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審決分類 審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  C08G
審判 全部申し立て 特123条1項5号  C08G
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C08G
審判 全部申し立て 2項進歩性  C08G
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C08G
管理番号 1351426
異議申立番号 異議2017-701183  
総通号数 234 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-06-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-12-13 
確定日 2019-04-04 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6145453号発明「光アライニング材料」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6145453号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?16〕について訂正することを認める。 特許第6145453号の請求項1?5、7?16に係る特許を維持する。 特許第6145453号の請求項6に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 1.手続の経緯
特許第6145453号の請求項1?16に係る特許についての出願は、2012年(平成24年)9月28日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2011年10月3日(EP)欧州特許庁、2012年7月18日(EP)欧州特許庁)を国際出願日とするものであって、平成29年5月19日にその特許権の設定登録がされ、同年6月14日に特許掲載公報が発行され、その後、その特許について、同年12月13日に特許異議申立人張迪(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがされたものである。
その後の手続の経緯は以下のとおりである。
平成30年 3月 1日付け:取消理由通知
同年 6月 1日 :訂正請求書、意見書の提出(特許権者)
同年 7月12日 :意見書の提出(特許異議申立人)
同年 8月31日付け:取消理由通知
同年11月28日 :訂正請求書、意見書の提出(特許権者)
なお、平成30年12月4日付けで、当審から申立人に、特許法第120条の5第5項の規定に基づき、また、参考として、上記取消理由通知の写し、上記訂正請求書及びこれに添付された訂正した特許請求の範囲の副本、及び上記取消理由通知に対応する特許権者の意見書副本を送付し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、指定期間内に申立人から意見書は提出されなかった。
また、平成30年6月1日にした訂正の請求は、特許法第120条の5第7項の規定により、取り下げられたものとみなす。

2.訂正請求について
(1)訂正の内容
平成30年11月28日に提出された訂正請求(以下、「本件訂正請求」という。)による訂正事項は、以下のとおりである。
ア 訂正事項1 請求項1、3?5及び7?16に係る訂正
請求項1について、下記(i)?(vii)のとおり訂正する。請求項1の記載を直接又は間接に引用する請求項3?5及び7?16も同様に訂正する。
(i)特許請求の範囲の請求項1に、「Aは、5もしくは6個の原子の単環、2つの隣接する5もしくは6個の原子の単環、8、9もしくは10個の原子の二環系、又は13もしくは14個の原子の三環系から選択される、非置換又は置換の炭素環式又は複素環式の芳香族基、又は基「E」を表し;」と記載されているのを、「Aは、非置換又は置換のフェニレンを表し、ここで、置換基は、フルオロ、クロロ、メトキシ又はトリフルオロメチルであり;」に訂正する。

(ii)特許請求の範囲の請求項1に、「化合物残基(Ia):
[化83]

は、少なくとも1つの末端極性基を有する、直鎖又は分岐鎖C_(1)-C_(16)アルキル基を表し、前記極性基は、ジ-(C_(1)-C_(16)アルキル)アミノ、ニトリル、ピリジル、非置換もしくは置換の直鎖もしくは分岐鎖のアルキニル;非置換もしくは置換のベンジル、フェニルもしくはビフェニルであり、
x1は、1?15の整数であり、
Bは、直鎖又は分岐鎖C_(1)-C_(16)アルキル基を表し、ここで、1つ又は複数の-C-、-CH-、-CH_(2)-又は-CH_(3)基は、互いに独立して、置き換えられていないか、又は少なくとも1つのヘテロ原子もしくは/及び第一級、第二級、第三級もしくは第四級窒素もしくは/及び連結基により置き換えられていてもよく、そして、該C_(1)-C_(16)アルキル基は、置き換えられていないか、又は極性基、ジ-(C_(1)-C_(16)アルキル)アミノ、C_(1)-C_(6)アルキルオキシ、ニトロ及び/もしくはハロゲンにより少なくとも1回置換されており;」と記載されているのを、「化合物残基(Ia):
[化83]

は、-CN、直鎖もしくは分岐鎖-O-C_(1)-C_(15)アルキル-≡、直鎖もしくは分岐鎖-O-C_(1)-C_(15)アルキル-≡-C_(1)-C_(6)アルキル、フェニル、-N(C_(1)-C_(6)アルキル)_(2)、-O-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基、-NH-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基、-OCO-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基、-OCOO-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基、-NHCO-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基、-OCNH-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基を表し、前記極性基は前記アルキル基の末端位置にあるニトリルであり、
x1は、1の整数であり;」に訂正する。

(iii)特許請求の範囲の請求項1に、「Dは、アクリレート、メタクリレート、2-クロロアクリレート、2-フェニルアクリレート、N-低級アルキル置換されているアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、2-クロロアクリルアミド、2-フェニルアクリルアミド、ビニル、アリル、ビニルエーテル及びエステル、アリルエーテル及びエステル、炭酸エステル、アセタール、ウレア、マレイミド、ノルボルネン、ノルボルネン誘導体、エポキシ、スチレン及びスチレン誘導体、シロキサン、シラン、ジアミン、イミドモノマー、アミド酸モノマー及びそれらのエステル、アミドイミドモノマー、マレイン酸及びマレイン酸誘導体、フマル酸及びフマル酸誘導体、ウレタン、並びにそれらの対応するホモ-及びコ-ポリマーからなる群より選択される重合性基を表し;」と記載されているのを、「Dは、マレイミド及びジアミンからなる群より選択される重合性基を表し;」に訂正する。

(iv)特許請求の範囲の請求項1に、「Eは、芳香族基、単結合、酸素原子、硫黄原子、-NH-、-N(C_(1)-C_(6)アルキル)-、-CR^(2)R^(3)、-OCO-、-COO-、-OOC-、-NHCO-、-CONH-、-CONR^(2)-、-NR^(2)CO、-SCS、又は-CO-を表し、
ここで、R^(2)及びR^(3)は、互いに独立して、水素、又は環状、直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換C_(1)-C_(24)アルキルであり、ここで、1つ又は複数の-C-、-CH-、又は-CH_(2)-基は、互いに独立して、置き換えられていないか、又は連結基により置き換えられていてもよいが、但し、R^(2)及びR^(3)の少なくとも1つは水素ではなく;」と記載されているのを、「Eは、-COO-を表し;」に訂正する。

(v)特許請求の範囲の請求項1に、「S^(1)、S^(2)は、それぞれ互いに独立して、単結合、又は環状、直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換C_(1)-C_(24)アルキレンであり、ここで、1つ又は複数の-C-、-CH-、又は-CH_(2)-基は、置き換えられていないか、又は連結基により置き換えられていてもよく;」と記載されているのを、「S^(1)は、-(CH_(2))_(1)-、-(CH_(2))_(2)-、-(CH_(2))_(5)-、-(CH_(2))_(8)-、-(CH_(2))_(3)-NH(CO)O-(CH_(2))_(3)-からなる群より選択され、
S^(2)は、直鎖もしくは分岐鎖のC_(1)-C_(6)アルキレンであり、ここで、1つ又は複数の-C-、-CH-、又は-CH_(2)-基は、置き換えられていないか、又は連結基により置き換えられていてもよく;」に訂正する。

(vi)特許請求の範囲の請求項1に、「連結基は、非置換もしくは置換の脂環式基、又は非置換もしくは置換の芳香族基、単結合、ヘテロ原子、-O-、-CO、-アリーレン-、-CO-O-、-O-CO-、-NR^(1)-、-NR^(1)-CO-、-CO-NR^(1)-、-NR^(1)-CO-O-、-O-CO-NR^(1)-、-NR^(1)-CO-NR^(1)-、-CH=CH-、-C≡C-、-O-CO-O-であり、ここで:R^(1)は、水素原子又はC_(1)-C_(6)アルキルを表すが;」と記載されているのを、「連結基は、非置換もしくは置換のシクロヘキシレン、又は非置換もしくは置換のフェニレン、-O-、-CO、-CO-O-、-O-CO-、-O-CO-O-であり、ここで:シクロヘキシレン又はフェニレンの置換基は、クロロ、フルオロ、トリフルオロメチル又はメトキシであり;」に訂正する。

(vii)特許請求の範囲の請求項1に、「但し、nが、2、3又は4であるならば、各A、B、x_(1)、E、S^(1)、S^(2)、X、Yは、同じであるか又は異なっており;n1が、2、3又は4であるならば、各B、x_(1)は、同じであるか又は異なっているが;また、但し、Bが少なくとも1つのフルオロで置換されているのであれば、少なくとも1つの追加の極性基が(I’)中に存在する」と記載されているのを、「但し、nが、2、3又は4であるならば、各A、化合物残基(Ia)、E、S^(1)、S^(2)、X、Yは、同じであるか又は異なっており;n1が、2、3又は4であるならば、各化合物残基(Ia)は、同じであるか又は異なっている」に訂正する。

イ 訂正事項2 請求項2、4?5及び10?16に係る訂正
特許請求の範囲の請求項2に、「式(Ib)、(Ic)又は(Id):・・・で示される化合物」と記載されているのを、実施例に開示された27個の化合物から選択される化合物に訂正する。請求項2の記載を直接又は間接に引用する請求項4?5及び10?16も同様に訂正する。

ウ 訂正事項3 請求項3、4?5及び10?16に係る訂正
請求項3について、下記(i)?(iv)のとおり訂正する。請求項3の記載を直接又は間接に引用する請求項4?5及び7?16も同様に訂正する。
(i)特許請求の範囲の請求項3に、「式(VI)、(VIa)、(VIb)、(VIc)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XIa)、(XIb)もしくは(XIb1)、又は(VI’)、(VII’)、(VIII’)、(IX’)、(X’)、(XI’)、(XIa’)、(XIb’)もしくは(XIc’):」と記載されているのを、「式(VI)、(VIa)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XIa)もしくは(XIb1):」に訂正するとともに、列挙された式(VIb)、(VIc)、(XIb)及び(VI’)?(XIc’)を削除する。

(ii)特許請求の範囲の請求項3に、「式中、A、B、x_(1)、n、n1、D、S^(2)、S^(1)、X及びYならびに極性基は、上記請求項1に記載の意味と同じ意味を有し;」と記載されているのを、「式中、A、化合物残基(Ia)、n1、S^(2)、S^(1)、X及びYは、上記請求項1に記載の意味と同じ意味を有し;」に訂正する。

(iii)特許請求の範囲の請求項3に、「A’’は、請求項1に記載のAと同じ意味及び選好度を有し、E1は、請求項1に記載のEと同じ意味及び選好度を有する」と記載されているのを、「E1は、-O-を表す」に訂正する。

(iv)特許請求の範囲の請求項3に、「請求項1?2のいずれかに記載の化合物」と記載されているのを、「請求項1に記載の化合物」に訂正する。

エ 訂正事項4 請求項6に係る訂正
特許請求の範囲の請求項6を削除する。

オ 訂正事項5 請求項7、11、12、14及び15に係る訂正
特許請求の範囲の請求項7に、「組成物」と記載されているのを、「液晶の平面アライメントのための層を形成するための組成物」に訂正する。請求項7の記載を直接又は間接に引用する請求項11、12、14及び15も同様に訂正する。

カ 訂正事項6 請求項8、11、12、14及び15に係る訂正
特許請求の範囲の請求項8に、「組成物」と記載されているのを、「液晶の平面アライメントのための層を形成するための組成物」に訂正する。請求項8の記載を直接又は間接に引用する請求項11、12、14及び15も同様に訂正する。

キ 訂正事項7 請求項10、11、12、14及び15に係る訂正
請求項10について、下記(i)及び(ii)のとおり訂正する。請求項10の記載を直接又は間接に引用する請求項11、12、14及び15も同様に訂正する。
(i)特許請求の範囲の請求項10に、「請求項4?6のいずれか一項に記載の」と記載されているのを、「請求項4?5のいずれか一項に記載の」に訂正する。

(ii)特許請求の範囲の請求項10に、「組成物」と記載されているのを、「液晶の平面アライメントのための層を形成するための組成物」に訂正する。

ク 訂正事項8 請求項11、14及び15に係る訂正
特許請求の範囲の請求項11に、「請求項4?6のいずれかに記載の」と記載されているのを、「請求項4?5のいずれかに記載の」に訂正する。請求項11の記載を引用する請求項14及び15も同様に訂正する。

ケ 訂正事項9 請求項12に係る訂正
特許請求の範囲の請求項12に、「請求項4?6のいずれかに記載の」と記載されているのを、「請求項4?5のいずれかに記載の」に訂正する。

コ 訂正事項10 請求項13及び14?16に係る訂正
特許請求の範囲の請求項13に、「請求項4?6のいずれか一項に記載の」と記載されているのを、「請求項4?5のいずれか一項に記載の」に訂正する。請求項13の記載を引用する請求項14?16も同様に訂正する。

サ 訂正事項11 請求項14に係る訂正
請求項14について、下記(i)及び(ii)のとおり訂正する。
(i)特許請求の範囲の請求項14に、「b1) 前記液晶材料中の少なくとも1つの重合性モノマー」と記載されているのを、「b1) 前記重合性モノマーを含む液晶組成物中の少なくとも1つの重合性モノマー」に訂正する。
(ii)特許請求の範囲の請求項14に、「b2) 少なくとも1つの単一の重合性液晶、LCP」と記載されているのを、「b2) 少なくとも1つの重合性液晶、すなわちLCP」に訂正する。

シ 訂正事項12 請求項15に係る訂正
特許請求の範囲の請求項15に、「少なくとも1つの単一のLCP」と記載されているのを、「少なくとも1つのLCP」に訂正する。

なお、訂正事項1?12に係る訂正前の請求項1?16について、請求項2?16は請求項1を直接又は間接的に引用する関係にあり、訂正後の請求項3?5、7?16は訂正事項1?12によって訂正される請求項1又は2に連動して訂正され、訂正後の請求項6は削除されているから、本件訂正は一群の請求項1?16について請求されたものである。

(2)訂正の適否についての判断
(ア)訂正事項1について
a.訂正の目的について
(i)訂正事項1の(i)は、訂正前の請求項1に係る発明の式(I’)における、「Aは、5もしくは6個の原子の単環、2つの隣接する5もしくは6個の原子の単環、8、9もしくは10個の原子の二環系、又は13もしくは14個の原子の三環系から選択される、非置換又は置換の炭素環式又は複素環式の芳香族基、又は基「E」を表し;」という発明特定事項のうち、「6個の原子の単環」以外の、「5個の原子の単環、2つの隣接する5もしくは6個の原子の単環、8、9もしくは10個の原子の二環系、又は13もしくは14個の原子の三環系」から選択される場合の選択肢を削除し、当該「6個の原子の単環」である場合の「非置換又は置換の炭素環式又は複素環式の芳香族基」を「非置換又は置換のフェニレン」に限定するとともに、その「置換基」を「フルオロ、クロロ、メトキシ又はトリフルオロメチル」に特定して、さらに「基『E』」である場合の選択肢を削除することにより、訂正後の「Aは、非置換又は置換のフェニレンを表し、ここで、置換基は、フルオロ、クロロ、メトキシ又はトリフルオロメチルであり;」とするものであるから、特許請求の範囲を減縮するものである。

(ii)訂正事項1の(ii)は、訂正前の請求項1に係る発明の式(I’)における、「化合物残基(Ia):・・・は、少なくとも1つの末端極性基を有する、直鎖又は分岐鎖C_(1)-C_(16)アルキル基を表し、前記極性基は、ジ-(C_(1)-C_(16)アルキル)アミノ、ニトリル、ピリジル、非置換もしくは置換の直鎖もしくは分岐鎖のアルキニル;非置換もしくは置換のベンジル、フェニルもしくはビフェニルであり、
x1は、1?15の整数であり、
Bは、直鎖又は分岐鎖C_(1)-C_(16)アルキル基を表し、ここで、1つ又は複数の-C-、-CH-、-CH_(2)-又は-CH_(3)基は、互いに独立して、置き換えられていないか、又は少なくとも1つのヘテロ原子もしくは/及び第一級、第二級、第三級もしくは第四級窒素もしくは/及び連結基により置き換えられていてもよく、そして、該C_(1)-C_(16)アルキル基は、置き換えられていないか、又は極性基、ジ-(C_(1)-C_(16)アルキル)アミノ、C_(1)-C_(6)アルキルオキシ、ニトロ及び/もしくはハロゲンにより少なくとも1回置換されており;」という発明特定事項を、「化合物残基(Ia):・・・は、-CN、直鎖もしくは分岐鎖-O-C_(1)-C_(15)アルキル-≡、直鎖もしくは分岐鎖-O-C_(1)-C_(15)アルキル-≡-C_(1)-C_(6)アルキル、フェニル、-N(C_(1)-C_(6)アルキル)_(2)、-O-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基、-NH-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基、-OCO-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基、-OCOO-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基、-NHCO-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基、-OCNH-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基を表し、前記極性基は前記アルキル基の末端位置にあるニトリルであり、
x1は、1の整数であり;」と訂正することにより、化合物残基(Ia)の範囲を減縮するものであって、
具体的には、訂正前の「B」、「極性基」及び「x1」を個別に定義する形から、「化合物残基(Ia)」(及び「x1」=1)というまとまりで定義する形に記載が変更されているところ、訂正後の「化合物残基(Ia)」の各選択肢は、
訂正前における「極性基」が「ニトリル」であり、「x1」が1であり、「B」が「C_(1)アルキル基」を表し、当該アルキル基の1つの-CH_(2)-が「連結基(単結合)」により置き換えられている場合に相当するものとして、訂正後の化合物残基(Ia)における「-CN」で表されるものに限定し、
訂正前における「極性基」が「アルキニル」であり、「x1」が1であり、「B」が「直鎖又は分岐鎖C_(2)-C_(16)アルキル基」を表し、当該アルキル基の左末端の-CH_(2)-が「連結基(-O-)」により置き換えられている場合に相当するものとして、訂正後の化合物残基(Ia)における「直鎖もしくは分岐鎖-O-C_(1)-C_(15)アルキル-≡」で表されるものに限定し、
訂正前における「極性基」が「直鎖もしくは分岐鎖のアルキニル」であり、「x1」が1であり、「B」が「直鎖又は分岐鎖C_(2)-C_(16)アルキル基」を表し、当該アルキル基の左末端の-CH_(2)-が「連結基(-O-)」により置き換えられている場合に相当するものとして、訂正後の化合物残基(Ia)における「直鎖もしくは分岐鎖-O-C_(1)-C_(15)アルキル-≡-C_(1)-C_(6)アルキル」で表されるものに限定し、
訂正前における「極性基」が「フェニル」であり、「x1」が1であり、「B」が「C_(1)アルキル基」を表し、当該アルキル基の1つの-CH_(2)-が「連結基(単結合)」により置き換えられている場合に相当するものとして、訂正後の化合物残基(Ia)における「フェニル」で表されるものに限定し、
訂正前における「極性基」が「ジ-(C_(1)-C_(6)アルキル)アミノ」であり、「x1」が1であり、「B」が「C_(1)アルキル基」を表し、当該アルキル基の1つの-CH_(2)-が「連結基(単結合)」により置き換えられている場合に相当するものとして、訂正後の化合物残基(Ia)における「-N(C_(1)-C_(6)アルキル)_(2)」で表されるものに限定し、
訂正前における「極性基」が「ニトリル」であり、「x1」が1であり、「B」が「直鎖又は分岐鎖C_(2)-C_(16)アルキル基」を表し、当該アルキル基の左末端の-CH_(2)-が「連結基(-O-)」により置き換えられている場合に相当するものとして、訂正後の化合物残基(Ia)における「-O-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基」で表されるものに限定し、
訂正前における「極性基」が「ニトリル」であり、「x1」が1であり、「B」が「直鎖又は分岐鎖C_(2)-C_(16)アルキル基」を表し、当該アルキル基の左末端の-CH_(2)-が「連結基(-NR^(1)-)」により置き換えられ、R1が水素原子を表す場合に相当するものとして、訂正後の化合物残基(Ia)における「-NH-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基」で表されるものに限定し、
訂正前における「極性基」が「ニトリル」であり、「x1」が1であり、「B」が「直鎖又は分岐鎖C_(2)-C_(16)アルキル基」を表し、当該アルキル基の左末端の-CH_(2)-が「連結基(-O-CO-)」により置き換えられている場合に相当するものとして、訂正後の化合物残基(Ia)における「-OCO-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基」で表されるものに限定し、
訂正前における「極性基」が「ニトリル」であり、「x1」が1であり、「B」が「直鎖又は分岐鎖C_(2)-C_(16)アルキル基」を表し、当該アルキル基の左末端の-CH_(2)-が「連結基(-O-CO-O-)」により置き換えられている場合に相当するものとして、訂正後の化合物残基(Ia)における「-OCOO-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基」で表されるものに限定し、
訂正前における「極性基」が「ニトリル」であり、「x1」が1であり、「B」が「直鎖又は分岐鎖C_(2)-C_(16)アルキル基」を表し、当該アルキル基の左末端の-CH_(2)-が「連結基(-NR^(1)-CO-)」により置き換えられ、R^(1)が水素原子を表す場合に相当するものとして、訂正後の化合物残基(Ia)における「-NHCO-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基」で表されるものに限定し、
訂正前における「極性基」が「ニトリル」であり、「x1」が1であり、「B」が「直鎖又は分岐鎖C_(2)-C_(16)アルキル基」を表し、当該アルキル基の左末端の-CH_(2)-が「連結基(-CO-NR^(1)-)」により置き換えられ、R^(1)が水素原子を表す場合に相当するものとして、訂正後の化合物残基(Ia)における「-OCNH-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基」で表されるものに限定するものである。
よって、訂正後の化合物残基(Ia)の各選択肢は、いずれも訂正前の化合物残基(Ia)の定義を減縮したものである。

(iii)訂正事項1の(iii)は、訂正前の請求項1に係る発明の式(I’)における、「Dは、アクリレート、メタクリレート、2-クロロアクリレート、2-フェニルアクリレート、N-低級アルキル置換されているアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、2-クロロアクリルアミド、2-フェニルアクリルアミド、ビニル、アリル、ビニルエーテル及びエステル、アリルエーテル及びエステル、炭酸エステル、アセタール、ウレア、マレイミド、ノルボルネン、ノルボルネン誘導体、エポキシ、スチレン及びスチレン誘導体、シロキサン、シラン、ジアミン、イミドモノマー、アミド酸モノマー及びそれらのエステル、アミドイミドモノマー、マレイン酸及びマレイン酸誘導体、フマル酸及びフマル酸誘導体、ウレタン、並びにそれらの対応するホモ-及びコ-ポリマーからなる群より選択される重合性基を表し;」という発明特定事項について、下線(当審による)を付した選択肢のものに限定することにより、訂正後の「Dは、マレイミド及びジアミンからなる群より選択される重合性基を表し;」とするものであるから、Dの範囲を減縮するものである。

(iv)訂正事項1の(iv)は、訂正前の請求項1に係る発明の式(I’)における、「Eは、芳香族基、単結合、酸素原子、硫黄原子、-NH-、-N(C_(1)-C_(6)アルキル)-、-CR^(2)R^(3)、-OCO-、-COO-、-OOC-、-NHCO-、-CONH-、-CONR^(2)-、-NR^(2)CO、-SCS、又は-CO-を表し、
ここで、R^(2)及びR^(3)は、互いに独立して、水素、又は環状、直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換C_(1)-C_(24)アルキルであり、ここで、1つ又は複数の-C-、-CH-、又は-CH_(2)-基は、互いに独立して、置き換えられていないか、又は連結基により置き換えられていてもよいが、但し、R^(2)及びR^(3)の少なくとも1つは水素ではなく;」という発明特定事項について、下線(当審による)を付した選択肢のものに限定することにより、訂正後の「Eは、-COO-を表し;」とするものであるから、Eの範囲を減縮するものである。

(v)訂正事項1の(v)は、訂正前の請求項1に係る発明の式(I’)における、「S^(1)、S^(2)は、それぞれ互いに独立して、単結合、又は環状、直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換C_(1)-C_(24)アルキレンであり、ここで、1つ又は複数の-C-、-CH-、又は-CH_(2)-基は、置き換えられていないか、又は連結基により置き換えられていてもよく;」という発明特定事項について、S^(1)については、「直鎖の非置換C_(1)、C_(2)、C_(5)、C_(8)アルキレン」及び「直鎖の非置換C_(7)アルキレンの中央の-CH_(2)-基を「-NH(CO)O-」の連結基に置き換えたもの」([0030]、[0080])に限定し、S^(2)については、「単結合」、並びに「環状」のアルキレン、「置換」のアルキレン及び「C_(7)-C_(24)」のアルキレンの選択肢を削除して限定することにより、訂正後の「S^(1)は、-(CH_(2))_(1)-、-(CH_(2))_(2)-、-(CH_(2))_(5)-、-(CH_(2))_(8)-、-(CH_(2))_(3)-NH(CO)O-(CH_(2))_(3)-からなる群より選択され、
S^(2)は、直鎖もしくは分岐鎖のC_(1)-C_(6)アルキレンであり、ここで、1つ又は複数の-C-、-CH-、又は-CH_(2)-基は、置き換えられていないか、又は連結基により置き換えられていてもよく;」とするものであるから、S^(1)及びS^(2)の範囲を減縮するものである。

(vi)訂正事項1の(vi)は、訂正前の請求項1に係る発明の式(I’)における、「連結基は、非置換もしくは置換の脂環式基、又は非置換もしくは置換の芳香族基、単結合、ヘテロ原子、-O-、-CO、-アリーレン-、-CO-O-、-O-CO-、-NR^(1)-、-NR^(1)-CO-、-CO-NR^(1)-、-NR^(1)-CO-O-、-O-CO-NR^(1)-、-NR^(1)-CO-NR^(1)-、-CH=CH-、-C≡C-、-O-CO-O-であり、ここで:R^(1)は、水素原子又はC_(1)-C_(6)アルキルを表すが;」という発明特定事項について、下線(当審による)を付した選択肢のものに限定するとともに、訂正前の「脂環式基」及び「芳香族基」をそれぞれ「シクロヘキシレン」及び「フェニレン」に限定し、さらにその置換基を「クロロ、フルオロ、トリフルオロメチル又はメトキシ」に限定することにより、訂正後の「連結基は、非置換もしくは置換のシクロヘキシレン、又は非置換もしくは置換のフェニレン、-O-、-CO、-CO-O-、-O-CO-、-O-CO-O-であり、ここで:シクロヘキシレン又はフェニレンの置換基は、クロロ、フルオロ、トリフルオロメチル又はメトキシであり;」とするものであるから、連結基の範囲を減縮するものである。

(vii)訂正事項1の(vii)は、上記訂正事項1の(ii)により、「化合物残基(Ia)」の定義が、「B」、「極性基」及び「x1」を個別に定義する形から、「化合物残基(Ia)」(及び「x1」=1)というまとまりで定義する形に訂正されることに伴い、訂正前の請求項1に係る発明の式(I’)における、「但し、nが、2、3又は4であるならば、各A、B、x_(1)、E、S^(1)、S^(2)、X、Yは、同じであるか又は異なっており;n1が、2、3又は4であるならば、各B、x_(1)は、同じであるか又は異なっているが;また、但し、Bが少なくとも1つのフルオロで置換されているのであれば、少なくとも1つの追加の極性基が(I’)中に存在する」という発明特定事項から、不要となった「B」、「極性基」及び「x_(1)」の記載を削除し、「化合物残基(Ia)」の記載に置き換えることにより、訂正後の「但し、nが、2、3又は4であるならば、各A、化合物残基(Ia)、E、S^(1)、S^(2)、X、Yは、同じであるか又は異なっており;n1が、2、3又は4であるならば、各化合物残基(Ia)は、同じであるか又は異なっている」とするものであるから、訂正事項1の(ii)に連動して定義範囲を減縮するものである。

(viii)小括
以上まとめると、訂正事項1は、訂正前の請求項1に係る発明の式(I’)で表される化合物の定義を、(i)?(vii)の項目のとおり減縮することにより、特許請求の範囲を減縮するものである。
また、訂正後の請求項3?5及び7?16は、訂正後の請求項1の記載を直接又は間接に引用することにより同様に訂正される。
よって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

b.新規事項、及び特許請求の範囲の拡張又は変更について
訂正事項1の(i)は、本件明細書の[0051]、[0067]及び実施例の記載に基づいたものであり、
同(ii)は、本件明細書の[0068]、[0069]及び実施例の記載に基づいたものであり、
同(iii)は、本件明細書の[0016]、[0076]、[0078]?[0081]及び実施例の記載に基づいたものであり、
同(iv)は、本件明細書の[0077]及び実施例の記載に基づいたものであり、
同(v)は、S^(1)については本件明細書の[0030]、[0080]及び実施例の記載に基づいたものであり、S^(2)については本件明細書の[0020]、[0031]、[0078]?[0081]及び実施例の記載に基づいたものであり、
同(vi)は、本件明細書の[0018]、[0020]、[0031]、[0078]?[0081]及び実施例の記載に基づいたものであり、
同(vii)は、同(ii)に連動してなされたものであるから、訂正事項1の(i)?(vii)の訂正は、いずれも本件明細書に記載された事項の範囲内で行われるものであり、また、請求項に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
よって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(イ)訂正事項2について
a.訂正の目的について
訂正事項2は、訂正前の請求項2における請求項1を引用する記載部分を削除しているので、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものであり、なおかつ、訂正前の請求項2に係る発明の「式(Ib)、(Ic)又は(Id):・・・で示される化合物」という発明特定事項を、訂正前の請求項2の範囲に含まれる、実施例に開示された27個の化合物(実施例2、3、56A?64(本件明細書の[0222]、[0226]、[0339][表1])の一部)から選択される化合物に限定することにより、特許請求の範囲を減縮するものである。また、訂正後の請求項4?5及び10?16は、訂正後の請求項2の記載を直接又は間接に引用することにより同様に訂正される。
よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮及び同第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。

b.新規事項、及び特許請求の範囲の拡張又は変更について
訂正事項2は、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないもの」とし、なおかつ、本件明細書の[0222]、[0226]、[0339][表1]に記載された実施例2、3、56A?64の記載に基づいたものであるから、本件明細書に記載された事項の範囲内で行われるものであり、また、請求項に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(ウ)訂正事項3について
a.訂正の目的について
(i)訂正事項3の(i)は、訂正前の請求項3に係る発明である、「式(VI)、(VIa)、(VIb)、(VIc)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XIa)、(XIb)もしくは(XIb1)、又は(VI’)、(VII’)、(VIII’)、(IX’)、(X’)、(XI’)、(XIa’)、(XIb’)もしくは(XIc’)」で表される化合物のうち、列挙された式(VIb)、(VIc)、(XIb)及び(VI’)?(XIc’)を削除することにより、化合物の範囲を減縮するものである。

(ii)訂正事項3の(ii)は、上記訂正事項1の(ii)により、「化合物残基(Ia)」の定義が、「B」、「極性基」及び「x1」を個別に定義する形から、「化合物残基(Ia)」(及び「x1」=1)というまとまりで定義する形に訂正されることに伴い、訂正前の請求項3における、「式中、A、B、x_(1)、n、n1、D、S^(2)、S^(1)、X及びYならびに極性基は、上記請求項1に記載の意味と同じ意味を有し;」という発明特定事項から、不要となった「B」、「極性基」及び「x_(1)」の記載を削除し、「化合物残基(Ia)」の記載に置き換え、かつ、上記訂正事項3の(i)により、式(XIc’)が削除されることに伴い、不要となった「n」及び「D」の記載を削除することにより、訂正後の「式中、A、化合物残基(Ia)、n1、S^(2)、S^(1)、X及びYは、上記請求項1に記載の意味と同じ意味を有し;」とするものであるから、訂正事項1の(ii)及び訂正事項3の(i)に連動して定義範囲を減縮するものである。

(iii)訂正事項3の(iii)は、上記訂正事項3の(i)により、式(XIc’)が削除されることに伴い、訂正前の請求項3における、「A’’は、請求項1に記載のAと同じ意味及び選好度を有し、E^(1)は、請求項1に記載のEと同じ意味及び選好度を有する」という発明特定事項から、不要となった「A’’」の記載を削除し、かつ、上記訂正事項1の(iv)により、「E」の定義が減縮されたことに合わせて、E^(1)の定義を「E^(1)は、-O-を表す」とするものであるから、訂正事項3の(i)及び訂正事項1の(iv)に連動して定義範囲を減縮するものである。

(iv)訂正事項3の(iv)は、訂正前の請求項3が、「請求項1?2のいずれかに記載の化合物」を引用していたものを、訂正事項3の(i)による式の削除及び訂正事項2による請求項2の減縮に伴い、請求項2を引用しないものとすることにより、「請求項1に記載の化合物」に訂正するものであるから、訂正事項3の(i)及び訂正事項2に連動して定義範囲を減縮するものである。

(v)小括
以上まとめると、訂正事項3は、訂正前の請求項3の定義を、(i)?(iv)の項目のとおり減縮することにより、特許請求の範囲を減縮するものである。
また、訂正後の請求項4?5及び7?16は、訂正後の請求項3の記載を直接又は間接に引用することにより同様に訂正される。
よって、訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

b.新規事項、及び特許請求の範囲の拡張又は変更について
訂正事項3の(i)は、訂正前の請求項3に記載されていた選択肢の一部を削除するものであり、同(ii)?同(iv)は、訂正事項1の(ii)、訂正事項3の(i)及び訂正事項2に連動してなされたものであるから、いずれも本件明細書に記載された事項の範囲内で行われるものであり、また、請求項に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
よって、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(エ)訂正事項4について
a.訂正の目的について
訂正事項4は、訂正前の請求項6を削除する訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

b.新規事項、及び特許請求の範囲の拡張又は変更について
訂正事項4は、訂正前の請求項6を削除するというものであるから、本件明細書に記載された事項の範囲内で行われるものであり、また、請求項に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
よって、訂正事項4は、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(オ)訂正事項5?7について
a.訂正の目的について
訂正事項5、訂正事項6及び訂正事項7の(ii)は、訂正前の請求項7、8、10に記載された「組成物」という発明特定事項に、「液晶の平面アライメントのための層を形成するための」という具体的な用途を直列的に付加することにより、「組成物」の用途を減縮するものである。
また、訂正事項7の(i)は、訂正前の請求項10における、「請求項4?6のいずれか一項に記載の」という引用先を、上記訂正事項4による請求項6の削除に伴い、請求項6を引用しない、「請求項4?5のいずれか一項に記載の」という引用先に訂正するものであるから、訂正事項4に連動して定義範囲を減縮するものである。
また、訂正後の請求項11、12、14及び15は、訂正後の請求項7、8及び10の記載を直接又は間接に引用することにより同様に訂正される。
よって、訂正事項5?7は、いずれも特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

b.新規事項、及び特許請求の範囲の拡張又は変更について
訂正事項5、訂正事項6及び訂正事項7の(ii)の組成物の用途を限定する訂正は、本件明細書の[0001]、[0004]、[0180]、[0188]、[0212]及び実施例の記載に基づいたものであり、訂正事項7の(i)は訂正事項4に連動してなされたものであるから、いずれも本件明細書に記載された事項の範囲内で行われるものであり、また、請求項に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
よって、訂正事項5?7は、いずれも特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(カ)訂正事項8?10について
a.訂正の目的について
訂正事項8?10は、訂正前の請求項11?13における、「請求項4?6のいずれか(一項)に記載の」という引用先を、上記訂正事項4による請求項6の削除に伴い、請求項6を引用しない、「請求項4?5のいずれか(一項)に記載の」という引用先に訂正するものであるから、訂正事項4に連動して定義範囲を減縮するものである。
また、訂正後の請求項14及び15は、訂正後の請求項11の記載を引用することにより同様に訂正され、訂正後の請求項14?16は、訂正後の請求項13の記載を引用することにより同様に訂正される。
よって、訂正事項8?10は、いずれも特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

b.新規事項、及び特許請求の範囲の拡張又は変更について
訂正事項8?10の訂正は、いずれも訂正事項4に連動してなされたものであるから、いずれも本件明細書に記載された事項の範囲内で行われるものであり、また、請求項に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
よって、訂正事項8?10は、いずれも特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(キ)訂正事項11について
a.訂正の目的について
訂正事項11の(i)は、訂正前の請求項14に、「b1) 前記液晶材料中の少なくとも1つの重合性モノマー」と記載されていたが、当該記載より前に「液晶材料」という用語が記載されておらず、対応物が明確でなかったものを、訂正前の請求項14における「a) 重合性モノマー、ポリマー又はオリゴマー(前記重合性モノマーの重合形態である)を含む液晶組成物」という記載に基づいて、「b1) 前記重合性モノマーを含む液晶組成物」に訂正することにより、対応関係を明確にしたものである。
また、訂正事項11の(ii)は、訂正前の請求項14に、「b2) 少なくとも1つの単一の重合性液晶、LCP」と記載されていたが、「重合性液晶」と「LCP」との関係が明確でなく、また、「少なくとも1つの単一の」と記載されていたが、何が「少なくとも1つ」で何が「単一」なのかが明確でなかったものを、本件明細書の[0126]の「また、好ましくは、本発明は、
・・・
- 少なくとも1つの第一のモノマー(I)・・・及び重合性液晶(LCP)又は重合液晶・・・を含む、ポリマー、ホモ-もしくはコポリマー又はオリゴマー
を含む、組成物、特に、ブレンドに関する。」等の記載に基づいて、「b2) 少なくとも1つの重合性液晶、すなわちLCP」と訂正することにより、「単一の」を削除するとともに、「LCP」が「重合性液晶」を意味することを明確にしたものである。
上記(i)及び(ii)の訂正は、平成30年8月31日付け取消理由通知の「4.理由V-2(明確性)について」の(1)「本件発明14について」に記載した訂正前の請求項14における明確性要件違反の指摘に対応するものと解されるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

b.新規事項、及び特許請求の範囲の拡張又は変更について
上記a.のとおり、訂正事項11の訂正は、いずれも本件明細書に記載された事項の範囲内で行われるものであり、また、請求項に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
よって、訂正事項11は、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(ク)訂正事項12について
a.訂正の目的について
訂正事項12は、訂正前の請求項15に、「少なくとも1つの単一のLCP」と記載されていたが、何が「少なくとも1つ」で何が「単一」なのかが明確でない記載でなかったものを、「単一の」を削除し、「少なくとも1つのLCP」に訂正することにより、記載を明確にしたものである。
また、訂正前の請求項15における上記「LCP」という記載は、訂正前の請求項14における「重合性液晶、LCP」という記載と表記が統一されておらず、両者に違いがあるのか明らかでなかったところ、上記訂正事項11の(ii)訂正により、本件明細書の[0126]の記載等に基づいて、請求項14が「重合性液晶、すなわちLCP」と訂正されたことにより、実質的に表記が統一され、記載が明確になったといえる。
上記の訂正は、平成30年8月31日付け取消理由通知の「4.理由V-2(明確性)について」の(2)「本件発明15について」に記載した訂正前の請求項15における明確性要件違反の指摘に対応するものと解されるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

b.新規事項、及び特許請求の範囲の拡張又は変更について
上記a.のとおり、訂正事項12の訂正は、本件明細書に記載された事項の範囲内で行われるものであり、また、請求項に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
よって、訂正事項12は、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

イ 独立特許要件について
本件においては、訂正前のすべての請求項1?16に対して特許異議の申立てがされているので、訂正前の請求項1?16に係る訂正事項1?12については、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。

ウ 訂正請求についてのまとめ
以上のとおり、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において読み替えて準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものであるから、訂正後の請求項〔1?16〕について訂正を認める。

3.本件発明について
本件訂正により訂正された特許請求の範囲の請求項1?16に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」?「本件発明16」という。まとめて、「本件発明」ということもある。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1?16に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「[請求項1]
式(I’):
[化82]

[式中、
Aは、非置換又は置換のフェニレンを表し、ここで、置換基は、フルオロ、クロロ、メトキシ又はトリフルオロメチルであり;
下記に示す式(I’)の化合物残基である、化合物残基(Ia):
[化83]

は、-CN、直鎖もしくは分岐鎖-O-C_(1)-C_(15)アルキル-≡、直鎖もしくは分岐鎖-O-C_(1)-C_(15)アルキル-≡-C_(1)-C_(6)アルキル、フェニル、-N(C_(1)-C_(6)アルキル)_(2)、-O-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基、-NH-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基、-OCO-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基、-OCOO-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基、-NHCO-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基、-OCNH-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基を表し、前記極性基は前記アルキル基の末端位置にあるニトリルであり、
x1は、1の整数であり;
Dは、マレイミド及びジアミンからなる群より選択される重合性基を表し;
Eは、-COO-を表し;
S^(1)は、-(CH_(2))_(1)-、-(CH_(2))_(2)-、-(CH_(2))_(5)-、-(CH_(2))_(8)-、-(CH_(2))_(3)-NH(CO)O-(CH_(2))_(3)-からなる群より選択され、
S^(2)は、直鎖もしくは分岐鎖のC_(1)-C_(6)アルキレンであり、ここで、1つ又は複数の-C-、-CH-、又は-CH_(2)-基は、置き換えられていないか、又は連結基により置き換えられていてもよく;
ここで、連結基は、非置換もしくは置換のシクロヘキシレン、又は非置換もしくは置換のフェニレン、-O-、-CO、-CO-O-、-O-CO-、-O-CO-O-であり、ここで:シクロヘキシレン又はフェニレンの置換基は、クロロ、フルオロ、トリフルオロメチル又はメトキシであり;
但し、連結基の酸素原子は、互いに直接連結していないものとし;
X、Yは、それぞれ互いに独立して、水素、又はニトリルを表し;
n、n1は、それぞれ互いに独立して、1、2、3又は4を表すが、
但し、nが、2、3又は4であるならば、各A、化合物残基(Ia)、E、S^(1)、S^(2)、X、Yは、同じであるか又は異なっており;n1が、2、3又は4であるならば、各化合物残基(Ia)は、同じであるか又は異なっている]で表される化合物。
[請求項2]
以下から選択される化合物。
[化84]

[請求項3]
式(VI)、(VIa)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XIa)もしくは(XIb1):
[化81]

[式中、A、化合物残基(Ia)、n1、S^(2)、S^(1)、X及びYは、上記請求項1に記載の意味と同じ意味を有し;
Lは、-CH_(3)、-OCH_(3)、-COCH_(3)、ニトロ、ニトリル、ハロゲン、CH_(2)=CH-、CH_(2)=C(CH_(3))-、CH_(2)=CH-(CO)O-、CH_(2)=CH-O-、CH_(2)=C(CH_(3))-(CO)O-又はCH_(2)=C(CH_(3))-O-であり;
u3は、0?2の整数であり、
R^(5)、R^(6)は、それぞれ互いに独立して、水素原子又はC1-C6アルキルを表し;そして
E^(1)は、-O-を表す]で表される、請求項1に記載の化合物。
[請求項4]
1つの基本構成要素として請求項1?3のいずれかに記載の化合物を含む、ホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマー。
[請求項5]
請求項1?3のいずれか一項に記載の化合物、及び請求項1?3のいずれか一項に記載の別の化合物を含む、請求項4に記載のコポリマー。
[請求項6](削除)
[請求項7]
請求項1記載の少なくとも1つの第一の化合物(I’)を含む、液晶の平面アライメントのための層を形成するための組成物。
[請求項8]
請求項1記載の少なくとも1つの第一の化合物(I’)及び少なくとも1つの第二の化合物(I’)(第一の化合物(I’)と同じではない)又は/及び添加物を含む、液晶の平面アライメントのための層を形成するための組成物。
[請求項9]
ジアミンである請求項1記載の式(I’)で表される化合物の重合を含む、ホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマーの調製方法であって、前記重合が、
a) ポリアミド酸もしくはポリアミド酸エステルへの式(I’)で表される化合物のアミド化、及びポリイミドへの得られたポリアミド酸もしくはエステルのイミド化、又は
b) ポリイミドへの式(I’)で表される化合物のイミド化
から選択される方法。
[請求項10]
- 基本構成要素として少なくともジアミンである請求項1記載の式(I’)で表される化合物を含むホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマー、又は
- 請求項4?5のいずれか一項に記載のホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマー
を含む、液晶の平面アライメントのための層を形成するための組成物。
[請求項11]
請求項4?5のいずれかに記載の少なくとも1つのホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマー、又は請求項7、8もしくは10に記載の組成物を含む、配向層。
[請求項12]
請求項4?5のいずれかに記載の1つ又は複数のホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマー、又は請求項7、8もしくは10に記載の組成物をアライニング光で処理する、ポリマー層又はオリゴマー層の調製方法。
[請求項13]
液晶の平面アライメントのための層であって、請求項4?5のいずれか一項に記載のホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマーの層。
[請求項14]
請求項11に記載の配向層、又は請求項13に記載の層の使用であって、
a) 重合性モノマー、ポリマー又はオリゴマー(前記重合性モノマーの重合形態である)を含む液晶組成物、又は/及び;
b) 下記:
b1) 集合性モノマーを含む液晶組成物中の少なくとも1つの重合性モノマー、又は/及び
b2) 少なくとも1つの重合性液晶、すなわちLCP
から製造される一対のポリマー膜の間に挟まれている、液晶であって、該ポリマー膜が、前記ホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマーの層上に形成される、液晶;
のアライメントのための使用。
[請求項15]
少なくとも1つのLCPを、請求項13に記載の層、又は、請求項11に記載の配向層上に適用すること、及び前記LCPを重合することを含む、液晶ディスプレイの製造方法。
[請求項16]
請求項13に記載の層を少なくとも1つ含む、光学もしくは電気光学的な非構造化もしくは構造化素子、又は、液晶ディスプレイセル、多層もしくはハイブリット層素子。」

4.取消理由通知に記載した取消理由の概要
訂正前の請求項1?16に係る特許に対して平成30年3月1日付けで特許権者に通知した取消理由(理由I?理由VI)、及び平成30年8月31日付けで特許権者に通知した取消理由(理由IV-2及び理由V-2)の要旨は次のとおりである。
なお、各引用文献は、下記5.(1)「引用文献及びその記載事項」に記載したとおりである。
(1)平成30年3月1日付けで特許権者に通知した取消理由(理由I?理由VI)
理由I(新規性)
本件特許の訂正前の請求項1?4、7、9?13、16に係る発明は、本件特許の出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物1?5に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないから、その発明に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。

理由II(進歩性)
本件特許の訂正前の請求項1?16に係る発明は、本件特許の出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物1?5に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。

理由III(実施可能要件)
本件特許の訂正前の請求項1に記載された式(I’)の定義は、多種類の化学構造及び化学的性質を有する選択肢を含むものであるが、本件明細書に化合物の具体的な合成方法が開示され、さらに重合膜の特性まで確認されている化合物はわずかな種類のものにすぎないから、訂正前の請求項1に包含される化合物(I’)を当業者が実際に製造したり、さらに重合、成膜、光配向して液晶素子等に利用するためには、訂正前の本件明細書の開示を超えた過度の試行錯誤を要する可能性がある。
そうすると、訂正前の本件の発明の詳細な説明は、当業者が訂正前の請求項1に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものとすることができないから、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。
訂正前の請求項1と同様の定義を含む訂正前の請求項2、3の化合物、及び訂正前の請求項1?3を直接又は間接的に引用して記載されている訂正前の請求項4?16についても同様である。
よって、訂正前の請求項1?16に係る特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。

理由IV(サポート要件)
本件特許の訂正前の請求項1に記載された式(I’)の定義には、本件発明の課題を解決できることが裏付けられている範囲を超える化合物が含まれているといえ、訂正前の本件明細書の記載に基づいて、訂正前の請求項1の範囲まで発明の範囲を拡張乃至一般化することはできない。
よって、訂正前の発明1は、発明の詳細な説明に実質的に記載されたものとすることができない発明を包含するものであるから、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
訂正前の請求項1と同様の定義を含む訂正前の請求項2、3の化合物、及び訂正前の請求項1?3を直接又は間接的に引用して記載されている訂正前の請求項4?16についても同様である。
よって、訂正前の請求項1?16に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。

理由V(明確性)
本件特許の訂正前の請求項1には、「置き換えられていないか・・・置き換えられていてもよく」という対をなしている文と、「置き換えられていないか・・・少なくとも1回置換されており」という対をなしている文が含まれているが、後の文は、先の文と同じ「置き換え」(replace)の意味で書かれているとも、「置換」(substituted)の意味で書かれているとも解釈することができ、いずれの意味で書かれているのかを明確に把握することができず、そのいずれの意味であるかによって、基Bの定義及び式(I’)の定義が異なることになるから、訂正前の請求項1の記載は明確でなく、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
訂正前の請求項1を直接又は間接的に引用して記載されている訂正前の請求項2?16も、同じ理由により特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
よって、訂正前の請求項1?16に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。

理由VI(原文新規事項)
本件特許の訂正前の請求項1においては、原文では使い分けられていた「unsubstituted」と「unreplaced」とが、いずれも「置き換えられていない」という文言に翻訳されたことにより、基Bの定義に原文とは異なる新たな意味が追加されたものと解することができるから、訂正前の請求項1は原文新規事項を含むものであり、特許法第184条の18において読み替えて適用する同法第113条第5号に該当し、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
訂正前の請求項1を直接又は間接的に引用して記載されている訂正前の請求項2?7についても同様である。

(2)平成30年8月31日付けで特許権者に通知した取消理由(理由IV-2及び理由V-2)
理由IV-2(サポート要件)
(IV-2-1)アクリレート、メタクリレート及びシロキサンについて
訂正前の本件明細書(平成30年6月1日に提出された訂正請求書により訂正されたもの)には、重合性基として「アクリレート、メタクリレート」を有する化合物の具体例(化合物62)、及び重合性基として「シロキサン」を有する化合物の具体例(化合物64)が記載され、前者を重合させたポリメチルメタクリレートPMMA-1の調製例(実施例71)、及び後者を重合させたポリシロキサンPS-1の調製例(実施例73)が記載されている。
しかし、PMMA-1については、プレチルト角の評価欄が空欄であり([0359]表3)、PS-1については、評価がまったく記載されておらず、液晶の平面配向に適した配向層を形成し、本件発明の課題を解決できるかどうか、明らかではない。
そうすると、本件特許の訂正前の請求項1?3及びこれらを直接又は間接的に引用して記載されている訂正前の請求項4、5、7、8、11?16に係る発明(平成30年6月1日に提出された訂正請求書により訂正されたもの)は、発明の詳細な説明に実質的に記載されたものとすることができない発明を包含するものであるから、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
よって、訂正前の請求項1?5、7、8、11?16に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。

(IV-2-2)式(XIb)について
訂正前の本件明細書(平成30年6月1日に提出された訂正請求書により訂正されたもの)には、訂正前の請求項2の22番目の化合物、及び訂正前の請求項3の式(XIb)で表される化合物の具体例として化合物57E([0339][表1])が記載され、化合物57Eを用いてポリアミド酸PAA-25を調製したこと([0340]、[表2])も記載されている。
しかし、PAA-25については、プレチルト角等の評価がまったく記載されておらず、液晶の平面配向に適した配向層を形成し、上記課題を解決できるかどうか、明らかではない。
そうすると、本件特許の訂正前の請求項1?3及びこれらを直接又は間接的に引用して記載されている訂正前の請求項4、5、7?16に係る発明(平成30年6月1日に提出された訂正請求書により訂正されたもの)は、発明の詳細な説明に実質的に記載されたものとすることができない発明を包含するものであるから、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
よって、訂正前の請求項1?5、7?16に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。

理由V-2(明確性)
(V-2-1)本件発明14について
本件特許の訂正前の請求項14(平成30年6月1日に提出された訂正請求書により訂正されたもの)は、「b1)」及び「b2)」に相当する構成及び訂正前の請求項14に係る発明の構成を明確に把握することができないから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
よって、訂正前の請求項14に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。

(V-2-2)本件発明15について
本件特許の訂正前の請求項15(平成30年6月1日に提出された訂正請求書により訂正されたもの)は、訂正前の請求項14に記載された事項との関係が明確でなく、また、「少なくとも1つの単一の」という記載も明確でないから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
よって、訂正前の請求項15に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。

5.取消理由通知に記載した取消理由についての判断
(1)引用文献及びその記載事項
<引用文献等一覧>
1.特表2008-515933号公報(甲第1号証)
2.特開2002-069180号公報(甲第2号証)
3.特開2007-232934号公報(甲第3号証)
4.M. J. WHITCOMBE, A. GILBERT, and G. R. MITCHELL, "Synthesis and Photochemistry of Side-Chain Liquid Crystal Polymers Based on Cinnamate Esters", Journal of Polymer Science, PartA: Polymer Chemistry, 米国, John Wiley & Sons, Inc., 1992.07, vol.30, No.8, p.1681-1691(甲第4号証)
5.Rajayyan Mohan Kumar, Rathinam Balamurugan and Palaninathan Kannan, "Investigation of liquid crystalline and photocrosslinkable poly[4-x-phenyl-4'-(m-methacryloyloxyalkyloxy)cinnamate]s", Polymer International, 米国, John Wiley & Sons, Inc., 2007.10., vol.56, No.10, p.1230-1239(甲第5号証)

(i)引用文献1には、以下の事項が記載されている。
(1-1)「[請求項1]
一般式(Ia)及び(Ib):
[化1]

〔式中、
A、Bは、それぞれ独立して、原子5若しくは6個の単環式環、原子5若しくは6個の2つの隣接する単環式環、原子8、9若しくは10個の二環式の環系、又は原子13若しくは14個の三環式の環系から選択される、炭素環式又は複素環式の芳香族基を表わし、
ここで芳香族環は、非置換であるか、又はハロゲン原子、ヒドロキシ基により、及び/又は窒素、シアノ、カルボキシのような極性基により、及び/又は炭素原子1?30個を有する環状、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル残基(これは非置換であるか、メチル、フッ素及び/若しくは塩素により一置換又は多置換されている)により、一置換又は多置換されており、ここで1つ以上の-CH_(2)-基は、独立して基G^(1)により代えられていてもよく、ここで、
G^(1)は、-O-、-CO-、-CO-O-、-O-CO-、-NR^(1)-、-NR^(1)-CO-、-CO-NR^(1)-、-NR^(1)-CO-O-、-O-CO-NR^(1)-、-NR^(1)-CO-NR^(1)-、-CH=CH-、-C≡C-、-O-CO-O-及び-Si(CH_(3))_(2)-O-Si(CH_(3))_(2)-から選択される基か、芳香族又は脂環式の基を表わし、ここで、
R^(1)は、水素原子又は低級アルキルを表わすが;
但し、酸素原子は互いに直接結合しておらず;
Dは、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ、シアノ、カルボキシのような極性基、-CF_(3)、-Si(CH_(3))_(3)、-Si(CH_(3))_(2)-O-Si(CH_(3))_(3)、シラン基、シロキサン基、又は炭素原子1?40個を有する環状、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル残基(これは非置換であるか、シアノ、フッ素、塩素、脂環式基により、及び/又はCH_(2)=CW-若しくはCH_(2)=CW-(CO)_(v)O-のような重合性基により、一置換又は多置換されている)を表わし、ここで、
Wは、H又は-CH_(3)-を表わし、そして
vは、0又は1であり、
ここで1つ以上の隣接していない-CH_(2)-基は、独立して基G^(2)により代えられていてもよく、ここで、
G^(2)は、-O-、-CO-、-CO-O-、-O-CO-、-NR^(1)-、-NR^(1)-CO-、-CO-NR^(1)-、-NR^(1)-CO-O-、-O-CO-NR^(1)-、-NR^(1)-CO-NR^(1)-、-CH=CH-、-C≡C-、-O-CO-O-、又は-Si(CH_(3))_(2)-O-Si(CH_(3))_(2)-から選択される基を表し、ここでR^(1)は、上記で定義されたとおりであり;
Eは、酸素原子、硫黄原子、-C(R^(2))R^(3)-又は-NR_(4)-を表わし、ここで、
R^(2)、R^(3)は、独立して、水素であるか、又は非置換か、シアノ、フッ素若しくは塩素により一置換されている、又はフッ素及び/若しくは塩素により多置換されている、炭素原子1?24個を有する環状、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル残基であり、ここで1個以上の隣接していないCH_(2)基は、独立して基G^(3)により代えられていてもよく、ここで、
G^(3)は、-O-、-CO-、-CO-O-、-O-CO-、-NR^(1)-、-NR^(1)-CO-、-CO-NR^(1)-、-NR^(1)-CO-O-、-O-CO-NR^(1)-、-NR^(1)-CO-NR^(1)-、-CH=CH-、-C≡C-、-O-CO-O-、-Si(CH_(3))_(2)-及び-Si(CH_(3))_(2)-O-Si(CH_(3))_(2)-から好ましく選択される基を表し、ここでR^(1)は、上記で定義されたとおりであり;
但し、R^(2)及びR^(3)のうちの少なくとも1つは、水素ではなく;
R^(4)は、水素原子又は低級アルキルを表わし;
S^(1)、S^(2)は、それぞれ独立して、単結合を表わすか、又は非置換か、シアノ基により及び/若しくはハロゲン原子により一置換若しくは多置換されている、炭素原子1?24個を有する、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基のようなスペーサー単位を表わし、ここで1つ以上の-CH_(2)-基は、独立して、一般式(II)により表わされている基により代えられていてもよく、
[化2]

式中、
C^(1)、C^(2)は、それぞれ独立して、場合により置換されている、非芳香族又は芳香族の、炭素環式又は複素環式基を表わし;
Z^(1)、Z^(2)は、それぞれ独立して、-CH(OH)-、-O-、-CO-、-CH_(2)(CO)-、-SO-、-CH_(2)(SO)-、-SO_(2)-、-CH_(2)(SO_(2))-、-COO-、-OCO-、-COCF_(2)-、-CF_(2)CO-、-S-CO-、-CO-S-、-SOO-、-OSO-、-SOS-、-CH^(2)-CH^(2)-、-OCH_(2)-、-CH_(2)O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-、-CH=N-、-C(CH_(3))=N-、-N=N-、-O-CO-O-、又は単結合から選択される基を表わし;そして
a^(1)、a^(2)は、それぞれ独立して、0?3の整数を表わし、a^(1)+a^(2)≦4であり、そして
Fは、式(III)から選択される、炭素原子1?40個を有する、場合により置換されている脂肪族、芳香族又は脂環式のジアミノ基を表わし、
[化3]

式中、
Sp^(1)、Sp^(2)は、それぞれ独立して、炭素原子1?20個を有する、場合により置換されている、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基を表わし、ここで1つ以上の隣接していないC原子は、ヘテロ原子により、及び/又は-O-、-CO-、-CO-O-、-O-CO-、-NR^(1)-、-NR^(1)-CO-、-CO-NR^(1)-、-NR^(1)-CO-O-、-O-CO-NR^(1)-、-NR^(1)-CO-NR^(1)-、-O-CO-O-若しくは-Si(CH_(3))_(2)-O-Si(CH_(3))_(2)-から選択される基により代えられていてもよく、ここでR^(1)は、上記で定義されたとおりであり、1つ以上の炭素-炭素単結合は、炭素-炭素二重結合により、又は炭素-炭素三重結合により、代えられていてもよく;
R^(5)、R^(6)は、それぞれ独立して、水素原子又は低級アルキルを表わし;
k^(1)、k^(2)は、それぞれ独立して、0又は1の値を有する整数であり;
X^(1)、X^(2)は、それぞれ独立して、-O-、-S-、-NH-、-N(CH_(3))-、-CH(OH)-、-CO-、-CH_(2)(CO)-、-SO-、-CH_(2)(SO)-、-SO_(2)-、-CH_(2)(SO_(2))-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-SOO-、-OSO-、-SOS-、-CH_(2)-CH_(2)-、-OCH_(2)-、-CH_(2)O-、-CH=CH-若しくは-C≡C-から選択される基、又は単結合を表わし;
t^(1)、t^(2)は、それぞれ独立して、0又は1の値を有する整数であり;
C^(3)、C^(4)は、それぞれ独立して、場合により置換されている、非芳香族、芳香族、炭素環式又は複素環式の基を表わし;
Z^(3)は、-CH(OH)-、-CH(CH_(3))-、-C(CH_(3))_(2)-、-CO-、-CH_(2)(CO)-、-SO-、-CH_(2)(SO)-、-SO_(2)-、-CH_(2)(SO_(2))-、-COO-、-OCO-、-COCF_(2)-、-CF_(2)CO-、-S-CO-、-CO-S-、-SOO-、-OSO-、-SOS-、-CH_(2)-CH_(2)-、-OCH_(2)-、-CH_(2)O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-、-CH=N-、-C(CH_(3))=N-、-N=N-、-O-CO-O-、又は単結合から選択される基を表わし;
Z^(4)は、Z^(3)の意味のうちの1つを有するか、又は炭素原子1?20個を有する、場合により置換されている、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基を表わし、ここで1つ以上の-CH_(2)-基は、ヘテロ原子により、及び/若しくは上記で定義された基Z^(3)により、代えられていてもよく、並びに/又は1つ以上の炭素-炭素単結合は、炭素-炭素二重結合若しくは炭素-炭素三重結合により代えられていてもよく;そして
a^(3)、a^(4)は、独立して、0?3の整数であり、a^(3)+a^(4)≦4であり;
Fは、式(Ia)では基S^(2)に、又は式(Ib)では基Bに、基Sp^(1)及び/又は基C^(3)及び/又は基Z^(4)及び/又は基C^(4)及び/又は基Sp^(2)を介して、結合しているが、
但し、t^(1)、t^(2)、a^(3)及びa^(4)のうちの少なくとも1つは、0と等しくなく、
X及びYは、それぞれ独立して、水素、フッ素、塩素、シアノ、炭素原子1?12個を有する、場合によりフッ素で置換されているアルキルを表わし、ここで、場合により1つ以上の隣接していない-CH_(2)-基は、基Z^(1)により代えられており、そして、
nは、1、2、3又は4である〕
のうちの1つにより表わされる、ジアミン化合物。
・・・
[請求項26]
請求項1?25のいずれか1項記載の少なくとも1つのジアミン化合物及び場合により1つ以上の追加の他のジアミンと、一般式(V):
[化6]

〔式中、
Tは、四価有機基を表わす〕
で示される1つ以上のテトラカルボン酸無水物との反応により得られる、又は得ることができるポリアミック酸、ポリアミック酸エステル若しくはポリイミド又はこれらの混合物の部類からのポリマー又はオリゴマー。
・・・
[請求項39]
重縮合反応において、請求項1?25のいずれか1項記載のジアミン化合物を、一般式(V)の1つ以上のテトラカルボン酸無水物と、場合により1つ以上の追加の他のジアミンの存在下で反応させる、請求項26?38のいずれか1項記載のポリマー又はオリゴマーの調製方法。
[請求項40]
ポリアミック酸の調製のための重縮合反応が、好ましくはγ-ブチロラクトン、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン又はN,N-ジメチル-ホルムアミドから選択される、極性で非プロトン性の有機溶媒中の溶液中で実施される、請求項39記載の方法。
[請求項41]
重縮合に続いて、水の除去を伴う環化がポリアミンの形成下で熱的に実施される、請求項39又は40記載の方法。
[請求項42]
イミド化が、支持体へのポリマー又はオリゴマーの適用の前又は後で実施される、請求項41記載の方法。
・・・
[請求項43]
請求項26?38のいずれか1項記載の少なくとも1つのポリマー又はオリゴマーを含む、ポリマー又はオリゴマー層、特に配向層。
[請求項44]
請求項26?38のいずれか1項記載の1つ以上のポリマー又はオリゴマーを、好ましくはポリマー又はオリゴマー材料の溶液から支持体に適用し、続いて溶媒を蒸発させ、必要であれば任意のイミド化工程の後で、ポリマー若しくはオリゴマー、又はポリマー混合物若しくはオリゴマー混合物を、直線偏光による照射で架橋する、請求項43記載のポリマー層又はオリゴマー層の調製方法。
[請求項45]
ポリマー層又はオリゴマー層内の配向の方向及び傾斜角が、直線偏光の照射の方向を制御することによって変わる、及び/又はポリマー層又はオリゴマー層の特定の領域を選択的に照射することによって、層の特定の領域が、整列される、請求項44記載の方法。
[請求項46]
液晶の配向層としての、好ましくは架橋された形態の、請求項43記載のポリマー層又はオリゴマー層の使用。
[請求項47]
特にセルのMVAモードでの操作において、隣接する液晶層の垂直方向への整列を誘導するための、請求項46記載の使用。
[請求項48]
請求項43記載の少なくとも1つのポリマー層又はオリゴマー層を含む、光学及び電気光学的な非構造化又は構造化された構成の素子、好ましくは液晶ディスプレーセル、多層及びハイブリッド層の素子。」

(1-2)「[0013]
上記の引用参考文献において、上記の重要なパラメータを達成するために、最初にポリアミック酸/ポリイミド主鎖(すなわち、分子極性をもたらす)を、次にケイ皮酸残基のような光反応性基が組み込まれた側鎖を組み合わせた分子構造が、〔例えばTN(ねじれネマチック)装置で使用されるような、僅かなプレチルト角しか必要としない〕平面配向の一般的な概念に適切であることが、一般的に実証された。しかし、主にTN用途のために開発されたこれらの種類の分子構造は、MVA用途に直接利用することができない。下記で提供される比較例では、TNモードで高い電圧保持比を提供する分子構造が、垂直整列を誘導するために、例えば周辺アルキル鎖の長さを単に増やすことによって僅かに変性される場合、VHR値の急激な低下が観察されることが判る。これは、MVAモードの場合では、(TNモードの場合では十分である)分子極性ばかりでなく、他の分子パラメータも考慮しなければならないことを示している。驚くべきことに、分子極性に加えて、LPP材料の分子構造それ自体も、必要とされる高い電圧保持比、MVAモードに必要な調整可能なプレチルト角、光及び熱に対するその安定性のような、最適化された特性を有するMVA材料を得るために主要な役割を果たすことが見出された。」

(1-3)「[0061]
ポリイミドを形成するポリアミック酸の環化は、加熱により、すなわち水の除去を伴う縮合により、又は好適な試薬を使用する他のイミド化により、実施することができる。純粋に熱的に実施される場合、ポリアミック酸のイミド化反応は必ずしも完了するとは限らず、すなわち得られるポリイミドは、依然として、ポリアミック酸の部分を含有することがある。一般にイミド化反応は、60?250℃の温度、好ましくは200℃未満の温度で実施される。イミド化を低温で達成するために、水の除去を促進する追加的な試薬を反応混合物に加える。そのような試薬は、例えば、酢酸無水物、プロピオン酸無水物、フタル酸無水物、トリフルオロ酢酸無水物のような酸無水物、又はトリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N-ジメチルアニリン、ルチジン、コリジンなどのような第三級アミンからなる混合物である。水の除去を促進する上記の追加的な試薬の量は、好ましくは、縮合されるポリアミンの当量あたり少なくとも4当量の酸無水物及び2当量のアミンである。」

(1-4)「[0072]
ポリマー又はオリゴマー層は、好ましくは、本発明の1つ以上のポリマー又はオリゴマーを支持体に適用し、必要であれば任意のイミド化工程の後、ポリマー若しくはオリゴマー又はポリマー混合物若しくはオリゴマー混合物を直線偏光の照射により架橋することによって、調製される。直線偏光の照射の方向を制御することによって、ポリマー又はオリゴマー層内の配向の方向及び傾斜角を変えることが可能である。ポリマー又はオリゴマー層の特定の領域を選択的に照射することによって、層の極めて特定の領域を整列させること、及び画定された傾斜角を持つ層を提供することが可能である。誘導された配向及び傾斜角は、架橋のプロセスによってポリマー又はオリゴマー層中に保持される。」

(1-5)「[0080]
実施例1
合成
以下の手順に従う6-{4-〔(1E)-3-(4-ペンチルオキシフェノキシ)-3-オキソプロパ-1-エニル〕フェノキシ}ヘキシル3,5-ジアミノベンゾエートの調製
・・・
[0092]
1.5 6-{4-〔(1E)-3-(4-ペンチルオキシフェノキシ)-3-オキソプロパ-1-エニル〕フェノキシ}ヘキシル3,5-ジアミノベンゾエート
[0093]
[化20]



(1-6)「[0096]
実施例2
重合工程A(ポリアミック酸の形成)
1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物630mg(3.210mmol)を、テトラヒドロフラン(THF)14.0ml中の6-{4-〔(1E)-3-(4-ペンチルオキシフェノキシ)-3-オキソプロパ-1-エニル〕フェノキシ}ヘキシル3,5-ジアミノベンゾエート(実施例1)2.000g(3.570mmol)の溶液に加えた。次に撹拌を0℃で2時間実施した。次に別の1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物0.070mg(0.357mmol)を加えた。続いて混合物を室温で21時間反応させた。ポリマー混合物をTHF 14mlで希釈し、ジエチルエーテル800mlに沈殿させ、濾過により収集した。ポリマーをTHF(40ml)から水1400mlに再沈殿させ、真空下、室温で乾燥した後、ポリアミック酸No.1 2.35gを白色粉末の形態で得た;〔η〕=0.17dL/g。
[0097]
実施例3
重合工程B(ポリイミドの形成)
上記の実施例2で得られたポリアミック酸No.1 0.50gを、1-メチル-2-ピロリドン(NMP)3mlに溶解した。それにピリジン0.28g(3.57mmol)及び酢酸無水物364mg(3.57mmol)を加え、脱水及び閉環を80℃で2時間実施した。ポリマー混合物をNMP 1.5mlで希釈し、ジエチルエーテル100mlに沈殿させ、濾過により収集した。ポリマーをTHF(10ml)から水200mlに再沈殿させ、真空下、室温で乾燥した後、ポリイミドNo.1 0.55gを得た;〔η〕=0.30dL/g。」

(1-7)「[0098]
実施例4
合成
ビス〔6-{4-〔(1E)-3-(4-ペンチルオキシフェノキシ)-3-オキソプロパ-1-エニル〕フェノキシ}ヘキシル〕2,2-ビス(アミノベンジル)マロネートの調製
・・・
[0107]
4.4 ビス〔6-{4-〔(1E)-3-(4-ペンチルオキシフェノキシ)-3-オキソプロパ-1-エニル〕フェノキシ}ヘキシル〕2,2-ビス(アミノベンジル)マロネート
[0108]
[化24]



(1-8)「[0129]
実施例11
11.1 実施例1と同様に、6-{4-〔(1E)-3-〔4-(4-シクロヘキシルフェノキシ)ブトキシ〕-3-オキソプロパ-1-エニル〕フェノキシ}ヘキシル3,5-ジアミノベンゾエートを合成した。
[0130]
[化31]

[0131]
11.2 6-{4-〔(1E)-3-〔4-(4-シクロヘキシルフェノキシ)ブトキシ〕-3-オキソプロパ-1-エニル〕フェノキシ}ヘキシル3,5-ジアミノベンゾエート0.500g(0.7952mmol)及び1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物144.9mg(0.7952mmol)を使用し、実施例2と同様にポリアミック酸の調製を実施して、ポリアミック酸No.8 0.62gを得た:〔η〕=1.18dL/g。
[0132]
11.3 6-{4-〔(1E)-3-〔4-(4-シクロヘキシルフェノキシ)ブトキシ〕-3-オキソプロパ-1-エニル〕フェノキシ}ヘキシル3,5-ジアミノベンゾエート0.450mg(0.7156mmol)、6-{4-〔(1E)-3-メトキシ-3-オキソプロパ-1-エニル〕フェノキシ}ヘキシル3,5-ジアミノベンゾエート73.80mg(0.1789mmol)及び1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物175.4mg(0.8945mmol)を使用し、実施例2と同様にコポリアミック酸の調製を実施して、コポリアミック酸No.1 0.65gを得た:〔η〕=0.18dL/g。
[0133]
11.4 6-{4-〔(1E)-3-〔4-(4-シクロヘキシルフェノキシ)ブトキシ〕-3-オキソプロパ-1-エニル〕フェノキシ}ヘキシル3,5-ジアミノベンゾエート0.500mg(0.7952mmol)、1,3-フェニレンジアミン21.50mg(0.1988mmol)及び1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物194.5mg(0.9938mmol)を使用し、実施例2と同様にコポリアミック酸の調製を実施して、コポリアミック酸No.2 0.57gを得た:〔η〕=0.28dL/g。」

(1-9)「[0149]
実施例17
17.1 実施例1と同様に、6-{4-{〔(1E)-3-(1,1’-ビフェニル-4-イルオキシ)ブトキシ〕-3-オキソプロパ-1-エニル}フェノキシ}ヘキシル3,5-ジアミノベンゾエートを合成した。
[0150]
[化37]

[0151]
17.2 6-{4-{〔(1E)-3-(1,1’-ビフェニル-4-イルオキシ)ブトキシ〕-3-オキソプロパ-1-エニル}フェノキシ}ヘキシル3,5-ジアミノベンゾエート0.500g(0.8029mmol)及び1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物157.5mg(0.8029mmol)を使用し、実施例2と同様にポリアミック酸の調製を実施して、ポリアミック酸No.13 0.62gを得た:〔η〕=0.66dL/g。」

(1-10)「[0158]
比較例4(平面整列)
重合工程A(ポリアミック酸の形成)
6-〔((2E)-3-{4-〔(4-メトキシベンゾイル)オキシ〕フェニル}プロパ-2-エノイル)オキシ〕ヘキシル3,5-ジアミノベンゾエート2.000g(3.653mmol)及び1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物716.5mg(3.653mmol)を使用し、実施例2と同様に調製を実施して、比較ポリアミック酸No.4 2.55gを得た:〔η〕=0.33dL/g。」

(1-11)「[0159]
実施例19
画定された傾斜角を有する配向層の製造例
シクロペンタノン中のポリアミック酸No.1(実施例2)の2%溶液を、0.2μmテフロンフィルタで濾過し、インジウム-スズ-酸化物(ITO)が塗布されているガラスプレートに、スピンコート機器により、3000回転/分で60秒間適用した。次に得られた膜を130℃で15分間予備乾燥し、次に200℃で1時間イミド化して、ポリイミド膜を形成した。このようにして得られたLPP膜を、直線偏光UV光線(30mJ/cm^(2))で照射し、光線の入射方向は、プレートの垂直面に対して20°?40°傾いていた。光線の偏りの方向を、光の入射方向及びプレートの垂直面により画定された面内に保持した。照らされた表面が互いに向かい合うように、そして照明の以前の偏光方向が平行となるように、両方のプレートから、20μmの空間を持つセルを構築した。次にセルを、Merckからの、100℃で等方性相の液晶混合物MLC6609で充填した。次にセルを01℃/分から2℃/分の範囲の速度で徐々に室温まで冷却した。交差した偏光子の間に、均一に配向された液晶層が観察された。結晶回転法によると、この平行セルの傾斜角は88.5°であった。」

(1-12)「[0170]
実施例30
画定された傾斜角を有する配向層の製造の比較例D
比較ポリアミック酸No.4で塗布された(実施例19で使用されたものと同じ手順)2枚のガラスプレートを、直線偏光UV光線(30mJ/cm^(2))で照射し、光線の入射方向は、プレートの垂直面に対して20°?40°傾いていた。光線の偏りの方向を、光の入射角の方向及びプレートの垂直面により画定された面内に保持した。照らされた表面が互いに向かい合うように、そして照明の以前の偏光方向が平行となるように、両方のプレートから、20μmの空間を持つセルを構築した。次にセルを、Merckからの、100℃で等方性相の液晶混合物MLC6609で充填した。次にセルを01℃/分から2℃/分の範囲の速度で徐々に室温まで冷却した。交差した偏光子の間に、均一に配向された液晶層が観察された。結晶回転法によると、この平行セルの傾斜角は0°であった。」

(ii)引用文献2には、以下の事項が記載されている。
(2-1)「[請求項1] 下記一般式〔1〕
[化1]

で示される構造単位からなり、N-メチル-2-ピロリドン中、濃度0.5g/dl、温度30±0.01℃で測定された対数粘度数が0.1?5.0dl/gであるポリアミド酸。
(但し、一般式〔1〕において、
R_(1)は炭素数1?5のアルキレン基、
Xは単結合、-COO-、-OCO-、-NHCO-、-CONH-、-O-、-S-若しくは-CO-を示し、
R_(2)、R_(3)、R_(4)はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン、フェニル基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基、チオール基、カルボキシル基、水素原子がフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1?10のアルキル基若しくはアルコキシ基、水素原子の1個がカルボキシル基により置換されている炭素数1?5のアルキル基または炭素数2?10のアルコキシカルボニル基若しくはアリーロキシカルボニル基を示し、
R_(5)は炭素数6?30の4価の芳香族基、または炭素数4?30の4価の脂環式基若しくは複素環式基を示す。)
[請求項2] 請求項1に記載されたポリアミド酸をイミド化した後、偏光紫外線を照射することにより得られるポリイミド。
[請求項3] 請求項2に記載されたポリイミドからなる薄膜を用いた液晶表示素子用配向膜。
[請求項4] 請求項1に記載されたポリアミド酸をイミド化した後、偏光紫外線を照射し、ポリイミドの側鎖の一部を光反応させることで得られる液晶表示素子用配向膜。
[請求項5] 請求項3若しくは4に記載された液晶表示素子用配向膜を備えることを特徴とする液晶表示素子。」

(2-2)「[0011]
[発明の実施の形態]本発明の液晶表示素子用配向膜は、側鎖に置換シンナモイル基を有する本発明のポリアミド酸の溶液を基板に塗布しイミド化後、偏光紫外線を照射して膜表面に異方性を付与することで製造される。
[0012]ここで一般式〔1〕で示される構造単位からなる置換シンナモイル基含有ポリアミド酸溶液は以下の方法で合成できる。すなわち、一般式〔2〕
[化3]

で示される、側鎖に置換シンナモイル基を持つジアミンを合成後、一般式〔3〕
[化4]

で示されるテトラカルボン酸二無水物との重合反応で得ることができる。ここでR_(1)、R_(2)、R_(3)、R_(4)、R_(5)、Xは既述の通りである。このポリアミド酸を加熱または化学的に脱水する等の公知の方法でイミド化した後、偏光紫外線照射することにより本発明のポリイミドを得ることができる。偏光紫外線照射によって紫外線の照射された部分のシンナモイル基が反応し、ラビング処理をすることなく配向膜として使用することができるのである。
[0013]本発明においては、複数の一般式〔3〕で表わされるテトラカルボン酸二無水物若しくは複数の一般式〔2〕で表わされるジアミンを用いてポリイミドを合成することによりポリイミド共重合体として使用することも可能である。更に、本発明の目的を阻害しない範囲において、一般式〔1〕で示される構造単位以外に公知のポリアミド酸構造単位を含むポリアミド酸共重合体をイミド化してなるポリイミド共重合体をも用いることができる。
[0014]一般式〔1〕で表わされる構造単位若しくは一般式〔2〕で表わされる化合物においてR_(1)部分の構造としては、炭素数1?5の2価のアルキレン基であれば特に限定されないが、具体的に例示すると、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基である。
[0015]一般式〔1〕、〔2〕において置換基R_(2)、R_(3)、R_(4)として、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン、フェニル基、、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基、チオール基、カルボキシル基、水素原子がフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1?10のアルキル基若しくはアルコキシ基、水素原子の1個がカルボキシル基により置換されている炭素数1?5のアルキル基または炭素数2?10のアルコキシカルボニル基若しくはアリーロキシカルボニル基を挙げることができる。
[0016]具体的に炭素数1?10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、iso-ペンチル基、neo-ペンチル基、t-ペンチル基、n-ヘキシル基、iso-ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基或いはこれらの基の1個以上の水素原子がフッ素原子により置換されているフッ素化アルキル基等が挙げられる。好ましいフッ素化アルキル基としてはヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロヘプチル基、ペルフルオロオクチル基、ペルフルオロノニル基、ペルフルオロデシル基を例示することができる。
[0017]炭素数1?10のアルコキシ基としては、上述したアルキル基からなるアルコキシ基、フッ素化アルコキシ基としては上述したアルキル基の1個以上の水素原子がフッ素原子により置換されているフッ素化アルキル基等が挙げられる。好ましいフッ素化アルコキシ基としては上に列挙したフッ素化アルキル基からなるアルコキシ基である。
[0018]また、水素原子1個がカルボキシル基で置換された炭素数1?5のアルキル基としては、-CH_(2)COOH、-CH_(2)CH_(2)COOH、-CH_(2)CH_(2)CH_(2)COOH、-CH_(2)CH_(2)CH_(2)CH_(2)COOH等が挙げられる。
[0019]更に、炭素数2?10のアルコキシカルボニル基若しくはアリーロキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、iso-プロポキシカルボニル、n-ブトキシカルボニル、iso-ブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、t-ブトキシカルボニル、n-ペンチルオキシカルボニル、iso-ペンチルオキシカルボニル、neo-ペンチルオキシカルボニル、t-ペンチルオキシカルボニル、n-ヘキシルオキシカルボニル、iso-ヘキシルオキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、ノニルオキシカルボニル、デシルオキシカルボニル、フェノキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル等が挙げられる。
[0020]前記置換基R_(2)、R_(3)、R_(4)の中で好ましくは水素、フッ素、シアノ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロヘプチル基、ペルフルオロオクチル基、ペルフルオロノニル基、ペルフルオロデシル基、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、ヘプタフルオロプロポキシ基、ノナフルオロブトキシ基、ペルフルオロペンチルオキシ基、ペルフルオロヘキシルオキシ基、ペルフルオロヘプチルオキシ基、ペルフルオロオクチルオキシ基、ペルフルオロノニルオキシ基、ペルフルオロデシルオキシ基が挙げられる。
[0021]さらに好ましくは水素、フッ素、シアノ基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロヘプチル基、ペルフルオロオクチル基、ペルフルオロノニル基、ペルフルオロデシル基、n-ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、ペルフルオロヘキシルオキシ基、ペルフルオロヘプチルオキシ基、ペルフルオロオクチルオキシ基、ペルフルオロノニルオキシ基、ペルフルオロデシルオキシ基である。」

(2-3)「[0022]本発明で用いられるテトラカルボン酸二無水物は、一般式〔3〕で示される。一般式〔3〕においてR5は炭素数6?30の4価の芳香族基、または炭素数4?30個の4価の脂環式基若しくは複素環式基である。芳香族基としてはベンゼン、ナフタレン等の誘導体であり、これらの水素原子の一部が低級アルキル基若しくはアリール基で置換されていてもよい。脂環式基としては炭素数4?10個のシクロアルキル、シクロアルキレン等の誘導体であり、これらの水素原子の一部が低級アルキル基若しくはアルキレン基またはアリール基で置換されていてもよい。複素環式基としては上述したシクロアルキル環、シクロアルキレン環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等で置き換えられたものである。
[0023]上述した芳香族基、脂環式基、複素環式基の同種若しくは異種の基の2個以上が連結基を介して結合された基であってもよい。連結基としては、単結合、-O-、-S-、-SO_(2)-、-CO-、-CH_(2)-、-C(R_(6))(R_(7))-、-Si(R_(6))(R_(7))-、-Si(R_(6))(R_(7))-O-Si(R_(6))(R_(7))-等であり、R_(6)、R_(7)は互いに独立にメチル基、エチル基等の低級アルキル基若しくはそれらの1個以上の水素原子がフッ素原子によって置換されたもの、またはフェニル基である。
[0024]本発明で用いられるテトラカルボン酸二無水物の具体名を例示すると、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、3,3′,4,4′-ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′-ビシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシシクロヘキシル)エーテル二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシシクロヘキシル)スルフォン二無水物、ビス(3,3-ジカルボキシシクロヘキシル)メタン二無水物等をあげることができる。また、2種以上の化合物を併用しても良い。また、本発明に使用するテトラカルボン酸二無水物は上記の例示化合物に限定されるものではない。」

(2-4)「[0026]本発明の液晶表示素子用配向膜に用いるポリイミドを製造するには、一般式〔1〕で示される構造単位を有するポリアミド酸の溶液を基板上に塗布し、150?300℃の温度で加熱処理して脱水反応させることにより、ポリイミド薄膜を基板上に形成させる方法、またはポリアミド酸を無水酢酸等を用いて化学的に脱水反応させポリイミドとした後に、その溶液を基板上に塗布、乾燥して薄膜を形成させる方法等がある。」

(2-5)「[0037]実施例1
1)下記構造単位で示されるポリイミドの合成:
[化5]

[0038]滴下ロート、攪拌装置を付けた300mlの三つ口フラスコに、ジニトロベンジルアルコール1.0g(0.005mol)、ケイ皮酸0.74g(0.005mol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)1.55g(0.0075mol)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)0.3g(0.0025mol)、THF20mlを取り、室温で撹拌した。一晩撹拌後生成した個体を濾別し、溶液部を取り出し、溶媒を留去した。残留部を、ヘキサンを展開溶媒としてシリカゲルクロマトで分離を行った。1/1(容積比(以後記載ない場合は容積比である))のヘキサン/酢酸エチル混合溶媒で流出する部分を集め、溶媒を留去した。得られた結晶を1/1のヘプタン/酢酸エチル混合溶媒中で再結晶化させることにより、ジニトロベンジルシンナメートの針状無色結晶物0.97gが得られた。収率61%であり、構造はH-NMRにより確認した。
^(1)H-NMR(90MHz、CDCL_(3)、:δ5.44(s、2H)、6.52(d、1H)、7.37-7.63(m、5H)、7.80(d、1H)、8.61(d、2H)、9.02(t、1H)
[0039]滴下ロート、攪拌装置を付けた300mlの三つ口フラスコに、ジニトロベンジルシンナメート0.5g(0.0015mol)とジオキサン15mlを取り、室温攪拌下、塩化第1スズ(2水和物)2.4g(0.01mol)を加えた。これをアイスバスで0℃に冷却し、ここに濃塩酸2.4gを滴下し、滴下後アイスバスをはずし、室温で4時間攪拌した。反応終了後、2N水酸化ナトリウム水溶液を中性になるまで滴下し、反応液をセライトでろ過した。ろ液を酢酸エチルで2回抽出し、有機相を水で3回洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ別後、減圧濃縮して淡黄色油状物0.5gを得た。収率は98%であった。この化合物の^(1)H-NMRは下記の通り。
^(1)H-NMR(90MHz、CDCL_(3)、:δ3.61(bs、4H)、5.07(s、2H)、6.00(t、1H)、6.17(d、2H)、6.48(d、1H)、7.34?7.59(m、5H)、7.73(d、1H)、
[0040]2)重合反応:10mlのサンプル管に、ジアミノベンジルシンナメート0.41g、NMP4.82gを入れて、窒素気流下室温で攪拌溶解した。次いで反応液を10℃に保ち、3,3′,4,4′-ビフェニル-テトラカルボン酸二無水物0.44g投入し、室温で6時間反応を行い、15.0wt%のポリマー溶液を得た。このポリマーの対数粘度数は0.85dl/gであった。
[0041]3)偏光照射による液晶表示素子用配向膜の形成:2)で得られたポリアミド酸溶液を、1/1のNMP/ブチルセロソルブ混合溶媒で5.0wt%に希釈し、これを0.1μmのフィルターでろ過し、液晶配向剤溶液とした。続いてITOガラス基板上に回転塗布法(スピンナー法)で塗布した。塗布後230℃で60分間焼成し、膜厚約740オングストロームの薄膜を形成した。薄膜表面に超高圧水銀ランプより、365nm付近の波長の、直線偏光紫外線を100mJ/cm^(2)照射した。
[0042]4)液晶セル作成、配向性評価:3)で得た基板を、紫外線の偏光方向が平行になるように貼り合わせ、液晶層の厚さが20μmである液晶セルを作成し、チッソ(株)製液晶JC-5006を注入し、110℃で30分間加熱処理を行った。加熱処理後放冷し、液晶の配向を確認したところ良好であった。」

(iii)引用文献3には、以下の事項が記載されている。
(3-1)「[0001]
本発明は、液晶配向用光配向材料、該材料を用いた液晶配向膜および該液晶配向膜を用いて液晶性材料を配向させた光学素子に関わり、液晶表示装置の製造方法や液晶表示装置の光学補償を目的とした光学補償フィルムの製造方法の改良に役立つものである。」

(3-2)「[0004]
前記の問題に鑑み、本発明では、光配向成分と光増感成分を側鎖に有する液晶性共重合体であって、前記光増感成分の比率が0.01重量%?4.7重量%であることを特徴とする液晶配向用光配向材料を液晶配向膜として用いることにより、従来技術の課題を解決する。該液晶配向用光配向材料は、光配向成分として化学式1または化学式2で表される構造のうち少なくとも1つを含有する側鎖を有するとともに、光増感成分を含有する側鎖を有し、炭化水素、アクリレート、メタクリレート、シロキサンなどの構造を主鎖に有する液晶性高分子材料である。化学式1または化学式2で表される構造の光配向成分は、液晶性高分子のメソゲン成分として多用されているビフェニル、ターフェニル、フェニルベンゾエート、アゾベンゼンなどの置換基と桂皮酸基(または、その誘導体基)などの感光性基をメチレン基などの屈曲部を介して、または、介さず結合したものである。光増感成分には、その分子構造にメソゲン成分を含む構造を有すると共に、2色性を有しその吸収率の大きい方向が分子の長軸方向と一致する分子構造を有する材料が好適に用いられる。
該液晶配向用光配向材料の溶液を基板上ないしは基材フィルム上に塗布し膜を形成する。該膜は、製膜時には無配向であり、光配向性の側鎖部は特定方向を向いていない。ここで、直線偏光性の光を照射すると、膜中において照射した直線偏光の電界振動方向に沿い、しかも照射光進行方向の垂直方向に配置されている感光性基の光2量化が最も鋭敏に起こり異方性の膜となる。この異方性は直線偏光性の光照射後では非常に僅かである。膜中において光2量化を起こさなかった側鎖は、材料自体が液晶性を有することから光照射後の分子運動によって光2量化した側鎖に沿って配向しようとする。その結果、膜全体において側鎖が照射した直線偏光の電界振動方向に一様に配向した膜となり、膜自体の異方性が増幅される。この分子運動による配向は、膜を加熱することにより促進される。膜の加熱温度は、光反応した部分の軟化点より低く、光反応しなかった側鎖部分の軟化点より高いことが望ましく、未反応側鎖の配列が十分促進できる降温速度で該材料の軟化点温度以下まで冷却すると分子が凍結され、膜全体が異方性となる。更に、この異方性の膜に光照射することにより、未反応側鎖を光2量化反応せしめ膜の異方性を強固にすることもできる。このような異方性の膜に、液晶成分が接触すると、膜との相互作用により接触した液晶成分が配向するようになる。液晶成分のチルト角は、液晶成分の種類にもよるが直線偏光性の光を照射するときの照射角度によって制御できる。更には、長鎖アルキル成分や弗化成分を共重合などの手法で添加することによりチルト角を制御することも可能である。」

(3-3)「[0008]
本発明の液晶配向用光配向材料およびその原料化合物に関する合成方法を以下に示す。
[0009]
(単量体1)
4,4´-ビフェニルジオールと1,6-ジブロモヘキサンを、アルカリ条件下で加熱することにより、4-ヒドロキシ-4´-(6-ブロモヘキシルオキシ)ビフェニルを合成した。この生成物に、リチウムメタクリレートを反応させ、4-ヒドロキシ-4´-(6-メタクリロイルオキシヘキシルオキシ)ビフェニルを合成した。次いで、4-ヒドロキシエトキシ-4´-(6-メタクリロイルオキシヘキシルオキシ)ビフェニルを合成した。最後に、塩基性の条件下において、p-メトキシ桂皮酸クロライドを加え、化学式3に示される単量体1を合成した。
[化3]

[0010]
(単量体2)
4-ヒドロキシ-4´-ニトロビフェニルと1,6-ジブロモヘキサンを、アルカリ条件下で加熱することにより、4-(6-ブロモヘキシルオキシ)-4´-ニトロビフェニルを合成した。この生成物に、リチウムメタクリレートを反応させ、化学式4に示される単量体2:4-(6-メタクリロイルオキシヘキシルオキシ)-4´-ニトロビフェニルを合成した。
[化4]



(3-4)「[0011]
(重合体1)
90mol%の単量体1と10mol%の単量体2をテトラヒドロフラン中に溶解し、反応開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を添加して重合することにより重合体1を得た。この重合体1は137℃から300℃の温度範囲で液晶性を呈した。該重合体の共重合比は、単量体1:単量体2=9:1であり、感光性成分である4´-ニトロビフェニル基を光増感成分として換算すると共重合体に対して添加量は4.7wt%以下である。
[実施例]
[0012]
(実施例1) 重合体1をジクロロメタンに溶解し、スピンコーターを用いてガラス基板上に0.5μmの厚みで塗布した。この基板を水平面に対して30度傾くように配置し、波長405nmの直線偏光性の光を垂直方向から200mJ/cm^(2)照射し、続いて、190℃で10分間加熱処理した後、室温まで冷却した。このような基板を2枚作製して液晶E7〔メルクジャパン(株)製〕を充填することにより、厚さ4.5μmのTN型液晶セルを組み立てた。この液晶セルを直交ニコルで観察したところ、液晶分子の配向が確認され、プレチルト角は、4.5°であった。このTN型液晶セルの駆動電圧は2Vであった。また、またセル自体に着色は確認されなかった。」

(iv)引用文献4には、以下の事項が記載されている。
(4-1)「

」(p.1682のScheme1)

(4-2)「

」(p.1683のScheme2)

(4-3)「

」(p.1685の表III)
(当審仮訳:「表III.モノマーの供給量に基づく、ポリマー1-12の組成」)

(4-4)「

」(p.1687の図3及びその説明)
(当審仮訳:「図3.広帯域励起中の、メチルメタクリレートコポリマー1-4の重ね合わせ表示したUVスペクトル」)

(v)引用文献5には、以下の事項が記載されている。
(5-1)「

」(p.1233のScheme1)
(当審仮訳:「スキーム1.モノマー及びポリマーの合成」)

(5-2)「

」(p.1238の図9)
(当審仮訳:「図9.ポリマーIa-IIIcの(2π+2π)環化付加反応の機構」)

(2)引用文献1?5に記載された発明
ア 引用文献1に記載された発明
(1A)引用文献1には、摘記1-1の請求項1に記載された事項により特定される「一般式(Ia)及び(Ib)のうちの1つにより表される、ジアミン化合物。」(以下、「引用発明1A」という。)が記載されている。

(1B)引用文献1の実施例1(摘記1-5)には、「6-{4-〔(1E)-3-(4-ペンチルオキシフェノキシ)-3-オキソプロパ-1-エニル〕フェノキシ}ヘキシル3,5-ジアミノベンゾエート。」(以下、「引用発明1B」という。)が記載されている。

(1C)引用文献1の実施例4(摘記1-7)には、「ビス〔6-{4-〔(1E)-3-(4-ペンチルオキシフェノキシ)-3-オキソプロパ-1-エニル〕フェノキシ}ヘキシル〕2,2-ビス(アミノベンジル)マロネート。」(以下、「引用発明1C」という。)が記載されている。

(1D)引用文献1の実施例11(摘記1-8)には、「6-{4-〔(1E)-3-〔4-(4-シクロヘキシルフェノキシ)ブトキシ〕-3-オキソプロパ-1-エニル〕フェノキシ}ヘキシル3,5-ジアミノベンゾエート。」(以下、「引用発明1D」という。)が記載されている。

(1E)引用文献1の実施例17(摘記1-9)には、「6-{4-{〔(1E)-3-(1,1’-ビフェニル-4-イルオキシ)ブトキシ〕-3-オキソプロパ-1-エニル}フェノキシ}ヘキシル3,5-ジアミノベンゾエート。」(以下、「引用発明1E」という。)が記載されている。

(1F)引用文献1の比較例4(摘記1-10)には、「6-〔((2E)-3-{4-〔(4-メトキシベンゾイル)オキシ〕フェニル}プロパ-2-エノイル)オキシ〕ヘキシル3,5-ジアミノベンゾエート。」(以下、「引用発明1F」という。)が記載されている。

(1G)引用文献1の摘記1-1の請求項26には、「請求項1?25のいずれか1項記載の少なくとも1つのジアミン化合物及び場合により1つ以上の追加の他のジアミンと、一般式(V)(化学構造式及びその定義は摘記1-1を参照。)で示される1つ以上のテトラカルボン酸無水物との反応により得られる、又は得ることができるポリアミック酸、ポリアミック酸エステル若しくはポリイミド又はこれらの混合物の部類からのポリマー又はオリゴマー。」が記載され、その製造方法について、同請求項39には、「重縮合反応において、請求項1?25のいずれか1項記載のジアミン化合物を、一般式(V)の1つ以上のテトラカルボン酸無水物と、場合により1つ以上の追加の他のジアミンの存在下で反応させる、請求項26?38のいずれか1項記載のポリマー又はオリゴマーの調製方法。」が記載され、同請求項41には、「重縮合に続いて、水の除去を伴う環化がポリアミンの形成下で熱的に実施される、請求項39又は40記載の方法。」、同請求項42には、「イミド化が、支持体へのポリマー又はオリゴマーの適用の前又は後で実施される、請求項41記載の方法。」が記載され、摘記1-3にも、ポリイミドを形成するポリアミック酸の一般的な環化工程について記載されている。
また、摘記1-2の実施例2には、実施例1(引用発明1B)の化合物を用いたポリアミック酸No.1の重合による製造例が記載され、同実施例3には、実施例2で得られたポリアミック酸の脱水及び閉環によるポリイミドNo.1の製造例が記載され、摘記1-8には、実施例11(引用発明1D)の化合物を用いたポリアミック酸No.8、コポリアミック酸No.1及びコポリアミック酸No.2の製造例が記載され、摘記1-9には、実施例17(引用発明1E)の化合物を用いたポリアミック酸No.13の製造例が記載され、摘記1-10には、比較例4(引用発明1F)の化合物を用いた比較ポリアミック酸No.4の製造例が記載されている。
そうすると、引用文献1には、「引用発明1A?引用発明1Fの少なくとも1つのジアミン化合物及び場合により1つ以上の追加の他のジアミンと、一般式(V)(化学構造式及びその定義は摘記1-1を参照。)で示される1つ以上のテトラカルボン酸無水物との反応により得られる、又は得ることができるポリアミック酸、ポリアミック酸エステル若しくはポリイミド又はこれらの混合物の部類からのポリマー又はオリゴマー。」(以下、「引用発明1G-1」という。)、及び「引用発明1A?引用発明1F-1の少なくとも1つのジアミン化合物を、一般式(V)の1つ以上のテトラカルボン酸無水物と、場合により1つ以上の追加の他のジアミンの存在下で反応させる工程を含み、場合によって、重縮合に続いて、水の除去を伴う環化がポリアミンの形成下で熱的に実施されることによりイミド化される工程をさらに含む、引用発明1G-1のポリマー又はオリゴマーの調製方法。」(以下、「引用発明1G-2」という。)が記載されている。

(1H)引用文献1の摘記1-1の請求項43には、「請求項26?38のいずれか1項記載の少なくとも1つのポリマー又はオリゴマーを含む、ポリマー又はオリゴマー層、特に配向層。」、同請求項46には、「液晶の配向層としての、好ましくは架橋された形態の、請求項43記載のポリマー層又はオリゴマー層の使用。」、同請求項48には、「請求項43記載の少なくとも1つのポリマー層又はオリゴマー層を含む、光学及び電気光学的な非構造化又は構造化された構成の素子、好ましくは液晶ディスプレーセル、多層及びハイブリッド層の素子。」が記載されており、また、摘記1-11の実施例19には、ポリアミック酸No.1(実施例2)を用いた配向層の製造例が記載され、摘記1-12の実施例30には、比較ポリアミック酸No.4を用いた配向層の製造例が記載されている。
そうすると、引用文献1には、「引用発明1G-1の少なくとも1つのポリマー又はオリゴマーを含む、ポリマー又はオリゴマー層、当該層からなる液晶の配向層、当該層を含む光学及び電気光学的な非構造化又は構造化された構成の素子、好ましくは液晶ディスプレーセル、多層及びハイブリッド層の素子。」(以下、「引用発明1H-1」という。)が記載されている。
さらに、引用文献1の摘記1-1の請求項44には、層の製造方法について、「請求項26?38のいずれか1項記載の1つ以上のポリマー又はオリゴマーを、好ましくはポリマー又はオリゴマー材料の溶液から支持体に適用し、続いて溶媒を蒸発させ、必要であれば任意のイミド化工程の後で、ポリマー若しくはオリゴマー、又はポリマー混合物若しくはオリゴマー混合物を、直線偏光による照射で架橋する、請求項43記載のポリマー層又はオリゴマー層の調製方法。」及び同請求項45には、「ポリマー層又はオリゴマー層内の配向の方向及び傾斜角が、直線偏光の照射の方向を制御することによって変わる、及び/又はポリマー層又はオリゴマー層の特定の領域を選択的に照射することによって、層の特定の領域が、整列される、請求項44記載の方法。」が記載されており、摘記1-4には、「直線偏光の照射の方向を制御することによって、ポリマー又はオリゴマー層内の配向の方向及び傾斜角を変えることが可能である」ことが記載され、摘記1-11の実施例19及び摘記1-12の実施例30には、ポリイミド膜に直線偏光UV光線を照射する工程を含む配向層の製造例が記載されている。
そうすると、引用文献1には、「引用発明1G-1の1つ以上のポリマー又はオリゴマーを、好ましくはポリマー又はオリゴマー材料の溶液から支持体に適用し、続いて溶媒を蒸発させ、必要であれば任意のイミド化工程の後で、ポリマー若しくはオリゴマー、又はポリマー混合物若しくはオリゴマー混合物を、直線偏光による照射で架橋する工程を含み、ポリマー層又はオリゴマー層内の配向の方向及び傾斜角が、直線偏光の照射の方向を制御することによって変わる、及び/又はポリマー層又はオリゴマー層の特定の領域を選択的に照射することによって、層の特定の領域が、整列される、ポリマー層又はオリゴマー層の調製方法。」(以下、「引用発明1H-2」という。)が記載されている。

イ 引用文献2に記載された発明
(2A)引用文献2には、摘記2-2の[0012]に記載された一般式〔2〕(式中の基R_(1)?R_(4)の定義は、同[0014]?[0015]に記載されたとおりであり、式中の基Xの定義は、摘記2-1の請求項1に記載されたとおり。)で示される、側鎖に置換シンナモイル基を持つジアミン。」(以下、「引用発明2A」という。)が記載されている。

(2B)引用文献2の実施例1(摘記2-5)の[0040]には、「ジアミノベンジルシンナメート。」(以下、「引用発明2B」という。)が記載されている。

(2C)引用文献2の摘記2-1の請求項1、2には、「一般式〔1〕(化学構造式及びその定義は、摘記2-1を参照。)で示される構造単位からなるポリアミド酸。」及び「請求項1に記載されたポリアミド酸をイミド化した後、偏光紫外線を照射することにより得られるポリイミド。」が記載されており、その製造方法について、摘記2-2?摘記2-3には、「一般式〔1〕で示される構造単位からなる置換シンナモイル基含有ポリアミド酸溶液は・・・一般式〔2〕(化学構造式及びその定義は、摘記2-2の[0012]、[0014]及び[0015]を参照。)で示される、側鎖に置換シンナモイル基を持つジアミンを合成後、一般式〔3〕(化学構造式及びその定義は、摘記2-2の[0012]及び摘記2-3の[0022]?[0023]を参照。)で示されるテトラカルボン酸二無水物との重合反応で得ることができる。・・・このポリアミド酸を加熱または化学的に脱水する等の公知の方法でイミド化した後、偏光紫外線照射することにより本発明のポリイミドを得ることができる。・・・本発明においては、複数の一般式〔3〕で表わされるテトラカルボン酸二無水物若しくは複数の一般式〔2〕で表わされるジアミンを用いてポリイミドを合成することによりポリイミド共重合体として使用することも可能である。更に、本発明の目的を阻害しない範囲において、一般式〔1〕で示される構造単位以外に公知のポリアミド酸構造単位を含むポリアミド酸共重合体をイミド化してなるポリイミド共重合体をも用いることができる。」ことが記載されている。
また、摘記2-5の実施例1には、ジアミノベンジルシンナメートと3,3’,4,4’-ビフェニル-テトラカルボン酸二無水物との重合反応([0040])により得られるポリアミド酸、及び当該ポリアミド酸の溶液をITOガラス基板上に回転塗布及び焼成することにより([0041])製造される、[化5]式(化学構造式は、摘記2-5の[0037]を参照。)の構造単位で示されるポリイミドが記載されている。
そうすると、引用文献2には、「引用発明2A又は引用発明2Bの少なくとも1つのジアミンと、一般式〔3〕(化学構造式及びその定義は2-2?摘記2-3を参照。)で示される1つ以上のテトラカルボン酸二無水物との重合反応で得ることができ、一般式〔1〕(式の定義は摘記2-1を参照。)又は[化5]式(式の定義は摘記2-5を参照。)で示される構造単位を有するポリアミド酸若しくはポリイミド又はさらに公知のポリアミド酸構造単位又はそのイミド化単位を有するポリアミド酸又はポリイミド。」(以下、「引用発明2C-1」という。)、及び「引用発明2A又は引用発明2Bの少なくとも1つのジアミンと、一般式〔3〕(化学構造式及びその定義は2-2?摘記2-3を参照。)で示される1つ以上のテトラカルボン酸二無水物と、場合によりさらに公知のポリアミド酸構造単位を形成することができるモノマーとを重合反応させることによりポリアミド酸を製造する工程、及び場合によって、得られたポリアミド酸を脱水反応させポリイミドを製造する公知をさらに含む、引用発明2C-1のポリアミド酸又はポリイミドの調製方法。」(以下、「引用発明2C-2」という。)が記載されている。

(2D)引用文献2の摘記2-1の請求項3には、「請求項2に記載されたポリイミドからなる薄膜を用いた液晶表示素子用配向膜。」、同請求項4には、「請求項1に記載されたポリアミド酸をイミド化した後、偏光紫外線を照射し、ポリイミドの側鎖の一部を光反応させることで得られる液晶表示素子用配向膜。」、同請求項5には、「請求項3若しくは4に記載された液晶表示素子用配向膜を備えることを特徴とする液晶表示素子。」が記載されており、また、摘記2-5の[0041]には、[化5]式で示されるポリイミドの薄膜からなる「液晶表示素子用配向膜」、同[0042]には、当該液晶表示素子用配向膜を用いた「液晶セル」の製造例が記載されている。
そうすると、引用文献2には、「引用発明2C-1の少なくとも1つのポリアミド酸又はポリイミドを含むポリマー層、当該層からなる液晶の配向層、及び当該層を含む液晶セル。」(以下、「引用発明1D-1」という。)が記載されている。
さらに、引用文献2の摘記2-2の[0011]には、「本発明の液晶表示素子用配向膜は、側鎖に置換シンナモイル基を有する本発明のポリアミド酸の溶液を基板に塗布しイミド化後、偏光紫外線を照射して膜表面に異方性を付与することで製造される。」ことが記載され、摘記2-4には、「本発明の液晶表示素子用配向膜に用いるポリイミドを製造するには、一般式〔1〕で示される構造単位を有するポリアミド酸の溶液を基板上に塗布し、150?300℃の温度で加熱処理して脱水反応させることにより、ポリイミド薄膜を基板上に形成させる方法、またはポリアミド酸を無水酢酸等を用いて化学的に脱水反応させポリイミドとした後に、その溶液を基板上に塗布、乾燥して薄膜を形成させる方法等がある。」ことが記載され、摘記2-5の実施例1の[0041]には、「ポリアミド酸溶液を、1/1のNMP/ブチルセロソルブ混合溶媒で5.0wt%に希釈し、これを0.1μmのフィルターでろ過し、液晶配向剤溶液とした。続いてITOガラス基板上に回転塗布法(スピンナー法)で塗布した。塗布後230℃で60分間焼成し、膜厚約740オングストロームの薄膜を形成した。薄膜表面に超高圧水銀ランプより、365nm付近の波長の、直線偏光紫外線を100mJ/cm^(2)照射した。」工程を含む、偏光照射による液晶表示素子用配向膜の形成方法が記載されている。
そうすると、引用文献2には、「引用発明2C-1の少なくとも1つのポリアミド酸の溶液を基板上に塗布し、イミド化する工程、又は引用発明2C-1の少なくとも1つのポリイミドの溶液を基板に塗布、乾燥する工程を含む、薄膜を形成させる工程、及び場合によってさらに偏光紫外線を薄膜に照射して膜表面に異方性を付与する工程を含む、ポリアミド酸又はポリイミドを含むポリマー層、又は当該層からなる液晶表示素子用配向膜の形成方法。」(以下、「引用発明2D-2」という。)が記載されている。

ウ 引用文献3に記載された発明
(3A)引用文献3の摘記3-3には、「化学式(3)(化学構造式は、摘記3-2を参照。)に示される単量体1。」(以下、「引用発明3A」という。)が記載されている。

(3B)引用文献3の摘記3-4の[0011]には、「90mol%の単量体1(摘記3-3の化学式3を参照。)と10mol%の単量体2(摘記3-3の化学式4を参照。)とを重合することにより得られる重合体1。」(以下、「引用発明3B」という。)が記載されている。

(3C)引用文献3の摘記3-1には、「本発明は、液晶配向用光配向材料、該材料を用いた液晶配向膜および該液晶配向膜を用いて液晶性材料を配向させた光学素子に関わり、液晶表示装置の製造方法や液晶表示装置の光学補償を目的とした光学補償フィルムの製造方法の改良に役立つものである。」ことが記載されており、摘記3-2には、「該液晶配向用光配向材料の溶液を基板上ないしは基材フィルム上に塗布し膜を形成する。該膜は、製膜時には無配向であり、光配向性の側鎖部は特定方向を向いていない。ここで、直線偏光性の光を照射すると、膜中において照射した直線偏光の電界振動方向に沿い、しかも照射光進行方向の垂直方向に配置されている感光性基の光2量化が最も鋭敏に起こり異方性の膜となる。・・・このような異方性の膜に、液晶成分が接触すると、膜との相互作用により接触した液晶成分が配向するようになる。液晶成分のチルト角は、液晶成分の種類にもよるが直線偏光性の光を照射するときの照射角度によって制御できる。更には、長鎖アルキル成分や弗化成分を共重合などの手法で添加することによりチルト角を制御することも可能である。」ことが記載されている。また、摘記3-4の[0012]には、「重合体1(引用発明3B)をジクロロメタンに溶解し、スピンコーターを用いてガラス基板上に0.5μmの厚みで塗布した。この基板を水平面に対して30度傾くように配置し、波長405nmの直線偏光性の光を垂直方向から200mJ/cm^(2)照射し、続いて、190℃で10分間加熱処理した後、室温まで冷却した。このような基板を2枚作製して液晶E7〔メルクジャパン(株)製〕を充填することにより、厚さ4.5μmのTN型液晶セルを組み立てた。この液晶セルを直交ニコルで観察したところ、液晶分子の配向が確認され、プレチルト角は、4.5°であった。」ことが記載されている。
そうすると、引用文献3には、「引用発明3Bの重合体を含む無配向又は異方性の膜、当該異方性の膜からなる液晶配向膜、当該液晶配向膜を用いて液晶性材料を配向させた光学素子、及び当該素子を用いた液晶表示装置。」(以下、「引用発明3C-1」という。)が記載されている。
また、引用文献3には、「引用発明3Bの重合体を基板上に塗布する工程、及び場合によってさらに直線偏光性の光を照射する工程を含む、無配向又は異方性の膜、当該異方性の膜からなる液晶配向膜、当該液晶配向膜を用いて液晶性材料を配向させた光学素子、及び当該素子を用いた液晶表示装置の製造方法。」(以下、「引用発明3C-2」という。)が記載されている。

エ 引用文献4に記載された発明
(4A)引用文献4の摘記4-1には、Scheme1に従って合成される化合物I、化合物II又は化合物III(化学構造式及び各化合物における基Xの定義は、摘記4-1を参照。)。」(以下、「引用発明4A」という。)が記載されている。

(4B)引用文献4の摘記4-2には、Scheme2に従って製造される化合物IV(化学構造式は、摘記4-2を参照。)。」(以下、「引用発明4B」という。)が記載されている。

(4C)引用文献4の摘記4-3(表III)には、「単量体の供給量に基づくポリマー1-12の組成」が記載されており、ポリマー1?4については、モノマー1として化合物I?IVのいずれかを2%、モノマー2としてMMA(摘記4-4の記載を参酌すると、「メチルメタクリレート」の略称と認められる。)を98%用いたコポリマーであることが記載されている。また、摘記4-4には、広帯域励起における、メチルメタクリレートコポリマー1?4のUVスペクトルの重ね合わせ図が記載されており、コポリマー1?4の各UVスペクトルを確認できる。
そうすると、引用文献4には、「引用発明4A又は4Bの化合物とメチルメタクリレートとのコポリマー。」(以下、「引用発明4C」という。)が記載されている。

オ 引用文献5に記載された発明
(5A)引用文献5の摘記5-1には、Scheme1に従って合成される、メタクリル酸エステル系モノマー及び当該モノマーがメタクリル基において重合した化学構造を有するポリマーが記載されており、モノマー及びポリマーを表す式(摘記5-1を参照。)に含まれる基Xの種類及びメチレンの繰り返し数mの組合せ(摘記5-1)に応じて、Ia?IIIcの9種類のモノマー、及びそれぞれに対応するポリマーが記載されているものと解される。
そうすると、引用文献5には、「モノマーIa?モノマーIIIc(化学構造式及び各化合物における基X及びmの定義は、摘記5-1を参照。)のいずれかの化合物。」(以下、「引用発明5A」という。)、及び「引用発明5Aのモノマーがメタクリル基において重合した化学構造を有するポリマー」(以下、「引用発明5B」という。)が記載されている。

(3)理由I(新規性)及び理由II(進歩性)について
ア 本件発明1について
(1-1A-1)本件発明1と引用発明1Aとの対比
本件発明1の式(I’)の定義と、引用発明1Aの一般式(Ib)の定義とを対比すると、
後者における基「F」は、式(III)(摘記1-1の請求項1に記載された[化3]を参照。)で表される脂肪族、芳香族又は脂環式のジアミノ基を表すところ、前者における基「D」が「ジアミン」より選択される「重合性基」を表す場合に相当する。
後者における基「X」及び「Y」は、「それぞれ独立して水素・・・シアノ」を選択できることから、本件発明1における基「X」及び「Y」の定義と重複する。
後者における基「CO-E-S^(1)」は、基「E」が「酸素原子・・・、-C(R^(2))R^(3)・・・」を表し、当該基「E」において「CH_(2)基は・・・基G^(3)(定義は摘記1-1を参照。)により代えられていてもよ」いものとされており、基「S^(1)」が「単結合を表わすか、又は非置換・・・炭素原子1?24個を有する、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基のようなスペーサー単位」を表すところ、前者における基「E-S^(1)」の構造と定義が重複する。
後者における基「D-S^(2)-A」は、基Dが「水素原子、・・・シアノ・・・のような極性基、・・・又は炭素原子1?40個を有する・・・直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル残基(これは非置換・・・)を表わし、・・・ここで1つ以上の隣接していない-CH_(2)-基は、独立して基G^(2)(選択肢は摘記1-1参照。-NR^(1)-、-C≡C-等を選択可能である。)により代えられていてもよ」いものとされており、基「S^(2)」が「非置換・・・炭素原子1?24個を有する、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基のようなスペーサー単位を表し、ここで1つ以上の-CH_(2)-基は、独立して、一般式(II)(定義は摘記1-1を参照。)により表わされている基により代えられていてもよ」いものとされ、基「A」が基「原子5若しくは6個の単環式環、原子5若しくは6個の2つの隣接する単環式環、原子8、9若しくは10個の二環式の環系、又は原子13若しくは14個の三環式の環系から選択される、炭素環式又は複素環式の芳香族基を表わし、芳香族環は、非置換であるか、・・・(摘記1-1に記載のとおりの基)・・・により一置換又は多置換されており、ここで、1つ以上の-CH_(2)-基は、独立して基G^(1)(定義は摘記1-1を参照。)により代えられていてもよ」い基を表すものとされているところ、前者における基「[[極性基]x_(1)-B]n1-S^(2)-A」の構造において、「x_(1)」=「n1」=1である場合の構造と定義が重複する。
後者における「n」は、「1、2、3又は4」であるところ、前者における「n」の定義と一致する。
ここで、後者は基「S^(1)」と基「F」との間に基「B」を有しており、基「B」は、「原子5若しくは6個の単環式環、原子5若しくは6個の2つの隣接する単環式環、原子8、9若しくは10個の二環式の環系、又は原子13若しくは14個の三環式の環系から選択される、炭素環式又は複素環式の芳香族基を表わ」すところ、前者は基「S^(1)」と基「D」との間に、上記のような芳香族基を有していない。また、前者における「S^(1)」は「-(CH_(2))_(1)-、-(CH_(2))_(2)-、-(CH_(2))_(5)-、-(CH_(2))_(8)-、-(CH_(2))_(3)-NH(CO)O-(CH_(2))_(3)-からなる群より選択され」るものであるから、芳香族基ではない。
そうすると、両者は、本件発明1の表現を用いると「[[極性基]x_(1)-B]n1-S^(2)-A-CX=CY-E-S^(1)」の部分構造及び基「D」の部分構造構造を有し、n=1の化合物である限りにおいて一致し、以下の点で相違する。
相違点1-1A:基「S^(1)」と基「D」との間に、引用発明1Aは、基「B」(定義は摘記1-1を参照。)を有するのに対し、本件発明1はそのような基を有しない点
そこで、上記相違点について検討する。

(1-1A-2)相違点1-1Aについて(新規性)
上記相違点1-1Aに係る基「B」に隣接している、引用発明1Aの基「S^(1)」の定義を念のため確認すると、「-(CH_(2))_(1)-、-(CH_(2))_(2)-、-(CH_(2))_(5)-、-(CH_(2))_(8)-、-(CH_(2))_(3)-NH(CO)O-(CH_(2))_(3)-からなる群より選択され」るものであるから、芳香族基ではない。
また、同じく基「B」に隣接している、引用発明1Aの基「F」の定義を念のため確認すると、「Fは、式(III)から選択される・・・脂肪族、芳香族又は脂環式のジアミノ基を表わ」すものとされ、式(III)としては線状の化学構造が記載され(定義は摘記1-1を参照。)、「Fは、・・・式(Ib)では基Bに、基Sp^(1)及び/又は基C^(3)及び/又は基Z^(4)及び/又は基C^(4)及び/又は基Sp^(2)を介して、結合している」ことが記載されているところ、「ジアミノ基」と基「B」との間に追加的な芳香族基が存在するとは解し得ない。
そうすると、上記相違点1-1Aは、各基の定義からみて、実質的な相違点であることが明らかである。
よって、本件発明1は引用文献1に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当するものではないから、特許を受けることができないとはいえない。

(1-1A-3)相違点1-1Aについて(進歩性)
引用文献1には、引用発明1Aの化合物において、基「B」を定義外の化学構造に置き換えることについては記載も示唆もされていない。また、上記相違点1-1Aに係る両発明の部分構造が、本件特許に係る出願の優先日前に相互に置き換え可能なものとして認識されていたとも認められない。そうすると、当業者であっても、引用発明1Aにおいて、基「B」を非芳香族性の基や単結合に置き換え、相違点1-1Aに係る部分構造を採用することにより本件発明1の化合物を得ることが動機付けられるものではない。
よって、本件発明1は引用発明1Aに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。

(1-1B-1)本件発明1と引用発明1Bとの対比
本件発明1と引用発明1B(実施例1の[化20])の化合物とを対比すると、両者は、本件発明1の表現を用いると基「D」(ジアミン)及び「-CX=CY-」(「X」及び「Y」はいずれも水素)の部分構造を有し、n=1の化合物である限りにおいて一致し、以下の点で相違する。
相違点1-1B(1):本件発明1は「[[極性基]x_(1)-B]n1」の部分構造(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)を有するのに対し、引用発明1Bは対応位置に本件発明1の定義外の部分構造を有する点
相違点1-1B(2):本件発明1は「S^(2)-A」の部分構造(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)を有するのに対し、引用発明1Bは対応位置に本件発明1の定義外の部分構造を有する点
相違点1-1B(3):本件発明1は「E-S^(1)」の部分構造(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)を有するのに対し、引用発明1Bは対応位置に本件発明1の定義外の部分構造を有する点
そこで、上記相違点について検討する。

(1-1B-2)相違点1-1B(1)?同(3)について(新規性)
上記相違点1-1B(1)?同(3)は、各基の定義からみて、いずれも実質的な相違点であることが明らかである。
よって、本件発明1は引用文献1に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当するものではないから、特許を受けることができないとはいえない。

(1-1B-3)相違点1-1B(1)?同(3)について(進歩性)
引用発明1Bは、実施例1(摘記1-5)において特定の化学構造を備えた化合物として合成され、後の工程の原料とされ(摘記1-6)、重合物の特性が確認されているものであり(摘記1-11)、その部分構造を他の化学構造に置き換えることについては記載も示唆もされていない。また、上記相違点1-1B(1)?同(3)に係る両発明の部分構造が、本件特許に係る出願の優先日前に相互に置き換え可能なものとして認識されていたとも認められない。そうすると、当業者であっても、引用発明1Bにおいて上記相違点1-1B(1)?同(3)に係る部分構造を採用することにより本件発明1の化合物を得ることが動機付けられるものではない。
よって、本件発明1は引用発明1Bに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。

(1-1C-1)本件発明1と引用発明1Cとの対比
本件発明1と引用発明1C(実施例4の[化24])の化合物とを対比すると、両者は、本件発明1の表現を用いると基「D」(ジアミン)及び「-CX=CY-」(「X」及び「Y」はいずれも水素)の部分構造を有し、n=2の化合物である限りにおいて一致し、以下の点で相違する。
相違点1-1C(1):本件発明1は「[[極性基]x_(1)-B]n1」の部分構造(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)を有するのに対し、引用発明1Cは対応位置に本件発明1の定義外の部分構造を有する点
相違点1-1C(2):本件発明1は「S^(2)-A」の部分構造(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)を有するのに対し、引用発明1Cは対応位置に本件発明1の定義外の部分構造を有する点
相違点1-1C(3):本件発明1は「E-S^(1)」の部分構造(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)を有するのに対し、引用発明1Cは対応位置に本件発明1の定義外の部分構造を有する点
そこで、上記相違点について検討する。

(1-1C-2)相違点1-1C(1)?同(3)について(新規性)
上記相違点1-1C(1)?同(3)は、各基の定義からみて、いずれも実質的な相違点であることが明らかである。
よって、本件発明1は引用文献1に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当するものではないから、特許を受けることができないとはいえない。

(1-1C-3)相違点1-1C(1)?同(3)について(進歩性)
引用発明1Cは、実施例4(摘記1-7)において特定の化学構造を備えた化合物として合成されたものであり、その部分構造を他の化学構造に置き換えることについては記載も示唆もされていない。また、上記相違点1-1C(1)?同(3)に係る両発明の部分構造が、本件特許に係る出願の優先日前に相互に置き換え可能なものとして認識されていたとも認められない。そうすると、当業者であっても、引用発明1Cにおいて上記相違点1-1C(1)?同(3)に係る部分構造を採用することにより本件発明1の化合物を得ることが動機付けられるものではない。
よって、本件発明1は引用発明1Cに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。

(1-1D-1)本件発明1と引用発明1Dとの対比
本件発明1と引用発明1D(実施例11の[化31])の化合物とを対比すると、両者は、本件発明1の表現を用いると基「D」(ジアミン)及び「-CX=CY-」(「X」及び「Y」はいずれも水素)の部分構造を有し、n=1の化合物である限りにおいて一致し、以下の点で相違する。
相違点1-1D(1):本件発明1は「[[極性基]x_(1)-B]n1」の部分構造(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)を有するのに対し、引用発明1Dは対応位置に本件発明1の定義外の部分構造を有する点
相違点1-1D(2):本件発明1は「S^(2)-A」の部分構造(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)を有するのに対し、引用発明1Dは対応位置に本件発明1の定義外の部分構造を有する点
相違点1-1D(3):本件発明1は「E-S^(1)」の部分構造(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)を有するのに対し、引用発明1Dは対応位置に本件発明1の定義外の部分構造を有する点
そこで、上記相違点について検討する。

(1-1D-2)相違点1-1D(1)?同(3)について(新規性)
上記相違点1-1D(1)?同(3)は、各基の定義からみて、いずれも実質的な相違点であることが明らかである。
よって、本件発明1は引用文献1に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当するものではないから、特許を受けることができないとはいえない。

(1-1D-3)相違点1-1D(1)?同(3)について(進歩性)
引用発明1Dは、実施例11(摘記1-8)において特定の化学構造を備えた化合物として合成され、後の工程の原料とされたものであり(摘記1-8の[0131]?[0133])、その部分構造を他の化学構造に置き換えることについては記載も示唆もされていない。また、上記相違点1-1D(1)?同(3)に係る両発明の部分構造が、本件特許に係る出願の優先日前に相互に置き換え可能なものとして認識されていたとも認められない。そうすると、当業者であっても、引用発明1Dにおいて上記相違点1-1D(1)?同(3)に係る部分構造を採用することにより本件発明1の化合物を得ることが動機付けられるものではない。
よって、本件発明1は引用発明1Dに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。

(1-1E-1)本件発明1と引用発明1Eとの対比
本件発明1と引用発明1E(実施例17の[化37])の化合物とを対比すると、両者は、本件発明1の表現を用いると基「D」(ジアミン)、「-CX=CY-」(「X」及び「Y」はいずれも水素)及び「[[極性基]x_(1)-B]n1」(フェニレン)の部分構造を有し、n=1の化合物である限りにおいて一致し、以下の点で相違する。
相違点1-1E(1):本件発明1は「S^(2)-A」の部分構造(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)を有するのに対し、引用発明1Eは対応位置に本件発明1の定義外の部分構造を有する点
相違点1-1E(2):本件発明1は「E-S^(1)」の部分構造(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)を有するのに対し、引用発明1Eは対応位置に本件発明1の定義外の部分構造を有する点
そこで、上記相違点について検討する。

(1-1E-2)相違点1-1E(1)及び同(2)について(新規性)
上記相違点1-1E(1)及び同(2)は、各基の定義からみて、いずれも実質的な相違点であることが明らかである。
よって、本件発明1は引用文献1に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当するものではないから、特許を受けることができないとはいえない。

(1-1E-3)相違点1-1E(1)及び同(2)について(進歩性)
引用発明1Eは、実施例17(摘記1-9)において特定の化学構造を備えた化合物として合成され、後の工程の原料とされたものであり(摘記1-9の[0151])、その部分構造を他の化学構造に置き換えることについては記載も示唆もされていない。また、上記相違点1-1E(1)及び同(2)に係る両発明の部分構造が、本件特許に係る出願の優先日前に相互に置き換え可能なものとして認識されていたとも認められない。そうすると、当業者であっても、引用発明1Eにおいて上記相違点1-1E(1)及び同(2)に係る部分構造を採用することにより本件発明1の化合物を得ることが動機付けられるものではない。
よって、本件発明1は引用発明1Eに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。

(1-1F-1)本件発明1と引用発明1Fとの対比
本件発明1と引用発明1F(比較例4のジアミン)の化合物とを対比すると、両者は、本件発明1の表現を用いると基「D」(ジアミン)、基「E」(-COO-)、「-CX=CY-」(「X」及び「Y」はいずれも水素)、基「A」(フェニレン)及び基「S^(2)」(連結基(-OCO-)により置き換えられたアルキレン)の部分構造を有し、n=1の化合物である限りにおいて一致し、以下の点で相違する。
相違点1-1F(1):本件発明1は「[[極性基]x_(1)-B]n1」の部分構造(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)を有するのに対し、引用発明1Fは対応位置に本件発明1の定義外の部分構造を有する点
相違点1-1F(2):本件発明1は基「S^(1)」の部分構造(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)を有するのに対し、引用発明1Fは対応位置に本件発明1の定義外の部分構造を有する点
そこで、上記相違点について検討する。

(1-1F-2)相違点1-1F(1)及び同(2)について(新規性)
上記相違点1-1F(1)及び同(2)は、各基の定義からみて、いずれも実質的な相違点であることが明らかである。
よって、本件発明1は引用文献1に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当するものではないから、特許を受けることができないとはいえない。

(1-1F-3)相違点1-1F(1)及び同(2)について(進歩性)
引用発明1Fは、比較例4(摘記1-10)において比較ポリアミック酸の原料として用いられた特定の化学構造を備えた化合物であり、重合物の特性が確認されているものであり(摘記1-12)、その部分構造を他の化学構造に置き換えることについては記載も示唆もされていない。また、上記相違点1-1F(1)及び同(2)に係る両発明の部分構造が、本件特許に係る出願の優先日前に相互に置き換え可能なものとして認識されていたとも認められない。そうすると、当業者であっても、引用発明1Fにおいて上記相違点1-1F(1)及び同(2)に係る部分構造を採用することにより本件発明1の化合物を得ることが動機付けられるものではない。
よって、本件発明1は引用発明1Fに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。

(1-2A-1)本件発明1と引用発明2Aとの対比
本件発明1の式(I’)の定義と、引用発明2Aの定義とを対比すると、
後者におけるジアミノフェニレン基は、前者における基「D」が「ジアミン」より選択される「重合性基」を表す場合に相当する。
後者における基「R^(1)」は、炭素数1?5のアルキレン基を表すところ、前者における基「S^(1)」が「-(CH_(2))_(1)-、-(CH_(2))_(2)-、-(CH_(2))_(5)-・・・からなる群より選択され」るものを表す場合に相当する。
後者における基「X」は、「-OCO-・・・を示」すところ、前者における基「E」が「-COO-」を表す場合と定義が重複する。
後者における基「R^(2)」及び「R^(3)」は、「それぞれ独立に、水素原子・・・シアノ基」を選択できることから、本件発明1における基「X」及び「Y」の定義と重複する。
後者における基「R^(4)」(水素原子・・・を表す)で置換された「フェニル」は、前者における「[[極性基]x_(1)-B]n1」が「フェニル」を表し、「x_(1)」=「n1」=1である場合と定義が重複する。
後者の化合物は、前者における「n」=1の場合に相当する。
そうすると、両者は、本件発明1の表現を用いると「[[極性基]x_(1)-B]n1」、「-CX=CY-E-S^(1)」の部分構造及び基「D」の部分構造構造を有し、n=1の化合物である限りにおいて一致し、以下の点で相違する。
相違点1-2A:本件発明1は「S^(2)-A」の部分構造(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)を有するのに対し、引用発明2Aは対応位置が単結合である点
そこで、上記相違点について検討する。

(1-2A-2)相違点1-2Aについて(新規性)
上記相違点1-2Aは、各基の定義からみて、いずれも実質的な相違点であることが明らかである。
よって、本件発明1は引用文献2に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当するものではないから、特許を受けることができないとはいえない。

(1-2A-3)相違点1-2Aについて(進歩性)
引用文献2には、引用発明2Aの化合物において、上記相違点1-2Aに対応する単結合を他の化学構造に置き換えることについては記載も示唆もされていない。また、上記相違点1-1Aに係る両発明の部分構造が、本件特許に係る出願の優先日前に相互に置き換え可能なものとして認識されていたとも認められない。そうすると、当業者であっても、引用発明2Aにおいて上記相違点1-2Aに係る部分構造を採用することにより本件発明1の化合物を得ることが動機付けられるものではない。
よって、本件発明1は引用発明2Aに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。

(1-2B-1)本件発明1と引用発明2Bとの対比
本件発明1と引用発明2B([0040])の「ジアミノベンジルシンナメート」とを対比すると、両者は、本件発明1の表現を用いると基「D」(ジアミン)、基「E」(-COO-)、基「S^(1)」(-(CH_(2))_(1)-)、「-CX=CY-」(「X」及び「Y」はいずれも水素)及び「[[極性基]x_(1)-B]n1」(フェニル)の部分構造を有し、n=1の化合物である限りにおいて一致し、以下の点で相違する。
相違点1-2B:本件発明1は「S^(2)-A」の部分構造(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)を有するのに対し、引用発明2Bは対応位置が単結合である点
そこで、上記相違点について検討する。

(1-2B-2)相違点1-2Bについて(新規性)
上記相違点1-2Bは、各基の定義からみて、いずれも実質的な相違点であることが明らかである。
よって、本件発明1は引用文献2に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当するものではないから、特許を受けることができないとはいえない。

(1-2B-3)相違点1-2Bについて(進歩性)
引用発明2Bは、実施例1(摘記2-5)においてポリアミド酸溶液の原料として用いられた特定の化合物であり、重合物の特性が確認されているものであり(摘記2-5の[0041]?[0042])、その部分構造を他の化学構造に置き換えることについては記載も示唆もされていない。また、上記相違点1-2Bに係る両発明の部分構造が、本件特許に係る出願の優先日前に相互に置き換え可能なものとして認識されていたとも認められない。そうすると、当業者であっても、引用発明2Bにおいて上記相違点1-2Bに係る部分構造を採用することにより本件発明1の化合物を得ることが動機付けられるものではない。
よって、本件発明1は引用発明2Bに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。

(1-3A-1)本件発明1と引用発明3Aとの対比
本件発明1と引用発明3A([0009]の化学式3)の化合物とを対比すると、両者は、本件発明1の表現を用いると基「E」(-COO-)及び「-CX=CY-」(「X」及び「Y」はいずれも水素)の部分構造を有し、n=1の化合物である限りにおいて一致し、以下の点で相違する。
相違点1-3A(1):本件発明1は「[[極性基]x_(1)-B]n1」の部分構造(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)を有するのに対し、引用発明3Aは対応位置に本件発明1の定義外の部分構造を有する点
相違点1-3A(2):本件発明1は「S^(2)-A」の部分構造(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)を有するのに対し、引用発明3Aは対応位置が単結合である点
相違点1-3A(3):本件発明1は基「S^(1)」(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)を有するのに対し、引用発明3Aは対応位置に本件発明1の定義外の部分構造を有する点
相違点1-3A(4):本件発明1は基「D」(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)を有するのに対し、引用発明3Aは対応位置に本件発明1の定義外の部分構造を有する点
そこで、上記相違点について検討する。

(1-3A-2)相違点1-3A(1)?同(4)について(新規性)
上記相違点1-3A(1)?同(4)は、各基の定義からみて、いずれも実質的な相違点であることが明らかである。
よって、本件発明1は引用文献3に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当するものではないから、特許を受けることができないとはいえない。

(1-3A-3)相違点1-3A(1)?同(4)について(進歩性)
引用発明3Aは、実施例1(摘記3-3?摘記3-4)において「重合体1」の原料として用いられた特定の化合物であり、重合物の特性が確認されているものであり(摘記3-4の[0012])、その部分構造を他の化学構造に置き換えることについては記載も示唆もされていない。また、上記相違点1-3A(1)?同(4)に係る両発明の部分構造が、本件特許に係る出願の優先日前に相互に置き換え可能なものとして認識されていたとも認められない。そうすると、当業者であっても、引用発明3Aにおいて上記相違点1-3A(1)?同(4)に係る部分構造を採用することにより本件発明1の化合物を得ることが動機付けられるものではない。
よって、本件発明1は引用発明3Aに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。

(1-4A-1)本件発明1と引用発明4Aとの対比
本件発明1と引用発明4A(Scheme1化合物I、II又はIII)の化合物とを対比すると、両者は、本件発明1の表現を用いると「-CX=CY-」(「X」及び「Y」はいずれも水素)及び基「S^(2)」(連結基(-OCO-)により置き換えられたアルキレン)の部分構造を有し、n=1の化合物である限りにおいて一致し、以下の点で相違する。
相違点1-4A(1):本件発明1は「[[極性基]x_(1)-B]n1」の部分構造(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)を有するのに対し、引用発明4Aは対応位置に本件発明1の定義外の部分構造を有する点
相違点1-4A(2):本件発明1は基「A」(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)を有するのに対し、引用発明4Aは対応位置が単結合である点
相違点1-4A(3):本件発明1は「E-S^(1)」の部分構造(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)を有するのに対し、引用発明4Aは対応位置に本件発明1の定義外の部分構造を有する点
相違点1-4A(4):本件発明1は基「D」(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)を有するのに対し、引用発明4Aは対応位置に本件発明1の定義外の部分構造を有する点
そこで、上記相違点について検討する。

(1-4A-2)相違点1-4A(1)?同(4)について(新規性)
上記相違点1-4A(1)?同(4)は、各基の定義からみて、いずれも実質的な相違点であることが明らかである。
よって、本件発明1は引用文献4に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当するものではないから、特許を受けることができないとはいえない。

(1-4B-1)本件発明1と引用発明4Bとの対比
本件発明1と引用発明4B(Scheme2化合物IV)の化合物とを対比すると、両者は、本件発明1の表現を用いると基「E」(-COO-)及び「-CX=CY-」(「X」及び「Y」はいずれも水素)の部分構造を有し、n=1の化合物である限りにおいて一致し、以下の点で相違する。
相違点1-4B(1):本件発明1は「[[極性基]x_(1)-B]n1」の部分構造(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)を有するのに対し、引用発明4Bは対応位置に本件発明1の定義外の部分構造を有する点
相違点1-4B(2):本件発明1は「S^(2)-A」(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)の部分構造を有するのに対し、引用発明4Bは対応位置が単結合である点
相違点1-4B(3):本件発明1は基「S^(1)」(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)を有するのに対し、引用発明4Bは対応位置に本件発明1の定義外の部分構造を有する点
相違点1-4B(4):本件発明1は基「D」(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)を有するのに対し、引用発明4Bは対応位置に本件発明1の定義外の部分構造を有する点
そこで、上記相違点について検討する。

(1-4B-2)相違点1-4B(1)?同(4)について(新規性)
上記相違点1-4B(1)?同(4)は、各基の定義からみて、いずれも実質的な相違点であることが明らかである。
よって、本件発明1は引用文献4に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当するものではないから、特許を受けることができないとはいえない。

(1-5A-1)本件発明1と引用発明5Aとの対比
本件発明1と引用発明5A(Scheme1化合物Ia?IIIc)の化合物とを対比すると、両者は、本件発明1の表現を用いると「-CX=CY-」(「X」及び「Y」はいずれも水素)、基「S^(2)」(連結基(-OCO-)により置き換えられたアルキレン)及び「[[極性基]x_(1)-B]n1」(フェニレン)の部分構造を有し、n=1の化合物である限りにおいて一致し、以下の点で相違する。
相違点1-5A(1):本件発明1は基「A」(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)の部分構造を有するのに対し、引用発明5Aは対応位置が単結合である点
相違点1-5A(2):本件発明1は「E-S^(1)」(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)の部分構造を有するのに対し、引用発明5Aは対応位置に本件発明1の定義外の部分構造を有する点
相違点1-5A(3):本件発明1は基「D」(定義は上記3.「本件発明について」の請求項1を参照。)を有するのに対し、引用発明5Aは対応位置に本件発明1の定義外の部分構造を有する点
そこで、上記相違点について検討する。

(1-5A-2)相違点1-5A(1)?同(3)について(新規性)
上記相違点1-5A(1)?同(3)は、各基の定義からみて、いずれも実質的な相違点であることが明らかである。
よって、本件発明1は引用文献5に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当するものではないから、特許を受けることができないとはいえない。

イ 本件発明2について
本件発明2の化合物は、27種類の具体的な化学構造により特定された化合物から選択されるものであり、より具体的には本件明細書に記載された実施例2、3、及び[0339]の[表1]に記載された化合物56A?化合物63から選択されたものに当たるところ、1番目?20番目及び22番目?26番目の選択肢の化合物は、本件発明1の定義範囲内の化学構造を有する化合物である。
また、21番目の選択肢の化合物(「化合物57D」に相当)及び27番目の化合物(「化合物63」に相当)は、本件発明1の基「S^(1)」に相当する位置がそれぞれ「-(CH_(2))_(6)-」及び「1,4-フェニレン」である点以外は、本件発明1の定義範囲内の化学構造を有する化合物である。

(2-(1))本件発明2(21番目及び27番目の選択肢以外)と引用発明1A?引用発明5Aとの対比、判断
上記5.(3)ア「本件発明1について」における検討を踏まえて、本件発明2(21番目及び27番目の選択肢以外)と引用発明1A?引用発明5Aとを対比すると、両者は、少なくとも上記5.(3)アに記載した点で実質的に相違するものと認められる。
よって、本件発明2は引用文献1?5に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当するものではないから、特許を受けることができないとはいえない。
また、引用発明1A?引用発明3Aとの相違点については、当業者であっても本件発明2の化合物を得ることが動機付けられるものとはいえない。
よって、本件発明2は引用発明1A?引用発明3Aに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。

(2-(2))本件発明2(21番目及び27番目の選択肢)と引用発明1A?引用発明5Aとの対比、判断
上記5.(3)ア「本件発明1について」における検討を踏まえると、本件発明2(21番目及び27番目の選択肢)と引用発明1A?引用発明5Aとは、基「S^(1)」以外のいずれかの部分構造において、少なくとも上記5.(3)アに記載した点で実質的に相違するものと認められる。
よって、本件発明2は引用文献1?5に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当するものではないから、特許を受けることができないとはいえない。
また、引用発明1A?引用発明3Aとの相違点については、当業者であっても本件発明2の化合物を得ることが動機付けられるものとはいえない。
よって、本件発明2は引用発明1A?引用発明3Aに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。

ウ 本件発明3について
本件発明3の化合物は、本件発明1の下位概念に当たる9種類の一般式により特定される化合物である。
そこで、上記5.(3)ア「本件発明1について」における検討を踏まえて、本件発明3と引用発明1A?引用発明4Bとを対比すると、両者は、少なくとも上記5.(3)アに記載した点で実質的に相違するものと認められる。
よって、本件発明3は引用文献1?4に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当するものではないから、特許を受けることができないとはいえない。
また、引用発明1A?引用発明3Aとの相違点については、当業者であっても本件発明3の化合物を得ることが動機付けられるものとはいえない。引用発明4Bとの相違点についても同様である。
よって、本件発明3は引用発明1A?引用発明4Bに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。

エ 本件発明4について
本件発明4は、1つの基本構成要素として本件発明1?3のいずれかに記載の化合物を含む、ホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマーの発明である。
そこで、上記5.(3)ア「本件発明1について」における検討を踏まえて、本件発明4と引用発明1G-1?引用発明5Bとを対比すると、両者は、「ホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマー」の原料に当たる化合物の化学構造において、少なくとも上記5.(3)アに記載した点で実質的に相違するものと認められる。
よって、本件発明4は引用文献1?5に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当するものではないから、特許を受けることができないとはいえない。
また、上記5.(3)ア「本件発明1について」?同ウ「本件発明3について」における検討を踏まえると、引用発明1A?引用発明3Aに基づいて、本件発明4の原料化合物に当たる本件発明1?3の化合物を得ることが動機付けられるものとはいえず、引用発明4A?引用発明5Aについても同様であるから、本件発明1?3に従属する本件発明4についても、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
よって、本件発明4は引用発明1G-1?引用発明5Bに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。

オ 本件発明5について
本件発明5は、本件発明1?3のいずれか一項に記載の化合物、及び本件発明1?3のいずれか一項に記載の別の化合物を含む、本件発明4に従属する「コポリマー」の発明である。
そこで、上記5.(3)エ「本件発明4について」における検討を踏まえると、本件発明5は引用発明1G-1?引用発明5Bに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。

カ 本件発明7について
本件発明7は、本件発明1の化合物を含む、液晶の平面アライメントのための層を形成するための組成物の発明である。
また、引用文献1?5には、引用発明1G-1?引用発明5Bのホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマーの発明が記載されているところ、それらは製造工程及び生成物の利用工程において、通常、組成物の形態をとるものである。
そこで、上記5.(3)ア「本件発明1について」及び同エ「本件発明4について」における検討を踏まえると、本件発明7と引用発明1G-1?引用発明5Bを含有する組成物とは、「ホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマー」の原料に当たる化合物の化学構造において、少なくとも上記5.(3)アに記載した点で実質的に相違するものと認められる。
よって、本件発明7は引用文献1?5に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当するものではないから、特許を受けることができないとはいえない。
また、上記5.(3)エ「本件発明4について」における検討を踏まえると、本件発明7は引用発明1G-1?引用発明5Bに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。

キ 本件発明8について
本件発明8は、本件発明1の少なくとも1つの第一の化合物、及び本件発明1の少なくとも1つの第二の化合物(第一の化合物と同じではない)又は/及び添加物を含む、液晶の平面アライメントのための層を形成するための組成物の発明である。
そこで、上記5.(3)カ「本件発明7について」における検討を踏まえると、本件発明8は引用発明1G-1?引用発明5Bに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。

ク 本件発明9について
本件発明9は、ジアミンである本件発明1の化合物の重合を含む、ホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマーの調製方法の発明である。
また、引用文献1には、「引用発明1G-2」として、「引用発明1G-1のポリマー又はオリゴマーの調製方法。」の発明が記載されている。
そこで、上記5.(3)ア「本件発明1について」及び同エ「本件発明4について」における検討を踏まえると、本件発明9と引用発明1G-2とは、「ホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマー」の原料に当たる化合物の化学構造において、少なくとも上記5.(3)アに記載した点で実質的に相違するものと認められる。
よって、本件発明9は引用文献1に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当するものではないから、特許を受けることができないとはいえない。
また、上記5.(3)エ「本件発明4について」における検討を踏まえると、本件発明9は引用発明1G-2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。

ケ 本件発明10について
本件発明10は、基本構成要素として少なくともジアミンである本件発明1の化合物を含むホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマー、又は、本件発明4?5のいずれかのホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマーを含む、液晶の平面アライメントのための層を形成するための組成物の発明である。
また、引用文献1には、引用発明1G-1のホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマーの発明が記載されているところ、それらは製造工程及び生成物の利用工程において、通常、組成物の形態をとるものである。
そこで、上記5.(3)ア「本件発明1について」及び同エ「本件発明4について」における検討を踏まえると、本件発明10と引用発明1G-1を含有する組成物とは、「ホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマー」の原料に当たる化合物の化学構造において、少なくとも上記5.(3)アに記載した点で実質的に相違するものと認められる。
よって、本件発明10は引用文献1に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当するものではないから、特許を受けることができないとはいえない。
また、上記5.(3)エ「本件発明4について」における検討を踏まえると、本件発明10は引用発明1G-1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。

コ 本件発明11について
本件発明11は、本件発明4?5のいずれか1つ又は複数のホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマー、又は本件発明7、8もしくは10の組成物を含む「配向層」の発明である。
また、引用文献1には、「引用発明1H-1」として、「引用発明1G-1の少なくとも1つのポリマー又はオリゴマーを含む、ポリマー又はオリゴマー層、当該層からなる液晶の配向層、当該層を含む光学及び電気光学的な非構造化又は構造化された構成の素子、好ましくは液晶ディスプレーセル、多層及びハイブリッド層の素子。」が記載され、引用文献2は、「引用発明1D-1」として、「引用発明2C-1の少なくとも1つのポリアミド酸又はポリイミドを含むポリマー層、当該層からなる液晶の配向層、及び当該層を含む液晶セル。」が記載され、引用文献3には、「引用発明3C-1」として、「引用発明3Bの重合体を含む無配向又は異方性の膜、当該異方性の膜からなる液晶配向膜、当該液晶配向膜を用いて液晶性材料を配向させた光学素子、及び当該素子を用いた液晶表示装置。」が記載されている。
そこで、上記5.(3)ア「本件発明1について」及び同エ「本件発明4について」?同ケ「本件発明10について」における検討を踏まえると、本件発明11と引用発明1H-1?引用発明3C-1とは、「ホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマー」の原料に当たる化合物の化学構造において、少なくとも上記5.(3)アに記載した点で実質的に相違するものと認められる。
よって、本件発明11は引用文献1?3に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当するものではないから、特許を受けることができないとはいえない。
また、上記5.(3)エ「本件発明4について」における検討を踏まえると、本件発明11は引用発明1H-1?引用発明3C-1、引用発明4C、引用発明5Bに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。

サ 本件発明12について
本件発明12は、本件発明4?5のいずれか1つ又は複数のホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマー、又は本件発明7、8もしくは10の組成物をアライニング光で処理する、ポリマー層又はオリゴマー層の調製方法の発明である。
また、引用文献1には、「引用発明1H-2」が記載され、引用文献2には、「引用発明2D-2」が記載され、引用文献3には、「引用発明3C-2」が記載され、いずれも偏光紫外線をポリマー層に照射することにより、液晶配向層としての機能を付与することが記載されている。
そこで、上記5.(3)ア「本件発明1について」及び同コ「本件発明11について」における検討を踏まえると、本件発明12と引用発明1H-2?引用発明3C-2とは、「ホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマー」の原料に当たる化合物の化学構造において、少なくとも上記5.(3)アに記載した点で実質的に相違するものと認められる。
よって、本件発明12は引用文献1?3に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当するものではないから、特許を受けることができないとはいえない。
また、上記5.(3)エ「本件発明4について」における検討を踏まえると、本件発明12は引用発明1H-2?引用発明3C-2、引用発明4C、引用発明5Bに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。

シ 本件発明13について
本件発明13は、液晶の平面アライメントのための層であって、本件発明4、5のいずれかのホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマーの層の発明である。
また、引用文献1には、「引用発明1H-1」として、「引用発明1G-1の少なくとも1つのポリマー又はオリゴマーを含む、ポリマー又はオリゴマー層、当該層からなる液晶の配向層・・・。」が記載され、引用文献2には、「引用発明2D-1」として、「引用発明2C-1の少なくとも1つのポリアミド酸又はポリイミドを含むポリマー層、当該層からなる液晶の配向層・・・。」が記載され、引用文献3には、「引用発明3C-1」として、「引用発明3Bの重合体を含む無配向又は異方性の膜、当該異方性の膜からなる液晶配向膜・・・。」が記載されている。
そこで、上記5.(3)ア「本件発明1について」及び同コ「本件発明11について」における検討を踏まえると、本件発明13と引用発明1H-1?引用発明3C-1とは、「ホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマー」の原料に当たる化合物の化学構造において、少なくとも上記5.(3)アに記載した点で実質的に相違するものと認められる。
よって、本件発明13は引用文献1及び3に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当するものではないから、特許を受けることができないとはいえない。
また、上記5.(3)コ「本件発明11について」における検討を踏まえると、本件発明13は引用発明1H-1?引用発明3C-1、引用発明4C、引用発明5Bに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。

ス 本件発明14について
本件発明14は、本件発明11の配向層又は本件発明13の層の使用方法に係る発明であり、a)又はb)で特定される所定の一対のポリマー膜が上記本件発明11の配向層又は本件発明13の層上に形成されることが特定されている。
そこで、上記5.(3)ア「本件発明1について」、同コ「本件発明11について」及び同シ「本件発明13について」における検討を踏まえると、本件発明14と引用発明1H-1?引用発明3C-1とは、「ホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマー」の原料に当たる化合物の化学構造において、少なくとも上記5.(3)アに記載した点で実質的に相違するものであり、本件発明14は引用発明1H-1?引用発明3C-1、引用発明4C、引用発明5Bに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。

セ 本件発明15について
本件発明15は、少なくとも1つのLCPを、本件発明13の層、又は本件発明11の配向層上に適用すること、及び前記LCPを重合することを含む、液晶ディスプレイの製造方法に係る発明である。
そこで、上記5.(3)ア「本件発明1について」、同ス「本件発明14について」における検討を踏まえると、本件発明15と引用発明1H-1?引用発明3C-1とは、「ホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマー」の原料に当たる化合物の化学構造において、少なくとも上記5.(3)アに記載した点で実質的に相違するものであり、本件発明15は引用発明1H-1?引用発明3C-1、引用発明4C、引用発明5Bに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。

ソ 本件発明16について
本件発明16は、本件発明13の層を少なくとも1つ含む、所定の素子等についての発明である。
そこで、上記5.(3)ア「本件発明1について」及び同シ「本件発明13について」における検討を踏まえると、本件発明15と引用発明1H-1?引用発明3C-1とは、層を構成する「ホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマー」の原料に当たる化合物の化学構造において、少なくとも上記5.(3)アに記載した点で実質的に相違するものと認められる。
よって、本件発明16は引用文献1及び3に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当するものではないから、特許を受けることができないとはいえない。
また、上記5.(3)シ「本件発明13について」における検討を踏まえると、本件発明16は引用発明1H-1?引用発明3C-1、引用発明4C、引用発明5Bに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。

ソ 理由I(新規性)及び理由II(進歩性)についてのまとめ
以上のとおり、取消理由通知に記載した理由I(新規性)及び理由II(進歩性)の理由によっては、本件請求項1?5、7?16に係る特許を取り消すことはできない。

(4)理由III(実施可能要件)について
本件訂正により、本件発明1の化合物における各基の定義は、本件明細書に具体的な合成方法が開示され、さらに重合膜の特性まで確認されている実施例の化合物が有する基と同じまたは類似の範囲に減縮されたことから、本件発明1に包含される化合物(I’)を、当業者が実際に製造したり、さらに重合、成膜、光配向して液晶素子等に利用するために、本件明細書の開示を超えた過度の試行錯誤を要することはなくなったといえる。
また、本件発明2、3の化合物の定義も同様に減縮されており、本件発明1?3を直接又は間接的に引用して記載されている本件発明4、5、7?16についても同様である。
そうすると、本件発明1?5、7?16に係る特許は、いずれも特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たすものである。
よって、取消理由通知に記載した理由III(実施可能要件)の理由によっては、本件請求項1?5、7?16に係る特許を取り消すことはできない。

(5)理由IV(サポート要件)について
本件明細書の[0001]?[0004]等の記載によると、本件発明は、「アライニング光による処理により、液晶の配向、特に、液晶の平面配向のための層を形成可能な光アライニング材料(ホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマー)、それらの組成物、ならびに光学及び電気光学デバイス、特に、液晶デバイス(LCD)」を提供することを課題とするものと解される。
そして、本件訂正により、本件発明1の化合物における各基の定義は、本件明細書に具体的な合成方法が開示され、さらに重合膜の特性まで確認されている実施例の化合物が有する基と同じまたは類似の範囲に減縮されたことから、本件発明1に包含される化合物(I’)については、当業者が上記課題を解決し得るものであることを理解することができるものといえる。
また、本件発明2、3の化合物の定義も同様に減縮されており、本件発明1?3を直接又は間接的に引用して記載されている本件発明4、5、7?16についても同様である。
そうすると、本件発明1?5、7?16に係る特許は、いずれも特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たすものである。
よって、取消理由通知に記載した理由IV(サポート要件)の理由によっては、本件請求項1?5、7?16に係る特許を取り消すことはできない。

(6)理由V(明確性)について
本件訂正により、訂正前の請求項1に記載されていた「置き換えられていないか・・・少なくとも1回置換されており」という対をなしている文は削除され、「置き換え」(replace)と「置換」(substituted)の用語の使い分けが明確になったことから、本件発明1の化合物の定義は明確である。
本件発明2、3の化合物の定義も同様に明確であり、本件発明1?3を直接又は間接的に引用して記載されている本件発明4、5、7?16についても同様である。
そうすると、本件発明1?5、7?16に係る特許は、いずれも特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たすものである。
よって、取消理由通知に記載した理由V(明確性)の理由によっては、本件請求項1?5、7?16に係る特許を取り消すことはできない。

(7)理由VI(原文新規事項)について
本件訂正により、訂正前の請求項1に記載されていた「置き換えられていないか・・・少なくとも1回置換されており」という対をなしている文は削除され、「置き換え」(replace)と「置換」(substituted)の用語の使い分けが明確になったことから、基Bの定義に原文とは異なる新たな意味が追加されたと解する余地はなくなった。
本件発明2、3の化合物の定義、及び本件発明1?3を直接又は間接的に引用して記載されている本件発明4、5、7についても同様である。
そうすると、本件発明1?5、7に係る特許は、いずれも特許法第184条の18において読み替えて適用する同法第113条第5号に該当するものではない。
よって、取消理由通知に記載した理由VI(原文新規事項)の理由によっては、本件請求項1?5、7に係る特許を取り消すことはできない。

(8)理由IV-2(サポート要件)について
(IV-2-1)アクリレート、メタクリレート及びシロキサンについて
本件訂正により、本件発明1の化合物における重合性基「D」の選択肢から「アクリレート、メタクリレート」及び「シロキサン」の選択肢が削除され、「マレイミド及びジアミンからなる群より選択される重合性基」に減縮された。
そして、訂正後の重合性基「D」である「マレイミド」又は「ジアミン」を有する化合物については、本件明細書に具体的な合成方法が開示され、さらに重合膜の特性まで確認されている実施例が記載されているから、本件発明1に包含される化合物(I’)については、当業者が上記5.(5)「理由IV(サポート要件)について」に記載したような課題を解決し得るものであることを理解することができるものといえる。
また、本件発明2、3の化合物の定義も同様に減縮されており、本件発明1?3を直接又は間接的に引用して記載されている本件発明4、5、7、8、11?16についても同様である。
そうすると、本件発明1?5、7、8、11?16に係る特許は、いずれも特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たすものである。
よって、取消理由通知に記載した理由IV-2-1(サポート要件)の理由によっては、本件請求項1?5、7、8、11?16に係る特許を取り消すことはできない。

(IV-2-2)式(XIb)について
本件訂正により、本件発明1の化合物における重合性基「D」の選択肢は「マレイミド及びジアミンからなる群より選択される重合性基」に減縮され、また、本件訂正により、本件発明2の化合物の選択肢は、訂正前の請求項2の22番目の化合物を含まないものに減縮され、本件発明3の化合物の一般式の選択肢は、訂正前の請求項3の式(XIb)を含まないものに減縮された。
そして、訂正後の本件発明1?3の一般式で表される化合物については、本件明細書に具体的な合成方法が開示され、さらに重合膜の特性まで確認されている実施例が記載されているから、当業者が上記5.(5)「理由IV(サポート要件)について」に記載したような課題を解決し得るものであることを理解することができるものといえる。
本件発明1?3を直接又は間接的に引用して記載されている本件発明4、5、7?16についても同様である。
そうすると、本件発明1?5、7?16に係る特許は、いずれも特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たすものである。
よって、取消理由通知に記載した理由IV-2-2(サポート要件)の理由によっては、本件請求項1?5、7?16に係る特許を取り消すことはできない。

(9)理由V-2(明確性)について
(V-2-1)本件発明14について
上記2.(2)ア(キ)「訂正事項11について」に記載したとおり、本件訂正により、本件発明14の「b1)」が「前記重合性モノマーを含む液晶組成物」に訂正されたことにより、用語の対応関係が明確になり、また、本件発明14の「b2)」が「少なくとも1つの重合性液晶、すなわちLCP」に訂正されたことにより、「単一の」が削除されて明確になり、さらに「LCP」が「重合性液晶」を意味することが明確になったといえる。
そうすると、本件発明14に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たすものである。
よって、取消理由通知に記載した理由V-2-1(明確性)の理由によっては、本件請求項14に係る特許を取り消すことはできない。

(V-2-2)本件発明15について
上記2.(2)ア(ク)「訂正事項12について」に記載したとおり、本件訂正により、本件発明15において「単一の」が削除され、「少なくとも1つのLCP」に訂正されたことにより記載が明確になったといえる。
また、本件発明14の訂正により、本件発明15の「LCP」の意味するところも明確になったといえる。
そうすると、本件発明15に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たすものである。
よって、取消理由通知に記載した理由V-2-2(明確性)の理由によっては、本件請求項14に係る特許を取り消すことはできない。

6.特許異議申立理由について
申立人が申し立てた申立理由は、平成30年7月24日付け取消理由通知に記載した理由I?理由VIに相当するから、取消理由通知において採用しなかった特許異議申立て理由はない。

7.むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1?5、7?16に係る特許を取り消すことはできない。また、他に本件請求項1?5、7?16に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
さらに、本件請求項6に係る特許は訂正により削除され、本件特許の請求項6に係る特許異議の申立ては対象となる請求項が存在しないものとなったから、特許法第120条の8第1項において準用する同法第135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I’):
【化82】

[式中、
Aは、非置換又は置換のフェニレンを表し、ここで、置換基は、フルオロ、クロロ、メトキシ又はトリフルオロメチルであり;
下記に示す式(I’)の化合物残基である、化合物残基(Ia):
【化83】

は、-CN、直鎖もしくは分岐鎖-O-C_(1)-C_(15)アルキル-≡、直鎖もしくは分岐鎖-O-C_(1)-C_(15)アルキル-≡-C_(1)-C_(6)アルキル、フェニル、-N(C_(1)-C_(6)アルキル)_(2)、-O-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基、-NH-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基、-OCO-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基、-OCOO-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基、-NHCO-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基、-OCNH-C_(1)-C_(15)アルキル-(極性基)基を表し、前記極性基は、前記アルキル基の末端位置にあるニトリルであり、
x1は、1の整数であり;
Dは、マレイミド及びジアミンからなる群より選択される重合性基を表し;
Eは、-COO-を表し;
S^(1)は、-(CH_(2))_(1)-、-(CH_(2))_(2)-、-(CH_(2))_(5)-、-(CH_(2))_(8)-、-(CH_(2))_(3)-NH(CO)O-(CH_(2))_(3)-からなる群より選択され、
S^(2)は、直鎖もしくは分岐鎖のC_(1)-C_(6)アルキレンであり、ここで、1つ又は複数の-C-、-CH-、又は-CH_(2)-基は、置き換えられていないか、又は連結基により置き換えられていてもよく;
ここで、連結基は、非置換もしくは置換のシクロヘキシレン、又は非置換もしくは置換のフェニレン、-O-、-CO、-CO-O-、-O-CO-、-O-CO-O-であり、ここで:シクロヘキシレン又はフェニレンの置換基は、クロロ、フルオロ、トリフルオロメチル又はメトキシであり;
但し、連結基の酸素原子は、互いに直接連結していないものとし;
X、Yは、それぞれ互いに独立して、水素、又はニトリルを表し;
n、n1は、それぞれ互いに独立して、1、2、3又は4を表すが、
但し、nが、2、3又は4であるならば、各A、化合物残基(Ia)、E、S^(1)、S^(2)、X、Yは、同じであるか又は異なっており;n1が、2、3又は4であるならば、各化合物残基(Ia)は、同じであるか又は異なっている]で表される化合物。
【請求項2】
以下から選択される化合物。
【化84】




【請求項3】
式(VI)、(VIa)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XIa)もしくは(XIb1):
【化81】


[式中、A、化合物残基(Ia)、n1、S^(2)、S^(1)、X及びYは、上記請求項1に記載の意味と同じ意味を有し;
Lは、-CH_(3)、-OCH_(3)、-COCH_(3)、ニトロ、ニトリル、ハロゲン、CH_(2)=CH-、CH_(2)=C(CH_(3))-、CH_(2)=CH-(CO)O-、CH_(2)=CH-O-、CH_(2)=C(CH_(3))-(CO)O-又はCH_(2)=C(CH_(3))-O-であり;
u3は、0?2の整数であり、
R^(5)、R^(6)は、それぞれ互いに独立して、水素原子又はC_(1)-C_(6)アルキルを表し;そして
E^(1)は、-O-を表す]で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
1つの基本構成要素として請求項1?3のいずれかに記載の化合物を含む、ホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマー。
【請求項5】
請求項1?3のいずれか一項に記載の化合物、及び請求項1?3のいずれか一項に記載の別の化合物を含む、請求項4に記載のコポリマー。
【請求項6】(削除)
【請求項7】
請求項1記載の少なくとも1つの第一の化合物(I’)を含む、液晶の平面アライメントのための層を形成するための組成物。
【請求項8】
請求項1記載の少なくとも1つの第一の化合物(I’)及び少なくとも1つの第二の化合物(I’)(第一の化合物(I’)と同じではない)又は/及び添加物を含む、液晶の平面アライメントのための層を形成するための組成物。
【請求項9】
ジアミンである請求項1記載の式(I’)で表される化合物の重合を含む、ホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマーの調製方法であって、前記重合が、
a) ポリアミド酸もしくはポリアミド酸エステルへの式(I’)で表される化合物のアミド化、及びポリイミドへの得られたポリアミド酸もしくはエステルのイミド化、又は
b) ポリイミドへの式(I’)で表される化合物のイミド化
から選択される方法。
【請求項10】
- 基本構成要素として少なくともジアミンである請求項1記載の式(I’)で表される化合物を含むホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマー、又は
- 請求項4?5のいずれか一項に記載のホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマー
を含む、液晶の平面アライメントのための層を形成するための組成物。
【請求項11】
請求項4?5のいずれかに記載の少なくとも1つのホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマー、又は請求項7、8もしくは10に記載の組成物を含む、配向層。
【請求項12】
請求項4?5のいずれかに記載の1つ又は複数のホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマー、又は請求項7、8もしくは10に記載の組成物をアライニング光で処理する、ポリマー層又はオリゴマー層の調製方法。
【請求項13】
液晶の平面アライメントのための層であって、請求項4?5のいずれか一項に記載のホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマーの層。
【請求項14】
請求項11に記載の配向層、又は請求項13に記載の層の使用であって、
a) 重合性モノマー、ポリマー又はオリゴマー(前記重合性モノマーの重合形態である)を含む液晶組成物、又は/及び;
b) 下記:
b1) 前記重合性モノマーを含む液晶組成物中の少なくとも1つの重合性モノマー、又は/及び
b2) 少なくとも1つの重合性液晶、すなわちLCP
から製造される一対のポリマー膜の間に挟まれている、液晶であって、該ポリマー膜が、前記ホモポリマーもしくはコポリマー又はオリゴマーの層上に形成される、液晶;
のアライメントのための使用。
【請求項15】
少なくとも1つのLCPを、請求項13に記載の層、又は、請求項11に記載の配向層上に適用すること、及び前記LCPを重合することを含む、液晶ディスプレイの製造方法。
【請求項16】
請求項13に記載の層を少なくとも1つ含む、光学もしくは電気光学的な非構造化もしくは構造化素子、又は、液晶ディスプレイセル、多層もしくはハイブリット層素子。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2019-03-26 
出願番号 特願2014-533787(P2014-533787)
審決分類 P 1 651・ 113- YAA (C08G)
P 1 651・ 537- YAA (C08G)
P 1 651・ 54- YAA (C08G)
P 1 651・ 536- YAA (C08G)
P 1 651・ 121- YAA (C08G)
最終処分 維持  
前審関与審査官 岡▲崎▼ 忠  
特許庁審判長 佐々木 秀次
特許庁審判官 木村 敏康
天野 宏樹

登録日 2017-05-19 
登録番号 特許第6145453号(P6145453)
権利者 ロリク アーゲー
発明の名称 光アライニング材料  
代理人 特許業務法人津国  
代理人 特許業務法人 津国  
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