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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
管理番号 1352859
審判番号 不服2018-2068  
総通号数 236 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-08-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-02-14 
確定日 2019-06-21 
事件の表示 特願2016-110667号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 8月25日出願公開、特開2016-153060号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成23年10月18日に出願した特願2011-229225号の一部を平成28年6月2日に新たな特許出願(特願2016-110667号)としたものであって、同年7月29日に手続補正書が提出され、平成29年4月25日付けで拒絶の理由が通知され、同年6月2日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年11月10日付け(送達日:同年11月14日)で拒絶査定がなされ、それに対して、平成30年2月14日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされ、これに対し、当審において、同年10月31日付けで拒絶の理由が通知され、同年12月25日に意見書及び手続補正書が提出され、これに対し、当審において、平成31年2月4日付けで拒絶の理由が通知され、同年4月8日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成31年4月8日になされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである(A?Gは、本願発明を分説するために当審で付与した。)。
「【請求項1】
A 遊技機に対する異常状態を報知する報知音と、遊技の進行による演出音とを出力する複数の音声出力手段と、
B 演出表示手段と、
C 前記音声出力手段から出力する音量を調整可能な第1音量調整手段と、
D 前記音声出力手段と前記演出表示手段とを演出の進行にもとづいて制御する演出制御手段と、
E 前記音声出力手段から出力する音量を調整可能な前記第1音量調整手段とは異なる第2音量調整手段と、を備える遊技機において、
F 前記第1音量調整手段と前記第2音量調整手段のうち、前記第1音量調整手段は、遊技者が操作することができない調整手段とされ、
D 前記演出制御手段は、
D1 前記第1音量調整手段が操作されたことにより該操作に応じて前記演出音の音量を設定する演出音音量設定制御手段と、
D2 前記演出表示手段が待機状態とされている期間において、遊技者が操作可能な前記第2音量調整手段が操作されたことにより該操作に応じて前記演出音音量設定制御手段が設定した前記演出音の音量を変更する演出音音量変更制御手段と、
D3 初期化条件が成立したときに、前記演出音音量変更制御手段により変更された前記演出音の音量を遊技者の設定によらない初期音量とする演出音初期化制御手段と、
D4 異常状態に基づく異常報知期間において前記遊技機に対する異常状態を報知するための前記報知音の音量を前記演出音音量設定制御手段で設定される音量に依存させることなく設定する報知音音量設定制御手段と、
D5 前記遊技機に対する異常状態を報知する前記報知音が前記音声出力手段から出力される前記異常報知期間を所定期間経過したことによって終了させる報知期間終了手段と、
D6 前記異常報知期間が発生した際に進行している音生成用スケジュールデータに従って前記音声出力手段から出力されていた前記演出音の音量を消音に変更設定し、前記異常報知期間が前記報知期間終了手段によって所定期間経過し終了されると消音に変更設定されていた前記演出音の音量が前記異常報知期間発生以前に所定条件が成立していたかに応じて異なる音量で復旧設定されるように、前記所定条件が成立していない場合においては前記第1音量調整手段の操作に応じて設定されている音量に復旧設定し、前記所定条件が成立していた場合においては前記第2音量調整手段の操作に応じて前記演出音音量変更制御手段が設定していた音量に復旧させるとともに、前記異常報知期間に亘って消音に変更設定される前記演出音の音生成用スケジュールデータの進行を前記異常報知期間の間も停止することなく進行を継続させることで、消音に変更設定された音量が復旧設定される際に所定期間分音生成用スケジュールデータが進行した状態で音生成用スケジュールデータに従って出力される演出音を復旧させる演出音進行継続制御手段と、
D7 前記演出音及び前記報知音を前記音声出力手段から出力する制御を実行する音出力実行制御手段と、を備え、
D4 前記報知音音量設定制御手段は、
D41 前記演出音音量設定制御手段が前記第1音量調整手段の操作に応じて前記演出音の音量を小さく設定している状態又は前記演出音音量変更制御手段が前記第2音量調整手段の操作に応じて前記演出音音量設定制御手段が設定した前記演出音の音量を小さく変更している状態であっても、前記異常報知期間においては、当該演出音の音量と比べて大きい音量を前記報知音の音量として設定し、
D6 前記演出音進行継続制御手段は、
D61 前記異常報知期間において所定期間経過する前に新たな異常が発生した場合、新たな異常が発生する前の異常状態が解除されても当該新たな異常が継続している場合には、消音にされた前記演出音の音量を復旧することなく、当該新たな異常に対する異常報知を継続し、
D7 前記音出力実行制御手段は、
D71 前記異常報知期間においては、前記異常報知期間以外に出力しない前記報知音の音データに消音に設定された前記演出音の音データを加えて出力することで前記報知音を前記音声出力手段から出力し聴取可能にしている
G ことを特徴とする遊技機。」

第3 当審拒絶理由の概要
平成31年2月4日付けの当審における拒絶の理由の概要は、以下の通りである。

(進歩性)本件出願の請求項1に記載された発明(以下、「本願発明」という。)は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

●理由(進歩性)について
・本願発明について
・引用例 1?6

1.特開2009-5735号公報
2.特開2005-288020号公報
3.特開2008-253577号公報
4.特開2011-142953号公報(周知技術を示す文献)
5.特開2009-34354号公報(周知技術を示す文献)
6.特開2004-215805号公報(周知技術を示す文献)

第4 引用例に記載された事項
1 引用例1
当審における拒絶の理由(平成31年2月4日付け拒絶理由通知書)に引用例1として引用された本願の出願遡及日前に頒布された特開2009-5735号公報(以下「引用例1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同じ。)。

(ア)「【0027】
中央装置26には、演出表示装置27が設けられている。演出表示装置27は、液晶画面を搭載しており、キャラクタ図柄や背景図柄などの種々の演出用図柄を変動停止表示することが可能となっている。また、中央装置26の左下には、図柄表示装置28が設けられており、図柄表示装置28では普通図柄や特別図柄などを変動停止表示することが可能となっている。」

(イ)「【0035】
また、裏機構盤102の中央部付近においては、演出制御基板ケース114、アンプ基板ケース115、装飾駆動基板ケース116、サブ制御基板ケース117などが設けられている。演出制御基板ケース114は、演出表示装置27を駆動する演出制御基板230を収容している。アンプ基板ケース115は、各種スピーカ5y、6cを駆動するアンプ基板226を収容している。装飾駆動基板ケース116は、装飾用の各種LEDやランプを駆動する装飾駆動基板228を収容している。サブ制御基板ケース117は、これら演出制御基板230、アンプ基板226や装飾駆動基板228などを制御するサブ制御基板220を収容している。そして、サブ制御基板ケース117の前面には、各種スピーカ5y,6cから出力される音量を調節するための音量設定スイッチ300が設けられている。」

(ウ)「【0039】
サブ制御基板220は、主制御基板200からの各種コマンドを受け取ると、コマンドの内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。すなわち、主制御基板200から受け取った各種コマンドに基づいて、前述した演出表示装置27での具体的な表示内容や、各種スピーカ5y,6cで出力する効果音、更には、各種LEDやランプ類4b?4fの点灯もしくは点滅の具体的な態様を決定した後、演出表示装置27を駆動する演出制御基板230、各種スピーカ5y、6cを駆動するアンプ基板226、装飾用の各種LEDやランプを駆動する装飾駆動基板228に向けてそれぞれ駆動信号を出力することにより、遊技の演出を行う。また、前述した操作スイッチSW1,SW2からの操作信号は、演出ボタン基板229を介してサブ制御基板220に入力される。」

(エ)「【0075】
ここで、前述したように主制御基板200は、図10に示した遊技制御処理を実行する中で、遊技の演出に関する種々の制御コマンド(演出コマンド)をサブ制御基板220に向かって出力する。サブ制御基板220では、受け取った演出コマンドに基づいて具体的な演出の態様を決定し、演出表示装置27、各種スピーカ5y,6c、各種LEDやランプ類4b?4fを用いて様々な演出を行っている。また、遊技機1において何らかの異常が発生した場合には、その旨が主制御基板200からサブ制御基板220に伝達され、サブ制御基板220は、演出表示装置27、各種スピーカ5y,6c、各種LEDやランプ類4b?4fを用いてエラーの発生を報知するようになっている。そして、本実施例の遊技機1では、エラーの発生を効果音によって確実に報知するために、サブ制御基板220によって効果音のボリューム設定を変更する特別な処理が行われている。以下では、サブ制御基板220が効果音のボリューム設定を変更するために行う処理(ボリューム設定処理)の内容について詳しく説明する。
【0076】
C-2.ボリューム設定処理 :
ボリューム設定処理の内容を説明するにあたって、理解を容易にするために、先ず、効果音を発生させるための回路構成、およびサブ制御基板220を中心として入出力される制御コマンドや制御信号について簡単に説明しておく。図11は、効果音の出力に関連する回路構成と、サブ制御基板220に対して入出力される制御コマンドおよび制御信号を示したブロック図である。図示されているように、主制御基板200がサブ制御基板220に向けて遊技の演出に関する制御コマンド(演出コマンド)や、遊技機1に何らかのエラーが発生した旨を伝達する制御コマンド(エラー報知コマンド)を出力すると、これらのコマンドは、サブ制御基板220に搭載されたCPU221に供給される。CPU221では、受け取ったコマンドの内容を解析して具体的な演出態様やエラー報知態様を決定する。そして、CPU221が効果音による演出やエラー報知を行うことを決定した場合には、同じくサブ制御基板220に搭載された音源IC224に向かって、効果音の内容を指定するための信号(効果音指定信号)を出力するとともに、必要に応じて効果音のボリューム設定の変更を指示するための信号(ボリューム設定信号)を出力する。
【0077】
ここで、音源IC224は、効果音出力チャンネルと呼ばれる複数のチャンネルを備えており、各チャンネルには、それぞれ異なる効果音データが予め割り当てられている。図12は、本実施例の遊技機1における効果音出力チャンネルの構成を概念的に示した説明図である。図示されているように、本実施例の音源IC224は、チャンネル0?7の全部で8チャンネルの効果音出力チャンネルを有している。このうち、チャンネル0?6の7チャンネルは、演出に関する様々な効果音データ(演出音データ)がそれぞれ割り当てられたチャンネル(演出用チャンネル)である。本実施例の遊技機1では、演出の態様(図柄変動演出、予告演出、リーチ演出、大当り演出など)に応じた7種類の効果音データ(演出音データ)が予め用意されており、それぞれ演出用チャンネル(チャンネル0?6)の何れかに割り当てられている。一方、チャンネル7は、演出に用いられることないエラー報知のためだけの効果音データ(エラー音データ)が割り当てられたチャンネル(エラー報知用チャンネル)である。尚、ここでは、エラー報知用チャンネルは1チャンネルのみであるものとして説明するが、エラー報知の態様を増やしたい場合には、エラー報知用チャンネルを複数にして、それぞれ異なる効果音データ(エラー音データ)を割り当てることも可能である。また、本実施例の遊技機1では、演出用チャンネルの各チャンネルに割り当てる効果音データ(演出音データ)を演出態様毎に分けているが、これに限られるわけではなく、例えば、音の高さや、楽器の種類、あるいは楽曲などの違いによって分類しておいてもよい。
・・・
【0079】
効果音指定信号を受け取ると、音源IC224では、効果音指定信号に何れの効果音出力チャンネルが指定されているかに基づいて、サブ制御基板220に搭載された音源ROM225から効果音データの読み出しを行う。音源ROM225にはチャンネル数に対応する様々な効果音データが予め記憶されており、その中から指定されたチャンネルに割り当てられた効果音データを読み出して、アンプ基板226に向かって効果音データ信号を出力する。こうして出力された効果音データ信号はアンプ基板226で増幅されて、スピーカ5y,6cから効果音が出力される。尚、効果音指定信号には同時に複数のチャンネルを指定することも可能である。このような効果音指定信号を受け取った音源ICは、指定された複数のチャンネルの各々に割り当てられた効果音データを音源ROM225から読み出して、複合効果音データ信号をアンプ基板226に向けて出力する。これにより、種類の異なる複数の効果音を組み合わせて出力することも可能である。ただし、本実施例の遊技機1では、演出用チャンネル(チャンネル0?6)とエラー報知用チャンネル(チャンネル7)とを明確に区別しており、効果音指定信号に演出用チャンネルとエラー報知用チャンネルとを同時に指定しないようになっている。また、音源IC224から出力された効果音データ信号はアンプ基板226で増幅されて、スピーカ5y,6cから音波として出力されることから、本実施例の第1スピーカ5yおよび第2スピーカ6cは、本発明の「効果音出力手段」の一態様を構成している。
【0080】
ここで、音源IC224がアンプ基板226に向かって出力する効果音データ信号の出力レベル(効果音のボリューム)は、サブ制御基板220のCPU221からのボリューム設定信号に基づいて設定される。また、効果音のボリュームは、効果音出力チャンネルの各チャンネルに対して個別に設定されるボリューム(チャンネルボリューム)と、全てのチャンネルに対して一律に設定されるボリューム(トータルボリューム)とから構成されている。本実施例の遊技機1では、チャンネルボリュームおよびトータルボリュームは、それぞれ4段階(「消音」、「小」音量、「中」音量、「大」音量の何れか)に設定可能であり、チャンネルボリュームは、トータルボリュームの設定の範囲内で設定に応じて4段階に切り換わる。従って、トータルボリュームの設定が「消音」であると、チャンネルボリュームの設定にかかわらず、効果音は全て消音されることになる。また、チャンネルボリュームの設定が「消音」であれば、トータルボリュームの設定が「大」音量であっても、効果音は消音される。
【0081】
そして、サブ制御基板220のCPU221は、音源IC224に向かって出力するボリューム設定信号によって、チャンネルボリュームあるいはトータルボリュームの何れかの設定変更を指示するようになっている。このうち、チャンネルボリュームの設定変更については、主制御基板200から演出コマンドを受け取ったCPU221が演出の進行に合わせて適宜指示しており、例えば、効果音(演出音)をフェードアウトあるいはフェードインさせるなど、遊技状況に応じて効果音の音量(ボリューム)を変更することが可能となっている。また、図11に示されているように、サブ制御基板220のCPU221には、音量設定スイッチ300が接続されており、CPU221は、この音量設定スイッチ300の状態に基づいてトータルボリュームの設定を決定して、変更を指示するようになっている。尚、トータルボリュームの設定および各チャンネルボリュームの設定を指示する処理はサブ制御基板220のCPU221によって行われていることから、本実施例のサブ制御基板220のCPU221は、本発明の「全体音量設定手段」および「個別音量設定手段」の一態様を構成している。」

(オ)「【0089】
こうして音量設定スイッチ300の状態に基づくトータルボリュームの設定を指示するボリューム設定信号を音源IC224に向かって出力したら、ボリューム設定処理の先頭に戻って、再び電源投入時か否かを判断する(S200)。当然ながら、2回目以降のS200の処理では必ず「no」と判断されるので、続いて、演出の進行に伴うボリューム設定の変更を行うか否かを判断する(S206)。前述したように、主制御基板200から演出コマンドを受け取ったサブ制御基板220のCPU221は、演出用チャンネル(チャンネル0?6)の各チャンネルボリュームの設定を、演出の進行に合わせて適宜変更するようになっている。そして、演出の進行に伴ってボリューム設定の変更を行う場合には(S206:yes)、まず、各チャンネルボリュームの変更後の設定(音量設定情報)を、サブ制御基板220に搭載されたRAM222(図11参照)の所定領域に記憶する(S208)。ここで、各チャンネルボリュームの変更後の設定(音量設定情報)、すなわち変更後の音量は、サブ制御基板220のCPU221の制御下で行われる種々の演出パターンに応じて予め設定されている。また、音量の変更時期も演出パターンに応じて予め設定されている。このため、サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200から受信した演出コマンドを解析することで、その演出コマンドに対応する演出の実行時における音量の変更時期や変更後の音量を特定することができる。尚、演出の進行に合わせて各チャンネルボリュームを個別に変更する処理はサブ制御基板220のCPU221が行っていることから、本実施例のサブ制御基板220のCPU221は、本発明の「個別音量変更手段」の一態様を構成している。また、変更後のチャンネルボリュームの設定をRAM222に記憶しておくことから、本実施例のサブ制御基板220に搭載されたRAM222は、本発明の「個別音量記憶手段」の一態様を構成している。
・・・
【0092】
以上では、演出の進行に伴うボリューム設定の変更を行う場合(S206:yes)について説明したが、演出の進行に伴うボリューム設定の変更を行わない場合には(S206:no)、次いで、エラーの発生に伴うボリューム設定の変更を行うか否かを判断する(図15のS214)。前述したように、遊技機1に何らかのエラーが発生すると、主制御基板200からエラー報知コマンドが出力される。本実施例の遊技機1では、例えば、前述した大入賞口31dが閉鎖中であるにもかかわらず大入賞口スイッチ31sで遊技球が検出されたことによって、大入賞口31dに異常が発生したものと判断された場合(大入賞口エラー)や、前述した下皿満杯スイッチ6sからの検出信号によって、下皿6が満杯状態になっている異常が発生したと判断された場合(下皿エラー)等に、エラー報知コマンドが主制御基板200から出力されるようになっている。そして、このコマンドを受け取ったサブ制御基板220のCPU221は、エラー発生に伴うボリューム設定の変更を行うと判断して(S214:yes)、演出用チャンネル(チャンネル0?6)の全てのチャンネルボリュームを「消音」に設定する旨のボリューム設定信号を音源IC224に向かって出力する(S216)。
・・・
【0094】
以上、エラー発生に伴うボリューム設定の変更を行う場合(S214:yes)について説明したが、エラーの発生に伴うボリューム設定の変更を行わない場合は(S214:no)、次に、エラー報知の終了に伴うボリューム設定の変更を行うか否かを判断する(S220)。本実施例の遊技機1では、遊技ホールの管理者(店員)等によってエラーが解除されると、その旨を示す制御コマンド(エラー解除コマンド)が主制御基板200から出力されるようになっており、サブ制御基板220のCPU221は、このコマンドに基づいてエラー報知の終了時期を判断することができる。尚、CPU221がエラー報知の効果音指定信号を音源IC224に向かって出力するのと同時にタイマをセットしておき、所定時間の経過後にエラー報知を終了するようにしてもよい。
・・・
【0096】
以上では、エラー報知の終了に伴うボリューム設定の変更を行う場合(S220:yes)について説明したが、エラー報知の終了に伴うボリューム設定の変更を行わない場合には(S220:no)、今度は、音量設定スイッチ300の操作に伴うボリューム設定の変更を行うか否かを判断する(S226)。前述したように、本実施例の音量設定スイッチ300は、遊技機1の裏面にあるサブ制御基板ケース117の前面に設置されており(図5参照)、遊技ホールの管理者(店員)は、この音量設定スイッチ300を操作してスイッチ0?3(図13参照)の何れの状態にしておくかによって、トータルボリュームの設定を選択できるようになっている(図16参照)。また、このような音量設定スイッチ300の操作は、遊技機1に電源を投入した後においても可能である。そして、電源投入後に音量設定スイッチ300の操作がされていない場合には、音量設定スイッチ300の操作に伴うボリューム設定の変更を行わないと判断して(S226:no)、そのままボリューム設定処理の先頭に戻って、S200以降の一連の処理を繰り返す。」

(カ)「【0100】
D.本実施例の遊技機におけるボリューム設定の変更 :
図18は、前述したボリューム設定処理の実行によって、トータルボリュームおよびチャンネルボリュームの設定が変更される様子を示したタイムチャートである。図18(a)は、トータルボリュームの設定が変更される様子を示している。前述したように、トータルボリュームの設定は、音量設定スイッチ300の状態(図13)に基づいて決定されるようになっており、図18(a)に示した例では、音量設定スイッチ300の状態がスイッチ1になっている。先ず、遊技機1に電源が投入されると、通常時用のボリュームテーブル(図16)を参照して、トータルボリュームが決定される(図14のS204)。本実施例の通常時用のボリュームテーブルでは、スイッチ1の状態に対して「小」音量が対応付けられており、トータルボリュームは「小」音量に設定される。
【0101】
そして、遊技を進行するうちに遊技機1に何らかのエラーが発生すると、エラー時用のボリュームテーブル(図17)を参照して、トータルボリュームが決定される(図15のS218)。本実施例のエラー時用のボリュームテーブルでは、音量設定スイッチ300の全ての状態(スイッチ0?3)に対して「大」音量が対応付けられているので、音量設定スイッチ300の状態にかかわらず、トータルボリュームは「大」音量に設定される。その後、エラーが解除されてエラー報知を終了すると、再び通常時用のボリュームテーブルを参照して、トータルボリュームは「小」音量に設定される(図15のS224)。尚、電源投入後に音量設定スイッチ300が操作された場合には、操作後の音量設定スイッチ300の状態に応じて、トータルボリュームは変更される(図15のS230)。ただし、エラー報知音の出力中に音量設定スイッチ300が操作されても(例えば、スイッチ0の状態に変更されても)、エラー報知を終了するまで、トータルボリュームは「大」音量に設定されたままである(図15のS228:yes)。
・・・
【0104】
エラー報知音の出力中も演出は進行するので、それに合わせて演出用チャンネルの各チャンネルボリュームの設定が変更される場合には、RAM222上の記憶は更新されていくが、音源IC224には新たな設定が伝達されないようになっており(図14のS210:yes)、その結果、音源IC224での設定は「消音」のまま維持される。その後、エラーの解除によりエラー報知を終了すると、RAM222上に記憶されている最新の設定が音源IC224に伝達されて(図15のS224)、演出用チャンネルの各チャンネルボリュームは、エラー報知の終了時に進行していた演出に合った設定に復帰する。
・・・
【0106】
そして、遊技機1にエラーが発生すると、エラー報知用チャンネルが指定される。前述したように、音源IC224では、エラー報知用チャンネル(チャンネル7)の指定を受けると、エラー報知用チャンネルに割り当てられた効果音データ(エラー報知音データ)を音源ROM225から読み出して、アンプ基板226に向かって効果音データ信号を「大」音量で出力する。この信号はアンプ基板226で増幅されて、スピーカ5y,6cからエラー報知音が出力される。その後、エラーが解除されると、エラー報知用チャンネルの指定が解かれ、音源IC224は効果音データ信号の出力を停止するので、エラー報知音は出力されなくなる。
【0107】
以上に説明したように、本実施例の遊技機1では、何らかのエラーが発生すると、音量設定スイッチ300の状態にかかわらずトータルボリュームが「大」音量に設定され、演出用チャンネル(チャンネル0?6)のチャンネルボリュームの全てが「消音」に設定されるとともに、チャンネルボリュームが「大」音量に設定されたエラー報知用チャンネル(チャンネル7)が指定されるようになっている。このため、演出の進行中にエラーが発生しても、演出のための効果音(演出音)は全て消音されて、エラー報知のための効果音(エラー報知音)のみが「最大」音量(トータルボリューム「大」、チャンネルボリューム「大」)で出力される。その結果、遊技機1にエラーが発生した旨を効果音によって確実に報知することが可能となる。この点について、さらに補足して説明する。
・・・
【0109】
これに対して、本実施例の遊技機1では、効果音出力チャンネルを演出用とエラー報知用とに明確に分けており、エラー報知用チャンネルをエラー報知音の出力にのみ用いることとしている。そして、エラーが発生したら、演出用チャンネルのチャンネルボリュームを全て「消音」に設定して、演出音を出力しないようにする(消音させる)とともに、「大」音量に設定されたエラー報知用チャンネルを指定するようになっている。これにより、演出の進行中にエラーが発生しても、エラー報知音だけが「大」音量で出力されるので、エラー報知音が演出音に紛れてしまうことはなく、その結果、エラーが発生した旨を確実に報知することが可能となる。
・・・
【0111】
もちろん、エラー報知の終了と同時に演出の進行を確認し、その結果に応じて演出用チャンネルの各チャンネルボリュームの変更を直ぐに演出用チャンネルに反映させる場合には、進行中の演出にあった音量で演出音の出力を再開することが可能である。しかし、演出用チャンネルの各チャンネルボリュームは、常に(連続的に)変更されているわけではなく、演出の進行に伴って演出音の音量を変化(例えば、フェードアウト)させるときにだけ変更される。このため、エラー報知の終了後しばらくの間、演出の進行に伴う演出音の音量変化がない場合には、演出用チャンネルの各チャンネルボリュームの設定が変更される(新たな設定に変更される)ことはなく、「消音」のまま維持される。結果として、エラー報知を終了しているにもかかわらず、演出音の出力を再開できないということが起こり得る。そこで、エラー報知音の出力中(演出用チャンネルのチャンネルボリュームの全てが「消音」に設定されている間)も、演出の進行に合わせて変更される各チャンネルボリュームの変更後の設定を記憶しておき、エラー報知音の出力終了と同時に、記憶しておいた設定を各チャンネルボリュームに反映させるようにすれば、エラー報知を終了した直後から、進行中の演出に合った適切な音量で演出音の出力を再開することができる。その結果、異常が解消された遊技機1を円滑かつ速やかに通常時の状態へと復帰させることが可能となる。」

(キ)「【0119】
【図1】本実施例の遊技機の正面図である。
【図2】遊技盤の盤面構成を示す説明図である。
【図3】本実施例の遊技機に搭載された図柄表示装置の構成を示す説明図である。
【図4】本実施例の遊技機に搭載された演出表示装置の構成を示す説明図である。
【図5】本実施例の遊技機の裏面構造を示した説明図である。
【図6】本実施例の遊技機における制御回路の構成を示したブロック図である。
【図7】普通図柄が変動表示している様子を概念的に示した説明図である。
【図8】特別図柄が変動表示している様子を概念的に示した説明図である。
【図9】演出表示装置で行われる演出の一態様を例示した説明図である。
【図10】主制御基板に搭載されたCPUが遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。
【図11】効果音の発生に関連する回路構成と、サブ制御基板に対して入出力される制御コマンドおよび制御信号とを示したブロック図である。
【図12】本実施例の遊技機における効果音出力チャンネルの構成を概念的に示した説明図である。
【図13】本実施例の遊技機に設けられている音量設定スイッチを切り換える様子を示した説明図である。
【図14】本実施例の遊技機においてサブ制御基板のCPUが実行するボリューム設定処理の前半部分を示すフローチャートである。
【図15】本実施例の遊技機においてサブ制御基板のCPUが実行するボリューム設定処理の後半部分を示すフローチャートである。
【図16】本実施例の遊技機で用いられる通常時用のボリュームテーブルを例示した説明図である。
【図17】本実施例の遊技機で用いられるエラー時用のボリュームテーブルを例示した説明図である。
【図18】ボリューム設定処理の実行によって、トータルボリュームおよびチャンネルボリュームの設定が変更される様子を示したタイムチャートである。」

上記記載事項(ア)?(キ)より、以下の事項が導かれる。
なお、(a)?(g)は、本願発明の構成A?Gに対応した事項を示している。
(a)上記【0106】には「遊技機1にエラーが発生すると・・・スピーカ5y,6cからエラー報知音が出力される」と記載され、上記【0079】には「スピーカ5y,6cから効果音が出力される」と記載され、上記【0077】には「演出に関する様々な効果音データ(演出音データ)・・・演出に用いられることないエラー報知のためだけの効果音データ(エラー音データ)」と記載され、「エラー報知音」と「演出音」とは「効果音」であるといえるから、引用例1には、遊技機1にエラーが発生すると出力するエラー報知のためだけのエラー報知音と、演出に関する演出音とを効果音として出力するスピーカ5y、6cが記載されている。

(b)上記【0027】には「演出表示装置27」と記載されている。

(c)上記【0035】には「スピーカ5y、6cから出力される音量を調節するための音量設定スイッチ300」と記載されている。

(d)上記【0035】には「演出表示装置27を駆動する演出制御基板230・・・スピーカ5y、6cを駆動するアンプ基板226・・・演出制御基板230、アンプ基板226・・・を制御するサブ制御基板220」と記載されているから、引用例1には、演出表示装置27を駆動する演出制御基板230と、スピーカ5y、6cを駆動するアンプ基板226を制御するサブ制御基板220が記載されている。

(e)(g)上記【0075】には「遊技機1」と記載されているから、引用例1には、遊技機1が記載されている。

(f)上記【0096】には「音量設定スイッチ300は、遊技機1の裏面にあるサブ制御基板ケース117の前面に設置されており(図5参照)、遊技ホールの管理者(店員)は、この音量設定スイッチ300を操作し」と記載されているから、引用例1には、音量設定スイッチ300は、遊技機1の裏面にあるサブ制御基板ケース117の前面に設置されており(図5)、遊技ホールの管理者(店員)が、この音量設定スイッチ300を操作することが記載されている。

(d1)上記【0080】には「効果音のボリュームは、・・・トータルボリューム・・・とから構成されている・・・トータルボリュームは、それぞれ4段階(「消音」、「小」音量、「中」音量、「大」音量の何れか)に設定可能であり」と記載され、上記【0081】には「サブ制御基板220のCPU221・・・CPU221は、この音量設定スイッチ300の状態に基づいてトータルボリュームの設定を決定して、変更を指示する」と記載されているから、引用例1には、効果音のボリュームのうちトータルボリュームについて、音量設定スイッチ300の状態に基づく4段階(「消音」、「小」音量、「中」音量、「大」音量の何れか)の設定を決定して、変更を指示するサブ制御基板220のCPU221が記載されている。

(d4)上記【0101】には「エラーが発生すると、・・・図15のS218・・・エラー時用のボリュームテーブルでは、音量設定スイッチ300の全ての状態(スイッチ0?3)に対して「大」音量が対応付けられているので、音量設定スイッチ300の状態にかかわらず、トータルボリュームは「大」音量に設定される」と記載され、上記【0119】には図15に記載された内容についての説明として「【図15】・・・サブ制御基板のCPUが実行する・・・フローチャート」と記載され、上記【0081】には「サブ制御基板220のCPU221」と記載されているから、引用例1には、エラーが発生すると、エラー時用のボリュームテーブルでは、音量設定スイッチ300の全ての状態(スイッチ0?3)に対して「大」音量が対応付けられているので、音量設定スイッチ300の状態にかかわらず、トータルボリュームを「大」音量に設定するサブ制御基板220のCPU221が記載されている。

(d5)上記【0094】には「サブ制御基板220のCPU221は・・・エラー報知の効果音指定信号を音源IC224に向かって出力するのと同時にタイマをセットしておき、所定時間の経過後にエラー報知を終了する」と記載されているから、引用例1には、エラー報知の効果音指定信号を音源IC224に向かって出力するのと同時にタイマをセットしておき、所定時間の経過後にエラー報知を終了するサブ制御基板220のCPU221が記載されている。

(d6)上記【0076】には「サブ制御基板220に搭載された音源IC224」と記載され、上記【0077】には「音源IC224は、チャンネル0?7の全部で8チャンネルの効果音出力チャンネルを有している。このうち、チャンネル0?6の7チャンネルは、演出に関する様々な効果音データ(演出音データ)が・・・割り当てられたチャンネル(演出用チャンネル)である・・・チャンネル7は、演出に用いられることないエラー報知のためだけの効果音データ(エラー音データ)が割り当てられたチャンネル(エラー報知用チャンネル)である」と記載され、上記【0079】には「音源IC224では、効果音指定信号に何れの効果音出力チャンネルが指定されているかに基づいて・・・アンプ基板226に向かって効果音データ信号を出力する・・・出力された効果音データ信号はアンプ基板226で増幅されて、スピーカ5y,6cから効果音が出力される」と記載されているから、引用例1には、サブ制御基板220に搭載された音源IC224は、演出に関する様々な効果音データ(演出音データ)が割り当てられた演出用チャンネル(チャンネル0?6)と、演出に用いられることのないエラー報知のためだけの効果音データ(エラー音データ)が割り当てられたエラー報知用チャンネル(チャンネル7)を有し、音源IC224が効果音データ信号を出力するとスピーカ5y,6cから効果音(演出音又はエラー報知音)が出力されることが記載されている。
また、上記【0092】には「サブ制御基板220のCPU221は、エラー発生に伴う・・・演出用チャンネル(チャンネル0?6)の全てのチャンネルボリュームを「消音」に設定する」と記載され、上記【0089】には「サブ制御基板220のCPU221は、演出用チャンネル(チャンネル0?6)の各チャンネルボリュームの設定を、演出の進行に合わせて適宜変更するようになっている」と記載され、上記【0106】には「遊技機1にエラーが発生すると・・・スピーカ5y,6cからエラー報知音が出力される」と記載されているから、引用例1には、エラー発生に伴い、各チャンネルボリュームの設定を演出の進行に合わせて適宜変更するようになっている演出用チャンネル(チャンネル0?6)の、全てのチャンネルボリュームを「消音」に設定すると共に、エラー報知音が出力されることが記載されている。
そして、上記【0101】には「エラーが解除されてエラー報知を終了すると、再び通常時用のボリュームテーブルを参照して、トータルボリュームは「小」音量に設定される(図15のS224)」と記載され、上記【0094】には「所定時間の経過後にエラー報知を終了する」と記載され、上記【0100】には「トータルボリュームの設定は、音量設定スイッチ300の状態(図13)に基づいて決定される・・・本実施例の通常時用のボリュームテーブルでは、スイッチ1の状態に対して「小」音量が対応付けられており、トータルボリュームは「小」音量に設定される。」と記載されているから、引用例1には、エラーが解除されて所定時間経過後に終了するエラー報知を終了すると、通常時用のボリュームテーブルを参照して、音量設定スイッチ300の状態(図13)に基づいて決定されたトータルボリュームの音量に設定され(図15のS224)ることが記載されている。
加えて、上記【0094】には「所定時間の経過後にエラー報知を終了する」と記載され、上記【0104】には「エラー報知音の出力中も演出は進行するので、それに合わせて演出用チャンネルの各チャンネルボリュームの設定が変更される場合には、RAM222上の記憶は更新されていくが、音源IC224には新たな設定が伝達されないようになっており(図14のS210:yes)、その結果、音源IC224での設定は「消音」のまま維持され」と記載されているから、引用例1には、所定時間経過後に終了するエラー報知音の出力中も演出は進行するので、それに合わせて演出用チャンネルの各チャンネルボリュームの設定が変更される場合には、RAM222上の記憶は更新されていくが、音源IC224には新たな設定が伝達されないようになっており(図14のS210:yes)、その結果、音源IC224での設定は「消音」のまま維持されることが記載されている。
さらに、上記【0111】には「エラー報知の終了と同時に演出の進行を確認し、・・・進行中の演出にあった音量で演出音の出力を再開することが可能である」と記載され、上記【0081】には「サブ制御基板220のCPU221は、本発明の「全体音量設定手段」および「個別音量設定手段」の一態様を構成」と記載されているから、引用例1には、エラー報知の終了と同時に演出の進行を確認し、進行中の演出にあった演出音の出力を再開するサブ制御基板220のCPU221が記載されている。
以上のことから、引用例1には、サブ制御基板220に搭載された音源IC224は、演出に関する様々な効果音データ(演出音データ)が割り当てられた演出用チャンネル(チャンネル0?6)と、演出に用いられることのないエラー報知のためだけの効果音データ(エラー音データ)が割り当てられたエラー報知用チャンネル(チャンネル7)を有し、音源IC224が効果音データ信号を出力するとスピーカ5y,6cから効果音(演出音又はエラー報知音)が出力され、
エラー発生に伴い、各チャンネルボリュームの設定を演出の進行に合わせて適宜変更するようになっている演出用チャンネル(チャンネル0?6)の、全てのチャンネルボリュームを「消音」に設定すると共に、エラー報知音が出力され、
エラーが解除されて所定時間経過後に終了するエラー報知を終了すると、通常時用のボリュームテーブルを参照して、音量設定スイッチ300の状態(図13)に基づいて決定されたトータルボリュームの音量に設定され(図15のS224)、
所定時間経過後に終了するエラー報知音の出力中も演出は進行するので、それに合わせて演出用チャンネルの各チャンネルボリュームの設定が変更される場合には、RAM222上の記憶は更新されていくが、音源IC224には新たな設定が伝達されないようになっており(図14のS210:yes)、その結果、音源IC224での設定は「消音」のまま維持され、
エラー報知の終了と同時に演出の進行を確認し、進行中の演出にあった演出音の出力を再開するサブ制御基板220のCPU221が記載されている。

(d7)上記【0077】には「演出に関する様々な効果音データ(演出音データ)・・・演出に用いられることないエラー報知のためだけの効果音データ(エラー音データ)」と記載され、上記【0039】には「サブ制御基板220は・・・スピーカ5y,6cで出力する効果音・・・演出を行う」と記載され、上記【0106】には「スピーカ5y,6cからエラー報知音が出力される」と記載され、上記(a)において既に検討したように、「エラー報知音」と「演出音」とは「効果音」であるといえるから、引用例1には、演出音及びエラー報知音を効果音としてスピーカ5y、6cから出力する演出を行うサブ制御基板220が記載されている。

(d41)上記【0107】には「演出の進行中にエラーが発生しても、演出のための効果音(演出音)は全て消音されて、エラー報知のための効果音(エラー報知音)のみが「最大」音量(トータルボリューム「大」、チャンネルボリューム「大」)で出力される」と記載されているから、引用例1には、演出の進行中にエラーが発生すると、演出のための効果音(演出音)は全て消音されて、エラー報知のための効果音(エラー報知音)のみが「最大」音量(トータルボリューム「大」、チャンネルボリューム「大」)で出力されることが記載されている。

(d71)上記【0109】には「エラーが発生したら、演出用チャンネルのチャンネルボリュームを全て「消音」に設定して、演出音を出力しないようにする(消音させる)とともに、「大」音量に設定されたエラー報知用チャンネルを指定する・・・演出の進行中にエラーが発生しても、エラー報知音だけが「大」音量で出力される」と記載され、上記【0094】には「所定時間の経過後にエラー報知を終了する」と記載され、上記【0077】には「演出に用いられることないエラー報知のためだけの効果音データ(エラー音データ)」と記載されているから、引用例1には、エラーが発生したら、所定時間経過後に終了するエラー報知となり、演出用チャンネルのチャンネルボリュームを全て「消音」に設定して、演出音を出力しないようにする(消音させる)とともに、「大」音量に設定されたエラー報知用チャンネルを指定し、演出の進行中にエラーが発生しても、演出に用いられることのないエラー報知のためだけのエラー報知音だけが「大」音量で出力されることが記載されている。

上記記載事項(ア)?(キ)及び上記(a)?(d71)の認定事項から、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる(a?gは、発明の構成を分説するため当審で付与した。)。
「a 遊技機1にエラーが発生すると出力するエラー報知のためだけのエラー報知音と、演出に関する演出音とを効果音として出力するスピーカ5y、6cと、
b 演出表示装置27と、
c スピーカ5y、6cから出力される音量を調節するための音量設定スイッチ300と、
d 演出表示装置27を駆動する演出制御基板230と、スピーカ5y、6cを駆動するアンプ基板226を制御するサブ制御基板220と、
e を備える遊技機1において、
f 音量設定スイッチ300は、遊技機1の裏面にあるサブ制御基板ケース117の前面に設置されており(図5)、遊技ホールの管理者(店員)が、この音量設定スイッチ300を操作し、
d サブ制御基板220は、
d1 効果音のボリュームのうちトータルボリュームについて、音量設定スイッチ300の状態に基づく4段階(「消音」、「小」音量、「中」音量、「大」音量の何れか)の設定を決定して、変更を指示するサブ制御基板220のCPU221と、
d4 エラーが発生すると、エラー時用のボリュームテーブルでは、音量設定スイッチ300の全ての状態(スイッチ0?3)に対して「大」音量が対応付けられているので、音量設定スイッチ300の状態にかかわらず、トータルボリュームを「大」音量に設定するサブ制御基板220のCPU221と、
d5 エラー報知の効果音指定信号を音源IC224に向かって出力するのと同時にタイマをセットしておき、所定時間の経過後にエラー報知を終了するサブ制御基板220のCPU221と、
d6 サブ制御基板220に搭載された音源IC224は、演出に関する様々な効果音データ(演出音データ)が割り当てられた演出用チャンネル(チャンネル0?6)と、演出に用いられることのないエラー報知のためだけの効果音データ(エラー音データ)が割り当てられたエラー報知用チャンネル(チャンネル7)を有し、音源IC224が効果音データ信号を出力するとスピーカ5y,6cから効果音(演出音又はエラー報知音)が出力され、
エラー発生に伴い、各チャンネルボリュームの設定を演出の進行に合わせて適宜変更するようになっている演出用チャンネル(チャンネル0?6)の、全てのチャンネルボリュームを「消音」に設定すると共に、エラー報知音が出力され、
エラーが解除されて所定時間経過後に終了するエラー報知を終了すると、通常時用のボリュームテーブルを参照して、音量設定スイッチ300の状態(図13)に基づいて決定されたトータルボリュームの音量に設定され(図15のS224)、
所定時間経過後に終了するエラー報知音の出力中も演出は進行するので、それに合わせて演出用チャンネルの各チャンネルボリュームの設定が変更される場合には、RAM222上の記憶は更新されていくが、音源IC224には新たな設定が伝達されないようになっており(図14のS210:yes)、その結果、音源IC224での設定は「消音」のまま維持され、
エラー報知の終了と同時に演出の進行を確認し、進行中の演出にあった演出音の出力を再開するサブ制御基板220のCPU221と、
d7 演出音及びエラー報知音を効果音としてスピーカ5y、6cから出力する演出を行うサブ制御基板220と、を備え、
d4 サブ制御基板220のCPU221は、
d41 演出の進行中にエラーが発生すると、演出のための効果音(演出音)は全て消音されて、エラー報知のための効果音(エラー報知音)のみが「最大」音量(トータルボリューム「大」、チャンネルボリューム「大」)で出力され、
d7 サブ制御基板220は、
d71 エラーが発生したら、所定時間経過後に終了するエラー報知となり、演出用チャンネルのチャンネルボリュームを全て「消音」に設定して、演出音を出力しないようにする(消音させる)とともに、「大」音量に設定されたエラー報知用チャンネルを指定し、演出の進行中にエラーが発生しても、演出に用いられることのないエラー報知のためだけのエラー報知音だけが「大」音量で出力される、
g 遊技機1。」

2 引用例2
当審における拒絶の理由(平成31年2月4日付け拒絶理由通知書)に引用例2として引用された本願の出願遡及日前に頒布された特開2005-288020号公報(以下「引用例2」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。

(ア)「【0041】
サブ統合基板90は、主制御装置30から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを図柄制御装置40、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、各制御部位に送信する。そして、音制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ5からの音声出力を制御し、同様にランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって特別図柄保留記憶LED17、普通図柄保留記憶LED、普通図柄用LED29、各種ランプ等を制御する。このように構成することで、例えば図柄変動における音、ランプ、図柄表示装置15の演出タイミングの同調をはかることができる。このことから、サブ統合基板90はランプ・音声制御装置と言うこともできる。
【0042】
また、サブ統合基板90は、操作ボタン75の操作信号が入力される。詳細は後述するが、サブ統合基板90は、操作ボタン75の操作信号に応じてスピーカ5の音量を変更するので、音声制御装置に該当する。」

(イ)「【0053】
次に、操作ボタン75の操作と音量変更等と関係を説明する。
まず図4を参照してサブ統合基板90が実行する初期音量設定処理を説明する。この初期音量設定処理においては、サブ統合基板90は主制御装置30からの電源投入時であることを示す信号が入力されると(S1:YES)、音量変更処理により、スピーカ5から出力する音声の音量を初期音量に設定する(S3)。初期音量は、サブ統合基板90に設けられているホール用音量調整スイッチ(図示略)によって、遊技店が設定できる。
・・・
【0056】
このパチンコ機50においては、遊技状態や図柄の変動状態等に応じて、遊技者が操作ボタン75を操作することで音量を調整できる音量調節可能期間がある。そのための音量調整処理を図5に従って説明する。」

(ウ)「【0066】
一方、一定期間遊技が行われていないときには(T9?T10)、図柄表示装置15の表示がデモ表示になり、初期音量設定処理により音量変更処理が行われて音量が初期音量にされる(T10)。」

(エ)「【0114】
また、実施例では音量調整可能期間が特定変動の特定時以外の時であるが、デモ表示されている期間のみ音量調整が可能になるといった構成でもよい。上述したように変動表示中に音量調整する場合であると、音量表示、図柄、遊技球などを見なければならず遊技に集中できなくなってしまうおそれがあるが、デモ表示中であれば音量調整のみ行なえばよいので、通常中は遊技に集中できる。」

上記記載事項(ア)?(エ)より、以下の事項が導かれる。
なお、(e)?(d3)は、本願発明の構成E?D3に対応した事項を示している。
(e)(f)上記【0041】には「スピーカ5からの音声出力・・・音、・・・図柄表示装置15の演出タイミングの同調をはかることができる」と記載され、上記【0053】には「スピーカ5から出力する音声の音量を初期音量に設定する・・・サブ統合基板90に設けられているホール用音量調整スイッチ・・・遊技店が設定できる」と記載され、上記【0056】には「パチンコ機50において・・・遊技者が操作ボタン75を操作することで音量を調整できる音量調節可能期間」と記載され、上記【0114】には「音量調整可能期間」と記載されているから、上記【0056】の「音量調節可能期間」は「音量調整可能期間」の誤記であることは明らかであると共に、「ホール用音量調整スイッチ」と「操作ボタン75」とは異なるものであることは明らかであるから、引用例2には、スピーカ5から出力する音声は図柄表示装置15の演出タイミングと同期をはかることができるものであり、遊技店がスピーカ5から出力する音声の音量を初期音量に設定するサブ統合基板90に設けられているホール用音量調整スイッチと、ホール用音量調整スイッチとは異なる音量調整可能期間に遊技者が操作することで音量を調整できる操作ボタン75を備えるパチンコ機50が記載されている。

(d2)上記【0114】には「音量調整可能期間が・・・デモ表示されている期間のみ」と記載され、上記【0042】には「サブ統合基板90は、操作ボタン75の操作信号に応じてスピーカ5の音量を変更する」と記載されているから、引用例2には、音量調整可能期間がデモ表示されている期間のみであり、操作ボタン75の操作信号に応じてスピーカ5の音量を変更するサブ統合基板90が記載されている。

(d3)上記【0066】には「一定期間遊技が行われていないときには・・・音量が初期音量にされる」と記載され、上記【0053】には「サブ統合基板90が実行する初期音量設定処理」と記載されているから、引用例2には、一定期間遊技が行われていないときには、音量を初期音量にするサブ統合基板90が記載されている。

上記記載事項(ア)?(エ)及び上記(e)(f)?(d3)の認定事項から、引用例2には、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる(e?d3は、発明の構成を分説するため当審で付与した。)。
「e,f スピーカ5から出力する音声は図柄表示装置15の演出タイミングと同期をはかることができるものであり、遊技店がスピーカ5から出力する音声の音量を初期音量に設定するサブ統合基板90に設けられているホール用音量調整スイッチと、ホール用音量調整スイッチとは異なる音量調整可能期間に遊技者が操作することで音量を調整できる操作ボタン75を備えるパチンコ機50において、
d2 音量調整可能期間がデモ表示されている期間のみであり、操作ボタン75の操作信号に応じてスピーカ5の音量を変更するサブ統合基板90と、
d3 一定期間遊技が行われていないときには、音量を初期音量にするサブ統合基板90、を備えたパチンコ機50。」

3 引用例3
当審における拒絶の理由(平成31年2月4日付け拒絶理由通知書)に引用例3として引用された本願の出願遡及日前に頒布された特開2008-253577号公報(以下「引用例3」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。

(ア)「【0113】
また、本実施の形態の遊技機によれば、エラーコマンドを受信した際にすでにエラー報知をおこなっている他のエラーコマンドの方が、受信されたエラーコマンドよりも優先順位が高いあるいは同じである場合、エラー報知の実行中のエラーコマンドに基づく報知が終了した時点で、後から受信されたエラーコマンドの報知時間の計時中であれば、当該受信エラーコマンドに基づく報知を開始し、RAM213において計時される時間が満了するまでの間、後から受信されたエラーコマンドに基づく報知を継続しておこなうことができる。」

上記記載事項(ア)より、以下の事項が導かれる。
なお、(D61)は、本願発明の構成D61に対応した事項を示している。
「d61 エラー報知の実行中のエラーコマンドに基づく報知が終了した時点で、後から受信されたエラーコマンドの報知時間の計時中であれば、当該受信エラーコマンドに基づく報知を開始し、RAM213において計時される時間が満了するまでの間、後から受信されたエラーコマンドに基づく報知を継続しておこなう遊技機。」

第5 対比
本願発明と引用発明1とを対比する。

(a)引用発明1の「遊技機1にエラーが発生すると出力するエラー報知のためだけのエラー報知音」は、本願発明の「遊技機に対する異常状態を報知する報知音」に相当する。
また、引用発明1はd6として「進行中の演出にあった演出音の出力」という構成を有しているから、引用発明1の「演出に関する演出音」は、遊技(演出)の進行による演出音であるといえるので、本願発明の「遊技の進行による演出音」に相当する。
したがって、引用発明1の「遊技機1にエラーが発生すると出力するエラー報知のためだけのエラー報知音と、演出に関する演出音とを効果音として出力するスピーカ5y、6c」は、本願発明の「遊技機に対する異常状態を報知する報知音と、遊技の進行による演出音とを出力する複数の音声出力手段」に相当する。

(b)引用発明1の「演出表示装置27」は、本願発明の「演出表示手段」に相当する。

(c)引用発明1の「スピーカ5y、6cから出力される音量を調節するための音量設定スイッチ300」は、本願発明の「前記音声出力手段から出力する音量を調整可能な第1音量調整手段」に相当する。

(d)引用発明1の「演出表示装置27」は、演出表示を行うことは明らかであり、上記(a)において既に検討したように、引用発明1の「スピーカ5y、6c」が出力する「演出音」は、演出の進行による演出音であるといえる。
これらのことから、引用発明1の「演出表示装置27を駆動する演出制御基板230」と「スピーカ5y、6cを駆動するアンプ基板226」を制御する「サブ制御基板220」は、「演出表示装置27」と「スピーカ5y、6c」とを、演出の進行に基づいて制御するといえる。
したがって、引用発明1の「演出表示装置27を駆動する演出制御基板230と、スピーカ5y、6cを駆動するアンプ基板226を制御するサブ制御基板220」は、本願発明の「前記音声出力手段と前記演出表示手段とを演出の進行にもとづいて制御する演出制御手段」に相当する。

(e)(g)引用発明1の「遊技機1」と本願発明の「遊技機」とは、共に「遊技機」である点で一致する。

(f)引用発明1の「音量設定スイッチ300」は、「遊技機1の裏面にあるサブ制御基板ケース117の前面に設置されており(図5)、遊技ホールの管理者(店員)が」操作するものであるから、遊技者が操作することができないといえる。
しかしながら、引用発明1は「音量設定スイッチ300」(第1音量調整手段)と異なる「第2音量調整手段」を備えていない。
したがって、引用発明1の「音量設定スイッチ300は、遊技機1の裏面にあるサブ制御基板ケース117の前面に設置されており(図5)、遊技ホールの管理者(店員)が、この音量設定スイッチ300を操作」することは、本願発明の「前記第1音量調整手段と前記第2音量調整手段のうち、前記第1音量調整手段は、遊技者が操作することができない調整手段とされ」ることと、「前記第1音量調整手段は、遊技者が操作することができない調整手段とされ」る点で共通している。

(d1)引用発明1の「音量設定スイッチ300」は、上記(f)において既に検討したように、遊技ホールの管理者(店員)が」操作するものであるから、引用発明1の「効果音のボリュームのうちトータルボリュームについて、音量設定スイッチ300の状態に基づく4段階(「消音」、「小」音量、「中」音量、「大」音量の何れか)の設定」をすることは、本願発明の「前記第1音量調整手段が操作されたことにより該操作に応じて前記演出音の音量を設定する」ことに相当する。
したがって、引用発明1の「効果音のボリュームのうちトータルボリュームについて、音量設定スイッチ300の状態に基づく4段階(「消音」、「小」音量、「中」音量、「大」音量の何れか)の設定を決定して、変更を指示するサブ制御基板220のCPU221」は、本願発明の「前記第1音量調整手段が操作されたことにより該操作に応じて前記演出音の音量を設定する演出音音量設定制御手段」に相当する。

(d4)引用発明1の「エラー時用のボリュームテーブル」は、「エラーが発生する」ときに用いるものであり、上記(a)において既に検討したように、引用発明1の「エラー報知音」は「遊技機1にエラーが発生すると出力する」ものであり、引用発明1はd6として「所定時間経過後に終了するエラー報知音」という構成を有しているから、引用発明1の「エラー時用のボリュームテーブル」は、エラーが発生する異常状態の異常報知期間において、遊技機1の異常状態を報知するための報知音を出力するときに用いられるものであるといえる。
また、引用発明1の「エラー時用のボリュームテーブルでは、音量設定スイッチ300の全ての状態(スイッチ0?3)に対して「大」音量が対応付けられている」から、エラー報知音の音量は、音量設定スイッチ300で設定されている音量に依存することなく設定されるといえる。
したがって、引用発明1の「エラーが発生すると、エラー時用のボリュームテーブルでは、音量設定スイッチ300の全ての状態(スイッチ0?3)に対して「大」音量が対応付けられているので、音量設定スイッチ300の状態にかかわらず、トータルボリュームを「大」音量に設定するサブ制御基板220のCPU221」は、本願発明の「異常状態に基づく異常報知期間において前記遊技機に対する異常状態を報知するための前記報知音の音量を前記演出音音量設定制御手段で設定される音量に依存させることなく設定する報知音音量設定制御手段」に相当する。

(d5)上記(a)において既に検討したように、引用発明1の「エラー報知音」は「遊技機1にエラーが発生すると出力する」ものである。
したがって、引用発明1の「エラー報知の効果音指定信号を音源IC224に向かって出力するのと同時にタイマをセットしておき、所定時間の経過後にエラー報知を終了するサブ制御基板220のCPU221」は、本願発明の「前記遊技機に対する異常状態を報知する前記報知音が前記音声出力手段から出力される前記異常報知期間を所定期間経過したことによって終了させる報知期間終了手段」に相当する。

(d6)引用発明1は「エラー発生に伴い、・・・エラー報知音が出力され、所定時間経過後に終了するエラー報知音」という構成を有しているから、異常報知期間を有している。
また、引用発明1は「サブ制御基板220に搭載された音源IC224は、演出に関する様々な効果音データ(演出音データ)が割り当てられた演出用チャンネル(チャンネル0?6)と、・・・を有し、音源IC224が効果音データ信号を出力するとスピーカ5y,6cから効果音(演出音又はエラー報知音)が出力され」るから、引用発明1の「演出用チャンネル(チャンネル0?6)」で設定された音量が、「スピーカ5y,6c」から出力されるといえる。
そして、引用発明1の「演出用チャンネル(チャンネル0?6)」は「各チャンネルボリュームの設定を演出の進行に合わせて適宜変更するようになっている」と共に、引用発明1は「進行中の演出にあった演出音の出力を再開する」ものであるから、引用発明1は演出音の生成に関する音生成のスケジュールを管理するデータを有していることは明らかであり、引用発明1の「スピーカ5y,6c」(音声出力手段)から出力される演出音は、進行しているその音生成用スケジュールデータに従って出力されているといえる。
これらのことから、引用発明1の「サブ制御基板220に搭載された音源IC224は、演出に関する様々な効果音データ(演出音データ)が割り当てられた演出用チャンネル(チャンネル0?6)と、演出に用いられることのないエラー報知のためだけの効果音データ(エラー音データ)が割り当てられたエラー報知用チャンネル(チャンネル7)を有し、音源IC224が効果音データ信号を出力するとスピーカ5y,6cから効果音(演出音又はエラー報知音)が出力され、エラー発生に伴い、各チャンネルボリュームの設定を演出の進行に合わせて適宜変更するようになっている演出用チャンネル(チャンネル0?6)の、全てのチャンネルボリュームを「消音」に設定すると共に、エラー報知音が出力され」ることは、本願発明の「前記異常報知期間が発生した際に進行している音生成用スケジュールデータに従って前記音声出力手段から出力されていた前記演出音の音量を消音に変更設定」することに相当する。
それに、引用発明1のd5には「所定時間の経過後にエラー報知を終了する」と記載されているから、引用発明1の「エラー報知」は、「所定時間経過後に終了する」といえる。
しかしながら、上記(f)において既に検討したように、引用発明1は「音量設定スイッチ300」(第1音量調整手段)と異なる「第2音量調整手段」を備えていない。
このことから、引用発明1の「エラーが解除されて所定時間経過後に終了するエラー報知を終了すると、通常時用のボリュームテーブルを参照して、音量設定スイッチ300の状態(図13)に基づいて決定されたトータルボリュームの音量に設定され(図15のS224)」ることは、本願発明の「前記異常報知期間が前記報知期間終了手段によって所定期間経過し終了されると消音に変更設定されていた前記演出音の音量が前記異常報知期間発生以前に所定条件が成立していたかに応じて異なる音量で復旧設定されるように、前記所定条件が成立していない場合においては前記第1音量調整手段の操作に応じて設定されている音量に復旧設定し、前記所定条件が成立していた場合においては前記第2音量調整手段の操作に応じて前記演出音音量変更制御手段が設定していた音量に復旧させる」ことと、「前記異常報知期間が前記報知期間終了手段によって所定期間経過し終了されると消音に変更設定されていた前記演出音の音量が」「設定していた音量に復旧させる」ことである点で共通している。
さらに、引用発明1は「所定時間経過後に終了するエラー報知音の出力中も演出は進行するので、それに合わせて演出用チャンネルの各チャンネルボリュームの設定が変更される場合には、RAM222上の記憶は更新されていく」から、引用発明1のエラー発生に伴い「消音」に設定された演出音は、エラー報知から所定時間の経過後にエラー報知を終了するまで(異常報知期間の間)音生成用スケジュールデータの進行を停止することなく継続しているといえる。
このことから、引用発明1の「所定時間経過後に終了するエラー報知音の出力中も演出は進行するので、それに合わせて演出用チャンネルの各チャンネルボリュームの設定が変更される場合には、RAM222上の記憶は更新されていくが、音源IC224には新たな設定が伝達されないようになっており(図14のS210:yes)、その結果、音源IC224での設定は「消音」のまま維持され、エラー報知の終了と同時に演出の進行を確認し、進行中の演出にあった演出音の出力を再開するサブ制御基板220のCPU221」は、本願発明の「前記異常報知期間に亘って消音に変更設定される前記演出音の音生成用スケジュールデータの進行を前記異常報知期間の間も停止することなく進行を継続させることで、消音に変更設定された音量が復旧設定される際に所定期間分音生成用スケジュールデータが進行した状態で音生成用スケジュールデータに従って出力される演出音を復旧させる演出音進行継続制御手段」に相当する。
したがって、引用発明1の「サブ制御基板220に搭載された音源IC224は、演出に関する様々な効果音データ(演出音データ)が割り当てられた演出用チャンネル(チャンネル0?6)と、演出に用いられることのないエラー報知のためだけの効果音データ(エラー音データ)が割り当てられたエラー報知用チャンネル(チャンネル7)を有し、音源IC224が効果音データ信号を出力するとスピーカ5y,6cから効果音(演出音又はエラー報知音)が出力され、エラー発生に伴い、各チャンネルボリュームの設定を演出の進行に合わせて適宜変更するようになっている演出用チャンネル(チャンネル0?6)の、全てのチャンネルボリュームを「消音」に設定すると共に、エラー報知音が出力され、エラーが解除されて所定時間経過後に終了するエラー報知を終了すると、通常時用のボリュームテーブルを参照して、音量設定スイッチ300の状態(図13)に基づいて決定されたトータルボリュームの音量に設定され(図15のS224)、所定時間経過後に終了するエラー報知音の出力中も演出は進行するので、それに合わせて演出用チャンネルの各チャンネルボリュームの設定が変更される場合には、RAM222上の記憶は更新されていくが、音源IC224には新たな設定が伝達されないようになっており(図14のS210:yes)、その結果、音源IC224での設定は「消音」のまま維持され、エラー報知の終了と同時に演出の進行を確認し、進行中の演出にあった演出音の出力を再開するサブ制御基板220のCPU221」は、
本願発明の「前記異常報知期間が発生した際に進行している音生成用スケジュールデータに従って前記音声出力手段から出力されていた前記演出音の音量を消音に変更設定し、前記異常報知期間が前記報知期間終了手段によって所定期間経過し終了されると消音に変更設定されていた前記演出音の音量が前記異常報知期間発生以前に所定条件が成立していたかに応じて異なる音量で復旧設定されるように、前記所定条件が成立していない場合においては前記第1音量調整手段の操作に応じて設定されている音量に復旧設定し、前記所定条件が成立していた場合においては前記第2音量調整手段の操作に応じて前記演出音音量変更制御手段が設定していた音量に復旧させるとともに、前記異常報知期間に亘って消音に変更設定される前記演出音の音生成用スケジュールデータの進行を前記異常報知期間の間も停止することなく進行を継続させることで、消音に変更設定された音量が復旧設定される際に所定期間分音生成用スケジュールデータが進行した状態で音生成用スケジュールデータに従って出力される演出音を復旧させる演出音進行継続制御手段」と「前記異常報知期間が発生した際に進行している音生成用スケジュールデータに従って前記音声出力手段から出力されていた前記演出音の音量を消音に変更設定し、前記異常報知期間が前記報知期間終了手段によって所定期間経過し終了されると消音に変更設定されていた前記演出音の音量が設定していた音量に復旧させるとともに、前記異常報知期間に亘って消音に変更設定される前記演出音の音生成用スケジュールデータの進行を前記異常報知期間の間も停止することなく進行を継続させることで、消音に変更設定された音量が復旧設定される際に所定期間分音生成用スケジュールデータが進行した状態で音生成用スケジュールデータに従って出力される演出音を復旧させる演出音進行継続制御手段」である点で共通している。

(d7)引用発明1の「演出音及びエラー報知音を効果音としてスピーカ5y、6cから出力する演出を行うサブ制御基板220」は、本願発明の「前記演出音及び前記報知音を前記音声出力手段から出力する制御を実行する音出力実行制御手段」に相当する。

(d4)(d41)引用発明1は「第2音量調整手段」及び「演出音音量変更制御手段」を備えていない。
したがって、引用発明1の「サブ制御基板220のCPU221は、演出の進行中にエラーが発生すると、演出のための効果音(演出音)は全て消音されて、エラー報知のための効果音(エラー報知音)のみが「最大」音量(トータルボリューム「大」、チャンネルボリューム「大」)で出力される」ことは、本願発明の「前記報知音音量設定制御手段は、前記演出音音量設定制御手段が前記第1音量調整手段の操作に応じて前記演出音の音量を小さく設定している状態又は前記演出音音量変更制御手段が前記第2音量調整手段の操作に応じて前記演出音音量設定制御手段が設定した前記演出音の音量を小さく変更している状態であっても、前記異常報知期間においては、当該演出音の音量と比べて大きい音量を前記報知音の音量として設定」することと、「前記報知音音量設定制御手段は、前記演出音音量設定制御手段が前記第1音量調整手段の操作に応じて前記演出音の音量を小さく設定している状態であっても、前記異常報知期間においては、当該演出音の音量と比べて大きい音量を前記報知音の音量として設定」する点で共通している。

(d71)引用発明1は、「エラーが発生したら」「演出音を出力しないようにする(消音させる)とともに」「演出に用いられることのないエラー報知のためだけのエラー報知音だけが「大」音量で出力される」ようにしているが、「エラー報知音」のデータに、「演出音」の「消音」のデータを加えて出力しているか、不明である。
したがって、引用発明1の「エラーが発生したら、所定時間経過後に終了するエラー報知となり、演出用チャンネルのチャンネルボリュームを全て「消音」に設定して、演出音を出力しないようにする(消音させる)とともに、「大」音量に設定されたエラー報知用チャンネルを指定し、演出の進行中にエラーが発生しても、演出に用いられることのないエラー報知のためだけのエラー報知音だけが「大」音量で出力される」ことは、本願発明の「前記異常報知期間においては、前記異常報知期間以外に出力しない前記報知音の音データに消音に設定された前記演出音の音データを加えて出力することで前記報知音を前記音声出力手段から出力し聴取可能にしている」ことと、「前記異常報知期間においては、前記異常報知期間以外に出力しない前記報知音の音データ」を「出力することで前記報知音を前記音声出力手段から出力し聴取可能にしている」点で共通している。

上記(a)?(g)から、本願発明と引用発明1とは、
[一致点]
「A 遊技機に対する異常状態を報知する報知音と、遊技の進行による演出音とを出力する複数の音声出力手段と、
B 演出表示手段と、
C 前記音声出力手段から出力する音量を調整可能な第1音量調整手段と、
D 前記音声出力手段と前記演出表示手段とを演出の進行にもとづいて制御する演出制御手段と、
E’ を備える遊技機において、
F’ 前記第1音量調整手段は、遊技者が操作することができない調整手段とされ、
D 前記演出制御手段は、
D1 前記第1音量調整手段が操作されたことにより該操作に応じて前記演出音の音量を設定する演出音音量設定制御手段と、
D4 異常状態に基づく異常報知期間において前記遊技機に対する異常状態を報知するための前記報知音の音量を前記演出音音量設定制御手段で設定される音量に依存させることなく設定する報知音音量設定制御手段と、
D5 前記遊技機に対する異常状態を報知する前記報知音が前記音声出力手段から出力される前記異常報知期間を所定期間経過したことによって終了させる報知期間終了手段と、
D6’ 前記異常報知期間が発生した際に進行している音生成用スケジュールデータに従って前記音声出力手段から出力されていた前記演出音の音量を消音に変更設定し、前記異常報知期間が前記報知期間終了手段によって所定期間経過し終了されると消音に変更設定されていた前記演出音の音量が設定していた音量に復旧させるとともに、前記異常報知期間に亘って消音に変更設定される前記演出音の音生成用スケジュールデータの進行を前記異常報知期間の間も停止することなく進行を継続させることで、消音に変更設定された音量が復旧設定される際に所定期間分音生成用スケジュールデータが進行した状態で音生成用スケジュールデータに従って出力される演出音を復旧させる演出音進行継続制御手段と、
D7 前記演出音及び前記報知音を前記音声出力手段から出力する制御を実行する音出力実行制御手段と、を備え、
D4 前記報知音音量設定制御手段は、
D41’ 前記演出音音量設定制御手段が前記第1音量調整手段の操作に応じて前記演出音の音量を小さく設定している状態であっても、前記異常報知期間においては、当該演出音の音量と比べて大きい音量を前記報知音の音量として設定し、
D7 前記音出力実行制御手段は、
D71’ 前記異常報知期間においては、前記異常報知期間以外に出力しない前記報知音の音データを出力することで前記報知音を前記音声出力手段から出力し聴取可能にしている
G 遊技機。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点1](構成E、F)
本願発明は「前記音声出力手段から出力する音量を調整可能な前記第1音量調整手段とは異なる第2音量調整手段」を備えると共に、「前記第1音量調整手段」が「前記第1音量調整手段と前記第2音量調整手段のうち」であるという構成を備えるのに対して、
引用発明1は、そのような構成でない点。

[相違点2](構成D2)
本願発明は「前記演出表示手段が待機状態とされている期間において、遊技者が操作可能な前記第2音量調整手段が操作されたことにより該操作に応じて前記演出音音量設定制御手段が設定した前記演出音の音量を変更する演出音音量変更制御手段」を備えるのに対して、
引用発明1は、そのような構成でない点。

[相違点3](構成D3)
本願発明は「初期化条件が成立したときに、前記演出音音量変更制御手段により変更された前記演出音の音量を遊技者の設定によらない初期音量とする演出音初期化制御手段」を備えるのに対して、
引用発明1は、そのような構成でない点。

[相違点4](構成D6)
「前記異常報知期間が発生した際に進行している音生成用スケジュールデータに従って前記音声出力手段から出力されていた前記演出音の音量を消音に変更設定し、前記異常報知期間が前記報知期間終了手段によって所定期間経過し終了されると消音に変更設定されていた前記演出音の音量」を「設定していた音量に復旧させるとともに、前記異常報知期間に亘って消音に変更設定される前記演出音の音生成用スケジュールデータの進行を前記異常報知期間の間も停止することなく進行を継続させることで、消音に変更設定された音量が復旧設定される際に所定期間分音生成用スケジュールデータが進行した状態で音生成用スケジュールデータに従って出力される演出音を復旧させる演出音進行継続制御手段」に関して、
本願発明は、「消音に変更設定されていた前記演出音の音量が前記異常報知期間発生以前に所定条件が成立していたかに応じて異なる音量で復旧設定されるように、前記所定条件が成立していない場合においては前記第1音量調整手段の操作に応じて設定されている音量に復旧設定し、前記所定条件が成立していた場合においては前記第2音量調整手段の操作に応じて前記演出音音量変更制御手段が設定していた音量に復旧させる」のに対して、
引用発明1は、「第2音量調整手段」に相当する手段がないため、そのような構成でない点。

[相違点5](構成D41)
「前記第1音量調整手段の操作に応じて前記演出音の音量を小さく設定している状態」のときに「前記異常報知期間においては、当該演出音の音量と比べて大きい音量を前記報知音の音量として設定」する「前記演出音音量設定制御手段」に関して、
本願発明は「前記演出音音量変更制御手段が前記第2音量調整手段の操作に応じて前記演出音音量設定制御手段が設定した前記演出音の音量を小さく変更している状態であっても」「当該演出音の音量と比べて大きい音量を前記報知音の音量として設定」するのに対して、
引用発明1は、「第2音量調整手段」及び「演出音音量変更制御手段」に相当する手段がないため、そのような状態のときに、設定する構成でない点。

[相違点6](構成D61)
本願発明は「前記異常報知期間において所定期間経過する前に新たな異常が発生した場合、新たな異常が発生する前の異常状態が解除されても当該新たな異常が継続している場合には、消音にされた前記演出音の音量を復旧することなく、当該新たな異常に対する異常報知を継続」するのに対して、
引用発明1は、そのような構成であるのか不明である点。

[相違点7](構成D71)
「前記音出力実行制御手段」が「出力することで前記報知音を前記音声出力手段から出力し聴取可能にしている」「消音にされた前記報知音の音データ」に関して、
本願発明は「前記報知音の音データに消音にされた前記演出音の音データを加えて」いるのに対して、
引用発明1は、そのような構成であるか不明である点。

以下、上記相違点について検討する。

(1)相違点1?3について
相違点1?3は、関連するのでまとめて検討する。

上記第4 2において既に検討したように、引用例2には次の引用発明2が記載されている。
「e,f スピーカ5から出力する音声は図柄表示装置15の演出タイミングと同期をはかることができるものであり、遊技店がスピーカ5から出力する音声の音量を初期音量に設定するサブ統合基板90に設けられているホール用音量調整スイッチと、ホール用音量調整スイッチとは異なる音量調整可能期間に遊技者が操作することで音量を調整できる操作ボタン75を備えるパチンコ機50において、
d2 音量調整可能期間がデモ表示されている期間のみであり、操作ボタン75の操作信号に応じてスピーカ5の音量を変更するサブ統合基板90と、
d3 一定期間遊技が行われていないときには、音量を初期音量にするサブ統合基板90、を備えたパチンコ機50。」
ここで、引用発明2の「スピーカ5」、「サブ統合基板90に設けられているホール用音量調整スイッチ」、「遊技者が操作することで音量を調整できる操作ボタン75」、「デモ表示されている期間」、「音量を変更するサブ統合基板90」、「前記演出表示手段が待機状態とされている期間」及び「音量を初期音量にするサブ統合基板90」は、本願発明の「音声出力手段」、「第1音量調整手段」、「第2音量調整手段」、「所定の条件が成立しているとき」、「演出音音量変更制御手段」、「初期化条件が成立したとき」及び「演出音初期化制御手段」に相当する。
また、引用発明2は「スピーカ5から出力する音声は図柄表示装置15の演出タイミングと同期をはかることができるもの」であり、演出に関する音声が出力されているといえるから、引用発明2の「音声」は演出音であるといえる。
そして、引用発明2のd2の「操作ボタン75の操作信号に応じてスピーカ5の音量を変更するサブ統合基板90」は、「ホール用音量調整スイッチ」(第1音量調整手段)の操作により設定された音量を変更することは明らかである。
さらに、引用発明2のe,fには「遊技店がスピーカ5から出力する音声の音量を初期音量に設定する、サブ統合基板90に設けられているホール用音量調整スイッチ」と記載されているから、引用発明2のd3の「音量を初期音量にするサブ統合基板90」の「初期音量」は、遊技者が設定できない「ホール用音量調整スイッチ」により設定される音量である。
これらのことから、引用発明2は、相違点1?3に係る本願発明の構成を備えるといえる。
また、引用発明1と引用発明2とは、共に音量調整手段を設けた遊技機の技術であり、技術分野及び機能が共通している。
したがって、引用発明1の「遊技機1」に引用発明2を適用して、上記相違点1?3に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

(2)相違点4について
引用発明1はd6として「エラーが解除されて所定時間経過後に終了するエラー報知を終了すると、通常時用のボリュームテーブルを参照して、音量設定スイッチ300の状態(図13)に基づいて決定されたトータルボリュームの音量に設定」する構成を有している。このことから、引用発明1に引用発明2の「遊技者が操作することで音量を調整できる操作ボタン75」(第2音量調整手段)を適用した発明において、「操作ボタン75」(第2音量調整手段)が操作されなかった場合、エラー終了後の演出音の音量は、「音量設定スイッチ300」(第1音量調整手段)によって設定されたトータルボリュームの音量であるといえると共に、「操作ボタン75」(第2音量調整手段)が操作された場合、エラー終了後の演出音の音量は、「操作ボタン75」(第2音量調整手段)によって変更された音生成用トータルボリュームの音量であるといえる。
また、引用発明1はd6として「エラー報知の終了と同時に演出の進行を確認し、進行中の演出にあった演出音の出力を再開する」構成を有しているところ、進行中の演出にあった演出音の出力を再開するのであれば、エラー報知音の出力直前の音量で演出音の出力を再開するのが遊技者に違和感を与えることなく自然であることは明らかである。
したがって、上記「(1)相違点1?3について」において既に検討したように、引用発明1に引用発明2を適用した場合、エラー報知の所定時間の経過後に再開される演出音を、エラー報知の所定時間が発生する以前に「操作ボタン75」(第2音量調整手段)が操作されなかった場合、エラー終了後の演出音の音量を「音量設定スイッチ300」(第1音量調整手段)によって設定された音生成用トータルボリュームの音量になるようにし、エラー報知の所定時間が発生する以前に「操作ボタン75」(第2音量調整手段)が操作された場合、エラー終了後の演出音の音量を「操作ボタン75」(第2音量調整手段)によって変更されたトータルボリュームの音量になるようにして、上記相違点4に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

仮に、本願発明の「音生成用スケジュールデータ」が音生成専用の「音生成用スケジュールデータ」を意味し、上記[相違点4]に、「スケジュールデータ」に関して、本願発明は「音生成用スケジュールデータ」であるのに対して、引用発明は「音生成用」であるか不明な点、が加わったとしても、引用発明は「スケジュールデータ」を有しており、その「スケジュールデータ」に関して、音生成専用の「音生成用スケジュールデータ」として設ける構成とするかどうかは、当業者が適宜選択することができる設計的事項にすぎない。
したがって、上記相違点4に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

(3)相違点5について
引用発明1は、「d41 演出の進行中にエラーが発生すると、演出のための効果音(演出音)は全て消音されて、エラー報知のための効果音(エラー報知音)のみが「最大」音量(トータルボリューム「大」、チャンネルボリューム「大」)で出力される」ものであるので、上記「(1)相違点1?3について」で検討したように、引用発明1に引用発明2を適用した発明(引用発明1に引用発明2の「遊技者が操作することで音量を調整できる操作ボタン75」(第2音量調整手段)を適用した発明)においても、遊技者が「操作ボタン75」(第2音量調整手段)により調整した音量にかかわらず、「エラーが発生すると、演出のための効果音(演出音)は全て消音されて、エラー報知のための効果音(エラー報知音)のみが「最大」音量(トータルボリューム「大」、チャンネルボリューム「大」)で出力される」ようにして、上記相違点5に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

(4)相違点6について
引用例3には、次の発明(以下「引用発明3」という。)が記載されている。
「d61 エラー報知の実行中のエラーコマンドに基づく報知が終了した時点で、後から受信されたエラーコマンドの報知時間の計時中であれば、当該受信エラーコマンドに基づく報知を開始し、RAM213において計時される時間が満了するまでの間、後から受信されたエラーコマンドに基づく報知を継続しておこなう遊技機。」
引用発明1と引用発明3とは、共にエラー報知を行う遊技機の技術であり、技術分野及び機能が共通している。
引用発明1の「遊技機1」に引用発明3を適用して、上記相違点6に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

(5)相違点7について
遊技機において、演出音と警告音とを同時に出力可能な音出力手段は、特開2011-142953号公報(以下「引用例4」という。)[演出音出力信号と報知音出力信号とを合成して放音する(【0007】)遊技機(【0017】)が記載されている。]、特開2009-34354号公報[ボーナス中楽曲の再生中にエラーが発生したときでも、ボーナス中楽曲の再生を継続する(【0337】)遊技機(【0001】)が記載されている。]、特開2004-215805号公報[音楽と警報音とを同時に出力可能となっている(【0028】)遊技機(【0018】)が記載されている。]に記載されているように周知(以下、「周知技術1」という。)である。
また、演出音と警告音などの複数の音声を合成して出力することも、一例として、引用例4の[演出音出力信号と報知音出力信号とを合成して放音する(【0007】)遊技機(【0017】)が記載されている。]に記載されているように周知(以下、「周知技術2」という。)である。
引用発明1において上記周知技術1?2を適用して、エラー報知音を出力する際に、「消音」に設定された演出音を加えて出力するようにして、上記相違点7に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たものである。

よって、本願発明は、引用発明1?3及び上記周知技術1?2に基づいて、当業者が容易になし得たものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。

第6 請求人の主張について
審判請求人は、平成31年4月8日付け意見書において、実質的に相違点4に対して、次のとおり主張している。

「[4]本願発明が特許審決されるべき発明であることについて
審判合議体の「引用発明1はスケジュールデータを有しているといえ、引用発明1の「スピーカ5y,6c」(音声出力手段)から出力される演出音は、進行しているスケジュールデータに従って出力されているといえる。」というご認定に鑑み、補正前の「スケジュールデータ」を「音生成用スケジュールデータ」とする補正(第1補正事項による補正)を行いました。
これにより、本願発明の「スケジュールデータ」が遊技機の演出全体として演出コマンドによって進行している所謂1変動内の演出の進行を特定しているものでなく、演出コマンドによって進行が開始された演出音の進行を特定しているものであることが明確になったものと思料いたします。つまり、補正後の本願発明は換言すれば演出コマンドによって進行が開始された演出音を消音に変更しても終了まで進行させる(出し切る)ものであります。

補正後に本願発明のように、消音に変更設定された演出音の「音生成用スケジュールデータ」の進行を停止することなく継続させることで、消音に変更設定された演出音の音量を復旧設定するだけで消音に変更設定されていた所定期間分音生成用スケジュールデータが進行した状態で演出音が復旧されるようになります。つまり、消音にされた演出音を復旧する際にどの程度進行しているか演出コマンドなどにより事前に特定する必要もなく、遊技者に違和感を与えることなくより容易に消音に変更設定された演出音を消音している期間分進行した状態で復旧させることが可能になります。

これに対して、引用例1は審判合議体がご認定されている通り「引用発明1はスケジュールデータを有しているといえ、引用発明1の「スピーカ5y,6c」(音声出力手段)から出力される演出音は、進行しているスケジュールデータに従って出力されているといえる。」ものではありますが、審判合議体もご認定されている通り「所定時間経過後に終了するエラー報知音の出力中も演出は進行するので、それに合わせて演出用チャンネルの各チャンネルボリュームの設定が変更される場合には、RAM222上の記憶は更新されていく([0094]、[0104]に記載)」ものであるとともに、「エラー報知の終了と同時に演出の進行を確認し、進行中の演出にあった演出音の出力を再開する([0111]に記載)」ものであり、具体的には、段落[0089]に「サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200から受信した演出コマンドを解析することで、その演出コマンドに対応する演出の実行時における音量の変更時期や変更後の音量を特定することができる。」と記載されております。
つまり、引用例1は「演出コマンドから音量の変更時期や変更後の音量を事前に特定するとともに(段落[0089])、特定した変更後の音量などをエラー報知音の出力中に事前に記憶し(段落[0094]、[0101])、エラー報知の終了と同時に演出の進行を演出コマンドによって確認し、確認した演出にあうように事前に記憶した変更後の音量で出力を再開する(段落[0111])」ものであることが明らかであります。

以上のことから、審判合議体が引用例1において「スケジュールデータ」としてご認定されているものは「サブ制御基板220のCPU221が主制御基板200から受信した演出コマンド」によって実行されている遊技機の演出全体として演出コマンドによって進行している所謂1変動内の演出の進行であり、演出コマンドによって進行が開始された演出音を終了まで進行させる補正後の本願発明と明らかに異なります。

前述した通り、補正後の本願発明は『音量が消音に変更設定されている間(エラー報知中)も演出コマンドによって進行が開始された「音生成用スケジュールデータ」を停止することなく進行させているため、エラー報知の終了時に消音とされていた音量を復旧設定するだけで、消音に変更されている期間分進行した状態で演出音を復旧させることが可能』な発明であり、引用例1のように演出コマンドからエラー報知の終了時の音量を事前に特定し記憶する必要がない発明であります。
つまり、引用例1には補正後の本願発明の第1補正事項により補正した構成について一切開示も示唆もされておりません。同様に、引用例2-6においても補正後の本願発明の第1補正事項により補正した構成について一切開示も示唆もされておりません。
したがいまして、当業者であっても主引用文献である引用例1および引用例2-6から第1補正事項により補正した構成を有する補正後の本願発明を想到することはなく、補正後の本願発明が奏しえることが可能な「エラー報知の終了時に消音とされていた音量を復旧設定するだけで、消音に変更されている期間分進行した状態で演出音を復旧させる」という本願特有の効果も奏しえることは出来ません。
このため、引用例1-6の記載により進歩性がなく特許を受けることができないとする拒絶の理由は解消されているものと思料いたします。」

以下、上記主張について検討する。

平成31年4月8日付け手続補正書における請求項1に関する補正は、特定事項D6に関する補正のみであり、補正内容は以下の(A)?(C)である(下線は、補正箇所を示す。)。
(A)「スケジュールデータ」という記載を「音生成用スケジュールデータ」にする補正。
(B)「前記演出音に対応するスケジュールデータ」という記載を「前記演出音の音生成用スケジュールデータ」にする補正。
(C)「所定期間分スケジュールデータが進行した状態で音生成用スケジュールデータに対応する演出音」という記載を「所定期間分音生成用スケジュールデータが進行した状態で音生成用スケジュールデータに従って出力される演出音」にする補正。

上記平成31年4月8日付け手続補正書における請求項1(特定事項D6)に関する補正は、実質的には「スケジュールデータ」という記載を、「音生成用スケジュールデータ」にする補正であり、「演出コマンド」という記載を追加する補正ではなく、「スケジュールデータ」が「演出コマンド」によって進行が開始されることを具体的に限定する補正でもなく、「演出コマンド」によって進行が開始された演出音を終了まで進行させることを具体的に限定する補正でもない。
また、本願発明には、「スケジュールデータ」が「演出コマンド」によって進行が開始されることを具体的に特定した記載はなく、「演出コマンド」によって進行が開始された演出音を終了まで進行させることを具体的に特定した記載はない。
したがって、請求人の(a)「補正前の『スケジュールデータ』を『音生成用スケジュールデータ』とする補正(第1補正事項による補正)を行いました。これにより、本願発明の『スケジュールデータ』が遊技機の演出全体として演出コマンドによって進行している所謂1変動内の演出の進行を特定しているものでなく、演出コマンドによって進行が開始された演出音の進行を特定しているものであることが明確になったものと思料いたします。つまり、補正後の本願発明は換言すれば演出コマンドによって進行が開始された演出音を消音に変更しても終了まで進行させる(出し切る)ものであります。」との主張、(b)「以上のことから、審判合議体が引用例1において『スケジュールデータ』としてご認定されているものは『サブ制御基板220のCPU221が主制御基板200から受信した演出コマンド』によって実行されている遊技機の演出全体として演出コマンドによって進行している所謂1変動内の演出の進行であり、演出コマンドによって進行が開始された演出音を終了まで進行させる補正後の本願発明と明らかに異なります。」との主張は、平成31年4月8日付け手続補正書の補正により特定される内容に基づく主張ではない。

また、請求人は、引用例1について「具体的には、段落[0089]に『サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200から受信した演出コマンドを解析することで、その演出コマンドに対応する演出の実行時における音量の変更時期や変更後の音量を特定することができる。』と記載されております。」と主張しているが、段落【0089】の「演出の実行時における音量の変更時期や変更後の音量」は、演出音の音量を大きくするか、小さくするか、に関する記載であり、どの演出音の後にどの演出音を出力するかというスケジュールデータの記載ではない。
しかも、段落【0089】の「演出の実行時における音量の変更」は、「音量設定スイッチ300」(第1音量調整手段)によって変更されるものではなく、演出の進行に伴ってボリューム設定の変更を行う(【0089】)ものであり、本願発明の「第1音量調整手段」に対応する「音量設定スイッチ300」により変更される「トータルボリュームの設定」(【0100】)に関するものではない。

そして、請求人は「引用例1のように演出コマンドからエラー報知の終了時の音量を事前に特定し記憶する必要がない発明であります。」と主張する。
しかしながら、引用発明において、記憶するのは「演出の進行に合わせて適宜変更するようになっている演出用チャンネル(チャンネル0?6)」のボリュームであり、本願発明の「第1音量調整手段」に対応する「音量設定スイッチ300」(第1音量調整手段)により変更される「トータルボリューム(の設定)」(【0100】)ではなく、「音量設定スイッチ300」(第1音量調整手段)による「トータルボリュームの設定」は、エラー報知の終了時の音量を事前に特定し記憶する必要はない。
したがって、引用発明も、補正後の本願発明と同様の「音量が消音に変更設定されている間(エラー報知中)も演出コマンドによって進行が開始された「音生成用スケジュールデータ」を停止することなく進行させているため、エラー報知の終了時に消音とされていた音量を復旧設定するだけで、消音に変更されている期間分進行した状態で演出音を復旧させることが可能」な発明である。

さらに、引用発明は、特定事項d6において「エラーが解除されて所定時間経過後に終了するエラー報知を終了すると、通常時用のボリュームテーブルを参照して、音量設定スイッチ300の状態(図13)に基づいて決定されたトータルボリュームの音量に設定され(図15のS224)」という特定事項を有しているから、引用発明は、請求人が「本願特有の効果」と主張する「エラー報知の終了時に消音とされていた音量を復旧設定するだけで、消音に変更されている期間分進行した状態で演出音を復旧させる」という効果も奏する。

しかも、上記第5(2)「相違点4について」において既に検討したように、上記相違点4に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことであるから、請求人の主張を採用することはできない。

第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、当業者が引用発明1?3及び上記周知技術1?2に基づいて容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
したがって、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2019-04-25 
結審通知日 2019-04-26 
審決日 2019-05-10 
出願番号 特願2016-110667(P2016-110667)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 進藤 利哉  
特許庁審判長 安久 司郎
特許庁審判官 瀬津 太朗
蔵野 いづみ
発明の名称 遊技機  
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