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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 C04B |
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管理番号 | 1351847 |
審判番号 | 不服2018-11948 |
総通号数 | 235 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2019-07-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2018-09-06 |
確定日 | 2019-06-04 |
事件の表示 | 特願2016- 78682「スライディングノズル用炭素含有プレート耐火物の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成29年10月19日出願公開、特開2017-190254、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成28年 4月11日を出願日とする出願であって、平成29年10月27日付けで拒絶理由通知がされ、平成30年 1月 9日付けで意見書が提出され、同年 6月13日付けで拒絶査定(原査定)がされ、同年 9月 6日付けで拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出され、平成31年 2月27日付けで上申書が提出されたものである。 第2 原査定の理由の概要 引用文献1:特開平5-105506号公報 引用文献2:特開2014-224001号公報 原査定の理由の概要は、審判請求時の補正により補正される前の本願請求項1?2に係る発明は、引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載される事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 第3 本願発明 本願請求項1?2に係る発明は、審判請求時に補正された本願特許請求の範囲の請求項1?2に記載された事項により特定される、以下のとおりのものであると認める(以下、「本願発明1」?「本願発明2」といい、まとめて「本願発明」という。)。 「【請求項1】 耐火性無機材料60?97.4質量%、カーボンブラック1?10質量%、AlまたはAl含有合金0.5?12質量%、Si_(3)N_(4)、Mg_(3)N_(2)、BN、CrN及びCrN_(2)からなる群から選択される1種または2種以上の窒化物0.1?10質量%及びバインダー1?8質量%よりなる配合物を混練し、所定の形状に成形した成形体を、N_(2)を主体とし、O_(2)濃度が0.1体積%以下、CO+CO_(2)濃度が20体積%以下の非酸化性雰囲気中で最高温度が800?1400℃の条件で熱処理した後、ピッチ含浸処理を行うことを特徴とするスライディングノズル用炭素含有プレート耐火物の製造方法。 【請求項2】 非酸化性雰囲気がN_(2)を主体とし、O_(2)濃度が0.1体積%以下、CO+CO_(2)濃度が1?20体積%である、請求項1記載のスライディングノズル用炭素含有プレート耐火物の製造方法。」 第4 当審の判断 1 引用文献の記載事項 (1)引用文献1の記載事項 原査定で引用される引用文献1には、以下の記載がある。 (1a)「【特許請求の範囲】 【請求項1】 MgO含量が30?70重量%で、かつAl_(2)O_(3)+MgOの合計量が95重量%以上のマグネシア・アルミナ質スピネル原料5?25重量%、Al_(2)O_(3)含量が80重量%以上のアルミナ原料60?85重量%、カーボン質原料3?15重量%、金属アルミニウム粉1?6重量%及び金属シリコン、炭化硼素、炭化珪素及び窒化珪素からなる群から選択される1種または2種以上を10重量%以下含有してなることを特徴とするスライドバルブプレートれんが。」 (1b)「【0017】以上の原料を使用し、フェノール樹脂、フラン樹脂、タール、ピッチ等の結合剤を添加して混練し、オイルプレス等により成形、乾燥した後、還元雰囲気中で焼成し、必要に応じピッチ含浸処理を行えば、本発明のスライドバルブプレートれんがを得ることができる。 【0018】 【実施例】 実施例 表1に本発明のスライドバルブプレートれんがの配合を比較例と共に示す。それぞれの配合物はバインダーを加え、下回りミキサーで混練し、SVプレート形状にオイルプレスを用いて形成し、170℃で乾燥した後、所定の焼成温度でコークスブリーズ中で還元焼成した。 【0019】得られた試料の耐食性は高周波誘導炉に内張りし、SS-41と転炉スラグを用いて1650℃、3時間試験を行い、溶損量を測定した。耐スポール性は80×80×40mmの試料を1750℃のアセチレントーチで急熱し、亀裂発生状況を観察した。 【0020】 【表1】 」 (ア)前記(1a)?(1b)によれば、引用文献1には、「スライドバルブプレートれんが」に係る発明が記載されており、前記「スライドバルブプレートれんが」は、前記(1b)(【0020】【表1】)の実施例1(当審注:「1」は「○に1」で記載されている。)に注目すれば、MgO:38重量%、Al_(2)O_(3):60重量%のスピネル原料の微粉22%、純度99%の焼結アルミナ63%、リン状黒鉛4%、コークス粉4%、カーボンブラック2%、金属アルミニウム1%、金属シリコン2%、窒化珪素2%よりなる配合物にバインダーのフェノール樹脂を外掛けで6%加えたものを、下回りミキサーで混練し、SVプレート形状にオイルプレスを用いて形成し、170℃で乾燥した後、1400℃の焼成温度でコークスブリーズ中で還元焼成して製造したものである。 (イ)すると、引用文献1には、以下の発明が記載されているといえる。 「MgO:38重量%、Al_(2)O_(3):60重量%のスピネル原料の微粉22%、純度99%の焼結アルミナ63%、リン状黒鉛4%、コークス粉4%、カーボンブラック2%、金属アルミニウム1%、金属シリコン2%、窒化珪素2%よりなる配合物にバインダーのフェノール樹脂を外掛けで6%加え、下回りミキサーで混練し、SVプレート形状にオイルプレスを用いて形成し、170℃で乾燥した後、1400℃の焼成温度でコークスブリーズ中で還元焼成する、スライドバルブプレートれんがの製造方法。」(以下、「引用発明1」という。) (2)引用文献2の記載事項 原査定で引用される引用文献2には、以下の記載がある(当審注:下線は当審が付与した。また、「・・・」は記載の省略を表す。)。 (2a)「【特許請求の範囲】 【請求項1】 カーボン原料を1?10質量%及び金属添加物を1?8質量%含有する成形体を形成するステップと、 前記成形体を、窒素ガス濃度が70?99体積%であるとともに、一酸化炭素ガス濃度が1体積%以上かつ一酸化炭素ガス濃度と二酸化炭素ガス濃度の合計が20体積%以下であって、さらに酸素ガス濃度が0.1体積%以下、水蒸気濃度が2体積%以下である非酸化性ガスを炉内に送風し、当該炉内で前記非酸化性ガスと直接接する状態で焼成するステップと、 を有する、スライドプレート装置用プレートれんがの製造方法。」 (2b)「【0021】 本願発明者らは、プレートれんがの耐用性を最大限に高めるための焼成雰囲気を見出すために、ガス発生装置と電気炉から構成される試験炉を作製し、組成の異なる非酸化性ガスを電気炉内に吹き込みプレートれんがの焼成試験を行った。その結果、コークスブリーズを使用したサヤ詰め焼成よりも、窒素ガス濃度の高い非酸化性ガスを炉内に吹き込みながら焼成することで、プレートれんがの強度特性と耐溶鋼反応性が向上することを見出した。また、純窒素ガスを吹き込む条件での焼成では窒化物が過剰に生じて含浸性が急激に低下すること、さらに一定量の一酸化炭素ガス(及び二酸化炭素ガス)を含むガスを吹き込むことで窒化物の過剰生成を防止できることを見出した。本願発明者らは、以上のようにして得られた新たな知見に基づいて本発明に至った。 ・・・ 【発明の効果】 【0024】 本発明によれば、溶鋼と反応しづらい窒化物を金属添加物から適量生成させることができるとともに、タール又はピッチの含浸性を十分に確保することができる。その結果、耐用性に優れたスライドプレート装置用プレートれんがを実現することができる。」 (2c)「【0031】 本発明では原料として配合した金属添加物からの窒化物の生成が重要な役割を果たしている。この観点ではSiよりも、Al又はAl系合金(Al-Si合金、Al-Mg合金等)を使用することが好ましい。・・・ ・・・ 【0038】 N_(2)濃度が70体積%未満の場合、プレートれんが中に十分な量の窒化物が生成されないため、従来のコークス詰め還元焼成方法と同等レベルの特性しか得られないことになり好ましくない。金属添加物からの窒化物の生成量を増やして耐溶鋼反応性を高めるためには70体積%以上のN_(2)濃度が必要であり、より好ましくは80体積%以上、さらに好ましくは90体積%以上である。一方、N_(2)ガス濃度が99体積%を超える場合、窒化物が過剰に生成されてプレートれんが中の気孔径が急激に小さくなる。その結果、タールやピッチの含浸性が低下するため好ましくない。」 2 対比・判断 (1)本願発明1について ア 対比 (ア)本願発明1と引用発明1とを対比すると、引用発明1における「MgO:38重量%、Al_(2)O_(3):60重量%のスピネル原料の微粉」及び「純度99%の焼結アルミナ」は、本願発明1における「耐火性無機材料」に相当し、その含有量は、22%+63%=85%であり、引用発明1における「カーボンブラック」の含有量は2%であり、引用発明1における「金属アルミニウム」は、本願発明1における「AlまたはAl含有合金」に相当し、その含有量は1%であり、引用発明1における「窒化珪素」は、本願発明1における「Si_(3)N_(4)、Mg_(3)N_(2)、BN、CrN及びCrN_(2)からなる群から選択される1種または2種以上の窒化物」に相当し、その含有量は2%であり、引用発明1における「バインダーのフェノール樹脂」は、本願発明1における「バインダー」に相当し、その含有量は、配合物に対して外掛けで6%である。 そして、引用発明1の各成分の含有量を、「バインダーのフェノール樹脂」を含めて算出すると、「耐火性無機材料」の含有量が80.2%であり、「カーボンブラック」の含有量が1.9%であり、「AlまたはAl含有合金」の含有量が0.9%であり、「Si_(3)N_(4)、Mg_(3)N_(2)、BN、CrN及びCrN_(2)からなる群から選択される1種または2種以上の窒化物」の含有量が1.9%であり、「バインダー」の含有量が5.7%となるから、引用発明1は、「耐火性無機材料60?97.4質量%、カーボンブラック1?10質量%、AlまたはAl含有合金0.5?12質量%、Si_(3)N_(4)、Mg_(3)N_(2)、BN、CrN及びCrN_(2)からなる群から選択される1種または2種以上の窒化物0.1?10質量%及びバインダー1?8質量%よりなる配合物」を用いる点で、本願発明1と合致する。 (イ)また、引用発明1において、「配合物」に「バインダーのフェノール樹脂」を加えたものを「下回りミキサーで混練し、SVプレート形状にオイルプレスを用いて形成し、170℃で乾燥した後、1400℃の焼成温度でコークスブリーズ中で還元焼成する」工程は、本願発明1において、「配合物を混練し、所定の形状に成形した成形体を、最高温度が800?1400℃の条件で熱処理」する工程に相当し、引用発明1に係る「スライドバルブプレートれんがの製造方法」は、本願発明1に係る「スライディングノズル用炭素含有プレート耐火物の製造方法」に相当する。 (ウ)そうすると、本願発明1と引用発明1とは 「耐火性無機材料60?97.4質量%、カーボンブラック1?10質量%、AlまたはAl含有合金0.5?12質量%、Si_(3)N_(4)、Mg_(3)N_(2)、BN、CrN及びCrN_(2)からなる群から選択される1種または2種以上の窒化物0.1?10質量%及びバインダー1?8質量%よりなる配合物を混練し、所定の形状に成形した成形体を、最高温度が800?1400℃の条件で熱処理する、スライディングノズル用炭素含有プレート耐火物の製造方法。」 の点で一致し、以下の点で相違している。 相違点1:本願発明1においては、成形体の熱処理を、「N_(2)を主体とし、O_(2)濃度が0.1体積%以下、CO+CO_(2)濃度が20体積%以下の非酸化性雰囲気中」で行い、熱処理した後に「ピッチ含浸処理」を行うのに対して、引用発明1においては、成形体の熱処理を、「コークスブリーズ中で還元焼成」することにより行い、熱処理した後に「ピッチ含浸処理」を行っていない点。 イ 判断 (ア)前記相違点1について検討すると、前記1(1)(1b)によれば、引用文献1には、引用発明1に関し、成形体を熱処理した後に必要に応じてピッチ含浸処理を行うことも記載されている。 また、前記1(2)(2b)によれば、引用文献2には、引用発明1の熱処理である、コークスブリーズを使用したサヤ詰め焼成よりも、窒素ガス濃度の高い非酸化性ガスを炉内に吹き込みながら焼成することで、プレートれんがの強度特性と耐溶鋼反応性が向上すること、純窒素ガスを吹き込む条件での焼成では窒化物が過剰に生じて含浸性が急激に低下すること、さらに一定量の一酸化炭素ガス(及び二酸化炭素ガス)を含むガスを吹き込むことで窒化物の過剰生成を防止できること、これにより、溶鋼と反応しづらい窒化物を金属添加物から適量生成させることができるとともに、タール又はピッチの含浸性を十分に確保できることが記載されている。 そうすると、成形体の熱処理を、「N_(2)を主体とし、O_(2)濃度が0.1体積%以下、CO+CO_(2)濃度が20体積%以下の非酸化性雰囲気中」で行い、熱処理した後に「ピッチ含浸処理」を行う、という前記相違点1に係る本願発明1の発明特定事項は、引用文献1?2に開示されているといえる。 (イ)そこで、次に、前記相違点1に係る本願発明1の発明特定事項により奏される効果について検討すると、本願明細書には、以下の記載がある。 (a)「【0014】 本発明者らは、上述のような問題点を解決するために、金属アルミニウムやアルミニウム合金(以下、『金属アルミニウム等』と記載する)と反応して組織強度を高める効果を持つ添加物を鋭意研究した結果、熱処理温度域の少なくとも一部において、窒化アルミニウムと比較して不安定な窒化物、すなわち『金属アルミニウム等との反応により窒化アルミニウム(酸窒化アルミニウム、炭窒化アルミニウム等)を生成しうる窒化物』を金属アルミニウム等と同時添加して、成形体を非酸化性窒素雰囲気下で熱処理することで、窒化物および添加されている金属アルミニウム等の酸化を抑制しつつ熱処理過程における金属アルミニウム等の窒化反応を促進し、熱処理体の耐熱衝撃性を飛躍的に高められることを見出した。さらに、添加原料間の反応によって生成する窒化アルミニウムは、雰囲気ガスとの反応によって気孔付近で生成する窒化アルミニウムと異なり、耐火物中の気孔を過剰に埋めることがないためにピッチ含浸可能な組織を維持できる。・・・」 (ウ)前記(イ)(a)によれば、本願発明においては、窒化アルミニウムと比較して不安定な窒化物であるSi_(3)N_(4)等を金属アルミニウム等と同時添加したうえで、成形体を非酸化性窒素雰囲気下で、すなわち、前記相違点1において特定される、「N_(2)を主体とし、O_(2)濃度が0.1体積%以下、CO+CO_(2)濃度が20体積%以下の非酸化性雰囲気中」で熱処理することで、窒化物および添加されている金属アルミニウム等の酸化を抑制しつつ熱処理過程における金属アルミニウム等の窒化反応を促進し、熱処理体の耐熱衝撃性を飛躍的に高められるものであり、更に、添加原料間の反応によって生成する窒化アルミニウムは、雰囲気ガスとの反応によって気孔付近で生成する窒化アルミニウムと異なり、耐火物中の気孔を過剰に埋めることがないために、ピッチ含浸可能な組織を維持でき、ピッチ含浸性が向上するものと認められる。 (エ)これに対し、引用文献1?2の記載では、引用発明1の熱処理を変更したとしても、引用発明1の成形体に含まれるAlが窒化されることが予測できるにすぎず、AlとSi_(3)N_(4)が反応することは予測し得ない。 そして、前記(イ)(a)に記載された作用機序により、本願発明が、引用文献1、2の記載から当業者が予期し得ない効果を奏することが、本願明細書に記載された以下の(b)?(d)の「実施例1」、「比較例3、4」、「比較例9」により確認できる。 (b)「【0037】 【表1】 」 (c)「【0039】 【表3】 」 (d)「【0041】 ・・・ 比較例3、4は、Alを5質量%(当審注:「5質量%」は「4質量%」の誤記と認められる)、窒化物としてZrN、AlNをそれぞれ1質量%配合したもので、最高温度1250℃、O_(2)濃度0.01体積%、CO+CO_(2)濃度3体積%の雰囲気下で熱処理を行ったものである。強度、耐酸化性、耐食性は良好だが耐熱衝撃性とピッチ含浸性が不足しており、実機使用回数は8回であった。ZrN、AlNはAlと反応して新たにアルミニウム含有窒化物を形成しないため、耐熱衝撃性向上の効果が得られなかった。 ・・・ 比較例9は、Alを4質量%、窒化物としてSi_(3)N_(4)を1質量%配合したもので、最高温度1250℃、大気雰囲気下でプレート耐火物を炭素粉末(コークスブリーズ)中に埋没し、熱処理を行い、炭素粉末とO_(2)の反応によって実質的な熱処理雰囲気はO_(2)濃度0.01体積%、CO+CO_(2)濃度35体積%となったものであり、特許文献3の条件に該当する。耐熱衝撃性、耐食性とピッチ含浸性が不足しており、実機使用回数は7回であった。 ・・・」 (オ)すなわち、本願発明の実施例1に対し、配合組成は同一だが、熱処理がコークスブリーズである比較例9は、引用発明1の製造方法に相当するものであり、一方、熱処理条件は同一だが、Si_(3)N_(4)、BN、Mg_(3)N_(2)、CrNを含まない比較例3、4は、引用文献2に記載された製造方法に相当する。 (カ)前記(エ)?(オ)によれば、本願発明は、前記(ウ)の作用機序により、引用文献1及び2に記載される製造方法と比較して、更にピッチ含浸性が優れ、実機耐用回数の多い「スライディングノズル用炭素含有プレート耐火物」が得られる、という引用文献1及び2の記載事項からは当業者が予測し得ない効果を奏することが確認できる。 (キ)してみれば、前記相違点1に係る本願発明1の発明特定事項とすることにより、引用文献1及び2の記載事項からは当業者が予測し得ない効果を奏するといえるから、本願発明1を、引用発明1及び引用文献2の記載に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 (2)本願発明2について ア 対比・判断 (ア)本願発明2は請求項1を引用するものであって、本願発明2と引用発明1とを対比した場合、本願発明2と引用発明1とは、少なくとも前記相違点1を有するものである。 (イ)そして、前記相違点1に係る本願発明1の発明特定事項とすることにより、引用文献1及び2の記載事項からは当業者が予測し得ない効果を奏するといえるから、本願発明1を、引用発明1及び引用文献2の記載に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえないことは、上記(1)イ(キ)に記載のとおりである。 (ウ)したがって、同様の理由により、本願発明2も、引用発明1及び引用文献2の記載事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 第5 むすび 以上のとおりであるから、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2019-05-20 |
出願番号 | 特願2016-78682(P2016-78682) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(C04B)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 谷本 怜美、小川 武、増山 淳子、原 和秀 |
特許庁審判長 |
大橋 賢一 |
特許庁審判官 |
金 公彦 小川 進 |
発明の名称 | スライディングノズル用炭素含有プレート耐火物の製造方法 |
代理人 | 曾我 道治 |
代理人 | 梶並 順 |
代理人 | 大宅 一宏 |