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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A63F
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 A63F
管理番号 1352762
審判番号 不服2018-17352  
総通号数 236 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-08-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-12-27 
確定日 2019-07-09 
事件の表示 特願2016-101159号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成29年11月24日出願公開、特開2017-205386号、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成28年5月20日の出願であって、平成29年12月28日付けで手続補正がされ、平成30年3月6日付けで拒絶理由通知がされ、同年5月10日付けで手続補正がされ、同年9月20日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、同年12月27日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ、平成31年2月12日に前置報告がされたものである。

第2 原査定の概要
原査定(平成30年9月20日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

1.本願請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内において、頒布された下記の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。また、頒布された下記の引用文献1に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
2.本願請求項2に係る発明は、その出願前に日本国内において、頒布された下記の引用文献1及び周知慣用の技術に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特開2014-117284号公報

第3 本願発明
本願請求項1に係る発明(以下、それぞれ「本願発明」という。)は、平成30年12月27日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である(A?Mは分説のため当審で付した。)。

「A 変動表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
B 変動表示に関する情報を保留情報として記憶する保留記憶手段と、
C 前記保留情報に対応する対応表示を行う対応表示手段と、
D 前記対応表示の態様を変化させる変化演出を実行する変化演出実行手段と、
E 前記有利状態に制御するか否かを決定する決定手段と、
F 前記決定手段により前記有利状態に制御すると決定されている場合に、前記有利状態に制御すると決定されていない場合よりも高い割合で特定演出を変動表示中において実行する特定演出実行手段と、
G 前記決定手段による決定前に前記有利状態に制御されるか否かを判定する判定手段と、
H 前記対応表示手段により表示される対応表示の態様を第1態様と当該第1態様とは異なる第2態様とに決定可能であって、前記判定手段により前記有利状態に制御されると判定されている場合には、前記有利状態に制御されると判定されていない場合よりも高い割合で前記対応表示手段により表示される対応表示を前記第2態様に決定する表示態様決定手段と、
I 前記特定演出が実行される変動表示に対応する対応表示が前記第1態様で表示されている場合に、当該対応表示の表示態様を前記第2態様に変更する表示態様変更手段とを備え、
J 前記変化演出実行手段が複数の対応表示のうちの特定の対応表示の態様を変化させる変化演出を実行するときに、当該特定の対応表示を隠ぺいすることなく当該特定の対応表示以外の対応表示の少なくとも一部を隠ぺい画像により隠ぺいし、
K 前記特定の対応表示以外の対応表示の隠ぺいのされ方が複数種類のうちのいずれであるかに応じて、前記有利状態に制御される期待度が異なり、
D-1 前記変化演出実行手段は、前記隠ぺい画像が前記特定の対応表示に作用することにより、変化演出を実行し、
L 前記表示態様決定手段による決定により対応表示が前記第2態様となるときと、前記表示態様変更手段による変更により対応表示が前記第2態様となるときとで、前記有利状態に制御される期待度が異なる、
M 遊技機。」

第4 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2014-117284号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。

(ア)「【0013】
以下、図1?図91を用いて、本発明を適用することができる遊技台(例えば、パチンコ機等の弾球遊技機やスロットマシン等の回胴遊技機)について説明する。なお、図1?図91に示す符号は、原則として図1?図91を用いた説明にのみ用いることとし、重複する符号が他の図面に示されている場合であっても、図1?図91を用いた説明では図1?図91に示す符号を優先する。また、図1?図91を用いた説明においては、他の図面を用いた説明と区別するために符号の最後に「´(ダッシュ)」を付している。」

(イ)「【0041】
可変入賞口234´、235´は、大入賞口またはアタッカと呼ばれ、可変入賞口234´が遊技盤200´の中央部下方に1つだけ配設され、可変入賞口235´が右側経路上に1つだけ配設されている。可変入賞口234´、235´は、開閉自在な扉部材をそれぞれ備え、扉部材の閉鎖中は球の入球が不可能である。特図変動遊技に当選して特図表示装置が大当り図柄を停止表示した場合には、例えば可変入賞口234´、235´のうち一方の扉部材が所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口234´、235´への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152´を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126´に排出する。なお、可変入賞口234´、235´に入球した球は、パチンコ機100´の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
・・・
【0062】
<図柄の種類>
次に、図5(a)?(d)を用いて、パチンコ機100´の特図1表示装置212´、特図2表示装置214´、装飾図柄表示装置208´、普図表示装置210´が停止表示する特図および普図の種類について説明する。図5(a)は特図1の停止図柄態様の一例を示したものであり、図5(b)は特図2の停止図柄態様の一例を示したものである。特図1始動口230´に球が入球したことを第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、特図2始動口232´に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、特図1表示装置212´は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、特図2表示装置214´は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」を行う。これらの「特図1の変動表示」および「特図2の変動表示」が図柄の変動表示の一例に相当する。
・・・
【0064】
図5(a)には、特図1の図柄変動停止表示における停止図柄態様として「特図A」?「特図E」の5種類の特図が示されている。図5(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。「特図A」は15ラウンド(15R)特別大当り図柄であり、「特図B」は15R大当り図柄である。図1に示すパチンコ機100では、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと特別大当りの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態(以下、「特図確変」または単に「確変」という場合がある)と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。また、15R特別大当り遊技終了後および15R大当り遊技終了後にはいずれも時短状態(電サポ状態)に移行する。時短については詳しくは後述するが、時短状態のことを普図高確率状態(以下、「普図確変」という場合がある)と称し、時短状態でない状態のことを普図低確率状態と称する。15R特別大当り図柄である「特図A」は、特図高確率普図高確率状態であり、15R大当り図柄である「特図B」は、特図低確率普図高確率状態である。これらの「特図A」および「特図B」は、遊技者に対する有利度が相対的に大きくなる図柄である。」

(ウ)「【0120】
ステップS229´の特図2関連抽選処理の場合には、主制御部300´は、特図2乱数値記憶領域内の最先の(最も過去に記憶された)保留位置から特図2始動情報(特図2当選乱数値および特図2乱数値の組)を取得し、取得した特図2始動情報内の特図2当選乱数値およびRAM308´内の特図確率変動フラグの値などに基づいて、ROM306´に記憶された当否判定用テーブルを用いて大当りとするか、小当り(本例では小当りは特図1でのみ選択され得る)とするか、あるいははずれとするかの決定(当否判定)を行う。次いで、主制御部300´は、取得した特図2始動情報内の特図2乱数値および決定した当否判定結果などに基づいて、ROM306´に記憶された特図決定用テーブルを用いて特図2の変動表示後に停止表示する図柄(停止図柄)の決定を行う。次いで、主制御部300´は、例えば、決定した当否判定結果、停止図柄、当該当否判定時の特図2保留数、取得した特図変動時間決定用乱数値等に基づいて、ROM306´に記憶された各種テーブルを用いて特図2の変動表示時間(タイマ番号)の決定を行う。
【0121】
主制御部300´は、特図2乱数値記憶領域から最先の特図2始動情報を取り出した後、当該最先の特図2始動情報を特図2乱数値記憶領域から消去するとともに、特図2保留数記憶領域の特図2保留数を1減算する。このとき、特図2乱数値記憶領域から取り出した特図2始動情報をRAM308´に設けた一時領域に記憶し、この一時領域に記憶している特図2始動情報に基づいて上述の決定を行うようにしてもよい。以上のような特図2関連抽選処理(ステップS229´)の後に、特図1関連抽選処理(ステップS231´)が同様にして行われる。」

(エ)「【0200】
第1副制御部400´は、各フレームにおいてフレームバッファ1または2に表示画像を形成した後、フレームバッファの左上隅を原点として解像度1280×960の範囲を指定して描画指示を行う。これにより、装飾図柄表示装置208には、表示領域内の下端部に2つのテクスチャ画像(先の保留アイコン)が左右方向に並んで配置されている状態において、3つ目のテクスチャ画像(増加した保留に対応する新たな保留アイコン)が表示領域外の下方から出現し、2つのテクスチャ画像の右隣の位置に徐々に移動するアニメーションが表示される。
【0201】
後述するように、本例では、テクスチャ画像のアニメーションとして保留アイコンが表示される。表示される保留アイコンの数は、基本的には特図変動遊技の保留数と同数である。各保留アイコンは、その表示態様によって当該保留の当否についての先読み予告が可能である。保留アイコンに関連するアニメーションとしては、例えば、保留が増加して新たな保留アイコンが表示される場合に実行されるアニメーション(以下、「保留アイコンの増加アニメーション」という場合がある)、先の保留が消化されたことによって当該保留の順位が変動し、保留アイコンが別の表示位置(例えば左隣の位置)に移動する場合に実行されるアニメーション(以下、「保留アイコンの移動アニメーション」という場合がある)、先読み結果等に基づいて保留アイコンの表示態様が変化する場合に実行されるアニメーション(以下、「保留アイコンの変化アニメーション」という場合がある)、保留が消化されて保留アイコンが消去される場合に実行されるアニメーション(以下、「保留アイコンの消去アニメーション」という場合がある)、優先変動機において優先側の特図の保留が増加したときに非優先側の特図の保留アイコンを退避させる場合に実行されるアニメーション(以下、「保留アイコンの退避アニメーション」という場合がある)等がある。また、上記のアニメーション以外に、上記アニメーションの実行中以外の期間(例えば、保留の増減や保留アイコンの変化がない期間)に単独で実行されるとともに、上記アニメーションと重複して実行可能なアニメーション(以下、「保留アイコンの待機アニメーション」という場合がある)がある。保留アイコンの増加、移動、変化、消去、退避、待機の各アニメーションは、複数重複して実行される場合がある。」

(オ)「【0223】
<保留アイコン表示制御処理>
図22は、保留アイコン表示制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、保留アイコン表示制御処理のステップS1201´では、第1副制御部400´から送信される先読み結果情報コマンド等の各種コマンドに基づき、特図変動遊技の保留数が増加したか否かを判定する。保留数が増加したと判定した場合にはステップS1203´に
進み、保留数が増加していないと判定した場合にはステップS1209´に進む。
【0224】
ステップS1203´では、保留アイコン変更シナリオ抽選処理を行う。保留アイコン変更シナリオ抽選処理では、後述する保留アイコン表示態様抽選用テーブル(図26?図29)を参照して、特図変動遊技の保留数、増加した保留に対応するタイマグループ、および保留アイコン表示態様抽選用乱数値に基づき、増加した保留についての保留アイコン変更シナリオを抽選で決定する。保留アイコン変更シナリオは、当該保留が消化されるまでの保留アイコンの表示態様の変化を表す情報であり、例えば「入賞時:白、1変動後:白、2変動後:青」と表される。本例の保留アイコンの表示態様には、「白」、「青」、「赤」、「箱」、「千両箱」がある。なお、増加した保留に対応するタイマグループの情報を取得できない場合(例えば、先読みが実行されていない場合)には、当該保留が消化されるまでの保留アイコンの表示態様をデフォルトの「白」に設定する。
【0225】
ステップS1203´の次のステップS1205´では、決定した保留アイコン変更シナリオをRAM508´に設けられたシナリオ記憶領域に記憶する。ここで、RAM508´内のシナリオ記憶領域は、特図1および特図2のそれぞれについての保留可能数と同数(本例では、特図1および特図2のそれぞれについて4つずつ)の記憶領域を有している。各記憶領域は、特図1および特図2のそれぞれの保留順序(保留1?保留4)に対応付けられている。例えば、特図1の最先の保留が消化されて特図1変動遊技が開始されると、特図1の保留1に対応する記憶領域内のデータ(保留アイコン変更シナリオ)が消去され、保留2?保留4に対応する記憶領域内のデータは、保留1?保留3に対応する記憶領域にそれぞれ繰り上がって記憶し直されるようになっている。
【0226】
ステップS1205´の次のステップS1207´では、増加した保留に対応する保留アイコンを装飾図柄表示装置208´の所定の表示領域に表示する処理(例えば、保留アイコンの増加アニメーションを設定する処理を含む)を行う。その後、ステップS1209´の処理に移行する。
【0227】
ステップS1209´では、保留アイコン変更条件が成立したか否かを判定する。保留アイコン変更条件は、例えば、特図変動遊技が開始されたことである。本例では、図柄変動開始コマンド等の特図変動遊技の開始を示すコマンドを第1副制御部400´から受信したタイミングであれば保留アイコン変更条件が成立したと判定し、それ以外であれば保留アイコン変更条件が成立していないと判定する。保留アイコン変更条件が成立したと判定した場合にはステップS1211´に進み、保留アイコン変更条件が成立していないと判定した場合にはステップS1213´に進む。
【0228】
ステップS1211´では、保留アイコン変更処理を行う。保留アイコン変更処理では、RAM508´内のシナリオ記憶領域のそれぞれの記憶領域から保留アイコン変更シナリオを読み出し、各保留アイコン変更シナリオに基づいて各保留アイコンの表示態様の変更が必要か否かを判定し、変更が必要であれば保留アイコンの表示態様を変更する処理(例えば、保留アイコンの変化アニメーションを設定する処理を含む)を行う。その後、ステップS1213´の処理に移行する。
【0229】
ステップS1213´では、特図変動遊技の保留数が減少したか否かを判定する。例えば、第1副制御部400´からの図柄変動開始コマンドや先読み結果情報コマンド等に基づき、保留数が減少したと判定した場合にはステップS1215´に進み、保留数が減少していないと判定した場合には保留アイコン表示制御処理を終了して演出制御処理に復帰する。
・・・
【0266】
<変動アイコン表示領域、保留アイコン表示領域>
本具体例では、装飾図柄表示装置208´の演出表示領域208d´や、その他の領域には、変動アイコン表示領域800´や保留アイコン表示領域900´などを設けている。例えば、図31に示す演出表示では、演出表示領域208d´に保留アイコン表示領域900´のみを設けており、図34に示す演出表示では、演出表示領域208d´に変動アイコン表示領域800´と保留アイコン表示領域900´の両方を設けている。
次に、同図(c)に示す状態は、同図(b)に示す変動開始から1フレームが経過した状態である。この状態では、主制御部300´は、特図1表示装置212´を用いて特図1の変動表示を継続している。また、この状態では、第1副制御部400´および第2副制御部500´は、装飾図柄の変動表示を継続するとともに、変動アイコン表示領域800´を兼ねる保留アイコン表示領域900´の第1領域900aにおいて、変動アイコンVIの消去アニメーションを継続している。
・・・
【0277】
次に、同図(d)に示す状態は、同図(c)に示す状態から1フレームが経過した状態である。この状態では、主制御部300´は、特図1表示装置212´を用いて特図1の変動表示を継続している。また、この状態では、第1副制御部400´および第2副制御部500´は、装飾図柄の変動表示を継続するとともに、変動アイコン表示領域800´を兼ねる保留アイコン表示領域900´の第1領域900aにおいて、変動アイコンVIの消去アニメーションを継続している。さらに、この状態では、第1副制御部400´および第2副制御部500´は、保留アイコン表示領域900´において、保留アイコンPI2?PI4を所定速度で移動する移動アニメーションを開始している。」

(カ)「【0257】
本例の保留アイコンの表示態様は、球系の保留アイコン表示グループでは信頼度(大当り信頼度)の高い方から「赤」、「青」、「白」となっており、箱系の保留アイコン表示グループでは信頼度の高い方から「千両箱」、「箱」となっている。図23?図26に示す保留アイコン表示態様抽選テーブルでは、当り時に選択されるタイマグループ3、5、7の方が、はずれ時に選択されるタイマグループ1、2、4、6よりも信頼度の高い表示態様が選択され易く、また、信頼度の高い表示態様に変化し易くなっている。」

(キ)「【0835】
続いて、同図(c)に示すように、主制御部300は、第1特図表示装置212において特図1の変動表示を行い、第1副制御部400は、図柄表示領域において装飾図柄のリーチ表示を行った後に、同図(d)に示すように、スーパーリーチの演出開始前に装飾図柄表示装置208の表示領域全体を白みがかった色に変色させ(ホワイトバック)、同図(e)に示すように、スーパーリーチの演出を開始するとともに、特図変動中表示領域208s0に表示していた変動アイコンや、第1特図保留表示領域208s1?第4特図保留表示領域208s4に表示していた保留アイコンをすべて消去する。」

(ク)「【1186】
<各種テーブル>
次に、本例におけるパチンコ機100の主制御部300で用いられる各種テーブルについて説明する。図174?図177に示す各種テーブルは、例えば、主制御部300のROM306に記憶されている。図174(a)?(d)は、特図2関連抽選処理(ステップS229)または特図1関連抽選処理(ステップS231)で当否判定を行う際に用いられる当否判定用テーブルの例を示している。図174(a)?(d)に示す当否判定用テーブルは、「特図確率」、「乱数範囲」、「当否判定結果」の各項目で構成されてる。「特図確率」の項目は、当否判定時の特図確率(特図低確率または特図高確率)を示している。「乱数範囲」の項目は、取得した特図2当選乱数値または特図1当選乱数値と比較される数値範囲を示している。ここで、本例の特図2当選乱数値および特図1当選乱数値のとり得る範囲はいずれも0?65535(数値範囲の幅は65536)である。
・・・
【1191】
図175(a)、(b)は、特図2関連抽選処理(ステップS229)または特図1関連抽選処理(ステップS231)で停止図柄を決定する際に用いられる特図決定用テーブルの例を示している。図175(a)、(b)に示す特図決定用テーブルは、「当否判定結果」、「乱数範囲」、「停止図柄」の各項目で構成されている。「乱数範囲」の項目は、取得した特図2乱数値または特図1乱数値と比較される数値範囲を示している。本例の特図2乱数値および特図1乱数値のとり得る範囲はいずれも0?99(数値範囲の幅は100)である。
【1192】
図175(a)は、特図1用の特図決定用テーブルを示している。図175(a)に示すように、本例の特図1変動遊技における各大当り図柄の振分け率は、特図A(15R特別大当り)が25%であり、特図B(15R大当り)が25%であり、特図C(潜伏確変)が50%である。特図1変動遊技の大当りにおける確変大当り(特図A、特図C)の割合、すなわち確変確率は75%である。また、特図1変動遊技の大当りにおけるラウンド比率は、15Rが50%であり、2Rが50%である。
【1193】
本例では、特図1の小当り図柄が1種類であるため、特図1変動遊技の当否判定結果が小当りである場合には特図1乱数値に関わらず停止図柄が特図Dに決定される。また、はずれ図柄も1種類であるため、特図1変動遊技の当否判定結果がはずれである場合には特
図1乱数値に関わらず停止図柄が特図Eに決定される。特図1において小当り図柄やはずれ図柄をそれぞれ複数種類備えておき、乱数抽選の結果に基づいて別の図柄を決定するようにしてもよい。
【1194】
図175(b)は、特図2用の特図決定用テーブルを示している。図175(b)に示すように、本例の特図2変動遊技における各大当り図柄の振分け率は、特図a(16R特別大当り)が70%であり、特図b(8R特別大当り)が5%であり、特図c(8R大当り)が25%である。特図2変動遊技の大当りにおける確変大当り(特図a、特図b)の割合、すなわち確変確率は特図1と同様に75%である。また、特図2変動遊技の大当りにおけるラウンド比率は、16Rが70%であり、8Rが30%である。
【1195】
本例では、特図2のはずれ図柄が1種類であるため、特図2変動遊技の当否判定結果がはずれである場合には特図2乱数値に関わらず停止図柄が特図dに決定される。特図2においてはずれ図柄を複数種類備えておき、乱数抽選の結果に基づいて別の図柄を決定するようにしてもよい。
【1196】
図176は、タイマ番号選択テーブルの一例を示している。タイマ番号選択テーブルは、特図2関連抽選処理(ステップS229)または特図1関連抽選処理(ステップS231)でタイマ番号を決定する際に用いられる。本例ではタイマ番号選択テーブルが複数種類備えられており、当否判定時の遊技状態や特図1および特図2の種別等の各種条件に基づいて、1つのタイマ番号選択テーブルが選択される。図176では、当否判定の時点が非電サポ中である場合に選択される特図1用のタイマ番号選択テーブルのみを示している。
【1197】
図176に示すタイマ番号選択テーブルでは、停止図柄、特図1の保留数、特図変動時間決定用乱数値に基づいて、変動タイマ(タイマ番号)を決定できるようになっている。ここで、本例の特図変動時間決定用乱数値のとり得る値は0?65535である。停止図柄が特図Eである場合、特図1の保留数が0のときには特図変動時間決定用乱数値に基づきタイマ番号がタイマ3?7、11?13、16、17のいずれかに決定され、特図1の保留数が1以上(本例では1?3)のときには特図変動時間決定用乱数値に基づきタイマ番号がタイマ2?7、11?13、16、17のいずれかに決定される。本例では、停止図柄が特図Eである場合、特図1の保留数によって各変動タイマの選択確率が異なるとともに、変動タイマの振分けも異なっている。例えば、タイマ2は保留数が1以上のときには選択され得るが、保留数が0のときには選択されない。
【1198】
後述するように、タイマ6?22は、いわゆるリーチ以上の演出を実行可能な変動タイマ(以下、「リーチ以上の変動タイマ」という場合がある)である。図176に示すテーブルにおいて、停止図柄が特図Eである場合、特図1の保留数が0であるときにリーチ以上の変動タイマが選択される確率(リーチ発生確率)は約1/8(=8536/65536)であり、特図1の保留数が1以上であるときにリーチ以上の変動タイマが選択される確率は約1/32(=2036/65536)である。このように本例では、保留数が多いとき(例えば、保留数が1以上のとき)には特図変短が作動し、はずれ変動でのリーチ発生確率は保留数が多いときほど低くなっている。
【1199】
停止図柄が特図Aまたは特図Bである場合、特図1の保留数に関わらず、特図変動時間決定用乱数値に基づきタイマ番号がタイマ8?10、14、15、18?22のいずれかに決定される。また、停止図柄が特図Cまたは特図Dである場合、特図1の保留数に関わらず、特図変動時間決定用乱数値に基づきタイマ番号がタイマ10または14に決定される。停止図柄が特図A?特図Dである場合においても、特図A?特図Dである場合においても、特図1の保留数によって各変動タイマの選択確率や振分けを異ならせるようにしてもよい。
【1200】
図177は、タイマ番号毎の各変動タイマの変動時間、各変動タイマが属するタイマグループ、および各変動タイマを用いた変動時間中に実行可能な演出種別の例を示している。図177に示すように、タイマ1?5は、変動時間が2000?10000msであり、タイマグループ1(即はずれ系)に属する。タイマ6、7は、変動時間が20000?45000msであり、タイマグループ2(期待小:はずれ)に属する。タイマ8?10は、変動時間が15000?55000msであり、タイマグループ3(期待小:当り)に属する。タイマ11?13は、変動時間が70000?100000msであり、タイマグループ4(期待中:はずれ)に属する。タイマ14、15は、変動時間が80000?95000msであり、タイマグループ5(期待中:当り)に属する。タイマ16、17は、変動時間が120000?150000msであり、タイマグループ6(期待大:はずれ)に属する。タイマ18?22は、変動時間が105000?300000msであり、タイマグループ7(期待大:当り)に属する。」

(ケ)「【1638】
特図1始動口230へ入賞があった場合かつRAM308に設けた対応する特図1保留数記憶領域が満タンでない場合(保留している特図1変動遊技の数が所定数(例えば4)未満である場合)、乱数値生成回路(ハード乱数回路)318の特図1始動口230に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶された値に所定の加工を施して生成した特図1当選乱数値を取得するとともに、RAM308に設けた特図1乱数値生成用乱数カウンタから特図1乱数値を取得して特図1乱数値記憶領域に取得順に格納する。すなわち、図217に示す乱数値生成回路318、RAM308に設けられたソフトウェア乱数カウンタ、および乱数加工を施す主制御部300を併せたものが、始動情報を生成して導出するものであり、始動情報導出手段(第1の始動情報導出手段,第2の始動情報導出手段)の一例に相当する。ここで取得された各種乱数値(始動情報)は、RAM308に設けた特図1の保留記憶部の、入賞順(保留順)に応じた空いている領域に、1組の始動情報と
して記憶される。この特図1の保留記憶部は、第1特図始動口230(第1の始動領域)に遊技球が進入した場合に取得した始動情報を所定の第1上限個数(ここでは4個)まで記憶可能な第1の始動情報記憶手段に相当する。このとき各種乱数値(始動情報)をRAM308に設けた一時領域に一旦記憶し、その一時領域に記憶された値を特図1の保留記憶部に記憶してもよく、この場合、一時領域を第1の始動情報記憶手段としてもよいし、特図1の保留記憶部および一時領域を第1の始動情報記憶手段としてもよい。また、主制御部300のCPU304は、RAM308に記憶されている特図1の保留数の値に1を加算し、特図1の保留数が1増加する。したがって、主制御部300のCPU304が保留手段の一例に相当する。
【1639】
特図1乱数値記憶領域内の特図1当選乱数値および特図1乱数値の組は、特図1保留数記憶領域に記憶された特図1保留数と同数分だけ格納される。特図1乱数値記憶領域内では、特図1保留数が1つ減るごとに保留順位が最上位(最先)の特図1当選乱数値および特図1乱数値の組のデータが消去されるとともに、残余の特図1当選乱数値および特図1乱数値の組のデータの保留順位が1ずつ繰り上がるように処理される。また、特図1保留数が1つ増えるごとに、保留順位が最下位(最後)の特図1当選乱数値および特図1乱数値の組のデータの次の保留順位に新たな特図1当選乱数値および特図1乱数値の組のデータが書き込まれる。
【1640】
特図2始動口232へ入賞があった場合かつRAM308に設けた対応する特図2保留数記憶領域が満タンでない場合(保留している特図2変動遊技の数が所定数(例えば4)未満である場合)、乱数値生成回路318の特図2始動口232に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶された値に所定の加工を施して生成した特図2当選乱数値を取得するとともに、RAM308に設けた特図2乱数値生成用乱数カウンタから特図2乱数値を取得して特図2乱数値記憶領域に取得順に格納する。すなわち、特図2についても、特図1と同様に始動情報である各乱数値を取得し、取得した乱数値はRAM308に設けた特図2の保留記憶部に、1組の始動情報として同様に記憶され、さらに、RAM308に記憶されている特図2の保留数の値に1を加算する。特図2の保留記憶部は、第2特図始動口232(第2の始動領域)に遊技球が進入した場合に取得した始動情報を所定の第2上限個数(ここでは4個)まで記憶可能な第2の始動情報記憶手段に相当する。このとき各種乱数値(始動情報)をRAM308に設けた一時領域に一旦記憶し、その一時領域に記憶された値を特図2の保留記憶部に記憶してもよく、この場合一時領域を第2の始動情報記憶手段としてもよいし、特図2の保留記憶部および一時領域を第2の始動情報記憶手段としてもよい。
【1641】
特図2乱数値記憶領域内の特図2当選乱数値および特図2乱数値の組は、特図2保留数記憶領域に記憶された特図2保留数と同数分だけ格納される。特図2乱数値記憶領域内では、特図2保留数が1つ減るごとに保留順位が最上位の特図2当選乱数値および特図2乱数値の組のデータが消去されるとともに、残余の特図2当選乱数値および特図2乱数値の組のデータの保留順位が1ずつ繰り上がるように処理される。また、特図2保留数が1つ増えるごとに、保留順位が最下位の特図2当選乱数値および特図2乱数値の組のデータの次の保留順位に新たな特図2当選乱数値および特図2乱数値の組のデータが書き込まれる。」

(コ)「【1682】
ステップS229の特図2関連抽選処理の場合には、主制御部300は、特図2乱数値記憶領域内の最先の(最も過去に記憶された)保留位置から特図2始動情報(特図2当選乱数値および特図2乱数値の組)を取得し、取得した特図2始動情報内の特図2当選乱数値およびRAM308内の特図確率変動フラグの値などに基づいて、ROM306に記憶された当否判定用テーブル(後述する図224(a)?(d)参照)を用いて大当りとするか、小当り(ここでは小当りは特図1でのみ選択され得る)とするか、あるいははずれとするかの決定(当否判定)を行う。次いで、主制御部300は、取得した特図2始動情報内の特図2乱数値および決定した当否判定結果などに基づいて、ROM306に記憶された特図決定用テーブル(後述する図225(a)、(b)参照)を用いて特図2の変動表示後に停止表示する図柄(停止図柄)の決定を行う。次いで、主制御部300は、例えば、決定した当否判定結果、停止図柄、当該当否判定時の特図2保留数、取得した特図変動時間決定用乱数値等に基づいて、ROM306に記憶された各種テーブル(後述する図226および図227参照)を用いて特図2の変動表示時間(タイマ番号)の決定を行う。
【1683】
主制御部300は、特図2乱数値記憶領域から最先の特図2始動情報を取り出した後、当該最先の特図2始動情報を特図2乱数値記憶領域から消去するとともに、特図2保留数記憶領域の特図2保留数を1減算する。このとき、特図2乱数値記憶領域から取り出した特図2始動情報をRAM308に設けた一時領域に記憶し、この一時領域に記憶している特図2始動情報に基づいて上述の決定を行うようにしてもよい。
【1684】
以上のような特図2関連抽選処理(ステップS229)の後に、特図1関連抽選処理(ステップS231)が同様にして行われる。」

(サ)「【1697】
図222は、主制御部タイマ割込処理の特図先読み処理(ステップS224)の流れの一例を示すフローチャートである。特図先読み処理では、主制御部300は、特図1および特図2のそれぞれにおいて増加した始動情報を先読みして、当否判定処理よりも前に停止図柄を事前判定し、事前判定結果(特図先読み結果)をRAM308内の先読み結果記憶部(図223(a)?(c)参照)に記憶する。」

(シ)「【2261】
図281(X)には、第3変動前アイコンb3の変更アニメーションの構成が示されている。
【2262】
変更アニメーションの開始条件が成立すると、182フレーム(f)からなる変更アニメーション(第一の保留変更アニメーション)が開始される。この182フレーム分の時間が第一の時間の一例に相当する。ここで開始される変更アニメーションは、60フレームからなるグループ1(G1)の動画像と、1フレームからなるグループ2(G2)の静止画像と、30フレームからなるグループ3(G3)の動画像と、1フレームからなるグループ4(G4)の静止画像と、90フレームからなるグループ5(G5)の動画像から構成されている。ここでの変更アニメーションは、白い丸印の中にクエスチョンマークが記された表示態様(第一の表示態様)の変動前アイコン(第一の保留アイコンに相当)が大当りの期待度を表す表示態様(第二の表示態様)で表示されるまでの様子を表す一連の動画像(第一の動画像)を少なくとも含むアニメーションである。この変更アニメーションの表示制御は、図217に示す第1副制御部400(VDP434)によって実行され、第一の表示態様変更制御の一例に相当する。
【2263】
図281(b)に示す装飾図柄表示装置208では、グループ1(G1)の動画像の表示が開始されている。グループ1(G1)の動画像は、装飾図柄表示装置208の画面の左端から殿様のキャラクタが第3変動前アイコンb3に向かって走ってくる導入部の動画像であり、図281(b)に示す装飾図柄表示装置208の左端には、殿様のキャラクタがわずかに見え始めている。
【2264】
図281(c)に示す装飾図柄表示装置208では、殿様のキャラクタが第1保留表示位置に表示された第1変動前アイコンb1に重なり、第1変動前アイコンb1が視認困難になっている。ただし、変更対象の第3変動前アイコンb3は視認可能である。
【2265】
図281(d)に示す装飾図柄表示装置208では、殿様のキャラクタが第2保留表示位置で立ち止まって剣を構えている。この結果、剣を構えた殿様のキャラクタが、第2保留表示位置に表示された第2変動前アイコンb2に重なり、第2変動前アイコンb2が視認困難になっている。ただしここでも、変更対象の第3変動前アイコンb3は視認可能である。第2保留表示位置で剣を構えた殿様のキャラクタは、グループ2(G2)の静止画像であり、1フレーム分表示される。この1フレーム分の表示が、変更対象である、白い丸印の中にクエスチョンマークが記された表示態様(第一の表示態様)で表示された第3変動前アイコンb3を視認できる最後の表示になる。
【2266】
図281(e)に示す装飾図柄表示装置208では、グループ3(G3)の動画像の表示が開始されている。グループ3(G3)の動画像は、殿様のキャラクタが、変更対象の第3変動前アイコンb3を斬りつける動画像であって、変更対象の第3変動前アイコンb3の表示態様が特定できなくなる。図281(e)では、演出画像(ここでは閃光画像f)が第3変動前アイコンb3全体を覆い、第3変動前アイコンb3自体が視認不能になっている。図281(f)では、閃光画像fが小さくなってきているものの、第3変動前アイコンb3の表示態様は特定できず、同図(g)では、閃光画像fがさらに小さくなって、第3変動前アイコンb3の表示態様が特定できそうであるがまだ特定できない。同図(g)に示す装飾図柄表示装置208には、グループ3(G3)の動画像の終わりに近いフレームの画像が表示されている。以上説明した、グループ3(G3)の動画像は、上記第一の動画像の一例に相当し、変更対象の保留アイコン(第一の保留アイコン)の表示態様を特定できない動画像である。このように、保留アイコンの表示態様の変更に合わせて、該保留アイコンの表示態様を特定できない動画像を含むアニメーションを行うことで、より多彩な表示が可能となり、遊技者の注目を集めることができる場合がある。
【2267】
図281(h)に示す装飾図柄表示装置208では、グループ4(G4)の静止画像(1フレーム分の画像)が表示されている。この1フレーム分の画像では、変更対象である第3変動前アイコンb3の表示態様を特定することができ、第3変動前アイコンb3の表示態様は、大当りの期待度を表す表示態様に既に変更されている。図281(h)に示す第3変動前アイコンb3の表示態様は、白い丸印の中に「温」が記された表示態様(第二の表示態様)である。なお、大当りの期待度を表す表示態様にはこの他に、白い丸印の中に「熱」が記された、期待度が最も高い表示態様(第一の期待度の表示態様)や、白い丸印の中に「冷」が記された、期待度が比較的低い表示態様(第三の期待度の表示態様)や、白い丸印の中に「凍」が記された、期待度が最も低い表示態様(第四の期待度の表示態様)がある。図281(h)に示す、白い丸印の中に「温」が記された表示態様は、期待度が比較的高い表示態様(第二の期待度の表示態様)である。なお、殿様のキャラクタは第2保留表示位置に表示されており、第2変動前アイコンb2が視認困難になっている。
【2268】
図281(i)に示す装飾図柄表示装置208では、グループ5(G5)の動画像の表示が開始されている。グループ5(G5)の動画像は、表示態様が変更された後の第3変動前アイコンb3を表示し続ける余韻部に相当する動画像である。図281(i)に示す装飾図柄表示装置208では、白い丸印の中に「温」が記された表示態様の第3変動前アイコンb3が表示されるとともに、殿様のキャラクタが第2保留表示位置に表示されている。この殿様のキャラクタのポーズはピースサインをしたポーズてあり、第2変動前アイコンb2が視認困難になっている。なお、殿様のキャラクタのポーズは、変更後の保留アイコンの表示態様に対応しており、例えば、第一の期待度の表示態様では、万歳をしたポーズになり、第三の期待度の表示態様では、手を下げて普通に立っったポーズになり、第四の期待度の表示態様では、泣いているポーズになる。図281(j)に示す装飾図柄表示装置208では、殿様のキャラクタが右側に向かって走り出し、殿様のキャラクタが、表示態様が変更された第3変動前アイコンb3の前を通過している。このため、殿様のキャラクタによって今まで視認困難であった第2変動前アイコンb2は視認可能になり、同図(j)では、その殿様のキャラクタによって、第3変動前アイコンb3が再び視認困難になっている。このように、第3変動前アイコンb3の表示態様が特定可能になった図281の(h)後に第3変動前アイコンb3の表示態様を再度特定不能にしてもよい。なお、殿様のキャラクタによって視認困難であった第2変動前アイコンb2の表示態様を、視認困難中に変更しておき、同図(j)で、第2変動前アイコンb2の変更された表示態様が始めて特定可能になるようにしてもよい。同図(k)に示す装飾図柄表示装置208では、殿様のキャラクタが、表示態様が変更された第3変動前アイコンb3の前を通り過ぎ、第3変動前アイコンb3の表示態様が視認可能に戻っている。同図(k)に示す殿様のキャラクタは、装飾図柄表示装置208の画面から走り去ろうとしている。この同図(k)に示す装飾図柄表示装置208には、グループ5(G5)の動画像の終わりに近いフレームの画像が表示されている。
【2269】
同図(l)に示す装飾図柄表示装置208には、変更アニメーションが終了した時点の画像が表示されており、第3変動前アイコンb3の表示態様は、白い丸印の中に「温」が記された表示態様(第二の表示態様)である。
【2270】
なお、ここでの説明で用いた視認困難には、視認不能も含む(以下、同じ)。また、殿様のキャラクタに限らず、演出画像であればよく、その演出画像が、表示態様の変更前、あるいは変更中の保留アイコン(変動前アイコン)の一部又は全部を視認困難にすることで、変更対象の保留アイコンの表示態様を特定できないようにしてもよい。
・・・
【2275】
また、保留アイコンの表示態様を第一の態様から第三の態様(例えば、白い丸印の中に「熱」が記された表示態様)に変更する第一の変更アニメーションと、保留アイコンの表示態様を第二の態様から第三の態様に変更する第二の変更アニメーションを実行可能であってもよい。また第一および第二の変更アニメーションにおける尺を同じにしてもよいし、異ならせてもよい。また、第三の態様の大当り信頼度が第二の態様の大当り信頼度よりも高い場合に、各変更アニメーションの尺を異ならせてもよい。例えば、第一の変更アニメーションの尺を第二の変更アニメーションの尺よりも長くしてもよいし、逆に第二の変更アニメーションの尺を第一の変更アニメーションの尺よりも長くしてもよい。あるいは、両者の尺を同じにしてもよい。

【図281】




(ス)上記(ク)には、大当り図柄である「特図A」「特図B」が割当てられるタイマ番号が8?10、14、15、18?22であることが記載され、図177には、当該タイマ番号8?10、14、15、18?22におけるスーパーリーチが実行される割合は、「特図A」「特図B」(大当り)ではないそれ以外のタイマ番号の場合よりも高いことが図示されている。

(セ)上記(ア)「【0013】」に「図1?図91に示す符号は、原則として図1?図91を用いた説明にのみ用いることとし、重複する符号が他の図面に示されている場合であっても、図1?図91を用いた説明では図1?図91に示す符号を優先する」「図1?図91を用いた説明においては、他の図面を用いた説明と区別するために符号の最後に「´(ダッシュ)」を付している。」と記載されていることから、図1?図91及びそれ以外の各実施例で共通的に用いられる構成については「´(ダッシュ)」が付いていないものと認められる。

したがって、上記(ア)?(シ)の記載事項及び(ス)、(セ)の認定事項から、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる(a?mは、本願発明のA?Mに対応させて付した。)。

「a 特図1表示装置212は、特図1始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始されると、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返し、特図2表示装置214は、特図2始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始されると、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す、変動表示を行い、(イ)
特図変動遊技における大当りか否かの決定を乱数の抽選によって行い、特図変動遊技に当選して特図表示装置が大当り図柄を停止表示した場合には、例えば大入賞口またはアタッカである可変入賞口234、235のうち一方の扉部材が所定の時間間隔、所定の回数で開閉するパチンコ機100であって、(イ)
b 主制御部300は、特図1始動口230へ入賞があった場合かつRAM308に設けた対応する特図1保留数記憶領域が満タンでない場合、乱数値生成回路318の特図1始動口230に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶された値に所定の加工を施して生成した特図1当選乱数値を取得するとともに、RAM308に設けた特図1乱数値生成用乱数カウンタから特図1乱数値を取得して特図1乱数値記憶領域に取得順に格納し、取得された各種乱数値(始動情報)は、RAM308に設けた特図1の保留記憶部の、入賞順(保留順)に応じた空いている領域に、1組の始動情報として記憶し、(ケ)
主制御部300は、特図2始動口232へ入賞があった場合かつRAM308に設けた対応する特図2保留数記憶領域が満タンでない場合、乱数値生成回路318の特図2始動口232に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶された値に所定の加工を施して生成した特図2当選乱数値を取得するとともに、RAM308に設けた特図2乱数値生成用乱数カウンタから特図2乱数値を取得して特図2乱数値記憶領域に取得順に特図1と同様に始動情報である各乱数値を取得し、取得した乱数値はRAM308に設けた特図2の保留記憶部に、1組の始動情報として同様に記憶し、(ケ)
主制御部300は、特図2乱数値記憶領域内の最先の(最も過去に記憶された)保留位置から特図2始動情報(特図2当選乱数値および特図2乱数値の組)を取得し、取得した特図2始動情報内の特図2当選乱数値およびRAM308内の特図確率変動フラグの値などに基づいて、ROM306に記憶された当否判定用テーブルを用いて大当りとするか、小当りとするか、あるいははずれとするかの決定(当否判定)を行い、(コ)
主制御部300は、取得した特図2始動情報内の特図2乱数値および決定した当否判定結果などに基づいて、ROM306に記憶された特図決定用テーブルを用いて特図2の変動表示後に停止表示する図柄(停止図柄)の決定を行い、(コ)
主制御部300は、例えば、決定した当否判定結果、停止図柄、当該当否判定時の特図2保留数、取得した特図変動時間決定用乱数値等に基づいて、ROM306に記憶された各種テーブルを用いて特図2の変動表示時間(タイマ番号)の決定を行い、(コ)
主制御部300は、以上のような特図2関連抽選処理の後に、特図1関連抽選処理を同様に行い、(コ)
c 第1副制御部400は、装飾図柄表示装置208に描画指示を行い、表示領域の下端部にテクスチャ画像のアニメーションとして特図変動遊技の保留数と同数の保留アイコンを表示し、(エ)
d 第2副制御部500は、特図変動遊技の開始を示すコマンドを第1副制御部400から受信し保留アイコン変更条件が成立したと判定した場合は、RAM508内のシナリオ記憶領域のそれぞれの記憶領域から保留アイコン変更シナリオを読み出し、各保留アイコン変更シナリオに基づいて各保留アイコンの表示態様の変更が必要か否かを判定し、変更が必要であれば保留アイコンの表示態様を変更する処理(例えば、保留アイコンの変化アニメーションを設定する処理を含む)を行い、(オ)
第1副制御部400および第2副制御部500は、保留アイコンの変化アニメーションを装飾図柄表示装置208で実行し、(オ)
e 主制御部300は、特図2関連抽選処理(ステップS229)として、特図2乱数値記憶領域内の最先の(最も過去に記憶された)保留位置から特図2始動情報(特図2当選乱数値および特図2乱数値の組)を取得し、取得した特図2始動情報内の特図2当選乱数値およびRAM308内の特図確率変動フラグの値などに基づいて、ROM306に記憶された当否判定用テーブルを用いて大当りとするか、小当り(本例では小当りは特図1でのみ選択され得る)とするか、あるいははずれとするかの決定(当否判定)を行い、(ウ)
主制御部300は、特図2乱数値記憶領域から最先の特図2始動情報を取り出した後、当該最先の特図2始動情報を特図2乱数値記憶領域から消去するとともに、特図2保留数記憶領域の特図2保留数を1減算し、特図2関連抽選処理(ステップS229)の後に、特図1関連抽選処理(ステップS231)を同様に行い、(ウ)
f 第1副制御部400は、特図2関連抽選処理(ステップS229)または特図1関連抽選処理(ステップS231)での当否判定で、大当りである場合にはずれである場合よりも高い割合で、装飾図柄表示装置208の全ての表示領域を用いるスーパーリーチ演出を行い、(キ)、(ク)、(ス)
g 主制御部300は、特図1および特図2のそれぞれにおいて増加した始動情報を先読みして、当否判定処理よりも前に停止図柄を事前判定し、事前判定結果(特図先読み結果)をRAM308内の先読み結果記憶部に記憶し、(サ)
h 第2副制御部500は、第1副制御部400から送信される各種コマンドに基づき、特図変動遊技の保留数が増加したか否かを判定し、保留数が増加したと判定した場合、保留アイコン表示態様抽選用テーブルを参照して、増加した保留についての保留アイコン変更シナリオを抽選で決定し、決定した保留アイコン変更シナリオをRAM508に設けられたシナリオ記憶領域に記憶し、(オ)
保留アイコンの表示態様は、球系の保留アイコン表示グループでは信頼度(大当り信頼度)の高い方から「赤」、「青」、「白」となっており、箱系の保留アイコン表示グループでは信頼度の高い方から「千両箱」、「箱」となっており、当り時に選択される方が、はずれ時に選択されるよりも信頼度の高い表示態様が選択され易く、また、信頼度の高い表示態様に変化し易くなっており、(カ)
j、d-1 変更アニメーションの開始条件が成立すると、182フレーム(f)からなる変更アニメーション(第一の保留変更アニメーション)が開始され、60フレームからなるグループ1(G1)の動画像と、1フレームからなるグループ2(G2)の静止画像と、30フレームからなるグループ3(G3)の動画像と、1フレームからなるグループ4(G4)の静止画像と、90フレームからなるグループ5(G5)の動画像から構成され、白い丸印の中にクエスチョンマークが記された表示態様(第一の表示態様)の変動前アイコン(第一の保留アイコンに相当)が大当りの期待度を表す表示態様(第二の表示態様)で表示されるまでの様子を表す一連の動画像について、第1副制御部400(VDP434)によって実行され、(シ)
グループ1(G1)の動画像は、装飾図柄表示装置208の画面の左端から殿様のキャラクタが第3変動前アイコンb3に向かって走ってくる導入部の動画像であり、「(b)[G1]変更アニメ(導入部)実行中」に示す装飾図柄表示装置208の左端には、殿様のキャラクタがわずかに見え始め、 (シ)
「(c)[G1]変更アニメ(導入部)実行中」に示す装飾図柄表示装置208では、殿様のキャラクタが第1保留表示位置に表示された第1変動前アイコンb1に重なり、第1変動前アイコンb1が視認困難、変更対象の第3変動前アイコンb3は視認可能であり、(シ)
「(d)[G2]変更前の態様を特定可能な最後のフレーム」に示す装飾図柄表示装置208では、殿様のキャラクタが第2保留表示位置で立ち止まって剣を構え、剣を構えた殿様のキャラクタが、第2保留表示位置に表示された第2変動前アイコンb2に重なり、第2変動前アイコンb2が視認困難、変更対象の第3変動前アイコンb3は視認可能であり、(シ)
第2保留表示位置で剣を構えた殿様のキャラクタは、グループ2(G2)の静止画像であり、変更対象である、白い丸印の中にクエスチョンマークが記された表示態様(第一の表示態様)で表示された第3変動前アイコンb3を視認できる最後の表示になり、(シ)
「(e)[G3]アイコンの態様を特定できない期間」に示す装飾図柄表示装置208では、グループ3(G3)の動画像の表示が開始され、殿様のキャラクタが、変更対象の第3変動前アイコンb3を斬りつける動画像であって、変更対象の第3変動前アイコンb3の表示態様が特定できなくなり、「(e)[G3]アイコンの態様を特定できない期間」では、演出画像(ここでは閃光画像f)が第3変動前アイコンb3全体を覆い、第3変動前アイコンb3自体が視認不能になり、(シ)
「(f)[G3]アイコンの態様を特定できない期間」では、閃光画像fが小さくなってきているものの、第3変動前アイコンb3の表示態様は特定できず、「(g)[G3]アイコンの態様を特定できない期間」では、閃光画像fがさらに小さくなり、(シ)
「(h)[G4]変更後の態様を特定可能な最初のフレーム」に示す装飾図柄表示装置208では、グループ4(G4)の静止画像(1フレーム分の画像)が表示され、変更対象である第3変動前アイコンb3の表示態様を特定することができ、第3変動前アイコンb3の表示態様は、大当りの期待度を表す表示態様に既に変更されており、「(h)[G4]変更後の態様を特定可能な最初のフレーム」に示す第3変動前アイコンb3の表示態様は、白い丸印の中に「温」が記された表示態様(第二の表示態様)であり、大当りの期待度を表す表示態様にはこの他に、白い丸印の中に「熱」が記された、期待度が最も高い表示態様(第一の期待度の表示態様)や、白い丸印の中に「冷」が記された、期待度が比較的低い表示態様(第三の期待度の表示態様)や、白い丸印の中に「凍」が記された、期待度が最も低い表示態様(第四の期待度の表示態様)があり、殿様のキャラクタは第2保留表示位置に表示されており、第2変動前アイコンb2が視認困難になっており、(シ)
「(i)[G5]変更アニメ(余韻部)実行中」に示す装飾図柄表示装置208では、グループ5(G5)の動画像の表示が開始され、グループ5(G5)の動画像は、表示態様が変更された後の第3変動前アイコンb3を表示し続ける余韻部に相当する動画像であり、白い丸印の中に「温」が記された表示態様の第3変動前アイコンb3が表示されるとともに、殿様のキャラクタが第2保留表示位置に表示され、(シ)
k 保留アイコンの表示態様を第一の態様から第三の態様(例えば、白い丸印の中に「熱」が記された表示態様)に変更する第一の変更アニメーションと、保留アイコンの表示態様を第二の態様から第三の態様に変更する第二の変更アニメーションを実行可能であり、第三の態様の大当り信頼度が第二の態様の大当り信頼度よりも高い場合に、各変更アニメーションの尺を異ならせる、(シ)
m パチンコ機。(ア)」

2.その他の文献について
前置報告において引用された引用文献2(特開2016-73351号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。

(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、始動条件が成立したことにもとづいて変動表示を行い、変動表示の表示結果として予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機に関する。」

(イ)「【0162】
図14は、S1217,S1218の入賞時判定処理を示すフローチャートである。入賞時判定処理では、CPU103は、まず、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。本実施例では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口や第2始動入賞口に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時判定処理を実行することによって、あらかじめいずれの変動パターンとなるか否かを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動パターンを予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用CPU120によって大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み演出を実行する。」

(ウ)「【0235】
図21(A)及び図21(B)は、入賞時判定結果を保存する領域(入賞時判定結果記憶バッファ及びアクティブ表示記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図21(A)に示すように、本実施例では、入賞時判定結果記憶バッファにおいて合算保留記憶数の各保留表示(保留記憶)に対応付けられた8個の格納領域が確保されている。また、図21(B)に示すように、アクティブ表示記憶バッファにおいてアクティブ表示(変動表示対応表示)に対応付けられた1個の格納領域が確保されている。各格納領域(エントリ)には、入賞時判定結果と、保留予告演出の対象であることを示す予告対象フラグと、保留表示またはアクティブ表示の表示態様を示す表示態様フラグと、がそれぞれ記憶可能となっている。
・・・
【0271】
図26は、図25に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)の一例を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファのバッファ番号1のエントリに記憶されている記憶内容をアクティブ表示記憶バッファ(バッファ番号0)に移動する(S810)。」
【0272】
次いで演出制御用CPU120は、アクティブ表示記憶バッファ(バッファ番号0)に移動した入賞時判定結果記憶バッファのバッファ番号1のエントリの記憶データを消去するとともに、入賞時判定結果記憶バッファの各エントリをシフトする(S811)。すなわち、下位の格納領域(バッファ番号2?8のエントリ)の内容を、1つずつ上位の格納領域にシフトする。

(エ)「【0273】
次いで、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出し(S812)、該読み出した変動パターンがスーパーリーチの変動パターンのいずれかに該当するか否かを判定する(S813)。
【0274】
スーパーリーチの変動パターンのいずれにも該当しない場合には、S818に進んでアクティブ表示更新処理が実行されることにより、S810における移動により更新された更新後のアクティブ表示記憶バッファ(バッファ番号0)の表示態様フラグから特定される態様にてアクティブ表示が表示される。つまり、保留表示の段階における表示態様が通常表示の「白」の態様であれば通常表示の「白」のアクティブ表示が表示され、保留表示の段階における表示態様が第1特別態様の「黄色」の態様であれば第1特別態様の「黄色」のアクティブ表示が表示され、保留表示の段階における表示態様が第2特別態様の「赤色」の態様であれば第1特別態様の「赤色」のアクティブ表示が表示される。
【0275】
一方、読み出した変動パターンがスーパーリーチの変動パターンのいずれかに該当する場合には、アクティブ表示記憶バッファの表示態様フラグが、通常態様を示す「0」であるか否かを判定する(S814)。そして、通常態様を示す「0」でなければ(S814;N)、つまり、既に第1特別態様である「黄色」または第2特別態様である「赤色」の表示態様である場合には、S818に進んでアクティブ表示更新処理が実行されることにより、アクティブ表示エリア5Fに、保留記憶における表示態様と同じ表示態様(第1特別態様である「黄色」または第2特別態様である「赤色」)にてアクティブ表示が表示される。」

(オ)「【0276】
また、通常態様を示す「0」であれば(S814;Y)、更に、予告対象フラグが入賞時判定結果記憶バッファいずれかの格納領域(エントリ)に記憶されているか、つまり、保留予告によって、第1特別態様である「黄色」または第2特別態様である「赤色」の表示態様にて表示されている保留表示が存在するか否かを判定する(S815)。
【0277】
予告対象フラグが入賞時判定結果記憶バッファいずれかの格納領域(エントリ)に記憶されている場合には、S818に進んでアクティブ表示更新処理が実行されることにより、アクティブ表示エリア5Fに通常態様である白の態様にてアクティブ表示が表示される。つまり、既に、他の保留表示について保留予告が実行されている場合にアクティブ表示の表示態様を変化させないようになっており、このようにすることで、他の保留表示について保留予告が実行されている場合にアクティブ表示の表示態様を変化させてしまうことによって、既に実行している保留予告演出の興趣が損なわれてしまうことを防ぐことができる。
【0278】
予告対象フラグが入賞時判定結果記憶バッファいずれの格納領域(エントリ)にも記憶されていない場合(S815;N)には、図27に示す再抽選テーブルを用いて、アクティブ表示の表示態様を、通常態様から第1特別態様である「黄色」または第2特別態様である「赤色」に変化させるか否かを再決定する(S816)。」

(カ)「【0279】
具体的には、図27に示す再抽選テーブルをセットするとともに、再抽選用乱数を抽出して、抽出した再抽選用乱数の値と、アクティブ表示記憶バッファ(バッファ番号0)のエントリ(格納領域)に格納されている入賞時判定結果指定コマンドとから特定される入賞時判定結果(「はずれ」または「大当り」)に対応する判定値とに基づいて、「白色」
(非変更に該当)、「黄色」(第1特別態様)、「赤色」(第2特別態様)のいずれかに決定する。
【0280】
本実施例の再抽選テーブルは、図27に示すように、各表示態様(「白色(通常態様)」、「黄色(第1特別態様)」、「赤色(第2特別態様)」)に対応して、「はずれ」、「大当り」の入賞時判定結果毎に、図27に示す割合にて判定値が割り当てられている。
【0281】
本実施例の再抽選テーブルで特徴的な部分は、「白色(通常態様)」にも判定値が割り当てられていることにより、再抽選でも「白色(通常態様)」が決定される場合、つまり、スーパーリーチの変動パターンであっても、「白色(通常態様)」のアクティブ表示が表示される場合があるようになっており、アクティブ表示が黄色(第1特別態様)や赤色(第2特別態様)に変化しない場合であっても、大当りとなる可能性が高いスーパーリーチが発生する場合がある、つまり、「白色(通常態様)」のアクティブ表示であっても、大当りとなることが期待できるようになっている。
【0282】
また、図27に示すように、「白色(通常態様)」に対して割り当てられている判定値数は、「大当り」の方が「はずれ」よりも少なくなるように設定されていることにより、スーパーリーチとなって大当りとなる場合には、アクティブ表示として表示される際に、黄色(第1特別態様)や赤色(第2特別態様)に変化する割合が高くなるように設定されている。つまり、本実施例では、アクティブ表示として表示される際に、黄色(第1特別態様)や赤色(第2特別態様)に表示態様が変化する場合には、変化しない場合よりも「大当り」となる可能性(期待度)が高くなっている。
【0283】
更に、図27に示すように、「はずれ」に対応する判定値の割り当てにおいては、黄色(第1特別態様)に対して赤色(第2特別態様)よりも多くの判定値が割り当てられているのに対し、「大当り」に対応する判定値の割り当てにおいては、逆に、赤色(第2特別態様)に対して黄色(第1特別態様)よりも多くの判定値が割り当てられていることで、黄色(第1特別態様)に変化する場合よりも、赤色(第2特別態様)に変化した場合の方が、「大当り」となる可能性(期待度)が高くなっている。
【0284】
尚、本実施例では、アクティブ表示が赤色(第2特別態様)の表示態様となる場合は、始動入賞時に保留表示として赤色(第2特別態様)の表示態様とされたものがアクティブ表示として表示される場合(第1パターン)と、始動入賞時には白色(通常態様)にて表示されていたものがアクティブ表示として表示される際に赤色(第2特別態様)の表示態様に変化して表示される場合(第2パターン)とがあるが、図24に示す表示態様決定テーブルにおける「スーパーリーチはずれ」と「大当り」に対応する判定値の割り当て数と、図27の再抽選テーブルにおける「はずれ」と「大当り」に対応する判定値の割り当て数とを比較することにより解るように、赤色(第2特別態様)の表示態様が「はずれ」の場合に決定される割合は、図27の再抽選テーブルの方が少なく、且つ、赤色(第2特別態様)の表示態様が「大当り」の場合に決定される割合は、図27の再抽選テーブルの方が多く設定されていることにより、第2パターンであるアクティブ表示として表示される際に変化した赤色(第2特別態様)の表示態様の方が、第1パターンである保留表示の表示態様を引き継いだ赤色(第2特別態様)の表示態様よりも、「大当り」となる可能性(期待度)が高くなっており、このようにすることで、保留表示が表示される際に、白色(通常態様)にて表示されていたとしても、アクティブ表示として表示される際に、赤色(第2特別態様)の表示態様になるのではないかという期待感を遊技者に与えることができる、つまり、白色(通常態様)にて保留表示が表示されていたとしても遊技者の期待感を持続できるので、遊技興趣を向上することができる。」

したがって、上記(ア)?(カ)の記載事項から、上記引用文献2には次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。

「遊技球が第1始動入賞口や第2始動入賞口に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時判定処理を実行することによって、あらかじめいずれの変動パターンとなるか否かを確認し、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動パターンを予測し、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用CPU120によって大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み演出を実行する遊技機において、(ア)、(イ)
演出制御用CPU120は、演出図柄変動開始処理において、入賞時判定結果記憶バッファのバッファ番号1のエントリに記憶されている記憶内容をアクティブ表示記憶バッファ(バッファ番号0)に移動し、(ウ)
変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出し、該読み出した変動パターンがスーパーリーチの変動パターンのいずれかに該当するか否かを判定し、読み出した変動パターンがスーパーリーチの変動パターンのいずれかに該当する場合には、アクティブ表示記憶バッファの表示態様フラグが、通常態様を示す「0」であるか否かを判定し、(エ)
通常態様を示す「0」であれば、更に、予告対象フラグが入賞時判定結果記憶バッファいずれかの格納領域(エントリ)に記憶されているか、つまり、保留予告によって、第1特別態様である「黄色」または第2特別態様である「赤色」の表示態様にて表示されている保留表示が存在するか否かを判定し、(オ)
予告対象フラグが入賞時判定結果記憶バッファいずれの格納領域(エントリ)にも記憶されていない場合には、再抽選テーブルを用いて、アクティブ表示の表示態様を、通常態様から第1特別態様である「黄色」または第2特別態様である「赤色」に変化させるか否かを再決定し、(オ)
アクティブ表示が赤色(第2特別態様)の表示態様となる場合は、始動入賞時に保留表示として赤色(第2特別態様)の表示態様とされたものがアクティブ表示として表示される場合(第1パターン)と、始動入賞時には白色(通常態様)にて表示されていたものがアクティブ表示として表示される際に赤色(第2特別態様)の表示態様に変化して表示される場合(第2パターン)とがあり、(カ)
第2パターンであるアクティブ表示として表示される際に変化した赤色(第2特別態様)の表示態様の方が、第1パターンである保留表示の表示態様を引き継いだ赤色(第2特別態様)の表示態様よりも、「大当り」となる可能性(期待度)が高くなる、(カ)
パチンコ遊技機。(ア)」

第5 対比・判断
1.本願発明について
(1)対比
本願発明と引用発明とを対比する(下記(a)?(m)は、本願発明の構成A?Mに対応している。)。

(a)引用発明の「特図1変動遊技が開始されると、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返」す「変動表示」、及び、「特図2変動遊技が開始されると、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す」「変動表示」は、共に、本願発明の「変動表示」に相当する。
また、引用発明の「特図表示装置が大当り図柄を停止表示した場合には、例えば大入賞口またはアタッカである可変入賞口234、235のうち一方の扉部材が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する」ことは、「大当り図柄を停止表示した場合」という条件で、大入賞口またはアタッカである可変入賞口234、235へ入賞できる機会(いわゆる、大当り遊技)が得られる遊技者にとって有利な状態である点で、「遊技者にとって有利な有利状態に制御可能」であることに相当する。
してみると、引用発明の構成aは、本願発明の構成Aに相当する。

(b)引用発明の「特図1当選乱数値」と「特図1乱数値」からなる「1組の始動情報」、及び、「特図2当選乱数値」と「特図2乱数値」からなる「1組の始動情報」は、いずれも、「主制御部300」において「特図1」及び「特図2」の「変動表示時間」と「変動表示後に停止表示する図柄」を決定する抽選に用いられ変動表示に関する情報である点で、本願発明の「保留情報」に相当する。
また、引用発明の「RAM308に設けた特図1の保留記憶部」及び「RAM308に設けた特図2の保留記憶部」は、いずれも、「始動情報」を記憶する機能を有する点で、本願発明の「保留記憶手段」に相当する。
してみると、引用発明の構成bは、本願発明の構成Bに相当する。

(c)引用発明の「保留アイコン」及び「装飾図柄表示装置208」は、それぞれ、「保留情報に対応する対応表示」及び「対応表示手段」に相当する。
してみると、引用発明の構成cは、本願発明の構成Cに相当する。

(d)引用発明の「装飾図柄表示装置208」上で実行される「保留アイコンの変化アニメーション」は、本願発明の「対応表示の態様を変化させる変化演出」に相当する。
したがって、引用発明の「第1副制御部400および第2副制御部500」は、本願発明の「変化演出実行手段」の機能を有するといえる。
してみると、引用発明の構成dは、本願発明の構成Dに相当する。

(e)引用発明の「大当り」とするか否か「決定」することは、本願発明の「有利状態に制御するか否かを決定する」ことに相当する。
したがって、引用発明の「主制御部300」は、本願発明の「決定手段」の機能を有するといえる。
してみると、引用発明の構成eは、本願発明の構成Eに相当する。

(f)引用発明の「スーパーリーチ演出」は、「当否判定結果」が「大当りである場合にはずれである場合よりも高い割合」で実行される点で、本願発明の「特定演出」に相当する。
したがって、引用発明の「第1副制御部400」は、本願発明の「特定演出実行手段」の機能を有するといえる。
してみると、引用発明の構成fは、本願発明の構成Fに相当する。

(g)引用発明の「特図1および特図2のそれぞれにおいて増加した始動情報を先読みして、当否判定処理よりも前に停止図柄を事前判定」することは、有利状態に制御されるか否かを示す「停止図柄」を「当否判定処理よりも前に」「事前判定」する点で、本願発明の「前記決定手段による決定前に前記有利状態に制御されるか否かを判定する」ことに相当する。
したがって、引用発明の「主制御部300」は、本願発明の「判定手段」の機能を有するといえる。
してみると、引用発明の構成gは、本願発明の構成Gに相当する。

(h)引用発明の「保留アイコンの表示態様」は、本願発明の「対応表示の態様」に相当する。
また、引用発明の「球系の保留アイコン表示グループ」における「白」及び「赤」(又は「青」)、又は、「箱系の保留アイコン表示グループ」における「箱」及び「千両箱」は、それぞれ、本願発明の「第1態様」及び「第2態様」に相当する。
ここで、引用発明の「保留アイコンの表示態様」(対応表示の態様)について、「球系の保留アイコン表示グループでは信頼度(大当り信頼度)の高い方から「赤」、「青」、「白」となって」いる点、「箱系の保留アイコン表示グループでは信頼度の高い方から「千両箱」、「箱」となって」いる点、及び、「当り時に選択される方が、はずれ時に選択されるよりも信頼度の高い表示態様が選択され易く」なっている点を総合すると、引用発明では「大当り時」には、「はずれ時」よりも、「赤(又は「青」)」又は「千両箱」(「第2態様」)が選択される割合が高いことを意味するから、当該引用発明の具備する事項は、本願発明の「前記判定手段により前記有利状態に制御されると判定されている場合には、前記有利状態に制御されると判定されていない場合よりも高い割合で前記対応表示手段により表示される対応表示を前記第2態様に決定する」事項に相当する。
したがって、引用発明の「第2副制御部500」は、本願発明の「表示態様決定手段」の機能を有するといえる。
してみると、引用発明の構成hは、本願発明の構成Hに相当する。

(j)引用発明の「変更対象の第3変動前アイコンb3」は、本願発明の「特定の対応表示」に相当し、引用発明の「第1変動前アイコンb1」及び「第2変動前アイコンb2」は、共に、本願発明の「特定の対応表示以外の対応表示」に相当する。
また、引用発明の「殿様のキャラクタが第1保留表示位置に表示された第1変動前アイコンb1に重なり、第1変動前アイコンb1が視認困難」とし、「剣を構えた殿様のキャラクタが、第2保留表示位置に表示された第2変動前アイコンb2に重なり、第2変動前アイコンb2が視認困難」とすることは、いずれも、「第1変動前アイコンb1」(特定の対応表示以外の対応表示)又は「第2変動前アイコンb2」(特定の対応表示以外の対応表示)の少なくとも一部を「隠ぺい」することを意味するから、「殿様のキャラクタ」は、本願発明の「隠ぺい画像」に相当する。
一方、引用発明の「変更対象の第3変動前アイコンb3の表示態様」(特定の対応表示)を「白い丸印の中に「温」が記された表示態様(第二の表示態様)」又は「第三の態様(例えば、白い丸印の中に「熱」が記された表示態様)」に変化させる変化演出では、「殿様のキャラクタ」(隠ぺい画像)が「変更対象の第3変動前アイコンb3を斬りつけ」ると同時に「変更対象の第3変動前アイコンb3の表示態様が特定できなくなり、「(e)[G3]アイコンの態様を特定できない期間」では、演出画像(ここでは閃光画像f)が第3変動前アイコンb3全体を覆い、第3変動前アイコンb3自体が視認不能に」なり、さらに、「「(f)[G3]アイコンの態様を特定できない期間」では、閃光画像fが小さくなってきているものの、第3変動前アイコンb3の表示態様は特定できず、」という状態を経て、「「(h)[G4]変更後の態様を特定可能な最初のフレーム」に示す装飾図柄表示装置208では、グループ4(G4)の静止画像(1フレーム分の画像)が表示され、変更対象である第3変動前アイコンb3の表示態様を特定することができ、第3変動前アイコンb3の表示態様は、大当りの期待度を表す表示態様に既に変更され」るのであるから、引用発明の変化演出を実行するときには、「殿様のキャラクタ」(隠ぺい画像)とは別の「閃光画像f」によって、「変更対象の第3変動前アイコンb3の表示態様」(特定の対応表示)が隠ぺいされることを意味する。
してみると、引用発明の構成jは、「前記変化演出実行手段が複数の対応表示のうちの特定の対応表示の態様を変化させる変化演出を実行するときに、」「当該特定の対応表示以外の対応表示の少なくとも一部を隠ぺい画像により隠ぺい」するという限りにおいて、本願発明の構成Jに共通する。

(k)引用発明の「大当り信頼度」は、本願発明の「有利状態に制御される期待度」に相当する。
また、引用発明の「第一の変更アニメーション」と「第二の変更アニメーション」について「変更アニメーションの尺を異な」らせたアニメーションを実行可能であることは、「第1変動前アイコンb1」又は「第2変動前アイコンb2」(いずれも「特定の対応表示以外の対応表示」)を「殿様キャラクタ」(隠ぺい画像)を用いて視認困難(隠ぺい)するアニメーションの種類が複数あることを意味するから、本願発明の「前記特定の対応表示以外の対応表示の隠ぺいのされ方が複数種類」あることに相当する。
そして、引用発明の「大当り信頼度」(有利状態に制御される期待度)に応じて「各変更アニメーションの尺」を「異な」らせることは、本願発明の「特定の対応表示以外の対応表示の隠ぺいのされ方が複数種類のうちのいずれであるかに応じて、前記有利状態に制御される期待度が異な」ることに相当する。
してみると、引用発明の構成kは、本願発明の構成Kに相当する。

(d-1)引用発明の「殿様のキャラクタ」(隠ぺい画像)が「変更対象の第3変動前アイコンb3を斬りつけ」る演出を契機に、「第3変動前アイコンb3」(特定の対応表示)の変化演出を実行する点は、本願発明の「前記変化演出実行手段は、前記隠ぺい画像が前記特定の対応表示に作用することにより、変化演出を実行」することに相当する。
してみると、引用発明の構成d-1は、本願発明の構成D-1に相当する。

(m)引用発明の「パチンコ機」は、本願発明の「遊技機」に相当する。
してみると、引用発明の構成mは、本願発明の構成Mに相当する。

したがって、本願発明と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

[一致点]
「A 変動表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
B 変動表示に関する情報を保留情報として記憶する保留記憶手段と、
C 前記保留情報に対応する対応表示を行う対応表示手段と、
D 前記対応表示の態様を変化させる変化演出を実行する変化演出実行手段と、
E 前記有利状態に制御するか否かを決定する決定手段と、
F 前記決定手段により前記有利状態に制御すると決定されている場合に、前記有利状態に制御すると決定されていない場合よりも高い割合で特定演出を変動表示中において実行する特定演出実行手段と、
G 前記決定手段による決定前に前記有利状態に制御されるか否かを判定する判定手段と、
H 前記対応表示手段により表示される対応表示の態様を第1態様と当該第1態様とは異なる第2態様とに決定可能であって、前記判定手段により前記有利状態に制御されると判定されている場合には、前記有利状態に制御されると判定されていない場合よりも高い割合で前記対応表示手段により表示される対応表示を前記第2態様に決定する表示態様決定手段と、
J’前記変化演出実行手段が複数の対応表示のうちの特定の対応表示の態様を変化させる変化演出を実行するときに、当該特定の対応表示以外の対応表示の少なくとも一部を隠ぺい画像により隠ぺいし、
K 前記特定の対応表示以外の対応表示の隠ぺいのされ方が複数種類のうちのいずれであるかに応じて、前記有利状態に制御される期待度が異なり、
D-1 前記変化演出実行手段は、前記隠ぺい画像が前記特定の対応表示に作用することにより、変化演出を実行し、
M 遊技機。」

[相違点]
(相違点1)本願発明は、「前記特定演出が実行される変動表示に対応する対応表示が前記第1態様で表示されている場合に、当該対応表示の表示態様を前記第2態様に変更する表示態様変更手段」「を備え」との事項を有するのに対し、引用発明は、そのような構成を備えていない点。(構成I)

(相違点2)本願発明は「前記変化演出実行手段が複数の対応表示のうちの特定の対応表示の態様を変化させる変化演出を実行するときに、当該特定の対応表示を隠ぺいすることなく当該特定の対応表示以外の対応表示の少なくとも一部を隠ぺい画像により隠ぺい」するのに対し、
引用発明は、「第3変動前アイコンb3」(特定の対応表示)の表示態様を変化させる変化演出を実行するときに、「殿様のキャラクタ」(隠ぺい画像)によって「第1変動前アイコンb1」及び「第2変動前アイコンb2」(特定の対応表示以外の対応表示)を隠ぺいするものの、「第3変動前アイコンb3」(特定の対応表示)についても「殿様のキャラクタ」(隠ぺい画像)とは別の「閃光画像f」によって隠ぺいする点。(構成J)

(相違点3)本願発明は、「前記表示態様決定手段による決定により対応表示が前記第2態様となるときと、前記表示態様変更手段による変更により対応表示が前記第2態様となるときとで、前記有利状態に制御される期待度が異なる」との事項を有するのに対し、
引用発明は、「表示態様変更手段」を備えておらず(上記「相違点1」)、それゆえ、「前記表示態様決定手段による決定により対応表示が前記第2態様となるときと、前記表示態様変更手段による変更により対応表示が前記第2態様となるときとで、前記有利状態に制御される期待度が異なる」との構成を備えていない点。(構成L)

(2)相違点についての判断

事案に鑑みて、先ず相違点2から検討する。
引用発明では、「第3変動前アイコンb3」(特定の対応表示)の表示態様を変化させる際には、当該「第3変動前アイコンb3」(特定の対応表示)は、「殿様のキャラクタ」(隠ぺい画像)とは別の「閃光画像f」によって隠ぺいするものである。
そうすると、引用発明は「第3変動前アイコンb3」(特定の対応表示)の表示態様を変化させる際に当該「第3変動前アイコンb3」(特定の対応表示)を隠ぺいしない態様であるとはいえず、また、そのような態様に想到することが、当業者であっても引用発明に基づいて容易になし得たものとはいえない。
そして、本願発明は「前記変化演出実行手段が複数の対応表示のうちの特定の対応表示の態様を変化させる変化演出を実行するときに、当該特定の対応表示を隠ぺいすることなく当該特定の対応表示以外の対応表示の少なくとも一部を隠ぺい画像により隠ぺい」するという構成を採用することにより、「変化演出を実行するときにターゲットの保留表示以外の保留表示を隠ぺいするので、変化の対象となるターゲットの保留表示(対応表示)への注目度を高めることができる」(本願明細書【0283】参照)という効果を奏するものである。
したがって、相違点2に係る本願発明の構成は、引用発明に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

次に、上記相違点1及び相違点3について、以下にまとめて検討する。
まず、本願発明と引用発明2とを比較する。
引用発明2の「スーパーリーチ」、「通常態様(白色)」及び「特2特別対応である「赤色」(又は「第1特別態様である「黄色」)」は、それぞれ、本願発明の「特定演出」、「第1態様」及び「第2態様」に相当する。
したがって、引用発明2の「読み出した変動パターンがスーパーリーチの変動パターンのいずれかに該当する場合」であり「アクティブ表示記憶バッファの表示態様フラグが、通常態様を示す「0」」であれば「再抽選テーブルを用いて、アクティブ表示の表示態様を、通常態様から第1特別態様である「黄色」または第2特別態様である「赤色」に変化させるか否かを再決定」することは、
本願発明の「前記特定演出が実行される変動表示に対応する対応表示が前記第1態様で表示されている場合に、当該対応表示の表示態様を前記第2態様に変更する表示態様変更手段を備え」ることに相当する。
また、引用発明2の「始動入賞時に保留表示として赤色(第2特別態様)の表示態様とされたものがアクティブ表示として表示される場合(第1パターン)」及び「始動入賞時には白色(通常態様)にて表示されていたものがアクティブ表示として表示される際に赤色(第2特別態様)の表示態様に変化して表示される場合(第2パターン)」は、それぞれ、本願発明の「表示態様決定手段による決定により対応表示が前記第2態様となるとき」及び「前記表示態様変更手段による変更により対応表示が前記第2態様となるとき」に相当する。
したがって、引用発明2の「第2パターンであるアクティブ表示として表示される際に変化した赤色(第2特別態様)の表示態様の方が、第1パターンである保留表示の表示態様を引き継いだ赤色(第2特別態様)の表示態様よりも、「大当り」となる可能性(期待度)が高くなる」ことは、本願発明の「前記表示態様決定手段による決定により対応表示が前記第2態様となるときと、前記表示態様変更手段による変更により対応表示が前記第2態様となるときとで、前記有利状態に制御される期待度が異なる」ことに相当する。
してみると、引用発明2は、本願発明の構成I及び構成Lを備える発明である。

一方、引用発明と引用発明2とは、共に、表示手段を用いてスーパーリーチ演出と保留表示による先読み演出を行う遊技機との、共通の技術分野に属する。
また、スーパーリーチ演出及び先読み演出は、表示手段を用いて遊技者に大当りの期待度を報知する作用によって、遊技の興趣を高めるために用いられることは、当業者にとって技術常識である。
よって、引用発明において、表示手段を用いたスーパーリーチ演出及び先読み演出によって遊技の興趣を高めるとの技術常識に基づき、より一層、遊技の興趣を高めるとの課題を認識し、引用発明2における、スーパーリーチ演出に対応する保留表示の態様を再決定する手段、及び、始動入賞時に決定された態様に基づき変化する場合と始動入賞後の再決定によって変化する場合のいずれの場合で保留表示の態様が変化するかによって、大当りへの期待度を異なるものとする構成を採用し、上記相違点1及び相違点3に係る本願発明の構成を備えるようにすることは、当業者が容易に想到し得たものといえる。また、そのように組み合わせることを阻害する要因も認められない。

しかしながら、上記相違点2に係る本願発明の構成については、先に述べたとおり、引用発明に基づいて容易にできたものではなく、また、引用発明及び引用発明2から導き出せるものでもないため、本願発明は、引用発明及び引用発明2に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

第6 原査定について
1.理由1(特許法第29条第1項第3号)について
審判請求時の補正により、本願発明は、拒絶査定時の請求項1に対して拒絶査定時の請求項2に係る発明特定事項の全てを追加し、かつ、「前記表示態様決定手段による決定により対応表示が前記第2態様となるときと、前記表示態様変更手段による変更により対応表示が前記第2態様となるときとで、前記有利状態に制御される期待度が異なる」との事項を追加するものであるが、上記「第5 対比・判断」「(2)相違点についての判断」を踏まえると、引用発明とはいえない。
したがって、原査定の理由1を維持することはできない。

2.理由2(特許法第29条第2項)について
上記理由1についての検討と同様に、上記「第5 対比・判断」「(2)相違点についての判断」を踏まえると、本願発明は、当業者であっても、引用発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
したがって、原査定の理由2を維持することはできない。

第8 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-06-25 
出願番号 特願2016-101159(P2016-101159)
審決分類 P 1 8・ 113- WY (A63F)
P 1 8・ 121- WY (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 永田 美佐  
特許庁審判長 平城 俊雅
特許庁審判官 藤田 年彦
牧 隆志
発明の名称 遊技機  
代理人 塩川 誠人  
代理人 岩壁 冬樹  
代理人 眞野 修二  
代理人 井伊 正幸  
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