球数カウンタ223bは、保留球コマンドに基づいて、特別図柄の保留球数が格納される記憶エリアである。
【0544】
普通図柄保留球数カウンタ223cは、普通図柄の保留球数が保留球コマンドに基づいて格納される記憶エリアである。
【0545】
変動開始フラグ223dは、第3図柄を変動開始するタイミングであることを示すフラグである。
【0546】
停止種別選択フラグ223eは、主制御装置110から出力される停止種別コマンドに基づいて第3図柄表示装置81に停止表示させる停止種別を示すフラグである。
【0547】
演出カウンタ223fは、音声ランプ制御装置113において、各種演出や変動パターンの詳細の決定、各種抽選等に用いられるカウンタである。この演出カウンタ223fは0から198の範囲で繰り返しメイン処理で更新される。
【0548】
時間演出実行フラグ223gは、RTC292より取得する時間情報(時刻情報)が正常であることを示すフラグである。RTC292より取得する時間情報(時刻情報)が製造されてから3年以内であると判定された場合にオンに設定され、3年を経過したと判定された場合にオフに設定される。
【0549】
投入時間記憶エリア223hは、RTC292より取得する時間情報(時刻情報)より、パチンコ機10に電源が投入された時間と、時間演出期間の設定期間を記憶するエリアである。この投入時間記憶エリア223には、パチンコ機10に電源が投入されると、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される立ち上げ処理(図86参照)内の時間設定処理(図86、S1212)のS1224において、時間演出期間の情報が24時間分設定される。
【0550】
準備期間フラグ223i1は、準備期間が開始されることを示すフラグである。この準備期間フラグ223i1は、RTC292より取得した時間情報(時間データ)が準備期間である場合にオンに設定され、RTC292より取得した時間情報(時間データ)が時間演出期間である場合にオフに設定される。
【0551】
開始期間フラグ223i2は、時間演出期間が開始されることを示すフラグである。開始期間フラグ223i2は、RTC292より取得した時間情報(時間データ)が時間演出期間である場合にオンに設定され、RTC292より取得した時間情報(時間データ)が時間演出期間を経過した場合にオフに設定される。
【0552】
SW有効時間記憶エリア223jは、SW操作の有効時間を記憶するエリアである。このSW有効時間記憶エリア223jは、SW演出制御処理(図97、S2202)において、記憶されている有効時間を減算またはリセットされる。
【0553】
レベル記憶エリア223kは、タッチセンサ制御処理(図99、S2316)におけるタッチ演出有効時間内にタッチスイッチ(タッチセンサ)290の操作に基づいて変更するレベルの上下を記憶するエリアである。
【0554】
期待度記憶エリア223mは、タッチセンサ制御処理(図99、S2316)においてタッチ演出有効時間が0になった場合にレベル記憶エリア223kに記憶されているレベルに基づいた期待度を記憶するエリアである。
【0555】
演出モード記憶エリア223nは、演出モードA、演出モードB、演出モードCに関する情報がそれぞれ記憶(設定)される記憶エリアである。演出モードは現在の演出モードが通常遊技期間(時間演出期間外)であれば演出モードAが記憶され、時間演出期間であれば、演出モードBが記憶され、延長時間演出期間であれば、演出モードCが記憶される。
【0556】
待機フラグ223oは、時間演出期間において、時間演出期間中(演出モードC中)に犬が待機している表示状態であることを示すフラグである。待機フラグ223oは、時間演出期間においてふれあい演出(時間演出)が選択された際にオンに設定され、その後、タッチスイッチ290をオンにすることでオフに設定される。
【0557】
タッチ演出有効時間記憶エリア223qは、タッチ演出の有効時間を記憶するエリアである。このタッチ演出有効時間記憶エリア223qは、タッチセンサ制御処理(図99、S2316)において、記憶されている有効時間が減算される。
【0558】
間隔カウンタ223rは、タッチセンサ制御処理(図99、S2316)に用いられるカウンタである。この間隔カウンタ223rは、タッチセンサが操作されない場合にカウントされ、タッチセンサが操作された場合にリセットされる。
【0559】
音量設定記憶エリア223sは、音量設定処理(図93、S1314)によって設定された音量を記憶するエリアである。
【0560】
音量設定フラグ223tは、音量設定処理(図93、S1314)に用いられるフラグであって、音量設定が可能になるとオンに設定され(図93、S1905)、音量設定が完了するとオフに設定される。
【0561】
分離フラグ223uは、左右選択処理(図94、S1315)に用いられるフラグであって、中央遊動ユニット400の下降が設定された場合にオンに設定され(図94、S2004)、左右のいずれかを選択した場合にオフに設定される(図94、S2007)。
【0562】
動作中フラグ223vは、揺れ制御処理(図95、S1316)に用いられるフラグであって、役物駆動開始タイミングと判定された場合にオンに設定され(図95、S2103)、役物の揺れ動作が終了した場合にオフに設定される(図95、S2111)。
【0563】
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図88参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
【0564】
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図72を参照して後述する。
【0565】
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110?114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110?114等に対して必要な電圧を供給する。
【0566】
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図82参照)を正常に実行し完了することができる。
【0567】
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
【0568】
次に、図71を参照して、主制御装置110のMPU201内のROM202に設けられる各種テーブルについて説明する。図71(a)は、第本制御例における魚群予告選択テーブル222cの内容を模式的に示す模式図である。ここで、魚群予告選択テーブル222cは、図62にて説明したふれあいタイム(時間演出)の結果に基づいて、後述するタッチセンサ制御処理(図99、S2316)のS2332を実行する際に参照されるテーブルである。
【0569】
本テーブルを用いることにより、ふれあいタイムの結果として表示された信頼度(期待度)(図62(b)参照)に対応した期待度で魚群予告が出現するよう予告演出が制御される。なお、本制御例では魚群予告選択テーブル222cを用いたが、ふれあいタイム(時間演出)によって期待度が設定される演出を複数設けた場合は、それぞれの演出に対応するようにテーブルを設けられる。
【0570】
また、図71(a)に示す魚群予告選択テーブル222cでは、期待度0%の場合に魚群予告を出現させないよう設定されているが、例えば、当否判定結果が外れの場合にのみ魚群予告を出現するように設定してもよい。このように構成することにより、当否判定結果を問わず魚群予告を所望する遊技客が、ふれあいタイム(時間演出)中に意図的に期待度を下げるよう演出に参加するため、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することが可能となる。
【0571】
図71(b)は、第1制御例における揺れ動作テーブル222dの内容を模式的に示す模式図である。この揺れ動作テーブル222dは、後述する揺れ制御処理(図95、S1316)のS2108を実行する際に参照されるテーブルである。
【0572】
ここで、中央遊動ユニット400の一部を構成する腕部材444の可動制御について図26を参照して説明する。腕部材444は駆動モータ450の回転力により、伝達機構(伝達手段)であるクランク部材446を介して回転可能に構成されている。なお、腕部材444の回転状況は、腕部材444に設けられた加速度センサの情報によって把握可能に構成されている。
【0573】
本制御例では、可変部材としての腕部材444を揺らす制御を実行する場合に、揺れ動作テーブル222dを参照して腕部材444に設けられる加速度センサから取得した情報に基づいて駆動モータ445の回転方向を決定している。具体的には、腕部材444の揺れ幅(回転範囲)を大きくする場合は、加速度センサの情報が左回転中データであれば、腕部材444の回転方向が左回転となる回転データを設定し、加速度センサの情報が右回転中データであれば、腕部材444の回転方向が右回転となる回転データを設定する。
【0574】
つまり、加速度センサから取得した情報により腕部材444の実際の回転方向(回転状況)を検出することで、実際の回転状況に基づいて駆動モータ445を駆動制御しているため、駆動モータ445の回転力を効率よく腕部材に伝達させることができる。
【0575】
特に、腕部材444のように部材の一端側に伝達手段を接続し、他端側には他の部材が接続されないように構成されている可変部材においては、他端側の回転状況が駆動モータとずれてしまう虞があるため、可変部材の他端側に加速度センサを設け、その加速度センサから取得した情報に基づいて駆動モータ445を駆動制御することがより効果的となる。
【0576】
また、図71(b)にて示した揺れ動作テーブル222dには、腕部材444の揺れ(回転)を大きくする場合の動作テーブルのみ記載されていたが、腕部材444の揺れ(回転)を小さくする場合の動作テーブルを設けてもよい。この場合、例えば、加速度センサの情報が左回転中データであれな、腕部材444の回転方向が右回転となる回転データを設定し、駆動モータ445を回転駆動させる動作テーブルにすればよい。このように構成することで、腕部材444の回転力と駆動モータ445の駆動力とが相殺するため、効率よく腕部材444の揺れ(回転)を小さくすることができる。
【0577】
さらに、腕部材444(可変部材)の揺れ制御を枠ボタン22の操作に基づいて行ってもよい。この場合、第3図柄表示装置81の表示画面にタイミングを合わせて枠ボタン22を押下する演出を実行させ、枠ボタン22を押下するタイミングに基づいて駆動モータ445を駆動させることで可変部材(腕部材444)の回転を制御するよう構成すればよい。具体的には、枠ボタン22の押下タイミングを3段階に分けて検出し、一番良いタイミングで押下した場合は腕部材444の回転方向に沿った方向で駆動モータ445を回転させ、一番悪いタイミングで押下した場合は腕部材444の回転方向とは逆方向(腕部材444の回転が静止する方向)で駆動モータ445を回転させる。
【0578】
このように構成することにより、遊技者の操作に基づいて可変部材の回転状況を変化させることができ、遊技者が参加する演出を増やすことができるため、遊技の飽きを抑制することが可能となる。
【0579】
次に、図72を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図72は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
【0580】
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
【0581】
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
【0582】
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
【0583】
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
【0584】
なお、詳細については後述するが、本制御例において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
【0585】
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
【0586】
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
【0587】
そこで、本制御例では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
【0588】
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
【0589】
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
【0590】
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
【0591】
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
【0592】
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
【0593】
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
【0594】
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは111、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
【0595】
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
【0596】
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
【0597】
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
【0598】
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
【0599】
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
【0600】
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
【0601】
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
【0602】
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
【0603】
ここで、本制御例において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
【0604】
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
【0605】
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
【0606】
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
【0607】
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
【0608】
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
【0609】
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
【0610】
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
【0611】
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
【0612】
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図100のS2901参照)の終了後に実行される初期化処理(図100のS2902参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
【0613】
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
【0614】
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
【0615】
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
【0616】
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図75参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本制御例では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
【0617】
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図102(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
【0618】
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
【0619】
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
【0620】
尚、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
【0621】
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
【0622】
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
【0623】
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
【0624】
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
【0625】
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
【0626】
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
【0627】
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
【0628】
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
【0629】
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
【0630】
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
【0631】
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
【0632】
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入賞口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
【0633】
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する。
【0634】
ここで、電源投入時変動画像について説明する。表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、電源投入時主画像(図示なし)を第3図柄表示装置81に表示させる。
【0635】
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は、それを示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合はそれを示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
【0636】
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
【0637】
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
【0638】
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入賞口64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、「○」、「×」を示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
【0639】
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入賞口64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
【0640】
図72に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入賞口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
【0641】
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
【0642】
エラーメッセージ画象エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
【0643】
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画象エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
【0644】
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
【0645】
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、各サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
【0646】
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
【0647】
尚、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
【0648】
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
【0649】
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
【0650】
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
【0651】
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
【0652】
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
【0653】
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233j、描画対象バッファフラグ233kを少なくとも有している。
【0654】
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
【0655】
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
【0656】
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア434に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
【0657】
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
【0658】
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。尚、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
【0659】
また、第1入賞口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口であるので、普通図柄の大当たりとなって第1電動役物640aが開放され、球が第2入賞口640へ入り易くなると賞球が多くなる。これにより、パチンコ機10は、遊技を行っても、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態になるので、遊技者は、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態で特別図柄の大当たりを得られるという期間感を得ることができる。従って、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
【0660】
尚、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
【0661】
データテーブル格納エリア233bには、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
【0662】
ここで、図73を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図73は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本制御例では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
【0663】
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
【0664】
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
【0665】
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
【0666】
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
【0667】
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。
【0668】
MPU231は、この背面種別によって、背景モードに対応した背景(海中、浜辺、準備期間の背景、時間演出専用の背景)のいずれかを表示させることが特定される場合は、背景のうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。
【0669】
尚、本制御例では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
【0670】
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
【0671】
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
【0672】
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
【0673】
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
【0674】
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
【0675】
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
【0676】
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図73の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
【0677】
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図75参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
【0678】
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
【0679】
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
【0680】
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
【0681】
次いで、図74を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図74は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、各演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
【0682】
尚、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
【0683】
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図74のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
【0684】
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図74のアドレス「0002H」が該当)。
【0685】
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
【0686】
尚、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図74の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
【0687】
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図75参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
【0688】
例えば、図74の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
【0689】
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
【0690】
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
【0691】
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
【0692】
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
【0693】
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
【0694】
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
【0695】
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図示しない電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図46参照)の中でオンに設定される(図100のS2905参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図109(b)のS4105参照)。
【0696】
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図102(b)のS3201参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図102(b)のS3208参照)および簡易表示設定処理(図102(b)のS3209参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図103?図105参照)および表示設定処理(図106?図108参照)が実行される。
【0697】
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図109(a)のS4001参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図109(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図110参照)を実行する。
【0698】
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図75参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
【0699】
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図75参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
【0700】
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。尚、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
【0701】
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図75参照)に、その転送データ情報を追加する。
【0702】
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
【0703】
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
【0704】
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図102(b)のS3203参照)の中で、ポインタ更新処理(図106)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
【0705】
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図75参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
【0706】
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
【0707】
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
【0708】
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
【0709】
ここで、図75を参照して、描画リストの詳細について説明する。図75は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図75に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
【0710】
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
【0711】
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
【0712】
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
【0713】
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
【0714】
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
【0715】
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
【0716】
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
【0717】
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本制御例では、20ミリ秒)で割った値である。
【0718】
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図102(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図106のS3707参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
【0719】
格納画像データ判別フラグ233jは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
【0720】
この格納画像データ判別フラグ233jは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図100のS2902参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233jは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
【0721】
そして、格納画像データ判別フラグ233jの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図110参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
【0722】
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233jを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図110のS4209参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図110のS4210参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
【0723】
描画対象バッファフラグ233kは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図111のS4302参照)。
【0724】
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
【0725】
描画対象バッファフラグ233kは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233kの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図102(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図111のS4302参照)。
【0726】
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
【0727】
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
【0728】
<主制御装置110の制御処理について>
次に、図76から図84のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本制御例では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
【0729】
図76は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
【0730】
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
【0731】
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本制御例ではそれぞれ、299,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1?C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
【0732】
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、その後、第1入賞口64または第2入賞口640への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図79を参照して後述する。
【0733】
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置(図示せず)において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、スルーゲート66または67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図80および図81を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
【0734】
次に、図77を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図77は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図76参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
【0735】
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
【0736】
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S203)。次に、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0であれば(S204:No)、本処理を終了する。特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図84参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
【0737】
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリア?保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。S207の処理が実行された後には、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S208)。なお、特別図柄変動開始処理については、図78を参照して後述する。
【0738】
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S209)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S209:No)、本処理を終了する。
【0739】
一方、S209の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S209:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S210)。停止図柄の設定は、図78を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S208)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、大当たりBとなるかが決定される。
【0740】
なお、本制御例では、第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを決定し、第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて大当たりの種別(大当たりA、大当たりB)を決定しているが、1つの乱数カウンタの値に基づいて大当たりか否かの決定と、大当たりの種別の決定を実行できるようにしてもよい。この場合、例えば、乱数値の総数を3000とし、乱数カウンタにてループカウントさせる。総数3000の乱数値の中に大当たりAに対応する乱数を6つ、大当たりBに対応する乱数を4つ設けることで、本制御例と同等の振り分けを実現することが可能となる。このようにすることで、カウンタを1つ削減できるという効果がある。
【0741】
尚、本制御例では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
【0742】
S210の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S211)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S211:Yes)、2種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB)のうち、大当たり種別が何であるかを判定し(S212)、大当たり種別が大当たりBであれば、RAM203の時短中カウンタ203eに100を設定する(S214)。その後、S215の処理を実行する。また、大当たり種別が大当たりAであれば、確変フラグ203fをオンに設定して、大当たり遊技後の遊技状態を確変期間である高確率に設定する(S213)。そして、特別図柄の大当たりの開始を設定し(S215)、次いで、停止コマンドを設定し(S300)、本処理を終了する。
【0743】
なお、本制御例では大当たり種別が大当たりAの場合、確変フラグ203fをオンに設定し、大当たり遊技後の遊技状態を確変期間である高確率に設定することで、次回の大当たり遊技が開始されるまでの間、時短遊技をし、大当たり種別が大当たりBの場合、時短中カウンタ203eに100を設定するものであったが、それとは異なる大当たり種別を設けてもよい。例えば、遊技状態を高確率に設定し、時短遊技を提供しない大当たり種別や、遊技状態を高確率に設定し、時短中カウンタ203eに100を設定する大当たり種別や、確変中カウンタを新たに設け、確変中カウンタおよび時短中カウンタにそれぞれ100を設定し、所定回数(100回)だけ高確率且つ時短の遊技を提供する大当たり種別や、高確率の遊技状態が継続するか否かを毎変動抽選で決定する大当たり種別が考えられる。このように、様々な大当たり種別を用いるあるいはそれらを組み合わせることにより、多彩な遊技性を遊技者に提供することが可能となり、遊技性の興趣向上を図ることができる。
【0744】
S211の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S211:No)、時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定し(S216)、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば(S216:Yes)、時短中カウンタ203eの値を1減算して(S217)、S300へ移行する。一方、時短中カウンタ203eの値が0であれば(S216:No)、S217の処理をスキップして、S300へ移行する。
【0745】
次に、図78を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S208)について説明する。図78は、特別図柄変動開始処理(S208)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S208)は、タイマ割込処理(図76参照)の特別図柄変動処理(図77参照)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
【0746】
特別図柄変動開始処理(S208)では、まず、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2の各値を取得する(S301)。
【0747】
次に、現在、遊技状態が確変期間中(高確率遊技状態)であるか判別する(S302)。なお、確変期間であるか否かの判断は、図示を省略した確変フラグ203fがオンであるか判別することにより実行される。この確変フラグは、大当たりAに基づく大当たり遊技終了したことに基づいて、オンに設定される。一方、大当たり遊技の開始に基づいて、オフに設定される。
【0748】
確変中であると判別された場合は(S302:Yes)、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるので、S303の処理に移行する。S303の処理では、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている10の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0?9」の10個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
【0749】
一方、S302の処理において、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であると判別した場合には(S302:No)、S304の処理を実行する。S304の処理では、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている1の乱数値と比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「7」の1個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
【0750】
S305の処理では、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、特別図柄大当たり種別テーブルに格納されている乱数値とを比較し、2種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値が「0?59」の範囲にあれば、大当たりA(16R大当たり、大当たり遊技後次の大当たりまで確変期間)であると判定し、「60?99」の範囲にあれば、大当たりB(16R大当たり、普通図柄の時短期間100回)であると判定する。
【0751】
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37A,37Bの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB)が停止種別として設定される。
【0752】
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。
【0753】
なお、変動パターンにおいて、主制御装置110では、当否判定結果を報知する第3図柄の変動時間を決定し、音声ランプ制御装置113に対して通知する。音声ランプ制御装置113では、その変動時間と当否判定結果に従い、実際に第3図柄表示装置81に表示する変動表示態様の内容(変動パターン)を決定する。主制御装置110では、外れリーチの表示態様であっても、音声ランプ制御装置113では、リーチ表示態様としない外れの表示態様に同じ変動時間であれば切り替えることもできるように構成されている。これにより、多様な表示態様を表示させることができ、演出を多様化することができる。
【0754】
例えば、外れ用の変動パターンとしては、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、が規定されている。大当たりA・大当たりB共用の変動パターンとしては、「ノーマルリーチ」各種、「スーパーリーチ」各種、が規定されている。
【0755】
S305の処理において、特別図柄の外れである判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球格納エリア203aまたは普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS1の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示する変動時間(変動パターン)を設定する。
【0756】
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S308の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
【0757】
次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S307又はS309の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図84)のS1001の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S311の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
【0758】
なお、本制御例では、変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターン(変動時間)を決定しているが、それに加え、特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている保留個数毎に変動種別カウンタを設け、保留個数と変動種別カウンタとに基づいて変動パターンを決定してもよい。
【0759】
次に、図79を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図79は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図76参照)の中で実行され、第1入賞口64または第2入賞口640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
【0760】
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入賞口64へ入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入賞口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。つまり、2m秒毎に実行されるタイマ割込処理において3回(6m秒)継続して球を検出した場合に入賞を検出するものである。なお、スイッチ読み込み処理S101において、スイッチが所定期間継続して検出している状態を判別できるように構成している場合は、本処理において3回のタイマ割込処理を実行する必要無くすことができる。
【0761】
そして、球が第1入賞口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S402)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N1)が上限値(本制御例では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
【0762】
そして、第1入賞口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入賞口64への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N1)が4未満でなければ(S403:No)、S407の処理へ移行する。一方、第1入賞口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N1)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N1)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す特別図柄の保留球数コマンドを設定する(S405)。
【0763】
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図84参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
【0764】
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア?保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S406)。尚、S406の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
【0765】
次に、球が第2入賞口640へ入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S407)。ここでは、第2入賞口640への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第2入賞口640に入賞したと判別されると(S407:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得する(S408)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N2)が上限値(本制御例では4)未満であるか否かを判定する(S409)。
【0766】
そして、第2入賞口640への入賞がないか(S407:No)、或いは、第2入賞口640への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N2)が4未満でなければ(S409:No)、S413の処理へ移行する。一方、第2入賞口640への入賞があり(S407:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N2)が4未満であれば(S409:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N2)を1加算する(S410)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す特別図柄の保留球数コマンドを設定する(S411)。
【0767】
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図84参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
【0768】
S411の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア?保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S412)。尚、S412の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
【0769】
そして、S413の処理において、先読みを実行して入賞コマンドを設定し、本処理を終了する。ここで、S413にて実行される先読みについて説明をする。先読みとは、特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている遊技情報(第1当たり乱数カウンタC1の値、第1当たり種別カウンタC2の値、停止種別選択カウンタC3の値等)に基づいて、変動開始時に実行される判定(当否判定)を事前に判定する先読み処理のことである。
【0770】
先読み処理では、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、事前に判定を行い、その判定結果を入賞コマンドとして設定する。この入賞コマンドは、他のコマンドと同様に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図84参照)の外部出力処理(S1001)で、音声ランプ制御装置113に出力される。
【0771】
音声ランプ制御装置113は、変動開始される前の段階で特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている遊技情報に基づく判定結果を用いて、遊技者に対して事前に所定の報知を行うことが可能となる。
【0772】
なお、本制御例では主制御装置110のMPU201により先読み処理を実行し、その処理結果(判定結果)を入賞コマンドとして音声ランプ制御装置113に出力しているが、特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている遊技情報(第1当たり乱数カウンタC1の値、第1当たり種別カウンタC2の値、停止種別選択カウンタC3の値等)、またはその遊技情報に対応する情報を音声ランプ制御装置113に出力し、音声ランプ制御装置113のMPU221によって上述した先読み処理を実行するように構成してもよい。このようにすることで、主制御装置110のデータ容量を削減することが可能となる。
【0773】
次に、図80を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図80は、普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図76参照)の中で実行され、第2図柄表示装置(図示せず)において行う第2図柄の変動表示や、第2入賞口640に付随する第1電動役物640aの開放時間などを制御するための処理である。なお、上述したように第3入賞口82に付随する第2電動役物82aの開放時間などの制御も同時に行われるが、その制御内容は第1電動役物640aと同じであるため説明を省略する。
【0774】
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S601)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置において当たりを示す表示がなされている最中と、第2入賞口640に付随する第1電動役物640aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S601:Yes)、そのまま本処理を終了する。
【0775】
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S601:No)、第2図柄表示装置の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S602)、第2図柄表示装置の表示態様が変動中でなければ(S602:No)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S603)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S604)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0であれば(S604:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0でなければ(S604:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1減算する(S605)。
【0776】
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S606)。S606の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア?保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S607)。
【0777】
次に、RAM203の時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定する(S608)。尚、時短中カウンタ203eは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203eの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
【0778】
時短中カウンタ203eの値が1以上である場合は(S608:Yes)、S609の処理へ移行する。なお、S608の処理では、図80に図示はしていないが、確変フラグ203fがオンに設定されているか否かも合わせて判定している。これは、本制御例では確変フラグ203fがオンに設定されている場合はパチンコ機10が普通図柄の時短状態となるためである。よって、S608の処理において、時短中カウンタ203eの値が0であり且つ確変フラグ203fがオンに設定されていないと判定された場合に、S611の処理に移行するものであり、時短中カウンタ203eの値が1以上である場合、または確変フラグ203fがオンに設定されている場合は、S609の処理に移行するものである。
【0779】
S609の処理では、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S609:Yes)、S611の処理に移行する。
【0780】
S609の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S609:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S610)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5?204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0?4,205?239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する。
【0781】
S608の処理において、時短中カウンタ203eの値が0である場合は(S608:No)、S611の処理へ移行する。S611の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S611)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5?20」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0?4,21?239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する。
【0782】
次に、S610またはS611の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S612)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S612:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S613)。このS613の処理では、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
【0783】
そして、時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定し(S614)、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば(S614:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S615)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S615:Yes)、S617の処理に移行する。本制御例では、特別図柄の大当たり中は、球が第1入賞口64に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、第1電動役物640aの開放回数および開放時間が設定される。
【0784】
S615の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S615:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第2入賞口640に付随する第1電動役物640aの開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S616)、S619の処理へ移行する。S614の処理において、時短中カウンタ203eの値が0である場合は(S614:No)、S617の処理へ移行する。S617の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第2入賞口640に付随する第1電動役物640aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S617)、S619の処理へ移行する。
【0785】
S612の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S612:No)、外れ時の表示態様を設定する(S618)。このS618の処理では、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S619の処理へ移行する。
【0786】
S619の処理では、時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定し(S619)、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば(S619:Yes)、第2図柄表示装置における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S620)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203eの値が0であれば(S619:No)、第2図柄表示装置における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S621)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2入賞口640の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入賞口640へ球が入球し易い状態となる。
【0787】
S602の処理において、第2図柄表示装置の表示態様が変動中であれば(S602:Yes)、第2図柄表示装置において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S622)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置において変動表示が開始される前に、S620の処理またはS621の処理によって予め設定された時間である。
【0788】
S622の処理において、変動時間が経過していなければ(S622:No)、本処理を終了する。一方、S622の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S622:Yes)、第2図柄表示装置の停止表示を設定する(S623)。S623の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S613の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S618の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S623の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図84参照)の第2図柄表示更新処理(S1007参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置における変動表示が終了し、S613の処理またはS618の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)される。
【0789】
次に、第2図柄表示装置において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S624)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S624:Yes)、第2入賞口640に付随する第1電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S625)、本処理を終了する。S625の処理によって、第1電動役物640aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図84参照)の電動役物開閉処理(S1005参照)が実行された場合に、第1電動役物640aの開閉制御が開始され、S616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで第1電動役物640aの開閉制御が継続される。一方、S624の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S624:No)、S625の処理をスキップして、本処理を終了する。
【0790】
次に、図81のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図81は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図76参照)の中で実行され、スルーゲート66または67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
【0791】
スルーゲート通過処理では、まず、球がスルーゲート66または67を通過したか否かを判定する(S701)。ここでは、スルーゲート66または67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球がスルーゲート66または67を通過したと判定されると(S701:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S702)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が上限値(本制御例では4)未満であるか否かを判定する(S703)。
【0792】
球がスルーゲート66または67を通過していないか(S701:No)、或いは、球がスルーゲート66または67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満でなければ(S703:No)、本処理を終了する。一方、球がスルーゲート66または67を通過し(S701:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満であれば(S703:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1加算する(S704)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア?保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S705)、本処理を終了する。尚、S705の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
【0793】
図82は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
【0794】
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
【0795】
次に、図83を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図83は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本制御例では1秒)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
【0796】
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、処理をS912へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS912へ移行する。
【0797】
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS912へ移行する。なお、図84のS1014の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
【0798】
S912の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S912)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(使用領域)をクリアし(S913)、初期値を設定して(S914)、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S913,S914)を実行する。
【0799】
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S913,S914)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S913,S914)を実行する。RAMの初期化処理(S913,S914)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S913)、その後、RAM203の初期値を設定する(S914)。RAM203の初期化処理の実行後は、S910の処理へ移行する。
【0800】
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S910の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
【0801】
S910の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し(S910)、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S911)、後述するメイン処理に移行する。
【0802】
次に、図84を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図84は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001?S1007の各処理が実行され、その残余時間でS1010,S1011のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
【0803】
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図76参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。具体的には、タイマ割込処理(図76参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図77参照)や始動入賞処理(図79参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理で設定された入賞コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。
【0804】
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
【0805】
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1004)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本制御例では、大当たり制御処理(S1004)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
【0806】
次に、第2入賞口640に付随する第1電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1005)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図80参照)のS625の処理によって第1電動役物640aの開閉制御開始が設定された場合に、第1電動役物640aの開閉制御を開始する。尚、この第1電動役物640aの開閉制御は、普通図柄変動処理における図80のS620の処理またはS621の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。なお、本制御例のパチンコ機10に設けられる第2電動役物82a(図2参照)も、第1電動役物と同じ開閉制御が実行されるものであり、その説明は省略する。
【0807】
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1006)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図78参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本制御例では、第1図柄表示装置37のLED37A,37Bの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
【0808】
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
【0809】
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図78参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図78参照)のS306の処理またはS308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
【0810】
次に、第2図柄表示装置(図示せず)の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1007)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図80参照)のS620の処理またはS621の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図80参照)のS623の処理によって第2図柄表示装置の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図80参照)のS613の処理またはS618の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)する。
【0811】
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1008)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1008:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本制御例では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1009)、既に所定時間が経過していれば(S1009:Yes)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
【0812】
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1009:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1010,S1011)。
【0813】
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1010)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1011)。
【0814】
ここで、S1001?S1007の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
【0815】
また、S1008の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1008:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図82のNMI割込処理が実行されたということなので、S1012以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1012)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1013)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1014)、RAM203のアクセスを禁止して(S1015)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び使用エリアにおけるチェックサム値である。
【0816】
なお、S1008の処理は、S1001?S1007で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1010とS1011の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(図83参照、S901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
【0817】
<音声ランプ制御装置113により実行される制御処理>
次に、図85から図99を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
【0818】
まず、図85を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図85は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
【0819】
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1201)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1320の電源断処理(図87参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1202)。図87を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図87のS1317参照)、S1320の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1320の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
【0820】
電源断処理中フラグがオフであれば(S1202:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1320の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1203)。
【0821】
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1206の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1203:Yes)、S1204へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1203:No)、S1208へ移行する。
【0822】
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1203:Yes)、S1204へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1203:No)、S1208へ移行する。
【0823】
電源断処理中フラグがオンであれば(S1202:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1320の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1204へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
【0824】
S1204の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1204)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
【0825】
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1205:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1206)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1205:No)、RAM223の異常を報知して(S1207)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
【0826】
S1208の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1208)。電源断フラグはS1320の電源断処理の実行時にオンされる(図87のS1319参照)。つまり、電源断フラグは、S1320の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1208の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1320の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1208:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1209)、RAM223の初期値を設定した後(S1210)、割込み許可を設定する(S1211)。その後、後述する時間設定処理を行い(S1212)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
【0827】
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1208の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1204からS1206の処理を経由してS1208の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1208:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1209をスキップして、処理をS1210へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1210)、割込み許可を設定する(S1211)。その後、後述する時間設定処理を行い(S1212)、メイン処理へ移行する。
【0828】
なお、S1209のクリア処理をスキップするのは、S1204からS1206の処理を経由してS1208の処理へ至った場合には、S1204の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
【0829】
S1212の処理では、時間設定処理を実行する(S1212)。なお、この時間設定処理(S1212)については、図86を参照して、詳細について説明する。図86は、この時間設定処理(S1212)を示したフローチャートである。時間設定処理(S1212)では、RTC292より時間情報を取得して、その時間情報に基づいて、準備期間と時間演出期間をそれぞれ投入時間記憶エリア223hに設定する処理を実行する。
【0830】
時間設定処理(S1212)では、まず、RTC292より時間情報を取得する(S1221)。ここで取得される時間情報は、「時、分」の値が取得される。なおRTC292は、内部に電池を有した計時手段であり、パチンコ機10を組み立てる際に、所定の治具によりパチンコ機10に同じ現在時刻が初期設定される構成となっている。内部電池の容量は、約3年半程度の稼働時間となっている。また、RTC292は、カレンダー機能も有しており、「年月日」も判別可能な構成となっている。よって、例えば、クリスマスの日には、クリスマス専用の背景画像に変更させたり、サンタ等の特別なキャラクタ等を表示させる制御をすることも可能なように構成されている。
【0831】
取得した時間情報は期限データ内であるか判別する(S1222)。ここで、期限データは、本制御例では、RTC292の内部電池の容量である3年半以内の3年に設定されている。製造時に予め設定された日にちから3年後の日付が期限データとして設定されており、その日にち以降であると判別された場合には、時間演出の設定が実行されないように構成されている。このように構成することで、電池の容量不足等により、時間に遅れ等が生じて、パチンコ機10同士で時間演出の開始タイミングの同期ができなくなる不具合を防止できる。
【0832】
なお、本制御例では、製造時に予め設定された日にちから3年後の日付であるかを判別して、後述する時間演出実行フラグ223gをオンに設定するように構成したが、それに限らず、RTC292に電力を供給している電池の電圧値を判別して、電圧値が所定電圧以上(例えば、3.3V以上)である場合には、時間演出実行フラグ223gをオンに設定するようにしてもよい。ここでは、RTC292が正常に動作可能な電圧値以上に設定することが望ましい。
【0833】
S1222の処理において、取得した時間情報が期限データ外である、即ち、3年以上経過していると判別した場合には(S1222:No)、この処理を終了する。一方、取得した時間情報が期限データ内である、即ち、3年以内であると判別した場合には(S1222:Yes)、時間演出実行フラグ223gをオンに設定する(S1223)。取得した時間情報に基づいて、準備期間、時間演出期間をそれぞれ算出して、投入時間記憶エリア223hに設定する(S1224)。ここで、本制御例では、パチンコ機10に電源が投入された状態で予め設定されている所定時刻から54分間を通常遊技期間(演出モードA)、その後の1分間を準備期間(演出モードB)、準備期間経過後から5分間を時間演出期間(演出モードC)として設定されている。時間演出期間の5分が経過した後には、再び、54分の通常遊技期間が設定されて、その後、同様に各期間が設定されるように構成されている。
【0834】
なお、本制御例では上述したように各期間を設定しているが、RTC292から取得した時間情報(時刻情報)に基づいて、第1所定時刻に到達したら通常遊技期間(演出モードA)に対応する演出を実行し、第2所定時刻に到達したら準備期間(演出モードB)に対応する演出を実行し、第3所定時刻に到達したら時間演出期間(演出モードC)に対応する演出を実行するよう時刻情報に基づいて時系列的に設定をしてもよい。このようにすることで、複数のパチンコ機10に対して電源を投入する時間に誤差が生じたとしても、複数のパチンコ機10に対して所定の時刻に同じ演出を実行させることが可能となる。また、RTC292を用いているので、電源を投入する時間がずれたとしても、計時する時間情報(時刻情報)に誤差が生じることは無い。
【0835】
上記した、各期間については、詳細について後述するが、通常遊技期間と時間演出期間とでは、表示される予告内容や特別図柄が表示される背景画像の種別が切り替えられて表示される。また、準備期間では、通常遊技期間から時間演出期間に切り替わるための準備を行うための期間であり、時間演出期間に切り替わる前に、準備期間で通常遊技期間で選択された特別図柄の変動が終了するように設定されている。
【0836】
なお、本制御例では、取得した時間情報に基づいて、24時間分の準備期間、時間演出期間を算出して投入時間記憶エリア223hに設定するように構成したが、それに限らず、まず、通常に遊技を実行する54分を設定して、その期間をカウントダウンまたは、カウントアップ等で計測して、54分が経過したことに基づいて、準備期間を設定するように構成してもよい。また、それ以外にも、54分後の時間を設定して、その時間に達したことを契機に次の期間の時間を設定するように構成してもよい。このように構成することで、記憶エリアの必要容量を少なくすることができる。よって、パチンコ機10をより安価に構成することができる。
【0837】
また、遊技者が枠ボタン22や選択スイッチ291に対して所定の操作を実行することに基づいて通常期間、準備期間、時間演出期間の実行を開始するようにしてもよい。このようにすることで、友達同士が隣台で遊技を行う場合に、上述した所定の操作を同時に行うことで、パチンコ機10に現在時刻に関わらず所望の演出を実行させることが可能となる。
【0838】
次に、図87を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図87は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS1301の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1301)、1m秒以上経過していなければ(S1301:No)、S1302?S1310の処理を行わずにS1311の処理へ移行する。S1301の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1302?S1310が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1311のコマンド判定処理や、S1312の変動表示設定処理や、図示を省略した各種カウンタ値を更新する処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1311の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1312の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
【0839】
S1301の処理で1m秒以上経過していれば(S1301:Yes)、まず、S1303?S1316の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1302)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1308の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1303)、その後電源投入報知処理を実行する(S1304)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1305の処理へ移行する。
【0840】
S1305の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1306)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
【0841】
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1307)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。なお、この枠ボタン入力監視・演出処理(S1307)については、図96を参照して、詳細について後述する。
【0842】
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1308)、その後音編集・出力処理を実行する(S1309)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29?33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
【0843】
S1309の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1310)、S1311の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1308のランプ編集処理が実行される。なお、S1309の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
【0844】
S1311の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1311)。このコマンド判定処理の詳細については、図88を参照して後述する。このコマンド判定処理(図88、S1311)の処理が実行された後には、変動表示設定処理が実行される(S1312)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図91を参照して後述する。
【0845】
S1312の処理が終わると、同期演出管理処理(S1313)を実行する。この同期演出管理処理(S1313)については、図92を参照して、詳細について後述する。この同期演出管理処理(図92、S1313)が実行された後には、音量設定処理が実行される(S1314)。この音量設定処理の詳細については、図93を参照して後述する。
【0846】
S1314の処理が終わると、左右選択処理(S1315)を実行する。この左右選択処理(S1315)については、図94を参照して、詳細について後述する。この左右選択処理(図94、S1315)が実行された後には、揺れ制御処理が実行される(S1316)。この揺れ制御処理の詳細については、図95を参照して後述する。
【0847】
S1316の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1317)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1317の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1317:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1319)、電源断処理を実行する(S1320)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1321)、その後、処理を無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
【0848】
一方、S1317の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1317:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1318)、RAM223が破壊されていなければ(S1318:No)、S1301の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1318:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
【0849】
次に、図88を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1311)について説明する。図88は、このコマンド判定処理(S1311)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1311)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図87参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
【0850】
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1401)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1401:Yes)、変動開始フラグ223dをオンに設定して(S1402)、変動パターン選択処理を実行する(S1403)。この変動パターン選択処理(S1403)については、図89を参照して、詳細について後述する。その後、後述する予告選択処理を実行する(S1404)。この予告選択処理(S1404)については、図90を参照して、詳細について後述する。S1404の処理が終わると、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S1412)、この処理を終了する。
【0851】
ここで、図89を参照して、この変動パターン選択処理(S1403)の詳細について説明する。図89は、この変動パターン選択処理(S1403)を示したフローチャートである。
【0852】
変動パターン選択処理(S1403)では、まず、演出カウンタ223fの値を取得する(S1501)。演出カウンタ223fは、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図87参照)が実行される毎に1ずつ加算されるカウンタであり、0?198までの範囲で繰り返し更新されるカウンタである。次に、演出モード記憶エリア223nに設定されている演出モードが演出モードAであるか判別する(S1502)。
【0853】
ここで、本制御例では、演出モードA、演出モードB、演出モードCがそれぞれ設定されるように構成されている。各演出モードは、パチンコ機10に電源が投入されて、遊技が開始されてから所定時間が経過する毎に設定されるように構成されている。電源投入後から54分間は、通常遊技期間として演出モードAが、その54分間が経過すると、その後の1分間、準備期間として演出モードBが設定され、準備期間の1分間が経過すると、その後の5分間、時間演出期間として演出モードCがそれぞれ設定される。時間演出期間の5分間が経過した後には、再び通常遊技期間である演出モードAが設定され、演出モードB、演出モードCが繰り返し設定される。
【0854】
このように、パチンコ機10に電源が投入されてから、予め定められた所定時間が経過する毎に演出モードを切り替えるように構成することで、複数のパチンコ機10に対して同時に電源を投入するようにすることで、複数のパチンコ機10で演出モードが切り替わるタイミングを合わせることができる。よって、複数のパチンコ機10で同様の演出を同じタイミングで実行することができる。
【0855】
演出モードAが設定されている(即ち、通常遊技期間である)と判別した場合には(S1502:Yes)、対応する特別図柄の変動パターン選択テーブルA(図69参照)または変動パターン選択テーブルB(図69参照)より当否判定結果、保留個数、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動パターンを選択して設定し(S1503)、本処理を終了する。
【0856】
S1502の処理において、演出モードAが設定されていないと判別した場合には(S1502:No)、対応する特別図柄の変動パターン選択テーブルC(図70参照)より変動パターンを選択して設定し(S1504)、本処理を終了する。準備期間では、専用の背景画面が設定されて背景に準備期間であることを示す「まもなくふれあいタイム開始!!」という文字が表示される。ふれあいタイムとは、時間演出期間を示したものである。また、準備期間中には、背景画像に1分間をカウントダウン表示した時間表示が実行される。これにより、後どのくらいで時間演出期間が開始されるかを遊技者に分かり易く報知できる。
【0857】
また、詳細は後述する予告選択処理(図90参照)に説明するが、準備期間では、予告演出が設定されないように構成されている。このように構成することで、時間演出期間が開始された場合に、準備期間で設定された予告表示が表示されて、時間演出期間で設定される専用の予告演出と異なる予告演出が表示される不具合を抑制できる。
【0858】
つぎに、図90を参照して、予告選択処理(S1404)の詳細について説明する。図90は、この予告選択処理(S1404)を示したフローチャートである。
【0859】
予告選択処理(S1404)では、まず、準備期間フラグ223i1がオンに設定されているかを判別する(S1601)。準備期間フラグ223i1がオンに設定されている場合(S1601:Yes)、この処理を終了する。準備期間フラグ223i1は、後述する同期演出管理処理(図92参照)にて準備期間であると判別された場合に、予告演出が設定されないようするためにオンに設定されるものである。
【0860】
一方、S1601の処理において、準備期間フラグ223i1がオンに設定されていない場合は(S1601:No)、つぎに、スーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する(S1602)。スーパーリーチの変動パターンではない場合(S1602:No)、そのまま本処理を終了する。一方、スーパーリーチの変動パターンである場合(S1602:Yes)、次に、演出カウンタ223fを取得する(S1603)。その後、設定されている期待度と取得した演出カウンタ223fの値に基づいて、予告抽選を実行する(S1604)。続いて、魚群予告を選択するか否かを判定する(S1605)。魚群予告を選択しない場合(S1605:No)、そのまま本処理を終了する。一方、魚群予告を選択する場合(S1605:Yes)、魚群予告を示す表示用コマンドを設定し(S1606)、本処理を終了する。なお、S1604にて用いた設定されている期待度とは、後述する図99のS2332にて設定されるものであり、詳細については後述する。
【0861】
ここで、図88に戻って説明を続ける。S1401の処理において、変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(S1401:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1405)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1405:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223eをオンに設定し(S1406)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1407)、S1412の処理へ移行する。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図91参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
【0862】
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1405:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1408)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S1408:Yes)、受信した保留球数コマンドより特別図柄の保留球数を抽出して、特別図柄保留球数カウンタ223bに設定する(S1409)。S1409の処理の終了後は、S1412の処理へ移行する。S1408の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1408:No)、次いで、主制御装置110より特別図柄の入賞コマンドを受信したか否かを判定する(S1410)。そして、入賞コマンドを受信した場合には(S1410:Yes)、受信した入賞コマンドが示す入賞情報を入賞情報格納エリア223aに格納する(S1411)。その後、S1412の処理へ移行する。
【0863】
上述したように、本パチンコ機10では、球が第1入賞口64または第2入賞口640へ入賞(始動入賞)すると、主制御装置110において各カウンタC1?C3の各値が取得され、その取得された各カウンタC1?C3の各値が、特別図柄保留球格納エリア203aに記憶される。また、主制御装置110において各カウンタC1?C2、CS1の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、取得された各カウンタC1?C2の各値から、その本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が先読み(予測)される。そして、主制御装置110において先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を含む入賞コマンドが、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信される。
【0864】
S1410の処理において、特別図柄の入賞コマンドを受信していない場合には(S1410:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1412)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
【0865】
次に、図91を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1312)について説明する。図91は、この変動表示設定処理(S1312)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1312)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図87参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
【0866】
変動表示設定処理(図91、S1312)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dがオンか否かを判別する(S1701)。そして、変動開始フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1701:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1706の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223dがオンであると判別された場合(S1701:Yes)、変動開始フラグ223dをオフし(S1702)、次いで、変動パターンコマンドから選択した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1703)。
【0867】
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1704)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。また、ここで選択された各予告内容についても通知される。
【0868】
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトする(S1705)。この処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア?第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S1706の処理へ移行する。
【0869】
S1706の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223eがオンか否かを判別する(S1706)。そして、停止種別選択フラグ223eがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1706:No)、この処理を終了する。一方、停止種別選択フラグ223eがオンであると判別された場合(S1706:Yes)、停止種別選択フラグ223eをオフし(S1707)、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得し、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別をそのまま、第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S1708)、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1709)。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。S1709の処理が実行された後には、この処理を終了する。
【0870】
次に、図92を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図87)内の一処理である同期演出管理処理(S1313)について説明する。図92は、この同期演出管理処理(S1313)を示したフローチャートである。この同期演出管理処理(S1313)では、RTC292より時間情報を取得して、その時間情報に基づいて、準備期間、時間演出期間であるかを判別して、それを示す演出モードを設定する処理を実行する。
【0871】
同期演出管理処理(図92、S1313)では、まず、時間演出実行フラグ223gがオンに設定されているか判別する(S1801)。時間演出実行フラグ223gがオフであると判別した場合には(S1801:No)、この処理を終了する。一方、時間演出実行フラグ223gがオンであると判別した場合には(S1801:Yes)、RTC292より「時、分」の時間情報を取得した後(S1802)、開始期間フラグ223i2がオンであるか判別する(S1803)。開始期間フラグ223i2がオフであると判別した場合には(S1803:No)、S1802の処理で取得した時間データが、投入時間記憶エリア223hに設定されている準備期間であるか判別する(S1804)。準備期間でないと判別した場合には(S1804:No)、つぎに、S1802の処理で取得した時間データが、投入時間記憶エリア223hに設定されている時間演出期間であるか判別する(S1805)。
【0872】
S1805の処理によって時間演出期間ではないと判別した場合には、この処理を終了する。一方、S1802の処理で取得した時間データが、投入時間記憶エリア223hに設定されている時間演出期間であると判別された場合には(S1805:Yes)、準備期間フラグ223i1をオフに設定し(S1806)、その後開始期間フラグ223i2をオンに設定する(S1807)。そして、演出モード記憶エリア223nに演出モードCを設定する(S1808)。その後、演出モードC(時間演出期間)であることを表示制御装置114に対して通知するための表示用演出コマンドを設定し(S1809)、この処理を終了する。なお、表示制御装置114は、このコマンドを受信したことに基づいて、第3図柄表示装置81に表示される表示態様を時間演出期間に対応した表示態様に切り替える処理を実行する。
【0873】
S1804に戻り説明を続ける。S1804の処理において、S1802の処理で取得した時間データが、投入時間記憶エリア223hに設定されている準備期間であると判別した場合には(S1804:Yes)、準備期間フラグ223i1をオンに設定し(S1810)、演出モード記憶エリア223nに演出モードBを設定する(S1811)。その後、演出モードB(準備期間)であることを表示制御装置114に対して通知するための表示用演出コマンドを設定し(S1812)、この処理を終了する。なお、表示制御装置114は、このコマンドを受信したことに基づいて、第3図柄表示装置81に表示される表示態様を準備期間に切り替える処理を実行する。
【0874】
また、準備期間では、第3図柄表示装置81の表示領域にて、専用の背景画面が設定されて背景に準備期間であることを示す「まもなくふれあいタイム開始!!」という文字が表示される。ふれあいタイムとは、時間演出期間を示したものである。また、準備期間中には、背景画像に1分間をカウントダウン表示した時間表示が実行される。これにより、後どのくらいで時間演出期間が開始されるかを遊技者に分かり易く報知できる。
【0875】
図92に戻って説明を続ける。S1803の処理において、開始期間フラグ223i2がオンであると判別した場合には(S1803:Yes)、S1802の処理で取得した時間データが時間演出期間外であるか判別する(S1813)。時間演出期間外ではないと判別した場合には(S1813:No)、この処理を終了する。時間演出期間外であると判別した場合には(S1813:Yes)、開始期間フラグ223i2をオフに設定し(S1814)、演出モード記憶エリア223nに演出モードA(通常遊技期間)を設定する(S1815)。演出モードAであることを表示制御装置114に対して通知するための表示用演出コマンドを設定する(S1816)。その後、この処理を終了する。なお、表示制御装置113は、このコマンドを受信したことに基づいて、第3図柄表示装置81に表示される表示態様を通常演出期間の表示態様に切り替える処理を実行する。
【0876】
次に、図93を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図87)内の一処理である音量設定処理(S1314)について説明する。図93は、この音量設定処理(S1314)を示したフローチャートである。この音量設定処理では、遊技者による選択スイッチ291の操作に基づいてパチンコ機10の音量を設定する処理が実行される。
【0877】
音量設定処理(図93、S1314)では、まず、演出モードがモードA(通常遊技機間)であるか否かを判別する(S1901)。演出モードがモードAではない場合(S1901:No)、この処理を終了する。一方、演出モードがモードAである場合は(S1901:Yes)、次いで、リーチ成立期間か否かを判別する(S1902)。ここで、リーチ成立期間について説明する。リーチ成立期間とは、第3図柄表示装置81にて変動表示(可変表示)される3の図柄列のうち、2つの図柄列が停止表示された状態において大当たりとなる第3図柄の組み合わせが停止表示される可能性が残っている状態(リーチ状態)が成立している期間である。
【0878】
S1902の判別結果がリーチ成立期間である場合(S1902:Yes)、この処理を終了する。一方で、リーチ成立期間でない場合(S1902:No)、その後、音量設定フラグ223tがオンであるか否かを判別する(S1903)。音量設定フラグがオフである場合(S1903:No)、次に、選択スイッチ291(上選択スイッチ291a、下選択スイッチ291b)が操作されているか否かを判別する(S1904)。選択スイッチ291が操作されていない場合(S1904:No)、この処理を終了する。選択スイッチ291が操作されている場合(S1904:Yes)、その後、音量設定フラグ223tをオンに設定し(S1905)、音量設定画面の表示を示す表示用コマンドを設定して(S1906)、この処理を終了する。
【0879】
S1903の処理において、音量設定フラグ223tがオンである場合は(S1903:Yes)、上選択スイッチ291aが操作されているか否かを判別する(S1907)。上選択スイッチ291aが操作させられている場合(S1907:Yes)、音量レベルを上げて、音量設定記憶エリア223sに設定し(S1908)、音量レベルを示す表示用コマンドを設定して(S1909)、この処理を終了する。
【0880】
S1907の処理において、上選択スイッチ291aが操作されていない場合(S1907:No)、その後、下選択スイッチ291が操作されているか否かを判別する(S1910)。下選択スイッチ291bが操作されていない場合(S1910:No)、この処理を終了する。一方、下選択スイッチが操作されている場合(S1910:Yes)、音量レベルを下げて、音量設定記憶エリア223sに設定し(S1911)、音量レベルを示す表示用コマンドを設定し(S1912)、この処理を終了する。
【0881】
以上説明をしたように、音量設定処理(S1314)は、第3図柄表示装置81にて第3図柄が変動表示されている状態であっても、特定の期間(演出モードAが設定されている状態であって、リーチが成立していない期間)である場合は、遊技者が操作可能な操作手段(選択スイッチ291)の操作を有効にし、その操作手段を操作することにより音量を設定可能に構成されるものである。
【0882】
このように構成することにより、従来は第3図柄表示装置81にて第3図柄が変動表示されていない状態(所謂、デモ画面表示状態又は待機画面状態)でのみ設定可能であったパチンコ機10の音量を、第3図柄が変動表示中であっても設定可能とすることができ、遊技者に所望の音量で遊技を楽しんでもらうことが可能となる。
【0883】
また、本制御例では、演出モードがA以外に設定されている場合は、音量の設定が出来ないように構成されている。これは、演出モードBや演出モードCといったRTC292より取得した時間情報に基づいて演出を実行するモードでは、周りのパチンコ機10と演出を同期させる制御が行われる場合がある。そのような演出が行われているときに遊技機の音量が変更されてしまうと周りのパチンコ機10との同期演出(例えば、遠くから車が近づいてくることを複数のパチンコ機10の音量を制御して行う演出)において演出バランスが崩れてしまうからである。
【0884】
なお、図示はしないが、演出モードがBやCに設定されている場合では、同期演出にて適切な音量が出力されるよう、同期演出に関する音量の出力は設定されている音量レベルを無視して所定の音量レベルを出力されるようになっている。このように構成することで、複数のパチンコ機10に異なる音量レベルが設定されている状態であったとしても同期演出に関しては適切な音量を出力することが可能となり、演出面で遊技者に興味を持たせることが可能となる。
【0885】
さらに、上述した同期演出中に出力される所定の音量レベルは、通常時の基準値となる音量レベルよりも下げるよう(ボリュームが小さくなるよう)設定している。これは、同期演出中は複数のパチンコ機10から同時に同じ音が出力される場合が多いためである。
【0886】
なお、音量設定をデジタル信号のみで制御(出力される音量をデジタル信号でスピーカに出力するパターン)しているパチンコ機10においては、上述した制御によって同期演出に関する音量制御が可能であるが、アナログ制御(スピーカの出力部を制御することでスピーカに入力されたデジタル信号の音量を調整するパターン)の場合は、同期演出に関する音量が適切な音量となるように、設定されている音量レベルに基づいて、デジタル信号を制御すればよい。このようにすることで、同期演出に関して適切な音量を出力することが可能となる。
【0887】
このように、同期演出に対応して出力される音量を、設定されている音量レベルに関わらず適切な音量で出力することが可能な制御を行っているパチンコ機10であれば、演出モードがAに設定されている状態以外であっても音量を設定できるようにしてもよい。このようにすることで、遊技者はより所望の音量で遊技を楽しむことが可能となる。
【0888】
また、本制御例では、リーチ成立期間中は音量の設定ができないよう構成されている。これは、リーチ成立後は遊技盤13に設けられている可動役物が駆動したり、第3図柄表示装置上でも大当たりの期待感を煽る演出が行われたりしている状況であることから、音声ランプ制御装置113の処理負担を軽減するとともに、パチンコ機10全体で実行しており演出を楽しんでもらうためである。
【0889】
なお、本制御例では第3図柄が変動表示中に音量を設定可能に構成しているため、音量設定を遊技性に用いることも可能となる。たとえば、抽選結果が大当りである特別図柄に対応する第3図柄であって、その第3図柄の変動表示終盤に大当たりを報知する大音量の演出が設定されている場合に音量設定を行うと、「今回の変動は大きな音が発生するから注意!!」といった報知がされるものが考えられる。このような報知を行うことで、その変動表示に対応する特別図柄の抽選結果を示唆するとともに、音量設定を行う上での参考にもすることができ、遊技者が遊技を楽しみながら、所望以上の大きな音量が発生してしまうことを事前に防ぐことを可能とすることができる。さらに、パチンコ機10から不意に大きな音が発生してしまうことも防止することが可能となるため、心臓の弱い人でも安心して遊技を行うことができる。
【0890】
また、第3図柄が変動表示中に音量を設定可能に構成していることから、遊技者は変動表示中のBGMを聞きながら音量の設定を行うことができる。よって、従来のようにデモ画面表示中に音量レベルを設定した結果、変動表示中のBGMの音量が予想以上に大きくなり不快感を与えてしまうといった不具合を解消することができるという効果がある。
【0891】
また、本制御例では遊技者の操作に基づく音量設定処理のみ記載したが、RTC292より取得した時間情報に基づいて音量設定を行ってもよい。例えば、枠ボタン22や選択スイッチ291を操作することで、パチンコ機10に営業時間(開店時刻と閉店時刻)を入力する。RTC292より取得した時間情報が、閉店時刻に到達したら自動的に音量レベルを所定レベルまで下げ、RTC292より取得した時間情報が開店時間に到達したら音量レベルを所定の基準レベルまたは前日の営業時間中に設定されていた音量レベルに自動的に復帰させるようにするとよい。このように構成することで、営業時間外に行われるメンテナンス業務中にパチンコ機10が出力する音量を自動的に下げることが可能となり、メンテナンス作業者が不快な思いをすることを抑制することが可能となる。
【0892】
また、RTC292より取得した時間情報に基づいて実行される時間演出期間中は自動的に音量レベルを所定レベルまで下がり、時間演出期間中に行われるミニゲームの結果や、時間演出期間中に実行されている特別図柄の抽選結果に基づいて音量レベルが上がっていくように制御してもよい。このように構成することで、時間演出期間中に音量が大きいパチンコ機10に周りの遊技者も注目することとなり、音量が大きくなったパチンコ機10で遊技を行っている遊技者は優越感に浸ることができる。
【0893】
また、このような構成を採用する場合、入賞コマンドに基づく先読み処理の結果に基づいて音量レベルが大きくなるよう制御するとよい。このようにすることで、抽選結果が大当りである特別図柄に対応する第3図柄の変動表示が開始される前に音量レベルの変化を把握することにより、大当たりへの期待を高めた状態で遊技に注目させることが可能となる。
【0894】
続いて、図94を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図87)内の一処理である左右選択処理(S1315)について説明する。図94は、この左右選択処理(S1315)を示したフローチャートである。この左右選択処理では、左右センサ装置600(第1センサ610、第2センサ620)を用いて遊技者に二者択一(左右)を選択させる演出を行う場合に実行される処理である(図60参照)。
【0895】
ここで、左右センサ装置600について図42または図43を用いて説明をする。左右センサ装置600は、ガラスユニット16の板ガラス16aの前方における遊技者の手指を検出し、その有無(存在)や位置、或いは、動作方向や動作速度を取得するためのセンサであり、背面ケース210の開口211aを挟んで左右に配設される第1センサ610及び第2センサ620を備える。
【0896】
第1センサ610及び第2センサ620の照射領域(検出領域)は、図42の照射領域S1,S2に示すように互いが一部重複するように設定されている。このようにすることで、連続する広い領域で遊技者の手指の存在を検出できるようにしている。
【0897】
本制御例では、このように照射領域(検出領域)が設定されている左右センサ装置600の照射領域(検出領域)を、中央遊動ユニット400を下降させることで左右に区画し、遊技者に二者択一の選択をさせる演出が行われる(図60参照)。この遊技者に二者択一の選択をさせるための処理が左右選択処理である。
【0898】
左右選択処理(図94、S1315)では、まず、左右選択タイミングであるか否かを判別する(S2001)。この左右選択タイミングとは、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される変動パターン選択処理(図89、S1403)によって選択された変動パターンに左右選択演出が含まれている場合であって、その左右選択演出が実行されるタイミングを示すものである。
【0899】
S2001の処理において、左右選択タイミングではない場合(S2001:No)、この処理を終了する。一方、左右選択タイミングである場合(S2001:Yes)は、次いで、分離フラグ223uがオンであるかを判別する(S2002)。分離フラグ223uがオフである場合(S2002:No)、その後、中央遊動ユニット400の下降を設定し(S2003)、分離フラグ223uをオンに設定して(S2004)、この処理を終了する。
【0900】
S2002の処理において、分離フラグ223uがオンである場合は(S2002:Yes)、次いで、左センサがオンであるかを判別する(S2005)。左センサがオンである場合(S2005:Yes)、その後、左選択の背景を示す表示用コマンドを設定し(S2006)、その後、分離フラグ223uをオフに設定し(S2007)、この処理を終了する。
【0901】
S2005の処理において、左センサがオフである場合(S2005:No)、次いで、右センサがオンであるか判別する(S2008)。右センサがオフである場合は(S2008:No)、この処理を終了する。一方、右センサがオンである場合(S2008:Yes)、その後、右選択の背景を示す表示用コマンドを設定し(S2009)、分離フラグをオフに設定し(S2010)、この処理を終了する。
【0902】
以上説明をしたように、本制御例では、第1センサ610の検出領域と、第2センサ620の検出領域との少なくとも一部が重複する共有検出領域が形成されるように構成し、通常時は、第1センサ610及び第2センサ620によって連続して形成される検出領域を1つの検出領域とすることで、広い範囲で確実に遊技者の操作を検出できるようにし、二者択一の演出を行う場合は、板ガラス16aと左右センサ装置600との間に可動役物(可変部材)を侵入させることで、少なくとも上述した共有検出領域を、左右センサ装置600の検出領域から除外させ、第1センサ610の検出領域と第2センサ620の検出領域とを分断させる。
【0903】
このように構成することで、左右センサ装置600を変更することなく遊技者が板ガラス16aをタッチする(又は、手指を近づける)演出遊技を行う場合には、遊技者によるタッチ操作を連続した広い範囲で検出することを可能とし、遊技者が二者択一の選択を行う演出遊技を行う場合には、第1センサ610の検出領域と第2センサ620の検出領域とを分断させ、遊技者が選択した側を精度よく検出することを可能にすることができる。
【0904】
また、本制御例では左右センサ装置600を構成する第1センサ610及び第2センサ620が固着されており、検出領域を移動させることができないが、第1センサ610及び第2センサ620を可動できるようにしてもよい。このようにすることで、検出領域を移動させることができる。
【0905】
このように構成することで、たとえば、パチンコ機10に設けられる可動役物の位置を検出し、第3図柄表示装置81のうち、可動役物に覆われていない領域に対応する板ガラス16aの前方を第1センサ610及び第2センサ620の検出領域とすることができる。これにより、可動役物に覆われていない表示領域にて「タッチ」という表示を行い、その表示領域に対応する板ガラス16aの前方を各センサの検出領域にすることで、可動役物が第3図柄表示装置の表示領域を覆っている状況であっても、検出領域を遊技者に分かりやすく報知することができ、演出を十分に楽しませることができるという効果がある。
【0906】
また、第1センサ610及び第2センサ620を可動可能に構成し、パチンコ機10に設けられる遊技者が操作可能な枠ボタン22又は選択スイッチ291を操作することで、第1センサ610及び第2センサ620の検出領域を調整できる機能を持たせてもよい。このようにすることで、遊技者が板ガラス16aの所望の位置を触れるだけで演出を実行することができる。
【0907】
また、第1センサ610及び第2センサ620を可動可能に構成し、現在の検出領域がどこなのかを分からなくさせるようにしてもよい。このように構成することにより、例えば、第1センサ610の検出領域を遊技者が当てる演出を実行することができる。
【0908】
このような演出を行う場合は、第1センサ610の検出領域を当てる前に、第2センサ620の領域に触れてしまうと外れとなるようにするとよい。また、当たりの特典としては、特別な映像や遊技者が貯めているポイントを大量に獲得できる特典やそのポイントを大量に獲得できる情報を表示するものが考えられる。このような演出を行うことにより、遊技者が実際に参加できる演出を提供することができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
【0909】
なお、本制御例では第1センサ610および第2センサ620は、発光部および受光部を備える光センサであって、発光部から照射された光が遊技者の手指で反射し、その反射された光を受光部で受光することで、遊技者の手指を検出するように構成されているが、手指の動きを検出できるセンサであれば他の方式を採用してもよい。
【0910】
たとえば、検出エリア内に感知軸を複数本構成し、その感知軸によって熱(赤外線)を発生する物体(手指)が横切ることを検出する人感センサや、分極を持つ誘電体の一種である焦電体を用いたものであって、人体から放射されている赤外線(5?10μm)を焦電体の受光面で受光することで発生する電流(電荷状態の変化に伴って発生する電流)に基づいて手指を検出する焦電型赤外線センサが考えられる。
【0911】
なお、焦電型赤外線センサを用いる場合は、検出方向に指向性を持たせるために焦電素子をドーム状のレンズに搭載させるとよい。また、焦電素子は無機物のセラミック系材料(チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等)で構成されるものでも、有機材料(ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等)で構成されるものでもよい。特にPVDFで構成される有機強誘電性薄膜を用いることで、柔軟性に富んだ可塑性フィルムとして赤外線センサを構成することが可能となるため、赤外線センサの取付位置の自由度を高めることが可能となる。
【0912】
また、このような素子を複数配置することで、手指の高速移動や移動方向も検出することができ、手指を動かすジェスチャー操作も検出可能となる。よって、遊技者が実際に参加できる新たな演出を提供することができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。それ以外のセンサとして非接触型の光電センサや静電容量型近接スイッチや、深度センサを用いてもよい。
【0913】
次に、図95を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図87)内の一処理である揺れ制御処理(S1316)について説明する。図95は、この揺れ制御処理(S1316)を示したフローチャートである。この揺れ制御処理では、駆動モータ450を用いて中央遊動ユニット400を揺らす場合に実行される処理である。
【0914】
ここで、本制御例における駆動モータを用いた可変部材(中央遊動ユニット400)の可変制御(動作制御)について説明をする。まず、駆動モータはステッピングモータで形成されている。ステッピングモータは、入力パルスに同期してステップ状に一定角度(例えば、1.8度)ずつ回転するものであり、入力されるパルス数(ステップ数)およびパルス速度(周波数)を制御することでモータの回転量および回転速度を制御し、可変部材を可動制御できるよう構成されている。
【0915】
そして、各可変部材は上述したステッピングモータの回転駆動に連動する伝達手段(ギヤ)の駆動を受けてそれぞれ可変するように構成されている。なお、音声ランプ制御装置113には可変部材が可変する最少単位(伝達手段であるギヤが1歯分回転する単位)に対応するようにステッピングモータに対してパルスを出力する駆動モータ制御手段が設けられている。
【0916】
まず、中央遊動ユニット400の一部を構成するアーム体430の可動制御について図24を参照して説明する。アーム体430は駆動モータ450の回転力により、伝達機構(伝達手段)であるクランクギヤ453を介して移動可能に構成されている。そして、アーム体430の移動に基づいてアーム体430に装着されている可変部材が可変されるように構成されている。なお、クランクギヤ453には図示しない原点検出センサが設けられている。その原点検出センサが原点を検出している状態を基準にし、駆動モータ450の回転数(ステップ数)に基づいてアーム体430の位置を管理制御している。
【0917】
つぎに、中央遊動ユニット400の一部を構成する腕部材444の可動制御について図26を参照して説明する。腕部材444は駆動モータ450の回転力により、伝達機構(伝達手段)であるクランク部材446を介して回転可能に構成されている。なお、駆動モータ450が装着される背面体443には図示しない原点検出センサが設けられている。その限定検出センサが原点を検出している状態を基準にし、駆動モータ445の回転数(ステップ数)に基づいて腕部材444の位置を管理制御している。
【0918】
つまり、中央遊動ユニット400は、駆動モータ450(2個)と駆動モータ445とをそれぞれ制御することにより、複数のパターンの動作が可能となるように構成されている(図31、図33、図34、図37,図39参照)。
【0919】
また、本制御例では、可変可能に構成されている部材に対し、図示しない加速度センサを設けることで、可変部材の現在位置の把握を容易に行えるようにしている。よって、ステッピングモータの回転数(ステップ数)より算出される可変部材の位置(想定位置)と、加速度センサより検出される可変部材の現在位置とを比較することにより、可変部材が正常に可動制御されているかを判別することが可能となる。なお、想定位置と現在位置とが異なる場合は、伝達機構(伝達手段)の脱調による移動不良が考えられる。
【0920】
図95に戻り説明を続ける。揺れ制御処理(図95、S1316)では、まず、役物駆動開始タイミングであるか否かを判別する(S2101)。この役物駆動開始タイミングとは、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される変動パターン選択処理(図89、S1403)によって選択された変動パターンに役物を揺らす演出が含まれている場合であって、その役物を揺らす演出が実行されるタイミングを示すものである。役物駆動開始タイミングである場合(S2101:Yes)、設定されている動作シナリオを読み込み(S2102)、動作中フラグ223vをオンに設定し(S2103)、この処理を終了する。
【0921】
なお、本図では変動パターンに基づいて行われる役物駆動開始タイミングが設定される場合について説明しているが、それ以外にも例えば枠ボタン22を操作することで役物駆動開始タイミングを設定できるように構成してもよい。
【0922】
S2101の処理において、役物駆動開始タイミングではない場合(S2101:No)、次いで、動作中フラグ223vはオンであるかを判別する(S2104)。動作中フラグ223vがオフである場合(S2104:No)、この処理を終了する。一方、動作中フラグ223vがオンである場合は(S2104:Yes)、動作シナリオを更新し(S2105)、その後、揺れ動作のシナリオであるか否かを判別する(S2106)。揺れ動作のシナリオである場合(S2106:Yes)、加速度センサの情報を読み込み(S2107)、揺れ動作テーブル222dより揺れ動作データを設定し(S2108)、S2109の処理へ移行する。つまり、S2108では、加速度センサの情報が左回転中データの場合は、腕部材444の回転方向が左回転となる回転データを設定し、加速度センサの情報が右回転中データの場合は、腕部材444の回転方向が右回転となる回転データを設定する。
【0923】
一方、S2106の処理において、揺れ動作のシナリオではない場合(S2106:No)、この処理を終了する。つぎに、S2109の処理では、シナリオエンドであるかを判別する(S2109)。シナリオエンドではない場合(S2109:No)、この処理を終了する。一方、シナリオエンドである場合(S2109:Yes)、動作中フラグ223vをオフに設定し(S2110)、この処理を終了する。
【0924】
以上説明をしたように、本制御例では、可変部材としての腕部材444を揺らす制御を実行する場合に、腕部材444に設けられる加速度センサから取得した情報に基づいて駆動モータ445の回転方向を決定している。つまり、加速度センサから取得した情報により腕部材444の実際の回転方向(回転状況)を検出することで、実際の回転状況に基づいて駆動モータ445を駆動制御することが可能となるため、駆動モータ445の回転力を効率よく腕部材に伝達させることができる。
【0925】
特に、腕部材444のように部材の一端側に伝達手段を接続し、他端側には他の部材が接続されないように構成されている可変部材においては、他端側の回転状況が駆動モータとずれてしまう虞があるため、可変部材の他端側に加速度センサを設け、その加速度センサから取得した情報に基づいて駆動モータ445を駆動制御することがより効果的となる。
【0926】
なお、可変部材の揺れ制御を枠ボタン22を用いて行ってもよい。この場合、第3図柄表示装置81の表示画面にタイミングを合わせて枠ボタン22を押下する演出が実行させ、枠ボタン22を押下するタイミングに基づいて駆動モータ445を駆動させることで可変部材(腕部材444)の回転を制御する。具体的には、枠ボタン22の押下タイミングを3段階に分けて検出し、一番良いタイミングで押下した場合は腕部材の回転方向に沿った方向で駆動モータ445を回転させ、一番悪いタイミングで押下した場合は腕部材444の回転方向とは逆方向(腕部材444の回転が静止する方向)で駆動モータ445を回転させる。
【0927】
このように構成することにより、遊技者の操作に基づいて可変部材の回転状況を変化させることができ、遊技者が参加する演出を増やすことができるため、遊技の飽きを抑制することが可能となる。
【0928】
次に、図96を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図87参照)内の一処理である枠ボタン入力監視・演出処理(S1307)について説明する。図96は、この枠ボタン入力監視・演出処理(S1307)を示したフローチャートである。
【0929】
枠ボタン入力監視・演出処理(図87、S1307)では、まず、演出モードがAであるか否かを判別する(S2201)。演出モードがAであると判別した場合には(S2201:Yes)、後述するSW演出制御処理を実行し(S2202)、その後、この処理を終了する。
【0930】
一方、S2201の処理において、演出モードがAではないと判別した場合には(S2201:No)、後述する特殊SW演出制御処理を実行し(S2203)、その後、この処理を終了する。
【0931】
ここで、図97を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理(図96参照)内の一処理であるSW演出制御処理(S2202)について説明する。図97は、このSW演出制御処理(S2202)を示したフローチャートである。このSW演出制御処理では、RTC292より取得した時間情報に基づく演出が行われる期間(時間演出期間)以外の期間である通常期間(演出モードA)におけるSW操作に基づく処理が実行される。
【0932】
SW演出制御処理(S2202)では、まず、SW有効時間が0よりも大きいか否かを判別する(S2301)。SW有効時間が0であれば(S2301:No)、この処理を終了する。
【0933】
S2301の処理において、SW有効時間が0でなければ(S2301:Yes)、SW有効時間記憶エリア223jに記憶されているSW有効時間を減算し(S2302)、次いで、パチンコ機10に設けられるSWである枠ボタン22(他にはタッチスイッチ290、選択スイッチ291)を押したか否かを判別する(S2303)。枠ボタン22等を押していない場合(S2303:No)、この処理を終了する。一方、枠ボタン22等を押した場合(S2303:Yes)、選択されている表示用予告コマンドを設定して(S2304)、SW有効時間記憶エリア223jに記憶されているSW有効時間をリセットし(S2305)、この処理を終了する。
【0934】
次に、図98を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理(図96参照)内の一処理である特殊SW演出制御処理(S2203)について説明する。図98は、この特殊SW演出制御処理(S2203)を示したフローチャートである。この特殊SW演出制御処理では、RTC292より取得した時間情報に基づく演出が行われる期間(時間演出期間)におけるSW操作に基づく処理が実行される。
【0935】
特殊SW演出制御処理(S2203)では、まず、待機フラグ223oがオンであるか判別する(S2311)。この待機フラグ223oは、図61に示すように、時間演出期間において、ふれあい演出で第3図柄表示装置81に表示される犬が待機している状態であることを示すフラグである。つまり、時間演出期間においてふれあい演出が選択された際に待機フラグ223oはオンに設定される。そして、タッチスイッチ290をオンにすることで待機フラグ223oはオフに設定される。
【0936】
待機フラグ223oがオンであると判別した場合には(S2311:Yes)、タッチセンサ290がオンであるか判別する(S2312)。タッチセンサ290がオンであると判別した場合には(S2312:Yes)、待機フラグ223oをオフに設定する(S2313)。待機フラグ223oがオフであることを示す表示用状態コマンドを設定する(S2314)。その後、この処理を終了する。一方、S2312の処理において、タッチセンサ290がオフであると判別した場合には(S2312:No)、この処理を終了する。
【0937】
S2311の処理において、待機フラグ223oがオフであると判別した場合には(S2311:No)、タッチ演出有効時間が0よりも大きいか否かを判別する(S2315)。タッチ演出有効時間が0であれば(S2315:No)、この処理を終了する。一方、タッチ演出有効時間が0でなければ(S2315:Yes)、タッチセンサ制御処理を実行し(S2316)、その後、この処理を終了する。
【0938】
ここで、図99を参照して、特殊SW演出制御処理(図98参照)内の一処理であるタッチセンサ制御処理(S2316)について説明する。図99は、このタッチセンサ制御処理(S2316)を示したフローチャートである。タッチセンサ制御処理(S2316)では、まず、タッチ演出有効時間を減算する(S2321)。その後、タッチセンサ290がオンか否かを判別する(S2322)。タッチセンサ290がオンである場合には(S2322:Yes)、タッチセンサ290のオンを示す表示用タッチコマンドを設定する(S2323)。その後、レベル記憶エリア233kに1加算し(S2324)、レベルに対応した期待度を示す表示用コマンドを設定する(S2325)。続いて、間隔カウンタ223rをリセットし(S2326)、S2331の処理へ移行する。
【0939】
S2322の処理でタッチセンサ290がオフであると判別した場合には(S2322:No)、間隔カウンタ223rの値に1加算し(S2327)、間隔カウンタ223rが上限値か否かを判別する(S2328)。間隔カウンタ223rが上限値である場合は(S2328:Yes)、レベル記憶エリア223kを1減算する(S2329)。その後、レベルに対応した期待度を示す表示用コマンドを設定し(S2330)、S2331の処理へ移行する。
【0940】
S2331の処理において、タッチ演出有効時間が0か否かを判別する(S2331)。タッチ演出有効時間が0ではない場合(S2331:No)、この処理を終了する。一方、タッチ演出有効時間が0である場合(S2331:Yes)、レベル記憶エリア223kに設定されているレベルに基づいた期待度を期待度記憶エリア223mに設定する(S2332)。その後、期待度が設定されたことを示す表示用コマンドを設定し(S2333)、この処理を終了する。
【0941】
<表示制御装置114における制御処理について>
次に、図100から図111を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
【0942】
まず、図100を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図100は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
【0943】
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
【0944】
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
【0945】
これに対し、本制御例のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
【0946】
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S2901)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
【0947】
ここで、図101を参照して、ブート処理(S2901)について説明する。図101は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S2901)を示すフローチャートである。
【0948】
上述したように、本制御例では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
【0949】
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
【0950】
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S3001)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
【0951】
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S3002)。これにより、MPU231は、S3001の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
【0952】
また、S3002の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
【0953】
S3002の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S3003)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
【0954】
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S3004)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図101のS2901)の終了後に実行すべき初期化処理(図100のS2902参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S3005)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
【0955】
このように、ブート処理(S2901)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
【0956】
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
【0957】
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
【0958】
尚、図101に示すブート処理では、S3001の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S3001の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S3002の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S3003?S3005の処理を実行するようにしてもよい。
【0959】
また、S3001の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S3001及びS3002の処理を含めて複数回繰り返した後、S3003?S3005の処理を実行するようにしてもよい。
【0960】
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
【0961】
また、本制御例では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S3001及びS3002の処理を行わずに、S3003?S3005の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
【0962】
ここで、図100の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S2902)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
【0963】
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
【0964】
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S2903)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
【0965】
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
【0966】
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S2903の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S2904)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
【0967】
S2904の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S2905)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図109(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図109(a)のS4002参照)。
【0968】
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図102(b)参照)において、電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)(図示省略)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図102(b)のS3208参照)および簡易表示設定処理(図102(b)のS3209参照)が実行される。
【0969】
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
【0970】
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
【0971】
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入賞口64または第2入賞口640へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、図示を省略した電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
【0972】
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
【0973】
S2905の処理の後、割込許可を設定し(S2906)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S2906の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
【0974】
次いで、図102(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図102(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
【0975】
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S3101)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
【0976】
次いで、図102(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図102(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図75参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
【0977】
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
【0978】
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図102(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S3201)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S3201:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像(図示省略)ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S3202)を実行し、次いで、表示設定処理(S3203)を実行する。
【0979】
コマンド判定処理(S3202)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
【0980】
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド判定処理の詳細については、図103?図105を参照して後述する。
【0981】
表示設定処理(S3203)では、コマンド判定処理(S3202)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図106?図108を参照して後述する。
【0982】
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S3204)。このタスク処理では、表示設定処理(S3203)もしくは簡易表示設定処理(S3209)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
【0983】
次に、転送設定処理を実行する(S3205)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンド(図示省略)を受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理の詳細については、図109および図110を参照して後述する。
【0984】
次いで、描画処理を実行する(S3206)。この描画処理では、タスク処理(S3204)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S3205)により設定された転送指示とから、図75に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、図111を参照して後述する。
【0985】
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S3207)。そして、V割込処理を終了する。S3207の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
【0986】
一方、S3201の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S3201:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像(図示省略)を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S3208)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S3209)を実行して、S3204の処理へ移行する。
【0987】
次いで、図103?図105を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S3202)の詳細について説明する。まず、図103は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
【0988】
このコマンド判定処理(図103、S3202)では、図103に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S3301)、未処理の新規コマンドがなければ(S3301:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S3301:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S3203)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S3302)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S3303)。
【0989】
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S3304)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S3304:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S3305)、S3301の処理へ戻る。
【0990】
ここで、図104(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S3305)の詳細について説明する。図104(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
【0991】
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3401)。
【0992】
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S3401の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
【0993】
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
【0994】
これに対し、本制御例のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
【0995】
次いで、S3401で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S3402)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S3401の処理によって設定された変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S3403)。表示設定処理では、S3403の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
【0996】
次いで、S3401の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3404)、ポインタ233fを0に初期化する(S3405)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3406)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
【0997】
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S3405の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S3401の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S3402の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
【0998】
また、表示設定処理では、S3404の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
【0999】
ここで、図103の説明に戻る。S3304の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S3304:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S3306)、表示用停止種別コマンドがあれば(S3306:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S3307)、S3301の処理へ戻る。
【1000】
ここで、図104(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S3307)の詳細について説明する。図104(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
【1001】
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れのいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S3501)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図102(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S3502)。
【1002】
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S3502の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定する(S3503)。
【1003】
図103に戻り、説明を続ける。S3306の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S3306:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用保留コマンドがあるか判別する(S3308)。表示用保留コマンドを受信していると判別した場合には(S3308:Yes)、コマンドに基づいた保留図柄データを設定する(S3309)。これにより、保留図柄が表示されたり、表示されている保留図柄の色が可変するように設定される。その後、S3301の処理へ戻る。
【1004】
一方、表示用保留コマンドがないと判別されると(S3308:No)、表示用予告コマンドがあるか判別される(S3310)。表示用予告コマンドがあると判別されると(S3310:Yes)、コマンドに基づいた予告の表示データが設定される。これにより、枠ボタン22が押下されてSW予告に対応した予告表示等の表示設定がされる。その後、S3301の処理へ戻る。
【1005】
一方、表示用予告コマンドがないと判別されると(S3310:No)、表示用状態コマンドがあるか判別される(S3312)。表示用状態コマンドがあると判別されると(S3312:Yes)、コマンドに基づいた状態に対応する背景表示データが設定される(S3313)。これにより、時間演出等に対応した表示が設定される。その後、S3301の処理へ戻る。
【1006】
一方、表示用状態コマンドがないと判別されると(S3312:No)、表示用タッチコマンドがあるか判別される(S3314)。表示用タッチコマンドがあると判別されると(S3314:Yes)、コマンドに基づいて、対応する表示データが設定される(S3315)。これにより、ふれあい演出等のタッチ演出等に対応する表示が設定される。その後、S3301の処理へ戻る。
【1007】
一方、表示用タッチコマンドがないと判別されると(S3314:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S3316)、エラーコマンドがあれば(S3316:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S3318)、S3301の処理へ戻る。
【1008】
ここで、図105を参照して、エラーコマンド処理(S3318)の詳細について説明する。図105は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
【1009】
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S3601)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S3602)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
【1010】
表示設定処理では、S3601の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S3602の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
【1011】
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S3602に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
【1012】
ここで、図103の説明に戻る。S3316の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S3316:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S3317)、S3301の処理へ戻る。
【1013】
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS3301の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S3301:Yes)、再びS3302?S3317の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S3301?S3307の処理が繰り返し実行され、S3301の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
【1014】
尚、V割込処理(図102(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S3208)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図104(a)参照)および停止種別コマンド処理(図104(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
【1015】
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図104(a)参照)では、S3401の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S3402の処理では、転送データテーブルバッファ233eにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
【1016】
次いで、図106?図108を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S3203)の詳細について説明する。図106は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
【1017】
この表示設定処理では、図106に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S3701)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S3701:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S3702?S3704の処理をスキップし、S3705の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S3701:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S3702)、S3703?S3704の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
【1018】
S3703の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S3703)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S3703:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S3704)。
【1019】
ここで、図107を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図107は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S3801)。
【1020】
タスク処理では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
【1021】
そして、警告画像設定処理では、S3801の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S3802)、表示設定処理に戻る。
【1022】
ここで、図106の説明に戻る。警告画像設定処理(S3704)の後、又は、S3703の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S3703:No)、次いで、S3705の処理へ移行する。
【1023】
S3705では、ポインタ更新処理を実行する(S3705)。ここで、図108を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図108は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
【1024】
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S3901)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
【1025】
S3901の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S3902)。その結果、End情報であれば(S3902:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
【1026】
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S3903)、デモ用表示データテーブルであれば(S3903:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3904)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S3905)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
【1027】
一方、S3903の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S3903:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S3906)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S3902の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S3902:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
【1028】
ここで、図106に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S3706)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S3906の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
【1029】
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S3707)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S3708)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S3708:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S3708:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S3709)。
【1030】
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S3709:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3710)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3711)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3712)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S3713)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S3714)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S3715)、V割込処理に戻る。
【1031】
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
【1032】
尚、S3715の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S3204)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S3715によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
【1033】
一方、S3709の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S3709:Yes)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S3716)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S3716:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3717)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3718)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3719)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S3720)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S3721)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
【1034】
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
【1035】
S3716の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S3716:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
【1036】
尚、V割込処理(図102(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S3209)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
【1037】
次いで、図109及び図110を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S3205)の詳細について説明する。まず、図109(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
【1038】
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S4001)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S4001:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S4002)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図109(b)を参照して後述する。
【1039】
一方、S4001の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S4001:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S4003)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図110を参照して後述する。
【1040】
次いで、図109(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S3205)の一処理である常駐画像転送設定処理(S4002)について説明する。図109(b)は、この常駐画像転送設定処理(S4002)を示すフローチャートである。
【1041】
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S4101)、転送指示を送信していれば(S4101:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S4102)。このS4102の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S4102の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S4102:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S4102:Yes)、S4103の処理へ移行する。また、S4101の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S4101:No)、S4103の処理へ移行する。
【1042】
S4103の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S4103)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S4103:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S4104)、常駐画像転送設定処理を終了する。
【1043】
これにより、描画処理(S3206)において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
【1044】
S4103の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S4103:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S4105)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図102(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図102(b)のS3208参照)および簡易表示設定処理(図102(b)のS3209参照)ではなく、コマンド判定処理(図103?図105参照)および表示設定処理(図106?図108参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図110参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図109(a)のS4001:No参照)。
【1045】
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
【1046】
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
【1047】
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
【1048】
次いで、図110を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S3205)の一処理である通常画像転送設定処理(S4003)について説明する。図110は、この通常画像転送設定処理(S4003)を示すフローチャートである。
【1049】
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S3203)のポインタ更新処理(S3705)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S4201)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S4202)、転送データ情報であれば(S4202:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S4203)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S4204)、S4205の処理へ移行する。
【1050】
また、S4202の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S4202:No)、S4203及びS4204の処理をスキップして、S4205の処理へ移行する。S4205の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S4205)、転送指示を設定していれば(S4205:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S4206)。
【1051】
このS4206の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S4206の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S4206:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S4206:Yes)、S4207の処理へ移行する。また、S4205の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S4205:No)、S4207の処理へ移行する。
【1052】
S4207の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S4207)、転送開始フラグがオンであれば(S4207:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S4208)、S4209の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S4207:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S4212)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S4212:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
【1053】
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S4212:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S4213)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S4214)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、格納先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S4215)、S4209の処理へ移行する。
【1054】
尚、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S4214の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
【1055】
S4209の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S4209)。このS4209の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233jを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233jより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
【1056】
そして、S4209の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S4209:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
【1057】
一方、S4209の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S4209:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S4210)。これにより、描画処理(S3206)において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
【1058】
S4210の処理の後、格納画像データ判別フラグ233jを更新し(S4211)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233jの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
【1059】
また、本制御例では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
【1060】
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
【1061】
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
【1062】
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
【1063】
次いで、図111を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S3206)の詳細について説明する。図111は、この描画処理を示すフローチャートである。
【1064】
描画処理では、タスク処理(S3204)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S3205)により設定された転送指示から、図75に示す描画リストを生成する(S4301)。即ち、S4301の処理では、タスク処理(S3204)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S3205)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
【1065】
尚、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
【1066】
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233kによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S4302)。ここでは、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233kが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
【1067】
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
【1068】
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
【1069】
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
【1070】
描画処理は、S4302の処理の後、描画対象バッファフラグ233kを更新する(S4303)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233kの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
【1071】
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図102(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
【1072】
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
【1073】
<第2制御例>
次に、図112?図117を参照して本パチンコ機10の第2制御例について説明する。本第2制御例では、第1制御例に対して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理の内容が変更されている。上述した第1制御例で行われている処理に加えリール制御処理を追加した点、およびリール制御処理を追加したことに基づいて音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動パターン選択処理および変動表示設定処理に新たな処理が追加された点で相違する。その他の構成については同一であるのでその他の構成については省略する。
【1074】
まず、図112について説明する。図112(a)は第3図柄表示装置81の下側を覆う位置に収容体330を上昇させた状態における表示態様を示す一例である。この図112(a)では、第3図柄表示装置81の表示領域に表示される第3図柄(以下、主第3図柄と称す)と、収容体330の第1回転体340aの外周面と第2回転体340bの外周面とによって合成表示される第3図柄(以下、副第3図柄と称す)とが同時に表示されている。この表示態様は、後述する変動表示設定処理2(図117参照)にて設定開始フラグ223dがオンに設定された場合に、リール制御処理(図115参照)によって収容体330を上昇させることにより実行される表示態様である。
【1075】
本表示態様においては、主第3図柄も副第3図柄もそれぞれ左右方向に3つ表示されており、左列、中列、右列とそれぞれが対応して表示されるよう構成されている。つまり、左列の主第3図柄(4と7が表示されている図柄)と左列の副第3図柄(AとA´とが合成表示されている図柄)とが対応しており、中列の主第3図柄(ブランク図柄)と中列の副第3図柄(CとB´とが合成表示されている図柄)とが対応しており、右列の主第3図柄(ブランク図柄)と右列の副第3図柄(CとA´とが合成表示されている図柄)とが対応している。
【1076】
副第3図柄は特定の組合せとして「AとA´」、「BとB´」、「CとC´」を有しており、3つの副第3図柄が全て「AとA´」で合成表示されると、特別図柄の当否判定結果が大当りであったことを報知するものである。また、3つの副第3図柄が全て「BとB´」や「CとC´」で合成表示された場合は、遊技者に大当たりを期待させる報知を行うものであり、例えば「BとB´」で合成表示された副第3図柄が3つ並ぶことで「チャ・ン・ス」と表示されるように構成されている。
【1077】
図112(b)は図112(a)が表示された後に、中、右の第3図柄が切り替わった状態における表示態様の一例を示す図である。本図に示すように、主第3図柄と副第3図柄を表示する場合においては、それぞれの図柄の組合せによって特別図柄の当否判定結果を表示するようになっており、例えば、特別図柄の当否判定結果が大当りの場合は、主第3図柄に特別図柄の当否判定結果が大当りとなる組合せ(サメ・カメの図柄が3つ並ぶ組合せ)が表示され、副第3図柄には特別図柄の当否判定結果が大当りとなる組合せ(AとA´とで合成表示される図柄が3つ並ぶ組合せ)が表示される。
【1078】
以上説明をしたように、本制御例では、通常遊技状態では第3図柄表示装置81の表示領域にて変動表示される第3図柄を用いて特別図柄の当否判定結果を報知しているが、通常遊技状態とは異なる遊技状態であるリールモードに移行した場合には、第3図柄表示装置81の表示領域にて表示される主第3図柄と、上述した副第3図柄との組み合わせによって特別図柄の当否判定結果を報知可能に構成されている。
【1079】
なお、上述したリールモードへの移行条件としては、特別図柄の当否判定結果が所定の判定結果(大当たり)であった場合や、音声ランプ制御装置113が受信した変動パターンコマンド又は入賞コマンドにリールモードに対応する演出情報が含まれている場合がある。
【1080】
<第2制御例における電気的構成について>
本第2制御例では、第1制御例に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222とRAM223の内容が変更されている点で相違する。その他の点については、第1制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
【1081】
図113(a)は、第2制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221におけるROM222の内容を模式的に示した模式図である。本第2制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222は、第1制御例に対して、リールシナリオテーブル222eが追加されている。その他の構成については、第1制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
【1082】
次に、図114を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理2について説明する。図114は、メイン処理2についてのフローチャートである。このメイン処理2のうち、S1301?S1313、S1315、S1317?S1321の各処理では、それぞれ第1制御例におけるメイン処理(図87参照)のS1301?S1313、S1315、S1317?S1321の各処理と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。本制御例では、メイン処理の中で実行されるS1314の音量設定処理(図93参照)が行われない点、S1330のリール制御処理(図115参照)が行われる点において、第1制御例と相違するので以下説明する。
【1083】
図115を参照して、リール制御処理(S1330)について説明する。図115は、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理2(図114)内の一処理であるリール制御処理(S1330)を示すフローチャートである。
【1084】
このリール制御処理では、まず、設定開始フラグ223wがオンか否かを判別する(S2401)。設定開始フラグ223wがオンである場合(S2401:Yes)、設定されているリールシナリオを読み込み(S2402)、各リールの開始位置を設定する(S2403)。その後、設定開始フラグ223wをオフに設定し(S2404)、リールモードフラグ223xをオンに設定して(S2405)、この処理を終了する。
【1085】
一方、S2401の処理において、設定開始フラグ223wがオフである場合(S2401:No)、次いで、リールモードフラグ223xがオンか否かを判別する(S2406)。リールモードフラグがオフである場合(S2406:No)、この処理を終了する。一方、リールモードフラグがオンである場合は(S2406:Yes)、設定されているシナリオを更新する(S2407)。その後、エンドデータであるか否かを判別する(S2408)。エンドデータである場合(S2408:Yes)、この処理を終了する。一方、エンドデータではない場合は(S2408:No)、シナリオに基づいて動作データを設定し(S2409)、この処理を終了する。
【1086】
次に、図116を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動パターン選択処理2について説明する。図116は、変動パターン選択処理2についてのフローチャートである。
【1087】
この変動パターン選択処理2では、まず、演出カウンタ223fの値を取得する(S1511)。次に、演出モードがAであるか否か判別する(S1512)。演出モードがAである場合(S1512:Yes)、リールモードフラグ223xがオンであるか否かを判別する(S1513)。リールモードフラグ223xがオフである場合(S1513:No)、対応する変動パターン選択テーブルAまたはBより変動パターンを選択して設定を行う(S1514)。その後、この処理を終了する。一方、リールモードフラグ223xがオンである場合は(S1513:Yes)、リールシナリオテーブルより変動パターンを選択し(S1515)、この処理を終了する。
【1088】
ここで、リールシナリオテーブルについて説明する。リールシナリオテーブルには入賞コマンドを受信した場合に実行される演出制御処理(先読み制御処理)にて参照されるテーブルと、変動パターンコマンドを受信した場合に実行される演出制御処理(変動パターン選択処理)にて参照されるテーブルとが分けて設けられている。
【1089】
S1515では変動パターン選択処理に対応したリールシナリオテーブルが参照される。このリールシナリオテーブルには、第1回転体340a及び第2回転体340bから構成されるリール部材を遊技者が視認可能な位置(露出位置)と遊技者が視認困難な位置(収納位置)とのどちらに位置させるのかが決定されるリール位置と、リール部材の回転動作として、回転速度とが予め定められたシナリオが複数用意されており、変動パターン選択コマンドに含まれる情報、回転動作量に基づいて適宜選択設定されるよう構成されている(図134(a)参照)。
【1090】
S1512の処理において、演出モードがAではない場合(S1512:No)、対応する変動パターン選択テーブルCより変動パターンを選択して設定する(S1516)。その後、この処理を終了する。
【1091】
次に、図117を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理2(S1340)について説明する。図117は、この変動表示設定処理2(S1340)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理2のうち、S1711?S1719の各処理では、それぞれ第1制御例における変動表示設定処理(図91参照)のS1701?S1709の各処理と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。本制御例では、S1720?S1723の処理が行われる点において、第1制御例と相違するので以下説明する。
【1092】
S1720の処理では、停止種別選択コマンドに含まれる情報がリールモード突入パターンか否かを判別する(S1720)。リールモード突入パターンである場合(S1720:Yes)、設定開始フラグ223wをオンに設定し(S1721)、この処理を終了する。なお、リールモード突入パターンは特別図柄の当否判定結果が大当りである場合における停止種別選択コマンドのほうが特別図柄の当否判定結果が大当りではない場合における停止種別選択コマンドよりも多く含まれるように構成されている。
【1093】
一方、リールモード突入パターンではない場合(S1720:No)、次いで、リールモード終了パターンか否かを判別する(S1722)。リールモード終了パターンでない場合(S1722:No)、そのままこの処理を終了する。一方、リールモード終了パターンである場合は(S1722:Yes)、リールモードフラグをオフに設定し(S1723)、この処理を終了する。
【1094】
<第3制御例>
次に、図118?図133を参照して本パチンコ機10の第3制御例について説明する。本第3制御例では、第2制御例に対して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理の内容が変更されている。具体的には、上述したコマンド判定処理に入賞時演出変更処理を加えた点と、音量設定処理2を加えた点と、特殊演出処理を加えた点と、揺れ制御処理2を加えた点と、その他の処理を加えた点で相違する。その他の構成については同一であるのでその他の構成については説明を省略する。
【1095】
まず、図118を参照して、特殊音量設定演出中に表示される表示態様について説明する。ここで、特殊音量設定演出について説明する、特殊音量設定演出とは、球が入球されたことに基づいて発生する演出であり、演出が発生している期間中は通常時の音量設定(図93参照)とは異なる特殊音量設定(図130参照)が可能となる。この特殊音量設定によって音量設定がされた場合は、パチンコ機10の音量を変更設定するとともに、変動中の特別図柄の大当たり期待度や保留図柄内の大当たり期待度が特殊な音声や音量または表示態様を用いて報知されるよう構成されている。
【1096】
このように構成された特殊音量設定演出によれば、パチンコ機10の音量を設定する操作によって、大当たり期待度を示唆する報知も実行されることなる。よって、遊技者が行う1つの操作に基づいて音量設定と期待度示唆報知(演出設定)という2種類の設定を可能にし、遊技者が遊技を楽しむために行う枠ボタン22(操作手段)への操作回数を減らすことを可能にすることができるという効果がある。
【1097】
図118は、特殊音量設定演出中に第3図柄表示装置81に表示される表示態様の一例を示した図である。本図に示すように特殊音量設定演出が実行されると副図柄(ブランク図柄)の一部が音量設定を示すボリューム図柄へと変化し表示される。この特殊音量設定演出中は左右センサ装置600の照射領域(検出領域)が、ボリューム図柄が表示される表示領域に対応するように制御されており、遊技者がボリューム図柄に対応するガラス板16aに触れることで、特殊音量設定が可能となる。
【1098】
特殊音量設定が可能になると、パチンコ機10に設けられている選択スイッチ291を操作することでパチンコ機10の音量を設定することが可能となる。この選択スイッチ291の操作に基づいて、表示画面に表示されているボリューム図柄が音量の大きさを示す音量レベルに対応した表示態様に変更し表示される。
【1099】
また、選択スイッチ291の操作に基づいて、ボリューム図柄が表示態様を変動中の特別図柄の大当たり期待度や保留図柄内の大当たり期待度に応じた表示態様に変更される。具体的には、ボリューム図柄の色が白→青→黄→赤→虹へと変更されていく。なお、大当たり期待度に基づく表示態様の変更方法としては色の変更だけではなく、たとえば、ボリューム図柄に表示されている柄の種類を変えたり、ボリューム図柄として表示されているシンボルマークの形態を変更したり、数を増やしたりする変更方法が考えられる。
【1100】
さらに、大当たり期待度に基づく報知演出として、ボリューム図柄の表示態様を変更するだけではなく、音声(音量)を用いた報知を行ってもよく、例えば、音量レベルを上げる操作をしているにも関わらずパチンコ機10の音量が下がるといった矛盾演出や、当否判定結果に大当たりが存在することを告知する告知音演出を行ってもよい。このようにパチンコ機10の音量を設定する操作を行った場合に、大当たり期待度に基づく報知演出を音を用いて行うことで、音量設定と報知演出という異なるカテゴリに関連性を持たせることが可能となり、音量設定を行った遊技者に対して大当たり期待度に基づく報知演出を気付かせやすくすることが可能となる。
【1101】
なお、本制御例では特殊音量設定演出としてパチンコ機10の音量を設定する制御を説明しているが、同様の制御を音量設定以外に用いてもよい。たとえば、第3図柄表示装置81(液晶表示装置)の輝度や色合いを設定する場合に用いてもよい。このよう構成を採用する場合は、副図柄(ブランク図柄)を、輝度を示すライト図柄や色合いを示すカラーバー図柄に変更表示し、大当たりの期待度に基づく報知演出として上述した図柄の表示態様を変更する演出以外に、パチンコ機10に設けられている複数のランプ(LED)を用いて報知するとよい。このように構成することにより、遊技者が視覚的な設定(輝度、色合い)を変更するために行う操作に基づいて、大当たりの期待度を視覚的な報知演出(ランプの輝度、色合い)で実行することが可能となり、遊技者に報知演出を気付かせやすくすることが可能となる。
【1102】
また、第3図柄表示装置81に表示される複数の副図柄(ブランク図柄)をそれぞれボリューム図柄、ライト図柄、カラーバー図柄に変更し、遊技者が選択した図柄に対応した設定が行われるようにしてもよい。
【1103】
なお、本制御例では停止表示されている副図柄および変動表示中の副図柄の一部がボリューム図柄に変更されるよう構成されているが、停止表示されている副図柄のみボリューム図柄に変更可能に構成してもよいし、変動表示中の副図柄のみがボリューム図柄に変更可能に構成してもよい。また、通常時における音量設定操作に基づいて大当たり期待度を報知するようにしてもよい。
【1104】
また、本制御例では遊技者がボリューム図柄をタッチしたか否かを左右センサ装置600の検出結果より判別する構成を用いたが、左右センサ装置600以外の操作手段を用いた操作によってボリューム図柄を選択したことを判別する構成にしてもよい。
【1105】
以上説明をしたように、本制御例における特殊音量設定演出では、遊技者が音量設定を行う操作を行うだけで、大当たり期待度を示唆する状態示唆報知演出も合わせて行われるため、遊技者による操作手段(枠ボタン22、選択スイッチ291)の操作が煩雑になることを抑制することができる。
【1106】
また、音量設定操作に基づく状態示唆報知演出の態様として音を用いた態様を用いているため、遊技者に対して状態示唆報知演出を容易に気付かせることが可能となる。
【1107】
次に、図119を参照して時間演出について説明をする。図119は時間演出期間を実行するタイミングを示したタイミングチャートである。まず、パチンコ機10に電源が投入されると、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する立ち上げ処理(図85参照)内の時間設定処理(図86参照)により現在時刻情報が計時手段であるRTC292から取得される。その取得した時刻情報に基づいて、54分が経過すると準備期間(演出モードB)が設定される。なお、この準備期間設定されるまでの期間は、通常遊技期間(演出モードA)が設定される。そして、準備期間(演出モードB)が設定されてから1分が経過すると、時間演出期間(演出モードC)が設定される。その後、時間演出期間(演出モードC)が設定されてから5分が経過すると再び通常遊技期間が設定される。
【1108】
本制御例では、遊技者が通常遊技期間(演出モードA1)中にポイントを獲得し、準備期間(演出モードB)中に獲得したポイントの結果を表示し、その獲得したポイントに応じて時間演出期間(演出モードC)中に行われる時間演出の内容を変更し、その時間演出の結果に基づいて次回の通常遊技期間(演出モードA2)の遊技内容を変更する演出が行われる。
【1109】
次に、図120と図121を参照して各演出モードにおける演出の詳細な内容について説明する。なお、上述した第1制御例にて記載した内容と同一の演出についてはその説明を省略する。
【1110】
図120(a)は、図119に示す通常遊技期間(A1)中に第3図柄表示装置81に表示される表示態様の一例を示した図であって、遊技者がポイントを獲得するために実行されるミニゲームを示す図である。表示画面中央には宝箱が3つ並んでおり、その上方には、遊技者に任意の宝箱を選択させるよう促すコメントが表示される。遊技者が任意の宝箱を選択するとその中からポイントを示す表示態様が出現し、遊技者の獲得ポイントに加算される。
【1111】
また、本表示画面では画面左下に遊技者が獲得している獲得ポイント(10)と最大獲得可能ポイント(100)が「10/100」として表示されている。なお、通常遊技期間中に獲得したポイントに応じて後の時間演出期間中に実行される時間演出の内容が決定されるように構成されている。
【1112】
さらに、獲得ポイントを表示する領域の近傍には、最大値を100ポイントに設定してある獲得ポイントインジケータが表示されており、現在の獲得ポイントが最大値に対してどれくらいであるのかを視覚的に把握できるようになっている。さらに、このインジケーには獲得ポイント数40,70,90を示す箇所に境界線が付されており、それぞれの境界線に対して「GET」の文字が表示されている。本図で10ポイントに対応する表示がされている。
【1113】
この境界線は、後に行われる時間演出(演出モードCで行われる演出)の内容を決定する際に用いるテーブル(図125(a)参照)が切り替わる値を示すものである。このように境界線を遊技者に対して視認可能な態様で表示することにより、境界線を目標値としながら時間演出を変化させる可能性がある段階までに必要なポイント数を把握することが可能となるため、遊技者に対してミニゲームへの参加意欲を高めることができる。
【1114】
また、インジケータ上の獲得ポイント数の表示は境界線を越えることで色が変わるよう構成されている。なお、本制御例では獲得ポイントについて上述した2つの表示を行っているが、いずれか一方のみ表示するようにしてもよい。
【1115】
なお、本制御例では図120(a)に示すミニゲーム以外に図120(b)に示すような通常の遊技演出でもポイントを獲得可能に構成されている。そこで、図120(b)について説明を行う。
【1116】
図120(b)は、図119に示す通常遊技期間(A1)中に第3図柄表示装置81に表示される表示態様の一例を示した図であって、特定の演出である「魚群リーチ」を示す図である。「魚群リーチ」が実行されると、表示画面に「魚群GET+20ポイント」と表示され、獲得ポイントが20加算される。このように、通常の遊技演出であっても特定の演出が実行された場合にはポイントが獲得できるようにしているため、ミニゲームが上手く操作できなくてもポイントを蓄積させることが可能となる。よって、遊技者に対して通常遊技期間中に発生する演出に興味を持たせることができる。
【1117】
なお、通常の遊技演出で獲得できるポイントについては、そのポイント数やポイントが付与される特定の演出をランダムで設定できるように構成するとよい。このような構成を用いる場合は、今回の通常遊技期間中に特定演出として設定された演出の種類とポイント数とを表示画面に表示するとよい。また、通常遊技期間中に特定演出として設定された全ての演出が実行された場合に、獲得ポイントをMAXにする特典を設けてもよい。
【1118】
また、通常遊技期間中にミニゲームや特定の演出の実行により獲得したポイント数を全て表示画面に表示することなく、一部のポイント数を表示上は加算しないように構成してもよく、例えば、ミニゲームで実際に獲得したポイントよりも少ないポイントを獲得表示したり、特定の演出として設定されている演出の一部を、表示上は特定の演出ではない通常の演出として表示したりするとよい。このように構成することで、具体的な獲得ポイント数を遊技者に把握し難くし、最終的な結果発表(図121(a)参照)まで演出を楽しませることができる。
【1119】
図121(a)は、図119に示す準備期間(演出モードB)中に第3図柄表示装置81に表示される表示態様の一例を示した図であって、通常遊技期間中に獲得したポイント数の結果を発表する表示画面を示す図である。本表示画面の上部領域には時間演出である「ふれあいタイム」が間もなく開始されることを報知するコメントが表示され、本表示画面の右側領域には時間演出が開始されるまでの残り時間(35秒)をカウントダウン表示するカウントダウン表示部が設けられている。このカウントダウン表示部にて表示されている数値(秒数)が0になると時間演出期間(演出モードC)に突入し、時間演出が開始される。
【1120】
さらに、本表示画面の左側領域には通常遊技期間(演出モードA1)中に獲得したポイント数の結果を表示する獲得ポイント結果表示部が設けられており、通常遊技期間中に獲得したポイントが表示される。なお、通常遊技期間中に獲得したポイント数を全て表示画面に表示しないよう構成されている場合は、本図の結果表示部に表示されるポイント数の結果を見ることで初めて通常遊技期間中に獲得したポイント数を把握できるものである。
【1121】
図121(b)は、図119に示す準備期間(演出モードB)中に第3図柄表示装置81に表示される表示態様の一例を示した図であって、通常遊技期間中に獲得したポイント数を用いて犬種選択テーブル(図125(a)参照)に基づいて選択された犬種が表示される表示画面を示す図である。本表示画面の上部領域には次の時間演出期間(演出モードC)中に用いられる犬種が決定したことを示すコメントが表示されている。表示画面の左側領域には今回決定された犬種が表示される犬種表示部が設けられ、次の時間演出期間中に用いられる犬種として犬種Cが表示されている。また、カウントダウン表示部には残り9秒を示す表示がされている。
【1122】
ここで、時間演出期間中に用いられる犬種について説明をする。本制御例では時間演出期間中に用いられる犬種として犬種A?犬種Dが用意されており、後述する犬種選択テーブル(図125(a)参照)によって選択決定される。それぞれの犬種には個性があり、ふれあいタイム中(時間演出中)の演出(図61,62参照)における信頼度の上昇度合いや、信頼度をカスタム設定可能な演出の種類が異なる。例えば、図121(b)で表示されている犬種Cは、信頼度の上昇度合が「通常」、信頼度をカスタム設定可能な演出が「魚群リーチ」として設定されている。
【1123】
なお、本制御例ではそれぞれの犬種に対して信頼度の上昇度合いと信頼度をカスタム設定可能な演出の種類が設定されていたが、遊技者が信頼度の上昇度合いと信頼度をカスタム設定可能な演出の種類を選択できるようにしてもよい。このような場合、例えば犬種Dが選択された場合は選択できる範囲が少なくなり、犬種Aが選択された場合は選択できる範囲が多くなるように構成するとよい。このように構成することで、遊技者は様々なカスタム設定を行おうと犬種Aが設定されるように遊技を行うようになる。
【1124】
また、本制御例に記載した遊技態様(リーチの種類、信頼度)以外の遊技態様をカスタム設定できるように構成してもよい。たとえば、当否判定結果が大当りとなる変動表示におけるプレミア演出の出現率や、遊技者が貯めているポイントを大量に付与可能な演出の出現率等が考えられる。
【1125】
なお、本制御例では通常遊技期間を、ポイントを獲得する期間(演出モードA1)と時間演出にて設定された内容に基づいた演出を実行する期間(演出モードA2)とに分け、交互に実行されるように構成されているが、たとえば、通常遊技期間開始時(時間演出期間終了時)に通常遊技期間中に何れの期間を実行するかを遊技者が選択できるようにしてもよい。このように構成することで、時間演出期間中に所望の設定が出来なかった場合、再度ポイントを獲得する期間を選択することが可能となるため、遊技者が積極的に演出に参加するよう促すことが可能となる。
【1126】
また、通常遊技期間を前半パートと後半パートに分け、前半パートを時間演出期間中に設定された内容に基づく演出を実行する期間とし、後半パートをポイントを獲得する期間としてもよいし、ポイントを獲得する期間と時間演出にて設定された内容に基づいた演出を実行する期間を重複させ、両方を同時に行ってもよい。
【1127】
さらに、通常遊技期間中に獲得したポイントを一日中蓄積し、その蓄積したポイントに基づいて時間演出の内容を設定してもよい。このように構成することで、遊技者に対して長時間の遊技を促すことが可能となる。また、獲得したポイントを外部端末(携帯装置)で読み取り可能な情報(例えば、二次元コード)に変換して出力し、外部装置によって読み取られた情報に基づいて作成された情報(例えば、パスワード)をパチンコ機10に入力することで、前回の獲得ポイントを引き継いだ遊技を実行できるようにしてもよい。このように構成することで、時間が無い遊技者に対しても日を跨いで長時間の遊技をさせるよう促すことが可能となる。
【1128】
次に、図122を参照して揺れ演出2における演出の詳細な内容について説明する。図120(a)は、揺れ演出2中に第3図柄表示装置81に表示される表示態様の一例を示した図であって、遊技者が可変部材である腕部材444(図40参照)を揺らすためにタイミングよく枠ボタン22を操作することを促す表示画面を示す図である。
【1129】
ここで、揺れ演出2について説明する。揺れ演出2は若干揺れている腕部材444を遊技者による枠ボタン22の操作に基づいて可動させる演出である。詳細に説明すると、腕部材444に設けられた加速度センサから取得した情報より腕部材444の可動状態(揺れ状態)データを算出し、その算出したデータに基づいて表示画面に操作タイミングを報知するタイミング報知を表示する。そして、遊技者が枠ボタン22を操作したタイミングと、腕部材の可動状態(揺れ状態)データに基づく操作タイミングとに基づいて腕部材444を駆動させるタイミングを決定し、腕部材444を駆動させる演出である。
【1130】
上述した揺れ演出2では、遊技者がタイミングよく枠ボタン22を操作することで、腕部材444が大きく揺れるように制御され、遊技者が枠ボタン22を操作するタイミングが悪い場合は腕部材444の揺れが小さくなるように制御されるものである。このように、遊技者の操作に基づいて可変部材の動作制御を行うことにより、遊技者はパチンコ機10の演出に参加していると実感するため、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
【1131】
さらに、本制御例における揺れ演出2では、遊技者が枠ボタン22を操作するタイミングを表示するタイミング表示を実際の可変部材の揺れ状態に基づいて制御しているため、表示画面に表示されているタイミング表示と実際の可変部材の揺れ状態が同期することになる。よって、タイミング表示に合わせてタイミングよく枠ボタン22を操作すると脚部材444が大きく揺れるよう制御されるため、遊技者に違和感を与えることを無くすことができる。
【1132】
図122(a)に戻り説明を続ける。図122(a)に示す表示画面の中央領域には遊技者に対して枠ボタン22を操作することを促すコメント及び枠ボタン22を模した図が表示されており、表示画面の右下領域にはインジケータが所定領域M内を左右方向に増減移動表示されるタイミング表示部が設けられている。このタイミング表示部にて表示されるインジケータは、実際の腕部材444の揺れ状態を加速度センサを用いてデータ化した情報に基づいて左右方向に増減移動表示されている。なお、左右方向に増減移動する速度については、腕部材444の揺れ幅が大きくなるほど速くなるよう制御してもよいし、加速度センサより得た情報を補正し常時一定の速度となるよう制御してもよい。
【1133】
そして、所定領域M内の中心位置S(aの範囲)にインジケータが位置するタイミングが枠ボタン22を操作することで最も効率よく腕部材444を揺らすタイミングとなっており、枠ボタン22を操作するタイミングが中心位置Sから離れるほど(bの範囲→cの範囲)腕部材444が大きく揺れないように制御される。なお、一回の揺れ演出2中には所定回数(例えば10回)のタイミング表示が繰り返し行われる。
【1134】
なお、本制御例では、揺れ部材演出2として遊技者が枠ボタン22をタイミングよく操作する演出を用いているが、それ以外の演出として図122(b)に示す演出を用いてもよい。図122(b)は、揺れ演出2中に第3図柄表示装置81に表示される表示態様の別例を示した図であって、遊技者が可変部材である腕部材444(図40参照)を揺らすために枠ボタン22を連打操作することを促す表示画面を示す図である。
【1135】
この別例では、表示画面の中央領域には遊技者に対して枠ボタン22を連打操作することを促すコメント及び枠ボタン22を模した図が表示されており、表示画面の右側領域には連打回数に対応して上方向に移動する(上昇する)インジケータが表示される連打回数表示部が設けられている。本図に記載した別例では、枠ボタン22を連打した回数に応じて連打回数表示部のインジケータが上昇していく。そして、連打回数表示部のインジケータレベルが高い程(上昇している程)、腕部材444が大きく揺れるタイミングで駆動させるように構成すればよい。
【1136】
<第3制御例における電気的構成について>
本第3制御例では、第2制御例に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222とRAM223の内容が変更されている点で相違する。その他の点については、第1制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
【1137】
図123(a)は、本第3制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221におけるROM222の内容を模式的に示した模式図である。本第3制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222は、第2制御例に対して、回転体動作テーブル222f、犬種選択テーブル222gが追加されている。その他の構成については、第1制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
【1138】
さらに、図123(b)は、本第3制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223の内容を模式的に示した模式図である。本第3制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223は、第2制御例に対して、音量設定期間フラグ223αおよび特殊音量設定フラグ223βを追加されている。その他構成については、第2制御例と同一であるので、その詳細な説明を省略する。なお、図123(b)に示したRAM223においては、特別図柄保留球数カウンタ223b、普通図柄保留球数カウンタ223c及び変動開始フラグ223dが記載されていないが、これは、その他メモリエリア223z内に含まれているものとし、その記載を省略しただけであり、第2制御例と同一の処理が行われる。
【1139】
次に、図124を参照して第1回転体340a及び第2回転体340bにて表示される図形の組合せについて説明をする。なお、第1回転体340a及び第2回転体340bの構成については、上記第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【1140】
図124は、本制御例における第1回転体340a及び第2回転体340bの図形の組合せ及びその図形の組合せを設定する場合に用いられる誤差範囲を示す回転体動作テーブルを示す模式図である。ここで、第1回転体340a及び第2回転体340bの回転動作について、図18を参照に説明する。
【1141】
まず、駆動モータ350が回転駆動されると、その回転が第1回転体340a及び第2回転体340bへ伝達機構により常時伝達される(詳細な説明については上記第1実施形態と同一のため省略する)。そして、駆動モータ350の回転駆動を第1回転体340aに伝達する伝達機構である第1ギヤ353の歯数は14に設定されている。一方、駆動モータ350の回転駆動を第2回転体340bに伝達する伝達機構である第2ギヤ355の歯数は20に設定されている。
【1142】
よって、駆動モータ350が回転駆動し、第1ギヤ353が1歯分回転すると第1回転体340aが約25度回転する。そして、第1ギヤ353が1歯分回転することに連動して第2ギヤ355も1歯分回転する。第2ギヤ355が1歯分回転すると第2回転体340bが約18度回転する。このように駆動モータ350の回転駆動に基づいて第1回転体340aと340bとが異なる角度の回転動作を行うため、様々な組み合わせを表示可能に構成されている。
【1143】
図124に戻って説明を続ける。本図に示す回転体動作テーブルは縦軸にNo.が「1」から「141」まで設けられている。この縦軸に示されるNo.は、上述した駆動モータ制御手段が制御を行う単位に対応して付されており、つまり、駆動モータ350の回転駆動に基づいて第1ギヤ353及び第2ギヤ355が1歯分回転する状態毎に対応して付されているものであり、たとえば、No.1に示される状態から第1回転体340aが25度回転し、第2回転体340bが18度回転した状態がNo.2として示されている。以下、駆動モータ350の回転駆動に基づいて順に番号が付されていき、No.が「141」になるとNo.「1」と同じ状態に戻る。即ち、第1ギヤ353及び第2ギヤ355が140歯分、つまり、第1回転体340aが3600度(10回転)し、第2回転体340bが2520度(7回転)することで、元の状態に戻るよう構成されている。
【1144】
また、回転体動作テーブルには、第1誤差範囲と第2誤差範囲とが設けられており、それぞれのNo.に対応した第1回転体340a及び第2回転体340bの表示態様が第3図柄の表示態様として許容されるものであるかを示している。ここで、回転体動作テーブルに設けられる第1誤差範囲及び第2誤差範囲について説明をする。なお、第1回転体340aおよび第2回転体340bに誤差が発生する仕組みや、その誤差によって表示態様に違和感が発生することを防止する構造については、上述した第1実施形態にて説明した構造と同一であるためその説明は省略する。
【1145】
回転体動作テーブルに示される第1誤差範囲とは、遊技者に違和感を与えることなく、その表示態様を視認できる範囲として設定された誤差範囲(12度)であり、第2誤差範囲とは、第1誤差範囲よりも広い範囲であり、遊技者に視認可能な範囲として設定された誤差範囲(30度)である。
【1146】
例えば、回転体動作テーブルのNo.「48」の状態における第1回転体340a及び第2回転体340bとにより合成表示される表示態様は「B,B´」であり、この表示態様は第1誤差範囲として設定されている。また、回転体動作テーブルのNo.「89」の状態における第1回転体340a及び第2回転体340bとにより合成表示される表示態様も「B,B´」であり、この表示態様は第2誤差範囲として設定されている。
【1147】
これは、後述する先読みリール表示演出処理(図129参照)において、取得される現在の回転体の表示態様(表示情報)から第1誤差範囲であるNo.「48」に移動するまでの回転量が所定量以上の場合は、第2誤差範囲であるNo.「89」に移動させるように補正が行えるようにするためである。
【1148】
このように複数の誤差範囲を設定することにより、各回転体を停止させるまでの時間(第3図柄の変動残時間)が短い場合、例えば、第3図柄が変動表示中に発生する入賞コマンドに基づく回転体を用いた変動演出や、第3図柄が変動表示中に発生する枠ボタン22を操作することに基づく回転体を用いた変動演出であっても、予め定められた停止表示態様を表示させることが可能となる。
【1149】
なお、本制御例では上述した第1実施形態にて説明した駆動モータ350を用いており、第1回転部材340a及び第2回転部材340bを正転方向(No.の昇順方向)あるいは逆転方向(No.の降順方向)に回転させることが可能となっており、音声ランプ制御装置113に設けられる駆動モータ制御手段によって制御されている。
【1150】
次に、図125を参照して本制御例にて追加した特殊演出処理及び揺れ演出処理2にて用いられる各テーブルについて説明する。図125(a)は後述する特殊演出処理(図132参照)にて用いられる犬種選択テーブルの一例を示す模式図である。
【1151】
この犬種選択テーブルは、演出モードがモードAに設定されている間に獲得したポイント(ミッション達成結果)に基づき、演出モードがモードCに設定されている間に実行される特殊演出(ふれあいタイム)にて用いられる犬種を選択するためのテーブルであって、ミッション達成結果によって犬種A?犬種Dの何れかが選択されるよう構成されている。
【1152】
犬種A?犬種Dはそれぞれ、ふれあいタイム中(時間演出中)の演出(図61,62参照)における信頼度の上昇度合いや、信頼度をカスタム設定可能な演出の種類が異なるように設定されており、例えば、図121(b)で表示されている犬種Cは、信頼度の上昇度合が「通常」、信頼度をカスタム設定可能な演出が「魚群リーチ」として設定されている。なお、ミッション達成結果のポイントが多いほど遊技者にとって演出効果が高く設定されており、犬種Aが最も演出効果の高い犬種となるように設定されている。
【1153】
ここでいう、演出効果が高いとは、例えば、通常であれば滅多に出現しない演出(プレミア演出)の出現頻度を高めたり、信頼度のカスタム設定の幅を広げたりすることで、通常の遊技状態では体験できない演出を体験可能にすることを意味する。
【1154】
次いで、図125(b)は後述する揺れ制御処理2(図132参照)にて用いられる揺れ動作テーブル2の一例を示した模式図である。この揺れ動作テーブル2は、揺れ演出が行われている場合に実行される揺れ制御処理2(図132参照)において、枠ボタン22の操作タイミングと、可変部材(腕部材444)の可変状況を取得するための加速度センサ情報とに基づいて、可変部材(腕部材444)を回転させる方向を設定するテーブルである。
【1155】
図125(b)に示す揺れ動作テーブル2にはボタン操作タイミングが「81?100」、「51?80」、「0?50」の3つに区分されている。この区分は、図122(a)に表示されるインジケータの「a」、「b」、「c」にそれぞれ対応しており、例えば、枠ボタン22を押下したタイミングが丸の中(中心位置Sの中)の場合は、ボタン操作タイミングが「a」に対応する「81?100」のテーブルを参照して、可変部材(腕部材444)を回転させる方向が設定される。
【1156】
次いで、図125(b)の揺れ動作テーブル2に示されている加速度センサ情報とは、可変部材に設けられている加速度センサから取得した情報に基づいて区分けされるものであり、例えば、加速度センサから取得した情報が、可変部材が左側に回転している状況を示している場合は左回転期間のテーブルが参照される。
【1157】
そして、上述したボタン操作タイミングおよび加速度センサ情報が該当するテーブルを参照して、可変部材(腕部材444)の回転方向が設定される。本制御例では、ボタン操作タイミングが「81?100」の場合は、可変部材の回転幅が大きくなる方向に駆動モータを駆動させるデータが設定され、ボタン操作タイミングが「51?80」の場合は、可変部材の回転幅を維持するために駆動モータを駆動させるデータを設定しない。さらに、ボタン操作タイミングが「0?50」の場合は、可変部材の回転幅が小さくなる方向に駆動モータを駆動させるデータが設定される。
【1158】
なお、本制御例では、可変部材の回転幅を維持するために駆動モータを駆動させるデータを設定しないよう構成しているが、可変部材の回転幅を維持するように駆動モータを駆動させるデータを設定してもよい。
【1159】
<第3制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図125から図133を参照して、本制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理について説明する。本制御例は、上述した各制御例に対し、コマンド判定処理と音量設定処理と揺れ制御処理との一部処理を変更した点、及び特殊演出処理を新たに追加した点で相違し、その他の部分は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【1160】
まず、図126を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理の詳細について説明する。図126は、メイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、第2制御例と同様にS1301からS1310の処理を実行する。次いで、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理2を行う(S1351)。このコマンド判定処理2の詳細については、図127を参照して後述する。このコマンド判定処理2(S1351)が実行された後には、上述した第2制御例と同様に変動表示設定処理が実行され、その後、音量設定処理2(S1352)が実行される。この音量設定処理2は図118にて説明した特殊音量設定演出中に実行される処理であり、詳細については、図130を参照して後述する。
【1161】
そして、音量設定処理2(S1352)が実行された後には、特殊演出処理(S1353)が実行される。この特殊演出処理は図119および図120にて説明した特殊演出中に実行される処理であり、詳細については、図132を参照して後述する。次いで、図121にて説明した揺れ演出2中に実行される揺れ制御処理2(S1354)が実行される。この揺れ制御処理2(S1354)の詳細については、図132を参照して後述する。
【1162】
そして、上述した第1制御例または第2制御例に記載したその他の処理(S1355)を実行し、上述した第2制御例と同様にS1317からS1321までの処理を実行する。なお、S1355では、同期演出管理処理(S1313)、左右選択処理(S1315)、リール制御処理(S1330)が実行される。
【1163】
次に、図127を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理2(S1351)の詳細について説明する。図127は、コマンド判定処理2(S1351)を示すフローチャートである。このコマンド判定処理2(S1351)では、上述した第2制御例におけるコマンド判定処理(S1311)に対して特別図柄の入賞コマンドを受信した場合に行われる入賞時演出変更処理(S1451)を追加した点で相違し、その他の部分は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
【1164】
コマンド判定処理2では、まず、上述したコマンド判定処理(図88参照)と同様にS1401からS1410の処理を実行する。次いで、S1410にて特別図柄の入賞コマンドを受信していないと判別された場合(S1410:No)、上述したコマンド判定処理と同様にその他のコマンドに応じた処理(S1412)を実行する。
【1165】
一方、S1410にて特別図柄の入賞コマンドを受信したと判別された場合は(S1410:Yes)、受信した入賞コマンドが示す入賞情報を入賞情報格納エリアに格納し(S1411)、入賞時演出変更処理(S1451)を実行する。この入賞時演出変更処理(S1451)は、主制御装置110から特別図柄の入賞コマンドを受信した場合に、その入賞コマンドに基づいて演出の変更処理を実行するものであり、その詳細については図128にて後述する。そして、入賞時演出変更処理(S1451)を実行後S1412へ移行する。
【1166】
以上説明をしたように、本制御例では、主制御装置110から特別図柄の入賞コマンドを受信した場合に、その入賞コマンドに含まれている情報に基づいた演出(所謂、先読み演出)が実現できるように記載している。これにより、変動パターンコマンドを受信するタイミング以外のタイミングで演出を変更することで、様々な演出を実行することが可能となるため、遊技者に飽きられにくい遊技機を提供することができるという効果がある。
【1167】
次に、図128を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理2(S1351)で行われる入賞時演出変更処理(S1451)の詳細について説明する。図128は、入賞時演出変更処理(S1451)を示すフローチャートである。この入賞時演出変更処理(S1451)では、受信した入賞コマンドに含まれる情報に基づいて実行される演出(所謂、先読み演出)に関する処理が実行される。
【1168】
入賞時演出変更処理では、まず今回受信した入賞情報を入賞情報格納エリアから抽出する(S4401)。次いで、抽出した入賞情報に先読み演出に対応した情報が含まれているかを判別する(S4402)。抽出した入賞情報に先読み演出に対応した情報が含まれていない場合は(S4402:No)、この処理を終了する。一方、抽出した入賞情報に先読み演出に対応した情報が含まれている場合は(S4402:Yes)、その先読み演出がチャンス目表示演出であるかを判別する(S4403)。
【1169】
このチャンス目表示演出とは、今回受信した入賞コマンドの判定結果に基づいて実行される演出であって、今回受信した入賞コマンドに基づく第3図柄変動が開始されるまでに実行される第3図柄変動において、停止表示される図柄の組合せを大当たりとなる組合せ以外の予め定められた特定の組合せとすることで、保留図柄の判定結果に大当りが存在している可能性を示唆する演出である。
【1170】
S4403にて、先読み演出がチャンス目表示演出ではないと判別された場合は(S4403:No)、S4408へ移行する。一方、先読み演出がチャンス目表示演出であると判別された場合は(S4403:Yes)、次に第3図柄が高速変動中であるかを判別する(S4404)。
【1171】
ここで、第3図柄が高速変動中であると判別された場合は(S4404:Yes)、停止図柄がチャンス目となる表示用停止種別コマンドを設定し(S4413)、S4408に移行する。
【1172】
一方、第3図柄が高速変動中ではないと判別された場合は(S4404:No)、第3図柄の変動残時間が3秒より多いかを判別する(S4405)。第3図柄の変動残時間が3秒以下の場合は(S4405:No)、S4408に移行する。一方、第3図柄の変動残時間が3秒より多いと判別された場合は(S4405:Yes)、変動残時間に基づいて、リールシナリオテーブルよりリールシナリオを設定し(S4406)、設定開始フラグをオンに設定する。そして、S4408に移行する。
【1173】
以上説明したように、本制御例におけるチャンス目表示演出では、チャンス目標示演出を実行する情報が含まれた入賞コマンドを受信したタイミングに応じてチャンス目を表示する態様を異ならせることができる。つまり、入賞コマンドを受信したタイミングが第3図柄表示装置81の表示画面に変動表示されている第3図柄が高速変動中であれば、その変動の停止図柄をチャンス目に変更する処理を実行しても遊技者に対して違和感を与えることが無いため第3図柄表示装置81の表示画面に変動表示される第3図柄の停止図柄がチャンス目となる表示用停止種別コマンドを設定する。一方、入賞コマンドを受信したタイミングが第3図柄表示装置81の表示画面に変動表示されている第3図柄が高速変動中ではない場合(例えば、複数の図柄列のうち少なくとも1つが停止表示されているタイミングや、複数の図柄列のうち少なくとも1つを遊技者が図柄の変動を視認できる低速表示中のタイミングの場合)では、回転体昇降ユニット300に設けられるリール部材(第1回転体340aの外周面と第2回転体340bの外周面とによって第3図柄を合成表示し、各回転体を回転させることで複数の第3図柄を変動表示する部材)を、第3図柄表示装置81の表示画面に表示されている第3図柄を覆う位置(露出位置)に上昇させ、チャンス目を表示するように制御される。
【1174】
このように構成することで、表示画面上で第3図柄が停止表示または低速で変動表示しているタイミングでチャンス目表示演出の情報を含む入賞コマンドを受信したとしても、遊技者に違和感を与えることなくチャンス目を表示することができる。よって、チャンス目表示演出の情報を含む入賞コマンドを受信した場合に、変動中の第3図柄の停止表示をチャンス目に変更できるとともに、遊技者に違和感を与えることなく変動中の第3図柄の停止表示をチャンス目に変更できる期間を長くすることができるという効果がある。
【1175】
なお、本制御例では、S4405にて第3図柄の変動残時間を判別している。これは、通常遊技状態において遊技者が視認困難な収納位置に収納されているリール部材を回転体昇降ユニット300を駆動させることで第3図柄表示装置81の表示画面を覆う露出位置まで上昇させるために必要な時間であり、リール部材を露出位置まで上昇させるために必要な時間を短くすれば、S4405にて判別される変動残時間を減らすことができる。
【1176】
また、本制御例では、収納位置に収納されているリール部材は、その外周面に合成表示される表示態様が第3図柄のチャンス目に対応する表示態様となるようリール制御されている。つまり、リール部材を用いた第3図柄変動演出が終了し、回転体昇降ユニット300によってリール部材が収納位置に下降した後に、上述したリール制御が実行される。なお、第1回転体340a及び第2回転体340bが原点位置(初期位置)に位置する場合に表示面に表示される表示態様がチャンス目に対応する表示態様となるように構成するとよい。このように構成することで、リール部材の表示態様をチャンス目とさせるリール制御を別途設ける必要がなくなり、データ容量を削減することができる。
【1177】
図128に戻り説明を続ける。次に、先読みリール表示演出処理が実行される(S4408)。ここで、先読みリール表示演出とは、先読みリール表示演出の情報が含まれている入賞コマンドに対応する図柄変動にて停止表示させる第3図柄を変動時間内に確実に表示させるために、先読みリール表示演出の情報が含まれている入賞コマンドに対応する図柄変動が開始されるまでにリール部材の表示態様を変更させる処理である。なお、詳細については図129を参照して後述する。
【1178】
そして、先読みリール表示演出処理(S4408)が実行された後、先読み演出が特殊音量設定演出であるかを判別する(S4409)。ここで、特殊音量設定演出とは、通常時の音量設定(図93参照)とは異なる特殊音量設定が可能となる期間を示す演出であって、この特殊音量設定によって音量設定がされた場合は、パチンコ機10の音量を変更設定するとともに、変動中の特別図柄の大当たり期待度や保留図柄内の大当たり期待度が特殊な音声や音量または表示態様を用いて報知される演出である。
【1179】
S4409にて先読み演出が特殊音量設定であると判別されなかった場合は(S4409:No)、S4412に移行する。一方、先読み演出が特殊音量設定であると判別された場合は(S4409:Yes)、ブランク図柄(副図柄)をボリューム図柄に変更した表示用停止種別コマンドを設定する(S4410)。そして、音量設定期間フラグ223αをオンに設定する(S4411)。
【1180】
次に、先読み演出に関するその他の処理を実行する(S4412)。ここで、その他の処理としては、例えば入賞コマンドに含まれる情報に基づいて第3図柄表示装置81の表示画面に表示される保留図柄の表示態様を変更する処理がある。S4412のその他の先読み処理を実行した後に、本処理を終了する。
【1181】
以上説明したように、本制御例では主制御装置から特別図柄の入賞コマンドを受信した場合に、その入賞コマンドに含まれる情報に基づいて先読み演出を実行するように構成されている。これにより、入賞口に球が入賞してから、その入賞に対応する特別図柄の変動が開始されるまでの間にその入賞に基づく判定の結果を示唆する演出を遊技者に提供することが可能となり、遊技者に対して遊技に興味を持たせることができるという効果がある。
【1182】
次に、図129を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される先読みリール表示演出処理(S4408)の詳細について説明する。図129は、先読みリール表示演出処理(S4408)を示すフローチャートである。この先読みリール表示演出処理(S4408)は、上述した入賞時演出変更処理(S1451)中に行われる先読み演出に関する処理である。
【1183】
先読みリール表示演出処理が開始されると、まず、リール部材の現在の表示情報(リール部材に表示されている副第3図柄情報)と、先読み停止表示情報(入賞コマンドに基づく副第3図柄の停止表示情報)とを取得する(S4501)。リール部材に表示される副第3図柄は第1回転体340aと第2回転体340bとの外周面に表示される図柄を合成表示することで形成されている。また、第1回転体340a及び第2回転体340bは、駆動モータ350の回転駆動によって回転制御されている。
【1184】
よって、駆動モータ350の回転駆動状況を検出することにより、現在の表示情報を取得可能に構成されている。具体的には、ステッピングモータである駆動モータ350を回転駆動させるステップ数(パルス数)を検出し、回転体動作テーブルより現在のステップ数が該当する箇所を現在の表示情報として取得する。
【1185】
また、先読み停止表示情報の取得とは、入賞コマンドに含まれている情報より、その入賞コマンドに基づく副第3図柄の停止表示図柄を決定し、回転体動作テーブルよりその停止表示図柄が第1誤差範囲内で表示されるNo.情報を取得するものである。
【1186】
次に、以上のようにして取得した現在の表示情報と先読み停止表示方法と用いて回転量を算出する(S4502)。具体的には、回転体動作テーブルにおいて、現在の表示情報が該当するNo.と先読み停止表示情報が該当するNo.との差を算出する。なお、本制御例では、駆動モータ350が正転、逆転可能に構成されているため、算出する差は駆動モータ350を正転させた場合(駆動モータ350をNo.が増加する方向に回転させた場合)と、駆動モータ350を逆転させた場合(駆動モータ350をNo.が減少する方向に回転させた場合)とで差が少ない方の回転量を算出するよう構成されている。
【1187】
そして、S4502で算出された回転量が第1回転体を1080度より多く回転させる回転量であるかを判別する(S4503)。ここで、第1回転体の回転量について説明する。本制御例では第1回転体が1周するのに約1秒要するように構成されている。つまり、S4503では、現在の表示情報が該当するNo.から先読み停止表示情報が該当するNo.に移動(回転)させるために必要な秒数が3秒以上であるかを判定している。
【1188】
S4503の処理にて、回転量が1080度よりも多く回転させる回転量であると判定された場合(S4503:Yes)、停止表示情報に該当するNo.を第1誤差範囲から第2誤差範囲へと補正し(S4506)、S4504へ移行する。図124に示す回転動作テーブルによれば、現在情報に該当するNo.が、第1誤差範囲にて停止表示情報が該当するNo.まで回転させるために1080度より多く回転させる必要があるNo.であった場合は、1080度以下の回転範囲内に第2誤差範囲にて停止表示情報が該当するNo.が存在するため、S4506の処理にて停止表示情報に該当するNo.を第1誤差範囲から第2誤差範囲へと補正することにより、回転量を3秒以内に補正することが可能となる。
【1189】
一方、S4503の処理において、回転量が1080度以下であると判定された場合は、リールシナリオテーブルより対応するリールシナリオを設定し(S4504)、設定開始フラグをオンに設定する(S4505)。そして本処理を終了する。
【1190】
ここで、リールシナリオテーブルについて説明する。リールシナリオテーブルには入賞コマンドを受信した場合に実行される演出制御処理(先読み制御処理)にて参照されるテーブルと、変動パターンコマンドを受信した場合に実行される演出制御処理(変動パターン選択処理)にて参照されるテーブルとが分けて設けられている。
【1191】
S4504では先読み制御処理に対応したリールシナリオテーブルが参照される。このリールシナリオテーブルには、第1回転体340a及び第2回転体340bから構成されるリール部材を遊技者が視認可能な位置(露出位置)と遊技者が視認困難な位置(収納位置)のどちらに位置させるのかが決定されるリール位置と、リール部材の回転動作として、回転速度、及び事前回動の有無と、先読みリール表示演出中であることを遊技者に報知する報知演出の有無とが予め定められたシナリオが複数用意されており、入賞コマンドに含まれる情報、回転動作量、保留図柄数に基づいて適宜選択設定されるよう構成されている(図134(b)参照)。
【1192】
なお、リールシナリオテーブルに設けられている事前回動とは、現在の表示情報に該当するNo.から停止表示情報に該当するNo.までの回動動作を、先読み情報(先読みリール表示演出の情報)が含まれる入賞コマンドに対応する特別図柄の変動表示中のみではなく、先読み情報(先読みリール表示演出の情報)が含まれる入賞コマンドに対応する特別図柄の変動が開始されるまでに実行されるその他の変動表示(事前変動表示)が行われている間にも現在の表示情報に該当するNo.から停止表示情報に該当するNo.に向けて事前にリール図柄を回動させる制御のことである。
【1193】
この事前回動の制御は、回動動作量を事前変動表示の回数(あるいは保留図柄数)に基づいて変動表示毎に回動動作量を均一にして回動させるパターンと、回動動作量に基づいて設定される事前回動動作量まで一度に回動させるパターンとがあり、それらは演出カウンタより取得した値及び各変動表示の変動時間に基づいて設定される。
【1194】
このような構成を用いることにより、先読み情報(先読みリール表示演出の情報)が含まれる入賞コマンドに対応する特別図柄の変動表示時間が短かったとしても、その変動表示中にリールを回転させる角度(回転数)を予め減らしておくことが可能となり、先読みリール表示演出を違和感なく遊技者に提供することが可能となる。
【1195】
なお、上述した事前回動を行う場合、リールを露出位置に上昇させて事前回動を行い、再度リールを収納位置に降下させる演出パターンと、リールを収納位置に位置させた状態で事前回動を行う演出パターンとを両方設けると良い。
【1196】
このように構成することで、前者の演出パターンでは露出位置で事前回動を行うことで、遊技者に対し先読みリール表示演出が行われていることを報知し、遊技者に期待を持たせながら遊技を行わせることが可能となる、後者の演出パターンでは収納位置で事前回動を行うことにより、事前回動の内容を遊技者に気付かせることなく遂行することが可能となり、あたかも任意の図柄(停止表示情報に該当するNo.での停止表示)を素早く表示しているように見せることが可能となる。
【1197】
また先読みリール表示演出中であることを遊技者に報知する報知演出としては、リール部材である収容体300を収納位置で揺動駆動させる演出であり、演出カウンタより取得した値に基づいて複数の揺動パターンから適宜設定される。
【1198】
なお、リールシナリオテーブルからシナリオを選択する条件として、遊技状態や遊技結果を追加してもよい。このように構成することで、演出のパターンを複雑にすることが可能となり、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することが可能となる。
【1199】
なお、第1回転体340aの回転速度を1周約1秒と説明したが、実際には、駆動モータ350に入力されるパルス幅(周波数)を制御することで、低速回転、中速回転、高速回転と回転速度を変更可能に構成されている。S4503の処理では、低速回転を行った場合における回転速度を基に停止表示情報が該当するNo.を第1誤差範囲から第2誤差範囲へと補正する補正境界値(1080度)を設けている。
【1200】
このように構成することにより、S4504において設定されるリールシナリオにおいてどのような回転速度が設定されたとしても、停止表示情報を遊技者に停止表示させることが可能となる。
【1201】
なお、本制御例では現在の表示情報と先読み停止表示情報とに基づいて算出される回転量が所定量よりも大きいかを判別し、所定量よりも大きい場合は先読み停止表示情報に基づいて設定される停止表示図柄が表示されるNo.を第2誤差範囲内から取得するように構成しているが、それ以外の方法で停止表示図柄を第1誤差範囲内または第2誤差範囲内から設定できるようにしてもよい。例えば、先読み演出として先読みリール表示演出の情報が含まれる入賞コマンドに基づく第3図柄の変動表示が開始されるまでの時間、またはその入賞コマンドに基づく第3図柄の変動表示が停止されるまでの時間に基づいて停止表示図柄を第1誤差範囲から取得するか第2誤差範囲から取得するかを設定するようにしてもよい。このように構成することにより、より確実に遊技者に停止表示情報を表示させることが可能となる。
【1202】
また、本制御例では入賞コマンドが受信されたことに基づく演出の処理(所謂、先読み演出処理)として、本処理が構成されているが、たとえば変動パターンコマンドが受信されたことに基づく演出の処理として本処理を用いてもよい。このように構成することで、当該変動の変動時間に基づいて停止表示図柄を何れの誤差範囲に基づいて設定するかを判別することが可能となり、変動時間内に停止表示が間に合わないといった不具合を抑制することが可能となる。
【1203】
また、それ以外にも遊技者が枠ボタン22を操作することに基づいて実行される演出に用いてもよい。このような演出としては、例えば、遊技者が枠ボタン22を操作する前は第3図柄標示装置81の表示画面によって第3図柄の変動表示を行い、遊技者が枠ボタン22を操作することにより、第3図柄の変動表示がリール部材を用いた態様に変更される演出が考えられる。
【1204】
このような演出を実行する場合であっても、特別図柄の変動表示に対応して液晶表示される第3図柄の変動表示を、特別図柄の変動表示中にリール部材を用いた第3図柄の変動表示に切り替える演出を用いた場合において、本制御例のように、リール部材を用いた第3図柄の停止表示態様を第1誤差範囲及び第2誤差範囲から設定可能に構成することで、特別図柄の変動残時間に余裕がある場合は第1誤差範囲内から設定し、変動時間に余裕が無い場合は第2誤差範囲から設定することが可能となるため、変動時間内に停止表示が間に合わないといった不具合を抑制することが可能となるとともに、第2誤差範囲を設けることにより、特別図柄の変動残時間が少なくなった場合であっても、第3図柄の表示態様を液晶表示からリール部材を用いた表示へと変更することを可能とすることができる。
【1205】
また、本制御例では第3図柄表示装置81の表示画面に表示される図柄(液晶図柄)および第1回転体340a及び第2回転体340bによって合成表示される図柄(回転体図柄)をそれぞれ第3図柄として用いているが、それ以外に、例えば液晶図柄のみ第3図柄として回転体図柄を演出用の演出図柄(特別図柄の変動表示に直接対応していない図柄)としてもよいし、液晶図柄を演出図柄とし、回転体図柄を第3図柄として用いてもよい。また、1回の変動表示中に第3図柄を液晶図柄から回転体図柄へと切り替えるようにしてもよい。このように構成することにより、第3図柄と演出図柄とを組み合わせることで様々な演出を提供することが可能となる。
【1206】
次に、図130を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される音量設定処理2(S1352)の詳細について説明する。図130は、音量設定処理2(S1352)を示すフローチャートである。この音量設定処理2(S1352)では、上述した音量設定処理(S1314)に対して、音量設定期間フラグ223αがオンと判別された場合の処理を追加した点で相違し、その他の部分は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
【1207】
音量設定処理2ではまず、音量設定期間フラグ223αがオンであるかを判別する(S4601)。音量設定期間フラグ223αがオンではないと判別された場合(S4601:No)、上述した音量設定処理(S1314)を実行し、本処理を終了する。一方、音量設定期間フラグ223αがオンであると判別した場合には(S4601:Yes)、次いで特殊音量設定フラグ223βがオンに設定されているかを判別する(S4602)。特殊音量設定フラグ223βがオンに設定されていない場合は(S4602:No)、ボリューム図柄が遊技者によって選択されたかを判別する(S4603)。
【1208】
S4603の処理において、ボリューム図柄が選択されていないと判別された場合は(S4603:No)、本処理を終了する。一方、ボリューム図柄が選択されたと判別された場合は(S4603:Yes)、特殊音量設定フラグ223βをオンに設定し(S4604)、特殊音量設定画面の表示を示す表示用コマンドを設定する(S4605)。次いで特殊音量設定期間管理処理(S4606)を実行する。
【1209】
なお、特殊音量設定フラグ223βがオンに設定されると、音声ランプ制御装置113によって制御される音量のレベルが、通常遊技における音量レベルから、特殊音量設定演出中における特殊音量レベルへと切り替わる。このように構成することにより、特殊音量設定演出が終了し通常遊技に戻った場合に、特殊音量設定演出中に操作した音量レベルから通常遊技における音量レベルへと自動的に切替わる。よって、遊技者が通常遊技に適した音量レベルにパチンコ機10の音量を再度設定するといった煩わしい操作を無くすことができる。
【1210】
S4602の処理に戻り、特殊音量設定フラグ223βがオンであると判別された場合(S4602:Yes)、上選択スイッチ291aが押下されたかを判別する(S4607)。上選択スイッチ291aが押下されたと判別された場合は(S4607:Yes)、特殊音量レベルを上げて、音量設定記憶エリア内の特殊音量レベルに設定し(S4608)、特殊音量レベルを示す表示用コマンドを設定する(S4609)。一方、上選択スイッチ291aが押下されていないと判別された場合は(S4607:No)、次いで下選択スイッチ291bが押下されているかを判別する(S4610)。
【1211】
S4610の処理において、下選択スイッチ291bが押下されていないと判別された場合は(S4610:No)、特殊音量設定期間管理処理(S4606)へと移行する。一方、下選択スイッチ291bが押下されたと判別された場合は(S4610:Yes)、特殊音量レベルを下げて、音量設定記憶エリア内の特殊音量レベルに設定し(S4611)、特殊音量レベルを示す表示用コマンドを設定する(S4612)。次いで特殊音量設定期間管理処理(S4606)を実行する。
【1212】
特殊音量設定期間管理処理(S4606)は、特殊音量が設定される期間を管理する処理であり、その詳細については図131を参照して後述する。S4606の処理が実行された後、本処理を終了する。
【1213】
次に、図131を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される特殊音量設定期間管理処理(S4606)の詳細について説明する。図131は音量設定期間管理処理(S4606)を示すフローチャートである。
【1214】
音量設定期間管理処理ではまず、音量設定期間フラグ223αがオフであるかを判別する(S4701)。ここで、音量設定期間フラグ223αがオフであると判別された場合(S4701:Yes)、本処理を終了する。一方、音量設定期間フラグ223αがオンであると判別された場合は(S4701:No)、次いで特殊音量設定演出を設定した入賞情報に対応する停止コマンドを受信しているかを判別する(S4702)。この判別は主制御装置110にて実行される特別図柄変動処理(図77のS104参照)のS300にて設定される停止コマンドを受信することにより判別される。
【1215】
なお、本制御例では主制御装置から出力される入賞コマンドおよび停止コマンドには紐付可能な識別情報が付与されており、その識別情報に基づいて音声ランプ制御装置113のMPU221によって、入賞コマンドが示す入賞情報と停止コマンドとを対応づけるように構成されているが、それ以外の構成を用いてもよい。たとえば、入賞情報記憶エリア内で特殊音量設定演出の情報を含む入賞情報が格納されたエリアを記憶しておき、特殊音量設定演出の情報を含む入賞情報が格納されたエリアが実行エリアまでシフトしたことを管理する構成にしてもよい。
【1216】
図131に戻り説明を続ける。S4702の処理において特殊音量設定演出を設定した入賞情報に対応する停止コマンドが無い(まだ受信されていない)と判別された場合(S4702:No)、まだ音量設定期間であるため、本処理を終了する。一方、特殊音量設定演出を設定した入賞情報に対応する停止コマンドがある(受信した)と判別された場合、特殊音量レベルをクリアし(S4703)、特殊音量設定画面の表示を消去する表示用コマンドを設定する(S4704)。次いで音量設定期間フラグ223αをオフに設定し(S4705)、本処理を終了する。
【1217】
以上説明をしたように、本制御例では、特殊音量設定演出中に実行される特殊音量設定処理において設定された音量を特殊音量レベルとして、通常の音量レベルとは分けて記憶、設定可能に構成されている。よって、特殊音量設定演出が終了し、通常遊技に戻った場合に、特殊音量設定演出が開始される前の通常遊技にて設定されていた音量(音量設定記憶エリアに記憶されていた音量レベル)に用意に戻すことが可能となる。
【1218】
次に、図132を参照して音声ランプ制御装置113のMPU221により事項される特殊演出処理(S1353)の詳細について説明する。図132は特殊演出処理(S1353)を示すフローチャートである。
【1219】
特殊演出処理では、まず現在の演出モードがモードAであるかを判別する(S4801)。現在の演出モードがモードAではないと判別された場合(S4801:No)、S4808に移行する。一方、現在の演出モードがモードAであると判別された場合は(S4801:Yes)、次いでミニゲーム中であるかを判別する(S4802)。ここで、ミニゲームとは図120(a)で示した、遊技者が操作手段(枠ボタン22、タッチスイッチ290、選択スイッチ291)を操作することでポイントを獲得するゲーム演出のことである。
【1220】
S4802の処理において、ミニゲーム中ではないと判別された場合(S4802:No)、S4805に移行する。一方、ミニゲーム中であると判別した場合は(S4802:Yes)、ミニゲームの結果に応じたポイントを獲得ポイント格納エリアに加算し(S4803)、獲得ポイントを示す表示用コマンドを設定する(S4804)。そして、S4805に移行する。
【1221】
次いで、現在の演出が特定演出であるかを判別する(S4805)。ここで、特定演出とは図120(b)で示した、通常遊技で発生する演出のうち、出現することによってポイントを獲得できる予め定められた演出である。S4805の処理において、特定演出ではないと判別された場合(S4805:No)、S4808に移行する。一方、特定演出であると判別された場合は(S4805:Yes)、特定演出に応じたポイントを獲得ポイント格納エリアに加算し(S4806)、獲得ポイントを示す表示用コマンドを設定する(S4807)。
【1222】
以上説明をしたように、演出モードがモードAである場合の特殊演出処理は、ミニゲーム又は特定演出に基づいて遊技者が獲得したポイントを加算する処理が行われる。なお、演出モードA中に遊技者がポイントを獲得できる方法として、別の方法を用いてもよい。例えば、パチンコ機10を所定のパスワードが入力可能に構成し、遊技者が所定のパスワードを入力操作することによってポイントが加算されるように構成してもよいし、遊技結果(大当たり回数や獲得出玉)に基づいてポイントが加算されるように構成してもよい。
【1223】
図132に戻り説明を続ける。演出モードがモードAである場合の処理(S4802?S4807)が実行された後に、現在の演出モードがモードBであるかを判別する(S4808)。演出モードがモードBではないと判別された場合(S4808:No)、S4811に移行する。一方、演出モードがモードBであると判別された場合(S4808:Yes)、次いで獲得ポイント格納エリアのポイント数に基づいて、犬種選択テーブル(図125(a)参照)より犬種を選択する(S4809)。そして、犬種を示す表示用コマンドを設定し(S4810)、S4811に移行する。
【1224】
以上説明したように、演出モードがモードBである場合の特殊演出処理は、モードA中に獲得したポイントに基づいて、後述するモードCで用いる犬種を選択する処理が行われる。なお、本制御例では複数種類の犬種から特定の犬種を選択することにより、モードC中に行われる設定の内容(演出の信頼度及び信頼度を設定する演出の種類)が変更されるように構成しているが、モードB中において、モードA中に獲得したポイントに基づいてモードC中に行われる設定の種類や信頼度の上昇度合いを遊技者が選択できるように構成してもよい。このように構成する場合は、モードA中に獲得したポイントが多い程、遊技者が選択できる範囲を拡大させるように構成するとよい。このようにすることで、遊技者が積極的にポイントを獲得するようになり、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
【1225】
図132に戻り説明を続ける。演出モードがモードBである場合の処理(S4809?S4810)が実行された後に、現在の演出モードがモードCであるかを判別する(S48118)。演出モードがモードCではないと判別された場合(S4811:No)、本処理を終了する。一方、モードCであると判別された場合は(S4811:Yes)、S4809にて設定された犬種に対応した演出を設定する(S4812)。そして、上述した特殊SW演出制御処理(図98、S2203)を実行し、本処理を終了する。
【1226】
以上説明したように、本制御例では上述した第2制御例に対して、演出モードがモードCの場合に実行される遊技演出の信頼度を変更設定(カスタム設定)可能な演出(特殊演出)について、演出モードがモードAの場合に獲得したポイントに基づいてカスタム設定の対象となる演出の種類や、その演出の信頼度の上昇度合いを変更可能に構成しているため、パチンコ機10がどの演出モードに滞在している場合であっても常に遊技者を遊技演出に参加させることが可能となり、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうという問題点を抑制することができるという効果がある。
【1227】
次に、図133を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される揺れ制御処理2(S1354)の詳細について説明する。図133は揺れ制御処理2(S1354)を示すフローチャートである。
【1228】
揺れ制御処理2では、まず動作中フラグがオンに設定されているかを判別する(S4901)。動作中フラグがオンに設定されていると判別された場合(S4901:Yes)、S4905に移行する。一方、動作中フラグがオンに設定されていないと判別された場合は(S4901:No)、次いで変動パターンが揺れ演出であるかを判別する(S4902)。
【1229】
S4902の処理にて変動パターンが揺れ演出ではないと判別された場合は(S4902:No)、その他の揺れ制御処理(S4911)を実行し、本処理を終了する。なお、S4911で実行されるその他の揺れ制御処理とは、図95に示す揺れ制御処理(S1316)のことである。
【1230】
一方、S49028の処理にて変動パターンが揺れ演出であると判別された場合は(S4902:Yes)、腕部材444(可動役物)を所定の態様で駆動させるための初期動作データを設定し(S4903)、動作中フラグをオンに設定する(S4904)。次いで、可動役物に設けられた加速度センサの情報を読み込み、可動役物の揺れ情報を取得する(S4905)。そして、加速度センサの情報に基づいてインジケータを移動させる表示用コマンドを設定する(S4906)。ここで設定された表示用コマンドに対応したインジケータが図122(a)に示す表示画面に表示されるインジケータとなる。
【1231】
S4906の処理が実行されると、次に枠ボタン22が操作されたかを判別する(S4907)。枠ボタン22が操作されていないと判別された場合は(S4907:No)、S4909に移行する。一方、枠ボタン22が操作されたと判別された場合は(S4907:Yes)、枠ボタン22の操作タイミングと、加速度センサの情報に基づいて揺れ動作テーブル(図125(b)参照)より揺れ動作データを設定する。そして、揺れ演出が終了したかを判別する(S4909)。
【1232】
揺れ演出が終了していないと判別された場合は(S4909:No)、本処理を終了し、一方、揺れ演出が終了したと判別された場合は(S4909:Yes)、動作中フラグをオフに設定して(S4910)、本処理を終了する。
【1233】
以上説明をしたように、本制御例における揺れ制御処理2では、腕部材444(可動役物)に設けられた加速度センサの情報よりその可動役物の動作状況を取得し、遊技者によって操作される枠ボタン22(操作手段)の操作タイミングと可動役物の動作状況とに基づいて可動役物が大きく揺れる方向(可動する方向)に可動させるか、或いは可動役物が小さく揺れる方向(可動する方向)に可動させるかを揺れ動作(可動動作)テーブル2を用いて設定する構成としているため、遊技者の操作に基づいて実際に可変部材が可動制御される。これにより、遊技者に対して積極的に操作手段を操作させるよう促すことが可能となり、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することが可能となる。
【1234】
さらに、本制御例では加速度センサの情報より取得した可動役物の動作状況に基づいて、遊技者が操作手段を操作するタイミングを報知するインジケータ(操作タイミング報知表示)を第3図柄表示装置81の表示画面に表示可能に構成しているため、遊技者は操作タイミング報知表示を見ながら操作手段を操作することで、可動役物に対して所望の可動動作を行わせることが可能となる。
【1235】
また、上記実施形態では、音声ランプ制御装置113と、表示制御装置114とを別々に設けているが、代わりに、それぞれの装置113,114を一体化し、一つの装置として設けても良い。
【1236】
また、上記実施形態では、まず、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へコマンドが送信され、音声ランプ制御装置113によりコマンドが受信されると、音声ランプ制御装置113において表示制御装置114へ送信すべきコマンドが決定され、その後、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へコマンドが送信されるように構成されている。これに対して、まず、主制御装置110から表示制御装置114へコマンドが送信し、表示制御装置114によりコマンドが受信されたら、表示制御装置114において音声ランプ制御装置113へ送信すべきコマンドを決定させ、その後、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113へコマンドを送信するように構成しても良い。
【1237】
また、上記実施形態では、画像コントローラ237がキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像データを転送する処理を実行する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、MPU231が直接キャラクタROM234にアクセスし、キャラクタROM234から画像データを読み出して、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送してもよい。そして、この場合、MPU231がキャラクタROM234から読み出した画像データを一旦バッファRAM237aに格納し、次いで、MPU231が、転送先の常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かを判別して、未使用であれば、バッファRAM237aから転送先の常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像データを転送するようにしてもよい。
【1238】
この場合、転送先の常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かの判別は、画像コントローラ237が常駐用ビデオRAM235にアクセスしていること(即ち、使用中であること)を示す常駐用ビデオRAMアクセスフラグ(図示せず)と、画像コントローラ237が通常用ビデオRAM236にアクセスしていること(即ち、使用中であること)を示す通常用ビデオRAMアクセスフラグ(図示せず)とを画像コントローラ237に設け、MPU231が転送先のバッファRAMに対応するアクセスフラグを確認することで行うようにしてもよい。
【1239】
或いは、画像コントローラ237と常駐用ビデオRAM235との間で送受信される信号、或いは、画像コントローラ237と通常用ビデオRAM236との間で送受信される信号をMPU231によって監視し、その信号の状態から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かを確認してもよい。或いは、画像コントローラ237が常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に対してアクセスを開始する場合や、アクセスを終了する場合に、随時、その情報を画像コントローラ237からMPU231に通知することによって、MPU231はその通知に基づいて常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かを判断してもよい。
【1240】
或いは、画像コントローラ237が第3図柄表示装置81を走査する場合に、その走査がブランク期間中であるか否かを、MPU231が画像コントローラ237の駆動状態を確認するか若しくは画像コントローラ237からの通知によって把握し、走査状態がブランク期間にある場合は、各ビデオRAM235,236が未使用中であると判断してもよい。これにより、画像コントローラ237は第3図柄表示装置81の走査状態だけを確認して、未使用中であるか否かを判断するので、その判断を簡単に行うことができる。
【1241】
また、この場合、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブル、又は、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fで示されるアドレスにNullデータではない転送データ情報が存在する場合に、その転送データ情報に従って、キャラクタROM234から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236へ転送する処理を開始するようにしてもよい。ここで、表示データテーブル等に従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236に格納されるように、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って画像データを転送することにより、表示データテーブル等に従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず通常用ビデオRAM236に格納させておくことができる。そして、その通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
【1242】
なお、キャラクタROM234から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236へ転送する処理は、MPU231によって実行される表示メイン処理またはメイン処理のループの中で行うようにしてもよい。これにより、MPU231において、コマンド割込処理やV割込処理といった表示制御装置114における重要な処理が行われていない時間を利用して、画像データの転送処理を実行することができる。また、コマンド割込処理やV割込処理は、表示メイン処理などよりも優先して実行される処理であるので、コマンド割込処理やV割込処理に影響を与えることなく、MPU231が画像データの転送処理を実行することができる。
【1243】
上記実施形態において、MPU231は、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のそれぞれが持つアドレスを用いて、各ビデオRAMを管理するのではなく、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236とで共通に用いられるアドレス体系の中で、各ビデオRAM毎に異なるアドレス領域を割り当てて、それぞれのビデオRAMを管理してもよい。このようにすれば、MPU231から画像コントローラ237に対して、アクセスしたいビデオRAM(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を直接指定することなく、単にアドレスを指定するだけで、そのアドレスで指定された領域が常駐用ビデオRAM235に対するものであるのか、通常用ビデオRAM236に対するものであるのかを画像コントローラ237が判断することができる。即ち、MPU231から画像コントローラ237に対して、アクセスすべきビデオRAMとそのビデオRAMの領域のアドレスとを指定する場合に、単に共通のアドレス体系の中で設定されたアドレスを指定すればよいので、その指定を行う命令の構成を単純化することができる。例えば、MPU231から画像コントローラ237に対して送信され描画リストにおいて、スプライトのデータの格納先を示す情報として、格納RAM種別を含めることなく、単に共通のアドレス体系の中で設定されたアドレスを用いて格納先のアドレスを指定するだけでよいので、その描画リストの構成を単純化することができる。
【1244】
上記実施形態では、キャラクタROM234をMPU231と画像コントローラ237の接続される内部バス(バスライン240)に直接接続して設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、キャラクタROM234を画像コントローラ237に直接接続して設けてもよい。また、キャラクタROM234の入出力仕様を、マスクROMの入出力仕様に変換するブリッジ回路を設け、そのブリッジ回路を介してキャラクタROM234を内部バス(バスライン240)または画像コントローラ237に接続して設けてもよい。
【1245】
このブリッジ回路を設けることにより、キャラクタROMとして一般的なマスクROMを用いることを前提に設計された既存の画像コントローラ237又は内部バス(バスライン240)をそのまま使用して、NAND型フラッシュメモリ234aにより構成されたキャラクタROM234を接続することができる。尚、キャラクタROM234が画像コントローラ237やブリッジ回路を介して接続される場合であっても、MPU231からキャラクタROM234に直接アクセスできるように構成してもよい。
【1246】
上記実施形態では、キャラクタROM234がNAND型フラッシュメモリ234aで構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、大容量で且つ安価な不揮発性の記憶手段、例えば、ハードディスクなどによって構成されてもよい。このような大容量で且つ安価な記憶手段は、一般的に読み出し速度が遅いが、表示制御装置114を上記実施形態で説明した構成とすることにより、表示させたい時間に画像を問題なく表示させることができる。
【1247】
上記実施形態では、キャラクタROM234にNOR型ROM234dを設け、その第1プログラム格納エリア234d1にMPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、NAND型フラッシュメモリ234aよりも高速に読み出し動作が可能な不揮発性の記憶媒体によって構成されたメモリに第1プログラム格納エリアを設けて、そのエリアにMPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納するようにしてもよい。例えば、NOR型ROM234dに代えて、FeRAM(Ferroelectric RAM)、MRAM(Magnetoresistive RAM)又はPRAM(Phase change RAM)などをキャラクタROM234に設け、それに第1プログラム格納エリアを設けて、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納してもよい。
【1248】
また、上記実施形態では、内部バス(バスライン240)に接続されたNOR型ROM234dに第1プログラム格納エリア234d1を設け、そのエリアにMPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、NAND型フラッシュメモリ234aよりも高速に読み出し動作が可能な不揮発性の記憶媒体によって構成されたメモリを内部バス(バスライン240)に接続し、そのメモリに第1プログラム格納エリアを設けて、そのエリアにMPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納するようにしてもよい。例えば、NOR型ROM234dに代えて、FeRAM(Ferroelectric RAM)、MRAM(Magnetoresistive RAM)又はPRAM(Phase change RAM)などを内部バス(バスライン240)に設け、それに第1プログラム格納エリアを設けて、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納してもよい。
【1249】
上記実施形態では、ROMコントローラ234bにおいて、内部バス(バスライン240)のアドレスが「0000H」に指定されたことを検知すると、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムをバッファRAM234cへセットした上で、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)をバッファRAM234cから読み出して、内部バス(バスライン240)を介してMPU231へ出力する場合について説明した。これに対し、ROMコントローラ234bが電源装置115から電源が投入されたことを検出すると、ROMコントローラ234bが第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムをバッファRAM234cへセットしておき、次いで、ROMコントローラ234bにおいて内部バス(バスライン240)のアドレスが「0000H」に指定されたことを検知すると、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)をバッファRAM234cから読み出して、内部バス(バスライン240)を介してMPU231へ出力してもよい。この場合、MPU231がシステムリセット解除後に内部バス(バスライン240)に対してアドレス「0000H」を指定すると、既にバッファRAM234cに第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムがセットされているか、セットされる途中であるので、キャラクタROM234は、アドレス「0000H」がMPU231によって指定されてからより少ないディレイで対応するデータ(命令コード)を出力することができる。従って、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231において表示メイン処理の起動を短時間で行うことができる。その結果、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における補助演出部または第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
【1250】
また、ROMコントローラ234bは、内部バス(バスライン240)に指定されたアドレスが、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されている制御プログラムを指定するものであると検知すると、第1プログラム記憶エリア234d1から直接、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)を読み出し、内部バス(バスライン240)を介してMPU231に対して出力するようにしてもよい。これにより、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231において表示メイン処理の起動を短時間で行うことができる。その結果、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における補助演出部または第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。また、この場合、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されている制御プログラム(ブートプログラム)をバッファRAM234cにセットする処理を行わないようにしてもよい。これにより、キャラクタROM234における電力消費を抑制することができる。
【1251】
上記実施形態では、常駐用ビデオRAM235を画像コントローラ237に接続して設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、MPU231とキャラクタROM234と画像コントローラ237とが接続される内部バス(バスライン240)に直接接続して設けてもよい。また、キャラクタROM234が上記ブリッジ回路を介して内部バス(バスライン240)または画像コントローラ237に接続される場合、そのブリッジ回路に常駐用ビデオRAM235を接続して設けてもよい。ブリッジ回路に常駐用ビデオRAM235を接続するように構成すれば、既存の画像コントローラ237又は内部バス(バスライン240)が、常駐用ビデオRAM235を直接接続可能に構成されていなくても、常駐用ビデオRAM235を表示制御装置114に容易に設けることができる。
【1252】
上記実施形態では、表示制御装置114に1つの常駐用ビデオRAM235と1つの通常用ビデオRAM236とを設ける場合について説明したが、各種ビデオRAMの数はこれに限定されるものではなく、より多くのビデオRAMを設けてもよい。また、常駐用ビデオRAMを複数設け、それぞれに各種モードなどに応じた画像に対応する画像データを常駐させておき、そのモードに応じて使用する常駐用ビデオRAMを選択するようにしてもよい。
【1253】
上記実施形態では、常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236を、1ポート型(入出力ポートが1ポート)のDRAMによって構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、マルチポート型のRAMを用いてもよい。これにより、常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236への書き込みと読み出しを同時に行うことができるので、例えば、通常用ビデオRAM236から画像データを読み出して画像の描画を行いながら、キャラクタROM234から読み出された画像データを通常用ビデオRAM236へ書き込む処理を並列処理することができる。よって、画像データの書き込みによって描画処理が遅延するおそれを抑制することができる。
【1254】
また、上記実施形態では、常駐用ビデオRAM235と通常用ビデオRAM236とを別のメモリによって構成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、1つのRAMを常駐領域と通常領域とに分割し、それぞれの領域に対して、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のそれぞれと同一の内容が記憶されるようにしてもよい。尚、1つのRAMで常駐領域と通常領域とを構成する場合、そのメモリの入出力ポートが、常駐領域および通常領域のうち一方の領域によって、読み出し又は書き込み処理で占有されることを防止するため、マルチポート型のRAMを用いるのが望ましい。
【1255】
上記実施形態における常駐用ビデオRAM235に格納される画像データの種類は一例であり、その種類は、第3図柄表示装置81に表示させる画像の内容に応じて適宜設定されるものであってもよい。この場合、主制御装置110または音声ランプ制御装置113から受信した受信コマンドやその他外部からの入力に応じて、即座に第3図柄表示装置81へ表示すべき画像に対応する画像データを少なくとも常駐用ビデオRAM235へ常駐させるのが好ましい。
【1256】
上記実施形態では、キャラクタROM234に格納された画像データの一部を常駐用ビデオRAM235へ転送し、常駐させる場合について説明したが、キャラクタROM234に格納された全ての画像データを常駐用ビデオRAM235へ転送してもよい。この場合、常駐用ビデオRAM235に非常駐のキャラクタROM234に格納された画像データは存在しないので、通常用ビデオRAM236は、画像コントローラ237による描画によって得られた描画画像データを格納するための専用メモリとして用いてもよい。
【1257】
上記実施形態では、常駐用ビデオRAM235は、電源投入中、上書きされずにその内容が保持され続ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、主制御装置110または音声ランプ制御装置113から受信したコマンドに基づき、第3図柄表示装置81に表示させる画像を大きく異ならせる場合など、所定の契機に基づいて、常駐用ビデオRAM235に常駐させる画像データを上書きして更新するようにしてもよい。この場合、第3図柄表示装置81に表示させる画像を変更する間、移行期間として所定の移行画像を表示させてもよい。また、その移行画像に対応する画像データは、電源投入時に常駐用ビデオRAM235に格納され、その他の常駐用画像が更新されるときにも更新されずに常駐用ビデオRAM235に保持され続けるようにしておいてもよい。また、その移行画像を表示させている間に、MPU231が直接キャラクタROM234にアクセスして新たに常駐すべき画像データを読み出し、その読み出した画像データを、バッファRAM237aを介して、常駐用ビデオRAM235の未使用中(即ち、移行画像に対応する画像データが読み出されていない期間中)に転送するようにしてもよい。或いは、その移行画像を表示させている間に、MPU231が画像コントローラ237に対して新たに常駐すべき画像データの転送指示(転送データ情報)を送信し、画像コントローラ237が、その転送指令(転送データ情報)に従ってキャラクタROM234から常駐すべき画像データを読み出し、バッファRAM237aを介して、常駐用ビデオRAM235の未使用中(即ち、移行画像に対応する画像データが読み出されていない期間中)に転送するようにしてもよい。
【1258】
また、常駐用ビデオRAM235を更新する場合、予め移行画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送しておき、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて移行画像を第3図柄表示装置81に表示させもよい。そして、その移行画像が表示されている間に、MPU231が直接キャラクタROM234にアクセスして、新たに常駐すべき画像データを読み出し、その読み出した画像データを、バッファRAM237aを介して転送するようにしてもよい。或いは、MPU231より常駐すべき画像データの転送指示を受けた画像コントローラ237がキャラクタROM234にアクセスして、新たに常駐すべき画像データを読み出し、その読み出した画像データを、バッファRAM237aを介して転送するようにしてもよい。移行画像を表示させている間に、常駐用ビデオRAM235の内容を更新することにより、遊技者に違和感を持たせることなく、その常駐用ビデオRAM235の更新を行うことができる。
【1259】
上記実施形態において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データを全て常駐した後、停電解消時に常駐用ビデオRAM235のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を記憶させておき、電源投入後に表示制御装置114のMPU231で実行される表示メイン処理またはメイン処理の中で、電源投入時主画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送開始する前に、RAM判定値を確認し、そのRAM判定値が正常な値であれば、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが正常に格納され続けていることを意味するので、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送を非実行とするように構成してもよい。この場合、簡易画像表示フラグをオフにすることで、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送を非実行となるようにしてもよい。これにより、瞬停の発生によって、表示制御装置114にシステムリセットが入力され、MPU231によって表示メイン処理またはメイン処理の実行が開始された場合であっても、常駐用ビデオRAM235のデータが正常に格納されている場合は、無駄にキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に画像データが転送されるのを防ぐことができ、停電復帰にかかる時間を短縮することができる。特に、キャラクタROM234は、読み出し速度の遅いキャラクタROM234aによって構成されているので、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に画像データを転送する場合には長い時間を要する。これに対し、本変形例のように常駐用ビデオRAM235にRAM判定値を記憶させることで、瞬停などにより常駐用ビデオRAM235のデータが正常に残っている場合は、その画像データの転送に要する時間を短縮できるので、第3図柄表示装置81に対して、即座に通常の演出画像を表示させることができる。よって、遊技者に即座に遊技を開始させることができる。なお、RAM判定値は、例えば常駐用ビデオRAM235に記憶される画像データのチェックサム値であってもよい。また、このRAM判定値に代えて、常駐用ビデオRAM235の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりデータの有効性を判断するようにしても良い。
【1260】
上記実施形態では、バッファRAM237aを画像コントローラ237内に設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、画像コントローラ237の外に設けてもよい。例えば、バッファRAMを単独で構成し、内部バス(バスライン240)に直接接続するように構成してもよい。また、キャラクタROM234が上記ブリッジ回路を介して内部バス(バスライン240)または画像コントローラ237に接続される場合、そのブリッジ回路内にバッファRAMを設けてもよい。更に、そのバッファRAMを有するブリッジ回路に常駐用ビデオRAM235が直接接続されてもよい。この場合、ブリッジ回路に接続されたキャラクタROM234から、ブリッジ回路に設けられたバッファRAMを介して、常駐用ビデオRAM235へ画像データを転送できるので、データ信号のやりとりが多い内部バス(バスライン240)に影響されることなく、効率的に転送を行うことができる。
【1261】
上記実施形態では、バッファRAM237aの記憶容量を、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分とする場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、適宜設定されるものであってもよい。例えば、第3図柄表示装置81が有する表示画面の走査期間のうち、実際の画像が表示される表示領域以外の走査領域であるブランク領域上を走査している期間(ブランク期間)中に、バッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像データの転送が完了できる程度のデータ容量を、バッファRAM237aの記憶容量としてもよい。これにより、バッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、このブランク期間に生じる各ビデオRAM235,236の未使用期間を利用することで、確実に行うことができる。
【1262】
上記実施形態では、バッファRAM237aを1つ設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、バッファRAMを2つまたはそれ以上設けてもよい。この場合、一のバッファRAMにキャラクタROM234から読み出された画像データを格納している間に、別のバッファRAMから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ格納された画像データを転送するように構成してもよい。また、1つのバッファRAMの中で領域を2つ又はそれ以上に分割し、一の領域にキャラクタROM234から読み出された画像データを格納している間に、画像データが格納されている別の領域から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ、その画像データを転送するように構成してもよい。いずれの場合であっても、キャラクタROM234から読み出された画像データのバッファRAMへの書き込みと、バッファRAMに書き込まれた画像データの常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への転送とを並列して処理できるので、その処理にかかる時間を短縮できる。
【1263】
上記実施形態では、電源投入時主画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送する場合について説明したが、この電源投入時主画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送してもよい。これにより、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像に対応する画像データを用いて、電源投入時主画像を表示させながら、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送することができる。そして、この間、常駐用ビデオRAM235からは画像データが読み出されないので、常駐用ビデオRAM235の使用状態を監視することなく、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ画像データを転送できるので、その画像データの転送を早く完了させることができると共に、処理の簡素化を図ることができる。
【1264】
同様に、上記実施形態では、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送する場合について説明したが、この電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送してもよい。これにより、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像や電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて、第3図柄表示装置81に電源投入時画像を表示させながら、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送することができる。そして、この間、常駐用ビデオRAM235からは画像データが読み出されないので、常駐用ビデオRAM235の使用状態を監視することなく、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ画像データを転送できるので、その画像データの転送を早く完了させることができると共に、処理の簡素化を図ることができる。
【1265】
上記実施形態では、電源投入時主画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介して常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送する場合について説明したが、電源投入時主画像に対応する画像データを転送する間は、常駐用ビデオRAM235から画像データの読み出しが行われないので、電源投入時主画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介さずに常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ直接転送してもよい。また、電源投入時主画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送し、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像に対応する画像データを用いて電源投入時主画像を表示させることなどにより、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送する間、常駐用ビデオRAM235から画像データの読み出しが行われないように構成されている場合は、常駐すべき画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介さずに常駐用ビデオRAM235へ直接転送してもよい。これにより、バッファRAM237aを介さずに、より早く画像データの転送を終えることができる。
【1266】
同様に、上記実施形態では、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介して常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送する場合について説明したが、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを転送する間は、常駐用ビデオRAM235から画像データの読み出しが行われないので、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介さずに常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ直接転送してもよい。また、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送し、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて第3図柄表示装置81に電源投入時画像を表示させることなどにより、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送する間、常駐用ビデオRAM235から画像データの読み出しが行われないように構成されている場合は、常駐すべき画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介さずに常駐用ビデオRAM235へ直接転送してもよい。これにより、バッファRAM237aを介さずに、より早く画像データの転送を終えることができる。
【1267】
上記実施形態では、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に、音声ランプ制御装置113により背面画像変更コマンドや枠ボタン操作コマンドが生成され、表示制御装置114によってその背面画像変更コマンドや枠ボタン操作コマンドに基づき、第3図柄表示装置81に表示される背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信したコマンドの内容に基づいて、遊技機10の遊技状態を把握し、その遊技状態に応じて、例えば、遊技状態の変更にあわせて、背面画像変更コマンドや遊技状態コマンドを生成してもよい。これにより、表示制御装置114では、その背面画像変更コマンドや遊技状態コマンドに基づき、遊技状態に応じて背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更することができる。また、表示制御装置114が直接遊技機10の遊技状態を把握し、その遊技状態に応じて、背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更してもよい。そして、変更後の背面画像、または、変更後の演出態様のスーパーリーチに対応する背面画像の少なくとも一部の範囲に対応する画像データが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されることによって、その常駐された範囲から、その背面画像を、背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて即座に表示させることができる。
【1268】
また、表示制御装置114は、表示データテーブル、転送データテーブル、追加データテーブルや合成データテーブルの規定に従って背面画像を変更してもよい。この場合、変更後の背面画像に対応する画像データは、転送データテーブル、合成データテーブルや表示データテーブルに記載された転送データ情報に従って、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ予め転送されるように構成してもよい。ここで、転送データテーブル、合成データテーブルや表示データテーブルに記載された転送データ情報によって背面画像の画像データを転送する場合、元々の背面画像が格納された通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアに新たな背面画像が格納されるように転送データテーブルの転送データ情報を規定してもよいし、元々の背面画像が格納された通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアとは別のエリアに新たな背面画像が格納されるように転送データテーブルの転送データ情報を規定してもよい。後者の場合、背面画像を遊技者によって選択されて表示されていた元の背面画像に戻す際に、改めて元の背面画像に対応する画像データを転送する必要がないので、表示制御装置114の処理負荷の増大を抑制することができる。
【1269】
また、上記実施形態では、振動センサの出力信号を音声ランプ制御装置113に入力し、音声ランプ制御装置113にて振動エラーが検出された場合、エラーコマンドを表示制御装置114へ送信することにより、表示制御装置114にて第3図柄表示装置81へ即座に警告画像を表示させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振動センサの出力信号を主制御装置110へ入力し、主制御装置110にて振動エラーを検出して、主制御装置110からそのエラーを通知するエラーコマンドを音声ランプ制御装置113および表示制御装置114のいずれかへ送信するようにしてもよい。そして、音声ランプ制御装置113に対してエラーコマンドが送信される場合は、音声ランプ制御装置113がそのエラーコマンドを受けて、表示制御装置114へ更にそのエラーを通知するエラーコマンドを送信するようにしてもよい。
【1270】
一の演出における一部または全部の色調を変化させるために必要な描画内容を追加データテーブル又は表示データテーブルによって規定する場合、その追加データテーブル又は表示データテーブルでは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間において、色調を変化させるスプライトの種別と、そのスプライトにおける変化後の色調を指定する色情報とを規定するものであってもよい。そして、MPU231は、表示データテーブルバッファ452dに設定された表示データテーブルに規定される追加描画内容においてポインタ233fにより示されるアドレスに色調を変化させるスプライトの種別と、そのスプライトにおける変化後の色調を指定する色情報とが規定されていた場合、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに規定される描画内容においてポインタ233fにより示されるアドレスに規定された対応のスプライト種別の色情報を、表示データテーブルの追加描画内容により規定された色情報に置き換えて、描画リストを作成するようにしてもよい。これにより、画像コントローラ237では、追加データテーブルによって規定された色情報に基づいて、そのスプライトの色調を変化させながら画像の描画を行うことができる。
【1271】
また、一の演出において表示される画像を変更して表示させるために必要な描画内容が表示データテーブルによって規定される場合、その表示データテーブルでは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間において、置き換え対象のスプライト種別と、新たに表示すべきスプライト種別と、その新たに表示すべきスプライトの描画情報とを規定するものであってもよい。そして、MPU231は、表示データテーブルバッファ452dに設定された表示データテーブルに規定される追加描画内容において、ポインタ233fにより示されるアドレスに、置き換え対象のスプライト種別と、新たに表示すべきスプライト種別と、その新たに表示すべきスプライトの描画情報とが規定されていた場合、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに規定される描画内容において、ポインタ233fにより示されるアドレスに規定された各種スプライトのうち、置き換え対象のスプライトに代えて、新たに表示すべきスプライト種別と、そのスプライトの描画情報とを描画リストに含めるようにしてもよい。これにより、画像コントローラ237では、新たに表示すべきスプライトを含む画像の描画を行うことができる。
【1272】
また、上記実施形態では、表示データテーブルにおいて、その表示データテーブルに規定された描画内容に従って画像を描画する場合に必要となる画像データの転送データ情報を含める場合について説明したが、それに加えて、表示データテーブルに規定された追加描画内容に従って画像を描画する場合に必要となる画像データの転送データ情報(追加転送データ情報)を含めてもよい。この場合、追加転送データ情報は、各アドレス毎に、その追加表示可能な演出を識別するための識別情報(「追加演出1」、「追加演出2」・・・等)に対応付けて、追加描画内容と共にまたは追加描画内容とは別個に規定されるものであってもよい。そして、MPU231は、追加して表示すべき演出を決定すると、その決定された演出に対応する識別情報に対応付けられた追加描画内容と追加転送データ情報とを含めて、描画リストを作成するように構成してもよい。
【1273】
これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、追加描画内容に従った描画で用いられるスプライトの画像データを、その画像データが用いられる前に予め通常用ビデオRAM236に転送しておくことができる。よって、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、追加して表示すべき演出を容易に且つ確実に第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、表示データテーブルに規定された追加転送データ情報を用いることによって、追加描画内容に基づく画像の描画を指示しながら、必要な画像データを通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、追加描画内容によって多くのスプライトの描画を指定することができる。よって、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種態様な演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
【1274】
上記実施形態では、表示データテーブルおよび転送データテーブルで、共通のポインタ233fを用いて、そのポインタ233fによって示されるアドレスから描画内容や転送データ情報を特定する場合について説明したが、それぞれのデータテーブルに対して、ポインタを用意してもよい。
【1275】
上記実施形態では、画像コントローラ237が、描画処理を終了する1フレーム分の画像の表示間隔毎(上記実施形態では20ミリ秒毎)に、V割込信号をMPU231に対して送信する場合について説明したが、画像コントローラ237は、第3図柄表示装置81を駆動して1フレーム分の画像を表示させる度に、このV割込信号をMPU231に対して送信するようにしてもよい。第3図柄表示装置81の駆動は、常に1フレーム分の画像を常に等時間間隔(20ミリ秒間隔)で表示されるように行われるので、1フレーム分の画像の表示毎にV割込信号を送信することで、その時間間隔を計時しなくても正確に保つことができる。
【1276】
上記実施形態では、画像コントローラ237は、MPU231から送信される描画対象バッファ情報に基づいて、描画した画像を展開すべきフレームバッファを特定すると共に、もう一方のフレームバッファから先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、画像コントローラ237が、描画リストを受信する毎に、描画した画像を展開すべきフレームバッファを交互に選択するようにし、その選択されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信するようにしてもよい。また、画像コントローラ237が、第3図柄表示装置81に1フレーム分の画像情報を送信する度に、描画した画像を展開すべきフレームバッファと、第3図柄表示装置81に対して画像情報を出力するフレームバッファとを入れ替えるようにしてもよい。
【1277】
上記実施形態では、確定表示演出に対応する確定表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定された後、その確定表示演出が終了するまでに、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)及びデモコマンド(表示用デモコマンド)のいずれも受信しなかった場合は、デモ演出に対応するデモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する場合について説明したが、これを、再び確定表示演出に対応する確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するようにしてもよい。また、この場合、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)及びデモコマンド(表示用デモコマンド)のいずれかが受信されるまで、確定表示演出が終了するたびに、確定表示演出に対応する確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに再設定するようにしてもよい。これにより、主制御装置110から変動パターンコマンド又はデモコマンドを受信するまで、第3図柄表示装置81に確定表示演出を表示させ続けることができる。
【1278】
上記実施形態では、デモ演出が、背面画像を変化させると共に「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄を停止表示させるものである場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、数字の付された主図柄または数字の付されていない主図柄からなる第3図柄を、半透明状態で停止表示させるものであってもよい。また、第3図柄を表示させずに背面画像だけを変化させるものであってもよい。また、変動表示で用いられる第3図柄や背面画像とは全く異なるキャラクタや背面画像を表示させるものであってもよい。
【1279】
上記実施形態では、表示制御手段114において、電源投入後にまず電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送し、その転送完了後に電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させてから、残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、表示制御手段114において、電源投入後にまず電源投入時主画像に対応する画像データのみをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送し、その転送完了後に電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させてから、電源投入時変動画像に対応する画像データを含む常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するようにしてもよい。これにより、電源投入時主画像を電源投入後により早く第3図柄表示装置81へ表示させることができるので、遊技者やホール関係者、又は、製造時の工場等における動作チェックにおいて、パチンコ機10が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができる。
【1280】
また、この場合、MPU231が、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送完了を監視するようにしてもよい。これにより、電源投入時変動画像エリア235bに電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されて以降に、音声ランプ制御装置113より表示用変動パターンコマンドを受信すれば、その表示用変動パターンコマンドに基づき、電源投入時変動画像エリア235bに格納された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて、簡易的な変動表示を第3図柄表示装置81に表示させることができる。なお、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させた直後に行うのが望ましい。これにより、電源投入時変動画像による変動表示をより早く行えるようにすることができる。
【1281】
上記実施形態において、表示データテーブルおよび転送データテーブルは、20ミリ秒を1単位として表した時間に対応して、その時間に描画すべき画像の内容(描画内容)や、その時間に転送すべき画像データの情報(転送データ情報)を規定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、所定の時間間隔毎に表示内容を規定するものであればよい。この所定の時間間隔は、第3図柄表示装置81のフレームレートにあわせて設定するようにしてもよい。例えば、第3図柄表示装置81のフレームレートが30fps、即ち、第3図柄表示装置81が、1秒間に30フレームの画像を表示するものである場合は、第3図柄表示装置81は1/30秒毎に1フレームの画像が表示されるので、表示データテーブルは、1/30秒間隔毎に表示内容を規定するものにしてもよい。
【1282】
また、表示データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される描画すべきスプライト種別として、そのスプライト種別そのものを指示するのではなく、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定するものであってもよい。表示制御装置114では、第3図柄表示装置81に表示すべきスプライト種別に対応する画像データをキャラクタROM234から読み出すため、各スプライト種別に対応付けて、そのスプライト種別の画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを管理している。よって、表示データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される表示内容として、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定すれば、各スプライト種別に対応付けて、スプライトを特定する情報とキャラクタROM234のアドレスとの両方を管理する必要がなくなるため、処理負担の軽減を図ることができる。
【1283】
上記実施形態では、表示制御装置114のワークRAM233に格納画像データ判別フラグ233iを設け、スプライト毎に、対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを記憶させる場合について説明したが、これに代えて、画像格納エリア236aに格納されているスプライト種別を示す情報をワークRAM233に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、所定のスプライト種別の画像データを転送指示する場合に、ワークRAM233に記憶された画像格納エリア236aに格納されているスプライト種別を示す情報を参照して、その所定の画像データが既に画像格納エリア236aに格納されているか否かを判別し、格納されていなければ、その所定のスプライト種別の画像データの転送指示を設定してもよい。また、MPU231は、所定のスプライト種別の画像データの転送指示を設定した場合、その転送指示が設定されたスプライト種別を示す情報をワークRAM233に格納すると共に、そのスプライト種別の画像データが格納される画像格納エリア236aのサブエリアに格納されていたスプライト種別を示す情報を消去するようにしてもよい。
【1284】
上記実施形態では、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ所定のスプライト種別の画像データを転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iに基づいて、そのスプライト種別の画像データが通常用ビデオRAM236に格納されているか否かを判断し、通常用ビデオRAM236に、その所定のスプライト種別の画像データが格納されていれば、その転送処理を非実行とする処理を、MPU231が行う場合について説明したが、この処理を、画像コントローラ237が行うようにしてもよい。この場合、画像コントローラ237に設けられたワークRAMに、格納画像データ判別フラグ233iと同等のフラグを用意して、各スプライト毎に、対応する画像データが通常用ビデオRAM236に格納されているかどうかを記憶させてもよい。また、画像コントローラ237に設けられたワークRAMに、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているスプライト種別を記憶させるようにしてもよい。なお、この場合、MPU231は、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への所定のスプライト種別の画像データの転送が必要であれば、通常用ビデオRAM236における画像データの格納状態に関わらず、画像コントローラ237に対して、その画像データの転送データ情報を送信するようにしてもよい。
【1285】
上記実施形態では、複数の背面画像のうち、「背面A」に対応する画像データのみを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、2以上の背面画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させるようにしてもよい。例えば、一部のスーパーリーチで用いられる背面画像の画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させてもよい。特に、出現頻度が高い又は高いと予想されるスーパーリーチの背面画像を常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させることにより、キャラクタROM737から通常用ビデオRAM536への画像データの転送処理が実行される回数を抑制することができる。
【1286】
上記実施形態では、転送データテーブル又は表示データテーブルによって、ポインタ233fで示されるアドレスに対応付けて画像データの転送指令が規定され、MPU231は、その表示ポインタにより規定される所定の時間にその転送指令で指示された画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように画像コントローラ237を制御する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、表示データテーブルの先頭に、その表示データテーブルにおいて必要となるスプライト種別に関する情報を記載し、MPU231は、その表示データテーブルの先頭に記載された情報に基づいて、必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように画像コントローラ237を制御してもよい。若しくは、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドに基づき、MPU231がそのコマンドに対応して第3図柄表示装置81に表示すべきスプライト種別を判断して、その画像種別の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように画像コントローラ237を制御してもよい。
【1287】
上記実施形態では、「島ステージ」の背面画像である背面Cにおいて、その画像の一部の色調が時間と共に変化する場合について説明したが、画像全体の色調が時間と共に変化するものであってもよい。また、背面画像として、時間の経過と共にスクロールしたり、色調が変化したりするものだけではなく、また、そのような背面画像に代えて、時間の経過と共に、登場する物体(例えば、人物)が移動したり、変化したりするようなものであってもよい。
【1288】
上記実施形態では、主制御装置110が、音声ランプ制御装置113に対して通知する始動入賞時に取得した各種カウンタ(第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2)の情報を、保留球数コマンドに含める場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、別のコマンドによって、始動入賞時に取得した各種カウンタ(第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2)の情報を音声ランプ制御装置113に通知してもよい。
【1289】
上記実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄Z1?Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄Z1?Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄Z1?Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
【1290】
上記実施形態において、球が入球した場合に特別図柄の大当たりの抽選が開始される第1入賞口64が遊技盤13に1つ配設されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、それぞれ独立して入球が検出されて大当たりの抽選が開始される複数(例えば、2つ)の第1入球口が遊技盤13に配設されていてもよい。この場合、各第1入球口において保留があった場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する保留球数コマンドには、いずれの第1入球口による保留であるかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの第1入球口により保留された変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113において、第1入球口毎にそれぞれ保留球数カウンタを用意しておき、保留球数コマンドを受信した場合、その保留球数コマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタに保留球数を設定し、変動パターンコマンドを受信した場合、その変動パターンコマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタを1減らせば、第1入球口毎に保留球数をカウントすることができる。
【1291】
上記実施形態では、主制御装置110において特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が更新される度(即ち、増加した場合や、減少した場合にそれぞれ)に、保留球数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、主制御装置110において特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が増加する場合だけ、保留数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する。また、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を1減らすように構成する。これにより、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ保留数コマンドを送信する回数と、音声ランプ制御装置113が保留数コマンドを受信する回数とをそれぞれ減らすことができるので、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の制御的負担を軽減することができる。
【1292】
上記実施形態においては、第1入賞口64への入賞およびスルーゲート66または67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入賞口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
【1293】
また、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
【1294】
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
【1295】
また、本制御例では遊技状態として特別図柄の大当たり確率が低確率である通常遊技状態と、特別図柄の大当たり確率が高確率である確変遊技状態を設定可能に構成され、さらに普通図柄が当たりやすい遊技状態である時短状態と、その時短状態よりも普通図柄が当たりにくい普通状態とを設定可能なパチンコ機を用いたが、それ以外の遊技状態を有するパチンコ機等に実施してもよい。例えば、特別図柄の大当たり確率が確率変動状態である場合に、特定の第1当たり乱数カウンタC1の値を取得すると、特別図柄の当否判定結果が外れの場合であっても、遊技者にとって有利な状態(所謂、小当たり)が通常よりも高い確率で設定される第2確変遊技状態を設定可能にしてもよい。なお、小当たりとは、特別図柄の当否判定結果が外れであるが、所定の条件範囲内で可変入賞装置65に球が入賞可能となる状態である。
【1296】
このように構成することにより、確変遊技状態に突入した遊技者は更に遊技者にとって有利な状態である第2確変遊技状態を目指して遊技を行うようになり、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
【1297】
また、第2確変遊技状態を設定可能にする場合は、確変遊技状態中に実行される特別図柄の当否判定回数に制限(例えば、100回)を設け、当否判定回数が制限を超えた場合には確変遊技状態から通常遊技状態に移行するように構成するとよい。このように構成することで、従来のように確変遊技状態となれば次回の大当たりまで確変遊技状態が継続するということがなくなるため、確変遊技状態中であっても遊技者に対して集中して遊技を行わせることができる。
【1298】
このように確変遊技状態中の特別図柄に当否判定回数に制限を設けたパチンコ機等に第2確変遊技状態を設定すると、遊技者は第2確変遊技状態中により多くの出玉を得るために大当たりと、小当たりとを意識することになる。よって、遊技者に対して集中して遊技を行わせることができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
【1299】
更に、第2確変遊技状態を設定可能な遊技機を用いる場合は、第3図柄表示装置を複数設け、遊技状態に応じて第3図柄の変動表示を行う装置を切り替えるとよい。このようにすることで、周りの遊技者に対して第2確変遊技状態のように遊技者にとって最も有利な遊技状態で遊技を行っていることを報知することができ、遊技者に満足感を提供することができる。
【1300】
なお、複数の第3図柄表示装置として、本制御例にて用いた第3図柄表示装置81と、回転体昇降ユニット300に設けられるリール部材(第1回転体340aの外周面と第2回転体340bの外周面とによって第3図柄を合成表示し、各回転体を回転させることで複数の第3図柄を変動表示する部材)とを用いると良い。このように構成することで、第3図柄の変動表示を液晶上の表示とリール部材による回転表示といった異なる態様で表示することができ、見た目上の違いを明確にすることができる。
【1301】
また、回転体昇降ユニット300の昇降制御によって、回転体昇降ユニット300を遊技者が視認可能な露出位置(第3図柄表示装置の前面の少なくとも一部を覆う位置)に移動させたり、遊技者が視認困難な収納位置(センターフレーム86(図2参照)の内側に収納される位置)に移動させたりすることが可能であるため、たとえば、第2確変遊技状態における第3図柄の変動表示をリール部材で行うように構成することで、回転体昇降ユニット300が露出位置に位置しているだけで第2確変遊技状態の遊技を行っていることを回りに認識させることができ、遊技者に満足感を提供することができる。
【1302】
さらに、回転体昇降ユニット300の昇降制御として、回転体昇降ユニット300が収納位置と露出位置との間を行き来する動作を実行させることで、遊技者に対して現在の遊技状態を示唆する演出を行うことができるため、遊技者に対して期待感を持たせる演出を提供することが可能となる。
【1303】
また、第2確変遊技状態において、第3図柄表示装置81にて特別図柄の当否判定結果が大当りであるか否かを示唆する変動表示を、リール部材にて特別図柄の当否判定結果が小当たりであるか否かを示唆する変動表示をそれぞれ実行するようにしてもよい。このように構成することにより、例えば、遊技者は第2確変遊技状態の前半期間では小当たりであるか否かを示唆する変動表示が行われるリール部材に注目し、第2確変遊技状態の後半期間になると大当たりであるか否かを示唆する変動表示が行われる第3図柄表示装置81に注目するようになる。これにより、遊技者は所望する特別図柄の判定結果を容易に確認することができるという効果がある。
【1304】
なお、特別図柄の当否判定結果が大当りであるか否かを示唆する変動表示と、特別図柄の当否判定結果が小当たりであるか否かを示唆する変動表示とを別の表示装置を用いて同時に表示する場合には、いずれか一方を第3図柄として表示し、他方を装飾図柄として表示すればよい。また、図柄の変動表示ではなく与えられたミッションを達成できるか否かといったストーリ演出や、音やランプだけを用いた演出等で当否判定結果を示唆する演出を行ってもよい。さらに、特別図柄の判定結果に基づいて変動表示される表示装置を切り替えてもよい。
【1305】
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【1306】
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
【1307】
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
【1308】
<左右センサ装置600を一例とする発明の概念について>
前面側に遊技領域が形成される遊技盤と、その遊技盤の前面側に遊技媒体が通過可能な間隔を隔てて配設される光透過性の透明板と、前記遊技盤の背面側に変位可能に配設され前記遊技盤の開口を介して遊技者から視認可能とされる変位部材と、前記遊技盤の開口を介して前記透明板の前面側の物体を検出するセンサ装置と、を備えた遊技機において、前記変位部材が前記センサ装置の検出領域の少なくとも一部に重なる位置まで変位可能に形成されることを特徴とする遊技機A1。
【1309】
ここで、例えば、遊技盤(前面枠の板ガラス)の前方へ向けて光を照射する発光部および対象物から反射した光を受光する受光部を備える光センサを設け、その光センサにより遊技者の手指の存在あるいは動作を検出するものが知られている(例えば、特開2010-094348号公報)。この場合、光センサの光(照射光および反射光)の経路は、変位可能に形成された変位部材の移動領域に重ならないように設定される(例えば、特開2010-094348号公報の段落0045及び第5図など)。そのため、光センサと変位部材とは互いに関連を持たない関係とされ、変位部材を有効に活用できていないという問題点があった。
【1310】
これに対し、遊技機A1によれば、センサ装置の検出領域の少なくとも一部に重なる位置まで変位部材が変位可能に形成されるので、変位部材の変位によってセンサ装置の検出領域に影響を与えることができる。即ち、センサ装置と変位部材とを互いに関連を持つ関係とすることができ、これにより、変位部材の活用を図ることができる。
【1311】
なお、センサ装置は、非接触式の物体検知センサであり、例えば、光学式のセンサ装置(可視光または不可視光からなる光を照射する照射手段と、その照射手段から照射され対象物(物体)により反射した光を受光する受光手段とを備え、受光した光を評価するもの)が例示される。受光した光の評価方法としては、受光手段(PSDやC-MOS)の結像位置を対象物の有無(距離)に換算する三角測距式や光が照射されてから受光するまでに要する時間を対象物の有無(距離)に換算するタイム・オブ・フライト式などが例示される。
【1312】
遊技機A1において、前記センサ装置は、互いに所定間隔を隔てて配置される第1センサ及び第2センサを備え、前記変位部材は、前記第1センサの検出領域と前記第2センサの検出領域とを区画する位置に変位可能とされることを特徴とする遊技機A2。
【1313】
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、第1センサの検出領域と第2センサの検出領域とを区画する位置に変位部材が変位可能とされるので、透明板の前面において、これら2つの領域を確実に切り離すことができる。これにより、例えば、これら2つの検出領域とのうちからいずれか一方の検出領域を遊技者に選択させる動作の検出精度を高めることができる。
【1314】
一方、第1センサの検出領域と第2センサの検出領域とを区画する位置から変位部材を退避させることで、これらの2つの検出領域の変位部材による区画を解除することができる。これにより、例えば、第1センサの検出領域と第2センサの検出領域とに加え、第1センサ及び第2センサの両者に検出される検出領域を形成することができる。
【1315】
遊技機A2において、前記変位部材は、前記第1センサの検出領域または第2センサの検出領域のうちの少なくとも一方に重なる領域を変位可能とされ、その変位部材の変位に伴い、前記第1センサの検出領域または第2センサの検出領域のうちの少なくとも一方の検出領域の大きさが変更されることを特徴とする遊技機A3。
【1316】
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、変位部材が、第1センサの検出領域または第2センサの検出領域のうちの少なくとも一方に重なる領域を変位可能とされるので、その変位部材の変位に伴い、第1センサの検出領域または第2センサの検出領域のうちの少なくとも一方の検出領域の大きさを変更することができる。これにより、例えば、遊技者が自分の手や指を検出させる動作を行う場合に、遊技者に検出領域を探させることができる。
【1317】
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記センサ装置は、前記変位部材が所定位置に配置されたことを検出可能に形成されることを特徴とする遊技機A4。
【1318】
遊技機A4によれば、センサ装置は、変位部材が所定位置に配置されたことを検出可能に形成される。即ち、透明板の前面側の物体を検出する手段と、変位部材の変位位置を検出する手段とをセンサ装置が兼用することができ、変位部材の変位位置を検出する手段を別途設ける必要がない。よって、遊技機A1からA3のいずれかの奏する効果に加え、部品コストの削減を図ることができる。
【1319】
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、発光可能に形成される発光手段を備え、その発光手段の発光が前記センサ装置へ入射されることを遮蔽可能な位置へ前記変位部材が変位可能とされることを特徴とする遊技機A5。
【1320】
遊技機A5によれば、発光可能な発光手段を備えるので、その発光手段の発光による演出を行うことができる。この場合、発光手段の発光がセンサ装置へ入射されることを遮蔽可能な位置に変位部材を変位させることができるので、発光手段の発光がセンサ装置に受光されることを抑制できる。その結果、遊技機A1からA4のいずれかの奏する効果に加え、センサ装置の誤検出を抑制できる。また、発光手段の発光がセンサ装置へ入射されることを遮蔽するための部材を変位部材に兼用させることができるので、その分、部品コストの削減を図ることができる。更に、発光手段の発光が行われない際には、変位部材を遮蔽位置から退避させることができ、スペースを確保できるので、そのスペースを他の変位部材が変位するためのスペースとして利用することができる。
【1321】
遊技機A5において、前記発光手段は、複数が異なる位置に配設され、前記変位部材は、前記複数の発光手段の発光状態に応じて、前記発光手段からの発光が前記センサ装置へ入射されることを遮蔽可能な位置へ前記変位部材が変位可能とされることを特徴とする遊技機A6。
【1322】
遊技機A6によれば、発光手段は、複数が異なる位置に配設されるので、それら複数の発光手段のうちの発光させる発光手段を変化させる演出を行うことができる。この場合、複数の発光手段の発光状態に応じて、発光手段からの発光がセンサ装置へ入射されることを遮蔽可能な位置へ変位部材を変位させることができるので、発光手段の発光がセンサ装置に受光されることを抑制できる。その結果、遊技機A5の奏する効果に加え、センサ装置の誤検出を抑制できる。また、複数の発光手段のうちのいずれの発光手段の発光に対してもセンサ装置への入射を遮蔽可能な固定の部材を設ける場合には、かかる部材の配設に大きなスペースが必要となるところ、発光手段の発光が行われない際には、変位部材を遮蔽位置から退避させることで、より大きなスペースを確保できる。よって、そのスペースを他の変位部材が変位するためのスペースとして利用することができる。
【1323】
遊技機A5又はA6において、前記遊技盤の背面側に変位可能に配設され前記遊技盤の開口を介して視認可能とされると共に前記発光手段が配設される第2変位部材を備え、前記変位部材は、前記第2変位部材の変位位置に応じて、前記発光手段からの発光が前記センサ装置へ入射されることを遮蔽可能な位置へ前記変位部材が変位可能とされることを特徴とする遊技機A7。
【1324】
遊技機A7によれば、発光手段は、変位可能に形成される第2変位部材に配設されるので、第2変位部材の変位に伴い異なる位置で発光手段を発光させる演出を行うことができる。この場合、第2変位部材の変位位置に応じて、発光手段からの発光がセンサ装置へ入射されることを遮蔽可能な位置へ変位部材を変位させることができるので、発光手段の発光がセンサ装置に受光されることを抑制できる。その結果、遊技機A5又はA6の奏する効果に加え、センサ装置の誤検出を抑制できる。また、第2変位部材の可動範囲の全体範囲に対応して、発光手段の発光がセンサ装置へ入射されることを遮蔽可能な固定の部材を設ける場合には、かかる部材の配設に大きなスペースが必要となるところ、発光手段の発光が行われない際には、変位部材を遮蔽位置から退避させることで、より大きなスペースを確保できる。よって、そのスペースを他の変位部材が変位するためのスペースとして利用することができる。
【1325】
遊技機A1からA7のいずかにおいて、前記センサ装置は、互いに所定間隔を隔てて対向配置される第1センサ及び第2センサを備え、前記第1センサまたは第2センサの一方から発光され前記透明板の汚れで反射した光を前記第1センサまたは第2センサの他方が受光可能に形成されることを特徴とする遊技機A8。
【1326】
遊技機A8によれば、遊技機A1からA7のいずれかの奏する効果に加え、互いに所定間隔を隔てて対向配置される第1センサ及び第2センサをセンサ装置が備え、第1センサまたは第2センサの一方から発光され透明板で反射した光を第1センサまたは第2センサの他方が受光可能に形成されるので、第1センサおよび第2センサを遊技者から視認され難い位置に配設しつつ、透明板の汚れ(例えば、遊技者の手の脂など)の有無を検出可能とできる。
【1327】
例えば、遊技盤の開口の縁部よりも幅方向の奥まった位置に1のセンサ装置を配設し、センサ装置からの発光を透明板に対して斜めに照射する構成では、正面視においてセンサ装置を遊技者から視認され難くできると共に、透明板の前面側に存在する物体(例えば、遊技者の手や指)を検出することはできる。しかし、センサ装置から発光された光の透明板に対する入射角が大きくため、透明板の汚れで反射した光をセンサ装置が受光することができない。
【1328】
これに対し、遊技機A8によれば、例えば、第1センサおよび第2センサが、遊技盤の開口を挟んでそれぞれ開口の縁部よりも幅方向の奥まった位置に配設されることで、遊技者から視認され難くできる。この場合、第1センサまたは第2センサの一方から発光された光が透明板の汚れで反射する場合にはその反射した光を第1センサまたは第2センサの他方で受光し、透明板の汚れがない場合には、第1センサまたは第2センサの一方から発光された光は透明板を透過し、第1センサまたは第2センサの他方で受光しない。これにより、透明板の汚れの有無を検出できる。
【1329】
なお、第1センサ及び第2センサによる透明板の汚れの有無の検出は、遊技機の電源投入時の処理において行うことが好ましい。遊技機の電源投入時は、遊技者が入店していないため、透明板の前面側における物体(遊技者の手や指)と透明板の汚れとの区別を行う必要がなく、透明板の汚れの有無の検出精度を高めることができるからである。
【1330】
遊技機A1からA8のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記センサ装置から発光された光が照射される面に、前記照射された光を吸収可能な吸収素材が配設されることを特徴とする遊技機A9。
【1331】
遊技機A9によれば、遊技機A1からA8のいずれかにおいて、変位部材は、センサ装置から発光された光が照射される面に、その照射された光を吸収可能な吸収素材が配設されるので、変位部材で反射した光がセンサ装置によって受光されることを回避できる。これにより、センサ装置の受光した光が、透明板の前面側の物体で反射した光であるか、変位部材で反射した光であるかを区別することを不要とできるので、透明板の前面側の物体の検出精度の向上を図ることができると共に、判断処理を簡素化して、制御負担を抑制できる。
【1332】
遊技機A1からA9のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記センサ装置から発光された光が照射される部分が、前記照射された光を透過可能な素材から形成されることを特徴とする遊技機A10。
【1333】
遊技機A10によれば、遊技機A1からA9のいずれかにおいて、変位部材は、センサ装置から発光された光が照射される部分が、その照射された光を透過可能な素材から形成されるので、変位部材で反射した光がセンサ装置によって受光されることを回避できる。これにより、センサ装置が受光した光が、透明板の前面側の物体で反射した光であるか、変位部材で反射した光であるかを区別することを不要とできるので、透明板の前面側の物体の検出精度の向上を図ることができると共に、判断処理を簡素化して、制御負担を抑制できる。
【1334】
また、変位部材の上記部分が照射された光を透過可能な素材から形成されることで、センサ装置から発光された光を透過させて、その透過させた光を透明板の前面側の物体に照射できると共に、物体で反射した光を透過させて、その透過させた光をセンサ装置に受光させることができる。これにより、センサ装置の検出領域を確保しつつ、変位部材を変位させることができる。
【1335】
遊技機A1からA10のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記センサ装置から発光された光が照射される面に、前記照射された光を前記センサ装置と異なる方向へ反射させる反射面が形成されることを特徴とする遊技機A11。
【1336】
遊技機A11によれば、遊技機A1からA10のいずれかにおいて、変位部材は、センサ装置から発光された光が照射される面に、その照射された光をセンサ装置と異なる方向へ反射させる反射面が形成されるので、変位部材で反射した光がセンサ装置によって受光されることを回避できる。これにより、センサ装置の受光した光が、透明板の前面側の物体で反射した光であるか、変位部材で反射した光であるかを区別することを不要とできるので、透明板の前面側の物体の検出精度の向上を図ることができると共に、判断処理を簡素化して、制御負担を抑制できる。
【1337】
<中央遊動ユニット400を一例とする発明の概念について>
変位可能に形成される変位部材と、その変位部材に相対変位可能に配設される第1部材と、前記変位部材に駆動力を付与する駆動手段とを備えた遊技機において、前記変位部材は、互いに独立して変位可能な一対のアーム部材を備え、それら一対のアーム部材の一端に前記第1部材が相対変位可能に連結されることを特徴とする遊技機B1。
【1338】
ここで、変位可能な変位部材を設け、その変位部材の変位により演出を行うものが知られている。また、変位部材の前面に第1部材を更に設け、その第1部材を回転させることで演出効果を高めるものもある(例えば、特開2012-105873号公報)。しかしながら、上述したものでは、変位部材と第1部材とが一体的に変位しつつ、第1部材が回転する形態であり、第1部材の動きの変化に乏しいという問題点があった。
【1339】
これに対し、遊技機B1によれば、変位部材が互いに独立して変位可能な一対のアーム部材を備え、それら一対のアーム部材の一端第1部材が連結されるので、一対のアーム部材を互いに独立して変位させることで、両アーム部材の変位と第1部材の変位とを異ならせることができ、その結果、第1部材の動きに変化を与えることができる。
【1340】
また、変位部材は、アーム部材に対して相対変位可能に連結されるので、アーム部材の変位と第1部材の変位とを独立させることができる。即ち、例えば、アーム部材の変位時に、そのアーム部材に対して変位部材を相対変位させ、両者を独立した変位で変位させる、或いは、アーム部材の変位の停止時に、第1部材の変位を継続させることを行うことができ、その結果、第1部材の動きに変化を与えることができる。
【1341】
なお、アーム部材の変位の形態としては、例えば、他端側を中心として回転する形態、他端側がスライド変位する形態、これらを組み合わせた形態(アーム部材の一方が回転を、他方がスライド変位を、それぞれ採用する形態)などが例示される。
【1342】
また、アーム部材の一端と第1部材とが相対変位可能に連結される形態としては、例えば、アーム部材または第1部材の一方に配設された軸が他方に配設された軸孔に軸支され軸が軸孔に対して軸回転することで相対変位可能とする形態、アーム部材または第1部材の一方に配設されたピンが他方に配設された摺動溝に沿って摺動することで相対変位可能とする形態、アーム部材および第1部材が弾性部材を介して連結され弾性部材が弾性変形することで相対変位可能とする形態、アーム部材または第1部材の一方に配設された球状のボールが他方に配設されボールに球面接触するスタッドに対して任意方向に回転することで相対変位可能とする形態、アーム部材および第1部材が1又は複数のリンク機構(変形しない節が可動部分である関節により接続された機構)を介して連結されリンク機構が変形することで相対変位可能とする形態、これらの各形態を組み合わせた形態などが例示される。
【1343】
遊技機B1において、前記一対のアーム部材は、前記第1部材が相対変位可能に配設される一端と反対側の他端が回転可能に軸支され、前記駆動手段から付与される駆動力により前記他端を中心として回転されることを特徴とする遊技機B2。
【1344】
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、一対のアーム部材は、第1部材が相対変位可能に配設される一端と反対側の他端が回転可能に軸支され、駆動手段から付与される駆動力により他端を中心として回転されるので、一対のアーム部材のそれぞれの一端を、中心位置が互いに異なる円弧状の軌跡に沿って移動させることができる。その結果、一対のアーム部材をそれぞれ変位(回転)させることで、第1部材に直線運動と回転運動とを組み合わせた動きを付与することができ、その動きに変化を与えることができる。
【1345】
なお、一対のアーム部材は、一端から他端までの距離が互いに同一の長さに設定されていても良く、或いは、異なる長さに設定されていても良い。
【1346】
遊技機B1又はB2において、前記アーム部材または第1部材の一方には摺動溝が配設されると共に、前記アーム部材または第1部材の他方には前記摺動溝に沿って摺動可能に形成されるピン部が配設され、前記摺動溝は、少なくとも前記アーム部材が基準位置に配置された状態において、前記摺動溝の一方の端部または他方の端部と前記ピン部との間に隙間が形成されることを特徴とする遊技機B3。
【1347】
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、アーム部材および第1部材が摺動溝とピン部とを介して連結され、摺動溝は、少なくともアーム部材が基準位置に配置された状態において、摺動溝の一方の端部または他方の端部とピン部との間に隙間が形成されるので、アーム部材が停止されていても、隙間の分、第1部材がアーム部材に対して相対変位することを許容することができる。これにより、第1部材の動きに変化を与えることができる。
【1348】
例えば、アーム部材を所定速度で変位させた後に基準位置で停止させると、その停止に伴い発生する慣性力を第1部材に作用させることで、ピン部が摺動溝の一端および他端へ向けて往復動する変位を形成することができる。その結果、アーム部材の変位を停止させた後において、第1部材を往復動させる(揺らす)ことができる。
【1349】
遊技機B3において、前記摺動溝は、前記第1部材に形成されると共に、一対の直線状の溝が非平行に配置されることを特徴とする遊技機B4。
【1350】
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、摺動溝は、第1部材に形成されると共に、一対の直線状の溝が非平行に配置されるので、アーム部材の変位が基準位置で停止された後に、摺動溝の一方の端部または他方の端部とピン部との間の隙間の分、第1部材がアーム部材に対して相対変位される際には、その相対変位に回転成分を付与することができる。これにより、第1部材の動きに変化を与えることができる。
【1351】
また、摺動溝が直線状に形成されることで、ピン部を摺動溝に沿ってスムーズに摺動させることができるので、アーム部材の変位に伴う第1部材の相対変位を安定化することができると共に、駆動手段の負荷を抑制できる。
【1352】
遊技機B4において、前記摺動溝が略ハの字状に配置されることを特徴とする遊技機B5。
【1353】
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、摺動溝が略ハの字状に配置されるので、第1部材の往復動が収束して停止した後は、その停止状態に第1部材を維持することができる。よって、例えば、退避位置に退避された第1部材が外乱によりがたつくことを抑制できる。その結果、摺動溝や連結ピンの摩耗を抑制できる。
【1354】
遊技機B3において、前記一対のアーム部材は、前記第1部材が相対変位可能に配設される一端と反対側の他端が回転可能に軸支され、前記駆動手段から付与される駆動力により前記他端を中心として回転され、前記摺動溝は、直線状に形成されると共に前記アーム部材の一端に配設され、前記ピン部が前記第1部材に配設されることを特徴とする遊技機B6。
【1355】
遊技機B6によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、一対のアーム部材は、第1部材が相対変位可能に配設される一端と反対側の他端が回転可能に軸支され、駆動手段から付与される駆動力により他端を中心として回転されるので、一対のアーム部材のそれぞれの一端を、中心位置が互いに異なる円弧状の軌跡に沿って移動させることができる。その結果、一対のアーム部材をそれぞれ変位(回転)させることで、第1部材に直線運動と回転運動とを組み合わせた動きを付与することができ、その動きに変化を与えることができる。
【1356】
この場合、摺動溝が直線状に形成されると共にアーム部材の一端に配設され、ピン部が第1部材に配設されるので、アーム部材の回転角度に応じて摺動溝の向き(傾斜方向)を変化させることができる。例えば、摺動溝を略ハの字状に配置することや一直線状に配置することができる。これにより、例えば、アーム部材の変位が停止され、慣性力の作用により第1部材が往復動される際に、摺動溝が略ハの字状に配置される場合には、第1部材の動きに回転成分を付与可能としつつ、その往復動をハの字の中央へ向けて速やかに収束させることができ、また、摺動溝が一直線状に配置される場合には、第1部材の動きを直線成分のみとすることができる。
【1357】
また、摺動溝が直線状に形成されることで、ピン部を摺動溝に沿ってスムーズに摺動させることができるので、アーム部材の変位に伴う第1部材の相対変位を安定化することができると共に、駆動手段の負荷を抑制できる。
【1358】
遊技機B3からB6のいずれかにおいて、前記摺動溝の一方の端部または他方の端部と前記ピン部との間に形成される隙間は、重力の作用により前記第1部材の移動を許容する方向に配置されることを特徴とする遊技機B7。
【1359】
遊技機B7によれば、遊技機B3からB6のいずれかにおいて、摺動溝の一方の端部または他方の端部とピン部との間に形成される隙間は、重力の作用により第1部材の移動を許容する方向に配置されるので、第1部材の動きとして、アーム部材の変位に従動される動きに加え、アーム部材の変位に従動せず重力の作用により自由落下する動きも形成できる。これにより、第1部材の動きに変化を与えることができる。
【1360】
遊技機B3からB7のいずれかにおいて、前記第1部材は、前記アーム部材の一端が連結される本体部と、その本体部に変位可能に配設される被駆動部と、その被駆動部に駆動力を付与する第2駆動手段とを備えることを特徴とする遊技機B8。
【1361】
遊技機B8によれば、遊技機B3からB7のいずれかにおいて、第1部材は、アーム部材の一端が連結される本体部と、その本体部に変位可能に配設される被駆動部と、その被駆動部に駆動力を付与する第2駆動手段とを備えるので、第2駆動手段の駆動力により被駆動部を本体部に対して相対変位させる演出を行うことができる。この場合、本体部には、被駆動部の変位に伴う反力が作用されるので、その反力によりピン部を摺動溝の一端および他端へ向けて往復動させる変位を形成することができる。その結果、アーム部材の変位が停止された状態において、本体部(第1部材)を変位(例えば、往復動)させることができる。
【1362】
遊技機B8において、前記被駆動部は、前記本体部に回転可能に軸支され、前記第2駆動手段から付与される駆動力により回転されることを特徴とする遊技機B9。
【1363】
遊技機B9によれば、遊技機B8の奏する効果に加え、被駆動部は、前記本体部に回転可能に軸支され、前記第2駆動手段から付与される駆動力により回転されるので、アーム部材の変位が停止された状態において、駆動部の回転に伴う反力を本体部に作用させて本体部を変位させる際には、本体部の動きに回転の成分を発生させやすくできる。
【1364】
被駆動部の形状としては、例えば、円形、多角形、長尺形状などが例示される。この場合、被駆動部は、その重心位置が回転中心(本体部に軸支される位置)から偏心されていても良い。これにより、駆動部の回転に伴う反力を大きくできると共に回転角に対する反力の変動を大きくして、本体部の動きに変化を与えることができる。
【1365】
遊技機B9において、前記被駆動部の回転中心が前記一対のピン部の間に位置されることを特徴とする遊技機B10。
【1366】
遊技機B10によれば、遊技機B9の奏する効果に加え、被駆動部の回転中心が前記一対のピン部の間に位置されるので、駆動部の回転に伴う反力を本体部の回転の動きに繋げやすくできる。
【1367】
遊技機B1からB10のいずれかにおいて、変位可能に形成される第2変位部材を備え、その第2変位部材が第1部材に当接可能に形成されることを特徴とする遊技機B11。
【1368】
遊技機B11によれば、遊技機B1からB10の奏する効果に加え、変位可能に形成される第2変位部材を備え、その第2変位部材が第1部材に当接可能に形成されるので、かかる当接により、第1部材の動きを規制することと、第1部材の動きに変化を与えることとの両者を達成することができる。例えば、アーム部材を基準位置で停止させる際に、第2変位部材を第1部材に当接させることで、アーム部材の停止に伴い発生する慣性力で第1部材が変位(往復動)されることを抑制できる。一方、例えば、アーム部材および第1部材が停止されている状態で、第2変位部材を第1部材に衝突させ、第1部材を跳ね飛ばすことで、アーム部材に対して第1部材を相対変位させる態様や、第2変位部材と一体となった状態で第1部材を変位させる態様を形成することができる。
【1369】
更に、第1部材が本体部と被駆動部とを備える場合には、第2変位部材を本体部に当接させておくことで、本体部は停止状態に維持しつつ被駆動部のみを変位させることができる。即ち、被駆動部の変位に伴う反力で本体部を被駆動部と共に変位させる態様と、被駆動部のみを変位させる態様とを形成することができる。
【1370】
遊技機B1からB11のいずれかにおいて、変位可能に形成される第2変位部材を備え、前記第1部材または第2変位部材の一方には磁石が配設されると共に、前記第1部材または第2変位部材の他方には磁石または鉄製部材が配設され、前記第2変位部材が所定位置まで変位された場合には、前記一方の磁石と他方の磁石または鉄製部材との間で磁力が作用されることを特徴とする遊技機B12。
【1371】
遊技機B12によれば、遊技機B1からB11のいずれかの奏する効果に加え、変位可能に形成される第2変位部材を備え、第1部材または第2変位部材の一方には配設された磁石と、第1部材または第2変位部材の他方に配設された磁石または鉄製部材との間で磁力が作用されるので、かかる磁力の作用により、第1部材の動きを規制する、或いは、第1部材を変位させることができる。例えば、アーム部材を基準位置で停止させた後に、第2変位部材を第1部材に近接離間させることで、磁力の作用により、第1部材を変位(往復動)させることができる。なお、磁力の作用により第1部材の変位を規制できるので、第1部材と第2変位部材とを当接させる必要がなく、両者を非接触とできるので、損傷を抑制できる。
【1372】
<第1回転体340a及び第2回転体340bを一例とする発明の概念について>
C1.駆動手段と、その駆動手段の駆動力を伝達する伝達手段と、その伝達手段から伝達される駆動力により回転されると共に外周面に複数の図形が描かれた第1回転体および第2回転体とを少なくとも備え、第1回転体の図形と第2回転体の図形とを遊技者に視認させる遊技機において、前記伝達手段は、第1回転体の回転状態と第2回転体の回転状態とが異なるように前記駆動手段の駆動力を前記第1回転体および第2回転体へ伝達可能に形成されることを特徴とする遊技機C1。
【1373】
ここで、外周面に複数の図形が描かれた第1回転体および第2回転体を備え、それら第1回転体と第2回転体を回転させて、第1回転体の外周面に描かれた図形と第2回転体の外周面に描かれた図形とをそれぞれ遊技者に視認させる遊技機が知られている(特開2013-220215号公報)。この場合、第1回転体は第1の駆動モータ(駆動手段)により、第2回転体は第2の駆動モータにより、それぞれ独立して回転駆動され、遊技者が視認する第1回転体の図形と第2回転体の図形との組み合わせが変更可能とされる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、回転体と同じ数の駆動モータが必要となるため、その分、コストが嵩むという問題点があった。
【1374】
これに対し、遊技機C1によれば、伝達手段が、第1回転体の回転状態と第2回転体の回転状態とが異なるように駆動手段の駆動力を第1回転体および第2回転体へ伝達可能に形成されるので、1の駆動手段であっても、遊技者が視認する第1回転体の図形と第2回転体の図形との組み合わせを変更できる。即ち、駆動手段の必要数を低減して、その分、コストを削減できる。
【1375】
なお、一方の回転体と他方の回転体との異なる回転状態としては、例えば、一方の回転体と他方の回転体との回転速度が異なる状態、及び、一方の回転体が回転されると共に他方の回転体が停止される状態が例示される。回転速度は、一定である必要はなく、増減しても良い。
【1376】
また、各回転体の外周面に描かれる複数の図形としては、例えば、文字や図柄、色彩、模様、或いは、これらの組み合わせが例示される。この場合、図形は、文字や図柄の一部(他の図形と組み合わさって1の文字や図柄を形成するもの)であっても良く、全部(その図形のみで1の文字や図柄を形成するもの)であっても良い。
【1377】
遊技機C1において、前記伝達手段は、駆動手段の回転を、前記第1回転体および第2回転体へそれぞれ異なる回転比で伝達することを特徴とする遊技機C2。
【1378】
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、伝達手段は、駆動手段の回転を、第1回転体および第2回転体へそれぞれ異なる回転比で伝達するので、第1回転体の回転周期と第2回転体の回転周期とを異ならせることができる。よって、1の駆動手段であっても、遊技者が視認する第1回転体の図形と第2回転体の図形との組み合わせを変更できる。
【1379】
また、伝達手段は、駆動手段から第1回転体および第2回転体へ伝達する回転の回転比を異ならせる構成なので、かかる伝達手段の構造の簡素化を図ることができる。
【1380】
なお、伝達手段としては、例えば、噛み合いで回転を伝える機構(歯車伝達機構やチェーン伝達機構)や摩擦で回転を伝える機構(摩擦伝達機構やベルト伝達機構)が例示される。歯車伝達機構としては、平歯車、ウォームとウォーム歯車、かさ歯車、或いは、ラックとピニオンが、チェーン伝達機構としては、チェーン及びスプロケットが、摩擦伝達機構としては、摩擦歯車が、ベルト伝達機構としては、プーリとベルトが、それぞれ例示される。
【1381】
この場合、第1回転体の回転軸と駆動手段の駆動軸との間、及び、第2回転体の回転軸と駆動手段の駆動軸との間のそれぞれに、上述した噛み合いで回転を伝える機構または摩擦で回転を伝える機構が配設されるものであっても良く、第1回転体および第2回転体の一方は、その回転軸が駆動手段の駆動軸に直結され、第1回転体および第2回転体の他方の回転軸と駆動手段の駆動軸との間に、上述した噛み合いで回転を伝える機構または摩擦で回転を伝える機構が配設されるものであっても良い。後者の場合には、回転を伝える機構を構成するための部品(歯車など)の数を抑制して、その分、コストの低減を図ることができる。
【1382】
遊技機C2において、前記第1回転体および第2回転体は、その外周面に描かれた図形を遊技者に視認可能とする視認位置において、一方の位相に対して他方の位相がずれた状態で停止されることを特徴とする遊技機C3。
【1383】
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、現出させることのできる図形の組み合わせの数を増加させることができると共に、所望の図形の組み合わせを現出させるために必要とされる回転数を抑制して短時間で現出させることができる。
【1384】
即ち、外周面に描かれた図形を遊技者に視認させる視認位置に第1回転体および第2回転体を停止させる際に、それら両回転体の両者の位相が一致することを要求すると、組み合わせ可能な図形の数が少なくなると共に、所望の図形の組み合わせを現出させるために必要とされる回転数が多くなる(テーブルが長くなる)。これに対し、遊技機C3によれば、第1回転体および第2回転体が視認位置に停止される際には、両回転体の一方の位相に対して他方の位相をずれた状態とするので、現出させることのできる図形の組み合わせの数を増加させることができると共に、所望の図形の組み合わせを現出させるために必要とされる回転数を抑制して短時間で現出させることができる。
【1385】
この場合、第1回転体および第2回転体は、その外周面の少なくとも一部または全部が、回転軸に直交する断面視において、外方へ凸となる円弧状に湾曲して形状されることが好ましい。これにより、視認位置に停止された第1回転体および第2回転体の間に位相のずれがある場合でも、その位相のずれを遊技者に認識させ難くできるからである。
【1386】
遊技機C1において、前記伝達手段は、前記駆動手段の回転を前記第1回転体へ伝達する第1伝達手段と、前記駆動手段の回転を前記第2回転体へ伝達する第2伝達手段とを備え、前記第1伝達手段または第2伝達手段の少なくとも一方は、互いに歯合可能とされる2の歯車を少なくとも備え、それら2の歯車のうちの一方の歯車は、他方の歯車と歯合して回転を伝達する歯合領域と前記他方の歯車との歯合を非歯合として回転の伝達を遮断する非歯合領域とを備えることを特徴とする遊技機C4。
【1387】
遊技機C4によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、駆動手段の回転を第1回転体へ伝達する第1伝達手段、及び、駆動手段の回転を第2回転体へ伝達する第2伝達手段の少なくとも一方は、互いに歯合可能とされる2の歯車を少なくとも備え、それら2の歯車のうちの一方の歯車は、他方の歯車と歯合して回転を伝達する歯合領域と他方の歯車との歯合を非歯合として回転の伝達を遮断する非歯合領域とを備えるので、第1回転体および第2回転体の一方を停止させつつ他方を回転させる状態と、第1回転体および第2回転体の両者を回転させる状態と、を形成することができる。よって、1の駆動手段であっても、遊技者が視認する第1回転体の図形と第2回転体の図形との組み合わせを変更できる。
【1388】
また、このように、伝達手段は、第1回転体および第2回転体の他方を回転させつつ、一方の回転を停止させると共にその停止を解除して回転を再開させることができるので、第1回転体の図形と第2回転体の図形との組み合わせを視認する遊技者の期待感を高めることができる。
【1389】
なお、第1伝達手段または第2伝達手段の両者が、互いに歯合可能とされる2の歯車を少なくとも備えると共に、それら2の歯車のうちの一方の歯車が、歯合領域と非歯合領域とを備えるものであっても良い。これにより、第1回転体および第2回転体の両者が回転する状態、両者が停止する状態、一方が停止し他方が回転する状態、一方が回転し他方が停止する状態を形成することができる。
【1390】
遊技機C4において、前記第1伝達手段または第2伝達手段の一方のみが前記歯合領域および非歯合領域を有する歯車を備え、前記非歯合領域の形成範囲は、前記第1回転体または第2回転体の他方の外周面に複数描かれた図形の間隔に対応して設定されることを特徴とする遊技機C5。
【1391】
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、第1伝達手段または第2伝達手段の一方のみが歯合領域および非歯合領域を有する歯車を備えるので、駆動手段が駆動されている状態では、第1回転体または第2回転体の一方は、回転と停止とが切り替えられ、他方は回転が維持される。この場合、非歯合領域の形成範囲は、第1回転体または第2回転体の他方の外周面に複数描かれた図形の間隔に対応して設定されるので、第1回転体の図形と第2回転体の図形との組み合わせを要素とするテーブルの長さを短くすることができる。よって、所望の図形の組み合わせを現出させるのに要する第1回転体および第2回転体の回転数を抑制できる。即ち、所望の図形の組み合わせを現出させるのに必要な時間を短縮できる。
【1392】
なお、非歯合領域の形成範囲が、他方の外周面に複数描かれた図形の間隔に対応して設定されるとは、第1回転体または第2回転体の一方が非歯合領域により停止されている間に、他方がn個分(nは1を含む整数)の図形の間隔に対応する回転角だけ回転されることを意味する。特に、n=1に設定されることが好ましい。上述したテーブルの長さを最短して、所望の図形の組み合わせを現出させるのに必要な回転数を最少とできるからである。
【1393】
遊技機C2からC5のいずれかにおいて、前記伝達手段は、前記駆動手段の正方向への回転を前記第1回転体および第2回転体へ伝達する正方向伝達手段と、前記駆動手段の正方向とは反対の逆方向への回転を前記第1回転体および第2回転体へ伝達する逆方向伝達手段と、前記駆動手段が正方向へ回転された場合にはその駆動手段の回転の前記正方向伝達手段への伝達を許容すると共に前記逆方向伝達手段への伝達を遮断し且つ前記駆動手段が逆方向へ回転された場合にはその駆動手段の回転の前記正方向伝達手段への伝達を遮断すると共に前記逆方向伝達手段への伝達を許容する切換手段とを備えることを特徴とする遊技機C6。
【1394】
遊技機C6によれば、遊技機C2からC5のいずれかの奏する効果において、駆動手段が正方向へ回転された場合には、切換手段によって、駆動手段の回転の正方向伝達手段への伝達が許容されると共に逆方向伝達手段への伝達を遮断され、且つ、駆動手段が逆方向へ回転された場合には、切換手段によって、駆動手段の回転の正方向伝達手段への伝達が遮断されると共に逆方向伝達手段への伝達が許容されるので、駆動手段が正方向へ回転される場合と逆方向へ回転される場合とで、遊技者が視認する第1回転体の図形と第2回転体の図形との組み合わせの種類を異ならせることができる。即ち、第1回転体の図形と第2回転体の図形との組み合わせを要素とするテーブルを2種類とし、駆動手段の回転方向に変更することで、かかる2種類のテーブルを任意に選択可能とすることができる。
【1395】
なお、正方向伝達手段および逆方向伝達手段としては、遊技機C2又はC3で説明した第1の構造(第1回転体と第2回転体との回転比を異ならせる構造)、遊技機C4又はC5で説明した第2の構造(非歯合領域により第1回転体または第2回転体の一方を停止させる構造)、及び、第1回転体および第2回転体を同速度で同期回転させる第3の構造のうちから任意に選択することができる。
【1396】
例えば、正方向伝達手段として第1の構造を、逆方向伝達手段として第2の構造を、それぞれ選択する場合が例示される。また、正方向伝達手段および逆方向伝達手段に同じ構造を選択しても良い。例えば、正方向伝達手段および逆方向伝達手段として、第1の構造を選択する場合、或いは、第2の構造を選択する場合がそれぞれ例示される。前者の場合には、正方向伝達手段と逆方向伝達手段とで回転比を異なるものとし、後者の場合には、正方向伝達手段と逆方向伝達手段とで歯合領域と非歯合領域との形成割合を異なるものとする。これによっても、第1回転体の図形と第2回転体の図形との組み合わせを要素とするテーブルを2種類とし、駆動手段の回転方向に変更することで、かかる2種類のテーブルを任意に選択可能とすることができる。
【1397】
また、駆動手段が正方向へ回転される際の第1回転体および第2回転体の回転方向と、駆動手段が逆方向へ回転される際の第1回転体および第2回転体の回転方向とは、同方向であっても良く、逆方向であっても良い。但し、同方向とすることが好ましい。駆動手段の回転方向に変更して、テーブルが変更されたことを遊技者に意識させ難くできるからである。
【1398】
遊技機C1からC6のいずれかにおいて、前記第1回転体および第2回転体の少なくとも一方の内部に配設される発光手段を備えると共に、第1回転体および第2回転体の少なくとも一方の外周面の少なくとも一部が光透過性の材料から形成されることを特徴とする遊技機C7。
【1399】
遊技機C7によれば、遊技機C1からC6のいずれかにおいて、第1回転体および第2回転体の少なくとも一方の外周面の少なくとも一部が光透過性の材料から形成されるので、第1回転体および第2回転体の少なくとも一方の内部に配設される発光手段の発光を遊技者に視認させることができる。
【1400】
なお、発光手段の発光は、常時発光させても良く、所定条件下で発光させても良い。所定条件としては、例えば、第1回転体の図形と第2回転体の図形とが特定の組み合わせを形成した場合、第1回転体または第2回転体の一方が停止している場合、その停止が実行される前または停止後に回転を再開する場合、などが例示される。
【1401】
遊技機C7において、前面が開放した箱状に形成されると共に前記第1回転体および第2回転体が収容され前記前面の開放部分を介して前記第1回転体および第2回転体の外周面に描かれた図形を遊技者に視認させる収容体を備えることを特徴とする遊技機C8。
【1402】
遊技機C8によれば、遊技機C7の奏する効果に加え、前面が開放した箱状に形成されると共に第1回転体および第2回転体が収容され前面の開放部分を介して前記第1回転体および第2回転体の外周面に描かれた図形を遊技者に視認させる収容体を備えるので、かかる収容体を利用して発光手段の発光を遊技者に視認させることができる。即ち、発光手段の発光を直接視認させる場合と異なる態様で遊技者に視認させることができる。例えば、発光手段から発光された光を収容体の内壁面で反射させて遊技者に視認させる態様、発光手段から発光され収容体の壁部を透過して所定の対象物に照射された光を所定の対象物と共に遊技者に視認させる態様、発光手段から発光された光を収容体の壁部内に入射させて収容体の所定部位(例えば、前面の端面)を発光させる形態、などが例示される。
【1403】
なお、上記各態様は、例えば、第1回転体または第2回転体の少なくとも一方に描かれた複数の図形のうちの特定の図形が第1回転体または第2回転体の背面側(即ち、遊技者から視認不能な位置)に配置された際に実行されることが好ましい。遊技者から視認不能な位置に配置された特定の図形を、発光手段の発光に伴って、遊技者に連想させる(特定の図形が視認可能となるように第1回転体または第2回転体が回転されることを期待させる)ことができるからである。特に、かかる発光手段の発光は、第1回転体または第2回転体の少なくとも一方が停止されている状態において実行されることが好ましい。
【1404】
遊技機C1からC8において、前記第1回転体および第2回転体が収容される収容体と、その収容体を前記第1回転体および第2回転体が遊技者から視認可能な演出位置と遊技者から視認不能な退避位置との間で移動させる移動手段とを備えることを特徴とする遊技機C9。
【1405】
遊技機C9によれば、遊技機C1からC8のいずれかの奏する効果に加え、第1回転体および第2回転体が収容される収容体を、第1回転体および第2回転体が遊技者から視認可能な演出位置と遊技者から視認不能な退避位置との間で移動させる移動手段を備えるので、第1回転体の図形と第2回転体の図形との組み合わせのうちの所望の組み合わせを必要なタイミングで速やかに現出させることができる。
【1406】
即ち、本発明では、所望の組み合わせを現出させるために第1回転体および第2回転体を比較的多く回転させる必要があり、時間が嵩むところ、移動手段により第1回転体および第2回転体を遊技者から視認不能な退避位置に移動させることができるので、かかる退避位置において事前に第1回転体および第2回転体を所定の回転位置まで回転させておくことができ、これにより、必要なタイミングが到来した際には、移動手段により第1回転体および第2回転体を演出位置に移動させると共に、所望の組み合わせを速やかに現出させることができる。
【1407】
遊技機C9において、所定の動作を実行する動作手段を備え、前記第1回転体および第2回転体の回転が、前記退避位置に配置され且つ前記動作手段が動作される場合に行われることを特徴とする遊技機C10。
【1408】
遊技機C10によれば、遊技機C9の奏する効果に加え、第1回転体および第2回転体の回転が、退避位置に配置され且つ動作手段が動作される場合に行われるので、第1回転体および第2回転体を退避位置において事前に回転させておく場合に、その回転が遊技者に認識されることを抑制できる。
【1409】
即ち、第1回転体および第2回転体を回転させる際には、比較的大きな音が発生するため、退避位置に移動されて、遊技者から視認不能とされたとしても、第1回転体および第2回転体の回転により発生する音によってその回転が遊技者に認識されるおそれがある。これに対し、遊技機C10によれば、第1回転体および第2回転体の回転を、動作手段の動作に紛れ込ませて行うことができるので、かかる回転を遊技者に認識させ難くすることができる。
【1410】
なお、動作手段としては、例えば、払出装置や音声発生装置などが例示される。即ち、払出装置により遊技媒体の払い出しが行われている状態では、その遊技媒体の払い出し動作に伴い、比較的大きな音が発生する。よって、遊技者に第1回転体等の回転を認識させ難くできる。音声発生装置から音声が発生されている状態も同様である。また、これに代えて、或いは、これに加えて、表示装置において所定の表示が行われている場合に、第1回転体および第2回転体の回転を行うようにしても良い。表示装置で行われている所定の表示に遊技者の意識が集中しているため、第1回転体等の回転を遊技者に認識させ難くできる。
【1411】
<LED344を一例とする発明の概念について>
外周面に複数の図形が描かれると共に外周面を形成する外壁の少なくとも一部が光透過性の材料から形成される回転体と、その回転体の内部に配設される発光手段と、前記回転体が回転可能に収容され前面の開放部分を介して前記回転体の外周面に描かれた図形を遊技者に視認させる収容体とを備える遊技機において、前記発光手段から発光され前記回転体の外壁から透過された光が、前記収容体で反射して遊技者に視認されることを特徴とする遊技機D1。
【1412】
ここで、外周面に複数の図形が描かれると共に外周面を形成する外壁の一部が光透過性の材料から形成される回転体と、その回転体の内部に配設される発光手段と、回転体が回転可能に収容される収容体とを備え、回転体の外周面に描かれた図形を収容体の前面の開放部分から遊技者に視認させる遊技機が知られている(特開2013-220215号公報)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、発光手段の光は、収容体の前面の開放部分から視認される回転体の外壁を透過して、遊技者に直接的に視認されるのみであり、その光の演出効果が有効に発揮されていないという問題点があった。
【1413】
これに対し、遊技機D1によれば、発光手段から発光され回転体の外壁から透過された光が、収容体で反射して遊技者に視認されるので、回転体の外壁を透過した光を直接的に視認する場合とは異なる態様で光を遊技者に視認させることができ、その結果、光の演出効果を有効に発揮させることができる。
【1414】
遊技機D1において、前記回転体の外壁には、光透過性の材料から形成され前記発光手段から発光された光を前記回転体の外部に透過させる透過部と、光を反射可能な材料から形成され前記発光手段から発光された光を前記回転体の内部へ反射させる反射部とが形成され、前記回転体の回転時に前記透過部および反射部が前記発光手段から発光された光の照射領域を通過可能とされることを特徴とする遊技機D2。
【1415】
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、回転体の外壁には、発光手段から発光された光を回転体の外部に透過させる透過部と、発光手段から発光された光を回転体の内部へ反射させる反射部とが形成され、回転体の回転時に透過部および反射部が発光手段から発光された光の照射領域を通過可能とされるので、発光手段から発光された光を透過部から外部へ直接透過させる態様と、発光手段から発光された光を反射部で反射させた後に透過部から外部へ透過させる形態とを形成することができると共に、それら各形態を回転体の回転に伴って切り替えることができる。即ち、1の発光手段のみで2つの発光形態を形成でき、例えば、発光手段の照射方向を可動とする構造を採用しなくても、遊技者から視認される光の位置を少なくとも2箇所に切り替えることができる。その結果、部品点数の削減と構造の簡素化とを図りつつ、光の演出効果を有効に発揮させることができる。
【1416】
遊技機D2において、前記発光手段は、前記収容体の前記前面の開放部分へ向けて光を照射する姿勢で配設されることを特徴とする遊技機D3。
【1417】
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、発光手段は、収容体の前面の開放部分へ向けて光を照射する姿勢で配設されるので、発光手段から発光された光を透過部から外部へ直接透過させる態様では、その光を、収容体の前面の開放部分に位置する回転体の外周面から遊技者に視認させることができる一方、発光手段から発光された光を反射部で反射させた後に透過部から外部へ透過させる形態では、収容体の前面の開放部分に位置する回転体の外周面からは光の視認を不能として、収容体の内壁面から反射した光を回転体の周囲において遊技者に視認させることができる。これにより、回転体の回転に伴い、光が視認される位置を切り替えることができると共に、その視認される位置を大きく相違させることができ、その結果、光の演出効果を有効に発揮させることができる。
【1418】
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記回転体は、断面略多角形の略角柱状体として形成されることを特徴とする遊技機D4。
【1419】
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかの奏する効果に加え、回転体が断面多角形の角柱状体として形成されるので、回転体の回転に伴って、回転体の見かけの直径を変化(増減)させることができる。よって、発光手段から発光された光を反射部で反射させた後に透過部から外部へ透過させ、収容体の内壁面から反射した光を回転体の周囲において遊技者に視認させる場合に、光を視認される領域の大きさを回転体の回転に伴って増減させることができ、その結果、光の演出効果を有効に発揮させることができる。
【1420】
遊技機D4において、前記回転体は、第1回転体と、その第1回転体に略平行に並設される第2回転体とを備え、それら第1回転体および第2回転体は、それぞれ断面略三角形の略三角柱状体として形成されることを特徴とする遊技機D5。
【1421】
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、回転体は、第1回転体と、その第1回転体に略平行に並設される第2回転体とを備え、それら第1回転体および第2回転体がそれぞれ断面三角形の三角柱状体として形成されるので、第1回転体および第2回転体の回転に伴って、第1回転体および第2回転体の間の隙間(対向間隔)を変化させることができる。よって、発光手段から発光された光を反射部で反射させた後に透過部から外部へ透過させ、収容体の内壁面から反射した光を、第1回転体および第2回転体の間の隙間から遊技者に視認させる場合に、光を視認される領域の大きさを回転体の回転に伴って増減させることができ、その結果、光の演出効果を有効に発揮させることができる。
【1422】
遊技機D5において、前記第1回転体または第2回転体のうちの少なくとも一方は、前記断面略三角形の外面のうちの一の外面を形成する外壁の内面に前記反射部が配設されると共に残りの二の外面を形成する各外壁に前記透過部がそれぞれ配設されることを特徴とする遊技機D6。
【1423】
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、第1回転体または第2回転体のうちの少なくとも一方は、断面略三角形の外面のうちの一の外面を形成する外壁の内面に反射部が配設されると共に残りの二の外面を形成する各外壁に透過部がそれぞれ配設されるので、発光手段から発光された光を反射部で反射させた後に透過部から外部へ透過させる場合には、2箇所の外面(透過部)から光を外部へ透過させることができる。よって、収容体の内壁面の異なる2箇所で光を反射させて遊技者に視認させることができる、或いは、一方の透過部から透過した光は遊技者に直接視認させつつ他方の透過部から透過した光を収容体の内壁面で反射させて遊技者に視認させることができ、その結果、光の演出効果を有効に発揮させることができる。
【1424】
遊技機D6において、前記収容体は、前面が開放した箱状体に形成され、前記箱状体の背面側の内壁面には、光を反射可能な材料から形成される反射部が前記第1回転体および第2回転体の外形を越える範囲に配設されることを特徴とする遊技機D7。
【1425】
遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、収容体は、前面が開放した箱状体に形成され、箱状体の背面側の内壁面には、光を反射可能な材料から形成される反射部が第1回転体および第2回転体の外形を越える範囲に配設されるので、発光手段から発光された光を反射部で反射させた後に透過部から外部へ透過させる場合に、箱状体の背面側の内壁面から反射する光を、第1回転体および第2回転体の間の隙間、及び、第1回転体および第2回転体の周囲において遊技者に視認させることができると共に、その光を各回転体の回転と共に変化させることができ、その結果、光の演出効果を有効に発揮させることができる。
【1426】
遊技機D7において、前記収容体は、前記箱状体の側面側の内壁面であって、前記第1回転体および第2回転体の回転軸に平行に対面する内壁面に、光を反射可能な材料から形成される反射部が配設されることを特徴とする遊技機D8。
【1427】
遊技機D8によれば、遊技機D7の奏する効果に加え、収容体は、箱状体の側面側の内壁面であって、第1回転体および第2回転体の回転軸に平行に対面する内壁面に、光を反射可能な材料から形成される反射部が配設されるので、収容体の背面側の内壁面で反射した光を更に側面側の内壁面で反射させて遊技者に視認させることができると共に、透過部から透過した光を収容体の側面側の内壁面に反射させて遊技者に視認させることができ、その結果、光の演出効果を有効に発揮させることができる。
【1428】
<特徴E群>(AQモード)
判定条件の成立に基づいて、判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果を示す識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示することが可能な動的表示手段と、前記識別情報により特定の判定結果を示す前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記識別情報は、複数の識別情報が組み合わせて表示されることにより、前記判定手段の判定結果を示すように構成されており、複数の図柄を外周面に有した第1回転体とその第1回転体とは異なる第2回転体とを少なくとも有した図柄表示手段と、前記第1回転体と前記第2回転体とを回動制御する回動制御手段と、第1遊技状態とその第1遊技状態とは異なる第2遊技状態との少なくとも一方を設定することが可能な状態設定手段と、その状態設定手段により前記第1遊技状態が設定されている場合には、前記識別情報の組み合わせにより前記判定手段による判定結果を示し、前記第2遊技状態が設定されている場合には、前記識別情報の組み合わせと、前記図柄表示手段で表示される図柄の組み合わせとで、前記判定手段による判定結果を示すように切り替えて設定する切替設定手段とを有するものであることを特徴とする遊技機E1。
【1429】
ここで、従来のパチンコ機等の遊技機において、液晶画面に図柄を表示する代わりに複数の図柄を有した回転体を回転させることにより、複数の図柄の組み合わせで図柄を表示可能な遊技機が提案されている(例えば、特開2008-23040号公報)。しかしながら、この種のパチンコ機においても、常に回転体を回転させて図柄を表示する遊技しか行われず、遊技者が退屈するという問題点があった。遊技機E1は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技者が遊技に早期に飽きてしまう不具合を低減することができる遊技機を提供することを目的としている。
【1430】
遊技機E1によれば、判定条件の成立に基づいて、判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果を示す識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示することが可能な動的表示手段と、前記識別情報により特定の判定結果を示す前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有し、前記識別情報は、複数の識別情報が組み合わせて表示されることにより、前記判定手段の判定結果を示すように構成されており、複数の図柄を外周面に有した第1回転体とその第1回転体とは異なる第2回転体とを少なくとも有した図柄表示手段と、前記第1回転体と前記第2回転体とを回動制御する回動制御手段と、第1遊技状態とその第1遊技状態とは異なる第2遊技状態との少なくとも一方を設定することが可能な状態設定手段と、その状態設定手段により前記第1遊技状態が設定されている場合には、前記識別情報の組み合わせにより前記判定手段による判定結果を示し、前記第2遊技状態が設定されている場合には、前記識別情報の組み合わせと、前記図柄表示手段で表示される図柄の組み合わせとで、前記判定手段による判定結果を示すように切り替えて設定する切替設定手段とを有するものである。よって、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
【1431】
遊技機E1において、前記第1回転体と前記第2回転体とをそれぞれ視認可能な第1位置とその第1位置よりも視認し難い第2位置とに可変させる可変手段を有し、その可変手段は、前記状態設定手段により前記第1遊技状態が設定されている場合に、前記第2遊技状態が設定されている場合よりも前記第2位置に前記第1回転体と前記第2回転体とを可変させやすいものであることを特徴とする遊技機E2。
【1432】
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態に基づき可変手段によって第1回転体と第2回転体とを第1位置または第2位置へと可変することができる。
【1433】
これにより、第1回転体と第2回転体の位置によって遊技状態を想定することが可能となるため、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
【1434】
遊技機E1またはE2において、前記第1回転体と前記第2回転体とで表示される図柄の組み合わせが特定の組み合わせとなると、前記表示手段に特定の演出を実行する演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機E3。
【1435】
遊技機E3によれば、遊技機E1またはE2の奏する効果に加え、第1回転体と第2回転体とで表示される図柄の組合せに基づく演出を表示手段によって実行することが可能となるので、図柄表示手段と表示手段とで演出を関連付けることが可能となり、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
【1436】
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、前記第1回転と前記第2回転体とを回転させる駆動力を伝達する駆動伝達手段を有し、前記駆動伝達手段は、前記第1回転体および第2回転体へとそれぞれ異なる回転比で前記駆動力を伝達することを特徴とする遊技機E4。
【1437】
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3の奏する効果に加え、駆動伝達手段による駆動力の伝達によって第1回転体と第2回転体とでさまざまな表示態様を表示することが可能となるので、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
【1438】
遊技機E1からE4のいずれかにおいて、取得手段の成立に基づいて、前記判定手段により判定される情報を取得する取得手段と、少なくとも前記判定条件が成立するまで、前記取得手段により取得された前記情報を記憶する記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報について、前記判定条件が成立するよりも前に判定を実行する事前判定手段と、前記第2遊技状態が設定されている場合に、前記事前判定手段の判定結果に基づいて、前記第1回転体と前記第2回転体とで表示される図柄の組み合わせを決定する決定手段とを有するものであることを特徴とする遊技機E5。
【1439】
遊技機E5によれば、遊技機E1からE4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、事前判定手段の判定結果に基づいて第1回転体と第2回転体とで表示される図柄の組合せが決定されるため、その決定された図柄の組合せが表示されるまでの時間を確保することができる。
【1440】
これにより、例えば表示されるまでの時間を用いて遊技者に演出を提供することが可能となる。よって、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
【1441】
遊技機E5において、前記決定手段により決定された図柄の組み合わせが決定された場合に、前記事前判定手段により判定された情報に対応する前記識別情報の動的表示が開始されるまでに、事前に所定量、前記第1回転体と前記第2回転体とをそれぞれ回動させる事前回動手段とを有するものであることを特徴とする遊技機E6。
【1442】
遊技機E6によれば、遊技機E5の奏する効果に加え、事前判定手段により判定された情報に対応する識別情報の動的表示が開始されるまでに、第1回転体と第2回転体とを所定量回動させることが可能となるので、決定手段によって決定された図柄の組合せを確実に表示させることが可能となるという効果がある。
【1443】
<特徴F群>(音量をデモ時に表示)
判定条件の成立に基づいて、判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果に基づいて、演出を実行する演出実行手段と、その演出実行手段により実行される演出に基づいた音声が出力される音声出力手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されることに基づいて、音量を設定する音量設定手段と、を有した遊技機において、前記演出実行手段により演出が実行されている期間のうち、特定の期間である場合に前記操作手段による操作を有効に設定する設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機F1。
【1444】
ここで、従来のパチンコ機等の遊技機において、音声出力装置を備えて、遊技の演出等の音声の音量を設定可能な遊技機が提案されている(例えば、特開2005-237647号公報)。しかしながら、この種のパチンコ機においては、遊技に基づく演出が実行されていない状態においてのみ音量を設定可能であり、遊技に基づく演出が実行された際に意図しない音量の音声が出力されてしまうという問題点があった。遊技機F1は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技者の好みの音量で遊技を行うことができる遊技機を提供することを目的としている。
【1445】
遊技機F1によれば、判定条件の成立に基づいて、判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果に基づいて、演出を実行する演出実行手段と、その演出実行手段により実行される演出に基づいた音声が出力される音声出力手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されることに基づいて、音量を設定する音量設定手段と、を有した遊技機において、前記演出実行手段により演出が実行されている期間のうち、特定の期間である場合に前記操作手段による操作を有効に設定する設定手段と、を有するものである。これにより、音量調整を適宜することができる。よって、遊技者の好みの音量で遊技できるという効果がある。
【1446】
遊技機F1において、前記演出実行手段により実行される演出の内容を決定する演出決定手段と、その演出決定手段により決定された演出に基づいて、前記特定の期間を設定する特定期間設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機F2。
【1447】
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、演出の内容に基づいて特定の期間を設定することができるので、演出を阻害しない範囲で音量を設定することができ、演出効果が損なわれることを抑制することができるという効果がある。
【1448】
遊技機F1またはF2において、前記設定手段は、前記演出実行手段により演出が所定期間実行されない場合に、前記操作手段による操作を有効に設定する有効期間を設定するものであることを特徴とする遊技機F3。
【1449】
遊技機F3によれば、遊技機F1またはF2の奏する効果に加え、演出実行手段により演出が所定期間実行されない場合にも音量を設定することが可能であるので、遊技者が所望のタイミングで音量を設定することができるという効果がある。
【1450】
遊技機F1からF3のいずれかにおいて、前記演出実行手段により演出態様が表示される表示手段と、前記設定手段により前記特定の期間が設定されていることを示す設定態様を前記表示手段に表示させる設定態様表示制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機F4。
【1451】
遊技機F4によれば、遊技機F1からF3のいずれかの奏する効果に加え、音量を設定可能な期間を表示手段に表示させることができるので、遊技者が音量を設定可能な期間を容易に把握でき、遊技者が容易に音量を設定することができるという効果がある。
【1452】
遊技機F1からF4のいずれかにおいて、前記演出実行手段により前記所定期間の間、演出が実行されていない場合に、音量設定手段により設定されている音量を示す判別情報を報知する判別情報報知手段を有するものであることを特徴とする遊技機F5。
【1453】
遊技機F5によれば、遊技機F1からF4のいずれかの奏する効果に加え、演出実行手段により演出が所定時間実行されない場合に、設定されている音量を判別可能な報知を行うので、遊技者が音量を変更すべきか否かを容易に判断することができるという効果がある。
【1454】
遊技機F1からF5のいずれかにおいて、前記判定手段により特定の判定結果が判定されたことに基づいて、前記設定手段により前記操作手段が有効に設定されることを禁止する禁止手段を有するものであることを特徴とする遊技機F6。
【1455】
遊技機F6によれば、遊技機F1からF5のいずれかの奏する効果に加え、判定手段により特定の判定結果が判定された場合に、操作手段が有効に設定されることを禁止するので、音量を設定するための操作によって判定手段の判定結果を把握することが可能となり、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
【1456】
遊技機F1からF6のいずれかにおいて、前記演出実行手段により実行される演出は、前記判定結果を示す識別情報を動的表示する演出が含まれるものであり、前記識別情報は、特定の前記判定結果であることを示す第1図柄と、前記特定の前記判定結果とは異なる判定結果であることを示す第2図柄とで少なくとも構成され、前記設定態様は、前記第2図柄を可変して表示されるものであることを特徴とする遊技機F7。
【1457】
遊技機F7によれば、遊技機F1からF6のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定結果を示す識別情報を動的表示する演出を演出実行手段により実行し、少なくとも、特定の判定結果であることを示す第1図柄と、特定の判定結果とは異なる判定結果であることを示す第2図柄とから構成される識別情報のうち、第2図柄を設定態様に可変して表示する。
【1458】
これにより、特定の判定結果とは異なる判定結果であることを示す第2図柄を音量の設定に用いることができる。よって、表示手段に動的表示される識別情報を有効に使用することが可能となる。
【1459】
遊技機F4からF7のいずれかにおいて、前記特定の期間が設定されている場合に、前記操作手段の操作に基づいて、前記表示手段の輝度を可変させる輝度可変手段を有するものであることを特徴とする遊技機F8。
【1460】
遊技機F8によれば、遊技機F4からF7のいずれかの奏する効果に加え、特定の期間が設定されている場合に、操作手段の操作に基づいて輝度可変手段によって表示手段の輝度を可変させるので、遊技者の好みの輝度で遊技できるという効果がある。
【1461】
遊技機F1からF8のいずれかにおいて、取得条件の成立に基づいて、前記判定条件の判定に使用する情報を取得する取得手段と、少なくとも前記判定条件が成立するまで、前記取得手段により取得された前記情報を記憶する記憶手段と、その記憶手段により記憶された前記情報を前記判定条件が成立するよりも前に判定する事前判定手段と、その事前判定手段による判定結果に基づいて、所定条件の成立を判別する判別手段とを有し、前記設定手段は、前記判別手段により前記所定条件が成立したと判別された場合に、少なくとも前記特定の期間を前記事前判定手段により判定された前記情報に対応する演出が実行されるまでの間、前記操作手段の操作を有効に設定するものであることを特徴とする遊技機F9。
【1462】
遊技機F9によれば、遊技機F1からF8のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、取得条件の成立に基づいて、取得手段により判定手段の判定に使用する情報を取得する。記憶手段によって、その取得した情報を少なくとも判定条件が成立するまで記憶する。その記憶された情報を判定条件が成立するよりも前に事前判定手段によって判定する。事前判定手段の判定結果に基づいて判別手段によって所定条件の成立を判別する。所定条件が成立した場合には、事前判定手段により判定された情報に対応する演出が実行されるまでの間、設定手段によって操作手段の操作を有効に設定する。
【1463】
これにより、事前判定手段によって情報の判定が行われてから、その情報に対応する演出が実行されるまでの期間を音量が設定可能な期間とすることができる。よって、事前判定手段の判定結果に基づく演出に対応させて遊技者が好みの音量を設定できるという効果がある。
【1464】
<特徴G群>(魚群のカスタマイズ設定)
判定条件の成立に基づいて、判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果を示す識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に表示される前記識別情報を動的表示する動的表示手段と、特定の判定結果を示す前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、遊技者の操作により遊技情報を入力することが可能な操作手段と、その操作手段により入力された遊技情報を記憶することが可能な記憶手段と、前記識別情報が動的表示されている期間に、前記判定手段による判定結果に基づく事前情報を前記表示手段に表示させる事前表示手段と、その事前表示手段により表示される前記事前情報の内容を前記判定結果に基づいて決定する事前情報決定手段と、その事前情報決定手段により決定される特定の前記事前情報について、前記判定結果が特定の判定結果である場合と前記特定の判定結果以外である場合とで選択される割合を設定する設定手段と、その設定手段により設定される割合を前記記憶手段に記憶されている前記遊技情報に基づいて決定する割合決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機G1。
【1465】
ここで、従来のパチンコ機等の遊技機において、遊技の抽選を実行して、その抽選に基づいた演出が実行される遊技機が提案されている(例えば、特開2010-094348号公報)。しかしながら、この種のパチンコ機においては、遊技者個々の好みに合わせて演出の期待度を設定することができず、遊技者の好みに合わせた遊技機を提供することが困難であるという問題点があった。遊技機G1は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技者の好みに合わせた遊技機を提供することを目的としている。
【1466】
遊技機G1によれば、判定条件の成立に基づいて、判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果を示す識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に表示される前記識別情報を動的表示する動的表示手段と、特定の判定結果を示す前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有し、遊技者の操作により遊技情報を入力することが可能な操作手段と、その操作手段により入力された遊技情報を記憶することが可能な記憶手段と、前記識別情報が動的表示されている期間に、前記判定手段による判定結果に基づく事前情報を前記表示手段に表示させる事前表示手段と、その事前表示手段により表示される前記事前情報の内容を前記判定結果に基づいて決定する事前情報決定手段と、その事前情報決定手段により前記判定結果が特定の判定結果である場合に、決定されることが可能な特定の前記事前情報が決定される確率を設定する設定手段と、その設定手段により設定される確率を前記記憶手段に記憶されている前記遊技情報に基づいて決定する確率決定手段と、を有するものである。これにより、事前情報が示す期待度を遊技者の好みに合わせて可変させることができる。よって、遊技者の好みに合わせた遊技機を提供できるという効果がある。
【1467】
遊技機G1において、前記特定の事前情報は、前記判定結果が特定の判定結果であることを示す期待度を遊技者に対して報知するものであることを示す遊技機G2。
【1468】
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、判定結果が特定の判定結果であることを示す期待度を特定の事前情報として遊技者に報知するので、遊技者の好みに合わせてより詳細に演出を設定することができるという効果がある。
【1469】
遊技機G1またはG2において、前記操作手段により遊技者に入力される遊技情報は、前記期待度を示す情報であることを特徴とする遊技機G3。
【1470】
遊技機G3によれば、遊技機G1またはG2の奏する効果に加え、操作手段により遊技者に入力される遊技情報が期待度を示す情報であるため、遊技者の好みに合わせてより詳細に演出を設定することができるという効果がある。
【1471】
遊技機G1からG3のいずれかにおいて、所定範囲で繰り返しカウンタ値を更新することが可能なカウンタ手段と、所定条件の成立に基づいて、前記カウンタ手段によりカウントされている前記カウンタ値を取得する取得手段と、を有し、前記特定の事前情報は、前記判定結果が特定の判定結果である場合と、前記特定の判定結果以外である場合とで、それぞれ前記カウンタ値の範囲で設定された判定値が設定されており、前記事前情報決定手段は、前記取得手段により取得されたカウンタ値が前記特定の事前情報に設定されている判定値のいずれかである場合に、前記特定の事前情報を決定するものであることを特徴とする遊技機G4。
【1472】
遊技機G4によれば、遊技機G1からG3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、カウンタ手段によって所定範囲で繰り返しカウンタ値を更新する。所定条件の成立に基づいて、カウンタ手段によりカウントされているカウンタ値を取得手段によって取得する。特定の事前情報は、判定結果が特定の判定結果である場合と、特定の判定結果以外である場合とで、それぞれカウンタ値の範囲で設定された判定値が設定され、取得手段により取得されたカウンタ値が特定の事前情報に設定されている判定値のいずれかである場合に、特定の事前情報を決定する。これにより、制御を簡略化することができるという効果がある。
【1473】
遊技機G4において、前記割合設定手段は、前記遊技情報に基づいて、設定する前記判定値の範囲を設定するものであることを特徴とする遊技機G5。
【1474】
遊技機G5によれば、遊技機G4の奏する効果に加え、遊技情報に基づいて割合設定手段によって判定値の範囲を設定するので、より容易に判定値を設定することができるという効果がある。
【1475】
<特徴H群>(タッチ検出位置の領域を分割する制御)
演出を実行する演出実行手段と、遊技者の操作動作を非接触で検出することが可能な検出手段と、その検出手段により前記操作動作が検出された場合に、前記演出実行手段により特定の演出を実行させる演出可変手段と、を有した遊技機において、前記検出手段は、前記操作動作を検出可能な第1検出領域とその第1検出領域の一部である共有検出領域を含む第2検出領域とを少なくとも有し、前記共有検出領域が形成されることを禁止する禁止位置と、前記共有検出領域が形成されることを許可する許可位置とに可変することが可能な可変部材と、その可変部材を前記禁止位置と前記許可位置とに可変制御する可変制御手段と、前記第1検出領域と前記第2検出領域とのどちらで前記検出手段により検出されたかを判別する判別手段と、を有し、前記演出可変手段は、前記禁止位置に前記可変部材が可変されている場合には、前記判別手段による前記第1検出領域と前記第2検出領域とのどちらか一方で検出された判別結果に基づいて、それぞれ対応する前記特定の演出に可変させるものであることを特徴とする遊技機H1。
【1476】
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技球が流下可能な遊技領域を有した遊技盤に遊技球が入球可能な始動口が設けられ、その始動口への遊技球の入賞に基づいて、遊技の抽選を実行して、その抽選結果を示す演出が所定期間実行される。演出を遊技者の操作により可変させる手段として、遊技者が指等で入力を行うことができるタッチセンサを配置して、遊技者がタッチ操作することで、演出等を切り替えて実行する遊技機が提案されている(例えば、特開2009-219617号公報)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、タッチセンサ等の入力手段を利用したさらなる好適な遊技が求められていた。好適な遊技機を提供することを目的とする。
【1477】
遊技機H1によれば、演出を実行する演出実行手段と、遊技者を検出することが可能な検出手段と、その検出手段により操作が検出された場合に、前記演出実行手段により特定の演出を実行させる演出可変手段と、を有し、前記検出手段は、遊技者を検出可能な第1検出領域とその第1検出領域の一部である共有検出領域を含む第2検出領域とを少なくとも有し、前記共有検出領域が形成されることを禁止する禁止位置と、前記共有検出領域が形成されることを許可する許可位置とに可変することが可能な可変部材と、その可変部材を前記禁止位置と前記許可位置とに可変制御する可変制御手段と、前記第1領域と前記第2検出領域とのどちらで前記検出手段により検出されたかを判別する判別手段と、を有し、前記演出可変手段は、前記禁止位置に可変されている場合には、前記判別手段による判別結果に基づいて、それぞれ対応する前記特定の演出に可変させるものである。
【1478】
これにより、共有検出領域が形成されることが可変部材により禁止されるので、可変部材の動作により検出手段により検出される領域を可変させることができ、検出手段を機能的に使用することができる。従って、好適な遊技機を提供できるという効果がある。
【1479】
遊技機H1において、前記演出として演出態様を表示可能な表示手段を有し、前記可変部材は、前記表示手段の表示領域の前面側で可変することが可能に配置されており、前記検出手段は、前記表示手段の表示領域の前面側に前記第1検出領域と前記第2検出領域とを有するものであることを特徴とする遊技機H2。
【1480】
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、表示手段の前面側で可変部材が可変されるので、遊技者に可変部材の位置で検出領域を報知することができ、より分かり易い遊技を行わせることができる。さらに、表示手段に表示される演出を遊技者が選択することができ、多様な演出を行うことができるという効果がある。
【1481】
遊技機H2において、前記演出実行手段は、前記可変部材が前記許可位置にある場合には、共有検出領域に対応する位置に第1演出を表示し、前記可変部材が前記禁止位置にある場合には、前記第1検出領域と前記第2検出領域とにそれぞれ対応する位置に第2演出を表示するものであることを特徴とする遊技機H3。
【1482】
遊技機H3によれば、遊技機H2の奏する効果に加え、許可位置にある場合には、共有検出領域に第1演出が表示され、禁止位置にあるときには第1検出領域と第2検出領域とにそれぞれ第2演出が表示されるので、遊技者に有効な検出領域を分かり易く報知でき、表示手段に表示される演出と融合させた演出を行うことができるという効果がある。
【1483】
遊技機H3において、前記第2演出は、第1検出領域に表示された表示態様と前記第2検出領域に表示された表示態様とのいずれか一方を遊技者に選択させる選択表示態様であることを特徴とする遊技機H4。
【1484】
遊技機H4によれば、遊技機H3の奏する効果に加え、選択表示態様により遊技者が選択操作することができ、より遊技に参加させることができ遊技の興趣を向上できるという効果がある。
【1485】
遊技機H1からH4のいずれかにおいて、前記検出手段は、第1検出領域を設定する第1検出手段と、前記第2検出領域を設定する第2検出手段とを少なくともそれぞれ有しているものであることを特徴とする遊技機H5。
【1486】
遊技機H5によれば、遊技機H1からH4のいずれかの奏する効果に加え、検出手段には、第1検出領域を設定する第1検出手段と第2検出領域を設定する第2検出手段とを少なくとも有しているので、独立して第1検出領域と第2検出領域とを検出することができるという効果がある。
【1487】
遊技機H1からH5のいずれかにおいて、前記検出手段は、赤外線を前記第1検出領域と前記第2検出領域とに対して出力可能な出力部と、その出力部より出力された前記赤外線が対象物に反射された赤外線を検出可能な検出部とを少なくとも有していることを特徴とする遊技機H6。
【1488】
遊技機H6によれば、遊技機H1からH5のいずれかの奏する効果に加え、赤外線によって第1検出領域と第2検出領域とが検出されるので、可変手段が可変することで、誤検出される不具合を抑制できるという効果がある。
【1489】
<特徴I群>(揺れ役物の揺れ幅増大、抑制制御)
揺動可能に構成された揺動部材と、その揺動部材に対して第1方向とその第1方向とは異なる第2方向とにそれぞれ動作させて揺動させる揺動手段と、前記揺動部材が前記第1方向と前記第2方向とのいずれの方向に動作しているかを判別可能な状態判別手段と、その状態判別手段による判別結果に基づいて、前記揺動手段を制御する揺動制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機I1。
【1490】
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技球が流下可能な遊技領域を有した遊技盤に遊技球が入球可能な始動口が設けられ、その始動口への遊技球の入賞に基づいて、遊技の抽選を実行して、その抽選結果を示す演出が所定期間実行される。抽選結果の抽選を示す演出において、遊技盤に設けられた可動役物を可動させて、当否判定結果に関する情報を遊技者に事前に報知する予告演出を実行する遊技機が提案されていた(例えば、特開2010-094348号公報)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技盤面の大きさや使用できる電力等にも制約があり、可動役物を可動させるためのモータ等の可動手段を配置できる数にも限りがあり、可動できる動作等にも制約がかかり、演出に制限があり遊技の興趣が低下するという問題点があった。本遊技機は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上させた遊技機を提供することを目的とする。
【1491】
遊技機I1によれば、揺動可能に構成された揺動部材と、その演出部材に対して第1方向とその第1方向とは異なる第2方向とにそれぞれ動作させて揺動させる揺動手段と、前記揺動部材が前記第1方向と前記第2方向とのいずれの方向に動作しているかを判別可能な状態判別手段と、その状態判別手段による判別結果に基づいて、前記揺動手段を制御する揺動制御手段と、を有するものである。
【1492】
これにより、揺動部材の揺動を容易に制御できる。よって、遊技の制御処理を簡略化できるという効果がある。
【1493】
遊技機I1において、前記揺動部材を揺動させる第1状態と前記揺動部材の揺動を抑制させる第2状態とを設定することが可能な状態設定手段と、その状態設定手段により前記第1状態が設定されたことに基づいて、前記状態判別手段により判別された方向と同一方向に前記揺動部材を動作させるように前記揺動制御手段により揺動手段を制御させる手段とを有するものであることを特徴とする遊技機I2。
【1494】
遊技機I2によれば、遊技機I1の奏する効果に加え、揺動部材を揺動させる第1状態が状態設定手段により設定された場合に、状態判別手段により判別された方向と同一の方向に揺動部材を動作させるように揺動制御手段により揺動部材が制御されるので、揺動部材の揺動を継続することができるという効果がある。
【1495】
遊技機I1またはI2において、前記揺動部材は、変位可能な変位部材と、その変位部材に相対変位可能に配置される第1部材と、を有し、前記変位部材は、互いに独立して変位可能な一対のアーム部材を備え、それら一対のアーム部材の一端に前記第1部材が相対変位可能に連結されることを特徴とする遊技機I3。
【1496】
遊技機I3によれば、遊技機I1またはI2の奏する効果に加え、第1部材と変位部材とにより相対変位されるので、揺動部材の変位幅をより増大させることができ、演出をダイナミックに行うことができるという効果がある。
【1497】
遊技機I3において、前記一対のアーム部材は、前記第1部材が相対変位可能に配設される一端と反対側の他端が回転可能に軸支され、前記揺動手段から付与される駆動力により前記他端を中心に回転されることを特徴とする遊技機I4。
【1498】
遊技機I4によれば、遊技機I3の奏する効果に加え、第1部材が相対変位可能に配設される一端と反対側の他端が回転可能に軸支され、揺動手段から付与される駆動力により他端を中心に一対のアーム部材が回転されるので、揺動を継続して行わせることができ、演出をより長く行うことができるという効果がある。
【1499】
遊技機I3またはI4において、前記アーム部材または第1部材の一方には摺動溝が配設されると共に、前記アーム部材または第1部材の他方には前記摺動溝に沿って摺動可能に形成されるピン部が配設され、前記摺動溝は、少なくとも前記アーム部材が基準位置に配置された状態において、前記摺動溝の一方の端部または他方の端部と前記ピン部との間に隙間が形成されることを特徴とする遊技機I5。
【1500】
遊技機I5によれば、遊技機I3またはI4の奏する効果に加え、アーム部材または第1部材の一方には摺動溝が配設されると共に、アーム部材または第1部材の他方には摺動溝に沿って摺動可能に形成されるピン部が配設され、摺動溝は、少なくともアーム部材が基準位置に配置された状態において、摺動溝の一方の端部または他方の端部と前記ピン部との間に隙間が形成されるので、揺動する場合の摩擦を軽減して、揺動の減衰を抑制することができるという効果がある。
【1501】
遊技機I1からI5のいずれかにおいて、前記状態判別手段は、前記揺動部材に配置された加速度センサを有し、その加速度センサから出力される情報に基づいて、前記揺動部材の状態を判別するものであることを特徴とする遊技機I6。
【1502】
遊技機I6によれば、遊技機I1からI5のいずれかの奏する効果に加え、揺動部材に配置された加速度センサから出力される情報に基づいて、揺動部材の状態が状態判別手段により判別されるので、揺動部材の状態に合わせて揺動の制御を実行することができるという効果がある。
【1503】
<特徴J群>(回動リールの事前回動制御)
駆動手段と、その駆動手段の駆動力を伝達する伝達手段と、その伝達手段から伝達される駆動力により回転されると共に外周面に複数の図形が描かれた第1回転体および第2回転体と、演出内容を決定する演出内容決定手段と、前記第1回転体と前記第2回転体とをそれぞれ回転制御して、前記演出内容決定手段により決定された演出内容を示す組み合わせで前記図形が表示されるように回転制御する回転制御手段と、を少なくとも備え、前記第1回転体と前記第2回転体とはそれぞれ、遊技者が前記図形を視認し易い第1位置と、その第1位置よりも前記図形を視認し難い第2位置とに可変可能に構成され、前記回転制御手段は、前記演出内容決定手段により決定された演出内容を示す前記図形の組み合わせを表示する場合に、前記第2位置で所定量まで前記第1回転体と前記第2回転体とをそれぞれ回転させた後に、前記第1位置に前記第1回転体と前記第2回転体とをそれぞれ可変させるものであることを特徴とする遊技機J1。
【1504】
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技球が流下可能な遊技領域を有した遊技盤に遊技球が入球可能な始動口が設けられ、その始動口への遊技球の入賞に基づいて、遊技の抽選を実行して、その抽選結果を示す演出が所定期間実行される。抽選結果を示す演出として、複数の図柄が示されたリールを複数回転させ、その複数のリールで表示される図柄の組み合わせにより抽選結果を報知する遊技機が提案されている(例えば、特開2004?160759号公報)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、所定の図柄の組み合わせで停止表示させるには、リールの大きさや示される図柄の数等によりリールの回転時間(停止させたい図柄が前面に位置するまでの回転時間)が長くなり、抽選結果が表示されるまでの時間が長くなり、遊技の興趣を低下させるという不具合があった。上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上させた遊技機を提供することを目的とする。
【1505】
遊技機J1によれば、駆動手段と、その駆動手段の駆動力を伝達する伝達手段と、その伝達手段から伝達される駆動力により回転されると共に外周面に複数の図形が描かれた第1回転体および第2回転体と、演出内容を決定する演出内容決定手段と、前記第1回転体と前記第2回転体とをそれぞれ回転制御して、前記演出内容決定手段により決定された演出内容を示す組み合わせで前記図形が表示されるように回転制御する回転制御手段と、を少なくとも備え、前記第1回転体と前記第2回転体とは、それぞれ、遊技者が前記図形を視認し易い第1位置と、その第1位置よりも前記図形を視認し難い第2位置とに可変可能に構成され、前記回転制御手段は、前記演出内容決定手段により決定された演出内容を示す前記図形の組み合わせを表示する場合に、前記第2位置で所定量まで前記第1回転体と前記第2回転体とをそれぞれ回転させた後に、前記第1位置に前記第1回転体と前記第2回転体とをそれぞれ可変させるものである。
【1506】
これにより、任意の図形を素早く表示できる。よって、図形が表示されるまで待機する時間を低減できるという効果がある。
【1507】
遊技機J1において、前記回転制御手段は、前記第1回転体と前記第2回転体とをそれぞれ第1方向とその第1方向とは反対の第2方向とに回転制御することが可能に構成され、前記演出内容決定手段により決定された演出内容に基づいて、前記第1回転体と前記第2回転体とをそれぞれ、前記第1方向と前記第2方向とのいずれに回動させるかを決定する回転方向決定手段を有するものであることを特徴とする遊技機J2。
【1508】
遊技機J2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、第1回転体と第2回転体とを演出内容決定手段により決定された演出内容に基づいて、第1方向と第2方向とのいずれに回動させるかが回転方向決定手段により決定されるので、演出に対応する位置に第1回転体と第2回転体とを効率良く回動させることができ、回動時間を短く構成できるという効果がある。
【1509】
遊技機J1またはJ2において、前記伝達手段は、前記駆動手段の回転を、前記第1回転体および第2回転体へとそれぞれ異なる回転比で伝達することを特徴とする遊技機J3。
【1510】
遊技機J3によれば、遊技機J1またはJ2の奏する効果に加え、駆動手段の回転が第1回転体および第2回転体へとそれぞれ異なる回転比で伝達手段により伝達されるので、第1回転体に対して、第2回転体を異なる周期で回動させることができるので、第1回転体と第2回転体との図形の組み合わせを多様に効率良く表示することができるという効果がある。
【1511】
遊技機A1からA11,B1からB12,C1からC10及びD1からD8、E1からE6,F1からF9,G1からG5,H1からH5,I1からI6,J1からJ3のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機K1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【1512】
遊技機A1からA11,B1からB12,C1からC10及びD1からD8、E1からE6,F1からF9,G1からG5,H1からH5,I1からI6,J1からJ3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機K2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【1513】
遊技機A1からA11,B1からB12,C1からC10及びD1からD8、E1からE5,F1からF9,G1からG5,H1からH5,I1からI6,J1からJ3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機K3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【符号の説明】
【1514】
10 パチンコ機(遊技機)
600 左右センサ装置(検出手段)
400 中央遊動ユニット(可変部材)
S1 照射領域(第1検出領域)
S2 照射領域(第2検出領域)
S1315 演出可変手段
S2003 可変制御手段
S2005 判別手段の一部
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
演出を実行する演出実行手段と、
遊技者の操作動作を非接触で検出することが可能な検出手段と、
その検出手段により前記操作動作が検出された場合に、前記演出実行手段により特定の演出を実行させる演出可変手段と、を有した遊技機において、
前記検出手段は、前記操作動作を検出可能な第1検出領域とその第1検出領域の一部である共有検出領域を含む第2検出領域とを少なくとも有し、
前記共有検出領域が形成されることを禁止する禁止位置と、前記共有検出領域が形成されることを許可する許可位置とに可変することが可能な可変部材と、
その可変部材を前記禁止位置と前記許可位置とに可変制御する可変制御手段と、
前記第1検出領域と前記第2検出領域とのどちらで前記検出手段により検出されたかを判別する判別手段と、を有し、
前記演出可変手段は、前記禁止位置に前記可変部材が可変されている場合には、前記判別手段による前記第1検出領域と前記第2検出領域とのどちらか一方で検出された判別結果に基づいて、それぞれ対応する前記特定の演出に可変させるものであることを特徴とする遊技機。
【請求項2】(削除)
【請求項3】(削除)
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2019-02-21 
結審通知日 2019-02-25 
審決日 2019-03-08 
出願番号 特願2015-74675(P2015-74675)
審決分類 P 1 41・ 831- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 小泉 早苗  
特許庁審判長 瀬津 太朗
特許庁審判官 藤田 年彦
大山 栄成
登録日 2018-12-07 
登録番号 特許第6443187号(P6443187)
発明の名称 遊技機  
代理人 工藤 洋平  
代理人 工藤 洋平  

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