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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C02F
審判 全部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮  C02F
審判 全部申し立て 判示事項別分類コード:857  C02F
審判 全部申し立て 2項進歩性  C02F
管理番号 1352271
異議申立番号 異議2018-700668  
総通号数 235 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-07-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-08-10 
確定日 2019-04-12 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6278227号発明「用水の処理方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6278227号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の〔1?5〕、〔6?10〕について訂正することを認める。 特許第6278227号の請求項1?10に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯

本件特許第6278227号(以下、「本件特許」という。)の請求項1?6に係る特許についての出願は、平成26年3月27日を出願日(以下、「本件特許の原出願日」という。)とする特願2014-67270号の一部を平成29年11月16日に新たな特許出願としたものであって、平成30年1月26日に特許権の設定登録がされ、同年2月14日に特許掲載公報が発行され、その後、本件特許の請求項1?6に係る特許に対し、同年8月10日付けで特許異議申立人 高橋勇(以下「異議申立人」という。)により、甲第1号証?甲第8号証を証拠方法とする特許異議の申立てがされ、同年10月31日付けで特許権者に取消理由が通知され、その指定期間内の同年12月27日付けで特許権者より、乙第1号証等を証拠方法とする意見書の提出及び訂正(以下、「本件訂正」という。)請求がされ、平成31年1月8日付けで訂正請求があった旨が異議申立人に通知され、その指定期間内の同年2月5日差出しで異議申立人により、参考資料1?4が添付された意見書が提出されたものである。

(証拠方法)
甲第1号証:特表2003-532113号公報
甲第2号証:特開平7-308516号公報
甲第3号証:特表2007-535402号公報
甲第4号証:特表2013-531705号公報
甲第5号証:特開2001-170687号公報
甲第6号証:特開2004-211137号公報
甲第7号証:国際公開第03/096810号
甲第8号証:特開平8-5283号公報

乙第1号証:P.L.SMART et al.,"An Evaluation of Some Fluorescent
Dyes for Water Tracing",WATER RESOURCES
RESEARCH, VOL13,NO.1(1977), p.15?33

参考資料1:特開2001-170687号公報(甲第5号証)
参考資料2:特開平9-52090号公報
参考資料3:特開平8-283967号公報
参考資料4:特開2013-192977号公報


第2 本件訂正の適否についての判断
本件訂正の請求の趣旨、及び、訂正の内容は、本件訂正請求書の記載によれば、それぞれ以下のとおりのものである。

1. 請求の趣旨
本件特許の特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1?5、6?10について訂正することを求める。

2. 訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は以下のとおりである。
(1) 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、
「カルボン酸およびカルボン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一つの単量体単位を有する水溶性重合体とスルホン化ピレン系化合物とを含み、かつ、pHが12以上に調整されている水処理剤を用水に対して添加する、
用水の処理方法。」
とあるのを、
「カルボン酸およびカルボン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一つの単量体単位を有する水溶性重合体とスルホン化ピレン系化合物とを含み、前記水溶性重合体がポリマレイン酸を含み、かつ、pHが12以上に調整されている水処理剤を用水に対して添加する、
用水の処理方法。」
に訂正し、その結果として、請求項1を引用する請求項2?5も訂正する。

(2) 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項6に「日光の照射環境下において前記水処理剤を前記用水に対して添加する、請求項1から5のいずれかに記載の用水の処理方法。」と記載されているもののうち、訂正前の請求項1を引用するものについて、請求項6において独立形式に改めるとともに、訂正前の請求項2?5を引用するものについて、請求項7?10に、順次、書き下したものとして、次のように訂正する。
「【請求項6】
カルボン酸およびカルボン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一つの単量体単位を有する水溶性重合体とスルホン化ピレン系化合物とを含み、かつ、pHが12以上に調整されている水処理剤を日光の照射環境下において用水に対して添加する、
用水の処理方法。
【請求項7】
前記水処理剤に含まれる前記スルホン化ピレン系化合物がピレンテトラスルホン酸およびピレンテトラスルホン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一つである、請求項6に記載の用水の処理方法。
【請求項8】
前記水処理剤がホスホン酸およびホスホン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一つのホスホン酸系化合物をさらに含む、請求項6または7に記載の用水の処理方法。
【請求項9】
前記水処理剤がアゾ-ル系化合物をさらに含む、請求項6から8のいずれかに記載の用水の処理方法。
【請求項10】
前記アゾ-ル系化合物が1,2,3-ベンゾトリアゾールである、請求項9に記載の用水の処理方法。 」


2. 訂正の目的の適否、一群の請求項、新規事項の有無、及び特許請求
の範囲の拡張・変更の存否
(1) 訂正事項1について
訂正事項1は、訂正前の請求項1における、「カルボン酸およびカルボン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一つの単量体単位を有する水溶性重合体」を、本件特許の明細書の【0016】、【0029】?【0030】、及び、【0034】?【0038】の記載事項に基づいて、「ポリマレイン酸を含」むものに限定しようとする訂正事項であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張、又は変更するものでもない。

(2) 訂正事項2について
訂正事項2は、訂正前の請求項6が訂正前の請求項1?5の記載を引用して記載されていたところ、その訂正前の請求項6に記載されていたもののうち、訂正前の請求項1を引用するものについて、請求項6において独立形式に改めるとともに、訂正前の請求項2?5を引用するものについて、請求項7?10に、順次、書き下したものとする訂正事項であるから、請求項間の引用関係の解消をしようとするものであり、すなわち、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであり、そして、それらの請求項6?10に記載しようとしている内容は、訂正前の請求項6に記載されていたものであるから、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張、又は変更するものでもない。

(3) 独立特許要件について
本件特許の全請求項について特許異議の申立てがされたので、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第7項の規定が適用される請求項はなく、したがって、訂正事項1?2には、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第7項の規定は適用されない。

(4) 一群の請求項について
訂正前の請求項2?6は、訂正前の請求項1を引用する請求項であり、請求項1?6は一群の請求項であるところ、請求項1に係る訂正事項1を含む本件訂正は、一群の請求項に対して請求されたものであるから、特許法120条の5第4項に適合する。
但し、訂正前の請求項6に係る訂正事項2は、請求項1?5との引用関係の解消を目的とする訂正を含んでおり、特許権者から、訂正事項2による訂正後の請求項6?10について訂正が認められる場合には、他の請求項とは別の訂正単位として扱われることの求めがあったことから、訂正後の請求項6?10を別の訂正単位と認める。


3. 小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項ただし書第1号、及び、第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第5項から第6項までの規定に適合するので、訂正後の請求項〔1?5〕、〔6?10〕について訂正することを認める。


第3 本件訂正発明
上記第2のとおり訂正することを認めるので、本件特許の特許請求の範囲の請求項1?10に係る発明(以下、それぞれ、「本件訂正発明1」?「本件訂正発明10」ということがあり、また、これらを、まとめて、「本件訂正発明」ということがある。)は、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲の請求項1?10に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。

「【請求項1】
カルボン酸およびカルボン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一つの単量体単位を有する水溶性重合体とスルホン化ピレン系化合物とを含み、前記水溶性重合体がポリマレイン酸を含み、かつ、pHが12以上に調整されている水処理剤を用水に対して添加する、
用水の処理方法。
【請求項2】
前記水処理剤に含まれる前記スルホン化ピレン系化合物がピレンテトラスルホン酸およびピレンテトラスルホン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一つである、請求項1に記載の用水の処理方法。
【請求項3】
前記水処理剤がホスホン酸およびホスホン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一つのホスホン酸系化合物をさらに含む、請求項1または2に記載の用水の処理方法。
【請求項4】
前記水処理剤がアゾ-ル系化合物をさらに含む、請求項1から3のいずれかに記載の用水の処理方法。
【請求項5】
前記アゾ-ル系化合物が1,2,3-ベンゾトリアゾールである、請求項4に記載の用水の処理方法。
【請求項6】
カルボン酸およびカルボン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一つの単量体単位を有する水溶性重合体とスルホン化ピレン系化合物とを含み、かつ、pHが12以上に調整されている水処理剤を日光の照射環境下において用水に対して添加する、
用水の処理方法。
【請求項7】
前記水処理剤に含まれる前記スルホン化ピレン系化合物がピレンテトラスルホン酸およびピレンテトラスルホン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一つである、請求項6に記載の用水の処理方法。
【請求項8】
前記水処理剤がホスホン酸およびホスホン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一つのホスホン酸系化合物をさらに含む、請求項6または7に記載の用水の処理方法。
【請求項9】
前記水処理剤がアゾ-ル系化合物をさらに含む、請求項6から8のいずれかに記載の用水の処理方法。
【請求項10】
前記アゾ-ル系化合物が1,2,3-ベンゾトリアゾールである、請求項9に記載の用水の処理方法。 」


第4 特許異議の申立てについて
1. 申立理由の概要
異議申立人は、特許異議申立書において、以下の申立理由1?2によって、本件訂正前の請求項1?6に係る特許を取り消すべきものである旨主張している。

(1) 申立理由1(特許法第29条第1項第3号について(同法第113
条第1項第2号))
本件訂正前の請求項1?4、6に係る発明は、甲第1号証に記載された発明である。

(2) 申立理由2(特許法第29条第2項について(同法第113条第1
項第2号))
本件訂正前の請求項1?6に係る発明は、甲第1号証に記載された発明に、甲第1?8号証に記載の、本件特許に係る出願前の周知技術を組み合わせたものにすぎず、当業者が容易に発明することができたものである。


2. 取消理由の概要
本件訂正前の請求項1?6に係る発明に対して、平成30年10月31日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。
(1) 本件特許の請求項1?4に係る発明は、本件特許の原出願日前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物1に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、本件特許の請求項1?4に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。
(2) 本件特許の請求項1?6に係る発明は、本件特許の原出願日前に日本国内または外国において頒布された下記の刊行物1?4に記載された発明に基いて、本件特許の原出願日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項1?6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。


刊行物1:特表2003-532113号公報(甲第1号証)
刊行物2:特開平7-308516号公報(甲第2号証)
刊行物3:特開2001-170687号公報(甲第5号証)
刊行物4:特開平8-5283号公報(甲第8号証)


3. 当審の判断
(1) 各刊行物の記載事項(当審注:「…」は記載の省略を表す。)
(1-1) 刊行物1(甲第1号証)の記載事項
刊行物1の記載事項は、次のア.に示したとおりである。
ア. 「【0063】
【実施例】
(実施例1)
小規模の産業用冷却システムの操業を再現するため、標準的な実験パイロット冷却タワー(PCT)を作製した。典型的な冷却水処理剤試料を含んだ添加剤が処方された。この処方は、50重量%の水と、4重量%のホスホノブタントリカルボキシル酸(ナトリウム塩)、3.5重量%のヒドロキシエチリデンジホスホリック酸(カリウム塩)、3重量%のアクリレート/アクリルアミドポリマー、3重量%のトリルトリアゾール(ナトリウム塩)、0.1重量%のピレンテトラスルホン酸(ナトリウム塩)、及び0.05重量%のフルオレセインとの組み合わせである。この溶液は50%の水酸化ナトリウムによってph13に調製され、それ以上の処理無しで使用された。実験パイロット冷却タワー(PCT)は、補給源として米国イリノイ州シカゴの水道水で運転され、濃度サイクルは4サイクルを保持するようにセットされた。
【0064】
この実施例に使用されたモジュール式蛍光光度計は2つのモジュール式蛍光光度計ユニットとひとつのコントローラーとを備えていた。…

【0066】
…コントローラーは各モジュール式蛍光光度計ユニットの蛍光性を独立して測定するためのソフトウエアにより構成された。コントローラーはまた、第一のモジュール式蛍光光度計により測定されたものとしての、測定されたピレンテトラスルホン酸(ナトリウム塩)の蛍光信号に基づいて50±1ppmの管理値によりPCTへの化学製品の添加を管理できるように、十分な数のアナログ入力/出力を有した。化学製品のレベルは、モジュール式蛍光光度計コントローラーにより化学物質供給ポンプが電気的にコントロールされたオン/オフ方式により管理された。もし、測定された蛍光信号が49ppmより落ち込んだ場合、化学物質供給ポンプは運転開始され、レベルが51ppmになるまで継続され、そして運転終了する。」

(1-2) 刊行物2(甲第2号証)の記載事項
刊行物2の記載事項は、次のイ.に示したとおりである。
イ. 「【0065】上記のように、活性な水処理剤として使用する高分子電解質にはスケール抑制剤、腐食防止剤、分散剤、界面活性剤、消泡剤、凝集剤等がある(これらの分類に限定されるものではない)。これらの高分子電解質水処理剤は、限定されるものではないが、合成の水溶性ポリマーであることができる。次に記載する高分子電解質水処理剤は代表的なものであり、限定されるものではない。
【0066】スケール防止プログラムは通常は多成分抑制剤、例えば高分子電解質を高分子の結晶改質剤/分散剤と一緒に使用するが、1成分だけの活性成分配合物や全ポリマープログラムも周知である。高分子のスケール抑制剤成分は、最も一般にはマレイン酸ポリマーとその塩、(メタ)アクリル酸ポリマーとその塩、スルホン化ポリマー、例えばスルホン化スチレン又はスルホン化N-アルキル置換(メタ)アクリルアミドモノマー単位とその塩を含むポリマー、及び複数のアニオン系モノマー単位を含むポリマーである。

【0083】本発明の1つの好ましい態様において、監視する高分子電解質は、約0?95モル%の(メタ)アクリルアミドモノマー単位(ノニオン系であるが極性のあるモノマー単位)と、約5?100モル%のアニオン系モノマー単位を含む。アニオン系モノマー単位は付加的なカルボキシル基を含むことができ、例えば(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸、その他から誘導されたモノマー単位、及びそれらと1価のカチオンとの塩(それらの1価の塩)、特にそれらのナトリウム塩であり、好ましくはそのアニオン系モノマー単位は1価の塩の形態である。」

(1-3) 刊行物3(甲第5号証)の記載事項
刊行物3の記載事項は、次のウ.に示したとおりである。
ウ. 「【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明する。本発明の次亜塩素酸塩を含有する安定な水処理剤組成物は、次亜塩素酸塩とホスフィン酸基又はホスホン酸基を有するモノエチレン性不飽和カルボン酸重合体(以下「ホスフィン酸基又はホスホン酸基を有する重合体」と記す)を含む水溶液からなっている。

【0014】ホスフィン酸基を有する重合体は、例えば次亜リン酸塩の水溶液に重合開始剤の存在下にモノエチレン性不飽和カルボン酸の水溶液を滴下して重合させることにより得ることができる(特開昭55-11092号公報、特開昭63-114986号公報、特公平6-47713号公報参照)。
【0015】ここでモノエチレン性不飽和カルボン酸は例えばアクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、メタクリル酸、クロトン酸、フマル酸等であり、また一部をこれらモノエチレン性不飽和カルボン酸と共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体と置き換えてもよい。…」

(1-4) 刊行物4(甲第8号証)の記載事項
刊行物4の記載事項は、次のエ.に示したとおりである。
エ. 「【0002】
【従来の技術】通常、冷却塔はビルの屋上に設置されている。そして、長期間の運転によって循環する水は濃縮され、冷凍機等の機器にスケールの付着による運転障害、水の温度上昇、溶存酸素、及び水中の腐食因子等による機器や配管の腐食、水中の微生物、大気中の塵埃、土砂等が混成したスライムや、水の汚れから発生するスラッジによる配管の詰り、病原菌の発生等の問題を惹き起こす。このため、冷却塔には必要量の薬液を注入し、スケール、腐食、スライム、スラッジの発生を防止し、且つ殺菌を行い、安定した運転を行うことが必要である。」


(2) 刊行物1(甲第1号証)に記載された発明
2ア. 上記(1-1)ア.の【0063】によれば、刊行物1には、小規模の産業用冷却システムの操業を再現するために処方された、水とホスホノブタントリカルボキシル酸(ナトリウム塩)とヒドロキシエチリデンジホスホリック酸(カリウム塩)とアクリレート/アクリルアミドポリマーとトリルトリアゾール(ナトリウム塩)とピレンテトラスルホン酸(ナトリウム塩)とフルオレセインとの組み合わせであり、水酸化ナトリウムによってph13(当審注:「ph13」は「pH13」の誤記と認める。)に調製された、冷却水処理剤を用い、米国イリノイ州シカゴの水道水で運転されるパイロット冷却タワー(PCT)を作製したことが記載されていると認められる。

2イ. そして、上記(1-1)ア.の【0064】?【0066】によれば、米国イリノイ州シカゴの水道水で運転され、パイロット冷却タワー(PCT)は、2つのモジュール式蛍光光度計ユニットとひとつのコントローラーとを備えており、そのコントローラーは、各モジュール式蛍光光度計ユニットの蛍光性を独立して測定するためのソフトウエアにより構成され、また、測定されたピレンテトラスルホン酸(ナトリウム塩)の蛍光信号に基づいて、PCTにおける冷却水処理剤の添加を管理できるように、十分な数のアナログ入力/出力を有しており、そのコントローラーによる冷却水処理剤の供給ポンプのオン/オフ方式の制御により、冷却水中のピレンテトラスルホン酸(ナトリウム塩)の濃度が所定濃度に管理されたことが記載されていると認められる。

2ウ. 上記2ア.?2イ.の検討からすると、水道水で運転されるパイロット冷却タワー(PCT)においては、前記水道水が補給される冷却水に、上記3ア.に示された冷却水処理剤が添加されて、その冷却水中のピレンテトラスルホン酸(ナトリウム塩)の濃度が所定濃度になるように処理されていると認められる。

2エ. 上記2ア.?2ウ.の検討を踏まえ、冷却水の処理方法に注目すると、刊行物1には、次の発明(以下、「刊行物1発明」という。また、「甲第1号証発明」ということもある。)が記載されていると認められる。
「水道水で運転されるパイロット冷却タワーにおいて、前記水道水が補給される冷却水に、水とホスホノブタントリカルボキシル酸(ナトリウム塩)とヒドロキシエチリデンジホスホリック酸(カリウム塩)とアクリレート/アクリルアミドポリマーとトリルトリアゾール(ナトリウム塩)とピレンテトラスルホン酸(ナトリウム塩)とフルオレセインとの組み合わせであり、水酸化ナトリウムによってpH13に調製された、冷却水処理剤を添加する、前記冷却水の処理方法。」


(3) 本件訂正発明と刊行物1発明との対比・判断
(3-1) 本件訂正発明1と刊行物1発明との対比・判断
ア. 本件訂正発明1と、上記(2)2エ.に示した、刊行物1発明とを対比すると、刊行物1発明における「アクリレート/アクリルアミドポリマー」、「ピレンテトラスルホン酸(ナトリウム塩)」、「冷却水処理剤」、「前記水道水が補給される冷却水」、「前記冷却水の処理方法」は、それぞれ、本件訂正発明1における「カルボン酸およびカルボン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一つの単量体単位を有する水溶性重合体」、「スルホン化ピレン系化合物」、「水処理剤」、「用水」、「用水の処理方法」に相当し、また、刊行物1発明における「組み合わせであ」ること、「水酸化ナトリウムによってpH13に調製された」こと、「前記水道水が補給される冷却水に」「冷却水処理剤を添加する」ことは、それぞれ、本件訂正発明1における「含み」、「pHが12以上に調整されている」、「水処理剤を用水に対して添加する」に相当する。
してみると、両者は、以下の点で一致し、以下の点で相違していると認められる。
<一致点>
カルボン酸およびカルボン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一つの単量体単位を有する水溶性重合体とスルホン化ピレン系化合物とを含み、かつ、pHが12以上に調整されている水処理剤を用水に対して添加する、用水の処理方法の点。

<相違点>
相違点A:前記水溶性重合体が、本件訂正発明1においては「ポリマレイン酸を含」むのに対し、刊行物1発明においては、アクリレート/アクリルアミドポリマーであり、「ポリマレイン酸を含」まない点。

イ. そこで、上記相違点Aにつき検討するに、この相違点は、本件訂正発明1においては「ポリマレイン酸を含」むのに対し、刊行物1発明においては、アクリレート/アクリルアミドポリマーであり、「ポリマレイン酸を含」まないという相違点であるから、実質的な相違点である。
そのため、本件訂正発明1が刊行物1に記載された発明であるとはいえない。

ウ. また、用水の処理にポリマレイン酸を用いることに関しては、刊行物4には記載がないし、刊行物2には上記(1-2)のイ.に示したとおりの記載事項があるだけであるし、また、刊行物3には上記(1-3)のウ.に示したとおりの記載事項があるだけであるし、また、用水の処理にスルホン化ピレン系化合物を用いることに関しては、刊行物2?4のいずれにも記載がないことから、用水の処理に、アクリル酸ポリマーとして、アクリレート/アクリルアミドポリマーを用い、スルホン化ピレン系化合物も用いる刊行物1発明において、当該アクリレート/アクリルアミドポリマーに追加してポリマレイン酸を用いること、あるいは、当該アクリレート/アクリルアミドポリマーに代えてポリマレイン酸を用いることが示唆されているわけではない。
さらに、用水の処理にアクリレート/アクリルアミドポリマーを用い、スルホン化ピレン系化合物も用いる刊行物1発明において、当該アクリレート/アクリルアミドポリマーに追加してポリマレイン酸を用いること、あるいは、当該アクリレート/アクリルアミドポリマーに代えてポリマレイン酸を用いることが技術常識であるともいえない。

エ. ところで、上記相違点Aに係る発明特定事項を備える、本件訂正発明1は、本件特許の明細書の【0013】等の記載によれば、日光の照射環境においてもスルホン化ピレン系化合物が劣化しにくいとの作用効果を奏するものである。
これに対して、刊行物1発明は、上記(2)2エ.に示したとおり、水道水が補給される冷却水に、フルオレセインを含有する冷却水処理剤を添加する、処理方法である。
ここで、フルオレセインというのは、例えば、乙第1号証における、「Of the commonly used fluorescent dyes, fluorescein(Colour Index(CI)45350[Society of Dyers and Colourists,1971])has been used since the end of the nineteenth century[Dole,1906].It is visibly detectable in low concentrations but has very poor stability under sunlight.」(p.15 左欄24?28行)(当審訳:一般的に使われる蛍光塗料フルオレセイン(カラーインデックス(CI)45350[Society of Dyers and Colourists,1971])は、19世紀末から使用されている。それは、低濃度で視覚的に検出可能であるが、日光下での安定性は非常に低い。)、「The decay rates are very high for fluorescain, which rapidly loses its fluoresence under bright sunlight conditions.」(p.24 右欄14?16行)(当審訳:フルオレセインの減衰速度は非常に速く、明るい日照条件下ではその蛍光を急速に失う。)との記載によれば、日光の照射環境では急速に蛍光を失う蛍光塗料であるから、そのようなフルオレセインを含有する、刊行物1発明で用いられる、冷却水処理剤は、技術常識に照らすと、日光の照射環境で用いることが想定できない水処理剤である。
してみると、本件訂正発明1が奏する、日光の照射環境においてもスルホン化ピレン系化合物が劣化しにくいとの作用効果は、刊行物1?4の記載を考慮しても、日光の照射環境で用いることが想定できない水処理剤に関する刊行物1発明に基づいて当業者が予測し得るものとはいえない。

オ. 上記ウ.?エ.の検討からすると、刊行物1発明に上記相違点Aに係る本件訂正発明1の発明特定事項を備えさせることは、刊行物1?4の記載事項、周知技術及び技術常識に基いても、当業者が容易になし得たこととはいえないし、また、本件訂正発明1は、刊行物1?4の記載からは予測し得ない作用効果を奏するものである。
したがって、本件訂正発明1は、刊行物1発明、刊行物1?4の記載事項、周知技術及び技術常識に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。


(3-2) 本件訂正発明2?5と刊行物1発明との対比・判断
本件訂正発明2?5は、本件訂正発明1の発明特定事項の全てを備えたものであるから、上記(3-1)での検討と同様にして、刊行物1に記載された発明であるとはいえないし、刊行物1発明、刊行物1?4の記載事項、周知技術及び技術常識に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。


(3-3) 本件訂正発明6と刊行物1発明との対比・判断
カ. 本件訂正発明6と、上記(2)2エ.に示した、刊行物1発明とを対比すると、刊行物1発明における「アクリレート/アクリルアミドポリマー」、「ピレンテトラスルホン酸(ナトリウム塩)」、「冷却水処理剤」、「前記水道水が補給される冷却水」、「前記冷却水の処理方法」は、それぞれ、本件訂正発明6における「カルボン酸およびカルボン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一つの単量体単位を有する水溶性重合体」、「スルホン化ピレン系化合物」、「水処理剤」、「用水」、「用水の処理方法」に相当し、また、刊行物1発明における「組み合わせであ」ること、「水酸化ナトリウムによってpH13に調製された」こと、「前記水道水が補給される冷却水に」「冷却水処理剤を添加する」ことは、それぞれ、本件訂正発明6における「含み」、「pHが12以上に調整されている」、「水処理剤を用水に対して添加する」に相当する。
してみると、両者は、以下の点で一致し、以下の点で相違していると認められる。
<一致点>
カルボン酸およびカルボン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一つの単量体単位を有する水溶性重合体とスルホン化ピレン系化合物とを含み、かつ、pHが12以上に調整されている水処理剤を用水に対して添加する、用水の処理方法の点。

<相違点>
相違点B:水処理剤を用水に対して添加するのを、本件訂正発明6においては「日光の照射環境下において」行うのに対し、刊行物1発明では、そのように行うのか明らかではない点。

キ. そこで、上記相違点Bにつき検討するに、上記(1-4)のエ.に示した刊行物4の記載事項のとおり、冷却システムの操業が行われる冷却塔は、通常、ビルの屋上に設置されており、そして、ビルの屋上とは、日光に晒される環境であるところ、刊行物1発明は、上記(2)2ア.の検討のとおり、小規模の産業用冷却システムの操業のためのものであるが、上記(2)2エ.に示したとおり、水道水が補給される冷却水に、フルオレセインを含有する冷却水処理剤を添加する、処理方法である。
ここで、フルオレセインというのは、上記エ.で検討したとおり、日光の照射環境では急速に蛍光を失う蛍光塗料であるから、技術常識に照らすと、そのようなフルオレセインを含有する刊行物1発明における冷却水処理剤を、日光の照射環境で用いることは想定できず、すなわち、冷却システムの操業が行われる冷却塔は、通常、ビルの屋上に設置されているとの刊行物4の記載事項を、刊行物1発明に適用することには阻害事由がある。
また、本件訂正発明6が奏する、日光の照射環境においてもスルホン化ピレン系化合物が劣化しにくいとの作用効果は、刊行物1?4の記載を考慮しても、日光の照射環境で用いることが想定できない水処理剤に関する、刊行物1の記載に基づいて予測し得るものではない。
してみると、本件訂正発明6は、刊行物1発明、刊行物1?4の記載事項、周知技術及び技術常識に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。


(3-4) 本件訂正発明7?10と刊行物1発明との対比・判断
本件訂正発明7?10は、本件訂正発明6の発明特定事項の全てを備えたものであるから、上記(3-3)での検討と同様にして、刊行物1発明、刊行物1?4の記載事項、周知技術及び技術常識に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。


(3-5) 小括
上記(3-1)?(3-4)の検討を踏まえると、上記2.の(1)?(2)の取消理由によっては、本件訂正発明に係る特許を取り消すことができない。


(4) 申立理由について
上記1.に示した申立理由1?2は、刊行物1である甲第1号証を主たる引用文献とする、特許法第29条第1項第3号および同法同条第2項についての主張であるから、上記2.の(1)?(2)の取消理由に含まれているところ、上記(3-1)?(3-4)の検討を踏まえると、上記1.に示した申立理由1?2によっては、本件訂正発明に係る特許を取り消すことができない。


(5) 補足
サ. 異議申立人は、平成31年2月5日差出の意見書に、参考資料1?参考資料4を添付して、同意見書において、参考資料1(甲第5号証)の段落0050には、「冷却水系」に用いることができる「カルボン酸およびカルボン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一つの単量体単位を有する水溶性重合体とを含み、前記水溶性重合体がポリマレイン酸を含み、かつ、pHが12以上に調整されている水処理剤」が記載され、そのような「水処理剤」は参考資料2にも記載されており、訂正後の本件特許の請求項1の「前記水溶性重合体がポリマレイン酸を含」むと云う構成要件は周知の技術であるので、当業者が採用することは容易である旨主張し、また、訂正後の本件特許の請求項6ないし請求項10については、本件特許の実施例1および比較例1の水処理剤での蛍光強度の残存率は71.8%および68.9%と、ともに30%近くの蛍光強度が損失しており、両者の差はわずか2.9%で、「pH12以上」とする本件特許の臨界的意義は非常に乏しく、かつ、発明の効果自体も低いものであるし、水処理分野の「当業者」が水処理剤を用水に添加するときには、参考資料4に記載されているように、日光を通す、透明なポリ塩化ビニル製ホースを使用し、わざわざ遮光して用いることはない旨主張するとともに、訂正後の本件特許の請求項6ないし請求項10が維持された場合には、甲第1号証の出願人自身が甲第1号証に記載の「典型的な冷却水処理剤試料を含んだ添加剤」をビル屋上の冷却塔の冷却水の添加することさえも排除することとなる旨主張している。

シ. しかしながら、参考資料1(甲第5号証)の【0050】に記載される、比較製剤例-1は、その【0057】によれば、沈殿および異臭を生じた例であるから、甲第1号証発明との組合せに適さないし、また、参考資料2に記載される「水処理剤」は、「アクリル酸ポリマー又はマレイン酸系ポリマーを有効成分と」する(【請求項1】)といった選択的事項が把握できるにとどまるし、また、参考資料1?4のいずれにも、水処理剤がスルホン化ピレン系化合物を含むことは記載も示唆もされていない。
してみると、アクリル酸ポリマーとして、アクリレート/アクリルアミドポリマーを含み、スルホン化ピレン系化合物も含む、水処理剤を用水の処理に用いる甲第1号証発明において、当該アクリレート/アクリルアミドポリマーに追加してポリマレイン酸を用いること、あるいは、当該アクリレート/アクリルアミドポリマーに代えてポリマレイン酸を用いることが把握できるわけではない。
したがって、参考資料1?4の記載を根拠とした、本件訂正発明1の「前記水溶性重合体がポリマレイン酸を含」むとの特定事項は、当業者が採用することは容易である旨の異議申立人の主張は妥当性を欠いており、採用し得ない。

ス. また、本件訂正発明6?10については、上記(3-3)?(3-4)で検討したとおり、甲第1号証発明は、水道水が補給される冷却水に、フルオレセインを含有する冷却水処理剤を添加する、用水の処理方法であるところ、フルオレセインというのは日光の照射環境では急速に蛍光を失う蛍光塗料であるから、そのようなフルオレセインを含有する甲第1号証発明における冷却水処理剤は、技術常識に照らすと、日光の照射環境で用いることが想定できない水処理剤であり、冷却システムの操業が行われる冷却塔は、通常、ビルの屋上に設置されているとの刊行物4の記載事項を、刊行物1発明に適用することには、阻害事由があるし、また、本件訂正発明6が奏する、日光の照射環境においてもスルホン化ピレン系化合物が劣化しにくいとの作用効果は、臨界的意義が乏しいとしても、日光の照射環境で用いることを想定できない水処理剤に関する、甲第1号証の記載に基づいて予測し得るものではなく、また、水処理剤を用水に添加するときには、参考資料4記載のような、日光を通す、透明なポリ塩化ビニル製ホースを使用する場合があるとしても、フルオレセインを含有する甲第1号証記載の発明における冷却水処理剤は、参考資料4記載のような、日光を通す、透明なポリ塩化ビニル製ホースの使用に適さないことも明らかである。
それらのため、本件訂正発明6?10に対する異議申立人の主張も妥当性を欠いており、採用し得ない。


第5 むすび
以上のとおり、取消理由、特許異議の申立理由、及び、証拠方法によっては、本件特許の請求項1?10に係る特許を取り消すことができない。
さらに、他に本件特許の請求項1?10に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボン酸およびカルボン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一つの単量体単位を有する水溶性重合体とスルホン化ピレン系化合物とを含み、前記水溶性重合体がポリマレイン酸を含み、かつ、pHが12以上に調整されている水処理剤を用水に対して添加する、用水の処理方法。
【請求項2】
前記水処理剤に含まれる前記スルホン化ピレン系化合物がピレンテトラスルホン酸およびピレンテトラスルホン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一つである、請求項1に記載の用水の処理方法。
【請求項3】
前記水処理剤がホスホン酸およびホスホン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一つのホスホン酸系化合物をさらに含む、請求項1または2に記載の用水の処理方法。
【請求項4】
前記水処理剤がアゾ-ル系化合物をさらに含む、請求項1から3のいずれかに記載の用水の処理方法。
【請求項5】
前記アゾ-ル系化合物が1,2,3-ベンゾトリアゾールである、請求項4に記載の用水の処理方法。
【請求項6】
カルボン酸およびカルボン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一つの単量体単位を有する水溶性重合体とスルホン化ピレン系化合物とを含み、かつ、pHが12以上に調整されている水処理剤を日光の照射環境下において用水に対して添加する、
用水の処理方法。
【請求項7】
前記水処理剤に含まれる前記スルホン化ピレン系化合物がピレンテトラスルホン酸およびピレンテトラスルホン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一つである、請求項6に記載の用水の処理方法。
【請求項8】
前記水処理剤がホスホン酸およびホスホン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一つのホスホン酸系化合物をさらに含む、請求項6または7に記載の用水の処理方法。
【請求項9】
前記水処理剤がアゾ-ル系化合物をさらに含む、請求項6から8のいずれかに記載の用水の処理方法。
【請求項10】
前記アゾ-ル系化合物が1,2,3-ベンゾトリアゾールである、請求項9に記載の用水の処理方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2019-04-04 
出願番号 特願2017-220662(P2017-220662)
審決分類 P 1 651・ 857- YAA (C02F)
P 1 651・ 851- YAA (C02F)
P 1 651・ 121- YAA (C02F)
P 1 651・ 113- YAA (C02F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 佐々木 典子  
特許庁審判長 豊永 茂弘
特許庁審判官 後藤 政博
小川 進
登録日 2018-01-26 
登録番号 特許第6278227号(P6278227)
権利者 三浦工業株式会社
発明の名称 用水の処理方法  
代理人 市川 恒彦  
代理人 市川 恒彦  

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