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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  H05B
審判 全部申し立て 2項進歩性  H05B
管理番号 1351401
異議申立番号 異議2018-700514  
総通号数 234 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-06-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-06-22 
確定日 2019-03-19 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6252937号発明「点灯装置、照明器具およびそれを用いた照明制御システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6252937号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正後の請求項〔1?4〕について訂正することを認める。 特許第6252937号の訂正後の請求項1?4に係る特許を維持する。 
理由 1 手続の経緯

特許第6252937号の請求項1?4に係る特許についての出願は、平成25年12月4日に特許出願され、平成29年12月8日にその特許権の設定登録がされ、平成29年12月27日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許について、平成30年6月22日に特許異議申立人井澤幹(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、当審は、平成30年9月3日に取消理由を通知した。特許権者は、その指定期間内である平成30年11月6日に意見書の提出及び訂正の請求を行い、申立人に平成30年12月6日付けで訂正請求があった旨が通知され(特許法第120条の5第5項)、その訂正の請求に対して、申立人は平成31年1月8日に意見書を提出した。

2 訂正の適否についての判断

(1) 訂正の内容

平成30年11月6日にされた訂正の請求(以下「本件訂正請求」という。また、本件訂正請求に係る訂正を「本件訂正」という。)は、本件特許の願書に添付した明細書及び特許請求の範囲(以下、それぞれ「本件明細書」、「本件特許請求の範囲」といい、図面を含めて「本件明細書等」という。)を、訂正請求書に添付した訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを求めるものであり、その訂正の内容は以下のとおりである(下線は訂正箇所を示すものとして、当審が付した)。

ア 訂正事項1

特許請求の範囲の請求項1に「前記複数の通信ユニットの各々は、外部機器から照明光の制御を行う情報を含む制御信号を無線方式または有線方式により受信する通信部と該通信部が受信した前記制御信号を点灯制御信号に変換する信号変換部とを有し、前記点灯ユニットは、光源を点灯させる点灯回路部と前記点灯制御信号に基づいて前記点灯回路部を制御する点灯制御部とを有し、前記点灯ユニットと接続された前記通信ユニットの通信方式は、前記外部機器が送信する前記制御信号の信号方式に対応し、前記複数の通信ユニットの各々は、第1接続端子部を有し、前記点灯ユニットは、前記第1接続端子部と電気的に接続し、且つ着脱可能な第2接続端子部を有し、前記信号変換部は、前記点灯制御信号を前記第1接続端子部に出力するように構成され、前記点灯制御部は、前記点灯制御信号を前記第2接続端子部から受信するように構成される」とあるのを、「前記複数の通信ユニットの各々は、外部機器から照明光の制御を行う情報を含む制御信号を無線方式または有線方式により受信する通信部と該通信部が受信した前記制御信号を点灯制御信号に変換する信号変換部とを有し、前記点灯ユニットは、光源を点灯させる点灯回路部と前記点灯制御信号に基づいて前記点灯回路部を制御する点灯制御部とを有し、前記点灯ユニットと接続された前記通信ユニットの通信方式は、前記外部機器が送信する前記制御信号の信号方式に対応し、前記複数の通信ユニットの各々は、第1接続端子部を有し、前記点灯ユニットは、前記第1接続端子部と電気的に接続し、且つ着脱可能な第2接続端子部を有し、前記信号変換部は、前記点灯制御信号を前記第1接続端子部に出力するように構成され、前記点灯制御部は、前記点灯制御信号を前記第2接続端子部から受信するように構成され、前記信号変換部は、複数の種類の照明器具ごとの特性情報が記憶された記憶部を有し、前記記憶部の前記特性情報の中から、前記通信ユニットと接続している照明器具に対応する特性情報を読み取り、前記通信部が受信した前記制御信号を、前記対応する特性情報に応じた前記点灯制御信号に変換する」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2?4も同様に訂正する)。

イ 訂正事項2

願書に添付した明細書の段落【0008】に「 本発明の点灯装置は、点灯ユニットと、前記点灯ユニットと交換可能に接続される複数の通信ユニットから選択される通信ユニットと、を備え、前記複数の通信ユニットの各々は、外部機器から照明光の制御を行う情報を含む制御信号を無線方式または有線方式により受信する通信部と当該通信部が受信した上記制御信号を点灯制御信号に変換する信号変換部とを有し、前記点灯ユニットは、光源を点灯させる点灯回路部と上記点灯制御信号に基づいて上記点灯回路部を制御する点灯制御部とを有し、上記点灯ユニットと接続された上記通信ユニットの通信方式は、上記外部機器が送信する上記制御信号の信号方式に対応し、前記複数の通信ユニットの各々は、第1接続端子部を有し、前記点灯ユニットは、前記第1接続端子部と電気的に接続し、且つ着脱可能な第2接続端子部を有し、前記信号変換部は、前記点灯制御信号を前記第1接続端子部に出力するように構成され、前記点灯制御部は、前記点灯制御信号を前記第2接続端子部から受信するように構成されることを特徴とする。」と記載されているのを、「本発明の点灯装置は、点灯ユニットと、前記点灯ユニットと交換可能に接続される複数の通信ユニットから選択される通信ユニットと、を備え、前記複数の通信ユニットの各々は、外部機器から照明光の制御を行う情報を含む制御信号を無線方式または有線方式により受信する通信部と当該通信部が受信した上記制御信号を点灯制御信号に変換する信号変換部とを有し、前記点灯ユニットは、光源を点灯させる点灯回路部と上記点灯制御信号に基づいて上記点灯回路部を制御する点灯制御部とを有し、上記点灯ユニットと接続された上記通信ユニットの通信方式は、上記外部機器が送信する上記制御信号の信号方式に対応し、前記複数の通信ユニットの各々は、第1接続端子部を有し、前記点灯ユニットは、前記第1接続端子部と電気的に接続し、且つ着脱可能な第2接続端子部を有し、前記信号変換部は、前記点灯制御信号を前記第1接続端子部に出力するように構成され、前記点灯制御部は、前記点灯制御信号を前記第2接続端子部から受信するように構成され、前記信号変換部は、複数の種類の照明器具ごとの特性情報が記憶された記憶部を有し、前記記憶部の前記特性情報の中から、前記通信ユニットと接続している照明器具に対応する特性情報を読み取り、前記通信部が受信した前記制御信号を、前記対応する特性情報に応じた前記点灯制御信号に変換することを特徴とする。」 に訂正する。

本件訂正は、一群の請求項〔1?4〕に対して請求されたものである。また、明細書に係る訂正は、一群の請求項〔1?4〕に対して請求されたものである。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否

ア 訂正事項1について

訂正事項1は、訂正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「信号変換部」について、本件明細書の段落【0051】及び段落【0054】?段落【0057】等の記載を根拠に、「信号変換部」が、「複数の種類の照明器具ごとの特性情報が記憶された記憶部を有し、前記記憶部の前記特性情報の中から、前記通信ユニットと接続している照明器具に対応する特性情報を読み取り、前記通信部が受信した前記制御信号を、前記対応する特性情報に応じた前記点灯制御信号に変換する」ことを新たに特定するものである。
本件明細書には、以下の記載がある。(下線は関連する箇所を示すものとして、当審が付した。以下同様。)(アルファベット及び数字は、当審で全角に統一した。以下同様。)

(ア)「なお、信号変換部6は、照明器具32の特性情報を記憶する記憶部を備えていてもよい。記憶部は、たとえば、不揮発性の半導体メモリであるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などを用いて構成することができる。記憶部は、予め複数の汎用の照明器具32の特性情報を記憶させておくことができる。記憶部では、照明器具32の特性情報として、照明器具32に接続される光源33の特性に応じた光源33の光出力と調光信号との関係を示す調光特性を含めることができる。そのため、照明制御システム30では、光源33の調光特性に合わせて調光レベルを調整することも可能となる。」(段落【0051】)

(イ)「さらに、信号変換部6は、たとえば、予め複数の種類の照明器具32ごとの特性情報が記憶された記憶部の特性情報の中から通信ユニット12が接続した照明器具32の特性に適合した所定の特性情報を選択する選択情報であるかを判別する。」(段落【0054】)

(ウ)「信号変換部6では、通信信号が選択情報の場合、通信ユニット12が接続している照明器具32の種類を確認する。照明制御システム30では、外部機器31側から送信される通信信号に、通信ユニット12が接続している照明器具32の種類に適合した特性情報を選択する選択情報を含ませることができる。なお、照明制御システム30では、照明器具32の種類として、たとえば、白熱電球を光源33として点灯させる照明器具32や蛍光灯を光源33として点灯させる照明器具32が挙げられる。また、照明制御システム30では、照明器具32の種類として、たとえば、LEDを光源33として点灯させる照明器具32や有機EL素子を光源33として点灯させる照明器具32なども挙げられる。」(段落【0055】)

(エ)「信号変換部6は、照明器具32の種類を確認した後、記憶部より、通信ユニット12と接続している照明器具32に対応する特性情報を読み取る。照明制御システム30では、照明器具32の特性情報として、たとえば、照明器具32の定格電力、光源33の調光可能範囲、照明器具32における光出力と調光信号との関係などを示したものが挙げられる。なお、調光可能範囲とは、光源33の出力が100%となる全点灯に対し、光源33が最低何%まで点灯できるかを示す範囲をいう。」(段落【0056】)

(オ)「また、本実施形態の照明制御システム30では、通信ユニット12は、外部機器31側からの第1信号41が調光制御を示すものである場合、光源33を所定の光出力で出力するように、点灯制御部2へ第1信号41の情報を伝送する。本実施形態の照明制御システム30では、第1通信部5で受信した第1信号41を信号変換部6が照明器具32の特性情報に応じた点灯制御信号として第2信号42に変換して点灯制御部2へ出力する。第2信号42は、たとえば、PWM信号や直流電圧の振幅信号とすることができる。」(段落【0057】)

上記(ア)?(オ)の記載を総合すると、「信号変換部6は、照明器具32の特性情報を記憶する記憶部を備え、」「予め複数の種類の照明器具32ごとの特性情報が記憶された記憶部の特性情報の中から通信ユニット12が接続した照明器具32の特性に適合した所定の特性情報を選択する選択情報であるかを判別」し、「通信信号が選択情報の場合、通信ユニット12が接続している照明器具32の種類を確認」し、「照明器具32の種類を確認した後、記憶部より、通信ユニット12と接続している照明器具32に対応する特性情報を読み取」り、「照明器具32の特性情報に応じた点灯制御信号として第2信号42に変換して点灯制御部2へ出力する」ことが記載されている。
そうすると、本件訂正により訂正前の請求項1に記載された「信号変換部」について、「前記信号変換部は、複数の種類の照明器具ごとの特性情報が記憶された記憶部を有し、前記記憶部の前記特性情報の中から、前記通信ユニットと接続している照明器具に対応する特性情報を読み取り、前記通信部が受信した前記制御信号を、前記対応する特性情報に応じた前記点灯制御信号に変換する」ことを新たに特定する訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであるといえるし、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものにも該当しないから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項及び第6項に適合するものである。

イ 訂正事項2について

訂正事項2は、訂正事項1に係る訂正に伴って特許請求の範囲と発明の詳細な説明との整合を図るものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
また、訂正事項2は、上記(1)で判断したところによれば、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものにも該当しないから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項及び第6項に適合するものである。

(3)独立特許要件

本件において、訂正前の請求項1?4について特許異議の申立てがされているので、訂正前の請求項1?4に係る訂正事項1及び2に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項に規定される独立特許要件は課されない。

(4) 小括

以上のとおりであるから、本件訂正は特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項までの規定に適合するので、訂正後の請求項〔1?4〕について訂正を認める。

3 訂正後の本件発明

上記2で述べたとおり、本件訂正は認められるので、本件特許の請求項1?4に係る発明(以下「本件訂正発明1?4」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1?4に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「 【請求項1】
点灯ユニットと、
前記点灯ユニットと交換可能に接続される複数の通信ユニットから選択される通信ユニットと、を備え、
前記複数の通信ユニットの各々は、外部機器から照明光の制御を行う情報を含む制御信号を無線方式または有線方式により受信する通信部と該通信部が受信した前記制御信号を点灯制御信号に変換する信号変換部とを有し、
前記点灯ユニットは、光源を点灯させる点灯回路部と前記点灯制御信号に基づいて前記点灯回路部を制御する点灯制御部とを有し、
前記点灯ユニットと接続された前記通信ユニットの通信方式は、前記外部機器が送信する前記制御信号の信号方式に対応し、
前記複数の通信ユニットの各々は、第1接続端子部を有し、
前記点灯ユニットは、前記第1接続端子部と電気的に接続し、且つ着脱可能な第2接続端子部を有し、
前記信号変換部は、前記点灯制御信号を前記第1接続端子部に出力するように構成され、
前記点灯制御部は、前記点灯制御信号を前記第2接続端子部から受信するように構成され、
前記信号変換部は、複数の種類の照明器具ごとの特性情報が記憶された記憶部を有し、前記記憶部の前記特性情報の中から、前記通信ユニットと接続している照明器具に対応する特性情報を読み取り、前記通信部が受信した前記制御信号を、前記対応する特性情報に応じた前記点灯制御信号に変換する
ことを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記点灯制御信号は、PWM信号または直流電圧の振幅信号であることを特徴とする請求項1に記載の点灯装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の前記点灯装置を備えたことを特徴とする照明器具。
【請求項4】
請求項3に記載の前記照明器具と、前記外部機器とを備えたことを特徴とする照明制御システム。」

4 取消理由通知に記載した取消理由について

(1)取消理由の概要

訂正前の請求項1?4に係る特許に対して、当審が平成30年9月3日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。
本件特許の請求項1?4に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきである。

<刊行物>
引用文献1:特開平6-223977号公報
引用文献2:特開2013-235837号公報
引用文献3:特開平2-215083号公報
引用文献4:特開昭64-74066号公報
引用文献5:特開2012-48967号公報
引用文献6:特開2011-204381号公報

上記引用文献1は申立人が証拠として提出した甲第1号証であり、上記引用文献2?6は、甲第3?7号証である。

(2)刊行物の記載事項等

ア 引用文献1の記載事項等

引用文献1には、以下の事項等が記載されている。

(1a)
「【請求項1】 ランプと、直流電力を高周波電力に変換してランプを高周波点灯するインバータ方式の点灯回路部と、この点灯回路部に制御信号を与えてランプの点灯制御を行わせる制御部とを備える照明器具において、照明器具を特定動作させるための照明制御用信号を与えるアタッチメントを着脱自在に装着するソケットを設けて成ることを特徴とする照明器具。
【請求項2】 外部の操作装置から制御部に与えられる照明制御用信号に応じて動作制御可能として成ることを特徴とする請求項1記載の照明器具。
・・・
【請求項6】 上記アタッチメントが遠隔監視制御システムの端末器であり、中央制御装置からの制御指令に応じて照明器具の動作制御を行って成ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の照明器具。
【請求項7】 上記アタッチメントが光ワイヤレス信号で操作指令を与える操作部からの信号を受信する受光装置であり、操作部からの制御指令に応じて照明器具の動作制御を行って成ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の照明器具。
【請求項8】 上記アタッチメントがワイヤレス信号で操作指令を与える操作部からの信号を受信する受信装置であり、操作部からの制御指令に応じて照明器具の動作制御を行って成ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の照明器具。
・・・


(1b)
「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インバータ方式の照明器具に関するものである。」

(1c)
「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インバータ方式の照明器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インバータ方式の照明器具では、蛍光灯をオン,オフするだけでなく、調光点灯させたり、調色を行ったりすることができるようになってきた。この種の照明器具では、点灯回路の制御を行うマイクロコンピュータからなる制御部を備えている。このため、制御部でデータ処理を行い、簡単に高機能化できるようになっている。例えば、光ワイヤレス受光部を内蔵し、光ワイヤレスで照明のオン,オフあるいは調光制御を行ったり、人感センサを内蔵して人の有無により照明をオン,オフしたりする各種の高機能な照明器具が次々に発売されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、照明器具はデザインや形状、色などにより品種が非常に多く、新しい機能を付加した新商品を全ての品種に展開することは不可能であった。このため、ユーザがある機能を持った照明器具を選定しようとしても、その機能を持った照明器具は品種が限定され、デザインや形状、色などの面で満足のいく照明器具を選定することができないのが現状であった。
【0004】本発明は上述の点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、使用者のニーズに応じて所望の機能を選択的に付加できる照明器具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を達成するために、照明器具を特定動作させるための照明制御用信号を与えるアタッチメントを着脱自在に装着するソケットを設けてある。
【0006】
【作用】本発明は、上述のように照明器具を特定動作させるための照明制御用信号を与えるアタッチメントを着脱自在に装着するソケットを設けることにより、所望する機能のアタッチメントを選定して照明器具に取り付け、使用者のニーズに応じて所望の機能を照明器具に付加することを可能とする。
【0007】
【実施例】図1に本発明の基本構成を示す。本発明は、調光及び調色制御を含むランプの点灯制御を行える照明器具であり、インバータ方式の点灯回路部2と、この点灯回路部2の動作制御を行うマイクロコンピュータからなる制御部3とを備えている。なお、制御部3には壁スイッチなどの外部操作装置から制御指令が与えられ、その制御指令に応じて点灯回路部2でランプの点灯制御を行わせる。そして、本実施例の場合には、外部操作装置の他に付属的にアタッチメントBを着脱自在としてある。
【0008】図2は通常使用される2種類の構造の照明器具を示す。これら照明器具に図3に示す図示しないソケットを設け、そのソケットでアタッチメントBを着脱自在としてある。アタッチメントBは、基本的には図3(a)に示す基本構造を基にするもので、同図(b)?(h)に示す光ワイヤレス受光装置、照度センサ、人感センサ、タイマ、防犯センサ、遠隔監視制御システムの端末器、引き紐装置などを選択して、着脱自在としてある。
【0009】この照明器具の購入時には、ソケットには引き紐装置あるいは何も機能しないブランク装置を装着しておき、ユーザが必要とするアタッチメントBを購入することにより、照明器具の機能変更及び拡張を行う。
(実施例1)図4及び図5に基づいて本発明の一実施例を説明する。本実施例の照明器具Aは、蛍光灯1と、直流電力を高周波電力に変換して蛍光灯1を高周波点灯するインバータ方式の点灯回路部2と、この点灯回路部2に制御信号を与えて蛍光灯1の点灯,消灯及び調光点灯制御を行わせる制御部3とで構成されている。
【0010】本実施例では、アタッチメントBとして照度センサB_(1)を備える。この照度センサB_(1)は、図4(b)に示すように、周囲の照度をアナログ的に検出するセンサ部4と、照度設定用のボリューム5と、ボリューム5の設定値とセンサ部4の検出出力との比較を行い、つまりは所望する照度と実際の部屋の照度との比較を行い、比較結果に応じた照明制御用信号を照明器具Aの制御部3に与える処理部6とで構成してある。
【0011】この照度センサB_(1)は、図5に示す円柱状に形成され、下面にセンサ部4の受光部及びボリューム5を臨ませ、上部から一対の電源端子及び一対の出力端子からなる4つの端子7を突設し、照明器具Aに設けられたソケットCに着脱自在としてある。なお、出力端子の一方を電源端子の接地側と共通とした3端子構造としてもよい。さらに、照明制御用信号を電源に重畳して伝送するようにし、照度センサB_(1)の金属製の本体ケースを接地端子として用いることにより、端子7を1つにすることもできる。つまり、上記端子7の数には特に限定はない。また、本実施例では照度センサB_(1 )を円柱状に形成してあるが、その形状も特に限定されるものではない。」

(1d)
「【0018】(実施例4)図9にさらに他の実施例を示す。本実施例では、アタッチメントBとして、遠隔監視制御システムの端末器B_(4)を用いたもので、遠隔監視で照明状態を制御できるようにしたものである。なお、本実施例の場合には端末器B_(4)はソケットCを介して遠隔監視制御システムの信号線Lに接続されている。
【0019】端末器B_(4)は、信号線Lを介して多重伝送される伝送信号を受信する受信部12と、伝送信号に含まれたアドレスデータよりその伝送信号が自己に対するものであるか否かを判断するアドレス判定部13と、その伝送信号が自己に対するものである場合には、その伝送信号に(当審注:「伝送信号の」の誤記であると認められる。)制御データなどから自己に与えられた制御指令内容を判断する信号処理部14と、その制御指令に応じた照明制御用信号を制御部3に対して与える送出部15とで構成してある。
【0020】遠隔監視制御システムの中央制御装置などでは信号線Lを介して各端末器に対して、制御データ及び送信相手の端末器のアドレスデータを含む伝送信号を例えば時分割多重伝送により端末器に送る。いま、その伝送信号が上記端末器B_(4)で受信されると、アドレスデータが自己に設定されたアドレスと一致するか否かの判断をアドレス判断部13が行い、一致する場合には、信号処理部14でその伝送信号の制御データの解析を行う。制御データは、オン,オフ、レベル制御、調光スピードなどのデータで構成されている。そして、信号処理部14の解析結果に応じて照明制御用信号が送出部15を介して制御部3に与えられ、照明器具Aでは点灯,消灯、調光制御などが行われる。
【0021】なお、上述の場合には制御部3を別個に設けてあるが、この制御部3としての機能を端末器B_(4)に組み込むことも可能であり、場合によってはアドレス判定部13を省略することもできる。さらに、端末器B_(4)に返信部を設け、遠隔監視制御システムの中央制御装置に対して信号線Lを介して返信を行えるようにしてもよく、このようにすればより高級な照明制御システムを構築することができる。
【0022】ところで、図10に示すように、端末器B_(4)にタイマ16を付設し、タイマ16の計時結果に基づいて調光スピードを制御することができる。このようにすれば、照明照度を刻々と変化させるといった任意の照明の遠隔制御を行える。
(実施例5)図11に本発明のさらに他の実施例を示す。本実施例では、アタッチメントBとしてワイヤレス受光装置B_(5)を用いたもので、例えば赤外線などの光信号を送信する操作装置Dから与えられる制御指令に応じて照明を点灯,消灯あるいは調光制御するようにしたものである。なお、照明の色温度を変化させる指令を操作装置Dから与えるようにもできる。
【0023】ワイヤレス受光装置B_(5)は、操作装置Dからのワイヤレス信号を受光する受光部17と、その受光出力を照明制御用信号に変換する信号変換部18とで構成してある。この種の光信号を用いたワイヤレス信号はその指向性があり、伝達距離が短いという特長があるので、照明器具Aを個別に制御する場合に適している。
(実施例6)図12に本発明のさらに別の実施例を示す。上述の実施例5の場合には光信号を用いる場合について説明したが、本実施例では電波を用いたもので、ワイヤレス受信装置B_(6)をアタッチメントとして用いてある。
【0024】このように電波を用いる場合には、無指向性となり、伝達距離が長くなる。そこで、操作装置D′からは送信先のアドレスデータを設定した送信信号を送信する。そして、ワイヤレス受信装置B_(6)は、操作装置D′からの信号を受信する受信部19と、操作装置D′の送信信号のアドレスデータが自己のアドレスと一致するかどうかの判断を行い、一致する場合に制御データを照明制御用信号に変換する信号処理部19(当審注:「信号処理部20」の誤記と認められる。)とを備えている。
【0025】本実施例においても、操作装置D′から与えられる制御指令に応じて照明を点灯,消灯、調光制御、あるいは色温度制御などを行える。しかも、電波の無指向性で、伝達距離が長いという特長により、複数の照明器具Aを一括して制御するグループ制御、あるいは複数の照明器具Aを予め決めてある特定の照明状態で夫々点灯制御するパターン制御などを行うことができる。」

上記(1a)?(1d)の記載を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「 ランプと、
直流電力を高周波電力に変換してランプを高周波点灯するインバータ方式の点灯回路部2と、
この点灯回路部2に制御信号を与えてランプの点灯制御を行わせるマイクロコンピュータからなる制御部3と
を備え、
照明器具Aを特定動作させるための照明制御用信号を与えるアタッチメントBを着脱自在に装着するソケットCを設け、外部の操作装置から制御部に与えられる照明制御用信号に応じて点灯,消灯、調光制御などの動作制御可能とし、所望する機能のアタッチメントBを選定して照明器具Aに取り付け、使用者のニーズに応じて所望の機能を照明器具Aに付加する
照明器具Aであって、
上記アタッチメントBが遠隔監視制御システムの端末器B_(4)であり、
端末器B_(4)は、信号線Lを介して多重伝送される伝送信号を受信する受信部12と、
伝送信号に含まれたアドレスデータよりその伝送信号が自己に対するものであるか否かを判断するアドレス判定部13と、
その伝送信号が自己に対するものである場合には、その伝送信号の制御データなどから自己に与えられた制御指令内容を判断する信号処理部14と、
その制御指令に応じた照明制御用信号を制御部3に対して与える送出部15とで構成され、中央制御装置からの制御指令に応じて照明器具Aの動作制御を行う、
または
上記アタッチメントBが光ワイヤレス信号で操作指令を与える操作装置Dからの信号を受信するワイヤレス受光装置B_(5)であり、
ワイヤレス受光装置B_(5)は、操作装置Dからのワイヤレス信号を受光する受光部17と、その受光出力を照明制御用信号に変換する信号変換部18とで構成され、操作装置Dからの制御指令に応じて照明器具Aの動作制御を行う、
または
上記アタッチメントBがワイヤレス信号で操作指令を与える操作装置D'からの信号を受信するワイヤレス受信装置B_(6)であり、
ワイヤレス受信装置B_(6)は、操作装置D′からの信号を受信する受信部19と、操作装置D′の送信信号のアドレスデータが自己のアドレスと一致するかどうかの判断を行い、一致する場合に制御データを照明制御用信号に変換する信号処理部20とを備え、操作装置D′からの制御指令に応じて照明器具Aの動作制御を行う
照明器具A。」

イ 引用文献2の記載事項

引用文献2には、以下の事項が記載されている。

(2a)
「【0022】
実施形態の説明において、照明装置は、LED、一般の照明機器、または、他の照明機器を含む装置である。
・・・
【0028】
まず、図1を参照すると、ユーザ指令を入力するための入力手段であるリモコン101と、 照明部(LED、他の証明(当審注:「照明」の誤記と認められる。)機器など)、及び信号受信手段であるインターフェース部を含む照明装置103と、前記リモコンからユーザ制御指令を無線受信し、前記受信されたユーザ指令を処理して、前記照明装置103に伝送するものとして、着脱可能な通信モジュール102とが含まれて構成される。
・・・
【0032】
また、前記図1及び図2において、通信モジュールと照明装置との間においても、様々な制御方式が可能である。
【0033】
例えば、直接、PWM 制御方式 (3Pin(VCC、GND、PWM))、UART方式(4Pin(VCC、GND、TX、 RX))、SPI方式(5Pin(VCC、GND、DI、DO、CLK))、I2C方式(4Pin(VCC、GND、CLK、DATA))などが使用可能であり、本実施形態では、前記SPI、I2C方式よりは、汎用的に使用が容易であるUART/直接PWM制御方式を使用することと説明するが、これに限定することなく、ユーザの選択に基づいて、異なることができる。」

ウ 引用文献3の記載事項

引用文献3には、以下の事項が記載されている。

(3a)(第1頁右欄第2?6行)

「[産業上の利用分野]
本発明は、調光用照明器具に関し、特に簡単な施工配線により複数の照明器具の一括調光を可能とし、かつ必要に応じて容易に個別調光もできる様にした調光用照明器具に関する。」

(3b)(第2頁右下欄第20行?第3頁右上欄第6行)
「調光安定器1は交流電源(AC)のような照明用電源を印加するための電源入力端子9と例えばPWM(パルス幅変調)形式の調光信号を印加するための調光信号入力端子11とを備えている。
そして、調光安定器に於いては、電源入力端子9に印加された電源を調光信号入力端子11に印加された調光信号に基づき例えば位相制御し、或いはランプ点灯用のインバータ回路の出力周波数を変化させることにより照明ランプ13の明るさを調節する。第2の端子台5は例えばプラグイン式になっており制御用端末器或いはジャンパー線等の着脱が可能なよう構成されている。
第2図は、第1図の調光用照明器具に内蔵可能な、即ち第2の端子台5に装着可能な制御用端末器の構成を示す。第2図の端末器15は、制御部17とインタフェース部19とを備えている。そして、入力a、b間に印加される伝送信号、即ち例えば図示しない主操作盤等の親機から伝送信号線を介して送られてくる伝送信号が入力される。制御部17は、この入力された伝送信号例えば調光レベルおよび被制御端末器のアドレス等を含むデータを受信し、このデータの内のアドレス情報を予め自己の端末器に指定されている端末器番号等のアドレスと比較する。両者が一致した場合には、制御部17は伝送信号に含まれる調光データに基づき例えばPWM方式の調光信号を作成しインタフェース19を介して端子a′,b′から出力する。」

エ 引用文献4の記載事項

引用文献4には、以下の事項が記載されている。

(4a)(第3頁右上欄第10行?右下欄第19行)
「第1図は本発明の一実施例に係る電源装置の構成を示す。ここでは、電源装置の負荷として螢光ランプを接続し、調光用点灯装置として適用した例を示す。
同図において、1は交流電源で、この交流電源1にインダクタ11とコンデンサ12とからなる雑音防止用のL型フィルタ回路を介して全波整流器21と平滑用コンデンサ22とからなる整流回路2が接続され、この整流回路2の正負直流出力端子間にはSEPP接続された2個のパワーMOSFET31、32を有する他励式のインバータ回路3が接続されている。4は起動回路、5は制御系電源回路、6は本発明の特徴とする調光制御回路、7はV-f変換器、8はV-f変換器7の高周波力によりFET31,32をプッシュプル駆動する駆動回路である。
インバータ回路3は、シリーズインバータまたはハーフブリッジ等と呼ばれるタイプのもので、整流回路3の正負直流出力端子間に2個のパワーMOSFET31,32の直列回路および2個の直流カット用コンデンサ33,34の直列回路を接続し、FET31と32との接続点およびコンデンサ33と34との接続点の間にリーケージ型のインバータトランス35の1次巻線35pを接続してある。
トランス35の2次巻線(ランプ電流供給用巻線)35sには、共振用コンデンサ36が接続され、さらに、変流器(CT)37を介して螢光ランプ9が接続されている。35f1および35f2はフィラメント電力供給用巻線で、それぞれランプ9のフィラメント9f1および9f2に接続されている。トランス35には、さらに、出力電圧検出用巻線35dが設けられている。
調光制御回路6は、ランプ電流検出回路61、直流変換回路62、ランプ電圧検出回路63および誤差増幅器64等を具備する。
ランプ電流検出回路61はCT37の2次巻線誘起出力よりランプ電流ILに比例する検出電圧V_(ID)を発生する。CT37およびこのランプ電流検出回路61はランプ9を全光点灯したときのランプ電流I_(L)に対して後述の参照電圧V_(REP)にほぼ等しい検出電圧V_(ID)が出力されるように各定数を設定してある。
直流変換回路62は、フォトカブラ65、トランジスタ66、抵抗67およびコンデンサ68等からなり、外部から伝送されたPWM調光信号を受信し、受信したPWM信号を直流信号V_(PM)に変換し、この直流信号V_(PM)を上記検出電圧V_(ID)に直流バイアスとして加算する。」

オ 引用文献5の記載事項

引用文献5には、以下の事項が記載されている。

(5a)
「【0022】
(実施の形態1)
図1に示すように、本実施の形態1に係る発光素子点灯装置(以下、点灯装置と記す)1は、電源線2aを介して電力を供給する直流電源Vdc(2)、調光信号線3aを介して光量の調光信号を送信する調光信号送信部3、及び複数の灯具4を備える。また、点灯装置1は、有機ELなどから成る発光素子5aに電力を供給して点灯させるものである。
【0023】
直流電源Vdc(2)は、電力を供給するバッテリーなどである。調光信号送信部3は、例えば、可変抵抗となる抵抗ボリュームを回すことによって抵抗値が動き、それに対応する電圧を指令値として調光信号に変換し、調光信号線3aを介して発光モジュール5の調光制御回路5cに送信する。
・・・
【0027】
点灯回路5bは、発光素子5aを点灯させるため定電流制御を行う、例えば降圧チョッパ回路を備える。この点灯回路5bは、定電流制御を行うことで発光素子5aに安定した電圧を印加する。また、点灯回路5bには調光機能があり、調光制御回路5cからの信号を受けて発光素子5aの振幅調光やPWM調光を行う。点灯回路5bの電源は直流電源Vdc(2)から供給されている。
【0028】
調光制御回路5cは、調光信号送信部3から受信した調光信号Sを元の調光指令値に変換し、点灯回路5bに伝える。この調光信号は、例えば矩形波のデューティ又は直流電圧を可変にするものであり、細かな調光が可能である。調光制御回路5cへの電源供給は調光信号Sからでも直流電源Vdc(2)からでもよく、また、調光制御回路5cは、点灯回路5b内に設けてもよい。」

カ 引用文献6の記載事項

引用文献6には、以下の事項が記載されている。

(6a)
「【0013】
本発明の一実施形態に係る電源ユニット及びそれを用いた照明器具を、図1乃至図3を参照して説明する。図1に示されるように、照明器具1は、電源ユニット2と、灯具3とを備え、電源ユニット2及び灯具3が配線によって相互に接続される。電源ユニット2は、一定の電圧Vを灯具3に供給すると共に、調光信号Sを灯具3に送信する。灯具3は、複数の発光素子31と、各々の発光素子31に対応して設けられた調光信号受信部32及び点灯装置33と、入出力部34とを有する。調光信号受信部32は、電源ユニット2から送信される調光信号Sを受信する。点灯装置33は、調光信号受信部32が受信した調光信号Sに基づいて発光素子31を調光する。
【0014】
灯具3に用いられる発光素子31は、入力電流と光出力がほぼ比例の関係にある素子であり、例えば有機EL素子やLED(発光ダイオード)等の固体発光素子である。調光信号受信部32は、電源ユニット2から受信した調光信号Sを指令値に変換し、点灯装置33に伝える。点灯装置33は、発光素子31を定電流制御して点灯させるものである。点灯装置33は、電源ユニット2からの出力電圧Vと発光素子31の動作電圧との関係に応じて、降圧チョッパ回路、昇圧チョッパ回路、又は昇降圧回路等で構成される。点灯装置33は、調光機能を有し、調光信号受信部32からの指令値を受け、発光素子31をPWM調光又は振幅調光する。入出力部34は、灯具3を電源ユニット2や他の灯具3に接続する3線式のソケットやコネクタ等である。
・・・
【0023】
調光信号送信部22は、マイクロコントローラ又は汎用ICの組み合わせ等により構成される。調光信号送信部22は、出力電流検出部21から伝えられる検出値、及び調光部27から伝えられる調光指令値に基づいて調光信号Sを生成し、調光信号Sを灯具3に送信する。調光信号Sは、例えばPWM(パルス幅変調)信号であり、信号として調光率を含む。PWM信号は、例えば振幅が12V、PWM周波数が1kHzであり、パルスのオン時間が長いほど調光率が高く、定格出力における調光率が100%とされる。調光信号Sは、PWM信号に替えて、振幅信号等を用いてもよい。
【0024】
出力部28は、定電圧部26によって一定にされた出力電圧Vと、調光信号送信部22によって生成された調光信号Sとを出力する。出力部28は、出力電圧V及び調光信号SのGND(グランド線)を共通とし、3線(V、S、GND)で出力する。出力部28は、出力電圧Vに調光信号Sを重畳し、2線(V+S、GND)で出力してもよい。」

(3)当審の判断

ア 本件訂正発明1について

(ア)対比

a 引用発明の「直流電力を高周波電力に変換してランプを高周波点灯するインバータ方式の点灯回路部2と、この点灯回路部2に制御信号を与えてランプの点灯制御を行わせるマイクロコンピュータからなる制御部3」と「ソケットC」からなる構成は、「ランプ」を点灯させるユニットであるといえるから、本件訂正発明1の「点灯ユニット」に相当する。

b 引用発明の「アタッチメントB」は、「ソケットC」に「着脱自在に装着」されているものであり、「所望する機能のアタッチメントBを選定して照明器具Aに取り付け、使用者のニーズに応じて所望の機能を照明器具Aに付加する」ために、「端末器B_(4)」、「ワイヤレス受光装置B_(5)」または「ワイヤレス受信装置B_(6)」から選定されるものであるから、引用発明の「端末器B_(4)」、「ワイヤレス受光装置B_(5)」または「ワイヤレス受信装置B_(6)」が、本件訂正発明1の「前記点灯ユニットと交換可能に接続される複数の通信ユニットから選択される通信ユニット」に相当する。

c 上記a及びbの相当関係を踏まえると、引用発明の「直流電力を高周波電力に変換してランプを高周波点灯するインバータ方式の点灯回路部2と、この点灯回路部2に制御信号を与えてランプの点灯制御を行わせるマイクロコンピュータからなる制御部3」、「ソケットC」及び「端末器B_(4)」、「ワイヤレス受光装置B_(5)」または「ワイヤレス受信装置B_(6)」からなる構成が、本件訂正発明1の「点灯装置」に相当する。

d 引用発明の「端末器B_(4)」が、「受信部12」を有し、「中央制御装置」からの「制御指令」を含む「伝送信号」を、「信号線L」を介して受信するものであり、引用発明の「ワイヤレス受光装置B_(5)」が「受光部17」を有し、「操作装置D」からの「制御指令」を含む「ワイヤレス信号」を受信するものであり、引用発明の「ワイヤレス受信装置B_(6)」が「受信部19」を有し、「操作装置D′」からの「制御指令」を含む「ワイヤレス信号」を受信するものである。
そして、引用発明の「中央制御装置」、「操作装置D」または「操作装置D′」が、本件発明1の「外部機器」に相当し、「制御指令」は、「ランプ」の「点灯,消灯、調光制御などの動作制御」を行う指令であるから、引用発明の「端末機B_(4)」が「受信部12」を有し、「ワイヤレス受光装置B_(5)」が「受光部17」を有し、「ワイヤレス受信装置B_(6)」が「受信部19」を有する構成が、本件訂正発明1の「前記複数の通信ユニットの各々」が、「外部機器から照明光の制御を行う情報を含む制御信号を無線方式または有線方式により受信する通信部」「を有」する構成に相当する。

e 引用発明の「端末器B_(4)」が、「中央制御装置」からの「伝送信号が自己に対するものである場合には、その伝送信号に制御データなどから自己に与えられた制御指令内容を判断する信号処理部14と、その制御指令に応じた照明制御用信号を制御部3に対して与える送出部15」を、引用発明の「ワイヤレス受光装置B_(5)」が、「操作装置Dからのワイヤレス信号」の「受光出力を照明制御用信号に変換する信号変換部18」を、引用発明の「ワイヤレス受信装置B_(6)」が、「操作装置D’の送信信号のアドレスデータが自己のアドレスと一致するかどうかの判断を行い、一致する場合に制御データを照明制御用信号に変換する信号処理部20」をそれぞれ有する構成が、本件訂正発明1の「前記複数の通信ユニットの各々」が、「該通信部が受信した前記制御信号を点灯制御信号に変換する信号変換部とを有」する構成に相当する。

f 引用発明の「ランプ」が、本件訂正発明1の「光源」に相当する。

g 上記fの相当関係を踏まえると、引用発明の「ランプを高周波点灯するインバータ方式の点灯回路部2」及び「点灯回路部2に制御信号を与えてランプの点灯制御を行わせるマイクロコンピュータからなる制御部3」が、本件訂正発明1の「光源を点灯させる点灯回路部」及び「前記点灯制御信号に基づいて前記点灯回路部を制御する点灯制御部」にそれぞれ相当する。

h 引用発明の「端末器B_(4)」、「ワイヤレス受光装置B_(5)」または「ワイヤレス受信装置B_(6)」は、それぞれ、「中央制御装置」、「操作装置D」または「操作装置D′」と「制御指令」を含む信号の送受信すなわち通信を行っている。通信を行うためには、通信方式が対応していなければならないことは当業者にとって自明の事項であることから、引用発明の「端末器B_(4)」、「ワイヤレス受光装置B_(5)」または「ワイヤレス受信装置B_(6)」は、本件訂正発明1の「前記点灯ユニットと接続された前記通信ユニットの通信方式は、前記外部機器が送信する前記制御信号の信号方式に対応し」た構成を備えているといえる。

上記a?hを総合すると、本件訂正発明1と引用発明1との一致点及び相違点は以下のとおりである。

<一致点>
「 点灯ユニットと、
前記点灯ユニットと交換可能に接続される複数の通信ユニットから選択される通信ユニットと、を備え、
前記複数の通信ユニットの各々は、外部機器から照明光の制御を行う情報を含む制御信号を無線方式または有線方式により受信する通信部と該通信部が受信した前記制御信号を点灯制御信号に変換する信号変換部とを有し、
前記点灯ユニットは、光源を点灯させる点灯回路部と前記点灯制御信号に基づいて前記点灯回路部を制御する点灯制御部とを有し、
前記点灯ユニットと接続された前記通信ユニットの通信方式は、前記外部機器が送信する前記制御信号の信号方式に対応する
点灯装置。」

<相違点1>
本件発明1は、「複数の通信ユニットの各々は、第1接続端子部を有し、前記点灯ユニットは、前記第1接続端子部と電気的に接続し、且つ着脱可能な第2接続端子部を有し、前記信号変換部は、前記点灯制御信号を前記第1接続端子部に出力するように構成され、前記点灯制御部は、前記点灯制御信号を前記第2接続端子部から受信するように構成される」のに対し、引用発明は、「端末器B_(4)」、「ワイヤレス受光装置B_(5)」または「ワイヤレス受信装置B_(6)」が「ソケットC」に着脱自在に装着されるものの、電気的な接続や点灯制御信号の出力・受信についてかかる特定がされていない点。

<相違点2>
本件発明1の「信号変換部」は、「複数の種類の照明器具ごとの特性情報が記憶された記憶部を有し、前記記憶部の前記特性情報の中から、前記通信ユニットと接続している照明器具に対応する特性情報を読み取り、前記通信部が受信した前記制御信号を、前記対応する特性情報に応じた前記点灯制御信号に変換する」ものであるのに対し、本件発明1の信号変換部に相当する、引用発明の「端末機B_(4)」の「信号処理部14」及び「送出部15」、「ワイヤレス受光装置B_(5)」の「信号変換部18」、「ワイヤレス受信装置B_(6)」の「信号処理部20」のそれぞれは、かかる特定がされていない点。

(イ)判断

事案に鑑み、上記相違点2について検討する。
本件訂正発明1は、「特性情報」が異なる「複数の種類の照明器具」に対応することを前提とし、その対応を実現するために「複数の種類の照明器具ごとの特性情報が記憶された記憶部を有し、前記記憶部の前記特性情報の中から、前記通信ユニットと接続している照明器具に対応する特性情報を読み取り、前記通信部が受信した前記制御信号を、前記対応する特性情報に応じた前記点灯制御信号に変換する」ものである。
一方、引用発明は、引用文献1に「【産業上の利用分野】本発明は、インバータ方式の照明器具に関するものである。」(摘示(1b))と記載されていることからも理解されるように、「インバータ方式」に属する種類の「照明器具」のみを前提とした発明であり、「インバータ方式の照明器具」において、「使用者のニーズに応じて所望の機能を選択的に付加できる照明器具を提供すること」(摘示(1c)段落【0004】)を課題とするものである。
そして、引用文献1には、複数の種類の照明器具に対応可能とすることは、記載も示唆もされていないし、引用文献2?6にも複数の種類の照明器具に対応可能とすることは、記載も示唆もされていない。
そうすると、引用発明において、その前提を本件訂正発明1のように「複数の種類の照明器具」とする動機付けが存在するとはいえないし、引用発明において「複数の種類の照明器具ごとの特性情報が記憶された記憶部を有し、前記記憶部の前記特性情報の中から、前記通信ユニットと接続している照明器具に対応する特性情報を読み取り、前記通信部が受信した前記制御信号を、前記対応する特性情報に応じた前記点灯制御信号に変換する」構成を採用することも当業者が容易に想到しうるということはできない。
よって、本件訂正発明1は、引用発明及び引用文献1?6に記載の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(ウ)申立人の意見について

申立人は、平成31年1月8日付け意見書において、「訂正により請求項1に新たに追加された特徴『前記信号変換部は、複数の種類の照明器具ごとの特性情報が記憶された記憶部を有し、前記記憶部の前記特性情報の中から、前記通信ユニットと接続している照明器具に対応する特性情報を読み取り、前記通信部が受信した前記制御信号を、前記対応する特性情報に応じた前記点灯制御信号に変換する』については、参考資料1及び2に記載されているように周知技術である」(2頁12?17行)とし、「そして、甲1号証に記載された発明と参考資料1及び2に記載された技術とは、照明制御という点で共通するから、両者の技術分野は関連している。したがって、参考資料1及び2に記載されているような周知の技術を甲1号証に記載された発明に適用する動機付けがあることから、本件特許発明の請求項1は、依然として、甲第1号証に記載された発明及び周知の技術により進歩性を有しておらず、取り消されるべきものである」(5頁10?15行)旨主張している。
しかしながら、上記イで述べたとおり、引用発明は、「インバータ方式」に属する種類の「照明器具」のみを前提とした発明であり、引用文献1には、複数の種類の照明器具に対応可能とすることは、記載も示唆もされていないものであるから、仮に「前記信号変換部は、複数の種類の照明器具ごとの特性情報が記憶された記憶部を有し、前記記憶部の前記特性情報の中から、前記通信ユニットと接続している照明器具に対応する特性情報を読み取り、前記通信部が受信した前記制御信号を、前記対応する特性情報に応じた前記点灯制御信号に変換する」ことが周知技術であったとしても、引用発明はその前提となる複数の種類の照明器具に対応することが想定されていない発明である以上、その周知技術を適用することが当業者にとって容易に想到しうるということはできない。
したがって、申立人の上記主張を採用することはできない。

イ 本件訂正発明2?4について

本件訂正発明2?4は、請求項1を直接的又は間接的に引用する本件訂正後の請求項2?4により特定されるものであるから、上記アと同様の理由から、本件訂正発明2?4は、引用発明または引用発明及び引用文献2?6に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について

(1)特許異議申立理由の概要

申立人が特許異議申立書において主張した特許異議申立理由の概要は、以下のとおりである。

理由1
本件特許の請求項1、3?4に係る発明は、甲第1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきである。

理由2
本件特許の請求項1、3及び4に係る発明は、甲第1号証に記載された発明、または、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に想到しうる発明であり、本件特許の請求項2に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第3号証に記載された事項、または、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証及び第3号証に記載された事項、または、甲第1号証に記載された発明及び甲4?7号証に記載された周知技術、または、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証に記載された事項及び甲4?7号証に記載された周知技術に基いて、当業者が容易に想到しうる発明であり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきである。

(2)検討

ア 理由1について

上記「4(3)ア(ア)」において述べたとおり、本件訂正発明1と引用発明とを対比すると、相違点1及び2で相違することから、理由1に係る申立人の主張を採用することはできない。

イ 理由2について

本件特許の請求項1に係る発明が、引用発明から容易に想到しうるものでないことは上記「4(3)ア(イ)」で述べたとおりであるから、本件特許の請求項1に係る発明が、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された事項に基づき、当業者が容易に想到しうる発明であるか否かについて以下検討する。
甲第2号証に記載された事項について、申立人は以下の主張をしている。
「甲第2号証に、照明器具(40)、運転制御装置(1)、及び操作端末(2)を備えたシステムにおいて、『運転制御装置(1)は、照明器具(40)に着脱自在に装着される』点、『運転制御装置(1)は、操作端末(2)から無線送信された指令信号を受信する無線通信部(10)と、照明器具(40)の出力値(光量)を指令信号に応じて制御する設備機器出力制御部(12)とを備える』点、『設備機器出力制御部(12)は、光量度合いを示す信号の出力装置である』点、及び『照明器具(40)に、運転制御装置(1)を着脱自在に装着可能な運転制御装置装着部(41)が設けられる』点が記載されている。そして、甲第2号証には、上記システムにおいて、『運転制御装置装着部(41)に運転制御装置(1)が装着されると、運転制御装置装着部(41)に設けられた通信端子と運転制御装置(1)の通信端子とが接続される』点が記載されている」(特許異議申立書21頁23行?22頁7行)
しかし、上記主張は、少なくとも、上記「4(3)ア(ア)」において示した相違点2に関する主張ではなく、甲第2号証には、相違点2に関する事項は記載も示唆もされていないことから、本件特許の請求項1に係る発明が、引用発明及び甲第2号証に記載された事項に基づき、当業者が容易に想到しうる発明であるということはできず、上記主張を採用することはできない。
また、本件訂正発明2?4は、請求項1を直接的又は間接的に引用する本件訂正後の請求項2?4により特定されるものであるから、本件訂正後の請求項3及び4に係る発明は、甲第1号証に記載された発明、または、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に想到しうる発明であるということはできないし、本件訂正後の請求項2に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第3号証に記載された事項、または、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証及び第3号証に記載された事項、または、甲第1号証に記載された発明及び甲4?7号証に記載された周知技術、または、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証に記載された事項及び甲4?7号証に記載された周知技術に基いて、当業者が容易に想到しうる発明であるということもできない。

6 むすび

以上のとおり、請求項1?4に係る特許については、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、取り消すことはできない。

また、他に請求項1?4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
点灯装置、照明器具およびそれを用いた照明制御システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、点灯装置、照明器具およびそれを用いた照明制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、照明器具における光源のオン、オフや調光制御などを、照明器具の外部に設けた外部機器の制御で行う照明制御システムが用いられている。
【0003】
この種の照明制御システムとしては、図8に示す、制御装置103a,103bと接続させた照明器具側にディジタルインタフェースを介して放電ランプ102の駆動制御を行うライティング装置を備えたものが知られている(特許文献1を参照)。
【0004】
特許文献1のライティング装置は、放電ランプ102を駆動する電子安定器101と、所定の放電ランプ102の駆動を制御する制御装置103a,103bとを備えている。ライティング装置は、ライティング装置を操作するための操作素子107a,107bを備えている。ライティング装置は、バス信号線路142を用いて、制御装置103a,103bが電子安定器101に制御命令を入力する。制御装置103a,103bは、駆動命令により、点弧および調光を含む放電ランプ102の駆動制御を行うことが可能となる。図8では、2つの空間を分ける境界を破線で示しており、操作素子107aと同じ機能を果たす操作素子107a’を別の空間に配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-349257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、照明制御システムには、種々の通信方式があり、外部機器側から同じ調光制御の通信信号が伝送されても通信方式によって、所定の調光制御を行うことができない場合がある。そのため、照明制御システムは、通信方式ごとに通信方式に対応した照明器具を構成しなければならない場合がある。
【0007】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、種々の通信方式に対応して照明光の制御を行うことが可能な点灯装置、照明器具およびそれを用いた照明制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の点灯装置は、点灯ユニットと、前記点灯ユニットと交換可能に接続される複数の通信ユニットから選択される通信ユニットと、を備え、前記複数の通信ユニットの各々は、外部機器から照明光の制御を行う情報を含む制御信号を無線方式または有線方式により受信する通信部と当該通信部が受信した上記制御信号を点灯制御信号に変換する信号変換部とを有し、前記点灯ユニットは、光源を点灯させる点灯回路部と上記点灯制御信号に基づいて上記点灯回路部を制御する点灯制御部とを有し、上記点灯ユニットと接続された上記通信ユニットの通信方式は、上記外部機器が送信する上記制御信号の信号方式に対応し、前記複数の通信ユニットの各々は、第1接続端子部を有し、前記点灯ユニットは、前記第1接続端子部と電気的に接続し、且つ着脱可能な第2接続端子部を有し、前記信号変換部は、前記点灯制御信号を前記第1接続端子部に出力するように構成され、前記点灯制御部は、前記点灯制御信号を前記第2接続端子部から受信するように構成され、前記信号変換部は、複数の種類の照明器具ごとの特性情報が記憶された記憶部を有し、前記記憶部の前記特性情報の中から、前記通信ユニットと接続している照明器具に対応する特性情報を読み取り、前記通信部が受信した前記制御信号を、前記対応する特性情報に応じた前記点灯制御信号に変換することを特徴とする。
【0010】
この点灯装置において、上記点灯制御信号は、PWM信号または直流電圧の振幅信号であることを特徴とする。
【0011】
本発明の照明器具は、上述の上記点灯装置を備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明の照明制御システムは、上述の上記照明器具と、上記外部機器とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の点灯装置においては、交換可能な通信ユニットを備えることにより、種々の通信方式に対応して照明光の制御を行うことが可能となる。
【0014】
本発明の照明器具においては、通信ユニットを交換可能に備えた点灯装置を備えることにより、種々の通信方式に対応して照明光の制御を行うことが可能となる。
【0015】
本発明の照明制御システムにおいては、通信ユニットを交換可能に備えた照明器具を備えることにより、種々の通信方式に対応して照明光の制御を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、実施形態1の照明制御システムのブロック図である。
【図2】図2は、実施形態1の照明制御システムにおける要部の概略説明図である。
【図3】図3は、実施形態1の照明制御システムにおける動作を説明する説明図である。
【図4】図4は、実施形態2の照明制御システムのブロック図である。
【図5】図5は、実施形態2の照明制御システムにおける動作を説明する説明図である。
【図6】図6は、実施形態3の照明制御システムのブロック図である。
【図7】図7は、実施形態4の照明制御システムのブロック図である。
【図8】図8は、従来の照明制御システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施形態1)
以下、本実施形態の照明制御システム30について、図1ないし図3を参照しながら説明する。
【0018】
本実施形態の照明制御システム30は、図1に示すように、照明光の制御を行う情報を含む制御信号を送信する外部機器31と、外部機器31からの制御信号を受信可能な照明器具32とを有している。照明器具32は、光源33を点灯させるための点灯装置10を備えている。
【0019】
本実施形態の照明制御システム30では、点灯装置10は、通信ユニット12と、点灯ユニット11と、を備えている。通信ユニット12は、外部機器31から照明光の制御を行う情報を含む制御信号を無線方式または有線方式により受信する第1通信部5と、第1通信部5が受信した制御信号を点灯制御信号に変換する信号変換部6と、を有している。点灯ユニット11は、光源33を点灯させる点灯回路部1と、点灯制御信号に基づいて点灯回路部1を制御する点灯制御部2と、を有している。点灯ユニット11と接続する通信ユニット12は、外部機器31が送信する制御信号の信号方式に応じて通信方式が異なる通信ユニット12と交換可能としている。
【0020】
本実施形態の照明制御システム30では、制御信号の信号方式に応じて通信ユニット12を交換することで、種々の通信方式に対応して照明光の制御を行うことが可能となる。
【0021】
以下では、本実施形態の照明制御システム30を、より詳細に説明する。
【0022】
本実施形態の照明制御システム30は、通信線L1や電源線L2を介して、複数の照明器具32と、照明器具32を監視制御する外部機器31とを接続している。なお、図1では、通信線L1や電力線L2を1本の線で図示しているが、実際には2本の電線によって構成している。照明制御システム30は、外部機器31と、照明器具32側の点灯装置10との間を通信線L1で接続して通信信号の受信および送信を行っているが、必ずしも通信線L1を用いた有線方式で行う必要はなく、無線方式により通信信号を伝送してもよい。通信信号は、照明光の制御を行う情報を含む制御信号であるが、制御信号だけに限られない。なお、照明制御システム30は、無線方式により通信信号を伝送する場合、各種の周波数の電波を利用した通信、赤外線通信や可視光通信を行う構成のものであってもよい。
【0023】
通信ユニット12は、有線方式として通信線L1を介して、通信信号を伝送する場合、シリアル通信により通信信号を伝送することができる。シリアル通信は、通信信号を伝送する通信線L1を1本または2本使用して、通信信号のデータを1ビットずつ連続的に送信や受信する通信方式であり、少ない通信線L1で通信信号を伝送することが可能となる。シリアル通信を用いた通信方式としては、米国電子工業会によって標準化されたRS-485通信や国際規格で認証を受けたDALI(登録商標)(Digital Addressable Lighting Interface)通信などが挙げられる。
【0024】
照明制御システム30では、RS-485通信を利用する場合、バス型のマルチポイント接続に対応し、最大で32台までの複数対複数接続を行うことができる。また、照明制御システム30では、RS-485通信を利用する場合、通信線L1の最大長は、1.2kmで、最大通信速度は10Mbpsとすることができる。
【0025】
照明制御システム30では、DALI通信を利用する場合、マスタ-スレーブ方式であり、1つのマスタとなる外部機器31に対しスレーブとなる照明器具32を最大64台接続することができる。また、照明制御システム30では、DALI通信を利用する場合、マスタ-スレーブ間の最大距離を300mまでとることが可能となる。照明制御システム30は、DALI通信を利用する場合、2線式、半二重の1200(bit/sec)の通信を行うことができる。照明制御システム30では、DALI通信を利用する場合、スレーブのグループ化を行うことも可能である。照明制御システム30は、DALI通信を利用する場合、254階調の調光、フェードや16種類のシーンを設定した調光など高度な制御を行うことが可能となる。さらに、照明制御システム30では、DALI通信を利用する場合、外部機器31と照明器具32との間において、双方向で通信できることから照明器具32側の故障や光源33の寿命などの情報を外部機器31側で収集することもできる。
【0026】
照明器具32は、たとえば、ECHONET(登録商標)などの通信プロトコルを用いて通信信号を送信することができる。ECHONETは、屋内の電灯線や無線を利用したホームネットワークの規格であり、通信回線とつながったゲートウェイを介して屋外から接続できる。ECHONETは、ECHONET内にある外部機器31から照明器具32を制御するほか、屋外の外部機器31からの遠隔操作により照明器具32を制御することも可能となる。
【0027】
通信ユニット12は、無線方式により通信信号を伝送する場合、たとえば、ZIGBEE(登録商標)やWiFi(登録商標)などの無線通信プロトコルを用いて送信することができる。照明制御システム30では、ZIGBEEを利用する場合、WiFiやBluetooth(登録商標)を利用する場合と異なり、接続できる照明器具32の数を最大65535個とすることができ、大規模なネットワークを構築することができる。照明制御システム30では、ZIGBEEを利用する場合、WiFiやBluetooth(登録商標)と比較して、制御情報など通信信号がそれほど大きくなく、間欠的に通信信号の伝送を行うことに向いている。
【0028】
通信ユニット12は、たとえば、無線LANの通信規格の通信手順として採用されているCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)などのアクセス制御方式を用いることができる。CSMA/CAは、同一周波数を複数の通信ユニット12で共有しても、通信媒体上で生じる通信信号の衝突を回避することができる。なお、照明制御システム30では、通信手順は、通信信号の衝突を回避する手段であればCSMA/CAに限られるものではない。
【0029】
外部機器31は、たとえば、コンピュータネットワークを利用することが可能なタブレット端末や多機能携帯電話を利用することができる。また、外部機器31は、たとえば、屋内の壁面などに設けた制御機器やリモートコントローラなどを用いてもよい。本実施形態の照明制御システム30では、外部機器31は、第4電源部27と、第2通信部25を制御する第2通信制御部26と、照明器具32側と通信する第2通信部25とを備えた構成とすることができる。
【0030】
第4電源部27は、たとえば、商用交流電源などの外部電源34から直流電源を作成することが可能なものである。第4電源部27は、たとえば、AC-DCコンバータを用いて構成することができる。第4電源部27は、第2通信制御部26を動作させるために、第2通信制御部26に適合した電力を第2通信制御部26に給電する。また、第4電源部27は、第2通信部25を動作させるため、第2通信部25に適合した電力を第2通信部25に給電することもできる。
【0031】
第2通信部25は、特定の照明器具32の点灯装置10へ特定の照明器具32の照明光の制御を行う制御情報を送信することができる。また、第2通信部25は、照明器具32の状態情報を照明器具32側から受信する構成としてもよい。すなわち、外部機器31の第2通信部25は、照明器具32側と双方向通信を行うことが可能に構成することができる。第2通信部25は、双方向通信を行うものだけに限られず、照明器具32側へ通信信号を送信だけするといった一方向の通信を行う構成に形成してもよい。本実施形態の照明制御システム30では、外部機器31は、第5電源部28を備えた構成としている。外部機器31は、第5電源部28を備えた構成とすることで、第5電源部28からの電力を通信信号として利用することができるが、第2通信部25から通信信号が伝送できれば必ずしも必要ではない。
【0032】
第2通信制御部26は、第2通信部25を制御することが可能なものである。第2通信制御部26は、たとえば、マイクロコンピュータに適宜のプログラムを搭載することにより構成することができる。プログラムは、たとえば、マイクロコンピュータに設けられたメモリ(図示せず)に予め記憶させておけばよい。第2通信制御部26は、適宜のプログラムを備えることで、照明器具32側へ伝送する制御情報や照明器具32側から受信した状態情報を利用して、照明制御システム30の保守管理を行うこともできる。第2通信制御部26は、図示していないが、たとえば、光センサや人検知センサなど各種のセンサと電気的に接続させた構成としてもよい。第2通信制御部26は、センサから送られてくる信号を受信し、照明器具32側へ制御情報を含む通信信号に変換した上で、第2通信部25から送信するように構成することもできる。外部機器31は、たとえば、屋外の光量を光センサにより検知して、屋内の複数の照明器具32のうち、窓際の照明器具32だけ減光するように、照明器具32の制御を行うことが可能となる。また、外部機器31は、たとえば、複数の照明器具32のうち、人検知センサにより検知した人が存在する領域の照明器具32だけを点灯するように照明器具32を制御することが可能となる。
【0033】
また、第2通信制御部26は、通信ユニット12から送られてきた照明器具32側の状態情報を受信し、送られた状態情報を図示していない液晶表示装置などのディスプレイのモニタに表示させるように構成してもよい。さらに、第2通信制御部26は、図示していない報知部と電気的に接続させた構成としてもよい。外部機器31は、第2通信制御部26が照明器具32の状態情報を報知部からユーザに知らせる構成としてもよい。報知部は、たとえば、スピーカやブザーなどの音を発するものや、ライトの点灯や点滅により報知を行うものを用いることができる。外部機器31は、たとえば、照明器具32側から送られてきた状態情報が照明器具32側の故障や光源33の寿命を示すものであれば、モニタや報知部によりユーザに照明器具32側の異常や故障、光源33の寿命を知らせることが可能となる。なお、照明器具32側の状態情報とは、照明器具32側の異常や故障、光源33の寿命だけでなく、照明器具32の消費電力、光源33の累積点灯時間や現在の調光レベルなど種々のものとすることができる。
【0034】
また、第2通信部25は、照明器具32のみならず、照明器具32以外の他の電気機器や電子機器と通信を行うことが可能なように構成してもよい。照明器具32以外の他の電気機器や電子機器としては、たとえば、パーソナルコンピュータやリモートコントローラなどを挙げることができる。したがって、本実施形態の照明制御システム30では、ユーザがリモートコントローラやパーソナルコンピュータを操作して、外部機器31を介して照明器具32を制御することも可能となる。
【0035】
照明器具32は、光源33を点灯可能な点灯装置10を備えている。点灯装置10は、外部機器31から照明光の制御を行う制御信号を受信し、点灯制御信号を出力する通信ユニット12を備えている。点灯装置10は、通信ユニット12と光源33を点灯制御信号に基づいて点灯制御する点灯ユニット11を備えている。点灯装置10は、たとえば、図2に示すように、通信ユニット12が点灯ユニット11から着脱自在にできるように構成することができる。図2では、外部機器31の通信方式と対応する通信ユニット12が、接続端子部9,9を介して、点灯ユニット11側と着脱自在(図2の一点鎖線を参照)に構成している。図2中では、外部機器31である第1外部機器31aと、通信ユニット12である第1通信ユニット12aとの通信方式が対応しており、外部機器31である第2外部機器31bと通信ユニット12である第2通信ユニット12aとの通信方式が対応している。図2では、第1外部機器31aから第1通信ユニット12aへ伝送する通信信号を実線の矢印で示している。
【0036】
照明器具32は、通信ユニット12からの点灯制御信号に基づいて点灯ユニット11が制御される。照明器具32は、たとえば、居室に直付けされた基礎的な照明であるベースライト、一点を集中的に照らすスポットライトや天井などに埋め込んで取り付けられるダウンライトとして構成することができる。照明器具32は、たとえば、LEDモジュールを光源33として点灯させる点灯装置10と、点灯装置10や光源33を保持する筐体とを備えた構成とすることができる。
【0037】
点灯装置10の点灯ユニット11は、光源33を点灯させる点灯回路部1と、点灯回路部1を制御する点灯制御部2と、外部電源34と接続する第1電源部3と、第1電源部3と接続する第2電源部4とを備えた構成とすることができる。
【0038】
第1電源部3は、たとえば、商用交流電源などの外部電源34から電源線L2を介して供給される交流電力を点灯回路部1に適合した直流電力に変換して出力する。すなわち、第1電源部3は、光源33を点灯させる電力を点灯回路部1へ給電する。
【0039】
第2電源部4は、たとえば、第1電源部3から供給される直流電力を点灯制御部2に適合した電力に変換して出力する。第2電源部4は、点灯制御部2を動作させる電源として機能する。また、第2電源部4は、通信ユニット12内の信号変換部6に給電する構成としてもよい。第2電源部4は、点灯ユニット11側の第1接続端子9aと接続させた通信ユニット12側の第2接続端子9cを介して、信号変換部6に給電することができる。
【0040】
光源33は、たとえば、LED(Light Emitting Diode)、蛍光灯などの放電灯や有機EL(Electro Luminescence)素子などを用いることができる。光源33は、LEDを利用する場合、たとえば、LEDモジュールを構成することができる。LEDモジュールは、図示していないが、LEDを実装基板に実装した構成することができる。LEDモジュールは、複数個のLEDを直列接続、並列接続や直並列接続させた構成とすることができる。
【0041】
点灯ユニット11の第1電源部3は、たとえば、電源線L2を介して、外部電源34から商用交流電力が入力される。第1電源部3は、交流電力を整流する整流回路と、整流回路からの出力を平滑する平滑コンデンサと、所望の電圧に変換するチョッパ回路などを含む力率改善回路などを含んだ構成とすることができる。点灯回路部1は、たとえば、第1電源部3の両端間に電気的に接続させたスイッチング素子と、ダイオードとの直列回路とを備えている。点灯回路部1は、スイッチング素子とダイオードとの接続点に電気的に接続されたインダクタと、インダクタに電気的に接続され出力を平滑化する平滑コンデンサとを備えている。これにより、点灯回路部1は、降圧型のDC-DCコンバータを構成することができる。点灯ユニット11は、DC-DCコンバータの出力側に、LEDモジュールを光源33として電気的に接続すればよい。整流回路としては、たとえば、4個のダイオードにより構成されたダイオードブリッジを用いることができる。DC-DCコンバータとしては、たとえば、フライバック方式のスイッチング電源回路を用いることができる。
【0042】
点灯制御部2は、点灯回路部1に設けたスイッチング素子の電流値が所定の値となるように、スイッチング素子のオンオフを制御する。点灯制御部2は、スイッチング素子のオンオフを制御するための点灯制御信号を出力する。点灯制御部2は、点灯制御信号として、たとえば、PWM(Pulse Width Modulation)信号を出力することができる。点灯回路部1は、点灯制御部2からの点灯制御信号に従って、スイッチング素子がオンオフする。
【0043】
点灯制御部2は、たとえば、マイクロコンピュータに適宜のプログラムを搭載することにより構成することができる。プログラムは、たとえば、マイクロコンピュータに設けられたメモリ(図示せず)に予め記憶させておけばよい。点灯ユニット11では、点灯制御部2から出力される点灯制御信号の周波数もしくはパルス幅を適宜調整することによって、光源33に流れる電流をより定電流化することが可能となる。
【0044】
点灯ユニット11の点灯制御部2は、通信ユニット12の信号変換部6と接続している。信号変換部6は、通信ユニット12が受信した外部機器31からの照明光の制御を行う制御情報に基づいて、点灯制御信号を点灯制御部2へ出力する。点灯制御部2は、点灯制御信号に基づいて、点灯回路部1におけるDC-DCコンバータの出力電圧を指示する信号を出力する。言い換えれば、外部機器31は、通信ユニット12を介して、照明器具32の点灯装置10と電気的に接続された光源33たるLEDモジュールを調光制御させることができる。
【0045】
点灯ユニット11は、点灯制御部2が、光源33の特性に応じて所定の調光カーブを満たすように、外部機器31からの通信信号に基づいて、点灯回路部1におけるスイッチング素子のオン時間を制御する。照明器具32では、外部機器31からの通信信号にしたがって点灯回路部1のスイッチング素子のオン時間を点灯制御部2が制御することにより、光源33の調光レベルを調整することが可能となる。
【0046】
点灯制御部2は、通信ユニット12から送られてくる制御情報を受けて、点灯回路部1を制御する。制御情報には、光源33の出力が100%となる全点灯、光源33の出力が0%となる消灯、調光制御や点滅動作など照明器具32の照明光の制御を行う制御情報が含まれている。本実施形態の照明制御システム30では、点灯ユニット11は、第2電源部4を備えている。第2電源部4は、第1電源部3からの直流電力を点灯制御部2の駆動に適合する電力に変換するDC-DCコンバータを備えた構成とすることができる。
【0047】
通信ユニット12は、第1通信部5と、信号変換部6とを備えた構成とすることができる。通信ユニット12は、照明器具32の点灯ユニット11と着脱自在で電気的に接続可能な機能を持っている。なお、照明制御システム30では、外部機器31が送信する制御信号の信号方式に応じた通信方式に適合する通信ユニット12を照明器具32に接続すれば、外部機器31と照明器具32との間の通信方式に寄らず照明器具32を制御することが可能となる。
【0048】
点灯ユニット11と通信ユニット12とは、両者に接続端子部9を設けて電気的な接続を行ってもよいし、ケーブルなどを用いた配線により電気的な接続を行ってもよい。本実施形態の照明制御システム30では、通信ユニット12は、信号変換部6へ給電するため、第2電源部4と接続された点灯ユニット11側の第1接続端子9aに接続可能な第2接続端子9cを備えている。また、通信ユニット12は、信号変換部6が点灯制御部2へ点灯制御信号を出力するため、点灯制御部2と接続された点灯ユニット11側の第3接続端子9b(第2接続端子部)に接続可能な第4接続端子9d(第1接続端子部)を備えている。点灯ユニット11は、たとえば、第1接続端子9aと第3接続端子9bとで接続端子部9を構成することができる。通信ユニット12は、点灯ユニット11と着脱可能なように、たとえば、第2接続端子9cと第4接続端子9dとで接続端子部9を構成することができる。さらに、通信ユニット12は、第1通信部5が外部機器31側からの通信信号を受信するため、通信線L1と接続された照明器具32側の第5接続端子9fに接続可能な第6接続端子9eを備えている。通信ユニット12と照明器具32側とは、通信ユニット12に設けた接続端子部と照明器具32側に設けた接続端子部により接続させることができる。なお、通信ユニット12と照明器具32側とは、ケーブルなどを用いて配線により接続させてもよい。したがって、通信ユニット12と照明器具32側との間には、必ずしも接続端子部が必要となるものではない。
【0049】
第1通信部5は、外部機器31との間で通信信号の受信および送信を行うことが可能なものである。したがって、第1通信部5は、たとえば、信号受信機と信号発信機とを備えた構成とすることができる。第1通信部5は、通信ユニット12と接続された照明器具32とは別の照明器具32と通信を行うことができるように構成してもよい。
【0050】
信号変換部6は、通信信号を点灯制御信号に信号変換する信号変換機能を備えた構成とすることができる。信号変換部6は、通信信号から信号変換部6自身が行う制御内容を決める構成とすることができる。信号変換部6は、通信信号に含まれた制御信号を信号変換して点灯制御部2に出力できるように、発信器を備えた構成としている。信号変換部6は、制御信号に基づいて、発信機を利用し、点灯制御信号を生成することができる。本実施形態の照明制御システム30では、信号変換部6と点灯制御部2とは、シリアル通信で通信信号の情報を伝送することができる。
【0051】
なお、信号変換部6は、照明器具32の特性情報を記憶する記憶部を備えていてもよい。記憶部は、たとえば、不揮発性の半導体メモリであるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などを用いて構成することができる。記憶部は、予め複数の汎用の照明器具32の特性情報を記憶させておくことができる。記憶部では、照明器具32の特性情報として、照明器具32に接続される光源33の特性に応じた光源33の光出力と調光信号との関係を示す調光特性を含めることができる。そのため、照明制御システム30では、光源33の調光特性に合わせて調光レベルを調整することも可能となる。
【0052】
次に、本実施形態の照明制御システム30における照明器具32の設定動作を、図3を用いて説明する。
【0053】
最初に、点灯装置10の通信ユニット12は、通信線L1を介して、外部機器31からの通信信号を第1通信部5で受信する。照明制御システム30では、外部機器31は、たとえば、通信線L1を介して、シリアル通信で通信信号たる第1信号41を通信ユニット12に送信する。すなわち、第1信号41は、たとえば、RS-485通信などのシリアル信号とすることができる。
【0054】
信号変換部6は、外部機器31から送られてきた第1信号41がどのような通信信号であるかを判別する。信号変換部6は、たとえば、第1信号41が光源33の全点灯、消灯や調光制御など照明器具32の照明光の制御を示す制御情報であるかを判別する。また、信号変換部6は、たとえば、照明器具32側の光源33の点灯時間が予め設定した寿命時間に達しているかの状態情報を外部機器31側に送信することを要求する情報であるかを判別する。信号変換部6は、たとえば、照明器具32に異常や故障が生じていないかかの状態情報を外部機器31側に送信することを要求する情報であるかを判別する。さらに、信号変換部6は、たとえば、予め複数の種類の照明器具32ごとの特性情報が記憶された記憶部の特性情報の中から通信ユニット12が接続した照明器具32の特性に適合した所定の特性情報を選択する選択情報であるかを判別する。
【0055】
信号変換部6では、通信信号が選択情報の場合、通信ユニット12が接続している照明器具32の種類を確認する。照明制御システム30では、外部機器31側から送信される通信信号に、通信ユニット12が接続している照明器具32の種類に適合した特性情報を選択する選択情報を含ませることができる。なお、照明制御システム30では、照明器具32の種類として、たとえば、白熱電球を光源33として点灯させる照明器具32や蛍光灯を光源33として点灯させる照明器具32が挙げられる。また、照明制御システム30では、照明器具32の種類として、たとえば、LEDを光源33として点灯させる照明器具32や有機EL素子を光源33として点灯させる照明器具32なども挙げられる。
【0056】
信号変換部6は、照明器具32の種類を確認した後、記憶部より、通信ユニット12と接続している照明器具32に対応する特性情報を読み取る。照明制御システム30では、照明器具32の特性情報として、たとえば、照明器具32の定格電力、光源33の調光可能範囲、照明器具32における光出力と調光信号との関係などを示したものが挙げられる。なお、調光可能範囲とは、光源33の出力が100%となる全点灯に対し、光源33が最低何%まで点灯できるかを示す範囲をいう。
【0057】
また、本実施形態の照明制御システム30では、通信ユニット12は、外部機器31側からの第1信号41が調光制御を示すものである場合、光源33を所定の光出力で出力するように、点灯制御部2へ第1信号41の情報を伝送する。本実施形態の照明制御システム30では、第1通信部5で受信した第1信号41を信号変換部6が照明器具32の特性情報に応じた点灯制御信号として第2信号42に変換して点灯制御部2へ出力する。第2信号42は、たとえば、PWM信号や直流電圧の振幅信号とすることができる。
【0058】
本実施形態の照明制御システム30では、信号変換部6と点灯制御部2とは、PWM信号の第2信号42により、通信信号の情報を伝送している。照明制御システム30は、信号変換部6が調光制御の通信信号に応じて、PWM信号のオン・デューティを変化させることで、点灯制御部2が点灯回路部1を制御する。なお、PWM信号のオン・デューティとは、PWM信号の予め定められた周期の中のオン時間の割合を示す。本実施形態の照明制御システム30では、点灯制御部2は、点灯制御部2は、点灯回路部1に適合したデューティのPWM信号や直流電圧の振幅信号を第3信号43として点灯回路部1に出力する。
【0059】
点灯回路部1は、たとえば、光源33として、LEDを用いている場合、PWM信号の第3信号43が入力されれば、PWM信号のパルス幅に応じて直流電流を制御し光源33の光出力を予め設計された調光カーブに従って変化させる。言い換えると、点灯回路部1は、所定の出力波形を有する直流電流の第4信号44を光源33に出力している。本実施形態の照明制御システム30では、信号変換部6と点灯制御部2とがPWM信号により通信信号の情報を伝送しているので、通信ユニット12の信号変換部6を比較的に簡単な構成とすることが可能となる。本実施形態の照明制御システム30では、PWM信号を用いたものを示しているが、PWM信号を用いたものだけに限られない。信号変換部6と点灯制御部2とは、直流電圧の振幅信号で通信信号の情報を伝送することもできる。照明制御システム30は、通信信号の情報を伝送するため、たとえば、1Vないし10Vなどの直流電圧の振幅信号を利用してもよい。照明制御システム30では、信号変換部6と点灯制御部2とが、直流電圧の振幅信号で通信信号の情報を伝送する場合、通信ユニット12の信号変換部6を比較的に簡単な構成とすることができる。
【0060】
ところで、既存の照明制御システムでは、照明器具への通信信号の伝送に様々な通信方式が用いられている。しかしながら、照明器具の光源33にLEDを利用する場合、点灯回路部1へ入力する信号は、PWM信号を用いる場合が多い。そのため、照明制御システムでは、通信方式に対応して個別に照明器具を開発せざるを得ない。
【0061】
本実施形態の照明制御システム30では、外部機器31からどのような通信方式の制御信号が送信されても、対応する通信方式の制御信号が受信可能な通信ユニット12と交換することにより、照明光の照明制御を行うことが可能となる。そのため、本実施形態の照明制御システム30では、照明制御システム30全体の構成を簡略化することが可能となる。本実施形態の照明制御システム30は、外部機器31との通信機能を備えていない照明器具32の点灯装置10に通信ユニット12を接続することで、後付的に通信機能を付加することも可能となる。通信ユニット12は、外部機器31との通信機能を備えていない点灯装置10に対し、通信機能を付与する通信拡張機能部ということもできる。そのため、本実施形態の照明制御システム30では、照明器具32における点灯装置10の構成を簡略化することが可能となる。言い換えれば、点灯装置10は、後付けの照明器具32に通信機能を付加でき、点灯ユニット11と通信ユニット12とを別体に構成することで、照明器具32の開発期間の短縮化を図ることが可能となる。
【0062】
(実施形態2)
図4に示す本実施形態の照明制御システム30は、図1に示す実施形態1と同様の構成であって、通信線L1を利用して通信信号の伝送を行う代わりに、電力線L2を利用して照明器具32の制御を行う点が相違する。なお、本実施形態の照明制御システム30では、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0063】
本実施形態の照明制御システム30では、図4に示すように、通信線L1を利用して通信信号を受信および送信を行う代わりに、電力線L2を利用してPLC(Power Line Communication)により、照明器具32の制御を行っている。
【0064】
以下に、本実施形態の照明制御システム30における照明器具32の設定動作を、図5を用いて説明する。
【0065】
最初に、点灯装置10の通信ユニット12は、電力線L2と兼用する通信線L1を介して、外部機器31からの通信信号を第1通信部5で受信する。照明制御システム30では、外部機器31は、たとえば、電力線L2を介して、通信信号たる第5信号45を通信ユニット12に送信する。第5信号45は、たとえば、電源電圧に振幅電圧を加えたアナログ信号としている。
【0066】
信号変換部6は、外部機器31から送られてきた第5信号45がどのような通信信号であるかを判別する。信号変換部6は、たとえば、第5信号45が光源33の全点灯、消灯や調光制御など照明器具32の照明光の制御を示す制御情報であるかを判別する。また、信号変換部6は、たとえば、照明器具32側の光源33の点灯時間が予め設定した寿命時間に達しているかの状態情報を外部機器31側に送信することを要求する情報であるかを判別する。信号変換部6は、たとえば、照明器具32に異常や故障が生じていないかかの状態情報を外部機器31側に送信することを要求する情報であるかを判別する。さらに、信号変換部6は、たとえば、予め複数の種類の照明器具32ごとの特性情報が記憶された記憶部の特性情報の中から通信ユニット12が接続した照明器具32の特性に適合した所定の特性情報を選択する選択情報であるかを判別する。
【0067】
通信ユニット12は、外部機器31側からの第5信号45が調光制御を示すものである場合、光源33を所定の光出力で出力するように、点灯制御部2へ第5信号45の情報を伝送する。本実施形態の照明制御システム30では、第1通信部5で受信した第5信号45を信号変換部6が照明器具32の特性情報に応じた点灯制御信号として第2信号42に変換して点灯制御部2へ出力する。第2信号42は、たとえば、PWM信号や直流電圧の振幅信号とすることができる。
【0068】
本実施形態の照明制御システム30では、信号変換部6と点灯制御部2とは、PWM信号の第2信号42により、通信信号の情報を伝送している。照明制御システム30は、信号変換部6が調光制御の通信信号に応じて、PWM信号のオン・デューティを変化させることで、点灯制御部2が点灯回路部1を制御する。本実施形態の照明制御システム30では、点灯制御部2は、点灯制御部2は、点灯回路部1に適合したデューティのPWM信号や直流電圧の振幅信号を第3信号43として点灯回路部1に出力する。
【0069】
点灯回路部1は、たとえば、光源33として、LEDを用いている場合、PWM信号の第3信号43が入力されれば、PWM信号のパルス幅に応じて直流電流の出力波形を制御し光源33の光出力を予め設計された調光カーブに従って変化させる。すなわち、点灯回路部1は、光源33に直流電流の出力波形を有する第4信号44を出力する。
【0070】
なお、PLCは、電力線L2を通信回線として利用する技術であり、照明制御システム30では、PLCにより、数Mbpsないし数百bpsの速度で調光制御などを行うことも可能となる。
【0071】
本実施形態の照明制御システム30は、実施形態1の通信ユニット12を本実施形態の照明制御システム30の外部機器31における通信方式に対応する通信ユニット12と交換するだけで、構成することができる。
【0072】
(実施形態3)
図6に示す本実施形態の照明制御システム30は、図1に示す実施形態1と同様の構成であって、信号変換部6に電力を供給する第3電源部7を通信ユニット12に備えた点が主として相違する。なお、本実施形態の照明制御システム30では、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0073】
本実施形態の照明制御システム30では、図6に示すように、通信ユニット12は、外部から供給される電力を信号変換部6に適合する電力に変換して給電する通信ユニット電源部として第3電源部7を備えている。すなわち、通信ユニット12は、第3電源部7が信号変換部6に給電する。
【0074】
これにより、本実施形態の照明制御システム30は、照明器具32とは別途に通信ユニット12を駆動する電力を確保することが可能となる。そのため、照明器具32は、第1電源部3、第2電源部4の設計にあたって、光源33を点灯させる照明器具32以外の電力消費を考慮した設計としなくともよい。
【0075】
本実施形態の照明制御システム30では、電源線L2を介して、外部電源34より給電された交流電力を第3電源部7で、所定の直流電力に変換して信号変換部6に供給している。第3電源部7は、たとえば、AC-DCコンバータを用いて構成することができる。また、通信ユニット12は、通信ユニット12の第2接続端子9cと、電力線L2側と接続した照明器具32からの第11接続端子9gとを、電気的に接続し且つ着脱可能な構成としている。
【0076】
実施形態1の照明制御システム30では、通信ユニット12に供給する電源容量を考慮した上で、点灯ユニット11内の第1電源部3および第2電源部4を設計する必要がある。本実施形態の照明制御システム30では、通信ユニット12内に第3電源部7を備えていることより、通信ユニット12の電源容量を照明器具32で考慮する必要がない。そのため、本実施形態の照明制御システム30では、実施形態1の照明制御システム30と比較して、通信ユニット12を考慮した電源容量の照明器具32に設計にする必要もなく、照明器具32の設計が、より容易となる。本実施形態の照明制御システム30では、通信ユニット12内に第3電源部7が存在しているため、照明器具32内の電源容量を考慮した設計にすることなく、外部機器31側との通信を行う通信機能を付与できる。そのため、本実施形態の照明制御システム30は、設計の簡易化を図ることができ、照明器具32の種類ごとに個別に照明器具32を設計する必要もなく、照明器具32自体の開発期間の短縮化を図ることも可能となる。
【0077】
なお、本実施形態の照明制御システム30は、実施形態1ないし実施形態2で説明した各構成を適宜に適用してもよい。
【0078】
(実施形態4)
図7に示す本実施形態の照明制御システム30は、実施形態3と同様の構成であって、第3電源部7が通信線L1より電源を作成している点が主として相違する。なお、本実施形態の照明制御システム30では、実施形態2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0079】
本実施形態の照明制御システム30では、図7に示すように、コントローラ電源部としての第4電源部27は、外部電源34から供給される電力を第2通信制御部26および通信電源部としての第5電源部28に給電している。また、通信ユニット電源部としての第3電源部7は、通信信号の受信および送信を行う通信線L1を介して、第5電源部28から給電される電力を信号変換部6に適合する電力に変換して給電する。
【0080】
本実施形態の照明制御システム30では、通信線L1を介して、第5電源部28より給電された直流電力を第3電源部7で、所定の直流電力に変換して信号変換部6に供給している。言い換えれば、第3電源部7は、通信線L1を利用してバス給電を行うバス給電部7aを構成している。第3電源部7は、たとえば、DC-DCコンバータを用いて構成することができる。また、通信ユニット12は、通信ユニット12の第2接続端子9cと、通信線L1側からの照明器具32の第12接続端子9hとを電気的に接続し、且つ着脱可能に構成することができる。
【0081】
本実施形態の照明制御システム30では、第3電源部7は、第5電源部28から給電される直流電力が外部電源34と比較して、低電圧の直流電力に変換しているため、交流と直流との変換を行う構成や絶縁型電源の構成としなくともよい。そのため、本実施形態の照明制御システム30は、外部電源34の交流電力を直接的に直流電力に電力変換して信号変換部6に給電する実施形態2の照明制御システム30と比較して、第3電源部7の大きさを、より小型化することが可能となる。なお、絶縁型電源は、一般に、出力電圧を制御するため、二次側出力を絶縁して一次側にフィードバックする。そのため、絶縁型電源は、部品点数が増え小型化することが難しい傾向にある。
【0082】
また、本実施形態の照明制御システム30は、電力線L2を介して給電される外部電源34からの交流電力を直接的に信号変換部6の電力に変換するものでないため、実施形態2のごとき、交流と直流との変換を行う構成や絶縁型電源を必要としない。そのため、本実施形態の照明制御システム30は、実施形態3と比較して、第3電源部7の構成を比較的に簡単な構成とすることも可能となる。また、第3電源部7は、通信線L1を介して、直流電力が供給されるため、実施形態3と比較して、部品点数を減らし比較的安価に構成とすることも可能となる。
【0083】
なお、本実施形態の照明制御システム30は、実施形態1ないし実施形態3で説明した各構成を適宜に適用してもよい。
【0084】
(実施形態5)
本実施形態の照明制御システム30は、実施形態1と同様の構成であって、図示していないが、信号変換部6が点灯制御部2へ情報を送信する際の手段にシリアル通信を使用している点が主として相違する。なお、本実施形態の照明制御システム30は、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0085】
本実施形態の照明制御システム30は、信号変換部6と点灯制御部2とは、シリアル通信で通信信号の情報を伝送する。
【0086】
信号変換部6は、シリアル通信を用いることで、点灯制御部2と情報の送信や受信を比較的簡単に行うことが可能となる。照明制御システム30は、点灯制御部2への送信として、たとえば、光源33の全点灯、消灯、調光制御や点滅動作など照明器具32の照明光の制御を示す制御情報が挙げられる。
【0087】
点灯ユニット11と通信ユニット12との間では、信号変換部6が点灯回路部1を制御する点灯制御信号を点灯制御部2に送信する。また、点灯ユニット11と通信ユニット12との間では、点灯制御部2が、光源33の不灯、照明器具32の消費電力、光源33の累積点灯時間や現在の調光レベルなど照明器具32側の状態情報を信号変換部6に送信する。
【0088】
点灯制御部2は、たとえば、光源33に流している電流値や印加している電圧値に基づいて、光源33に異常や故障などが生じているか否かの判別をすることもできる。ここでは、光源33の異常や故障を例示しているが、点灯回路部1が異常や故障しても同様に確認することが可能となる。
【0089】
本実施形態の照明制御システム30では、光源33に流している電流値と、印加している電圧と、照明器具32の各部の制御電力を足し合わせることで、照明器具32側の消費電力値を算出することが可能となる。消費電力は、照明器具32の消費電力と現在の光源33の調光レベルとを乗算することで簡易的に算出してもよい。本実施形態の照明制御システム30では、点灯回路部1に通電した時間や光源33の点灯時間をカウントすることで、光源33の累積点灯時間を算出することができる。なお、照明器具32は、光源33の累積点灯時間を算出するため、たとえば、図示していない計時部を点灯ユニット11に備えた構成とすればよい。本実施形態の照明制御システム30では、点灯制御部2は、信号変換部6から送られてくる情報に基づいて、光源33を調光制御することが可能となる。
【0090】
照明制御システム30では、消費電力の算出、光源33の累積点灯時間の算出などを照明器具32側で行うものだけでなく、通信ユニット12の信号変換部6で行うことも可能となる。
【0091】
本実施形態の照明制御システム30では、たとえば、照明器具32の状態情報を定期的に点灯制御部2より出力することで、信号変換部6は、照明器具32の状態情報を常時に入手することが可能となる。照明制御システム30では、照明器具32の状態情報を入手するタイミングは、定期的に入手するものだけに限られず、信号変換部6が要求した場合のみ入手するものでもよい。
【0092】
通信ユニット12は、通信線L1を介して、照明器具32の状態情報を含む通信信号を信号変換部6が第1通信部5から送信することによって、外部機器31に照明器具32の状態情報を出力することができる。外部機器31は、照明器具32側の異常や故障、光源33の累積点灯時間より推測した光源33の寿命など現在の照明器具32側の状態や照明器具32側の消費電力量の情報を得ることができる。そのため、本実施形態の照明制御システム30は、照明器具32の状態情報を利用して照明制御システム30の保守管理を行うことが可能となる。
【0093】
本実施形態の照明制御システム30は、シリアル通信を用いて情報を伝送するため、信号変換部6と点灯制御部2とで、情報の送信や受信が可能となり、光源33を点灯させる機能を備えた照明器具32に別途の機能を追加することが容易となる。
【0094】
なお、本実施形態の照明制御システム30を、実施形態1ないし実施形態4で説明した構成に適用してもよい。
【符号の説明】
【0095】
1 点灯回路部
2 点灯制御部
5 第1通信部(通信部)
6 信号変換部
9 接続端子部
10 点灯装置
11 点灯ユニット
12 通信ユニット
30 照明制御システム
31 外部機器
32 照明器具
33 光源
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
点灯ユニットと、
前記点灯ユニットと交換可能に接続される複数の通信ユニットから選択される通信ユニットと、を備え、
前記複数の通信ユニットの各々は、外部機器から照明光の制御を行う情報を含む制御信号を無線方式または有線方式により受信する通信部と該通信部が受信した前記制御信号を点灯制御信号に変換する信号変換部とを有し、
前記点灯ユニットは、光源を点灯させる点灯回路部と前記点灯制御信号に基づいて前記点灯回路部を制御する点灯制御部とを有し、
前記点灯ユニットと接続された前記通信ユニットの通信方式は、前記外部機器が送信する前記制御信号の信号方式に対応し、
前記複数の通信ユニットの各々は、第1接続端子部を有し、
前記点灯ユニットは、前記第1接続端子部と電気的に接続し、且つ着脱可能な第2接続端子部を有し、
前記信号変換部は、前記点灯制御信号を前記第1接続端子部に出力するように構成され、
前記点灯制御部は、前記点灯制御信号を前記第2接続端子部から受信するように構成され、
前記信号変換部は、複数の種類の照明器具ごとの特性情報が記憶された記憶部を有し、前記記憶部の前記特性情報の中から、前記通信ユニットと接続している照明器具に対応する特性情報を読み取り、前記通信部が受信した前記制御信号を、前記対応する特性情報に応じた前記点灯制御信号に変換する
ことを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記点灯制御信号は、PWM信号または直流電圧の振幅信号であることを特徴とする請求項1に記載の点灯装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の前記点灯装置を備えたことを特徴とする照明器具。
【請求項4】
請求項3に記載の前記照明器具と、前記外部機器とを備えたことを特徴とする照明制御システム。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2019-03-07 
出願番号 特願2013-251270(P2013-251270)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (H05B)
P 1 651・ 113- YAA (H05B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 松本 泰典  
特許庁審判長 氏原 康宏
特許庁審判官 中川 真一
仁木 学
登録日 2017-12-08 
登録番号 特許第6252937号(P6252937)
権利者 パナソニックIPマネジメント株式会社
発明の名称 点灯装置、照明器具およびそれを用いた照明制御システム  
代理人 特許業務法人北斗特許事務所  
代理人 特許業務法人北斗特許事務所  

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